JP2017004389A - 運転支援装置及び運転支援方法 - Google Patents

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隆史 河合
良一 山之内
Ryoichi Yamanouchi
良一 山之内
田村 義宏
Yoshihiro Tamura
義宏 田村
雅子 酒井
Masako Sakai
雅子 酒井
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Abstract

【課題】運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる運転支援装置及び運転支援方法を提供する。【解決手段】運転支援装置では、運転中に基準呈示位置P0に視認させている表示メータ像21aの視差角を変化させ、運転者の覚醒度を変化させるようにしたことにより、運転中に呈示されていない警告表示が突然現れたり、或いは警告音が突然発することがなく、その分、運転者に対して不快感を与えずに運転者の覚醒度を変化させることができるので、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる。【選択図】図3

Description

本発明は、運転支援装置及び運転支援方法に関するものである。
近年、車両を運転する運転者の覚醒度を検出して、運転者の覚醒度が低下した場合に、アラーム等の警告音により運転者に対し注意を促したり、合成音声による警告音により運転者に対し休憩を促したりする運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、その他の運転支援装置としては、車速やエンジン回転数が表示されている表示画面に、他の車両(自転車を含み、他車と呼ぶ)や歩行者に衝突する可能性が高くなった場合や異常が生じた場合に、通常時に表示されていない警報マーク(警告表示)を運転者側に飛び出したように立体的に表示することにより、運転者に対してインパクトが強い表示を行う立体表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−248746号公報 特開2009−98572号公報
しかしながら、上記特許文献1に示す運転支援装置では、運転者の覚醒度が低下したと判断すると、突然、警告音が発せられることから、運転者に対して不快感を与えてしまい、警告音等が運転者の運転に影響を及ぼす恐れがあった。
また、上記特許文献2に示す立体表示装置でも、通常時、表示画面に表示されていなかった警告表示が突然表示されることから、予期しない警告表示が視野内に突然現れることで運転者に対して不快感を与えるだけでなく、運転者が驚いたり、運転者の意識が警告表示自体に奪われ、警告表示が運転者の運転に影響を及ぼす恐れがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる運転支援装置及び運転支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の運転支援装置は、車両を運転する運転者に可動像を呈示する可動像呈示部と、前記可動像の周辺で運転者に周辺像を呈示する周辺像呈示部と、前記運転者に近接する手前方向、又は前記運転者から離間する奥行方向に前記可動像を移動させる覚醒制御部とを備え、前記覚醒制御部は、運転中に基準呈示位置に視認させている前記可動像を移動させることで、両眼視差によって視認される前記可動像と前記周辺像との視差角を変化させ、前記運転者の覚醒度を変化させることを特徴とする。
また、本発明の運転支援方法は、可動像と、前記可動像の周辺にある周辺像とを運転中の運転者に呈示する呈示ステップと、前記運転者に近接する手前方向、又は前記運転者から離間する奥行方向に前記可動像を移動させる覚醒制御ステップとを備え、前記覚醒制御ステップは、運転中に基準呈示位置に視認させている前記可動像を移動することで、両眼視差によって視認される前記可動像と前記周辺像との視差角を変化させ、前記運転者の覚醒度を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、運転中に基準呈示位置に視認させている可動像の視差角を変化させ、運転者の覚醒度を変化させるようにしたことにより、運転中に呈示されていない警告表示が突然現れたり、或いは警告音が突然発することがないので、その分、運転者に対して不快感を与えず、かつ運転者の意識が奪われることなく運転者の覚醒度を変化させることができ、かくして、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる。
本発明を実施した運転支援装置の概略を示す説明図である。 通常モード時における表示ユニットの状態を示す斜視図である。 気付きモード時における表示ユニットの状態を示す斜視図である。 高覚醒モード時における表示ユニットの状態を示す斜視図である。 注意喚起モード時における表示ユニットの状態を示す斜視図である。 視差角を説明する説明図である。 運転支援装置の回路構成を示すブロック図である。 覚醒度のレベルと、視線の動く速さ及び瞬きの長さとの関係の一例を示す説明図である。 実験1から得られた各種画像と情動価の評価値の関係を示すグラフである。 実験1から得られた各種画像と覚醒度の評価値の関係を示すグラフである。 実験2から得られた視差角の拡大率と情動価及び覚醒度の変化率の関係を示すグラフである。 実験3における高覚醒度画像の呈示時間と評価時間の関係を示すグラフである。 実験3における高覚醒度画像の呈示時間と応答時間の関係を示すグラフである。 運転支援処理手順を示すフローチャートである。 注意度の判定の状況例を示す説明図である。 ダッシュボードの一部を可動像とした他の実施の形態を示す説明図である。
(1)本発明の運転支援装置について
図1に示すように、本発明の運転支援装置11は、車両10に搭載されており、運転者センサ部12、前方センサ部13、制御ユニット14、及び表示ユニット15を備えている。この運転支援装置11は、車両を運転する運転者の覚醒度と、車両周辺の外界情報に基づく注意度とに応じて、表示ユニット15が動作して運転者の覚醒度を高めるものである。
運転者センサ部12は、運転者の覚醒度を判定するのに必要な運転者情報(運転者の状態情報)を取得する。この実施の形態の場合、運転者センサ部12は、例えば視線を検出するための視線センサであり、ハンドル16の前方のダッシュボード17上に設けられている。運転者センサ部12に用いる視線センサは、例えば角膜反射と瞳孔の位置との関係から視線を検出するものであり、運転席に着座した運転者に対して赤外線を照射する赤外線LED(発光ダイオード)と赤外線カメラで構成されている。
運転者センサ部12は、赤外線カメラで撮影した運転者の顔画像を運転者情報として取得し、これを制御ユニット14に送る。運転者センサ部12は、所定周期で撮影を繰り返し行い、撮影するごとに得られた顔画像を制御ユニット14に送る。制御ユニット14は、運転者の視線の動きと運転者の瞬きの長さとを、複数の顔画像から検出して、運転者の覚醒度を判定する。この例においては、視線の動き及び瞬きの長さから運転者の覚醒度を検出するが、例えば顔の動きや、顔の表情、ハンドル操作の挙動等から、覚醒度を判定してもよく、運転者の覚醒度を判定するために必要な運転者情報を取得することができれば、種々のセンサを運転者センサ部12として用いてもよい。また、制御ユニット14は、運転者の両眼位置より視線方向を検出してもよい。前方センサ部13は、運転者以外(車両周辺)の情報を外界情報として取得する。この実施の形態の場合、前方センサ部13は、イメージセンサや撮影レンズ等で構成された左右一対のカメラ13aを備え、例えばインナーリアビューミラー(Inner rear-view mirror)に取り付けられている。前方センサ部13は、外界情報として車両10の前方のステレオ画像(以下、前方画像という)を撮影し、得られた前方画像を制御ユニット14に送る。前方センサ部13は、運転者センサ部12と同様に、所定周期で撮影を繰り返し行い、撮影するごとに得られた前方画像を制御ユニット14に送る。制御ユニット14は、前方画像から車両10の前方の状況を解析し、解析結果を基に注意度を判定する。
