JP2017015070A - 送風装置および掃除機 - Google Patents

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Ryosuke Hayamitsu
亮介 早光
和彦 塩沢
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和彦 塩沢
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Abstract

【課題】排気効率が低下するとモータの出力に見合った吸込仕事率を発揮できない。このため、排気効率を向上させた電動送風機を提供する。【解決手段】上下に延びる中心軸Jを中心とするシャフトと、シャフトを囲むステータと、ステータを収容し軸方向に延びる筒状のハウジング20と、を有するモータ10と、シャフトの上側に連結されたインペラ70と、インペラを収容し吸気口を有するインペラハウジング80と、ハウジングの径方向外側に位置する筒状の外周誘導部材15とを備え、外周誘導部材の上面は、インペラハウジングの下端よりも軸方向下側に位置し、インペラの回転方向前方に向かうに従って、軸方向高さが低くなる、送風装置。【選択図】図1

Description

本発明は、送風装置および掃除機に関する。
排気効率を高めるための構造を有する掃除機用の送風装置が知られている(特許文献1および特許文献2など)。
特開2009−541020号公報 特開2013−085852号公報
排気効率が低下するとモータの出力に見合った吸込仕事率を発揮できない。このため、さらなる排気効率の向上が求められている。
本発明の一つの態様は、排気効率を高めた送風装置の提供を目的とする。
本発明の例示的な一の実施形態に係る送風装置は、上下に延びる中心軸を中心とするシャフトと、前記シャフトを囲むステータと、前記ステータを収容し軸方向に延びる筒状のハウジングと、を有するモータと、前記シャフトの上側に連結されたインペラと、前記インペラを収容し吸気口を有するインペラハウジングと、前記モータの径方向外側に位置する外周誘導部材と、を備え、前記外周誘導部材は、前記ハウジングの径方向外側に位置する筒状部材であり、前記外周誘導部材の上面は、前記インペラハウジングの下端よりも軸方向下側に位置し、前記インペラの回転方向前方に向かうに従って、軸方向高さが低くなる。
本発明によれば、排気効率を高めた送風装置を提供できる。
図1は、本実施形態の送風装置を示す斜視図。 図2は、実施形態の送風装置を示す断面図。 図3は、実施形態の送風装置の分解斜視図。 図4は、実施形態のモータを下側から見た斜視図。 図5は、実施形態のステータの斜視図。 図6は、ステータと、センサ基板と、下蓋を示す分解斜視図。 図7は、モータの平断面図。 図8は、回転センサの実装態様を示す説明図。 図9は、排気誘導部材の部分断面斜視図。 図10は、本実施形態の送風装置の第1の誘導路を示す部分拡大断面図。 図11は、本実施形態の送風装置の第2の誘導路を示す部分拡大断面図。 図12はインペラの動翼の平面図。 図13は、本実施形態の送風装置を示す側面図。 図14は、送風装置を有する掃除機の斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る送風装置について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等とを異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。Y軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって図2の左右方向とする。X軸方向は、Y軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
また、以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向(Z軸方向)を上下方向とする。Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側(軸方向上側)」と呼び、Z軸方向の負の側(−Z側)を「下側(軸方向下側)」と呼ぶ。なお、上下方向、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
図1は、本実施形態の送風装置1の斜視図である。図2は、本実施形態の送風装置1を示す断面図である。図3は、制御基板11および基板ケース15を除く本実施形態の送風装置1の分解斜視図である。
送風装置1は、図1〜図3に示すように、モータ10と、インペラ70と、排気誘導部材60と、インペラハウジング80と、制御基板11と、基板ケース(外周誘導部材)15と、を備える。すなわち、送風装置1は、モータ10と、インペラ70と、インペラハウジング80と、基板ケース15と、を備える。また、送風装置1は、排気誘導部材60をさらに備える。加えて、送風装置1は、モータ10の下側に位置する制御基板(回路基板)11と、外部に排気する最終排気口(排気口)17bと、をさらに備える。
モータ10の上側(+Z側)には、排気誘導部材60が取り付けられる。インペラハウジング80は排気誘導部材60の上側に取り付けられる。つまり、排気誘導部材60は、インペラハウジング80の下側に取り付けられる。排気誘導部材60とインペラハウジング80との間にインペラ70が収容される。インペラ70は、中心軸J周りに回転可能にモータ10に取り付けられる。モータ10の下側(−Z側)には、制御基板11と制御基板11を覆う基板ケース15が取り付けられる。
[モータ]
図4は、本実施形態のモータ10を下側から見た斜視図である。
モータ10は、図2および図4に示すように、ハウジング20と、下蓋22と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ40と、センサ基板50と、下側ベアリング52aおよび上側ベアリング52bと、を備える。すなわち、モータ10は、シャフト31と、ステータ40とハウジング20と、を有する。シャフト31は、上下に延びる中心軸Jを中心とする。
ハウジング20は、ロータ30と、ステータ40とを収容する有蓋の円筒容器である。ハウジング20は、ステータ40を収容し軸方向に延びる筒状である。ハウジング20は、円筒状の周壁21と、周壁21の上端に位置する上蓋部23と、上蓋部23の中央部に位置する上側ベアリング保持部27と、を有する。ハウジング20の内側面に、ステータ40が固定される。上側ベアリング保持部27は、上蓋部23の中央部から上側へ突出する筒状である。上側ベアリング保持部27は、内部に上側ベアリング52bを保持する。
