JP2017012189A - Rnaアプタマーおよびそれを用いたセンサ - Google Patents

Rnaアプタマーおよびそれを用いたセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】ヘモグロビンと特異的な結合を行なうRNAアプタマーおよびセンサの提供。
【解決手段】UAUUAGGACCAの順に結合した配列を備える、RNAアプタマーにより、ヘモグロビンの分画成分のうち少なくとも1種と特異的に結合することが可能となる。上述のRNAアプタマー、すなわちヘモグロビンの分画成分のうち少なくとも1種と特異的に結合することが可能RNAアプタマーを基体に固定化することによって得られるセンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体液の性質あるいは検体液に含まれる成分を測定することができるRNAアプタマーおよびそれを用いたセンサに関するものである。
検出素子を用いて、検体液に含まれるヘモグロビンを測定するための抗体およびそれを用いたセンサが知られている(例えば、特許文献1または2参照。)。
しかしながら、特許文献1および2に開示されているのは、検体液に含まれるヘモグロビンを測定する抗体およびセンサであって、アプタマーについては開示されていなかった。
ここで、測定に用いられる抗体は、動物細胞を使用して作製するため、個体差によるバッチ間変動が生じるとともに、化学合成による大量生産に向いておらず生産コストの低減も難しかった。さらに、抗体はタンパク質であるために、高温や乾燥環境下で変性しやすく保存性に乏しいという性質を有していた。
そのため、ヘモグロビンと特異的な結合を行なうことができ、しかも品質ばらつきが小さく低コストで保存性に優れたアプタマーが求められていた。
特開2002−209579号公報 特開平06−113830号公報
ヘモグロビンと特異的な結合を行なうアプタマーおよびそれを用いたセンサが求められていた。
本発明の実施形態に係るRNAアプタマーは、UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備える。ここで、塩基がアデニンであるヌクレオチドをA、塩基がグアニンであるヌクレオチドをG、塩基がシトシンであるヌクレオチドをC、および塩基がウラシルであるヌクレオチドをU、と表記する。このような構成を有することで、効果的にヘモグロビン(以下、Hbとも表記する。)の分画成分のうち少なくとも1種と特異的に結合することが可能となる。
本発明の実施形態に係るセンサは、基体と、基体に固定化されている上述のRNAアプタマーとを備える。このような構成を有することで、効果的にヘモグロビンの分画成分のうち少なくとも1種と特異的に結合することが可能となる。
本発明の実施形態に係るRNAアプタマーを示す図である。 本発明の実施形態に係るセンサを示す図であり、(a)は平面図、(b)は長さ方向の断面図、(c)は幅方向の断面図である。 図2のセンサの一部を拡大して示す断面図である。 図2のセンサの検出素子を示す平面図である。 図2のセンサの分解平面図である。 図2のセンサの製造工程を示す平面図である。 図2のセンサの変形例を示す平面図であり、(a)および(b)は図6(d)に対応する図であり、(c)は図2(a)に対応する図である。 図2のセンサの変形例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は長さ方向の断面図、(c)は幅方向の断面図である。 図8のセンサの製造工程を示す平面図である。 図2のセンサの変形例を示す図であり、特に製造工程を示す図である。 図2のセンサの変形例を示す平面図であり、図6(d)に対応する図である。 図2のセンサの検出部の実施例を示す側面図である。 図2のセンサの検出部の実施例を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るセンサ(RNAアプタマー)に関する実験データを示す図である。 本発明の実施形態に係るセンサ(RNAアプタマー)に関する実験データを示す図である。 本発明の実施形態に係るセンサ(RNAアプタマー)に関する実験データを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るRNAアプタマーおよびそれを用いたセンサの実施形態について、図面などを参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各図面において同じ構成部材には同じ符号を付すものとする。また、各部材の大きさや部材同士の間の距離などは模式的に図示しており、現実のものとは異なる場合がある。
<RNAアプタマー>
本発明の実施形態に係るRNAアプタマー130は、UAUUAGGACCAの順に結合した配列S(配列番号1)を備える。ここで、塩基がアデニンであるヌクレオチドをA、塩基がグアニンであるヌクレオチドをG、塩基がシトシンであるヌクレオチドをC、および塩基がウラシルであるヌクレオチドをU、と表記する(以下において、同様とする。)。このような配列Sを有することで、効果的にHbの分画成分のうち少なくとも1種と特異的に結合することが可能となる。具体的には、本実施形態に係るRNAアプタマー130は、Hbの分画成分のうち少なくともHbA0と特異的に結合することが可能である。なお、本実施形態に係るRNAアプタマー130は、ヒト血清アルブミン(HSA)およびヒトIgG(h-IgG)とは結合しない傾向がある。
なお、RNAアプタマー130に含まれるCおよびUのうち少なくとも一方は、ヌクレオチドを構成している糖の2´位にフッ素基を有するようにすればよい。これによれば、RNAアプタマー130の構造の安定性を向上させることができる。本実施形態においては、CおよびUのいずれも、ヌクレオチドを構成している糖の2´位にフッ素基を有する。
本実施形態に係るRNAアプタマー130の一例は、配列Sの両端に位置しているUの塩基およびAの塩基を有する第1領域130aと、上記Uから上記Aへと、AUUAGGACCの順に結合している第2領域130bと、を備えている。さらに、RNAアプタマー130は、3´末端130c1および5´末端130c2を含む末端領域130cを備えている。
なお、本実施形態に係るRNAアプタマー130の一例を、2次構造を予測するソフトウェア(ソフトウェア名:CentroidFold)を用いて表示させると、図1(b)に示すような形状となる。まず、第1領域130aにおけるUの塩基およびAの塩基が構成している第1塩基対130aと、第2領域130bにおいて、第1塩基対130aを構成するUからAへとAUUAGGACCの順に結合している部位とが、ループ形状を示す。また、第1領域130aにおいて、Uの塩基とAの塩基との第1塩基対130aに連続する部位に、複数のヌクレオチドによって少なくとも1つの塩基対を有することによってステム形状を示す。すなわち、本実施形態に係るRNAアプタマー130は、いわゆるステムループ形状を有する。
(第1領域)
第1領域130aは、上述の通り、Uの塩基とAの塩基とを有する。
また、第1領域130aは、配列Sの両端に位置しているUおよびAのうち少なくとも一方に結合する複数のヌクレオチドをさらに有してもよい。これによれば、他の部材に対する固定化を容易にすることができる。例えば、複数のヌクレオチドは、配列Sの第1端部130a11に位置しているUに結合している少なくとも1つのヌクレオチドからなる第1配列130aaと、配列Sの第2端部130a12に位置しているAに結合している少なくとも1つのヌクレオチドからなる第2配列130abと、を有するように構成することができる。
また、第1領域130aは、第1配列130aaと第2配列130abとが少なくとも1つの塩基対を構成している第1部位130axを有するようにしてもよい。これによれば、塩基対によってRNAアプタマー130自体の構造を安定化させることが可能となる。なお、第1領域130aは、複数の塩基対を有するようにしてもよい。そして、複数の塩基対が互いに連続していてもよい。
また、第1領域130aは、第1配列130aaと第2配列130abとが塩基対を構成していない第2部位130ayを有するようにしてもよい。これによれば、柔軟性を有することで固定化に際して効果的な配向を取ることができる。なお、第1領域130aは、塩基対を構成しない部位を複数有するようにしてもよい。そして、これらの塩基対を構成しない部位が互いに連続していてもよい。
また、配列Sの第1端部130a11に位置しているUは、配列Sの第2端部130a12に位置しているAよりも、5´末端130c2側に位置するようにすればよい。これによれば、Hbへの特異的な結合が生じ易くなる。
(第2領域)
