JP2017004842A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極積層体にて発生した熱を適切に外部に放出でき,温度の過度な上昇が起こりにくいようにした非水電解液二次電池を提供すること。【解決手段】本発明の非水電解液二次電池は,正負の電極板とセパレータとを積層してなる電極積層体3と,電極積層体3を非水電解液とともに収納する電池ケース2とを有している。さらに,電極積層体3の一方の端部31にて一方の電極板に接続され,電池ケース2の外へ部分的に露出する第1集電端子(4,41,42)と,電極積層体3のもう一方の端部32にてもう一方の電極板に接続され,電池ケース2の外へ部分的に露出する第2集電端子(5,51,52)とを有している。さらに,セパレータは,無機ファイバを保持しており,保持している無機ファイバの方向が,電極積層体3における一方の端部31ともう一方の端部32とを結ぶ方向に配向されている。【選択図】図1

Description

本発明は,電極積層体を非水電解液とともに電池ケースに収納してなる非水電解液二次電池に関する。さらに詳細には,電極積層体で発生する熱の電池ケース外への放熱性の向上を図った非水電解液二次電池に関するものである。
従来から用いられている非水電解液二次電池の例として,特許文献1に記載されているものが挙げられる。同文献の非水電解液二次電池では,無機繊維不織布層に高分子ナノファイバー層を被覆した多孔質シートを,セパレータとして用いている。これにより,耐熱性の高い多孔性シートが得られ,電池の特性を向上させることができるとしている。
特開2012−178320号公報
しかしながら前記した従来の技術には,次のような問題点があった。すなわち,放熱性がよくないのである。電池の電極積層体は,使用中,ジュール発熱により熱を持つ。この熱は,電極積層体と対外端子とを繋ぐ集電端子を経由して電池外に排出されることとなる。このため,電極積層体から集電端子への熱の伝達が適切なされないと,電池温度が上昇気味になる。特許文献1の技術を用いた電池では,その電極積層体の中央部分で発生した熱が逃げにくいのである。前述の多孔性シートは,特に集電端子へ向けての熱伝導性に優れているものではないからである。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,電極積層体にて発生した熱を適切に外部に放出でき,温度の過度な上昇が起こりにくいようにした非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明の一態様における非水電解液二次電池は,第1および第2の電極板とこれらの接触を防止しつつイオンの通過を許容するセパレータとを積層してなる電極積層体と,電極積層体を非水電解液とともに収納する電池ケースとを有するものであって,電極積層体の一方の端部にて第1の電極板に接続されるとともに,電池ケースの外へ部分的に露出する第1集電端子と,電極積層体の他方の端部にて第2の電極板に接続されるとともに,電池ケースの外へ部分的に露出する第2集電端子とを有し,セパレータは,無機ファイバを保持しているとともに,保持している無機ファイバの方向が,電極積層体における一方の端部と他方の端部とを結ぶ方向に配向しているものである。
上記態様における非水電解液二次電池では,使用時,すなわち充放電時には,電極積層体の内部においてもジュール熱が発生する。非水電解液二次電池の第1集電端子および第2集電端子は,電池電流の経路としての機能の他に,電極積層体の内部で発生したジュール熱の排熱経路としての機能も持っている。上記態様のようにセパレータが無機ファイバを保持しており,かつその無機ファイバが前述の特定の方向に配向していることにより,電極積層体から外部への放熱性が高い電池となっている。電極積層体の内部から端部への熱の伝達効率がよいからである。このため,温度過上昇が起こりにくい非水電解液二次電池が得られる。
上記態様の非水電解液二次電池ではさらに,電極積層体は,帯状の第1および第2の電極板と帯状のセパレータとを重ね合わせて捲回してなるものであり,無機ファイバは,電極積層体における捲回の軸方向に沿った方向に配向していることが好ましい。捲回型の電極積層体の軸方向の端部は通常,集電端子の接続箇所でもある。このためこの箇所への熱電伝導性を良くする配向性をとることで,非水電解液二次電池の放熱性に寄与するのである。
