JP2017008609A - 鋼構造物への構造用部材による増設構造および増設方法 - Google Patents

鋼構造物への構造用部材による増設構造および増設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】用途変更を必要とする既設の鋼構造物や腐食等により断面欠損した既設の鋼構造物に対して、ボルト接合や溶接接合を実施せずに、施工現場でも容易にかつ確実に必要な構造用部材を増設可能な構造および方法を提供する。【解決手段】鋼構造物と該鋼構造物に増設される構造用部材とが、強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されて形成された接合層を介して接合されていることを特徴とする、鋼構造物への構造用部材による増設構造、およびその構造用部材の増設を施工現場で実施可能な増設方法。【選択図】図5

Description

本発明は、鋼構造物への構造用部材による増設構造および増設方法に関し、とくに、用途変更を必要とする既設の鋼構造物や腐食等により断面欠損した既設の鋼構造物に対して、ボルト接合や溶接接合を実施せずに、施工現場でも容易にかつ確実に必要な構造用部材による増設が可能で、それによって既設の鋼構造物の望ましい性能の向上もしくは回復を行うことが可能な構造および方法に関する。
既設の鋼構造物の用途変更に伴ってその性能の向上をはかる場合、増設する鋼当て板等の構造用部材と母材(既設の鋼構造物)との接合に、ボルト接合や溶接接合を用いている。しかしこれらの方法においては、例えば、ボルト孔は断面欠損となること、また、溶接接合部には残留応力が導入されることから、母材に負担を掛け、新たな欠陥を与える恐れがある。さらに、増設する構造用部材が鋼製である場合には、重量が増加するため、設計で考慮すべき作用力が増加するだけでなく、施工現場の作業性に問題を生じることがある。
また、鋼構造物に断面欠損が生じている場合にそれを補強して性能の回復をはかる場合、例えば腐食等で減肉した鋼構造物を補強する場合、強化繊維シート、とくに炭素繊維シートを使い、減肉で失った分の剛性に相当する炭素繊維シートを貼り付けて性能を回復する技術が知られている。しかしながら、腐食面は補強用の強化繊維シートで覆われるため、補修後に腐食進展の観察ができないこと、また、補強部材がシート状であるため、剛性を向上させて補強する場合、積層数が増加し、不経済になることがある。さらに、鋼構造物に対し直接炭素繊維シートを貼り付けると、炭素繊維が導電性繊維であるため、電食を生じさせる恐れが生じるという問題もある。
先行技術として、例えば、特許文献1に記載のVaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法による構造物の補強方法が知られている。この技術は、強化繊維材を母材の表面に面的に配置して、減圧状態にて樹脂を強化繊維材に含浸、硬化させることにより構造物を補強するものであるが、従来の強化繊維シートを接着する方法の応用で、施工方法を変えたものである。したがって、従来のシートによる補強と同等の補強となるために、例えば、補強後に腐食面の観察ができないこと、補強部材がシート状であるため、剛性を向上させて補強する場合、積層数が増加して不経済になることなどの問題がある。
また、特許文献2には、プリプレグシートを使ったコンクリート構造物の補強方法が開示されている。この方法においては、増設部材がプリプレグシートであるため、品質は高いものの、加熱しながらの施工となるため、熱源設備などが必要となり、作業手順が煩雑になるという問題がある。
特表平10−513515号公報 特開平11−148230号公報
そこで本発明の課題は、用途変更を必要とする既設の鋼構造物や腐食等により断面欠損した既設の鋼構造物に対して、ボルト接合や溶接接合を実施せずに、施工現場でも容易にかつ確実に必要な構造用部材を増設可能で、それによって鋼構造物の望ましい性能の向上もしくは回復をはかることが可能な、鋼構造物への構造用部材による増設構造および増設方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造は、鋼構造物と該鋼構造物に増設される構造用部材とが、強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されて形成された接合層を介して接合されていることを特徴とする構造からなる。
