JP2017003932A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器における電源オフ時に、移動要素を所定の方向についてのみ移動可能とすることで、光学機器の使い勝手を改善することを可能にした駆動装置を提供する。
【解決手段】移動要素を駆動する駆動源としてボイスコイルモータ(VCM)1を備える駆動装置であって、VCM1はモータ可動部15を構成する駆動コイル16を備える。さらに、VCM1の駆動時に駆動コイル16に対する通電を制御する駆動制御部4と、VCM1への通電停止時に駆動コイル16を短絡するコイル切替手段6(61,S1,S2)と、駆動コイル16が短絡されたときに駆動コイル16を通流する電流の方向を制限する電流方向制御手段Dを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】移動要素を駆動する駆動源としてボイスコイルモータ(VCM)1を備える駆動装置であって、VCM1はモータ可動部15を構成する駆動コイル16を備える。さらに、VCM1の駆動時に駆動コイル16に対する通電を制御する駆動制御部4と、VCM1への通電停止時に駆動コイル16を短絡するコイル切替手段6(61,S1,S2)と、駆動コイル16が短絡されたときに駆動コイル16を通流する電流の方向を制限する電流方向制御手段Dを備える。
【選択図】 図4
Description
本発明はデジタルカメラ等の光学機器に設けられ、光学要素を駆動するための駆動装置、好ましくはレンズ鏡筒内のレンズを駆動するための駆動装置として適用することが可能な駆動装置に関するものである。
デジタルカメラ等の光学機器のレンズ鏡筒では、ズーミングやフォーカシングを行うために、レンズ鏡筒内において移動要素としてのレンズを光軸方向に移動するための駆動装置が設けられる。この種の駆動装置の駆動源として、直流モータや超音波モータが用いられているが、近年では、軽量・小型に構成できるボイスコイルモータ(VCM)が用いられている。このVCMは、磁界内においたコイルに通電する電流を制御することにより発生するローレンツ力(フレミングの左手の法則によりコイルに発生する駆動力)を利用したものである。
しかし、このVCMを用いた駆動装置では、コイルへの通電を停止したときには、ローレンツ力が無くなってコイルの移動を規制することができなくなり、コイルに支持されているレンズを所定の位置に固定状態に保持することができなくなる。そのため、通電の停止時には、レンズ鏡筒に加えられる振動や衝撃等の外力によって、レンズがレンズ鏡筒内で節度なく移動されてしまい、この移動に伴って発生する衝撃や磨耗等によってレンズ鏡筒の信頼性や耐久性の低下が問題になる。また、レンズの繰り出し/繰り込み構造を採用しているレンズ鏡筒では、携帯時に外力や重力によってレンズが繰り出し方向に移動されてレンズ鏡筒長が伸長状態となり、携帯に好ましくない状態となる。
このような電源オフ時におけるレンズの移動を防止するために、機械的なロック機構を設けることが考えられるが、構造が複雑で光学機器の小型化に不利になる。そこで、VCMのコイルに生じる回生力(コイルの自己誘導作用により生じる移動方向と反対方向の駆動力)を利用してレンズの移動を制動することが考えられている。例えば、特許文献1は、ステッピングモータを用いてエレベータを上下に移動するようにしたチェンジャ機構において、モータへの通電が遮断されたときにモータコイルを短絡し、当該モータコイルに生じる回生力を利用してエレベータを制動する技術である。また、特許文献2は、VCMを駆動源とするディスクドライブ装置において、リトラクト時にボイスコイルを短絡し、そのときに生じる回生力を利用してヘッドの退避位置方向の制動を行うようにした技術である。特許文献1,2の回生力の技術をレンズ鏡筒におけるVCMに適用することで、レンズの移動が抑制でき、少なくとも移動に伴う磨耗が要因となる耐久性の低下を防止する上では有効である。