なお、この例においては、運転者周辺の情報として、例えば車両10の前方における他車両や自転車、歩行者の存在及び挙動等の前方情報を外界情報として取得しているが、取得する外界情報としては、これらに限るものではない。例えば、車内の音のレベルや、車内の明るさ、自車両の周囲の状況、自車両の走行速度、天候、車外の明るさ、外気温等の運転者周辺の各種情報を外界情報として取得してもよい。また、外界情報を取得する手段としては、取得すべき外界情報に応じたものを適宜用いることができる。例えば、カメラの他にレーザーレーダや、ミリ波レーダ、車両相互間で通信するための通信装置、マイク、光センサ、温度センサ等を外界情報取得手段として用いることができる。
運転者センサ部12及び前方センサ部13に接続された制御ユニット14は、例えばダッシュボード17内に収容されている。この制御ユニット14は、例えばマイクロコンピュータ等で構成されており、顔画像に基づく覚醒度の判定や、前方画像に基づく注意度の判定を行い、判定結果として得られた覚醒度及び注意度に基づいて表示ユニット15の制御を行う。
ここで、ダッシュボード17には、スピードメータや燃料計等の車両情報を表示するメータ表示部18が設けられており、このメータ表示部18の一部として表示ユニット15が組み込まれている。表示ユニット15を含めてメータ表示部18は、バックライト式の液晶パネルを用いて情報を実像式で表示する。
図2に示すように、表示ユニット15は、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23を備えている。この実施の形態の場合、表示ユニット15は、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23の順に一列に車両幅方向yに配列されており、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23毎にそれぞれ異なる情報を表示して車両の状態等を運転者に対して通知し得るようになされている。なお、図2中、zは車両上下方向を示し、x1は運転者に近接する手前方向を示し、x2は運転者から離間する奥行方向を示し、手前方向x1及び奥行方向x2は、車両高さ方向z及び車両幅方向yにそれぞれ直交する。
例えば、第1表示パネル21は、現在の瞬間燃費を示す表示メータ像21aを表示し、第2表示パネル22は、シフトポジションを示す表示メータ像22aを表示する。また、第3表示パネル23は、例えば省燃費運転に関する各種情報を示す表示メータ像23aを表示する。なお、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23に表示される各内容はどのようなものであってもよいが、装飾的な電装系メータのように運転者の注意を引きつけることを目的としたようなもの以外が好ましく、例えばエンジン冷却水の温度を表示する水温計メータや、燃料の残量を表示する燃料計メータ等その他種々の車両情報に関するものが好ましい。
表示ユニット15は、通常モード時、第1表示パネル21の表示メータ像21aと、第2表示パネル22の表示メータ像22aと、第3表示パネル23の表示メータ像23aとの呈示位置が同じ位置になるように設定されており、運転者に対してこれら表示メータ像21a、22a、23aを同一面上に視認させ得る。これに加えて、表示ユニット15は、状況に応じて、通常モードから気付きモード、高覚醒モード又は注意喚起モードへと呈示モードを移行する。ここで、気付きモード、高覚醒モード及び注意喚起モードは、それぞれ表示ユニット15に表示される表示メータ像21a、22aを、運転者に対し両眼視差によって立体的に視認させる呈示モードである。
本発明の運転支援装置11は、運転者の覚醒度が低下している場合や、より高い覚醒度が求められる場合に、通常モードから気付きモード、高覚醒モード、あるいは注意喚起モードへと移行してゆき、表示ユニット15に表示される表示メータ像21a、22aを、運転者に対し両眼視差によって立体的に視認させ、当該運転者の覚醒度を高めるようにしている。
なお、このように表示ユニット15に表示される表示メータ像21a、22aを、運転者に対し両眼視差によって立体的に視認させることで、当該運転者の覚醒度が高まる効果については、後述する検証試験により確認されている。また、注意喚起モードは、運転者が周辺状況に応じて適切な対応を行う際の処理能力を一段と向上させるための呈示モードとなっている。なお、立体視による覚醒度の向上効果の詳細や、処理能力の向上効果については後述する。
ここで、この実施の形態の場合においては、ダッシュボード17の中央に設けたセンターメータに表示ユニット15を設けた場合について述べるが、本発明はこれに限らず、運転席に着座して車両前方を向いて運転している運転者の視野に入り、かつ運転者の運転に支障のない任意の位置に表示ユニット15を配置していればよく、例えば、運転席に着座した運転者の正面のダッシュボードに表示ユニット15を設けるようにしてもよい。但し、表示ユニット15は、運転者の前方視界を大きく妨げることがない位置に設けることが好ましい。
第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23のうち、第1表示パネル21及び第2表示パネル22は、第3表示パネル23と同一面の位置から、図3、図4及び図5に示すように、運転者に近接する手前方向x1に表示画面が段階的に移動するように構成されている。これにより、第1表示パネル21に表示される表示メータ像21aと、第2表示パネル22に表示される表示メータ像22aは、同一面上にあった第3表示パネル23の表示メータ像23aから離れて運転者に近接した空間に呈示され、表示ユニット15に表示される表示メータ像21a、22aが、運転者に対し両眼視差によって第3表示パネル23の表示メータ像23aよりも立体的に視認され得る。
この実施の形態では、第1表示パネル21及び第2表示パネル22を、可動像呈示部とし、それらの表示画面に表示される表示メータ像21a、22aを可動像として説明する。また、この実施の形態では、第3表示パネル23を周辺像呈示部とし、当該第3表示パネル23の表示画面に表示される表示メータ像23aを周辺像として説明する。
ここで、通常モードは、覚醒度を高める必要がない場合に実行される呈示モードである。通常モードは、図2に示すように、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23が、例えばスピードメータや燃料計等が表示されるメータ表示部18と同じ基準呈示位置P0に位置する。このように、表示メータ像21a〜23aは、運転者に対して同一の基準呈示位置P0で呈示され、同一面上に揃っているかのように視認させる。
気付きモードは、運転者の覚醒度が低下している場合や、運転者の覚醒度が平常レベルであるが車両10の前方の状況により覚醒度を少し高める必要がある場合に実行される呈示モードである。この気付きモードでは、図3に示すように、第1表示パネル21が運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、基準呈示位置P0から距離A1だけ運転者に近接した第1呈示位置P1で停止し、表示メータ像21aを第1呈示位置P1で運転者に呈示する。この際、第2表示パネル22も、第1表示パネル21と連動して運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、距離A1よりも小さい距離B1だけ基準呈示位置P0から運転者に接近した第1中間呈示位置Ps1まで移動する。なお、この実施の形態の場合、距離B1は、例えば距離A1の1/2に選定されている。このように、気付きモードでは、第3表示パネル23、第2表示パネル22及び第1の表示パネル21の順に段階的に運転者に近接した状態となる。
