JP2017003828A - レンズ部材、レンズ部材の製造方法、通信モジュール、レンズアレイおよび光源モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズ部材1は、既に真球加工されたガラスボールレンズ2と、このガラスボールレンズ2に設けられた樹脂からなる実装部13とを備える。実装部13は、ガラスボールレンズ2が配置された金型内に流動可能な状態の樹脂を流入させて成形されている。この実装部13には、ガラスボールレンズ2を表面実装する場合に、実装面に当接する基準面3が設けられている。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、ガラスレンズの外周形状が四角となるスクエアレンズを用いている。基板(例えば、シリコンベンチ等)上に表面実装する上では、レンズの外周に平面(基準面)があることが好ましい。すなわち、基板のレンズを搭載する搭載面(基板上の平面)に、レンズの外周の平面を当接させるように載置することにより、レンズを基板の搭載面に安定して配置することができる。また、レンズの光軸と平面との配置関係が決まっていて、平面が基準面となっていれば、搭載面に基準面を当接させるだけで、光軸の基板からの距離などが決まることになる。したがって、基板の搭載面にスクエアレンズを、例えば、紫外線硬化樹脂等を用いて容易に接着固定することができる。
この場合に、鏡筒や缶を用いずに、基板に断面V字状のV溝を設けて、真球状の球面レンズ(ボールレンズ)を直接表面実装することも可能だが、ボールレンズのように完全回転対象形となっていると、基板に設置して固定されるまで、光学的指向性が定まらない状態となり、柔軟にボールレンズを利用する事が困難であった。
すなわち、ボールレンズを鏡筒や缶に封止しないで単体で用いることは、実装時のハンドリング、自動実装への対応、基板への接着時のハンドリング等の観点から実用的ではない。
このような構成によれば、ガラスレンズの球面収差の低減を図ることができる。すなわち、レンズ部の一面をガラスレンズ表面に密着させ、他面にはガラスレンズに起因する球面収差を補正する非球面形状を設定することにより、光学系の球面収を低減することができる。
また、レンズ部はガラスレンズの入射面あるいは出射面のいずれか一方に設けるのが好ましいが、両面に設けてもよい。レンズ部は、レンズ部材に実際に光を入射させる際に入射面あるいは出射面のうちのNAが大きい面、たとえばレーザー光照射側に設けるのが好ましい。レンズ面は樹脂で構成されているため温度変化により焦点位置が変化し光学特性が劣化するという現象が発生するが、このように構成することにより、光束が平行光に近い側に樹脂によるレンズ面が設けられることになり、光学特性の劣化を抑制できる。
このような構成によれば、例えば、実装部をプレスモールディングで製造する場合、金型のキャビティ内に配置されたガラスレンズをキャビティ内で加圧して成形するので、回転対照で外形が円形状である方が、成形精度を向上することができる。
前記成形体には、当該成形体を他の部材に取り付ける取付面が設けられ、
前記成形体の6つの外面のうち互いに平行な少なくとも2つの前記外面が前記ガラスレンズに対する光入射面と光出射面であり、
前記光入射面と前記光出射面のいずれかには前記ガラスレンズの表面に前記成形体と一体成型された非球面形状を有するレンズ部が設けられていることを特徴とする。
本発明の前記構成において、ガラスレンズがボールレンズであることが好ましい。
なお、発光素子は、例えば、発光ダイオードや半導体レーザーである。また、光通信ケーブルは、例えば、光ファイバを用いたものである。
前記複数のガラスレンズの少なくとも一面側には前記成形体と一体成型された非球面形状を有するレンズ部が設けられていることを特徴とする。
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1および図2に示すように、レンズ部材1は、真球加工されたガラス製のボールレンズ(ガラスボールレンズ)2と、このボールレンズ2の一部が内部に入り込んだ状態で成形された樹脂製の実装部(成形体)13とを備える。
すなわち、実装部13の外面のうちの互いに平行な少なくとも2つの外面(正面6と背面7)に、ボールレンズ2の外面に至る孔が設けられていることにより、ボールレンズ2の外面の少なくとも2箇所が実装部13から露出している。
これにより、レンズ部材1の小型化を図っても、実装部13の薄くなった部分が壊れるのを防止できる。これにより、レンズ部材1の更なる小型化を図ることが可能になる。
これにより、ボールレンズ2の周囲に直方体状の実装部13が成形される。