このような本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造においては、増設される構造用部材が、強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されて形成された接合層の接着力を利用して、より具体的には強化繊維基材に含浸される樹脂の接着力を利用して、鋼構造物の所定部位に接合される。したがって、構造用部材の増設にボルト接合や溶接接合を採用する必要がなく、増設される構造用部材と母材としての既設の鋼構造物の両方にボルト孔による断面欠損や溶接接合による残留応力の問題を発生させずに、構造用部材を増設することが可能になる。また、接合層が強化繊維基材に樹脂が含浸されて形成されるので、構造用部材と既設の鋼構造物の両方の表面の凹凸に追従し、両者間の接合に必要な部位が確実に隙間なく接合層によって埋められることから、高い接着力の発現が可能になって強固な接合状態が得られる。また、この接合層は、強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化された繊維強化樹脂層として形成されたものであるから、接合層自体が高い強度、剛性を有することとなり、この面からも、構造用部材と鋼構造物間の強固な接合が達成される。さらに、例えば鋼構造物の減肉部位を補強する場合においては、増設される構造用部材および介在される接合層を適切な形状に形成しておけば、従来方法のように補強用シートを多層に積層する必要が無くなり、それによって経済的かつ効率の良い補強が可能になる。さらにまた、構造用部材を鋼構造物に直接接合するのではなく、所定の接合層を介して接合する形態とすることにより、増設される構造用部材の形状の自由度が著しく高くなり、各種の立体形状の採用が可能になる。例えばトラス構造を備えた立体形状を有する構造用部材を増設する場合には、鋼構造物に対して構造用部材の増設領域の全域にわたって接合層を設けず必要な部位のみに部分的に設ける形態も可能になり、そのような形態では、構造用部材の増設後にも鋼構造物の腐食面やその近傍を観察することができる増設構造の採用が可能になる。また、増設される構造用部材の形状の自由度が著しく高くなることから、施工上や製造上最も効率の良い構造用部材や、増設目的上最も高い効果が期待できる構造用部材を容易に設計できるようになる。
上記のような本発明に係る構造用部材による増設構造において、接合層としては、施工現場で上記鋼構造物に対し配置された上記強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されたものとすることができる。このように構成すれば、施工現場にて容易に必要な性能と構造を備えた強化繊維基材を準備して望ましい接合層を形成でき、施工の簡便化をはかることができる。また、前述したように、構造用部材と鋼構造物の両方の表面の凹凸に追従し、両者間の接合に必要な部位を確実に隙間なく接合層によって埋められることから、高い接着力の発現が可能になって、より強固な接合状態を得ることができる。
また、本発明に係る構造用部材による増設構造においては、上記構造用部材が接合層を介して鋼構造物に接合されるので、構造用部材としては、接合層とは独立して、容易に3次元立体形状を有する部材に構成することが可能になる。勿論、2次元形状の面状部材に構成することもできる。構造用部材として3次元立体形状を有する部材に構成することにより、より高い増設効果(例えば、補強や補剛の効果)の発現や、部材のハンドリングの向上による施工の簡便化を期待でき、とくに狭隘部における作業性が飛躍的に向上する。
また、本発明に係る構造用部材による増設構造において、上記構造用部材の材質としては特に限定されず、鋼製のもの、繊維強化プラスチック製のもの、プラスチック製のもの、コンクリート製のもののいずれも使用可能である。中でも、構造用部材の少なくとも一部が繊維強化プラスチック製であると、増設部位の高い強度、剛性を達成しつつ増設部位の軽量化をはかることができ、増設による補強・補剛の効果の向上、施工の簡便化を一層促進できる。また、構造用部材の少なくとも一部を構成する繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂と、上記接合層を形成するために上記強化繊維基材に含浸、硬化された樹脂を、同系統の樹脂(特に、同一の樹脂)とすることも可能であり、それによって、鋼構造物に直接接合される接合層とその接合層に接合される構造用部材とを、同系統のマトリックス樹脂により一体的な構造に構成することが可能になって、全体としてより安定した高強度、高剛性の鋼構造物への構造用部材による増設構造を実現することが可能になる。さらに、同系統の樹脂の使用により、現場での施工の簡便化も可能になる。なお、ここで「同系統の樹脂」とは、例えば、主剤が異なるエポキシ樹脂は同系統のエポキシ樹脂、主剤が異なるビニルエステル樹脂は同系統のビニルエステル樹脂、主剤が異なるフェノール樹脂は同系統のフェノール樹脂であることを意味する。