一方、高覚醒モードは、運転者の覚醒度が大きく低下している場合や、運転者の覚醒度の低下は小さいが、車両10の前方の状況により覚醒度を高める必要がある場合に実行される呈示モードである。高覚醒モードでは、図4に示すように、第1表示パネル21が運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、気付きモードの距離A1より大きい距離A2だけ基準呈示位置P0から運転者に接近した第2呈示位置P2まで移動する。これにより、第1表示パネル21は、表示メータ像21aを第2呈示位置P2で運転者に呈示する。この際、第2表示パネル22は、第2呈示位置P2に移動する第1表示パネル21と連動して運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、距離B1よりも大きく、かつ距離A2より小さい距離B2だけ基準呈示位置P0から運転者に接近した第2中間呈示位置Ps2まで移動する。なお、この実施の形態の場合、距離B2は、例えば距離A2の1/2に選定されている。このように、高覚醒モードでは、第3表示パネル23、第2表示パネル22及び第1の表示パネル21の順に段階的に運転者に近接した状態としつつ、第1表示パネル21及び第2表示パネル22を気付きモードのときよりも運転者に近接させ得る。
さらに、注意喚起モードは、運転者の覚醒度に関わらず、車両10の前方の状況により覚醒度を高めるとともに、周辺状況に応じて運転者の処理能力を向上させる場合に実行する呈示モードである。この注意喚起モードでは、図5に示すように、第1表示パネル21が運転者に近接する手前方向x1にさらに移動してゆき、高覚醒モードの距離A2よりも大きい距離A3だけ基準呈示位置P0から運転者に接近した第3呈示位置P3まで移動する。これにより、第1表示パネル21は、表示メータ像21aを第3呈示位置P3で運転者に呈示する。この際、第2表示パネル22は、第1表示パネル21と連動して運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、距離B2よりも大きく、かつ距離A3よりも小さい距離B3だけ基準呈示位置P0から運転者に接近した第3中間呈示位置Ps3まで移動する。なお、この実施の形態の場合、距離B3は、例えば距離A3の1/2に選定されている。このように、注意喚起モードでは、第3表示パネル23、第2表示パネル22及び第1の表示パネル21の順に段階的に運転者に近接した状態としつつ、第1表示パネル21及び第2表示パネル22を高覚醒モードのときよりも運転者に近接させ得る。
また、注意喚起モードでは、第1表示パネル21及び第2表示パネル22に表示されている表示メータ像21a、22aを、通常モード、高覚醒モード及び注意喚起モードの他の呈示モードのときとは異なる発光色に変化させ、表示メータ像21a、22aの表示形態が変化し得る。具体的には、この実施の形態の場合、注意喚起モード以外の呈示モードで通常色(例えば水色)で表示メータ像21a、22aを表示させ、当該呈示モードから注意喚起モードに移行すると、通常色とは異なる注意喚起色(例えば赤色)で表示メータ像21a、22aを発光させ、表示メータ像21a、22aの表示形態を変更し得るようになされている。
気付きモード、高覚醒モード及び注意喚起モードにおける各距離A1〜A3や各距離B1〜B3は、運転席に着座した運転者に対して所定の視差角(後述する)で表示メータ像21a、22aを視認させ得るように選定されている。
ここで、視差角とは、図6に示すように、第3表示パネル23の表示画面に表示される表示メータ像23aの所定位置OB1と、運転者の左眼ELとを結んだ線と、当該表示メータ像23aの所定位置OB1と運転者の右眼ERとを結んだ線とのなす輻湊角をθ1とし、一方、両眼視差により第3表示パネル23の表示メータ像23aから離れた空間に視認される第1表示パネル21内の表示メータ像21aの所定位置OB2と左眼ELとを結んだ線と、当該表示メータ像21aの所定位置OB2と右眼ERとを結んだ線とのなす輻湊角をθ2とした場合、輻湊角θ1から輻湊角θ2を減算した値であり、輻湊角θ1−輻湊角θ2=視差角で表される。
よって、表示メータ像21の呈示位置が基準呈示位置P0よりも運転者から離間する方向(奥行方向x2)にあれば視差角は正になり、基準呈示位置P0から遠ざかるほど、その正の視差角の絶対値が大きくなる。一方、表示メータ像21aが基準呈示位置P0から運転者に近接する手前方向x1(近方)にあれば視差角は負になり、運転者に近づくほどその負の視差角の絶対値が大きくなる。
ここで、表1に各呈示モードにおける第1表示パネル21に対する各視差角の一例を示す。この場合、表示ユニット15は、通常モード時、基準となる基準呈示位置P0に第1表示パネル21が位置していることから、視差角が0度に選定されている。また、表示ユニット15は、気付きモード時、基準となる基準呈示位置P0から距離A1だけ運転者に近接した第1呈示位置P1に第1表示パネル21が位置することで、運転者に対し両眼視差により、視差角が−0.2度〜−0.4度の範囲内(例えば−0.3度)に選定されている。
さらに、表示ユニット15は、高覚醒モード時、基準となる基準呈示位置P0から距離A2だけ運転者に近接した第2呈示位置P2に第1表示パネル21が位置することで、運転者に対し両眼視差により、視差角が−0.3度〜−0.8度の範囲内(例えば−0.6度)に選定されている。さらに加えて、表示ユニット15は、注意喚起モード時、基準となる基準呈示位置P0から距離A3だけ運転者に近接した第3呈示位置P3に第1表示パネル21が位置することで、運転者に対し両眼視差により、視差角が−0.4度〜−1.2度の範囲内(例えば−1.0度)に選定されている。なお、覚醒度を高める効果を得る上では、視差角が厳密である必要はない。このため、各呈示モードにおいて、設定されている視差角は、例えば運転者の姿勢などにより多少増減していてもかまわない。また、制御ユニット14において、例えば運転者センサ部12で撮影した運転者の顔画像を元にして、検出される運転者の顔の前後方向における位置から運転者の両眼と表示メータ像23aとの距離を求めるとともに、両眼の間隔を検出し、これらから呈示モードにおける視差角となるように、基準呈示位置P0から各呈示位置P1〜P3までの距離を決めてもよい。表1は、各呈示モードにおける視差角の好ましい範囲(目安)を示したものである。
Figure 2017004389
次に、本発明の運転支援装置11の回路構成について以下説明する。図7に示すように、運転支援装置11は、マイクロコンピュータ等で構成される制御ユニット14を備えている。制御ユニット14は、覚醒度判定部31、注意度判定部32、モード選択部33、表示制御部34及び駆動制御部35を有しており、図示しないROM(Read Only Memory)に予め格納されている運転支援プログラムを図示しないRAM(Random Access Memory)にロードして立ち上げることにより、各回路部を統括的に制御して運転支援処理を実行し得る。
運転者センサ部12は、前述のように運転者の顔画像を周期的に撮影して、それら顔画像を覚醒度判定部31に順次に送る。状態検出部としての覚醒度判定部31は、入力される顔画像を解析して、運転者の視線の動きの速さと、運転者の瞬きの長さとを特定する。覚醒度判定部31は、例えば図8に示すように、視線の動きの速さ及び瞬きの長さと、覚醒度との関係を予め定めた覚醒度データテーブルDT1を記憶部(図示せず)に記憶しており、視線の動きの速さと、瞬きの長さとを、当該覚醒度データテーブルDT1に照らし合わせて覚醒度のレベルを判定している。
この実施の形態の場合、覚醒度データテーブルDT1は、運転者の視線の動きの速さと、運転者の瞬きの長さとから覚醒度をレベル1〜レベル3の3段階に区分けしている。この覚醒度のレベルは、レベルが低い(数字が大きい)ほど覚醒度が低いことを表している。なお、覚醒度については、レベルの数値が高くなるほど運転者が眠気状態にあり注意力が低下した状態になっていると推定している。
この実施の形態の場合、レベル1は、通常の運転状態のときの覚醒度を示し、レベル2は、通常の運転状態のときの覚醒度よりも少し低下したときの覚醒度を示し、レベル3は、レベル2の覚醒度よりもさらに低下したときの覚醒度を示している。