本発明者において、このような回生力の技術をレンズ鏡筒に用いられているVCMに適用したところ、レンズ鏡筒内のレンズを電源オフ時の位置において移動を規制することが可能であることは確認されたが、その一方で移動を確実に規制することが難しいことも確認された。そのために、前記したように外力によってレンズ鏡筒のレンズが繰り出し方向に移動されることを防止することは困難であり、レンズ鏡筒の伸長による携帯性の問題を解消することは難しい。
また、レンズが繰り出された状態のときに電源がオフされると、レンズは繰り出された位置において移動が規制されることになり、レンズ鏡筒が伸長した状態のままとなる。このとき、レンズ鏡筒を短縮すべく、手操作によってレンズを繰り込み方向に移動させようとしても、その際のレンズの移動に伴う回生力が生じるため、回生力よりも大きな操作力が必要になり、レンズ鏡筒を軽快かつ迅速に操作することが困難になる。
本発明の目的は、機器における電源オフ時に、移動要素を所定の方向についてのみ移動可能とすることで、当該機器の使い勝手を改善することを可能にする駆動装置を提供するものである。
本発明は、移動要素を駆動する駆動源としてVCMを備える駆動装置であって、VCMはモータ可動部を構成する駆動コイルを備えており、駆動コイルに対する通電を制御する駆動制御部と、駆動コイルを短絡するコイル切替手段と、駆動コイルを通流する電流の方向を制限する電流方向制御手段を備えることを特徴としている。ここで、駆動制御部はボイスコイルモータの駆動時に駆動コイルに対する通電を制御し、コイル切替手段はボイスコイルモータへの通電停止時に駆動コイルを短絡し、電流方向制御手段は駆動コイルが短絡されたときに当該駆動コイルを通流する電流の方向を制限する構成とすることが好ましい。
本発明の好ましい形態として、移動要素は往復の両方向に移動が可能な要素であり、電流方向制御手段は、移動要素が所定の一方向に移動されるときに駆動コイルにおいて起電力により発生する電流が流れるように構成される。例えば、移動要素は機器に対して伸長(繰り出し)と短縮(繰り込み)の両方向に移動が可能な移動要素であり、電流方向制御手段は、移動要素が伸長方向に移動されるときに駆動コイルにおいて起電力により発生する電流が流れるように構成される。具体的な形態として、撮像装置のレンズ鏡筒に設けられた移動要素としてのレンズ可動筒をボイスコイルモータにより光軸方向に移動させるレンズ駆動装置として構成される。
本発明において、VCMは、モータ可動部が直線移動するリニア型のVCMとして構成される。また、本発明において、電流方向制限手段は、例えば、ダイオードで構成される。本発明において、コイル切替手段は、VCMの駆動時に駆動コイルを駆動制御部に接続し、VCMへの通電停止時に駆動コイルの両端を短絡して電流方向制御手段を含む閉ループを構成する。例えば、コイル切替手段は、駆動コイルの両端間に介装され、VCMへの通電停止時に駆動コイルの両端を短絡する第1スイッチを備え、電流方向制御手段は第1スイッチと直列に接続される構成である。
本発明によれば、VCMへの通電が停止されて移動要素が往復方向に節度なく移動される状態とされたときに、移動要素が一方向に移動することは可能とされても、反対方向に移動する際には駆動コイルに生じる回生力によって当該移動が規制される。これにより、移動要素が繰り返し往復移動されようとしたときには、移動要素は一方向に向けてのみ移動され、移動要素を当該一方向に移動した位置に規制することが可能になる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明をスチルカメラやムービーカメラ(ビデオカメラ)のレンズ鏡筒に適用した実施形態1の光軸方向の断面図であり、本発明における駆動装置の一例として、レンズ鏡筒LLに内装されて被写体のフォーカシング(ピント合わせ)を行うレンズ装置に適用している。前記レンズ鏡筒LLには、本発明の移動要素に相当する光軸方向に移動可能なレンズ可動筒2と、これを駆動するレンズ駆動装置1が内装されており、このレンズ可動筒2内に第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3が内蔵されている。なお、第1レンズ群ないし第3レンズ群のそれぞれの光学的な具体的構成については、本発明との関連が少ないので詳細な説明は省略する。
