JP2017013287A - 弾性基材接着体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低いガス透過性のエチレン−プロピレン−ジエンゴムを弾性成分として含み又はシリコーンゴムを弾性成分として含む弾性基材と、それらに同質又は異質の被接着基材とを、厳密な精度で強固に接着弾性基材接着体、及びそれで形成され流路を有するマイクロ化学チップのような製品となる複合体を提供する。
【解決手段】弾性基材接着体1は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はシリコーンゴムを弾性成分として含んで形成された弾性基材10と、被接着基材20とが、分子接着による化学結合を介して、接着している。複合体は、前記の弾性基材接着体1で形成され、製品に組み込まれているものであり、例えば前記弾性基材10と前記被接着基材20との間及び/又は少なくとも何れかに、被験液を流す流路が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)やシリコーンゴムを弾性成分として含んでなる弾性基材と、被接着基材とを、接着剤等の流動体を使用せずに、接着させた弾性基材接着体に関するものである。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムやシリコーンゴムを弾性成分として含んで成形され非流動性を有する柔軟な弾性基材と、異質の架橋ゴム、樹脂、金属、セラミックス、又はガラス等で成形された被接着基材とは、物理化学的性質が大きく異なるうえ何れも粘着性や接着性を有しないため、単に接触させただけでは、接着や粘着ができず、強固に接合し得ない。
これらの弾性基材と被接着基材とを、接着剤で接着した場合、その接着力は接着剤分子同士の分子間力によるため非常に弱い。弾性基材と被接着基材の材料が変われば適切な接着剤も変わるため、最適な接着剤の選定は、試行錯誤により行わなければならず、大変な手間がかかっていた。
接着剤で基材同士を確実に接着するには、接着剤と基材との濡れ性が最も重要な要因であるので、流動性の接着剤を用い接着剤を介して基材同士を当接させてから接着剤を硬化させることにより、行われる。
このような流動性の接着剤を用いた接着では、接着させる基材の端部から接着剤がはみ出したり接着剤層の厚さや十分な接着強度の厳密な制御が困難であったりするという問題があった。そのため、弾性基材と被接着基材との間に微細な流路を設け流路部位以外で弾性基材と被接着基材とを接着剤により接着するマイクロ化学チップは、接着剤のはみ出しにより微細な流路を塞ぎ、致命的な不良品を頻出させ、歩留まりを低下させてしまっていた。しかも、このようなマイクロ化学チップは、ロット毎の各基材表面の不均一に起因して接着工程での均質化が困難であり、不良品発生率と生産性とが製造担当者の経験や能力に依存しているため、高品質の製品を歩留まり良く大量に、生産することができない。
接着剤を用いずに化学結合で接着する技術として、特許文献1に、表面に水酸基を有する三次元化シリコーンゴム弾性体と、表面に水酸基を有する被接着基材とが、互いの水酸基で共有結合しつつ、積層しているシリコーンゴム接着体が、開示されている。このようなシリコーンゴムは、コロナ放電等で表面に水酸基を生成させ反応部位を増幅させて、接着性を向上させることができる。しかし、接着性が向上したとしても、シリコーンゴムやシリコーン樹脂のようなシリコーンは、本来、ガス透過性が高いために、マイクロ化学チップのようなガス非透過性・気密性が要される接着体の材料として不適である。
特許文献2に、アミノシラン等の接着促進剤が縮合硬化性炭化水素ポリマー組成物中で発泡の原因となるためシーラントの物理的強度を弱くしてしまいシーラントの水蒸気等の気体の透過性を増してしまうことを改善する技術として、加水分解性シリル基を有する有機炭化水素ポリマーに、アルコキシ−シリル置換有機接着促進剤を含むことにより、気密性を維持させ、接着性を向上させる硬化性組成物が、開示されている。また、特許文献3に、透過性を向上させつつ接着する技術として、ポリオレフィン材料の被着体に接着剤を塗布し、又はプライマー及び接着剤を順次塗布し、次いで塗布面に他の材料を重ね合せた後に、レーザー照射を行って、ポリオレフィン材料と接着剤の層又はプライマー及び接着剤の層との界面に強固な接着結合を形成するポリオレフィン材料の接着方法が、開示されている。特許文献2及び3の何れに記載の技術も、接着剤を使用する必要があり、微細で精密な流路を形成して流路幅に厳密な精度が要求されるマイクロ化学チップのような複合体の作製には、不適である。
さらに、エチレン−プロピレン−ジエンゴム材料は、ガス透過性が低いが、シリコーン材料のように接着剤を用いずに化学結合で直接接着することが難しいという問題点がある。
国際公開第2010/032728号公報 特表第2010−525090号公報 特開平05−214119号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、低いガス透過性のエチレン−プロピレン−ジエンゴムを弾性成分として含み又はシリコーンゴムを弾性成分として含む弾性基材と、それらに同質又は異質の被接着基材とを、厳密な精度で強固に接着された弾性基材接着体、及びそれで形成され流路を有するマイクロ化学チップとなる複合体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた弾性基材接着体は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はシリコーンゴムを弾性成分として含んで形成された弾性基材と、被接着基材とが、分子接着による化学結合を介して、接着しているものである。
弾性基材接着体は、前記化学結合が、エーテル結合と、前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基及び/又は前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に反応することにより官能基を導入する官能基含有分子接着剤を介した共有結合との少なくとも何れかであることが、好ましい。
弾性基材接着体は、前記分子接着剤が、シランカップリング剤、有機アルミネート、無機アルミネート、有機チタネート、及び/又は無機チタネートであると好ましい。
弾性基材接着体は、前記弾性基材が、前記エチレン−プロピレン−ジエンゴムを弾性主成分として含んで形成されており、前記弾性基材に結合した前記分子接着剤による前記共有結合を介して、前記被接着基材と接着していることが、好ましい。
弾性基材接着体は、前記弾性基材が、前記シリコーンゴムを弾性主成分として含んで形成されており、前記弾性基材と前記被接着基材とが、夫々、別々に前記分子接着剤と結合しており、それら前記分子接着剤による前記共有結合を介して、接着していることが好ましい。エチレン−プロピレン−ジエンゴムやシリコーンゴムは、分子接着剤分子によって、表面官能基として水酸基(OH)で増幅されていてもよく他の官能基で増幅されていてもよい。
弾性基材接着体は、例えば、前記被接着基材が、架橋ゴム、樹脂、金属、セラミックス、又はガラスで形成されているというものである。
弾性基材接着体は、前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に結合した前記シランカップリング剤が、前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基に結合して、前記化学結合を形成していることが、好ましい。
弾性基材接着体は、前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基に結合した前記シランカップリング剤が、前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に結合して、前記化学結合を形成してもよい。
弾性基材接着体は、前記弾性基材の接着面と前記被接着基材の接着面との少なくとも何れかが、表面活性化処理されていることが、好ましい。
弾性基材接着体は、前記表面活性化処理が、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、及び紫外線照射処理から選ばれる少なくとも何れかの処理であるというものである。
弾性基材接着体は、前記弾性基材が、フィラーを含んでいることが、好ましい。
弾性基材接着体は、前記フィラーが、例えば、粉末状又は粒状で、無機酸化物及び/又は無機塩であるというものである。
弾性基材接着体は、前記フィラーが、より具体的には、カーボンブラック、乾式シリカ、湿式シリカ、沈降シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、アルミナ、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも何れかであるというものである。
弾性基材接着体は、前記弾性基材中、前記エチレン−プロピレン−ジエンゴム又は前記シリコーンゴム100質量部に対し、前記フィラーが10〜100質量部含まれていることが好ましい。
弾性基材接着体は、前記弾性基材が、シリコーン樹脂と前記シリコーンゴムとを含有しているものであってもよい。
弾性基材接着体は、前記弾性基材が、エチレンと、プロピレンと、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、及び2−イソプロペニル−5−ノルボルネンから選ばれる少なくとも何れかのジエンとのエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを含有するものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた複合体は、前記の弾性基材接着体で形成され、製品に組み込まれているというものである。