また、本発明に係る構造用部材による増設構造において、上記接合層を形成するために用いられる強化繊維基材としては、連続繊維もしくはカット繊維のいずれで構成されたものでもよく、さらにはそれらの組み合わせで構成されたものでもよい。そして、この強化繊維基材がシート形状を有するものであると、取扱いが容易であることから、とくに施工現場での作業性が向上する。
また、本発明に係る構造用部材による増設構造において、上記接合層を形成するために用いられる強化繊維基材の強化繊維としては、特に限定されないものの、非導電性繊維であると、鋼構造物に直接接合されることになる接合層による鋼構造物表面の電食発生が回避される。このような非導電性繊維として、代表的にはガラス繊維を使用できる。
本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設方法は、
鋼構造物の構造用部材増設面を機械的に表面処理する工程と、
鋼構造物の構造用部材増設面に接合層形成用強化繊維基材と構造用部材形成用材料を仮留めする工程と、
少なくとも前記接合層形成用強化繊維基材を密封し、密封内部を減圧する工程と、
減圧された密封内部に樹脂を注入する工程と、
樹脂注入後に、注入された樹脂を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする方法からなる。
このような本発明に係る構造用部材による増設方法においては、上記の全工程を施工現場で行うことが可能である。施工現場で上記の全工程を実施することにより、接合層と増設される構造用部材を容易に適切な形状に形成することが可能になる。
また、上記本発明に係る構造用部材による増設方法においては、上記構造用部材形成用材料として、3次元立体形状を有する材料を使用することができ、それによって、前述したような3次元立体形状を有する構造用部材を容易に形成でき、より高い増設効果の発現や、部材のハンドリングの向上による施工の簡便化が期待できる。
また、上記本発明に係る構造用部材による増設方法においては、上記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を強化繊維基材で形成し、上記密封・減圧工程において、少なくとも上記接合層形成用強化繊維基材と上記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を形成する強化繊維基材を密封することもできる。このようにすれば、上記樹脂注入工程において、上記接合層形成用強化繊維基材と上記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を形成する強化繊維基材とに実質的に同時に樹脂を注入することが可能になる。この樹脂の実質的同時注入により、接合層形成用と構造用部材形成用の両強化繊維基材への樹脂注入が容易になり、構造用部材による増設方法の全体としても簡便化される。また、樹脂注入、硬化により形成される接合層と構造用部材の少なくとも一部が、同じマトリックス樹脂を介して一体的に成形されることになり、一体化構造によるより高い増設効果の発現が期待できる。
また、上記本発明に係る構造用部材による増設方法においては、上記接合層形成用強化繊維基材として、連続繊維もしくはカット繊維で構成されたもの、さらにはそれらを組み合わせて構成されたもののいずれも使用可能であり、かつ、シート形状を有する強化繊維基材を用いることができる。前述したように、この強化繊維基材がシート形状を有するものであると、取扱いが容易であることから、とくに施工現場での作業性が向上する。
また、上記本発明に係る構造用部材による増設方法においては、上記樹脂硬化工程において、樹脂を常温で硬化させることが好ましい。換言すれば、常温硬化型の樹脂を用いることが好ましい。このようにすれば、従来のプリプレグシートを使用する補強方法のような加熱しながらの施工は不要であり、そのための熱源設備なども不要となって、作業手順、とくに施工現場での作業手順が簡素になる。
このように、本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造および増設方法によれば、用途変更を必要とする既設の鋼構造物や断面欠損した既設の鋼構造物に対し、ボルト接合や溶接接合を実施せずに、容易にかつ確実に必要な構造用部材を増設することが可能になり、構造用部材の増設によって既設の鋼構造物の望ましい性能の向上もしくは回復を行うことが可能になる。とくに、施工現場で作業性が向上するため、費用的に安価に望ましい構造用部材による増設構造および増設方法の実現が可能になる。
