JP2017002404A - Pvdアレイ用の多方向レーストラック回転カソード - Google Patents

Pvdアレイ用の多方向レーストラック回転カソード Download PDF

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Abstract

【課題】高い効率で均一な層を堆積するスパッタ堆積装置用カソードアセンブリの提供。【解決手段】カソードアセンブリ200は、回転軸220の周りでターゲット材料210を回転させる回転ターゲットアセンブリと、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を有し、1つまたは複数のプラズマ領域(240、250)を生成するように適合された少なくとも1つの第1の磁石アセンブリ230とを含む。カソードアセンブリ200は、コーティング側に対して設けられた磁極に対する第1の角座標と、コーティング側に対して設けられたさらなる磁極に対する第2の角座標とを有し、第1の角座標260および第2の角座標270は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、堆積装置用のカソードアセンブリ、および基板上に膜を堆積させる方法に関する。本発明の実施形態は、特に、スパッタ堆積装置用のカソードアセンブリ、およびスパッタ堆積装置内で基板上に膜を堆積させる方法に関する。詳細には、実施形態は、磁石アセンブリを有するカソードアセンブリ、および磁場を使用して膜を堆積させる方法に関する。
いくつかの用途およびいくつかの技術分野では、コーティングされた材料を使用することがある。たとえば、ディスプレイ用の基板は、物理的気相堆積(PVD)プロセスによってコーティングされることが多い。コーティングされた材料のさらなる用途には、絶縁パネル、有機発光ダイオード(OLED)パネル、ならびにハードディスク、CD、DVDなどが含まれる。
基板をコーティングするために、いくつかの方法が知られている。たとえば、PVDプロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、またはプラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスなどによって、基板をコーティングすることができる。通常、このプロセスは、コーティングされるべき基板が配置されるプロセス装置またはプロセスチャンバ内で実行される。この装置内に、堆積材料が供給される。PVDプロセスが使用される場合、堆積材料は、ターゲット内に固相で存在する。ターゲットにエネルギー粒子を衝突させることによって、ターゲット材料、すなわち堆積させるべき材料の原子が、ターゲットから放出される。ターゲット材料の原子は、コーティングされるべき基板上に堆積する。通常、PVDプロセスは、薄膜コーティングに適している。
PVDプロセスでは、ターゲットは、カソードとして働くように使用される。どちらも、真空の堆積チャンバ内に配置される。プロセスチャンバ内には、プロセスガスが低圧(たとえば、約10−2ミリバール)で充填される。ターゲットおよび基板に電圧が印加されるとき、電子がアノードの方へ加速され、それにより、プロセスガスのイオンが電子とガス原子の衝突によって生成される。正に帯電したイオンは、カソードの方向に加速される。イオンの衝突によって、ターゲット材料の原子がターゲットから放出される。
前述のプロセスの効率を増大させるために、磁場を使用するカソードが知られている。磁場を印加することによって、電子はより多くの時間をターゲット付近で費やし、より多くのイオンがターゲット付近で生成される。知られているカソードアセンブリでは、イオンの生成、したがって堆積プロセスを改善するために、1つまたは複数の磁石ヨークまたは磁石の棒が配置される。いくつかのカソード配置は、高い効率で均一な層の堆積に達するために、カソード内に可動磁石アセンブリを提供する。
しかし、磁石の棒の(回転など)の動きは時間がかかり、磁石アセンブリを駆動するには相当なハードウェアならびにソフトウェア上の取組みが必要とされるため、可動の磁石の棒または磁石ヨークは費用がかかり、また誤りを起こしやすい。
上記の観点から、本発明の目的は、当技術分野の問題の少なくともいくつかを克服するカソードアセンブリ、および基板上に膜を堆積させる方法を提供することである。
上記に照らして、独立請求項1によるスパッタ堆積装置用のカソードアセンブリ、および独立請求項14によるスパッタ堆積装置内で基板上に膜を堆積させる方法が提供される。本発明のさらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、説明、および添付の図面から明らかである。
