JP2017002743A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回スクロールの背面と対向する位置に配置されたスラストプレートとの二面間の潤滑を良好とすることができるスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】固定スクロールおよび旋回スクロール2それぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室3を形成し、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室の容積を減少させながら中心側へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで旋回スクロール2の背面に転覆荷重Fが作用し始める位置に、その時の旋回スクロール2の動作方向と一致している向きの潤滑油の流路溝2eを設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に旋回スクロールの背面と、この旋回スクロールの背面と対向する位置に配置されたスラストプレートとの二面間の潤滑構造に関する。
スクロール圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせることにより、固定スクロールと旋回スクロールとの相互間に冷媒を圧縮する圧縮室が形成されている。また、冷媒の吸入室は圧縮室の一番外周部に存在し、冷媒の吐出ポートは圧縮室の一番内周部(中心部)に存在している。そして、旋回スクロールを公転運動(旋回運動、偏芯回転動作)させることで、圧縮室を外周部から中心部に向かって移動させながら徐々に圧縮室の容積を減少させ、冷媒吸入口から吸入室に吸入された冷媒を所定の比率で圧縮する圧縮動作を行い、吐出ポートから圧縮機密閉容器内の吐出室へと圧縮した冷媒を吐出する。
図7はスクロール圧縮機50の概略構成を例示する断面側面図である。図7に基づいてスクロール圧縮機50の構成および動作について説明する。
ここで例示するスクロール圧縮機50は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。このスクロール圧縮機50は、密閉容器6(密閉容器6a、6bで構成されている)内に固定スクロール1と固定スクロール1に対して公転運動を行う旋回スクロール52を組み合わせた圧縮機構部を備えている。また、スクロール圧縮機50は、旋回スクロール52を軸支する主軸15を駆動する駆動部14(例えば、電動機やクラッチなどの回転駆動手段)を備えている。
固定スクロール1は、台板1bと、台板1bの一方の面に立設された渦巻状突起である板状渦巻歯1aとで構成され、密閉容器6(密閉容器6a)にボルトなどで固定されている。また、旋回スクロール52は、台板52bと、台板52bの一方の面に立設され、板状渦巻歯1aと実質的に同一形状の渦巻状突起である板状渦巻歯52aとで構成されている。この固定スクロール1の板状渦巻歯1aと旋回スクロール52の板状渦巻歯52aとを互いに噛み合わせることで、相対的に容積が変化する圧縮室3が形成される。
そして、固定スクロール1の板状渦巻歯1aと旋回スクロール52の板状渦巻歯52aとを互いに噛み合わせることで形成されている圧縮室3の外周部となる密閉容器6(密閉容器6b)には、冷媒を圧縮室3に導入するための冷媒吸入口11と、潤滑油を圧縮機内に導入するための潤滑油吸入口13とが設けられている。また、固定スクロール1の台板1bの中央部には、圧縮されて高圧となった冷媒を吐出する吐出ポート4が形成されている。そして、圧縮されて高圧となった冷媒は、固定スクロール1の台板1bに設けられている吐出弁装置5を介して密閉容器6内の吐出室7に吐出されるようになっている。この吐出室7に吐出された冷媒は、冷媒吐出口12から冷凍サイクルに吐出されることになる。
旋回スクロール52は、自転運動を阻止するための自転運動阻止機構9により、固定スクロール1に対して自転運動をすることなく公転運動を行い、旋回スクロール52(台板52bの板状渦巻歯52aの形成面とは反対側の背面52c)に作用する転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロール52の回転に伴い位置が変化する)Fをスラストプレート8で受け止めるようにしている。また、背面52cの略中心部には、中空円筒形状のボス部52dが形成されている。
さらに、主軸15の一端部に設けられた偏心軸部15aにはバランスウェイト16が取り付けられている。この偏心軸部15aに取り付けられたバランスウェイト16外周部と中空円筒形状のボス部52d内周部との間には駆動軸受17が設けられている。そして、バランスウエイト16により、旋回スクロール52が主軸15の偏心軸部15aを介して旋回運動(揺動運動)を行うことにより生じるアンバランスが相殺されることで、静バランスおよび動バランスが保たれるようになっている。
