JP2017003111A - 止め輪保持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】止め輪を被取付部材へ取り付ける際の取付作業性を向上させる止め輪保持構造を提供する。
【解決手段】止め輪保持構造は、C字状に形成される止め輪50と、止め輪50を保持する保持部材52と、を備える。止め輪50は、軸部材に止め輪50が取り付けられた取付状態において保持部材52の保持を解除されて軸部材に形成される周状の溝に挿入されている。保持部材52は、取付状態の止め輪50に当接することで保持部材52の移動を規制させる当接面28と、取り付け前の止め輪50を拡径または縮径された状態で当接面28側にて保持する保持部24と、を有する。
【選択図】図5
【解決手段】止め輪保持構造は、C字状に形成される止め輪50と、止め輪50を保持する保持部材52と、を備える。止め輪50は、軸部材に止め輪50が取り付けられた取付状態において保持部材52の保持を解除されて軸部材に形成される周状の溝に挿入されている。保持部材52は、取付状態の止め輪50に当接することで保持部材52の移動を規制させる当接面28と、取り付け前の止め輪50を拡径または縮径された状態で当接面28側にて保持する保持部24と、を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、止め輪を保持する止め輪保持構造に関する。
従来から止め輪は様々な機械構造の一部として用いられており、環状の止め輪を周状の溝に取り付けて所定の部材の移動を規制する構造が知られている。特許文献1には、ケースと、クラッチに接離するようにスライドするピストンと、ピストンをクラッチから離れる方向に付勢するリテーナと、ケースの溝に固定されて、リテーナの移動を規制するスナップリングとを有するトランスミッションが開示される。このリテーナは、環状の金属板材と、金属板材の表面に固定される複数のコイルスプリングとを有しており、金属板材の裏面がスナップリングに当接する。
ところで、例えばリテーナ等の取付部材およびスナップリングをケース等の被取付部材に取り付ける場合、取付部材を被取付部材に挿入した後、スナップリングをプライヤーなどで撓ませて被取付部材に押し込み、被取付部材の溝に取り付ける。このように取付部材とスナップリングをそれぞれ別々に部品管理し、それぞれ取り付ける作業は煩瑣である。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、止め輪を被取付部材へ取り付ける際の取付作業性を向上させる止め輪保持構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の止め輪保持構造は、C字状に形成される止め輪と、止め輪を保持する保持部材と、を備える。止め輪は、被取付部材に止め輪が取り付けられた取付状態において保持部材の保持を解除されて被取付部材に形成される周状の溝に挿入されており、保持部材は、取付状態の止め輪に当接することで保持部材の移動を規制させる当接面と、取り付け前の止め輪を拡径または縮径された状態で当接面側にて保持する保持部と、を有する。
本発明によれば、止め輪を被取付部材へ取り付ける際の取付作業性を向上させる止め輪保持構造を提供できる。
図1は、第1実施例の止め輪の使用態様を説明するための図である。図1(a)は止め輪10を管部材14の内部に用いる態様を示し、図1(b)は止め輪50を軸部材54の外部に用いる態様を示す。図1(a)および図1(b)は取り付けた状態の止め輪を断面を模式的に示す。
図1(a)に示す止め輪10は、例えば車両のトランスミッション内部のリテーナの移動を規制するために用いられ、保持部材12はリテーナであってよい。環状の止め輪10は、管部材14の内周面18に周状に形成された溝16に挿入される。この管部材14の内部にはリテーナなどの保持部材12が挿入される。止め輪10は、保持部材12が下方に移動した場合に保持部材12の下端に当接し、保持部材12の移動を規制する。保持部材12は、管部材14への取り付け前の止め輪10を保持する一方で、止め輪10に移動を規制される被規制部材として機能する。管部材14は、保持部材12を取り付ける被取付部材として機能する。