図3に示すように、ハウジング20の周壁21と上蓋部23とのエッジ部21aには、複数の貫通孔25、26が設けられている。すなわち、ハウジング20は、径方向に貫通する貫通孔25、26を周方向に沿って複数有する。3箇所の貫通孔25および3箇所の貫通孔26は、軸周りに交互に位置する(図7参照)。貫通孔25、26は、周壁21の上部側から上蓋部23の外縁部に達している。貫通孔25、26は、周壁21において径方向に貫通する。また、貫通孔25、26は、上蓋部の径方向外縁部の近傍において上下方向に貫通している。
ハウジング20の下側(−Z側)の開口部に下蓋22が取り付けられる。下蓋22の中央部に、下蓋22の下面から下側へ突出する筒状の下側ベアリング保持部22cが設けられている。下側ベアリング保持部22cは下側ベアリング52aを保持する。
図4に示すように、下蓋22には、軸周りの3箇所に、径方向に幅を持った円弧状の貫通孔22aが設けられている。下蓋22の外周端には、下蓋22の外周部を直線状に切り欠いた切欠部22bが3箇所設けられている。ハウジング20の下側の開口端20aと切欠部22bとの間の隙間がモータ10の下側開口部24である。
ロータ30は、図2に示すように、シャフト31と、ロータマグネット33と、下側磁石固定部材32と、上側磁石固定部材34と、を備える。ロータマグネット33は、シャフト31を径方向外側で軸周り(θz方向)に囲む円筒状である。下側磁石固定部材32および上側磁石固定部材34は、ロータマグネット33と同等の直径を有する円筒状である。下側磁石固定部材32および上側磁石固定部材34は、ロータマグネット33を軸方向両側から挟み込んでシャフト31に取り付けられている。上側磁石固定部材34は、中心軸方向の上側部分に、下側(ロータマグネット33側)よりも小さい直径の小径部34aを有する。
シャフト31は、下側ベアリング52aと上側ベアリング52bとによって軸周り(θz方向)に回転可能に支持されている。インペラ70は、シャフト31の上側に連結される。本実施形態においては、シャフト31の上側(+Z側)の端部にインペラ70が取り付けられる。インペラ70は、シャフト31と一体となって軸周りに回転する。
図5は、本実施形態のステータ40の斜視図である。図6は、ステータ40と、センサ基板50と、下蓋22を示す分解斜視図である。図7は、モータ10の平断面図である。
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、シャフト31を囲む。ステータ40は、ロータ30を軸周り(θz方向)に囲んでいる。ステータ40は、図5および図6に示すように、ステータコア41と、複数(3つ)の上側インシュレータ43と、複数(3つ)の下側インシュレータ44と、コイル42と、を有する。また、図5に示すように、ステータ40は、コイル42を内部にモールドするモールド部47を有する。
ステータコア41は、図6に示すように、コアバック部41aと、複数(3つ)のティース部41bを有する。コアバック部41aは中心軸周りのリング状である。コアバック部41aは、軸周りに3箇所の直線部41cと、3箇所の円弧部41dとが交互に位置する構成を有する。ティース部41bは、それぞれ直線部41cの内周面から径方向内側に延びている。ティース部41bは周方向に均等な間隔で配置される。コアバック部41aの円弧部41dの上面には、それぞれ、ステータ40の内側に排気を案内する傾斜部材46が配置される。傾斜部材46は、径方向外側から内側へ向かうに従い厚さが薄くなる形状を有する。
上側インシュレータ43は、ステータコア41の上面と側面の一部を覆う絶縁部材である。上側インシュレータ43は、3つのティース部41bにそれぞれ対応して設けられる。上側インシュレータ43は、コアバック部41aの上側に位置する上側外周壁部43aと、ティース部41bの先端の上側に位置する上側内周壁部43eと、上側外周壁部43aと上側内周壁部43eとを径方向に連結し、ティース部41bのコイル42が巻かれる部位の上側に位置する上側絶縁部43dと、を有する。
下側インシュレータ44は、ステータコア41の下面と側面の一部を覆う絶縁部材である。下側インシュレータ44は、3つのティース部41bにそれぞれ対応して設けられる。下側インシュレータ44は、コアバック部41aの下側に位置する下側外周壁部44aと、ティース部41bの先端の下側に位置する下側内周壁部44cと、下側外周壁部44aと下側内周壁部44cとを径方向に連結し、ティース部41bのコイル42が巻かれる部位の下側に位置する下側絶縁部44bと、を有する。
ステータコア41のティース部41bを上下方向に挟み込むように上側インシュレータ43と下側インシュレータ44が配置される。上側インシュレータ43の上側絶縁部43dと下側インシュレータ44の下側絶縁部44bとに覆われるティース部41bの周囲にコイル42が巻き回される。
ステータコア41のコアバック部41a上に位置する3つの上側外周壁部43aは、ステータコア41の上側においてコイル42を径方向外側から取り囲む。上側外周壁部43aは、周方向の両端に第1側端面43bと第2側端面43cとを有する。第1側端面43bは、径方向に対して傾斜し、径方向外側に面する傾斜面である。第2側端面43cは、径方向に対して傾斜し、径方向内側に面する傾斜面である。
上側外周壁部43aの外周面のうち、直線部41c上に位置する部分には、平坦面43fおよび上側傾斜凸部43gが周方向に並んで設けられている。平坦面43fは第2側端面43c側に位置し、上側傾斜凸部43gは第1側端面43b側に位置している。平坦面43fと第2側端面43cの間には、ハウジング20の内周面に沿って配置される円弧状の面が設けられる。また、上側傾斜凸部43gの外周面は、ハウジング20の内周面に沿って円弧状の面となっている。
平坦面43fは、ステータコア41の直線部41cの外周面と揃った軸方向に延びる。
上側傾斜凸部43gは、平坦面43fに対して径方向外側に突出している。また、上側傾斜凸部43gは、軸方向下側に突出してステータコア41の直線部41cの一部を径方向外側から覆う。上側傾斜凸部43gの平坦面43fと隣接する側面には、軸方向平坦面43jと、軸方向平坦面43jの下側に位置する上側誘導傾斜面43hと、が設けられている。上側誘導傾斜面43hは、下側にいくにつれて徐々に下側を向く方向に傾斜する。軸方向平坦面43jと上側誘導傾斜面43hとは、滑らかに接続されている。上側誘導傾斜面43hの傾斜方向は、インペラの回転方向と同方向である。この構成によって、空気流路FPを流れる排気の旋回成分は、上側誘導傾斜面43hと後述する下側誘導傾斜面44hとによってスムーズに下側に向けられる。これにより、空気流路FPを流れる排気の排気効率を高めることができる。
図7に示すように、周方向において隣り合う上側外周壁部43a同士は所定の間隔で離間されている。隣り合う上側外周壁部43aにおいて、一方の上側外周壁部43aの第1側端面43bと、他方の上側外周壁部43aの第2側端面43cとは、周方向に対向して配置される。第1側端面43bの径方向に対する傾斜度合いと、第2側端面43cの径方向に対する傾斜度合いは異なる。より詳細には、隣り合う上側外周壁部43aの間に形成される隙間CLの径方向外側の開口部90の周方向の幅は、径方向内側の開口部91の周方向の幅よりも狭い。
