JP2017009866A - 圧電アクチュエータ装置、光偏向器、画像投影装置、画像形成装置及び移動体装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ装置、光偏向器、画像投影装置、画像形成装置及び移動体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】梁部に生じる高調波成分による振動を抑制する圧電アクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】回転軸Oに対して回転可能な可動部17と、可動部17を支持する、回転軸方向Yと交差するX方向に伸び蛇行するように連続して形成された複数の梁部13を有する一対の蛇行状梁部12a、12bと、複数の梁部13にそれぞれ設けられ、梁部13を変形させる複数の圧電部21と、複数の圧電部21の両面にそれぞれ設けられた電極部と、を有し、電極部は、圧電部21の一方の面側に設けられ、圧電部21に第1の電圧波形を印加するための上部電極と、圧電部21を挟んで上部電極と対向して設けられ、圧電部21に第2の電圧波形を印加するための下部電極と、を有し、第1の電圧波形と、第2の電圧波形とは、正負が逆である圧電アクチュエータ装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ装置、光偏向器、当該光偏向器を用いた画像投影装置、画像形成装置及び移動体装置に関する。
マイクロマシン技術を用いた圧電アクチュエータ装置において、梁部に支持され、所定の回転軸を中心に駆動される部分である可動部は、小さなエネルギーで高速、大振幅の回転振幅を得ることが求められる。
こうした圧電アクチュエータ装置において、梁部を駆動するための駆動電圧信号に高調波成分が含まれる場合、梁部や可動部に高調波成分による振動が生じてしまうことが知られ、かかる振動を抑えるための技術が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
しかしながら、何れの技術も、可動部の両側に配置された梁部にそれぞれ生じた高調波成分が互いに打ち消しあって、可動部における高調波成分による振動を抑制するに過ぎず、環境温度や経時変化の影響を受けやすいという懸念がある。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、梁部に生じる高調波成分による振動を抑制する圧電アクチュエータ装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明における圧電アクチュエータ装置は、所定の回転軸に対して回転運動可能な可動部と、前記可動部を支持する、前記回転軸方向と交差する方向に伸び蛇行するように連続して形成された複数の梁部を有する一対の蛇行状梁部と、前記複数の梁部に設けられ、前記梁部を変形させる複数の圧電部と、前記複数の圧電部の両面にそれぞれ設けられた電極部と、を有し、前記電極部は、前記圧電部の一方の面側に設けられ、当該圧電部に第1の電圧波形を印加するための上部電極と、前記圧電部を挟んで前記上部電極と対向して設けられ、前記圧電部に第2の電圧波形を印加するための下部電極と、を有し、前記第1の電圧と、前記第2の電圧とは、正負が逆である。
本発明の圧電アクチュエータ装置によれば、梁部に生じる高調波成分による振動を抑制する。
本発明の実施形態における圧電アクチュエータ装置の構成の一例を示す平面図である。 図1に示した圧電アクチュエータ装置の梁部の回動動作の一例を示す模式図である。 図1に示した蛇行状梁部の構成の一例を示す断面図である。 図3に示した蛇行状梁部の上部電極と下部電極への配線の一例を示す模式図である。 図4に示した上部電極と下部電極とに印加する電圧波形の一例を示す図である。 図5に示した電圧波形を印加したときの圧電アクチュエータ装置の2つの測定点における動作の一例を示す図である。 圧電アクチュエータ装置のミラー部の動作の一例を示す模式的な概略図である。 第2の実施例における上部電極と下部電極とに印加する電圧波形の一例を示す模式図である。 図8に示した電圧波形を印加したときの圧電アクチュエータ装置の2つの測定点における動作の一例を示す図である。 第3の実施例における上部電極と下部電極とに印加する電圧波形の一例を示す模式図である。 図10に示した電圧波形を印加したときの圧電アクチュエータ装置の2つの測定点における動作の一例を示す図である。 図1に示した圧電アクチュエータ装置を用いた画像投影装置の一例を示す斜視図である。 図1に示した圧電アクチュエータ装置を用いた画像形成装置の一例を示す模式状の概略図である。 図1に示した圧電アクチュエータ装置を用いた画像投影表示装置の一例を示す平面図である。 従来例における上部電極と下部電極とへの配線の一例を示す模式図である。 従来例における上部電極と下部電極とに印加する電圧波形と、当該電圧波形により駆動された圧電アクチュエータの動作の一例とを示す図である。
図1に、第1の実施形態における圧電アクチュエータ装置20を備えた光偏向器である振動ミラー10の概略を示す。なお、振動ミラー10に入射する光束Lの光軸方向をZ方向、振動ミラー10の主走査方向と平行な方向をY方向、副走査方向と平行な方向をX方向とする。
振動ミラー10は、回転軸Oを中心として回動する可動部たる第1可動部17と、第1可動部17に設けられて回転軸Oと直交する回転軸Oを中心に回動する可動部たる第2可動部18と、を有している。
振動ミラー10は、第1可動部17を支持する複数の梁部13を備えた一対の蛇行状梁部12a、12bと、各梁部13の−Z方向側に設けられた圧電素子である圧電部としての第1圧電部21と、を有している。
振動ミラー10は、各第1圧電部21の両面にそれぞれ設けられた電極部30と、第1可動部17及び蛇行状梁部12a、12bを囲繞するように形成された基板部たる枠部50と、を有している。