前記レンズ可動筒2は前記レンズ鏡筒LL内において光軸方向に移動可能とされており、このレンズ可動筒2がレンズ駆動装置1によって光軸方向に移動されることで、全群繰り出し方式のフォーカシングが行なわれる。フォーカシングが行なわれることにより、前記第1ないし第3のレンズ群L1〜L3で結像される被写体像は、当該レンズ鏡筒LLが装着されるカメラボディCBに内装されている撮像素子ISに対して焦点合わせされる。図1(a)のように、レンズ可動筒2が左方向に移動されたときにレンズの繰り出しが行われ、このときにはレンズ鏡筒LLは伸長状態となる。反対に、図1(b)のように、レンズ可動筒2が右方向に移動されたときにレンズの繰り込みが行われ、このときにはレンズ鏡筒LLは短縮状態となる。
図2(a)は図1(a)のII−II線に沿う断面図、図2(b)は図1に示した駆動装置1の拡大図である。また、図2(c)は前記レンズ可動筒2を側方から見た概略図である。前記レンズ可動筒2は、周面の径方向の左右位置に設けたガイド片21において、それぞれ光軸方向に延長された一対のガイドロッド3が遊挿されている。これらのガイドロッド3は、両端がレンズ鏡筒LLの鏡筒固定部31に固定的に支持されており、前記レンズ可動筒2はこれらガイドロッド3に沿って光軸方向に移動可能とされている。また、ここでは前記レンズ可動筒2が短縮方向(図2(c)の右方向)に移動されたときに、レンズ可動筒2がレンズ鏡筒LLの鏡筒固定部の一部に衝突してダメージを受けることを緩和するために、前記ガイドロッド3の短縮側の端部に緩衝部材32が配設されている。
図3は前記レンズ可動筒2と前記レンズ駆動装置1の要部を分解した概略斜視図である。図2(a),(b)と図3を参照して、前記レンズ駆動装置1は、前記レンズ可動筒2の上側領域において、当該レンズ可動筒2の光軸方向の移動領域にわたって配設されたリニア(直線)型VCMを主体に構成されている。このVCM1は、光軸方向に沿って延長配置された長板状をしたマグネット11と、このマグネット11を支持している透磁性材料からなるヨーク12とを備えており、これらマグネット11とヨーク12でVCMのモータ固定部(ステータ)10が構成されている。
前記ヨーク12は光軸方向に延長配置された横U字ヨーク13と、この横U字ヨーク13の開放端を連結するI型ヨーク14とで無端状に形成されており、この横U字ヨーク13の対をなす外径側の側片部13oと内径側の側片部13iがレンズ鏡筒LLの径方向を向いて対向するように固定支持されている。また、この横U字ヨーク13および前記マグネット11は、前記レンズ可動筒2の光軸方向の移動距離に対応した長さに設計されている。
前記マグネット11はS極とN極の一方の磁極が内径方向に向けられており、外径方向に向けられた他方の磁極が前記横U字ヨーク13の外径側の側片部13oの内面に固着されている。これにより、マグネット11とヨーク12とで、ヨーク12の光軸方向の長さ領域にわたって径方向に向けられた磁力線を有する磁界Hが形成されている。
前記VCM1のモータ可動部(ロータ)15は角筒型をした空芯コイルからなる駆動コイル16で構成されており、その巻数は前記レンズ可動筒2を電流制御して駆動するのに好適な自己インダクタンスになるように設計されている。この駆動コイル16は前記レンズ可動筒2の径方向の一部に一体的に支持されるとともに、その空芯部が前記横U字ヨーク13の内径側の側片部13iを囲むように配設されている。この駆動コイル16は、前記マグネット11とヨーク12との間隙内で光軸方向に移動されたときに、これらとの間に摩擦抵抗が生じないように、互いに接触しないように配設されることが好ましい。また、この駆動コイル16には、可撓性のある帯状をした薄いフレキシブルプリント回路基板(FPC)18が接続されており、駆動コイル16はこのFPC18を介して後述するレンズ駆動制御部4に電気接続されている。このFPC18は駆動コイルの光軸方向の移動に追従して板厚方向に弾性変形されるので、当該駆動コイル16の光軸方向の移動にかかわらず電気接続状態が保持される。