本発明の一実施態様に係る鋼構造物への構造用部材による増設方法の一工程の一例を示す概略断面図である。 図1に示した工程の次の工程の一例を示す概略断面図である。 図2に示した工程の次の工程の一例を示す概略断面図である。 図3に示した工程の次の工程の一例を示す概略断面図である。 図1〜図4に示した一連の工程により完成された構造用部材による増設構造の一例を示す概略断面図である。 本発明の別の実施態様に係る鋼構造物への構造用部材による増設方法の一工程の一例を示す概略断面図である。 図6に示した工程の次の工程の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造における構造用部材形成用材料の端部処理の一例を示す概略部分断面図である。 本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造における構造用部材形成用材料の端部処理の別の例を示す概略部分断面図である。 本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造の適用例を示す概略斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施態様に係る鋼構造物への構造用部材による増設方法を示しており、図1はその増設方法における最初の工程例を示している。図1において、符号1は、構造用部材による増設の対象となる鋼構造物を示しており、この鋼構造物1の構造用部材増設面1aが、機械的に表面処理される。例えば、図示の如く、サンドブラスター、ディスクグラインダー等を用いて、構造用部材増設面1aの表面に目粗し加工が施される。構造用部材増設面1aの表面に適度な目粗し加工を施すことにより、後述の接合層との接着が安定し、接着力が高められる。
次に、図2に示すように、上記のように表面処理された鋼構造物1の構造用部材増設面1aに、接合層形成用強化繊維基材2と構造用部材形成用材料3がこの順に設置され、適当な手法(例えば、部分的に接着剤を付与して仮接着したり、適当な仮固定治具(図示略)によって仮固定したりする手法)により仮留めされる。図示例では、接合層形成用強化繊維基材2はシート状あるいは薄板状の形状を有しているが、図示の形状には限定されず、例えば、部分的に断続したシート状あるいは薄板状の形状、凹凸状やジグザグ状に延びる形状なども採用可能である。接合層形成用強化繊維基材2の強化繊維には連続繊維もしくはカット繊維、あるいはそれらの組み合わせ形態が使用されている。強化繊維としては、本実施態様では非導電性繊維(例えば、ガラス繊維)が用いられているが、構造用部材増設面1aの電食の発生が問題とならない場合には導電性繊維(例えば、炭素繊維)を用いることも可能である。また、図示例では、構造用部材形成用材料3は、3次元立体形状を有する断面逆T字形状の強化繊維基材(例えば、プリフォームの形態の強化繊維基材)が用いられているが、これに限定されず、増設予定の構造用部材に応じて、他の断面形状のものも採用でき、また材質としても、全体が強化繊維基材で構成されたものに限らず、一部が樹脂未含浸の強化繊維基材として構成され、他の部分がそれ以外の材質(例えば、成形された繊維強化プラスチック、鋼材、プラスチック、木材、コンクリート等)で構成されたものも採用でき、さらには、構造用部材形成用材料3の全体が強化繊維基材以外の材料で構成されたものも採用可能である。
次に、図3に示すように、少なくとも上記接合層形成用強化繊維基材2を密封するが、本実施態様では、上記接合層形成用強化繊維基材2と上記断面逆T字形状の強化繊維基材からなる構造用部材形成用材料3の両方を、可撓性シート状物で、とくに図示例ではバギングフィルム4で覆って内部を密封する。この密封に際し、密封のシール性を高めるために、鋼構造物1の表面上における接合層形成用強化繊維基材2の周囲にシール材5を配置し、該シール材5と接合層形成用強化繊維基材2の端部との間に、後の工程における注入樹脂道を形成するための樹脂流路形成材6を配置する。また、密封内部を減圧する際の排気路を形成するために、本実施態様では図3における密封内部7の頂部に排気路形成材8を配置する。排気路形成材8には排気用のチューブまたはパイプ9を介して真空ポンプ10を接続し、該真空ポンプ10の作動による密封内部7からの排気により、密封内部7を減圧する。
次に、図4に示すように、液状の樹脂11を収容した容器12から、樹脂注入用のチューブまたはパイプ13を介して、上記樹脂流路形成材6を通して減圧された密封内部7に樹脂を注入する。このとき、真空ポンプ10の作動は継続していることが好ましく、本実施態様では、樹脂流路形成材6を通して注入された樹脂は、接合層形成用強化繊維基材2、強化繊維基材からなる構造用部材形成用材料3内に含浸されつつ、密封内部7を樹脂の流れ方向14(矢印)で示すように排気路形成材8に向かって流れ、密封内部7に樹脂が充満されると、やがて、注入された樹脂の一部がチューブまたはパイプ9内にまで到達する。したがって、密封内部7への樹脂の充満は、チューブまたはパイプ9内への樹脂排出で判断できる。このように、樹脂の注入、各強化繊維基材2、3への含浸が完了したら、真空ポンプ10の作動を停止するとともに、各チューブまたはパイプ9、13を潰すか、切り離し、密封内部7の減圧状態を維持したまま、注入、含浸された樹脂を硬化させる。このとき、常温硬化型の樹脂を使用していると、常温下での自然硬化が可能である。