第2領域130bは、上述の通り、第1領域130aにおける上記Uから上記Aへと、ヌクレオチドがAUUAGGACCの順に結合している。このような構成を有することにより、第2領域130bの立体構造と、検出対象であるヘモグロビンの立体構造とが相互に関係することによって、RNAアプタマーとヘモグロビンとが特異的に結合して、ヘモグロビンを効果的に検出することができるものと考えられる。
(末端領域)
末端領域130cが、ビオチン、チオール基、あるいはアミノ基などの修飾基を有するようにすることができる。末端領域130cとは、RNAアプタマー130の端部を意味するものであって、3´末端130c1および5´末端130c2を有する。これによれば、RNAアプタマー130を他の部材に対して固定化することを容易にすることができる。ここで、上述の修飾基はそれぞれ、末端領域130cのうち3´末端130c1あるいは5´末端130c2のうち少なくとも一方に結合させることができる。例えば、上述の修飾基を両末端と結合させることで、固定化のバリエーションを増やすことが可能となる、あるいは固定化の結合性を向上させることが可能となる。
ここで、末端領域130cがビオチンを有する場合には、このビオチンにストレプトアビジン(以下、SAと表記する場合がある。)を結合するようにすればよい。これによれば、ビオチンとストレプトアビジンとのアミド結合によって、他の部材への固定化が容易となる。
また、末端領域130cがチオール基を有する場合には、金−チオール結合によって金と結合させることができる。それ故、チオール基と結合した金を介して、他の部材に対して比較的容易に固定化させることができる。なお、末端領域130cにチオール基を有する場合において、チオール基とRNAアプタマー130との間に所定長さのスペーサを介在させることができる。これによれば、基体からRNAアプタマー130までの高さを適度に調整することによって、RNAアプタマー130による検出対象の検出感度を向上させることができる。
また、末端領域130cがアミノ基を有する場合には、このアミノ基とアミド結合を形成している第1物質を有するようにすればよい。ここで、第1物質としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。この際、アミノ基は、ポリエチレングリコールの末端に修飾されたカルボキシル基とアミド結合を形成することとなる。そして、ポリエチレングリコールの他の末端に修飾されたチオール基を介して、他の部材と固定化することができる。
<センサ>
本発明の実施形態に係るセンサ100について、図2〜図6を用いて説明する。
本実施形態に係るセンサ100は、図2に示すように、主に第1カバー部材1、中間カバー部材1A、第2カバー部材2および検出素子3を備える。
具体的には、センサ100は、図2(b)に示すように、検体液が流入する流入部14と、流入部14と連続しており且つ中間カバー部材1Aと第2カバー部材2とで囲まれて少なくとも検出部13まで延びている流路15とを備えている。図2(c)は、図2(a)の断面図を示すものであり、上から順に、a−a断面、b−b断面、c−c断面を示す。流入部14は、図2(b)に示すように、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2の側面に位置している。なお、流入部14は、図2(b)に示すように、第2カバー部材2を厚み方向に貫通するようにしてもよい。
本実施形態に係るセンサ100では、第1カバー部材の上面に検出素子と流路の少なくとも一部を構成する中間カバー部材とを併設したことから、厚みのある検出素子を用いた場合でも流入部から検出部に至る検体液の流路を確保することができ、毛細管現象などによって流入部から吸引された検体液を検出部まで流すことができる。すなわち、厚みを有する検出素子を用いつつ、それ自体に検体液の吸引機構を備えた測定作業が簡便なセンサを提供することができる。また、検体液の流路において、検出素子よりも上流側に位置している部材表面の検体液に対する接触角θ1a、θ2aは、検出素子の表面の検体液に対する接触角θ3よりも小さいことから、流入部から流入した検体液を、上流側に位置する部材表面を通じて検出素子(検出部)に向かってスムーズに流すことが可能となる。
(第1カバー部材1)
第1カバー部材1は、図2(b)に示すように平板状である。厚みは、例えば0.1mm〜0.5mmである。第1カバー部材1の平面形状は概ね長方形状である。第1カバー部材1の長さ方向の長さは、例えば1cm〜5cmであり、幅方向の長さは、例えば1cm〜3cmである。第1カバー部材1の材料としては、例えば、紙、プラスチック、セルロイド、セラミックス、不織布、ガラスなどを用いることができる。必要な強度とコストとを兼ね備える観点からプラスチックを用いることが好ましい。
また、第1カバー部材1の上面には、図2(a)に示すように、端子6および端子6から検出素子3の近傍まで引き回された配線7が形成されている。端子6は、中間カバー部材1Aの上面において、検出素子3に対して幅方向に両側に形成されている。センサ100を外部の測定器(図示せず)で測定する際に、端子6と外部の測定器とが電気的に接続される。また、端子6と検出素子3とは、配線7などを介して電気的に接続されている。そして、外部の測定器からの信号が端子6を介してセンサ100に入力されるとともに、センサ100からの信号が端子6を介して外部の測定器に出力されることとなる。
(中間カバー部材1A)
本実施形態において、図2(a)に示すように、中間カバー部材1Aが、第1カバー部材1の上面に、検出素子3と並んで位置している。また、中間カバー部材1Aと検出素子3とは間隙を介して位置している。
中間カバー部材1Aは、平板状の板に凹部形成部位4を有する平板枠状であり、その厚みは、例えば0.1mm〜0.5mmである。
本実施形態において、凹部形成部位4は、図2(a)に示すように、第1上流部1Aaおよび第1下流部1Abを分断する部位である。凹部形成部位4が設けられた中間カバー部材1Aを平板状の第1カバー部材1と接合することによって、第1カバー部材1および中間カバー部材1Aによって素子収容凹部5が形成されることとなる。すなわち、凹部形成部位4の内側に位置する第1カバー部材1の上面が素子収容凹部5の底面となり、凹部形成部位4の内壁が素子収容凹部5の内壁となる。
中間カバー部材1Aの材料としては、例えば、樹脂(プラスチックを含む)、紙、不織布、ガラスを用いることができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることが好ましい。なお、第1カバー部材1の材料と中間カバー部材1Aの材料とを異なるようにしてもよい。
また、本実施形態において、中間カバー部材1Aは、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとを有しており、図2(a)に示すように、上面視において、検出素子3は、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとの間に位置している。これによれば、流路15のうち第1上流部1Aaを通って検出素子3上を流れる検体液は、測定に必要な量を超える量が第1下流部1Ab側に流れていくことから、検出素子3に適切な量の検体液を供給することが可能となる。
なお、中間カバー部材1Aの厚みは、検出素子3の厚みよりも大きいことが好ましい。
(第2カバー部材2)
第2カバー部材2は、図2(b)に示すように、検出素子3の少なくとも一部を覆うとともに中間カバー部材1Aに接合されている。第2カバー部材2の材料としては、例えば、樹脂(プラスチックを含む)、紙、不織布、ガラスを用いることができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることが好ましい。なお、第1カバー部材1の材料と第2カバー部材2の材料とを同一としてもよい。これによって、互いの熱膨張係数の差に起因する変形を抑制することが可能となる。なお、第2カバー部材2は、中間カバー部材1Aにのみ接合される構成、あるいは第1カバー部材1および中間カバー部材1Aの双方に接合される構成にしてもよい。
ここで、第2カバー部材2は、第3基板2aと第4基板2bとを有する。
第3基板2aは、中間カバー部材1Aの上面に貼り合わされている。第3基板2aは平板状であり、その厚みは、例えば0.1mm〜0.5mmである。第4基板2bは、第3基板2aの上面に貼り合わされている。第4基板2bは平板状であり、その厚みは、例えば0.1mm〜0.5mmである。そして、第4基板2bが第3基板2aと接合されることによって、図2(b)に示すように、第2カバー部材2の下面に流路15が形成されることとなる。流路15は、流入部14から少なくとも検出部13の直上領域まで延びており、その断面形状は、例えば矩形状である。
