JP2017138422A - 定着装置 - Google Patents

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JP2017138422A JP2016018461A JP2016018461A JP2017138422A JP 2017138422 A JP2017138422 A JP 2017138422A JP 2016018461 A JP2016018461 A JP 2016018461A JP 2016018461 A JP2016018461 A JP 2016018461A JP 2017138422 A JP2017138422 A JP 2017138422A
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Mitsuru Hasegawa
充 長谷川
良 鈴木
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Abstract

【課題】グリス循環性を高める回転モードを持ち、部材温度変化を検知する事で、グリス塗布・循環状態を判定する。グリスが偏在している場合はその位置で一時停止して加熱・溶融を行う事で、グリス循環回転モードを短縮する。
【解決手段】回転自在の定着部材と、前記定着部材に圧接して回転する回転部材と、前記回転部材に対向する位置で前記定着部材に圧接し、ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記定着部材と前記ニップ形成部材の摺動部に潤滑剤とを有し、記録材を挟持搬送しながら、未定着画像を定着する交換可能な定着装置40において、前記定着装置は、前記定着部材、又は前記ニップ形成部材の温度を検出する温度検知素子を少なくとも1つ以上配置し、定着装置としての印刷動作とは別に実施する、前記回転モードにおいて、前記温度検知素子の温度検出結果に応じて、前記定着装置の一時停止タイミングを制御する事を特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を採用した複写機等の画像形成装置に係り、特に、記録材上の画像を加熱、加圧する定着装置に関する。
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置では装置の小型化・低コスト・省エネルギー化が市場から求められており、特にオフィス機において顕著である。その需要に応えるため、現在熱容量が小さな定着装置が提案され、実用化されている。定着装置の低熱容量化の具体的な施策として、ベルト状のエンドレスベルト(以下定着ベルトと称す)を定着部材として用いる、ベルト定着方式があり、以下の構成が提案されている。
特許文献1には、発熱体としてのセラミックヒータ(以下ヒータと称す)を定着部材と加圧部材とで形成するニップ部に配置し、定着ベルトを介してヒータの熱を与えながら定着領域の加圧力で未定着トナー画像を記録材面に定着させるベルト定着方式が記載されている。
また、ベルト定着方式の定着装置には、例えば加熱部材として定着ベルトの外周面に対向して配置された誘導加熱部を用いて、定着ベルトの発熱層の周りに磁束を形成し、発熱層が電磁誘導加熱されることで定着ベルトを間接的に加熱する構成も実用化されている。
このようにベルト加熱定着方式は、ヒータ及び定着部材の熱容量が小さいため画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
上述のようなベルト定着方式の定着装置では、ニップ部におけるベルトとニップ形成部材の摺動抵抗を低減する目的で、グリスなどの潤滑剤を塗布する構成が知られている。
しかし、ベルトとニップ形成部材の摺動性を良好な状態に安定して保つためには、グリスの塗布量や、塗布状態をある一定の基準に管理する必要がある。また、グリスを塗布した後は、ニップ形成部材やベルト内面全体にグリスを循環させて馴染ませる必要があるため、グリス塗布後に定着装置の加熱・回転によりグリス循環性を高める動作モードが必要である。
ここで、グリス循環性が低いと、ベルトとニップ形成部材間の摺動抵抗が高くなり、ベルトのスリップによる画像不良や、トルク増大による駆動源への負荷、ベルトやニップ形成部材の摩耗による寿命低下が懸念される。また、グリス循環性を高める動作モードは、ダウンタイム低減の観点からより短い時間で終了できることが望ましい。
以上のような課題は、定着装置が新品の状態や、部品交換を含むメンテナンス時にグリスを追加塗布したような場合に、グリス塗布状態が不均一となる可能性が高いため顕著になる。
そこで、定着装置が新品や部品交換後の再塗布時のようなグリス塗布状態が不均一な場合において、グリスの循環状態を向上させるためのグリス循環モードの技術が提案されている。
特許文献2には、グリスを馴染ませるための加熱回転動作を行い、所定時間後のトルク測定結果により加熱回転動作を終了するモードにおいて、加熱回転動作は正回転、逆回転の両方を行うことで、グリスの循環性を高める技術が提案されている。
特開2006−293225号公報 特開2011−191520号公報