隙間CLの下方にはコアバック部41a上に配置された傾斜部材46が位置する(図6参照)。傾斜部材46は、第1側端面43bと第2側端面43cとの間に挟まれている。隙間CLは、ハウジング20の貫通孔26の内側に位置する。貫通孔26と隙間CLは、ハウジング20の外側から流入する排気をステータ40の内側に案内する空気流路となる。上側から見た隙間CLの径方向に対する傾き方向(径方向外側から内側へ向かう方向)は、排気誘導部材60から放出される排気の周方向の流通方向と一致する。すなわち、インペラ70の回転方向と一致する。
図7に示すように、隙間CLの入口側の開口部90を出口側の開口部91より相対的に大きくしていることで、貫通孔26からより多くの排気を吸入させることができ、出口側の開口部91の幅を相対的に狭くしていることで、隙間CLから放出される空気をより正確に狙った位置(コイル42)に向けて流通させることができる。
図6に示すように、コアバック部41aの下側に位置する3つの下側外周壁部44aは、ステータコア41の下側においてコイル42を径方向外側から取り囲む。周方向に隣り合う下側外周壁部44aの間には隙間が空いているが、下側外周壁部44a同士は周方向で互いに接触していてもよい。
下側外周壁部44aの外周面のうち、コアバック部41aの直線部41cの下側に位置する部分には、平坦面44dおよび下側傾斜凸部44gが周方向に並んで設けられている。平坦面44dと下側傾斜凸部44gとが設けられる領域の周方向両側には、ハウジング20の内周面に沿って配置される円弧状の面が設けられている。
平坦面44dは、直線部41cの外周面と揃った軸方向に延びる。
下側傾斜凸部44gは、平坦面44dに対して径方向外側に突出している。また、下側傾斜凸部44gは、軸方向上側に突出してステータコア41の直線部41cを一部覆う。下側傾斜凸部44gの平坦面44dと隣接する側面には、軸方向平坦面44jと、軸方向平坦面44jの上側に位置する下側誘導傾斜面44hが設けられている。下側誘導傾斜面44hは、上側にいくにつれて徐々に上側を向く方向に傾斜する。軸方向平坦面44jと下側誘導傾斜面44hとは、滑らかに接続されている。下側誘導傾斜面44hの傾斜方向は、インペラの回転方向と同方向である。
図5に示すように、下側インシュレータ44の下側傾斜凸部44gと上側インシュレータ43の上側傾斜凸部43gとは、隙間を介して周方向および軸方向にずらして配置されている。下側誘導傾斜面44hと上側誘導傾斜面43hとは、隙間を介して互いに対向している。下側誘導傾斜面44hと上側誘導傾斜面43hとの間の隙間は、ステータ40とハウジング20との間の空気流路FPとなる。空気流路FPを流れる排気の旋回成分は、下側誘導傾斜面44hと上側誘導傾斜面43hとによってスムーズに下側に向けられる。これにより、空気流路FPを流れる排気の排気効率を高めることができる。
平坦面44d上には、軸方向に延びる複数(図示では2つ)の板状部45が設けられる。板状部45は平坦面44dにほぼ垂直に立っている。板状部45の径方向外側の先端はハウジング20の内周面に達する。板状部45は、下側外周壁部44aとハウジング20との間の領域を、周方向に複数の領域に区画する。
モールド部47は、図5に示すように、ステータ40において、上側インシュレータ43の上側外周壁部43aおよび下側インシュレータ44の下側外周壁部44aに囲まれた領域を埋め込んで成形されている。モールド部47は、軸方向に沿って、上側インシュレータ43の上端から下側インシュレータ44の下端まで達している。また、モールド部47には、ロータ30を通過させるための貫通孔47aが設けられている。モールド部47は、コイル42を囲んで強固に支持するとともに、上側インシュレータ43、下側インシュレータ44、ステータコア41およびセンサ基板50を一体に保持する。
モールド部47の外周面には、上部側から下端まで達する凹溝状の3つの排気誘導孔48が設けられている。凹溝状の排気誘導孔48は、上下方向の中程でステータコア41のコアバック部41aに覆われている。図2に示すように、排気誘導孔48は、コアバック部41aの上側に位置する上部開口48aで径方向外側に開口する。排気誘導孔48は、上部開口48aの径方向内側において下側に向かって滑らかに傾斜する傾斜面48cを有する。また、排気誘導孔48は、モールド部47の下端面に位置する下部開口48bで下側に開口する。下部開口48bは、下蓋22の貫通孔22aの直上に位置する。
図5に示すように、排気誘導孔48の上部開口48aは、上側インシュレータ43の第1側端面43bと第2側端面43cとの間の3つの隙間CLにそれぞれ面している。図7に示すように、排気誘導孔48の幅は、隙間CLの径方向内側に位置する開口部91の幅と一致している。また、図2に示すように、排気誘導孔48は、モールド部47の外周面から開口して下側に延びている。ただし、排気誘導孔48の幅と、開口部91の幅は、必ずしも同じ幅である必要はなく、異なる幅でも良い。
隙間CLからステータ40の径方向内側に放出される排気は、上部開口48aから排気誘導孔48に導入され、傾斜面48cに沿って流動方向を下側に向けられる。さらに、排気は、排気誘導孔48の内部を通過して下部開口48bを介してステータ40の下側に放出される。モールド部47に排気誘導孔48を設けることで、コイル42の間を流れる排気を乱すことなく下側に向かってスムーズに排出でき、排気効率を高めることができる。なお、ステータ40が、モールド部47を有さない場合には、排気誘導孔48を備えた部材をコイル42同士の間に配置してもよい。なお、下部開口48bは、下側に向かうにつれて、流路の断面積が広がる形状になっていても良い。この構成によって、排気誘導孔48内を通る空気が、よりスムーズに下側に流れるので、排気効率を高めることができる。
センサ基板50は、図2および図6に示すように、ステータ40と下蓋22との間に配置される。センサ基板50は、円形リング状の本体部50aと、本体部50aの外周縁から径方向に対して斜め方向の外側に突出する3つの突出部50bと、を有する。本体部50aはシャフト31が挿通される貫通孔を有する。センサ基板50は、下側インシュレータ44に固定される。
センサ基板50には、3つの回転センサ51が少なくとも実装される。回転センサ51は例えばホール素子である。センサ基板50は、コイル42と電気的に接続されていてもよい。この場合に、コイル42に対して駆動信号を出力する駆動回路がセンサ基板50に実装されていてもよい。
図8は、回転センサ51の実装態様を示す説明図である。
