JP2017007731A - 容器、容器の製造方法、蓄熱セル、衣類用又は食器用の洗浄機、衣類用又は食器用の乾燥機、暖房器具、冷蔵庫、車両用暖房器具、及び植物栽培用温室 - Google Patents
容器、容器の製造方法、蓄熱セル、衣類用又は食器用の洗浄機、衣類用又は食器用の乾燥機、暖房器具、冷蔵庫、車両用暖房器具、及び植物栽培用温室 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】積層フィルムの端部を保護するのに有利な容器を提供する。【解決手段】本開示の容器(60)は、第一積層フィルム(10a)と、第二積層フィルム(10b)とを備える。第一積層フィルム(10a)は、第一バリア層(1a)と、第一熱可塑性樹脂層(11)と、第二熱可塑性樹脂層(12)とを有する。第二積層フィルム(10b)は、第二バリア層(1b)と、第三熱可塑性樹脂層(13)と、第四熱可塑性樹脂層(14)とを有する。容器の内部空間(50)が、第二熱可塑性樹脂層(12)と第三熱可塑性樹脂層(13)との間に形成されている。第一積層フィルム(10a)の端部及び第二積層フィルム(10b)の端部において、第二熱可塑性樹脂層(12)と第三熱可塑性樹脂層(13)とが一体化されている。また、第一熱可塑性樹脂層(11)と第四熱可塑性樹脂層(14)とが一体化されている。【選択図】図2A
Description
本開示は、容器、容器の製造方法、蓄熱セル、衣類用又は食器用の洗浄機、衣類用又は食器用の乾燥機、暖房器具、冷蔵庫、車両用暖房器具、及び植物栽培用温室に関する。
従来から、複数のフィルムが積層されている積層フィルム同士をヒートシールすることによって製造された容器が知られている。
図21に示すように、特許文献1には、食品用の密封包装体1000が記載されている。密封包装体1000は、ヒートシール用フィルム内層1001と、ガスバリア性基体1002と、保護樹脂層1003とを有する2つの積層フィルムを備える。ヒートシール用フィルム内層1001は、界面活性剤が配合されたオレフィン樹脂で形成されている。2つの積層フィルムのヒートシール用フィルム内層1001が内面となるように2つの積層フィルムが重ね合せられ、食品収容部1005の周囲がヒートシールされてヒートシール部1006が形成されている。ヒートシール部1006には、易剥離性融着界面1007が形成されている。
特許文献1に記載の密封包装体1000は、積層フィルムの端部を保護する観点から改良の余地を有する。そこで、本開示は、積層フィルムの端部を保護するのに有利な容器を提供する。
本開示は、
内容物を内包保持している容器であって、
第一積層フィルムと、第二積層フィルムとを備え、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記内容物が保持されている前記容器の内部空間が、前記第一積層フィルムの前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第二積層フィルムの前記第三熱可塑性樹脂層によって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に形成され、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが重なっており、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されており、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている、
容器を提供する。
内容物を内包保持している容器であって、
第一積層フィルムと、第二積層フィルムとを備え、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記内容物が保持されている前記容器の内部空間が、前記第一積層フィルムの前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第二積層フィルムの前記第三熱可塑性樹脂層によって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に形成され、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが重なっており、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されており、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている、
容器を提供する。
上記の容器は、第一積層フィルムの端部及び第二積層フィルムの端部を保護するのに有利である。
特許文献1に記載の密封包装体1000の端部において、ヒートシール用フィルム内層1001、ガスバリア性基体1002、及び保護樹脂層1003のそれぞれの端面が露出している。このため、積層フィルムの端部の保護が十分であるとは言い難い。例えば、密封包装体1000のような積層フィルムの端部同士をヒートシールして形成された容器を液体中で使用する場合を考える。この場合、積層フィルム同士がヒートシールされた部分又はガスバリア性基体が積層フィルムの端から腐食して劣化し、容器の内部空間に保持された内容物が劣化する可能性がある。このため、積層フィルムの端部を保護するのに有利な容器が求められている。
本開示の第1態様は、
内容物を内包保持している容器であって、
第一積層フィルムと、第二積層フィルムとを備え、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記内容物が保持されている前記容器の内部空間が、前記第一積層フィルムの前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第二積層フィルムの前記第三熱可塑性樹脂層によって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に形成され、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが重なっており、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されており、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている、
容器を提供する。
内容物を内包保持している容器であって、
第一積層フィルムと、第二積層フィルムとを備え、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記内容物が保持されている前記容器の内部空間が、前記第一積層フィルムの前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第二積層フィルムの前記第三熱可塑性樹脂層によって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に形成され、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが重なっており、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されており、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている、
容器を提供する。
第1態様によれば、第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている。このため、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とが一体化されて形成された接合部によって、第一積層フィルムの各層の端面及び第二積層フィルムの各層の端面が覆われる。これにより、第一積層フィルムの端部及び第二積層フィルムの端部を有利に保護できる。その結果、第一バリア層及び第二バリア層によって発揮されるガスバリア性など第一積層フィルム及び第二積層フィルムが果たすべき機能を長期間維持できる。また、容器に内包保持されている内容物が容器の外部に存在する物質と接触することを抑制して内容物を安定的に保持できる。特に容器が液体に接触する場合に第一積層フィルムの端部及び第二積層フィルムの端部を有利に保護できる。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されている位置は、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている位置よりも、前記内容物に近い、容器を提供する。第2態様によれば、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とが一体化されて形成された接合部によって、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層とが一体化されて形成された接合部を、保護できる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記内部空間は、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されていることによって密閉されている、容器を提供する。第3態様によれば、第一積層フィルムの端部の一部及び第二積層フィルムの端部の一部において、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とが一体化されていないときでも、内部空間を密閉できる。例えば、容器が液体中で使用される場合に、第一積層フィルムの端部及び第二積層フィルムの端部のうち、液体に浸らない部分において、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層との一体化を省略できる。
本開示の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に加えて、前記内部空間は、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されていることによって密閉されている、容器を提供する。第4態様によれば、例えば、内部空間の圧力の変動を緩和するために、第一積層フィルムの端部の一部及び第二積層フィルムの端部の一部において、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層とが一体化されていないような場合でも、内部空間を密閉できる。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、それぞれ、200℃以下の融点を有する樹脂である、容器を提供する。第5態様によれば、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層との一体化に加えて、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層との一体化を容易にかつ確実に行うことができる。
本開示の第6態様は、第1態様〜第5態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、それぞれ、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂のいずれかである、容器を提供する。第6態様によれば、第一熱可塑性樹脂層、第二熱可塑性樹脂層、第三熱可塑性樹脂層、及び第四熱可塑性樹脂層のそれぞれが耐水性、耐薬品性、及び電気絶縁性に優れ、内容物を長期間安定的に保持できる。
本開示の第7態様は、第1態様〜第6態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第二熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と前記第三熱可塑性樹脂層を形成する樹脂とが同一種類の樹脂であり、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂とが同一種類の樹脂である、容器を提供する。第7態様によれば、第二熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と第三熱可塑性樹脂層を形成する樹脂との親和性が高くなりやすく、第一熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂との親和性が高くなりやすい。これにより、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とが一体化されて形成された接合部の強度が高くなりやすく、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層とが一体化されて形成された接合部の強度が高くなりやすい。
本開示の第8態様は、第1態様〜第7態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第一バリア層の酸素透過度及び前記第二バリア層の酸素透過度は、それぞれ、10ml/(m2・day・atm)以下である、容器を提供する。第8態様によれば、第一バリア層及び第二バリア層のそれぞれが低い酸素透過度を有するので、内容物の劣化を防止しやすい。
本開示の第9態様は、第1態様〜第8態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、それぞれ、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、及びポリアミド系樹脂フィルムからなる群から選択された少なくとも1つの材料で形成されている、容器を提供する。第9態様によれば、第一バリア層及び第二バリア層のそれぞれが低い酸素透過度を有するので、内容物の劣化を防止しやすい。
本開示の第10態様は、第1態様〜第9態様のいずれか1つの態様に加えて、
前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムが、連続した1つの積層フィルムの互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、連続した1つのバリア層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第三熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第一連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層及び前記第四熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第二連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されている、
容器を提供する。
前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムが、連続した1つの積層フィルムの互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、連続した1つのバリア層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第三熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第一連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層及び前記第四熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第二連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されている、
容器を提供する。
第10態様によれば、連続した1つの積層フィルムによって容器を製造でき、容器の周縁の一部において、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とを一体化させることなく、積層フィルムの各層の端面が露出することを防止できる。
本開示の第11態様は、第1態様〜第10態様のいずれか1つの態様に加えて、前記第一積層フィルムは、第一バリア層と前記第一熱可塑性樹脂層との間、若しくは、前記第一バリア層と前記第二熱可塑性樹脂層との間に位置する、第一中間樹脂層をさらに有する、又は、前記第二積層フィルムは、第二バリア層と前記第四熱可塑性樹脂層との間、若しくは、前記第二バリア層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に位置する、第二中間樹脂層をさらに有する、容器を提供する。第11態様によれば、第一中間樹脂層又は第二中間樹脂層が有する特性により、容器が発揮する機能を向上させ、又は、容器が発揮する機能を多様化できる。