この複合体は、前記弾性基材と前記被接着基材との間及び/又は少なくとも何れかに、被験液を流す流路が設けられているものであると好ましい。
本発明の弾性基材接着体は、三次元化架橋したエチレン−プロピレン−ジエンゴムやシリコーンゴムを弾性成分として含んでなる製弾性基材と、同質又は異質の架橋ゴム、樹脂、金属、セラミックス、又はガラス製の被接着基材とを、硬化性の接着剤や粘着剤を使用せずに、エーテル基や分子接着剤を介した化学的な共有結合によって強固に接着した簡便な構造であって、安価なものである。
弾性基材接着体と被接着基材との夫々の接着面上で存在する水酸基同士の十分な接近による直接的なエーテル結合、又は一方の基材の水酸基と他方の基材の水酸基に結合したシランカップリング剤のような分子接着剤分子との化学反応による共有結合の生成が達成されるので、強固に接着させたエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体やシリコーンゴム接着体が、得られる。
これにより、接着剤や粘着剤のような流動体を使用しなくとも、非流動性の三次元化エントロピー弾性体である弾性基材接着体と被接着基材との間で確りと接着でき、それらが必要に応じ複数積層して接着した複合体を得ることができる。
従って、この弾性基材接着体は、ガス透過性が低く表面で活性基を生成させ難いエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材と、同質又は異質の被接着基材とが、接着剤を使用せずに、ガス漏れ、液漏れしないように、直接的な化学結合を介して、厳密な精度で強固に、接着されているというものである。シリコーンゴム弾性基材を用いると、同様にシリコーンゴム弾性基材接着体を得ることができる。
弾性基材接着体は、弾性基材接着体と被接着基材とを接着するための化学結合が、水酸基のような反応性基が増幅され又は更にその反応性基に分子接着剤が結合して一層増幅された多数の結合部位によって共有結合を形成したものであるから、結合強度が高い。そのため弾性基材接着体は、直接的な化学結合による接合性が強いので、物理的に強度が高く剥離し難く、化学的に安定で耐水性・耐薬品性・耐溶剤性・耐熱性に優れている。
弾性基材接着体は、弾性基材がエチレン−プロピレン−ジエンゴムとシリコーンゴムとの何れを弾性成分として含有していても、弾性基材表面の反応部位例えば水酸基をシランカップリング剤で増幅して反応性を高め強く接着される。
弾性基材接着体は、弾性基材がエチレン−プロピレン−ジエンゴムやシリコーンゴムを弾性成分とするとき、分子接着剤による増幅が、表面水酸基の増幅に限られず、その他の反応性活性基でもよい。
とりわけ、この弾性基材接着体で形成された複合体は、弾性基材がエチレン−プロピレン−ジエンゴムを主弾性成分として含んでなる場合、液密性が高いのみならず、ガス透過性が低くて気密性が高い。
この弾性基材接着体は、簡易に、高い歩留まりで、大量に、製造が可能なものである。
弾性基材接着体は、弾性基材接着体と被接着基材との間に設けられたりそれらの何れかが窪み又は貫通して設けられたりして被験液を流す流路に、接着剤が侵入する恐れが無いから、流路が不意に接着剤で塞がれたり狭まったりしない。そのため、これら微細で精密な流路を有するマイクロ化学チップとして、液漏れすることなく用いることができる。
本発明の複合体は、被験液を流す微細で精密な流路が設けられているマイクロ化学チップに、用いることができる。
この複合体は、弾性基材接着体と前記被接着基材とが、被験液を流す微細で精密な流路以外の接着部位で確りと化学結合によって接着されているので、被験液を流路中で確実に所望の方向のみへ流すことができる。
しかも、この複合体は、弾性基材がエチレン−プロピレン−ジエンゴムを主弾性成分として成形されている場合、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが高いガス非透過性を示すために、外気の各種ガスの影響や、流路へ被験液を流すための加圧ガス等の加圧流動体の影響を、受けない。
本発明を適用する弾性基材接着体の製造途中を示す概要図である。 本発明を適用する弾性基材接着体で形成されたマイクロ化学チップである複合体の分解斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
まず、本発明を実施するための好ましい一形態として、弾性成分であるエチレン−プロピレン−ジエンゴムで成形された弾性基材10と被接着基材20との弾性基材接着体の例を示す。
この弾性基材接着体1は、図1に示すように、弾性成分である三次元化架橋したエチレン−プロピレン−ジエンゴムで成形された弾性基材10と、同質又は異質の架橋ゴム、樹脂、金属、セラミックス、又はガラスで成形された被接着基材20とが、化学結合を介して、接着したものである。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の接着面11sが予めコロナ放電処理、プラズマ処理、又は紫外線照射処理のような表面活性化処理が施され、被接着基材20の接着面21sが予めコロナ放電処理、プラズマ処理又は紫外線照射処理のような表面活性化処理が施されることによって、それらの表面に水酸基が新たに生成されて増幅されつつ露出したものであり、両基材10・20の当接により、両者の水酸基同士が、脱水反応により結合してエーテル基を形成し、化学的に接着している。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、平面状のシートやフィルムや板であってもよく、立体形状を有する成型体であってもよい。被接着基材20は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と当接できれば、平面状のシートやフィルムや板立体形状を有する成型体であってもよい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、コロナ放電処理やプラズマ処理や紫外線照射処理のような表面活性化処理を施すことによりその接着面11sで、有機基が高反応性の反応性基、例えば水酸基を生成して、元来の水酸基と新たに形成された水酸基とが露出して点在する点在水酸基を、接着面11sに有している。被接着基材20も、表面活性化処理を施すことによりその接着面21sで、有機基又は無機分子が高反応性の反応性基、例えば水酸基を生成して、元来の水酸基と新たに形成された水酸基とが点在して露出した露出水酸基を、接着面21sに有している。弾性基材接着体1は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の点在水酸基の一部と、被接着基材20の露出水酸基の一部とが脱水反応し、エーテル結合を生成することによって、両基材10・20がエーテル結合を介して、接着したものである。エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、三次元的な網目状に架橋した弾性のあるシートや板のような平面状、又は複雑な立体形状の三次元化架橋エチレン−プロピレン−ジエンゴムで成形されたものであるので、エントロピー弾性を示すから、被接着基材20が非流動体であっても、またエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の点在水酸基と被接着基材20の露出水酸基とが当接当初に数Å離反していたとしても、その表面粗さをそのエントロピー弾性によって解消しながら、脱水反応して、エーテル結合を生成する。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中のゴム成分であるエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴムは、例えばエチレンと、プロピレンと、ジエン系モノマーである第三成分との共重合体ゴムである。その第三成分はジエン系モノマーであれば特に限定されない。より具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、エチレンと、プロピレンと、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、及び2−イソプロペニル−5−ノルボルネンから選ばれる少なくとも何れかのジエン系モノマーである第三成分との共重合体ゴムが挙げられる。その第三成分は、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であると一層好ましい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、分子量を500〜300,000とすることが好ましい。