回転センサ51は、図7および図8に示すように、周方向に隣り合う下側内周壁部44cの先端部の間に挟まれて配置される。3つの回転センサ51は、周方向に120°おきの等間隔に配置される。回転センサ51の径方向内側の面は、ロータマグネット33と対向する。本実施形態の場合、ロータマグネット33は、ロータ30の軸方向の中心部に配置されている。そのため、回転センサ51は、センサ基板50からロータマグネット33までの軸方向長さに相当する長さのリード51aによりセンサ基板50と接続される。
下側内周壁部44cの先端部に、回転センサ51を支持する機構を設けてもよい。例えば、回転センサ51を挿入する凹部を設け、回転センサ51の径方向の移動を抑制することができる。あるいは、スナップフィット等により回転センサ51を下側内周壁部44cに固定してもよい。
図4に示すように、下蓋22は、ステータ40とセンサ基板50を収容したハウジング20の開口端20aに取り付けられる。図2に示すように、下蓋22の3つの貫通孔22aは、少なくとも一部がセンサ基板50の本体部50aの外周端よりも径方向外側に位置する。貫通孔22aは、モールド部47の排気誘導孔48を通過した排気をモータ10の下側に排出する第2の排気口97となる。
下蓋22の外周の切欠部22bは、軸方向に見て、ステータコア41の直線部41cと、上側インシュレータ43の平坦面43fと、下側インシュレータ44の平坦面44dとにほぼ一致して配置される。図2に示すように、モータ10の下面の下側開口部24は、ステータ40とハウジング20との間の空気流路FPを通過した排気を排出する第1の排気口96となる。
[排気誘導部材、インペラ、インペラハウジング]
次に、排気誘導部材60、インペラ70、インペラハウジング80について説明する。
図9は排気誘導部材60を下側から見た部分断面斜視図である。図10および図11は、インペラ70、排気誘導部材60、インペラハウジング80の一部を拡大して示す断面図である。なお、図10は、後段において説明する第1の誘導路D1を示し、図11は、後段において説明する第2の誘導路D2を示す。
<排気誘導部材>
排気誘導部材60は、インペラハウジング80においてモータ10のハウジング20に取り付けられる。排気誘導部材60は、円板リング状の支持体66aと、支持体66aの外周縁から上側に突出する円環状の突出部66cと、支持体66aの外周縁から下側に延びる円筒状の隔壁リング66bと、隔壁リング66bを径方向外側から囲む外周筒部65と、外周筒部65の下端から下側に延びる複数(図示では6つ)の内方誘導部67と、を有する。すなわち、排気誘導部材60は、外周筒部65を有する。外周筒部65は、インペラ70の径方向外側に位置する。
支持体66aは、図9に示すように、中央部の下面から下側へ延びる円筒状の取付リング68と、支持体66aの下面から下側へ突出する3つの円柱凸部69と、を有する。
3つの円柱凸部69は、同等の直径および高さを有し、周方向に120°おきの等間隔で配置される。本実施形態において、円柱凸部69は中空であり、下側の端面69aの中央に、軸方向に貫通する貫通孔69bを有する。
図10に示すように、排気誘導部材60の取付リング68には、ハウジング20の上側ベアリング保持部27が挿入される。排気誘導部材60の取付リング68の下面と円柱凸部69の下側の端面69aとは、ハウジング20の上蓋部23の上面と接触する。円柱凸部69の貫通孔69bと上蓋部23のねじ孔23aに挿通されるボルトBTにより、排気誘導部材60とモータ10とが締結される。
隔壁リング66bと外周筒部65とは、径方向に対向している。隔壁リング66bと外周筒部65との間の隙間は、排気をモータ10内に案内する第1の誘導路D1および排気をモータ10の外周に放出する第2の誘導路D2を構成する。第1の誘導路D1は内方誘導部67が設けられた箇所に位置し、第2の誘導路D2は内方誘導部67同士の周方向の間に位置する。本実施形態において、第1の誘導路D1および第2の誘導路D2は、周方向に沿ってそれぞれ6つ設けられている。
複数の内方誘導部67は、図1に示すように、それぞれハウジング20の貫通孔25又は貫通孔26の径方向外側に位置し貫通孔25又は貫通孔26に嵌る。複数の内方誘導部67は、外周筒部65の下端から下側に延びるため、外周筒部65の一部と見なすことができる。したがって、貫通孔25、26は、外周筒部65の径方向内側に位置する。図9および図10に示すように、内方誘導部67の外周面は、外周筒部65の外周面と揃った軸方向に延びる。内方誘導部67の内周面67bは、下側に向かうに従って径方向内側に傾いた傾斜面となっている。内方誘導部67の内周面67bの内側は、第1の誘導路D1としてインペラ70から放出された排気を径方向内側の貫通孔25、26に誘導する。また、内方誘導部67の内周面67bには、上下方向にリブ状に延びる複数の静翼67aが設けられている。静翼67aは、径方向において隔壁リング66bと内方誘導部67とを連結する。第1の誘導路D1を通過する排気は、静翼67a同士の間で整流されて効率よく貫通孔25、26に誘導される。なお、静翼67aは、インペラ70の回転方向に傾いていてもよい。この場合は、インペラ70の回転方向に旋回成分を含んだ排気をさらに効率よく貫通孔25、26に誘導できる。つまり、貫通孔25、26が、外周筒部65の径方向内側に位置することによって、排気をモータ10の内側に誘導することができ、モータ10の内部を冷却できる。
図9に示すように、内方誘導部67同士の周方向の間には、インペラ70から放出された排気を径方向外側に誘導してモータ10の外側に排出する第2の誘導路D2が設けられている。図11に示すように、第2の誘導路D2は、隔壁リング66bの外周面66eと外周筒部65の内周面65aとの間に位置する。第2の誘導路D2の下端には、第3の排気口95が設けられている。第3の排気口95は、第2の誘導路D2を通過した排気を下側に向けてモータ10の外側に排出する。この排気は、モータ10の外周面とモータ10を収容する筐体19の内周面19aとの間を流れ、後述する最終排気口17b(図2参照)から最終的に排気される。
隔壁リング66bの外周面66eは、下側に向かうに従って径方向外側に張り出す内側傾斜部66dを有する。一方で、外周筒部65の内周面65aは、下端において外周筒部65の肉厚を薄くする外側傾斜部65bを有する。内側傾斜部66dおよび外側傾斜部65bが設けられていることで、第2の誘導路D2は、下側に向かうにつれて径方向の幅を維持したまま径方向の外側に移動する。第2の誘導路D2において、軸方向に垂直な平面における断面積は、第3の排気口95に近づくにつれて徐々に大きくなることになる。これにより、第3の排気口95から空気が放出される際の排気音を低減することができる。また、第3の排気口から空気が放出される際の排気効率が向上する。
<インペラ>
インペラ70は、上側に開口した吸気口70aから吸入された流体を、内部の流路を介して径方向外側へ向かって放出する。インペラ70は、インペラ本体71と、インペラハブ72とを有する。インペラ70は、シャフト31の上側に連結されている。