しかし、ベルト交換性を容易にするために、ベルト内面にグリスを塗布する構成において、ベルト内面塗布工程の簡易化のためにベルト周方向一箇所のみにグリス塗布をした場合、十分なグリス循環性を得るには時間がかかってしまう。これは、ベルト内面のグリス塗布均一性が低いときも同様である。
また、逆回転を行うために通常使用時には必要としない駆動・制御構成が必要となってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ベルト周方向の一部にしかグリスを塗布しない簡易的なグリス塗布構成や、ある程度不均一な塗布状態において、ベルト内面のグリス塗布状態を検知することにより、グリスを馴染ませる加熱回転動作の短縮を目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明に係る定着装置40は、
低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有し、ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、
前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置し、
定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有することを特徴とする定着装置40。
(2)前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止することを特徴とする(1)に記載の定着装置40。
(3)前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開することを特徴とする(1)に記載の定着装置40。
(4)前記ニップ形成部材は抵抗発熱体であり、前記温度検知素子23は、前記ニップ形成部材の温度を検知することを特徴とする(1)に記載の定着装置40。
(5)前記温度検知素子23は前記定着部材20の温度を検知することを特徴とする(1)に記載の定着装置40。
本発明係る定着装置によれば、グリス循環性を高める回転モードを持ち、そのときの部材温度変化を検知することにより、グリス塗布・循環状態を判定する。その判定結果によりグリスが多量に存在する位置がニップ部Nに一致するタイミングで、定着装置の回転を一時停止してグリスの溶融とニップ形成部材への馴染みを促進させる。それにより、ベルト周方向の一部にしかグリスを塗布しない簡易的なグリス塗布構成や、ある程度不均一な塗布状態における、グリス循環モードの時間短縮が可能である。
本発明の定着装置を用いた画像形成装置を説明する図 本発明の定着装置の短手方向断面模式図 本発明の定着装置の構成を説明する図 実施例1における長手方向の断面模式図 実施例1における温度検知素子23位置での熱伝達概念図 実施例1における部品交換前の定着ベルト20と内面に塗布されたグリスの模式図 実施例1における加熱回転時の温度検知素子23の温度プロファイル 実施例1におけるグリス循環モード時の温度検知素子23の温度プロファイル 実施例1におけるグリス循環回転動作のブロック図 実施例1におけるグリス循環回転動作のフローチャート 実施例2における定着装置40の短手方向断面模式図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
本実施例では、低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有する。ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置する。
前記ニップ形成部材は抵抗発熱体であり、定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有する。前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止し、前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開する方法について説明する。
●画像形成装置
図1は本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
シートは、トナー像が形成されるものである。シートの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード170によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シートPは、給紙カセット200、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対230に送り込まれる。レジストローラ対230は、シートPを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対230は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、シートを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によってシートPに転写される。その後、シートのトナー像は、シートが定着器40によって、加熱加圧されることでシートに定着される。