振動ミラー10は、第2可動部18と第1可動部17との間に、回転軸O上に回転軸Oを挟んで対称に設けられた梁状の部材である一対の第2支持梁部19と、第2支持梁部19のそれぞれに設けられた矩形の2つの第2圧電部22と、を有している。
振動ミラー10は、第1圧電部21と第2圧電部22とに電圧を印加するためのパッドたる電圧制御部52を有している。
第1可動部17は、後述するように、第1圧電部21に電圧を印加したときの伸縮の量に応じて梁部13が反って変形することによって、蛇行状梁部12a、12bが捩れることで回転軸Oを中心に回転する略矩形の部材である。
第1可動部17は、蛇行状梁部12a、12bに対向する辺において、後述する接合点A、Bとは反対側の頂点に、曲率Rで丸められた曲端部171、172を有している。具体的には、曲端部171、172は、第1可動部17の矩形形状における4つの頂点のうち、+X方向側かつ−Y方向側にある頂点と、−X方向かつ+Y方向にある頂点とに形成された曲率を有する端部である。
言い換えると、曲端部171の、重心O’を中心として点対称の位置に、曲端部172が設けられている。
第2可動部18は、第1可動部17の回転とは独立して、第2圧電部22に電圧を印加したときの伸縮の量に応じて第2支持梁部19が反って変形することによって、回転軸Oを中心に回転する略円形の部材である。
第2可動部18は、反射率の高い部材を用いた反射部としての機能を有しており、入射した光束が第2可動部18の表面に形成された反射面18aによって反射される。
振動ミラー10は、回転軸Oを中心に回転するときに反射光が移動する方向である副走査方向たるY方向と、回転軸Oを中心に回転するときに反射光が移動する方向である主走査方向X方向と、を備えた光走査装置たる光偏向器としての機能を有する。
また、振動ミラー10のうち、反射面18aを除く構成は、駆動手段を入れ子状に配置して2軸回転可能な圧電アクチュエータ装置20である。
なお、第2可動部18の反射面18aの±X方向の端部には、第1可動部17あるいは第2可動部18を回転駆動したときの、反射面18aのZ方向の変位の量を測定するための測定点C、Dが設けられている。
測定点C、Dに対向する−Z方向側には、レーザー光によるドップラー効果を測定するためのドップラー干渉計が配置されている。以降、第2可動部18の振動変位の量や、振れ角を測定するときには、かかるドップラー干渉計を用いて測定することとする。
蛇行状梁部12a、12bは、それぞれ第1可動部17の−Y方向側と、+Y方向側とに、それぞれが互いに重心O’を中心にXY平面上で回転対称になるように配置されている。
蛇行状梁部12a、12bは、各梁部13の少なくとも一方の端部に設けられて、互いに隣り合う梁部13を互いに接続するためのY方向に平行な屈曲部16を有している。
第1可動部17の−Y方向側に配置された蛇行状梁部12aを形成する複数の梁部13は、X軸に平行に、本実施形態では8つ設けられている。以降の説明では、特にその位置を区別する必要がある場合には、最も−Y方向側にある梁部13aから順に、梁部13a〜hとする。
蛇行状梁部12aと第1可動部17とは、回転軸Oとずれた位置にある接合点Aにおいて一体に接合され、蛇行状梁部12bと第1可動部17とは、重心O’について接合点Aと対称な接合点Bにおいて一体に接合されている。
蛇行状梁部12aと蛇行状梁部12bとが重心O’を中心に対称であるから、第1可動部17の+Y方向側に配置された蛇行状梁部12bについても、蛇行状梁部12aの構成とその方向のみが異なるだけで同様の構成を有している。
すなわち、第1可動部17の+Y方向側に配置された蛇行状梁部12bを形成する複数の梁部13もまた、X軸に平行に、8つ設けられている。蛇行状梁部12bにおいて最も−Y方向側にある梁部13iから順に、梁部13i〜pとする。
以降の説明では、特に必要がない限り、蛇行状梁部12aについてのみ説明を行い、重心O’を中心に蛇行状梁部12aに回転対称な蛇行状梁部12bの説明を適宜省略する。
梁部13aは、一方の端部、すなわち−X方向側の端部を枠部50と連結して支持されている。
梁部13aはまた、他方の端部、すなわち+X方向側の端部を、Y方向に平行に伸びた屈曲部16に連結されている。
梁部13b〜hは、両端を屈曲部16に連結されている。言い換えると、隣り合う2つの梁部13の間を連結するように、屈曲部16が配置されている。
また、梁部13のうち最も第1可動部17側に配置される梁部13hの−X側の端部に接続された屈曲部16は、他方側の端部を第1可動部17に接合されている。
第1圧電部21は、図2に示すように、複数の梁部13の+Z方向側に電極部30に挟まれて配置された、PZTによって形成された圧電部材であり、対応する梁部13の反り変形を生じさせる駆動手段としての機能を有している。
第1圧電部21は、電極部30によって電圧を印加されることにより、梁部13の長手方向すなわちX方向に伸縮して、梁部13の厚み方向すなわち+Z方向あるいは−Z方向に反り量Δzを生じさせる。
また、図1に示す第1圧電部21のうち、−Y方向側から順に数えたときに奇数番目に配置された、具体的には梁部13a、13c、13e、13gに取り付けられた第1圧電部21を、特に奇数側圧電部21aとする。
同様に、第1圧電部21のうち、−Y方向側から順に数えたときに偶数番目に配置された、具体的には梁部13b、13d、13f、13hに取り付けられた第1圧電部21を、特に偶数側圧電部21bとする。
電極部30は、図3、図4に示すように、奇数側圧電部21aの−Z方向側の面に設けられた上部電極たる奇数側上部電極301と、奇数側圧電部21aの+Z方向側の面に設けられた下部電極たる奇数側下部電極303と、を有している。