主軸15は、駆動部14の回転に伴って回転し、旋回スクロール52を公転運動させるようになっている。この主軸15の一方(偏心軸部15aの近傍)は、密閉容器6(密閉容器6b)に設けられた主軸受18によって回転自在に軸支され、主軸15の他方は、密閉容器6(密閉容器6b)に設けられた副軸受19によって回転自在に軸支されている。
吐出弁装置5は、吐出ポート4の開口(冷媒の出口)を開閉する薄板状の吐出弁5aと、吐出弁5aの開度(浮上量)を規制するとともに吐出弁5aの過剰な変形を抑制する弁押さえ5bと、弁押さえ5bを吐出弁5aを介して固定スクロール1の台板1bに固定する固定ボルト5cとで構成されている。弁押さえ5bは、平坦部に続く湾曲部を先端部に有する形状となっており、この湾曲部の高さで吐出弁5aの浮上量すなわち開度が規制されている。吐出弁5aは、冷媒の流れが吐出ポート4から密閉容器6内の吐出室7へと一方向の流れとなるように許容するものである。
ここで、スクロール圧縮機50の動作について説明する。駆動部14の回転に伴って主軸15が回転駆動されると、自転運動阻止機構9により自転を抑制された旋回スクロール52は、公転運動(旋回運動、偏芯回転動作)を行う。旋回スクロール52が公転運動を行うと、冷媒は冷媒吸入口11から圧縮室3内へと流れ、吸入過程が開始される。さらに、旋回スクロール52の板状渦巻歯52aと固定スクロール1の板状渦巻歯1aとは互いに噛み合ってその相互間に圧縮室3を形成しているので、圧縮室3内に流入した冷媒は、旋回スクロール52の公転運動に伴い圧縮室3の容積が縮小されていくため、所定の比率で圧縮されることになる。
圧縮室3で圧縮された冷媒は、固定スクロール1の台板1b中央部に設けられた吐出ポート4へと導かれる。この吐出ポート4の開口端(図7の固定スクロール1の台板1b右端)には、吐出ポート4から密閉容器6内の吐出室7へと冷媒が一方向に流れることを許容する吐出弁装置5が設けられているので、吐出ポート4内の冷媒圧力が吐出室7内の冷媒圧力よりも高くなると、吐出弁装置5が開き、吐出ポート4内の高圧冷媒を吐出室7へと吐出する。そして、吐出室7へと吐出された冷媒は、冷媒吐出口12から冷凍サイクルへと吐出される。このようにして、スクロール圧縮機50は、冷媒の吸入→圧縮→吐出を連続的に繰り返す。
そして、駆動部14の回転に伴って主軸15が回転駆動され、自転運動阻止機構9により自転を抑制された旋回スクロール52が公転運動を行うと、冷媒は冷媒吸入口11から圧縮室3内へと流れ、冷媒の吸入過程が開始される。さらに、旋回スクロール52の板状渦巻歯52aと固定スクロール1の板状渦巻歯1aとが互いに噛み合って相互間に形成している圧縮室3内に流入した冷媒は、旋回スクロール52の公転運動に伴って圧縮室3の容積が縮小されて所定の比率で圧縮されると旋回スクロール52に転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロール52の回転に伴い位置が変化する)Fが発生するが、この旋回スクロール52に発生する転覆荷重Fは背面52cを介してスラストプレート8で受け止められる。
この旋回スクロール52に発生する転覆荷重Fをスラストプレート8で受け止めるスラスト軸受面は、旋回スクロール52の背面52cと、背面52cに対向する位置に配置されたスラストプレート8と、この二面間に充填された潤滑油で構成される。
このように、旋回スクロール52が固定スクロール1およびスラストプレート8に対して公転運動を行うと、旋回スクロール52の背面52cとスラストプレート8との摺接面間(旋回スクロール52の背面52cと、この旋回スクロール52の背面52cと対向する位置に配置されたスラストプレート8との二面間)に転覆荷重Fが作用して摺接面が接触することで摩耗が発生し、最悪の場合には焼き付きに至ることとなるが、冷媒吸入口11から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油や潤滑油吸入口13から導入された潤滑油により摺接面間が潤滑されることで、摺接面における摩耗や焼き付きを防止するようにしている。
しかしながら、転覆荷重Fは、スラスト軸受面間である旋回スクロール52の背面52cとスラストプレート8との摺接面間の潤滑油によって発生する圧力によって支えられており、十分な潤滑油の圧力(動圧)を発生することができないと、旋回スクロール52の背面52cとスラストプレート8の表面が接触し、摩耗が発生し、最悪の場合では焼き付きに至ることとなる。
そこで、例えば、特許文献1では、固定スクロールの端板、旋回スクロールの端板、スラスト軸受、自転阻止機構等の少なくとも一つの、相手部材との接触摺動面に、潤滑油を貯留することのできる微細な油溜り(凹部)を多数設け、長期間停止後の運転再開時における摺動部の焼付きを防止するようにしている。