このようなレンズ部材1の製造方法によれは、ガラスレンズとして比較的安価な真球加工により製造されたボールレンズ2を用い、その周囲に樹脂成形で基準面3を有する実装部13を成形するだけなので、比較的安価に製造できる。すなわち、従来のガラス製の成形レンズであるスクエアレンズや、ボールレンズを筐体や缶に封止したレンズ部材よりコストを低減できる。また、実装部13は、ボールレンズ2の直径に近いサイズまで小型化可能であり、例えば、光通信用のデバイスの小型化要求に答えることができる。例えば、実装部13の断面の正方形の各辺の長さを、例えば、1mm、2mm、3mm等に設定することができる。なお、この際に実装部13のサイズに対応してボールレンズ2の直径が設定されることになる。なお、実装部13のサイズは、上述のものに限定されるものではなく、1mm以下であっても、3mm以上であってもよい。
なお、以下の各実施の形態において、各レンズ部材101、41,51,62,71,81は、第1の実施の形態のレンズ部材1と同様にボールレンズ2(または、後述の非球面レンズ72等)と樹脂製の実装部113、49,59,69,79,89とからなるもので、ボールレンズ2は、第1の実施の形態と同様であり、実装部113、49,59,69,79,89の形状が第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下の説明では、第1の実施の形態と異なる部分を説明し、第1の実施の形態と同様の構成の説明を省略するか簡略化する。
この実装部113を基板109(図9に図示)の実装面108(被取付面:図9に図示)に実装する場合に、上述の外周の4つの面のうちの1つが底面となる基準面103であり、その左右に基準面103に対して直角に配置される面が左右の側面105であり、残りの基準面103に平行な面が天面104となる。
また、この実施の形態では、実装部113は、その中心にボールレンズ2の中心が配置されているので、断面正方形の四角柱の軸回りに回転させた際に4回対称の立体であり、4つの面(103,1044,105)のいずれを基準面(底面)としてもよいし、いずれを天面としても側面としてもよい。
図10および図11に示すように、レンズ部材201は、真球加工されたガラス製のボールレンズ(ガラスボールレンズ)202と、このボールレンズ202の一部が内部に入り込んだ状態で成形された樹脂製の透明な実装部213とを備える。
また、実装面に当接する基準面203に孔201aを設けた場合に、この孔201aに例えば接着剤として紫外線硬化樹脂を充填するようにすれば、紫外線硬化樹脂により、孔201aを介して直接基板とボールレンズ202とを接着することが可能になり、接着強度の向上を図ることができる。また、この際には、孔201a内に接着剤を充填することにより、接着剤の種類にもよるが、接着剤の量を増やして接着強度を高めることができる。
これにより、ボールレンズ202の周囲に直方体状の実装部213が成形される。
本実施例においては、ボールレンズ202の平行光が入射あるいは出射する側に実装部213のレンズ部209を設けているが、図22のように発散光・収束光が入射あるいは出射する側に設けても、ボールレンズに起因する球面収差を補正することができる。あるいは、入射面および出射面の両面にレンズ部209を設けてもよい。
なお、本例では実装部213の外周の各面(203,204,205)に孔201aを形成しているが、実装部213の外周の各面(203,204,205)に孔201aを設けないものとしてよい。
なお、以下の各実施の形態において、各レンズ部材251,281は、第3の実施の形態のレンズ部材201と同様にボールレンズ202と樹脂製の実装部263,289とからなるもので、ボールレンズ202は、第3の実施の形態と同様であり、実装部263,289の形状が第3の実施の形態と異なるものとなっている。第4の実施形態は第3の実施形態において孔207aを構成する実装部213を軸方向に短くして、孔207aが形成されないようにしたものである。以下の説明では、第3の実施の形態と異なる部分を説明し、第3の実施の形態と同様の構成の説明を省略するか簡略化する。
この実装部253を基板の実装面2に実装する場合に、上述の外周の4つの面のうちの1つが底面となる基準面253であり、その左右に基準面253に対して直角に配置される面が左右の側面255であり、残りの基準面253に平行な面が天面254となる。
図19に示すように、このレンズ部材281は、複数の光通信モジュール281を多数個取りする
ように製造されるもので、例えば、複数の実装部289となる部分を一枚の板状の成形部282として成形するものとし、成形に際し、金型内に複数のボールレンズ202を縦横にマトリックス状に配列している。本実施の形態では、成形された成形部282にボールレンズ202が横2列、縦4列に並んで配置されているが、縦横の列数は、任意に設定可能である。