本発明の第1の実施形態によれば、基板上のコーティングのためのコーティング側を有するスパッタ堆積装置用のカソードアセンブリが提供される。カソードアセンブリは、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合された回転ターゲットアセンブリと、少なくとも1つの第1の磁石アセンブリとを含む。少なくとも1つの磁石アセンブリは典型的には、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を有し、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合される。さらに、カソードアセンブリは、磁極に対する第1の角座標と、さらなる磁極に対する第2の角座標とを有する。典型的には、これらの磁極は、コーティング側に対して設けられる。第1の角座標および第2の角座標は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。
本発明のさらなる実施形態によれば、スパッタ堆積装置内で基板上に膜を堆積させる方法が提供される。スパッタ堆積装置は、回転ターゲットアセンブリと、基板上のコーティングのためのコーティング側とを含むことができる。典型的には、ターゲットアセンブリは、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合される。さらに、カソードアセンブリは、回転軸に対して固定の位置で保持された少なくとも1つの磁石アセンブリを含むことができる。磁石アセンブリは、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を含み、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合される。典型的には、カソードアセンブリは、コーティング側に対して設けられた磁極に対する第1の角座標と、コーティング側に対して設けられたさらなる磁極に対する第2の角座標とをさらに有する。基板上に膜を堆積させる方法は、コーティング側で基板をコーティングするために、第1の角座標に配置された磁極によって生成された磁場で少なくとも1つの第1のプラズマ領域を生成し、第2の角座標に配置された磁極によって生成された磁場で少なくとも1つの第2のプラズマ領域を生成することを含む。典型的には、第1の角座標および第2の角座標は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。
さらなる実施形態によれば、スパッタ堆積装置用のカソードアセンブリが提供される。典型的には、カソードアセンブリは、基板上のコーティングのためのコーティング側を有する。さらに、カソードアセンブリは、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合された回転ターゲットアセンブリと、少なくとも1つの第1の磁石アセンブリとを含む。磁石アセンブリは、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を含み、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合される。典型的には、少なくとも1つの磁極の内側磁極および外側磁極は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。さらなる実施形態によれば、従属請求項または従属請求項の組合せからの特徴を、任意に追加することができる。
さらなる実施形態によれば、スパッタ堆積装置用のカソードアセンブリが提供される。カソードアセンブリは、基板上のコーティングのためのコーティング側と、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合された回転ターゲットアセンブリとを有する。さらに、カソードアセンブリは、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を有し、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合された少なくとも1つの第1の磁石アセンブリと、第2の内側磁極および少なくとも1つの第2の外側磁極を有し、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合された少なくとも1つの第2の磁石アセンブリとを含む。典型的には、内側磁極および第2の内側磁極は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。さらなる実施形態によれば、従属請求項または従属請求項の組合せからの特徴を、任意に追加することができる。
実施形態はまた、開示する方法を実施するための装置を対象とし、記載する各方法ステップを実行する装置部品を含む。これらの方法ステップは、ハードウェア構成要素によって、適当なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータによって、これら2つの任意の組合せによって、または任意の他の方法で、実行することができる。さらに、本発明による実施形態はまた、記載する装置が動作する方法を対象とする。本発明は、装置のすべての機能を実施する方法ステップを含む。