また、エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、粘度をJIS K6300に準拠しムーニー粘度(ML1+4)で表記したとき125℃で20〜87程度、好ましくは同40〜60程度とするものである。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、エチレンと、プロピレンと、ジエン系モノマーである第三成分との成分割合がそれらの合計100質量%に対して、エチレン比率を30〜70%でジエン比率を2〜15%とすることが好ましく、エチレン比率を40〜60%でジエン比率を4〜10%とすることが更に好ましい。なお、残余をプロピレン比率とする。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体の何れでもよい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中のゴム成分は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム単独であってもよいが、1,4‐シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴムのようなジエン系ゴムや非エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有していてもよい。その場合、エチレン−プロピレン−ジエンゴムとジエン系ゴムや非エチレン−プロピレン−ジエンゴムの配合比は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを80〜20質量部、好ましくは60〜40質量部とし、ジエン系ゴムや非エチレン−プロピレン−ジエンゴムを20〜80質量部、好ましくは40〜60質量部とする。このとき、エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、配合量が少な過ぎると、耐熱老化性を著しく悪化させてしまい、逆に配合量が多過ぎるとゴムの破壊特性を著しく悪化してしまうため、好ましくない。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中のエチレン−プロピレン−ジエンゴムと共に、耐熱性、耐候性、低温特性を向上させたりするためにジオルガノポリシロキサンで例示されるシリコーン樹脂やシリコーンゴムのようなシリコーンを、含有していてもよい。
このとき、ジオルガノポリシロキサンのようなシリコーンの添加量は、例えば、主成分のポリオレフィン系有機ポリマー100質量部に対して、10〜500質量部、好ましくは30〜300質量部とする。シリコーンの添加量が、10質量部未満では、ポリオレフィン系有機ポリマーの耐候性、耐温度変化性を改善するのに十分でなく、500質量部を超えると成形されたゴムの強度が劣ったり硬さが不十分となったりする。
また、エチレンプロピレンポリマー30〜90質量部にシリコーンオイルを70〜10質量部の範囲で混合し、必要な場合はさらに補強性充填材として二酸化ケイ素パウダーを10〜90質量部添加混合して配合してもよい。具体的には、SEPゴム(信越化学工業株式会社;登録商標)、より具体的には、SEP−X−890C−U(同社製、商品名)が挙げられる。その物性は、JIS−Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法・カップ法)に準拠して測定したところ、透湿度が40℃・24hで1.8g/mである。
このようなシリコーンは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの機械的強度を高めると共に、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理のような表面活性化処理の際に、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの側鎖のエチリデン基の劣化を防ぎ架橋性を維持し、さらにエチレン−プロピレン−ジエンゴム自体から水酸基を生成し難いのを、シリコーン分子露出表面で水酸基を格段に生成し易くしている。シリコーンは、パーオキサイド架橋型シリコーン樹脂又はゴム、付加架橋型シリコーン樹脂又はゴム、縮合架橋型シリコーン樹脂又はゴムが挙げられる。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の硬度は、例えばショアA硬度で10〜80程度、好ましくは20〜60程度であってもよく、ショアD硬度で1〜30程度、好ましくは5〜20程度であってもよい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、機能性添加剤や機能性充填剤が添加されていてもよい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10を調製する加工条件は、付加反応・縮合反応等の架橋の種類及び特性によって異なるので一義的には決められないが、一般には0〜200℃で、1分間〜24時間加熱するというものである。これによりエチレン−プロピレン−ジエンゴム製の弾性基材10が得られる。低温の加工条件の方が、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの物性が良い場合には、反応時間が長くなる。物性よりも素早い生産性が要求される場合には、高温で短時間の加工条件で行われる。生産過程や作業環境によって、一定の時間内に加工しなければならない場合には、所望の加工時間に合わせ、加工温度を前記範囲内の比較的高い温度に設定して、行われる。
弾性基材接着体1は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と、被接着基材20とが、夫々の表面から露出した水酸基同士を介して、脱水したエーテル基で直接、共有結合しているという化学結合をした例を示したが、何れか一方の水酸基に結合した、シランカップリング剤や、有機又は無機のアルミネート又はチタネートのような分子接着剤の分子を介した間接的な共有結合であってもよい。このような間接的な共有結合は、例えば、分子接着剤の分子が単分子膜となって、結合しているというものである。
例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の接着面11s表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理のような表面活性化処理によって点在するように生じた点在水酸基へ、シランカップリング剤のような分子接着剤が結合し、その分子接着剤分子の加水分解性基や解離性基が、被接着基材20の接着面21s表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理のような表面活性化処理によって生じ露出している露出水酸基と反応する結果、分子接着剤を介した間接的な共有結合が形成されている。さらに、被接着基材20の露出水酸基へシランカップリング剤のような分子接着剤が結合し、その分子接着剤分子の加水分解性基や解離性基が、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の表面の点在水酸基と反応する結果、分子接着剤を介した間接的な共有結合が形成されていてもよい。
このような分子接着剤は、被接着基材20の表面に露出した露出水酸基及び/又はエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の表面に点在する点在水酸基に反応することにより官能基を導入する官能基含有分子接着剤である。この分子接着剤は、被接着基材20とエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10との何れか一方又は双方の有機基結合性水酸基(OH基)と反応して官能基を導入できる。中でも、機能性シラン化合物のような分子接着剤が好ましい。
このような分子接着剤を用いると、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と被接着基材20との表面の水酸基のような反応活性点を、分子接着剤の官能基によって増幅することができる。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性体としての補強性、導電性、熱伝導性、耐摩耗性、耐紫外線、対放射線、耐熱性、耐候性、柔軟性などの機能を高めるために機能性添加剤を添加したり、増量させたりするために機能性充填剤が添加されていてもよい。
機能性添加剤として、粉末状又は粒状の補強剤である補強フィラーが挙げられる。例えば、補強フィラーとして、HAF、FEFなどの各種グレードのカーボンブラック;エアロジル、乾式シリカ、湿式シリカ、沈降シリカのようなシリカ(SiO);ニプシル(東ソー・シリカ株式会社製、商品名);アルミナ(Al);酸化チタン(TiO)、例えばルチル型又はアナターゼ型酸化チタン;タルク;ケイ酸カルシウム;炭酸カルシウム;炭素繊維;ケブラー繊維;ポリエステル繊維;ガラス粉末;ガラス繊維が、挙げられる。中でも、接着性が向上するフィラー、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタンのような無機酸化物、無機塩が好ましい。このような無機酸化物や無機塩は、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの機械的強度を高めると共に、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理のような表面活性化処理の際に、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの側鎖のエチリデン基の劣化を防ぎ架橋性を維持し、さらにエチレン−プロピレン−ジエンゴム自体から水酸基を生成し難いのを、無機酸化物や無機塩の粉末露出表面や粒露出表面で水酸基を格段に生成し易くしており、またブレンドゴムを使用する場合の界面接着性を向上させる。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中、補強フィラーは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム100質量部に対し、10〜100質量部であることが好ましい。補強フィラーの配合比が、この範囲を超えると分散性、柔軟性、加工性の低下が発生する。一方この範囲を下回ると、接着性、補強性、破壊強度の低下が見られるようになる。20〜40質量部であると一層好ましい。補強フィラーが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、のような無機酸化物、チタネートのような無機塩であるとき、その平均粒径が10nm〜数十μmであることが好ましく、疎水化処理など表面処理されていてもよい。