これにより、覚醒度判定部31は、視線の動きの速さが遅いほど、また瞬きの長さが長いほど、覚醒度データテーブルDT1を基に覚醒度のレベルが低いと判断し得る。覚醒度判定部31は、覚醒度データテーブルDT1を基に判定した覚醒度のレベルをモード選択部33に送る。
前方センサ部13は、前述のように車両の前方画像を周期的に撮影して、それら前方画像を注意度判定部32に順次に送る。注意度検出部としての注意度判定部32は、入力される前方画像を解析して、車両10の前方に他の車両(自転車も含め、他車とも呼ぶ)又は歩行者が存在しているか否かや、これら他車や歩行者等の挙動を特定する。注意度判定部32は、例えば、下記の表2に示すような注意度データテーブルを記憶部(図示せず)に記憶しており、特定した他車又は歩行者の有無や、これら他車及び歩行者等の挙動を、当該注意度データテーブルに照らし合わせて注意度のレベルを判定している。
Figure 2017004389
この実施の形態の場合、注意度データテーブルは、他車又は歩行者の有無と、これら他車及び歩行者等の挙動とから注意度をレベル0〜レベル3の4段階に区分けしている。この注意度は、レベルが大きいほど、注意度が高くなり運転に障害となる状況が生じる可能性が高いと推定している。
注意度判定部32は、表2に示す注意度データテーブルに3つの条件が定めされており、前方センサ部13からの前方画像を基に特定した他車又は歩行者の有無や、これら他車及び歩行者等の挙動から、注意度データテーブル内のどの条件を満たしているか否かを決定することで、注意度を判定している。注意度判定部32は、例えば条件1だけを満たしていると判断した場合、注意度をレベル1と判定し、また、条件1及び条件2を満たしていると判断した場合、注意度をレベル2と判定し、さらに条件1及び条件2に加えて条件3も満たしていると判断した場合、注意度をレベル3と判定する。なお、注意度判定部32は、注意度データテーブル内のいずれの条件にも当てはまっていないと判断した場合、注意度をレベル0と判定する。そして、注意度判定部32は、注意度データテーブルに基づいて判定した注意度のレベルをモード選択部33に送る。
なお、表2中の想定速度とは、歩行者及び他車の種類や、交通状況等に応じて通常想定される移動速度を示す。例えば、この注意度データテーブルでは、歩行者の移動速度として2〜6km/hが設定され、自転車の移動速度として4〜30km/hが設定され、右折する他車(自動車)の移動速度として10〜40km/hが設定され、直進する他車(自動車)の移動速度として30〜70km/hが設定されている。また、注意度判定部32は、自車両が現状の速度を維持するものとして注意度の予測を行う。
モード選択部33には、覚醒度判定部31で判定された覚醒度のレベルと、注意度判定部32で判定された注意度のレベルとが入力される。モード選択部33は、例えば下記の表3に示すようなモード選択テーブルを記憶部(図示せず)記憶しており、入力された覚醒度のレベルと、注意度のレベルとからモード選択テーブルを参照して、表示ユニット15の呈示モードを選択する。このモード選択部33は、覚醒度のレベルが低いほど、また注意度のレベルが高いほど、負の視差角の絶対値がより大きい呈示モード、すなわち覚醒度を高める効果が高くなる呈示モードを選択する。モード選択部33は、表示制御部34に呈示モードに応じた表示指示を送り、覚醒制御部としての駆動制御部35に呈示モードとすべき駆動指示を送る。
Figure 2017004389
表示制御部34は、外部から入力される瞬間燃費や、シフトポジション、省燃費運転に関する各種情報からなる表示情報を受けて、第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23に、それら表示情報を表示メータ像21a〜23aとして表示させる。また、表示制御部34は、モード選択部33からの表示指示に基づいて、第1表示パネル21及び第2表示パネル22の表示態様を制御する。この実施の形態の場合、表示制御部34は、前述のように注意喚起モードに移行すると、通常モードや気付きモード、高覚醒モードとは異なる色で表示メータ像21a、22aを表示させる。
一方、駆動制御部35は、モード選択部33からの駆動指示に基づいて第1表示パネル21と第2表示パネル22との移動を制御する。ここで、表示ユニット15には、第1表示パネル21に移動機構37が設けられており、第2表示パネル22に移動機構38が設けられている。表示ユニット15は、駆動制御部35からの指示に従って第1表示パネル21及び第2表示パネル22が駆動制御され、これら第1表示パネル21と第2表示パネル22とが呈示モードに対応した呈示位置に移動する。
因みに、移動機構37は、例えばリードスクリュー37a、ガイド軸37b、送り台37c及びモータ37d等で構成される。リードスクリュー37aとガイド軸37bとは、第1表示パネル21を移動すべき方向(手前方向x1及び奥行方向x2)に延びている。リードスクリュー37aは、送り台37cに設けたネジ孔に、ガイド軸37bは、送り台37cに取り付けたアーム37eに設けた貫通孔にそれぞれ通してある。第1表示パネル21の背面には、アーム37eの一端が固定され、リードスクリュー37aの一端には、モータ37dの回転軸が連結されている。この場合、モータ37dは、駆動制御部35から供給される駆動パルスによって回転し、リードスクリュー37aを回転させる。第1表示パネル21は、リードスクリュー37aの回転によって、送り台37cとともに移動する。これにより、第1表示パネル21は、このモータ37dの正転によって運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、モータ37dの逆転によって運転者から離間する奥行方向x2に移動してゆく。
移動機構37と同様に、移動機構38は、リードスクリュー38a、ガイド軸38b、送り台38c及びモータ38d等で構成されており、送り台38cに設けたアーム38eの一端が第2表示パネル22の背面に固定されている。モータ37dは、駆動制御部35から供給される駆動パルスによって回転し、第2表示パネル22は、このモータ38dの正転によって運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、モータ38dの逆転によって運転者から離間した奥行方向x2に移動してゆく。
第1表示パネル21及び第2表示パネル22の移動した位置は、駆動制御部35からモータ37d、38dに供給する駆動パルス数によって認識することができる。この例においては、駆動制御部35は、供給した駆動パルス数に基づいて、呈示モードに対応した呈示位置に第1表示パネル21及び第2表示パネル22を正確に移動させることができる。なお、第1表示パネル21及び第2表示パネル22は、その他の構成や手法によって移動制御するようにしてもよい。
(2)検証試験
次に、両眼視差により視差角を変化させた際に生じる覚醒度への影響について確認する検証試験を行った。ここでは、下記のような実験1〜3を行い、両眼視差による立体視が与える覚醒度への影響について確認した。なお、以下の実験の説明に用いる2D画像、3D画像、E3D画像、D3D画像及び視差操作画像の意味は次の通りである。
2D画像とは、IAPS(International Affective Picture System)から選択された両眼視差によって立体視できない平面的な画像である。なお、IAPSは、喚起される感情が予め分析されて分類された大規模なカラー写真のセットである。
3D画像:上記2D画像が有する単眼立体情報に基づいて、観察者の手前方向に3Dの空間範囲が拡張されるように視差角を付加することで作成した両眼視差による立体視可能な画像(視差画像)である。
E3D(Emotional 3D)画像とは、上記の2D画像に対して、感情と視差の関係について、予め分析した結果を、元となる2D画像の感情に応じて反映させ、上記3D画像の視差角の範囲(認識される奥行き範囲)をさらに増大して立体感を増した画像(視差画像)である。すなわち、負の視差角の絶対値の最大値(以下、最大絶対値という)を増大している。