本実施形態において、流路15の端部は、図2(b)に示すように、第3基板2aが存在せずに第4基板2bと中間カバー部材1Aとの隙間が排気孔18として機能する。排気孔18は、流路15内の空気などを外部に放出するためのものである。排気孔18は、円柱状または四角柱状など、流路15内の空気を抜くことができればどのような形状であってもよい。ただし、排気孔18の開口が大きすぎると、流路15内に存在する検体液が外気に触れる面積が大きくなり、検体液の水分が蒸発しやすくなる。そうすると、検体液の濃度変化が起こりやすくなり、測定精度の低下を招くこととなる。そのため、排気孔18の開口は、必要以上に大きくならないように設定することが好ましい。具体的には、円柱状からなる排気孔18の場合にはその直径を1mm以下となるようにし、四角柱からなる排気孔18の場合にはその1辺が1mm以下となるようにしている。また、排気孔18の内壁は疎水性となっている。これにより、流路15内に満たされた検体液が排気孔18から外部に漏れ出ることが抑制される。
第1カバー部材1、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2は、すべて同じ材料によって形成することもできる。それによれば、各部材の熱膨張係数をほぼ揃えることができるため、部材ごとの熱膨張係数の差に起因する変形が抑制される。また、検出部13には生体材料が塗布されることがあるが、その中には紫外線などの外部の光によって変質しやすいものもある。その場合は、第1カバー部材1、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2の材料として、遮光性を有する不透明なものを用いるとよい。一方、検出部13の外部の光による変質がほとんど起こらない場合は、流路15を構成する第2カバー部材2を透明に近い材料によって形成してもよい。この場合は、流路15内を流れる検体液の様子を視認することができる。
(検出素子3)
検出素子3は、図2(b)に示すように、第1カバー部材1の上面に位置している基体10、および基体10の上面に位置しており且つ検体液に含まれる検出対象の検出を行なう少なくとも1つの検出部13を有する。検出素子3の詳細については、図3(b)および図4に示している。
なお、本実施形態においては、図4に示すように、基体10の上面に電極パターンが設けられており、必要に応じて、電極パターンを覆うように絶縁性部材28が設けられてもよい。なお、電極パターンとしては、検出素子3としてSAW素子を用いる場合にはIDT(InterDigital Transducer)電極が相当する。本実施形態において、基体10の上面には、後述する、第1IDT電極11、第2IDT電極12、第1引出し電極19および第2引出し電極20などが設けられている。本実施形態では、図3(b)に示すように、基体10の上面に第2カバー部材2が、例えばIDT電極11、12上に固定されている。
(基体10)
基体10は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶または水晶などの圧電性を有する単結晶の基板からなる。基体10の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、基体10の厚みは、0.3mm〜1mmである。
(IDT電極11、12)
図4に示すように、第1IDT電極11は、1対の櫛歯電極を有する。各櫛歯電極は、互いに対向する2本のバスバーおよび各バスバーから他のバスバー側へ延びる複数の電極指を有している。そして、1対の櫛歯電極は、複数の電極指が互いに噛み合うように配置されている。第2IDT電極12も、第1IDT電極11と同様に構成されている。第1IDT電極11および第2IDT電極12は、トランスバーサル型のIDT電極を構成している。
第1IDT電極11は、所定の弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を発生させるためのものであり、第2IDT電極12は、第1IDT電極11で発生したSAWを受信するためのものである。第1IDT電極11で発生したSAWを第2IDT電極12が受信できるように、第1IDT電極11と第2IDT電極とは同一直線上に配置されている。第1IDT電極11および第2IDT電極12の電極指の本数、隣接する電極指同士の距離、ならびに電極指の交差幅などをパラメータとして周波数特性を設計することができる。IDT電極によって励振されるSAWとしては、種々の振動モードのものが存在するが、本実施形態に係る検出素子3においては、例えばSH波とよばれる横波の振動モードを利用している。
なお、第1IDT電極11および第2IDT電極12のSAWの伝搬方向(幅方向)における外側に、SAWの反射抑制のための弾性部材を設けてもよい。SAWの周波数は、例えば、数メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)の範囲内において設定可能である。中でも、数百MHzから2GHzとすれば、実用的であり、且つ検出素子3の小型化ひいてはセンサ100の小型化を実現することができる。
(引出し電極19、20)
図4に示すように、第1引出し電極19は、第1IDT電極11に接続されており、第2引出し電極20は、第2IDT電極12に接続されている。第1引出し電極19は、第1IDT電極11から検出部13とは反対側に引き出され、第1引出し電極19の端部19eは第1カバー部材1に設けた配線7に電気的に接続されている。第2引出し電極20は、第2IDT電極12から検出部13とは反対側に引き出され、第2引出し電極20の端部20eは配線7に電気的に接続されている。
ここで、第1IDT電極11、第2IDT電極12、第1引出し電極19および第2引出し電極20は、例えばアルミニウムあるいはアルミニウムと銅との合金などからなる。また、これらの電極は、多層構造としてもよい。多層構造とする場合は、例えば、1層目にチタンまたはクロムを含め、2層目にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含めることができる。
(検出部13)
検出部13は、図4に示すように、基体10の表面であって、第1IDT電極11から第2IDT電極12へと伝搬する弾性波の伝搬路に位置している。以下、上述した本実施形態に係るRNAアプタマー130を用いた例について説明する。
例えば、検出部13は、図12(a)に示すように、基体10に固定化された複数のSA134と、複数のSA134にそれぞれ結合している複数のビオチン131aと、複数のビオチン131aに二本鎖133を介してそれぞれ結合している複数のRNAアプタマー(結合部)130とを有する。すなわち、RNAアプタマー(結合部)130は末端領域130cに二本鎖133を介してビオチン131aを有する。そして、二本鎖133は、RNAアプタマー130の3´末端に付加されたAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2)と、ビオチン131aに結合している5´−TTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号3)とが塩基対を形成した構成を有する。
なお、検出部13の変形例として、図12(b)に示すような構成にしてもよい。
本変形例において、検出部13は、基体10の表面に位置している固定化膜13aと、固定化膜13aに結合している鎖状物質(SAM)13cと、SAMに結合している複数のSA134と、複数のSA134にそれぞれ結合している複数のビオチン131aと、複数のビオチン131aにそれぞれ結合している複数のRNAアプタマー(結合部)130とを有するようにすることができる。ここで、固定化膜13aを形成する物質としては、例えばAu(金)、Ti、およびCuなどを用いることができ、Auが好ましい。なお、固定化膜13aは、例えば、金の膜、あるいはクロムの膜上に成膜された金の膜からなる2層構造としてもよい。また、基体10と固定化膜13aとの間に保護膜13bを介在させてもよい。また、鎖状物質13cとしては、例えば、アルカン、ポリエチレングリコール、あるいはアルカンとポリエチレングリコールとの複合分子などが挙げられる。
また、検出部13の変形例として、図13(a)に示すような構成にしてもよい。