シートの片面だけにトナー像を形成する場合、切り換えフラッパ61の切り換えによりシートを排紙ローラ63を介してシートを画像形成装置1の側面に配置されている排紙トレイ64に排出するか、画像形成装置1の上面に配置されている排紙トレイ65に排出される。切り換えフラッパ61が破線の位置にある場合には、シートPはフェイスアップ(トナー像が上側)で排紙トレイ64上に排出され、切り換えフラッパ61が実線の位置にある場合には、シートPは、フェイスダウン(トナー像が下側)で排紙トレイ65に排出される。
シートの両面にトナー像を形成する場合、定着器40によってトナー像を定着されたシートPは、実線の位置にいるフラッパ61によって上方へ案内されて、後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路73によってスイッチバック搬送されて表裏反転される。その後、シートPは、両面搬送路70を搬送されて、片面画像形成と同様の過程をへて他方の面にトナー像を形成されて、排紙トレイ64または排紙トレイ65上に排出される。フラッパ61、スイッチバック搬送路73等で構成される部分は、反転手段の一例である。
●定着装置
次に、本発明の特徴部分である定着部40について説明する。
図2は定着装置40の短手方向断面模式図、図3は定着装置40の概略構成図である。
20は発熱体を備えた円筒状の定着ベルト(エンドレスベルト)である。22は定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧ローラである。
400は定着ベルト20の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材としての左右の定着フランジである。17は定着ベルト20内部に配置された支持ステーであり、定着ベルト20を加圧ローラ22方向へ加圧付勢するバックアップ部材16を支持する。
定着ベルト20はバックアップ部材16の外側にルーズに被せられ、支持ステー17の左右の外方延長腕部17aにそれぞれ左右の定着フランジ400を嵌着する。そして、左右の定着フランジ400の加圧部400bと加圧アーム41との間に加圧バネ42を縮設する。これにより、左右の定着フランジ400、支持ステー17、バックアップ部材16を介して定着ベルト20が加圧ローラ22の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅の定着ニップNが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側が15kgf、総加圧力が30kgfである。
また、加圧解除機構は不図示の加圧カムが加圧アーム41を押し上げることにより、定着フランジ400にかかる圧力を低減し、定着ニップNが形成されない離間状態への変化ができるように構成されている。
支持ステー17は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304を用いている。100は加熱体としてのとしてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。このヒータ100は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。本実施例においては、厚み600μmのセラミック基板上に発熱抵抗層を形成させている。
16は上記のヒータ100を固定支持させたバックアップ部材である。このバックアップ部材16は横断面略半円弧状樋型で、図面に垂直方向を長手とする耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点から支持ステー17への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。本実施例では住友化学(株)製のスミカスーパーE5204Lを用いた。ヒータ100はこのバックアップ部材16の下面に長手に沿って形成具備させた溝部にヒータ表面側を下向きに露呈させて嵌め入れて耐熱性接着剤等により固定して配設してある。
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金上に、厚み約3mmのシリコーンゴム層、さらに厚み約50μmのPFA樹脂チューブが順に積層された多層構造とされている。この加圧ローラ22の芯金の両端部が装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。
23は温度検知手段としてのサーミスタである。ヒータサーミスタ23はセラミックヒータの反ニップ側に当接させており、長手方向の通紙基準中央(23−a)と、通紙基準から両側146mm(23−b、23−c)の位置に配置される。
