JP2017016087A - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材として低熱容量の無端ベルトを用い、紙幅の狭い小サイズの記録材を連続通紙するような場合でも、無端ベルトに当接する加圧部材の高温劣化を回避できる一方で該加圧部材が無端ベルトに回転駆動力を確実に与える。【解決手段】無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材に圧接して定着ニップを形成する回転可能な加圧部材とを備え、未定着画像を担持する記録材を前記定着ニップに通過させることにより記録材上の未定着画像を定着させる定着装置において、前記加圧部材が、その長手方向の端部に、前記ベルトに回転駆動力を与える高粘着領域を有し、前記ニップ形成部材が、その定着ニップ側の表面に延在して前記高粘着領域に対向する金属材を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置、及び該定着装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化、高速化についての市場要求が強くなってきている。
画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、未定着トナー画像を、画像転写方式若しくは直接方式により記録用紙、印刷紙、感光紙、静電記録紙等の記録材に形成する。記録材上の未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
このような定着装置における近年の課題としては以下のようなものがある。
・電源投入時等に常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)に達するまでに要する時間であるウォームアップ時間や、印刷要求を受けた後に印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間であるファーストプリント時間の更なる短縮化(課題1)。
・画像形成装置の高速化に伴い、単位時間当たりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷の始めに熱量が不足する、所謂温度落ち込みの問題(課題2)。
以上のような課題を解決するために、本願出願人は、可撓性を有する無端ベルト乃至フィルムと、該無端ベルトの内部で位置固定に設けられ且つ熱源により加熱されるパイプ状の金属熱伝導体と、無端ベルトを介して金属熱伝導体に当接して定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を備えて構成された定着装置を提案した(例えば特許文献1、特許文献2)。無端ベルトは、その内側に設けられたパイプ状の金属熱伝導体から熱を受けて全体的に加熱されると共に、加圧ローラの回転に伴って位置固定の金属熱伝導体の外周面を移動可能である。そして、定着ニップ部に突入した未定着トナー像を担持した記録材は、加熱された無端ベルトの熱により溶融されると共に、加圧ローラからの押圧力を受けつつ、加圧ローラの回転に伴って無端ベルトと共に搬送される。
しかしながら、このような定着装置では、位置固定された金属熱伝導体を加熱し、その加熱された金属熱伝導体から無端ベルトが熱を受け、いわば間接加熱方式になっており、伝熱効率の点で改善の余地がある。そこで、金属熱伝導体を取り除いて、低熱容量の無端ベルトを直接加熱する構成とした定着装置が開示され、既知となっている(例えば特許文献3)。この構成では、伝熱効率が大幅に向上し、消費電力を低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリント時間を更に短縮することを実現する。
しかしながら、低熱容量の無端ベルトを用いた定着構成の場合でも、所謂端部温度上昇の問題がある。これは、小サイズの記録材が通過する領域(通紙領域)では、記録材やこれに載る未定着トナーを加熱するために熱が消費されるが、非通紙領域では記録材等により熱が奪われないため、ベルトやニップ形成部材、その支持部材等に熱が蓄積し、この非通紙領域のニップ部の温度が、所定温度に維持管理される通紙領域のニップ部温度よりも高くなってしまう、という現象である。連続通紙時に発生する端部温度上昇では、定着装置内の部材が熱劣化する可能性があり、定着ニップ部においてベルトを介して熱移動を受ける加圧ローラも例外ではない。
また一方で、低熱容量の無端ベルトは極めて薄いフィルム状で、このような薄肉ベルトを定着ニップ部において安定して走行移動させるためには、その外周に当接する加圧ローラから無端ベルトに確実に駆動力が与えられる必要がある。そのためには加圧ローラの表面が滑り抵抗の高い材質で構成されているのが好ましいが、滑り抵抗が高いと表面粘着性も高くなる。表面粘着性が高いと、画像定着時に無端ベルトに残った残トナーが加圧ローラに付着し、後の画像定着時に通紙する記録材の裏面を汚してしまう問題を発生する。