本変形例において、検出部13のRNAアプタマー130は末端領域130cにアミノ基を有している。この場合には、このアミノ基131cとアミド結合を形成している第1物質132(鎖状物質13c)を有するようにすればよい。ここで、第1物質132としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。この際、アミノ基131cは、ポリエチレングリコールの末端に修飾されたカルボキシル基とアミド結合を形成することとなる。そして、ポリエチレングリコールの他の末端に修飾されたチオール基131bを介して、他の部材と固定化することができる。具体的には、検出部13は、図13(a)に示すように、基体10の表面に位置している固定化膜(Au)13aと、固定化膜13aに結合している複数の鎖状物質(ポリエチレングリコール)13cと、複数の鎖状物質13cにアミノ基131cを介してそれぞれ結合している複数のRNAアプタマー(結合部)130とを有するようにすることができる。そして、ポリエチレングリコールの末端に位置するカルボキシル基を活性エステル化して、RNAアプタマー130と結合させればよい。
また、検出部13の変形例として、図13(b)に示すような構成にしてもよい。
本変形例において、検出部13のRNAアプタマー130は末端領域130cにチオール基131bを有している。この場合には、金−チオール結合によって金と結合させることができる。それ故、チオール基131bと結合した金を介して、他の部材に対して比較的容易に固定化させることができる。具体的には、検出部13は、図13(b)に示すように、基体10の表面に位置している固定化膜(Au)13aと、固定化膜13aにそれぞれ結合している複数の鎖状物質(ポリエチレングリコール)13cおよび複数のRNAアプタマー(結合部)130と、を有するようにすることができる。
ここで、センサ100の幅方向に沿って配置された第1IDT電極、第2IDT電極および検出部13を1セットとすると、本実施形態に係るセンサ100には、図4に示すように、そのセットが2つ設けられている。これにより、一方の検出部13で反応する検出対象を、他方の検出部13で反応する検出対象と異なるように設定することによって、1つのセンサで2種類の検出対象の検出を行なうことが可能となる。例えば、一方の検出部13にHbと特異的に結合可能なRNAアプタマー130を設け、他方の検出部13にHbA1cと特異的に結合可能な抗体を設けるようにしてもよい。このように異なる検出対象に用いるアプタマーと抗体とをセットで使用することで、複数の検出対象を同時に検出することができる。例えば図16に示すように、HbとHbA1cとを同時に測定したデータを用いて、HbにおけるHbA1cの比率を算出することができる。また、2つのうち1つのセットについては、検出部13の代わりに、参照用電極を設けてリファレンス部として用いてもよい。
(検出素子3を用いた検出対象の検出)
SAWを利用した検出素子3において検体液の検出を行なうには、まず、第1IDT電極11に、配線7や第1引出し電極19などを介して外部の測定器から所定の電圧を印加する。そうすると、第1IDT電極11の形成領域において基体10の表面が励振され、所定の周波数を有するSAWが発生する。発生したSAWは、その一部が検出部13に向かって伝搬し、検出部13を通過した後、第2IDT電極12に到達する。検出部13では、検出部13のRNAアプタマー130が検体液中のヘモグロビンと結合し、結合した分だけ検出部13の重さが変化するため、検出部13の下を通過するSAWの位相などの特性が変化する。このように特性が変化したSAWが第2IDT電極に到達すると、それに応じた電圧が第2IDT電極に生じる。この電圧が第2引出し電極20、配線7などを介して外部に出力され、それを外部の測定器で読み取ることによって、検体液の性質や成分を調べることができる。
ここで、検体液を検出部13に誘導するために、センサ100では毛細管現象を利用する。
具体的には、上述のように、流路15は、第2カバー部材2が中間カバー部材1Aに接合されることによって、第2カバー部材2の下面に細長い管状となる。そのため、検体液の種類、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2の材質などを考慮して、流路15の幅あるいは径などを所定の値に設定することによって、細長い管状の流路15に毛細管現象を生じさせることができる。流路15の幅は、例えば0.5mm〜3mmであり、深さは、例えば0.1mm〜0.5mmである。なお、流路15は、検出部13を超えて延びた部分である下流部(延長部)15bを有し、第2カバー部材2には延長部15bにつながった排気孔18が形成されている。そして、検体液が流路15内に入ってくると、流路15内に存在していた空気は排気孔18から外部へ放出される。
このような毛細管現象を生じる管を、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2を含むカバー部材によって形成すれば、流入部14に検体液を接触させることによって、検体液が流路15を流れてカバー部材の内部に吸い込まれていく。このように、センサ100は、それ自体が検体液の吸引機構を備えているため、ピペットなどの器具を使用することなく検体液の吸引を行なうことができる。
(流路15の親液性)
本実施形態に係るセンサ100においては、流路15の内面全体、あるいは内面の一部、例えば流路15の底面および壁面などが親液性を有している。流路15の内面が親液性を有することによって、毛細管現象が起こり易くなり、検体液が流入部14から吸引され易くなる。
流路15の内面のうち親液性を有する部分は、例えば水との接触角が60°以下になるようにすればよい。接触角が60°以下であれば、毛細管現象がより起こり易くなり、検体液を流入部に接触させたときの検体液の流路15内への吸引がより確実なものとなる。以下、図3(a)を用いて詳細に説明する。図3(a)は図2(b)のセンサ100の一部を拡大して示す断面図である。
流路15の内面が親液性を有するようにするには、例えば、流路15の内面に新液化(親水化)処理を施す方法、流路15の内面に親液性のフィルムを貼り付ける方法、および流路15を構成するカバー部材2を親液性の材料で形成する方法などを採用することができる。中でも、流路15の内面に親液化処理を施す方法および流路15の内面に親液性のフィルムを貼り付ける方法を用いれば、検体液が親液性の部分に沿って流路15内を流れていくため、検体液が意図しない場所へ流れることを抑制して、精度の高い測定をすることができる。また、これらの方法によれば、疎液性(疎水性)の材料からなるカバー部材を用いる場合においても、毛細管現象を起こすことができるため、カバー部材として使用することができる材料の選択肢が増えるという利点もある。
流路15の内面に親液化処理を施す方法としては、例えば親水化処理であれば、流路15の内面を酸素プラズマによってアッシングにより表面の官能基を変化させた後、シランカップリング剤を塗布し、最後にポリエチレングリコールを塗布すればよい。その他にも、流路15の内面を、ホスホリルコリンを有する処理剤を用いて表面処理するという方法もある。
また、親液性のフィルムを貼り付ける方法において、親液性のフィルムとしては、親水化処理が施された市販のポリエステル系のフィルムあるいはポリエチレン系のフィルムなどを使用することができる。親液性のフィルムは、流路15の上面、側面、あるいは下面にのみ形成するようにしてもよく、これらを組み合わせてもよい。
(流路15と検出素子3との位置関係)
本実施形態において、検体液の流路15は深さが0.3mm程度であるのに対し、検出素子3は厚みが0.3mm程度であり、図2(b)に示すように、流路15の深さと検出素子3の厚さとがほぼ等しい。そのため、流路15上に検出素子3をそのまま置くと流路15が塞がれてしまう。そこで、センサ100においては、図2(b)および図3に示すように、検出素子3が実装される第1カバー部材1と第1カバー部材1上に接合される中間カバー部材1Aとによって素子収容凹部5を設けている。この素子収容凹部5の中に検出素子3を収容することによって、検体液の流路15が塞がれないようにしている。すなわち、素子収容凹部5の深さを検出素子3の厚みと同程度にし、その素子収容凹部5の中に検出素子3を実装することによって、流路15を確保することができる。
検体液の流路15を十分に確保する観点からは、図2(b)および図3に示すように、素子収容凹部5の底面から基体10の上面までの高さを、素子収容凹部5の深さと同じかまたはそれよりも小さく(低く)しておくとよい。例えば、基体10の上面の素子収容凹部5の底面からの高さを素子収容凹部5の深さと同じにしておけば、流入部14から流路15の内部を見たときに、流路15の底面と検出部13とをほぼ同一高さとすることができる。
なお、素子収容凹部5の平面形状は、例えば基体10の平面形状と相似の形状としてもよく、素子収容凹部5は基体10よりも若干大きく設定すればよい。より具体的には、素子収容凹部5は、基体10を素子収容凹部5に実装したときに、基体10の側面と素子収容凹部5の内壁との間に200μm程度の隙間が形成されるような大きさである。
