JP2017010877A - 電子顕微鏡および試料ステージのキャリブレーション方法 - Google Patents

電子顕微鏡および試料ステージのキャリブレーション方法 Download PDF

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有子 清水
直樹 細木
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Abstract

【課題】撮影画像の歪みの影響が低減された試料ステージのキャリブレーションデータを生成することができる電子顕微鏡を提供する。【解決手段】電子顕微鏡100は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、画像上の画像座標と試料ステージ14上のステージ座標との間の座標変換を行うための第1座標変換行列を用いて、2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上での移動量を算出するステージ移動量算出部34と、ステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上での移動量だけ目標物を移動させる前後の画像に基づいて、画像座標とステージ座標との間の座標変換を行うための第2座標変換行列を求めるキャリブレーション部36と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、電子顕微鏡および試料ステージのキャリブレーション方法に関する。
透過電子顕微鏡(TEM)や走査電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡は、様々な分野で試料の微細な構造を観察するために用いられている。このような電子顕微鏡では、試料は試料ステージに保持されている。試料ステージは、試料を高精度に移動させることができる(例えば特許文献1参照)。
このような電子顕微鏡の機能(ソフトウェア)の1つとして、低倍率の撮影画像上で自動あるいは手動で指定された位置へ試料ステージや偏向器で自動移動して高倍率の撮影を行うことができる機能が知られている。この機能を用いるためには、撮影画像上での画像座標と試料ステージ上でのステージ座標とを対応させるための試料ステージのキャリブレーションデータ(座標変換行列)を作っておく必要がある。通常、キャリブレーションデータは、計算量等の関係から、1つだけ作成される。
特開2004−87141号公報
試料ステージのキャリブレーションデータの作成方法は、例えば、以下の通りである。まず、試料中の目標物を試料ステージのX軸方向に所定の移動量だけ移動させる前後の画像を取得し、これらの画像から目標物の画像上での移動量を求める。次に、目標物を試料ステージのY軸方向に所定の移動量だけ移動させる前後の画像を取得し、これらの画像から目標物の画像上での移動量を求める。そして、X軸方向に移動させる前後の画像から求められた画像上での移動量とこのときの試料ステージ上での移動量(所定の移動量)、およびY軸方向に移動させる前後の画像から求められた画像上での移動量とこのときの試料ステージ上での移動量(所定の移動量)から座標変換行列を求める。
しかしながら、低倍率のTEMの撮影画像には、S字歪みがある場合が多い。図16は、撮影画像上に生じるS字歪みを模式的に示す図である。図16に示すように、S字歪みは、撮影画像をS字状に歪ませる歪みであり、撮影画像の中心に関して点対称な歪みである。
このように撮影画像にS字歪みがある場合、上記の手法によりキャリブレーションデータを作成すると、S字歪みの影響によりキャリブレーションデータの精度が悪くなる場合があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、撮影画像の歪みの影響が低減された試料ステージのキャリブレーションデータを生成することができる電子顕微鏡を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、撮影画像の歪みの影響が低減された試料ステージのキャリブレーションデータを生成することができる試料ステージのキャリブレーション方法を提供することにある。
(1)本発明に係る電子顕微鏡は、
試料ステージに保持された試料に電子線を照射して、画像を得る電子顕微鏡であって、
画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、画像上の画像座標と前記試料ステージ上のステージ座標との間の座標変換を行うための第1座標変換行列を用いて、前記2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるための前記ステージ座標上での移動量を算出するステージ移動量算出部と、
前記ステージ移動量算出部で算出された前記ステージ座標上での移動量だけ前記目標物を移動させる前後の画像に基づいて、前記画像座標と前記ステージ座標との間の座標変換を行うための第2座標変換行列を求めるキャリブレーション部と、
を含む。
このような電子顕微鏡では、後述するように、撮影画像の歪みの影響が低減された試料ステージのキャリブレーションデータを生成することができる。
(2)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記キャリブレーション部は、前記目標物を移動させる前後の画像から前記目標物の前記画像座標上での移動量を算出し、前記画像座標上での移動量および前記ステージ座標上での移動量に基づき前記第2座標変換行列を求めてもよい。
(3)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記試料ステージは、
前記試料を第1方向に移動させる第1移動機構部と、
前記試料を前記第1方向と交差する第2方向に移動させる第2移動機構部と、
を有し、