D3D(Different3D)画像とは、上記の2D画像から3D画像を作成する際に、元となる2D画像をSAM(Self-Assessment Manikin)を用いて評価し、得られる情動価と覚醒度の評価値とがRussell の感情円環モデルにおいて最も乖離した感情を選択して、その感情に対応した視差設計を反映した画像(視差画像)である。
なお、この検証試験で用いた上記評価手法のSAMについては、Bradley M.M et al.: the self-assessment manikin and the semantic differential,J.Behav. Ther. & Exp.Psychiat, Vol. 25,No.1, pp. 49-59 (1994)に、またRussell の感情円環モデルについては、Russell, J.A. and Barrett, L.F., “Core affect prototypical emotional episodes and other things called emotion: Dissecting the elephant,” Journal of Personality and Social Psychology, 76(5), 805-819 (1999)に詳細に記載されている。
視差操作画像とは、2D画像の各画素のデプス値を画素毎に明暗(グレーの階調)で表したデプスマップを利用して、特徴部分の明暗を強調して上記3D画像の視差角を変え、観察者に対して3D空間がより拡張されるようにした画像(視差画像)である。
(2−1)実験1
実験1では、まず、IAPSから幸福・驚き・悲しみ・恐怖の感情を喚起すると判断された2D画像と、どの感情も喚起されない2D画像(NE:Not Emotional)とをそれぞれ3画像ずつ計15画像用意した。また、用意した各2D画像をそれぞれ元画像として3D画像及びE3D画像を作成した。なお、どの感情も喚起されない2D画像からは、E3D画像を作成しなかった。
上記2D画像(単に2Dとも呼ぶ)、3D画像(単に3Dとも呼ぶ)及びE3D画像(単にE3Dとも呼ぶ)をランダムに、10秒間の回答時間を挟んで、被験者に5秒間ずつ呈示した。回答時間には、上述のSAMを用いて、直前に呈示された画像に対する情動価と覚醒度の評価とを求めた。全42試行(1画像1試行)を1セットとして、3分間の休憩を挟みながら1人につき3セットで、計20人の被験者に対して実施した。なお、画像の呈示は、被験者と画面の中心までの距離が約90cmの位置に置かれた24型(24インチ)の3Dディスプレイを用いて行い、被験者には偏光フィルタメガネを装着させて立体視可能にした。被験者は正常な視機能を持つ大学生であった。
図9及び図10は、上記実験1の結果を示すものであり、図9は、情動価の評価値と、視差角が異なる各画像(2D、3D、E3D)との関係を示している。また、図10は、画像呈示後の覚醒度の評価値と、視差角が異なる各画像との関係を示している。この結果から幸福・驚き・悲しみ・恐怖の感情のそれぞれにおいて、2D、3D、E3Dの画像の順に覚醒度が有意に高くなることが確認された。また、負の視差角の最大絶対値は、2D、3D、E3Dの順に大きくなることから、被験者の手前方向に空間範囲が拡張される視差角を持たせれば覚醒度が高くなり、また負の視差角の最大絶対値(表示メータ像23aと表示メータ像21aを両眼視差した時の視差角の絶対値に相当)を大きくすれば覚醒度を高める効果が高くなることが確認された。
(2−2)実験2
実験2では、IAPSから幸福・驚き・悲しみ・恐怖の感情を喚起すると判断された2D画像を、2画像ずつ用意し、またどの感情も喚起されない2D画像を、3画像用意した。さらに、用意した各2D画像をそれぞれ元画像として3D画像、E3D画像及びD3D画像を作成した。なお、どの感情も喚起されない2D画像からは、3D画像、E3D画像及びD3D画像を作成しなかった。
上記計39画像の2D画像、3D画像、E3D画像及びD3D画像を被験者に呈示する試行を実験1と同じ条件で行い、直前に呈示された画像に対する情動価と覚醒度の評価とをSAMを用いて求めた。なお、この実験2では、全39試行を1セットとして1人につき2セットで計20人に実施した。
上記実験2の結果に対して、感情の種類と呈示条件とを要因とした2要因の分散分析を行った結果、情動価では元の2D画像が喚起させる感情の主効果に有意差(p<.01)が認められた。一方、覚醒度では、元の2D画像が喚起させる感情の主効果(p<.01)と、呈示条件(視差角の違い)の主効果(p<.05)とにそれぞれ有意差が認められた。この覚醒度では、元の2D画像の感情に加えて、視差角の範囲の操作(負の視差角の操作)による影響が認められた。下位検定の結果からは、E3D画像とD3D画像との間で有意差はみられなかった。このことから、覚醒度への影響という点では、感情の種類よりも3D空間の範囲の影響(負の視差角の最大絶対値)が大きいと認められた。
ここで、E3D画像の情動価と、覚醒度の変化率とついて、視差角の拡大率順に並べ替えを行ったところ、図11に示すような結果が得られた。なお、図11では、実験1における3D画像(視差角=−0.2度〜−0.4度)を呈示したときの情動価と、覚醒度の変化率とを100%と見なして、E3D画像の情動価と、覚醒度の変化率とを示した。図11の結果から、負の視差角の最大絶対値に伴い、情動価と覚醒度とに及ぼす影響の度合いが、相反する方向に顕著となることが確認された。
(2−3)実験3
次に、実験3では、覚醒度の増進に伴う時間知覚の変化について調べた。IAPSから2D画像を、6画像抽出し、これら抽出した2D画像のそれぞれについて、上述のSAMを用いて覚醒度を評価した。その後、クラスター分析によって、覚醒度を高くする効果が高い画像と、覚醒度を高くする効果が低い画像との2タイプに、3画像ずつ分類した。また、抽出した各2D画像から、3D画像と、視差操作画像とをそれぞれ作成した。
ここでは、上記のようにして用意した2D画像と、3D画像と、視差操作画像との計18画像それぞれについて、4段階の呈示時間で被験者に呈示して全72試行を1セットとし、1人につき2分間の休憩を挟んで5セットを実施した。呈示時間は、600m秒、1000m秒、1400m秒及び1800m秒とした。また、1画像の呈示ごとに、体験した時間の長さ(呈示時間として感じた長さ)をテンキーで入力させてこれを評価時間とし、さらに回答までの所要時間を応答時間として計測した。なお、画像の呈示は、上記と同様に3Dディスプレイを用いて行ったが、3Dディスプレイは27型(27インチ)のものであった。また、被験者は20人であった。
上記実験3の結果から、覚醒度を高くする効果が低い2D画像と、その2D画像を元にして作成した3D画像と、視差操作画像とでは、評価時間について視差の違いによる差は見られなかった。一方、覚醒度を高くする効果が高い2D画像と、その2D画像を元にして作成した3D画像と、視差操作画像との評価時間については、図12に示すような結果が得られた。図12の結果から、呈示時間1000m秒を境に、視差の違う画像間での逆転があり、1400m秒では視差操作画像と2D画像との間で有意差(p<.05)が確認された。また、覚醒度を高くする効果が低い2D画像を元にして作成した3D画像及び視差操作画像(以下、これらを総称して低覚醒度画像という)と、覚醒度を高くする効果が高い2D画像を元にして作成した3D画像及び視差操作画像(以下、これらを総称して高覚醒度画像という)との比較では、視差操作画像において呈示時間1000ms(p<.01)と呈示時間1400ms(p<.05)で評価時間に有意な延長が確認された。
応答時間については、図13に示すような結果が得られた。図13の結果から、高覚醒度画像において呈示時間の延長に伴い、応答時間が短縮される傾向が確認された。また、低覚醒度画像についても同様の傾向がみられたが、高覚醒度画像と比べて顕著なものではなかった。なお、視差操作画像において、呈示時間の延長に伴う評価時間の延長と、応答時間の短縮とにずれがあるのは、視差角の最大絶対値が大きいために、視差のある左右の画像を一つの像として認識する(融像)までに時間がかかるためであると考えられる。