さらに、機能性添加剤として、導電剤、伝熱剤、硬度や耐寒性を向上させる軟化剤が用いられてもよい。導電剤として、カーボンブラック、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、これらの金属で表面被覆された金属酸化物粉体、セラミックス粉体、有機粉体、有機繊維が、挙げられる。伝熱剤として、Al、AlN、Si、C、SiC、グラファイトなどの粉体や繊維が、挙げられる。軟化剤として、プロセスオイル、ナフテンオイル、高級脂肪酸エステル、フタル酸ジアルキルエステルが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中、導電剤、伝熱剤、軟化剤は、適宜、適量用いられるが、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム100質量部に対し、1〜300質量部、好ましくは20〜200質量部添加される。それらの添加量が、この範囲を下回ると、機能性添加剤の各機能が発揮されず、一方、この範囲を上回ると弾性基材のゴム弾性が低下してしまう。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、必要に応じて、硫黄加硫剤、トリアジンジチオール系架橋剤、樹脂架橋剤、ポリオール架橋剤、パーオキサイド架橋剤、塩化白金酸、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、アミン系架橋促進剤、多官能性モノマー、酸化金属や有機酸金属塩等の金属化合物を、単独又は複数組合せた架橋剤を含有していてもよい。エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10中、架橋剤は、加硫ゴムとなるエチレン−プロピレン−ジエンゴム100質量部に対し、例えば0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。架橋剤が、0.1質量部未満であると、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の架橋度が低すぎて加硫ゴムとして使用できず、一方、10質量部を超えると、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10のジエン分に対して過剰となる。
本発明の弾性基材接着体1の一層好ましい実施態様は、エチレン−プロピレン−ジエンゴムで成形された弾性基材10がシリカ等のフィラーを含んでおり、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と被接着基材20との双方がコロナ放電等の表面活性化処理されてからシランカップリング剤で反応活性点を増幅された後、そのシランカップリング剤による化学結合を介して、接着したというものである。
弾性基材10として、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを主弾性成分として用いた例を示したが、本発明の弾性基材接着体1の好ましい別な実施態様として、弾性基材10がエチレン−プロピレン−ジエンゴムに代えてシリコーンゴムを主弾性成分として用いてもよい。このようなシリコーンゴムを主弾性成分としても用いても同様の物性を示す。しかもシリコーンゴムは、コロナ放電等で表面に水酸基を生成させ反応部位を増幅させても直接結合するよりも、更にシランカップリング剤を介して増幅させた方が、増幅性が高まり、より強固な結合が得られる。例えば、表面水酸基同士の反応以外の化学反応によって弾性基材と被接着基材との結合を形成することができる。また、溶液処理が困難な弾性基材と被接着基材との接着の場合、ゴム側の処理のみで接着させることが可能である。例えば被接着基材が紙や布などのように溶液が染み込んでしまう基材や、熱処理を行うことでシミやしわを生じてしまう基材、既にほかの目的(物質・細胞の吸着や化学反応)のために、表面処理されている基材などであっても、ゴム側の処理のみで接着させることができる。
被接着基材20は、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと同質又は異質の架橋ゴム材料及びその架橋ゴム加工製品、樹脂及び樹脂加工製品、金属材料及びその金属材料加工製品、セラミックス及びセラミックス加工製品、ガラス及びガラス加工製品が挙げられる。被接着基材20の素材は、三次元化シリコーンゴムであってもよく、未架橋性のシリコーンゴムであってもよい。
被接着基材20の素材の架橋ゴム材料は、前記と同種のエチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム、1,4‐シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリクロロプレン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム、水素添加アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン‐ジエンゴム、エチレンオキサイド−エピクロロヒドリン共重合体ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、塩素化アクリルゴム、臭素化アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンとその共重合ゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムテトラフロロエチレン、ヘキサフロロプピレン、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロロエチレンなどの単独重合体ゴム及びこれらの二元及び三元共重合体ゴム、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、エチレンアクリルゴム、パーオキサイド型シリコーンゴム、付加型シリコーンゴム、縮合型シリコーンゴム、エポキシゴム、ウレタンゴム、両末端不飽和基エラストマー等の線状重合体のような原料ゴム状物質の配合物が、挙げられる。架橋ゴム材料で形成された被接着基材20は、粉体、繊維、線、棒、網、板、又はフィルムであってもよく、これらを組合せた加工製品であってもよい。
被接着基材20の素材の樹脂材料は、セルロース及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、二酢酸セルロース、表面ケン化酢酸ビニル樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、i−ポリプロピレン、石油樹脂、ポリスチレン、s‐ポリスチレン、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、ABS樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ポリシアノアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・プロピレン共重合体、1,4‐トランスポリブタジエン、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・フォルマリン樹脂、レゾルシン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グリプタル樹脂、変性グリプタル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテレンテレフタレート、不飽和ポリエステル樹脂、アリルエステル樹脂、ポリカーボネート、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ケイ素樹脂、シリコーン(例えばシリコーン樹脂又はゴム、具体的にはパーオキサイド架橋型シリコーン樹脂又はゴム、付加架橋型シリコーン樹脂又はゴム、縮合架橋型シリコーン樹脂又はゴム)、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリジメチルフェニレンオキサイド、ポリフェニレンオキサイド又はポリジメチルフェニレンオキサイドとトリアリルイソシアヌルブレンド物、(ポリフェニレンオキサイド又はポリジメチルフェニレンオキサイド、トリアリルイソシアヌル、パーオキサイド)ブレンド物、ポリキシレン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PPI、カプトン)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶樹脂、ケブラー繊維、炭素繊維とこれら複数材料のブレンド物のような高分子材料、その架橋物が挙げられる。樹脂材料で形成された被接着基材20は、粉体、繊維、線、棒、網、板、又はフィルムであってもよく、これらを組合せた加工製品であってもよい。
被接着基材20の素材の金属材料は、例えば、金、銀、銅、鉄、コバルト、シリコン、鉛、マンガン、タングステン、タンタル、白金、カドミウム、スズ、パラジウム、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムのような金属、これら金属の二元、三元及び多元合金が挙げられる。金属材料で形成された被接着基材20は、粉体、繊維、線、棒、網、板、又はフィルムであってもよく、これらを組合せた加工製品であってもよい。