インペラ本体71は、ベース部73と、複数の動翼74と、シュラウド75とを有する。ベース部73は円盤状であり、中央部に軸方向に貫通する貫通孔73aを有する。ベース部73の貫通孔73aの周囲は、上側に張り出した円錐面状の斜面部73bとされている。動翼74は、ベース部73の上面において径方向の内側から外側へ延びる、周方向に湾曲した板状部材である。動翼74は、軸方向に沿って起立して配置される。シュラウド75は、軸方向の上側に向かって先窄まりの円筒状である。シュラウド75の中央の開口部がインペラ70の吸気口70aである。ベース部73とシュラウド75は、動翼74により連結されている。
図12は、インペラ70の動翼74の平面図である。
複数の動翼74は、図12に示すように、ベース部73の上面に周方向(θZ方向)に沿って配置されている。動翼74は、図2に示すように、ベース部73の上面から、軸方向に沿って垂直に起立している。
本実施形態においては、3種類の動翼74が、同じ種類同士で周方向に沿って等間隔に配置される。本実施形態において複数の動翼74は、複数(3つ)の第1の動翼74aと、複数(3つ)の第2の動翼74bと、複数(6つ)の第3の動翼74cを含む。3つの第1の動翼74aは、周方向において120°おきの等間隔に配置される。第2の動翼74bは、周方向に隣り合う第1の動翼74aの中間位置に配置される。3つの第2の動翼74bも、周方向において120°おきの等間隔に配置される。第3の動翼74cは、周方向に隣り合う第1の動翼74aと第2の動翼74bの中間位置に配置される。6つの第3の動翼74cは、周方向において60°おきの等間隔に配置される。
動翼74は、平面視(XY面視)で、ベース部73の上面上において、曲率を持って延びている。動翼74の一端は、ベース部73の外周縁に位置する。動翼74の他端は、ベース部73の外周縁よりも径方向内側に位置する。
すなわち、第1の動翼74a、第2の動翼74b、第3の動翼74cの径方向外側の端部は、いずれもベース部73の外周縁に位置する。一方、第1の動翼74aの内周側の端部P1は、最もベース部73の中心寄りに位置する。第2の動翼74bの内周側の端部P2は、第1の動翼74aの端部P1よりも径方向外側に位置する。第3の動翼74cの内周側の端部P3は、第2の動翼74bの端部P2よりもさらに径方向外側に位置する。
第1の動翼74a、第2の動翼74b、および第3の動翼74cは、いずれも反時計回り方向に弓なりに湾曲した形状を有する。
第1の動翼74aは、曲率半径の異なる4つの円弧からなる。第1の動翼74aの凸状の翼面74dは、長さ方向に3つの変曲点CP11、CP12、CP13を有する。
第2の動翼74bは、曲率半径の異なる3つの円弧からなる。第2の動翼74bの凸状の翼面74eは、長さ方向に2つの変曲点CP21、CP22を有する。
第3の動翼74cは、曲率半径の異なる2つの円弧からなる。第3の動翼74cの凸状の翼面74fは、長さ方向に1つの変曲点CP31を有する。
本実施形態において、第1の動翼74aの変曲点CP11と、第2の動翼74bの変曲点CP21と、第3の動翼74cの変曲点CP31は、ベース部73において同一の半径位置C1上に配置される。また、第1の動翼74aの半径位置C1よりも外側の部分の曲率半径と、第2の動翼74bの半径位置C1よりも外側の部分の曲率半径と、第3の動翼74cの半径位置C1よりも外側の部分の曲率半径は、互いに一致する。
次に、第1の動翼74aの変曲点CP12と、第2の動翼74bの変曲点CP22と、第3の動翼74cの端部P3は、ベース部73において同一の半径位置C2上に配置される。また、第1の動翼74aの半径位置C1と半径位置C2との間の部分の曲率半径と、第2の動翼74bの半径位置C1と半径位置C2との間の部分の曲率半径と、第3の動翼74cの半径位置C1と半径位置C2との間の部分の曲率半径は、互いに一致する。
次に、第1の動翼74aの変曲点CP13と、第2の動翼74bの端部P2は、ベース部73において同一の半径位置C3上に配置される。また、第1の動翼74aの半径位置C2と半径位置C3との間の部分の曲率半径と、第2の動翼74bの半径位置C2と半径位置C3との間の部分の曲率半径は、互いに一致する。
本実施形態の動翼74(74a〜74c)は、インペラ70の径方向の領域ごとに、翼面74d〜74fの曲率半径を異ならせている。一方、異なる種類の動翼74(第1の動翼74a〜第3の動翼74c)であっても、同じ径方向の領域に属する部分は、互いに同一の曲率半径に設定される。
本実施形態において、半径位置C3は、インペラハウジング80の吸気口80aに軸方向から見て一致する。したがって、吸気口80aの内側には、第1の動翼74aの変曲点CP13よりも内周側の部分のみが配置される。
インペラハブ72は、軸方向に延びる筒部72aと、筒部72aの外周面の下部から径方向外側に広がる円盤状のフランジ部72bと、フランジ部72bの上面から上側に突出する複数の凸部72cと、を有する。筒部72aは、上側の先端部に先窄まりのテーパー状の斜面部72dを有する。
インペラハブ72は、筒部72aをベース部73の貫通孔73aに下側から挿入することでインペラ本体71に取り付けられる。筒部72aは貫通孔73aに圧入してもよいし、接着剤等を用いて固着させてもよい。インペラハブ72のフランジ部72bは、インペラ本体71を下側から支持する。フランジ部72b上の凸部72cは、ベース部73の下面の凹部73cに嵌合する。凸部72cと凹部73cとが嵌合することで、インペラ本体71とインペラハブ72との周方向の相対移動が抑制される。
インペラハブ72がフランジ部72bを備えていることで、フランジ部72bによってインペラ本体71を径方向の広い範囲にわたって下方から支持することができる。これにより、インペラ70を安定的に保持することができ、高速回転時の安定性を高くなる。
インペラ70において、インペラハブ72の筒部72aの先端の斜面部72dと、ベース部73の斜面部73bとは、上下方向に滑らかに接続されている。斜面部72dと斜面部73bとが、インペラ70の吸気口70aから吸入した流体を径方向外側へ案内する円環状斜面70bを構成する。
円環状斜面70bをインペラ本体71とインペラハブ72とにより構成することで、ベース部73の斜面部73bを高くしなくても、筒部72a(斜面部72d)の長さを大きくすることで、円環状斜面70bの最大高さを大きくすることができる。したがって、ベース部73の厚さの増加を抑制しつつ、好ましい形状の円環状斜面70bを実現することができる。
インペラハブ72は金属製であることが好ましい。これにより、シャフト31とインペラ70とを強固に連結することができる。したがって、インペラ70を安定的に高速回転させることができる。また、斜面部72dを金属面とすることができるため、円環状斜面70bの上側先端の表面を平滑化することができる。
