JP2017016051A - 光量調節装置およびそれを用いた光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ND効果の効き始めも大きなムラを生じることなく、しかも最大透過率の低下をも抑制することができる光量調節装置およびそれを用いた光学装置を提供する。
【解決手段】光束有効部に対し、光学濃度が所定方向に連続的に変化するNDフィルタを前記光学濃度の変化が同一で逆相となるように2枚重ねて配置し、互いに反対の方向に移動させる光量調節装置であって、前記移動に伴う前記2枚のNDフィルタの光学濃度の変化をそれぞれ曲線状としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学濃度が所定方向に連続的に変化するグラデーションNDフィルタを有する光量調節装置およびそれを用いた光学装置に関する。
従来、2枚のグラデーションNDフィルタを使い、これらのフィルタを通る光の量を可変とする光量調節装置が提案されている(特許文献1)。図8を用いて、特許文献1の内容を説明する。図8に示す各々のグラデーションNDフィルタ(NDフィルタ)は、透過領域(光学濃度が0の領域)と、回転角に対し光学濃度が変化する領域を有している。図中線が密である程、光学濃度が濃い(透過率が低い)ことを示している。図8(B)に示す様に、2枚のNDフィルタは、有効な光束を通す領域で、互いの光学濃度変化が逆向きになる様に重ねて配置され、互いに逆方向に駆動される。
回転方向の位置に対する2枚のNDフィルタの光学濃度の変化は、回転角とある係数を持って線形(直線状)に変化する。この様に線形にすることで、有効な光束を通す領域(光束有効部:Wi)では、301の光学濃度と302の光学濃度の和が常に一定となり、有効な光束領域全体の透過率を均一に落とすことが出来る。
特開平2007−243928号公報
しかしながら、回転方向の位置に対する2枚のNDフィルタの光学濃度が直線状に変化する上述の従来技術では、NDフィルタが透過領域を持つ場合、以下に述べるような問題がある。すなわち、ND効果の効き始める時(透過領域部からグラデーションND部へと切り替わる時)に意図しない不均一性が現れる。これを、図9と図10を使って説明する。
図9は、円盤状のNDフィルタが、光学濃度を連続的に変化させる領域をどのくらいの距離(範囲)で取れるかを説明する図である。NDフィルタ303は、高さHの光束有効部(Wi)を満足する大きさである必要がある。図9において、有効光束部の幅はNDフィルタの放射方向(径方向)に取っている。NDフィルタの中心部には図示しない回転軸を想定し、NDフィルタの中心部は光束有効部の端部からαの距離を取っている。なお、高さHに関連する円弧と弦の間隔をβとしている。
即ち、図9において、光学濃度の不均一性を説明するのに、以下の式となる半径rcを取っている。
rc=(W/2)+α+β
このとき、HがW/2と仮定すると、高さHを弦の長さとする場合は光束有効部高さHを円周の長さとする場合に近似できるため、半径rcの全円周の長さ2πrcは、6.28(H+α+β)と近似される。ここで、α、βは正の値であるため、半径rcの全円周の長さは6Hより大きくなる(6倍以上の円の長さが取れる)。rc円周上に光束有効部の高さHの透過領域(透過率100%の領域)を設定した場合は、光学濃度が連続的に変化する領域(透過率100%以外の領域)は5Hの長さが取れることとなる。
しかし、実際はNDフィルタの中心付近(rcより小さい半径位置)でも透過領域(透過率100%の領域)を確保する必要があることから、5Hよりは短い長さとなる。
図10は、2枚のNDフィルタの重なり具合と光学濃度(D)の関係を示す図である。図では、2枚の各々のNDフィルタの透過領域と光学濃度が変化する領域の境界が光束有効部中心(Ob)で重なったことを表している。NDフィルタは、NDの効果を光学濃度2(透過率1%)程度まで与えようとした場合、Dfで示す光学濃度は1程度が必要で、ここでは1としている。
ここで、2枚のNDフィルタの中心角の絶対値と濃度の関係は同じである。つまり、グラフ上の連続直線は折り返すと重なる関係にある。光束有効部端Oaでは、NDフィルタ301の透過領域(光学濃度は0)と光学濃度D’eが重なっているため、2枚のNDフィルタの合成濃度はD’eである。同様に反対の光束有効部端Ocでも、合成濃度はD’eである。また、OaからOcへの中心角の差は半径rcの円の円周上で、前述の図9のほぼHに相当する。
