以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、第1実施形態例のスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に扉状に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に扉状に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
上扉2には、光の演出を実行するランプ4、音の演出を実行する一対のスピーカ5、映像や画像の演出を実行する演出表示装置(演出装置)6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダルの枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダルの枚数を表示するベットランプ9a〜cが設けられている。また、上扉2の中央部に透明材料で形成された表示窓10が設けられており、表示窓10に対応した筐体1の内部に後述のリールユニット30が配置されている。
下扉3には、メダルをスロットマシンSに投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルを精算するための精算ボタン14、リールユニット30を構成する左リール30a,中リール30b,右リール30cを回転させるためのスタートレバー15、各リール30a〜cの回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16a,中ストップボタン16b,右ストップボタン16c、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口17、メダル払出口17から払出されたメダルを収容する受皿18が設けられている。
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット20(図2参照)、リールユニット30(図2参照)、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
ホッパーユニット20は、スロットマシンSに投入されたメダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、この貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口17より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
リールユニット30は、左リール30a、中リール30bおよび右リール30cを有しており、各リール30a〜cは、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。各リール30a〜cの外周面は均等な21の領域(21コマ)に区画されており、各領域に1個の図柄がそれぞれ配置されている。上扉2が閉鎖状態にあるときに、遊技者は表示窓10を通して図柄を視認可能となり、各リール30a〜cが停止している状態では、1つのリールに配置された21個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓10に表示されて、遊技者は3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。なお、本実施形態例では、各リール30a〜cの外周面に、赤7、ベル、スイカ、チェリー、リプレイの合計5種類の図柄が配置されている。
表示窓10には、各リール30a〜cの上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、図1に示すように、表示窓10に合計5本の有効ラインL1〜L5が設けられており、例えば、有効ラインL1は左リール30aの上段、中リール30bの上段および右リール30cの上段の組み合わせからなる。スタートレバー15の操作を契機として行われた後述の内部抽選で決定された役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインL1〜L5の何れかに停止表示されると、例えば、所定枚数のメダルが遊技者に払い出される。
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー41(図2参照)および設定変更ボタン42(図2参照)を有している。本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。本実施形態例では、出玉率97%が設定値1に、出玉率98.5%が設定値2に、出玉率99.5%が設定値3に、出玉率101.5%が設定値4に、出玉率104%が設定値5に、出玉率107%が設定値6にそれぞれ対応付けられており、設定値が1から6に高くなるにつれて出玉率が高くなる。遊技場の管理者は、設定キー41や設定変更ボタン42等を操作することにより設定値1〜6の間で変更可能になっている。
次に、図2を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16a〜c、その他の装置が接続されており、これら各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインCPUは、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部(演出制御手段)200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、演出表示装置6等を制御する。サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、スタートレバー15の操作を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作(以下、適宜、遊技開始操作と言う。)に基づいて、役の当否を内部抽選により決定する内部抽選手段102、内部抽選で役に当選した場合に当該役の当選フラグを成立させる当選フラグ成立手段103、各リール30a〜cの回転および停止を制御するリール制御手段104、後述のベル、スイカまたはチェリーに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されて入賞した場合に当該役に予め対応付けられたメダル数を払い出す払出制御手段105、後述のリプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された場合に規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技状態を設定する再遊技状態設定手段106、遊技状態を通常遊技状態、RBB内部遊技状態またはRBB遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態移行手段107、が構築されている。
副制御処理部200のサブROMには、演出状態を決定する演出状態決定手段210、演出状態を制御する演出状態制御手段220が構築されており、演出表示装置6は演出状態に基づいた演出を表示(実行)する。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。スタートレバー有効化手段101は、規定数のメダルがスロットマシンSに投入され、あるいは、再遊技状態設定手段106によりスロットマシンSが前述の再遊技状態に設定された場合にスタートレバー15の操作を有効化させる。内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー15の操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類(通常遊技状態、RBB内部遊技状態、RBB遊技状態)とに基づいて、複数種類の役の当否を決定する。
複数種類の役には、遊技状態の移行契機となるRBB役(特定役)、入賞によりメダルを遊技者に払い出すベル役、スイカ役およびチェリー役、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせるリプレイ役が含まれている。
ベル役は「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せに対応付けられ、スイカ役は「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」の図柄の組合せに対応付けられ、チェリー役は「チェリー」−「ANY」−「ANY」の図柄の組合せに対応付けられている(ANYは何れの図柄でも良いことを意味する)。ベル役、スイカ役およびチェリー役のそれぞれに10枚、8枚および1枚のメダルがそれぞれ対応付けられている。払出制御手段105は、内部抽選でベル役に当選して当該役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、この図柄に対応した10枚のメダルを払い出し、内部抽選でスイカ役またはチェリー役に当選してそれぞれの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると8枚または1枚のメダルをそれぞれ払い出す。
