以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、“第1始動口”に対して符号105を割り当てた場合、“第1始動口”を、“第1始動口105”と表記することもあるし、単に“始動口105”と表記することもある。
本発明に係る遊技機の好適な実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用した例である。
図1は、本実施形態に係る遊技機100の正面図である。図1を参照して遊技機100の基本構成を説明する。遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技盤101を含む、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。尚、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指し、上下方向も左右方向も遊技盤101の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の前方(遊技者側)において遊技領域103を視認可能に覆うガラス板(不図示)が枠部材113に固定されている。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口109及び普通入賞口110が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が大当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。
画像表示部104の下方には、第1始動口105及び第2始動口106が設置される。始動口105及び106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。所定の第1始動条件又は第2始動条件が成立することによって、大当たり抽選を受けるための権利が取得される。第1、第2始動条件は、夫々、遊技球が始動口105、106を通過することによって、即ち始動口105、106に遊技球が入賞(入球)することによって成立する。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。
第2始動口106の近傍に、電動チューリップ107が設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイドによって行われる。実質的には、電動チューリップ107が閉状態であるとき、遊技球の第2始動口106への入賞は不可能であり、電動チューリップ107が開状態であるときにのみ、遊技球の第2始動口106への入賞が可能となる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105及び106と同様、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。
第2始動口106の右側には大入賞口109が設けられる。大入賞口109も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっており、遊技球を大入賞口109へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を大入賞口109へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、大入賞口109が備えるソレノイドによって行われる。実質的には、大入賞口109が閉状態であるとき、遊技球の大入賞口109への入賞は不可能であり、大入賞口109が開状態であるときにのみ、遊技球の大入賞口109への入賞が可能となる。大入賞口109が開状態となることを、大入賞口109の開放とも言う。大入賞口109は、通常、閉鎖されており、大当たり抽選にて大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球9個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば16回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口110が設置される。遊技機100は、普通入賞口110への入賞を検出した場合には所定個数(例えば8個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、大入賞口109、普通入賞口110は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109及び普通入賞口110の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については図2を用いて後述する。尚、情報表示部112の設置位置を任意に変更することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲み、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出した形状を有している。枠部材113には、スピーカ114及び演出ライト部115などが組み込まれている。演出ライト部115は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。
枠部材113の右下位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材117が設けられている。発射指示部材117は、操作ハンドル116により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材117を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材117を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。また、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するタッチセンサなどが設けられている。発射指示部材117が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
枠部材113において遊技領域103の下方には、演出ボタン118、十字キー119及び打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118及び十字キー119は、遊技者からの入力操作を受け付けるための操作受付部を構成している。打球供給皿120は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。
また、遊技盤101上には、演出時に駆動される可動役物130が設けられている。可動役物130は、扇形状の第1可動役物130a、第2可動役物130bと、鏃形状の第3可動役物130c、第4可動役物130dとからなり、通常時(可動役物130を用いた演出を実行しないとき)は、それぞれ図1に示したように画像表示部104の上部及び左右の側部に退避した位置(初期位置)に配置されている。可動役物130を用いた演出の実行時において、第1可動役物130a、第2可動役物130bは初期位置から下方へスライドした位置(動作位置)へ進出する。第3可動役物130cは初期位置から右方へ回動した位置(動作位置)へ進出する。第4可動役物130dは初期位置から左方へ回動した位置(動作位置)へ進出する。
図2に示す如く、情報表示部112は、大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄を表示する特別図柄表示部201、普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する普通図柄表示部202、保留表示部203、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205を備えている。各表示部201〜205をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
特別図柄として第1及び第2特別図柄が存在する。特別図柄表示部201は、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bを有する。保留表示部203は、表示部203a、203b及び203cを有する。第1始動条件の成立による大当たり抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U1として表示部203aに表示される。第2始動条件の成立による大当たり抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U2として表示部203bに表示される。遊技球がゲート108を通過したことによる普通図柄抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U3として表示部203cに表示される。
図3を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図3は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、及び、出力端子基板305等が設けられている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
枠部材113は、左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)においてヒンジ機構部320を介して外枠330に連結されており、ヒンジ機構部320を支点として左右方向の他端側(例えば遊技者から見て右側)を外枠330から離れる方向に回動可能とされている。枠部材113がヒンジ機構部320を支点として扉のように回動することによって、遊技盤101を含む、外枠330の内側部分を開放することができる。枠部材113の他端側(例えば遊技者から見て右側)には、その他端側を外枠330に固定するロック機構(不図示)が設けられている。
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく大当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、大当たり抽選の権利の取得に相当する。大当たり抽選では、大当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか、或いはハズレであるか)が判定される。第1始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第1特別図柄を停止表示させる。一方、第2始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第2特別図柄を停止表示させる。
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄(例えば3つの数字)を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。例えば、大当たりを示す所定の図柄で特別図柄を停止表示させた場合(即ち、大当たり抽選で大当たりに当選した場合)には、大当たりを示す組み合わせ(例えば「7・7・7」といった所謂ゾロ目)で装飾図柄を停止表示させる。
大当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、当選した大当たりに応じたラウンド分(例えば16ラウンド)、大入賞口109を開放させる大当たり遊技が行われる。大入賞口109の開放中に遊技球が大入賞口109へ入賞すると、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技中には、大当たり抽選は行われない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、遊技球を大入賞口109へ入賞させるために右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。大当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である(換言すれば、大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口109の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
大当たり遊技の終了後、遊技機100は、大当たり抽選を行う遊技状態へ復帰する。この際、当選した大当たりの種類に応じて遊技状態が変更されうる。
遊技機100は、大入賞口109の開放を伴う遊技状態(大当たり遊技状態を含む)を除いて、低確率非電サポ遊技状態である通常遊技状態、確変遊技状態とも言うべき高確率電サポ遊技状態、及び、高確率非電サポ遊技状態(潜伏確変遊技状態)の内、何れか1つの遊技状態をとる。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。
通常遊技状態は、低確率遊技状態に属する。低確率遊技状態において、遊技機100は、低確率特図当たり判定テーブル(後述の図6のテーブルTAt1参照)を用いた大当たり抽選を行い、本実施形態では例として、1/399の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。
高確率電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態は、高確率遊技状態に属する。高確率遊技状態において、遊技機100は、高確率特図当たり判定テーブル(後述の図6のテーブルTAt2参照)を用いた大当たり抽選を行い、ここでは例として、6/399の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。つまり、高確率遊技状態では、低確率遊技状態に比べて、6倍高い確率で大当たりに当選するようになっている。従って、大当たりの当選に関して高確率遊技状態は低確率遊技状態よりも遊技者に有利である。
高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄抽選の当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られ、結果、電サポ遊技状態では、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第2始動口106への入賞となる。なお、電サポ遊技状態における遊技を電サポ遊技とも言う。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)及び高確率非電サポ遊技状態は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態では、上述した左打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第1始動口105への入賞となる。上述の説明からも理解されるように、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも相対的に始動条件(第2始動条件)が成立しやすい遊技状態である。従って、始動条件の成立しやすさに関して電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者に有利である。
なお、始動条件の成立しやすさに関して非電サポ遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利である電サポ遊技状態、及び大当たりの当選に関して低確率遊技状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利である高確率遊技状態を、“有利遊技状態”と言う。