本開示の第12態様は、第11態様に加えて、前記第一中間樹脂層及び前記第二中間樹脂層は、それぞれ、延伸ナイロンフィルムによって形成されている、容器を提供する。第12態様によれば、延伸ナイロンフィルムは高い展延性を有するので、第一積層フィルム又は第二積層フィルムに鋭利な固体が触れても、第一積層フィルム又は第二積層フィルムに穴が空きにくい。
本開示の第13態様は、
内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが揃い、かつ、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法を提供する。
内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが揃い、かつ、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法を提供する。
本開示の第13態様によれば、第一積層フィルムの端部と第二積層フィルムの端部とが揃うように第一積層フィルムと第二積層フィルムとが重ねられる。このため、第一熱可塑性樹脂層と第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる直前に、第一積層フィルムと第二積層フィルムとを切断する必要がない。このため、容器の製造中に発生する廃棄物の量が少ない。
本開示の第14態様は、
内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの前記内部空間を形成すべき部分の外周で前記第一積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第一積層フィルムの周縁部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧し、かつ、前記第一積層フィルムの前記周縁部と向かい合って前記第二積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第二積層フィルムの周縁部において、前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記内部空間が形成されるように前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、
前記内部空間の外周において、前記第一積層フィルムの切断面と前記第二積層フィルムの切断面とが揃うように、前記第一積層フィルムの前記周縁部に沿って、前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムを切断し、
前記第一積層フィルムの前記切断面に接する前記第一積層フィルムの端部及び前記第二積層フィルムの前記切断面に接する前記第二積層フィルムの端部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法を提供する。
内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの前記内部空間を形成すべき部分の外周で前記第一積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第一積層フィルムの周縁部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧し、かつ、前記第一積層フィルムの前記周縁部と向かい合って前記第二積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第二積層フィルムの周縁部において、前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記内部空間が形成されるように前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、
前記内部空間の外周において、前記第一積層フィルムの切断面と前記第二積層フィルムの切断面とが揃うように、前記第一積層フィルムの前記周縁部に沿って、前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムを切断し、
前記第一積層フィルムの前記切断面に接する前記第一積層フィルムの端部及び前記第二積層フィルムの前記切断面に接する前記第二積層フィルムの端部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法を提供する。
本開示の第14態様によれば、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、第一積層フィルムの切断面と第二積層フィルムの切断面とが揃うように、第一積層フィルム及び第二積層フィルムを切断する。このため、第二熱可塑性樹脂層と第三熱可塑性樹脂層とを一体化させる前の第一積層フィルムと第二積層フィルムとの位置合わせに要求される精度を緩やかにできる。これにより、容器の歩留まりを向上させることができる。
本開示の第15態様は、
潜熱蓄熱材と、
前記潜熱蓄熱材を前記内容物として内包保持している、第1態様〜第12態様のいずれか1つの態様の容器と、を備え、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、それぞれ、アルミニウム箔によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層は、それぞれ、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムで形成されている、
蓄熱セルを提供する。
潜熱蓄熱材と、
前記潜熱蓄熱材を前記内容物として内包保持している、第1態様〜第12態様のいずれか1つの態様の容器と、を備え、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、それぞれ、アルミニウム箔によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層は、それぞれ、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムで形成されている、
蓄熱セルを提供する。
第15態様によれば、比較的薄い、第一積層フィルム及び第二積層フィルムによって形成された容器に潜熱蓄熱材が内容物として内包保持されているので、蓄熱セルに保持される潜熱蓄熱材の容量が大きい。その結果、潜熱蓄熱材に蓄えられる熱量及び潜熱蓄熱材から放出される熱量を高めることができる。また、潜熱蓄熱材に熱を蓄えるとき及び潜熱蓄熱材から熱を取り出すときに、熱交換の効率が高い。
本開示の第16態様は、
衣類用又は食器用の洗浄機であって、
前記洗浄機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、
衣類又は食器を洗浄するための洗浄空間を形成する洗浄槽と、
給水口から前記洗浄空間まで延びている流路であって、当該流路を流れる水が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている流路と、を備えた、
洗浄機を提供する。
衣類用又は食器用の洗浄機であって、
前記洗浄機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、
衣類又は食器を洗浄するための洗浄空間を形成する洗浄槽と、
給水口から前記洗浄空間まで延びている流路であって、当該流路を流れる水が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている流路と、を備えた、
洗浄機を提供する。
第16態様によれば、洗浄機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱によって洗浄空間に供給される水を温めることができる。
本開示の第17態様は、
衣類用又は食器用の乾燥機であって、
前記乾燥機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、
衣類又は食器を乾燥させるための乾燥空間を形成する乾燥槽と、
吸気口から前記乾燥空間まで延びている空気流路であって、当該空気流路を流れる空気が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている空気流路と、を備えた、
乾燥機を提供する。
衣類用又は食器用の乾燥機であって、
前記乾燥機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、
衣類又は食器を乾燥させるための乾燥空間を形成する乾燥槽と、
吸気口から前記乾燥空間まで延びている空気流路であって、当該空気流路を流れる空気が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている空気流路と、を備えた、
乾燥機を提供する。
第17態様によれば、乾燥機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱によって乾燥空間に供給される空気を温めることができる。
本開示の第18態様によれば、
温風を吹出す暖房器具であって、
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
暖房器具を提供する。
温風を吹出す暖房器具であって、
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
暖房器具を提供する。
第18態様によれば、暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、暖房器具が吹出す温風の生成に蓄熱セルに蓄えられた熱を利用できる。
本開示の第19態様は、
暖房器具であって、
外気と冷媒とを熱交換させるための室外熱交換器と
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記室外熱交換器の除霜に利用されるように配置されている、
暖房器具を提供する。
暖房器具であって、
外気と冷媒とを熱交換させるための室外熱交換器と
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記室外熱交換器の除霜に利用されるように配置されている、
暖房器具を提供する。
第19態様によれば、暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱を室外熱交換器の除霜に利用できる。
本開示の第20態様は、
冷蔵庫であって、
冷蔵室又は冷凍室を冷却するための冷却器と、
前記冷蔵庫の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記冷却器の除霜に利用されるように配置されている、
冷蔵庫を提供する。
冷蔵庫であって、
冷蔵室又は冷凍室を冷却するための冷却器と、
前記冷蔵庫の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記冷却器の除霜に利用されるように配置されている、
冷蔵庫を提供する。
第20態様によれば、冷蔵庫の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱を冷却器の除霜に利用できる。
本開示の第21態様は、
温風を吹出す車両用暖房器具であって、
車両のエンジンの排熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
車両用暖房器具を提供する。
温風を吹出す車両用暖房器具であって、
車両のエンジンの排熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
車両用暖房器具を提供する。
第21態様によれば、車両のエンジンの排熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱を車両用暖房器具が吹出す温風の生成に利用できる。
本開示の第22態様は、
植物栽培用温室であって、
前記植物栽培用温室の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって前記植物栽培用温室の内部空間を温めるように配置されている蓄熱セルを備えた、
植物栽培用温室を提供する。
植物栽培用温室であって、
前記植物栽培用温室の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、第15態様の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって前記植物栽培用温室の内部空間を温めるように配置されている蓄熱セルを備えた、
植物栽培用温室を提供する。
第22態様によれば、植物栽培用温室の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄熱セルに蓄えることができるとともに、蓄熱セルに蓄えられた熱によって植物栽培用温室の内部空間を温めることができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
<容器>
まず、本開示の容器について説明する。図1A及び図1Bに示すように、容器60は、内容物55を内包保持している。容器60は、第一積層フィルム10aと、第二積層フィルム10bとを備える。第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとの間に内容物55が挟まれるように配置され、内容物55の外周で、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとが一体化されることによってシール部30が形成されている。図2A及び図3に示すように、第一積層フィルム10aは、第一バリア層1aと、第一熱可塑性樹脂層11と、第二熱可塑性樹脂層12とを有し、これらの層が積層されて形成されている。第一バリア層1aは、第一表面1ax及び第二表面1ayを有する。第一熱可塑性樹脂層11は、第一バリア層1aの第一表面1ax側に配置されている。第二熱可塑性樹脂層12は、第一バリア層1aの第二表面1ay側に配置されている。図2A及び図3に示すように、第二積層フィルム10bは、第二バリア層1bと、第三熱可塑性樹脂層13と、第四熱可塑性樹脂層14とを有し、これらの層が積層されて形成されている。第二バリア層1bは、第三表面1bx及び第四表面1byを有する。第三熱可塑性樹脂層13は、第二バリア層1bの第三表面1bx側に配置されている。第四熱可塑性樹脂層14は、第二バリア層1bの第四表面側1byに配置されている。内容物55が保持されている容器60の内部空間50が、第一積層フィルム10aの第二熱可塑性樹脂層12及び第二積層フィルム10bの第三熱可塑性樹脂層13によって、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13との間に形成されている。換言すると、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13によって容器60の内周面が形成されている。第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されている。また、第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されている。
まず、本開示の容器について説明する。図1A及び図1Bに示すように、容器60は、内容物55を内包保持している。容器60は、第一積層フィルム10aと、第二積層フィルム10bとを備える。第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとの間に内容物55が挟まれるように配置され、内容物55の外周で、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとが一体化されることによってシール部30が形成されている。図2A及び図3に示すように、第一積層フィルム10aは、第一バリア層1aと、第一熱可塑性樹脂層11と、第二熱可塑性樹脂層12とを有し、これらの層が積層されて形成されている。第一バリア層1aは、第一表面1ax及び第二表面1ayを有する。第一熱可塑性樹脂層11は、第一バリア層1aの第一表面1ax側に配置されている。第二熱可塑性樹脂層12は、第一バリア層1aの第二表面1ay側に配置されている。図2A及び図3に示すように、第二積層フィルム10bは、第二バリア層1bと、第三熱可塑性樹脂層13と、第四熱可塑性樹脂層14とを有し、これらの層が積層されて形成されている。第二バリア層1bは、第三表面1bx及び第四表面1byを有する。第三熱可塑性樹脂層13は、第二バリア層1bの第三表面1bx側に配置されている。第四熱可塑性樹脂層14は、第二バリア層1bの第四表面側1byに配置されている。内容物55が保持されている容器60の内部空間50が、第一積層フィルム10aの第二熱可塑性樹脂層12及び第二積層フィルム10bの第三熱可塑性樹脂層13によって、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13との間に形成されている。換言すると、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13によって容器60の内周面が形成されている。第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されている。また、第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されている。