図4は前記レンズ駆動装置1のブロック回路図であり、前記駆動コイル16は両端がレンズ駆動制御部4に電気接続されている。VCM1を駆動する際には、当該レンズ駆動制御部4からの駆動電流が駆動コイル16に通電されるようになっている。前記レンズ駆動制御部4は、カメラ制御部5から出力されるフォーカシング信号に基づいて駆動コイル16に対して制御用の電流を通電し、VCM1を駆動してレンズ可動筒2を光軸方向に移動し、フォーカシング制御を実行する。このカメラ制御部5については、詳細な説明は省略するが、カメラボディCBに設けられているレリーズボタン(図示せず)が半押しされたときに測距センサ(AFセンサ)SSにより測距を行い、得られた測距信号に基づいてフォーカシング信号を生成する。また、カメラのメインスイッチSWが操作されて電源(バッテリ)BATがオン/オフされたときに、電源オン/オフ信号を前記レンズ駆動制御部4に出力する。
前記駆動コイル16はコイル切替手段6によって、その接続状態が切り替えられるように構成されている。このコイル切替手段6は、回路をオン(閉)/オフ(開)する第1スイッチS1および第2スイッチS2と、電流方向を一方向に規制する電流方向制限部Dと、前記第1および第2のスイッチS1,S2をオン/オフ制御するコイル切替部61で構成されている。この実施形態1では、前記駆動コイル16の一端と他端との間に電流方向制限部Dと第1スイッチS1が直列接続されており、前記駆動コイル16の他端と前記レンズ駆動制御部4との間に第2スイッチS2が接続されている。
前記コイル切替部61は、前記レンズ駆動制御部4での制御状態に応じて前記第1スイッチS1と前記第2スイッチS2をシーケンス的に切替制御する。すなわち、前記レンズ駆動制御部4がVCM1を駆動してフォーカシング制御を行っているときには、コイル切替部61は第1スイッチS1をオフし、第2スイッチS2をオンとする。また、フォーカシングが行われないとき、ここでは電源BATがオフされたときには、コイル切替部61は第1スイッチS1をオンし、第2スイッチS2をオフとする。
前記第1スイッチS1と第2スイッチS2はリレースイッチで構成されており、前記コイル切替部61によって各スイッチのリレーコイルRELへの通電が制御されることにより、スイッチ接点SCのオン/オフが切り替えられる。なお、駆動コイル16に通電する電流が小電流の場合には、各スイッチS1,S2はトランジスタやMOS等による電子スイッチで構成してもよい。
前記電流方向制限部Dはダイオードで構成されており、前記第1スイッチS1がオンしたときに、当該第1スイッチS1と駆動コイル16を含む閉ループを流れる電流の方向を規制する。ここでは、駆動コイル16が図1(a)のように左方向、すなわちレンズ可動筒2が伸長する方向に移動されたときに、当該駆動コイル16の自己誘導作用によって発生する電流が通流可能に構成されている。したがって、駆動コイル16が反対の右方向、すなわち図1(b)のように、レンズ可動筒2が短縮する方向に移動されたときに、当該駆動コイル16に発生する電流の通流は阻止されることになる。
以上の構成の実施形態1のレンズ駆動装置の動作を説明する。カメラのメインスイッチSWにより電源BATがオンされると、レンズ駆動制御部4は入力された電源オン信号に基づいてコイル切替部61を制御し、コイル切替部61は第1スイッチS1をオフし、第2スイッチS2をオンとする。これにより、図5(a)のように、駆動コイル16はレンズ駆動制御部4に接続される。そして、カメラのレリーズボタンが半押しされると、AFセンサSSでの測距が行われ、カメラ制御部5は得られた測距信号に基づいてフォーカシングすべきレンズ可動筒2の適正な光軸位置、すなわち合焦位置を演算してフォーカシング信号を生成し、レンズ駆動制御部4に出力する。レンズ駆動制御部4は入力されたフォーカシング信号に基づいて、駆動コイル16に通流する電流を制御する。これにより、VCM1が駆動されることになり、駆動コイル16は通電された電流に応じてマグネット11およびヨーク12に対する光軸方向位置が制御され、当該駆動コイル16と一体のレンズ可動筒2の光軸位置が制御され、フォーカシングが実行される。