上記のように、接合層形成用強化繊維基材2に注入樹脂が含浸、硬化されると、図5に示すように繊維強化プラスチック(FRP)からなる接合層15が構成され、強化繊維基材からなる構造用部材形成用材料3に注入樹脂が含浸、硬化されると、FRPからなる構造用部材16が構成される。また、この注入樹脂含浸、硬化後には、基本的には、不要なもの、つまり、バギングフィルム4、シール材5、樹脂流路形成材6、排気路形成材8等は除去されるが、残しておいても支障のない場合には、一部の部材をそのまま残しておくことも可能である。不要部材を除去した後には、図5に示すような鋼構造物1への構造用部材16による増設構造17が完成する。構造用部材16は専用の接合層15を介して鋼構造物1に接合されるので、強固な接合が可能になるとともに、構造用部材16自体の形状、構造の自由度が高められ、容易に最適な3次元形状の採用も可能になり、増設による補強・補剛の効果が高められる。また、鋼構造物1の構造用部材増設面1aに適度な目粗し加工が施されているので、接合層15との接着が安定化されるとともに、接着力が高められている。さらに、本実施態様では、接合層15と増設される構造用部材16の両方が強化繊維基材を使用した繊維強化プラスチックに構成されるので、増設部全体の軽量化がはかられるとともに、施工の簡便化が促進される。加えて、両強化繊維基材に同じ樹脂が注入、含浸されるので、作業性が向上するとともに、接合層15と構造用部材16が同じマトリックス樹脂を介して一体的に形成されることになり、増設部材の施工品質の向上も可能になる。
図6、図7は、本発明の別の実施態様に係る鋼構造物への構造用部材による増設方法を示している。本実施態様において、鋼構造物1の構造用部材増設面1aの機械的な表面処理は、前述の図1に示したのと同様の方法で行われる。そして、本実施態様における、鋼構造物1の構造用部材増設面1aに接合層形成用強化繊維基材と構造用部材形成用材料を仮留めする工程においては、図6に示すように、接合層形成用強化繊維基材2としては図2に示したのと同様の強化繊維基材2を使用するが、その上に設けられる構造用部材形成用材料21としては、予め成形された所定形状(図示例では断面逆T字形状)のFRP部材22とそれを覆うように設けられた強化繊維基材23との複合形態をなす構造用部材形成用材料21で構成される。このような接合層形成用強化繊維基材2と構造用部材形成用材料21を、図6に示すように構造物1の構造用部材増設面1a上に仮留めする。
次に、図7に示すように、図3に示したのと同様の方法で、仮留めされている接合層形成用強化繊維基材2と構造用部材形成用材料21の両方を、バギングフィルム4で覆って内部を密封し、密封内部7を減圧する。この密封、減圧に際しては、図3に示したのと同様に、シール材5、樹脂流路形成材6、排気路形成材8を配置し、該排気路形成材8に排気用のチューブまたはパイプ9を介して真空ポンプ10を接続し、該真空ポンプ10の作動により密封内部7を減圧する。次の樹脂注入工程と、注入樹脂硬化工程は、図4に示したのと同様の方法で実施する。
このように、構造用部材形成用材料21としては部分的に樹脂未含浸の強化繊維基材で構成された材料を用いることができる。さらに図示は省略するが、前述したように、構造用部材形成用材料として、強化繊維基材を全く使用しない材料で構成することも可能であり、そのような場合には、密封、減圧工程では、少なくとも接合層形成用強化繊維基材部位を密封して密封内部を減圧するようにしてもよいし、構造用部材形成用材料も含めて密封し密封内部を減圧するようにしてもよい。
本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造においては、細部について各種の工夫を加えることが可能である。例えば、図8、図9に、構造用部材形成用材料の端部処理の例を、図2に示した構造に関して示す。図8に示す例では、鋼構造物1の構造用部材増設面1a上に設けられた接合層形成用強化繊維基材2上に仮留めされる、強化繊維基材からなる構造用部材形成用材料3の端部3aは、構造用部材増設面1aに対し直角な端面に形成されているが、図9に示す例では、強化繊維基材からなる構造用部材形成用材料31の端部31aがテーパー状の端面に形成されている。図9に示すようにテーパー状の端面に形成しておけば、強化繊維基材に樹脂を含浸、硬化させた成形後の構造用部材における端部の応力集中の低減が可能になり、増設した構造用部材のはく離に対する抵抗強度を向上させることができる。