本発明の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本発明のより詳細な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。添付の図面は本発明の実施形態に関し、これらの図面について以下に説明する。
本明細書に記載する実施形態によるPVDプロセスに適した堆積チャンバの概略図である。 本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリの概略横断面図である。 本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリの概略横断面図である。 本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリを含むカソードの概略横断面図である。 本明細書に記載する実施形態による磁石アセンブリの概略横断面図である。 本明細書に記載する実施形態による図5aに示す磁石アセンブリの概略上面図である。 本明細書に記載する実施形態による磁石アセンブリの概略横断面図である。 本明細書に記載する実施形態による図6aに示す磁石アセンブリの概略上面図である。 本明細書に記載する実施形態による膜を堆積させる方法の流れ図である。
本発明の様々な実施形態について、次に詳細に参照する。これらの実施形態の1つまたは複数の例を図に示す。以下の図面の説明では、同じ参照番号が同じ構成要素を指す。全体として、個々の実施形態に関する違いのみについて説明する。各例は、本発明の説明を目的として提供されるものであり、本発明の限定を意味するものではない。さらに、一実施形態の一部として図示または説明する特徴を、他の実施形態で、または他の実施形態とともに使用して、さらなる実施形態をもたらすことができる。この説明は、そのような修正形態および変形形態を含むことが意図される。
図1は、本明細書に記載する実施形態によるPVDプロセスに適した堆積チャンバを示す。典型的には、チャンバ100は、基板110を支えるように適合された基板支持体105を含む。さらに、チャンバ100は、カソードアセンブリ130を受け取って保持するためのデバイス120を含む。カソードアセンブリ130は、基板110上に堆積させるべき材料を供給するターゲットを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、カソードアセンブリ130、ならびに受け取って保持するためのデバイス120は、カソードアセンブリ130を回転させるように適合される。
本明細書では、「カソードアセンブリ」という用語は、スパッタ堆積プロセスなどの堆積プロセスでカソードとして使用されるように適合され、そのような使用に適したアセンブリとして理解されるべきである。たとえば、カソードアセンブリは、基礎として本体を含むことができる。典型的には、カソードアセンブリの本体は、たとえば冷却液が本体を流れることによって冷却されるように適合されることができる。カソードアセンブリは、ターゲット材料をさらに含むことができ、ターゲット材料は、固体の形状で本体に取り付けることができる。典型的には、ターゲット材料は、堆積プロセス中に堆積させるべき材料を含有することができる。カソードアセンブリは、堆積チャンバ内に取り付けられるように適合されることができ、それぞれの接続を含むことができる。たとえば、カソードアセンブリは、カソードアセンブリの回転軸の周りで回転可能とすることができ、堆積チャンバ内に回転可能に取り付けられるように適合されることができる。さらに、カソードアセンブリは、磁場を生成するために1つまたは複数の磁石アセンブリを含むことができる。
本明細書では、「磁石アセンブリ」という用語は、1つまたは複数の磁場を生成するための1つまたは複数の磁極を含むアセンブリとして理解されるべきである。たとえば、磁石アセンブリは、2つの磁場を生成するように配置された2つの磁石要素など、逆の極性を有する2つの磁極を含むことができる。典型的には、磁石アセンブリ内の磁極の配置が、磁場が実質上トンネル形状に生成されることを可能にすることができる。閉ループ形状のトンネルの形状を有する磁場を提供する磁石アセンブリを、レーストラックとして表すことができる。典型的には、磁石アセンブリは、上記のカソードアセンブリ内に配置されるように適合されることができる。
典型的には、本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリは、磁石アセンブリを含む。磁石アセンブリは、カソードアセンブリ内に配置されることができ、磁石の棒、磁気材料などの2つの磁極を含むことができる。ターゲット付近ではプロセスガスのイオン(上記)の量がより多いため、1つまたは複数の磁石アセンブリを含むカソードアセンブリで、より速い堆積速度が可能である。さらに、PVD堆積プロセスチャンバのカソード内の磁石アセンブリが、磁石アセンブリをもたないカソードアセンブリより、カソードとアノードとの間でより低い電圧差を使用することを可能にする。