一方、メインスイッチSWにより電源BATがオフされると、レンズ駆動制御部4は入力された電源オフ信号に基づいてコイル切替部61を制御し、コイル切替部61は第1スイッチS1をオンし、第2スイッチS2をオフとする。これにより、図5(b)のように駆動コイル16の両端が短絡され、閉ループ状態となる。また、駆動コイル16にはレンズ駆動制御部4からの電流の通電が停止されるため、VCM1としての動作は停止される。これにより、駆動コイル16はマグネット11およびヨーク12からなるモータ固定部10に対して自由に移動される状態となり、結果として駆動コイル16と一体のレンズ可動筒2はレンズ鏡筒LL内において節度なく光軸方向に移動される状態となる。
そのため、電源オフの状態において、レンズ鏡筒LLに振動や衝撃等の外力が加えられると、これを受けてレンズ可動筒2は光軸方向、すなわち光軸方向に沿った往復の方向に移動される。特に、レンズ可動筒2が図1(a)のように伸長方向に移動されたときには、レンズ鏡筒LLの全長寸法が長くなり、携帯性が悪くなるとともに、レンズ可動筒2が露出状態となって外力等によってダメージを受け易くなる。しかし、この実施形態1では、レンズ可動筒2が移動されることにより、駆動コイル16には起電力(ローレンツ力:フレミングの左手の法則により発生する電流を打ち消す方向の電流による電磁力)が発生し、この起電力に対する自己誘導作用による力、すなわち回生力が発生する。この回生力は駆動コイル16の移動方向に対する制動力として作用するので、外力によるレンズ可動筒2の移動が規制されることになる。
レンズ可動筒2が伸長方向に移動されたときには、駆動コイル16には図5(b)の破線の方向に電流が生じるので、電流方向制限部Dおよび第1スイッチS1を通して起電力による電流が流れ、前記した回生力が発生する。これにより、レンズ可動筒2が伸長方向に移動することが抑制され、レンズ鏡筒LLが伸長状態になることが抑制される。一方、レンズ可動筒2が短縮方向に移動されたときには、駆動コイル16には図5(b)の破線と反対方向に電流が生じるので、電流方向制限部Dによって起電力による電流の流れが阻止され、回生力は発生しない。したがって、レンズ可動筒2は短縮方向には自由に移動されることになる。なお、第2スイッチS2がオフであるので、発生された電流がレンズ駆動制御部4に流れ込むことは防止される。
このように、レンズ可動筒2の移動方向の違いに対応して回生力が選択的に発生されるので、電源オフ時にレンズ鏡筒LLに振動等の外力が加えられてレンズ可動筒2が伸長方向と短縮方向に繰り返し移動される状況となったときには、レンズ可動筒2は伸長方向には駆動コイル16に発生する回生力によりその移動が規制され、短縮方向には移動が規制されることなく外力に応じて移動される。そのため、この状況が繰り返されると、レンズ可動筒2はステップ的に徐々に短縮方向に移動され、結果として短縮位置にまで移動される。レンズ可動筒2が最も短縮位置にまで移動されたときには、図2(c)に示した緩衝部材32に当接されるので、鏡筒固定部との衝突によるダメージは防止される。これにより、レンズ鏡筒LLは伸長状態になることはなく、自動的に短縮状態とされて携帯性に優れたレンズ鏡筒となる。
