JP2017009815A - 焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステム - Google Patents

焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステム Download PDF

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Abstract

【課題】撮影レンズの収差を画像処理によって除去する撮像装置において、簡単な回路構成で効果的に収差の影響を軽減して焦点検出ができる焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステムを提供する。
【解決手段】撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力する撮像素子と、撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアを設定する多点エリア設定部111と、撮影レンズの歪曲収差データを取得するレンズ情報取得部109と、歪曲収差データに基づいてAFエリアの大きさを補正し、撮像素子の出力する画素信号の内、補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するエリア積算部105およびエリア面積補正部107を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、収差を有する撮影レンズによって結像される被写体光を受光し光電変換して生成される画像データに基づいて焦点検出を行うためのAFエリアを設定する焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステムに関する。
デジタルカメラなどの撮像装置では、撮影レンズの焦点検出法として、コントラストAFがしばしば採用されている。このコントラストAFは、撮像素子からの画像データに対してハイパスフィルタ(HPF)などで信号処理を行い、所定のエリア内で積算した値(「AF評価値」ともいう)を用いて、撮影レンズのピントが合う位置を決定する。この場合、画面内に複数(例えば、5×7の35点)のAFエリアを配置し、撮像装置がピントを合わせるエリアを自動的に選択するのが一般的である。
また、最近は撮影レンズの小型化のために、歪曲収差を完全に除去しないで光学系を設計し、撮像装置内の画像処理によって、歪曲収差を除去した画像を生成し記録する製品がある。
このような撮像装置の場合には、歪曲収差によって画面上の測距対象エリアと画像データ上の測距対象エリアがずれてしまう。この点について、図10および図11を用いて説明する。
図10(a)は、格子模様を被写体の例とする。図10(b)は、歪曲収差が除去されない撮影レンズによって、図10(a)の格子模様が撮像面上に結像された画像を示す。歪曲収差が除去されないために、図10(b)に示すように、格子模様が樽のように周囲が膨れた格子模様となっている。また、図10(a)の格子点P1が、図10(b)では位置P2に移動している。
図11(a)は、撮像面上のAFエリアの設定を示す。この例では、均等に縦横5×5の25個に分けた各領域をAFエリアとしている。図11(b)は、各AFエリアに対応する被写体の範囲を示し、言い換えると、撮像面上のAFエリアを被写体側に投影した様子を示す。撮影レンズが図10(b)に示すような歪曲収差を有していることから、この撮影レンズを通して、図11(a)のAFエリアを投影すると、図11(b)に示すように、周囲が押し込まれたような格子模様となっている。
また、中央付近のAFエリアAに対して、周辺のAFエリアCは形状が歪み、面積が広がっている。このため、AFエリアAの測距対象物(ここでは、手前にいる鳥)が、AFエリアCにあると、背景(ここでは木)と混在し、焦点検出が困難となる。この点について、図12を用いて説明する。
図12(a)は、横軸をフォーカスレンズ位置とし、縦軸をAF評価値とした場合に、フォーカスレンズをスキャン駆動させた場合のAFエリアAとAFエリアB(図11で背景の木のみ含まれるAFエリア)のAF評価値の変化を示す。図12(a)に示す例では、AFエリアAはフォーカスレンズが位置Paにおいてピークとなり、AFエリアBはフォーカスレンズが位置Pbにおいてピークとなっている。この場合には、AFエリアAとAFエリアBの測距対象物について、それぞれAF評価値がピークとなるフォーカスレンズの位置を検出することが可能である。
図12(b)は、図11(b)のAFエリアCに示すように、測距対象物と背景が混在している場合である。この場合には、AF評価値は、背景の木によって位置Pcと、手前の鳥によって位置Pdと2つのピーク位置が検出される。また、木と鳥の位置関係によっては、2つのピークが一体化し、PcやPbとは、違う別の位置に偽のピークが発生することも有り得る。このように、AFエリアの形状が歪み、また面積が変化するために遠近の被写体が混在しやすくなり、正確な焦点検出が困難となる。
そこで、特許文献1では、撮影レンズの歪曲収差量に応じて、AF評価値を算出する際の重み付けを変更している。また、特許文献2では、予め画像データの歪曲収差を補正してから、HPF処理を行うようにしている。
特開平6−237412号公報 特開2011−215258号公報
特許文献1は、AFエリアを更に細分化した領域ごとに重み付けを決めてAF評価値の演算を行っており、複雑な演算となってしまう。AF評価値の演算を最小化するために予め重み付けテーブルを保持することが考えられるが、この方法ではテーブルを保持するための膨大なメモリ領域が必要になってしまう。また、特許文献2は、AF評価値の算出にあたって、後段の画像処理とは別に歪曲収差の補正処理が必要になり、回路規模が大きくなり、消費電力の増大を招いてしまう。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、撮影レンズの収差を画像処理によって除去する撮像装置において、簡単な回路構成で効果的に収差の影響を軽減して焦点検出ができる焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る焦点検出装置は、撮影レンズを含むレンズ部と、上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力する撮像素子と、上記撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶するAFエリア記憶部と、上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、上記歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定するAFエリア補正部と、上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア補正部によって補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、を具備する。
