JP2017009945A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で定着ベルトが破損したことを迅速かつ確実に検出し、ベルト破損の進行を防ぐことのできる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着ベルトなどの定着部材や、加圧回転体などに対して、長手方向の複数位置に温度検知素子を設け、定着装置が離間状態から加圧状態に移行したときの各温度検知素子の温度変化を検知することにより、定着ベルトの破損を検知する。それにより、簡易な構成で定着ベルトの破損を迅速かつ確実に検出し、破損の進行を最小限に抑えて、定着ベルト破損による装置の故障を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を採用した複写機等の画像形成装置に係り、特に、記録材上の画像を加熱、加圧する定着装置に関する。
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置では装置の小型化・低コスト・省エネルギー化が市場から求められており、特にオフィス機において顕著である。その需要に応えるため、現在熱容量が小さな定着装置が提案され、実用化されている。定着装置の低熱容量化の具体的な施策として、ベルト状のエンドレスベルト(以下定着ベルトと称す)を定着部材として用いる、ベルト定着方式があり、以下の構成が提案されている。
特許文献1には、発熱体としてのセラミックヒータ(以下ヒータと称す)を定着部材と加圧部材とで形成するニップ部に配置し、定着ベルトを介してヒータの熱を与えながら定着領域の加圧力で未定着トナー画像を記録材面に定着させるベルト定着方式が記載されている。
また、ベルト定着方式の定着装置には、例えば加熱部材として定着ベルトの外周面に対向して配置された誘導加熱部を用いて、定着ベルトの発熱層の周りに磁束を形成し、発熱層が電磁誘導加熱されることで定着ベルトを間接的に加熱する構成も実用化されている。
このようにベルト加熱定着方式は、ヒータ及び定着部材の熱容量が小さいため画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
しかしながら、低熱容量化のために薄肉化した定着ベルトは、外部からの強い力による変形や傷が起因となり、破損してしまうことがある。定着ベルトが破損すると、画像不良になるだけでなく、定着装置の他の部品に接触し、これらも破損させてしまう恐れがある。従って、定着ベルトが破損した場合、その事実を直ちに把握して、定着ベルトを交換するなどの処置を施す必要があり、そのための様々な技術が提案されている。
従来のベルト破損検知技術としては、特許文献2にあるように、電磁誘導加熱を用いた定着装置において、定着フィルム導電層の抵抗値を検出する方式や、特許文献3にあるように、定着ベルトにベルトマークを設け、その対向側に配置した光学センサでベルトマークの通過時間を検出する方式などが提案されている。
特開2006−293225号公報 特開2011−197060号公報 特開2002−287542号公報
しかし、定着ベルト導電層の抵抗値を検出する場合は、装置構成が限定され、装置自体も複雑化してしまう課題がある。また、ベルトマークを光学センサで検出する場合は、定着ベルト表面に傷や異物が付着すると、反射光量が不安定になり誤検知が生じやすいという課題がある。
さらに、従来技術においては、定着装置を駆動させて定着ベルトを回転させないと、ベルト破損を検知できない構成になっており、定着装置の駆動によりベルト破損を進行させてしまうという課題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で定着ベルトが破損したことを迅速かつ確実に検出し、ベルト破損の進行を防ぐことのできる定着装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、
(1)通電により発熱する加熱体100と、低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に圧接して回転する回転部材22とを有し、ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置40において、前記定着装置40は、ニップ部Nを加圧する加圧状態と、ニップ部Nを離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材20もしくは前記加熱体100の温度を検出する温度検知素子23を長手方向において複数箇所に配置し、前記定着装置40が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子23の検知結果に応じて、定着部材20の破損を検出することを特徴とする。
(2)(1)に記載の定着装置20において、前記回転部材22は、前記回転部材の温度を検出する温度検知素子23を有することを特徴とする。
