JP2017014137A - 光酸発生剤及び感光性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カチオン重合性化合物や溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、重合開始性能に優れた光酸発生剤及び前記化合物を含有する感光性組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される光酸発生剤。前記光酸発生剤と、カチオン重合性化合物と、を少なくとも含有する感光性組成物。【効果】前記感光性組成物中の光酸発生剤の含有量を少なくすることができ、結果として得られる剥離シートのコーティング材中の残留ホウ素化合物アニオンを少なくすることができるため、剥離力の低下を防ぐことができる。(R1及びR2は各々同一にアルキル基等)【選択図】なし

Description

本発明は、光酸発生剤及びそれを含有することを特徴とする感光性組成物に関する。
従来、熱又は光等の活性エネルギー線照射によってエポキシ化合物等のカチオン重合性化合物を硬化させる光酸発生剤としてはオニウム塩が知られており、塗料、造形、接着、レジスト等さまざまな用途で使用されている。
カチオン重合性樹脂を硬化させる光酸発生剤は、アニオンとしてBF 、PF−、AsF 、SbF 等を含有する塩が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、該光酸発生剤は、分解時にフッ化水素を発生する問題があり、しかも、用いるカチオン重合性化合物や溶剤に対する溶解性に劣り、カチオン重合性化合物に対する重合開始性能が低いために大量に添加させる必要がある問題があった。
これらを改善した光酸発生剤として、特許文献2にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートをアニオンとするオニウム塩が開示されている。該光酸発生剤は、BF 等のアニオンを含有する塩よりも、用いるカチオン重合性化合物や溶剤に対する溶解性に優れ、また、重合開始性能に優れているため添加量は少なくてすむ特徴がある。しかしながら、まだ十分な溶解性と重合開始性能が得られていない問題があった。
以上より、カチオン重合性化合物や溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、重合開始性能に優れた光酸発生剤及びそれを含有する感光性組成物が求められていた。
特表2000−510516号公報 特開2000−66385号公報
本発明の目的は、カチオン重合性化合物や溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、重合開始性能に優れた光酸発生剤及びそれを含有する感光性組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討をした結果、一般式(1)で表される光酸発生剤及びそれを用いた感光性組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする光酸発生剤である。
Figure 2017014137
(式(1)中、R又はRはそれぞれ同一でも異なってもよい有機基を示す。)
第二の発明は、R又はRの有機基が、炭素数1〜16のアルキル基であることを特徴とする第一の発明に記載の光酸発生剤である。
第三の発明は、第一又は第二の発明に記載の光酸発生剤と、カチオン重合性化合物と、を少なくとも含有することを特徴とする感光性組成物である。
第四の発明は、感光性組成物中における光酸発生剤の含有量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする第三の発明に記載の感光性組成物である。
第五の発明は、カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物であることを特徴とする第三の発明に記載の感光性組成物である。
第六の発明は、第三から第五の発明のいずれか一項に記載の感光性組成物を硬化させた硬化体である。
第七の発明は、シート状の基材上に、第三から第五の発明のいずれか一項に記載の感光性組成物を硬化させた硬化体からなる剥離層を有することを特徴とする剥離シートである。
本発明によれば、一般式(1)で表される光酸発生剤を用いることで、カチオン重合性化合物や溶剤に対する優れた溶解性と重合開始性能を有する光酸発生剤とそれを含有する感光性組成物を提供することができる。
本発明の光酸発生剤について説明する。光酸発生剤とは、熱あるいは光、電子線等の活性化エネルギー線の照射によって、酸を発生させることのできる化合物であり、エポキシ化合物等のカチオン重合性化合物を硬化させるために用いるものである。
<光酸発生剤>
本発明の光酸発生剤は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2017014137
一般式(1)中、R又はRは、同一又は異なっても良い有機基を示す。有機基としては、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜16のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基等が挙げられる。
さらに、RとRが非対称であることが溶解性の点より好ましく挙げられる。非対称であることで、カチオン性化合物又は溶剤に対する溶解性を向上させることができる。