そのため、画像定着時にトナーが存在し得る通紙領域における加圧ローラ中央領域には粘着性の低いテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブ等で表面コーティングし、端部領域ではソリッドゴムをむき出しにして高粘着領域として、加圧ローラ中央領域で不足する駆動力伝達を補うことが行われている。
高粘着領域形成のためにソリッドゴムを用いる場合、ゴムの粘性を得るためには或る程度温度を上げる必要があるが、熱源から直接加熱する構成であると、高粘着領域が長時間高温にさらされる場合がある。ソリッドゴムは過剰に高温にさらされると、その組織が硬化し粘着力が低下するだけでなく、最悪の場合、硬化が進行してゴムにクラックが生じて破損することもある。つまり、加圧ローラの高粘着領域は適当に加熱する必要があるが、過剰に高温状態が続くと不具合を生じるという問題があった。
そこで本発明は、定着部材として低熱容量の無端ベルトを用い、紙幅の狭い小サイズの記録材を連続通紙するような場合でも、無端ベルトに当接する加圧部材の高温劣化を回避できる一方で該加圧部材が無端ベルトに回転駆動力を確実に与えることができることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材に圧接して定着ニップを形成する回転可能な加圧部材とを備え、未定着画像を担持する記録材を前記定着ニップに通過させることにより記録材上の未定着画像を定着させる定着装置において、前記加圧部材が、その長手方向の端部に、前記ベルトに回転駆動力を与える高粘着領域を有し、前記ニップ形成部材が、その定着ニップ側の表面に延在して前記高粘着領域に対向する金属材を有する。
本発明によれば、定着ベルトに圧接するニップ形成部材の定着ニップ側表面に延在することで、定着ベルトの幅方向、即ち、ニップ形成部材の長手方向/軸方向における熱移動能を高める高熱伝導性の金属材によって、加圧部材の長手方向端部にある高粘着領域への熱供給が行われるので、該高粘着領域を適切に高め、そのグリップ性を確保することができる一方、小サイズ紙の連続通紙の際には、非通紙領域での過昇温状態を均熱部材によって回避し、加圧部材の端部高粘着領域において過剰高温状態が続くことを避けることができる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 定着装置の第1の実施形態を示す断面図である。 ニップ形成部材の構成を示す図である。 ニップ形成部材の分解図である。 ニップ形成部材の概略分解斜視図である。 本発明の実施の一形態における、ニップ形成部材/均熱部材、反射部材、ホルダのフランジ部、ヒータ、加圧ローラ及びその高粘着領域等の配置関係を示す図である。 ニップ側均熱部材の端部に切欠きを形成する場合のニップ形成部材の構成を示す図である。 図7に示すニップ形成部材の分解図である。 交換可能なグリップ部材を備えた加圧ローラの構成を示す断面図である。 図9に示す加圧ローラの斜視図である。 加圧ローラの端部グリップ部を交換可能にした別の構成を示す図であり、図11aは側面図、図11bはローラ端部の構成図である。 定着装置の第2の実施形態を示す断面図である。 各種サイズの用紙が定着処理される際の可動性の遮光部材の位置を示す図である。 定着装置の第3の実施形態を示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
ここに示した画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kが設けられている。各作像部4Y、4M、4C、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同じ構成となっている。
具体的に、各作像部4Y、4M、4C、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8等を備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付し、その他の作像部4Y、4M、4Cにおいては符号を省略している。
作像部4Y、4M、4C、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
