JP2017005879A - 回転電機 - Google Patents

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Michael FLANKL
アルダ、トウスズ
Tueysuez Arda
ヨハン、ベー.コラー
Kolar Johann W
田 裕 介 塚
Yusuke Tsukada
田 裕 介 塚
村 和 人 中
Kazuto Nakamura
村 和 人 中
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Abstract

【課題】磁気効率がよく、磁束の漏れも少ない回転電機および非接触発電機を提供する。【解決手段】回転電機は、回転または移動する移動体の一主面から離隔して配置され、移動体の回転または移動方向と交差する方向に延在されて、移動体の回転または移動方向に回転する軸部材と、軸部材の周囲に固定され、軸部材の軸方向に磁化されている磁石と、軸部材周りに回転自在で、移動体の一主面から離隔して配置され、かつ磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される回転体と、磁石の回転体に対向する面と反対側の面に対向配置され、磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される磁束ガイド部材と、を備える。回転体は、回転体に対向配置される一主面上に磁石から回転体を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて回転体に働く反力により、軸部材周りに、移動体の回転または移動方向に応じた回転方向に、移動体の回転または移動速度よりも遅い速度で回転する。【選択図】図1

Description

本発明は、非接触で回転する回転電機に関する。
特許文献1には、非接触で発電する自転車用ダイナモが開示されている。特許文献1の自転車用ダイナモは、自転車のホイールの回転軸と直交する方向に延びる回転軸周りに回転する円環状の永久磁石の外周面を、ホイールの外周面に連なる一側面から離隔して配置している。
永久磁石は、複数の磁極を周方向に並べて配置したものであり、隣接する磁極では、磁化方向が逆になっている。例えば、永久磁石のN極がホイールの一側面に対向配置された状態でホイールが回転すると、永久磁石からの磁束の変化を妨げる方向に、ホイールの一側面に渦電流が発生する。この渦電流による磁束と永久磁石からの磁束との反発力および誘引力により、永久磁石は、ホイールの回転方向に回転する。
よって、永久磁石の周囲をコイルで巻回して、永久磁石からの磁束がコイルを鎖交するようにすれば、コイルから誘導電力を取り出すことができる。
米国特許公開公報 2014/0132155号
しかしながら、特許文献1に開示された自転車用ダイナモには、以下の課題がある。
1.ホイールの一側面に対向配置される永久磁石の面積が限られているため、ホイールと永久磁石との磁気結合量を大きくできない。よって、ホイールに発生する渦電流が小さくなり、永久磁石の回転力も弱くなる。
2.特許文献1では、永久磁石に単一相のコイルを巻回しているが、単一相のコイルでは、コイルが巻回していない部分の永久磁石の磁束を有効利用できないため、鎖交磁束量を増やすことはできない。また、コイルが巻回している部分の永久磁石の極性の向きが、回転軸を中心に対称である場合、常にコイルを鎖交する磁束の総量が打ち消し合ってしまうため、発電できないという問題がある。
3.永久磁石からの磁束は、空気中を伝搬するため、大きな磁気抵抗を受けることになり、磁気効率がよいとはいえない。
4.ヨークを用いていないため、磁束の漏れが生じやすく、また周囲に導電材料があると、磁路が変化してしまい、発電量に影響を与えてしまうおそれがある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁気効率がよく、磁束の漏れも少ない回転電機および非接触発電機を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、回転または移動する移動体の一主面から離隔して配置され、前記移動体の回転または移動方向と交差する方向に延在されて、前記移動体の回転または移動方向に回転する軸部材と、
前記前記軸部材の周囲に固定され、前記軸部材の軸方向に磁化されている磁石と、
前記軸部材周りに回転自在で、前記移動体の一主面から離隔して配置され、かつ前記磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される回転体と、