インペラ70は、インペラハブ72の筒部72aに下側からシャフト31の上端部を嵌め込むことで、シャフト31に固定される。シャフト31と連結されたインペラ70は、図2に示すように、排気誘導部材60の円環状の突出部66cの内側に配置される。したがって、突出部66cは、インペラ70の排気口70cの近傍に位置する。
突出部66cは、後述するインペラハウジング80の排気ガイド部83とともに、インペラ70から放出される排気を下側へ案内する。本実施形態では、突出部66cの外周面は、径方向外側に向かうに従って下方へ傾斜する傾斜面である。突出部66cの外周面は外側に凸の滑らかな曲面形状である。
突出部66cの外周面の下端は、円筒状の隔壁リング66bの外周面と滑らかに連続している。したがって、突出部66cの下端において、軸方向に垂直な方向に対する傾斜角度はほぼ90°である。突出部66cの上端は、インペラ70のベース部73の外周端の径方向のすぐ外側に位置する。突出部66cの上端は、ベース部73の下面よりも上側に位置する一方、ベース部73の外周端の上面よりも下側に位置する。
本実施形態の送風装置1では、突出部66cが上記した形状および配置を有することで、インペラ70から放出される空気を、流れを乱れさせることなく円滑に下方へ案内することができる。インペラ70の排気口70cの下端では、ベース部73の外周端からほぼ軸方向に垂直な方向に空気が放出される。本実施形態では、突出部66cの上端がベース部73の上面よりも下がった位置にあるため、放出された空気が突出部66cに衝突することなく、突出部66cの外周面に沿って案内される。これにより、効率よく空気を搬送することができる。
<インペラハウジング>
インペラハウジング80は、図2に示すように、上側に吸気口80aを有する。インペラハウジング80は、インペラ70を収容する。つまり、インペラハウジング80は、インペラハウジング80は、インペラ70を収容し吸気口80aを有する。軸方向上側へ向かって先窄まりの円筒状である。インペラハウジング80は、吸気口80aの開口端に位置する吸気ガイド部81と、インペラ70を収容するインペラハウジング本体部82と、インペラハウジング本体部82の外周縁から径方向外側および下側へスカート状に延びる排気ガイド部83と、排気ガイド部83の外周縁から上側に延びる外周取付リング84と、を有する。
インペラハウジング本体部82は、インペラ70のシュラウド75に倣った断面形状を有する。インペラハウジング本体部82の内側面(下面)は、シュラウド75の外側面(上面)と、一様な間隔で対向する。
インペラハウジング本体部82の内周側の上端部に、径方向内側へ突出する円環状の吸気ガイド部81が位置する。吸気ガイド部81は、図10に示すように、シュラウド75の上端面75bを上側から覆っている。吸気ガイド部81の下面と、シュラウド75の上端面75bとの間には、径方向に延びる狭幅の隙間が存在する。
インペラハウジング本体部82の外周側の端部には、シュラウド75の外周端を下側へ回り込み屈曲された周縁屈曲部82aが設けられている。周縁屈曲部82aは、下側に延びてシュラウド75の外側端面を径方向外側から囲む。周縁屈曲部82aの内周面とシュラウド75の外側端面との間には、軸方向上側に延びる狭幅の隙間が存在する。
図10および図11に示すように、排気ガイド部83は、インペラ70から径方向外側へ放出される排気を下側へ案内する排気流路92を構成する。排気ガイド部83の内周面は、上端から下端に向かって、軸方向に垂直な方向から軸方向に向かって滑らかに傾斜する。排気ガイド部83の内周面は、下端において、排気誘導部材60の外周筒部65の内周面65aになだらかに接続され、排気流路92の外周側の壁面を構成する。
外周取付リング84は、円筒形状を有している。外周取付リング84は、上端から径方向外側に延びるフランジ部84aを有している。外周取付リング84の外周面は、排気誘導部材60の外周筒部65の内周面と嵌合する。また、フランジ部84aは、外周筒部65の上端と接触して、排気誘導部材60に対するインペラハウジング80の上下方向の位置を決める。
排気ガイド部83の上面には、周方向に延びる凹部86が設けられている。凹部86は、周縁屈曲部82a、排気ガイド部83および外周取付リング84により構成される。インペラハウジング80は、凹部86が設けられることで排気ガイド部83の肉厚が均一化されている。また、凹部86には、外周取付リング84とインペラハウジング本体部82の周縁屈曲部82aを径方向に繋ぐリブ85が設けられている。
インペラハウジング80は、金型成型により生産される。すなわち、インペラハウジング80は、2つ以上の金型同士の隙間に、流動状態の材料を注入し固化させて製造される。本実施形態のインペラハウジング80は、樹脂材料からなり射出成型により作製される。また、インペラハウジング80をアルミニウム合金製とする場合には、インペラハウジング80は、アルミニウムダイカストにより作製される。金型成型により製造される成形品は、材料が固化する際の収縮により厚肉部の表面にひけを生じ寸法精度を低下させる虞がある。また、アルミニウムダイカストを行う場合には、厚肉部の内部に気孔(巣)が生じて強度を低下させる虞がある。
本実施形態のインペラハウジング80は、外周取付リング84とインペラハウジング本体部82の周縁屈曲部82aとの間に凹部86が設けられている。これにより、インペラハウジング80は、排気ガイド部83の肉厚を均一化して排気ガイド部83の周囲にヒケが生じることを抑制できる。また、同様に、インペラハウジング80は、排気ガイド部83の内部に気孔が生じることを抑制できる。さらに、本実施形態のインペラハウジング80は、凹部86にリブ85が設けられていることで、インペラハウジング本体部82に対し外周取付リング84の剛性を高めることができる。これにより、インペラハウジング80は、外周取付リング84において、排気誘導部材60と強固に固定することができる。
[基板ケース、制御基板]
<基板ケース(外周誘導部材)>