上記態様の非水電解液二次電池ではまた,セパレータは,絶縁物からなる基層と,無機ファイバにより構成される無機ファイバ層との積層体であることが好ましい。この場合,無機ファイバ層を構成する無機ファイバは当然,前述の配向性を持つことになる。基層が両電極板の直接触を防止するとともに,無機ファイバ層は電極積層体の内部から端部への熱の伝達性を確保する機能を持つ。ここで,基層としては,合成樹脂の多孔質層,または,絶縁性繊維の不織布層などが挙げられる。
上記態様の非水電解液二次電池ではあるいは,セパレータは,合成樹脂の多孔質層中に無機ファイバを包含しているものであってもよい。この場合の多孔質層は,両電極板の直接触を防止する機能と,電極積層体の内部から端部への熱の伝達性を確保する機能との両方を持つことになる。
上記態様の非水電解液二次電池ではさらに,無機ファイバ層としては,無機ナノファイバゾルの自己組織化膜,あるいはエレクトロスピニング法により形成された無機ファイバの層が挙げられる。また,無機ファイバとしては,アルミナ,シリカ,および,窒化アルミが挙げられる。
本構成によれば,電極積層体にて発生した熱を適切に外部に放出でき,温度の過度な上昇が起こりにくいようにした非水電解液二次電池が提供されている。
実施の形態に係る非水電解液二次電池の正面透視図である。 図1の非水電解液二次電池の平面図である。 図1の非水電解液二次電池の側面断面図(A視位置)である。 実施の形態におけるセパレータの構成を示す概念図である。 比較例に係る非水電解液二次電池の正面透視図である。 電極捲回体中の温度分布を示すグラフである。 (実施形態)定電流充電試験における電池温度および電池電圧の変化のグラフである。 (比較例)定電流充電試験における電池温度および電池電圧の変化のグラフである。 定電流充電試験における電極捲回体の中心と端部との温度差の変化のグラフである。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,リチウムイオン二次電池として本発明を具体化したものである。本形態の非水電解液二次電池1は,概略,図1〜図3のように構成されている。非水電解液二次電池1は,電池ケース2内に,発電要素である電極捲回体3を封入したものである。電池ケース2内には,電極捲回体3の他に非水電解液(例えば,特開2014−203561号公報の[0016]および[0017]に記載されているようなもの)が封入されている。
電極捲回体3は,いずれも長尺の帯状の正負の電極板とセパレータとを,巻き重ねにより積層したものである。図1中における左右方向が,電極捲回体3における捲回軸方向(電極板やセパレータの帯状のシートにおける幅方向)に相当する。電極捲回体3における捲回軸方向の両端部には,正の電極板のみが捲回されている端部領域31と,負の電極板のみが捲回されている端部領域32とがある。電極捲回体3のうち端部領域31,32に挟まれた中央の部分が,実際に充放電の電極反応が行われる発電領域30である。
非水電解液二次電池1には,対外的に電流の授受の窓口となる端子部材4,5が設けられている。端子部材4,5はいずれも,電池ケース2の外側に位置している。そして非水電解液二次電池1には,接続部材41,42,同じく接続部材51,52が設けられている。接続部材41は,下端部分が電池ケース2の内部で電極捲回体3の端部領域31に接続されるとともに,上端部分が電池ケース2の外部に突出している。接続部材41のうち電池ケース2の外部の部分で接続部材42が固定されており,接続部材42により端子部材4が固定されている。これにより,端子部材4および接続部材41,42の全体で,端部領域31に接続されるとともに電池ケース2の外へ部分的に突出する正側の集電端子をなしている。同様に,端子部材5および接続部材51,52の全体で,端部領域32に接続されるとともに電池ケース2の外へ部分的に突出する負側の集電端子をなしている。
ここで,電極捲回体3を構成する要素の1つであるセパレータについて説明する。セパレータは,絶縁性のものであって,電極捲回体3の発電領域30において,正負の電極板の接触を防止しつつ非水電解液のイオンの通過を許容するものである。本形態の非水電解液二次電池1におけるセパレータ6は,図4に示すように,第1層61と第2層62との2層構成のものである。
第1層61は,通常の電池におけるセパレータと同じく,合成樹脂の多孔質シートである。合成樹脂の種類としては,特段の限定はないが,例えばポリオレフィン系の各種樹脂が挙げられる。あるいは第1層61は,繊維による不織布の層であってもよい。その場合の繊維の種類としては,絶縁性のものであれば何でもよいが,例えば,PVDF(ポリフッ化ビニリデン)やPVA(ポリビニルアルコール)等の合成樹脂の繊維が挙げられる。