図23は第3の実施形態のレンズ部材において、レンズ部が形成されているガラスレンズの反対側の面側に分波あるいは合波フィルタ機能を設けたレンズ部材の断面図を示す。第1面293に非球面形状が設定されたレンズ部298が設けられ、光透過ブロックを形成している第2面294の表面に波長が異なる複数の光を分波あるいは合波可能なフィルタ299が設けられている。天面296および実装面からはガラスのボールレンズが露出している。
本実施形態のレンズ部材の成形方法は、第3の実施形態の場合と異なり、可動金型と固定金型で天面296と基準面297を成形し、非球面形状を設定する第1面293と合波フィルタ機能を持たせる第2面294および残りの2面をスライドコアで成形する。
本実施の形態の通信モジュールは、上述の各実施例のいずれかのレンズ部材を用いたものである。ここでは、第2の実施の形態のレンズ部材101が用いられている。
1a 孔
2 ガラスボールレンズ(ガラスレンズ:ボールレンズ:ガラスボール)
3 基準面(底面:取り付け面)
13 実装部(成形体)
41 レンズ部材
251 レンズ部材
253 基準面(底面:取り付け面)
330 基板
331 光学素子
Claims (13)
- 既に作成されたガラスレンズと、当該ガラスレンズに当該ガラスレンズとは異なる材料からなり、前記ガラスレンズが配置された型内に流動可能な状態の前記材料を流入させて固めることにより設けられた実装部とを備え、
前記実装部には、前記ガラスレンズを表面実装する場合に、実装面に当接する基準面が設けられていることを特徴とするレンズ部材。 - 前記実装部は、少なくとも前記ガラスレンズ表面の光線透過領域を覆うレンズ部を有していることを特徴とするレンズ部材。
- 前記ガラスレンズがボールレンズであることを特徴とする請求項2に記載のレンズ部材。
- 前記実装部が前記ガラスレンズの一部を含む多角形柱状に形成され、前記実装部の断面多角形状の外周面を構成する3つ以上の平面のうちの少なくとも1つの前記平面と前記ガラスレンズの表面とが近接することにより、前記実装部の肉厚が薄くなる部分に当該平面から前記ガラスレンズの表面に至る孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ部材。
- 前記実装部の前記基準面と前記ガラスレンズの表面とが近接することにより、前記実装部の肉厚が薄くなる部分に前記基準面から前記ガラスレンズの表面に至る孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ部材。
- 前記孔が形成されている前記実装部の面は前記基準面であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ部材。
- 前記ガラスレンズの前記実装部内に配置される外面と、前記実装部の外面との間の最短距離が0.1mm以上であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ部材。
- ガラスレンズと、前記ガラスレンズの少なくとも一部が内部に収容された状態で成形され、前記ガラスレンズを支持する直方体状の成形体とを備えレンズ部材において、
前記成形体の6つの外面のうち互いに平行な少なくとも2つの前記外面が前記ガラスレンズに対する光入射面と光出射面であり、
前記光入射面と前記光出射面のいずれかには前記ガラスレンズの表面に前記成形体と一体成型された非球面形状を有するレンズ部が設けられていることを特徴とするレンズ部材。 - 前記ガラスレンズがボールレンズであることを特徴とする請求項8に記載のレンズ部材。
- 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレンズ部材と、発光素子と、これらレンズ部材および発光素子が実装される基板とを備え、前記発光素子の光を、前記レンズ部材を介して光通信ケーブルに入射することを特徴とする通信モジュール。
- 複数の球状のガラスレンズと、複数の前記ガラスレンズを所定の配列で並べた状態で、かつ、各ガラスレンそれぞれの少なくとも一部が内部に収容された状態で成形され、複数の前記ガラスレンズを支持する成形体とを備え、
前記複数のガラスレンズの少なくとも一面側には前記成形体と一体成型された非球面形状を有するレンズ部が設けられていることを特徴とするレンズアレイ。 - 請求項11に記載のレンズアレイと、前記レンズアレイを介して光を照射する複数の発光素子とを備えることを特徴とする光源モジュール。
- 既に作成された前記ガラスレンズが配置された型内に、前記ガラスレンズと異なる材料からなり、かつ、流動性を有する材料を前記型に流入させて固めることにより、前記ガラスレンズを表面実装する際に実装面に当接する基準面と前記ガラスレンズ表面の光線透過領域を覆うレンズ部を有する実装部を設けることを特徴とするレンズ部材の製造方法。
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