作像部4Y、4M、4C、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36とを備える。更に、転写装置3は二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2M、2C、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けられている。ここで、記録材には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、周知のように、手差し給紙機構が設けられていてもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。更に、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
本実施形態に係るプリンタの基本的動作は次のようである。作像動作が開始されると、各作像部4Y、4M、4C、4Kにおける各感光体5が図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。各感光体5の表面は、その後、除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られて、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、そのニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーはプリンタ本体内に置かれた廃トナー収容器へと搬送され、回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
(定着装置の第1例)
図2は、定着装置20の第1の実施形態を示す概略的な断面構成図である。
定着装置20は、無端状のベルトである低熱容量の定着ベルト21と、定着ベルト21に、その外周側から当接する回転可能な加圧部材である加圧ローラ22と、定着ベルト21の内部(ループ内)に配され定着ベルト21を加熱するヒータ23とを有する。更に定着ベルト21の内部には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22とで定着ニップを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材25と、ヒータ23と支持部材25の間に配された反射部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ29を有する。支持部材25(ステーとも称する)やヒータ23は、その長手方向(軸方向)両端をホルダ26によって支えられている。ホルダ26による固定支持に代えて、定着装置20の側板に固定されていてもよい。また、ニップ形成部材24の定着ベルト21との摺動面に低摩擦材(摺動シート)が設けられていてもよい。
反射部材27は、高融点の金属材料等で構成され、少なくとも支持部材25のヒータ23に向いた面が、ヒータ23からの光を定着ベルト21へ反射するように鏡面状態に加工されており、ヒータ23からの輻射熱等により支持部材25等が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制する。
本実施形態において、ヒータ23は、小サイズ紙に対応した長手方向中央部に発熱領域を有するもの(23a)と、大サイズ紙に対応して長手方向両端部に発熱領域を有するもの(23b)との、2本構成となっており、長手方向端部用の加熱力は中央部用のものより強くなっている。端部用の加熱力を高くすることによって端部側の放熱による温度低下傾向を補う。ヒータは1本構成や3本構成もあり得、フィラメント/コイルの単位長さ当たりのコイル巻き数を調整する等して、熱源の発する熱量の多寡を調整する。熱源としては、ハロゲンヒータが一般的であるが、誘導加熱装置であっても良いし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であっても良い。また周知のように、定着装置20の用紙搬送方向下流側には、定着ベルト21から用紙Pを分離する分離部材が配されている。分離部材は、本願発明の構成と直接関係しないので、描写を割愛する。
更に周囲温度(室温)を検知する別の温度センサも設けられており、その検知温度に応じてウォーミングアップ時における加圧ローラ22の回転速度を定着動作時、したがって印刷動作時よりも遅くするように制御するようになっている。それは、後に詳述するように、均熱部材を備えるニップ形成部材24を介して加圧ローラ22を加熱する特徴的構成に起因している。即ち、加圧ローラを内部熱源や低熱容量の定着ベルト21を介したヒータ23から直接加熱するのと異なり、低温状態からの加熱時に加圧ローラ22の高粘着領域の温度上昇が鈍く、定着ベルト21との間でスリップを発生するリスクが増しているからである。スリップが発生すると定着ベルト21の回転が滞り、止まった定着ベルト21がヒータ23から局所加熱を受け、低熱容量の特性のため、単位時間当たりの昇温が異常な状態となって、定着ベルト21に熱的ダメージを及ぼす。このような事態を防止するため、低温状態からの加熱動作時には均熱部材が温まるまで加圧ローラ22の回転速度を遅くするのである。なお、ウォーミングアップ時であるか否かの認識は、周囲温度検知センサによる検知結果によらず、装置の作動履歴と経過時間からも知ることも可能である。