第2層62は,無機ファイバ64を集積した層である。第2層62における無機ファイバ64は,ランダムな方向を向いているのではなく,特定の一方向(矢印Bの方向)に揃えられて配置されている。すなわち,配向性を持っている。具体的には,無機ファイバ64の配向方向Bは,電極捲回体3における捲回軸方向(図1中の左右方向)と平行になるようにされている。なお実際問題としては,第2層62に保持される無機ファイバ64のうち,その方向が配向方向Bに対してなす角が30°以下であるものが重量ベースまたは本数ベースで80%以上を占めていれば,当該配向性を持っているものに該当することとする。より具体的には,第2層62をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して,観察画像内に現れた無機ファイバ64の画像内での捲回軸方向に対する角度を測定すればよい。表面観察と断面観察(捲回軸方向に平行な断面)とのいずれにおいても,100本以上の任意の本数の無機ファイバ64のうち,捲回軸方向に対する角度が30°以下であるものが80%以上を占めていればよい。
個々の無機ファイバ64は,直径が2μm以下で,アスペクト比(長さを直径で割った値)が3以上あることが望ましい。直径が2μmを超えるような太いものでは,その堆積層を平滑な第2層62とすることが困難だからである。また,アスペクト比が小さいと,配向性を一方向に揃えることの意義が薄いからである。また,無機ファイバ64の材質は,例えばアルミナ,シリカ,窒化アルミ等といった,比較的高熱伝導性のセラミック類が好ましい。
上記のような無機ファイバ64により配向性をもって構成された第2層としては例えば,無機ナノファイバゾルの自己組織化(例えば,産業技術総合研究所平成21年度年報574/1071)による自己組織化膜や,エレクトロスピニング法(例えば,SEN’I GAKKENSHI(繊維と工業)Vol.63,No.10(2007)P−328「エレクトロスピニング法の仕組みと応用」)により形成した層が挙げられる。
あるいはセパレータ6は,1層構成のものであってもよい。1層構成の場合のセパレータ6は,上記の第1層61のような多孔質樹脂膜の内部に上記の無機ファイバ64を分散させたものである。そして,第1層61に内包されている無機ファイバ64が,上記と同じく配向性を持った配置とされているものである。
上記のいずれかのセパレータ6を用いた本形態の非水電解液二次電池1は,使用時(充電時および放電時)の放熱性に優れている。すなわち,使用中の非水電解液二次電池1の電極捲回体3で発生した熱が,外部へ放散されやすいのである。理由はもちろん,上記の無機ファイバ64の配向性にある。前述のようにセパレータ6の無機ファイバ64は,端部領域31と端部領域32とを結ぶ方向に配向されているからである。すなわち,電極捲回体3で発生した熱は,接続部材41,42,端子部材4,もしくは接続部材51,52,端子部材5を経由した熱伝導により電池ケース2外に排出され,大気中に放散されていく。このためには,熱の発生箇所から,接続部材41,51への熱の伝導性が良くなければならない。
本形態の非水電解液二次電池1では,無機ファイバ64の前述の配向性により,電極捲回体3における図1中の左右方向中央辺りで発生した熱でも,効率よく端部領域31,32に伝達され,接続部材41,51に排熱されることとなる。無機ファイバ64がB方向に配向しているため,セパレータ6における当該方向の熱伝導性が,他の方向に比べて良いからである。このため当該熱は,図1中縦方向や厚み方向には移動しにくく,左右方向に移動しやすいのである。これにより本形態の非水電解液二次電池1では,使用中にも電極捲回体3の温度があまり上昇しない。
一方,従来型のセパレータが使用されている非水電解液二次電池(比較例,セパレータとして前述の無機ファイバを使用せず代わりに無機粒子層を有するものを用いている以外は本形態と同じ)であると,本形態の非水電解液二次電池1の場合と比較して,電極捲回体の温度が上昇しやすい。図5に矢印Cで示されるように,セパレータにおける熱伝導の方向が等方的だからである。このため,図5中縦方向や厚み方向にも相当程度熱が移動する。その分図5中の水平方向の熱移動が少ないため,電極捲回体の中央部で発生した熱が,端部領域に伝達されにくいのである。