第2の発明に係る焦点検出装置は、上記第1の発明において、上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、上記AF評価値を補正する。
第3の発明に係る焦点検出装置は、上記第1の発明において、上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データを記憶する。
第4の発明に係るカメラシステムは、撮影レンズを含むレンズ部と、該レンズ部を着脱可能であり、上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光して光電変換し画素信号を出力する撮像素子を有する本体部と、から構成されるカメラシステムにおいて、上記レンズ部は、上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、上記カメラ本体へ、上記歪曲収差データを送信するレンズ通信部と、を有し、上記本体部は、上記撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶するAFエリア記憶部と、上記レンズ通信部からの歪曲収差データを受信する本体通信部と、上記歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定するAFエリア補正部と、上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア補正部によって補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、を具備する。
第5の発明に係るカメラシステムは、上記第4の発明において、上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、上記AF評価値を補正する。
第6の発明に係るカメラシステムは、上記第4の発明において、上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データを記憶する。
第7の発明に係るカメラシステムは、撮影レンズを含むレンズ部と、該レンズ部を着脱可能であり、上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光して光電変換し画素信号を出力する撮像素子を有する本体部と、から構成されるカメラシステムにおいて、上記レンズ部は、上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、上記撮影レンズの歪曲収差データに応じたAFエリア配置情報を算出する算出部と、上記カメラへ、上記AFエリア配置情報を送信するレンズ通信部と、を有し、上記本体部は、上記レンズ通信部から上記AFエリア配置情報を受信する本体通信部と、上記AFエリア配置情報に基づいて上記AFエリアの配置を設定するAFエリア配置設定部と、上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア配置設定部によって配置を設定されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、を具備する。
第8の発明に係るカメラシステムは、上記第7の発明において、上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、AF評価値を補正する。
第9の発明に係るカメラシステムは、上記第7の発明において、上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データに応じた複数のAFエリア配置情報を記憶する。
第10の発明に係る焦点検出方法は、撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力し、上記画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶し、上記撮影レンズの歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定し、上記撮像素子の出力する画素信号の内、補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出する。
本発明によれば、撮影レンズの収差を画像処理によって除去する撮像装置において、簡単な回路構成で効果的に収差の影響を軽減して焦点検出ができる焦点検出装置、焦点検出方法、およびカメラシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラのAF評価値データを生成するための機能を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、撮像素子側で設定したAFエリアを被写体側に投影した場合の画像を示す図である。 本発明の一実施形態におけるカメラにおいて、各AFエリアにおけるAF評価値の補正係数を示す図表である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、歪曲収差が有る場合の撮像素子面上の中心からの像高を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るカメラのマウント処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラの撮影シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのコントラストAFの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのマウント処理の動作の変形例を示すフローチャートである。 