また検知された室温が、したがって定着装置自体の温度が低ければ低いほど、ウォーミングアップを、したがって加熱時間を長くとる必要があるので、遅い回転速度で加圧ローラ22を回転させる時間を長く保つようになっているのが好適である。例えば、定着装置が20℃の時の加熱の際には5秒でよかった低速回転時間を、定着装置が10℃の時には10秒とする具合に長く維持する。
定着ベルト21は、低熱容量化を図るため、フィルムのように薄肉で小径化した可撓性を有する無端状の部材で構成されている。材料的には、SUS等の金属材料やポリイミド(PI)等の樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFAやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で形成された外周側の離型層によって構成されている。基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。その弾性層の厚さを例えば100μmとすることで、未定着トナーを押しつぶして定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。そこで、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚みを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。
加圧ローラ22は、芯金と、芯金の表面に設けられたソリッドゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等から成る弾性層と、通紙想定最大用紙での通紙領域をカバーする弾性層の表面に設けられたPFAやPTFE等から成る離型層によって構成されている。通紙想定最大用紙の通紙領域より外側であって、離型層がなく弾性層がむき出しになった加圧ローラ22の端部領域が、高粘着領域であり、グリップ部とも称される。弾性層がむき出しになった高粘着領域は、定着ベルト21とで用紙Pを挟持する離型層よりもタック性が高く、摩擦係数が高い表面性状となっていて、グリップ性を確実に発揮することができる。そして、通紙領域の離型層が弾性層を幾らか押し込むように取り付けられているため、高粘着領域と通紙領域はそれぞれの外周面が軸方向において略平坦になっている。加圧ローラ22はスプリング等により定着ベルト側に押し付けられており、加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層が押しつぶされることで、所定幅の定着ニップが形成されている。なお、ここで通紙領域とは、定着ニップにおいて理想的な状態で用紙Pが通過する領域に、実際の装置機構における加圧ローラ22の軸方向のガタ分や、搬送される用紙Pの主走査方向(軸方向)の通紙位置のばらつき分を加えた領域を少なくとも含んでいる。
また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。定着ベルト21は定着ニップでニップ形成部材24と加圧ローラ22に挟み込まれて回転駆動力を与えられ、定着ニップ以外では、支持部材25やヒータ23と同じように、その幅方向両端をホルダ26(フランジ部26a)によって支えられている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。いずれにせよ、加圧ローラ22への熱供給は定着ベルト21のためのヒータ23によって行われる。該ヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外周に設けられた温度センサ29によるベルト表面の温度検知結果に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
定着ベルト21の幅方向に渡って長尺状に配されたニップ形成部材24が、支持部材25によって固定支持されることで、ニップ形成部材24に撓みが生じることを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようになっている。なお、ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定した定着ニップの状態を確保し、出力画質の安定化を図っている。