図1および図2に示すように、基板ケース(外周誘導部材)15は、モータ10の下側に取り付けられており制御基板11を囲む。本実施形態においては、基板ケース15は、外周誘導部材に対応する。また、基板ケース15は、モータ10の径方向外側に位置し、筒状である。つまり、基板ケース15は、筒状であり、ハウジング20の径方向外側に位置する。基板ケース15の内周面は、ハウジング20の外周面の少なくとも一部と接触する。これにより、基板ケース15とハウジング20を固定できる。さらに、基板ケース15の内周面とハウジング20の外周面の一部が接触することで、基板ケース15とハウジング20との相対位置が決まるため、第3の排気口95から排出された空気を基板ケースの上面に誘導することができる。基板ケース15の上面は、インペラハウジング80の下端よりも軸方向下側に位置する。本実施形態においては、基板ケース15の上端面17aは、インペラハウジング80の下端よりも軸方向下側に位置する。外周誘導部材の上端面17aは、排気誘導部材60の下端面と軸方向に隙間を介して対向する。上端面17aと排気誘導部材60の下端面との間の隙間は、第3の排気口95から放出された排気の流路となる。基板ケース15は、円板状の底壁16と、底壁16の外縁から上側に延びる筒状部17と、を有する。筒状部17には、径方向に貫通して基板ケース15の内側と外側を連通する最終排気口17bが設けられている。送風装置1は、外部に排気する排気口を有する。また、最終排気口17bは、基板ケース15の上面の一部が軸方向下側に凹む凹部である。これにより、最終排気口17bは、上述した各排気口(第1の排気口96、第2の排気口97および第3の排気口95)から排出された排気を合流させて排出する。さらに、第1の排気口96と第2の排気口97を通った空気によって、モータ10を冷却することができる。本実施形態においては、最終排気口17bは、上述の外部に排気する排気口に対応する。なお、本実施形態において、最終排気口17bは、筒状部17の上面に設けられた凹部であるが、他の構成でも良い。すなわち、最終排気口17bは、基板ケース15を径方向に貫通する貫通孔であってもよい。
図13は、モータ10の側面図である。
図1および図13に示すように、筒状部17の上端面(上面)17aは、中心軸Jを中心とする螺旋状に傾斜している。上端面17aは、下側に向かうに従ってインペラ70の回転方向と同方向に傾斜する。すなわち、基板ケース15の上面は、インペラ70の回転方向前方に向かうに従って軸方向高さが低くなる。上端面17aの螺旋下端は、ハウジング20の下端より下側に達する。すなわち、基板ケース15の上面の少なくとも一部は、ハウジング20の下端よりも軸方向下側に位置する。また、上端面17aの螺旋下端側には、最終排気口17bが位置している。排気誘導部材60の第3の排気口95から放出された排気は、モータ10の外周面とモータ10を収容する筐体19の内周面19aとの間を下向きに流れる。この排気は、筒状部17の上端面17aに達すると、上端面17aの傾斜に沿って、旋回しながら最終排気口17bに達して排出される。上端面17aは、第3の排気口95から斜め下に排出される旋回成分を含む排気を、流動方向を急角度で変えることなく最終排気口17bに案内するため、排気効率が低下することを低減できる。なお、基板ケース15の内周面は、ハウジング20の外周面と接触しているために、基板ケース15とハウジング20との間に排気が流入することがない。したがって、基板ケース15は、ハウジング20の外周面に沿って流れる排気の大部分を螺旋状に旋回させて効率よく最終排気口17bに案内できる。
複数の第3の排気口95のうち少なくとも1つの第3の排気口95は、最終排気口17bの直上に位置する。ここでは、最終排気口17bの直上に位置する第3の排気口95を直上排気口95Aと呼ぶ。本実施形態において上端面17aの最上端17cは、内方誘導部67の下側に位置している。これにより、直上排気口95Aから排出された排気は、上端面17aに誘導されることなく、上端面17aに誘導されるよりもより短い距離を通って最終排気口17bから排出され、直上排気口95Aからの排出効率を高めることができる。
本実施形態の上端面17aは、周方向に沿って傾きが一定の傾斜面である場合を例示した。しかしながら、上端面17aは、周方向に沿って傾きが変わる傾斜面であっても良い。この場合、上端面17aは、上側から下側に向かうに従って徐々に傾斜角が緩やかになる傾斜面とすることが好ましい。例えば、上端面17aが下側に凸となる曲面で、上端面が成す曲面の曲率半径中心が、上端面17aよりも上側に位置するような曲面でも良い。これにより、下側に向かって流れる排気を、上端面17aによって従って徐々に旋回させて最終排気口17bに誘導でき、排気効率を高めることができる。
本実施形態の上端面(上面)17aは、最終排気口17bのインペラの回転方向前方側周方向一端側から、周方向に沿って前記排気口の反対側を通過し最終排気口17bのインペラの回転方向後方側周方向他端側に達する一つながりの螺旋形状を有する。このように、上端面17aを一つながりの螺旋形状とすることで、上端面17aの上側で排気を合流させ1ヶ所の排気口(最終排気口17b)に導くことができる。なお、基板ケース15は、一つながりの螺旋状の上端面17aではなく、多重螺旋状に配置された複数の上端面を有していてもよい。
<制御基板(回路基板)>
制御基板(回路基板)11は、コイル42から延びるコイル線およびセンサ基板50と接続され、モータ10を制御する。本実施形態においては、制御基板11は、回路基板に対応する。すなわち、回路基板は、モータ10の下側に位置する。制御基板11は、図2に示すように、下蓋22に固定された複数(本実施形態では3つ)の柱状部材13を介して、下蓋22に対して傾斜した状態でモータ10の下側に取り付けられている。柱状部材13は、下蓋22のネジ孔22dにネジ固定されている。複数の柱状部材13は、それぞれ異なる高さを有する。また、柱状部材13の下側端面には、傾斜面が設けられている。制御基板11は、柱状部材13の下側端面にスペーサ13aを介してネジ固定されている。
制御基板11は、基板ケース15の内部に位置する。また、制御基板11は、最終排気口17bの径方向内側に位置する。制御基板11は、基板ケース15の最終排気口17bに向かって傾いている。制御基板11の最下点は、最終排気口17b側に位置している。すなわち、制御基板11は、中心軸Jに直交する平面に対して傾斜し、最終排気口17bに近い領域が軸方向下側に位置する。これにより、制御基板11の上面は、最終排気口17bに向けて下り勾配に傾いている。また、基板ケース15の上面の少なくとも一部が、ハウジング20の下端よりも軸方向下側に位置することによって、ハウジング20の下端よりも下側に最終排気口17bを構成することができる。よって、制御基板11によって案内された排気を、最終排気口17bから排出できる。
モータ10の内部を通過し第1の排気口96および第2の排気口97からモータ10の下側に排出される排気は、制御基板11に当たり、制御基板11を冷却する。さらに、制御基板11の上面11aに当たった排気は、制御基板11の傾きに沿って最終排気口17bにスムーズに排出される。すなわち、制御基板11が最終排気口17bに向かって傾斜していることで、排気効率を高めることができる。さらに、制御基板11が傾斜して配置されることで、制御基板11を軸方向から見た際の投射面積が小さくなる。これにより、制御基板11の外縁と基板ケース15の筒状部17の内周面との間の隙間を大きくして、排気を制御基板11の下面11b側に流入させることができる。したがって、制御基板11の下面11bに、コンデンサ等の発熱量の大きい実装部品を搭載した場合であっても、これらを効果的に冷却できる。
制御基板11の軸方向位置は、制御基板11の上面11aおよび上面11aに搭載された実装部品がモータ10の下蓋22に干渉しない範囲で、近づけて配置することが好ましい。これにより、制御基板11の冷却効果が高まるのみならず、制御基板11の傾斜により排気を最終排気口17bに誘導する効果をも高めることができる。