従来のカメラにおいて、撮像素子側の画像を被写体側に投影した場合の画像を示す図である。 従来のカメラにおいて、撮像素子上におけるAFエリアを被写体側に投影した場合のAFエリアを示す図である。 従来のカメラにおいて、AF評価値の変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態としてデジタルカメラに適用した例について説明する。このデジタルカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタタイミングを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、撮影レンズの歪曲収差は完全に除去しておらず、レンズ鏡筒からの歪曲収差情報に基づいて、カメラ本体において画像データを補正し、歪曲収差が除去された画像についてライブビュー表示を行い、また記録媒体に記録する。さらに、コントラストAFを行うにあたって、歪曲収差に応じてAFエリアの位置や大きさ等を補正し、この補正されたAFエリアからの画像データに基づいてAF評価値を算出し、自動焦点調節を行う。
図1は、本実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体11とレンズ鏡筒12は別体で構成され、レンズ鏡筒12はカメラ本体11に着脱自在である。なお、カメラ本体11とレンズ鏡筒12を一体に構成しても勿論かまわない。
レンズ鏡筒11内には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影レンズ21と、開口径を調節するための絞り22が配置されている。撮影レンズ21はレンズ枠23に保持され、レンズ枠23はレンズ駆動機構24およびレンズ駆動回路25によって光軸方向に駆動され、絞り22は絞り駆動機構27によって駆動される。レンズ鏡筒11は、撮影レンズを含むレンズ部として機能する。一般に撮影レンズ21は、多数のレンズやレンズ群によって構成されるが(例えば、9群14枚など)、本出願においては、簡単のためにレンズ1枚のみを図示した。
レンズ駆動回路25および絞り駆動機構27は、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、「LCPU」と称する)30に接続され、LCPU30によって駆動制御される。LCPU30は、CPU(Central Processing Unit)と不図示のレンズ駆動パルス生成部等の周辺回路を有し、メモリ31に記憶されたプログラムに従い、カメラ本体11からの制御命令に応じて、レンズ鏡筒12内の各部を制御する。
LCPU30は、メモリ31に接続されている。このメモリ31は、フラッシュROM等の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。メモリ31は、前述のLCPU30用のプログラムの他に、撮影レンズ21の光学的特性、絞り22の特性等の種々の特性を記憶しており、また各種調整値も記憶する。撮影レンズ21の光学的特性として、撮影レンズ21の歪曲収差に関する情報を焦点距離毎に有している。LCPU30は、カメラ本体11からの要求に応じて、これらの値を読み出して送信する。
メモリ31は、撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部として機能する。この記憶部は、撮影レンズの複数の光学状態(例えば、焦点距離やフォーカスレンズ位置ごと)に対応する歪曲数差データに応じた複数のAFエリア配置情報を記憶する。
LCPU30は、通信コネクタ35に接続されており、この通信コネクタ35を通じて、カメラ本体11内の本体制御用マイクロコンピュータ(以下、「BCPU」と称する)60と通信を行う。また、通信コネクタ35は、カメラ本体11からレンズ鏡筒12に電源を供給するための給電端子を有する。通信コネクタ35は、カメラ本体へ、歪曲収差データを送信するレンズ通信部として機能する。また、通信コネクタ35は、レンズ通信部からの歪曲収差データを受信する本体通信部としても機能する。
カメラ本体11にあって、撮影レンズ21の光軸上には、露出時間制御用のシャッタ52が設けられている。本実施形態においては、シャッタ52は先幕および後幕を有するフォーカルプレーンシャッタである。シャッタ52は、シャッタチャージ機構57によってシャッタチャージされ、またシャッタ制御回路56によってシャッタ52の開閉制御が行われる。
シャッタ52の後方であって、撮影レンズ21の光軸上には、撮像素子ユニット54が配置されており、撮影レンズ21によって結像される被写体像を画素信号に光電変換する。なお、撮像素子ユニット54内の撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元撮像素子を使用できることは言うまでもない。撮像素子ユニット54は、撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力する撮像素子として機能する。
前述のシャッタ52と撮像素子54の間には、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである光学ローパスフィルタ(OLPF)53が配置されている。
撮像素子ユニット54は、手ブレ補正ユニット75によって、撮影レンズ21の光軸と垂直な面内で、手ブレを打ち消す方向に移動する。すなわち、カメラ本体11が撮影者の手ブレ等によって動くと、この動きをジャイロ等(不図示)のブレ検出部によってブレの量と方向を検出し、手ブレ補正ユニット75は、BCPU60からの制御に従って、検出された動きを打ち消すように撮像素子ユニット54を移動させる。
撮像素子ユニット54は撮像素子インターフェース回路61に接続されている。撮像素子インターフェース回路61は、BCPU60からの制御命令に従って、撮像素子ユニット54内の撮像素子から画素信号を読み出し、増幅処理やAD変換処理等の前処理を施した後、画像処理コントローラ62に出力する。
画像処理コントローラ62は、画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式で圧縮し、また圧縮画像データを伸張する。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式でもよい。