図1(b)に示す止め輪50は、例えば車両のトランスミッションのリテーナの移動を規制するために用いられ、保持部材52はリテーナであってよい。環状の止め輪50は、軸部材54の外周面に周状に形成された溝56に挿入される。軸部材54には円筒形状の保持部材52が外挿される。止め輪50は、保持部材52が下方に移動した場合に保持部材52の下端に当接し、保持部材52の移動を規制する。保持部材52は、軸部材54への取り付け前の止め輪50を保持する一方で、止め輪50に移動を規制される被規制部材として機能する。軸部材54は、保持部材52を取り付ける被取付部材として機能する。図1(b)に示す止め輪50の保持構造について詳細に説明する。
図2は、止め輪保持構造1を上方から見た斜視図である。また、図3は、止め輪保持構造1を下方から見た斜視図である。また、図4は、止め輪保持構造1の底面図である。なお各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
図2および図3では、止め輪50を軸部材54の溝56に取り付ける前の状態であって、保持部材52が止め輪50を仮保持する状態の止め輪保持構造1を示す。止め輪保持構造1は、止め輪50および保持部材52を有する。止め輪50と保持部材52を一体にすることで、止め輪50を保持部材52とともに搬送可能であり、部品管理を容易にできる。
保持部材52は、本体部22と、本体部22に固定される複数のバネ部材20と、止め輪50を保持するための複数の保持部24とを有する。本体部22は金属板材を環状に形成され、図2に示すバネ部材20が載置される座面27と、図3に示す当接面28とを有する。当接面28は、軸部材54へ止め輪50が取付られる取付状態の止め輪50に当接可能である。
図3に示すように、本体部22にはバネ部材20を固定するための突起状のバネ留め部26が複数形成される。保持部24は、当接面28から張り出すように複数設けられる。図3には、保持部24を3つ設ける態様を示すが、この態様に限られず、2つまたは4つ以上設けてよい。保持部24は鉤状に形成され、止め輪50を拡径した状態で保持する。バネ部材20は、コイル状に形成され、バネ留め部26にかしめにより固定される。
止め輪50は、環状のC字状に形成され、断面が矩形状で、一部を周方向に離間して形成される。図4に示すように、止め輪50は一対の開放端50aを有し、一対の開放端50aは対向する。止め輪50の一部を周方向に離間させることで、止め輪50の直径を変化させることができる。止め輪50は、保持部材52の当接面28側にて保持部24に保持される。なお、止め輪50は、C字状に形成されるものの、円弧状に形成される必要はなく、多角形状で一部を周方向に離間させたものであってよい。
図5は、図4に示す止め輪保持構造1の線分A−Aの断面図である。保持部24は、張出部30、突部32および開口部34を有する。張出部30は、当接面28から離れた位置に張り出し、突部32を支持する。張出部30は、当接面28から軸方向下方に張り出す垂下部30aと、垂下部30aから屈曲して当接面28に沿って径方向内側に延びる延在部30bとを有する。垂下部30aは、当接面28から離れる方向に垂下する。延在部30bの上方には本体部22に保持部24を形成するためのスリット36が形成される。
突部32は、張出部30の延在部30bから当接面28に向かって突出する。突部32は、延在部30bを屈曲されて形成されるが、その態様に限られず、エンボス加工によって延在部30bの中途に当接面28に向かって突出するように形成されてよい。
突部32は、止め輪50の内周面に係合して軸部材54への取り付け前の止め輪50の縮径を規制し、止め輪50を自由状態から拡径された状態で維持する。張出部30および突部32により、止め輪10を囲む空間が形成される。突部32の延在部30bからの突出高さは、止め輪50の軸方向厚みの半分以上、止め輪50の軸方向厚み以下に設定されてよい。これにより、止め輪50の十分な掛かり代を設定しつつ、取り外しづらくなることを抑えることができる。また、突部32は、止め輪50の形状に応じて周方向に湾曲して形成されてよい。これにより、止め輪50に係合する面積を増すことができる。
開口部34は、当接面28と保持部24の先端の空隙であって、当接面28と突部32の先端の間に形成される。開口部34は、止め輪50を通過させるための出入口として機能し、止め輪50の突部32への係合を容易にできる。開口部34の軸方向長さは、止め輪50の軸方向厚さより大きい。