また、例えば、特許文献2では、可動スクロール部材のスクロール基板の背面に複数本の給油溝をスクロール基板の半径中心側から外周側に向けて形成している。給油溝はスクロール基板の半径中心側から外周側に向かうにつれて周方向に傾いてゆく曲線形状とし、その内端部は筒部の外周の近くに位置設定し、外端部はスクロール基板の外周縁に達するようにしている。そして、冷媒吸入口から導入された冷媒ガスの一部はフロントハウジングと可動スクロール部材との間の吸入通路を通ってスクロール基板の背面を掃過し、スクロール基板の背面は常に冷媒ガス雰囲気中にあり、冷媒ガス中のミスト状潤滑油が給油溝に入り込む。そして、吸入通路を通る冷媒ガス中のミスト状潤滑油が給油溝の内端部から給油溝内に流入し、給油溝内の潤滑油が外端部から流出するようにしている。
さらに、例えば、特許文献3では、旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの間に給油ポンプを設け、旋回スクロール側には、給油ポンプから吐出される圧油を給油部位に向けて吐出する吐出通路を設け、旋回スクロールとスラスト受けのうちいずれか一方の部材には、吐出通路内を予め決められた設定圧以下の圧力に保つリリーフ弁を設ける構成としている。これにより、旋回スクロールをスラスト受けに常に安定して摺接させ、旋回スクロールが固定スクロールとスラスト受けとの間でスラスト方向に振動するのを防止して低騒音化を図ると共に、これら固定スクロール、旋回スクロールおよびスラスト受けなどに、かじり、摩耗などが生じることを防止するようにしている。
特開平8−35495号公報 特開平7−189946号公報 特開2002−13490号公報
しかしながら、上記のように、スラスト軸受面間である旋回スクロール52の背面52cとスラストプレート8との摺接面間(旋回スクロール52の背面52cと、この旋回スクロール52の背面52cと対向する位置に配置されたスラストプレート8との二面間)に対する潤滑油の圧力(動圧)を増大させる手段として、回転方向に無関係なディンプル(凹部)や溝による油溜め構造による効果は弱いものであった。また、旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの間に給油ポンプを設けると製造コストが高くなるなどの問題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、旋回スクロールの背面と、この旋回スクロールの背面と対向する位置に配置されたスラストプレートとの二面間の潤滑を良好とすることができるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールの背面に、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置に、その時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きの潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールの背面に、開口部は潤滑油の流れと順方向とし、その終端部は、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置においてはその時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きとする潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るスクロール圧縮機は、上述した請求項1または請求項2において、前記旋回スクロールの背面にはスラストプレートが設けられ、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するときに前記旋回スクロールに作用する転覆荷重は、前記旋回スクロールの背面とスラストプレートとの摺接面間において前記流路溝の溝壁面に潤滑油が衝突することで発生する潤滑油の動圧による潤滑油膜に支えられて前記スラストプレートで受け止めることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るスクロール圧縮機は、上述した請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、冷媒吸入口から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係るスクロール圧縮機は、上述した請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、潤滑油吸入口から導入された潤滑油であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの背面に、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置に、その時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きの潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことにより、転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロールの回転に伴い位置が変化する)を潤滑油の流路溝のポンピング作用による動圧(圧力)で支えることで、スラスト軸受部品(旋回スクロールとスラストプレート)同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。