前記ステージ移動量算出部は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第1方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量を算出し、かつ、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第2方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量を算出し、
前記キャリブレーション部は、前記目標物を前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量だけ移動させる前後の画像、および前記目標物を前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第2座標変換行列を求めてもよい。
(4)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第1座標変換行列を求める第1座標変換行列算出部を含んでいてもよい。
(5)本発明に係る試料ステージのキャリブレーション方法は、
試料ステージに保持された試料に電子線を照射して、画像を得る電子顕微鏡における試料ステージのキャリブレーション方法であって、
画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、画像上の画像座標と前記試料ステージ上のステージ座標との間の座標変換を行うための第1座標変換行列を用いて、前記2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるための前記ステージ座標上での移動量を算出するステージ移動量算出工程と、
前記ステージ移動量算出工程で算出された前記ステージ座標上での移動量だけ前記目標物を移動させる前後の画像に基づいて、前記画像座標と前記ステージ座標との間の座標変換を行うための第2座標変換行列を求めるキャリブレーション工程と、
を含む。
このような試料ステージのキャリブレーション方法では、後述するように、撮影画像の歪みの影響が低減された試料ステージのキャリブレーションデータを生成することができる。
(6)本発明に係る試料ステージのキャリブレーション方法において、
前記キャリブレーション工程では、前記目標物を移動させる前後の画像から前記目標物の前記画像座標上での移動量を算出し、前記画像座標上での移動量および前記ステージ座標上での移動量に基づき前記第2座標変換行列を求めてもよい。
(7)本発明に係る試料ステージのキャリブレーション方法において、
前記試料ステージは、
前記試料を第1方向に移動させる第1移動機構部と、
前記試料を前記第1方向と交差する第2方向に移動させる第2移動機構部と、
を有し、
前記ステージ移動量算出工程では、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第1方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量を算出し、かつ、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第2方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量を算出し、
前記キャリブレーション工程では、前記目標物を前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量だけ移動させる前後の画像、および前記目標物を前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第2座標変換行列を求めてもよい。
(8)本発明に係る試料ステージのキャリブレーション方法において、
前記目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第1座標変換行列を求める第1座標変換行列算出工程を含んでいてもよい。
本実施形態に係る電子顕微鏡を模式的に示す図。 目標物のステージ座標上でのX軸方向の移動量を算出する処理を説明するための図。 目標物をX軸方向に移動させた後の画像を模式的に示す図。 目標物のステージ座標上でのY軸方向の移動量を算出する処理を説明するための図。 目標物をY軸方向に移動させた後の画像を模式的に示す図。 第1キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャート。 目標物をX軸方向に移動させる前の画像の一例を示すTEM像。 目標物をX軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像。 目標物をY軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像。 第2キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャート。 目標物をX軸方向に移動させる前の画像の一例を示すTEM像。 目標物をX軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像。 目標物をY軸方向に移動させる前の画像の一例を示すTEM像。 目標物をY軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像。 撮影画像のS字歪みを模式的に示す図。 撮影画像のS字歪みを模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 電子顕微鏡
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100を模式的に示す図である。なお、図1には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
電子顕微鏡100は、透過電子顕微鏡である。すなわち、電子顕微鏡100は、試料2を透過した電子で結像して、透過電子顕微鏡像(TEM像)を得る装置である。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子線源11と、集束レンズ12と、対物レンズ13と、試料ステージ14と、試料ホルダー15と、中間レンズ16と、投影レンズ17と、撮像部18と、処理部30と、操作部40と、表示部42と、記憶部44と、を含む。