リプレイ役は、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せに対応付けられており、内部抽選でリプレイ役に当選して当該役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインに表示されると、再遊技状態設定手段106はスロットマシンSを再遊技状態に設定する。
RBB役は、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せに対応付けられており、遊技状態を通常遊技状態(以下、通常中と言う。)からRBB遊技状態(以下、RBB中と言う。)に移行させる役である。図3に示すように、遊技状態移行手段106は、通常中に内部抽選でRBBに当選してRBBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると遊技状態をRBB中に移行させる。また、遊技状態移行手段106は、通常中に内部抽選でRBB役に当選してRBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されないと遊技状態をRBB内部遊技状態(以下、内部中と言う。)に移行させ、内部中にRBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると遊技状態をRBB中に移行させる。また、遊技状態移行手段106は、RBB中に遊技者に払い出したメダル枚数の総数が350枚に達するとRBB中を終了させて、遊技状態を通常中に移行させる。
ここで、通常中、内部中、RBB中の各遊技状態における内部抽選で当選する可能性のある役について説明する。設定値が1〜6の何れの場合であっても、通常中では、ベル役、スイカ役、チェリー役、リプレイ役、RBB役の全ての役に内部抽選で当選する可能性があり、内部中では、ベル役、スイカ役、チェリー役、リプレイ役の各役に内部抽選で当選する可能性があり、RBB中では、ベル役、スイカ役、チェリー役の各役に内部抽選で当選する可能性がある。なお、内部中およびRBB中ではRBB役に当選する可能性は無く、RBB中ではリプレイ役に当選する可能性が無い。
図4に示すように、設定値が6の場合において、通常中では、ベル役の当選確率が約1/8、RBB役の当選確率が約1/160となっており、内部中ではベル役の当選確率が約1/8、RBB中ではベル役の当選確率は約1/1.1に設定されている。RBB中における内部抽選ではメダル払出枚数が10枚に設定されたベル役に殆ど当選し、RBB中は、RBB中におけるメダル払出総数が350枚に到達するまで継続するため、通常中および内部中よりも遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。なお、設定値が1〜5の場合における各役の当選確率についての詳細な説明は省略するが、通常中におけるRBB役の当選確率は、設定値が1から6に高くなるにつれて高確率となっている。具体的には、RBB役の当選確率は、設定値1で約1/195、設定値2で約1/190、設定値3で約1/187、設定値4で約1/180、設定値5で約1/170、設定値6で約1/160となっている。即ち、内部抽選手段102は、設定キー41や設定変更ボタン42等の所定操作に基づいて選択された設定値に従って、RBB役を含む複数種類の役の当否を内部抽選で決定する構成になっている。そして、先に述べたように、設定値が1から6に高くなるにつれて出玉率は高確率となっているため、設定値1が遊技者に最も不利な設定値であり、設定値6が遊技者に最も有利な設定値であると言える。
図2に説明を戻し、当選フラグ成立手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立(ONにセット)させた当選フラグがベル役、スイカ役、チェリー役、リプレイ役の何れかである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。一方、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた当選フラグがRBB役の当選フラグであって、今回の遊技にてRBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかった場合には、当選フラグ成立手段103はRBB役の当選フラグをONにセットした状態を維持させて次回の遊技に持ち越し、遊技状態移行手段107は遊技状態を通常中から内部中に移行させる。即ち、内部中はRBB役の当選フラグが持ち越されている遊技状態である。このため、内部中における内部抽選でベル役、スイカ役、チェリー役およびリプレイ役のうち何れかの役に当選すると、この当選した役に対応する当選フラグとRBB役の当選フラグとが重複して成立することになる。この場合、RBB役に対応する図柄の組合せよりもベル役、スイカ役、チェリー役およびリプレイ役に対応する図柄の組合せを優先的に有効ラインに表示させるように各リール30a〜cが制御されるため、内部中では、内部抽選の結果がハズレとなった場合にRBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され得ることになる。
リール制御手段104は、スタートレバー15の操作に基づいて各リール30a〜cの回転を開始させ、各リール30a〜cが定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させる。その後、各リール30a〜cが定常回転に到達すると、リール制御手段104は各リールの回転速度を維持させて全てのストップボタン16a〜cの操作を有効化させる。
また、リール制御手段104は、各ストップボタン16a〜cの停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させるよう制御する。ここで、各リール30a〜cの定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リール30a〜cが一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/21図柄≒35.7msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/35.7ms)−1図柄≒4図柄)。
さらに、リール制御手段104は、内部中において、複数の当選フラグが同時に成立している場合には、ストップボタンの押下タイミングから4コマの範囲内で、RBB役に対応する図柄よりもベル役、スイカ役、チェリー役、リプレイ役に対応する図柄を優先的に有効ラインに表示するようリールを制御する役付け優先制御に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄の組合せのうち優先順位の最も高い図柄を引き込み(引き込み制御)、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄の組合せを有効ラインに表示しないよう蹴飛ばし(蹴飛ばし制御)、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の操作(遊技開始操作)に基づいて複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール30a〜cの回転を開始させ、各リール30a〜cの回転を有効化されたストップボタン16a〜cの操作により停止させると共に、内部抽選の結果および各リール30a〜cの停止態様に基づいてメダルを遊技者に払い出す処理を行うことにより遊技が進行する。
主制御処理部100のメインRAMは複数の記憶領域を有している。図2に示すように、設定キー41や設定変更ボタン42等の操作に基づいて設定値1〜6の中から選択された一の設定値を記憶する設定値記憶領域(設定値記憶手段)110、遊技の進行状況に係る遊技情報を記憶する遊技情報記憶領域120が設けられている。この遊技情報記憶領域120には、現在の遊技状態を記憶する遊技状態記憶領域121、内部抽選によるRBB役(特定役)の当選回数を記憶するRBB当選回数記憶領域(当選回数記憶手段)122、遊技の回数を記憶する遊技回数記憶領域123、RBB中における遊技(以下、RBB遊技と言う)が終了してから次のRBB遊技が開始されるまでの間に行われた遊技の回数(以下、「RBB間遊技回数」と言う)を記憶するRBB間遊技回数記憶領域124、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダルの投入総数を記憶する投入総数記憶領域125と、内部抽選の結果に基づいて遊技者に払い出されたメダルの総数を記憶する払出総数記憶領域126、その他多数の記憶領域が設けられている。