また、静圧効果と比較すると、金型などで潤滑油の流路溝を形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの背面に、開口部は潤滑油の流れと順方向とし、その終端部は、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置においてはその時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きとする潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことにより、転覆荷重を潤滑油の流路溝のポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。また、静圧効果と比較すると、金型などで潤滑油の流路溝を形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、前記旋回スクロールの背面にはスラストプレートが設けられ、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するときに前記旋回スクロールに作用する転覆荷重は、前記旋回スクロールの背面とスラストプレートとの摺接面間において前記流路溝の溝壁面に潤滑油が衝突することで発生する潤滑油の動圧による潤滑油膜に支えられて前記スラストプレートで受け止めることにより、転覆荷重を潤滑油の流路溝のポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。また、潤滑油の流路溝を金型などで形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
また、請求項4の発明によれば、前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、冷媒吸入口から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油であることにより、転覆荷重を冷媒吸入口から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油の流路溝のポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
また、請求項5の発明によれば、前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、潤滑油吸入口から導入された潤滑油であることにより、転覆荷重を潤滑油吸入口から導入された潤滑油の流路溝のポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1であるスクロール圧縮機の概略構成を示す断面側面図である。 図1に示したスクロール圧縮機の旋回スクロールのスラスト軸受面を示す図である。 図2に示した旋回スクロールのスラスト軸受面を20度回転させた図である。 図3に示した旋回スクロールのスラスト軸受面を60度回転させた図である。 スクロール圧縮機の旋回スクロールのスラスト軸受面を示す図であり、潤滑油の流れと順方向に開口溝を設けたものである。 本発明の実施の形態2であるスクロール圧縮機の旋回スクロールのスラスト軸受面を示す図である。 従来のスクロール圧縮機の概略構成を示す断面側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るスクロール圧縮機の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、ここで説明するスクロール圧縮機は横置き型の例を示すが、縦置き型のものにも本発明を適用できるものである。また、図1を含め、以下の図面は模式的に表したものであり、各構成部材の大きさなどの関係についても実際のものとは異なる場合があり、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。さらに、従来と同一構成に関しては同一符号を用いる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であるスクロール圧縮機20の概略構成を示す断面側面図である。図1に基づいて、スクロール圧縮機20の構成および動作について説明する。