被接着基材20の素材のセラミックスは、銀、銅、鉄、コバルト、シリコン、鉛、マンガン、タングステン、タンタル、白金、カドミウム、スズ、パラジウム、ニッケル、クロム、インジウム、チタン、亜鉛、カルシウム、バリウム、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどの金属の酸化物、窒化物、及び炭化物、それらの単体又は複合体が挙げられる。セラミックスで形成された被接着基材20は、粉体、繊維、線、棒、網、板、又はフィルムであってもよく、これらを組合せた加工製品であってもよい。
被接着基材20の素材のガラスは、ソーダライムガラス、石英、硼珪酸ガラス、無アルカリガラス、化学強化ガラスが挙げられる。ガラスで形成された被接着基材20は、粉体、繊維、棒、又は板であってもよく、これらを組合せた加工製品であってもよい。
被接着基材20は、表面に水酸基を生成させておくため、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理から選ばれる少なくとも何れかの表面活性化処理が施されていることが好ましいが、適宜、施されていなくてもよい。また、その水酸基に、シランカップリング剤及び/又はアルミネートやチタネート等、その水酸基と反応して官能基を導入できる分子接着剤が結合していることが好ましいが、分子接着剤が結合していなくてもよい。とりわけ、被接着基材20は、架橋ゴム又は樹脂で形成されていると、表面の反応性基が少ないので、表面活性化処理又は引き続く分子接着剤の結合処理が施されていることが好ましい。被接着基材20は、金属、セラミックス、又はガラスのうち、架橋ゴム又は樹脂で形成されていると、表面に元来の反応性基が存在するが、さらに、表面活性化処理又は引き続く分子接着剤の結合処理が施されていると反応性基が増加するため一層好ましい。
有機材料や無機材料に、紫外線照射処理、コロナ放電処理又はプラズマ処理を施すと、有機材料の表面に、COOH基、C=O基及びOH基のような反応性基、とりわけOH基が新たに生成し、また無機材料の表面に、OH基のような反応性基が新たに生成する。
弾性基材10・被接着基材20の表面に予め施すコロナ放電処理は、例えば大気圧コロナ表面改質装置であるコロナマスター(信光電気計測株式会社製、商品名)を用いて、電源:AC100V、ギャップ長:1〜4mm、出力電圧:5〜40kV(表面電圧)、電力:5〜40W、発振周波数:0〜40kHzで0.1秒〜60秒、温度0〜60℃、移動速度:0.1〜10m/min、移動回数:1〜20回の条件で行われる。
別なコロナ放電処理であるコロナ炎噴射法コロナ放電処理は、例えばコロナ表面改質装置であるコロナフィット(信光電気計測株式会社製、商品名)を用いて、電源:AC100V、ギャップ長:1〜10cm、出力電圧:5〜40kV(表面電圧)、電力:5〜40W、発振周波数:0〜40kHzで、0.1分〜60分、温度0〜60℃の条件で行われる。
このようなコロナ放電処理は、一般に30〜90%相対湿度の空気(窒素:酸素=75.0:23.5(質量比))、100%窒素、100%酸素、空気混合アルゴン、空気混合二酸化炭素のような雰囲気下で、行われる。
弾性基材10・被接着基材20の表面に予め施す大気圧プラズマ処理は、例えば、大気圧プラズマ発生装置であるAiplasuma(松下電工株式会社製、商品名)を用いて、プラズマ処理速度10〜100mm/s、電源:200又は220V AC(30A)、圧縮エア:0.5MPa(1NL/min)、10kHz/300W〜5GHz、電力:100W〜400W、照射時間:0.1秒〜60秒の条件で行われる。
弾性基材10・被接着基材20の表面に、紫外線照射処理を行ってもよい。
弾性基材10・被接着基材20への大気圧コロナ放電処理やプラズマ処理や必要に応じ紫外線照射処理によって、それらの基材表面にOH基が生成するが、このOH基は、金属原子に直接結合した無機原子結合性OH基と、炭素原子に直接結合した有機基結合性OH基とに区別される。
弾性基材10・被接着基材20が当接したとき、無機原子結合性OH基同士、又は無機原子結合性OH基と有機基結合性OH基とは、比較的容易に脱水反応を起こして直接、エーテル結合(−O−)を形成し比較的強い接着をするが、有機基結合性OH基同士は、脱水反応を起こし難く、限定された条件でなければ、直接、エーテル結合を形成できず、しかも比較的弱い接着をするに過ぎない。
例えば、弾性基材10に用いられるエチレン−プロピレン−ジエンゴムは、コロナ放電処理やプラズマ処理によって十分に高濃度のOH基を表面に生成させるが、被接着基材20に用いられる非シリコーンゴムである樹脂などの素材は、コロナ放電処理やプラズマ処理で十分な濃度のOH基が得られない場合が多い。しかし、シリコーンゴムでは十分なOH基が得られるうえ、シランカップリング剤で反応部位を増幅して強固な弾性基材接着体を得ることができる。
弾性基材10・被接着基材20とを接触によって接着させるには、両者の接着面の表面上に十分な濃度のOH基を生成させたり、僅かに生成したOH基を利用して他方のOH基との反応性基濃度を増幅させたりする必要がある。特に、有機基結合性OH基同士を反応させるためには、一方の有機基結合性OH基を無機原子結合性OH基に変換したり、両方の有機基結合性OH基と反応する官能基を導入したりする必要がある。そのために、シランカップリング剤のような機能性シラン化合物が、分子接着剤として用いられる。
このような機能性シラン化合物である分子接着剤として、OH基との反応性が高い反応性基を含有する反応性基含有シランカップリング剤が挙げられる。
このような反応性基含有シロキサン化合物として、(CH=CH-)(CHO-)Si-O-[(CH=CH-)(CHO-)Si-O]n1-Si(−OCH)(-CH=CH)(n1=1〜30)のようなビニル含有シランカップリング剤、ビニル基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、アルコキシ基を有するアミノ基非含有のシランカップリング剤、エポキシ基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、スチリル基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、ウレイド基及びアルコキシ含有シランカップリング剤、メルカプト基及びアルコキシ含有シランカップリング剤、スルフィド基及びアルコキシ含有シランカップリング剤、イソシアネート基及びアルコキシ含有シランカップリング剤、ビニル基及びアセトキシ含有シランカップリング剤、アリル基及びアルコキシ含有シランカップリング剤、アルキル基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、アリール基及びアルコキシ基含有シランカップリング剤、アルキル基及びクロロシラン基含有シランカップリング剤、加水分解性基含有シリル基を含有するシランカップリング剤、アルコキシシランが挙げられる。ビニル基とSiH基とを有するシランカップリング剤の場合、金属触媒、例えば白金含有化合物で反応促進し、接合してもよい
別な分子接着剤として、
-{O-Si(-A)(-B)}-の繰返単位をp単位と、
-{O-Ti(-A)(-B)}-の繰返単位をq単位と、
-{O-Al(-A)}-の繰返し単位のr単位
(但し、各繰返し単位中、p及びqは0又は2〜200の数でrは0又は2〜100の数であってp+q+r>2であり、-A,-A及び-Aは、-CH、-C、-CH=CH、-CH(CH)2、-CHCH(CH)、-C(CH)、-C又は-C12と、-OCH、-OC、-OCH=CH、-OCH(CH)、-OCHCH(CH)、-OC(CH)、-OC及び-OC12から選ばれ前記共有結合を形成する反応性基との何れかであり、-B及び-Bは、-N(CH)COCH又は-N(C)COCHと、-OCH、-OC、-OCH=CH、-OCH(CH)、-OCHCH(CH)、-OC(CH)、-OC、-OC12、-OCOCH、-OCOCH(C)C、-OCOC、-ON=C(CH)及び-OC(CH)=CHから選ばれ前記共有結合を形成する反応性基との何れかであって、p,q及びrを正数とする前記繰返単位中の-A,-A,-A,-B及び-Bの少なくとも何れかが前記反応性基である)
で模式的に示される化合物が挙げられる。この化合物は、シラン化合物由来のシラン含有繰返単位、アルミニウム化合物由来のアルミニウム含有繰返単位及び/又はチタン化合物由来のチタン含有繰返単位を有するもので、各繰返単位が、ブロック共重合、又はランダム共重合したものであってもよい。
別な分子接着剤として、より具体的には、
トリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(TES)、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基含有化合物;トリエトキシシリルプロピルアミノ基のようなトリアルコキシシリルアルキルアミノ基とメルカプト基又はアジド基とを有するトリアジン化合物、下記化学式(I)
Figure 2017013287
(式(I)中、Wは、スペーサ基、例えば置換基を有していてもよいアルキレン基、アミノアルキレン基であってもよく、直接結合であってもよい。Yは、OH基又は加水分解や脱離によりOH基を生成する反応性官能基、例えばトリアルコキシアルキル基である。−Zは、−N又は−NRである(但し、R,Rは同一又は異なりH又はアルキル基、−RSi(R(OR3−m[R,Rはアルキル基、RはH又はアルキル基、mは0〜2]。なお、アルキレン基、アルコキシ、アルキル基は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の炭化水素基である。)で表わされるトリアジン化合物、例えば2,6−ジアジド−4−{3−(トリエトキシシリル)プロピルアミノ}−1,3,5−トリアジン(P−TES);
トリアルコキシシリルアルキル基を有するチオール化合物;
トリアルキルオキシシリルアルキル基を有するエポキシ化合物;
が挙げられる。