本発明の定着装置によれば、定着ベルトなどの定着部材や、加圧回転体などに対して、長手方向の複数位置に温度検知素子を設けている。また、定着装置の加圧構成には加圧状態と離間状態を設けており、離間状態から加圧状態に移行したときの各温度検知素子の温度変化を検知することにより、定着ベルトの破損を検知する。それにより、簡易な構成で定着ベルトの破損を迅速かつ確実に検出し、破損の進行を最小限に抑えて、定着ベルト破損による装置の故障を防止することができる。
そして、破損が検出された際は、印刷動作を停止させたり、定着ベルトを交換したりするなどの迅速な対処が可能となる。
本発明の定着装置を用いた画像形成装置を説明する図 本発明の定着装置の短手方向断面模式図 本発明の定着装置の構成を説明する図 実施例1における長手方向の断面模式図 実施例1における温度検知素子23位置での熱伝達概念図 実施例1における温度検知素子23位置での熱伝達概念図 実施例1における温度検知素子23位置での熱伝達概念図 実施例1における離間状態から加圧状態に移行したときの温度検知素子の温度プロファイル (a)ヒータ温度>加圧ローラ温度の場合 (b)ヒータ温度<加圧ローラ温度の場合 実施例1における温度変化量算出方法の概念図 実施例1における定着ベルト破損を検出するフローチャート 実施例2における長手方向の断面模式図 実施例2における温度変化量算出方法の概念図 実施例2における定着ベルト破損を検出するフローチャート
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例では、通電により発熱する加熱体と、低熱容量で回転自在の定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する回転部材とを有し、ニップ部によって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記定着装置は、ニップ部を加圧する加圧状態と、ニップ部を離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材もしくは前記加熱体の温度を検出する温度検知素子を長手方向において複数箇所に配置し、前記定着装置が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子の検知結果に応じて、定着部材の破損を検出する方法について説明する。
●画像形成装置
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
シートは、トナー像が形成されるものである。シートの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード170によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シートPは、給紙カセット200、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対230に送り込まれる。レジストローラ対230は、シートPを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対230は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、シートを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によってシートPに転写される。その後、シートのトナー像は、シートが定着器40によって、加熱加圧されることでシートに定着される。
シートの片面だけにトナー像を形成する場合、切り換えフラッパ61の切り換えによりシートを排紙ローラ63を介してシートを画像形成装置1の側面に配置されている排紙トレイ64に排出するか、画像形成装置1の上面に配置されている排紙トレイ65に排出される。切り換えフラッパ61が破線の位置にある場合には、シートPはフェイスアップ(トナー像が上側)で排紙トレイ64上に排出され、切り換えフラッパ61が実線の位置にある場合には、シートPは、フェイスダウン(トナー像が下側)で排紙トレイ65に排出される。
シートの両面にトナー像を形成する場合、定着器40によってトナー像を定着されたシートPは、実線の位置にいるフラッパ61によって上方へ案内されて、後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路73によってスイッチバック搬送されて表裏反転される。その後、シートPは、両面搬送路70を搬送されて、片面画像形成と同様の過程をへて他方の面にトナー像を形成されて、排紙トレイ64または排紙トレイ65上に排出される。フラッパ61、スイッチバック搬送路73等で構成される部分は、反転手段の一例である。
●定着装置
次に、本発明の特徴部分である定着部40について説明する。図2は定着装置40の短手方向断面模式図、図4は定着装置40の概略構成図である。