本発明に係る鋼構造物への構造用部材による増設構造は、各種の既設の鋼構造物に対して、用途変更を必要とする場合や腐食等により断面欠損した鋼構造物の性能の向上もしくは回復を行う場合に適用可能である。例えば図10に一例を示すように、既設鋼構造物41に腐食部42が生じている場合に、その部位およびその周囲部を補強するために、前述のような増設方法により、とくに施工現場で、図示のような構造用部材43を容易に効率よく増設することができる。
本発明は、性能の向上もしくは回復が望まれるあらゆる既設の鋼構造物に適用可能であり、とくに現場で容易に施工することが望まれる場合に好適である。
1 鋼構造物
1a 構造用部材増設面
2 接合層形成用強化繊維基材
3、21、31 構造用部材形成用材料
3a、31a 端部
4 バギングフィルム
5 シール材
6 樹脂流路形成材
7 密封内部
8 排気路形成材
9、13 チューブまたはパイプ
10 真空ポンプ
11 樹脂
12 容器
14 樹脂の流れ方向
15 接合層
16 構造用部材
17 鋼構造物への構造用部材による増設構造
22 FRP部材
23 強化繊維基材
41 既設鋼構造物
42 腐食部
43 構造用部材

Claims (15)

  1. 鋼構造物と該鋼構造物に増設される構造用部材とが、強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されて形成された接合層を介して接合されていることを特徴とする鋼構造物への構造用部材による増設構造。
  2. 前記接合層が、施工現場で前記鋼構造物に対し配置された前記強化繊維基材に樹脂が含浸、硬化されたものからなる、請求項1に記載の構造用部材による増設構造。
  3. 前記構造用部材が、3次元立体形状を有する、請求項1または2に記載の構造用部材による増設構造。
  4. 前記構造用部材の少なくとも一部が繊維強化プラスチックで構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の構造用部材による増設構造。
  5. 前記構造用部材の少なくとも一部を構成する繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂と、前記接合層を形成するために前記強化繊維基材に含浸、硬化された樹脂が、同系統の樹脂からなる、請求項4に記載の構造用部材による増設構造。
  6. 前記接合層を形成するために用いられる強化繊維基材が、連続繊維もしくはカット繊維で構成され、シート形状を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の構造用部材による増設構造。
  7. 前記接合層を形成するために用いられる強化繊維基材の強化繊維が、非導電性繊維からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の構造用部材による増設構造。
  8. 前記非導電性繊維がガラス繊維からなる、請求項7に記載の構造用部材による増設構造。
  9. 鋼構造物の構造用部材増設面を機械的に表面処理する工程と、
    鋼構造物の構造用部材増設面に接合層形成用強化繊維基材と構造用部材形成用材料を仮留めする工程と、
    少なくとも前記接合層形成用強化繊維基材を密封し、密封内部を減圧する工程と、
    減圧された密封内部に樹脂を注入する工程と、
    樹脂注入後に、注入された樹脂を硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする、鋼構造物への構造用部材による増設方法。
  10. 前記全工程を施工現場で行う、請求項9に記載の構造用部材による増設方法。
  11. 前記構造用部材形成用材料として、3次元立体形状を有する材料を使用する、請求項9または10に記載の構造用部材による増設方法。
  12. 前記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を強化繊維基材で形成し、前記密封・減圧工程において、少なくとも前記接合層形成用強化繊維基材と前記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を形成する強化繊維基材を密封する、請求項9〜11のいずれかに記載の構造用部材による増設方法。
  13. 前記樹脂注入工程において、前記接合層形成用強化繊維基材と前記構造用部材形成用材料の少なくとも一部を形成する強化繊維基材とに実質的に同時に樹脂を注入する、請求項12に記載の構造用部材による増設方法。
  14. 前記接合層形成用強化繊維基材として、連続繊維もしくはカット繊維で構成され、シート形状を有する強化繊維基材を用いる、請求項9〜13のいずれかに記載の構造用部材による増設方法。
  15. 前記樹脂硬化工程において、樹脂を常温で硬化させる、請求項9〜14のいずれかに記載の構造用部材による増設方法。
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