画像処理コントローラ62には、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)63、フラッシュROM64、記憶メディア65が接続されている。
SDRAM63は、電気的に書き換え可能な揮発性メモリであり、撮像素子ユニット54から読み出された画像データを一時的に書き込み、読み出しを行う。フラッシュROM64は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、BCPU60用のプログラムや、各種調整値等を記憶し、読み出す。フラッシュROM64は、メモリ31からの歪曲収差データを記憶し、この場合には、撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部としても機能する。
記憶メディア65は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体11に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。
ストロボ72は、電源回路80からの電源電圧を昇圧し、昇圧した高圧電圧を充電するコンデンサや、閃光発光用のキセノン管や、トリガ回路等を有し、低輝度の被写体に対する照明機器として使用される。ストロボ制御回路71は、BCPU60からの制御命令に従って、ストロボ72に対して充電やトリガ等の制御を行う。
EVF(Electric Viewfinder)66は、カメラ本体11内に内蔵された表示パネルを接眼部を介して撮影者が観察することができる。EVF66には、ライブビュー表示や記録画像の再生表示等を行う。動作表示用LCD(Liquid Crystal Display)77は、カメラ本体11の外装部に設けられ、カメラの動作状態を表示する。なお、市販されているカメラの中には、EVF66を持たず、大画面のLCDを背面に具備し、EVF66と動作表示用LCDを兼用する製品も存在する。
カメラ操作スイッチ(SW)78は、電源釦、レリーズ釦、メニュー釦、OK釦等の操作部材の操作に連動するスイッチである。レリーズ釦には、レリーズ釦の半押し操作を検出する1Rスイッチ(1RSW)や、レリーズ釦の全押しを検出する2Rスイッチ(2RSW)が設けられている。
電源回路80は、カメラ本体11に装填された電源電池を有し、カメラ本体11やレンズ鏡筒12内の各回路ユニット等に電源電圧を供給する。
次に、図2を用いて、本実施形態におけるAF処理のための機能ブロックについて説明する。各ブロックは、BCPU30においてソフトウエア的に処理される。
Y生成部101は、撮像素子ユニット54から撮像データ(画像データ)を入力し、Y成分(輝度成分)の画像データを生成する。フィルタ処理部103は、Y生成部で生成された輝度成分からなる画像データを入力し、ハイパスフィルタ処理を施すことによって、画像データから高周波成分のみを抽出する。
レンズ情報取得部109は、レンズ鏡筒12から撮影レンズ21の歪曲収差データ等のレンズ情報を取得する。多点エリア設定部111は、レンズ情報取得部109によって取得した歪曲収差データに基づいて、複数のAFエリアの設定値および面積に相当する情報をエリア積算部105およびエリア面積補正部107に出力し、AFエリアの設定を行う(後述する図8のS51)。
多点エリア設定部111は、撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶するAFエリア記憶部、および歪曲収差データに基づいてAFエリアの配置を補正して設定するAFエリア補正部として機能する。なお、この多点エリア設定部111によって設定されるAFエリアの詳細については、図3ないし図5を用いて後述する。
エリア積算部105は、多点エリア設定部111によって設定されたAFエリア毎に、フィルタ処理部103から出力される高周波成分のデータを積算する。この積算は、撮影レンズ21の有する歪曲収差を補正したAFエリアの範囲毎に行う(後述する図8のS55参照)。
本実施形態においては、歪曲収差データに基づいてAFエリアを修正しているために、AFエリアの面積が均等ではない。そのため、エリア面積補正部107は、エリア積算部105から出力された積算値に対して、AFエリアの面積の不均一を修正する。エリア面積補正部107によって補正された積算値は、AF評価値データとして出力される。
エリア積算部105とエリア面積補正部107は、撮像素子の出力する画素信号の内、AFエリア補正部によって補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部として機能する。また、このAF評価値算出部は、補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、AF評価値を補正する(図8のS55参照)。
このように、本実施形態においては、撮影レンズ21の歪曲収差に基づいて各AFエリアの位置や大きさ等を補正し、この補正されたAFエリアの範囲で画像データの高周波成分を積算し、この積算値をAFエリアの面積に応じて補正している。このため、歪曲収差があっても、簡単かつ迅速にAF評価値を算出することができる。
次に、図3ないし図5を用いて、本実施形態におけるAFエリアの設定と、その面積の補正について説明する。図3(a)は、図10(b)に示すような樽型の歪曲収差を有する場合において設定する、撮像面上のAFエリアの一例を示す。図3(b)は、図11(b)と同様に、各AFエリアに対応する被写体の範囲を示す。
図11(a)では、AFエリアを均等に配置していたが、本実施形態においては、図3(a)に示すように、中央付近のAFエリアを広く、周辺にいくにつれてAFエリアが狭くなるようにしている。撮像面の底辺側に記載の数値は、中央エリアの幅を1としたときの割合を示し、右側に記載の数値は、中央エリアの高さを1としたときの割合を示す。
図4は、図3(a)に示した例において、各AFエリア毎に算出されたAF評価値を補正する補正係数の値の例を示す。補正係数の値は、中央のAFエリアの面積を1としたときの各AFエリアの面積の逆数を使えばよい。例えば、左上隅のエリアは、中央のAFエリアに対して、縦が0.75倍、横が0.7倍であるので、1/(0.75×0.7)≒1.90となる。前述した多点エリア設定部111(図2参照)は、この補正係数をエリア面積補正部107に出力し、エリア面積補正部107は、この補正係数を用いて、エリア積算部105から出力された積算値を補正する。