前記磁石の前記回転体に対向する面と反対側の面に対向配置され、前記磁石からの磁束が通過する前記磁路内に配置される磁束ガイド部材と、を備え、
前記回転体は、前記回転体に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記回転体を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記回転体に働く反力により、前記軸部材周りに、前記移動体の回転または移動方向に応じた回転方向に、前記移動体の前記一主面の表面速度よりも遅い周速度で回転する回転電機が提供される。
前記軸部材の軸方向における前記磁石と前記回転体との間、および前記軸部材の軸方向における前記磁石と前記磁束ガイド部材との間に、エアギャップが設けられてもよい。
前記磁束ガイド部材は、前記磁束ガイド部材に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記磁束ガイド部材を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記磁束ガイド部材に働く反力により、前記軸部材周りに、前記回転体と同じ回転方向に回転してもよい。
前記磁束ガイド部材は、前記軸部材の周囲に固定されてもよい。
前記回転体および前記磁束ガイド部材は、強磁性体であってもよい。
前記磁路は、前記磁石、前記回転体、前記移動体および前記磁束ガイド部材を順に通過して前記磁石に戻る磁束の流れか、または、前記磁石、前記磁束ガイド部材、前記移動体および前記回転体を通過して前記磁石に戻る磁束の流れであってもよい。
本発明の他の一態様では、回転または移動する移動体の一主面から離隔して配置され、前記移動体の回転または移動方向と交差する方向に延在されて、前記移動体の回転または移動方向に回転する軸部材と、
前記軸部材周りに回動自在で、前記軸部材の軸方向に磁化されている磁石と、
前記軸部材周りに回転自在で、前記移動体の一主面から離隔して配置され、かつ前記磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される第1回転体と、
前記軸部材周りに回動自在で、前記磁石の前記第1回転体に対向する面と反対側の面に対向配置され、前記磁石からの磁束が通過する前記磁路内に配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体および前記第2回転体は、前記第1回転体および前記第2回転体に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記回転体を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記第1回転体および第2回転体に働く反力により、前記軸部材周りに、前記移動体の回転または移動方向に応じた回転方向に回転し、
前記第1回転体および前記第2回転体の周速度は、前記第1回転体および前記第2回転体に対向配置される前記移動体の前記一主面の表面速度よりも遅い回転電機が提供される。
前記磁石、前記第1回転体および前記第2回転体は、前記軸部材の軸方向に接合されていてもよい。
前記第1回転体および前記第2回転体は、強磁性体であってもよい。
前記磁路は、前記磁石、前記第1回転体、前記移動体および前記第2回転体を順に通過して前記磁石に戻る磁束の流れか、または、前記磁石、前記第2回転体、前記移動体および前記第1回転体を通過して前記磁石に戻る磁束の流れであってもよい。
前記軸部材に接続され、前記軸部材の回転力により駆動される駆動体を備えてもよい。
前記駆動体はモータであってもよい。
前記磁石は、永久磁石または電磁石であってもよい。
本発明によれば、磁気効率がよく、磁束の漏れも少ない回転電機を提供できる。
本発明の第1の実施形態による回転電機1の正面図。 本発明の第1の実施形態による回転電機1の斜視図。 軸部材から径方向に放射状に延びる複数の回転部を有する回転体を示す図。 図1の回転体4が回転する原理を説明する図。 本発明の第2の実施形態による回転電機1の正面図。 本発明の第2の実施形態による回転電機1の斜視図。 軸部材の延在方向を移動体の一主面方向から傾けて配置した例を示す図。 本発明の第3の実施形態による回転電機1の正面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、回転電機および非接触発電機内の特徴的な構成および動作を中心に説明するが、回転電機および非接触発電機には以下の説明で省略した構成および動作が存在しうる。ただし、これらの省略した構成および動作も本実施形態の範囲に含まれるものである。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による回転電機1の正面図、図2は斜視図である。図1の回転電機1は、軸部材2と、磁石3と、回転体4と、磁束ガイド部材5とを備えている。この回転電機1の軸部材2には、必要に応じて標準電気機械(Standard electric machine)6を接続可能としている。