このようなOH基と反応する分子接着剤の溶液に、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10又はシリコーンゴム弾性基材10である弾性基材や、非シリコーンゴムである金属、樹脂、セラミックス、ガラス又は加硫ゴムで成形された被接着基材20を、浸漬し、その後熱処理すると、その基材10・20表面のOH基に、分子接着剤が結合し、単層の分子膜を形成する結果、他方のOH基との反応性基が増幅される。弾性基材10と被接着基材20とを当接させると、他方の基材の表面上のOH基が、分子接着剤に化学的結合する結果、両基材のOH基が分子接着剤を介して間接的に結合して、両基材が接着される。
分子接着剤の溶液に用いられる溶媒は、そのポリシロキサンに反応しないものであることが必要である。そのような溶媒として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、カルビトール、セルソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールのようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、アニソールのようなエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルのようなエステル類、ヘキサン、ガソリンのような炭化水素類が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いられてもよく、複数混合して用いられてもよい。
分子接着剤の溶液は、これら溶媒100mlに対して、分子接着剤を0.001〜10wt%、好ましくは0.01〜1wt%と、必要に応じ添加剤とを、溶解させて調製する。分子接着剤が0.001wt%未満であると、OH基の反応性増幅効果が不十分となってしまい、一方10wt%を超えても反応性増幅効果が増強しないので、分子接着剤が無駄になってしまう。
分子接着剤の溶液に添加される添加剤として、樹脂や加硫ゴムの表面の有機基結合性OH基と、分子接着剤との反応を促進する第三級アミンや有機酸、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10・シリコーンゴム弾性基材10や被接着基材20上でその溶液中の溶剤が揮発することに起因して斑が生じるのを防止する界面活性剤が、挙げられる。
分子接着剤溶液への浸漬処理は、この溶液に、有機基反応性OH基などを表面に有する樹脂や架橋ゴムのような被接着基材20や、弾性基材10を、0〜100℃、好ましくは20℃〜80℃で、1秒〜120分間、好ましくは1分〜30分間浸漬させて、反応させるというものである。この温度範囲を下回ると、反応時間がかかり過ぎて生産性が低下し、この温度範囲を上回ると、これらの基材に溶剤が染込んでしまい、溶媒除去などの面倒な後処理が必要になってしまう。この反応時間を下回ると反応が不十分になって十分なOH基反応性増幅効果が得られず、一方この反応時間を越えると、生産性が悪化してしまう。
分子接着剤溶液への浸漬処理だけでは、OH基の反応性増幅効果が不十分な場合、加熱処理を施してもよい。好ましい加熱処理条件は、被接着基材の素材の種類・材質や、弾性基材接着体の製品としての特性によって異なるので、一概に限定できないが、高温で熱変形するなどの製品の機能上に高温での加熱を避けるべきである場合には、比較的低温で長時間をかけて加熱処理する必要があり、一方、高温でも熱変形せず製品の機能上問題がない場合には、生産性を重視し比較的高温条件で、加熱が行われる。
分子接着剤溶液へ室温程度で浸漬し、これらの基材へこの溶液が吸着された後、加熱すると、溶剤が揮発して固体状態の分子接着剤が付着したことになり、反応性が向上する。加熱温度は、0〜300℃、好ましくは80℃〜200℃である。この範囲を下回ると反応時間がかかり過ぎ生産性が低下してしまい、一方、この範囲を上回るとこれら基材が分解してしまう。加熱時間は、1秒〜120分間、好ましくは1分〜60分間である。この加熱時間範囲を下回ると、反応が不十分となり十分なOH基反応性増幅効果が得られず、一方、この加熱時間範囲を上回ると、生産性が低下してしまう。20〜160℃で1分〜60分間(望ましくは1分〜30分間)加熱すると、なお一層好ましい。
分子接着剤溶液への浸漬処理に代えて、分子接着剤溶液の噴霧処理、引続く乾燥処理、及び必要に応じて加熱処理するものであってもよい。
このような噴霧、乾燥、加熱処理は、分子接着剤溶液を噴霧器に入れ、有機基反応性OH基などを表面に有する樹脂や架橋ゴムのような被接着基材20や、弾性基材10の表面に、噴霧器を用いた分子接着剤溶液の噴霧と、乾燥とを繰り返して、分子接着剤を、これら基板に、効率よく付着させた後、これを0〜300℃、好ましくは80℃〜200℃で、1秒〜120分間、好ましくは1分〜30分間、加熱して、反応させるというものである。この温度範囲を下回ると、反応時間がかかり過ぎて生産性が低下してしまい、一方この温度範囲を上回るとこれら基材が分解してしまう。この加熱時間範囲を下回ると、反応が不十分となり十分なOH基反応性増幅効果が得られず、一方、この加熱温度時間を上回ると、生産性が低下してしまう。
有機基結合性OH基を無機原子結合性OH基との反応性を促進する目的で、接着速度を向上させたり低い反応温度で反応させたりエーテル結合の縮合反応を促進させたりできるビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジ−n−ブチルビス(2−エチルヘキシルマレート)スズ、ジブチルジアセトキシスズ、ジオクチルジラウリル酸スズのようなスズ系触媒、チタンジブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタン−2−エチルヘキシオキシドのようなチタン系触媒が、用いられる。これらの触媒は、例えば分子接着剤溶液に混合して用いられる。
分子接着剤で処理した後、基材を不活性溶媒中で超音波洗浄すると、基材表面に残存する未反応の分子接着剤や未結合残渣が除去され、基材表面のOH基が一層活性化される。
弾性基材10と被接着基材20との接着は、非流動性で表面にOH基や反応性官能基を有する弾性基材10と、非流動性で表面に弾性基材の反応性官能基へ反応するOH基を有する非シリコーン製の被接着基材20とを接触させることにより、両者間の接触界面で化学反応が起こり、共有結合が生成して接着するというものである。その共有結合は、弾性基材10上のOH基や反応性官能基と、被接着基材20上のOH基とが、直接、エーテル結合し、又は分子接着剤を介してエーテル結合して、共有結合したものである。
このような接着は、高分子が低分子モノマー同士の重合により生じる化学結合の連結と同様に、高分子物質同士、又は高分子物質と非高分子物質との共有結合、特にエーテル結合の形成により、成されたものである。
このような共有結合は、弾性基材10の点在水酸基と、被接着基材20の露出水酸基とが、脱水してエーテル結合したものであることが好ましい。それらの水酸基は、予め分解性官能基でブロック化されて保護されており、用時に、紫外線のような光照射、加熱、加水分解等により脱ブロック化されて再生されたものであってもよい。
このような官能基は、弾性基材10の点在水酸基や被接着基材20の露出水酸基へ反応する分解性官能基、例えば、−SiA1 (OB1)3−m(但し、A1はシリコーンポリマーの一般的な官能基、例えばCH−、CH=CH−、C−、F−であり、B1はアルキル基、mは1〜3の数)、−SiA2[OSi(OB2)]OB(但し、A2はシリコーンポリマーの一般的な官能基、例えばCH−、CH=CH−、C−、F−であり、B2はアルキル基)、−NCO、−CH(O)CH、−CHO、−(CH(+H)CO)O、−SOCl、−COCl、−NHCOOC(CH、−NHCOOCH(CH、−NHCOOCH、−NHCOOC、−NHCOOCNO、−NHCOOCCN、−SO10Oなどが挙げられる。
弾性基材10の点在水酸基や被接着基材20の露出水酸基が反応するためには、弾性基材10と被接着基材20とが接触したとき、反応が起こる範囲まで接近する必要がある。反応が起こる範囲とは、例えば分子間力が及ぶ範囲である0.5nm以下である。
弾性基材10と被接着基材20との両者の接近を阻む因子は、両基材10・20の材料の表面粗さであり、両者の接近を促進する因子は、分子鎖の運動性である。一般に、表面粗さの高い材料は、反応が起こる範囲まで到達できない場合がある。しかし、弾性基材10は、分子鎖の運動性を有するので、弾性基材10と被接着基材20とがある程度の表面粗さを有していても、OH基と、それに反応する反応性官能基とが、十分に接近することができる。
したがって、弾性基材10は、非流動性であっても表面粗さを相殺する機能を有するため、架橋ゴム、金属、樹脂、セラミックス、及びガラスのような種々の素材で成形された被接着基材20と、接着することができるようになる。
OH基と、それに反応する反応性官能基との接近は、減圧条件下、好ましくは真空条件下で、その接触界面の気体媒体を除去することによって、又はその接触界面に応力(荷重)を加えることによって、さらに接触界面を加熱することによって、促進される。
図1に示す別な態様の弾性基材接着体1は、例えば、以下のようにして、製造される。エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10の接着面11sと、被接着基材20の接着面21sとに、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、又は紫外線照射処理のような表面活性化処理を施して、表面に水酸基のような活性基を生成させる。次いで、弾性基材10の接着面11sと、被接着基材20の接着面21sとを接合させると、一方の接着面表面の活性基例えば水酸基と、他方の接着面表面の活性基例えば水酸基とが反応し、エーテル結合のような化学結合を介して、弾性基材10と、被接着基材20とが、接着し、弾性基材接着体が得られる。