電子線源11は、電子線EBを発生させる。電子線源11は、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する。図示の例では、電子線源11から放出された電子線EBは、Z軸に沿って進行する。電子線源11としては、例えば、電子銃を用いることができる。
集束レンズ(コンデンサーレンズ)12は、電子線源11の後段(電子線EBの下流側)に配置されている。集束レンズ12は、電子線源11で発生した電子線EBを集束して試料2に照射するためのレンズである。
対物レンズ13は、集束レンズ12の後段に配置されている。対物レンズ13は、試料2を透過した電子線EBで結像するための初段のレンズである。対物レンズ13は、図示はしないが、上部磁極(ポールピースの上極)、および下部磁極(ポールピースの下極)を有している。対物レンズ13では、上部磁極と下部磁極との間に磁場を発生させて電子線EBを集束させる。
試料ステージ14は、試料2を保持する。図示の例では、試料ステージ14は、試料ホルダー15を介して、試料2を保持している。試料ステージ14は、例えば、対物レンズ13の上部磁極と下部磁極との間に試料2を位置させる。試料ステージ14は、試料ホルダー15を移動および静止させることにより、試料2の位置決めを行うことができる。
試料ステージ14は、試料2をX軸方向(第1方向)に移動させる第1移動機構部14aと、試料2をY軸方向(第2方向)に移動させる第2移動機構部14bと、を有している。第1移動機構部14aおよび前記第2移動機構部14bによって、試料2を、Z軸に直交するXY平面内において2次元的に移動させることができる。
なお、試料ステージ14は、さらに、試料2を鉛直方向(Z軸方向)に移動させる第3移動機構部や、試料2を傾斜させる第4移動機構部を含んで構成されていてもよい。
中間レンズ16は、対物レンズ13の後段に配置されている。投影レンズ17は、中間レンズ16の後段に配置されている。中間レンズ16および投影レンズ17は、対物レンズ13によって結像された像をさらに拡大し、撮像部18に結像させる。電子顕微鏡100では、対物レンズ13、中間レンズ16、および投影レンズ17によって、結像系が構成されている。
撮像部18は、結像系によって結像された透過電子顕微鏡像(TEM像)を撮影する。撮像部18は、例えば、CCDカメラや、CMOSカメラ等のデジタルカメラである。撮像部18は、TEM像をデジタル画像として取得することができる。撮像部18で撮影されたTEM像の像情報(画像データ)は、処理部30に出力される。
電子顕微鏡本体10は、図示の例では、除振器20を介して架台22上に設置されている。
操作部40は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部30に送る処理を行う。操作部40の機能は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどにより実現できる。
表示部42は、処理部30によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部42には、例えば、撮像部18で撮影されたTEM像が表示される。
記憶部44は、処理部30が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部44は、処理部30の作業領域として用いられ、処理部30が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部44の機能は、ハードディスク、RAMなどにより実現できる。
処理部30は、撮像部18で撮影された画像(撮影画像)を取得して表示部42に表示させる処理や、試料ステージ14のキャリブレーションを行う処理、試料ステージ14や、レンズ12,13,16,17、撮像部18を制御して、TEM像の撮影を行う処理等の処理を行う。処理部30の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部30は、第1キャリブレーション部(第1座標変換行列算出部)32と、ステージ移動量算出部34と、第2キャリブレーション部(キャリブレーション部)36と、を含む。
電子顕微鏡100では、第1キャリブレーション部32が第1座標変換行列を求め、ステージ移動量算出部34が画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、第1座標変換行列を用いて、2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上での移動量を算出し、第2キャリブレーション部36が、ステージ移動量算出部34が算出した移動量だけ目標物を移動させる前後の画像に基づいて第2座標変換行列(キャリブレーションデータ)を求める。
ここで、第1座標変換行列および第2座標変換行列は、撮影画像上の座標(「画像座標」ともいう)と、試料ステージ14上の座標(「ステージ座標」ともいう)との間の座標変換を行うための行列である。画像座標(x、y)は、例えば、画像を構成するピクセルの位置を特定する座標である。ステージ座標(X,Y)は、X軸およびY軸を座標軸とする座標系である。
画像座標(x、y)は、例えば、アフィン変換によりステージ座標(X,Y)に変換することができる。画像座標(x、y)をステージ座標(X,Y)にアフィン変換するための行列式、すなわち第1座標変換行列および第2座標変換行列は、例えば、下記式(1)で表される。
ただし、M,θは、座標変換パラメーターである。
式(1)で表される座標変換行列を用いることで、撮影画像上の指定された位置を、ステージ座標上の位置に変換することができる。電子顕微鏡100では、撮影画像上で位置が指定された場合、第2座標変換行列を用いてステージ座標上の位置に変換して、試料ステージ14を動作させる。これにより、画像上で指定された位置に試料(目標物)を移動させることができる。