サーミスタ23−aは図示しないA/Dコンバータを介して制御手段としての制御回路部(CPU)に接続される。この制御回路部はサーミスタからの出力を所定の周期でサンプリングしており、得られた温度情報を発熱体への通電制御に反映させる。つまり、制御回路部は、サーミスタ23の出力をもとに、発熱体への通電制御内容を決定し、電源部から発熱体へ供給する通電を制御する。
定着ベルト20は、熱伝導率が高く引張り強度が高い金属層に重ねて熱伝導率の高いゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して内径φ25mmの無端状に形成されている。金属層は、厚さ50μmのステンレス材料、弾性層は、熱伝導率が1.0W/m・Kのシリコーンゴム、離型層は、厚さ30μmのPFAチューブである。
加圧ローラ22は、鉄、アルミ等の円筒材料で形成された軸部材の外側に柔軟なゴム材料の弾性層を形成している。加圧ローラ22は、弾性層の表面をPFAチューブの離型層で覆って外径φ25mm形成されている。
軸部材は、外径φ10mm、肉厚3mmのアルミ管を用い、弾性層は、肉厚3mm、アスカー硬度64°のシリコーンゴム、PFAチューブの厚みは50μmである。
加圧ローラ22は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト20は加圧ローラ22によって従動し所定の速度で回転する。定着ベルト20の内面にはグリスが塗布され、バックアップ部材16と定着ベルト20内面との摩擦に起因して発生する、定着ベルト20内面の磨耗を低減する。
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト20が従動回転すると、ヒータ100の発熱層に通電が行われる。そして、定着ベルト20の温度が設定温度に立ち上がると、定着ニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入される。
定着ニップ部Nにおいて、記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト20の外面に密着し、記録材が定着ベルト20と共に移動する。定着ニップ部Nでの挟持搬送過程において、発熱層で発生した熱が記録材Pに付与され、未定着トナー像tが記録材P上に溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
●温度検知素子とグリスによる熱伝達変化
図4に長手方向の断面模式図と温度検知素子23の配置関係を示す。ヒータ100の裏面に温度検知素子23が当接されており、長手位置については23−aが通紙基準中心に配置されていて、23−bと23−cは通紙基準中心から、それぞれ両側146mmの位置に配置されている。23−aは温度制御に用いられ、23−b、23−cは小サイズ紙のスループット制御に用いられる。
次に温度検知素子23と定着ベルト20内面にあるグリス塗布状態による熱伝達変化の関係について説明する。図5に温度検知素子23位置での熱伝達概念図を示す。図5のh1は、定着ベルト20の内面にグリスが存在していない、もしくは非常に微量に存在する場合における、ヒータ100から定着ベルト20に伝わる熱伝達量を表す。
一方、図5のh2は、定着ベルト20の内面にグリスが多量に存在する場合における、ヒータ100から定着ベルト20に伝わる熱伝達量を表す。グリスが多量に存在する場所では、グリスが有する熱容量の影響で熱伝達量が多くなりヒータ100の温度は低下する(h2大)。またグリスによりヒータ100と定着ベルト20の間の接触熱抵抗が小さくなるため、ヒータ100の温度は低下しやすくなる(h2大)。
一方、グリスが存在しない場所では、グリスの熱容量は無視でき、ヒータ100と定着ベルト20の間の接触熱抵抗は相対的に大きいため、ヒータ100温度低下は小さい(h1小)。よって、グリスの局所的な量の違いにより温度検知素子23の検知温度は変化する。以上により、定着ベルト20の内面におけるグリスの塗布ムラを温度検知素子23で評価することができる。
●グリス循環回転モード
次に本実施例におけるグリス循環回転モードの一例を説明する。本実施例では、定着装置40が新品、もしくは部品交換でグリス再塗布を行ったことを検知して、定着装置40の加熱回転を実施する。
図6に、本実施例における部品交換前の定着ベルト20と内面に塗布されたグリスの模式図を示す。
定着ベルト20を交換する場合におけるグリス塗布作業を簡素化するために、定着ベルト20の内面に予めグリスを塗布している。ここで、定着ベルト20の内面全域に対して均一にグリスを塗布することが望ましいが、塗布工程の簡略化のために、本実施例では定着ベルト20の長手方向は全域に塗布するが、周方向は一箇所にのみ塗布している。
図7に、本実施例における加熱回転時の温度検知素子23の温度プロファイルを示す。
回転開始前にヒータ100が所定の温度Thになるように通電を開始して温度検知素子23で電力制御を行う。ここでThは100℃である。その後ヒータ100の温度が安定したら回転を始める。回転開始直後は、定着ベルト20の周期で温度リップルが大きく、時間経過とともにそのリップルは小さくなり減衰していく。これは、グリス塗布位置でヒータ100の温度が低下するためであり、加熱回転が進むにつれてグリスの循環が進行して温度リップルが小さくなり、グリス塗布状態が均一になっていく。