図5(a)は、歪曲収差がない場合とある場合に、撮影レンズ21で結像される像高がどのように変わるかを示す。像高は、撮影レンズ21の光軸が撮像素子と交わる位置を0.0とし、撮像素子の4隅を1.0としている。図10(b)のように、樽型の歪収差がある場合、歪曲収差がない場合の結像位置(理想像高Y)と比較して、撮影レンズ21を通過した際の結像位置(Y’)は、理想像高Yよりも内側に結像することになる。つまり、Y>Y’となり、ラインL2に示すような関係になる。
図5(b)は、理想像高Yと撮影レンズ21を通して結像した像高Y’との比を表したもので、図5(a)に示すように、像高が大きくなるにつれてYとY’の乖離が大きくなるため、像高比Y’/YはラインL4に示すような変化となる。
図3(a)に示したAFエリアの大きさの割合の決定にあたっては、図5(b)に示した像高比と一致するように決めればよい。
次に、図6ないし図8に記載のフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラの動作について説明する。この動作は、BCPU60がフラッシュROM64に記憶されたプログラムに従ってカメラの各部を制御することにより実行する。また、このフローチャートは、コントラストAFによる自動焦点調節に関連する動作を主に示している。
図6に示すマウント処理は、カメラの電源釦が操作されると開始する。マウント処理のフローがスタートすると、まず、本体の電源をオンにする(S1)。ここでは、電源回路80によって、カメラ本体11の各部に電源が給電される。
本体電源オンとなると、次に、カメラシステムの初期化を行う(S3)。ここでは、画像処理コントローラ62への電源を供給し、OS(Operating System)を立ち上げ、撮像ユニット54内の撮像素子に電源供給し、前回電源オフ時の状態に回復する等、カメラシステムの初期化を行う。
カメラシステムの初期化を行うと、次に、レンズ鏡筒の電源をオンにする(S5)。ここでは、電源回路80によって、通信コネクタ35を通じて、レンズ鏡筒12内の各部に電源が供給される。
レンズ電源をオンにすると、次に、初期通信を行う(S7)。ここでは、カメラ本体11から送信を行い、レンズ鏡筒12からの返信に基づいて、通信プロトコル確認を行う。
初期通信を行うと、次に、レンズ性能情報の取得のための通信を行う(S9)。ここでは、メモリ31に記憶されているレンズ性能情報、例えば、ズームレンズか単焦点レンズのいずれであるか、焦点距離、絞り値(F値)等の情報を、LCPU30に送信要求し、取得する。
レンズ性能情報を取得すると、次に、レンズ機能情報取得通信を行う(S11)。ここでは、レンズ機能情報、例えば、通信速度、レンズ駆動速度、レンズ手ブレ補正機能の有無等の情報を、LCPU30に送信要求し、取得する。
レンズ機能情報を取得すると、次に、レンズ光学情報取得通信を行う(S13)。ここでは、メモリ31に記憶されているレンズ光学情報、例えば、歪曲収差データ、分光透過率等の情報を、LCPU30に送信要求し、取得する。ステップS9〜S13において取得した各情報は、フラッシュROM64またはSDRAM63に記憶され、コントラストAF処理等の種々の処理の際に使用される。
レンズ光学情報を取得すると、次に、撮影情報表示を行う(S17)。ここでは、動作表示部77に、撮影モード、シャッタ速度、絞り値、ISO感度等の撮影情報を表示する。
撮影情報表示を行うと、撮影待機状態となる(S19)。ここでは、レリーズ釦の半押し等がなされるまで、撮影待機状態となる。撮影待機状態では、例えば、撮像素子からの画像データに基づいてライブビューを表示し、また撮影モード等の各種設定を受け付け、また電源釦がオフとなると、電源オフ処理を行う。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、撮影シーケンスについて説明する。撮影シーケンスは、撮影待機状態において、レリーズ釦の半押し操作等の操作がなされるとスタートする。
撮影待機状態では、ユーザの操作でレンズの状態が変わったことを検知するため、撮影レンズ状態取得通信を行う(S21)。ここでは、絞り22の最新の絞り状態、撮影レンズ21の最新のズーム状態(焦点距離を含む)等、最新のレンズ鏡筒の状態を、LCPU30に送信要求し、取得する。
レンズ状態取得通信を行うと、次に、1RSWがオンか否かを判定する(S21)。レリーズ釦が半押しされると、1RSWがオンとなる。ここでは、1RSWのオンオフ状態に基づいて判定する。この判定の結果、1RSWがオフの場合には、ステップS21に戻り、前述の動作を周期的に繰り返す。
一方、ステップS23における判定の結果、1RSWがオンとなった場合には、コントラストAFを行う(S23)。ここでは、撮像素子からの画像データの高周波成分を抽出してAF評価値を生成し、このAF評価値がピークとなるように、フォーカスレンズの位置を調節する。ピントが正しく検出され、フォーカスレンズが合焦位置に駆動されると、合焦フラグに「1」がセットされる。このコントラストAFの詳しい動作については、図8を用いて後述する。
コントラストAFを行うと、次に、合焦フラグが「1」か「0」のいずれであるかを判定する(S27)。合焦フラグは、デフォルト値は「0」であり、前述したように、フォーカスレンズが合焦位置に駆動されると、合焦フラグとして「1」がセットされる。
ステップS27における判定の結果、合焦フラグが「0」であった場合には、非合焦処理を行う(S41)。非合焦処理としては、例えば、EVF66等に非合焦状態であることを表示する等、撮影者に合焦できないことを告知し、またフォーカスレンズの駆動を停止する。
一方、ステップS27における判定の結果、合焦フラグが「1」であった場合には、1RSWがオフか否かを判定する(S29)。撮影者がレリーズ釦の半押し状態を解除すると、1RSWはオフ状態となる。ステップS29における判定がオフであった場合には、ステップS21に戻り、前述の動作を繰り返す。
ステップS29における判定の結果、1RSWがオフでなかった場合には、レンズ状態取得通信を行う(S31)。ここでは、ステップS21と同様に、最新のレンズ鏡筒の状態を、LCPU30に送信要求し、取得する。
レンズ状態取得通信を行うと、次に、2RSWがオンか否かを判定する(S33)。レリーズ釦が全押しされると、2RSWがオンとなる。ここでは、2RSWのオンオフ状態に基づいて判定する。この判定の結果、2RSWがオフの場合には、ステップS31に戻り、前述の動作を繰り返す。