また、目標物とは、画像上の特徴ある異物や構造物であり、後述する相互相関を行う際の目標となるものをいう。
以下、第1キャリブレーション部32、ステージ移動量算出部34、および第2キャリブレーション部36について詳細に説明する。
第1キャリブレーション部32は、第1座標変換行列を求める。第1キャリブレーション部32は、目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて第1座標変換行列を求める。第1座標変換行列は、目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づき求められたものであり、S字歪みの影響を考慮せずに求められた座標変換行列であるともいえる。第1キャリブレーション部32が第1座標変換行列を求める第1キャリブレーションの詳細については後述する。
ステージ移動量算出部34は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、第1キャリブレーション部32で求められた第1座標変換行列を用いて、2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上での移動量を算出する。ステージ移動量算出部34は、この処理をX軸方向およびY軸方向のそれぞれについて行う。
図2は、ステージ移動量算出部34が目標物Tのステージ座標上でのX軸方向の移動量を算出する処理を説明するための図である。なお、図2には、画像座標の座標軸となるx軸およびy軸を図示している。
ステージ移動量算出部34は、図2に示すように、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともにX軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置である位置P1および位置P2を求める。ここで、位置P1と位置P2とが画像上において画像の中心Oに関して対称な位置関係にあるとは、位置P1と位置P2とが画像の中心Oを通る仮想直線上にあるとともに、位置P1と中心Oとの間の距離が位置P2と中心Oとの間の距離と等しくなる位置にあることをいう。また、画像上においてX軸方向に対応する方向とは、目標物TをX軸方向に移動させたときに画像上で目標物Tが移動する方向であり、第1移動機構部14aを動作させたときに画像上で目標物Tが移動する方向ともいえる。位置P1と位置P2との間の距離は、位置P1と位置P2とが同じ視野内に含まれる範囲において大きいことが好ましく、例えば、X軸方向に対応する方向における画像の大きさの半分以上であることが好ましい。試料ステージ14は、移動距離が大きいほど、動作の精度が高くなるためである。
ステージ移動量算出部34は、上記のように画像座標上の位置P1および位置P2を求め、第1座標変換行列を用いて、目標物Tを位置P1から位置P2に移動させるためのステージ座標上でのX軸方向の移動量を算出する。なお、ステージ移動量算出部34は、第1座標変換行列を用いて、画像上で目標物Tを位置P1から位置P2に移動させるためのステージ座標上での移動ベクトルを算出してもよい。
このようにして、ステージ座標上での目標物のX軸方向の移動量が求められると、第2キャリブレーション部36が試料ステージ14を制御して、目標物Tを位置P1に対応するステージ座標上の位置(位置P1を第1座標変換行列で変換して得られたステージ座標上の位置)に移動させて撮影を行うことで画像I1を取得する。そして、第2キャリブレーション部36は、ステージ移動量算出部34が求めたステージ座標上でのX軸方向の移動量に基づき試料ステージ14を制御して、画像上において目標物Tが位置P1に位置している状態から目標物Tを当該移動量だけ移動させて撮影を行う。これにより、図3に示す目標物TをX軸方向に移動させた後の画像I2を取得することができる。
なお、画像I1および画像I2にS字歪みがある場合、第1座標変換行列はS字歪みの影響を考慮せずに作成されたものであるため、画像I1上の目標物Tの位置と画像I2上の目標物Tの位置とは、画像の中心Oに関して対称な位置関係にはなく、ずれが生じる場合がある。
図4は、ステージ移動量算出部34が目標物Tのステージ座標上でのY軸方向の移動量を算出する処理を説明するための図である。なお、図4には、画像座標の座標軸となるx軸およびy軸を図示している。
ステージ移動量算出部34は、図4に示すように、画像上において画像の中心Oに関して対称な位置関係にあるとともにY軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置である位置P3および位置P4を求める。ここで、画像上においてY軸方向に対応する方向とは、目標物TをY軸方向に移動させたときに画像上で目標物Tが移動する方向であり、第2移動機構部14bを動作させたときに目標物Tが移動する方向ともいえる。位置P3と位置P4との間の距離は、上述した位置P1,P2間の距離と同様に、大きいことが好ましく、例えば、Y軸方向に対応する方向における画像の大きさの半分以上であることが好ましい。
ステージ移動量算出部34は、上記のように画像座標上の位置P3および位置P4を求め、第1座標変換行列を用いて、目標物Tを位置P3から位置P4に移動させるためのステージ座標上でのY軸方向の移動量を算出する。なお、ステージ移動量算出部34は、第1座標変換行列を用いて、画像上で目標物Tを位置P3から位置P4に移動させるためのステージ座標上での移動ベクトルを算出してもよい。
このようにして、ステージ座標上での目標物のY軸方向の移動量が求められると、第2キャリブレーション部36が試料ステージ14を制御して、目標物Tを位置P3に対応するステージ座標上の位置(位置P3を第1座標変換行列で変換して得られたステージ座標上の位置)に移動させて撮影を行うことで画像I3を取得する。そして、第2キャリブレーション部36は、ステージ移動量算出部34が求めたステージ座標上でのY軸方向の移動量に基づき試料ステージ14を制御して、画像上において目標物Tが位置P3に位置している状態から、目標物Tを当該移動量だけ移動させて撮影を行う。これにより、図5に示す目標物TをY軸方向に移動させた後の画像I4を取得することができる。