図3は、用紙搬送方向から見たニップ形成部材24の詳細構成を示す断面図(断面域は、図2の定着ニップの略中央であり、図の左右方向が長手方向で、図の上方がニップ側、下方が支持部材側である)で、図4はその分解図である。また、図3のニップ形成部材24の概略分解斜視図が図5である。
図3〜5に示すニップ形成部材24は、基材241と、定着ベルト21を介して加圧ローラ22に対向する定着ニップ側の均熱部材242と、支持部材側に延在する均熱部材243と、それらの中間に位置する均熱部材244で構成されている。なお、均熱部材は、定着ベルトの長手方向における熱移動を容易にする機能を有し、熱移動補助部材とも称される。
基材241は、図4,5に分解して示すように、中央部材241C、2つの端部材241T、2つの接続部材241Sからなっている。基材241には、一般的な耐熱性樹脂であるPES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEN(ポリエーテルニトリル)、PAI(ポリアミドイミド)等が用いられ、均熱部材よりも熱伝導率が低くなっている。
均熱部材242、243、244は、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の熱伝導率の高い金属材料で形成され、高熱伝導を確保している。ニップ側の均熱部材242は、定着ベルト21からの熱を直に(低摩擦部材を介在させている場合には該低摩擦部材を介して)受ける部材である。均熱部材242を用紙幅方向に配設して備えることにより、例えば小サイズ紙を連続通紙した場合に非通紙領域で定着ベルト温度が上昇したとしても、その熱を長手方向(用紙幅方向)に効率良く移動、拡散させることができる。一方、通紙前にあっては端部放熱による温度降下を長手方向中央から端部側への熱移動、熱拡散によってカバーすることができ、ひいては加圧ローラ、特に高粘着領域への熱供給を、長手方向にて温度分布が大きくなることを抑制しながら行うことが可能となる。
支持部材(ステー)側の均熱部材243は、支持部材25(図2)に接触するようにニップ形成部材24のニップと反対側の面に配置された均熱部材である。また、中間の均熱部材244は、支持部材側の均熱部材243と基材241(より正確には接続部材241S)の間に配置された均熱部材である。長手方向(定着ベルト回転軸方向)における中間の均熱部材244の位置は、小サイズ紙(例えばA4縦)を通紙した場合の用紙端部に対応している。即ち、中間の均熱部材244の中央側の端部が小サイズ紙通紙領域の端部と重なる(オーバーラップする)ように配置されている。このように配置された中間の均熱部材244により、小サイズ紙を連続通紙して通紙領域の端部付近で温度上昇が生じた場合でも、その熱を効率良く支持部材側の均熱部材243に伝達して、用紙幅方向及びニップ形成部材24の厚さ方向に拡散、吸熱できる。
なお、中間の均熱部材244を配置するために、その部分で基材241の厚さ(図の上下方向)を薄くしており、図示例では接続部材241Sと中間の均熱部材244を重ねた厚さが基材の中央部材241Cと等しくなっている。
ところで、各均熱部材は、全て厚みが大きければ大きい(厚い)ほど端部温度上昇を防止する効果も大きくなるが、厚くなりすぎるとウォーミングアップが遅くなり、またエネルギー効率も低下する。そのため、本例では、支持部材側の均熱部材243の厚さを2mm、中間の均熱部材244の厚さを1.5mm、ニップ側の均熱部材242の厚さを0.6mmとしている。また、基材241は、接続部材241Sの厚さが1mmであり、中央部材241Cの厚さは、接続部材241Sの厚さ+中間の均熱部材244の厚さである2.5mmとしている。またニップ形成部材24の長手方向長さ、即ち、均熱部材242、243の長さは、ヒータ23の、特に大サイズ紙に対応した長手方向両端部の発熱領域相当する範囲と、この発熱領域の長手方向外側の非発熱領域に相当する範囲とにまたがるようになっている。このような構成によって、ヒータの発熱領域に対応する定着ニップでの加熱領域で余剰となる熱を非加熱領域に移し、高粘着領域への加熱に利用できる。直接加熱する態様よりも低い熱量供給によって、高粘着領域での過剰な高温状態による不具合が回避される。また高粘着領域が高温の時には均熱部材242の長手方向端部の更に外側に熱を捨てることができることとなる。
なお、図3〜5では厚さ方向を長さ方向に対して誇張して描いている。また、図3〜5はニップ形成部材24の構成を説明するための模式図であり、長さ方向を含め、各部材の寸法は、実部材をそのまま縮小したものとは異なって描かれている。図3〜5の構成では、基材241を複数部材に分割し、また、中間の均熱部材244を設けた構成となっているが、基材や各均熱部材は、それぞれが分割された板形状の部材を用いることができ、凸部や凹部を有する一体の部材であっても良い。