上述したように、光学濃度の連続変化領域は、Hの5倍程度なのでこれを5倍と設定する。ObからOcへの中心角の差は半径rcの円の円周上でH/2に相当するので、D’eは、Df(光学濃度1)の1/10、つまり光学濃度0.1となる。図11は簡易的に図9のH方向の透過率変化をグラフ化したものである。中心と周辺で透過率が異なり、中心(光学濃度0、即ち透過率100%)と光束有効部の端(光学濃度0.1、即ち透過率約80%)では20%ものムラがあることが分かる。
上述したものはNDフィルタが透過領域を持つ場合であったが、次に、ND効果の効き始めの不均一性を回避するため、NDフィルタが透過領域を持たない場合が考えられる。以下、その際の課題について述べる。図12は、透過領域を持たないNDフィルタの例である。上述したように、透過領域を持たない円盤状のNDフィルタでは、連続可変領域を6H以上取れるが、ここでは仮の条件として、より有利な条件と考えられる連続可変領域が7Hの場合を説明する。
図12で、Dfは図10と同じ光学濃度1である。OaからOcへの中心角の差は半径rcの円の円周上でHに相当するので、D’’eの光学濃度は1/7=0.14である。ここで、Oaの位置で合成の光学濃度を考えると、光学濃度1/7と光学濃度0の和で1/7である。同様に、Ocの光学濃度も1/7である。また、光学濃度変化は線形であるので、Obの位置における光学濃度も1/7(光学濃度1/14=0.07と光学濃度1/14=0.07の和=0.14)である。
このとき、H方向の透過率変化をグラフ化したものを図13に示す。ムラなく画面内で均一になったものの、光学濃度が1/7であってNDフィルタの透過率は70%程となり、これが最大の透過率となる。
以上説明してきたように、従来の光学濃度を線形に変化させた2枚のNDフィルタを使った光量調節装置では、最大透過率を維持するため、透過領域を設定すると、ND効果の効き始めで大きなムラが生じる。一方、常にムラが起きないように透過領域を無くしてしまうと、最大透過率が大幅に低下するという課題があった。
本発明の目的は、ND効果の効き始めも大きなムラを生じることなく、しかも最大透過率の低下をも抑制することができる光量調節装置およびそれを用いた光学装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る光量調節装置は、光束有効部に対し、光学濃度が所定方向に連続的に変化するNDフィルタを前記光学濃度の変化が同一で逆相となるように2枚重ねて配置し、互いに反対の方向に移動させる光量調節装置であって、前記移動に伴う前記2枚のNDフィルタの光学濃度の変化をそれぞれ曲線状としたことを特徴とする。
また、本発明に係る光学装置は、上記光量調節装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、ND効果の効き始めも大きなムラを生じることなく、しかも最大透過率の低下をも抑制することができる。
本発明の実施形態に係る光量調整装置の模式図 第1の実施形態に係る光量調整装置の効果を説明する図 図2のWi内H方向の透過率変化をグラフ化した図 図2の2枚のグラデーションNDフィルタ(NDフィルタ)が各々逆方向にHの距離だけ進んだ状態を表した図 第2の実施形態に係る光量調整装置の効果を説明する図 第2の実施形態におけるWi内H方向の透過率変化をグラフ化した図 第3の実施形態として撮影装置に搭載される光量調整装置を説明する図 従来例の構成を示す説明図 従来例で円盤状のNDフィルタが、光学濃度を連続的に変化させる領域をどのくらいの距離(範囲)で取れるかを説明する図 従来例としてNDフィルタが透過領域を持つ場合の、2枚のNDフィルタの重なり具合と光学濃度(D)の関係を示す図 従来例としてNDフィルタが透過領域を持つ場合のH方向の透過率変化を示す図 従来例としてNDフィルタが透過領域を持たない場合の説明図 従来例としてNDフィルタが透過領域を持たない場合のH方向の透過率変化を示す図
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
以下、本発明の実施形態に係る光量調整装置の模式図としての図1を参照して、本発明の好ましい実施の形態を説明する。図1で、101は長方形部材に光学濃度が連続的に変化する処置(グラデーション)を施したグラデーションNDフィルタ(以下、NDフィルタ)である。102は、NDフィルタ101を紙面上180度回転した向きで配置したNDフィルタである。そのため、NDフィルタ102は、紙面下方向に向かって、NDフィルタ101と逆の光学濃度変化を有する。