第2キャリブレーション部36は、ステージ移動量算出部34で算出された移動量だけ目標物TをX軸方向に移動させる前後の画像I1,I2、およびステージ移動量算出部3
4で算出された移動量だけ目標物TをY軸方向に移動させる前後の画像I3,I4に基づいて、第2座標変換行列を求める。
第2キャリブレーション部36は、画像I1,I2から、画像座標上での目標物Tの移動量を算出する。画像座標上での移動量は、例えば、画像I1と画像I2との相互相関により画像のマッチングを行うことにより計算することができる。このとき、画像I1,I2において、目標物Tの周囲の領域を切り出して、相互相関を行ってもよい。これにより、画像のマッチングの精度を高めることができ、より精度よく画像座標上での移動量を算出することができる。また、第2キャリブレーション部36は、同様に、画像I3,I4から画像座標上での目標物Tの移動量を算出する。
第2キャリブレーション部36は、画像I1,I2から求められた画像座標上での移動量、ステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのX軸方向の移動量、画像I3,I4から求められた画像座標上での移動量、およびステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのY軸方向の移動量に基づいて、第2座標変換行列を求める。
2. 試料ステージのキャリブレーション方法
次に、本実施形態に係る電子顕微鏡100の試料ステージ14のキャリブレーション方法について、図面を参照しながら説明する。電子顕微鏡100では、第1キャリブレーションを行った後に第2キャリブレーションを行うことで、試料ステージ14のキャリブレーションを行う。
図6は、第1キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、第1キャリブレーション部32は、画像(目標物をX軸方向に移動させる前の画像)を取得する(ステップS100)。
第1キャリブレーション部32は、例えば、目標物が画像の中心に位置している画像を取得する。第1キャリブレーション部32は、表示部42に表示された画像上にマーカーを表示する等の処理を行い、目標物となる異物や構造物等が画像の中心にくるように、ユーザーの操作を促す処理を行う。ユーザーは、表示部42に表示されたマーカーの位置に目標物が位置するように、操作部40を介して試料ステージ14を操作して、試料2を画像の中心に移動させる。
なお、処理部30が撮影画像中から目標物を探して、目標物が画像の中心に位置するように、試料ステージ14を制御する処理を行うことで、目標物が画像の中心に位置する画像を取得してもよい。
図7は、第1キャリブレーション部32が取得した、目標物をX軸方向に移動させる前の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第1キャリブレーション部32は、目標物がステージ座標上においてX軸方向に任意の移動量だけ移動するように第1移動機構部14aを動作させる(ステップS102)。任意の移動量は、例えば、ユーザーによって入力された任意の値である。
次に、第1キャリブレーション部32は、目標物をX軸方向に移動させた後の画像を取得する(ステップS104)。
図8は、第1キャリブレーション部32が取得した、目標物をX軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第1キャリブレーション部32は、図7に示す目標物をX軸方向に移動させる前の画像、および図8に示す目標物をX軸方向に移動させた後の画像から、目標物の画像座標上での移動量を算出する(ステップS106)。第1キャリブレーション部32は、求められた画像座標上での移動量の情報、およびステージ座標上での移動量の情報(前記任意の移動量の情報)を記憶部44に記録する。
次に、第1キャリブレーション部32は、試料ステージ14を制御して、目標物が画像の中心に位置するように試料2を移動させて、再び目標物が画像の中心に位置している画像(図7参照)を取得する(ステップS108)。
次に、第1キャリブレーション部32は、目標物がステージ座標上においてY軸方向に任意の移動量だけ移動するように第2移動機構部14bを動作させる(ステップS110)。ここで、任意の移動量は、例えば、ユーザーによって入力された任意の値であり、ステップS104における移動量と同じ値であってもよい。
次に、第1キャリブレーション部32は、目標物をY軸方向に移動させた後の画像を取得する(ステップS112)。
図9は、第1キャリブレーション部32が取得した、目標物をY軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第1キャリブレーション部32は、図7に示す目標物をY軸方向に移動させる前の画像、および図9に示す目標物をY軸方向に移動させた後の画像から、目標物の画像座標上での移動量を算出する(ステップS114)。第1キャリブレーション部32は、求められた画像座標上での移動量の情報、およびステージ座標上での移動量の情報(前記任意の移動量の情報)を記憶部44に記録する。
次に、第1キャリブレーション部32は、目標物をX軸方向に移動させる前後の画像から求めた目標物の画像座標上での移動量およびそのときのステージ座標上での移動量(ステップS106で記憶部44に記録された情報)と、目標物をY軸方向に移動させる前後の画像から求めた目標物の画像座標上での移動量およびそのときのステージ座標上での移動量と(ステップS114で記憶部44に記録された情報)とを記憶部44から読み出して、これらの情報に基づき第1座標変換行列を求める(ステップS116)。
以上の処理により、第1座標変換行列を求めることができる。