主制御処理部100は、1回の遊技が開始されてから終了するまでの間に種々のコマンドを副制御処理部200に送信する。例えば、主制御処理部100は、1回の遊技の終了後にスロットマシンSに1枚以上のメダルが投入(ベット)されたタイミングでメダル投入コマンドを送信し、1回の遊技が終了する際に遊技情報記憶領域120に記憶されている各遊技情報を含む遊技情報コマンドを送信する。また、主制御処理部100は、RBB中における遊技(RBB遊技)が全て終了して遊技状態が通常中に移行する際にRBB遊技終了コマンドを送信する。これら、メダル投入コマンド、遊技情報コマンド、RBB遊技終了コマンドの受信に基づいて、副制御処理部200は演出状態を制御している。以下に、演出状態の概要について説明する。
図5に示すように、演出状態には、演出表示装置6の画面の背景(以下、適宜「背景」と言う)が昼背景となるAモード、背景が夕方背景となるBモード、背景が夜背景となるCモード(特定演出状態)、演出表示装置6の画面全体にRBB遊技が行われていることを示す映像等が表示されるRBBモード、の合計4種類の演出状態が設けられている。一般的に、遊技者がスロットマシンSの前に初めて着席して遊技を開始したとき、演出状態はAモードに滞在している。遊技者によって遊技が進められ、内部抽選でRBB役に当選しRBB遊技が開始すると演出状態はRBBモードに移行し、RBB遊技が終了すると演出状態はBモードまたはCモードに移行する。このため、RBB遊技終了後の背景は必ず夕方背景または夜背景となる。本実施形態例のスロットマシンSでは、RBB遊技の終了後に演出状態が何回の遊技に亘ってBモードに滞在するか、あるいは、RBB遊技の終了後に演出状態が何回の遊技に亘ってCモードに滞在するかにより、設定値記憶領域110の記憶している設定値を遊技者に示唆することが可能になっている。即ち、RBB遊技終了後におけるBモードまたはCモードの滞在期間は、設定値記憶領域110の記憶している設定値に応じて変動する構成になっている。
次に、副制御処理部200のサブROMに構築された各手段について説明する。図2に示すように、演出状態決定手段210は、RBB遊技終了後の演出状態を抽選(以下、演出状態抽選と言う)により決定する演出状態抽選手段211と、演出状態抽選に拘わらず、設定値記憶領域110に記憶されている設定値および遊技情報記憶領域120に記憶されている一部の遊技情報から算出される期待値に応じてRBB遊技終了後の演出状態をCモードに決定するCモード決定手段212と、を備えている。また、演出状態制御手段220は、Aモード、Bモード、CモードおよびRBBモード間で演出状態を移行させるよう制御する演出状態移行手段221と、各演出状態の滞在期間を決定する滞在期間決定手段222と、を備えている。
演出状態抽選手段211は、RBB遊技終了の際に主制御処理部100から送信された遊技情報コマンドに基づいて演出状態抽選を行う。具体的には、演出状態抽選手段211は、遊技情報コマンドに含まれた情報のうちRBB当選回数の情報に基づいて、演出状態抽選テーブルA(図6(a))または演出状態抽選テーブルB(図6(b))を選択し、選択したテーブルを参照して演出状態抽選を行う。このとき、演出状態抽選手段211は、RBB当選回数の末尾が7以外の当選回数(所定回数以外の回数。以下、通常RBB当選回数と言う)の場合に演出状態抽選テーブルAを選択し、RBB当選回数の末尾が7の当選回数(所定回数。以下、特別RBB当選回数と言う)の場合に演出状態抽選テーブルBを選択する。以下に、演出状態抽選テーブルA,Bについて説明する。
図6(a)に示すように、演出状態抽選テーブルAは、各設定値にBモードの当選確率とCモードの当選確率とが予め対応付けられた構成になっている。具体的には、設定値1〜6にBモードの当選確率99%およびCモードの当選確率1%がそれぞれ対応付けられている。
図6(b)に示すように、演出状態抽選テーブルBは、演出状態抽選テーブルAと同様に、各設定値にBモードの当選確率とCモードの当選確率とが予め対応付けられたテーブル構成になっている。具体的には、設定値1にBモードの当選確率98%およびCモードの当選確率2%、設定値2にBモードの当選確率97%およびBモードの当選確率3%、設定値3にBモードの当選確率94%およびCモードの当選確率6%、設定値4にBモードの当選確率93%およびCモードの当選確率7%、設定値5にBモードの当選確率80%およびCモードの当選確率20%、設定値6にBモードの当選確率70%およびCモードの当選確率30%、がそれぞれ対応付けられている。このように、設定値が1から6に高くなるにつれてBモードの当選確率が低くなると共に、Cモードの選択確率は高くなるため、特別RBB当選回数(RBB当選回数の末尾が7)の場合であって、RBB遊技終了後に演出状態がCモードに滞在した場合には、出玉率の比較的に高い設定値が設定値記憶領域110に記憶されている可能性が高いと言える。
図6(a),(b)から明らかなように、設定値が1〜6の何れの場合であっても、Bモードの当選確率はCモードの当選確率よりも高く設定されているため、RBB遊技終了後の演出状態はCモードよりもBモードに滞在しやすいと言える。そして、図6(a)と図6(b)とを比較すると、設定値1〜6の全てにおいて、Bモードの当選確率は図6(a)よりも図6(b)の方が低く、Cモードの当選確率は図6(a)よりも図6(b)の方が高い。このため、図6(a)よりも図6(b)が参照されて演出状態抽選が行われる方が、RBB遊技終了後にCモードに滞在しやすいと言える。即ち、RBB当選回数の末尾が7以外の当選回数である場合よりもRBB当選回数の末尾が7の当選回数である場合の方が、RBB遊技終了後に演出状態がCモードに滞在しやすいと言える。
さらに、図6(a)と図6(b)とを比較すると、設定値1におけるCモードの当選確率の差は1%(2%―1%=1%)、同様に、設定値2では2%差(3%―1%=2%)、設定値3では5%差(6%―1%=5%)、設定値4では6%差(7%―1%=6%)、設定値5では19%差(20%−1%=19%)、設定値6では29%差(30%−1%=29%)になっている。このように、各設定値におけるCモードの当選確率の変動差は、RBB当選回数に応じて異なっており、設定値1〜4における差は少ないが、設定値5,6における差は大きい。このため、RBB当選回数の末尾が7であって、演出状態がCモードに滞在した場合には設定値が5または6の可能性が高いと言える。
Cモード決定手段212は、主制御処理部100から送信された遊技情報コマンドに含まれた設定値の情報が6、遊技回数の情報が1600回以上、かつ、RBB当選回数の情報が5回未満であった場合に、必ずRBB遊技終了後の演出状態をCモードに決定する。先述のように、設定値が6の場合に内部抽選でRBB役に当選する確率は約1/160となっているため、設定値が6の状態で1600回の遊技が行われた場合には、RBB役に10回(1600×1/160=10)当選することが期待値として算出される。そこで、本実施形態例では、設定値6および1600回の遊技に対するRBB役の当選する期待値を「10回」として、設定値が6の状態で遊技が1600回以上行われたにもかかわらず、RBB役の当選回数が期待値の半分である「5回」に到達していないとき(所謂、嵌まりの状態や逆噴射状態)、Cモード決定手段212は、RBB遊技終了後の演出状態をCモードに決定し、演出状態移行手段221は遊技状態をCモードに移行させる。これにより、設定値が6の高設定であるにもかかわらず嵌まりの状態になっているときに、設定値が高設定である可能性を遊技者に示唆することができる。
滞在期間決定手段222は、Aモードの滞在中にRBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるとAモードの終了を決定し、RBBモードの滞在中にRBB遊技におけるメダルの払出総数が350枚に到達すると、RBBモードの終了を決定する。
また、滞在期間決定手段222は、Bモードの滞在期間の終期を転落抽選(終了抽選)により決定し、この転落抽選に当選した場合にはBモードの終了を決定する一方、転落抽選に当選しなかった場合にBモードの継続を決定する。具体的には、滞在期間決定手段222は、遊技情報コマンドに含まれているRBB間遊技回数の情報に基づいて、転落抽選テーブルAまたは転落抽選テーブルBを選択し、選択したテーブルを参照して転落抽選を行う。以下に、転落抽選テーブルA,Bを説明する。
転落抽選テーブルA,Bは、設定値に当選確率(転落確率)が予め対応付けられた構成になっており、転落抽選テーブルA(図7(a))は、RBB間遊技回数が32回未満の場合、即ち、RBB遊技の終了後から遊技が31回行われるまでの期間(所定期間。以下、「第1転落期間」と言う。)に選択されるテーブルであり、転落抽選テーブルB(図7(b))は、RBB間遊技回数が32回以上の場合、即ち、RBB遊技の終了後の遊技回数が32回目以降の期間(以下、「第2転落期間」と言う。)に選択されるテーブルである。転落抽選テーブルAには、設定値1に転落確率10%、設定値2に転落確率5%、設定値3に転落確率3%、設定値4に転落確率2.5%、設定値5に転落確率2%、設定値6に転落確率1.5%がそれぞれ対応付けられており、転落抽選テーブルBには、設定値1に転落確率50%、設定値2に転落確率40%、設定値3に転落確率30%、設定値4に転落確率15%、設定値5に転落確率10%、設定値6に転落確率8%がそれぞれ対応付けられている。