ニップ形成部材24を、このような3層構造とすることに代えて、単板の均熱部材242だけで構成してもよい。ニップ形成部材24は支持部材25によって、その長手方向全体が支えられているので、3層構造の場合の均熱部材242を、その寸法のまま単盤として利用することもでき、材料の節約を図る一方で、定着ベルト21の内部空間に余裕を持たせることもできる。
図6は、ニップ形成部材24/均熱部材242、反射部材27、ホルダ26のフランジ部26a、ヒータ23a,23b、加圧ローラ22及びその高粘着領域22a等の配置関係を示す図である。なお、以下の説明において、定着ベルトの幅方向中央側を「幅方向内側」、定着ベルトの幅方向端部側を「幅方向外側」とも称する。
既述のように、均熱部材242/ニップ形成部材24の長さは、その両方の幅方向外側端部242outが、端部加熱用の端部ヒータ23bの発熱領域(ハロゲンヒータの場合、フィラメントが長手方向にわたって連続して密に巻かれることで構成される発熱部)の幅方向外側端部から、この発熱領域の更に幅方向外側の非発熱領域までの範囲に位置するように設定されている。またヒータ23による定着ベルト21への輻射効率を高めるための反射部材27の幅方向外側端面27outは端部ヒータ23bの発熱領域を全てカバーし、均熱部材242の軸方向外側端部242outより軸方向外側に位置し、均熱部材242と併せて端部の温度上昇効果を図っている。
なお、図7,8にも示すように、均熱部材242の軸方向外側端部242outの近傍に切欠き40が形成されていてもよい。この切欠き40に、基材241の端部材241Tに設けられた凸部241aが嵌め込まれ、これによりニップ形成部材24のニップ側の表面全面が平坦になるよう構成されている。切欠き40は均熱部材242が定着ベルト21に対して接触する面積を減らし、切欠き40が形成された箇所から軸方向外側への熱伝導機能を低くするだけでなく、高粘着領域(グリップ部)22aへの熱量供給量を制御して、朝一番の起動時等で熱が端部に流れ過ぎて温度ダレを生じることを抑制可能である。切欠き40の軸方向外側端部は高粘着領域22aの軸方向外側端部(加圧ローラ端部に同じ)より軸方向外側に、また軸方向内側端部は高粘着領域22aの軸方向内側端部に一致して設定されており、切欠きの軸方向内側端部が均熱部材242の実質的な外側端部となっていて、通紙想定最大用紙であるA3ノビサイズ紙(幅320mm)の通紙領域をカバーしている。また、端部ヒータ23bの端部を覆うように、固定遮光部材42が設けられている、高粘着領域22aより軸方向外側に位置することで均熱部材242と併せて端部の温度上昇効果を図っている。更に中央ヒータ23a、端部ヒータ23bの両端を保持するヒータ封止部23cが、固定遮光部材42や支持部材25と共にホルダ26のフランジ部26aに固定されており、そのためにフランジ部26aの内側端部は固定遮光部材42の外側端部やヒータ封止部23cよりも中央寄りに位置している。
上記の実施形態では、既述のように、離型層がなく弾性層をむき出しにすることで高粘着領域22aを形成しているが、経時的に摩擦係数が低下することに対応するべく、高粘着領域を交換可能にした別の構成例をここで説明する。
図9,10に示すように、加圧ローラ22は、先の実施形態でも説明したように、中実に形成されたその本体が、芯金22b上に弾性層22c、フッ素樹脂から成る離型層22dを順に積層して構成され、芯金22bの軸方向両端に延伸して設けられたローラ軸22eを有している。そして、弾性層22cの一部がグリップ部材50の内周部側まで軸方向に延設している。
高粘着領域を構成するグリップ部材50は、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属又はPPS、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の耐熱性樹脂を用いて少なくとも円筒形状に成形されたベース部材51と、ベース部材51の外周上にシリコーンゴム等を用いて形成された弾性層52とから構成されている。弾性層52を構成するシリコーンゴムに、比較的低弾性でタック性が高い材質のものが用いられる。なお、「少なくとも円筒形状」とは、円筒形状だけでなく、カップ形状も含むことを意味する。本例では、カップ形状のベース部材51を示している。なお、カップ形状のベース部材51には、カップの底部にローラ軸22eを通す穴が設けられている。