検出素子3は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはシリコーン樹脂などを主成分とするダイボンド材によって、素子収容凹部5の底面に固定されている。
第1引出し電極19の端部19eと配線7とは、例えばAuなどからなる金属細線27によって電気的に接続されている。第2引出し電極20の端部20eと配線7との接続も同様である。なお、第1引出し電極19および第2引出し電極20と配線7との接続は、金属細線27によるものに限らず、例えばAgペーストなどの導電性接着材によるものでもよい。第1引出し電極19および第2引出し電極20と配線7との接続部分には空隙が設けられているため、第2カバー部材2を第1カバー部材1に貼り合わせた際に、金属細線27の破損が抑制される。第1引出し電極19、第2引出し電極20、金属細線27および配線7は、絶縁性部材28によって覆われている。第1引出し電極19、第2引出し電極20、金属細線27および配線7が絶縁性部材28で覆われていることによって、これらの電極などが腐食することを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係るセンサ100によれば、検出素子3を第1カバー部材1の素子収容凹部5に収容したことによって、流入部14から検出部13に至る検体液の流路15を確保することができ、毛細管現象などによって流入部から吸引された検体液を検出部13まで流すことができる。すなわち、厚みのある検出素子3を用いつつ、それ自体に吸引機構を備えたセンサ100を提供することができる。
次に、実施形態に係るセンサ100の変形例について説明を行なう。
<変形例>
図7は、図2のセンサ100の変形例に係るセンサ100a、100b、100cを示す平面図であり、図7(a)および図7(b)は図6(d)に対応する図であり、図7(c)は図2(a)に対応する図である。
本変形例に係るセンサ100a、100bは、上述の実施形態に係るセンサ100とは異なり、中間カバー部材1Aの幅および第2カバー部材2の幅が検出素子3の幅よりも大きい。センサ100aは、図7(a)に示すように、検出素子3の下流において、第1カバー部材1の上に中間カバー部材1A(第2下流部1Ab)が設けられていない。それに対して、センサ100bは、図7(b)に示すように、検出素子3の下流において、第1カバー部材1の上に中間カバー部材1A(第2下流部1Ab)が設けられている。
次に、本変形例に係るセンサ100cは、上述の実施形態に係るセンサ100と比較して、検出素子3に対する端子6の配置が異なる。
具体的には、センサ100では、図2に示すように、端子6は、検出素子3のうち流入部14側の端部よりも排気孔18側に配置されている。これに対して、本変形例のセンサ100cでは、図7(c)に示すように、端子6のうち少なくとも一部は、検出素子3のうち流入部14側の端部よりも流入部14側に配置されている。
また、流路15の長手方向を基準にして検出素子3の一方側に配列している4つの端子6において、外側の2つの端子6に接続される配線7の長さが互いに略同一であり、また、内側の2つの端子6に接続される配線7の長さが互いに略同一である。これによれば、検出素子3で得られる信号が、配線7の長さによってばらつくことを抑制することが可能となる。さらに、例えば、一方の略同一の長さの配線7が、検出素子3の検出部13において検出対象を検出する部位に接続され、他方の略同一の長さの配線7が、検出素子3の検出部において検出対象に対する参照電極に接続される構成とすれば、上記の信号のばらつきを抑制することが可能となり、検出の信頼性を向上させることが可能となる。
図8は、図2のセンサ100の変形例に係るセンサ101を示す図であり、(a)は平面図、(b)は長さ方向の断面図、(c)は幅方向の断面図である。
本変形例に係るセンサ101は、上述の実施形態に係るセンサ100とは異なり、第1IDT電極11および第2IDT電極12は、絶縁性部材28によって覆われている。
絶縁性部材28は、第1IDT電極11および第2IDT電極12の酸化防止などに寄与するものである。絶縁性部材28は、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素またはシリコンによって形成されている。絶縁性部材28の厚さは、例えば、第1IDT電極11および第2IDT電極の厚さの1/10程度(10〜30nm)である。絶縁性部材28は、第1引出し電極19の端部19eおよび第2引出し電極20の端部20eを露出するようにして、基体10の上面全体に亘って形成されてよい。
また、本変形例に係るセンサ101は、上述の実施形態に係るセンサ100とは異なり、検出素子3と中間カバー部材1Aとの間隙に充填部材9が設けられている。
充填部材9は、中間カバー部材1Aおよび基体10とは異なる材料を含むようにすることができ、例えばPDMSなどの樹脂材料を用いることができる。なお、充填部材9は、検出素子3と中間カバー部材1Aとの間隙の全ての領域に設けられる必要はなく、例えば流路15に対応する部位のみに設けるようにしてもよい。検出素子と中間カバー部材との間隙に充填部材が位置していることから、間隙による毛細管現象の阻害を抑制することができ、検体液をよりスムーズに検出素子に向けて吸引することが可能となる。
図9は、図8のセンサ101の製造工程を示す平面図である。
まず、図9(a)に示すように、端子6および配線7が形成された第1カバー部材1を用意する。
次に、図9(b)に示すように、第1カバー部材1の上に、中間カバー部材1Aを積層する。ここで、中間カバー部材1Aは、第1上流部1Aaと第1下流部1Abとからなる。
次に、図9(c)に示すように、中間カバー部材1Aの第1上流部1Aaと第1下流部1Abとの間に、検出素子3を金属細線27を用いて実装する。ここで、第1カバー部材1の上に、中間カバー部材1Aおよび検出素子3を載置する工程は、いずれを先に実行してもよい。
次に、図9(d)に示すように、検出素子3と中間カバー部材1Aとの間の間隙に、充填部材9を配置する。
次に、図9(e)に示すように、中間カバー部材1Aの上に、第2カバー部材2の第3基板2aを積層する。
そして、図9(a)に示すように、第3基板2aの上に第4基板2bを積層することによって、本実施形態に係るセンサ101が製造される。
図10は、図2のセンサ100の変形例に係るセンサ101aを示す図であり、特に製造工程を示す図である。
本変形例に係るセンサ101aは、上述の実施形態に係るセンサ100とは異なり、上面視において、検出素子3が中間カバー部材1Aで全周を囲まれている。そして、充填部材9は、図10(d)および図10(e)に示すように、検出素子3の外周を囲うように、検出素子3と中間カバー部材1Aとの間隙に位置している。これによれば、流路15において検出素子3とその周囲との段差あるいは隙間を低減することができることから、検体液をスムーズに検出素子3上に流すことが可能となる。また、充填部材9は、検出素子3と端子6との領域において、配線7の一部および検出素子3と配線7とを接続する導線27を覆うことができることから、これらと検体液との接触による検出感度の低下を抑制することが可能となる。
なお、本変形例では、図10(b)に示すように中間カバー部材1Aと検出素子3とを形成した上で、図10(c)に示すように検出素子3と配線7とを導線27によって接続している。これに代えて、検出素子3を形成し、検出素子3と配線7とを導線27によって接続した後で、中間カバー部材1Aを形成するようにしてもよい。
図11は、図2のセンサ100の変形例に係るセンサ101b、101cを示す平面図であり、図6(e)に対応する図である。
本変形例に係るセンサ101b、101cは、上述の実施形態に係るセンサ100とは異なり、充填部材9は、図11(a)および図11(b)に示すように、検出素子3と中間カバー部材1Aとの間隙のうち、流路15の長手方向に沿うように位置している。これによれば、検出素子3とその両側との段差を低くあるいは隙間を狭くすることができることから、検出素子3に対して側方からも検体液をスムーズに流すことが可能となる。また、充填部材9は、検出素子3と端子6との領域において、配線7の一部および検出素子3と配線7とを接続する導線27を覆うことができることから、これらと検体液との接触による検出感度の低下を抑制することが可能となる。
また、図11(b)に示すように、充填部材9を検出素子3と中間カバー部材1Aとの間隙のみならず、検出素子3と配線7とを接続するための導線27のうち検出素子3(基体10)の上面に位置している部分をも覆うことができる。これによれば、導線27と検体液との接触による検出感度の低下をさらに抑制することが可能となる。