電極部30は、偶数側圧電部21bの−Z方向側の面に設けられた上部電極たる偶数側上部電極302と、偶数側圧電部21bの+Z方向側の面に設けられた下部電極たる偶数側下部電極304と、を有している。
以降の説明では、特に奇数側、偶数側の区別を要しないときには、奇数側上部電極301と偶数側上部電極302との総称として上部電極301、302との文言を用いる。同様に奇数側下部電極303と、偶数側下部電極304との総称として下部電極303、304との文言を用いる。
上部電極301、302と、下部電極303、304とは何れも金属製の薄膜電極である。
電圧制御部52は、振動ミラー10の外部に設けられた外部電源からの電圧を制御するための制御部であり、電圧の波形、周期、絶対値、正負の極性などを任意の値に設定して出力する。
なお、ここでは振動ミラー10の外部電源としたが、振動ミラー10に備えられた電源であっても良い。
電圧制御部52は、奇数側上部電極301に印加するための奇数側の第1の電圧波形たる奇数側第1電圧V301を制御するための第1電圧制御部521を有している。
電圧制御部52は、奇数側下部電極303に印加するための奇数側の第2の電圧波形たる奇数側第2電圧V303を制御するための第2電圧制御部522を有している。
電圧制御部52は、偶数側上部電極302に印加するための偶数側の第1の電圧波形たる偶数側第1電圧V302を制御するための第3電圧制御部523を有している。
電圧制御部52は、偶数側下部電極304に印加するための偶数側の第2の電圧波形たる偶数側第2電圧V304を制御するための第4電圧制御部524を有している。
電圧制御部52は、第2圧電部22に印加するための正弦波電圧を制御する第5電圧制御部525を有している。
第2圧電部22は、電極と、当該電極によって印加された電圧に応じて伸縮する圧電体膜と、を有している。
第2圧電部22は、圧電体膜が伸縮することで、第2支持梁部19に+Z方向あるいは−Z方向に凸の反りを生じさせることで、第2支持梁部19を変形させる。
第2圧電部22に印加される電圧は、通常は画像のフレームレートから決定される駆動周波数例えば20kHz等の比較的高い周波数でサイン波電圧が印加される。
このとき駆動周波数を第2可動部18の重量と、第2支持梁部19のばね定数から決定される共振周波数に近い周波数とすることで、共振により第2可動部18が高速に回転駆動される。この主走査方向への振動ミラー10の回転駆動方法に関しては、一般的なサイン波の駆動方法であるため具体的な説明を省略する。
枠部50は、振動ミラー10の筐体たる不動部である。
枠部50は、Y方向において、第1可動部17と同じ位置を占めて、X方向において第1可動部17の+X側と、−X側とに配置された一対の凸部51を有している。
凸部51は、第1可動部17がXY平面に水平な水平状態において、第1可動部17と、2つの蛇行状梁部12a、12bとに囲繞された突出部分である。
凸部51は、第1可動部17と凸部51との間に形成される空隙の幅と、支持梁部14aと凸部51との間に形成される空隙の幅と、梁部13iと凸部51との間に形成される空隙の幅とが、何れも等しくなるように設けられている。
かかる振動ミラー10の製造方法について簡単に説明する。振動ミラー10の基部には、通常SOI基板が使用される。該SOI基板は活性層側のシリコンと埋め込み酸化膜層(一般的にBOX層と称される)と基材層側のシリコンにより構成される。
該SOI基板の表面にはシリコン酸化膜が成膜され、その後、下部電極303、304、第1圧電部21の材料であるPZT、上部電極301、302が順に成膜される。成膜された下部電極303、304、第1圧電部21の材料であるPZT、上部電極301、302は、それぞれ異なるパターンに基づいてエッチング処理などによりパターン化される。
上部電極301の−Z方向側には絶縁膜や配線パターンが成膜されるが、本実施形態の説明では簡単のため、また図面の可読性を考慮して省略する。
このように形成された半導体ウェハ上からチップに個片化する方法は、ブレードによるダイシング技術であったり、レーザーダイシング技術であったり、ドライエッチング技術であったりする。
かかる振動ミラー10の回転動作について説明する。
振動ミラー10を駆動して第1可動部17を動かすためには、まず、第1圧電部21に取り付けられた電極部30に電圧を印加する。
かかる電圧に基づいてそれぞれの第1圧電部21と接している梁部13は、既に述べたように、+Z方向あるいは−Z方向に梁部13の1本あたり、反り量Δzの反りを生じさせる。
このとき、±Z方向の反りは、互いに隣り合う梁部13の間では互いに逆方向になるように設定される。具体的には、図2に示す場合、梁部13a、c、e、gは+Z方向に凸、梁部13b、d、f、hは−Z方向に凸になるように、それぞれ設定される。
また、梁部13aの−X側の端部は、枠部50に固定されているから、各梁部13の反り量Δzが累積して、蛇行状梁部12aの+X方向側の端部は−Z方向へ上昇し、−X方向側の端部は+Z方向側へ下降する。
同様に、梁部13pの+X側の端部も、枠部50に固定されているから、蛇行状梁部12bの+X方向側の端部は−Z方向に上昇するとともに、−X方向側の端部は+Z方向へ下降する。
かかる蛇行状梁部12aの動作に従って、第1可動部17は、回転軸Oを中心に傾斜する。なお、かかる傾斜動作を行った際には、振動などの原因により、回転軸Oを中心とする回動以外の方向への回転が生じるおそれがある。本実施形態では、曲端部171、172が設けられているので、かりにかかる予期しない回転動作が生じた場合でも、第1可動部17の枠部50への衝突、破損を抑止する。
第1可動部17の傾斜の量は、梁部13の1本あたりの反り量Δzとすると、蛇行状梁部12aに備えられた全ての梁部13の反り量の総和つまり8×Δzとなる。
このように梁部13の数に比例して、第1可動部17が大きく傾く。