なお、本明細書において、「一体化」とは、2つの熱可塑性樹脂層を形成する樹脂同士が分子間力によって結合している状態を意味する。例えば、2つの熱可塑性樹脂層を、粘着性を有する別の部材によって接合することは、「一体化」から除外される。2つの熱可塑性樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂層を形成する樹脂の融点以上に加熱されながら圧力が加えられることによって、一体化される。
図2Aに示すように、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されていることによって、接合部31が形成されている。また、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されていることによって、接合部32が形成されている。例えば、接合部31と接合部32とは接触している。第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13によって内容物55に接触しないように配置され、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14によって容器の外部の空間に接触しないように配置されている。これにより、内容物55が容器60の外側に漏れることを防止できるとともに、第一バリア層1a及び第二バリア層1bによって内容物55の変質を防止できる。また、接合部32によって、第一積層フィルム10aの端部及び第二積層フィルム10bの端部を保護することができる。その結果、第一バリア層1a及び第二バリア層1bが、内容物55又は容器60の外部に存在する物質と接触しないので、内容物55を安定的に長期間保持できる。
例えば、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されている位置は、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されている位置よりも、内容物55に近い。これにより、接合部31が、接合部32によって保護される。
例えば、内部空間50は、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されていることによって密閉されている。換言すると、第一積層フィルム10aの端部の全体及び第二積層フィルム10bの端部の全体において接合部31が形成されている。容器60の用途によっては、第一積層フィルム10aの端部の一部及び第二積層フィルム10bの端部の一部において、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されなくてもよい場合がある。この場合、第一積層フィルム10aの端部の一部及び第二積層フィルム10bの端部の一部において、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されていないときでも、内部空間50を密閉できる。その結果、内容物55の漏出が防止される。
例えば、内部空間50は、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されていることによって密閉されている。換言すると、第一積層フィルム10aの端部の全体及び第二積層フィルム10bの端部の全体において接合部32が形成されている。この場合、第一積層フィルム10aの端部の一部及び第二積層フィルム10bの端部の一部において、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されていないときでも、内部空間50を密閉できる。その結果、内容物55の漏出が防止される。例えば、第一積層フィルム10aの端部の一部及び第二積層フィルム10bの端部の一部において、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されていないことにより、内部空間50の圧力変動を緩和できる。なぜなら、内部空間50の圧力が高まったときに、第一積層フィルム10aの端部の一部及び第二積層フィルム10bの端部の一部において、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13との隙間に内容物55又は内容物55と共に内部空間50に封入されている気体が入り込めるからである。
第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂は、それぞれ、熱可塑性樹脂である限り特に制限されない。本明細書において、「熱可塑性樹脂」とは、ヒートシール機で溶融することが可能な樹脂を意味する。ヒートシール機は、複数の積層フィルム又は複数の樹脂フィルムの一部に所定の圧力を加えながら加熱して接合するための装置である。ヒートシール機の最大加熱温度は、典型的には約250℃であることが多い。このため、例えば、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂は、それぞれ、200℃以下の融点を有する樹脂である。これにより、ヒートシール機を用いて、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13との一体化と、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14との一体化とを容易にかつ確実に行うことができる。
例えば、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂は、それぞれ、ポリプロピレン樹脂(PP:Polypropylene)及びポリエチレン樹脂(PE:Polyethylene)のいずれかである。換言すると、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、PPフィルム又はPEフィルムによって形成されている。ポリプロピレン樹脂は、例えば、延伸ポリプロピレン(OPP:Oriented Polypropylene、融点:約165℃)又は無延伸ポリプロピレン(CPP:Cast Polypropylene、融点:約138℃)である。ポリエチレン樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE:Low-density polyethylene、融点:約115℃)、高密度ポリエチレン(HDPE:High-density polyethylene、融点:約137℃)、又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Linear low-density polyethylene、融点:約127℃)である。これらの材料は、耐水性、耐薬品性、及び電気絶縁性に優れるので、内容物55を長期間安定的に保持できる。
例えば、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂と第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂とが同一種類の樹脂であり、かつ、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂と第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂とが同一種類の樹脂である。本明細書において、「同一種類の樹脂」とは、モル基準で最も多く含まれている単量体が同一である樹脂を意味する。この場合、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂と第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂との親和性が高くなりやすく、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂と第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂との親和性が高くなりやすい。その結果、接合部31の強度及び接合部32の強度が高くなりやすい。
ヒートシール機を用いて第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化する場合、ヒートシール機のヒータからの熱が第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13に伝わりにくい。なぜなら、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14並びに第一バリア層1a及び第二バリア層1bが所定の熱容量を有するからである。ポリエチレン樹脂の融点は、典型的には、ポリプロピレン樹脂の融点より低い。このため、例えば、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂及び第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂がポリエチレン樹脂であると、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13を効率良く溶融させて、これらを一体化できる。これにより、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化するのに要する消費電力を低減できる。一方、ヒートシール機を用いて第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化する場合、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14はヒートシール機のヒータに近い。このため、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14の温度が高くなりやすい。第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂がポリプロピレン樹脂であると、ポリプロピレン樹脂は比較的高い融点を有するので、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14の熱変形を適切に抑制できる。
図2Bに示すように、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、同一種類の樹脂によって形成されていてもよい。この場合、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14が一体化されて、接合部33が形成されやすい。これにより、内容物55が容器60の外部に漏れることが防止され、第一バリア層1a及び第二バリア層1bによって内容物55の変質を防止できる。また、第一積層フィルム10aの端部及び第二積層フィルム10aの端部をより確実に保護できる。その結果、第一バリア層1a及び第二バリア層1bが、内容物55又は容器60の外部に存在する物質に接触しないので、内容物55を安定的に長期間保持できる。また、容器60を製造するときに、第一積層フィルム10aの表裏判別及び第二積層フィルム10bの表裏判別のための作業を省略できる。
例えば、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、ポリエチレン樹脂によって形成されていてもよい。ポリエチレン樹脂は比較的低い融点を有する。このため、ヒートシール機を用いて第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13との一体化及び第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14との一体化を効率良く行え、必要な消費電力を低減できる。例えば、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、ポリプロピレン樹脂によって形成されていてもよい。ポリプロピレン樹脂は比較的高い融点を有する。このため、ヒートシール機を用いて、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化し、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化するときに、これらの熱可塑性樹脂層の熱変形を適切に抑制できる。
第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14の各層の厚さは、特に制限されないが、例えば、10μm〜100μmである。この場合、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14の厚さが大きすぎないので、これらの熱可塑性樹脂層が有する熱容量が大きくなりすぎることを抑制できる。また、これらの熱可塑性樹脂層の厚さが小さすぎないので、これらの熱可塑性樹脂層が適切な破壊強度を有し、シール部30が適切な破壊強度及び適切な剥離強度を有する。
第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、ガスバリア性を有する層である。例えば、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、低い酸素透過度及び低い透湿度を有する。ここで、酸素透過度は、一定の厚みに対する層に対して定義される。一定の厚みは、例えば、約20μmである。例えば、第一バリア層1aの酸素透過度及び第二バリア層1bの酸素透過度は、それぞれ、10ml/(m2・day・atm)以下である。この場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの酸素透過度が低いので、容器60の外部の酸素が内部空間50へ流入することを抑制でき、内容物55の酸化による劣化を防止できる。また、内部空間50の容積変化を抑制できる。また、例えば、第一バリア層1aの透湿度及び第二バリア層1bの透湿度は、それぞれ、10g/(m2・day)以下である。この場合、容器60の内部空間50と容器60の外部との間で水分の出入りを抑制でき、内容物55の濃度変化を抑制でき、内容物55と水分との接触による内容物55の変質を抑制できる。
第一バリア層1a及び第二バリア層1bの厚さは、それぞれ、例えば、1μm〜100μmである。例えば、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH:ethylene vinyl alcohol copolymer)フィルム、及びポリアミド系樹脂フィルム(ナイロン系樹脂フィルム)からなる群から選択された少なくとも1つの材料で形成されている。第一バリア層1a及び第二バリア層1bの材料は、ガスバリア性に加えて、容器60の用途に応じて求められる強度、遮光性、可視光に対する透明性を考慮して適宜選択される。
容器60の内部空間50が、30cm×30cm×5mmの寸法及び450cm3の容積を有する直方体形状の空間であると仮定する。この場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの酸素透過度が1ml/(m2・day・atm)であると、1年間で約70mlの気体の出入りが生じる可能性がある。これは、内部空間50の容積全体の約15%に相当する。また、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの透湿度が1g/(m2・day)であると、1年間で約70gの水分の出入りが生じる可能性がある。内部空間50が450gの水に満たされているとすると、約70gの水分の出入りにより、内容物の重量が約15%変化する可能性がある。
容器60の用途にもよるが、容器60を用いて10年以上の長期間にわたって内容物55を内包保持する場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、望ましくはアルミニウム箔で形成されている。これにより、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの酸素透過度を0.1ml/(m2・day・atm)以下にでき、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの透湿度を0.1g/(m2・day)以下にすることができる。