図4を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。図4は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図4に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図4に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図3の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図4の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図3の出力端子基板305は図4の盤用外部情報端子基板491を含む。
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。主制御部401におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、メインCPU、メインROM、メインRAMとも呼ぶ。メインCPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をメインROM412から読み出し、メインRAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。図4に示す如く、メインROM412には、テーブルTAt、TZt、TEt、FAt、FZt、FHt及びDKtが格納され、メインRAM413には、記憶領域413a〜413jが設けられている。この他にも、様々なテーブルをメインROM412に格納しておくことができると共に、様々な記憶領域をメインRAM413に設けておくことができる。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW414bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW416と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW417とが接続されている。
SW414a及び414b並びにSW415〜417の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ出力し、主制御部401は、入力された検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報を記憶したり、特図判定用情報を用いて大当たり抽選をおこなったり、賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。SW414a、414b、415、416及び417として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤101上に複数設けられている場合、複数の第1始動口105の夫々に対して第1始動口SW414aが設けられる。第2始動口106、ゲート108、大入賞口109又は普通入賞口110が複数設けられる場合も同様である。
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド418と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド419が接続されている。主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド418に対し電気信号を入力又は非入力とし、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド419に対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド418、419は、夫々、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ107の開閉動作、大入賞口109の開閉動作を行う。
また、主制御部401には、図2の情報表示部112内の各種表示部が接続される。(但し、図4において表示部204及び205の図示は省略)。主制御部401は、大当たり抽選の抽選結果に基づき第1特別図柄表示部201a又は第2特別図柄表示部201bの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部202の表示制御を行う。更に、主制御部401は、保留情報数U1、U2及びU3に基づき保留表示部203の表示内容を制御する。
[1−1.メイン処理]
図5に、主制御部401が行う主だった処理を列記する。遊技機100へ電力が供給されると、メインCPU411によりメイン処理が実行される。メイン処理において、メインCPU411は、主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。また、メイン処理では、遊技機100への電源の遮断の有無が監視され、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。メインRAM413にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(例えば1日)電源が供給されるようになっている。このため、メインRAM413は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。尚、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等の不揮発性のRAM又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを、RAM413に採用しても良い。この場合、RAM413は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
[1−2.タイマ割込み処理]
メインCPU411は、メイン処理により設定記憶領域413aに記憶された周期(例えば数ミリ秒又はそれ以下の周期)で、メイン処理に対しタイマ割込処理を割り込み実行する(図5参照)。タイマ割込処理において、メインCPU411は、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理を順次実行する。
[1−2−1.乱数更新処理]
乱数更新処理を説明する(図5参照)。乱数更新処理において、メインCPU411は、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。カウンタ記憶領域413cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5を含む、主制御部401が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタC1〜C5は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数をカウントする。乱数更新処理において、メインCPU411は、乱数カウンタC1〜C5の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。ここでは例えば、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数を、夫々、「0〜398」、「0〜99」、「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数及び普図図柄乱数は、例えば「0〜9」の範囲内でカウントされる。尚、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
[1−2−2.スイッチ処理]
スイッチ処理を説明する(図5参照)。スイッチ処理において、メインCPU411は、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理及び普通入賞口スイッチ処理を順次実行する。
メインCPU411は、ROM412内の始動口スイッチ処理プログラムにより、始動口スイッチ処理を実行する(図5参照)。始動口スイッチ処理は、第1及び第2始動口スイッチ処理から成る。第1始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口105への入賞に基づく第1始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2及び特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)をメインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。第2始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口106への入賞に基づく第2始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)を、メインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。
特図判定用情報記憶領域413dは、第1始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第2始動条件の成立に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、記憶領域413dには、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413d内における、第1、第2始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、夫々、上記の保留情報数U1、U2に相当する。また、記憶領域413dに記憶された各特図判定用情報に対し、大当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第1始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第2始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする。始動口スイッチ処理の中で実行される事前判定処理については後述する。
メインCPU411は、ROM412内のゲートスイッチ処理プログラムにより、ゲートスイッチ処理を実行する(図5参照)。ゲートスイッチ処理において、メインCPU411は、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cの普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報(普図保留情報)を、メインRAM413の普図判定用情報記憶領域413iに記憶させる。普図判定用情報記憶領域413iは、普図判定用情報を所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。記憶領域413i内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数U3に相当する。記憶領域記憶領域413iに記憶された各普図判定用情報に対し普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。
CPU411は、ROM412内の大入賞口スイッチ処理プログラムにより、大入賞口スイッチ処理を実行する(図5参照)。大入賞口スイッチ処理において、メインCPU411は、大入賞口109に入賞した遊技球を大入賞口SW416により検出する。普通入賞口スイッチ処理(図5参照)において、メインCPU411は、普通入賞口110に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。
[1−2−3.特別図柄処理]
メインCPU411は、ROM412内の特別図柄処理プログラムにより、特別図柄処理を実行する(図5参照)。特別図柄処理において、メインCPU411は特図判定を実行する。特図判定は、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。上述の大当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。故に、特図判定は大当たり抽選を包含すると考えても良いし、特図判定と大当たり抽選は互いに等価であると考えても良い。特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、特図変動パターン判定によって選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す図柄で特別図柄を停止させる。
メインCPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行終了を指示する。また、特図当たり判定の結果が大当たり又は小当たりの当選を示しているとき、メインCPU411は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し当たり演出の実行開始を指示し、大当たり遊技又は小当たり遊技の終了時においてエンディングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し当たり演出の実行終了を指示する。これらのコマンドは、後述の出力処理(図5参照)において演出制御部403に出力される。
特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413d内で最も優先順位を高く設定された特図判定用情報を判定対象(当該判定対象)TTとして取得し、判定対象TTの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413dから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。尚、特別図柄処理において、記憶領域413dに特図判定用情報が記憶されていない場合には、特図判定が行われることなく特別図柄処理を終える。
特別図柄処理において、メインCPU411は、まず、メインROM412に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと判定対象TTの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。
図6に示すように、特図当たり判定テーブルTAtは、低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。テーブルTAt1及びTAt2の夫々は、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
メインCPU411は、特図当たり判定時(即ち大当たり抽選時)に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。
特図当たり乱数は、数値範囲「0〜398」内のいずれかの整数値をとる。テーブルTAt1では、大当たりに対して、“0”の判定値のみを割り当てている。一方、テーブルTAt2では、大当たりに対して、“0〜5”の計6個の各整数値を判定値に割り当てている。このため、テーブルTAt1を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は1/399となる一方、テーブルTAt2を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は6/399となる。
また、メインCPU411は、特図当たり判定において小当たりの当落も判定する。小当たりは、大当たりではなく、通常のハズレ(小当たり以外のハズレ)とは異なる特別図柄で表される特定のハズレである。メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が小当たりに対応づけられた判定値と一致した場合に小当たりに当選したと判定する。ここでは、高確率遊技フラグのON/OFFに依存せず、小当たりの当選確率は1/399であるとする。但し、第2特別図柄についての特図当たり判定においては(第2始動条件の成立に基づく特図当たり判定においては)、特図当たり乱数の如何に関係なく、小当たりに当選することは無い。