また、既に述べたように、回転軸Oを中心とする回転と、回転軸Oを中心とする回転とは独立して動かすことが可能である。すなわち、副走査方向については蛇行状梁部12a、12bによって駆動感度の高い、言い換えると低速で精度の高い走査を行うとともに、主走査方向については第2圧電部22と第2支持梁部19とによって共振を利用した高速走査を行うとしても良い。走査光の最大反射角たる走査角すなわち振れ角は、一般には主走査方向に大きくすることが望ましい。
かかる構成により、振動ミラー10は、X方向とY方向で大きな速度差が得られて、高画質で2次元に投影可能な光偏向器である。
なお、第2圧電部22と第2支持梁部19とによって走査を行う方向を副走査方向、蛇行状梁部12a、12bによって走査を行う方向を主走査方向としても良い。
ところで、従来例として図15に示すように、蛇行状梁部12a、12bに形成された圧電部610に電圧を印加する際には、所定の電位に対する上部電極710の電位を定めることで圧電部610に印加する電圧を決定する構成が知られている。
すなわち、下部電極510は、蛇行状梁部全体で一つの共通電極として接地されて共有されている。
他方、上部電極710のうち、奇数番目に配置された奇数側上部電極710aには駆動電圧V1、偶数番目に配置された偶数側上部電極710bには駆動電圧V2が印加される。
蛇行状梁部を構成する隣り合う圧電部610に印加される電圧は、図16(a)に示すように所定の位相差を有して鋸波状の駆動電圧V1、V2が印加される。
このような鋸波状の駆動電圧V1、V2には、電圧波形を形成するときに生じる高調波振動成分、すなわち高調波成分が含まれている。かかる高調波成分を含んだ電圧波形によって駆動された蛇行状梁部には、高調波成分による振動が生じて、誤差等の原因となりうる。
互いに隣り合う圧電部610に鋸波電圧を所定の位相差で与えた場合の駆動電圧V1、V2、測定点C、Dに対応する、従来例における測定点E、Fにおいて測定したミラー11aの振動変位、ミラー11aの振れ角をそれぞれ図16(a)〜(c)に示す。
図16(b)、(c)に示されたように、単に隣り合う圧電部610に駆動電圧V1、V2を所定の位相差で印加するのみでは、各圧電部610においてそれぞれ生じた高調波成分による振動が、互いに打ち消しあうに過ぎないことがわかる。
したがって、図15に示すような構成では、梁部に生じる高調波成分を抑制するとまでは言えず、かりに経時劣化や環境温度の変化などが生じたときには、図16(b)に示されたような高調波振動が、ミラー11aの振れ角に影響を与えるおそれがある。
本実施形態では、このような問題を解決するために、周期的な電圧波形である奇数側第1電圧V301、偶数側第1電圧V302、奇数側第2電圧V303、偶数側第2電圧V304をそれぞれ図5に示すように、独立して印加する。
具体的には、図5(a)に示すように、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303とは、電圧の波形形状が同一で正負が逆転した反転波形である。
さらにいうと、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303とは、互いに周期が等しく、電圧の絶対値が常に等しい。
また、図5(a)、(b)に示すように、奇数側第1電圧V301と、偶数側第1電圧V302とは、奇数側第1電圧V301の絶対値が最大になる点と、偶数側第1電圧V302の絶対値が最小になる点とが同じタイミングである。さらに、周波数と電圧の絶対値とが等しい互いに逆位相の波形である。
言い換えると、奇数側第1電圧V301は、電圧の絶対値が最大になる点Voを挟んで、絶対値の微分値が正の定数となる単調増加部分Vhと、絶対値の微分値が負の定数となる単調減少部分Vlと、を備える三角波である。鋸波形状とは、かかる三角波において単調増加部分と単調減少部分との時間的な長さが異なる電圧波形のことを示す。
さらに言い換えると、奇数側第1電圧V301は、電圧の絶対値の半値を中心軸として線対称に反転したとき、奇数側第2電圧V303と一致するように形成された電圧波形である。
図5(a)、(b)に示した電圧波形の形状は、電圧制御部52によって制御される理想的な制御の目標値を模式的に示したものであり、電極部30における実測値は、第1圧電部21に与える影響が微小とみなせる範囲において異なっていても良い。
また、波形形状が同一とは、第1圧電部21に与える影響が微小であって略同一とみなせる場合を含む。
また、互いに逆位相の波形とは、第1圧電部21に与える影響が微小であって位相差が略180度、具体的には180度±10度以内であることを含む。
また同様に、図5(b)に示すように、偶数側第1電圧V302と、偶数側第2電圧V304とは、電圧の波形形状が同一で正負が逆転した反転波形である。
さらに偶数側第1電圧V302と、偶数側第2電圧V304とは、互いに周期が等しく、電圧の絶対値が常に等しい。
このような電圧波形を入力したときの第2可動部18上の測定点C、Dにおけるそれぞれの振動変位の測定結果を図6(a)に示す。
このように、一対に形成された奇数側上部電極301と、奇数側下部電極303とのそれぞれに、互いに正負の逆転した、逆方向の電圧波形を印加することにより、奇数側上部電極301と、奇数側下部電極303とで同一の高調波成分が生じて打ち消しあう。
したがって、図6(b)に示すように、振動ミラー10の振れ角には、後述する高調波成分による影響が乗らず、振動ミラー10は安定した振れ角で駆動される。
この点について、さらに詳しく述べる。
奇数側上部電極301と、奇数側下部電極303とに図5(a)に示す電圧が印加されたとき、基準電圧たるV=0は筐体電位あるいは接地電位である。従って、第1圧電部21には、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303との差分電圧V(t)=V303−V301が印加される。