上述した実施形態に係るRNAアプタマーおよびこれを用いたセンサの実施例について以下に説明する。
第1実施例
分子間相互作用解析装置であるBiacore T200(GE ヘルスケア製)を用いて評価を実施した。この装置は、4つのフローセルを有している。
評価用の基板(基体)として、Series S Sensor Chip SA(GE ヘルスケア製)を用いた。
以下において、Series S Sensor Chip SA上に、各種のRNAアプタマーを固定化し、ヘモグロビンを検出する手順を示す。
ここで、ヘモグロビン検体として、アブカム株式会社製のHuman Hemoglobin full length protein (ab77858)を用いた。
また、ランニング緩衝液として、HBS−P(GE ヘルスケア製)にMgCl2が1mM含有されるようにMgCl2を追加したものを用いた(以下、HBS−P(+MgCl2)と記す。)。
(1) 全てのフローセルを、10mM NaOHを用いて流速20μl/minで1分間洗浄をした。
(2) 上記(1)を2回繰り返した。
(3) フローセルの1つ(以下、Fc2と記す。)に、5´末端にビオチンを有する5μM の 5´−TTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号3)を、流速5μl/minで6分間流して固定化した。この際、希釈は、HBS−P(+MgCl2)溶液を用いて行なった。
(4) Fc2に、5´末端にビオチンを有する5μM の 5´−TTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号3)を、流速5μl/minで2分間流して固定化した。
(5) フローセルの1つ(以下、Fc1と記す。)に、1mg/mlビオチンを流速5μl/minで6分間流して固定化する。この際、希釈は、HBS−P(+MgCl2)溶液を用いて行なった。
(6) 全てのフローセルを、10mM NaOHを用いて流速20μl/minで1分間洗浄をした。
(7) 上記(6)を1回繰り返した。
(8) Fc2に、2μMRNAアプタマーを流速5μl/minで4分間流して固定化した。ここで、RNAアプタマーとして、3´末端にAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2)を付加し、CとUは2´位がフッ素基に置換されており、予めアニール処理したものを用いた。この際、希釈は、HBS−P(+MgCl2)溶液を用いて行なった。
(9) 全てのフローセルに、1μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を流速20μl/minで2分間流し、その後1分間の解離状態をモニターした。
(10) 全てのフローセルに、10μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を流速20μl/minで2分間流し、その後1分間の解離状態をモニターした。
(11) 全てのフローセルを、10mM NaOHを用いて流速20μl/minで1分間洗浄をした。この作業により、RNAアプタマーが外れて、Series S Sensor Chip SAは上記(7)が完了した状態に戻る。
(12) その後、上記(8)〜(11)を繰り返し、表1に示す各種のRNAアプタマーを順に評価した。これらの評価結果について、表2に示す。なお、表2に記載の配列の塩基数は、表1に記載された配列の3´末端にAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2)を付加した配列の塩基数を示す。
表2は、アプタマーの固定化量およびHbの検出量とともに、RNAアプタマー1つ当たりのHbの結合割合を示している。そして、その結合割合の値が0.2以上の場合を◎とし、0.1以上0.2未満の場合を○とし、0よりも大きく0.1未満の場合を△とし、0以下の場合を×とした。
これによれば、表1に示されるように、UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備えるRNAアプタマーを用いると、いずれについてもHbに結合することが分かった。特に、No.3,8,9,11,12,28,および33のRNAアプタマーは、Hbとの高い結合力を示した。
また、図14(a)は、上述の手順(9)において、ヘモグロビン、ヒト血清アルブミン(HSA)およびヒトIgG(h-IgG)の3種それぞれを検体とした結果を示している。これによると、UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備えるRNAアプタマーは、上述の通りヘモグロビンとは特異的に結合し、ヒト血清アルブミン(HSA)およびヒトIgG(h-IgG)とは結合しない傾向があることが分かった。
図14(b)は、上述の手順(9)において、表1に示す6R_11のRNAアプタマーを用いて、ヘモグロビンの分画成分との結合について測定した結果を示している。具体的には、時間0秒の時点で、フローセルに、Hb、HbA0およびHbSのそれぞれを検体として注入した。120秒までがアプタマーと標的との結合であり、120秒からは解離信号を示す。縦軸がアプタマーとの結合量を示す。これによると、6R_11のRNAアプタマーは、Hbの分画成分のうち少なくともHbA0およびHbSと結合することが分かった。
第2実施例
分子間相互作用解析装置であるBiacore X(GE ヘルスケア製)を用いて評価を実施した。この装置は、2つのフローセルを有している。
評価用の基板(基体)として、Sensor Chip SA(GE ヘルスケア製)を用いた。
以下において、「Series Chip SA」上に、RNAアプタマーを固定化し、ヘモグロビンを検出する手順を示す。
なお、ヘモグロビン検体およびランニング緩衝液は、上述の第1実施例と同一のものを用いた。
手順(1)〜(7)は、基本的に上述の第1実施例における手順(1)〜(7)と同一とした。ただし、手順(2)において上記(1)を3回繰り返した。また、手順(7)において上記(6)を1回繰り返した。
(8) Fc2に、上述の実験と同様、2μM RNAアプタマーを流速5μl/minで4分間流して固定化した。この際、希釈は、HBS−P(+MgCl2)溶液を用いて行なった。なお、RNAアプタマーとして、実施例1と同様に、3´末端にAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2)を付加したものを用いた。
(9) フローセルに1μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を流速20μl/minで2分間流し、その後1分30秒間の解離状態をモニターした。
(10) 全てのフローセルを、10mM NaOHを用いて流速20μl/minで1分間洗浄をした。この作業により、RNAアプタマーが外れて、Series Chip SAは(7)が完了した状態に戻る。
(11) その後、上記(8)〜(10)を繰り返し、表3に示す各種のRNAアプタマーを順に評価した。これらの評価結果について、表4に示す。なお、表4に記載の配列の塩基数は、表3に記載された配列の3´末端にAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2)を付加した配列の塩基数を示す。
表4は、上述の表2と同様に、アプタマーの固定化量およびHbの検出量とともに、RNAアプタマー1つ当たりのHbの結合割合を示している。そして、その結合割合の値が0.2以上の場合を◎とし、0.1以上0.2未満の場合を○とし、0よりも大きく0.1未満の場合を△とし、0以下の場合を×とした。
これによれば、表4に示されるように、UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備えるRNAアプタマーを用いると、いずれについてもHbと特異的に結合することが分かった。特に、No.101,102,103,104および106のRNAアプタマーは、Hbとの高い結合力を示した。また、上述の第1実施例における各種アプタマーのように、本実施例における短鎖の各種アプタマーにおいても、Hbと特異的に結合することが分かった。
第3実施例(末端にビオチンを有する例)
以下において、実装基板上に、RNAアプタマーを固定化し、ヘモグロビンを検出する手順を示す。ここで、本実施例において、表1に示す6R_28の一部の配列を有するRNAアプタマーを用いた。具体的には、CGUAUUACGGCAUUAUUAGGACCAAUGCUGAGUACG(配列番号60)の配列からなるRNAアプタマーを用いた。なお、後述する第4実施例および第5実施例においても同一のRNAアプタマーを用いた。