なお、上記の第1キャリブレーションでは、目標物を移動させる前の画像を取得する際には目標物を画像の中心に位置させていたが(図7参照)、目標物を移動させる前の画像を取得する際の目標物の位置は特に限定されず、目標物を任意の位置に配置して画像を取得することができる。また、上記の第1キャリブレーションでは、X軸方向に移動させる前の画像およびY軸方向に移動させる前の画像は、ともに目標物が画像の中心に位置している画像であったが、X軸方向に移動させる前の画像とY軸方向に移動させる前の画像とでは、目標物の位置は異なっていてもよい。
図10は、第2キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステージ移動量算出部34は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともにX軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求め、第1キャリブレーションにより求められた第1座標変換行例を用いて、2つの位置のうちの一方の位置から
他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上でのX軸方向の移動量を算出する(ステップS200)。
次に、第2キャリブレーション部36は、目標物をX軸方向に移動させる前の画像を取得する(ステップS202)。
第2キャリブレーション部36は、試料ステージ14を制御して目標物Tを前記一方の位置に対応するステージ座標上の位置に移動させて、撮影を行う。なお、第2キャリブレーション部36は、表示部42にマーカー等を表示する処理を行って、ユーザーに目標物を前記一方の位置に移動させるように促してもよい。すなわち、目標物の前記一方の位置への移動は、ユーザーが試料ステージ14を操作することによって行われてもよい。
図11は、第2キャリブレーション部36が取得した、画像(目標物をX軸方向に移動させる前の画像)の一例を示すTEM像である。
次に、第2キャリブレーション部36は、ステップS200においてステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのX軸方向の移動量だけ目標物が移動するように第1移動機構部14aを動作させる(ステップS204)。
次に、第2キャリブレーション部36は、目標物をX軸方向に移動させた後の画像を取得する(ステップS206)。
図12は、第2キャリブレーション部36が取得した、目標物をX軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第2キャリブレーション部36は、図11に示す目標物をX軸方向に移動させる前の画像、および図12に示す目標物をX軸方向に移動させた後の画像から、目標物の画像座標上での移動量を算出する(ステップS208)。第2キャリブレーション部36は、求めた画像座標上での移動量の情報、およびステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのX軸方向の移動量の情報を記憶部44に記録する。
次に、ステージ移動量算出部34は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに、Y軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置を算出し、第1キャリブレーションにより求められた第1座標変換行例を用いて、2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上でのY軸方向の移動量を算出する(ステップS210)。
次に、第2キャリブレーション部36は、目標物をY軸方向に移動させる前の画像を取得する(ステップS212)。
図13は、第2キャリブレーション部36が取得した、目標物をY軸方向に移動させる前の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第2キャリブレーション部36は、ステップS210においてステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのY軸方向の移動量だけ目標物が移動するように第2移動機構部14bを動作させる(ステップS214)。
次に、第2キャリブレーション部36は、目標物をY軸方向に移動させた後の画像を取得する(ステップS216)。
図14は、第2キャリブレーション部36が取得した、目標物をY軸方向に移動させた後の画像の一例を示すTEM像である。
次に、第2キャリブレーション部36は、図13に示す目標物をY軸方向に移動させる前の画像、および図14に示す目標物をY軸方向に移動させた後の画像から、目標物の画像座標上での移動量を算出する(ステップS218)。第2キャリブレーション部36は、求めた画像座標上での移動量の情報、およびステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上でのY軸方向の移動量の情報を記憶部44に記録する。
次に、第2キャリブレーション部36は、目標物をX軸方向に移動させた前後の画像から求められた目標物の画像座標上での移動量およびステージ座標上でのX軸方向の移動量(ステップS208で記憶部44に記録された情報)と、目標物をY軸方向に移動させた前後の画像から求められた目標物の画像座標上での移動量およびステージ座標上でのY軸方向の移動量(ステップS218で記憶部44に記録された情報)とを記憶部44から読み出して、これらの情報に基づき第2座標変換行列を求める(ステップS220)。
以上の処理により、第2座標変換行列を求めることができる。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、ステージ移動量算出部34が画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を算出し、第1座標変換行列を用いて2つの位置の一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上での移動量を算出し、第2キャリブレーション部36がステージ移動量算出部34で算出されたステージ座標上での移動量だけ目標物を移動させる前後の画像に基づいて、第2座標変換行列を求める。そのため、第2キャリブレーション部36では、S字歪みの影響が低減された座標変換行列(試料ステージのキャリブレーションデータ)を生成することができる。