ここで、定着ベルト20が1周する間の温度プロファイルから、温度検知素子23の検知温度の最大値と最小値の差分ΔTrと、最小値を検知した位置を表す回転開始からの距離ΔLgを検知する。これは、グリスが局所的に多量に存在するか否かをΔTrで評価するためであり、ΔTrが予め決定されたΔTtに対して大きい場合はグリスがΔLgの位置で偏在していると判断できる。ここでΔTrは5℃としている。
ΔTr>ΔTtの条件を満足した場合は、定着ベルト20の2周目の回転時にΔLgがニップ部Nに一致するタイミングで定着装置40の回転を停止する。停止状態で所定の時間tsの間加熱をして、グリスの溶融とヒータ100への浸透を促進させる。ここで、停止加熱時間tsは3秒としている。その後、定着装置40の回転を再開させてグリス循環を促す。
以上の停止加熱動作を行うことにより、短時間かつ少ない回転数でグリスの循環状態を向上させることが可能となる。
また上記実施例では、定着ベルト20の1周目のみで温度プロファイル検知を行っているが、より検知精度を高めるために検知区間を2周以上に設定してもよい。また、回転を再開した後に、再度温度プロファイル検知を行ってもよいし、温度検知と停止動作を複数回繰り返してもよい。
グリス循環モードの終了判断については、予め決められた所定の時間で終了してもよいし、トルク測定などによりグリス循環状態を評価してもよい。また、グリス状態の検知精度を高めるためには、回転時の回転速度をできるだけ低速度にしておくとよい。さらに、停止動作をした後は、より早く循環を促すために回転速度を速めてもよい。
図8に、本実施例におけるグリス循環モード時の温度検知素子23の温度プロファイルを示す。
一時停止動作をすることにより、その後の温度検知素子23のリップルが小さくなっており、図7に示した一時停止動作を行わない場合に比べて、グリス循環動作がおよそ1/3の時間で達成できる。
以上から、温度検知素子23の温度変化でグリス循環状態を検知し、グリスが偏在している場合はその位置で一時停止して加熱・溶融を行う。これにより、グリス循環回転モードの短縮が可能である。
●グリス循環回転動作
図9は本実施例におけるグリス循環回転動作開始時のブロック図である。
制御手段300と、操作部301と、定着装置40に付属した新品検知手段302を備えている。定着装置40が新品、あるいは部品交換をされたか否かを判断する手段として、操作部301からの入力信号により、制御手段300が定着装置40のグリス循環回転動作を実行する。または、定着装置40が有する新品検知手段302の情報から、制御手段300が定着装置40のグリス循環回転動作を実行する。新品検知手段302は、例えばメモリに情報を記録するなどの方法がある。
図10は本実施例におけるグリス循環回転動作のフローチャートである。
Step1:定着装置40の新品/部品交換を判定する。新品/部品交換後の場合はStep2へ。
Step2:グリス循環動作スタート。
Step3:定着装置40を温度検知素子目標温度100℃で通電開始。
Step4:温度検知素子23が目標温度100℃に到達したら、低速度で定着装置40の回転開始。
Step5:定着ベルト20を1周回転。その周期における温検知素子23の検知温度の最大値と最小値の差分ΔTrと最小値検出位置ΔLgを検出。
Step6:ΔTrと、予め決定されたΔTtを比較してΔTr<ΔTtならストップ。ΔTr≧ΔTtならStep6へ。ここでΔTt=5℃とする。
Step7:定着ベルト20の2周目回転中のΔLgの位置が、ニップ部Nと一致するタイミングで回転停止。
Step8:回転停止からts秒後に回転再開。その後tr秒後にストップ。
以上、低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有する。
ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置し、前記ニップ形成部材は抵抗発熱体であり、定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有する。
前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止し、前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開する方法について説明した。
以上の実施例によれば、グリス循環性を高める回転モードを持ち、そのときの部材温度変化を検知することにより、グリス塗布・循環状態を判定する。それにより、グリスが偏在している場合はその位置で一時停止して加熱・溶融を行うことによって、グリス循環回転モードの短縮が可能である。
本実施例で用いた数値は実験によって最適化されたものであり、定着装置の構成などによって一意的に決まるものではない。
[実施例2]
本実施例では低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有し、ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置し、前記温度検知素子23は前記定着部材20の温度を検知する。