このため,電極捲回体3における軸方向の温度分布には,本形態の場合と比較例の場合とで,図6に示すような違いが生じる。図6のグラフは,使用中の電極捲回体3の,図1中の左右方向における範囲Dでの温度分布を示している。実線のグラフが本形態の場合で,破線のグラフが比較例の場合である。図6中で矢印Eに示すように,範囲Dの中央部分(発電領域30に対応)での最高温度は,確実に本形態の方が比較例よりも低い。これはむろん,無機ファイバ64の配向性の効果である。
一方,矢印Fで示されるように,範囲Dの両端付近の箇所(端部領域31,32に対応)では,むしろ本形態の方が比較例よりも高温となっている。これは,前述の無機ファイバ64の配向性により,電極捲回体3の発電領域30で発生した熱が効率よく端部領域31,32に伝達されてきていることによるものである。また,比較例に比して温度が高くなっているとはいっても,中央部のピーク温度に比べればはるかに低温である。このため,矢印Fで示される温度上昇は,非水電解液二次電池1の動作状況上,何ら問題になるものではない。
続いて,本形態と比較例とで過充電試験を行った結果を説明する。本試験では,フル放電の状態から,次の条件で定電流充電を行った。
初期温度:0℃
電流レート:10C(C(シー)は1時間の充電で電池をフル放電からフル充電に至らせる電流量)
定電流充電の停止時の条件および操作は,次のようにした。
(1)上限電圧VL到達により,定電流充電を停止。上限電圧VLは25[V]とした。(2)その後一定期間,定電圧(VL)で保持。一定期間は10秒間とした。
(3)その後に電源装置から切り離して試験終了。
この過程における電池の温度および電圧の変化を測定した。温度の測定のため,試験対象の電池には,電極捲回体の最内周の中心部と,端部領域の箇所との2箇所に温度センサを設けた。図7および図8は,上記の充電過程における電池電圧と,電極捲回体の最内周の中心部の温度とをプロットしたグラフである。図7が本形態のグラフで,図8が比較例のグラフである。
図7について説明する。図7を見ると,「電圧」は,充電開始から時間の経過とともに上昇し,ピーク電圧VPを示した後で一旦少し下降し,その後に急上昇して上限電圧VLに到達している。その,ピーク電圧VP後の電圧下降期の時刻T1にて,セパレータ6のシャットダウンが起こっている。「温度」の方は,充電開始から時間の経過とともに徐々に上昇し,電圧がピーク電圧VPを示す辺りから上昇の速度が上がっている(領域G)。そして,電圧が上限電圧VLに到達した後は,温度の上昇も収束している(領域H)。図7ではセパレータ6のシャットダウンが起こったり,電圧が上限電圧VLにまで到達したりしているが,これは,電池の通常の使用条件と異なる定電流充電を行っているからである。通常の使用条件では,電池電圧がピーク電圧VPにすら至らない範囲内でのみ充放電が行われる。よって図7は,通常の使用条件でシャットダウンが起きることを意味する訳ではない。
次に図8について説明する。図8を見ると,「電圧」については,図7の場合とだいたい同じような経緯を辿っているように見える。ただし子細に見ると,上限電圧VLへの到達は図7の場合より少し早い。また,シャットダウン時刻T2も,図7の場合の時刻T1より少し早い。「温度」の方も,充電開始から時間の経過とともに徐々に上昇している点では,図7の場合とだいたい同じように見える。しかし子細に見ると,この領域Jでの温度上昇は,図7における対応領域での温度上昇よりわずかながら速い。さらに,図7の場合と大きく異なるのは,電圧が上限電圧VLに到達した後である。図7では収束していた(領域H)のに対し,図8では温度上昇が収束することなくさらに上昇している(領域K)。
このような図7と図8との違いが生じた理由はむろん,無機ファイバ64の配向性にある。すなわち,無機ファイバ64が特定の配向性をもって配置されている本形態の図7と,そうではない比較例の図8とでは,電極捲回体3の中央から両端部への熱の脱出のしやすさに違いがある。この違いが図7と図8との違いとして現れ,図8の温度過上昇(領域K)に繋がっているのである。
続いて,同一の電池における電極捲回体の中央と端部との温度差の変遷を,図9のグラフに示す。図9のグラフでは,充電開始からしばらくの間は,温度差がほぼ一定で,本形態と比較例との間に明白には違いがない(領域L)。ただし,徐々に温度差が開いてくる時期になると(領域M),比較例の方が本形態よりも温度差の上昇が大きい。そして,シャットダウン時刻T1,T2より後になると,本形態では温度差が収束している(領域N)のに対し,比較例では温度差が際限なく開いている(領域Q)。この,領域Nと領域Qとの違いはむろん,図7中の領域Hと図8中の領域Kとの違いと対応している。これも,本形態と比較例との間の,電極捲回体3の中央から両端部への熱の脱出のしやすさの違いの現れである。