20は発熱体を備えた円筒状の定着ベルト(エンドレスベルト)である。22は定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧ローラである。
400は定着ベルト20の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材としての左右の定着フランジである。17は定着ベルト20内部に配置された支持ステーであり、定着ベルト20を加圧ローラ22方向へ加圧付勢するバックアップ部材16を支持する。
定着ベルト20はバックアップ部材16の外側にルーズに被せられ、支持ステー17の左右の外方延長腕部17aにそれぞれ左右の定着フランジ400を嵌着する。そして、左右の定着フランジ400の加圧部400bと加圧アーム41との間に加圧バネ42を縮設する。これにより、左右の定着フランジ400、支持ステー17、バックアップ部材16を介して定着ベルト20が加圧ローラ22の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅の定着ニップNが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側が156.8N、総加圧力が313.6N(32kgf)である。また、加圧解除機構は不図示の加圧カムが加圧アーム41を押し上げることにより、定着フランジ400にかかる圧力を低減し、定着ニップNが形成されない離間状態への変化ができるように構成されている。
支持ステー17は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304を用いている。
100は加熱体としてのとしてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。このヒータ100は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。本実施例においては、厚み600μmのセラミック基板上に発熱抵抗層を形成させている。
16は上記のヒータ100を固定支持させたニップ形成部材である。このニップ形成部材16は横断面略半円弧状樋型で、図面に垂直方向を長手とする耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点から支持ステー17への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。本実施例では住友化学(株)製のスミカスーパーE5204Lを用いた。ヒータ100はこのニップ形成部材16の下面に長手に沿って形成具備させた溝部にヒータ表面側を下向きに露呈させて嵌め入れて耐熱性接着剤等により固定して配設してある。
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金上に、厚み約3mmのシリコーンゴム層、さらに厚み約50μmのPFA樹脂チューブが順に積層された多層構造とされている。この加圧ローラ22の芯金の両端部が装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。
23は温度検知手段としてのサーミスタである。ヒータサーミスタ23はセラミックヒータの反ニップ側に当接させており、長手方向の通紙基準中央(23−a)と、通紙基準から両側146mm(23−b、23−c)の位置に配置される。
サーミスタ23−aは図示しないA/Dコンバータを介して制御手段としての制御回路部(CPU)に接続される。この制御回路部はサーミスタからの出力を所定の周期でサンプリングしており、得られた温度情報を発熱体への通電制御に反映させる。つまり、制御回路部は、サーミスタ23の出力をもとに、発熱体への通電制御内容を決定し、電源部から発熱体へ供給する通電を制御する。
定着ベルト20は、熱伝導率が高く引張り強度が高い金属層に重ねて熱伝導率の高いゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して内径φ25mmの無端状に形成されている。金属層は、厚さ50μmのステンレス材料、弾性層は、熱伝導率が1.0W/m・Kのシリコーンゴム、離型層は、厚さ30μmのPFAチューブである。
加圧ローラ22は、鉄、アルミ等の円筒材料で形成された軸部材の外側に柔軟なゴム材料の弾性層を形成している。加圧ローラ22は、弾性層の表面をPFAチューブの離型層で覆って外径φ25mm形成されている。
軸部材は、外径φ10mm、肉厚3mmのアルミ管を用い、弾性層は、肉厚3mm、アスカー硬度64°のシリコーンゴム、PFAチューブの厚みは50μmである。加圧ローラ22は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト20は加圧ローラ22によって従動し所定の速度で回転する。