図7(a),(b)から明らかなように、設定値が1〜6に高くなるにつれて転落確率(選択確率,当選確率)が低くなるため、設定値が高いほどBモードの滞在期間は継続し易いと言える。また、図7(a)と図7(b)とを比較すると、設定値1における転落確率の差は40%(50%−10%=40%)、設定値2における転落確率の差は35%(40%−5%=35%)、設定値3における転落確率の差は27%(30%−3%=27%)、設定値4における転落確率の差は12.5%(15%−2.5%=12.5%)、設定値5における転落確率の差は8%(10%−2%=8%)、設定値6における転落確率の差は6.5%(8%−1.5%=6.5%)となっている。このように、全ての設定値において、Bモードにおける転落抽選の当選確率は、Bモードの滞在期間が第1転落期間を経過すると上昇し、その当選確率の上昇幅は、設定値1〜4の場合に大きく、設定値5,6の場合に小さくなっている。このため、第2転落期間(RBB遊技終了後の32回目以降の遊技期間)、特に、RBB遊技終了後の32回目の遊技において、演出状態がBモードからAモードに転落した場合には設定値が1〜4の可能性が高いと言え、演出状態がBモードからAモードに転落しなかった場合には設定値が5または6の可能性が高いと言える。
滞在期間決定手段222は、Bモードと同様に、Cモードの滞在期間の終期を転落抽選により決定し、この転落抽選に当選した場合にはCモードの終了を決定する一方、転落抽選に当選しなかった場合にCモードの継続を決定する。具体的には、滞在期間決定手段222は、遊技情報コマンドに含まれたRBB間遊技回数の情報に基づいて、転落抽選テーブルCまたは転落抽選テーブルDを選択し、選択したテーブルを参照して転落抽選を行う。以下に、各転落抽選テーブルC,Dを説明する。
転落抽選テーブルC,Dは、設定値に当選確率(転落確率)が予め対応付けられた構成になっており、転落抽選テーブルC(図7(c))は、第1転落期間で選択されるテーブルであり、転落抽選テーブルD(図7(d))は、第2転落期間で選択されるテーブルである。転落抽選テーブルCには、設定値1に転落確率30%、設定値2に転落確率25%、設定値3に転落確率18%、設定値4に転落確率12.5%、設定値5に転落確率10%、設定値6に転落確率8%がそれぞれ対応付けられており、転落抽選テーブルDには、設定値1に転落確率90%、設定値2に転落確率80%、設定値3に転落確率70%、設定値4に転落確率60%、設定値5に転落確率20%、設定値6に転落確率10%がそれぞれ対応付けられている。
図7(c),(d)から明らかなように、設定値が1〜6に高くなるにつれて転落確率が低くなるため、設定値が高いほどCモードの滞在期間は継続し易いと言える。また、図7(c)と図7(d)とを比較すると、設定値1における転落確率の差は60%(90%−30%=60%)、設定値2における転落確率の差は55%(80%−25%=55%)、設定値3における転落確率の差は52%(70%−18%=52%)、設定値4における転落確率の差は52.5%(65%−12.5%=52.5%)、設定値5における転落確率の差は10%(20%−10%=10%)、設定値6における転落確率の差は2%(10%−8%=2%)となっている。Bモードと同様に、Cモードにおける転落抽選の当選確率は、全ての設定値において第1転落期間を経過すると上昇し、その当選確率の上昇幅は、設定値1〜4の場合に大きく、設定値5,6の場合に小さくなっている。このため、特にRBB遊技終了後の32回目の遊技において、演出状態がCモードからBモードに転落した場合には設定値が1〜4の可能性が高いと言え、演出状態がCモードからBモードに転落しなかった場合には、設定値が5または6の可能性が高いと言える。
さらに、図7(a)と図7(c)とを比較すると、全ての設定値において、図7(a)の転落確率よりも図7(c)の転落確率の方が高く、図7(b)と図7(d)とを比較すると、全ての設定値において、図7(b)の転落確率よりも図7(d)の転落確率の方が高い。このため、CモードはBモードよりも転落しやすい演出状態であると言え、Cモードの滞在期間はBモードの滞在期間よりも比較的に短いと言える。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図8のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S3)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入(ベット)されると(S1)、副制御処理部200にメダル投入コマンドが送信され(S2)、スタートレバー15の操作が有効化される(S3)。なお、ステップS1にて投入(ベット)されたメダル数は投入総数記憶領域125に加算記憶され、再遊技状態設定手段106によってスタートレバー15の操作が有効化された場合には、再遊技状態に設定された際のベット数が投入総数記憶領域125に加算記憶される。
(ステップS4〜S10)
スタートレバー15の操作(遊技開始操作)が行われると(S4)、内部抽選が行われ(S5)、この内部抽選で役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグがONにセットされる(S6)。また、ステップS4におけるスタートレバー15の操作に基づいて、各リール30a〜cを一斉に回転させ(S8)、全てのリールが定常回転に達した後に、全てのストップボタンの操作が有効化される(S9)。そして、有効化された各ストップボタン16a〜cの操作に基づいて対応するリールが停止される(S10)。
(ステップS11)
次に、ステップS5の内部抽選で決定された役に対応付けられた図柄の組合せが有効ラインに表示されているか否かの遊技結果判定処理が行われ、この本遊技判定処理に応じてステップS12〜S18の各処理が行われる。
(ステップS12、13)
遊技結果判定処理(S11)において、小役(ベル、スイカ、チェリー)に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されて入賞となっていると判定された場合には、払出制御手段105は入賞した役に予め対応付けられたメダル枚数を遊技者に払い出し(S12)、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていると判定された場合には、再遊技状態設定手段106はスロットマシンSを再遊技状態に設定する(S13)。なお、ステップS11において、リプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された場合には、ステップS1で投入(ベット)されたメダル枚数(ベット数)が払出総数記憶領域126に加算記憶され、また、ステップS12において、メダルが払い出された場合には、払出されたメダルの枚数が払出総数記憶領域126に加算して記憶される。
(ステップS14)
次に、遊技結果判定処理(S11)において、RBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていると判定された場合には、遊技状態移行手段106は遊技状態をRBB中に移行させる。また、遊技結果判定処理において、ステップS5の内部抽選でRBB役に当選したが、RBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていないと判定された場合には、遊技状態移行手段106は遊技状態を内部中に移行させる。また、遊技結果判定処理において、ステップS11でメダルが遊技者に払い出されたことにより、RBB遊技におけるメダル払出総数が350枚に到達したと判定された場合には、遊技状態移行手段106は遊技状態を通常中に移行させる。
(ステップS15)
次に、当選フラグ成立手段103は、ステップS6でRBB役以外の当選フラグを成立させている場合には当該当選フラグをOFFにセットする。また、RBB役の当選フラグが成立している状態で、遊技結果判定処理(S11)において、RBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていると判定された場合には、RBB役の当選フラグをOFFにセットし、遊技結果判定処理において、RBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていないと判定された場合には、RBB役の当選フラグをONのまま維持する。
(ステップS16〜S18)
次に、主制御処理部100は、遊技の進行状況に係る遊技情報を含む遊技情報コマンドを副制御処理部200等に送信する(S16)。また、次回の遊技からRBB遊技が開始する場合にはRBB遊技開始コマンドを送信し(S17)、今回の遊技でRBB遊技が終了する場合にはRBB遊技終了コマンドを送信する(S18)。