図7は、大当たりの種類を示す図である。本実施形態において、大当たりの種類には特A〜特Fがあるものとする。特A、特B、特E及び特Fは確変長当たりに属し、特Cは確変短当たりに属し、特Dは潜確短当たりに属する。特A、特B、特C、特D、特E、及び特Fに対応する大当たり遊技のラウンド数は、夫々、5、16、2、2、5、16である。尚、図7における“R”は各大当たりに対応する大当たり遊技のラウンドを示す。各ラウンドにおいて、大入賞口109の開放時間が所定時間に達するまで、大入賞口109が開放される。但し、各ラウンドにおいて、大入賞口109の開放時間が所定時間に達さなくても、大入賞口109への遊技球の入賞数が所定数に達した時点で大入賞口109は閉鎖される。以下の大入賞口109の開放時間に関する説明では、各ラウンドにおいて大入賞口109への遊技球の入賞数が所定数に達していない状況を想定している。
確変長当たりに対応する大当たり遊技の各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、所定のロング開放時間(例えば30秒)であって、確変短当たり及び潜確短当たりに対応する大当たり遊技の各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、ロング開放時間より短い所定のショート開放時間(例えば0.2秒)である。各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、各確変長当たり(特A、特B、特E及び特Fの大当たり)に対応する大当たり遊技間で同じであるが、各確変長当たりに対応する大当たり遊技間で多少異なっていても良い。各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、確変短当たり(特Cの大当たり)及び潜確短当たり(特Dの大当たり)に対応する大当たり遊技間で同じであるが、確変短当たり及び潜確短当たりに対応する大当たり遊技間で多少異なっていても良い。
第1特別図柄についての特図当たり判定において(第1始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが特A、特B、特C、特Dとなる割合は、夫々、70%、20%、5%、5%である。第2特別図柄についての特図当たり判定において(第2始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが特E、特Fとなる割合は、夫々、30%、70%である。つまり、第2特別図柄についての特別図柄処理において(第2始動条件の成立に基づく特別図柄処理において)、特A、特B、特C、特Dの大当たりに当選することは無い。
特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が所定の電サポ付与回数分(ST回数分)だけ変動するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選しない限り、特別図柄が所定の電サポ付与回数FK分(ここでは100回)変動するまで高確率電サポ遊技状態が維持される。そして、特別図柄が100回変動した後は、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。
特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、特別図柄が100回変動するまでに再び特A〜特C、特E、特Fの大当たりに当選した場合は、特A〜特C、特E、特Fの大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が100回変動するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。そして、特別図柄が100回変動した後は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。なお、特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、特別図柄が100回変動するまでに特Dの大当たりに当選した場合においても、特Dの大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が100回変動するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。
低確率非電サポ遊技状態において特Dの大当たりに当選した場合、特Dの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率非電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が所定回数分(ST回数分)だけ変動するまで、その設定内容(高確率非電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特Dの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選しない限り、特別図柄が所定のST回数分(ここでは100回)変動するまで高確率非電サポ遊技状態が維持される。そして、特別図柄が100回変動した後は、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。
特Dの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、特別図柄が100回変動するまでに特A〜特C、特E、特Fの大当たりに当選した場合には、特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が100回変動するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。そして、特別図柄が100回変動した後は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。
但し、特Dの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、特別図柄が100回変動するまでに再び特Dの大当たりに当選した場合には、その再度の特Dの大当たりに対応する大当たり遊技の終了後、メインCPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が100回変動するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。これにより、特Dの大当たりに連続して当選した場合に始動条件が成立し難い非電サポ遊技状態が長期間継続するという事態を回避することができる。
電サポ付与回数FKとは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がi回分だけ変動する間、遊技状態が電サポ遊技状態とされ、且つ特別図柄がi回分だけ変動した後は非電サポ遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する電サポ付与回数FKはi回である(iは整数)。本実施形態の遊技機100では、特A〜特C、特E、特Fの大当たりに対する電サポ付与回数FKは、共通して100回である(図7参照)。電サポ遊技状態では始動条件が成立し易くなるため、電サポ付与回数FKが多いほど遊技者にとって有利である。
尚、小当たりに当選した場合も、大入賞口109の開放を伴う遊技(これを小当たり遊技という)が実行されるが、主制御部401は、小当たりの当選を契機として遊技機100の遊技状態(大当たり抽選の当選確率及び電サポ付与の有無)を変化させない。つまり、小当たりの当選の前後間で遊技機100の遊技状態(大当たり抽選の当選確率及び電サポ付与の有無)は変化しない。小当たり遊技では、大入賞口109のショート開放時間(例えば0.2秒)による開放が複数回繰り返される。
特図当たり判定において大当たりに当選したと判定した場合、メインCPU411は、メインROM412に記憶されている特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。
特図図柄判定テーブルTZtは、第1特図図柄判定テーブルと、第2特図図柄判定テーブルとから構成される。判定対象TTが第1始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第1特図図柄判定テーブルを用いて、判定対象TTが第2始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第2特図図柄判定テーブルを用いて、特図図柄判定が行われる。第1、第2特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合(図7参照)で定まるように、夫々、第1、第2特図図柄判定テーブルが形成されている。
図7から分かるように、第2始動条件の成立による特図図柄判定は、第1始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている(即ち、より多くの賞球を得やすい)。ここにおける相対的に有利とは、第2始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値(ラウンド数の期待値)が、第1始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値(ラウンド数の期待値)よりも大きいことを意味する。同様に、ロング開放時間による大入賞口109の開放を伴う大当たり遊技は、大入賞口109がショート開放時間でしか開放されない大当たり遊技又は小当たり遊技よりも、遊技者にとって相対的に有利である(大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値が大きい)。“大当たり遊技において大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値”を、大当たり遊技におけるラウンド数の期待値、又は、大当たり遊技における大入賞口109の総開放時間の最大値の期待値に読み替えても良い。
メインCPU411は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図変動パターン乱数とに基づき、判定対象TTに対する特図変動パターンを判定する特図変動パターン判定を行う。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。特図変動パターンテーブルTHtには複数の特図変動パターンが含まれており、特図変動パターン判定において判定対象TTに対する1つの特図変動パターンが選択される。各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さ)を定義している。
図8及び図9に、特図変動パターンテーブルTHt(図4参照)の例を示す。特図変動パターンテーブルTHtは、図8に示す、非電サポ遊技状態において用いられる第1特図変動パターンテーブルTHt1及び第2特図変動パターンテーブルTHt2と、図9に示す、電サポ遊技状態において用いられる第3特図変動パターンテーブルTHt3、第4特図変動パターンテーブルTHt4、第5特図変動パターンテーブルTHt5、第6特図変動パターンテーブルTHt6、及び第7特図変動パターンテーブルTHt7から構成される。以下、第1特図変動パターンテーブルTHt1〜第7特図変動パターンテーブルTHt7を、単にテーブルTHt1〜テーブルTHt7ともいう。なお、特図変動パターンテーブルTHtは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するものであるが、実際には、特別図柄の変動開始と同時に装飾図柄も変動を開始し、特別図柄の変動停止と同時に装飾図柄も変動を停止するため、特別図柄に対応する装飾図柄の変動パターン(変動時間)を決定するものであると考えても良い。
テーブルTHt1〜THt7の夫々は、特図変動パターンTHp1〜THp9の全部又は一部に対し所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、各特図変動パターンTHp1〜THp9は、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さであって、以下「変動時間」という)を定義している。特図変動パターンTHp1及びTHp7は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp2〜THp6はリーチ演出が行われる特図変動パターンである(図12参照)。特図変動パターンTHp7に対応する判定値は、テーブルTHt3にのみ存在する。また、特図変動パターンTHp8、THp9に対応する判定値は、それぞれテーブルTHt6、THt7にのみ存在し、特図変動パターンTHp8、THp9は、電サポ遊技状態における特別図柄の最終変動(100回目)のみに用いられる特殊パターンである。特図変動パターンTHp1〜THp9における特別図柄の変動時間は、夫々、10秒、30秒、40秒、60秒、70秒、90秒、1秒、20秒、30秒である。
非電サポ遊技状態において、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt2を選択する。その後、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブルにおける、特図変動パターンTHpiに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHpiを選択及び設定する(ここで、iは1以上6以下の整数)。
テーブルTHt1では、特図変動パターンTHp1、THp2、THp3、THp4、THp5に対して、夫々、計81個の判定値「0〜80」、計9個の判定値「81〜89」、計6個の判定値「90〜95」、計3個の判定値「96〜98」、1個の判定値「99」を割り当てている。テーブルTHt2では、特図変動パターンTHp2、THp3、THp4、THp5、THp6に対して、夫々、計5個の判定値「0〜4」、計10個の判定値「5〜14」、計25個の判定値「15〜39」、計50個の判定値「40〜89」、計10個の判定値「90〜99」を割り当てている。
テーブルTHt1では、特図変動パターンTHp6に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt1では、プレミアリーチ演出(大当たり確定演出)が行われる特図変動パターンTHp6は選択されないようになっている。テーブルTHt2では、特図変動パターンTHp1に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt2では、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンTHp1は選択されないようになっている。テーブルTHt1及びTHt2が用いられる非電サポ遊技状態では、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に選択されやすくハズレ時に選択され難くなっている。そして、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度(大当たりが発生する、統計学上の確率の期待値)が高くなるように、テーブルTHt1及びTHt2内の判定値が定められている。なお、特図当たり判定の判定結果が小当たりの場合は、図8、図9に示した特図変動パターンテーブルTHtとは異なる特図変動パターンテーブル(図示せず)を用いて特図変動パターンが選択される。