ここで、接地電位に対してある電圧をかけたときに高調波成分が生じると仮定すると、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303とに生じる高調波成分は同じタイミングで互いに逆方向に作用することになる。
すなわち、図7に模式的に示したように、高調波成分をδVとすると、差分電圧V(t)=(V303+δV)−(V301+δV)となって、差分電圧V(t)において打ち消しあう。
従って、第1圧電部21に+Z方向と−Z方向とから図5(a)のように電圧を印加したとき、第1圧電部21に生じる高調波成分は、正味で打ち消しあう。
言い換えると、それぞれ逆方向の高調波成分を含んだ電圧を、両側から印加するときには、奇数側上部電極301と奇数側下部電極303とは、それぞれかかる高調波成分に由来する逆方向の高調波成分による振動を生じさせる。第1圧電部21全体ではかかる高調波成分による振動が逆位相であるため打ち消しあい、梁部13aにおける高調波成分による振動が抑制される。
本実施形態では、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303とは、電圧の波形形状が同一で正負が逆転した反転波形である。
かかる構成により、1つの梁部13aにおいて、第1圧電部21の両面に形成された電極部30で生じた高調波成分が打ち消しあうので、梁部13aにおける高調波成分による振動の発生を抑制するから、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
また、一対に形成された偶数側上部電極302と、偶数側下部電極304とのそれぞれに、互いに正負の逆転した、逆方向の電圧波形を印加することにより、偶数側上部電極302と、偶数側下部電極304とで同一の高調波成分が生じて打ち消しあう。
かかる構成により、1つの梁部13bにおいて、第1圧電部21の両面に形成された電極部30で生じた高調波成分が打ち消しあうので、梁部13bにおける高調波成分による振動の発生を抑制するから、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
また、本実施形態では、奇数側第1電圧V301と、奇数側第2電圧V303とは、互いに周期が等しく、電圧の絶対値が常に等しい。
かかる構成により、さらに精度良く第1圧電部21の両面に形成された電極部30で生じた高調波成分が打ち消しあうので、梁部13aにおける高調波成分による振動の発生を抑制して、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
また、本実施形態では、奇数側第1電圧V301と、偶数側第1電圧V302とは、互いに周期が等しく、図5で破線に示した奇数側第1電圧V301の絶対値が最小になる点と、偶数側第1電圧V302の絶対値が最大になる点とが時間的に一致する。
さらに、奇数側第2電圧V303と、偶数側第2電圧V304とも奇数側第2電圧V303の絶対値が最小になる点と、偶数側第2電圧V304の絶対値が最大になる点とが時間的に一致する。
かかる構成により、互いに隣り合う上部電極と下部電極とにおいても高調波成分が打ち消しあうので、第2可動部18における高調波成分の発生をさらに抑制して、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
さらにいうと、奇数側第1電圧V301と、偶数側第1電圧V302との2つの第1の電圧波形の和は、時間によらず常に一定値を取るように設定されると言い換えても良い。
また、本実施形態では、奇数側第2電圧V303は、奇数側第1電圧V301より常に大きく、偶数側第2電圧V304は、偶数側第1電圧V302より常に大きい。
すなわち、下部電極303、304に印加される電位は、常に0以上である。
言い換えると、第1圧電部21の上面と下面に電位差を与えたときの圧電部材内の電場の方向が常に+Z方向側に向くようになっている。
かかる構成により、差分電圧V(t)が常に0以上であるから、PZTの分極状態が維持されて脱分極による駆動能力の低下が抑制される。
なお、第1可動部17を回転軸Oを中心に回転運動させるためには、つまり第1可動部17がY方向に対して傾いた回転をする、所謂煽るような動作を抑止するためには、蛇行状梁部12aと、蛇行状梁部12bとで生じる傾斜の量は等しくすることが望ましい。
梁部13b〜g、及び梁部13j〜oについては、図1からも明らかなように、隣り合う梁部13同士の長さが等しいから、第1圧電部21に印加する電圧が一様であれば、それぞれの反り量Δzは一定であると考えられる。
また、本実施形態においては、梁部13hの反り量が、梁部13のうち第1可動部17から最も離れた梁部13aの反り量と等しくなるように、調整されている。
かかる構成により、回転軸Oと異なる方向への傾きの発生を抑制し、第1可動部17の回転軸Oを中心とする回動が安定する。
次に、本発明の第2の実施形態として、奇数側第1電圧V305、偶数側第1電圧V306、奇数側第2電圧V307、偶数側第2電圧V308をそれぞれ図8に示すように、印加する。
なお、第1の実施形態と同様の構成については、簡便のため同じ番号を付して説明は適宜省略する。
第2の実施形態において、奇数側第1電圧V305と奇数側第2電圧V307とは、電圧の波形形状が略同一で、正負が逆転した反転波形であるが、所定の位相差δfだけずれている。
また、偶数側第1電圧V306と偶数側第2電圧V308とは、電圧の波形形状が同一で、正負が逆転した反転波形であるが、奇数側第1電圧V305と奇数側第2電圧V307と同じ値である位相差δfだけずれている。
従って、奇数側第1電圧V305と、偶数側第1電圧V306とは、互いに周期が等しく、電圧の絶対値の最大値が等しい。