次に、副制御処理部200によって行われる演出状態制御処理の手順について図9〜12のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)
まず、演出状態決定手段210は主制御処理部100からの遊技情報コマンドを受信したか否かを判断し、受信していない場合には、演出状態制御処理を終了し、受信している場合には、ステップS102に処理を移す。
(ステップS102、S104)
次に、演出状態決定手段210は主制御処理部100からのRBB遊技開始コマンドを受信したか否かを判断し、RBB遊技開始コマンドを受信した場合には、演出状態決定手段210は演出状態をRBBモードに移行させることを決定し、演出状態移行手段221は演出状態をRBBモードに移行させ、演出状態制御手段220はRBBモード滞在フラグをONにセットして、演出状態制御処理を終了する。
(ステップS103、S110、S120、S130)
次に、演出状態決定手段210は主制御処理部100からのRBB遊技終了コマンドを受信したか否かを判断し、RBB遊技終了コマンドを受信した場合には、ステップS110に処理を移す。演出状態決定手段210は、Cモード移行処理(ステップS110)を実行した後に演出状態抽選処理(ステップS120)を実行する。一方、RBB遊技終了コマンドを受信していない場合には、ステップS130に処理を移し、演出状態制御手段220は演出状態転落抽選処理を実行する。演出状態抽選処理(S120)または演出状態転落抽選処理(S130)が終了すると演出状態制御処理を終了する。以下に、Cモード移行処理(S110)、演出状態抽選処理(S120)、演出状態転落抽選処理(S130)について説明する。
まず、Cモード移行処理について図10を用いて説明する。
(ステップS111)
演出状態制御手段220はRBBモード滞在フラグをOFFにセットして、ステップS112に処理を移す。
(ステップS112〜S114)
Cモード決定手段212は、ステップS101で受信した遊技情報コマンドに含まれている設定値の情報が6(S112)、遊技回数の情報が1600回以上(S113)、RBB当選回数の情報が5回未満(S114)の全ての条件を満たしている場合、即ち、設定値と、遊技回数と、RBB役の当選回数から算出される、設定値6におけるRBB役の当選する期待値「10回」に基づいて、演出状態をCモードに移行(滞在)させるか否かを決定する。なお、設定値が6(S112)、遊技回数が1600回以上(S113)、RBB当選回数が5回未満(S114)の条件のうち何れか1つの条件が満たされていない場合には、Cモード移行処理を終了する。
(ステップS115)
Cモード決定手段212は演出状態をCモードに移行させることを決定し、演出状態移行手段221は演出状態をCモードに移行させ、演出状態制御手段220はCモード滞在フラグをONにセットして、Cモード移行処理を終了する。
次に、演出状態抽選処理について図11を用いて説明する。
(ステップS121)
まず、演出状態決定手段210は、先のステップS110にて行われたCモード移行処理において、Cモード滞在フラグがONにセットされているか否かを判定し、Cモード滞在フラグがONにセットされている場合には、演出状態抽選処理を終了し、Cモード滞在フラグがONにセットされていない場合には、ステップS122に処理を移す。
(ステップS122)
次に、演出状態抽選手段211は、ステップS101にて受信した遊技情報コマンドに含まれているRBB当選回数の末尾が7であるか否かを判断し(S122)、RBB当選回数の末尾が7以外の場合には、演出状態抽選テーブルAを参照して演出状態抽選を行い(S123)、RBB当選回数の末尾が7の場合には、演出状態抽選テーブルBを参照して演出状態抽選を行う(S124)。
(ステップS125〜S127)
次に、ステップS123またはステップS124における演出状態抽選においてBモードに当選した場合には、演出状態移行手段221は演出状態をBモードに移行させ、演出状態制御手段220はBモード滞在フラグをONにセットして(S126)、演出状態抽選処理を終了する。一方、演出状態抽選においてBモードに当選しなかった場合、即ち、Cモードに当選した場合には、演出状態移行手段221は演出状態をCモードに移行させ、演出状態制御手段220はCモード滞在フラグをONにセットして(S127)、演出状態抽選処理を終了する。
次に、演出状態転落抽選処理について図12を用いて説明する。
(ステップS131)
まず、滞在期間決定手段222は、ステップS101にて受信した遊技情報コマンドに含まれている遊技状態の情報が通常中(通常遊技状態)であるか否かを判定し、遊技状態が通常中でない場合、即ち、遊技状態が内部中(RBB内部遊技状態中)またはRBB中(RBB遊技状態中)である場合、演出状態転落抽選処理を終了し、遊技状態が通常中である場合には、ステップS132に処理を移す。
(ステップS132)
次に、滞在期間決定手段222は、Aモード滞在フラグがONであるか否かを判断し、Aモード滞在フラグがONの場合に演出状態転落抽選処理を終了し、Aモード滞在フラグがONでない場合にステップS133に処理を移す。即ち、演出状態がAモードである場合には転落抽選は行われない。
(ステップS133)
次に、滞在期間決定手段222は、Bモード滞在フラグがONであるか否かを判断し、Bモード滞在フラグがONの場合にステップS134に処理を移し、Bモード滞在フラグがONでない場合、即ち、Cモード滞在フラグがONである場合にステップS137に処理を移す。
(ステップS134〜S136)
次に、滞在期間決定手段222は、ステップS101にて受信した遊技情報コマンドに含まれているRBB間遊技回数の情報が32回未満であるか否か(第1転落期間であるか否か)を判断し(S134)、32回未満である(第1転落期間)場合には転落抽選テーブルAを参照して転落抽選を行い(S135)、32回未満でない(第2転落期間)場合には転落抽選テーブルBを参照して転落抽選を行う(S136)。
(ステップS137〜S139)
次に、滞在期間決定手段222は、ステップS101にて受信した遊技情報コマンドに含まれているRBB間遊技回数の情報が32回未満であるか否か(第1転落期間であるか否か)を判断し、32回未満である(第1転落期間)場合には転落抽選テーブルCを参照して転落抽選を行い(S138)、32回未満でない(第2転落期間)場合には転落抽選テーブルDを参照して転落抽選を行う(S139)。
(ステップS140)
次に、滞在期間決定手段222は、ステップS135,S136,S138,S139における転落抽選に当選したか否かを判断し、転落抽選に当選しなかった場合には演出状態転落抽選処理を終了し、転落抽選に当選した場合にはステップS141に処理を移す。
(ステップS141)
次に、滞在期間決定手段222は、Bモード滞在フラグがONであるか否かを判断する。このとき、Bモード滞在フラグがONである場合には、演出状態をAモードに移行(転落)させることを決定し、演出状態移行手段221は演出状態をAモードに移行させ、演出状態制御手段220はAモード滞在フラグをONにセットして(S142)、演出状態転落抽選処理を終了する。一方、Bモード滞在フラグがONでない場合、即ち、Cモード滞在フラグがONである場合には、滞在期間決定手段222は、演出状態をBモードに移行(転落)させることを決定し、演出状態移行手段221は演出状態をBモードに移行させ、演出状態制御手段220はBモード滞在フラグをONにセットして(S143)、演出状態転落抽選処理を終了する。
次に、演出表示処理について図13を用いて以下に説明する。
(ステップS151)
まず、演出状態制御手段221は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判定し、メダル投入コマンドを受信していない場合には演出表示処理を終了し、メダル投入コマンドを受信した場合にはステップS152に処理を移す。
(ステップS152、S158)
次に、演出状態制御手段220は、RBBモード滞在フラグがONにセットされているか否かを判断する(S152)。このとき、RBBモード滞在フラグがONにセットされている場合には、演出表示装置6の画面にRBB遊技が行われている旨を示すRBB中画像を表示するように制御して(S158)、演出表示処理を終了する。一方、RBBモード滞在フラグがONにセットされていない場合には、ステップS153に処理を移す。
(ステップS153、S157)
次に、演出状態制御手段220は、Cモード滞在フラグがONにセットされているか否かを判断し(S153)、Cモード滞在フラグがONにセットされている場合には、背景(演出表示装置6の画面の背景)が夜背景となるように制御して(S157)、演出表示処理を終了する。一方、Cモード滞在フラグがONにセットされていない場合には、ステップS154に処理を移す。
(ステップS154〜S156)