容器60の製造方法の一例を説明する。まず、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを準備する。図4Aに示すように、第一積層フィルム10aの端部と第二積層フィルム10bの端部とが揃い、かつ、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが接するように、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを重ねる。このとき、例えば、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとの間に、内容物55を配置する。次に、図4Bに示すように、第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、第一熱可塑性樹脂層11の表面及び第四熱可塑性樹脂層14の表面を加熱しながら加圧する。これによって、図4Cに示すように、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化させ、かつ、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化させる。
図4Bに示すように、ヒートシール機の一対のヒータ40によって第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを反対向きに押圧して、第一熱可塑性樹脂層11の表面及び第四熱可塑性樹脂層14の表面を加熱しながら加圧する。このとき、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂と第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂とが溶融して混ざり合う。ヒータ40による加熱及び加圧が終了すると、溶融した樹脂が冷えて固まり、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されて、接合部31が形成される。また、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂と第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂とが溶融して第一バリア層1aの端面の外周及び第二バリア層1bの端面の外周において溶融した樹脂の一部が混ざり合う。ヒータ40による加熱及び加圧が終了すると、溶融した樹脂が冷えて固まり、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されて、接合部32が形成される。接合部32は、第一バリア層1aの端面及び第二バリア層1bの端面並びに第二熱可塑性樹脂層12の端面及び第三熱可塑性樹脂層13の端面を覆うように形成される。
このような容器60の製造方法によれば、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化させる直前に、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを切断する必要がない。このため、容器60の製造中に発生する廃棄物の量が少ない。
図4Bに示すように、ヒートシール機の一対のヒータ40は、例えば、一対のヒータ40の加熱面の少なくとも一部が、第一積層フィルム10aの端及び第二積層フィルム10bの端の外周に存在するように配置されている。これにより、接合部32が形成されやすい。ヒートシール機のヒータ40の加熱面(加圧面)には、ガラステープ及びテフロンテープ(テフロン:登録商標)などの保護テープが貼り付けられていてもよい。これにより、溶融した樹脂がヒータ40に付着することを防止できる。
容器60の製造方法の別の例を説明する。上記の容器60の製造方法に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、以下の容器60の製造方法にもあてはまる。まず、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを準備する。このとき、最終的に容器60を形成するのに必要な寸法より少し大きめの寸法を有する第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを準備する。次に、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが接するように、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを重ねる。このとき、例えば、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとの間に、内容物55を配置する。第一積層フィルム10aの端部と第二積層フィルム10bの端部とが揃うように、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを重ねてもよい。また、第一積層フィルム10aの端部と第二積層フィルム10bの端部とが少しずれた状態で、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを重ねてもよい。次に、図5A及び図6Aに示すように、第一積層フィルム10aの内部空間50を形成すべき部分の外周で第一積層フィルム10aの端から所定の距離離れて延びている第一積層フィルム10aの周縁部10cにおいて、第一熱可塑性樹脂層11の表面を加熱しながら加圧する。同時に、第一積層フィルム10aの周縁部10cと向かい合って第二積層フィルム10bの端から所定の距離離れて延びている第二積層フィルムの周縁部10dにおいて、第四熱可塑性樹脂層14の表面を加熱しながら加圧する。これによって、内部空間50が形成されるように第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化させる。このようにして、接合部31が形成される。
次に、図5B及び図6Bに示すように、内部空間50の外周において、第一積層フィルム10aの切断面10eと第二積層フィルム10bの切断面10fとが揃うように、第一積層フィルム10bの周縁部10cに沿って、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを切断する。次に、図5B及び図6Bに示すように、第一積層フィルム10aの切断面10eに接する第一積層フィルム10aの端部及び第二積層フィルム10bの切断面10fに接する第二積層フィルム10bの端部において、第一熱可塑性樹脂層11の表面及び第四熱可塑性樹脂層14の表面を加熱しながら加圧する。これによって、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化させる。このようにして、接合部32が形成される。
この製造方法によれば、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化させる前の第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとの位置合わせに要求される精度を緩やかにできる。これにより、容器60の歩留まりを向上させることができる。
(変形例)
次に、本開示の変形例に係る容器60について説明する。例えば、第一積層フィルム10aは、図7A及び図7Bに示すように、第一バリア層1aと第一熱可塑性樹脂層11との間、又は、第一バリア層1aと第二熱可塑性樹脂層12との間に位置する、第一中間樹脂層16aをさらに有していてもよい。また、第二積層フィルム10bは、第二バリア層1bと第四熱可塑性樹脂層14との間、又は、第二バリア層1bと第三熱可塑性樹脂層13との間に位置する、第二中間樹脂層16bをさらに有していてもよい。これにより、第一中間樹脂層16a又は第二中間樹脂層16bが有する特性により、容器60が発揮する機能を向上させ、又は、容器60が発揮する機能を多様化できる。
次に、本開示の変形例に係る容器60について説明する。例えば、第一積層フィルム10aは、図7A及び図7Bに示すように、第一バリア層1aと第一熱可塑性樹脂層11との間、又は、第一バリア層1aと第二熱可塑性樹脂層12との間に位置する、第一中間樹脂層16aをさらに有していてもよい。また、第二積層フィルム10bは、第二バリア層1bと第四熱可塑性樹脂層14との間、又は、第二バリア層1bと第三熱可塑性樹脂層13との間に位置する、第二中間樹脂層16bをさらに有していてもよい。これにより、第一中間樹脂層16a又は第二中間樹脂層16bが有する特性により、容器60が発揮する機能を向上させ、又は、容器60が発揮する機能を多様化できる。
例えば、第一中間樹脂層16a及び第二中間樹脂層16bは、それぞれ、延伸ナイロン(ONY:Oriented nylon)フィルムなどのナイロンフィルムによって形成されている。ナイロンフィルムは高い展延性を有するので、第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bに鋭利な固体が触れても、第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bに穴が空きにくい。また、第一バリア層1a及び第二バリア層1bがアルミニウム箔によって形成されているときに、第一中間樹脂層16a及び第二中間樹脂層16bは、可視光に対する透明性及びガスバリア性を有する樹脂フィルムで形成されていてもよい。この場合、第一バリア層1a又は第二バリア層1bの一部に容器60の内部空間50の様子を確認するための穴が形成されていてもよい。これにより、高いガスバリア性を確保しつつ、容器60の内部空間50の様子を確認できる。
図8に示すように、容器60において、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bが、連続した1つの積層フィルムの互いに異なる部分によって形成されていてもよい。この場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、連続した1つのバリア層の互いに異なる部分によって形成されている。また、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13は、連続した1つの第一連続熱可塑性樹脂層15aの互いに異なる部分によって形成されている。さらに、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14は、連続した1つの第二連続熱可塑性樹脂層15bの互いに異なる部分によって形成されている。例えば、連続した1つの積層フィルムを折り曲げ、お互いに向かい合う積層フィルムの端部同士を一体化することによって、連続した1つの積層フィルムで容器60を製造できる。
接合部32は、望ましくは、容器60の端部全体を覆うように形成されている。一方、例えば、電極及びセンサを取り付けるために、容器60の端部の一部において接合部32が形成されていなくてもよい。例えば、図9に示すように、容器60の一部を水などの液体中に保持する必要がある場合に、容器60の端部のうち液体中に保持されない部分の一部において接合部32で覆われていない開放部35が形成されていてもよい。開放部35において、第一バリア層1aの端及び第二バリア層1bの端が容器60の外部の空間に露出している。この場合、図9に示すように、開放部35にリード線72の一端が接合されていてもよい。また、場合によっては、容器60の端部のうち液体中に保持される部分の一部において開放部35が形成されていてもよい。この場合、開放部35を保護するための絶縁部材(図示省略)が容器60の端部に取り付けられているとよい。絶縁部材は、電気的に絶縁である材料でできている。このような場合でも、容器60の端部を保護するために必要な絶縁部材の大きさや数を低減できる。
容器60は、図1に示すような四角形状であってもよいし、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bの加工のしやすさを活かして、様々な形状を有していてよい。また、絞り成形による押出加工によって第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを用いて容器60を製造してもよい。また、容器60の端部以外において、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10bとを接合してもよい。このような場合でも、第一積層フィルム10aの端部の少なくとも一部及び第二積層フィルム10bの端部の少なくとも一部において、接合部31及び接合部32が形成されていれば、図1に示す容器が有する効果と同等の効果が得られる。
容器60における接合部31と接合部32との間には、隙間が形成されていてもよい。このような場合でも、図1に示す容器が有する効果と同等の効果が得られる。
接合部31及び接合部32は、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂を、超音波を用いて溶融させることによって形成されてもよい。
接合部31は、第二熱可塑性樹脂層12及び第三熱可塑性樹脂層13に特定の溶剤を接触させて、これらの熱可塑性樹脂を溶かした状態で、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを接触させ、溶剤を揮発させることによって形成されてもよい。接合部32は、第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14に特定の溶剤を接触させて、これらの熱可塑性樹脂を溶かした状態で、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを接触させ、溶剤を揮発させることによって形成されてもよい。例えば、ヒートシール機を用いた加熱加圧により第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化させつつ、上記のような溶剤の使用によって第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化させてもよい。また、ヒートシール機を用いた加熱加圧により第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを一体化させつつ、上記のような溶剤の使用によって第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化させてもよい。上記のように溶剤を使用して接合部31が形成される場合、望ましくは、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが同一種類の樹脂で形成されている。また、このようにして、接合部32が形成される場合、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが同一種類の樹脂で形成されている。同一種類の樹脂の組み合わせは、例えば、LLDPEとHDPEとの組み合わせ、又は、CPPとOPPとの組み合わせである。場合によっては、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが異なる種類の樹脂で形成されていてもよい。異なる樹脂が溶融した後に再度固化して形成された接合部31は、水素結合、イオン結合、又は分子間力による結合などの化学結合に起因して、同一種類の樹脂によって形成される接合部31と同程度の強度を有することがある。このような場合、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが異なる種類の樹脂で形成されていてもよい。このことは、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂の種類と第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂の種類との関係にもあてはまる。
接合部32は、第一積層フィルム10aの端部と第二積層フィルム10bの端部とを曲げて第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とを接触させたうえで、ヒートシール機を用いた加熱加圧を行うことによって形成されてもよい。ここで、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが接触している第一積層フィルム10aの部分及び第二積層フィルム10bの部分に対してヒートシール機を用いた加熱加圧が行われて、接合部32が形成される。また、接合部32よりも内容物55に近い位置で第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されて接合部31が形成される。これにより、第一積層フィルム10aの端及び第二積層フィルム10bの端と内容物55とが接触することが防止される。この場合、例えば、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、同一種類の樹脂で形成されている。また、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14との接触面と、ヒートシール機の加熱面(加圧面)との距離が2枚の第一積層フィルム10aの厚みと2枚の第二積層フィルム10bの厚みとの和以上になる。このため、このようにして接合部32を形成する場合、十分な加熱量を有するヒートシール機を用いることが望ましい。また、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bの寸法は、第一積層フィルム10aの端部と第二積層フィルム10bの端部とを曲げることを考慮したマージンを含んでいることが望ましい。さらに、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを形成する材料として、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを曲げてもクラックが入りにくい材料を選択することが望ましい。