また、奇数側第1電圧V305と、偶数側第1電圧V306とは、奇数側第1電圧V305の絶対値が最大になる点と、偶数側第1電圧V306の絶対値が最小になる点とが同じタイミングであり、かつ周波数と電圧の絶対値とが等しい互いに逆位相の波形である。
言い換えると、隣り合う梁部13に印加される奇数側第1電圧V305と、偶数側第1電圧V306とは、奇数側第1電圧V305の絶対値が最大になる点と、偶数側第1電圧V306の絶対値が最小になる点とが時間的に一致する。
さらにいうと、奇数側第1電圧V305と、偶数側第1電圧V306との2つの第1の電圧波形の和は、時間によらず常に一定値を取るように設定される。
なお、奇数側第2電圧V307と、偶数側第2電圧V308とについても、上で述べたような奇数側と同様の関係が成立する。
かかる構成により、上部電極301、302と下部電極303、304とへの配線を簡単化しながらも高調波振動の発生を抑制する。
図9(a)、(b)に、かかる電圧波形を入力したときの第2可動部18の測定点C、Dにおける振動変位量と、第2可動部18の振れ角とを示す。
図9(a)、(b)から明らかなように、第1の電圧波形と、第2の電圧波形とが互いに所定の位相差δfだけずれた場合であっても、高調波成分が打ち消しあう。
かかる構成により、1つの梁部13aにおいて、第1圧電部21の両面に形成された電極部30で生じた高調波成分が打ち消しあうので、梁部13aにおける高調波成分による振動の発生を抑制するから、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
また、第2の実施形態では、奇数側第2電圧V307は、奇数側第1電圧V305より常に大きく、偶数側第2電圧V308は、偶数側第1電圧V306より常に大きい。
言い換えると、第1圧電部21の上面と下面に電位差を与えたときの圧電部材内の電場の方向が常に+Z方向側に向くようになっている。
かかる構成により、差分電圧V(t)が常に0以上であるから、PZTの分極状態が維持されて脱分極による駆動能力の低下が抑制される。
第3の実施形態として、奇数側第1電圧V315、偶数側第1電圧V316、奇数側第2電圧V317、偶数側第2電圧V318をそれぞれ図10に示すように、印加する。
第3の実施形態において、奇数側第1電圧V315は、電圧波形のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第1急変化部Duty1を有している。
また、奇数側第2電圧V317のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第2急変化部Duty2を有している。
偶数側第1電圧V316は、電圧波形のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第1急変化部Duty3を有している。
偶数側第2電圧V318のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第2急変化部Duty4を有している。
第1急変化部Duty1、Duty3と、第2急変化部Duty2、Duty4との間には、それぞれ、Duty1=Duty3、Duty2=Duty4という関係が成り立つ。
また、第3の実施形態においては、Duty1≠Duty2、Duty3≠Duty4である。なお、Duty1=Duty2、Duty3=Duty4の場合には第1の実施形態と同様の関係である。
第1急変化部Duty1、Duty3と、第2急変化部Duty2、Duty4と、は、言い換えると電圧波形の微分値が最大値となる部分の時間的な長さであり、かかる鋸波形状の電圧波形においては、Duty幅に等しい。
したがって、第3の実施形態においても、奇数側第1電圧V315と、偶数側第1電圧V316とは、奇数側第1電圧V315の絶対値が最大になる点と、偶数側第1電圧V316の絶対値が最小になる点とが同じタイミングである。またさらに、周波数と電圧の絶対値とが等しい互いに逆位相の波形である。
なお、この逆位相の関係は、奇数側第2電圧V317と、偶数側第2電圧V318とについても成り立つ。
図11(a)、(b)に、かかる電圧波形を入力したときの第2可動部18の測定点C、Dにおける振動変位量と、第2可動部18の振れ角とを示す。
図11(a)、(b)から明らかなように、第1の電圧波形と、第2の電圧波形とで、時間的な変化の度合いが最も大きい部分の長さが異なる場合にも、高調波成分が打ち消しあう。
かかる構成により、1つの梁部13aにおいて、第1圧電部21の両面に形成された電極部30で生じた高調波成分が打ち消しあうので、梁部13aにおける高調波成分による振動の発生を抑制するから、環境温度や経時変化の影響を少なくする。
第4の実施形態として、図12に示すように、第1〜第3の実施形態に示した光偏向器たる振動ミラー10を光走査装置55として備えた画像投影装置100について説明する。
画像投影装置100は、光走査装置55の他に、図12(a)に示すように、基本色に対応する3つの光源たる赤色光源装置1Rと、青色光源装置1Bと、緑色光源装置1Gと、を有している。
画像投影装置100は、赤色光源装置1Rと、青色光源装置1Bと、緑色光源装置1Gと、のそれぞれからの入射光を合成するダイクロイックプリズム2と、投影面104に向けて光を反射する光走査装置55と、を有している。
画像投影装置100は、ダイクロイックプリズム2から出射された光束を、振動ミラー10の反射面たる第2可動部18によって反射し、投影面104上の所定の点に投射することで画像を形成する。
赤色光源装置1Rは、中心波長が630nm前後である半導体レーザーである。
青色光源装置1Bは、中心波長が430nm前後である半導体レーザーである。
緑色光源装置1Gは、中心波長が540nm前後である緑色のレーザー光を射出するレーザー射出装置である。