グリップ部材50は、加圧ローラ22に、ローラ部材として一体となるように固定されて、ローラ軸22eが回転駆動されることにより、グリップ部材50も加圧ローラ22の一部として回転し、当接する定着ベルト21にその駆動力を伝達する。本例では、ベース部材51のカップ底面にローラ軸22eを挿入可能なほぼ同径の穴を設け、更に両者に設けた回り止め用のキー溝を利用してローラ軸22eからグリップ部材50へ回転駆動を伝達させるようになっている。また、弾性層22cにおけるグリップ部材50の内周部側まで延伸した部分の外径とベース部材51のカップ内径を略同一径として圧入して加圧ローラ22の本体部とグリップ部材50を嵌合する構成としてもよい。なお、ローラ軸22eにCリング溝を設けておき、グリップ部材50を加圧ローラ22に装着した後にCリング溝にCリングを取り付けることで、グリップ部材50の軸方向の抜け止めとするとよい。
高粘着領域を交換可能にした更に別の例を図11に示す。加圧ローラ22の芯金22bの端部には、Hカット(小判形状)22fが施されている。また、図11aに示すように、端部グリップ部材60の芯金22bと嵌合する穴には、芯金22bのHカット22fに合うようなHカット63が施されている。この端部グリップ部材60の穴を、芯金22bに挿入することで周方向に固定される。更に、図11bに示すように、端部グリップ部材60の軸方向位置決めは、EリングやCリング等の固定部材64を用いることが望ましい。このような構成により、端部グリップ部材60は、加圧ローラ22に対して脱着可能であり、端部グリップ部材60のみを交換することができる。
以上のような構成の定着装置において、即ち、均熱部材を用いて高粘着領域を加熱する構成としても、非常に長時間印刷を継続する(連続通紙)と、高粘着領域が硬化促進される温度となる場合があり得る。そのような場合には、即ち、所定以上の連続通紙を行う場合には、通紙する用紙の通紙間隔を広げて、それによってヒータ23の単位時間当たりの出力を減少させることで、温度上昇を抑制して、高粘着領域の硬化に伴うグリップ性の低下を防ぐようにするのがよい。
(定着装置の第2例)
図12は、第2の実施形態に係る定着装置20’を示す概略的な断面構成図で、図2に対応するものである。第1の実施形態と同一の構成部分については、同じ符号を付して説明を割愛し、異なる点についてのみ説明する。
即ち、この定着装置20’は、定着ベルト21の内周側に、該ベルトに非接触で回動するように配置された遮光部材28を有する。この可動性の遮光部材28は、図13に示すように、段付き形状となっている。例えば、遮光部材28は、A3縦通紙時にA3縦用紙よりも外側のヒータ部分を覆って遮光する大サイズ用の下側部分28aと、A4縦通紙時にA4縦用紙よりも外側のヒータ部分を覆って遮光する小サイズ用の上側部分28bを備えている。そして、遮光部材28が基本的に通紙する用紙サイズに合わせて回転移動することで、加熱に不必要な輻射の領域を遮断する。
図13は、各種サイズの用紙が定着処理される際の可動性の遮光部材の位置を示す図である。図13aにおいて、通紙幅AはA3ノビサイズに対応する。このようなサイズの用紙の定着処理を行う場合、可動性の遮光部材28を最も開放する状態である待機位置に配置して、中央ヒータ23aと端部ヒータ23bの両方に通電し、軸方向中央側の発熱部h1と軸方向両端部側の発熱部h2を発熱させ、均熱部材242の端部までを温め、高粘着領域への熱供給も素早く行うようにする。図13bにおいて、通紙幅BはA3縦サイズに対応する。この場合、中央ヒータ23aと端部ヒータ23bの両方に通電して両方の発熱部h1,h2を発熱させるが、可動性の遮光部材28は、図13aに示す待機位置から図の上方へ少し移動した第1の遮蔽位置に配置される。これにより、端部ヒータ23bの発熱部h2のうち、通紙幅Bよりも外側の部分が遮光部材28によって覆われ、A3縦サイズの通紙幅Bに対応した範囲が加熱される。図13cにおいて、通紙幅CはA4縦サイズに対応する。この場合、中央ヒータ23aのみに通電して、軸方向中央側の発熱部h1を発熱させ、可動性の遮光部材28は図13bの位置から更に上方へ少し移動した第2の遮蔽位置に配置され、端部ヒータ23bの発熱部h2を覆う。このようにすることで、異なる用紙サイズを続けて定着処理する場合でも、端部ヒータ23bの通電を遮断するだけよりも、端部ヒータ23bの余熱も遮蔽することができ、定着ベルト21や加圧ローラ22への無駄な加熱を回避できる。なお、通紙幅Dはハガキサイズに対応し、中央ヒータ23aのみに通電して、軸方向中央側の発熱部h1を発熱させつつ、遮光部材28を図13cの位置から更に中央ヒータ23aの発熱部h1の両端を遮蔽することで、ハガキサイズの用紙の定着処理に対応させる。なお各種サイズの用紙を定着処理する際、ウォーミングアップが入る場合には、可動性の遮光部材28を図13aの待機位置にとどめて両ヒータを点灯して高粘着領域の温度を高め、しかる後に各サイズに合わせて可動性の遮光部材28を閉じる。そして連続通紙する場合には、高粘着領域が過剰に温度上昇して硬化につながることがないように、遮光部材28を徐々に閉じるようにしてもよい。