定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止し、前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開する方法について説明する。
実施例2におけるカラー画像形成装置は、実施例1と同じく、電子写真方式のカラー画像形成装置である。本カラー画像形成装置は、画像形成部と画像処理部から構成される。本実施例で使用するカラー画像形成装置における、画像形成部の動作については、実施例1で説明した画像形成装置と同様であり説明は省略する。
実施例2における定着装置は、実施例1の構成と同じであり、実施例2の形態で実施例1の形態と異なるのは、温度検知素子23は定着ベルト20の温度を非接触で表面から検出するところである。図11に、本実施例における定着装置40の短手方向断面模式図を示す。
本実施例におけるグリス状態検出手段は実施例1と同じであり、定着ベルト20の内面に存在するグリスの量の違いにより、グリスが多い場所では、グリスの熱容量の影響で定着ベルト20の温度は低下する。一方、グリスが少ない場所では、グリスの影響を受けないため、定着ベルト20の温度低下はない。この温度変化を温度検知素子23で検出することにより、定着ベルト20の内面におけるグリスの塗布位置を評価することができる。グリス循環回転動作については実施例1と同じであるため省略する。
以上、低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有する。
ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置し、前記温度検知素子23は前記定着部材20の温度を検知し、定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有する。
前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止し、前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開する方法について説明した。
以上の実施例によれば、グリス循環性を高める回転モードを持ち、そのときの部材温度変化を検知することにより、グリス塗布・循環状態を判定する。それにより、グリスが偏在している場合はその位置で一時停止して加熱・溶融を行うことによって、グリス循環回転モードの短縮が可能である。
本実施例で用いた数値は実験によって最適化されたものであり、定着装置の構成などによって一意的に決まるものではない。
11 感光ドラム、12 帯電器、13 レーザースキャナ、14 現像器、
16 バックアップ部材、17 支持ステー、18 ベルトサーミスタ、
20 定着ベルト、22 加圧ローラ、23 温度検知素子、40 定着フランジ、
100 セラミックヒータ

Claims (5)

  1. 低熱容量で回転自在の定着部材20と、前記定着部材20に外面から圧接して回転する回転部材22と、前記回転部材22に対向する位置で前記定着部材20に内面から圧接し、ニップ部Nを形成するニップ形成部材100と、前記定着部材20と前記ニップ形成部材100の摺動部に潤滑剤とを有し、ニップ部Nによって記録材を挟持搬送しながら、加熱および加圧し未定着トナー画像を記録材に定着する交換可能な定着装置40において、
    前記定着装置40は、前記定着部材20、もしくは前記ニップ形成部材100の温度を検出する温度検知素子23を少なくとも1つ以上配置し、
    定着装置40としての印刷動作とは別の所定時に実施する、前記潤滑剤を馴染ませるための回転モードにおいて、前記温度検知素子23の温度検出結果に応じて、前記定着装置40の一時停止タイミングを制御する制御手段を有することを特徴とする定着装置40。
  2. 前記制御手段は、前記温度検知素子23の温度変化が所定以上に生じたときの、定着部材20の周方向位置がニップ部Nに一致するときに回転を一時停止することを特徴とする請求項1に記載の定着装置40。
  3. 前記制御手段は、回転を一時停止した後、所定の時間経過後に回転を再開することを特徴とする請求項1に記載の定着装置40。
  4. 前記ニップ形成部材は抵抗発熱体であり、前記温度検知素子23は、前記ニップ形成部材の温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の定着装置40。
  5. 前記温度検知素子23は前記定着部材20の温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の定着装置20。
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JP2021033183A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、画像形成装置

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