一方、電サポ遊技状態において、CPU411は、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKに応じて、テーブルTHt3〜THt7を選択する。ここで、変動回数HKは、直近に当選した大当たりに基づく大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態が電サポ遊技状態とされる場合において、その大当たり遊技の終了時点から起算した特別図柄の変動回数を指す。具体的には、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)未満の場合であって、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt3を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt5を選択する。また、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定範囲(ここでは96〜99回)に属する場合であって、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt4を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt5を選択する。さらに、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(ここでは100回)目の場合は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt6を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt7を選択する。その後、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブルにおける、特図変動パターンTHpiに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHpiを選択及び設定する(ここで、iは1以上9以下の整数)。なお、“変動回数HKがi回”であるとは、(i−1)回分の変動が終わった後、i回目の変動が行われる前を指す。また、電サポ付与回数FKから変動回数HKを差し引いた回数を残り変動回数NKとする。
テーブルTHt3では、特図変動パターンTHp4、THp5に対して、夫々、計5個の判定値「90〜94」、計5個の判定値「95〜99」を割り当て、特図変動パターンTHp1及びTHp7の夫々に対して、計90個の共通の判定値「0〜89」を割り当てている。テーブルTHt3では、特図変動パターンTHp2、THp3及びTHp6に対し判定値が割り当てられていない。
テーブルTHt3における特図変動パターンTHp1及びTHp7の取り扱いについて説明する。電サポ遊技状態において特図当たり判定の判定結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が判定値「0〜89」に属するケースでは、「U2=0」である場合に限って特図変動パターンTHp1が判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定され、「U2≧1」である場合には特図変動パターンTHp7が判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定される。
特図変動パターンTHp7の変動を行うようにしているのは、電サポ遊技状態においては、「U2≧1」となる状態が往々にして発生し、このような状態において迅速な遊技を可能にするためである。一方、電サポ遊技状態において、「U2=0」の場合に10秒の変動時間を有する特図変動パターンTHp1の変動を行うことにより、第2始動条件を成立させるための時間を稼ぎ、これによって遊技者に不利な状況を生じにくくしている。電サポ遊技状態でも、第1始動条件の成立に対応する特図判定用情報が記録されている場合には、その特図判定用情報に基づく特別図柄の変動が行われることがある。但し、そのような変動の実行は、図7に示す大当たりの種類を鑑みれば、遊技者にとって不利である。このような不利な状況が発生しにくくなるように、上述のようなテーブルTHt3を形成している。
テーブルTHt4では、特図変動パターンTHp4、THp5に対して、夫々、計5個の判定値「90〜94」、計5個の判定値「95〜99」を割り当て、特図変動パターンTHp1に対して、計90個の共通の判定値「0〜89」を割り当てている。テーブルTHt4では、特図変動パターンTHp2、THp3、THp6及びTHp7に対し判定値が割り当てられていない。
テーブルTHt4において特図変動パターンTHp7に判定値を割り当てていないのは、電サポ遊技中の変動回数HKが所定範囲(96〜99回)のときは、特図当たり判定の判定結果がハズレであって且つ特図変動パターンが「0〜89」の何れかであっても保留情報数U2に関係なく10秒の変動時間を有する特図変動パターンTHp1の変動を行うためである。
一方、テーブルTHt5では、特図変動パターンTHp4、THp5、THp6に対して、夫々、計30個の判定値「0〜29」、計60個の判定値「30〜89」、計10個の判定値「90〜99」を割り当てている。テーブルTHt5では、特図変動パターンTHp1〜THp3に対し判定値が割り当てられていない。
テーブルTHt3〜THt5では、リーチ演出用の特図変動パターンとして、信頼度が比較的低い特図変動パターンTHp2及びTHp3が選択されないようにし、信頼度が比較的高い特図変動パターンTHp4〜THp6のみが選択可能になっている。つまり、遊技者に有利な電サポ遊技状態においては、遊技者をより高揚させることができる信頼度の高いリーチ演出のみを行うようにしている。
また、テーブルTHt6では、特図変動パターンTHp8に対して、計100個の判定値「0〜99」を割り当てている。テーブルTHt7では、特図変動パターンTHp9に対して、計100個の判定値「0〜99」を割り当てている。つまり、電サポ遊技中の最終変動(100回目)においては、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合は所定の煽り演出、及びハズレを示唆する演出を行った後、電サポ遊技終了を報知する表示やリザルト表示を行う。また、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合は所定の煽り演出、及び大当たりを示唆する演出を行う。
なお、“リザルト表示”とは、通常遊技状態(低確率非電サポ状態)にて始動口105への遊技球の入賞に基づいて取得された特図判定用情報に対する特図当たり判定において、大当たり遊技終了後に高確率電サポ遊技状態に移行する大当たり(特D以外の大当たり)に当選した後、高確率電サポ遊技が終了し、再び通常遊技状態に移行するまでに行われた大当たり遊技の回数や、大入賞口109に入賞したトータル遊技球数に基づく数値の表示をいう。
特図判定結果記憶領域413e(図4参照)には、判定対象TTについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。
[始動口スイッチ処理の中の事前判定処理]
また、始動口スイッチ処理の中でメインCPU411は事前判定処理を実行する(図5参照)。事前判定処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の方法は、判定対象TTに対するそれらの方法と同じである。事前判定処理の判定結果(即ち、事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果)は事前判定情報記憶領域413hに記憶され、事前判定処理の判定結果を含む事前判定コマンドがメインRAM413に設定されて、後述の出力処理にて演出制御部403に送信される。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得された時に、それが記憶領域413dに記憶される前に始動口スイッチ処理の中で実行される。
[1−2−4.普通図柄処理]
普通図柄処理(図5参照)を説明する。普通図柄処理において、メインCPU411は、普図判定用情報記憶領域413i内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象FFとして取得して、普図当たり判定テーブルFAt、普図図柄判定テーブルFZt及び普図変動パターンテーブルFHt並びに普図判定対象FFなどに基づき、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定から成る普図判定を実行し、普図判定の判定結果を普図判定結果記憶領域413jに記憶させると共に、普図判定の判定結果に基づいて普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413iから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。尚、普通図柄処理において、記憶領域413iに普図判定用情報が記憶されていない場合には、普図判定が行われることなく普通図柄処理を終える。
普図当たり判定では、普図当たりに当選したか否かが判定される。普図当たりに当選した場合、普図図柄判定テーブルFZtを用いた普図図柄判定により普図当たりの種類が判定される。普図当たりには、長開放当たりと短開放当たりとがある。電動チューリップ107が開状態とされる時間は、長開放当たりの方が短開放当たりよりも長い。普図変動パターン判定において、メインCPU411は、電サポの付与有無などに基づき、普図変動パターンテーブルFHtに含まれる複数の普図変動パターンの中から普図判定対象FFに対する普図変動パターンを選択する。普図変動パターンは、普通図柄の変動時間等を規定している。メインCPU411は、普図判定の判定結果が記憶された普図判定結果記憶領域413jの記憶内容に基づいて、普通図柄の表示制御を行わせる。例えば、普図変動パターン判定によって選択された普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動表示を行った後、普図当たり判定及び普図図柄判定の判定結果を示す図柄で普通図柄を停止させる。
[1−2−5.電動役物制御処理]
電動役物制御処理を説明する(図5参照)。CPU411は、ROM412内の電動役物制御処理プログラムにより、電動役物制御処理を実行する。電動役物制御処理では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。
大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口109が開閉動作され、特図判定の結果が小当たりの当選を示しているときに、小当たり用の大入賞口開放パターンを用いて大入賞口109が開閉動作される。大入賞開放パターンテーブルDKtには、大入賞口109の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されていると共に、小当たり用の大入賞口開放パターンが格納されている。メインCPU411は、テーブルDKtを参照して大入賞口処理を実現する。
また、大入賞口処理プログラムの中で、サブプログラムとしての遊技状態設定処理(図5参照)が実行される。遊技状態設定処理において、メインCPU411は、遊技状態を定める高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグなどの各種遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定する。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグのON/OFFが設定される他、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す高確率遊技残回数X及び電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数JがメインRAM413に設定される。
従って、特A〜特C、特E、特Fの大当たりに伴う遊技状態設定処理では(図7参照)、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にONとされ、且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「100」が設定される。特Dの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグがONとされる一方で電サポ遊技フラグがOFFとされ、且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに夫々「100」及び「0」が設定される。但し、特Dの大当たりの当選に伴って高確率遊技フラグがON、且つ電サポ遊技フラグがOFFとされている状態(即ち高確率非電サポ遊技状態)において特Dの大当たりに再度当選した場合、再度の特Dの大当たりに伴う遊技状態設定処理にて高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグを共にONとし且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「100」を設定する(即ち、遊技状態を高確率非電サポ遊技状態から高確率電サポ遊技状態に変更する)。
遊技状態設定処理にて設定された高確率遊技残回数Xは、“X≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“X=0”となると高確率遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は低確率遊技状態となる。遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Jは、“J≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“J=0”となると電サポ遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。遊技機100の初期状態において、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグはOFFであり且つ回数X及びJには“0”が設定されている。遊技盤101の背面に設けられたRAMクリアスイッチ(不図示)を押すことで遊技機100は初期状態となる。
CPU411は、ROM412内の電チュー処理プログラムにより、電チュー処理を実行する(図5参照)。電チュー処理において、メインCPU411は、普通図柄処理の処理結果に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。普通図柄抽選で当たり(普図当たり)に当選した場合に、所定時間、電動チューリップ107が開状態とされる。
[1−2−6.賞球処理]
CPU411は、ROM412内の賞球処理プログラムにより、賞球処理を実行する(図5参照)。賞球処理において、メインCPU411は、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域413gに設定する。
[1−2−7.出力処理]
出力処理において、メインCPU411は、メインRAM413内の各記憶領域の記憶内容を示す情報(任意のコマンドを含む)などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。尚、出力処理において、メインCPU411は自身が認識又は保持している任意の情報(例えば、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグの状態を示す情報)を演出制御部403に伝達できる。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってメインCPU411が実行する処理はメイン処理に戻る(図5参照)。
また、図4に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、メインRAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技場のホールコンピュータ)に出力することができる。
[2.賞球制御部]
賞球制御部402は、CPUと、ROMと、RAMと、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。賞球制御部402は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出しを行う。
賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427とが接続されている。SW424〜427の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424〜427から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402は、SW424〜427から入力される検出信号を主制御部401へ出力しても良い。
また、賞球制御部402には、発射部428が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402には、賞球を払い出すための払出部429が接続される。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、払出部429を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
[3.演出制御部]
図10は、演出制御部403の内部ブロック図を含む、遊技機100の一部ブロック図である。演出制御部403は、演出制御部403の全体を統括する演出統括部403aと、画像表示部104の表示制御を行う画像制御部403bと、スピーカ114の音声出力制御を行う音声制御部403cと、演出ライト部115及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130(130a〜130d)の駆動制御を行うランプ制御部403dとを備えている。
演出制御部403は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素(演出手段)を用いて実現する。即ち、演出制御部403は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる(この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部403が演出の主体であると捉える)。演出実現要素は、画像表示部104、スピーカ114、演出ライト部115、演出ボタン118、盤ランプ135及び可動役物130の内、少なくとも1つを含む。変動演出は、特別図柄の変動及び変動終了時において演出制御部403により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。尚、演出による示唆、報知、告知又は通知は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。
図10を参照し、演出統括部403aは、CPU431と、ROM432と、RAM433と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。演出統括部403aにおけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、サブCPU、サブROM、サブRAMとも呼ぶ。サブCPU431は、遊技機100が行う演出の制御に関する各種プログラムをサブROM432から読み出し、サブRAM433をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、演出制御部403には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン118及び十字キー119が接続されている。演出ボタン118は、遊技者により操作(即ち押下)されたとき、その旨を示す制御信号を演出統括部403aへ出力する。十字キー119は、複数のキーから成り、遊技者により操作(即ち押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部403aへ出力する。演出統括部403aは、演出ボタン118及び十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたこと及びその操作内容を示す操作コマンドをRAM433に設定する。演出制御部403は、演出ボタン118及び十字キー119に対する遊技者からの入力操作内容に応じた演出を行うことができる。
画像制御部403bは、画像用CPU441と、画像用ROM442と、画像用RAM443と、図示されない入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。以下、画像用CPU441、画像用ROM442、画像用RAM443を単にCPU441、ROM442、RAM443と称する。音声制御部403cは、音声用CPU451と、音声用ROM452と、音声用RAM453と、図示されない入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。以下、音声用CPU451、音声用ROM452、音声用RAM453を単にCPU451、ROM452、RAM453と称する。CPU441、451は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM442、452から読み出し、RAM443、453をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行することにより、演出統括部403aから実行指示された演出を実現する。
ROM442、452には、演出用データが記憶される。ROM442に記憶される演出用データは、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像、保留画像、予告演出画像、歌詞テロップなどの画像データを含む。ROM452に記憶される演出用データは、効果音、楽曲(BGM)などの音声データ等を含む。
CPU441は画像表示部104の表示内容を制御できる。例えば、CPU441は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する画像データをROM442から読み出して、読み出した画像データによる画像を画像表示部104に表示させることができる。この際、CPU441は、画像表示部104の表示画面上に複数の画像を重畳表示させることができる。画像表示部104の表示画面上において、同一位置に複数の画像が重なる場合などには、それらの画像を階層構造で重ねたレイヤが設定される。例えば、下層のレイヤに背景画像を設定し、その上の階層に装飾図柄を設定し、さらにその上の階層に予告画像を設定する。これにより、装飾図柄が背景画像よりも手前に見えるように且つ予告画像が装飾図柄より更に手前に見えるように表示できる。また、CPU441は、スピーカ114から楽曲が出力される場合、楽曲に応じた歌詞テロップをROM442から読み込んで、画像表示部104に表示させることができる。
また、CPU451は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する効果音や楽曲等の音声データをROM452から読み出して、読み出した音声データによる効果音、楽曲をスピーカ114から出力させることができる。
また、ボタン演出が実行されるとき、CPU441は、ボタン演出について所定の有効期間を設定し、有効期間内に演出ボタン118への操作の入力が検出された場合には、ボタン演出にて定義された画像データをROM442から読み出して、読み込んだ画像データによる画像を画像表示部104に表示させることができる。また、CPU451は、ボタン演出にて定義された音声データをROM452から読み出して、読み出した音声データによる音や楽曲をスピーカ114から出力させることができる。
ランプ制御部403dは、ランプ用CPU461と、ランプ用ROM462と、ランプ用RAM463と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。以下、ランプ用CPU461、ランプ用ROM462、ランプ用RAM463を単にCPU461、ROM462、RAM463と称する。CPU461は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM462から読み出し、RAM463をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
ランプ制御部403dは、演出統括部403aから受信したコマンドに基づき、演出ライト部115及び盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130の駆動制御を行うことができる。可動役物130にランプが含まれる場合、可動役物130の駆動制御には、可動役物130内のランプの点灯制御も含まれる。また、ランプ制御部403dには可動役物130の位置検出を行うための役物センサ(不図示)が接続され、ランプ制御部403dは、役物センサの検出信号に基づき可動役物130の駆動制御を行うことができる。
[3−1.演出メイン処理]
図11に、演出制御部403が行う主だった処理を列記する。演出制御部403へ電力が供給されると、サブCPU431により演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、サブCPU431は、演出制御部403内のCTCなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容をサブRAM433に記憶させる。
[3−2.演出タイマ割込処理]
サブCPU431は、演出メイン処理によりサブRAM433に記憶された設定内容に従う周期で、演出メイン処理に対し演出タイマ割込処理を割り込み実行する。(図11参照)演出タイマ割込処理において、サブCPU431は、演出用乱更新処理、コマンド受信処理及び操作受付処理を順次実行する。
[3−2−1.演出用乱数更新処理]
サブCPU431は、サブRAM433内の演出用カウンタ記憶領域(不図示)に記憶された各演出用乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各演出用乱数カウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する。任意の演出用乱数カウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。演出用乱数カウンタのカウント値を、各種演出で利用される演出用乱数の値として参照することができる。
[3−2−2.コマンド受信処理]
サブCPU431は、ROM432内のコマンド受信処理プログラムにより、コマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理において、サブCPU431は、CPU441、451、461と協働して特図演出処理、普図演出処理、当たり演出処理、客待ち演出処理、及び楽曲再生処理を実行する。
[3−2−2−1.特図演出処理]
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。サブCPU431は、主制御部401からの変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、主制御部401からの変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には、変動演出パターン選択処理が内包される。変動演出パターン選択処理において、サブCPU431は、主制御部401より受信したコマンド等に基づき、サブROM432に記憶された特図変動演出パターンテーブルTEtから特図変動演出パターンを選択及び判定する。選択及び判定された特図変動演出パターンによる変動演出が特図演出処理において実行される。
図12に、特図変動演出パターンテーブルTEtの例を示す。テーブルTEtには、ノーマルハズレ演出やリーチ演出などの変動演出の演出内容を定義する特図変動演出パターンが、複数、格納されている。図12には、テーブルTEtに格納される特図変動演出パターンの一部として、互いに異なる9つの特図変動演出パターンTEp1〜TEp9が示されている。特図変動パターンTHp1〜THp9(図8、図9参照)に対して特図変動演出パターンTEp1〜TEp9が1対1に対応づけられている。即ち、判定対象TTに対して特図変動パターンTHpiが選択されたとき、判定対象TTに対して特図変動演出パターンTEpiが選択されて特図変動演出パターンTEpiによる変動演出が実行される(ここで、iは1以上9以下の整数)。特図変動演出パターンTEp1〜TEp9による変動演出では、夫々、ノーマルハズレ演出、ノーマルリーチ演出、低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出、プレミアリーチ演出、ノーマルハズレ演出、煽り演出、煽り演出が実行される。
ノーマルハズレ演出は、特図変動パターンTHp1、THp7に対応づけられ、最も頻出する通常のハズレ演出である。リーチ演出とは、例えば3つの装飾図柄(第1装飾図柄〜第3装飾図柄)を変動させる場合、有効ライン上に第1装飾図柄及び第2装飾図柄を同一のもので揃えた後に第3装飾図柄のみを変動させ、変動時間をノーマルハズレ演出のそれよりも長くして、ノーマルハズレ演出に比べて大当たりへの期待度を高めるようにした演出である。リーチ演出の内、プレミアリーチ演出は、大当たり確定を示す演出(大当たりの当選時しか実行されることのない演出)である。低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出、プレミアリーチ演出の順に、大当たりに対する信頼度が高い演出になっている。煽り演出は、電サポ遊技中の最終変動(100回目)のみに実行される特殊演出である。
リーチ演出は、判定対象TTに対する大当たり遊技の実行の期待度が所定期待度KTREFよりも高いことを示唆する演出である。大当たり遊技の実行の期待度(以下、大当たりの期待度とも言う)とは、注目した1つの特図判定用情報(ここでは判定対象TT)が大当たりに当選している確率(統計上の確率)を表す。注目した1つの特図判定用情報に対して特定の演出が行われるのであれば、当該特図判定用情報に対する大当たりの期待度は、その特定の演出に対する大当たりの期待度(その特定の演出が割り当てられた特図判定用情報が大当たりに当選している確率)とも言える。所定期待度KTREFは、大当たりの当選確率として予め定められた確率OTKを示す。又は、その確率OTKよりも大きな所定値(例えば、確率OTKの5倍)を示す。確率OTKは、特図判定が低確率遊技状態で行われたならば“1/399”であり、特図判定が高確率遊技状態で行われたならば“6/399”である(図6参照)。ここでは、低確率非電サポ遊技状態を想定しているため、確率OTKは“1/399”である。
ここで、用語“信頼度”について説明を補足する。或る1つの特図判定用情報Q1に対して或る演出Q2が行われる場合において、特図判定用情報Q1が大当たりに当選する確率、即ち、特図判定用情報Q1に基づく特図当たり判定において大当たりと判定される期待値(確率論上の期待値)を、大当たりの信頼度、特図判定用情報Q1の信頼度、若しくは、演出Q2の信頼度と呼ぶ、又は、特図判定用情報Q1若しくは演出Q2に関連する用語(例えば、保留された特図判定用情報Q1についての保留画像)に対応付けつつ単に信頼度と呼ぶ。例えば、情報Q1が保留されている場合、情報Q1の信頼度を保留の信頼度などと呼ぶこともある。情報Q1が保留されているとは、情報Q1が特図判定用情報記憶領域413dに記憶されていて、情報Q1に基づく特別図柄の変動が未だ開始されていない状態を指す。演出Q2は、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動中に行われる当該予告演出(即ち変動演出)でありうるし、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動開始前に行われる先読み演出(先読み予告演出)でありうる。尚、用語“信頼度”を“期待度”に読み替えても良い。
任意の1つの特図判定用情報Q1に関して、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“r”で表し、特図当たり判定の結果が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“v”で表す。そうすると、特図判定用情報Q1に対して演出Q2が行われるときの大当たりの信頼度は、(100×v/(r+v))%である。