定着ベルト20の内面にはグリスが塗布され、バックアップ部材16と定着ベルト20内面との摩擦に起因して発生する、定着ベルト20内面の磨耗を低減する。加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト20が従動回転すると、ヒータ100の発熱層に通電が行われる。そして、定着ベルト20の温度が設定温度に立ち上がると、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入される。
定着ニップ部Nにおいて、記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト20の外面に密着し、記録材が定着ベルト20と共に移動する。定着ニップ部Nでの挟持搬送過程において、発熱層で発生した熱が記録材Pに付与され、未定着トナー像tが記録材P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
●温度検知素子とベルト破損による熱抵抗変化
図4に長手方向の断面模式図と温度検知素子23の配置関係を示す。ヒータ100の裏面に温度検知素子23が当接されており、長手位置については23−aが通紙基準中心に配置されていて、23−bと23−cは通紙基準中心から、それぞれ両側146mmの位置に配置されている。23−aは温度制御に用いられ、23−b、23−cは小サイズ紙のスループット制御に用いられる。
次に温度検知素子とベルト破損時の熱抵抗変化の関係について説明する。図5に温度検知素子23位置での熱伝達概念図を示す。図5(a)のh1は、定着ベルト20が破損していない通常時における、ヒータ100から定着ベルト20を介して加圧ローラ22に伝わる熱伝達量を表す。一方、図5(b)のh2は、定着ベルト20が破損して変形した場合における、ヒータ100から定着ベルト20を介して加圧ローラ22に伝わる熱伝達量を表す。定着ベルトの変形によりヒータ100と定着ベルト20の間、定着ベルトと加圧ローラの間の接触熱抵抗が増大するため、熱伝達h2はh1より小さくなる。これにより、ヒータ温度が加圧ローラ温度より高い条件においては、ヒータ100から加圧ローラ22への熱移動量が小さくなるため、(a)と(b)を比較すると(b)の方がヒータ温度の低下量が小さくなる。よって、この熱伝達h2の状態が温度検知素子23の位置と対応する場合は、温度検知素子23の検知温度低下量が小さくなる。
また、図5(c)のh3は、定着ベルトが破損して局所的にヒータ100と加圧ローラ22の間に存在しなくなった場合における、ヒータ100から定着ベルト20を介して加圧ローラ22に伝わる熱伝達量を表す。このとき、ヒータ100と加圧ローラ22の間には定着ベルト20の厚み分の隙間が生じるため、ヒータ100と加圧ローラ22の間の接触熱抵抗は非常に大きくなる。よって、(a)、(b)と比較してヒータ温度の低下量が非常に小さくなり、温度検知素子23の検知温度低下量が非常に小さくなる。
ここで、上記の条件とは反対であるヒータ温度が加圧ローラ温度より低い場合においては、熱抵抗が大きいとき(h2、h3)はヒータ温度上昇分が小さくなる。つまり、熱抵抗が大きいとき(定着ベルト20が破損しているとき)は、温度検知素子23の変化量が小さくなることがわかる。
●加圧動作時の温度変化によるベルト破損検知
次に本実施例における定着ベルト破損検知手段の一例を説明する。本実施例では、定着装置駆動時の定着ベルト回転による破損進行を防止するために、定着装置の離間状態から加圧状態への移行時に破損検知を実施する。その手段として、複数設けた温度検知素子23における加圧時の温度変化量を比較する方法をとる。
図6に定着装置が離間状態から加圧状態に移行したときの温度検知素子23の温度プロファイルを示す。
図6(a)は加圧動作時においてヒータ温度が加圧ローラ温度より高い場合の実験結果である。ここで、温度検知素子23−aと23−bは定着ベルト20に破損がない状態であり、23−cは実験上、故意に定着ベルトを破損させている。
図6(a)のプロファイルから、離間状態の温度推移は23−a、23−b、23−cともに同様の推移を示している。しかし、定着装置が加圧動作をして、ヒータ100ないし定着ベルト20が加圧ローラ22と接触したタイミングから、各温度検知素子の推移に違いが生じている。温度検知素子23−aと23−bは、加圧ローラ22と接触した瞬間に温度低下が始まり、加圧ローラ温度に向かって収束していく推移になっている。一方、温度検知素子23−cは、加圧ローラ22と接触したときの温度低下量が小さくなっている。これは上述したように、定着ベルト20が破損している23−cの位置において、ヒータ100と加圧ローラ22の間の熱抵抗が大きくなっており、ヒータ100から加圧ローラ22への熱移動量が小さくなっているためである。