次に、演出状態制御手段221は、Bモード滞在フラグがONにセットされているか否かを判断し(S154)、Bモード滞在フラグがONにセットされている場合には、背景が夕方背景となるように制御して(S156)、演出表示処理を終了する。一方、Bモード滞在フラグがONにセットされていない場合、即ち、Aモード滞在フラグがONにセットされている場合には、背景が昼背景となるように制御し(S155)、演出表示処理を終了する。
次に、設定値記憶領域110に記憶されている設定値が2の場合における演出状態の移行(滞在)の様子について図14(a)を用いて説明する。図14(a)は、遊技回数が1回目〜189回目までの期間はAモード(昼背景)に滞在し、189回目の遊技において、RBB役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたことにより、1回目(初めて)のRBB遊技が実行されて、遊技回数が190回目〜219回目までの期間はRBBモードに滞在した場合の例である。
1回目のRBB遊技の終了:
1回目のRBB遊技終了の際(219回目の遊技終了の際)に演出状態抽選処理が行われる。RBB当選回数は1回であって、RBB当選回数の末尾が7以外であるため、演出状態移行抽選テーブルA(図6(a))が参照されて演出状態抽選が行われる。この抽選の結果がBモードの当選であったため、演出状態がRBBモードからBモードに移行する。
220回目〜234回目までの遊技:
220回目の遊技が開始されると演出表示装置6の画面に夕方背景が表示される。Bモードの滞在期間の長期化は設定値記憶領域110に記憶されている設定値が高いことを示すため、これを見た遊技者は、夕方背景が長く維持されること(演出状態がBモードに長く滞在すること)に期待することになる。220回目〜234回目までの遊技期間は、遊技毎に転落抽選テーブルA(図7(a))が参照されて転落抽選が行われる第1転落期間である。この第1転落期間における全ての転落抽選の結果がハズレであったため、Bモードの滞在期間が16回の遊技回数分だけ維持されたことになる。
235回目〜414回目の遊技:
235回目の遊技の終了の際に転落抽選テーブルAが参照されて行われた転落抽選の結果が当たりであったため、演出状態はBモードからAモードに転落し、236回目の遊技の開始時に演出表示装置6の画面に昼背景が表示される。今回のBモードの滞在期間は16回の遊技が行われる期間であったため、これを見た遊技者は、設定値が低いかもしれないと予測することになる。なお、236回目の遊技から次のRBB遊技(2回目のRBB遊技)が開始するまで演出状態はAモードに滞在し、この期間において転落抽選が行われることはない。
415回目〜445回目までの遊技:
412回目の遊技における内部抽選でRBB役に当選したことにより、415回目〜444回目まで2回目のRBB遊技が行われる。RBB当選回数は2回であって、RBB当選回数の末尾は7以外であるため、このRBB遊技終了の際に、再び演出状態移行抽選テーブルAが参照されて演出状態移行抽選が行われる。この抽選の結果がBモードの当選であったため、演出状態がRBBモードからBモードに移行する。
445回目〜457回目までの遊技:
445回目の遊技が開始されると演出表示装置6の画面に夕方背景が表示される。456回目の遊技において、転落抽選テーブルAが参照されて行われた転落抽選の結果が当たりとなったため、457回目の遊技において演出表示装置6の画面に昼背景が表示される。
このように図14(a)の具体例では、1回目のRBB遊技終了後のBモードの滞在期間は16回の遊技が行われた期間、2回目のRBB遊技終了後のBモードの滞在期間は12回の遊技が行われた期間であったため、遊技者は、設定値が5や6の高設定値である可能性が低いことを予測することになる。
次に、設定値記憶領域110に記憶されている設定値が4の場合における演出状態の移行(滞在)の様子について図14(b)を用いて説明する。なお、遊技回数が1回目〜219回目までの遊技期間は図14(a)と同じであるため説明を省略する。
220回目〜250回目までの遊技:
220回目〜250回目までの遊技期間(第1転落期間)では遊技毎に転落抽選テーブルAが参照されて演出状態転落抽選が行われる。これら全ての転落抽選の結果がハズレとなり、Bモードの滞在期間は31回の遊技が行われる期間まで継続したため、これを見た遊技者は、設定値が高いかもしれないと予測することになる。
251回目の遊技:
251回目の遊技が行われたことにより、Bモードの滞在期間は32回の遊技で構成された期間(第1転落期間)を経過したため、今回の遊技の終了の際に行われる転落抽選の当選確率は上昇する。即ち、この251回目の遊技以降では、全ての設定値において転落抽選テーブルAよりも転落抽選の当選確率が高い転落抽選テーブルBが参照されて、転落抽選が行われる。
252回目〜254回目までの遊技:
252回目,253回目の遊技(第2転落期間における遊技)において、遊技毎に行われた転落抽選の結果はハズレであったが、254回目の遊技における転落抽選で当たりとなったため、演出状態はBモードからAモードに転落し、254回目の遊技から次のRBB遊技が開始されるまで演出表示装置6の画面が昼背景となる。
1613回目〜1642回目までの遊技:
1612回目の内部抽選でRBB役に当選したことにより、1613回目〜1642回目まで7回目のRBB遊技が行われる。7回目のRBB遊技終了の際に演出状態抽選処理が行われるが、RBB当選回数は7回であって、この当選回数の末尾が7である回数(所定回数)であるため、演出状態移行抽選テーブルB(図6(b))が参照されて演出状態抽選が行われる。このとき、Cモードの当選確率は7%に上昇しており、この抽選の結果がCモードの当選であったため、演出状態がRBBモードからCモードに移行する。
1643回目〜1645回目の遊技:
1643回目の遊技が開始されると演出表示装置6の画面に夜背景が表示される。これを見た遊技者は高設定値に期待することになる。1645回目の遊技の終了の際に転落抽選テーブルAが参照されて転落抽選が行われ、この転落抽選の結果が当たりとなったため、演出モードがCモードからBモードに転落する。これにより、1646回目の遊技が開始されると演出表示装置6の画面に夕方背景が表示される。
このように図14(b)の具体例では、220回目〜254回目までの合計35回の遊技に亘り演出表示装置6に夕方背景が表示され続けたため、遊技者は1や2の低設定値ではないと予測し、251回目の遊技を経過すると比較的すぐに昼背景に転落したことや、1643回目〜1645回目までの合計3回の遊技に亘り演出表示装置6に夜背景が表示されたが、これは特別RBB遊技(RBB当選回数の末尾が7に係るRBB遊技)後のものであったため、5や6の高設定値でもないと予測し、設定値が3または4の可能性が高いと判断することになる。
次に、設定値記憶領域110に記憶されている設定値が6の場合における演出状態の移行(滞在)の様子について図14(c)を用いて説明する。なお、遊技回数が1回目〜261回目までの期間は、図14(b)と一部違いがあるものの殆ど同じであるため、説明を省略する。
1612回目までの遊技:
現在の遊技の進行状況は、遊技回数が1612回、RBB当選回数が2回となっており、設定値6に対応したRBB役の当選確率が約1/160であることに鑑みると所謂嵌まり状態(逆噴射状態)であると言えるため、遊技者は設定値が低いかもしれないと予測する。
1613回目〜1642回目までの遊技:
1612回目の内部抽選でRBB役に当選したことにより、1613回目〜1642回目までRBB遊技が行われる。設定値記憶領域110に記憶されている設定値が6、今回のRBB遊技の終了の時点で遊技回数が1600回以上、RBB当選回数が5回未満となっているため、当該RBB遊技の終了後に演出状態がCモードに強制的に移行する。これにより、遊技者は設定値が高設定である可能性が高いと予測することになる。
以上のように、本実施形態例のスロットマシンSによれば、演出状態決定手段210は設定値記憶領域110に記憶されている設定値に基づいてBモードまたはCモードの何れか一つを演出状態抽選により決定し(図6参照)、演出状態制御手段220はRBB遊技終了後の演出状態を演出状態抽選により決定された演出状態に滞在させる。そして、演出状態制御手段220はBモードの滞在期間の終期を転落抽選(終了抽選)により決定し、この転落抽選の当選確率は設定値が1から6に高くなるにつれて低確率となる(図7(a),(b)参照)。このため、設定値記憶領域110に記憶されている設定値が低設定の場合にはBモードの滞在期間が比較的に短く、高設定の場合にはBモードの滞在期間が比較的に長くなる。よって、本実施形態例のスロットマシンSは、Bモードの滞在期間の長短により設定値を遊技者に示唆可能となる新たな設定値判別要素を有する遊技機を提供することができる。