ここで例示するスクロール圧縮機20は、例えば、空気調和装置や給湯装置、冷蔵装置、冷凍装置などの各種機器に用いられる冷凍サイクルを構成する要素の一つとなるものである。
スクロール圧縮機20は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。このスクロール圧縮機20は、密閉容器6(密閉容器6a、6bで構成されている)内に固定スクロール1と固定スクロール1に対して公転運動(旋回運動、偏芯回転動作)を行う旋回スクロール2を組み合わせた圧縮機構部を備えている。また、スクロール圧縮機20は、旋回スクロール2を軸支する主軸15を駆動する駆動部14(例えば、電動機やクラッチなどの回転駆動手段)を備えている。
固定スクロール1は、台板1bと、台板1bの一方の面に立設された渦巻状突起である板状渦巻歯1aとで構成され、密閉容器6(密閉容器6a)にボルトなどで固定されている。また、旋回スクロール2は、台板2bと、台板2bの一方の面に立設され、板状渦巻歯1aと実質的に同一形状の渦巻状突起である板状渦巻歯2aとで構成されている。この固定スクロール1の板状渦巻歯1aと旋回スクロール2の板状渦巻歯2aとを互いに噛み合わせることで、相対的に容積が変化する圧縮室3が形成される。
そして、固定スクロール1の板状渦巻歯1aと旋回スクロール2の板状渦巻歯2aとを互いに噛み合わせることで形成されている圧縮室3の外周部となる密閉容器6(密閉容器6b)には、冷媒を圧縮室3に導入するための冷媒吸入口11と、潤滑油を圧縮機内に導入するための潤滑油吸入口13とが設けられている。また、固定スクロール1の台板1bの中央部には、圧縮されて高圧となった冷媒を吐出する吐出ポート4が形成されている。そして、圧縮されて高圧となった冷媒は、固定スクロール1の台板1bに設けられている吐出弁装置5を介して密閉容器6内の吐出室7に吐出されるようになっている。この吐出室7に吐出された冷媒は、冷媒吐出口12から冷凍サイクルに吐出されることになる。
旋回スクロール2は、自転運動を阻止するための自転運動阻止機構9により、固定スクロール1に対して自転運動をすることなく公転運動を行い、旋回スクロール2(台板2bの板状渦巻歯2aの形成面とは反対側の背面2c)に作用する転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロール2の回転に伴い位置が変化する)Fをスラストプレート8で受け止めるようにしている。また、背面2cの略中心部には、中空円筒形状のボス部2dが形成されている。
さらに、主軸15の一端部に設けられた偏心軸部15aにはバランスウェイト16が取り付けられている。この偏心軸部15aに取り付けられたバランスウェイト16外周部と中空円筒形状のボス部2d内周部との間には駆動軸受17が設けられている。そして、バランスウエイト16により、旋回スクロール2が主軸15の偏心軸部15aを介して旋回運動(揺動運動)することにより生じるアンバランスが相殺されることで、静バランスおよび動バランスが保たれるようになっている。
主軸15は、駆動部14の回転に伴って回転し、旋回スクロール2を公転運動させるようになっている。この主軸15の一方(偏心軸部15aの近傍)は、密閉容器6(密閉容器6b)に設けられた主軸受18によって回転自在に軸支され、主軸15の他方は、密閉容器6(密閉容器6b)に設けられた副軸受19によって回転自在に軸支されている。
吐出弁装置5は、吐出ポート4の開口(冷媒の出口)を開閉する薄板状の吐出弁5aと、吐出弁5aの開度(浮上量)を規制するとともに吐出弁5aの過剰な変形を抑制する弁押さえ5bと、弁押さえ5bを吐出弁5aを介して固定スクロール1の台板1bに固定する固定ボルト5cとで構成されている。弁押さえ5bは、平坦部に続く湾曲部を先端部に有する形状となっており、この湾曲部の高さで吐出弁5aの浮上量すなわち開度が規制されている。吐出弁5aは、冷媒の流れが吐出ポート4から密閉容器6内の吐出室7へと一方向の流れとなるように許容するものである。
ここで、スクロール圧縮機20の動作について説明する。駆動部14の回転に伴って主軸15が回転駆動されると、自転運動阻止機構9により自転を抑制された旋回スクロール2は、公転運動(旋回運動、偏芯回転動作)を行う。旋回スクロール2が公転運動を行うと、冷媒は冷媒吸入口11から圧縮室3内へと流れ、吸入過程が開始される。さらに、旋回スクロール2の板状渦巻歯2aと固定スクロール1の板状渦巻歯1aとは互いに噛み合ってその相互間に圧縮室3を形成しているので、圧縮室3を外周部から中心部に向かって移動させながら徐々に圧縮室3の容積を減少させることで、圧縮室3内に流入した冷媒は所定の比率で圧縮されることになる。