当技術分野で知られているカソードアセンブリは、カソードアセンブリの回転軸の周りで回転可能な磁石アセンブリを含む。カソードアセンブリの回転軸の周りで磁石アセンブリが回転する結果、回転しない磁石アセンブリと比較すると、基板上の材料の堆積がより均一になる。材料堆積の均一性は、たとえば、層の厚さおよび層の抵抗に関連する。回転軸の周りの回転を、揺れモードまたは分割スパッタモードで提供することができる。ターゲット内で磁石アセンブリを動かすことは、たとえば、静的堆積で大面積PVDシステムに使用される。
本明細書に記載する実施形態によれば、カソードアセンブリの回転軸に対して固定の位置で保持された1つまたは複数の磁石アセンブリを含むカソードアセンブリが提供される。典型的には、磁石アセンブリは、磁極および/または磁石を含む。磁石アセンブリの実施形態を、図5a、図5b、図6a、および図6bに関して詳細に説明する。典型的には、カソードアセンブリ内には、少なくとも1つの磁石アセンブリが設けられる。磁石アセンブリは典型的には、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極など、少なくとも3つの磁極を含む。いくつかの実施形態によれば、これらの磁極は、レーストラック形状で配置され、レーストラック形状を有する磁場を生成するように適合される。
典型的には、1つまたは複数の磁石アセンブリによって磁場が生成される。これらの磁場は、磁場付近に形成されるプラズマ領域を引き起こす。本明細書に記載する典型的な実施形態によれば、磁場によって引き起こされるプラズマ領域は、多方向に蓄積される。典型的には、多方向を、カソードアセンブリ内の1つまたは複数の磁石アセンブリおよび磁極の異なる配置または設計によって実現することができる。たとえば、1つおよび/または複数の磁石アセンブリを、カソードアセンブリのコーティング側で、典型的にはカソードアセンブリの単一のコーティング側で、多方向に配置することができる。概して、カソードアセンブリは、磁極に対する第1の角座標およびさらなる磁極に対する第2の角座標が提供されるように適合される。カソードアセンブリの第1の角座標および第2の角座標は典型的には、1つの基板をコーティングするためのコーティング側に配置される。
いくつかの実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度αは、約20度より大きく約160度より小さい。第1の角座標と第2の角座標との間の角度αは、より典型的には約30度〜120度であり、さらにより典型的には約50〜約100度である。一実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、約30度より大きく約80度より小さい。一例では、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は約60度である。
いくつかの実施形態によれば、第1の磁石アセンブリの内側の極は、カソードアセンブリの第1の角座標に配置され、第1の磁石アセンブリの外側の極のうちの1つは、第2の角座標に配置される。いくつかのさらなる実施形態によれば、第1の磁石アセンブリの内側の極は、第1の角座標に配置され、第2の磁石アセンブリの内側の極は、第2の角座標に配置される。典型的には、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、上記の角度αである。典型的には、上記で画定された角度は、1つ/複数の磁石アセンブリによって生成されるプラズマ領域の角度に本質的に対応する。これは特に、プラズマ領域が磁石アセンブリ構成要素に対して本質的に対称に形成される対称の磁石アセンブリに対して当てはまることがある。たとえば、プラズマ領域を、磁極の配置に対応して形成することができる。したがって、本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、本明細書でプラズマ領域に対する位置および角度を画定することは、それに対応して、磁極、磁石要素など、1つまたは複数の磁石アセンブリのそれぞれの構成要素に適用することができる。
典型的には、磁極間および/または第1のプラズマ領域と第2のプラズマ領域との間の角度を、カソードアセンブリ内で固定の位置に配置される1つまたは複数の磁石アセンブリを使用して提供することができる。本明細書に記載する実施形態による1つの回転カソード内に多方向のレーストラックを有することは、時間と機器コストの両方を節約する。
概して、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、実質上1つの平面内で測定される。いくつかの実施形態によれば、第1の角座標および第2の角座標を含む平面は、画定された長手方向位置におけるカソードアセンブリの横断面である。典型的には、第1の角座標および第2の角座標が配置される平面を、カソードアセンブリの長手方向軸(回転軸など)に対して実質上垂直にすることができる。図2〜4に見られるように、角度αは、カソードアセンブリの横断面内で測定される。一例として、この横断面は、カソードアセンブリの長手方向(または回転)軸に沿った長さの約50%のところに位置する平面とすることができる。