図6は、止め輪50の取付工程について説明するための図である。図6(a)に示すように、保持部材52は止め輪50を保持した状態で軸部材54を受け入れるように押し込まれる。作業者はバネ部材20をピストン58に押し当てるように当接面28を押す。
図6(b)に示すように、開口部34が溝56と同じ軸方向位置に達すると、保持部24から止め輪50を外す。止め輪50を外す際、作業者は止め輪50を当接面28に接近する方向に押し、バネ部材20がピストン58に当接しているため、止め輪50と突部32の係合が解除される。
図6(c)に示すように、止め輪50は、押し込みにより係合を解除して当接面28に接近し、開口部34の同じ軸方向位置に移動すると、復元力により縮径して開口部34から出て溝56に入る。このように止め輪50が溝56に取り付けられ、当接面28に当接することで保持部材52の移動を規制する。保持部材52を押し込む方向と同じ方向に止め輪50を押すだけで保持部24から取り外し、あとは止め輪50の復元力により溝56に取り付けることができ、取付作業を容易にできる。
図7は、変形例の止め輪保持構造101について説明するための図である。図7(a)は止め輪保持構造101の底面図であり、図7(b)は図7(a)に示す止め輪保持構造101の線分B−Bの断面図である。
変形例の止め輪保持構造101では、図5に示す止め輪保持構造1と比べて、保持部材152が樹脂材料で形成されるため、スリット36が形成されていない点で異なる。保持部材152を樹脂材料で形成することで、軽量化をして、コストを抑えることができる。
図8は、別の変形例の止め輪保持構造について説明するための図である。図8(a)では、図5で示す止め輪保持構造1の止め輪50を溝56に取り付けた後、保持部24を開口部34を閉じる方向に変形させて止め輪50の径方向の移動を制限する。
保持部24の延在部30bを当接面28に向かって押し、突部32を当接面28に近接させることで、止め輪50が開口部34を通過できないようにする。突部32は、止め輪50と径方向に重なる位置にまで変形される。突部32と止め輪50の外周面との径方向の間隔は、溝56の径方向深さより小さい。これにより、取付状態の止め輪50の径方向の動きを制限して、溝56から外れることを抑えることができる。
図8(b)に示す樹脂材料で形成された保持部材252は、保持部224を撓ませてスリット236の縁に係止させることで、止め輪50の出入口であった開口部を閉じる。保持部224は、張出部30と、係止爪232aを有する突部232とを有する。係止爪232aは、突部232の先端側に形成され、スリット236の縁に係止可能である。
保持部224をスリット236に向かって押し、張出部30を撓ませて突部232をスリット236内に押し込み、係止爪232aをスリット236の座面27側の縁に係止させることで、保持部224が開口部を閉じるように撓んで変形した状態になる。これにより、軸部材54へ止め輪50が取り付けられた取付状態の止め輪50の径方向の動きを制限して、溝56から外れることを抑えることができる。
なお、第1実施例では、図1(b)に示す軸部材54の周状の溝56に挿入される止め輪50を保持部材52によって保持する態様を示したが、図1(a)に示す管部材14の周状の溝16に挿入される止め輪10を保持部材12に保持させることも可能である。この変形例では、管部材14への取り付け前の止め輪10は、保持部材12の当接面から張り出すように形成される保持部により、自由状態から縮径された状態で維持される。
保持部材12の保持部は、図5に示す保持部24と同様に、当接面から離れた位置に張り出して突部を支持する張出部と、張出部から当接面に向かって突出する突部と、当接面と突部の先端の間に形成される開口部とを有する。保持部材12の突部は、止め輪10の外周面に係合して管部材14への取り付け前の止め輪10の拡径を規制し、止め輪10を自由状態から縮径された状態で維持する。保持部材12の開口部は、止め輪10を通過させるための出入口として機能し、図5に示す開口部34が径方向内向き開口する点および延在部30bが径方向内側に延びる点に対し、径方向外向きに開口する点および張出部の延在部が径方向外側に延びる点で異なる。