(1) 検出素子3を準備した。なお、固定化膜13aとしてAu(金)を用いる。
(2) 検出部13を含む領域をピラニア溶液(濃硫酸と30%過酸化水素の混合溶液)で洗浄した。
(3) 検出部13を含む領域を水およびエタノールでリンスした。
続く手順である下記(4)〜(7)において、固定化膜Au上にアプタマーを固定化した。
(4) 3,3´−ジチオジプロピオン酸を検出部13を含む領域に滴下し、10分間放置後、水で洗浄した。
(5) 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド水溶液とN−ヒドロキシスクシンイミド水溶液との混合液を検出部13を含む領域に滴下し、20分間放置後、水で洗浄することにより、3,3´−ジチオジプロピオン酸の末端に位置するカルボキシル基を活性エステル化した。
(6) 1mMHEPESバッファ(pH8.0)液に0.1mg/mLの濃度でストレプトアビジンを溶解した溶液を検出部13を含む領域に滴下し、20分間放置後、1mMHEPESバッファ(pH8.0)液で洗浄することにより、エステル化したカルボキシル基とストレプトアビジン中のアミノ残基とをアミド結合させた。
(7) 1mMHEPESバッファ(pH8.0)液をHBS−P(+MgCl2)に置換した後、5´末端にビオチンを有するRNAアプタマーの濃度が5μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈した溶液を検出部13を含む領域に滴下し、5分間放置後、HBS−P(+MgCl2)で洗浄した。なお、参照電極を形成する際には、この処理は行なわなかった。
(8) 11.6μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を、流路15を用いて検出素子3に導入し、5分間反応させた際に生じる位相変化量を測定した。
これによれば、結合力の高いSAおよびビオチンの結合を用いることで、RNAアプタマーを高い安定性にて固定化することができ、Hbを検出することができた。
第4実施例(末端にアミノ基を有する例)
以下において、実装基板上に、RNAアプタマーを固定化し、ヘモグロビンを検出する手順を示す。
(1)〜(3)は、上述の第3実施例における(1)〜(3)と同一とした。
続く手順である下記(4)〜(6)において、固定化膜Au上にアプタマーを固定化した。
(4) 平均分子量2000ポリエチレングリコール(PEG)を溶解させたリン酸緩衝液を、検出部13を含む領域に滴下し、5分間放置後、リン酸緩衝液で洗浄した。ここで、PEGの末端は、一方がチオール基であり、もう一方がカルボキシル基である。
(5) リン酸緩衝液を水に置換し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド水溶液とN−ヒドロキシスクシンイミド水溶液との混合液を検出部13を含む領域に滴下し、20分間放置後、水で洗浄することにより、3,3´−ジチオジプロピオン酸の末端に位置するカルボキシル基を活性エステル化した。
(6) 水を除去し、5´末端にアミノ基を有するRNAアプタマーの濃度が5μMとなるようにHBS−N(GEヘルスケア製)で希釈した溶液を滴下し、5分間放置後、処理した。なお、参照電極を形成する際には、この処理は行なわなかった。
(7) 11.6μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を、流路15を用いて検出素子3に導入し、5分間反応させた際に生じる位相変化量を測定した。
これによれば、RNAアプタマーを固定化する際に、金への非特異結合が抑制され、PEGの末端にRNAアプタマーを優れた配向性にて結合させることができ、Hbを検出することができた。
第5実施例(末端にチオール基を有する例)
以下において、実装基板上に、RNAアプタマーを固定化し、ヘモグロビンを検出する手順を示す。
(1)〜(3)は、上述の第3実施例における(1)〜(3)と同一とした。
続く手順である下記(4)〜(10)において、固定化膜Au上にアプタマーを固定化した。
(4) 検出側のAu膜上に、5´末端にチオール基を有するRNAアプタマーを、検出側のAu膜上に滴下し、5分間流して放置した。この際、RNAアプタマーは、HBS−P(+MgCl2)に溶解させた。
(5) 検出側および参照側のそれぞれのAu膜上に、平均分子量2000ポリエチレングリコール(PEG)を溶解させたリン酸緩衝液を滴下し、5分間放置した。ここで、PEGの末端は、チオール基、もう一方がメトキシ基である。
(6) 上記(5)を2回繰り返した。
(7) 10mM NaOHを用いて、検出部13を含む領域を洗浄した。
(8) 検出側および参照側のそれぞれのAu膜上に、平均分子量1000ポリエチレングリコール(PEG)を溶解させたリン酸緩衝液を滴下し、5分間放置した。ここで、PEGの末端は、一方がチオール基、もう一方がメトキシ基である。
(9) 上記(8)を3回繰り返した。
(10) 10mM NaOHを用いて、検出部13を含む領域を洗浄した。
(11) 11.6μMとなるようにHBS−P(+MgCl2)で希釈したヘモグロビン検体を、流路15を用いて検出素子3に導入し、5分間反応させた際に生じる位相変化量を測定した。同様に、検体として、ヒト血清アルブミン(HSA)を用いて測定を行なった。これらの測定結果について、図15(a)に示す。また、ヘモグロビン検体については、各種濃度にて測定を行なった。この測定結果について、図15(b)に示す。
図15(a)は、時間0秒の時点で検出素子3に検体を導入し、300秒までアプタマーと標的の結合を観測した結果を示している。縦軸がアプタマーと標的が結合した際の位相変化量を示す。
これにより、UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備えるRNAアプタマーは、Hbと特異的に結合することが可能であるとともに、ヒト血清アルブミン(HSA)とは結合しない傾向があることが分かった。
図15(b)は、RNAアプタマーと検体であるHb濃度との関係性を示している。ここでは、各検体濃度に対して、検体導入後180秒から300秒の位相変化量の平均値を取得して示している。
これにより、RNAアプタマーは、Hbの濃度が高くなるにつれて、Hbとの結合割合が高くなることが分かった。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、上述した実施形態においては、検出部13が金属膜と金属膜の表面に固定化されたRNAアプタマー130からなるものについて説明したが、金属膜に代えて、導電性を有さない膜の表面にRNAアプタマー130を固定化してもよい。
また、上述した実施形態においては、検出素子3が弾性表面波素子からなるものについて説明したが、検出素子3はこれに限らず、例えば、表面プラズモン共鳴が起こるように光導波路などを形成した検出素子3を用いてもよい。この場合は、例えば、検出部における光の屈折率の変化などを計測する。その他、水晶などの圧電基板に振動子を形成した検出素子3を用いることもできる。この場合は、例えば、振動子の発振周波数の変化を計測する。
また、検出素子3として、1つの基板上に複数種類のデバイスを混在させても構わない。例えば、SAW素子の隣に酵素電極法の酵素電極を設けてもよい。この場合は、抗体やRNAアプタマーを用いた免疫法に加えて酵素法での測定も可能となり、1度に検査できる項目を増やすことができる。
また、上述した実施形態においては、検出素子3が1個設けられている例について説明したが、検出素子3を複数個設けてもよい。この場合、検出素子3ごとに素子収容凹部5を設けてもよいし、全ての検出素子3を収容できるような長さあるいは幅を有する素子収容凹部5を形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、第1カバー部材1、中間カバー部材1Aおよび第2カバー部材2がそれぞれ別部材である例を示したが、これに限らず、いずれかの部材同士が一体化されたものを用いてもよい。
本発明は、以下の実施形態が可能である。
(1)UAUUAGGACCAの順に結合した配列を備える、RNAアプタマー。
(ここで、塩基がアデニンであるヌクレオチドをA、塩基がグアニンであるヌクレオチドをG、塩基がシトシンであるヌクレオチドをC、および、塩基がウラシルであるヌクレオチドをU、と表記する。)
(2)前記配列の両端に位置している前記Uの塩基と前記Aの塩基とが第1塩基対を構成している第1領域を有する、RNAアプタマー。
(3)前記第1領域の前記Uは、前記第1領域の前記Aよりも、5´末端側に位置している、RNAアプタマー。