軸部材2は、回転または移動する移動体7の一主面7aから離隔して配置され、移動体7の回転または移動方向と交差する方向に延在されている。軸部材2は、移動体7の回転または移動方向に回転する。
磁石3は、軸部材2の回転によらず軸部材2の周囲に固定されており、軸部材2の軸方向に磁化されている。図1の例では、磁石3のN極3aとS極3bを軸部材2の軸方向に配置し、N極3aとS極3bの間に磁石キャリア8を配置している。この磁石キャリア8は、軸部材2の外周面を取り囲むように配置され、磁石キャリア8は軸部材2の回転によらず固定されている。N極3aとS極3bは、磁石キャリア8の対向面にそれぞれ固定されている。なお、磁石3を軸部材2の周囲に固定される構造は、図1に示したものに限定されない。例えば、軸部材2の外周面側に軸受を設けて、この軸受に磁石3を固定した構造でもよいし、磁石キャリア8の形状も様々なものが考えられる。また、図1では、回転体4側にS極3bを配置し、磁束ガイド部材5側にN極3aを配置しているが、N極3aとS極3bを逆に配置してもよい。
回転体4は、軸部材2周りに回転自在で、移動体7の一主面7aから離隔して配置され、かつ磁石3からの磁束が通過する磁路内に配置されている。
磁束ガイド部材5は、磁石3の回転体4に対向する面と反対側の面に対向配置されている。磁束ガイド部材5は、磁石3からの磁束が通過する磁路内に配置されている。回転体4と磁束ガイド部材5は、強磁性体で形成するのが望ましい。
図1では、正面方向から見て磁石3の左側に回転体4を配置し、磁石3の右側に磁束ガイド部材5を配置しているが、回転体4と磁束ガイド部材5とを逆に配置してもよい。
回転体4は、回転体4に対向配置される移動体7の一主面7a上に磁石3から回転体4を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流による磁束と、磁石3からの磁束との反発力および誘引力により、軸部材2周りに移動体7の回転または移動方向に応じた回転方向に、移動体7の一主面7aの表面速度よりも遅い周速度で回転する。
軸部材2に接続される標準電気機械6は、オプション機器である。標準電気機械6とは、回転軸の回転を利用して駆動される駆動体である。駆動体は、例えば、軸部材2ととともに回転する不図示のロータと、不図示のステータとを有する。ロータの回転により、負荷を駆動する。駆動体は、より具体的には、発電機や減速機などでもよい。また、駆動体は、回転軸の回転力を利用して空気を圧縮するコンプレッサであってもよい。このように、駆動体には、回転軸の回転力を電気力に変換するものだけでなく、回転軸の回転力を機械力に変換するものも含まれる。
図1では、回転体4と磁束ガイド部材5をともに、円板状または円筒状にした例を示しているが、磁束ガイド部材5については、固定であるため、円板状または円筒状以外の形状(例えば、矩形状)でもよい。一方、回転体4は、回転体4の回転角度によらず移動体7の一主面7aとの距離を均一化させるのが望ましいが、回転体4の形状は種々のものが考えられる。例えば、図3に示すように、軸部材2から径方向に放射状に延びる複数の回転部4aを有する回転体4であってもよい。
回転体4は、移動体7の一主面7aから隙間を隔てて配置されている。同様に、磁束ガイド部材5も、移動体7の一主面7aから隙間を隔てて配置されている。これらの隙間はエアギャップであり、磁気抵抗と漏れ磁束を増やす要因になる。よって、磁束ガイド部材5と移動体7の一主面7aとの隙間は、回転体4と移動体7の一主面7aとの隙間と同程度で、できるだけ小さい方が望ましい。
磁石3のN極3aから出た磁束は、図1の破線矢印線y1に示すように、磁束ガイド部材5の内部を通過して、移動体7の一主面7a上に到達する。その後、一主面7aから回転体4の内部を通過して、S極3bに入る。
このように、磁石3からの磁束は、磁束ガイド部材5の内部、磁束ガイド部材5と移動体7の一主面7aとの隙間、移動体7の一主面7a上、回転体4と移動体7の一主面7aとの隙間、回転体4の内部を順に通過する。