図6(b)は加圧動作時においてヒータ温度が加圧ローラ温度より低い場合の実験結果である。ここで、温度検知素子23−aと23−bは定着ベルト20に破損がない状態であり、23−cは実験上、故意に定着ベルトを破損させている。図6(b)のプロファイルから、離間状態の温度推移は23−a、23−b、23−cともに同様の推移を示している。しかし、定着装置が加圧動作をして、ヒータ100ないし定着ベルト20が加圧ローラ22と接触したタイミングから、各温度検知素子の推移に違いが生じている。温度検知素子23−aと23−bは、加圧ローラ22と接触した瞬間に温度上昇が始まり、加圧ローラ温度に向かって周速していく推移になっている。
一方、温度検知素子23−cは、加圧ローラ22と接触したときの温度上昇量が小さくなっている。これは上述したように、定着ベルト20が破損している23−cの位置において、ヒータ100と加圧ローラ22の間の熱抵抗が大きくなっており、ヒータ100から加圧ローラ22への熱移動量が小さくなっているためである。
以上の結果から、定着装置の加圧動作時における各温度検知素子23の温度上昇/下降率を比較することにより、定着装置が駆動する前に定着ベルト20の破損を検知することが可能である。
図7に、定着装置の加圧動作時における各温度検知素子23の温度上昇/下降率を比較する方法の一例を示す。ここでは、定着装置の加圧動作タイミングtsを基準として、teまでの温度変化を検知する。ts時点での検知温度をTs、te時点での検知温度をTeとして温度変化量ΔT=|Ts−Te|を計算する。この温度変化量ΔTを各温度検知素子間で比較して、ΔTの差分δTが所定以上離れている場合は定着ベルト20が破損していると判断する。
●ベルト破損検知動作
図8は、実施例1における定着ベルト20の破損の有無を検知して動作停止を判断するフローチャートである。
Step1:定着装置の加圧状態を判定する。加圧状態の場合はSTOP。離間状態の場合はStep2へ。
Step2:定着装置の加圧動作を実施。
Step3:加圧時の各温度検知素子の検知温度を取得。ts→te:2秒の間の温度変化量ΔT=|Ts−Te|を算出。
Step4:各温度検知素子の温度変化量ΔTを比較。ΔTの差分δTが10℃未満の場合はStop。δTが10℃以上の場合はStep5へ。
Step5: 定着ベルトが破損していると判断。画像形成装置の動作を停止して、警告表示。
以上、通電により発熱する加熱体と、低熱容量で回転自在の定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する回転部材とを有し、ニップ部によって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記定着装置は、ニップ部を加圧する加圧状態と、ニップ部を離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材もしくは前記加熱体の温度を検出する温度検知素子を長手方向において複数箇所に配置し、前記定着装置が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子の検知結果に応じて、定着部材の破損を検出する方法について説明した。
以上の実施例によれば、離間状態から加圧状態に移行したときの各温度検知素子の温度変化を検知することにより、定着ベルトの破損を検知する。それにより、簡易な構成で定着ベルトの破損を迅速かつ確実に検出し、破損の進行を最小限に抑えて、定着ベルト破損による装置の故障を防止することができる。
そして、破損が検出された際は、印刷動作を停止させたり、定着ベルトを交換したりするなどの迅速な対処が可能となる。
また、本実施例で用いた数値は実験によって最適化されたものであり、定着装置の構成などによって一意的に決まるものではない。
[実施例2]
本実施例では通電により発熱する加熱体と、低熱容量で回転自在の定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する回転部材とを有し、ニップ部によって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記定着装置は、ニップ部を加圧する加圧状態と、ニップ部を離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材もしくは前記加熱体の温度を検出する温度検知素子を長手方向において複数箇所に配置し、前記回転部材22は、前記回転部材の温度を検出する温度検知素子23を有し、前記定着装置が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子の検知結果に応じて、定着部材の破損を検出する方法について説明する。
実施例2におけるカラー画像形成装置は、実施例1と同じく、電子写真方式のカラー画像形成装置である。本カラー画像形成装置は、画像形成部と画像処理部から構成される。本実施例で使用するカラー画像形成装置における、画像形成部の動作については、実施例1で説明した画像形成装置と同様であり説明は省略する