一方、ステップS33における判定の結果、2RSWがオンの場合には、撮影動作に移る。まず、露光動作を行う(S35)。ここでは、シャッタ52を開放して撮像素子ユニット54の撮像素子面上に被写体像を形成し、露光時間の経過後にシャッタ52が閉鎖状態となり露光を終了する。露光が終了すると、撮像素子から画像データが読み出される。
露光動作が終了すると、次に画像処理を行う(S37)。ここでは、撮像素子から読み出された画像データに対して、画像処理コントローラ62が画像記録用に種々の画像処理を施す。
画像処理を行うと、次にカード記録を行う(S39)。ここでは、ステップS37において画像処理が施された画像データを記憶メディア65に記録する。ステップS39においてカード記録を行うと、またはステップS41において非合焦処理を行うと、撮影シーケンスのフローを終了する。
次に、図8に示すフローチャートを用いて、ステップS25のコントラストAFの詳しい動作について説明する。
コントラストAFのフローに入ると、まず、AFエリアの設定を行う(S51)。ここでは、レンズ鏡筒12からの歪曲収差データに基づいて、図3(a)に示すようなAFエリアの設定を行う。なお、図3(a)は一例であり、AFエリアの位置、大きさ、数等は、適宜、変更しても良い。
AFエリアを設定すると、次に、初期駆動方向判断を行う(S53)。コントラストAFは、フォーカスレンズをスキャン駆動しながらAF評価値を算出し、そのピーク位置を検出する。スキャン駆動の方向は、無限遠から至近、または至近から無限遠のいずれである。このステップでは、現在のフォーカスレンズの位置等に基づいて、いずれの方向にフォーカスレンズを駆動するかを判断する。
初期駆動方向判断を行うと、次に、AF評価値の取得を開始する(S55)。AF評価値は、図2に示したような機能ブロックによって、AFエリア毎に取得される。すなわち、フィルタ部103によって画像データの高周波成分を抽出し、この値をエリア積算部105によって積算し、エリア面積補正部107によって補正された値である。このエリア面積の補正は、図4で説明した補正係数を、エリア積算部105によって積算された値に対して乗算することによって行う。このようにエリア積算部105による積算値をエリア面積に応じて補正してAF評価値を算出するので、各AFエリアのAF評価値を適切に比較することが可能となる。AF評価値が相対的に大きいコントラストが高いAFエリアやAF評価値が相対的に小さいコントラストが低いAFエリアを判別することができ、どのAFエリアを採用するかの判断等を適切に行うことが可能となる。AF評価値の取得を開始すると、撮像素子から1フレーム分の画像データが読み出されるたびに、AF評価値が算出される。なお、図8のフローチャートには明記していないが、コントラストAF処理中には撮像素子の撮像動作が所定のフレームレートで繰り返し実行され、撮像動作毎に撮像素子ユニット54から撮像(画像)データが出力される。
AF評価値の取得を開始すると、次に、レンズ駆動を開始する(S57)。ここでは、LCPU30に対して、撮影レンズ21のフォーカスレンズを、ステップS53で判断した初期駆動方向に駆動するように指示する。
レンズ駆動を開始すると、次に、AF評価値が増加しているか否かを判定する(S59)。ここでは、エリア面積補正部107によって算出されたAF評価値が、AFエリア毎に増加しているか否かを判定する。
ステップS59における判定の結果、AF評価値が増加しない場合(すなわち、減少した場合)には、駆動方向を反転する(S61)。AF評価値が減少するのは、AF評価値のピーク位置とは逆方向にレンズ駆動していることを意味するためである。
ステップS61において駆動方向を反転して場合、またはステップS59における判定の結果、AF評価値が増加していた場合には、次に、ピーク判定を行う(S63)。ここでは、AF評価値が増加から減少に変化していたかどうかに基づいて、AFエリア毎にピーク判定を行う。
ピーク判定を行うと、ピーク検出されたか否かを判定する(S65)。ここでは、ステップS63におけるピーク判定の結果に基づいて、複数のAFエリアの内の1つでもピーク判定があったか否かを判定する。この判定の結果、ピーク検出がない場合には、ステップS63に戻り、前述の動作を繰り返す。
ステップS65における判定の結果、ピーク検出された場合には、合焦エリアの決定を行う(S67)。ここでは、各AFエリアのピーク判定結果に基づいて、合焦エリアを決定する。例えば、顔検出し、検出された顔の位置について焦点検出する場合には、顔の含まれるAFエリアのピークを検出した場合には、そのAFエリアを合焦エリアとして決定する。また、特にAFエリアの指定がない場合には、複数のAFエリアの中から至近側の被写体が含まれるAFエリアを合焦エリアとして決定する。ステップS67における判定の結果、合焦エリアが決定されない場合には、ステップS63に戻り、前述の動作を繰り返す。
一方、ステップS67における判定の結果、合焦エリアが決定された場合には、合焦位置を算出する(S69)。ここでは、合焦エリアで検出されたピーク位置の前後3点を用いて、補間演算により合焦位置を算出する。これは、通常、素早くピントを合わせるため、AF評価値を繰り返し取り込む間にレンズ駆動する量は、撮影時に許容されるピントずれ量より大きくなるからである。
合焦位置を算出すると、合焦位置駆動を行う(S71)。ここでは、BCPU60はLCPU30に対して、ステップS69において算出された合焦位置に向けてフォーカスレンズを駆動するように制御信号を出力する。合焦位置に駆動されると、合焦フラグに「1」をセットする。この合焦フラグ「1」は、前述したステップS27(図7参照)において、判定に使用される。合焦位置に駆動すると、コントラストAFのフローを終了し、元のフローに戻る。なお、フローチャートには明示しないが、青空のように低コントラストの被写体でAFする場合のように、明確にピント位置を判断するのが困難な場合は、「非合焦」として合焦フラグを「0」にする。
このように、本実施形態においては、撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力し(S55の説明参照)、画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアを設定し(S51)、撮影レンズの歪曲収差データに基づいてAFエリアの大きさを設定し(図3(a)参照)、撮像素子の出力する画素信号の内、設定されたAFエリアからの画素信号に基づいて、積算値を算出する(図2参照)。そして、撮影レンズ21の歪曲収差データに基づいて設定されたAFエリアの大きさの応じた補正係数(図4参照)によってAF評価値(積算値)を補正するようにしている。このため、撮影レンズの収差を画像処理によって除去する場合に比べて、簡単な回路構成で効果的に収差の影響を軽減して焦点検出ができる。