回転体4と磁石3との間、および磁束ガイド部材5と磁石3との間にも、それぞれ隙間があり、これらの隙間が大きいと、やはり磁気抵抗と漏れ磁束を増やす要因になる。よって、回転体4と磁束ガイド部材5は、できるだけ磁石3に近づけて配置した方が望ましい。
このように、本実施形態の回転電機1は、回転体4と磁束ガイド部材5をできるだけ移動体7の一主面7aに近づけて配置するとともに、回転体4と磁束ガイド部材5をできるだけ磁石3に近づけて配置することで、磁気抵抗と漏れ磁束を最小化することができる。
図1の回転電機1では、移動体7が一方向に移動すると、移動体7の一主面7a上には、回転体4から移動体7の一主面7aに向かう磁束の変化を妨げる方向に磁束を発生させるべく、移動体7の一主面7a上に渦電流が発生する。この渦電流による磁束と回転体4からの磁束との反発力および誘引力により、回転体4は移動体7の移動方向に応じた方向に回転する。
図4は図1の回転体4が回転する原理を説明する図である。図4は軸部材2の軸端方向から見た平面図である。移動体7の一主面7a上の回転体4との最近接位置の近傍には、移動体7の移動方向に沿って、電流の向きの異なる2つの渦電流7b、7cが発生する。移動体7の移動方向前方に発生する渦電流7bは、対向する回転体4からの磁束を強める方向に流れる。また、移動体7の移動方向後方に発生する渦電流7cは、対向する回転体4からの磁束を弱める方向に流れる。
移動体7の移動方向前方では、渦電流7bによる磁束と磁石3の磁束との方向が同じになることから、互いに引き寄せ合う誘引力が働く。一方、移動体7の移動方向後方側では、渦電流7cによる磁束と磁石3の磁束との方向が逆になることから、互いに反発し合う反発力が働く。回転体4は、移動体7を追いかけるようにして、移動体7の表面速度よりも遅い周速度で回転する。
なお、上述した回転体4の回転の原理は、ローレンツ力による反力にて説明することもできる。上述したように、回転体4の回転方向前方からの磁束による発生する渦電流7bと、回転体4の回転方向後方からの磁束による発生する渦電流7cとは、電流の向きが逆になっていて、回転体4の直下には常に一定方向の電流が流れる。これら渦電流7b、7cによる電流は、移動体7が図4の矢印の向き(左方向)に移動する場合には、反対方向(右方向)へのローレンツ力を受ける。よって、これら渦電流7b、7cによる磁束を受ける回転体4は、移動体7の移動方向への、ローレンツ力の反力を受けて回転する。よって、回転体4は、移動体7との対抗面同士が同一方向に移動する向きに回転する。
このように、図1の回転電機1を移動体7の一主面7aの近傍に配置した状態で、移動体7を移動または回転させることで、非接触で回転体4および軸部材2を回転させることができる。回転体4および軸部材2の回転力は、移動体7の運動エネルギを抽出したものである。すなわち、本実施形態によれば、図1の回転電機1により、移動体7の運動エネルギを抽出することができる。図1の回転電機1の軸部材2には標準電気機械6を接続することができる。この標準電機機械6は、抽出した移動体7の運動エネルギを電気エネルギや機械エネルギに変換することができる。
本実施形態によれば、移動体7からの運動エネルギの抽出と、抽出した運動エネルギの電気エネルギや機械エネルギへの変換とを、回転電機1と標準電気機械6とで別個に行うことができる。すなわち、回転電機1は、移動体7からの運動エネルギの抽出に適した構造に最適化すればよく、また、標準電機機械は、回転電機1で抽出した運動エネルギを電機エネルギや機械エネルギに変換するのに適した構造に最適化すればよい。これにより、回転電機1と標準電気機械6との設計を独立して行うことができ、設計作業が容易になる。
本実施形態による回転電機1は、外部電源を取ることができない場所で、発電機等の標準電気機械6を駆動するために利用できる。移動体7に近接させて、本実施形態による回転電機1を配置することで、外部電源なしで標準電気機械6を駆動することができる。
移動体7は、それ自体が移動または回転するものである必要はなく、回転電機1に対して相対的に移動するものであればよい。例えば、本実施形態による回転電機1を列車等の車両に搭載し、この車両を路面やレール上で走行させる場合、路面やレールを移動体7とみなすことができる。すなわち、本実施形態による回転電機1の回転体4を、路面やレール面に近接して配置した状態で、車両を走行させれば、回転体4および軸部材2を回転させることができるため、この回転力を利用して、電気エネルギや機械エネルギを生成することができる。例えば、車両の電装機器類の電源電力として使用することができる。車両以外にも、導電性の移動体があれば、電源配線を引き回さなくても、移動体の近傍で発電し、電力を各種電気機器に供給することができる。