特に、本実施形態例では、RBB遊技が終了したことを契機(所定の契機)に演出状態が抽選により決定され、RBB遊技終了後の演出状態がBモードまたはCモードのうちどちらかの演出状態に必ず滞在し、その滞在期間の長短により設定値を遊技者に示唆可能になっている。従来の遊技機では、各設定値に応じて所定演出の発生頻度を変化させ、この演出の発生頻度の差異で設定値を示唆しており、単に、低設定値の所定演出の発生頻度を低く、高設定値の所定演出の発生頻度を高く設定していたため、結果として、設定値が高設定である場合に限り遊技者に期待感を与えるものとなっていた。これに対し、本実施形態例では、設定値の高低に拘わらず、演出状態の滞在期間の長短により遊技者に設定値を示唆することが可能となるため、遊技性を大きく向上させることができる。
また、内部抽選でRBB役に当選することによってのみ多くのメダルを獲得可能になる所謂ノーマル機であると、遊技者はRBB遊技の終了により遊技をすぐに止める(所謂、即やめ)可能性がある。本実施形態例のスロットマシンSは前記ノーマル機であるが、RBB遊技終了後の演出状態の滞在期間により設定値を示唆することが可能になっているため、RBB遊技の終了により遊技者の遊技意欲が低下することを防止してRBB遊技終了後の即やめを防ぎ遊技機の稼働率を高めることができる。
そして、本実施形態例では、ノーマル機において遊技の主たる目的となるRBB役の当選を契機に演出状態の種類により設定値を示唆可能になっており、このRBB役の当選確率は最も出玉率の低い設定値1であっても約1/195の確率となっている。従来の遊技機には、RBB遊技中に極めて低い確率(例えば、6万の1の確率)で発生する演出(演出状態)により設定値を遊技者に示唆または報知するものもあるが、本実施形態例のスロットマシンSでは、比較的に発生頻度の高いRBB役の当選を契機に設定値示唆可能なBモードまたはCモードに演出状態を移行させ、この滞在期間の長短により設定値を示唆可能になっているので、遊技者に設定値を示唆する機会を増加させることが可能となり、遊技性を向上させることができる。
なお、本実施形態例では、RBB遊技が終了したことを契機(所定の契機)に演出状態が抽選により決定される構成になっているが、この構成に限られず、例えば、内部抽選でスイカ役に当選したことを契機に演出状態が抽選により決定される構成であっても良いし、RBB間遊技回数が例えば999回を超過したことや遊技回数が5000回を超えたこと、あるいは、遊技回数が0回であることを契機に演出状態が抽選により決定される構成であっても良い。更には、遊技場の管理者によって設定値が変更されたこと、主制御処理部100のメインRAMに構築された設定値記憶領域110や遊技情報記憶領域120に記憶された各遊技情報が遊技場の管理者等の操作によってクリア(RAMクリア)されたこと、あるいは電源断を契機に演出状態が抽選により決定される構成であっても良い。これにより、遊技場の管理者によって本日の設定値が前日の設定値から変更されているかいないか等を、演出状態の移行や演出状態の滞在期間により予測可能となるため、遊技性を向上させることができる。
また、本実施形態例では、演出表示装置6は滞在している演出状態に基づいた演出を表示し、この演出状態の滞在期間により設定値を遊技者に示唆する構成になっているが、この構成に限られず、ランプ4が滞在している演出状態に基づいた光演出を実行し、この演出状態の滞在期間により設定値を示唆する構成であっても良いし、一対のスピーカ5が滞在している演出状態に基づいた音演出を実行し、この演出状態の滞在期間により設定値を示唆する構成であっても良い。
本実施形態例では、演出状態制御手段220によるCモードの選択確率は、全ての設定値において、RBB当選回数の末尾が7以外の通常RBB当選回数(所定回数以外)の場合よりも、RBB当選回数の末尾が7の場合の特別RBB当選回数(所定回数)の方が高確率となっている(図6参照)。そして、特別RBB当選回数の場合におけるCモードの選択確率(図6(b))は、通常RBB当選回数の場合におけるCモードの選択確率(図6(a))よりも、設定値1で1%、設定値2で2%、設定値3で5%、設定値4で6%、設定値5で19%、設定値6で29%とそれぞれ上昇しており、設定値5,6におけるCモードの選択確率の上昇値は、設定値1〜4におけるCモードの選択確率の上昇値よりも大きい。このため、特別RBB当選回数の場合には、演出状態がCモードに滞在するか否かに応じて設定値を判別することが可能となり、設定値判別を容易にさせる。これにより、RBB当選回数に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、遊技性を向上させることができる。
さらに、本実施形態例では、RBB遊技終了後から32回の遊技が行われる期間(所定期間、第1転落期間)を経過すると、Cモード(Bモード)における転落抽選の当選確率は、全ての設定値において上昇する構成になっているため、Cモード(Bモード)の滞在期間が第1転落期間を超えてもなお継続している場合には、設定値が高設定値である可能性が高いことを遊技者に示唆することができる。このように、本実施形態例のスロットマシンSでは、Cモード(Bモード)の滞在期間が長期化することに応じて転落抽選の当選確率を段階的に引き上げる構成になっているため、演出効果を高めて遊技性を更に向上させることができる。
さらに、第1転落期間を経過したときのCモードの転落抽選に係る当選確率の上昇幅は、設定値1で60%、設定値2で55%、設定値3で52%、設定値で47.5%、設定値5で10%、設定値6で2%となっており、設定値1〜4の場合に大きく、設定値5,6の場合に小さくなっている(図7(c),(d)参照)。このため、RBB遊技終了後の32回目の遊技において、演出状態がCモードからBモードに転落した場合には設定値が1〜4の可能性が高いと言え、演出状態がCモードからBモードに転落しなかった場合には、設定値が5または6の可能性が高いと言える。このように、本実施形態例のスロットマシンSでは、Cモードの滞在期間が第1転落期間を超えると更に設定値を判別しやすくなる。
なお、第1転落期間を経過したときのBモードの転落抽選に係る当選確率の上昇幅は、設定値1で40%、設定値2で35%、設定値3で27%、設定値4で12.5%、設定値5で8%、設定値6で6.5%となっており、Cモードの場合における転落抽選の当選確率の上昇幅に比べると設定値格差は小さいものになっている。このため、Cモードの滞在期間の長期化は、Bモードの滞在期間の長期化に比べて設定値の判別が容易である。ただし、設定値が低い場合であっても転落抽選に当選しない場合があり、この場合、Bモードの滞在期間が長期化するため、設定値の判別精度を高めるためには、内部抽選で多くのRBB役に当選して、RBB遊技終了後の演出状態の滞在期間を観察する必要がある。これにより、飽きの生じにくい遊技性を実現することができる。
本実施形態例では、Cモード(Bモード)の滞在期間が長期化するにつれて高設定値である可能性が高くなる構成になっているが、Cモード(Bモード)の滞在期間が長期化するにつれて低設定値である可能性が高くなる構成であっても良い。また、演出状態の滞在期間の単位は「遊技の回数」でなくとも良く、秒や分などの時間であっても良い。
なお、本実施形態例では、Bモード(Cモード)の滞在期間が32回の遊技を行う期間(第1転落期間)を経過したときに転落抽選の当選確率が上昇する構成になっているが、この構成に限られず、転落抽選の当選確率が第1転落期間を経過すると下降する構成であっても良いし、Bモード(Cモード)の滞在期間が10回の遊技を行う期間を経過する毎に段階的に上昇または下降する構成であっても良い。このように構成したとしても、Bモード(Cモード)の滞在期間の長短により設定値を遊技者に示唆可能となる新たな遊技性を提供することができるという格別の効果を奏し得る。
また、本実施形態例の滞在期間決定手段222は、RBB遊技終了後の演出状態を下位の演出状態に転落移行させる転落抽選(終了抽選)を実行する構成になっているが、この構成に限られず、滞在期間決定手段222は、RBB遊技終了後の演出状態を上位の演出状態に昇格移行させる昇格抽選(終了抽選)を実行する構成であっても良い。具体的には、滞在期間決定手段222は、Bモードの滞在期間の終期を昇格抽選により決定し、昇格抽選に当選した場合にBモードの終了を決定する一方、昇格抽選に当選しなかった場合にBモードの継続を決定する。Bモードの滞在期間中に昇格抽選に当選すると、演出状態移行手段221はBモードを終了させてCモードに移行させる。このとき、昇格抽選の当選確率は、設定値が1から6に高くなるにつれて高確率になるようにする。これにより、Bモードの滞在期間が短くなるにつれて設定値が高設定値であることを遊技者に示唆することができる。なお、滞在期間決定手段222が昇格抽選と転落抽選との双方を実行する構成であっても良い。このようにすると、RBB遊技終了後の演出状態がBモード→Aモードと転落移行した場合において、Bモードの滞在期間が長期化したときには高設定値の可能性が高く、Bモードの滞在期間が短期化したときには低設定値の可能性が高いことを遊技者に示唆することが可能となる。これに対し、RBB遊技終了後の演出状態がBモード→Cモードと昇格移行した場合において、Bモードの滞在期間が長期化したときには低設定値の可能性が高く、Bモードの滞在期間が短期化したときには高設定値の可能性が高いことを遊技者に示唆することができる。つまり、本構成の遊技機は、演出状態の移行(遷移)パターンと演出状態の滞在期間の長短とに基づいて遊技者に設定値を示唆可能であるため、興趣に富んだ設定値判別要素を有する遊技機を提供することができる。