図6は本発明における駆動装置を変形した実施形態2の回路構成図である。この実施形態2では、駆動コイル16と一体的にレンズ可動筒2に補助コイル17を設けている。この補助コイル17の巻数は適宜であるが、巻方向は駆動コイル16と同一方向に向けられている。そして、図6(a)に示すように、前記補助コイル17は前記駆動コイル16に対して直列に接続されるとともに、電流方向制御部Dと、新たに設けた第3スイッチS3を介して駆動コイル16に接続されるようになっている。第1スイッチS1と第2スイッチS2は実施形態1と同じである。
前記第3スイッチS3はコイル制御部61により切り替えられる2接点リレーコイルで構成されており、レンズ駆動制御部4を、電流方向制御部Dまたは駆動コイル16のいずれかに切り替えるようになっている。すなわち、第3スイッチS3は、レンズ駆動時にはレンズ駆動制御部4を駆動コイル16に接続し、電源オフ時にはレンズ駆動制御部4を電流方向制御部Dに接続する。これにより、駆動コイル16と補助コイル17は、電流方向制御部Dと第1スイッチS1を介して閉ループが構成されることになる。
この実施形態2では、レンズ制御時には、図6(a)のように、コイル切替部61は第1スイッチS1をオフし、第2イッチS2をオンし、第3スイッチS3を駆動コイル16に接続するように切り替える。補助コイル17は開ループ状態である。これにより、駆動コイル16がレンズ駆動制御部4に接続されて制御電流が通電され、実施形態1のレンズ制御時と同様にVCM1によるレンズ制御が実現できる。
一方、電源のオフ時には、コイル切替部61は図6(b)のように、第1スイッチS1をオンし、第2スイッチS2をオフし、第3スイッチS3を電流方向制御部Dに接続するように切り替える。これにより、駆動コイル16と補助コイル17は直列に接続されるとともに、電流方向制御部Dを含んだ閉ループが構成される。したがって、レンズ可動筒2が光軸方向に移動されたときには、駆動コイル16において回生力が発生するとともに、補助コイル17においても回生力が発生する。見方を変えれば、駆動コイル16と補助コイ17ルの合成インダクタンスに基づく回生力が発生し、駆動コイル単体の場合よりも大きな移動の規制力が得られることになる。
したがって、レンズ可動筒2が伸長方向に移動されるときに両コイル16,17に発生する合計の回生力は大きなものになり、レンズ鏡筒LLが伸長することをより効果的に防止することができる。レンズ可動筒2が短縮方向に移動するときの移動は自由であることは実施形態1と同じである。これにより、電源オフ時にレンズ鏡筒LLは伸長状態になることはなく、自動的に短縮状態とされて携帯性に優れたレンズ鏡筒となる。
図7は実施形態3のレンズ駆動装置を光軸方向から見た正面図と、そのB1−B1線の断面図である。図7において、図2と等価な部分には同一符号を付しており、詳細な説明は省略する。この実施形態は、VCM1のモータ固定部10を構成するマグネット11とヨーク12がレンズ可動筒2の外径側の円周方向の4箇所にそれぞれ配設されている。また、モータ可動部15としての駆動コイル16はレンズ可動筒2の外周面に沿って巻線された多角形状のコイルとして構成されている。
前記4つのモータ固定部10は光軸を中心にした点対称の構成であり、各モータ固定部10のマグネット11はそれぞれS又はNの一方の磁極が内径方向に向けられている。また、前記4つのヨーク12は各マグネット11による磁界が径方向に形成されるように構成されている。前記駆動コイル16は、図4に示したように、レンズ駆動制御部4、コイル切替部61、第1スイッチS1と第2スイッチS2に接続されていることは実施形態1と同じである。
この実施形態3によれば、VCM1を駆動したときには駆動コイル16の周方向の4箇所、すなわちマグネット11とヨーク12からなるモータ固定部10が配設された箇所においてそれぞれ駆動力が発生するので、これらの駆動力を加算した大きな駆動力を得ることができる。したがって、大型あるいは重量の大きなレンズ系を内装したレンズ可動筒2を駆動するレンズ駆動装置に適用することが可能である。また、電源オフ時に駆動コイル16に発生する回生力も周方向の4箇所において発生するので、これらの回生力を加算した大きな回生力を得ることも可能である。さらに、これらの駆動力と回生力は光軸回りの4箇所において均等に発生するので、レンズ可動筒2の筒軸が光軸に対して偏心し、あるいは傾くことを防止する上でも有効である。