図2は、本明細書に記載するいくつかの実施形態によるカソードアセンブリの横断面図を示す。典型的には、図2〜4に関して本明細書に記載するカソードアセンブリは、図1に関して記載するPVDチャンバ内で使用することができる。カソードアセンブリ200は、ターゲット材料210を供給する回転ターゲットアセンブリを提供する。ターゲット材料を、図2の実施形態に示すように、一枚で配置することができ、またはいくつかのターゲットタイルで配置することができる。カソードアセンブリ200は、回転軸220を含み、カソードアセンブリは、回転軸220の周りを回転可能である。
図2に示す実施形態では、1つの磁石アセンブリ230が設けられている。典型的には、磁石アセンブリは、カソードアセンブリ内に設けられる。いくつかの実施形態によれば、磁石アセンブリ230は、カソードアセンブリに対して固定の位置で保持されるように適合される。言い換えれば、磁石アセンブリ230は、カソードアセンブリ200とともに基板280に対して回転することができるが、磁石アセンブリは、カソードアセンブリ200の回転軸220に対して固定の位置にある。典型的には、磁石アセンブリが配置されるカソードの側を、コーティング側と呼ぶことができる。図2では、コーティング側は、カソードアセンブリ200のコーティング側に配置されている基板280から見ることができる。
いくつかの実施形態によれば、磁石アセンブリ230は、基礎と、逆の極性を有する2つ以上の磁極とを含む。図2に示す実施形態では、逆の極性を有する2つの永久磁石235および236が示されている。本発明の実施形態で使用されるいくつかの磁石アセンブリについては、図5a、図5b、図6a、および図6bに関してより詳細に説明する。
典型的には、図2〜4に関して説明する磁極は、横断面図で示されている。たとえば、図2の横断面図では、磁石要素235を2つの外側の磁石要素によって提供することができるが、これらの磁石要素は、図2の横断面図に2つの要素として示されている磁石要素235が1つのみ存在することができるように、ループ形状を有することもできる。同じことが、図3および図4の磁石アセンブリおよび磁石要素にも当てはまる。
いくつかの実施形態によれば、磁石235および236などの2つの磁極は、堆積チャンバ内に配置されると2つの磁場を生成し、それによって動作中にこれらの磁場付近にプラズマ領域の形成を引き起こす。図2では、これらのプラズマ領域を参照符号240および250で表す。
以下、磁気アセンブリを、プラズマ領域を提供するものとして説明するが、これは、堆積チャンバ内で動作されるとき、磁場を生成することが可能であり、それによってカソードアセンブリ付近にプラズマ領域の形成を引き起こすことを意味する。たとえば、本明細書に記載する磁気アセンブリは、プラズマ領域を提供するものとして説明する堆積プロセス中のプラズマ領域の生成および位置に影響する。
典型的には、本明細書に記載し、図に示すプラズマ領域は、横断面で示されている。図2〜4に説明および図示するカソードアセンブリは、横断面図で示されている。さらに、この横断面図に示すプラズマ領域は、実質上円形または長円形の形状を有することができるが、これはプラズマ領域の概略図にすぎないことを理解されたい。プラズマ領域は、概略的に示す形状から逸脱して任意の形状を有する横断面形状を有することができ、この横断面形状は、本明細書に記載する磁気アセンブリの磁場によって引き起こされうる。典型的には、図2のプラズマ領域240および250など、図に示す2つのプラズマ領域は、図2〜4に示す平面とは異なる横断面内に重複部分を有することがあり、またはさらには、別の平面内で一体になることがある。たとえば、プラズマ領域がレーストラック形状を有する場合、横断面図に示す2つのプラズマ領域は、閉ループ形状を形成する1つのプラズマ領域とすることができる。それにもかかわらず、本明細書に記載するプラズマ領域は、図に示すように横断面図内に記載されているため、2つのプラズマ領域と呼ばれる。
この文脈で「実質上」という用語は、「実質上」とともに表す特性からの特定の逸脱がありうることを意味する。たとえば、「実質上円形」という用語は、一方向の全体的な長さの約1〜10%の逸脱など、正確な円形の形状からの特定の逸脱を有することができる形状を指す。さらなる例によれば、「実質上対称」という用語は、「対称」で表される要素の形状の中心点の対称性を指すことができる。典型的には、「実質上対称」という用語は、要素が正確には対称に配置されておらず、対称の配置からある程度、たとえば要素の全長の数パーセント逸脱していることを意味する場合もある。
図2に示す実施形態では、磁極に対するカソードアセンブリ200の第1の角座標を、参照符号260で表し、さらなる磁極に対するカソードアセンブリ200の第2の角座標を、参照符号270で表す。典型的には、第1の角座標260および第2の角座標270は、カソードアセンブリ200の回転軸220から、磁石アセンブリ230の内側の極236および磁石アセンブリ230の1つの外側の極235へそれぞれ延びる。第1の角座標260と第2の角座標270との間の角度αは、上記のように、約20度〜約160度とすることができる。