取付作業において、止め輪10は、当接面に向かう押し込みにより突部との係合を解除して当接面に接近し、開口部の同じ軸方向位置に移動すると、復元力により拡径して開口部から出て溝16に入る。このように、図1(a)に示す止め輪10を取り付け前に保持部材12に一体に保持する構造を構成できる。
図9は、第2実施例の止め輪保持構造300を説明するための図である。図9に示す止め輪保持構造300は、止め輪10を図1(a)に示す溝16に取り付ける前の状態であって、保持部材312が止め輪10を仮保持する状態を示す。
第2実施例の止め輪保持構造300は、図5に示す第1実施例の止め輪保持構造1と比べて、止め輪10を保持するために制限部材60を用いる点で異なり、止め輪10が図1(a)に示すように車両のトランスミッション内部の保持部材312の移動を規制するために用いられる点は同じである。
保持部材312は、平板を環状になるように形成され、バネ部材20が載置される座面327と、止め輪10に当接する当接面328とを有する。バネ部材20は、一端がカシメにより保持部材312の座面327に固定され、他端が制限部材60に固定されて、保持部材および制限部材60の間に設けられる。これにより、バネ部材20の姿勢を安定させることができる。バネ部材20は、保持部材312および制限部材60をそれぞれ離れる方向に付勢する。保持部材312は、当接面328に突出して形成された複数の突部332と、内周縁に形成された複数の切欠部68とを有する。
図9(b)に示すように、止め輪10は、保持部材312の当接面328側に縮径した状態で突部332に当接して保持される。止め輪10は、突部332により拡径が規制される。止め輪10は、保持部材312の内周縁より径方向外側に配置される。
制限部材60は、平板を環状になるように形成され、保持部材312の当接面328の反対側、すなわち座面327側に配置され、座面327に対向する。なお、変形例では、制限部材60は環状でなくてよく、周方向に離間して複数設けられてよい。制限部材60は、カシメによりバネ部材20に固定される態様を示すが、バネ部材20に固定されず、当接するだけでもよい。また、保持部材312は、カシメによりバネ部材20に固定される態様を示すが、バネ部材20に固定されず、当接するだけでもよい。制限部材60は、トランスミッションのピストン等に当たって止め輪10に向かって押される。
延出部62は、当接面328に向かって延び、止め輪10が当接面328から離れる方向の移動を制限する。延出部62は、制限部材60の本体から屈曲し、軸方向に沿って柱状に延出する。延出部62は、先端側に形成される係合部64と、係合部64より基端側に形成される解除部66を有する。係合部64および解除部66は、延出部62の側縁を切り欠くように形成された凹部67により形成される。
係合部64は、図9(b)に示すように、当接面328側で径方向外向きに張り出すように形成され、止め輪10に引っかかる。係合部64により、止め輪10が縮径された状態で突部332から外れること、すなわち止め輪10が当接面328から離れる方向に移動することを抑えることができる。係合部64は、バネ部材20の付勢力により上方に引っ張られ、止め輪10を当接面328に押しつける。これにより、止め輪10がバネ部材20の付勢力で強固に保持され、搬送時の衝撃などが加わっても突部332から外れにくくなる。
解除部66は、径方向外向きに張り出すように形成され、係合部64に対向する。解除部66は、軸方向に見て、止め輪10と重複するように配置される。
解除部66の作用について説明する。取り付け時には、止め輪保持構造300を図6に示すように押し上げ、制限部材60が上方のピストンに当接する。さらに保持部材312を押し上げると、制限部材60が保持部材312に接近し、延出部62の係合部64による止め輪10の制限が解除され、止め輪10が当接面328から離れる方向に移動可能となる。さらに制限部材60と保持部材312が接近すると、解除部66が切欠部68を通過して止め輪10に当り、止め輪10を当接面328から離れる方向に押して、突部332による止め輪10の保持を解除する。これにより、止め輪10が復元力により拡径し、図1(a)に示す溝16に入り込み、取り付け作業が完了する。このように、保持部材312を上方に押し込めば、解除部66により止め輪10が外れるため、取付作業が容易である。