以上の実施形態では、本発明の駆動装置をレンズ鏡筒に設けたオートフォーカス装置を駆動するためのレンズ駆動装置に適用しているが、例えば、ズーミングを行う際にレンズ系を内蔵した可動筒が繰り出し/繰り込む構造のレンズ鏡筒のズーミング装置のレンズ駆動装置として適用することも可能である。また、レンズ駆動装置に限らず、光学要素を内蔵し、光軸方向に移動することにより機器の長さ寸法が変化される光学機器であって、当該光学要素を駆動するための駆動源にVCMを適用した光学機器の駆動装置として構成することが可能である。
また、以上の実施形態では、本発明にかかるVCMは直線移動するリニア型CVMとして構成しているが、VCMをロータリ(回転)型VCMで構成し、VCMの回転力を利用して可動部材を光軸方向に移動させて伸長状態と短縮状態を制御する構成の光学機器として構成してもよい。例えば、実施形態1〜3の例では、ロータリ型VCMによりカム筒を光軸回りに回転し、このカム筒にカム係合しているレンズ可動筒を光軸方向に移動制御する構成のレンズ鏡筒に適用する。電源オフ時にVCMが自由に回転する状態となっても、その回転方向を一方向に規制し、レンズ可動筒をレンズ鏡筒の短縮方向にのみ移動させることが可能になる。
1 レンズ駆動装置(駆動装置:ボイスコイルモータ(VCM))
2 レンズ可動筒(光学要素)
3 ガイドロッド
4 レンズ駆動制御部(駆動制御部)
5 カメラ制御部
6 コイル切替手段
10 モータ固定部
11 マグネット
12 ヨーク
15 モータ可動部
16 駆動コイル
17 補助コイル
18 フレキシブルプリント回路基板
61 コイル切替部
D ダイオード(電流方向制限部)
LL レンズ鏡筒
L1〜L3 レンズ群
S1〜S3 第1〜第3スイッチ
2 レンズ可動筒(光学要素)
3 ガイドロッド
4 レンズ駆動制御部(駆動制御部)
5 カメラ制御部
6 コイル切替手段
10 モータ固定部
11 マグネット
12 ヨーク
15 モータ可動部
16 駆動コイル
17 補助コイル
18 フレキシブルプリント回路基板
61 コイル切替部
D ダイオード(電流方向制限部)
LL レンズ鏡筒
L1〜L3 レンズ群
S1〜S3 第1〜第3スイッチ
Claims (16)
- 移動要素を駆動する駆動源としてボイスコイルモータを備える駆動装置であって、前記ボイスコイルモータはモータ可動部を構成する駆動コイルを備えており、前記駆動コイルに対する通電を制御する駆動制御部と、前記駆動コイルを短絡するコイル切替手段と、前記駆動コイルを通流する電流の方向を制限する電流方向制御手段を備えることを特徴とする駆動装置。
- 前記駆動制御部は前記ボイスコイルモータの駆動時に前記駆動コイルに対する通電を制御し、前記コイル切替手段は前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記駆動コイルを短絡し、前記電流方向制御手段は前記駆動コイルが短絡されたときに当該駆動コイルを通流する電流の方向を制限する請求項1に記載の駆動装置。
- 前記移動要素は往復の両方向に移動が可能な要素であり、前記電流方向制御手段は、前記移動要素が所定の一方向に移動されるときに前記駆動コイルにおいて起電力により発生する電流が流れるように構成されている請求項1又は2に記載の駆動装置。
- 前記移動要素は機器に対して伸長(繰り出し)と短縮(繰り込み)の両方向に移動が可能な移動要素であり、前記電流方向制御手段は、前記移動要素が伸長方向に移動されるときに前記駆動コイルにおいて起電力により発生する電流が流れるように構成されている請求項3に記載の駆動装置。
- 前記機器は撮像装置であり、撮像装置に内装されて移動される光学要素を前記ボイスコイルモータにより移動させる駆動装置として構成されている請求項4に記載の駆動装置。