典型的には、磁石アセンブリは、2つの磁場を同時に生成するように適合され、それによってカソードアセンブリ付近にプラズマ領域の形成を引き起こす。そのようにして、磁石アセンブリの磁極によって、第1のプラズマ領域と第2のプラズマ領域が同時に形成され、大きな基板面積を高度な均一性で同時に堆積させることが可能になる。
図3は、本明細書に記載する実施形態による回転可能なカソードアセンブリ300の横断面図を示す。カソードアセンブリ300は、材料310および回転軸320を提供する回転ターゲットアセンブリを有し、ターゲットアセンブリは、回転軸320の周りを回転することができる。典型的には、カソードアセンブリ300は、第1の磁石アセンブリ330および第2の磁石アセンブリ335を提供する。典型的には、磁石アセンブリ330および335はそれぞれ、カソードアセンブリ300内に配置される。さらに、磁石アセンブリ330は典型的には、外側磁極331および内側磁極332を含み、磁石アセンブリ335は典型的には、外側磁極336および内側磁極337を含む。磁極の実施形態に対する例については、図5a、図5b、図6a、および図6bに関して詳細に説明する。これらの磁石アセンブリの磁極を、磁石アセンブリが1つまたは複数の磁場を生成するように配置することができ、それによって、カソードアセンブリが堆積チャンバ内で動作されたとき、カソードアセンブリ付近に1つまたは複数のプラズマ領域の形成を引き起こす。たとえば、プラズマ領域340、341は、磁石アセンブリ330の磁極331および332によって生成される磁場に関連し、プラズマ領域350、351は、磁石アセンブリ335の磁極336、337によって生成される磁場に関連する。典型的には、磁石アセンブリ330の内側磁極332は、カソードアセンブリ300の第1の角座標360に配向され、磁石アセンブリ335の内側磁極337は、カソードアセンブリ300の第2の角座標370に配向される。いくつかの実施形態によれば、第1の角座標360および第2の角座標370は、上記で詳細に説明したように、カソードアセンブリ300の回転軸320から、カソードアセンブリの2つ以上の磁石アセンブリの内側磁極へ延びる。
典型的には、磁石アセンブリ330および335は、カソードアセンブリ300に対して固定の位置に配置される。特に、磁石アセンブリ330および335は、互いに対して固定の位置で保持される。いくつかの実施形態によれば、2つの磁石アセンブリを、これらの磁石アセンブリが互いに対して固定の位置で保持されるように、互いに堅く接続させることができる。概して、磁石アセンブリ330および335が配置されるカソードの側を、コーティング側と呼ぶ。
典型的には、磁極に対する第1の角座標とさらなる磁極に対する第2の角座標との間に角度αが提供される。いくつかの実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度αは、典型的には約20度〜約160度であり、より典型的には約30度〜120度であり、さらにより典型的には約50〜約100度である。一実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、約30度より大きく約80度より小さい。一例では、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は約60度である。
図3の実施形態に示すように、カソードアセンブリ内の2つ以上の磁石アセンブリはそれぞれ、2つのプラズマ領域を提供する。しかし、図3はカソードアセンブリの横断面図であり、したがってプラズマ領域も横断面図で示されている。上記のように、1つの磁石アセンブリの2つのプラズマ領域は、図3に示す平面とは異なる平面内で重複し、または一体になることがある。
いくつかの実施形態によれば、2つ以上の磁石アセンブリを有するカソードアセンブリ(図3に示すカソードアセンブリなど)が、1つの基板をコーティングするために堆積チャンバ内で使用される。それは、2つ以上の磁石アセンブリが同じ基板を同時にコーティングするために使用されることを意味する。典型的には、2つの磁石アセンブリはどちらも、1つの基板をコーティングするために固定の位置で使用される。
図4では、本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリ400の横断面図が示されている。カソードアセンブリ400内では、回転ターゲットアセンブリがターゲット材料410を提供する。例示として、カソードアセンブリ400内に4つの磁石アセンブリ430、431、432、および433が配置される。典型的には、ターゲットアセンブリは、回転軸420の周りで回転可能であり、磁石アセンブリは、カソードアセンブリ400内で、回転軸420に対して固定される。いくつかの実施形態によれば、磁石アセンブリは、互いに対して固定の位置にある。