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,正負の電極板とともに電極捲回体3を構成するセパレータ6として,無機ファイバ64を保持するものを用いている。そして,セパレータ6に保持されている無機ファイバ64に特定の配向性を持たせている。すなわち無機ファイバ64は,電極捲回体3の捲回軸方向に沿った方向に保持されている。これにより,充放電時に電極捲回体3の捲回軸方向中央付近で発生した熱でも,効率よく接続部材41,42まで伝達されて外部に放出されるようになっている。こうして,使用時に温度の過上昇が起こりにくい非水電解液二次電池1が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,前記実施の形態では,電極積層体として扁平型の電極捲回体を用いるものを挙げた。しかしこれに限らず,円筒型の電極捲回体を用いるものや,平積み型の電極積層体を用いるものであっても良い。また,正負の集電端子のいずれか一方が,電池ケースの一部分を兼ねているような構成であっても良い。また,リチウムイオン二次電池に限らず,正負の電極板とセパレータとを有する電極積層体を用いる構成の非水電解液二次電池であれば本発明の適用が可能である。
1 非水電解液二次電池
2 電池ケース
3 電極捲回体(電極積層体)
4,5 端子部材
6 セパレータ
30 発電領域
31,32 端部領域
41,42 接続部材
51,52 接続部材
61 第1層
62 第2層
64 無機ファイバ
B 無機ファイバの配向方向

Claims (6)

  1. 第1および第2の電極板とこれらの接触を防止しつつイオンの通過を許容するセパレータとを積層してなる電極積層体と,前記電極積層体を非水電解液とともに収納する電池ケースとを有する非水電解液二次電池において,
    前記電極積層体の一方の端部にて第1の前記電極板に接続されるとともに,前記電池ケースの外へ部分的に露出する第1集電端子と,
    前記電極積層体の他方の端部にて第2の前記電極板に接続されるとともに,前記電池ケースの外へ部分的に露出する第2集電端子とを有し,
    前記セパレータは,
    無機ファイバを保持しているとともに,
    保持している前記無機ファイバの方向が,前記電極積層体における前記一方の端部と前記他方の端部とを結ぶ方向に配向しているものであることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解液二次電池において,
    前記電極積層体は,帯状の第1および第2の電極板と帯状のセパレータとを重ね合わせて捲回してなるものであり,
    前記無機ファイバは,前記電極積層体における捲回の軸方向に沿った方向に配向していることを特徴とする非水電解液二次電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の非水電解液二次電池において,前記セパレータは,
    絶縁物からなる基層と,前記無機ファイバにより構成される無機ファイバ層との積層体であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  4. 請求項1または請求項2に記載の非水電解液二次電池において,前記セパレータは,
    合成樹脂の多孔質層中に前記無機ファイバを包含しているものであることを特徴とする非水電解液二次電池。
  5. 請求項3に記載の非水電解液二次電池において,
    前記無機ファイバ層は,無機ナノファイバゾルの自己組織化膜,および,エレクトロスピニング法により形成された無機ファイバの層,からなる群のいずれか1つであることを特徴とする非水電解液二次電池。
  6. 請求項1から請求項5までのいずか1つに記載の非水電解液二次電池において,
    前記無機ファイバは,アルミナ,シリカ,および,窒化アルミからなる群のいずれか1つにより構成されたセラミックファイバであることを特徴とする非水電解液二次電池。
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