図15は、撮影画像のS字歪みを模式的に示す図である。図15に示すように、S字歪みは、撮影画像をS字状に歪ませる歪みであり、撮影画像の中心Oに関して点対称な歪みである。なお、S字歪みの中心は、撮影画像の中心Oと一致(または略一致)している。
ここで、例えば目標物を画像の中心Oに関して対称な位置関係にない2点を結ぶ経路B1や経路B2を移動させて移動前後の画像を取得して座標変換行列を求めた場合、特定の方向の歪みの影響を大きく受けてしまう。そのため、この座標変換行列を用いて画像座標上の位置をステージ座標上の位置に変換すると、画像座標上の位置によっては画像座標上の位置とステージ座標上の位置との間に大きなずれが生じてしまう。
これに対して、目標物を画像の中心Oに関して対称な位置関係にある2点を結ぶ経路Aを移動させて移動前後の画像を取得して座標変換行列を求めた場合、経路B1や経路B2を移動させて座標変換行列を求めた場合に比べて、歪みの影響が平均化される。そのため、この座標変換行列を用いて画像座標上の位置をステージ座標上の位置に変換しても、経路B1や経路B2の例と比べて、画像座標上の位置による画像座標上の位置とステージ座標上の位置との間のずれのばらつきが小さい。
したがって、電子顕微鏡100では、第2キャリブレーション部36では、S字歪みの影響が低減された座標変換行列を生成することができる。
電子顕微鏡100では、ステージ移動量算出部34は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともにX軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて
、2つの位置の一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上のX軸方向の移動量を求め、かつ、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともにY軸方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、2つの位置の一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上のY軸方向の移動量を算出する。そして、第2キャリブレーション部36は、目標物を前記ステージ座標上のX軸方向の移動量だけ移動させる前後の画像および目標物を前記ステージ座標上のY軸方向の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、第2座標変換行列を求める。そのため、電子顕微鏡100では、S字歪みの影響が低減された2次元座標系における座標変換行列を求めることができる。
本実施形態に係る試料ステージのキャリブレーション方法では、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、第1座標変換行列を用いて前記2つの位置の一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるためのステージ座標上での移動量を算出する工程と、算出されたステージ座標上での移動量だけ目標物を移動させた後の画像に基づいて、第2座標変換行列を求める工程とを含む。そのため、S字歪みの影響が低減された座標変換行列を生成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、電子顕微鏡が透過電子顕微鏡である例について説明したが、本発明に係る電子顕微鏡は、試料ステージに保持された試料に電子線を照射して、画像を得る電子顕微鏡であれば特に限定されず、走査透過電子顕微鏡(STEM)、走査電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡であってもよい。
また、上述した実施形態では、試料ステージ14が、試料をX軸方向に移動させる第1移動機構部14aと試料をX軸方向と直交するY軸方向に移動させる第2移動機構部14bとを有しており、移動機構部14a,14bにより試料2を2次元的に移動可能にしている例について説明したが、試料ステージ14は試料2を互いに交差する方向に移動させる2つの移動機構部によって試料を2次元的に移動可能にしてもよい。この場合も、上述した実施形態と同様のキャリブレーション方法によって撮影画像の歪みの影響が低減された座標変換行列を生成することができる。
また、上述した実施形態では、電子顕微鏡100が撮影画像に生じるS字歪みの影響を低減されたキャリブレーションデータを生成する例について説明したが、本発明に係る電子顕微鏡によれば、S字歪みに限定されず、撮影画像の中心に関して点対称な歪みに適用可能である。
また、上述した実施形態では、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求めた後に、これらの位置に対応するステージ座標上の位置に目標物を移動させて目標物を移動させる前後の画像を取得する例について説明した。これに対して、例えば、目標物が予め撮影画像内に含まれている場合には、この目標物を含む画像(目標物を移動させる前の画像)を取得した後に、この画像の目標物の画像座標上の位置と画像の中心に関して対称な位置関係にある位置を求めて、目標物を移動させた後の画像を取得することにより、目標物を移動させる前後の画像を取得してもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成すること
ができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…試料、10…電子顕微鏡本体、11…電子線源、12…集束レンズ、13…対物レンズ、14…試料ステージ、14a…第1移動機構部、14b…第2移動機構部、15…試料ホルダー、16…中間レンズ、17…投影レンズ、18…撮像部、20…除振器、22…架台、30…処理部、32…第1キャリブレーション部、34…ステージ移動量算出部、36…第2キャリブレーション部、40…操作部、42…表示部、44…記憶部、100…電子顕微鏡