<蓄熱セル及び蓄熱装置>
次に、本開示の蓄熱セル及び蓄熱装置を説明する。上記の容器60に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、本開示の蓄熱セル及び蓄熱装置にあてはまる。図10に示すように、蓄熱装置100は、蓄熱セル61と、筐体101と、入力部102と、出力部103とを備える。蓄熱セル61は、潜熱蓄熱材と、その潜熱蓄熱材を内容物55として内包保持している、上記の容器60とを備える。潜熱蓄熱材は、例えば、酢酸ナトリウム三水和物が主成分である固体状態の蓄熱材である。なお、「主成分」とは、水などの主溶媒を除いて、重量基準で最も多く含まれる成分を意味する。例えば、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、アルミニウム箔によって形成されており、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、例えば直鎖状低密度ポリエチレンフィルムで形成されている。
次に、本開示の蓄熱セル及び蓄熱装置を説明する。上記の容器60に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、本開示の蓄熱セル及び蓄熱装置にあてはまる。図10に示すように、蓄熱装置100は、蓄熱セル61と、筐体101と、入力部102と、出力部103とを備える。蓄熱セル61は、潜熱蓄熱材と、その潜熱蓄熱材を内容物55として内包保持している、上記の容器60とを備える。潜熱蓄熱材は、例えば、酢酸ナトリウム三水和物が主成分である固体状態の蓄熱材である。なお、「主成分」とは、水などの主溶媒を除いて、重量基準で最も多く含まれる成分を意味する。例えば、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、それぞれ、アルミニウム箔によって形成されており、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、例えば直鎖状低密度ポリエチレンフィルムで形成されている。
蓄熱セル61は、筐体101の内部に配置されている。例えば、複数の蓄熱セル61が所定の間隔で筐体101の内部で並んでいる。筐体101の内部において蓄熱セル61の周囲が水などの熱媒体104で満たされている。図10における矢印は熱媒体104の流れを示している。入力部102は、筐体101の壁を貫通するように筐体101に取り付けられた管状の部材である。また、出力部103は、筐体101の壁を貫通するように筐体101に取り付けられた管状の部材である。例えば、入力部102及び出力部103は、お互いに反対方向を向く筐体101の外周面において筐体101に取り付けられている。筐体101の外部に存在する熱媒体104は、入力部102を通過して筐体101の内部に流入する。その後、熱媒体104は、筐体101の内周面と蓄熱セル61の外周面との間に存在する空間を出力部103に向かって流れる。
潜熱蓄熱材が酢酸ナトリウム三水和物を主成分として含む場合を例に、蓄熱装置100の動作を説明する。まず、蓄熱装置100の蓄熱動作を説明する。60℃以上の温度を有する熱媒体104が入力部102を通過して、筐体101の内部に流入する。その後、熱媒体104は、蓄熱セル61同士の隙間又は蓄熱セル61の外周面と筐体101の内周面との間の隙間と、出力部103とを通過して、蓄熱装置100の外部へ排出される。このとき、高温の熱媒体104と、各蓄熱セル61が接触するので、熱交換が発生して潜熱蓄熱材の主成分である酢酸ナトリウム三水和物(融点:約58℃)が融解する。高温の熱媒体104が流れ切った後に潜熱蓄熱材の一部が融解せずに固相残存部が存在すると、蓄熱セル61の内部の温度が自然冷却により潜熱蓄熱材の融点を下回ったとき、固相残存部が種結晶となって蓄熱セル61の内部の潜熱蓄熱材の全体が結晶化する可能性がある。そこで、望ましくは、熱媒体104の流量又は潜熱蓄熱材の量は、高温の熱媒体104が流れ切るまでに、蓄熱セル61の内部の潜熱蓄熱材全体が融解して液相となるように調整されている。この場合、高温の熱媒体104が流れ切った後、蓄熱セル61の内部の温度が潜熱蓄熱材の融点を下回っても、潜熱蓄熱材は過冷却状態として液相状態を維持することができる。換言すると、潜熱蓄熱材は潜熱を蓄熱する。筐体101の内部における熱交換により、熱媒体104が有する熱が潜熱蓄熱材に付与される。このため、熱媒体104の温度は低下する。その結果、出力部103から排出される熱媒体104の温度は、入力部102を通過したときの熱媒体104の温度よりも低くなる。
次に、蓄熱装置100の放熱動作を説明する。潜熱蓄熱材の融点より低い温度を有する熱媒体104が入力部102を通過して、筐体101の内部に流入する。その後、熱媒体104は、蓄熱セル61同士の隙間及び出力部103を通過して、蓄熱装置100の外部へ排出される。このとき、結晶核生成装置(図示省略)を用いて、過冷却状態である液相の潜熱蓄熱材の結晶化を行うと、過冷却状態の潜熱蓄熱材に蓄えられていた熱が放出され、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換により、熱媒体104の温度が上昇する。このため、出力部103から排出される熱媒体104の温度は、入力部102を通過したときの熱媒体104の温度よりも高くなる。
上記の通り、容器60は、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bによって形成されている。第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bは、典型的にはとても薄いので、蓄熱セル61の内部、ひいては蓄熱装置100の内部に、多くの量の潜熱蓄熱材を保持することができる。これにより、蓄熱装置100が放熱動作するときに、多量の熱を放出することができる。また、蓄熱装置100が蓄熱動作又は放熱動作をするときに、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高い。また、容器60において、第一熱可塑性樹脂層11と第四熱可塑性樹脂層14とが一体化されて形成された接合部32によって、第一積層フィルム10aの端部及び第二積層フィルム10bの端部が保護されている。このため、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とが一体化されて形成された接合部31、第一バリア層1a、及び第二バリア層1bが熱媒体104に接触することが防止される。その結果、例えば数十年という長期間にわたって蓄熱セル61を熱媒体104に断続的に接触させても、第一積層フィルム10aと第二積層フィルム10aとの接合部の剥離を防止できる。加えて、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの腐食により潜熱蓄熱材が劣化することを防止できる。
潜熱蓄熱材の主成分として、酢酸ナトリウム三水和物が望ましく使用される。この場合、蓄熱装置100において、潜熱蓄熱材は、比較的長期間にわたって過冷却状態を安定的に維持でき、長期間にわたる蓄熱が可能である。加えて、酢酸ナトリウム三水和物が約58℃の融点を有するという特性を活かして、暖房又は給湯などの用途で、多くのシステムの熱源として蓄熱装置100を利用できる。また、潜熱蓄熱材の主成分としては、求められる熱源の温度に応じて、硫酸ナトリウム十水和物などの酢酸ナトリウム三水和物以外の潜熱蓄熱材が使用されてもよい。
熱媒体104として、望ましくは、水が使用される。水は、比較的大きな比熱を有し、高い熱伝達効率を発揮する。このため、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率を高めることができる。また、水は不燃性の物質であるので、安全管理の負担が軽減される。場合によっては、熱媒体104として、空気、水蒸気、オイル、及び冷媒などの流体が使用されてもよい。第一熱可塑性樹脂層11及び第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂としては、望ましくは、熱媒体104によって腐食しにくい樹脂が使用される。これにより、容器60において、内容物55としての潜熱蓄熱材を安定的に保持できる。
第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、望ましくは、アルミニウム箔によって形成されている。この場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bの酸素透過度及び透湿度がかなり小さい。このため、長期間にわたって断続的に熱媒体104に接触する蓄熱セル61において、内容物55である潜熱蓄熱材の劣化を防止できる。
例えば、蓄熱セル61として使用される容器60において、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂によって形成されている。ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂は、潜熱蓄熱材である酢酸ナトリウム三水和物又は硫酸ナトリウム十水和物と接触しても腐食しにくく、かつ、熱媒体104である水と接触しても腐食しにくい。このため、潜熱蓄熱材を長期間安定的に保持できる。なお、蓄熱セル61として使用される容器60において、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14は、それぞれ、同一種類の樹脂で形成されていてもよい。
蓄熱セル61として使用される容器60において、図7A又は図7Bに示すように、第一積層フィルム10aは第一中間樹脂層16aをさらに有し、又は、第二積層フィルム10bは第二中間樹脂層16bをさらに有していてもよい。例えば、第一中間樹脂層16a及び第二中間樹脂層16bは、延伸ナイロンフィルムなどのナイロンフィルムによって形成されている。例えば、第一バリア層1a及び第二バリア層1bがアルミニウム箔によって形成され、第一中間樹脂層16a及び第二中間樹脂層16bがガスバリア性を有する可視光に対して透明な樹脂フィルムによって形成されてもよい。この場合、第一バリア層1a又は第二バリア層1bが、容器60の内部の内容物55を確認するための穴を有していても、高いガスバリア性を確保できる。
例えば、蓄熱セル61として使用される容器60において、第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、1μm〜100μm(例えば、約40μm)の厚みを有するアルミニウム箔によって形成される。また、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14が、それぞれ、約30μmの厚みを有するLLDPEフィルムによって形成されている。さらに、第一熱可塑性樹脂層11と第一バリア層1aとの間、及び、第四熱可塑性樹脂層14と第二バリア層1bとの間に、第一中間樹脂層16a又は第二中間樹脂層16bとして、約25μmの厚さを有するONYフィルムが配置されている。この場合、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bの厚さがそれぞれ約125μmであるので、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bの柔軟性が確保され、蓄熱セル61を曲げることができる。このため、筐体101の内部における蓄熱セル61の配置の自由度が高い。また、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10b自体の破壊強度も高い。さらに、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bは、プレス押出加工によって第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bを所望の形状に成形することが可能な厚さを有する。プレス成形後に、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bが形状を維持するためには、第一バリア層1a及び第二バリア層1bを形成するアルミニウム箔の厚みは10μm以上であることが望ましい。第一バリア層1a及び第二バリア層1bがアルミニウム箔によって形成されていると、ヒートシールによって、第二熱可塑性樹脂層12と第三熱可塑性樹脂層13とを一体化する際に、これらの熱可塑性樹脂層に熱が十分に伝わりやすい。一方、第一バリア層1a及び第二バリア層1bが有する熱容量を低減する観点から、第一バリア層1a及び第二バリア層1bを形成するアルミニウム箔の厚みは100μm以下であることが望ましい。
蓄熱セル61の形状は特に制限されないが、例えば、蓄熱セル61はプレス成形によって立方体状に成形されてもよい。この場合、蓄熱セル61の容器60に内包保持できる潜熱蓄熱材の量が大きい。これにより、蓄熱装置100の放熱時に出力できる熱量を大きくすることができる。
蓄熱装置100において、第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bの各層を形成する材料又は構造、蓄熱セル61の形状、蓄熱装置100の内部に配置される蓄熱セル61の数、筐体101の形状、入力部102及び出力部103の位置、及び蓄熱装置100の内部に形成された熱媒体104の流路の構成は、上記の説明に限定されず、蓄熱装置100の用途に応じて適宜変更可能である。
蓄熱装置100によれば、容器60を使用して蓄熱セル61が形成されているので、蓄熱装置100において蓄熱動作と放熱動作とが数十年間にわたって繰り返し行われても、潜熱蓄熱材の劣化を抑制できる。このため、蓄熱装置100の内部の蓄熱セル61の交換などのメンテナンスの回数が少なくできる。
(変形例)
次に、本開示の変形例に係る蓄熱セル61について説明する。図11Aに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン20をさらに備えていてもよい。放熱フィン20は、接合部36によって第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂14に接合されている。図11Bに示すように、放熱フィン20は、伝熱フィルム21と接合フィルム22とを有し、これらのフィルムが積層された構造を有する。また、放熱フィン20は、伝熱フィルム21と接合フィルム22とが積層されたフィルムに突出部(フィン)を形成するように折り目を付けることによって製造されている。例えば、接合フィルム22は、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂又は第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂と同一種類の樹脂で形成されている。伝熱フィルム21は、例えば、アルミニウムなどの高い伝熱性を有する材料でできている。
次に、本開示の変形例に係る蓄熱セル61について説明する。図11Aに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン20をさらに備えていてもよい。放熱フィン20は、接合部36によって第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂14に接合されている。図11Bに示すように、放熱フィン20は、伝熱フィルム21と接合フィルム22とを有し、これらのフィルムが積層された構造を有する。また、放熱フィン20は、伝熱フィルム21と接合フィルム22とが積層されたフィルムに突出部(フィン)を形成するように折り目を付けることによって製造されている。例えば、接合フィルム22は、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂又は第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂と同一種類の樹脂で形成されている。伝熱フィルム21は、例えば、アルミニウムなどの高い伝熱性を有する材料でできている。