上記炭素数1〜16のアルキル基としては、直鎖でも分岐していてもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜16の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、炭素数6〜16の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく挙げられる。
上記炭素数1〜16のハロゲン化アルキル基としては、ハロゲン原子が置換しているアルキル基であり、具体的には、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオロペンチル基等が挙げられる。
上記炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
これらの有機基の中でも特に、溶解度及び重合開始性能の点より、炭素数1〜16のアルキル基が好ましく挙げられ、炭素数8〜16のアルキル基が特に好ましく挙げられる。
本発明の光酸発生剤は、アニオン部がホウ素原子を中心とし、フッ素原子が置換したフェニル基を3つ結合している塩である。ホウ素原子を中心とし、フッ素原子が置換したフェニル基を4つ結合しているテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを用いた塩よりも本発明の塩の方が、溶剤やカチオン重合性化合物に対する溶解性に優れ、かつ、分子量が小さいので少ない添加量でも優れた重合開始性能を有する特徴がある。
一般式(1)で表される光酸発生剤のアニオン部の具体例を以下に示す。
Figure 2017014137
一般式(1)で表される光酸発生剤のカチオン部の具体例を以下に示す。
Figure 2017014137
これらの中でもアニオン部として化合物(I)を選択し、カチオン部として化合物(d)〜化合物(j)を選択した光酸発生剤が好ましく挙げられる。該光酸発生剤は、特に溶剤及びカチオン重合性化合物に対する溶解性に優れ、かつ、カチオン重合性化合物に対する重合開始性能に優れる特徴がある。
本発明の光酸発生剤は、溶剤に対する溶解性が良好であり、熱あるいは光、電子線等の活性化エネルギー線に対して優れた感度を有するため、カチオン重合性化合物を迅速に重合させることができる。また、本発明の光酸発生剤は、溶剤及びカチオン重合性化合物と混合しても、常温(25℃)では分解しにくいため、感光性組成物の貯蔵安定性にも優れる特徴を有している。
本発明である一般式(1)で表される光酸発生剤以外にも、従来公知の他の光酸発生剤を含有させて用いてもよい。
他の光酸発生剤を含有する場合、他の光酸発生剤の含有量は、本発明の一般式(1)で表される光酸発生剤1モルに対して、0.01〜0.4モル含有させて用いるのが好ましく挙げられ、0.05〜0.3モル含有させて用いるのが特に好ましく挙げられる。
他の光酸発生剤としては、スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウムのオニウム塩等が挙げられる。
本発明の光酸発生剤はカチオン重合性化合物への溶解を容易にするため、あらかじめカチオン重合を阻害しない溶剤に溶かしておいてもよい。
上記溶剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルソロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。
溶剤を使用する場合、溶剤の使用割合は、光酸発生剤100質量部に対して、15〜500質量部が好ましく、30〜200部がより好ましく挙げられる。使用する溶剤は、単独でも2種類以上併用してもよい。
<感光性組成物>
次に、感光性組成物について説明する。
本発明の感光性組成物は、一般式(1)で表される光酸発生剤と、カチオン重合性化合物を少なくとも含有させて、混合することで得ることができる。 なお、本発明の光酸発生剤は、活性エネルギーによってカチオン重合性化合物の重合を開始させる目的で含有させている。
カチオン重合性化合物とは、少なくとも1つのカチオン重合性基を有する化合物、例えばエポキシ化合物、環状エーテル、ビニルエーテル、ビニルアミン、側鎖不飽和芳香族炭化水素、ラクトン及び他の環状エステル、ラクタム、オキサゾリン、環状カーボネート、環状アセタール、アルデヒド、環状アミン、環状スルフィド、シクロシロキサン、シクロトリホスファゼン、特定のオレフィン及びシクロオレフィン等である。
エポキシド化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香環を有する1価又は多価のフェノール(フェノール、ビスフェノールA、フェノールノボラック及びこれらのアルキレンオキシド付加体した化合物)のグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセンやシクロペンテン環を有する化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られる化合物(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等)が挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール又はこのアルキレンオキシド付加体のポリグリシジルエーテル(1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、脂肪族多塩基酸のポリグリシジルエステル(ジグリシジルテトラヒドロフタレート等)が挙げられる
本発明の光酸発生剤は、特にエポキシ化合物に対する溶解性・分散性に優れ、かつ、優れた重合開始性能を有している。