図1に示す別な態様の弾性基材接着体1は、例えば、以下のようにして、製造される。弾性基材10の接着面11sと、被接着基材20の接着面21sとに、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、又は紫外線照射処理のような表面活性化処理を施して、表面に水酸基のような活性基を生成させる。弾性基材10と被接着基材20とを、シランカップリング剤のような分子接着剤を含有する溶液組成物に浸漬すると、活性基に分子接着剤が脱水等により結合する結果、活性部位が増幅する。さらに弾性基材10と被接着基材20とを、再びコロナ放電処理、プラズマ処理、又は紫外線照射処理のような表面活性化処理を施し、活性部位を一層増幅させる。次いで、弾性基材10の接着面11sと、被接着基材20の接着面21sとを接合させると、一方の接着面表面に残存する活性基と、他方の接着面表面に結合して生じている分子接着剤分子とが反応する。その結果、弾性基材10と、被接着基材20とが、化学結合を介して、接着し、弾性基材接着体が得られる。
なお、浸漬に代えて分子接着剤を含有する溶液組成物を塗布又は印刷してもよい。被接着基材20に対して、表面活性化処理や分子接着剤の溶液での処理を行なわなくてもよい。
弾性基材10と被接着基材20とが、コロナ放電処理されてその表面で水酸基のような活性基を生じており、必要に応じ分子接着剤の溶液で塗布等の処理をされた後、加圧又は減圧による圧着によって、脱水してエーテル結合を形成して接着していてもよい。
図2に、前記の弾性基材接着体1で形成された複合体1aとして、ポリカーボネート等の樹脂製、又は金属製の底面支持用の被接着基材20aとカバー用の被接着基材20bとの間に、弾性基材10aが、重ね合わされて接着したマイクロ化学チップの例を示す。
液状又はガス状の検体や試薬である被験液を加圧して流し込み反応させる流路14aが、弾性基材10a上面の接着面11s上に設けられている。この接着面11s上は、全面に表面活性化処理が施され、この流路14a以外にシランカップリング剤のような分子接着剤を含有する溶液組成物が印刷処理され、さらに全面で再度表面活性化処理が施されて接合していることにより、流路14a以外の部位で、同様に表面活性化処理・印刷処理・再度の表面活性化処理が施されたカバー用の被接着基材20b下面の接着面21sに、分子接着剤の分子を介して又は活性基である水酸基同士の脱水によるエーテル基を介して、接着している。弾性基材10a下面の接着面11s全面と底面支持用の被接着基材20a上面の接着面21s全面とが、同様に表面活性化処理・印刷処理・再度の表面活性化処理が施されて接合していることにより、分子接着剤の分子を介して又は活性基である水酸基同士の脱水によるエーテル基を介して、接着している。
流路14aは、始点末端である流動試料注入部位12a・12bからそれぞれ延びて下流で合流し、そこから流動試料排出部位13aへ延びる支流と、流動試料排出部位13b及び13cへ延びる本流とに分岐して、本流がその下流で終点末端である流動試料排出部位13b及び13cへ延びて分岐したものである。
弾性基材10aに重なる同じ大きさのカバー用の被接着基材20bに、流動試料注入部位12a・12bと流動試料排出部位13a・13b・13cとに対応する位置で、それぞれ流動試料注入穴22a・22bと流動試料排出穴23a・23b・23cとが、開いている。
この複合体1aであるマイクロ化学チップは、透明性が高いので、被験液を流路14aに流しながら特定波長の紫外線や赤外線や可視光線の透過性や吸収性を検出する光学分析に用いることができる。
この複合体1aであるマイクロ化学チップは、流路14aが弾性基材10aの表裏を貫通して形成されていてもよい。弾性基材10aや被接着基材20a・20bは、印刷や塗布に代えてシランカップリング剤のような分子接着剤を含有する溶液組成物に浸漬してもよい。
本発明の複合体は、フォトレジストを用いて現像したりエッチングしたりしなくとも、微細な流路を弾性基材10aに印刷・レーザー加工等の簡便な手法で形成できる。弾性基材10aや被接着基材20a・20bとが、その流路領域外で、接触によってエーテル結合である化学的分子間結合を直接形成したり、シランカップリング剤の塗布・噴霧・浸漬によってその1分子を介した間接的な共有結合、水素結合及び/又は静電引力による相互作用である化学的分子間結合を形成したりして、簡便に、接着剤よりも遥かに強力に接合している。このような分子接着は、熱可塑性樹脂を熱融着させる程の高温の加熱を必要とせず、熱融着温度未満で短時間加熱すれば、充分に惹き起される。しかも、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの透明性が高いことと、光学的分析の精度を妨げる屈折率の変動や熱変形・歪みを生じないこととが相俟って、マイクロ化学チップを用いた光学的分析に使用できる。
以下、本発明を適用する弾性基材接着体であるエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体の実施例と、本発明を適用外の接合体の比較例とを、例に挙げて、説明する。
(実施例1)
エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム弾性基材10のゴム成分として質量比で5−エチリデン−2−ノルボルネン系EPDM生ゴム100に対して充填剤であるシリカと可塑剤であるパラフィン系プロセス油とが30:50の質量比で配合されたゴムコンパウンド100質量部に対し、有機過酸化物架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサンを1.6質量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを3質量部配合し、オープンロールにて混合し、これを金型に入れ、170℃で20分間加圧プレスし、2mm×30mm×60mmのエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10を作製した。このエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10は、硬さ:50、引張強さ:6.7MPa、伸び:580%、引裂強さ:30N/mm、圧縮永久歪:14%(100℃×72時間)の物性値を示した。
被接着基材20として、ガラス(関谷理化株式会社製、商品名:テンパックス、1.1mm×30mm×60mm)をエタノール中で超音波洗浄して用いた。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と、ガラスの被接着基材20とを、夫々の端2cm幅でテープにより巻いて被覆し、大気圧コロナ表面改良装置(信光電気計測株式会社製、商品名:コロナマスター)を用いて、電源:AC100V、ギャップ長:0.5mm、出力電圧:18.0kV(表面電圧)、電力:18W、発振周波数:20kHzで温度20℃、移動速度:70mm/sec、移動回数:3回の条件で、コロナ放電処理を行うことで表面に水酸基を生成させ、(CH=CH-)(CHO-)Si-O-[(CH=CH-)(CHO-)Si-O]n1-Si(-OCH)(-CH=CH)(n1=1〜30)のようなビニル含有シリル化合物の溶剤に浸漬させて熱処理することにより、表面の水酸基にビニル含有シリル化合物を反応させた。再度同条件でコロナ放電処理を行い、反応性を増幅した被接着基材を得た。その直後に、夫々、エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と被接着基材20とを、重ね合わせて80℃で5分間加熱加圧して接着し、エチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1を得た。
(物性評価)
(被覆評価試験) エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10とガラスの被接着基材20とを分子接着剤処理してから得られたエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1を、を剥離したときの強度についての物性を評価した。接着面に沿って、弾性基材10側に、幅10mmの切目を入れ、JIS K−6301に準じて試験を行った。引張試験機は株式会社イマダ社製デジタルフォースZP−200Nを縦型電動計測スタンドMX2−1000Nに設置したものを利用した。引張試験機のステージに被接着基材20を固定し、上部つかみにEPDM弾性基材10部分を挟んで、つかみ移動速度50mm/sec、角度90°で剥離させた。その際の剥離の状態、最大剥離強度を記録した。また、剥離破断面でのエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10が結合により接着している被覆率を測定し、被覆率が100%である場合を◎、80%以上100%未満である場合を○、30%以上80%未満である場合を△、0以上30%未満である場合を×とする4段階で、被覆程度を評価した。その結果を、表1に示す。
Figure 2017013287
(耐水性評価試験) エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10とガラスの被接着基材20とを分子接着剤処理してから得られたエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1を、100℃の水中に1時間浸漬した後、取り上げた直後に上記被覆評価試験を行ったところ、弾性基材破壊であり剥離強度が2.9kN/mであった。