Claims (8)

  1. 試料ステージに保持された試料に電子線を照射して、画像を得る電子顕微鏡であって、
    画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、画像上の画像座標と前記試料ステージ上のステージ座標との間の座標変換を行うための第1座標変換行列を用いて、前記2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるための前記ステージ座標上での移動量を算出するステージ移動量算出部と、
    前記ステージ移動量算出部で算出された前記ステージ座標上での移動量だけ前記目標物を移動させる前後の画像に基づいて、前記画像座標と前記ステージ座標との間の座標変換を行うための第2座標変換行列を求めるキャリブレーション部と、
    を含む、電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記キャリブレーション部は、前記目標物を移動させる前後の画像から前記目標物の前記画像座標上での移動量を算出し、前記画像座標上での移動量および前記ステージ座標上での移動量に基づき前記第2座標変換行列を求める、電子顕微鏡。
  3. 請求項1または2において、
    前記試料ステージは、
    前記試料を第1方向に移動させる第1移動機構部と、
    前記試料を前記第1方向と交差する第2方向に移動させる第2移動機構部と、
    を有し、
    前記ステージ移動量算出部は、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第1方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量を算出し、かつ、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第2方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量を算出し、
    前記キャリブレーション部は、前記目標物を前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量だけ移動させる前後の画像、および前記目標物を前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第2座標変換行列を求める、電子顕微鏡。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第1座標変換行列を求める第1座標変換行列算出部を含む、電子顕微鏡。
  5. 試料ステージに保持された試料に電子線を照射して、画像を得る電子顕微鏡における試料ステージのキャリブレーション方法であって、
    画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にある2つの位置を求め、画像上の画像座標と前記試料ステージ上のステージ座標との間の座標変換を行うための第1座標変換行列を用いて、前記2つの位置のうちの一方の位置から他方の位置に目標物を移動させるための前記ステージ座標上での移動量を算出するステージ移動量算出工程と、
    前記ステージ移動量算出工程で算出された前記ステージ座標上での移動量だけ前記目標物を移動させる前後の画像に基づいて、前記画像座標と前記ステージ座標との間の座標変換を行うための第2座標変換行列を求めるキャリブレーション工程と、
    を含む、試料ステージのキャリブレーション方法。
  6. 請求項5において、
    前記キャリブレーション工程では、前記目標物を移動させる前後の画像から前記目標物の前記画像座標上での移動量を算出し、前記画像座標上での移動量および前記ステージ座
    標上での移動量に基づき前記第2座標変換行列を求める、試料ステージのキャリブレーション方法。
  7. 請求項5または6において、
    前記試料ステージは、
    前記試料を第1方向に移動させる第1移動機構部と、
    前記試料を前記第1方向と交差する第2方向に移動させる第2移動機構部と、
    を有し、
    前記ステージ移動量算出工程では、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第1方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量を算出し、かつ、画像上において画像の中心に関して対称な位置関係にあるとともに前記第2方向に対応する方向に並んだ2つの位置を求めて、前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量を算出し、
    前記キャリブレーション工程では、前記目標物を前記ステージ座標上での前記第1方向の移動量だけ移動させる前後の画像、および前記目標物を前記ステージ座標上での前記第2方向の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第2座標変換行列を求める、試料ステージのキャリブレーション方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、
    前記目標物を任意の移動量だけ移動させる前後の画像に基づいて、前記第1座標変換行列を求める第1座標変換行列算出工程を含む、試料ステージのキャリブレーション方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112945996A (zh) * 2021-01-26 2021-06-11 西安科技大学 一种基于扫描电镜下的快速原位对比方法
CN114200661A (zh) * 2021-12-17 2022-03-18 重庆切克威科技有限公司 显微镜载物台坐标系与图像采集坐标系转换参数确定方法

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