上記のような評価時間の延長や、応答時間の短縮は、被験者の脳による情報処理の高速化が生じているものと考えられ、覚醒度を高める画像は、覚醒度を高める他、呈示時間の延長に伴って、被験者の情報処理を高速化すると言える。なお、覚醒度の増進に伴う時間知覚の変化については、文献(S. Gil , S. Droit-Volet : “Emotional time distortions: The fundamental role of arousal”,Cognition & Emotion,Vol.26,No.5,pp.847-862,2012)によって報告されており、具体的には、IAPSを用いた実験の結果から覚醒度と時間評価の延長に関する一定の傾向を認め、それによる内因性の時間感覚(internal clock)の変化の可能性が指摘されている。
上記の実験1〜3の結果に基づき、例えば運転者の視野に入る表示ユニット15の表示メータ像21aの視差角が変化するように、当該表示メータ像21aを移動させることで、運転者の覚醒度を高めることができることが確認できた。また、特に実験2の結果から、運転者の覚醒度を高める効果が高くなることを見いだし、これに基づいて運転者の覚醒度をより高くする場合には、表示メータ像21aの視差角を増大して当該表示メータ像21aを運転者に近接する手前方向に視認させればよいことが確認できた。さらに、覚醒度をより高くすることで、周囲の交通状況などに対する運転者の情報処理の高速化を図れ、危険回避などで有利になることが確認できた。
そこで、上述した運転支援装置11では、通常の覚醒度のレベルであっても、注意度のレベルが高い場合に、覚醒度を高めるように呈示モードを選択するようにした。なお、呈示モードは、短時間で切り替わるものではなく、運転者の情報処理の高速化が期待できる時間以上の呈示時間で表示メータ像21aを立体視させることが望ましい。
この実施の形態では、上記実験1によって覚醒度が高められた3D画像の視差を視差角に変換したときの角度(−0.2度〜−0.4度)を気付きモード時の視差角の設定目安とした。また、実験2によって、覚醒度とともに情動価の上昇を認める視差角の範囲を、気付きモードの視差角の150%〜200%であるとして、高覚醒モード時の視差角の設定目安とした。さらに、実験3によって、評価時間の変化が見られた視差角の範囲(高覚醒度画像の視差角の範囲)を、気付きモードの視差角の200%〜300%であるとして、注意喚起モード時の視差角の設定目安とした。なお、図11には、高覚醒モード及び注意喚起モードの目安の範囲を示してある。
(3)作用及び効果
次に本発明の運転支援装置11の作用について説明する。ここでは、運転支援装置11について理解を助けるために、図14に示すフローチャートを用い、上述した運転支援処理について概略を説明する。例えば車両10のエンジンのスタート等で走行可能な状態になると、運転支援装置11は、図14に示す運転支援処理手順RTを開始して次のステップSP1に移る。なお、初期状態のとき、表示ユニット15の第1表示パネル21、第2表示パネル22及び第3表示パネル23には、表示制御部34に入力される表示情報に基づいて表示メータ像21a〜23aが表示される、これにより運転者には、これら表示メータ像21a〜23aによって表示情報が呈示される。また、初期状態のとき、呈示モードは通常モードに設定されており、第1表示パネル21及び第2表示パネル22が、第3表示パネル23と同一面上にある基準呈示位置P0に位置している。
ステップSP1において運転支援装置11は、運転者センサ部12によって、運転席に着座している運転者の顔画像の撮影を開始するとともに、前方センサ部13によって、車両10の前方画像の撮影を開始する。顔画像の撮影は、運転者センサ部12から運転者の顔に赤外線を照射した状態で行われるが、赤外線は運転者に認識されないので運転に支障をきたすことはない。運転者センサ部12と前方センサ部13とは、継続的に所定周期で繰り返し撮影を行う。そして、運転者センサ部12は、撮影ごとに得られた顔画像を覚醒度判定部31に送り、前方センサ部13は、撮影した前方画像を注意度判定部32に送り、次のステップSP2に移る。
ステップSP2において覚醒度判定部31は、運転者センサ部12から得られた顔画像に基づいて覚醒度のレベルを判定し、注意度判定部32は、前方センサ部13から得られた前方画像に基づいて注意度のレベル判定を行う。覚醒度判定部31は、所定時間内の連続した複数の顔画像中の角膜反射と瞳孔の位置とを解析することによって、所定時間内における視線の動く速さを特定する。また、所定時間内の連続した複数の顔画像を解析して、例えば瞼が閉じ始めた時点から次に瞼が完全に開いた状態になるまでの時間を計測し、この計測した時間を瞬きの長さとして特定する。覚醒度判定部31は、特定した視線の動く速さと瞬きの長さとから、覚醒度のレベルを判定する。
一方、注意度判定部32は、連続した複数の前方画像を解析して、車両10の前方の車両及び歩行者の存在や、それらの挙動、車両及び歩行者の移動速度等を特定して、その特定結果に基づいて注意度のレベルを判定する。例えば、図15に示すように自車の前方に右折車41が存在したり、横断中の歩行者42が存在したりする場合、上記表2に示す条件1を満たすことから、注意度判定部32は、少なくとも注意度1と判定する。さらに、注意度判定部32は、予め記憶されたデータに基づいて、右折車41あるいは歩行者42が想定速度で進んだときを予測し、その予測結果から自車に対して右折車41等が接近する可能性があると判断すると、条件2を満たすと判断し、少なくとも注意度2と判定する。そして、右折車41あるいは歩行者42が想定される速度で実際に進んでいる場合、注意度判定部32は、注意度3と判定する。
覚醒度判定部31による覚醒度のレベル判定と、注意度判定部32による注意度のレベル判定とが行われると、次にステップSP3に移り、モード選択部33によって呈示モードが選択される。ステップSP3においてモード選択部33は、上記表3に示すように、覚醒度判定部31からの覚醒度のレベルと、注意度判定部32からの注意度のレベルとの組み合わせに応じて決まる呈示モードを選択する。モード選択部33は、呈示モードを選択すると、その選択した呈示モードに予め対応付けられた駆動指示及び表示指示を読み出し、駆動指示を駆動制御部35に送るとともに、表示指示を表示制御部34に送り、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において、駆動制御部35は、第1表示パネル21と、第2表示パネル22とをモード選択部33で選択した呈示モードの呈示位置に移動させる。これにより、第1表示パネル21と、第2表示パネル22とは、それぞれ運転者に近接する手前方向x1に移動してゆき、モード選択部33で選択された呈示モードの所定呈示位置に設定され、次のステップSP5に移る。
なお、この運転支援装置11は、初期状態の呈示モードとして通常モードが設定されているため、例えばモード選択部33が呈示モードとして通常モードを選択したとき、呈示位置となる基準呈示位置に第1表示パネル21と第2表示パネル22とが既にあるため、第1表示パネル21及び第2表示パネル22が移動することなく、そのままの状態を維持する。以降の動作においても、モード選択部33が選択した呈示モードと、その直前の呈示モードとが同じ場合には、同様に第1表示パネル21と第2表示パネル22との移動制御は行わず、その呈示位置を維持する。
ステップSP5において、表示制御部34は、第1表示パネル21の表示メータ像21aと、第2表示パネル22の表示メータ像22aとを、モード選択部33により選択された呈示モードに応じた表示色で表示させ、次のステップSP6に移る。例えば初期状態のときは、通常モードとなっていため、表示メータ像21a、22aが通常色(例えば水色)で表示されている。モード選択部33が通常モード、気付きモード又は高覚醒モードが選択されたとき、表示制御部34は、表示メータ像21a、22aを通常色のままにして表示色をそのまま維持させる。一方、表示制御部34は、モード選択部33により注意喚起モードが選択されたとき、通常色だった表示メータ像21a、22aを注意喚起色(例えば赤色)で表示する。