図11Bに示す放熱フィン20を第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂層14に接触させ、伝熱フィルム21の表面を加熱しながら加圧することによって接合部36が形成される。このようにして、図11Aに示す蓄熱セル61を製造できる。このような蓄熱セル61によれば、熱媒体104と接触可能な蓄熱セル61の表面の面積が大きくなる。このため、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高まる。伝熱フィルム21と潜熱蓄熱材との間には、接合フィルム22及び第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bの各層が存在するが、これらの厚みはいずれも薄い。このため、接合フィルム22及び第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bの各層における熱伝導は、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率に大きな影響を及ぼさない。
図12Aに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン25をさらに備えていてもよい。放熱フィン25は、接合部37によって第二熱可塑性樹脂層12又は第三熱可塑性樹脂層13に接合されている。放熱フィン25は、伝熱フィルム25aと接合フィルム25bとを有し、これらのフィルムが積層された構造を有する。また、放熱フィン25は、伝熱フィルム25aと接合フィルム25bとが積層されたフィルムに突出部(フィン)を形成するように折り目を付けることによって製造されている。例えば、接合フィルム25bは、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂又は第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂と同一種類の樹脂で形成されている。伝熱フィルム25aは、例えばアルミニウムなどの高い伝熱性を有する材料でできている。伝熱フィルム25aの表面を加熱しながら加圧することによって接合部37が形成される。
このような蓄熱セル61において、潜熱蓄熱材と接触可能な蓄熱セル61の内周面の面積が大きい。このため、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高い。
図12Bに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン20及び放熱フィン25をさらに備えていてもよい。放熱フィン20及び放熱フィン25の構造及び放熱フィン20及び放熱フィン25と第一積層フィルム10a及び第二積層フィルム10bとの接合の態様は上記の説明の通りである。この場合、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率がより高まる。また、図2Bに示すように、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、及び第四熱可塑性樹脂層14が同一種類の樹脂で形成されていると、放熱フィン20の接合フィルム22及び放熱フィン25の接合フィルム25bも同一種類の樹脂で形成できる。これにより、蓄熱セル61に使用される樹脂の種類を減らすことができ、蓄熱セル61の製造における樹脂フィルムの管理が容易である。また、樹脂フィルムを積層する作業を簡素化できる。
図12Cに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン27をさらに備えていてもよい。放熱フィン27の形状は、波板形状である。放熱フィン27は、接合部38によって第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂14に接合されている。放熱フィン27は、伝熱フィルム27aと接合フィルム27bとを有し、これらのフィルムが積層された構造を有する。例えば、接合フィルム27bは、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂又は第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂と同一種類の樹脂で形成されている。伝熱フィルム27aは、例えば、アルミニウムなどの高い伝熱性を有する材料でできている。伝熱フィルム27aの表面を加熱しながら加圧することによって接合部38が形成される。このような蓄熱セル61によれば、熱媒体104が蓄熱セル61の周囲を所定の圧力で流れても、放熱フィン27が変形しにくい。このため、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高い状態を長期間維持できる。
図12Dに示すように、蓄熱セル61は、放熱フィン29をさらに備えてもよい。放熱フィン29の形状は、波板形状である。放熱フィン29は、例えばアルミニウムなどの高い伝熱性を有する材料でできている。なお、放熱フィン29は、放熱フィン27の接合フィルム27bに相当する樹脂フィルムを備えていない単層構造を有する。放熱フィン29は、例えば、放熱フィン29の表面を加熱しながら加圧することによって第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂14に接合されている。放熱フィン29を形成する材料は、第一熱可塑性樹脂層11を形成する樹脂又は第四熱可塑性樹脂層14を形成する樹脂とは異なるものの、所定の強度で容器60の外周面に接合される。このような蓄熱セル61によれば、蓄熱セル61の外周面と潜熱蓄熱材料との間に存在する材料の数が少なく、放熱フィン29における熱伝導の効率が高い。その結果、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高まる。
放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29の取付位置及び形状は適宜変更可能である。蓄熱セル61は、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29が適宜組み合わせられて形成されていてもよい。また、例えば、放熱フィン27又は放熱フィン29が、第二熱可塑性樹脂層12又は第三熱可塑性樹脂層13に接合されることによって、蓄熱セル61が形成されてもよい。この場合、放熱フィン27の接合フィルム27bは、第二熱可塑性樹脂層12を形成する樹脂又は第三熱可塑性樹脂層13を形成する樹脂と同一種類の樹脂で形成される。
伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29は、それぞれ、望ましくはアルミニウムなどの金属でできている。これにより、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29が高い熱伝導性を有し、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高くなる。一方、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29は、熱媒体104又は潜熱蓄熱材と直接接触するので、これらの腐食を防ぐ工夫が施されていることが望ましい。例えば、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、又は放熱フィン29は、アルミニウムなどの金属に陽極酸化皮膜が形成された材料で形成されている。また、放熱フィン20、放熱フィン25、及び放熱フィン27は、それぞれ、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、及び伝熱フィルム27aに腐食防止のために積層された別の樹脂フィルムを備えていてもよい。
伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29は、それぞれ、第一バリア層1a又は第二バリア層1bに直接接触していてもよい。例えば、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、又は放熱フィン29の表面を加熱しながら高い圧力で加圧することによって、このような構造を実現できる。この場合、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、又は放熱フィン29と、第一バリア層1a又は第二バリア層1bとの間で熱伝導が直接的に発生する。特に、第一バリア層1a又は第二バリア層1bがアルミニウム箔のような金属箔で形成されていると、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、又は放熱フィン29と、第一バリア層1a又は第二バリア層1bとの間での熱伝導の効率がより高い。
例えば、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29は、それぞれ、1μm〜100μmの厚みを有する。これらの厚みが100μm以下であると、容器60に内包保持可能な内容物55である潜熱蓄熱材の体積ができるだけ大きくなるように、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29の体積を抑制できる。加えて、これらの厚みが1μm以上であると、熱媒体104の流れに伴う圧力によって、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29が変形しにくい。
伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29の材料及び厚みは、それぞれ、第一バリア層1a又は第二バリア層1bの材料及び厚みと同一であってもよい。また、接合フィルム22、接合フィルム25b、及び接合フィルム27bの材料及び厚みは、それぞれ、それらが接合される位置に応じて、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、又は第四熱可塑性樹脂層14の材料及び厚みと同一であってもよい。これにより、第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bを製造するための部品を用いて、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29を製造できる。このため、蓄熱セル61の製造工程を簡素化でき、蓄熱セル61の製造コストを低減できる。一方、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29の厚みは、上記の限りではない。潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率を高めるために、伝熱フィルム21、伝熱フィルム25a、伝熱フィルム27a、及び放熱フィン29は、より大きい厚みを有していてもよい。
図11A及び図11Aに示すように、蓄熱セル61は、潜熱蓄熱材が内包保持されている状態の容器60の第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bに、放熱フィン20が接合されている。一方、蓄熱セル61は、第一積層フィルム10a又は第二積層フィルム10bに、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、又は放熱フィン29を予め接合させた部品を用いることによって製造されてもよい。
図11A、図11B、図12A、図12B、図12C、及び図12Dにおいて、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29は、それぞれ、2〜3本のフィン(突出部)を有するように描かれている。しかし、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、及び放熱フィン29は、それぞれ、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率を高めるために、できるだけ多くの数のフィンを有していることが望ましい。
図13Aに示すように、例えば、放熱フィン20の複数のフィンは特定の方向に沿って延びており、放熱フィン20の複数のフィンは特定方向に垂直な方向に所定の間隔で並んでいる。上記の通り、放熱フィン20は、第一熱可塑性樹脂層11又は第四熱可塑性樹脂層14に接合されている。図13Aにおける矢印は、熱媒体104が流れる方向を示している。放熱フィン20の複数のフィンが延びている特定の方向は、熱媒体104が流れる方向と一致している。換言すると、放熱フィン20の複数のフィンは、隣り合うフィン同士の間に熱媒体104のための流路を形成している。これにより、放熱フィン20のフィンに沿って熱媒体104が流れるので、放熱フィン20によって熱媒体104の流れが遮られにくい。このため、蓄熱装置100の筐体101の内部の熱媒体104の流速を高めることができるので、潜熱蓄熱材と熱媒体104との間の熱交換の効率が高まる。放熱フィン20の各フィンは、各フィンが延びる方向における各フィンの両端の間に切欠きを有していてもよい。
図13Bに示すように、例えば、放熱フィン25の複数のフィンは所定の方向に沿って延びており、放熱フィン25の複数のフィンは所定の間隔で並んでいる。また、放熱フィン25の各フィンが延びている方向に切欠き24が形成されている。上記の通り、放熱フィン25は、第二熱可塑性樹脂層12又は第三熱可塑性樹脂層13に接合されている。潜熱蓄熱材の結晶化が内部空間50のいずれかの箇所で始まったときに、潜熱蓄熱材全体に潜熱蓄熱材の結晶化が進行していくことを放熱フィン25が妨げることを抑制できる。なお、放熱フィン25の複数のフィンが延びる方向は、いずれの方向であってもよい。また、切欠き24に代えて、放熱フィン25の各フィンが延びる方向の長さを短くし、放熱フィン25の複数のフィンが所定の間隔で複数列に並ぶように、放熱フィン25の複数のフィンが配置されていてもよい。図13Bに示すように、放熱フィン25の各フィンは、切欠き24によって、放熱フィン25の各フィンが延びる方向に3つに分断されている。しかし、放熱フィン25の各フィンにおける切欠き24の数は、潜熱蓄熱材の結晶化の速度等に応じて、適宜調整されてよい。
このように、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、又は放熱フィン29を、これらの表面を加熱しながら加圧することによって、第一熱可塑性樹脂層11、第二熱可塑性樹脂層12、第三熱可塑性樹脂層13、又は第四熱可塑性樹脂層14に容易に接合できる。その結果、潜熱蓄熱材と熱媒体104との熱交換の効率を高めることができる。また、蓄熱装置100の蓄熱動作及び放熱動作を高速化することができる。
蓄熱セル61の容器60に内包保持されている内容物55は、潜熱蓄熱材以外の物質であってもよい。本開示の蓄熱セル61は、様々な種類の内容物55に対して、内容物55から外部に熱を取り出し、又は、外部から内容物55に熱を与える用途に適用できる。この場合、放熱フィン20、放熱フィン25、放熱フィン27、又は放熱フィン29によって、内容物55と熱媒体104との間の熱交換の効率が高まる。
図14A及び図14Bに示すように、蓄熱セル61において、第一バリア層1a及び第二バリア層1bが、交流電源70又は直流電源71に導線73によって接続されていてもよい。この場合、第一バリア層1a及び第二バリア層1bが、それぞれ、アルミニウム箔などの金属箔で形成されている。これにより、第一バリア層1aと第二バリア層1bとの間に交流電界又は直流電界を印加することができる。電界印加によって、例えば、内容物55である潜熱蓄熱材の過冷却状態を安定的に維持できる。第一バリア層1a及び第二バリア層1bは、内容物55である潜熱蓄熱材及び熱媒体104と接触しないので、潜熱蓄熱材及び熱媒体104が導電性を有していても、第一バリア層1aと第二バリア層1bとの短絡を防止できる。
<衣類用の洗浄機及び乾燥機>
本開示の衣類用の洗浄機及び衣類用の乾燥機について説明する。図15に示すように、衣類用の洗浄機200aは、蓄熱装置100と、洗浄槽210aと、流路220aとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、衣類用の洗浄機200aは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、衣類用の洗浄機200aの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、入浴後の浴槽の残り湯、台所の排水、及び洗浄槽210aを回転させるための電動機(図示省略)の排熱を挙げることができる。洗浄槽210aは、衣類を洗浄するための洗浄空間230aを形成する。流路220aは、給水口221から洗浄空間230aまで延びている。また、流路220aは、流路220aを流れる水が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、流路220aは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を利用して流路220aを流れる水を温めることができる。これにより、例えば、洗浄空間230aに供給される洗浄水の温度を高めて、衣類の洗浄能力を高めることができる。また、衣類用の洗浄機200aは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路220aを流れる水を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、衣類用の洗浄機200aを長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