- 前記機器は撮像装置のレンズ鏡筒であり、前記移動要素としてのレンズ可動筒を前記ボイスコイルモータにより光軸方向に移動させるレンズ駆動装置として構成されている請求項5に記載の駆動装置。
- 前記ボイスコイルモータは前記レンズ鏡筒の鏡筒固定部に支持されて光軸方向に延長配置されたモータ固定部としてのマグネットおよびヨークを備え、前記駆動コイルは前記レンズのレンズ可動筒に一体化され、前記モータ固定部に対して光軸方向に移動可能に構成されている請求項6に記載の駆動装置。
- 前記ボイスコイルモータは、モータ可動部が直線移動するリニアボイスコイルモータとして構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の駆動装置。
- 前記電流方向制限手段は、ダイオードで構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の駆動装置。
- 前記コイル切替手段は、前記ボイスコイルモータの駆動時に前記駆動コイルを前記駆動制御部に接続し、前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記駆動コイルの両端を短絡して前記電流方向制御手段を含む閉ループを構成する請求項1ないし9のいずれかに記載の駆動装置。
- 前記駆動コイルは両端が前記駆動制御部に接続されており、前記コイル切替手段は、前記駆動コイルの両端間に介装され、前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記駆動コイルの両端を短絡する第1スイッチを備え、前記電流方向制御手段は前記第1スイッチと直列に接続されている請求項10に記載の駆動装置。
- 前記コイル切替手段は、前記駆動コイルと前記駆動制御部との間に、前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記駆動コイルと前記駆動制御部との接続を開放する第2スイッチを備える請求項11に記載の駆動装置。
- 前記電流方向制限手段と直列接続された補助コイルを備え、前記コイル切替手段は、前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記電流方向制限手段と前記制限コイルを前記駆動コイルに直列接続して閉ループを構成する第3のスイッチを備える請求項12に記載の駆動装置。
- 前記駆動コイルと前記補助コイルはコイル軸が同一方向に向けられ、かつ巻線方向が同一方向に向けられている請求項13に記載の駆動装置。
- レンズ鏡筒の鏡筒固定部に対して光軸方向に移動されるレンズ可動筒を駆動するための駆動装置であって、前記鏡筒固定部に支持されたマグネットおよびヨークからなるモータ固定部と、前記レンズ可動筒に一体支持された駆動コイルを含むモータ可動部で構成されたボイスコイルモータと、前記駆動コイルに通電してボイスコイルモータを駆動するレンズ駆動制御部と、前記駆動コイルの接続状態を切り替えるコイル切替手段と、電流方向制限手段を備え、前記コイル切替手段は、前記ボイスコイルモータの駆動時に少なくとも前記駆動コイルを前記レンズ駆動制御部に接続し、前記ボイスコイルモータへの通電停止時に前記駆動コイルおよび前記電流方向制限手段を直列接続した短絡状態に切り替える駆動装置。
- 前記駆動コイルは両端が前記レンズ駆動制御部に接続され、前記コイル切替手段は、前記駆動コイルの一端と他端との間に介装された第1スイッチと、前記駆動コイルの一端と前記駆動制御部との間に介装された第2スイッチと、これら第1スイッチと第2スイッチのオン/オフを切り替えるコイル切替部を備える請求項15に記載の駆動装置。
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- 2015-06-16 JP JP2015120897A patent/JP2017003932A/ja active Pending
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