例えば、図8の特図変動パターンテーブルTHt(テーブルTHt1、THt2)が用いられる通常遊技状態において、1つの特図判定用情報Q1が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1にテーブルTHt1の特図変動パターンTHp3が割り当てられる確率rは “(398/399)×(6/100)”であり、1つの特図判定用情報Q1が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1にテーブルTHt2の特図変動パターンTHp3が割り当てられる確率vは “(1/399)×(10/100)”であるので、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp3が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp3による演出の信頼度)は、約0.4%となる。同様に例えば、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp5が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp5による演出の信頼度)は、約11.1%となる。
また、サブCPU431は、主制御部401から事前判定コマンドを受信したとき、コマンド受信処理において、保留増加コマンドに基づく情報をサブRAM433に記憶すると共に保留増加処理を行う。保留増加処理では、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部104に追加表示する。事前判定対象に対応する保留画像は、後に、その事前判定対象が判定対象TTとなって変動開始コマンドが受信された際に、画像表示部104から消去される又は特定の表示位置にシフトされる。サブCPU431は、事前判定コマンドに基づき、事前判定対象についての先読み予告演出を行うこともできる。
[3−2−2−2.普図演出処理]
サブCPU431は、主制御部401から普通図柄に関するコマンドを受信した場合に普図演出処理を実行する(図11参照)。普通図柄の変動開始時及び終了時において主制御部401から普通図柄に関するコマンドが演出制御部403に送信される。普図演出処理では、普通図柄の変動時における普図演出が実行される。
[3−2−2−3.当たり演出処理]
サブCPU431は、主制御部401から当たり演出に関するコマンドを受信した場合に当たり演出処理を実行する(図11参照)。大当たり遊技又は小当たり遊技である当たり遊技の開始時、終了時に、当たり演出に関するコマンドとして、夫々、オープニングコマンド、エンディングコマンドが主制御部401から演出制御部403に送信される。当たり演出処理において、演出制御部403は、オープニングコマンドの受信に応答して当たり演出を開始し、エンディングコマンドの受信に応答して当たり演出を終了させる。当たり演出処理において、演出制御部403は、当たりの種類に応じた当たり演出パターンをテーブルOEtから選択し、選択した当たり演出パターンによる当たり演出を実行する。
[3−2−2−4.客待ち演出処理]
客待ち演出処理(図11参照)は、客待ち演出開始処理と、客待ち演出停止処理とを含む。主制御部401は、始動口105、106(図1参照)への遊技球の入賞(入球)が所定時間発生しなかった場合に客待ちデモ演出を開始するコマンド(客待ち演出開始コマンド)を演出制御部403に送信する。サブCPU431は、客待ち演出開始コマンドを受信してから所定時間が経過した場合に客待ち演出開始処理を実行する。但し、当たり遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)中、特別図柄の変動表示が行われているとき、または保留情報数U1、U2の少なくとも一方が1以上であるときは、客待ち演出開始コマンドの送信は行われないものとする。具体的には、サブCPU431は主制御部401からの客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信していれば、客待ちデモ演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに、計測時間が客待ちデモ演出実行までの時間として設定した所定時間に達したとき(タイムアップ)、遊技機100が遊技中でないと判定し、客待ち演出開始処理によって客待ちデモ演出を開始する。具体的には、演出制御部403は、画像表示部104に所定の客待ちデモ演出(非遊技演出)、例えば、遊技機の機種名のロゴ表示、履歴記録遊技の開始設定等の各種設定表示、客待ち用プロモーション動画の再生等を実行させる。また、サブCPU431は、客待ち演出開始コマンドを受信してから客待ちデモ演出を開始するまでの時間を計測しているときに始動口105、106への遊技球の入賞に基づく信号(例えば変動開始コマンド)を受信した場合は、遊技中であると判定して計測を中止する。
客待ち演出停止処理は、客待ちデモ演出の実行中に始動口105、106への遊技球の入賞(入球)が発生した場合に、サブCPU431により実行される。具体的には、サブCPU431は、主制御部401から送信される始動口105、106への遊技球の入賞(入球)に基づく信号(例えば変動開始コマンド)を受信したか否かを判定する。遊技球の入賞に基づく信号を受信していなければ処理を終了する。遊技球の入賞に基づく信号を受信していれば、遊技機100が遊技中であると判定し、さらに客待ちデモ演出の実行中であるか否かを判定する。客待ちデモ演出の実行中であれば、演出制御部403は、客待ち演出停止処理によって客待ちデモ演出を停止させる。
上記の客待ち演出処理では、始動口105、106に遊技球が入賞(入球)し、CPU431が変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて遊技機100が遊技中であるか否かを判定するようにしたが、遊技球が発射されているか否かの判定結果に基づいて判定を行うようにしても良い。或いは、遊技者によって演出ボタン118や十字キー119が操作されたか否かの判定結果に基づいて判定を行うようにしても良い。遊技球が発射されているか否かの判定は、賞球制御部402から主制御部401を介してCPU431に送られてくる、遊技者が操作ハンドル116を直接操作していることを検出するタッチセンサ(図示せず)から送信される信号に基づいて行う。演出ボタン118や十字キー119が操作されているか否かの判定は、演出ボタン118や十字キー119からCPU431に送られてくる入力信号に基づいて行う。
[3−2−2−5.楽曲再生処理]
サブCPU431は、主制御部401から当たり演出に関するコマンド(オープニングコマンド、エンディングコマンド)、或いは特別図柄処理に関するコマンド(特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンド)を受信した場合に楽曲再生処理を実行する。音声制御部403cは、大当たり遊技の開始時、大当たり遊技終了後の電サポ遊技状態の開始時、或いはリーチ演出時等の所定のタイミングにおいて、音声用ROM452に記憶された複数の楽曲データのうちいずれか一つを選択して読み出し、スピーカ114から出力する。
[3−2−3.操作受付処理]
サブCPU431は、演出ボタン118又は十字キー119からの信号に基づき、遊技者による演出ボタン118又は十字キー119への操作状態(操作の入力有無及び操作の内容)を認識する操作受付処理(図11参照)を実行する。演出制御部403は、認識された操作状態に応じた演出を行うことができる。
以下、本発明の遊技機100の、有利遊技状態における可動役物130を用いた演出処理について詳細に説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係る遊技機100では、演出制御部403(演出制御手段)は、大当たり遊技終了後の有利遊技状態(ここでは高確率電サポ遊技状態)での遊技が開始される前に、可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させる。そして、可動役物130a〜130dを動作位置に配置した状態で有利遊技状態での特図演出処理を行う。具体的には、主制御部401から送信されたエンディングコマンドを演出制御部403のCPU431が受信すると、CPU431はランプ制御部403dに制御信号を送信し、ランプ制御部403dは大当たり遊技のエンディング処理中に可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させる。その後、メインCPU411は遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定する。そして、ランプ制御部403dは設定された電サポ付与回数(ここでは100回)分の特別図柄の変動が終了するまで、即ち、有利遊技状態の終了時まで可動役物130a〜130dを動作位置に配置させておく。なお、エンディング処理とは、大当たり遊技中の最終ラウンドにおける大入賞口109の開放が終了した後、高確率電サポ遊技状態での遊技が開始されるまでの演出処理を指す。
なお、可動役物130a〜130dを動作位置に配置した状態で有利遊技状態での特図演出処理を行うことは、可動役物130a〜130dに“演出動作を行わせる”ことと同義である。また、可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させることは、可動役物130a〜130dを“演出動作を行わせることが可能な位置に移動させる”ことと同義である。なお、可動役物130a〜130dに“演出動作を継続して行わせる”ことは、リーチ演出実行中に行われる“ギミック予告”とは異なる。“ギミック予告”については後述する。
また、本実施形態に係る遊技機100では、演出制御部403は、有利遊技状態での始動口106への遊技球の入賞に基づいて主制御部401による判定対象TTに対する特図変動パターン判定が実行され、その判定結果に基づいて、大当たりに当選する期待度が高い特別演出(例えば、画像表示部104において3つの装飾図柄のうち2つを停止させた状態で残り1つの装飾図柄を変動表示させるリーチ演出)を行う場合、可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させる。そして、可動役物130a〜130dを初期位置に配置した状態で特別演出を行う。
具体的には、主制御部401から送信された特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドを演出制御部403のCPU431が受信し、大当たりに当選する期待度が高い特別演出(例えばリーチ演出)を行う場合は、CPU431は画像制御部403b及びランプ制御部403dに制御信号を送信し、ランプ制御部403dが可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させた後、画像制御部403bが画像表示部104において特別演出を実行する。そして、特別演出を行った判定対象TTに対する特図当たり判定において大当たりに当選していない場合は、ランプ制御部403dは特別演出の終了後に可動役物130a〜130dを再び初期位置から動作位置に移動させる。一方、特別演出を行った判定対象TTに対する特図当たり判定において大当たりに当選している場合は、可動役物130a〜130dを初期位置に配置した状態で大当たり遊技を実行する。
図13は、画像表示部104等を用いて行われる変動演出と、変動演出中に実行される特別演出との関係を示すタイミングチャートである。なお、図13では判定対象TTに対する特図当たり判定において大当たりに当選しておらず、且つ特図変動パターン判定の判定結果に基づいて特別演出(リーチ演出)が行われる場合を示している。時間t1において特別図柄の変動開始と同時にCPU431が変動開始コマンドを受信すると、CPU431から画像制御部403b、音声制御部403c、及びランプ制御部403dに制御信号が送信される。画像制御部403bは制御信号に基づいて画像表示部104において変動演出を開始する。また、ランプ制御部403dは、時間t1からt2までの間に可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させる。その後、画像制御部403b、音声制御部403cは時間t2においてリーチ演出を開始する。そして、時間t3においてリーチ演出を終了し、その後、時間t4において特別図柄の変動停止と同時に画像表示部104における変動演出が終了する。ランプ制御部403dは、時間t3からt4までの間に可動役物130a〜130dを再び初期位置から動作位置に移動させる。
なお、可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させるタイミング、及び可動役物130a〜130dを再び初期位置から動作位置に移動させるタイミングは上記したタイミングに限らず、例えば、主制御部401から演出制御部403のCPU431に送信される事前判定コマンドに基づいて、或る変動演出においてリーチ演出を行うことが予定されている場合、リーチ演出を行う変動演出の直前の変動演出が停止される時間t4よりも前に可動役物130a〜130dを初期位置に移動させても良い。また、リーチ演出が行われた変動演出の直後の変動演出が開始される時間t1の後に可動役物130a〜130dを動作位置に移動させても良い。
次に、上述した動作を実現するために遊技機100が行う演出処理の流れを、フローチャート及び図面を参照しながら更に具体的に説明する。以下の具体例では、大当たりの種類が特A〜特C、特E、特Fのいずれかであり、大当たり遊技終了後の有利遊技状態が高確率電サポ遊技状態である場合について説明する。なお、潜確短当たりに属する特Dは考えないものとする。
図14は、第1実施形態に係る遊技機100の動作のうち、大当たり遊技の終了後に可動役物130を用いて行う演出処理の動作の流れを示すフローチャートである。特図当たり判定において大当たりに当選すると、演出制御部403のCPU431は主制御部401から送信されたオープニングコマンドを受信するとともに大当たり遊技が開始される(ステップS11)。次に、CPU431は、主制御部401から送信されるエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS12)。CPU431がエンディングコマンドを受信した場合は(ステップS12のYes)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dはエンディング処理中に可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させる(ステップS13)。そして、大当たり遊技が終了すると、主制御部401により遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態に設定され、画像制御部403bにより画像表示部104に右打ち表示を行うとともに電サポ遊技(即ち、電サポ遊技状態における遊技)が開始される(ステップS14)。
図15は、電サポ遊技中の画像表示部104を示す図である。図15に示すように、第1可動役物130a及び第2可動役物130bは、それぞれ初期位置から下方へスライドして画像表示部104との重なりが大きい(初期位置と比べて画像表示部104の中央に近い)動作位置へ進出している。第3可動役物130c及び第4可動役物130dは、それぞれ初期位置から右方及び左方へ回動して画像表示部104との重なりが大きい(初期位置と比べて画像表示部104の中央に近い)動作位置へ進出している。なお、可動役物130a〜130dは、動作位置に配置されるとき画像表示部104に表示される装飾図柄507に重ならないようになっている。
次に、CPU431は、判定対象TTに対する特図変動パターン判定の判定結果に基づいてリーチ演出が実行されるか否かを判定し(ステップS15)、リーチ演出が実行される場合は(ステップS15のYes)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dは可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させる(ステップS16)。