本開示の衣類用の洗浄機及び衣類用の乾燥機について説明する。図15に示すように、衣類用の洗浄機200aは、蓄熱装置100と、洗浄槽210aと、流路220aとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、衣類用の洗浄機200aは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、衣類用の洗浄機200aの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、入浴後の浴槽の残り湯、台所の排水、及び洗浄槽210aを回転させるための電動機(図示省略)の排熱を挙げることができる。洗浄槽210aは、衣類を洗浄するための洗浄空間230aを形成する。流路220aは、給水口221から洗浄空間230aまで延びている。また、流路220aは、流路220aを流れる水が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、流路220aは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を利用して流路220aを流れる水を温めることができる。これにより、例えば、洗浄空間230aに供給される洗浄水の温度を高めて、衣類の洗浄能力を高めることができる。また、衣類用の洗浄機200aは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路220aを流れる水を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、衣類用の洗浄機200aを長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
衣類用の洗浄機200aは、衣類用の乾燥機200bとしても機能する。衣類用の乾燥機200bは、蓄熱装置100と、乾燥槽210bと、空気流路220bとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には、蓄熱セル61が配置されているので、衣類用の乾燥機200bは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、衣類用の乾燥機200bの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、入浴後の浴槽の残り湯又は衣類用の乾燥機200bから排出されるべき残存熱を有する排水を挙げることができる。乾燥槽210bは、衣類を乾燥させるための乾燥空間230bを形成する。空気流路220bは、吸気口222から乾燥空間230bまで延びている。また、空気流路220bは、空気流路220bを流れる空気が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、空気流路220bは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を利用して空気流路220bを流れる空気を温めることができる。これにより、例えば、乾燥空間230bに供給される温風を生成するのに蓄熱装置100に蓄えられた熱を利用できる。また、衣類用の乾燥機200bは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路220bを流れる空気を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。
<食器用の洗浄機及び乾燥機>
本開示の食器用の洗浄機及び食器用の乾燥機について説明する。図16に示すように、食器用の洗浄機400aは、蓄熱装置100と、洗浄槽410aと、流路420aとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、食器用の洗浄機400aは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、食器用の洗浄機400aの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、食器用の洗浄機400aからの排出されるべき残存熱を有する排水、食器用の洗浄機400aが備える発熱部品の排熱、入浴後の浴槽の残り湯、及び台所の排水を挙げることができる。洗浄槽410aは、衣類を洗浄するための洗浄空間430aを形成する。流路420aは、給水口421から洗浄空間430aまで延びている。また、流路420aは、流路420aを流れる水が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、流路420aは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路420aを流れる水を温めることができる。これにより、例えば、洗浄空間430aに供給される洗浄水の温度を高めて、食器の洗浄能力を高めることができる。また、食器用の洗浄機400aは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路420aを流れる水を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、食器用の洗浄機400aを長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
本開示の食器用の洗浄機及び食器用の乾燥機について説明する。図16に示すように、食器用の洗浄機400aは、蓄熱装置100と、洗浄槽410aと、流路420aとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、食器用の洗浄機400aは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、食器用の洗浄機400aの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、食器用の洗浄機400aからの排出されるべき残存熱を有する排水、食器用の洗浄機400aが備える発熱部品の排熱、入浴後の浴槽の残り湯、及び台所の排水を挙げることができる。洗浄槽410aは、衣類を洗浄するための洗浄空間430aを形成する。流路420aは、給水口421から洗浄空間430aまで延びている。また、流路420aは、流路420aを流れる水が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、流路420aは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路420aを流れる水を温めることができる。これにより、例えば、洗浄空間430aに供給される洗浄水の温度を高めて、食器の洗浄能力を高めることができる。また、食器用の洗浄機400aは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって流路420aを流れる水を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、食器用の洗浄機400aを長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
食器用の洗浄機400aは、食器用の乾燥機400bとしても機能する。食器の乾燥機400bは、蓄熱装置100と、乾燥槽410bと、空気流路420bとを備えている。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、食器用の乾燥機400bは、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、食器用の乾燥機400bの内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、食器用の乾燥機400bからの排出されるべき残存熱を有する排水、食器用の乾燥機400bが備える発熱部品の排熱、入浴後の浴槽の残り湯、及び台所の排水を挙げることができる。乾燥槽410aは、食器を乾燥させるための乾燥空間430bを形成する。空気流路420bは、吸気口422から乾燥空間430bまで延びている。また、空気流路420bは、空気流路420bを流れる空気が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように延びている。例えば、空気流路420bは、蓄熱装置100を通過するように形成されている。これにより、熱源の熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって空気流路420bを流れる空気を温めることができる。これにより、例えば、乾燥空間430bに供給される温風を生成するのに蓄熱装置100に蓄えられた熱を利用できる。また、食器用の乾燥機400bは、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱によって空気流路420bを流れる空気を温めることができるので、消費エネルギーを抑制できる。
<暖房器具>
本開示の暖房器具について説明する。図17に示すように、暖房器具300は、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には、蓄熱セル61が配置されているので、暖房器具300は、蓄熱セル61を備えている。暖房器具300は、例えば、温風を吹出す暖房器具である。蓄熱セル61は、暖房器具300の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。暖房器具300は、例えば、室外機301と、室内機302とを備える。室外機301と室内機302とは冷媒配管によって接続されている。室外機301は、冷媒を圧縮するための圧縮機(図示省略)を備えている。圧縮機によって圧縮された冷媒は、冷媒配管を通過して室内機302に供給される。室内機302は、室内空気と冷媒とを熱交換させる室内熱交換器(図示省略)及びファン(図示省略)を備える。室内空気は、ファンによって、室内機302の内部に吸い込まれ、室内熱交換器を通過して室内に戻される。室内空気と冷媒との熱交換により、暖房器具300は温風を吹き出す。例えば、蓄熱セル61は、圧縮機の排熱を蓄えるように配置されている。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるように配置されている。例えば、室内機302に供給されるべき冷媒の一部が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように、蓄熱セル61が配置されている。これにより、圧縮機の排熱を蓄熱セル61に蓄えたうえで、蓄熱セル61に蓄えられた熱を温風の生成に利用できる。
本開示の暖房器具について説明する。図17に示すように、暖房器具300は、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には、蓄熱セル61が配置されているので、暖房器具300は、蓄熱セル61を備えている。暖房器具300は、例えば、温風を吹出す暖房器具である。蓄熱セル61は、暖房器具300の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。暖房器具300は、例えば、室外機301と、室内機302とを備える。室外機301と室内機302とは冷媒配管によって接続されている。室外機301は、冷媒を圧縮するための圧縮機(図示省略)を備えている。圧縮機によって圧縮された冷媒は、冷媒配管を通過して室内機302に供給される。室内機302は、室内空気と冷媒とを熱交換させる室内熱交換器(図示省略)及びファン(図示省略)を備える。室内空気は、ファンによって、室内機302の内部に吸い込まれ、室内熱交換器を通過して室内に戻される。室内空気と冷媒との熱交換により、暖房器具300は温風を吹き出す。例えば、蓄熱セル61は、圧縮機の排熱を蓄えるように配置されている。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるように配置されている。例えば、室内機302に供給されるべき冷媒の一部が蓄熱セル61に蓄えられた熱によって温められるように、蓄熱セル61が配置されている。これにより、圧縮機の排熱を蓄熱セル61に蓄えたうえで、蓄熱セル61に蓄えられた熱を温風の生成に利用できる。
また、暖房器具300は、蓄熱セル61に加えて、外気と冷媒とを熱交換させるための室外熱交換器310を備える。例えば、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が室外熱交換器310の除霜に利用されるように配置されている。例えば、室外機301の内部において、蓄熱装置100を通過した空気が室外熱交換器310に供給されるように空気の流路が形成されている。室外熱交換器310における外気と冷媒との間の熱交換により、外気に含まれる水分が結露して室外熱交換器310が着霜することがある。室外熱交換器310への着霜は、室外熱交換器310における熱交換の効率を低下させ、暖房器具300の能力を低下させる。これを防ぐために、蓄熱セル61に蓄えられた熱が室外熱交換器310の除霜に利用される。
暖房器具300は、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を温風の生成又は室外熱交換器310の除霜に利用できるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、暖房器具300を長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
<冷蔵庫>
本開示の冷蔵庫について説明する。図18に示すように、冷蔵庫500は、冷蔵室又は冷凍室を冷却するための冷却器510と、蓄熱装置100と、を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、冷蔵庫500は、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、冷蔵庫500の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、冷蔵庫500の冷凍サイクルの排熱(例えば、圧縮機の排熱)、入浴後の浴槽の残り湯、及び台所の排水が挙げられる。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が冷却器510の除霜に利用されるように配置されている。例えば、蓄熱装置100を通過した熱媒体が冷却器510に供給されるように熱媒体の流路が形成されている。これにより、蓄熱セル61に蓄えられた熱が冷却器510の除霜に利用されるので、冷却器510における着霜による冷蔵庫の能力低下を抑制できる。
本開示の冷蔵庫について説明する。図18に示すように、冷蔵庫500は、冷蔵室又は冷凍室を冷却するための冷却器510と、蓄熱装置100と、を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、冷蔵庫500は、蓄熱セル61を備えている。蓄熱セル61は、冷蔵庫500の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、冷蔵庫500の冷凍サイクルの排熱(例えば、圧縮機の排熱)、入浴後の浴槽の残り湯、及び台所の排水が挙げられる。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が冷却器510の除霜に利用されるように配置されている。例えば、蓄熱装置100を通過した熱媒体が冷却器510に供給されるように熱媒体の流路が形成されている。これにより、蓄熱セル61に蓄えられた熱が冷却器510の除霜に利用されるので、冷却器510における着霜による冷蔵庫の能力低下を抑制できる。
冷蔵庫500は、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を冷却器510の除霜に利用できるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、冷蔵庫500を長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。
<車両用暖房器具>
本開示の車両用暖房器具について説明する。図19に示すように、車両用暖房器具610は、例えば車室に向かって温風を吹出す暖房器具であり、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、車両用暖房器具610は、蓄熱セル61を備える。蓄熱セル61は、車両600のエンジン650の排熱を蓄えるように配置されている。例えば、エンジン650の冷却水が蓄熱装置100の内部に供給されるように冷却水の流路が形成されている。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるように配置されている。例えば、車両用暖房器具610は、蓄熱装置100から車室まで延びている空気の流路を有する。蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるので、例えば、エンジン始動直後の暖機運転又は車室の暖房のために蓄熱セル61に蓄えられた熱を利用できる。