(4)前記第1領域は、前記第1塩基対を構成する前記Uおよび前記Aのうち少なくとも一方に結合する複数のヌクレオチドをさらに有する、RNAアプタマー。
(5)前記複数のヌクレオチドは、
前記第1塩基対を構成する前記Uに結合している少なくとも一つのヌクレオチドからなる第1配列と、
前記第1塩基対を構成する前記Aに結合している少なくとも一つのヌクレオチドからなる第2配列と、を有する、RNAアプタマー。
(6)前記第1領域は、前記第1配列と前記第2配列とが少なくとも一つの塩基対を構成している第1部位を有する、RNAアプタマー。
(7)前記第1領域は、前記第1配列と前記第2配列とが塩基対を構成していない第2部位をさらに有する、RNAアプタマー。
(8)前記第1塩基対を構成している前記Uから前記Aへと、AUUAGGACCの順に結合している第2領域とをさらに有する、RNAアプタマー。
(9)前記配列において前記Cおよび前記Uのうち少なくとも一方は、ヌクレオチドの2´位にフッ素基を有する、RNAアプタマー。
(10)末端に位置しているビオチンをさらに備える、RNAアプタマー。
(11)前記ビオチンに結合しているストレプトアビジンをさらに備える、RNAアプタマー。
(12)末端に位置しているチオール基をさらに備える、RNAアプタマー。
(13)前記チオール基に結合しているAuをさらに備える、RNAアプタマー。
(14)末端に位置しているアミノ基をさらに備える、RNAアプタマー。
(15)前記アミノ基とアミド結合を形成している第1物質をさらに備える、RNAアプタマー。
(16)前記第1物質は、ポリエチレングリコールを有する、RNAアプタマー。
(17)基体と、
前記基体に固定化されている、RNAアプタマーと、を備える、センサ。
(18)前記RNAアプタマーおよび前記基体の間に位置し、前記RNAアプタマーおよび前記基体の少なくとも一方と結合している、固定化部材、をさらに備えるセンサ。
1・・・第1カバー部材
1A・・・中間カバー部材
1Aa・・・第1上流部
θ1a・・・接触角
1Ab・・・第1下流部
θ1b・・・接触角
2・・・第2カバー部材
2a・・・第3基板
2b・・・第4基板
2ba・・・第2上流部
θ2a・・・接触角
2bb・・・第2下流部
θ2b・・・接触角
3・・・検出素子
3a・・・上流領域
θ3a・・・接触角
3b・・・検出領域(検出部)
θ3b・・・接触角
3c・・・下流領域
θ3c・・・接触角
4・・・凹部形成部位
5・・・素子収容凹部
6・・・端子
7・・・配線
9・・・充填部材
10・・・基体
11・・・第1IDT電極
12・・・第2IDT電極
13(3b)・・・検出部
13a・・・固定化膜(固定化部材)
13b・・・保護膜
13c・・・鎖状物質
130・・・RNAアプタマー(結合部)
S・・・配列
130a・・・第1領域
130a1・・・第1塩基対
130a11・・・第1端部
130a12・・・第2端部
130aa・・・第1配列
130ab・・・第2配列
130ax・・・第1部位
130ay・・・第2部位
130b・・・第2領域
130c・・・末端領域
130c1・・・・3´末端
130c2・・・・5´末端
131a・・・ビオチン
131b・・・チオール基
131c・・・アミノ基
132・・・第1物質
133・・・二本鎖
134・・・ストレプトアビジン
135・・・検出対象(ヘモグロビン)
14・・・流入部
15・・・流路
15a・・・上流部
15b・・・下流部(延長部)
18・・・排気孔
19・・・第1引出し電極
19e・・・端部
20・・・第2引出し電極
20e・・・端部
27・・・導線(金属細線)
28・・・絶縁性部材
30・・・吸液材
100、101・・・センサ

Claims (22)

  1. UAUUAGGACCAの順に結合した配列(配列番号1)を備え、かつ、Hbに対する結合能を有する、RNAアプタマー。
    (ここで、塩基がアデニンであるヌクレオチドをA、塩基がグアニンであるヌクレオチドをG、塩基がシトシンであるヌクレオチドをC、および、塩基がウラシルであるヌクレオチドをU、と表記する。)
  2. 前記配列(配列番号1)の第1端部に位置している前記Uは、前記配列(配列番号1)の第2端部に位置している前記Aよりも、5´末端側に位置している、請求項1に記載のRNAアプタマー。
  3. 前記配列(配列番号1)の両端に位置している、前記Uと前記Aとを含む第1領域を有する、請求項1または2に記載のRNAアプタマー。
  4. 前記配列(配列番号1)の両端に位置している前記Uの塩基と前記Aの塩基とが第1塩基対を構成しており、前記配列(配列番号1)において両端以外の塩基が塩基対を構成していない、請求項1〜3のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  5. 前記配列(配列番号1)のうちAUUAGGACCの順に結合している配列がループ形状を示す、請求項1に記載のRNAアプタマー。
  6. 前記配列(配列番号1)の両端に位置している前記Uおよび前記Aのうち少なくとも一方に結合する複数のヌクレオチドをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  7. 前記複数のヌクレオチドは、
    前記配列(配列番号1)の第1端部に位置している前記Uに結合している少なくとも1つのヌクレオチドからなる第1配列と、
    前記配列(配列番号1)の第2端部に位置している前記Aに結合している少なくとも1つのヌクレオチドからなる第2配列と、を有する、請求項6に記載のRNAアプタマー。
  8. 前記第1配列と前記第2配列とが少なくとも1つの塩基対を構成している第1部位を有する、請求項7に記載のRNAアプタマー。
  9. 前記第1配列と前記第2配列とが塩基対を構成していない第2部位をさらに有する、請求項7または8に記載のRNAアプタマー。
  10. 総塩基数が、36〜96である、請求項1〜9のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  11. 前記第1配列の3´末端の9塩基、および前記第2配列の5´末端の9塩基のそれぞれは、ACAUCUACGおよびCGCGGAGUG、UCUACGUAUおよびAUGCGUAGC、ACAUCUACGおよびUGUAGGUGG、AGAGUUGUCおよびGACAUUUUU、ACAUCUACGおよびUGUAGACGG、UUACGGCAUおよびAUGCUGAGU、またはACAUCUACGおよびCGCUAGAUGである、請求項7〜9のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  12. 配列番号5〜12、14〜17、19〜23、25〜31、33〜37、40〜42、および44〜60のいずれかで示される塩基配列からなる、請求項1〜11のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  13. 前記配列(配列番号1)において前記Cおよび前記Uのうち少なくとも一方は、ヌクレオチドの2´位にフッ素基を有する、請求項1〜12のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  14. 末端に位置しているビオチンをさらに備える、請求項1〜13のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  15. 前記ビオチンに結合しているストレプトアビジンをさらに備える、請求項14に記載のRNAアプタマー。
  16. 末端に位置しているチオール基をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  17. 前記チオール基に結合しているAuをさらに備える、請求項16に記載のRNAアプタマー。
  18. 末端に位置しているアミノ基をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1つに記載のRNAアプタマー。
  19. 前記アミノ基とアミド結合を形成している第1物質をさらに備える、請求項18に記載のRNAアプタマー。
  20. 前記第1物質は、ポリエチレングリコールを有する、請求項19に記載のRNAアプタマー。
  21. 基体と、
    前記基体に固定化されている、請求項1〜20のいずれか1つに記載のRNAアプタマーと、を備える、センサ。
  22. 前記RNAアプタマーおよび前記基体の間に位置し、前記RNAアプタマーおよび前記基体の少なくとも一方と結合している、固定化部材、をさらに備える請求項21に記載のセンサ。
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