延出部62が切欠部68に挿入されていることで、延出部62の周方向の移動、すなわち制限部材60と保持部材312の相対回転を制限できる。これにより、バネ部材20の姿勢を安定させることができる。また、延出部62が切欠部68に挿入されているため、径方向内側の空間を確保できる。
図10は、第3実施例の止め輪保持構造400について説明するための図である。図10に示す止め輪保持構造400は、図9に示す止め輪保持構造300と比べて、保持部材412の座面427に対向する制限部材460を用いる点は同じであるが、止め輪50を拡径した状態で保持する点で異なる。
止め輪50は、保持部材412の当接面428側に拡径した状態で突部432に当接して保持される。止め輪50は、突部432により縮径が規制される。
止め輪保持構造400の延出部462は、制限部材460から屈曲して垂下し、保持部材412の当接面428に向かって延びる。保持部材412は座面427を貫通する切欠部468を有し、延出部462は切欠部468を通って当接面428側に出る。延出部462は、止め輪50が当接面428から離れる方向の移動を制限する。
延出部462は、先端側に形成される係合部464と、係合部464より基端側に形成される解除部466を有する。係合部464は、図10(b)に示すように、径方向内向きに張り出すように形成され、止め輪50に引っかかる。係合部464により、止め輪50が拡径された状態で突部432から外れること、すなわち止め輪50が当接面428から離れる方向に移動することを抑えることができる。係合部464は、バネ部材20の付勢力により上方に引っ張られ、止め輪50を当接面428に押しつける。これにより、止め輪50が突部432から外れにくくなるよう、バネ部材20の付勢力で強固に保持される。
解除部466は、径方向内向きに張り出すように形成され、係合部464に対向する。制限部材460と保持部材412が接近すると、解除部466が切欠部468を通過して止め輪50に当り、止め輪50を当接面428から離れる方向に押して、突部432による止め輪50の保持を解除する。このように、保持部材412を押し込めば、解除部466により止め輪50が外れるため、取付作業が容易である。
図11は、第4実施例の止め輪保持構造500について説明するための図である。第4実施例の止め輪保持構造500は、図9に示す止め輪保持構造300と比べて、制限部材560を用いる点は同じであるが、保持部材512に延出部562を通す切欠部を形成していない点で異なる。
図11(b)に示すように、止め輪10は、保持部材512の当接面528側に縮径した状態で突部532に当接して保持される。止め輪10は、突部532により拡径が規制される。
制限部材560は、保持部材512の当接面528の反対側、すなわち座面527側に配置され、座面527に対向する。延出部562は、制限部材560の本体から屈曲して垂下し、保持部材512の当接面528に向かって延びる。延出部562は、保持部材512の内周縁より径方向内側で延出して当接面528側に出る。延出部562は、止め輪10が当接面528から離れる方向の移動を制限する。
延出部562は、先端側に形成される係合部564と、係合部564より基端側に形成される解除部566を有する。係合部564は、図11(b)に示すように、径方向外向きに張り出すように形成され、止め輪10に引っかかる。係合部564により、止め輪10が拡径された状態で突部532から外れること、すなわち止め輪10が当接面528から離れる方向に移動することを抑えることができる。係合部564は、バネ部材20の付勢力により上方に引っ張られ、止め輪10を当接面528に押しつける。これにより、止め輪10が突部532から外れにくくなるよう、バネ部材20の付勢力で強固に保持される。
解除部566は、径方向外向きに張り出すように延出部562の中途に形成される。ここで新たな図面を参照する。
図12は、第4実施例の止め輪保持構造500において、解除部566について説明するための図である。制限部材560と保持部材512が接近すると、解除部566は保持部材512を越えて止め輪10に当る。図11(a)に示すように、止め輪10は、保持部材512の内周縁より径方向内側に張り出すように配置されるため、保持部材512の内周縁より径方向内側に位置する解除部566に当接することができる。
さらに制限部材560と保持部材512が接近すると、解除部566は、止め輪10を当接面528から離れる方向に押して、突部532による止め輪10の保持を解除する。このように、保持部材512を押し込めば、解除部566により止め輪10が外れるため、取付作業が容易である。