感光性組成物中の本発明の一般式(1)で表される光酸発生剤の含有量は、カチオン重合性化合物100質量部に対し、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部であることが特に好ましく挙げられる。この範囲であると、カチオン重合性化合物に対する重合開始性能がさら良好となる。
また必要に応じて、感光性組成物に添加剤(増感剤、顔料、帯電防止剤、消泡剤、重合加速剤、熱重合禁止剤、可塑剤等)等を含有させて用いることができる。
増感剤としては、アントラセン化合物、スクアリリウム化合物、ペリレン化合物、フェナントレン化合物等が挙げられる。顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボン等の無機顔料、アゾ化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物等の有機顔料が挙げられる。帯電防止剤としては、非イオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、両性型帯電防止剤や高分子型帯電防止剤が挙げられる。消泡剤としは、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤等が挙げられる。
添加剤を用いる場合、添加剤の含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部が特に好ましく挙げられる。
本発明の感光性組成物は、光酸発生剤、カチオン重合性化合物、必要に応じて添加剤を、室温(20〜30℃)又は必要に応じて加熱(40〜90℃)下で、均一に混合して調整することで得ることができる。
<硬化体>
次に硬化体について説明する。本発明の感光性組成物は、エネルギー線を照射することにより硬化させて、硬化体を得ることができる。
エネルギー線としては、本発明の光酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限りいかなるものでもよいが、ハロゲンランプ、水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ又はFレーザ等から得られる紫外〜可視光領域(波長:約100〜800nm)のエネルギー線が好ましく挙げられる。なお、エネルギー線には、電子線又はX線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。
これらの中でも、本発明の光酸発生剤は、可視光に対する高い光感度を有するため、ハロゲンランプを用いることが好ましく挙げられる。
エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の強度や感光性組成物に対するエネルギー線の透過性に影響を受ける。通常、常温(20〜30℃程度)で0.1秒〜30秒程度照射する必要がある。
エネルギー線を感光性組成物に照射することで、光酸発生剤の分解を誘発して、酸を発生させ、その結果、カチオン重合性化合物の重合を促がし、感光性組成物を硬化させることができる。
また、感光性組成物を作製するときに溶剤を用いた場合は、エネルギー線を照射する前に、加熱して溶剤を除去させる必要がある。加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で溶剤を除去させることができる。
本発明の感光性組成物を硬化させた硬化体の用途としては、コーティング剤、各種被覆材料、粘着テープの背面処理剤、粘着ラベル用等に用いられる剥離層を有する剥離シート、印刷板、ポジ型レジスト、レジストフィルム、ホログラフ用樹脂等が挙げられる。
これらの中でも特に、剥離層を有する剥離シートとして用いることが好ましく挙げられる。
<剥離シート>
剥離層を有する剥離シートとは、シート状の基材上に感光性組成物を塗布した後、感光性組成物を硬化させた硬化体からなる剥離層を形成させたものである。
シート状の基材は特に限定されないが、通常用いられる剥離シートのベースとして使用されるシート状の基材は、表面がシリコーン系粘着剤と接触する場面でも使用できるパッキン、板状物、容器、管状体、及びその他の不定形物体を用いることが好ましく挙げられる。
これらの中で、前記シート状の基材の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、あるいはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙等を挙げることができる。
例えば、本発明の感光性組成物をシート状の基材の表面に塗布した後、ホットプレート又はオーブン等で加熱して溶媒を除去することによって塗膜を形成させることができる。塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法、スリットコート法等の通常の方法により形成させることができる。加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で溶剤を除去させることができる。
上記シート状の基材の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、感光性組成物を硬化させた硬化体からなる剥離層の厚さは、15〜500μmが好ましく挙げられ、20〜200μmがさらに好ましく挙げられる。
本発明に用いる光酸発生剤は、従来用いられているBF 等のアニオンを用いた光酸発生剤とは異なりフッ化水素を発生させることがなく、しかも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを用いた塩よりも分子量が小さいため、少ない添加量でカチオン重合性化合物を重合させることができる。