(耐溶剤性評価試験) エチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10とガラスの被接着基材20とを分子接着剤処理してから得られたエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1を、常温のエタノール中に1時間浸漬した後、取り上げた直後に上記被覆評価試験を行ったところ、弾性基材破壊であり剥離強度が2.8kN/mであった。
(実施例2〜5)
被接着基材20として、シリコーンゴムであるKE951U(信越化学工業株式会社製、商品名)(実施例2)、実施例1のエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10と同質のEPDMゴム(実施例3)、アルミニウム(Al)板であるAL−013517(株式会社ニラコ製、商品名)(実施例4)、ポリカーボネート(PC)板であるPC1600(タキロン株式会社製、商品名)(実施例5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1を作製し、物性評価を行なった。その結果を、併せて表1に示す。
表1から明らかな通り、エチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1は、剥離強度が極めて大きなものであり、剥離破断面が三次元化シリコーンゴム弾性基材側で破壊破断されており、全ての三次元化シリコーンゴム弾性基材の被覆率がほぼ100%であってエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材と、被接着基材との接着面の全体で均質かつ確実に極めて強く接着しているものであった。
(実施例6)
実施例1中のエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材10として、フィラーであるシリカを各種含有量で含有させたときの物性を検討した。その結果を、表2に示す。
Figure 2017013287
(実施例7・比較例1)
(透湿性比較試験)
本発明を適用するエチレン−プロピレン−ジエンゴム接着体1に用いられたエチレン−プロピレン−ジエンゴム製の弾性基材10と、本発明を適用外の接着体1に用いられるシリコーンゴム製の弾性基材としてリコーンゴム製の板KE951U(信越化学工業株式会社製、商品名)との透湿性を、以下のようにして比較した。透湿性比較試験は、繊維製品の透湿度試験方法(JIS L1099−1993)に準拠した。具体的試験方法は、A法(塩化カルシウム法(A−1法))である。恒温・恒湿装置を用いて行なった。透湿カップとして、ガラス製サンプル管瓶、PP製蓋に6mmの穴を開けて使用した。透湿面積は0.283cm(πr)である。吸湿剤として、塩化カルシウム(約10g)を用いた。試験環境は、温度85℃で湿度85%RHとした。質量測定方法として、1時間経過後の質量変化と、73時間経過後の質量変化とを、求めた。エチレン−プロピレン−ジエンゴム製の弾性基材10は、1時間経過後の質量変化が0mgで、73時間経過後の質量変化が60mgであるのに対し、シリコーンゴム製の板KE951Uは、1時間経過後の質量変化が9mgで、73時間経過後の質量変化が782mgであった。
このエチレン−プロピレン−ジエンゴム弾性基材接着体1を用いて、図2に記載のマイクロ化学チップを形成することができる。シリコーンゴム弾性基材接着体1を用いても、同様にマイクロ化学チップを形成することができる。
本発明の弾性基材接着体は、高い接着強度を有するため、剥離してはならない工業製品や分析用製品や日用品、例えばマイクロ化学チップ、ホース、O−リング、パッキン、オイルシールや金属との接着物、ダイヤフラム、ガスケット、大型ゴムロール、複写機用ゴムロール、コンベアベルト、補強ベルト、医療用ゴム製品、電気・電子部品用ゴム製品、建築用ゴム製品、コンピューター製品、自動車製品、バス・トラック製品、飛行機製品など多くの分野の製品として有用である。なかでも、マイクロ化学チップのような複合体に、有用である。
1・1aは弾性基材接着体、10・10aは弾性基材、11s・11s・11sは接着面、12a・12bは流動試料注入部位、13a・13b・13cは流動試料排出部位、14aは流路、20・20a・20bは被接着基材、21s・21s・21sは接着面、22a・22bは流動試料注入穴、23a・23b・23cは流動試料排出穴である。

Claims (18)

  1. エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はシリコーンゴムを弾性成分として含んで形成された弾性基材と、被接着基材とが、分子接着による化学結合を介して、接着していることを特徴とする弾性基材接着体。
  2. 前記化学結合が、エーテル結合と、前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基及び/又は前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に反応することにより官能基を導入する官能基含有分子接着剤を介した共有結合との少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の弾性基材接着体。
  3. 前記分子接着剤が、シランカップリング剤、有機アルミネート、無機アルミネート、有機チタネート、及び/又は無機チタネートであることを特徴とする請求項2に記載の弾性基材接着体。
  4. 前記弾性基材が、前記エチレン−プロピレン−ジエンゴムを弾性主成分として含んで形成されており、前記弾性基材に結合した前記分子接着剤による前記共有結合を介して、前記被接着基材と接着していることを特徴とする請求項3に記載の弾性基材接着体。
  5. 前記弾性基材が、前記シリコーンゴムを弾性主成分として含んで形成されており、
    前記弾性基材と前記被接着基材とが、夫々、別々に前記分子接着剤と結合しており、それら前記分子接着剤による前記共有結合を介して、接着していることを特徴とする請求項3に記載の弾性基材接着体。
  6. 前記被接着基材が、架橋ゴム、樹脂、金属、セラミックス、又はガラスで形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の弾性基材接着体。
  7. 前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に結合した前記シランカップリング剤が、前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基に結合して、前記化学結合を形成していることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載の弾性基材接着体。
  8. 前記被接着基材の表面に露出した露出水酸基に結合した前記シランカップリング剤が、前記弾性基材の表面に点在する点在水酸基に結合して、前記化学結合を形成していることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載の弾性基材接着体。
  9. 前記弾性基材の接着面と前記被接着基材の接着面との少なくとも何れかが、表面活性化処理されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の弾性基材接着体。
  10. 前記表面活性化処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、及び紫外線照射処理から選ばれる少なくとも何れかの処理であることを特徴とする請求項9に記載の弾性基材接着体。
  11. 前記弾性基材が、フィラーを含んでいることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の弾性基材接着体。
  12. 前記フィラーが、粉末状又は粒状で、無機酸化物及び/又は無機塩であることを特徴とする請求項11に記載の弾性基材接着体。
  13. 前記フィラーが、カーボンブラック、乾式シリカ、湿式シリカ、沈降シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、アルミナ、及び酸化チタンから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項11〜12の何れかに記載の弾性基材接着体。
  14. 前記弾性基材中、前記エチレン−プロピレン−ジエンゴム又は前記シリコーンゴム100質量部に対し、前記フィラーが10〜100質量部含まれていることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の弾性基材接着体。
  15. 前記弾性基材が、シリコーン樹脂と前記シリコーンゴムとを含有することを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の弾性基材接着体。
  16. 前記弾性基材が、エチレンと、プロピレンと、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、及び2−イソプロペニル−5−ノルボルネンから選ばれる少なくとも何れかのジエンとのエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを含有することを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の弾性基材接着体。
  17. 請求項1〜16の何れかに記載の弾性基材接着体で形成され、製品に組み込まれていることを特徴とする複合体。
  18. 前記弾性基材と前記被接着基材との間及び/又は少なくとも何れかに、被験液を流す流路が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の複合体。
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