そして、図1(B)に示す様に、光学濃度の変化が同一で逆相となるNDフィルタ101と102は、光束有効部Wiを包含するように2枚重ねて配置され、所定方向(図に示す矢印方向)に互いに反対の方向(互いに逆の直進方向)に直進する動きをする。
本実施形態のNDフィルタは、光学装置としての撮像装置(カメラ、ビデオカメラなど)における光量調整装置に用いられる部材として、図示しない対物レンズと撮像素子の間に配置するものである。このようなNDフィルタは、例えば、有機色素を含有するプラスチックからなるフィルムに、照射量を部分的に変化させながら高エネルギーの光を照射することにより、濃度分布をもったNDフィルタとして作成することができる。
また、真空蒸着法等においては、スリット型マスクを使った方法が知られている。具体的には、基板とスリット型マスクとの間隔を一定に保つようにして、基板に対しスリット型マスクを設ける。スリット型マスクを該基板と一体的にドーム上を移動させると、成膜蒸着源と基板との位置関係から、該基板に蒸着させる蒸着粒子が該スリット型マスクを通過して基板に到達できたり、スリット型マスクに遮られ基板まで到達できなかったりする。そうすることで、グラデーション濃度分布を有するNDフィルタとして作成することができる。
次に、図2を使って、光束有効部中心(Ob)と光束有効部端(Oa、Oc)の光学濃度について説明する。グラフと実施形態の対応をとるため、図2(A)に図1(B)を紙面上横にした絵を示す。したがって、光束有効部WiのHの方向も横となる。
図2(B)のグラフに、図2(A)のX−X断面の光学濃度の変化を表した。横軸がX−X断面の位置であり、縦軸は光学濃度である。点線がNDフィルタ101の光学濃度変化を示し、実線がNDフィルタ102のものである。NDフィルタ101と102の全有効距離は、Hの6倍とする。そして、光学濃度の変化は全有効距離に対する位置の割合の2乗に比例し、Dfの濃度は1(透過率10%)である。
以下、一方のNDフィルタとしてNDフィルタ102の光学濃度曲線(図2(B))を使って説明する。OaとOcの距離はHである。NDフィルタ102の全有効距離は6Hとしたので、Deは、位置の割合の2乗に比例し、(1/6)^2≒0.028となる。OcにおけるNDフィルタ101の濃度は0なので、OaとOcの位置における合成の光学濃度は0.028となる。光束有効部中心ObにおけるNDフィルタ102の光学濃度は、位置(H/2)より、(1/12)^2≒0.007。したがって、合成光学濃度は、2倍して0.014である。中心に対する周辺の合成の光学濃度の差は+0.014である。
このように本実施形態では、2枚のNDフィルタの光学濃度の変化曲線が交差する位置の光学濃度が、所定方向の位置に対する2枚のNDフィルタの光学濃度の変化をそれぞれ直線状とした場合(上記従来例)の変化直線が交差する位置の光学濃度よりも小さい。
図3の実線は、図2の透過率変化をグラフ化したものである。透過率は中心で約97%。周辺で約94%である(最大透過率は約97%)。しかも、中心と周辺のムラ(透過率の差)はわずか3%である。この様に、透過領域を持たないNDフィルタを非線形の光学濃度変化(移動による光学濃度の変化が曲線状)とすることで、わずかなムラで、しかも最大透過率の低下を抑止することが出来る。
次に、図4は、図2から2枚のNDフィルタが各々逆方向にHの距離だけ進んだ状態を表した図である。上述したものと同様に、NDフィルタ102の光学濃度曲線を使って、光学濃度DeAとDeBについて説明する。NDフィルタ102は図2の状態から紙面左方向にHの距離移動した状態であるので、Oaの位置におけるDeBは、NDフィルタ102の全有効距離6HのうちのHの位置にあたる。
したがって、DeBは位置の割合の2乗に比例する値、(1/6)^2≒0.028である。次にOcの位置は、Oaの位置より光束有効部WiのH分の距離が加わるので、2Hの位置にあたる。したがってDeAは(1/3)^2≒0.111となる。光束有効部中心Obは、Oaの位置より(H/2)の距離が加わるので、1.5Hの位置にあたる。よって、Obの位置でのNDフィルタ102の光学濃度は、(1/4)^2≒0.063である。
これらより2枚のNDフィルタ102と101の合成の光学濃度は、OaとOcの位置において、0.028と0.111の和の0.139となる。また、Obの位置においては0.063の2倍の0.126である。中心に対する周辺の合成の光学濃度の差は+0.013である。前述の+0.014との差は丸め精度の差である。
図3の点線に図4のWi内H方向の透過率変化をグラフ化した。中心で約75%。周辺で約73%である。中心と周辺のムラは変わっていない。