図16は、リーチ演出実行中の画像表示部104を示す図である。図16に示すように、第1可動役物130a、第2可動役物130bは、それぞれ動作位置(図15参照)から上方へスライドして画像表示部104との重なりが小さい(画像表示部104の中央から遠い)初期位置へ退避している。第3可動役物130c、第4可動役物130dは、それぞれ動作位置(図15参照)から左方及び右方へ回動して画像表示部104との重なりが小さい(画像表示部104の中央から遠い)初期位置へ退避している。
図17は、リーチ演出実行中に可動役物130a〜130dを用いたギミック予告が行われる画像表示部104を示す図である。例えば、特図判定に含まれる特図変動パターン判定の結果、大当たりに対する信頼度が比較的高い特図変動パターンTHp4〜THp6(図9参照)が選択された場合、ランプ制御部403dは図17に示すように、図16の状態からリーチ演出の所定のタイミングで可動役物130a〜130dを再び動作位置に移動させるギミック予告を行うことが可能である。ギミック予告は、特図判定において大当たりに当選する信頼度が高い場合に選択され易い演出動作(即ち、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する示唆動作)であるため、遊技者は当該変動演出を大当たりに当選するかも知れないという高い期待感を持って興味深く見守ることができる。そして、画像制御部403bは装飾図柄503を通常図柄(図16参照)から縮小図柄505に変更して画像表示部104の左下で変動表示させながら、画像表示部104の中央で所定のリーチ演出を実行する。
次に、CPU431は、当該判定対象TT(即ち、リーチ演出が実行される判定対象TT)に対する特図当たり判定において大当たりに当選したか否か、即ち、主制御部401から送信されたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS17)。大当たりに当選し、オープニングコマンドを受信した場合は(ステップS17のYes)、CPU431は所定のオープニング処理を実行した後、可動役物130a〜130dを初期位置に退避させた状態でステップS11に戻り、主制御部401により大当たり遊技が開始される。一方、大当たりに当選しなかった場合は(ステップS17のNo)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dは可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置(図15参照)に移動させる(ステップS18)。一方、リーチ演出が実行されない場合は(ステップS15のNo)、可動役物130a〜130dを動作位置に配置した状態で変動演出(例えばノーマルハズレ演出)を実行する。ステップS15〜S19の流れは「1つの変動演出」において1回行われ、以下同様にして電サポ遊技を継続する。
その後、CPU431は、電サポ遊技が終了したか否かを判定する(ステップS19)。直近に当選した大当たりに基づく大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態が電サポ遊技状態とされる場合において、その大当たり遊技の終了時点から起算して100回分の特別図柄の変動(変動表示を介した変動停止)が完了したとき、換言すれば、その大当たり遊技の終了時点から起算して、100回分の装飾図柄の変動(変動表示を介した変動停止)が完了したとき、CPU431は、電サポ遊技が終了したと判定し、そうでないとき、電サポ遊技が終了したと判定しない。電サポ遊技が終了している場合は(ステップS19のYes)、CPU431から画像制御部403b及びランプ制御部403dに制御信号が送信され、画像制御部403bは画像表示部104の右打ち表示を終了するとともに、ランプ制御部403dによる可動役物130a〜130dを用いた演出処理を終了する。電サポ遊技が継続している場合は(ステップS19のNo)、ステップS15に戻って同様の処理を繰り返す。
本実施形態の可動役物130(130a〜130d)を用いた演出処理によれば、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(高確率電サポ遊技状態)での遊技が開始される前に第1可動役物130a〜第4可動役物130dが初期位置から動作位置に移動し、図15に示すように第1可動役物130a〜第4可動役物130dを動作位置に配置した状態で電サポ遊技が実行される。これにより、遊技者は遊技機100が電サポ遊技状態であることを容易に認識することができる。
また、可動役物130a〜130dが動作位置にあるときにリーチ演出を実行する場合は、図15のように画像表示部104との重なりが大きい(画像表示部104の中央に近い)動作位置に配置されていた可動役物130a〜130dを、図16のように画像表示部104との重なりが小さい(画像表示部104の中央から遠い)初期位置に移動させる。そして、大当たりに当選した場合は、リーチ演出の終了後もそのまま可動役物130a〜130dを初期位置に配置した状態で大当たり遊技を実行する。これにより、可動役物130a〜130dが画像表示部104で実行されるリーチ演出や大当たり遊技中の表示(大当たり遊技中に大当たり遊技の種類を報知する昇格演出、ラウンド数や獲得賞球表示等)の視認性を妨げるという事態を防止することができる。
さらに、特図変動パターン判定の結果に基づいて、リーチ演出実行中にギミック予告を行う場合は、リーチ演出実行中に可動役物130a〜130dが再び初期位置から動作位置に移動する。即ち、有利遊技状態(高確率電サポ遊技状態)において可動役物130a〜130dが継続して動作位置に配置されている状態と、リーチ演出実行中にギミック予告が行われる場合とで、変動演出の態様(可動役物130a〜130dの動作順序及びタイミング、並びに装飾図柄の縮小図柄への変更の有無)が互いに異なっている。
これにより、遊技者は有利遊技状態において可動役物130a〜130dが動作位置に継続して配置されている状態を、ギミック予告が行われたものと誤認するのを防ぐことができる。また、有利遊技状態において可動役物130a〜130dが継続して配置される動作位置と、ギミック予告が行われるときに可動役物130a〜130dが配置される動作位置とを異ならせることもできる。
例えば、図18に示すように、ギミック予告を行う場合は、有利遊技状態において可動役物130a〜130dが継続して配置される動作位置(図15参照)よりもさらに画像表示部104の中心に近い位置まで可動役物130a〜130dを移動させることにより、可動役物130a〜130dが動作位置に継続して配置されている状態、即ち有利遊技状態(電サポ遊技状態)であるか、ギミック予告が行われている状態であるかを容易に区別することができる。
<第2実施形態>
本実施形態に係る遊技機100では、演出制御部403は、大当たり遊技終了後の有利遊技状態(ここでは高確率電サポ遊技状態)において、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)未満の場合、即ち、電サポ遊技中の特別図柄の残り変動回数NKが特定回数(ここでは5回)となるまでは、可動役物130a〜130dを動作位置に配置させておく。そして、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(96回)となったときから最終回(100回)までの間、即ち、電サポ遊技中の特別図柄の残り変動回数NKが特定回数(ここでは5回)となってから、可動役物130a〜130dを動作位置から順次初期位置に移動させる。
次に、上述した動作を実現するために遊技機100が行う演出処理の流れを、フローチャート及び図面を参照しながら更に具体的に説明する。以下の具体例では、大当たりの種類が特A〜特C、特E、特Fのいずれかであり、大当たり遊技終了後の有利遊技状態が高確率電サポ遊技状態である場合について説明する。なお、潜確短当たりに属する特Dは考えないものとする。
図19は、第2実施形態に係る遊技機100の動作のうち、大当たり遊技の終了後に可動役物130を用いて行う演出処理の動作の流れを示すフローチャートである。特図当たり判定において大当たりに当選すると、演出制御部403のCPU431は主制御部401から送信されたオープニングコマンドを受信するとともに大当たり遊技が開始される(ステップS11)。次に、CPU431は、主制御部401から送信されたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS12)。CPU431がエンディングコマンドを受信した場合は(ステップS12のYes)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dはエンディング処理中に可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させる(ステップS13)。そして、大当たり遊技が終了すると、主制御部401により遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態に設定され、画像制御部403bにより画像表示部104に右打ち表示を行うとともに電サポ遊技(即ち、電サポ遊技状態における遊技)が開始される(ステップS14)。
次に、CPU431は、判定対象TTに対する特図変動パターン判定の判定結果に基づいてリーチ演出が実行されるか否かを判定し(ステップS15)、リーチ演出が実行される場合は(ステップS15のYes)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dは可動役物130a〜130dを動作位置から初期位置に移動させる(ステップS16)。
次に、CPU431は、当該判定対象TT(即ち、リーチ演出が実行される判定対象TT)に対する特図当たり判定において大当たりに当選したか否か、即ち、主制御部401から送信されたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS17)。大当たりに当選し、オープニングコマンドを受信した場合は(ステップS17のYes)、CPU431は所定のオープニング処理を実行した後、可動役物130a〜130dを初期位置に退避させた状態でステップS11に戻り、主制御部401により大当たり遊技が開始される。一方、大当たりに当選しなかった場合は(ステップS17のNo)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dは可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置(図15参照)に移動させる(ステップS18)。一方、リーチ演出が実行されない場合は(ステップS15のNo)、可動役物130a〜130dを動作位置に配置した状態で変動演出(例えばノーマルハズレ演出)を実行する。ステップS15〜S19の流れは「1つの変動演出」において1回行われ、以下同様にして電サポ遊技を継続する。
その後、CPU431は、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)以上となったか否かを判定する(ステップS19)。変動回数HKが96回よりも少ない場合は(ステップS19のNo)、ステップS15に戻って電サポ遊技を継続する。変動回数HKが96回になった場合は(ステップS19のYes)、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dは変動回数HKの増加(残り変動回数NKの減少)に合わせて可動役物130a〜130dを順次動作位置から初期位置に移動させる(ステップS20)。
具体的には、CPU431は、主制御部401から送信される95回目の変動における変動停止コマンド、又は、96回目の変動における変動開始コマンドを受信して、変動回数HKが96回となったと判定したとき、ランプ制御部403dに制御信号を送信し、図15の状態から第4可動役物130dを初期位置に戻す。これにより、図20に示すように、第1可動役物130a〜第3可動役物130cが動作位置に配置された状態となる。また、CPU431は、主制御部401から送信される96回目の変動における変動停止コマンド、又は、97回目の変動における変動開始コマンドを受信して、変動回数HKが97回となったと判定したとき、図20の状態から第3可動役物130cを初期位置に戻す。これにより、図21に示すように、第1可動役物130a、第2可動役物130bが動作位置に配置された状態となる。
同様に、CPU431は、主制御部401から送信される97回目の変動における変動停止コマンド、又は、98回目の変動における変動開始コマンドを受信して、変動回数HKが98回となったと判定したとき、図21の状態から第2可動役物130bを初期位置に戻すことにより、図22に示すように、第1可動役物130aのみが動作位置に配置された状態となる。また、CPU431は、主制御部401から送信される98回目の変動における変動停止コマンド、又は、99回目の変動における変動開始コマンドを受信して、変動回数HKが99回となったと判定したとき、図22の状態から第1可動役物130aを初期位置に戻すことにより、図16に示すように、第1可動役物130a〜第4可動役物130dの全てが初期位置に配置された状態となる。
その後、CPU431は、電サポ遊技が終了したか否かを判定する(ステップS21)。電サポ遊技が終了しているか否かの判定手順は第1実施形態と同様である。電サポ遊技が終了している場合は(ステップS21のYes)、CPU431から画像制御部403b及びランプ制御部403dに制御信号が送信され、画像制御部403bは画像表示部104の右打ち表示を終了するとともに、ランプ制御部403dによる可動役物130を用いた演出処理を終了する。電サポ遊技が継続している場合は(ステップS21のNo)、ステップS15に戻って同様の処理を繰り返す。ステップS15〜S21の流れは変動回数HKが96回〜100回のときの各変動演出において1回行われる。
本実施形態の可動役物130(130a〜130d)を用いた演出処理によれば、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが96回となった時点で、特別図柄の変動回数HKの増加に合わせて可動役物130a〜130dが順次動作位置から初期位置に移動するため、遊技者に電サポ遊技の終了が近いことを報知することができる。このとき、変動回数HKが96回になったときから最終回(100回)までの変動表示において、変動回数HKが96回となる前(ここでは1〜95回)の変動表示に比べて長い変動時間が選択され易いようにしておくことが好ましい。
本実施形態では、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(96回)となる前(ここでは1回目〜95回目)においては、第3特図変動パターンテーブルTHt3又は第5特図変動パターンテーブルTHt5(第1決定条件)を用いて変動演出1回あたりの特別図柄の変動時間が決定される。また、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(96回)に到達した以降(ここでは96回目〜100回目)においては、第4特図変動パターンテーブルTHt4、第5特図変動パターンテーブルTHt5、第6特図変動パターンテーブルTHt6、又は第7特図変動パターンテーブルTHt7(第2決定条件)を用いて変動演出1回あたりの特別図柄の変動時間が決定される。
電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが96回となる前(1回目〜95回目)であって、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すときに用いられる第3特図変動パターンテーブルTHt3では、特図変動パターンTHp1、THp4、THp5、THp7に対して、夫々、計90個の判定値「0〜89」、計5個の判定値「90〜94」、計5個の判定値「95〜99」、計90個の判定値「0〜89」を割り当てている(各判定値は整数)。故に、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、保留情報数U2に応じて特図変動パターンTHp1の変動時間(10秒)または特図変動パターンTHp7の変動時間(1秒)になり易い。さらに、電サポ遊技中は始動条件(第2始動条件)が成立し易いため、保留情報数U2≧1となる場合が多い。その結果、特図変動パターンTHp7の変動時間(1秒)になり易い(変動時間1秒となる確率が最も高い)。