実施例2における定着装置は、実施例1の構成と同じであり、実施例2の形態で実施例1の形態と異なるのは、加圧ローラ22に温度検知素子23を設けたところである。
実施例1の定着装置の加圧動作時におけるヒータに配置した温度検知素子23の温度変化量を検出する方法では、各温度検知素子の温度変化量を相対比較しているため、予測部分が含まれてしまい、温度変化量の絶対値評価が困難である。よって、より検知精度を上げるためには加圧ローラ22の温度を検出することが望ましい。
図9に実施例2における長手方向の断面模式図を示す。加圧ローラ22に加圧ローラ22の表面温度を検知する温度検知素子23−dを配置している。これにより、図6で説明した、ヒータ100が加圧動作後に収束する温度である加圧ローラ温度を実際に検知することが可能になる。
図10に、実施例2における定着装置の加圧動作時における各温度検知素子23の温度上昇/下降率を比較する方法の一例を示す。ここでは、定着装置の加圧動作タイミングtsを基準として、teまでの時間を計測する。te時点でのヒータ検知温度をTh、te時点での加圧ローラ検知温度をTrとしてヒータ100と加圧ローラ22の差分温度ΔT´=|Th−Tr|を計算する。この差分温度ΔT´を各温度検知素子で算出して、ΔT´が所定以上離れている場合は定着ベルト20が破損していると判断する。
●ベルト破損検知動作
図11は、実施例2における定着ベルト20の破損の有無を検知して動作停止を判断するフローチャートである。
Step1:定着装置の加圧状態を判定する。加圧状態の場合はSTOP。離間状態の場合はStep2へ。
Step2:定着装置の加圧動作を実施。
Step3:加圧時の各温度検知素子の検知温度を取得。ts→te:2秒後のヒータ100と加圧ローラ22の差分温度ΔT´=|Th−Tr|を算出。
Step4:差分温度ΔT´が10℃未満の場合はStop。δTが10℃以上の場合はStep5へ。
Step5: 定着ベルトが破損していると判断。画像形成装置の動作を停止して、警告表示。
以上、通電により発熱する加熱体と、低熱容量で回転自在の定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する回転部材とを有し、ニップ部によって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置において、前記定着装置は、ニップ部を加圧する加圧状態と、ニップ部を離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材もしくは前記加熱体の温度を検出する温度検知素子を長手方向において複数箇所に配置し、前記回転部材22は、前記回転部材の温度を検出する温度検知素子23を有し、前記定着装置が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子の検知結果に応じて、定着部材の破損を検出する方法について説明した。
以上の実施例によれば、離間状態から加圧状態に移行したときの各温度検知素子の温度と、加圧ローラの温度を検知することにより、その差分温度から定着ベルトの破損を検知する。それにより、簡易な構成で定着ベルトの破損を迅速かつ確実に検出し、破損の進行を最小限に抑えて、定着ベルト破損による装置の故障を防止することができる。
そして、破損が検出された際は、印刷動作を停止させたり、定着ベルトを交換したりするなどの迅速な対処が可能となる。
また、本実施例で用いた数値は実験によって最適化されたものであり、定着装置の構成などによって一意的に決まるものではない。
11 感光ドラム、12 帯電器、13 レーザースキャナ、14 現像器、
16 バックアップ部材、17 支持ステー、18 ベルトサーミスタ、
20 定着ベルト、22 加圧ローラ、23 温度検知素子、40 定着フランジ、
100 セラミックヒータ

Claims (2)

  1. 通電により発熱する加熱体100と、低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に圧接して回転する回転部材22とを有し、ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置40において、
    前記定着装置40は、ニップ部Nを加圧する加圧状態と、ニップ部Nを離間する離間状態とを変更する加圧力変更手段を有し、前記定着部材20もしくは前記加熱体100の温度を検出する温度検知素子23を長手方向において複数箇所に配置し、
    前記定着装置40が、離間状態から加圧状態に変更したときの、前記温度検知素子23の検知結果に応じて、定着部材20の破損を検出することを特徴とする定着装置20。
  2. 前記回転部材22は、前記回転部材の温度を検出する温度検知素子23を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置20。
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