この様に、透過領域を持たないNDフィルタを2次の単項式で表される光学濃度変化とすることで、2枚のNDフィルタを互いに逆に駆動して光学濃度を変化させても、ムラは変わらない。しかも、最大透過率は約97%(図3の実線)と高い。
次に、2次の単項式で表される光学濃度変化(NDフィルタの移動に伴う曲線状の光学濃度変化)としたとき、光学濃度のムラがNDフィルタの移動に拘らず変わらないことを証明する。
光学濃度D(x)の連続変化を
という、2次の単項式で表す。xはNDフィルタの濃度変化方向の位置を表し、aは係数である。ある状態での光束有効部の端(OaやOcの位置にあたる)のx座標をX、Xとし、光束有効部の中心座標(Obの位置にあたる)をXとする。また、X、X、Xそれぞれの光学濃度をD、D、Dとする。
これまで説明してきたように、2枚のNDフィルタを重ねた時に、光束有効部の端の合成光学濃度と光束有効部の中心の合成光学濃度はそれぞれ
である。ここで、光束有効部WiのNDフィルタの濃度変化方向の距離をHとして、
と置くと、X、Xは光束有効部の端であり、Xは光束有効部の中心であるので、
である。式―1、式―3、式―5より、
となる。これより光束有効部の中心と光束有効部の端の合成濃度の差は、
となり、一定となる。
この様に2次の単項式を使った濃度変化を付けることで、中心に対する周辺(光学濃度変化方向の中心から外れたところ)の合成の光学濃度の差(ムラ)はNDフィルタの可変域で常に一定とすることができる。光学濃度の差が一定であるので、中心に対する周辺の透過率比が一定となる。
本実施形態では、光学濃度を非線形な連続変化の2枚のNDフィルタを、互いに逆向きに動かすことで、NDフィルタの可動領域全域で光学濃度ムラを抑制しつつ、最大透過率の低下も抑制することを可能にした光量調節装置を提供することができる。更には、非線形な連続変化は2次の単項式で表されるものであれば、NDフィルタの可動領域全域で一定の光学濃度ムラを有する光量調節装置を提供することができる。
《第2の実施形態》
以下、図5を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。NDフィルタの濃度変化方向の距離を、光束有効部WiのNDフィルタの濃度変化方向の距離Hの3倍とした。第1の実施形態では、6倍であったので1/2としたことになる。また、図5は、NDフィルタの端(光学濃度が0となる点)と、光束有効部端を合わせている。NDフィルタ103と104は対のNDフィルタの光学濃度曲線を表している。光学濃度の変化は全有効距離に対する位置の割合の2乗に比例し、Dfの濃度は1である。
光学濃度曲線104において、光束有効部端Ocにおける光学濃度DeCは、OaとOcの距離がHなので、NDフィルタの全有効距離の1/3の2乗となり、0.111である。光束有効部中心Obの中心の位置はH/2であるため、光学濃度は1/6の2乗で0.028となる。
これらより、光束有効部端OaとOcの合成の光学濃度は光学濃度0と光学濃度DeCの和の0.111、光束有効部中心Obの合成の光学濃度は0.028の2倍の0.056となる。中心に対する周辺の合成の光学濃度の差は周辺が+0.055となる。
本実施形態では、第1の実施形態に比べNDフィルタの光学濃度変化が急になる。このため、中心の光学濃度が濃く、周辺のムラも見られるが、光学濃度が変化する距離を従来例の1/2にしたにもかかわらず、中心の光学濃度でも、中心と周辺の光学濃度差(ムラ)でも従来例に対し優位であることが分かる。具体的には、中心の光学濃度は従来例(図12)である1/7=0.14の半分以下、中心と周辺の光学濃度差は従来例(図10)である0.1の約半分である。
図6の実線に図5のWi内H方向の透過率変化をグラフ化した。透過率は、中心で約88%。周辺で約77%である(最大透過率は約88%)。そして、中心と周辺のムラ(透過率の差)は11%となる。さらに云えば、光学濃度の変化は全有効距離の2乗に比例としている為、第1の実施形態で説明したように、NDフィルタの可変域全域で常に中心に対する周辺の合成の光学濃度の差は一定である。
《第3の実施形態》
以下、図7を参照して、レンズ内の絞り近辺に配置する本発明の第3の実施形態を説明する。図中201は対物レンズ、202は光学装置としてテレビカメラ、スチルカメラ等の撮影装置(撮像装置)、203は撮像光束中に配置された開口絞り(前述の光束有効部Wiに相当)である。図中紙面下方向にP部正面拡大図を示す。103、104は、図5の特性を持つNDフィルタである。開口絞りは開放の状態を示し、開放時も2枚のNDフィルタが開口部を覆うようになっている。