また、本実施形態例では、演出状態決定手段210は、設定値が6の状態で遊技が1600回以上行われたにもかかわらず、RBB役の当選回数が期待値(10回)の半分である5回に到達していない状態(嵌まり状態、逆噴射状態)にあるときには、演出状態をCモードに移行させることを決定し、演出状態制御手段220はRBB遊技終了後に演出状態をCモードに移行させる。このように、本実施形態例のスロットマシンSは、嵌まり状態にあるときに、RBB役に最も当選しやすい設定値6であることを遊技者に示唆して遊技者を救済することができるので、遊技者に安心感を与えることができる。
なお、本実施形態例では、設定値6、遊技回数が1600回以上、RBB役の当選回数が5回未満のときには必ずCモードに移行する構成になっているが、必ずCモードに移行する構成でなくとも良く、例えば、Cモードに移行させるか否かを抽選により決定する構成であっても良い。具体的には、Cモード決定手段212に替えて、設定値6、遊技回数が1600回以上、RBB役の当選回数が5回未満のときにRBB遊技後の演出状態をCモード移行抽選により決定するCモード移行抽選手段213を備え、Cモード移行抽選手段213によるCモードの当選確率を80%に設定する。このようにすると、演出状態抽選手段211によるCモードの当選確率(図6参照)よりも大幅に当選確率が上昇しているため、嵌まり状態の救済手段として好適である。
また、本実施形態例では、設定値を示唆可能な演出状態としてBモードとCモードの2種類の演出状態が設けられているが、更にDモードを追加して、このDモードは、設定値6、遊技回数が1600回以上、RBB役の当選回数が5回未満のときにのみ移行する専用の演出状態とすることもできる。このようにすると、Dモードの滞在は遊技者に設定値が最高設定の6であることを報知するため、遊技への安心感および期待感を遊技者に与え、遊技意欲の更なる向上を図ることができる。
なお、Cモード決定手段212は、設定値記憶領域110の記憶している設定値、RBB当選回数記憶領域122の記憶しているRBB当選回数、遊技回数記憶領域123の記憶している遊技回数から算出されるRBB役の当選の期待値「10回」に応じてRBB遊技終了後の演出状態をCモードに移行させるか否かを決定しているがこの構成に限られなくとも良い。
上記具体例として、Cモード決定手段212は、主制御処理部100から送信された遊技情報コマンドに含まれた設定値の情報が6、メダル投入総数の情報が5000枚以上、かつ、メダルの払出総数の情報が4350枚未満であった場合に、RBB遊技終了後の演出状態をCモードに決定する。先述のように、設定値6に対応付けられた出玉率は約107%となっているため、設定値6の状態でメダル投入総数が5000枚であった場合には、メダルの払出総数が5350枚(5000×107/100=5350)となることが期待値として算出される。そこで、設定値6およびメダル投入総数4000枚に対するメダルの払出総数の期待値を「5350枚」として、設定値が6の状態で5000枚以上のメダルが投入されたにもかかわらず、例えば、メダルの払出総数が期待値よりも1000枚少ない4350枚未満となっている状態(嵌まり状態)のときに、Cモード決定手段212は、RBB遊技終了後の演出状態をCモードに決定し、演出状態移行手段221は遊技状態をCモードに移行させる。これにより、設定値が6の高設定であるにもかかわらず嵌まり状態になっているときに、設定値が高設定である可能性を遊技者に示唆して遊技者を救済すると共に、遊技の継続を遊技者に促して遊技機の稼働率を高めることができる。
本実施形態例では、演出状態の滞在期間の終期を転落抽選で決定する構成になっているが、これに限られず、複数種類の滞在期間を予め設定し、これら複数種類の滞在期間の中から一の滞在期間を設定値に応じて抽選により決定する構成であっても良い。本構成の例として、期間A(10回の遊技が実行される期間)、期間B(20回の遊技が実行される期間)、期間C(30回の遊技が実行される期間)の合計3種類のBモードの滞在期間を設け、設定値が1の場合における期間A〜Cの当選確率をそれぞれ60%、35%、5%に設定し、設定値が6の場合における期間A〜Cの当選確率をそれぞれ5%、35%、65%に設定する。このように構成すると、Bモードが10回の遊技で終了した場合には設定値1の可能性が高いことを示唆可能となり、Bモードが30回の遊技で終了した場合には設定値6の可能性が高いことを示唆可能となる。
また、本実施形態例では、RBB当選回数に応じて、図6(a)および図6(b)のテーブルを選択してBモードおよびCモードの当選確率を変動させる構成になっているが、この構成に限られず、スイカ役やチェリー役の当選回数に応じてBモードおよびCモードの当選確率を変動させる構成であっても良い。
また、演出状態がBモードまたはCモードに滞在している場合には、遊技が行われる毎に転落抽選が行われる構成になっているが、例えば、演出状態がBモードまたはCモードに滞在してから10回の遊技が行われるまでは演出状態が転落することのない保障期間とし、この保障期間を経過すると遊技が行われる毎に転落抽選を行ったり、5回の遊技が行われる毎に転落抽選を行ったりする構成であっても良い。このように演出状態が転落することのない保障期間を設けることにより、演出状態のバリエーションを豊富なものとすることができる。
本実施形態例では、Aモードで演出表示装置6の画面の背景が昼背景となり、Bモードで夕方背景となり、Cモードで夜背景となり、設定値や遊技の進行状況に基づいて演出状態が変化する構成になっているが、この構成に限られなくとも良い。例えば、Aモードでは、昼背景または夕方背景の何れかを抽選で決定し、Bモードでは、昼背景、夕方背景、夜背景の中から何れか一の背景を抽選で決定し、Cモードでは、夕方背景または夜背景の何れかを抽選で決定するように構成し、Aモードにおける昼背景の選択確率を95%、夕方背景の選択確率を5%、Bモードにおける昼背景の選択確率を40%、夕方背景の選択確率を55%、夜背景の選択確率を5%、Cモードにおける夕方背景の選択確率を70%、夜背景の選択確率を30%、にそれぞれ設定する。そして、本実施形態例と同様に、昼背景、夕方背景、夜背景の滞在期間を転落抽選により決定する。このようにすると、RBB遊技終了後に演出表示装置6に表示される背景の種類および当該背景の滞在期間により設定値記憶領域110に記憶されている設定値を遊技者に示唆することができる。また、例えば、演出として特殊演出を設け、複数種類の演出の中から特殊演出の選択される選択確率が、Aモードで10%、Bモードで30%、Cモードで50%となるように設定し、この特殊演出が何回の遊技に亘り連続して実行されるか、即ち、特殊演出の滞在期間を転落抽選により決定する構成とする。これにより、RBB遊技終了後に演出表示装置6に特殊演出が何回の遊技に亘り連続して実行されるか(特殊演出の滞在期間)により設定値記憶領域110に記憶されている設定値を遊技者に示唆することができる。
また、本実施形態例では、RBB当選回数の末尾が7以外の通常RBB当選回数の場合に設定値に拘わらずBモードの当選確率およびCモードの当選確率は同じ確率に設定されているが(図6(a))、この構成に限られなくとも良い。
上記構成の具体例として、図15(a)に示すように、演出状態抽選テーブルCは、各設定値にBモードの当選確率とCモードの当選確率とが予め対応付けられた構成になっている。具体的には、設定値1にBモードの当選確率99%およびCモードの当選確率1%が対応付けられ、設定値2にBモードの当選確率98%およびBモードの当選確率2%が対応付けられている。同様に、設定値3にBモードの当選確率95%およびCモードの当選確率5%、設定値4にBモードの当選確率94%およびCモードの当選確率6%、設定値5にBモードの当選確率93%およびCモードの当選確率7%、設定値6にBモードの当選確率90%およびCモードの当選確率10%がそれぞれ対応付けられている。なお、図15(b)の演出状態抽選テーブルDは、図6(b)の演出状態抽選テーブルBと同一であるため説明を省略する。
図15(a)から明らかなように、設定値が1〜6の何れの場合であっても、Bモードの当選確率はCモードの当選確率よりも高く設定されているため、RBB遊技終了後の演出状態はCモードよりもBモードに滞在しやすいと言える。そして、設定値が1から6に高くなるにつれてBモードの当選確率が低くなると共に、Cモードの選択確率は高くなるため、RBB遊技終了後に演出状態がCモードに滞在した場合には、出玉率の比較的に高い設定値が設定値記憶領域110に記憶されている可能性が高いと言える。したがって、RBB遊技終了後の演出状態がCモードに滞在した場合には設定値が高設定であることを遊技者に示唆することが可能となり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。