電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが96回に到達した以降の所定範囲(96回目〜99回目)に属する場合であって、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すときに用いられる第4特図変動パターンテーブルTHt4では、特図変動パターンTHp1、THp4、THp5に対して、夫々、計90個の判定値「0〜89」、計5個の判定値「90〜94」、計5個の判定値「95〜99」を割り当てており、THp7に対しては判定値が割り当てられていない(各判定値は整数)。故に、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp1の変動時間(10秒)になり易い(変動時間10秒となる確率が最も高い)。或いは、第4特図変動パターンテーブルTHt4において、最も多数の判定値「0〜89」が割り当てられる特図変動パターンTHp1の変動時間を、10秒を超える変動時間としておいても良い。このようにすれば、変動回数HKが96回に到達した以降の所定範囲(96回目〜99回目)に属する場合であって、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、常に10秒を超えることになる。
また、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが96回となる前(1回目〜95回目)の場合も、変動回数が96回に到達した以降の所定範囲(96回目〜99回目)に属する場合も、判定対象TTの特図当たり判定が“大当たり”を示すときは共通の第5特図変動パターンテーブルTHt5が用いられる。従って、判定対象TTの特図当たり判定が“大当たり”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間の決定条件は、変動回数HKが96回となる前(1回目〜95回目)の場合と、変動回数が96回に到達した以降の所定範囲(96回目〜99回目)に属する場合とで差がない。
また、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(100回目)であって、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示す場合は、第6特図変動パターンテーブルTHt6を用いて変動時間が決定される。第6特図変動パターンテーブルTHt6では、特図変動パターンTHp8に対して計100個の判定値「0〜99」を割り当てている(各判定値は整数)。故に、判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”である場合は、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp8の変動時間(20秒)になる。
電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(100回目)であって、判定対象TTの特図当たり判定が“大当たり”を示す場合は、第7特図変動パターンテーブルTHt7を用いて変動時間が決定される。第7特図変動パターンテーブルTHt7では、特図変動パターンTHp9に対して計100個の判定値「0〜99」を割り当てている(各判定値は整数)。故に、判定対象TTの特図当たり判定が“大当たり”である場合は、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp9の変動時間(30秒)になる。なお、特図変動パターンTHp8、THp9においては専用の煽り演出が実行されるため、リーチ演出は発生しない。電サポ遊技中の最終回(100回目)の変動において判定対象TTの特図当たり判定がハズレであった場合には、煽り演出の後、所定のハズレ演出を介してリザルト表示を行う。また、大当たりに当選した場合には、煽り演出の後、所定の大当たり演出(復活演出等)により大当たりの告知を行う。
つまり、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)に到達した以降の所定範囲(ここでは96〜99回目)に属するときの変動時間の決定に用いる第4特図変動パターンテーブルTHt4及び第5特図変動パターンテーブルTHt5、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(ここでは100回目)のときの変動時間の決定に用いる第6特図変動パターンテーブルTHt6及び第7特図変動パターンテーブルTHt7(以上、第2決定条件)は、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)となる前(ここでは1〜95回目)のときの変動時間の決定に用いる第3特図変動パターンテーブルTHt3及び第5特図変動パターンテーブルTHt5(第1決定条件)よりも長い変動時間が決定され易いといえる。
なお、“変動時間が決定され易い”とは、例えば、所定の変動時間を1つの候補変動時間として含む複数の候補変動時間の何れかを特別図柄の変動時間として決定することが可能であるが、その複数の候補変動時間の内、所定の変動時間が特別図柄の変動時間として決定される確率が最も高い(例えば50%より高い)ことを意味していて良い。
或いは、“電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)に到達した以降の所定範囲(ここでは96〜99回目)に属するときの変動時間の決定に用いる第4特図変動パターンテーブルTHt4及び第5特図変動パターンテーブルTHt5、電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(ここでは100回目)のときの変動時間の決定に用いる第6特図変動パターンテーブルTHt6(第2決定条件)において、変動回数HKが所定回数(ここでは96回)となる前(ここでは1〜95回目)のときの変動時間の決定に用いる第3特図変動パターンテーブルTHt3及び第5特図変動パターンテーブルTHt5(第1決定条件)よりも長い変動時間が決定され易い”とは、“電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)に到達した以降の所定範囲(ここでは96〜99回目)に属するとき”及び“電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが最終回(ここでは100回目)のとき”との比較において、“電サポ遊技中の特別図柄の変動回数HKが所定回数(ここでは96回)となる前(ここでは1〜95回目)のとき”には短い変動時間(例えば1秒)が決定される確率が相対的に高いことを意味していても良い。
電サポ遊技状態では始動条件が成立しやすいので、電サポ遊技の特別図柄の変動回数HKが1〜95回目の変動演出では、特別図柄の変動時間短縮によるスピーディな遊技進行が好まれ易い。1〜95回目の変動演出では第1決定条件により短い変動時間(特図変動パターンTHp7;1秒)が決定され易くなるので、スピーディな遊技進行が実現可能である。一方、電サポ遊技の特別図柄の変動回数HKが96回目となり、電サポ遊技が残り少なくなったときは、それ以降の変動回数HK(96〜100回目)での変動演出において、第2決定条件により変動回数HKが1〜95回目のときの変動演出よりも長い変動時間(特図変動パターンTHp1;10秒or特図変動パターンTHp8;20秒)が決定され易くなるので、変動回数HKが96回未満(1〜95回目)、即ち、残り変動回数NKが5回となるまでの変動演出と、変動回数HKが96〜100回目、即ち、残り変動回数NKが5回となったとき、及びそれ以降の変動演出とで、変動演出の演出態様を互いに異ならせることができる。
例えば、変動回数HKが96回未満(1〜95回目)、即ち、残り変動回数NKが5回となるまでの変動演出ではリーチ煽り演出を行う場合と行わない場合とがあるが、変動回数HKが96〜100回目、即ち、残り変動回数NKが5回となったとき、及びそれ以降の変動演出では常にリーチ煽り演出を行うようにする。リーチ煽り演出とは、例えば画像表示部104に変動表示される3つの装飾図柄507のうちの2つを低速で変動させて、同一の図柄で停止するかどうか(リーチ演出に発展するかどうか)を煽る演出を指す。
或いは、変動回数HKが96回未満(1〜95回目)、即ち、残り変動回数NKが5回となるまでの変動演出において実行されるリーチ演出(リーチ演出a、b、c)と、変動回数HKが96〜100回目、即ち、残り変動回数NKが5回となったとき、及びそれ以降の変動演出において実行されるリーチ演出(リーチ演出d、e、f)とを互いに異なるようにしておくこともできる。
このようにすることで、電サポ遊技中の残り変動回数NKが5回となったとき、及びそれ以降の変動演出において、遊技者に電サポ遊技が終了する不安感と大当たりの期待感とを抱かせる演出(リーチ演出又はリーチ煽り演出)を実行して遊技における緊張感を高く維持させることが可能となる。
<第3実施形態>
本実施形態に係る遊技機100では、演出制御部403は、大当たり遊技中に主制御部401から送信されたエンディングコマンドをCPU431が受信し、エンディング処理を行う際に、大当たり遊技の種類に応じて画像表示部104に所定の情報(企業ロゴマーク、プリペイドカード取り忘れ注意等)を表示する報知演出を行うことができる。そして、報知演出の終了後に、ランプ制御部403dにより可動役物130を初期位置から動作位置に移動させた状態で電サポ遊技を開始する。
図23は、第3実施形態に係る遊技機100の動作のうち、大当たり遊技の終了後に可動役物130を用いて行う演出処理の動作の流れを示すフローチャートである。特図当たり判定において大当たりに当選すると、演出制御部403のCPU431が主制御部401から送信されたオープニングコマンドを受信するとともに、主制御部401により大当たり遊技が開始され(ステップS11)、CPU431が大当たり遊技中にエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS12)までの手順は第1実施形態の図14と同様である。
CPU431は、大当たり遊技中にエンディングコマンドを受信すると(ステップS12でYes)、報知演出を実行するか否かを判定する(ステップS121)。報知演出を実行する場合は(ステップS121のYes)、CPU431は画像制御部403bに制御信号を送信し、画像制御部403bはエンディング処理中に画像表示部104に所定の情報を表示する報知演出を行う(ステップS122)。
図24、図25に、エンディング処理中に画像表示部104に表示される報知演出の一例を示す。なお、図24、図25では可動役物130a〜130dの記載を省略しているが、可動役物130a〜130dはそれぞれ図16に示した初期位置に配置されている。図24は画像表示部104に企業ロゴを表示する例を示しており、図25は画像表示部104にプリペイドカードの取り忘れに対する注意を促す表示を行う例を示している。画像制御部403bは、エンディング処理中に図24、図25に示したような報知演出を順次行う。
なお、エンディング処理中に報知演出を行うか否かは、大当たりの種類に応じて決定することができる。例えば、通常遊技状態(低確率非電サポ状態)において始動口105への遊技球の入賞に基づいて取得された特図判定用情報に対する特図当たり判定において当選した大当たり(特A〜特Cの大当たり)に対応する大当たり遊技のみ報知演出を行い、その後の電サポ遊技状態において始動口106への遊技球の入賞に基づいて取得された特図判定用情報に対する特図当たり判定において当選した大当たり(特E、特Fの大当たり)に対応する大当たり遊技では、大当たり遊技をスピーディに行うために報知演出を行わないようにすることができる。
なお、本実施形態では始動口105への遊技球の入賞(第1始動条件)に基づく確変長当たり(特A、特Bの大当たり)と、始動口106への遊技球の入賞(第2始動条件)に基づく確変長当たり(特E、特Fの大当たり)とを区別しているが、特A、特Eの大当たりに対応する大当たり遊技は共に5ラウンド、特B、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技は共に16ラウンドであり、大入賞口109の開放パターンは共通している。そこで、特Eと特A、特Fと特Bの大当たりを共通にすることもできる。この場合、第1始動条件に基づく特A、特Bの大当たり遊技中のエンディング処理時間を、第2始動条件に基づく特A、特Bの大当たり遊技中のエンディング処理時間よりも報知演出を行う分だけ長く設定しておけばよい。
或いは、特B、特Fの大当たりに対応する大当たり遊技(16ラウンド大当たり)のみ報知演出を行い、特A、特C、特Eの大当たりに対応する大当たり遊技(5ラウンド大当たり、2ラウンド大当たり)では報知演出を行わないようにすることもできる。
そして、CPU431は、報知演出が終了したか否かを判定し(ステップS123)、報知演出が終了した場合は(ステップS123のYes)、図14のステップS13に進み、CPU431からランプ制御部403dに制御信号が送信され、ランプ制御部403dにより可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動(ステップS13)させた後に電サポ遊技を開始する(ステップS14)。以降、図14と同様の手順で処理を継続する(ステップS15〜S23)。また、報知演出を実行しない場合(ステップS121のNo)も、図14のステップS13に進み、ランプ制御部403dにより可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動(ステップS13)させた後に電サポ遊技を開始する(ステップS14)。
図26に、電サポ遊技の開始時における画像表示部104を示す。画像制御部403bは、図24、図25に示した報知演出の終了後、図26に示すように、可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させた状態で、電サポ遊技が開始される旨を示唆する表示(例えば“バトルモード突入”の表示)を画像表示部104に表示させる。当該表示は、大当たり遊技中のエンディング処理において、報知演出の終了後に行われてよい。
本実施形態の可動役物130(130a〜130d)を用いた演出処理によれば、エンディング処理中に報知演出を実行する場合は、報知演出が終了した後に可動役物130a〜130dを初期位置から動作位置に移動させ、その後に電サポ遊技を開始する。これにより、可動役物130a〜130dが初期位置に配置された状態で画像表示部104において報知演出が実行されるため、報知演出の視認性を向上させることができる。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。上述した第1、第2実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種タイプのパチンコ遊技機のうち、大当たりとして所定回数分の大当たり抽選が行われるまで遊技状態が高確率遊技状態とされるST機に適用した例について説明したが、遊技機100は、ST機でなくても構わない。例えば、遊技機100は、確変大当たり及び通常大当たりを選択的にとりうる確変機や、旧第一種タイプ以外のタイプ(例えば旧一種二種混合タイプ)の遊技機であっても良い。例えば確変機では、通常大当たり遊技の終了後、所定回数分の特別図柄の変動が行われる間、始動条件が成立しやすくなる時短遊技状態(低確率電サポ遊技状態)となり、所定回数分の特別図柄の変動が行われると(即ち、所定回数分の大当たり抽選が行われると)通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)となる。その場合、時短遊技状態を「大当たり遊技終了後の有利遊技状態」として本発明を適用すれば良い。
また、各フローチャートに関し、上述した処理の順序は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、任意に複数の処理の実行順序を変更できる又は複数の処理を並列に実行できる。