次に、図9に示すフローチャートを用いて、図6に示したマウント処理の変形例を説明する。本発明の一実施形態においては、各AFエリアの位置、大きさ等をカメラ本体11側で歪曲収差データに基づいて算出し、設定していた。これに対して、本変形例では、AFエリアの設定をレンズ鏡筒12側で行い、その結果をカメラ本体11が受信し、このAFエリアに基づいて、焦点検出を行うようにしている。
図9に示すマウント処理のフローは、ステップS1〜S13、S17〜S19は、図6のフローと同様であることから詳しい説明を省略する。図9に示すマウント処理のフローに入り、ステップS13において、レンズ光学情報を取得すると、AFエリア設定通知送信を行う(S14)。ここでは、BCPU60からLCPU30に対して、歪曲収差データに基づいて、各AFエリアの位置、面積等を算出し、BCPU60に送信するように要求する。
AFエリア設定通知送信を行うと、次に、AFエリア指示情報取得通信を行う(S16)。ここでは、LCPU30が設定したAFエリアの情報を取得する。ここで、取得したAFエリア情報に基づいて、前述のステップS51におけるAFエリアの設定を行う。
AFエリア指示情報取得通信を行うと、図6のフローと同様に、撮影情報を表示し(S17)、撮影待機状態となる(S19)。
このように、本変形例においては、レンズ鏡筒12側でAFエリアの大きさや位置等の算出を行っている。歪曲収差データは、レンズ鏡筒毎に異なっているため、歪曲収差データの送受信およびカメラ本体11側で演算またはテーブル参照等を行うと煩雑になる。これに対して、レンズ鏡筒11で、そのレンズ鏡筒に応じた歪曲収差データに基づいてAFエリアの大きさや位置を算出することから、簡単な構成となる。
なお、メモリ31には予め標準的なAFエリア配置情報が記憶されており、LCPU30はメモリ31から標準的なAFエリア配置情報を読み出し、標準的なAFエリア配置情報と歪曲収差データに基づいて適用するAFエリアの大きさや位置等を算出する。また、メモリ31には、標準的なAF配置情報と歪曲収差データに基づいて算出された適用するAFエリアの大きさや配置を記憶させておいてもよい。LCPU30は、メモリ31に記憶されている適用されるAFエリアの大きさ等の配置情報を読み出してBCPU60に送信する。あるいは、LCPU30は、BCPU60との通信によりカメラ本体11に固有なAFエリア情報や、現在の動作モードで設定されているAFエリア情報を取得し、このAFエリア情報と歪曲収差データに基づいて適用するAFエリアの大きさや位置等の配置情報を算出してもよい。
なお、本変形例では、図2に示した機能ブロック図においては、レンズ情報取得部109は、LCPU30が算出したAFエリア情報を取得し、この取得したAFエリア情報に基づいて、多点エリア設定部111がAFエリアの設定を行う。
また、図1に示したメモリ31は、撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部として機能する。通信コネクタ35は、カメラ本体へ、AFエリア配置情報を送信するレンズ通信部と、レンズ通信部からAFエリア配置情報を受信する本体通信部して機能する。多点エリア設定部111は、AFエリア配置情報に基づいてAFエリアの配置を設定するAFエリア配置設定部として機能する。エリア積算部105とエリア面積補正部107は、AFエリア配置設定部によって配置を設定された上記AFエリアに関して撮像素子の出力する画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部として機能する。
以上説明したように、本発明の一実施形態や変形例においては、撮影レンズの歪曲収差データに基づいて、AFエリアの大きさ、位置等を設定し、この設定したAFエリアについて、AFエリアの大きさに応じて補正したAF評価値を算出して焦点検出を行っている。このようにして各AFエリアに含まれる被写体を正確に反映したAF評価値を算出することができる。また、AFエリアの大きさ、位置を変えるだけで済むので、回路構成やソフトウエアを簡単にすることができ、迅速に処理することができる。
なお、本発明の一実施形態や変形例においては、各AFエリアを図3(a)に示すように、隣接させている。しかし、これに限らず、各AFエリアを離すように配置してもよい。また、各AFエリアを長方形としたが、形状はこれに限られない。
また、本発明の一実施形態や変形例においては、撮影レンズの歪曲収差を光学的に除去せず、画像データに対して画像処理を行うことによって歪曲収差による影響を除去していた。しかし、これに限らずの他の光学収差による影響についても同様に画像処理で除去するようにしてもよい。また、図2に示した機能ブロック図は、ソフトウエアで実行するようにしていたが、全部または一部をハードウエアで構成しても勿論かまわない(例えば、画像処理コントローラ62の内部等)。フィルタ処理部103は、コントラストAFを実現できる信号処理であれば、特性(バンドパスフィルタなど)や構成(FIR(Finite Impulse Response Filter)やIIR(Infinite Impulse Response Filter)など)を問わない。図3では樽型の歪曲収差が生じている場合を例に説明したが、糸巻型や、さらに複雑な陣笠型の歪曲収差を持つレンズに適用しても構わない。
また、撮像素子ユニット54内の撮像素子として、撮像用画素の他に、位相差検出方式により焦点検出を行うための焦点検出用画素を設けた撮像素子を採用してもよい。撮影レンズ21の歪曲収差データに基づいて設定されたAFエリアに含まれる焦点検出用画素の出力に基づいて位相差検出演算を行い、その結果検出されるデフォーカス量をAF評価値として算出する場合に適用してもよい。