圧縮室3で圧縮された冷媒は、固定スクロール1の台板1b中央部に設けられた吐出ポート4へと導かれる。この吐出ポート4の開口端(図1の固定スクロール1の台板1b右端)には、吐出ポート4から密閉容器6内の吐出室7へと冷媒が一方向に流れることを許容する吐出弁装置5が設けられているので、吐出ポート4内の冷媒圧力が吐出室7内の冷媒圧力よりも高くなると、吐出弁装置5が開き、吐出ポート4内の高圧冷媒を吐出室7へと吐出する。そして、吐出室7へと吐出された冷媒は、冷媒吐出口12から冷凍サイクルへと吐出される。このようにして、スクロール圧縮機20は、冷媒の吸入→圧縮→吐出を連続的に繰り返す。
このようにして、駆動部14の回転に伴って主軸15が回転駆動され、自転運動阻止機構9により自転を抑制された旋回スクロール2が公転運動を行うと、冷媒は冷媒吸入口11から圧縮室3内へと流れ、冷媒の吸入過程が開始される。さらに、旋回スクロール2の板状渦巻歯2aと固定スクロール1の板状渦巻歯1aとが互いに噛み合って相互間に形成している圧縮室3内に流入した冷媒は、旋回スクロール2の公転運動に伴って圧縮室3の容積が縮小されて所定の比率で圧縮されると転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロール2の回転に伴い位置が変化する)Fが発生し、この旋回スクロール2の背面2cに作用する転覆荷重Fはスラストプレート8で受け止められる。
この旋回スクロール2に発生する転覆荷重Fをスラストプレート8で受け止めるスラスト軸受面は、旋回スクロール2の背面2cと、背面2cに対向する位置に配置されたスラストプレート8と、この二面間に充填された潤滑油で構成される。
そして、旋回スクロール2がスラストプレート8に対して公転運動を行うと、旋回スクロール2の背面2cとスラストプレート8との摺接面間(旋回スクロール2の背面2cと、この旋回スクロール2の背面2cと対向する位置に配置されたスラストプレート8との二面間)は、冷媒吸入口11から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油や潤滑油吸入口13から導入された潤滑油により潤滑されて摺接面(スラスト軸受面)におけるスラスト軸受部品(旋回スクロール2とスラストプレート8)同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現するようにしている。
このように旋回スクロール2が固定スクロール1に対して公転運動(旋回運動、偏芯回転動作)を行うことで圧縮室3の容積が縮小されて冷媒が所定の比率で圧縮されると、主に、圧縮動作で発生する圧力の分布により、旋回スクロール2を傾けながらスラスト軸受面(スラストプレート8)方向に旋回スクロール2を押付ける転覆荷重Fが発生する。転覆荷重Fは、偏芯回転動作に伴い圧縮室3の圧力分布が変化するため回転方向に移動するが、スクロール圧縮機20の構成では、バランスウェイト16の進行方向(回転方向)少し先の位置に、常に最大荷重(転覆荷重F最大点)が発生する。そして、この転覆荷重Fは最大荷重点(転覆荷重F最大点)を中心に±90度の角度に分布している(図3の転覆荷重Fの発生範囲を参照)。
転覆荷重Fは、スラスト軸受面間である旋回スクロール2の背面2cとスラストプレート8との摺接面間(旋回スクロール2の背面2cと、背面2cに対向する位置に配置されたスラストプレート8との二面間)に充填された潤滑油によって発生する圧力によって支えており、圧力の発生は、くさび効果、スクイーズ効果、ポンピング作用による動圧と、ポンプなどを用いて加圧した潤滑油を強制的に供給する静圧による方法がある。そして十分な圧力を発生することができないと、旋回スクロール2の背面2cとスラストプレート8の表面が接触して摩耗が発生し、最悪の場合には焼き付きに至ることとなる。
ここでポンピング作用について説明すると、スラスト軸受面に対してスパイラル溝、ヘリングボーン溝などを形成し、溝形状により潤滑油などの作動流体を溝内に効果的に導きつつ、最終的には溝の端面に作動流体を衝突させ(流路が縮小)、圧縮することで圧力を発生させる。従来のスクロール圧縮機においては、旋回スクロールのスラスト軸受面に対してポンピング効果は利用できていなかった。原因は、溝形状は軸中心回転(自転)時に効果を発揮するよう設計されており、従来のスクロール圧縮機のような偏芯回転動作では潤滑油の流れを上手く導けなかったからである。
全てのタイミングで全ての溝に圧力を発生させようとすると上記のように困難であるが、圧力を発生するタイミングおよび溝を絞り、具体的には、常に転覆荷重Fの最大点の90度進行方向(回転方向)先となった位置(転覆荷重が発生し始める位置)における溝(潤滑油の流路溝2e)が、そのタイミングで圧力を発生するように、そのタイミングでの旋回スクロール2の動作方向と同じ溝(潤滑油の流路溝2e)の向きとすることで、溝の端部に対する相対的な潤滑油の流速が最大となり(溝によって発生する動圧:負荷容量は流速に比例する)効果的に動圧を発生させることができる(図2、図3参照)。