振動ミラー10は、既に述べたように、回転軸Oと回転軸Oとの2軸周りに回動して反射光を走査させるから、光走査装置55は投影面104の水平方向及び垂直方向にレーザー光を走査させることが出来る。
かかる構成により、投影面104の各地点における赤色光源装置1Rと、青色光源装置1Bと、緑色光源装置1Gと、のそれぞれの光量を調整することで、画像投影装置100は投影面104に任意の画像を投影する。
なお、図12(b)に示すように、ダイクロイックプリズム2を用いずに、赤、青、緑の各基本色を別個に振動ミラー10に入射させる構成であっても良い。
また、第4の実施形態では、カラー画像を投影する場合について述べたが、白色光源のみを用いて投影像を形成するモノクロの画像投影装置としても良い。
また、本発明の第5の実施形態として、図13に示すような画像形成装置200について説明する。
画像形成装置200は、第1〜3の実施形態で述べた振動ミラー10を備えた光走査装置55と、光走査装置55によって潜像を形成される被走査面たる感光層を備えた像担持体たる感光体110と、を有している。
光走査装置55は、光束を射出する光源53と、光束を収束させる収束光学系54と、収束した光束を走査光として反射する振動ミラー10と、走査光を感光体110の表面に結像させる結像光学系56と、を有している。
光走査装置55は、光源52から射出された光束を振動ミラー10によって反射することで感光体110上に静電潜像を形成する。
感光体110は、C方向に回転しながら、静電潜像にトナーを付着させて現像し、転写位置Nにおいて用紙Pにトナーを転写することで画像を形成する。
かかる構成により、振動ミラー10の駆動安定性によって、走査光の歪みの発生を抑制するから、光走査装置55によって生じる画像の歪みを抑制して高精度の画像が得られる。
また、本発明の第6の実施形態として、図14に示すような画像投影表示装置300について説明する。
画像投影表示装置300は、複数の発光点を備えた基本色に対応する3つの光源素子たる半導体レーザー素子111R、111B、111Gを有している。
画像投影表示装置300は、半導体レーザー素子111R、111B、111Gから放射された光束を平行光へと変換するためのカップリングレンズ112R、112B、112Gを有している。
画像投影表示装置300は、カップリングレンズ112R、112B、112Gを透過した光束の光量を制限する絞り部材たるアパーチャ113R、113B、113Gを有している。
画像投影表示装置300は、各光源から射出された光束を合成するプリズム状のダイクロイックミラー115と、投射光学系116と、振動ミラー10を備えた光走査装置117と、を有している。
画像投影表示装置300は、光走査装置117よりも光束の進行方向下流側に、投射レンズたるカバーレンズ119を有している。
半導体レーザー素子111R、111B、111Gは、それぞれ基本色に対応する異なる波長λR=640nm、λB=445nm、λG=530nmの光束を射出する。
半導体レーザー素子111R、111B、111Gから放射された光束は、3つのカップリングレンズ112R、112B、112Gにそれぞれ入射し、アパーチャ113R、113B、113Gによって光量と断面形状とを整えられて射出される。
ダイクロイックミラー115は、これら各光源からの光束を、偏向して合成し、投射光学系116へと射出する。
投射光学系116は、光走査装置117に向かって凹面を向けた少なくとも1つのメニスカスレンズLを有する光学系である。なお、ここではメニスカスレンズLのみを図示したが、複数のレンズを組み合わせた光学系であっても良い。
光走査装置117は、第1〜第3の実施形態で述べた振動ミラー10によって、入射した光束を反射・偏向することで2次元的な走査光として出力する。
光走査装置117によって偏向された光束は、カバーレンズ119を透過して画像投影表示装置300の外部に設置された投影面104へ画像として投射される。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、支持梁部と可動部との接合位置は、可動部の重心を通り回転軸に垂直な軸上にあるとしたが、可動部の重心に対して点対称な位置であれば可動部の頂点で接合するようにしてもよい。
また、支持梁部と可動部との接合位置が複数あっても良いが、支持梁部の反り量が小さくなってしまうために、それぞれの支持梁部と可動部とが1点で接合される構成がより望ましい。
また、第1圧電部は、屈曲部に設けられていても良い。
また、第4及び第5の実施形態では、反射ミラーを1つだけ用いた構成について述べているが、主走査方向への回動角が足りないなどの場合には、同様の構成の反射ミラーを複数並べて配置することで、走査領域を向上させても良い。
かかる構成により、振れ角による走査幅に制限があっても、走査領域を拡大可能である。
また、第1〜第3の実施形態では、梁部は回転軸に対して直交する方向に設けられるとしたが、回転軸に交差するようであれば直交ではなくとも良い。
また、可動部は片持ち梁構造として記載したが、かかる構成に限定されるものではなく、両持ち梁構造であっても良い。
また、隣り合う複数の上部電極及び下部電極にそれぞれ印加される2つの第1の電圧波形の和は、時間によらず常に一定値を取るように設定されるとしたが、最大値と最小値とが、梁部の振動に影響を与えない程度に時間的なタイミングがずれてもよい。
また、画像投影装置としてのヘッドアップディスプレイに光偏向器を備えることとしてもよい。
ヘッドアップディスプレイは、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等の移動体に搭載されて、光により画像を形成し、該画像を形成した透過反射部剤に導くことで、該透過反射部材を介して該画像の虚像を視認可能にする。