本開示の車両用暖房器具について説明する。図19に示すように、車両用暖房器具610は、例えば車室に向かって温風を吹出す暖房器具であり、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、車両用暖房器具610は、蓄熱セル61を備える。蓄熱セル61は、車両600のエンジン650の排熱を蓄えるように配置されている。例えば、エンジン650の冷却水が蓄熱装置100の内部に供給されるように冷却水の流路が形成されている。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるように配置されている。例えば、車両用暖房器具610は、蓄熱装置100から車室まで延びている空気の流路を有する。蓄熱セル61に蓄えられた熱が温風の生成に利用されるので、例えば、エンジン始動直後の暖機運転又は車室の暖房のために蓄熱セル61に蓄えられた熱を利用できる。
車両用暖房器具610は、エンジンの排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を温風の生成に利用できるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、冷蔵庫500を長期間使用する場合のメンテナンスの回数をできるだけ少なくできる。また、蓄熱装置100は、日中に車両600に照射される太陽光の熱を蓄えてもよい。
<植物栽培用温室>
本開示の植物栽培用温室について説明する。図20に示すように、植物栽培用温室700は、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、植物栽培用温室700は、蓄熱セル61を備える。蓄熱セル61は、植物栽培用温室700の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、日中に蓄熱装置100又は植物栽培用温室700の外周面に照射される太陽熱が挙げられる。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱によって植物栽培用温室700の内部空間750を温めるように配置されている。例えば、植物栽培用温室700は、蓄熱装置100から内部空間750まで延びている空気の流路を有する。例えば、内部空間750の温度が所定の温度よりも下がったときに内部空間750の暖房に蓄熱セル61に蓄えられた熱を利用できる。
本開示の植物栽培用温室について説明する。図20に示すように、植物栽培用温室700は、蓄熱装置100を備える。上記の通り、蓄熱装置100の内部には蓄熱セル61が配置されているので、植物栽培用温室700は、蓄熱セル61を備える。蓄熱セル61は、植物栽培用温室700の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置されている。蓄熱セル61に蓄えられる熱の熱源としては、例えば、日中に蓄熱装置100又は植物栽培用温室700の外周面に照射される太陽熱が挙げられる。また、蓄熱セル61は、蓄熱セル61に蓄えられた熱によって植物栽培用温室700の内部空間750を温めるように配置されている。例えば、植物栽培用温室700は、蓄熱装置100から内部空間750まで延びている空気の流路を有する。例えば、内部空間750の温度が所定の温度よりも下がったときに内部空間750の暖房に蓄熱セル61に蓄えられた熱を利用できる。
植物栽培用温室700は、不要な排熱を蓄熱装置100に蓄えたうえで、蓄熱装置100に蓄えられた熱を内部空間750の暖房に利用できるので、消費エネルギーを抑制できる。また、蓄熱セル61の使用によって、冷蔵庫500を長期間使用する場合のメンテナンスの回数を出来るだけ少なくできる。
1a 第一バリア層
1ax 第一表面
1ay 第二表面
1b 第二バリア層
1bx 第三表面
1by 第四表面
10a 第一積層フィルム
10b 第二積層フィルム
11 第一熱可塑性樹脂層
12 第二熱可塑性樹脂層
13 第三熱可塑性樹脂層
14 第四熱可塑性樹脂層
15a 第一連続熱可塑性樹脂層
15b 第二連続熱可塑性樹脂層
16a 第一中間樹脂層
16b 第二中間樹脂層
50 内部空間
55 内容物(潜熱蓄熱材)
60 容器
61 蓄熱セル
200a 衣類用の洗浄機
200b 衣類用の乾燥機
210a 洗浄槽
210b 乾燥槽
220a 流路
220b 空気流路
221 給水口
222 吸気口
300 暖房器具
310 室外熱交換器
400a 食器用の洗浄機
400b 食器用の乾燥機
410a 洗浄槽
420b 乾燥槽
420a 流路
420b 空気流路
421 給水口
422 吸気口
500 冷蔵庫
510 冷却器
600 車両
610 車両用暖房器具
650 エンジン
700 植物栽培用温室
750 内部空間
1ax 第一表面
1ay 第二表面
1b 第二バリア層
1bx 第三表面
1by 第四表面
10a 第一積層フィルム
10b 第二積層フィルム
11 第一熱可塑性樹脂層
12 第二熱可塑性樹脂層
13 第三熱可塑性樹脂層
14 第四熱可塑性樹脂層
15a 第一連続熱可塑性樹脂層
15b 第二連続熱可塑性樹脂層
16a 第一中間樹脂層
16b 第二中間樹脂層
50 内部空間
55 内容物(潜熱蓄熱材)
60 容器
61 蓄熱セル
200a 衣類用の洗浄機
200b 衣類用の乾燥機
210a 洗浄槽
210b 乾燥槽
220a 流路
220b 空気流路
221 給水口
222 吸気口
300 暖房器具
310 室外熱交換器
400a 食器用の洗浄機
400b 食器用の乾燥機
410a 洗浄槽
420b 乾燥槽
420a 流路
420b 空気流路
421 給水口
422 吸気口
500 冷蔵庫
510 冷却器
600 車両
610 車両用暖房器具
650 エンジン
700 植物栽培用温室
750 内部空間
Claims (22)
- 内容物を内包保持している容器であって、
第一積層フィルムと、第二積層フィルムとを備え、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記内容物が保持されている前記容器の内部空間が、前記第一積層フィルムの前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第二積層フィルムの前記第三熱可塑性樹脂層によって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に形成され、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが重なっており、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されており、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている、
容器。 - 前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されている位置は、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されている位置よりも、前記内容物に近い、請求項1に記載の容器。
- 前記内部空間は、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが一体化されていることによって密閉されている、請求項1又は2に記載の容器。
- 前記内部空間は、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とが一体化されていることによって密閉されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、それぞれ、200℃以下の融点を有する樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、それぞれ、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂のいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第二熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と前記第三熱可塑性樹脂層を形成する樹脂とが同一種類の樹脂であり、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層を形成する樹脂と前記第四熱可塑性樹脂層を形成する樹脂とが同一種類の樹脂である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一バリア層の酸素透過度及び前記第二バリア層の酸素透過度は、それぞれ、10ml/(m2・day・atm)以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、それぞれ、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、及びポリアミド系樹脂フィルムからなる群から選択された少なくとも1つの材料で形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムが、連続した1つの積層フィルムの互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、連続した1つのバリア層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第二熱可塑性樹脂層及び前記第三熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第一連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層及び前記第四熱可塑性樹脂層は、連続した1つの第二連続熱可塑性樹脂層の互いに異なる部分によって形成されている、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器。 - 前記第一積層フィルムは、第一バリア層と前記第一熱可塑性樹脂層との間、若しくは、前記第一バリア層と前記第二熱可塑性樹脂層との間に位置する、第一中間樹脂層をさらに有する、又は、前記第二積層フィルムは、第二バリア層と前記第四熱可塑性樹脂層との間、若しくは、前記第二バリア層と前記第三熱可塑性樹脂層との間に位置する、第二中間樹脂層をさらに有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器。
- 前記第一中間樹脂層及び前記第二中間樹脂層は、それぞれ、延伸ナイロンフィルムによって形成されている、請求項11に記載の容器。
- 内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第一積層フィルムの端部と前記第二積層フィルムの端部とが揃い、かつ、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの端部の少なくとも一部及び前記第二積層フィルムの端部の少なくとも一部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、かつ、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法。 - 内容物を保持する容器の製造方法であって、
前記容器は、第一積層フィルムと第二積層フィルムとの間の内部空間に内容物を保持し、
前記第一積層フィルムは、
第一表面及び第二表面を有する第一バリア層と、
前記第一バリア層の前記第一表面側に配置された第一熱可塑性樹脂層と、
前記第一バリア層の前記第二表面側に配置された第二熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二積層フィルムは、
第三表面及び第四表面を有する第二バリア層と、
前記第二バリア層の前記第三表面側に配置された第三熱可塑性樹脂層と、
前記第二バリア層の前記第四表面側に配置された第四熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とが接するように、前記第一積層フィルムと前記第二積層フィルムとを重ね、
前記第一積層フィルムの前記内部空間を形成すべき部分の外周で前記第一積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第一積層フィルムの周縁部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧し、かつ、前記第一積層フィルムの前記周縁部と向かい合って前記第二積層フィルムの端から所定の距離離れて延びている前記第二積層フィルムの周縁部において、前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記内部空間が形成されるように前記第二熱可塑性樹脂層と前記第三熱可塑性樹脂層とを一体化させ、
前記内部空間の外周において、前記第一積層フィルムの切断面と前記第二積層フィルムの切断面とが揃うように、前記第一積層フィルムの前記周縁部に沿って、前記第一積層フィルム及び前記第二積層フィルムを切断し、
前記第一積層フィルムの前記切断面に接する前記第一積層フィルムの端部及び前記第二積層フィルムの前記切断面に接する前記第二積層フィルムの端部において、前記第一熱可塑性樹脂層の表面及び前記第四熱可塑性樹脂層の表面を加熱しながら加圧することによって、前記第一熱可塑性樹脂層と前記第四熱可塑性樹脂層とを一体化させる、
容器の製造方法。 - 潜熱蓄熱材と、
前記潜熱蓄熱材を前記内容物として内包保持している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の容器と、を備え、
前記第一バリア層及び前記第二バリア層は、それぞれ、アルミニウム箔によって形成されており、
前記第一熱可塑性樹脂層、前記第二熱可塑性樹脂層、前記第三熱可塑性樹脂層、及び前記第四熱可塑性樹脂層は、それぞれ、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムで形成されている、
蓄熱セル。 - 衣類用又は食器用の洗浄機であって、
前記洗浄機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルと、
衣類又は食器を洗浄するための洗浄空間を形成する洗浄槽と、
給水口から前記洗浄空間まで延びている流路であって、当該流路を流れる流体が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている流路と、を備えた、
洗浄機。 - 衣類用又は食器用の乾燥機であって、
前記乾燥機の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルと、
衣類又は食器を乾燥させるための乾燥空間を形成する乾燥槽と、
吸気口から前記乾燥空間まで延びている空気流路であって、当該空気流路を流れる空気が前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって温められるように延びている空気流路と、を備えた、
乾燥機。 - 温風を吹出す暖房器具であって、
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
暖房器具。 - 暖房器具であって、
外気と冷媒とを熱交換させるための室外熱交換器と
前記暖房器具の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記室外熱交換器の除霜に利用されるように配置されている、
暖房器具。 - 冷蔵庫であって、
冷蔵室又は冷凍室を冷却するための冷却器と、
前記冷蔵庫の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルと、を備え、
前記蓄熱セルは、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記冷却器の除霜に利用されるように配置されている、
冷蔵庫。 - 温風を吹出す車両用暖房器具であって、
車両のエンジンの排熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱が前記温風の生成に利用されるように配置された、蓄熱セルを備えた、
車両用暖房器具。 - 植物栽培用温室であって、
前記植物栽培用温室の内部又は外部に位置する熱源の熱を蓄えるように配置された、請求項15に記載の蓄熱セルであって、前記蓄熱セルに蓄えられた熱によって前記植物栽培用温室の内部空間を温めるように配置されている蓄熱セルを備えた、
植物栽培用温室。
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