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、AFエリアを設け、AF評価値で焦点検出を行うための機器であれば、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11・・・カメラ本体、12・・・レンズ鏡筒、21・・・撮影レンズ、22・・・絞り、23・・・レンズ枠、24・・・レンズ駆動機構、25・・・レンズ駆動回路、27・・・絞り駆動機構、30・・・レンズ制御用マイクロコンピュータ(LCPU)、31・・・メモリ、35・・・通信コネクタ、52・・・シャッタ、53・・・光学ローパスフィルタ(OLPF)、54・・・撮像素子ユニット、56・・・シャッタ制御回路、57・・・シャッタチャージ機構、61・・・撮像素子インターフェース回路、62・・・画像処理コントローラ、63・・・SDRAM、64・・・フラッシュROM、65・・・記憶メディア、66・・・電子ビューファインダ(EVF)、71・・・ストロボ制御回路、72・・・ストロボ、75・・・手ブレ補正ユニット、77・・・動作表示用LCD、78・・・カメラ操作SW、80・・・電源回路、101・・・Y生成部、103・・・フィルタ処理部、105・・・エリア積算部、107・・・エリア面積補正部、109・・・レンズ情報取得部、111・・・多点エリア設定部

Claims (10)

  1. 撮影レンズを含むレンズ部と、
    上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力する撮像素子と、
    上記撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶するAFエリア記憶部と、
    上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、
    上記歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定するAFエリア補正部と、
    上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア補正部によって補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、
    を具備することを特徴とする焦点検出装置。
  2. 上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、上記AF評価値を補正することを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データを記憶することを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  4. 撮影レンズを含むレンズ部と、該レンズ部を着脱可能であり、上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光して光電変換し画素信号を出力する撮像素子を有する本体部と、から構成されるカメラシステムにおいて、
    上記レンズ部は、
    上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、
    上記カメラ本体へ、上記歪曲収差データを送信するレンズ通信部と、
    を有し、
    上記本体部は、
    上記撮像素子の出力する画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶するAFエリア記憶部と、
    上記レンズ通信部からの歪曲収差データを受信する本体通信部と、
    上記歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定するAFエリア補正部と、
    上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア補正部によって補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、
    を具備することを特徴とするカメラシステム。
  5. 上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、上記AF評価値を補正することを特徴とする請求項4に記載のカメラシステム。
  6. 上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データを記憶することを特徴とする請求項4に記載のカメラシステム。
  7. 撮影レンズを含むレンズ部と、該レンズ部を着脱可能であり、上記撮影レンズにより集光される被写体光を受光して光電変換し画素信号を出力する撮像素子を有する本体部と、から構成されるカメラシステムにおいて、
    上記レンズ部は、
    上記撮影レンズの歪曲収差データを記憶する記憶部と、
    上記撮影レンズの歪曲収差データに応じたAFエリア配置情報を算出する算出部と、
    上記カメラへ、上記AFエリア配置情報を送信するレンズ通信部と、
    を有し、
    上記本体部は、
    上記レンズ通信部から上記AFエリア配置情報を受信する本体通信部と、
    上記AFエリア配置情報に基づいて上記AFエリアの配置を設定するAFエリア配置設定部と、
    上記撮像素子の出力する画素信号の内、上記AFエリア配置設定部によって配置を設定されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出するAF評価値算出部と、
    を具備することを特徴とするカメラシステム。
  8. 上記AF評価値算出部は、上記補正されたAFエリアの大きさの逆数に相当する係数により、AF評価値を補正することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
  9. 上記記憶部は、上記撮影レンズの複数の光学状態に対応する歪曲数差データを記憶することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
  10. 撮影レンズにより集光される被写体光を受光し光電変換して画素信号を出力し、
    上記画素信号に基づいて焦点検出を行うためのAFエリアの配置を記憶し、
    上記撮影レンズの歪曲収差データに基づいて上記AFエリアの配置を補正して設定し、
    上記撮像素子の出力する画素信号の内、補正されたAFエリアからの画素信号に基づいて、AF評価値を算出する、
    ことを特徴とする焦点検出方法。
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