なお、第1表示パネル21の表示メータ像21aと、第2表示パネル22の表示メータ像22aとを、選択された呈示モードに応じた表示色に変更するタイミングは、例えば選択された呈示モードの呈示位置に第1表示パネル21及び第2表示パネル22を移動させる前や、移動開始と同時、あるいは移動後のいずれのタイミングでもよい。また、第1表示パネル21と第2表示パネル22とを、選択された呈示モードの呈示位置に移動させる途中で、表示メータ像21a、22aの表示色を変更してもよい。
ステップSP6において運転支援装置11は、運転終了か否かが判定され、例えばエンジンの停止等によって運転終了と判断されると、次のステップに移り、運転支援処理手順RTを終了する。これに対してステップSP6で否定結果が得られると、このことは運転が終了していないことを表しており、運転支援装置11は、ステップSP2に再び戻って上述したステップSP2からステップSP6までの処理を繰り返す。
以上のように運転支援装置11では、例えば運転中において運転者が眠気や疲労等により、通常の運転時よりも覚醒度が少し低下した状態になると、運転者センサ部12で撮影された顔画像を基に覚醒度判定部31によって覚醒度がレベル2であると判定される。この際、運転支援装置11では、注意度判定部32によって注意度がレベル0またはレベル1と判定されると、モード選択部33によって、気付きモードを選択する。
運転支援装置11では、例えば図2に示すように、表示ユニット15が通常モードにあったとき、モード選択部33が気付きモードを選択することにより、図3に示すように、第1表示パネル21が基準呈示位置P0から第1呈示位置P1に移動する。これにより、第1表示パネル21上の表示メータ像21aは、第1呈示位置P1で運転者に呈示される。また、この際、第2表示パネル22は、第1中間呈示位置Ps1に移動し、その位置で表示メータ像22aを運転者に呈示する。
運転支援装置11では、運転者に近接した所定の呈示位置に表示メータ像21aが移動することにより、当該表示メータ像21aの視差角を変化させ、運転者に対して両眼視差により、運転者に近接した手前方向x1に表示メータ像21aを視認させることで、運転者の覚醒度を高めることができる。
また、運転支援装置11では、覚醒度が通常のレベル1にあるとき、覚醒度判定部31によって、運転者センサ部12からの顔画像に基づいて例えば運転者の瞬きが長くなったと認識すると、覚醒度が大きく低下した判断し、覚醒度がレベル3であると判定する。このとき、運転支援装置11では、注意度判定部32によって、例えば注意度がレベル0又はレベル1と判定していると、モード選択部33によって、表示メータ像21a、22aの負の視差角の絶対値を大きくする高覚醒モードを選択する。
このようにして運転支援装置11では、モード選択部33により高覚醒モードが選択されることにより、例えば基準呈示位置P0にあった第1表示パネル21が第2呈示位置P2に移動するとともに、基準呈示位置P0にあった第2表示パネル22が当該第1表示パネル21と連動して第2中間呈示位置Ps2に移動する。
かくして、運転支援装置11では、第1表示パネル21の表示メータ像21aを第2呈示位置P2で呈示し、第2表示パネル22の表示メータ像22aを第2中間呈示位置Ps2で呈示する。この運転支援装置11では、高覚醒モードに移行すると、気付きモードのときと比べて、基準呈示位置P0に呈示されている表示メータ像23aよりも、表示メータ像21a、22aを運転者に近接した手前方向x1に呈示でき、表示メータ像23aを基準とした表示メータ像21a、22aの負の視差角の絶対値を大きくできるので、運転者の覚醒度を一段と高めることができる。この高覚醒モードでは、気付きモードよりも表示メータ像21a、22aでの負の視差角の値が大きく、運転者に近接した手前方向の空間に表示メータ像21a、22aを認識させるので、運転者の覚醒度を高める効果が高く、覚醒度が大きく低下した運転者の覚醒度の改善に効果的である。
また、この運転支援装置11では、注意度判定部32による前方画像の解析から注意度をレベル3と判定すると、覚醒度のレベルに関わらず、モード選択部33によって注意喚起モードが選択される。運転支援装置11では、注意喚起モードが選択されると、第1表示パネル21を第3呈示位置P3まで移動するとともに、第1表示パネル21と連動させて第2表示パネル22を第3中間呈示位置Ps3まで移動する。
運転支援装置11では、注意喚起モードに移行すると、高覚醒モードのときと比べて、基準呈示位置P0に呈示されている表示メータ像23aよりも、表示メータ像21a、22aを運転者に近接した手前方向x1に呈示でき、表示メータ像23aを基準とした表示メータ像21a、22aの負視差角の絶対値をさらに一段と大きくできるので、運転者の覚醒度をさらに一段と高めることができる。
そして、注意喚起モードでは、高覚醒モードよりも表示メータ像21a、22aでの負の視差角の絶対値が大きく、運転者に近接した手前方向の空間に表示メータ像21a、22aを認識させ、さらに注意喚起色で表示メータ像21a、22aを表示することと相俟って、運転者の覚醒度を高める効果がさらに一段と高くなり、覚醒度が大きく低下した運転者の覚醒度の改善にさらに一段と効果的である。
以上の構成によれば、運転支援装置11では、運転中に基準呈示位置P0に視認させている表示メータ像21a、22aの視差角を変化させ、運転者の覚醒度を変化させるようにしたことにより、運転中に呈示されていない警告表示が突然現れたり、或いは警告音が突然発することがなく、その分、運転者に対して不快感を与えずに運転者の覚醒度を変化させることができるので、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる。
なお、上述した実施の形態においては、可動像としての表示メータ像21a〜23aを実像として呈示しているが、本発明はこれに限らず、運転者に近接する手前方向に視認させる表示メータ像21a、22aのうち少なくともいずれか1つを、運転者に対して両眼視差によって3次元立体表示として表示させて、第1呈示位置P1、第2呈示位置P2、第3呈示位置P3、第1中間呈示位置Ps1、第2中間呈示位置Ps2及び/又は第3中間呈示位置Ps2にそれぞれ虚像として呈示してもよい。
この場合、例えば、両眼視差を呈示可能な3Dディスプレイでなる第1表示パネル及び第2表示パネルを用いて、表示メータ像21a、22aを虚像として表示すればよい。なお、表示メータ像21a、22aを立体的に表示させる立体表示方式としては、例えばアナグリフ方式や、レンチキュラ方式や、視差バリア方式、偏光フィルタ方式、フレームシーケンシャル方式等の種々の立体表示方式を適用してもよい。
また、運転支援装置の他の実施の形態としては、例えばダッシュボードに設置されるヘッドアップディスプレイを用いた運転支援装置を適用してもよく、この場合、上述した実施の形態と同様にして、ダッシュボードに設置された表示ユニットの表示メータ像での視差角が運転状況に応じて変化するようにすればよい。
また、上述した実施の形態においては、基準呈示位置を含めて、視差角を4段階に変化させているが、本発明はこれに限らず、例えば視差角を変化させる段階数が2段階以上であればよく、3段階や5段階等その他種々の複数の段階としてもよい。
また、その他の実施の形態としては、例えば、視差角を変化させる段階数を予め設定しておかずに、覚醒度のレベル及び/又は注意度のレベルを数値化し、当該数値化に応じて表示メータ像21a、22aの視差角を連続的に変化するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、スピードメータや燃料計等を表示するメータ表示部18の一部を可動像及び周辺像としているが、本発明はこれに限らず、例えば、図16に示すように、ダッシュボード17の一部に可動片17aを備えた可動像呈示部を設け、その可動片17a自体を可動像とし、可動片17aの周囲のダッシュボード17を周辺像呈示部としてダッシュボード17部分を周辺像としてもよい。