このように、第1の実施形態は、移動体7の一主面7aから離隔して回転体4と磁束ガイド部材5とを配置し、磁石3からの磁束が磁束ガイド部材5と回転体4とを通過する磁路内のエアギャップをできるだけ小さくするため、漏れ磁束と磁気抵抗を最小化でき、磁気効率に優れた回転電機1が得られる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、磁束ガイド部材5を回転させるものである。
図5は本発明の第2の実施形態による回転電機1の正面図、図6は斜視図である。図6の回転電機1は、磁束ガイド部材5が軸部材2周りに回転自在であることが第1の実施形態とは異なっており、その他の構成は同じである。
回転体4と磁束ガイド部材5は、ともに軸部材2周りに回転自在であるが、回転体4と磁束ガイド部材5の外形サイズは必ずしも同一でなくてもよい。ただし、回転体4と磁束ガイド部材5はともに軸部材2の周りを回転するため、軸部材2の延在方向が移動体7の一主面方向7aに平行な場合は、回転体4と磁束ガイド部材5の外径サイズが異なると、外径サイズが小さい方における移動体7の一主面7aとの隙間が大きくなってしまう。よって、軸部材2の延在方向が移動体7の一主面方向7aに平行な場合は、回転体4と磁束ガイド部材5の外径サイズを同じにする方が望ましい。
なお、軸部材2の延在方向は、移動体7の一主面7a方向に平行でなくてもよい。例えば図7は軸部材2の延在方向を移動体7の一主面7a方向から傾けて配置した例を示す図である。この場合、軸部材2の周りを回転する回転体4および磁束ガイド部材5の径サイズを同じにすると、磁束ガイド部材5と移動体7の一主面7aとの隙間がより大きくなってしまう。よって、軸部材2の延在方向と移動体7の一主面7aとの傾斜角度に応じて、回転体4と磁束ガイド部材5との径サイズを相違させて、移動体7の一主面7aとの隙間が回転体4と磁束ガイド部材5でほぼ同じになるようにしてもよい。
回転体4と磁束ガイド部材5の双方とも、移動体7の移動に伴って、移動体7の一主面7a上に渦電流を発生させる。すなわち、移動体7の一主面7a上には、回転体4の直下と磁束ガイド部材5の直下とに、それぞれ渦電流が発生する。これら渦電流は、回転体4および磁束ガイド部材5を、移動体7の移動方向に応じた方向に回転させる。よって、第1の実施形態よりも、軸部材2を回転させる回転力を高めることができる。すなわち、第2の実施形態では、第1の実施形態よりも、移動体7の運動エネルギをより効率よく抽出でき、標準電気機械6にて得られる電気エネルギや機械エネルギも大きくできる。
このように、第2の実施形態では、回転体4だけでなく、磁束ガイド部材5も軸部材2周りに回転自在とするため、移動体7の移動方向に応じて、回転体4と磁束ガイド部材5をともに回転させて、移動体7の運動エネルギをより多く抽出することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、回転体4、磁石3および磁束ガイド部材5を密着配置したものである。
図8は本発明の第3の実施形態による回転電機1の正面図である。図8の回転電機1は、回転体4、磁石3および磁束ガイド部材5を密着配置した点で、図5の回転電機1とは異なっている。
図8の回転体4、磁石3および磁束ガイド部材5はいずれも、軸部材2とともに回転する。よって、磁石3を固定化させるための磁石キャリアは不要となる。
図8の回転電機1では、回転体4と磁石3との間に隙間がなく、磁束ガイド部材5と磁石3との間にも隙間がないため、磁石3からの磁束が通過する磁路内での隙間は、回転体4および磁束ガイド部材5と移動体7の一主面7aとの間だけになり、磁路内の磁気抵抗をより低減でき、磁気効率が向上する。
回転体4と磁束ガイド部材5は、磁石3からの磁束を通しやすい透磁率の高い材料(例えば、強磁性体)で形成されている。回転体4と磁束ガイド部材5は、全く同じ材料で形成してもよいし、別個の材料で形成してもよい。
このように、第3の実施形態では、回転体4、磁石3および磁束ガイド部材5を密着配置するため、回転体4および磁束ガイド部材5と磁石3との間に隙間がなくなり、磁気効率がよくなる。
上述した第1〜第3の実施形態において、磁石3は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 回転電機、2 軸部材、3 磁石、4 回転体、5 磁束ガイド部材、6 標準電気機械、7 移動体、8 磁石キャリア、

Claims (13)

  1. 回転または移動する移動体の一主面から離隔して配置され、前記移動体の回転または移動方向と交差する方向に延在されて、前記移動体の回転または移動方向に回転する軸部材と、