斜め遮光部分を利用して様々な紙幅に合わせた遮光を実現することも可能である。これによって、熱源の本数は通紙する想定サイズ全てに合わせて用意する必要がない(本例の場合、2本のヒータ23a,23bのみ)。可動性の遮光部材28があることにより、非通紙領域への直接加熱が制限される一方、均熱部材242、243、244による定着ベルト21の幅方向均熱化によって加圧ローラ22の高粘着領域を適切に加熱して粘性を確保することが容易である。
(定着装置の第3例)
図14は、第3の実施形態に係る定着装置20“を示す概略的な断面構成図で、図2,12に対応するものである。第1、第2の実施形態と同一の構成部分については、同じ符号を付して説明を割愛し、異なる点についてのみ説明する。この定着装置29”は定着ベルト21の内周側に空間的余裕がない場合に対応する構成であり、支持部材25とヒータ23の間に反射部材を設ける代わりに、支持部材25の、ヒータ23に向いた面に、ヒータ23からの光を定着ベルト21へ反射する鏡面処理を施すものである。このような鏡面処理によっても、ヒータ23からの輻射熱等により支持部材25等が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制できる。
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ
23 ヒータ
24 ニップ形成部材
25 支持部材
26 ホルダ
28 遮光部材
242、243、244 均熱部材
241 基材
特開2007−334205号公報 特開2009−3410号公報 特開2013−137470号公報

Claims (13)

  1. 無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材に圧接して定着ニップを形成する回転可能な加圧部材とを備え、未定着画像を担持する記録材を前記定着ニップに通過させることにより記録材上の未定着画像を定着させる定着装置において、
    前記加圧部材が、その長手方向の端部に、前記ベルトに回転駆動力を与える高粘着領域を有し、前記ニップ形成部材が、その定着ニップ側の表面に延在して前記高粘着領域に対向する金属材を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記金属材は、前記熱源の発熱領域に相当する範囲と、該発熱領域の長手方向外側の非発熱領域に相当する範囲とにまたがるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記高粘着領域が、通紙想定最大用紙の通紙領域より前記加圧部材の長手方向外側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記熱源の輻射を遮断する可動性の遮光部材を有し、ウォーミングアップ時には前記可動性の遮光部材を最も開放した状態とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. ウォーミングアップ時には、印刷動作時よりも前記加圧部材を遅い速度で回転することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 周囲温度が低いほど、遅い速度での回転時間を長く保つことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 連続通紙中に前記可動性の遮光部材を徐々に閉じることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  8. 所定以上の連続通紙を行う場合には記録材の通紙間隔を広げることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記金属材の長手方向両端部に切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 前記熱源の加熱力は、長手方向中央部よりも長手方向端部が強くなっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置。
  11. 前記熱源の長手方向外側端部の発熱領域に対する固定遮光部材が前記高粘着領域より前記加圧部材の長手方向外側に設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の定着装置。
  12. 反射部材が前記ベルト内で、前記熱源のベルトに面した側と反対側に設けられ、その長手方向外側端部が前記高粘着領域よりも外側にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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