この場合、可動片17aは、ダッシュボード17と同一面を構成する位置を基準呈示位置とし、当該基準呈示位置から運転者に近接する手前方向に移動自在に構成されている。可動片17aは、図示しない覚醒制御部によって、ダッシュボード17からの突出長が覚醒度及び注意度の各レベルに応じて変化し得る。これにより、このような可動片17aを備えた運転支援装置11でも、上述した実施の形態と同様に、運転中に基準呈示位置に視認させている可動片17aの視差角を、運転状況(覚醒度のレベル及び/又は注意度のレベル)に応じて変化させ、運転者の覚醒度を変化させるようにしたことにより、運転中に呈示されていない警告表示が突然現れたり、或いは警告音が突然発することがなく、その分、運転者に対して不快感を与えずに運転者の覚醒度を変化させることができるので、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる。
なお、その他の実施の形態による可動像及び周辺像の組み合わせとしては、ダッシュボードに埋め込まれたエアコンのルーバを可動像とし、その周囲のダッシュボードを周辺像として、覚醒度及び注意度の各レベルに応じて、両眼視差により当該ルーバを運転者に近接する手前方向に視認させる運転支援装置としてもよい。またその他としては、ハンドルのホーンボタン表面の所定マークを可動像とし、その周辺のホーンボタンを周辺像として、覚醒度及び注意度の各レベルに応じて、両眼視差により当該所定マークを運転者に近接する手前方向に視認させる運転支援装置としてもよい。
以上のような運転支援装置であっても、運転中に基準呈示位置に視認させているルーバ又は所定マークの視差角を、運転状況に応じて変化させ、運転者の覚醒度を変化させるようにしたことにより、運転中に呈示されていない警告表示が突然現れたり、或いは警告音が突然発することがなく、その分、運転者に対して不快感を与えずに運転者の覚醒度を変化させることができるので、運転者の運転に影響を及ぼさずに、運転者の覚醒度を向上できる。
また、上述した実施の形態においては、覚醒度のレベルと、注意度のレベルとから呈示モードを選択するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、覚醒度のレベル又は注意度のレベルのいずれか一方から呈示モードを選択するようにしてもよい。
また、覚醒度を高める条件は、上記に限らず、例えば運転者の年齢や、顔色、表情の他、走行している車両の近くに学校があるか等の地理的な情報等その他種々の情報に基づいて、呈示モードを変化させるようにしてもよい。さらには、運転者や同乗者のスイッチの操作で強制的に呈示モードが切り替わるようにしてもよい。なお、このような種々の他の実施の形態においては、上述した実施の形態と同様の構成によって、通常モード、気付きモード、高覚醒モード及び注意喚起モード各呈示モードが選択され得る。
さらに、上述し実施の形態においては、覚醒度を高める例について説明したが、例えば通常状態では、表示メータ像21a、22aを運転者に近接した手前方向に呈示して負の視差角の絶対値を大きくしておき、その後、運転状況に応じて、表示メータ像21a、22aを運転者から離間した奥行方向に呈示して、表示メータ像21a、22aでの負の視差角の絶対値が小さくなる方向に変化させるようにしてもよい。
これにより、運転支援装置11では、運転者の覚醒度を低くするように作用させることもできる。例えば、このような運転支援装置11では、運転者センサ部12によって得られた顔画像を基に、覚醒度判定部31によって運転者の過度な緊張状態や過敏な状態を検出したとき、表示メータ像21a、22aを運転者から離間した奥行方向に呈示して、当該表示メータ像21a、22aの負の視差角の絶対値を小さくすることで、運転者の覚醒度を下げて緊張や過敏な状態を和らげることができる。なお、正の視差角の絶対値を大きくすることで、表示メータ像21a、22aを基準呈示位置P0よりも運転者から離間する奥行方向x2に遠ざけた位置に呈示してもよい。
10 車両
11 運転支援装置
12 運転者センサ部
13 前方センサ部
15 表示ユニット
21 第1表示パネル(可動像呈示部)
22 第2表示パネル(可動像呈示部)
23 第3表示パネル(周辺像呈示部)
21a、22a 表示メータ像(可動像)
23a 表示メータ像(周辺像)
31 覚醒度判定部(状態検出部)
32 注意度判定部(注意度検出部)
33 モード選択部
35 駆動制御部(覚醒制御部)

Claims (8)

  1. 車両を運転する運転者に可動像を呈示する可動像呈示部と、
    前記可動像の周辺で運転者に周辺像を呈示する周辺像呈示部と、
    前記運転者に近接する手前方向、又は前記運転者から離間する奥行方向に前記可動像を移動させる覚醒制御部とを備え、
    前記覚醒制御部は、
    運転中に基準呈示位置に視認させている前記可動像を移動させることで、両眼視差によって視認される前記可動像と前記周辺像との視差角を変化させ、前記運転者の覚醒度を変化させる
    ことを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記運転者の状態を検出する状態検出部を備え、
    前記覚醒制御部は、前記状態検出部で検知した前記運転者の状態に応じて、前記可動像を移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記状態検出部は、前記運転者の覚醒度を検出し、
    前記覚醒制御部は、前記状態検出部で検知した前記運転者の覚醒度の状態に応じて、前記可動像を移動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 前記状態検出部は、前記運転者の覚醒度の低下を検出し、
    前記覚醒制御部は、前記状態検出部によって前記運転者の覚醒度の低下を検知すると、前記基準呈示位置よりも前記運転者に近接した手前方向にある呈示位置まで前記可動像を移動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  5. 前記覚醒制御部は、前記状態検出部の検出結果に基づき、前記運転者の覚醒度が低いほど、前記運転者に近接した手前方向に前記可動像を移動させ、前記可動像での視差角の絶対値を増大させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
  6. 運転者周辺の情報を外界情報として取得し、取得した前記外界情報に基づいて注意度を検出する注意度検出部を備え、
    前記覚醒制御部は、前記注意度検出部で検出された前記注意度と前記覚醒度とに応じて、前記可動像を移動させる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  7. 前記基準呈示位置に前記可動像がある場合の視差角が0度であり、
    前記運転者に近接する手前方向に前記可動像が移動したときの呈示位置は、
    視差角が−0.2度以上−0.4度以下の範囲内の第1呈示位置と、
    前記第1呈示位置の視差角の150%以上200%以下の第2呈示位置と、
    前記第1呈示位置の視差角の200%以上300%以下で、かつ前記第2呈示位置の視差角の絶対値よりも大きな値の選定された第3呈示位置とである
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の運転支援装置。
  8. 可動像と、前記可動像の周辺にある周辺像とを運転中の運転者に呈示する呈示ステップと、
    前記運転者に近接する手前方向、又は前記運転者から離間する奥行方向に前記可動像を移動させる覚醒制御ステップとを備え、
    前記覚醒制御ステップは、
    運転中に基準呈示位置に視認させている前記可動像を移動することで、両眼視差によって視認される前記可動像と前記周辺像との視差角を変化させ、前記運転者の覚醒度を変化させる
    ことを特徴とする運転支援方法。
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