    前記前記軸部材の周囲に固定され、前記軸部材の軸方向に磁化されている磁石と、
    前記軸部材周りに回転自在で、前記移動体の一主面から離隔して配置され、かつ前記磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される回転体と、
    前記磁石の前記回転体に対向する面と反対側の面に対向配置され、前記磁石からの磁束が通過する前記磁路内に配置される磁束ガイド部材と、を備え、
    前記回転体は、前記回転体に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記回転体を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記回転体に働く反力により、前記軸部材周りに、前記移動体の回転または移動方向に応じた回転方向に、前記移動体の一主面の表面速度よりも遅い周速度で回転する回転電機。
  2. 前記軸部材の軸方向における前記磁石と前記回転体との間、および前記軸部材の軸方向における前記磁石と前記磁束ガイド部材との間に、エアギャップが設けられる請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記磁束ガイド部材は、前記磁束ガイド部材に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記磁束ガイド部材を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記磁束ガイド部材に働く反力により、前記軸部材周りに、前記回転体と同じ回転方向に回転する請求項1または2に記載の回転電機。
  4. 前記磁束ガイド部材は、前記軸部材の周囲に固定される請求項1または2に記載の回転電機。
  5. 前記回転体および前記磁束ガイド部材は、強磁性体である請求項1乃至4のいずれかに記載の回転電機。
  6. 前記磁路は、前記磁石、前記回転体、前記移動体および前記磁束ガイド部材を順に通過して前記磁石に戻る磁束の流れか、または、前記磁石、前記磁束ガイド部材、前記移動体および前記回転体を通過して前記磁石に戻る磁束の流れである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 回転または移動する移動体の一主面から離隔して配置され、前記移動体の回転または移動方向と交差する方向に延在されて、前記移動体の回転または移動方向に回転する軸部材と、
    前記軸部材周りに回動自在で、前記軸部材の軸方向に磁化されている磁石と、
    前記軸部材周りに回転自在で、前記移動体の一主面から離隔して配置され、かつ前記磁石からの磁束が通過する磁路内に配置される第1回転体と、
    前記軸部材周りに回動自在で、前記磁石の前記第1回転体に対向する面と反対側の面に対向配置され、前記磁石からの磁束が通過する前記磁路内に配置される第2回転体と、を備え、
    前記第1回転体および前記第2回転体は、前記第1回転体および前記第2回転体に対向配置される前記一主面上に前記磁石から前記回転体を通過した磁束の変化を妨げる方向に発生される渦電流に基づいて前記第1回転体および前記第2回転体に働く反力により、前記軸部材周りに、前記移動体の回転または移動方向に応じた回転方向に回転し、
    前記第1回転体および前記第2回転体の周速度は、前記第1回転体および前記第2回転体に対向配置される前記移動体の前記一主面の表面速度よりも遅い回転電機。
  8. 前記磁石、前記第1回転体および前記第2回転体は、前記軸部材の軸方向に接合されている請求項7に記載の回転電機。
  9. 前記第1回転体および前記第2回転体は、強磁性体である請求項7または8に記載の回転電機。
  10. 前記磁路は、前記磁石、前記第1回転体、前記移動体および前記第2回転体を順に通過して前記磁石に戻る磁束の流れか、または、前記磁石、前記第2回転体、前記移動体および前記第1回転体を通過して前記磁石に戻る磁束の流れである請求項7乃至9のいずれか一項に記載の回転電機。
  11. 前記軸部材に接続され、前記軸部材の回転力により駆動される駆動体を備える請求項1乃至10のいずれか一項に記載の回転電機。
  12. 前記駆動体はモータである請求項11に記載の回転電機。
  13. 前記磁石は、永久磁石または電磁石である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の回転電機。
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