ここで透過反射部材とは、光の一部を透過させ、残光の少なくとも一部を反射させるような部材を指す。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10 光偏向器(反射ミラー)
11a ミラー
12a 蛇行状梁部
12b 蛇行状梁部
13、13a〜h 梁部
17 可動部(第1可動部)
18 可動部(第2可動部)
20 圧電アクチュエータ装置
21 圧電部(第1圧電部)
22 第2圧電部
30 電極部
50 枠部
51 凸部
52 電圧制御部
55 光偏向器(光走査装置)
100 画像投影装置
200 画像形成装置
300 画像投影表示装置
301 上部電極(奇数側上部電極)
302 上部電極(偶数側上部電極)
303 下部電極(奇数側下部電極)
304 下部電極(偶数側下部電極)
V301 第1の電圧波形(奇数側第1電圧)
V302 第1の電圧波形(偶数側第1電圧)
V303 第2の電圧波形(奇数側第2電圧)
V304 第2の電圧波形(偶数側第2電圧)
V305 第1の電圧波形(奇数側第1電圧)
V306 第1の電圧波形(偶数側第1電圧)
V307 第2の電圧波形(奇数側第2電圧)
V308 第2の電圧波形(偶数側第2電圧)
V315 第1の電圧波形(奇数側第1電圧)
V316 第1の電圧波形(偶数側第1電圧)
V317 第2の電圧波形(奇数側第2電圧)
V318 第2の電圧波形(偶数側第2電圧)
Duty1、Duty3 第1急変化部
Duty2、Duty4 第2急変化部
δf 位相差
回転軸
回転軸
O’ 重心
X 主走査方向
Y 副走査方向
Z 光軸方向
特許第5493735号公報 特開2011−095331号公報 特許第567227号公報

Claims (10)

  1. 所定の回転軸に対して回転可能な可動部と、
    前記可動部を支持する、前記回転軸方向と交差する方向に伸び蛇行するように連続して形成された複数の梁部を有する一対の蛇行状梁部と、
    前記複数の梁部にそれぞれ設けられ、前記梁部を変形させる複数の圧電部と、
    前記複数の圧電部の両面にそれぞれ設けられた電極部と、を有し、
    前記電極部は、前記圧電部の一方の面側に設けられ、当該圧電部に第1の電圧波形を印加するための上部電極と、
    前記圧電部を挟んで前記上部電極と対向して設けられ、前記圧電部に第2の電圧波形を印加するための下部電極と、
    を有し、
    前記第1の電圧波形と、前記第2の電圧波形とは、正負が逆である圧電アクチュエータ装置。
  2. 前記第1の電圧波形と、前記第2の電圧波形とは、何れも周期的な電圧波形であり、第1の電圧波形と第2の電圧波形とは、互いに周期が等しく、電圧の絶対値が常に等しいことを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ装置。
  3. 隣り合う複数の前記上部電極に印加される前記第1の電圧波形は、互いに周期が等しく、一方の前記第1の電圧波形の絶対値が最大になる点と、他方の前記第1の電圧波形の絶対値が最小になる点とが時間的に一致し、
    隣り合う複数の前記下部電極に印加される前記第2の電圧波形は、互いに周期が等しく、一方の前記第2の電圧波形の絶対値が最大になる点と、他方の前記第2の電圧波形の絶対値が最小になる点とが時間的に一致することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電アクチュエータ装置。
  4. 前記第1の電圧波形と、前記第2の電圧波形とは、任意の位相差を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の圧電アクチュエータ装置。
  5. 前記第2の電圧波形は、前記第1の電圧波形より常に大きいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の圧電アクチュエータ装置。
  6. 前記第1の電圧波形のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第1急変化部と、
    前記第2の電圧波形のうち時間的な変化の度合いが最も大きい部分である第2急変化部と、を有し、
    前記電極部に備えられた一対の前記上部電極と前記下部電極とにおける前記第1急変化部と第2急変化部との時間的な長さが異なり、
    隣り合う複数の前記電極部にそれぞれ備えられた前記上部電極に印加される前記第1急変化部の時間的な長さが等しく、
    隣り合う複数の前記電極部にそれぞれ備えられた前記下部電極に印加される前記第2急変化部の時間的な長さが等しいことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の圧電アクチュエータ装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載の圧電アクチュエータ装置と、前記可動部に設けられた反射面と、を有し、
    前記圧電アクチュエータ装置に入射した光束を、前記反射面で反射することで走査させる光偏向器。
  8. 請求項7に記載の光偏向器を有し、前記反射面で反射された前記光束を投影面に結像させることで画像を表示する画像投影装置。
  9. 請求項7に記載の光偏向器を備えた光走査装置と、前記光走査装置によって潜像を形成される感光体と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7に記載の光偏向器を備えた光走査装置と、前記光走査装置からの光の一部を透過させ、前記光の他の一部を反射させて前記光を画像として投射するための透過反射部材と、を有することを特徴とする移動体装置。
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