<送風動作>
本実施形態の送風装置1は、モータ10によりインペラ70を回転させることで、図2に示すように、吸気口80aからインペラ70内に空気を引き込み、インペラ70内の空気流路を介して径方向外側へ空気を放出する。インペラ70から放出された排気は、排気流路92を通過して排気誘導部材60に流入する。排気流路92は、インペラハウジング80の排気ガイド部83の内周面と突出部66cの外周面の間に位置し、インペラ70から径方向外側に向かって放出された排気を下側に向ける。排気流路92を介し下側に向いて流れる排気は、排気誘導部材60において周方向に交互に配置された第1の誘導路D1と第2の誘導路D2とに分岐して流れる。
図10に示すように、第1の誘導路D1を通過する排気は、内方誘導部67の内周面67bにより径方向内側に案内されるとともに、静翼67aにより整流されて貫通孔25、26からモータ10の内部に流入する。
貫通孔25を介してモータ10の内部に流入した排気は、図7に示すステータ40とハウジング20との間の空気流路FPに流入する。空気流路FP内において、排気は下側へ流れる。図5に示したように、空気流路FP内において、上側インシュレータ43の上側傾斜凸部43gと下側インシュレータ44の下側傾斜凸部44gが、排気の旋回成分を下側に向ける。空気流路FP内には、直線部41c(ステータコア41)の外周面が露出しており、排気により冷却される。空気流路FP内には複数の板状部45が位置しており、空気流路FP内を流通する排気を整流する。空気流路FPを流通した排気は、第1の排気口96としての下側開口部24から下方へ排出される。
貫通孔26を介してモータ10内に流入した排気は、図7に示すように、隙間CLを介してステータ40の内側へ流入する。隙間CLを囲む第1側端面43bと第2側端面43cと傾斜部材46は、隙間CLを通過する排気をモールド部47の排気誘導孔48に案内する。この構成により、モータ10の発熱部位であるコイル42を冷却することができる。加えて、モールド部47の排気誘導孔48によって、排気を効率よく下側に案内することができる。排気誘導孔48から下側に放出された排気は、第2の排気口97としての貫通孔22aから下方へ排出される。
第1の排気口96および第2の排気口97から排出された排気は、傾斜して固定された制御基板11の上面11aに当たり、制御基板11を冷却する。さらに、制御基板11の上面11aに沿って基板ケース15の最終排気口17bに向かって案内され排出される。
一方で、図11に示すように、第2の誘導路D2を通過する排気は、隔壁リング66bの内側傾斜部66dにより径方向外側に移動しながら第3の排気口95を介して下側に放出される。第3の排気口95から下側へ放出された排気は、モータ10のハウジング20の外周面に沿って下側へ流れる。図13に示すように、ハウジング20の外周面に沿って流れる排気の一部は、基板ケース15の上端面17aに沿って螺旋状に旋回して最終排気口17bに案内され排出される。上端面17aが、インペラ70の回転方向と一致する方向に傾斜していることで、第3の排気口95から放出されインペラ70回転方向に旋回する成分を含む排気を、モータ10の外周面を沿って効率よく最終排気口17bに誘導できる。また、ハウジング20の外周面に沿って流れる排気の一部は、上端面17aを介さずに、上端面17aに誘導されるよりもより短い距離を通って最終排気口17bに達して排出される。
図14は、本実施形態に記載の送風装置1を有する掃除機100の斜視図である。掃除機100は、送風装置1と、送風装置1の径方向外側に位置する筒状の筐体19(図13参照)と、を有する。本実施形態によれば、排気効率が高いことで結果的に吸込仕事率の高い掃除機100を提供できる。なお、本実施形態の送風装置1は、掃除機100に限らず、他の電気機器にも搭載できる。
以上に、本発明の実施形態および変形例を説明したが、実施形態および各変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
1…送風装置、10…モータ、11…制御基板(回路基板)、11a…上面、15…基板ケース(外周誘導部材)、17a…上端面(上面)、17b…最終排気口(排気口)、19…筐体、19a,65a,67b…内周面、20…ハウジング、22a,25,26,47a,69b,73a…貫通孔、31…シャフト、40…ステータ、60…排気誘導部材、65…外周筒部、66e…外周面、70…インペラ、70a,80a…吸気口、70c…排気口、72a…筒部、73c,86…凹部、80…インペラハウジング、100…掃除機、J…中心軸

Claims (7)

  1. 上下に延びる中心軸を中心とするシャフトと、前記シャフトを囲むステータと、前記ステータを収容し軸方向に延びる筒状のハウジングと、を有するモータと、
    前記シャフトの上側に連結されたインペラと、
    前記インペラを収容し吸気口を有するインペラハウジングと、
    前記ハウジングの径方向外側に位置する筒状の外周誘導部材と、
    を備え、
    前記外周誘導部材の上面は、前記インペラハウジングの下端よりも軸方向下側に位置し、前記インペラの回転方向前方に向かうに従って、軸方向高さが低くなる、
    送風装置。
  2. 前記外周誘導部材の内周面は、前記ハウジングの外周面の少なくとも一部と接触する、
    請求項1に記載の送風装置。
  3. 前記インペラハウジングの下側に取り付けられる排気誘導部材をさらに備え、
    前記排気誘導部材は、前記インペラの径方向外側に位置する外周筒部を有し、
    前記ハウジングは、径方向に貫通する貫通孔を周方向に沿って複数有し、
    前記貫通孔は、前記外周筒部の径方向内側に位置する、
    請求項1に記載の送風装置。
  4. 前記外周誘導部材の上面の少なくとも一部は、前記ハウジングの下端よりも、軸方向下側に位置する、
    請求項1に記載の送風装置。
  5. 前記モータの下側に位置する回路基板と、
    外部に排気する排気口と、
    をさらに備え、
    前記回路基板は、前記排気口の径方向内側に位置し、
    前記排気口は、前記外周誘導部材を径方向に貫通する貫通孔、または、前記外周誘導部材の上面の一部が軸方向下側に凹む凹部である、請求項1に記載の送風装置。
  6. 前記回路基板は、前記中心軸に直交する平面に対して傾斜し、前記排気口に近い領域が軸方向下側に位置する、請求項5に記載の送風装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の送風装置と、
    前記送風装置の径方向外側に位置する筒状の筐体と、
    を有する掃除機。
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