本実施形態では光束有効部中心の最低光学濃度は0.056(透過率が88%)であるので、開口部の平均透過率も88%を切るものである。しかし、NDフィルタ103、104の最大濃度1が、光束有効部端となる位置までNDフィルタを移動させると、光束有効部中心Obの位置でのフィルタの光学濃度は0.694まで濃くなる。そして、合成の光学濃度は1.389で、約25倍(透過率で1/20以下)まで変化させることが出来る。
絞り開口部での濃度ムラは像の輝度ムラに影響しないが、バックの光源や水面のきらめきがデフォーカスされた像には、開口部の濃度ムラが明確に反映されるので、本実施形態の様にムラの少ないNDフィルタは画質を損なうことを防止できる効果がある。
(各実施形態の効果)
上述した各実施形態では、光学濃度の変化を2次の単項式で表せる変化とした。これは、光学濃度の変化を非線形(曲線状)とすることで得られる最大透過率の低下の抑制と、中心に対する周辺のムラの抑制に、ムラ補正を簡易にする効果(ムラが一定)を加えることが出来た。
つまり、上述した各実施形態と異なる場合(2次の単項式から外れる場合)には、NDフィルタの可変領域で中心と周辺のムラが変化してしまう。ここで、昨今の電気回路系の目覚ましい進歩は、ダイナミックにムラ補正を行えるので、NDフィルタの移動に伴う曲線状の光学濃度変化は、2次の単項式で無くともよい。けれども、2次の単項式に近似できる光学濃度の変化に近い方が、回路やソフトウエアの大規模化を抑制できる利点がある。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(変形例1)
例えば、上述した実施形態では、長方形部材を使用し直線状に移動(直進)するNDフィルタ(所定方向が直進方向)で説明しているが、回転する円盤状のNDフィルタ(所定方向が回転方向)でも可能である。また、長方形部材として、フィルム状のものへの適用であっても良い。
そして、像に近い位置に配置する場合は、中心に対する周辺のムラが少ない為、ムラ補正を行わず、電気回路系の機能削減によるコストダウンとすることができる。逆にムラ補正を行うことで、NDフィルタの光学濃度を変化させる距離を短く、つまりNDフィルタを小さくし小型化することが可能である。さらに云えば、補正をかける場合でも中心と周辺のムラが少ないので、補正量を抑制でき、補正によるノイズ成分の増加を抑制できる。それとともに、中心に対する周辺の透過率比が一定となるので、ムラ補正量をNDフィルタの可変領域全域で一定にすることができる。
101、102・・グラデーションNDフィルタ(NDフィルタ)、Wi・・光束有効部

Claims (8)

  1. 光束有効部に対し、光学濃度が所定方向に連続的に変化するNDフィルタを前記光学濃度の変化が同一で逆相となるように2枚重ねて配置し、互いに反対の方向に移動させる光量調節装置であって、
    前記移動に伴う前記2枚のNDフィルタの光学濃度の変化をそれぞれ曲線状としたことを特徴とする光量調節装置。
  2. 2枚の前記NDフィルタの光学濃度の変化曲線が交差する位置の光学濃度が、
    前記所定方向の位置に対する2枚の前記NDフィルタの光学濃度の変化をそれぞれ直線状とした場合の変化直線が交差する位置の光学濃度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
  3. 2枚の前記NDフィルタは透過領域を持たないことを特徴とする請求項1または2に記載の光量調節装置。
  4. 2枚の前記NDフィルタの光学濃度の変化曲線は、それぞれ2次の単項式からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光量調節装置。
  5. 前記所定方向は直進方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光量調節装置。
  6. 前記所定方向は回転方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光量調節装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光量調節装置を前記光束有効部に有することを特徴とする光学装置。
  8. 前記光束有効部は撮像光束中に設けられることを特徴とする請求項7に記載の光学装置。
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