転覆荷重Fの最大点は、相対運動としては旋回スクロール2の軸(主軸15)中心に回転している状態のため、例えば最大荷重点が60度進行すればその90度先の溝が(図4参照)、最大荷重点が180度進行すればその90度先の溝が、常に同様の関係となり動圧を発生する。
圧力発生タイミングを転覆荷重Fの最大点の90度進行方向先としたのは、転覆荷重Fの発生と同時に動圧を発生させるのでは遅いため(旋回スクロール2の背面2cとスラストプレート8が接触する可能性がある)、事前に発生させている。また、「90度」という数値は転覆荷重Fの分布を考慮し、転覆荷重Fの発生領域を全て網羅するために設定した値であるが、限定するものでは無く「30度」でも良く、また「45度」でも良い。
(実施の形態2)
図5は、スクロール圧縮機の旋回スクロールのスラスト軸受面を示し、潤滑油の流れと順方向に開口溝を設けている。図6は、本発明の実施の形態2であるスクロール圧縮機の旋回スクロールのスラスト軸受面を示す。
スラスト軸受部(旋回スクロール2とスラストプレート8の二面間)への潤滑油の供給方法は、スクロール圧縮機によって異なるが、実施の形態2では旋回スクロール2の中心側(内側)から供給し、バランスウェイト16の回転に引き摺られることで、バランスウェイト16の回転方向の流れとなる。
ここで、図5に示すように、潤滑油の流れの向きと順方向に溝(流路溝)の開口を設けることにより、潤滑油の吸入性は向上する。
そこで、実施の形態2では、図6に示すように、溝(潤滑油の流路溝2f)の開口部は潤滑油の流れ方向と順方向とし、溝(潤滑油の流路溝2g)の終端部は常に転覆荷重の最大点の90度進行方向先の位置(転覆荷重が発生し始める位置)において旋回スクロール2の動作方向と一致している向きとしている。
これにより、吸入性の向上と、転覆荷重Fが発生するタイミングでの動圧発生を両立すると共に、ヘリングボーン溝と同様に、溝(潤滑油の流路溝2fと潤滑油の流路溝2g)の向きが変わる位置においても潤滑油が溝壁面と衝突することで動圧が発生し、更に潤滑効果を高めることが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、固定スクロール1および旋回スクロール2それぞれの台板1b、2b上に設けられた板状渦巻歯1a、2aを互いに噛み合わせて圧縮室3を形成し、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室3の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機20において、旋回スクロール2の背面2cに、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室3の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで旋回スクロール2に転覆荷重Fが作用し始める位置に、その時の旋回スクロール2の動作方向と一致している向きの潤滑油の流路溝2eを転覆荷重Fの位置変化に応じて全面に設けたことにより、転覆荷重(スラスト軸受押し付け荷重、旋回スクロール2の回転に伴い位置が変化する)Fを潤滑油の流路溝2eのポンピング作用による動圧(圧力)で支えることで、スラスト軸受部品(旋回スクロール2とスラストプレート8)同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。また、静圧効果と比較すると、金型などで潤滑油の流路溝を形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。
また、固定スクロール1および旋回スクロール2それぞれの台板1b、2b上に設けられた板状渦巻歯1a、2aを互いに噛み合わせて圧縮室3を形成し、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室3の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機20において、旋回スクロール2の背面2cに、開口部は潤滑油の流れと順方向とし、その終端部は、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室3の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで旋回スクロール2に転覆荷重Fが作用し始める位置においてはその時の旋回スクロール2の動作方向と一致している向きとする潤滑油の流路溝2f、2gを転覆荷重Fの位置変化に応じて全面に設けたことにより、転覆荷重Fを潤滑油の流路溝2gのポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。また、静圧効果と比較すると、金型などで潤滑油の流路溝2f、2gを形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。