そのため、感光性組成物中の光酸発生剤の含有量を少なくすることができ、結果として得られる剥離シートのコーティング材中の残留ホウ素化合物アニオンを少なくすることができるため、剥離力の低下を防ぐことができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されない。実施例中の「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)
<光酸発生剤の合成>
4ツ口フラスコに、トルエン50部、ヨウ素酸カリウム21部、無水酢酸51部、酢酸100部を加えた後、反応器内雰囲気を窒素置換した。濃硫酸30部と酢酸20部とを混合した混合溶媒を作製し、混合溶媒を反応器に滴下しながら、40℃で2時間攪拌した。その後、冷却しながら反応液に水を100部滴下した。さらに反応液にヘキサンを加え、30分攪拌した。二層に分離した反応液から有機層を分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。
トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム20部を有機層に加え、30分攪拌した後、溶媒を留去させて粉末を得た。該粉末にイソプロピルアルコールを加えて20分攪拌してろ過して洗浄し、下記光酸発生剤(A)を作製した。
<感光性組成物の製造>
得られた光酸発生剤(A)の50質量%プロピレンカーボネート溶液を作製した。該溶液1部を、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダウケミカル株式会社製、UVR−6110)に含有させ、5分攪拌して、感光性組成物を得た。
<溶解性の評価>
光酸発生剤(A)の50質量%プロピレンカーボネート溶液1部又は5部を、カチオン重合性化合物であるエポキシド(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダウケミカル株式会社製、UVR−6110)20部に加え、室温で攪拌後、下記の基準により溶解性を目視にて評価した。
(判定基準)
◎:均一で透明である(「光酸発生剤(A)」の50質量%プロピレンカーボネート溶液5部を用いた場合でも均一で透明である)
○:均一で透明である(「光酸発生剤(A)」の50質量%プロピレンカーボネート溶液1部を用いた場合均一で透明である)
×:濁りが見られる、白濁している
<光硬化性の測定>
感光性組成物をアプリケーター(40μm)でポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、80℃で3分乾燥させて、溶媒を除去させた。該ポリエチレンテレフタレートフィルムに、ハロゲンランプを25℃条件下照射し、硬化するまでの時間を測定した。硬化は、鉛筆硬度試験(JIS K5600−5−4)で2H以上の硬度となったとき硬化したと判断した。硬化するまでの時間が、短ければ短いほど用いた光酸発生剤のカチオン重合性化合物における重合開始性能に優れているといえる。具体的には、光硬化性は、10s以下であることが好ましく、5s以下であることがさらに好ましく、4s以下であることが特に好ましく挙げられる。
<貯蔵安定性の評価>
感光性組成物を80℃で1ヶ月保存後の粘度を測定し、下記の基準により貯蔵安定性を評価した。
(判定基準)
貯蔵後の粘度変化
○:初期粘度の2倍未満
×:初期粘度の2倍以上
(実施例2〜5、比較例1、2)
実施例2〜5、比較例1、2は、実施例1で用いた光酸発生剤を、表1に対応する光酸発生剤(B)〜(G)に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性組成物を作製し、光硬化性、溶解性、貯蔵安定性を評価した。
測定結果を表1に示す。
Figure 2017014137
表中の光酸発生剤(A)〜(G)は以下の通りである。
Figure 2017014137
表1より、比較例1、2に比べ、実施例1〜5の方が、溶解性・重合開始性能・貯蔵安定性に優れていることがわかる。特に実施例4、5は溶解性に優れていることがわかる。
本発明の光酸発生剤とそれを用いた感光性組成物及び硬化体は、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等に適用できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする光酸発生剤。
    Figure 2017014137
    (式(1)中、R又はRはそれぞれ同一でも異なってもよい有機基を示す。)
  2. 又はRの有機基が、炭素数1〜16のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の光酸発生剤。
  3. 請求項1又は2に記載の光酸発生剤と、
    カチオン重合性化合物と、
    を少なくとも含有することを特徴とする感光性組成物。
  4. 感光性組成物中における光酸発生剤の含有量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項3に記載の感光性組成物。
  5. カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物であることを特徴とする請求項3に記載の感光性組成物。
  6. 請求項3から5のいずれか一項に記載の感光性組成物を硬化させた硬化体。
  7. シート状の基材上に、請求項3から5のいずれか一項に記載の感光性組成物を硬化させた硬化体からなる剥離層を有することを特徴とする剥離シート。
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