なお、第4実施例では、延出部562に解除部566を設ける態様を示したが、この態様に限られず、解除部566を設けなくともよい。解除部566を設けない場合、止め輪10と突部532の係止は、保持部材512に衝撃を加えるなどをして外す。
本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施例も本発明の範囲に含まれうる。
第1実施例では、止め輪をトランスミッションに用いる態様を示したが、この態様に限られない。例えば、止め輪は、車両の熱交換器のアウターケースの移動を規制するために用いられ、または、車両のステアリングシャフトの移動を規制するために用いられてよい。いずれにしても、止め輪は、止め輪によって移動を規制される被規制部材に保持される。
第1実施例では、保持部24を当接面28から張り出すように形成される態様を示したが、この態様に限られない。例えば、保持部材52の外周面から当接面28側に向かって張り出すように形成されてよい。いずれにしても、止め輪50は保持部材52の当接面28側、つまり当接面28に対向した保持部材52の下方の位置で保持される。
1 止め輪保持構造、 10 止め輪、 12 保持部材、 14 管部材、 16 溝、 18 内周面、 20 バネ部材、 22 本体部、 24 保持部、 26 バネ留め部、 27 座面、 28 当接面、 30 張出部、 30a 垂下部、 30b 延在部、 32 突部、 34 開口部、 36 スリット、 50a 開放端、 50 止め輪、 52 保持部材、 54 軸部材、 56 溝、 58 ピストン、 60 制限部材、 62 延出部。
Claims (9)
- C字状に形成される止め輪と、
前記止め輪を保持する保持部材と、を備え、
前記止め輪は、被取付部材に前記止め輪が取り付けられた取付状態において前記保持部材の保持を解除されて被取付部材に形成される周状の溝に挿入されており、
前記保持部材は、
取付状態の前記止め輪に当接することで前記保持部材の移動を規制させる当接面と、
取り付け前の前記止め輪を拡径または縮径された状態で前記当接面側にて保持する保持部と、を有することを特徴とする止め輪保持構造。 - 前記保持部は、
前記当接面に向かって突出し、取り付け前の前記止め輪に係合して前記止め輪を縮径または拡径した状態で維持する突部と、
前記突部と前記当接面の間で前記止め輪を通過可能に形成される開口部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の止め輪保持構造。 - 前記止め輪が前記当接面に接近する方向に押されることで、前記止め輪と前記突部の係合が解除され、前記止め輪が復元力により縮径または拡径して前記開口部から出て前記溝に入ることを特徴とする請求項2に記載の止め輪保持構造。
- 前記保持部は、前記開口部を閉じる方向に変形されることで取付状態の前記止め輪の移動を制限することを特徴とする請求項2または3に記載の止め輪保持構造。
- 前記当接面の反対側で前記保持部材に対向する制限部材をさらに備え、
前記制限部材は、前記当接面に向かって延び、前記止め輪が前記当接面から離れる方向の移動を制限する延出部を有することを特徴とする請求項1に記載の止め輪保持構造。 - 前記制限部材が前記保持部材へ接近すると、前記延出部による前記止め輪の前記制限が解除されることを特徴とする請求項5に記載の止め輪保持構造。
- 前記保持部材および前記制限部材の間に設けられ、前記保持部材および前記制限部材を離れる方向に付勢するバネ部材をさらに有し、
前記延出部は、前記バネ部材の付勢力により前記止め輪を前記当接面に押しつけることを特徴とする請求項5または6に記載の止め輪保持構造。 - 前記延出部は、前記制限部材と前記保持部材の接近により、前記止め輪を前記当接面から離れる方向に押して前記保持部の保持を解除する解除部を有することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の止め輪保持構造。
- 前記保持部材は、前記解除部が通過するための切欠部を有することを特徴とする請求項8に記載の止め輪保持構造。
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