また、旋回スクロール2の背面2cにはスラストプレート8が設けられ、旋回スクロール2を公転運動させることにより圧縮室3の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するときに旋回スクロール2に作用する転覆荷重Fは、旋回スクロール2の背面2cとスラストプレート8との摺接面間において流路溝2e、2gの溝壁面に潤滑油が衝突することで発生する潤滑油の動圧による潤滑油膜に支えられてスラストプレート8で受け止めることにより、転覆荷重Fを潤滑油の流路溝2e、2gのポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。また、潤滑油の流路溝2e、2f、2gを金型などで形成することで部品を増加させずに、製品コストを抑えながら装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。
また、旋回スクロール2の背面に設けた潤滑油の流路溝2e、2f、2gを流れる潤滑油は、冷媒吸入口11から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油であることにより、転覆荷重Fを冷媒吸入口11から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油の流路溝2e、2gのポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。
また、旋回スクロール2の背面2cに設けた潤滑油の流路溝2e、2f、2gを流れる潤滑油は、潤滑油吸入口13から導入された潤滑油であることにより、転覆荷重Fを潤滑油吸入口13から導入された潤滑油の流路溝2e、2gのポンピング作用による動圧で支えることで、スラスト軸受部品同士の接触を抑制し、摩耗を減らして装置長寿命化、信頼性の向上を実現することができるスクロール圧縮機20を提供することが可能となる。
1 固定スクロール
1a 板状渦巻歯
1b 台板
2 旋回スクロール
2a 板状渦巻歯
2b 台板
2c 背面
2e 潤滑油の流路溝(溝)
2f 潤滑油の流路溝(溝)
2g 潤滑油の流路溝(溝)
3 圧縮室
4 吐出ポート
5 吐出弁装置
6 密閉容器
7 吐出室
8 スラストプレート
9 自転運動阻止機構
11 冷媒吸入口
12 冷媒吐出口
13 潤滑油吸入口
14 駆動部
15 主軸
16 バランスウェイト
20 スクロール圧縮機























Claims (5)

  1. 固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールの背面に、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置に、その時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きの潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 固定スクロールおよび旋回スクロールそれぞれの台板上に設けられた板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールの背面に、開口部は潤滑油の流れと順方向とし、その終端部は、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮することで前記旋回スクロールに転覆荷重が作用し始める位置においてはその時の前記旋回スクロールの動作方向と一致している向きとする潤滑油の流路溝を転覆荷重の位置変化に応じて全面に設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 前記旋回スクロールの背面にはスラストプレートが設けられ、前記旋回スクロールを公転運動させることにより前記圧縮室の容積を減少させながら中心部へと移動させて冷媒を圧縮するときに前記旋回スクロールに作用する転覆荷重は、前記旋回スクロールの背面とスラストプレートとの摺接面間において前記流路溝の溝壁面に潤滑油が衝突することで発生する潤滑油の動圧による潤滑油膜に支えられて前記スラストプレートで受け止めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、冷媒吸入口から導入された冷媒中に含まれるミスト状の潤滑油であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記旋回スクロールの背面に設けた潤滑油の流路溝を流れる潤滑油は、潤滑油吸入口から導入された潤滑油であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のスクロール圧縮機。
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