典型的には、磁石アセンブリ430、431、432、および433はそれぞれ、内側磁極471、473、475、および477、ならびに外側磁極470、472、474、および476を含む。これらの磁極は典型的には、1つまたは複数の磁場を提供するように適合される。磁石アセンブリ430、431、432、および433の磁極470、471、472、473、474、475、476、および477によって生成される磁場が、カソードアセンブリ付近に1つまたは複数のプラズマ領域の形成を引き起こすことができる。たとえば、磁極470、471、472、473、474、475、476、および477は、プラズマ領域440、441、442、443、444、445、446、および447を形成するための磁場を提供する。典型的には、磁石アセンブリ430の内側磁極471は、カソードアセンブリ400の第1の角座標460に配置され、磁石アセンブリ431の内側磁極473は、カソードアセンブリ400の第2の角座標461に配置され、磁石アセンブリ432の内側磁極475は、カソードアセンブリ400の第3の角座標462に配置され、磁石アセンブリ433の内側磁極477は、カソードアセンブリ400の第4の角座標に配置される。
いくつかの実施形態によれば、これらの磁石アセンブリを、カソードアセンブリ内で対称に配置することができる。一例として、カソードアセンブリ400の磁石アセンブリ430、431、432、および433は、カソードアセンブリ400内で実質上対称に配置される。一実施形態では、これらの磁石アセンブリを、互いに実質上同じ角距離で配置することができる。このとき、それぞれの磁石アセンブリの内側磁極間の角度αを、例示として約90度とすることができる。
さらなる実施形態によれば、磁石アセンブリを、部分的に対称に配置することができる。たとえば、カソードアセンブリの半分に2つの磁石アセンブリを有する配置を、カソードアセンブリの他方の半分に反映することができる。そのような例を、図4に示す。磁石アセンブリ430および431は、アセンブリ432および433に対して対称である。典型的には、図4に示すカソードアセンブリは、2つのコーティング側を有するものとして説明することができ、磁石アセンブリ430および431は第1のコーティング側に配置され、磁石アセンブリ432および433は第2のコーティング側に配置される。これらの2つのコーティング側はまた、基板480および481によって図4に示されており、各基板は、2つのコーティング側のそれぞれに配置される。
いくつかの実施形態によれば、カソードアセンブリの各コーティング側は、1つまたは複数の磁石アセンブリを有することができる。典型的には、カソードアセンブリの各コーティング側は、磁極に対する第1の角座標と、さらなる磁極に対する第2の角座標とを提供することができる。
典型的には、第1の磁石アセンブリおよび第2の磁石アセンブリの配置は、カソードアセンブリ内に2度、たとえば対称形に置くことができる。いくつかの実施形態によれば、第1の磁石アセンブリの内側磁極の第1の角座標と第2の磁石アセンブリの内側磁極の第2の角座標との間には、約60度の角度を提供することができる。この配置を用いると、カソードアセンブリの前面に配置される1つの基板を一度にコーティングできるだけでなく、カソードアセンブリの後ろに配置される別の基板も対称にかつ同時にコーティングすることができる。
図4に示す実施形態は、4つの磁石アセンブリ430、431、432、および433を例示として示し、各磁石アセンブリは、2つのプラズマ領域のための磁場を提供する。典型的には、第1の角座標460と第2の角座標461との間の角度αは、約20度〜約160度、より典型的には約30度〜120度、さらにより典型的には約50度〜約100度とすることができる。一実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、約30度より大きく約80度より小さい。図4では、分かりやすくするために、第1の角座標460と第2の角座標461との間の角度のみを示す。しかし、角度αに対する前述の値はまた、角座標461と角座標462との間、角座標462と角座標463との間、および角座標463と角座標460との間の角度に対しても適用することができる。
図5aは、本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリ内で使用できる磁石アセンブリの一例の横断面図を示す。典型的には、磁石アセンブリ500は、ヨーク510を含む。いくつかの実施形態によれば、磁石アセンブリ500は、内側磁極530および逆の極性を有する外側磁極520を含む。図5aおよび図5bに示す実施形態では、磁極520および530は、ヨーク510上に配置された磁石要素520および530として示されている。いくつかの実施形態によれば、これらの磁石要素を永久磁石とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載する磁極は、カソードアセンブリ付近にプラズマ領域を形成するための磁場を生成するのに適した任意の要素とすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する磁極を永久磁石とすることができ、さらなる実施形態によれば、これらの磁極の1つを、鉄を含有する材料から作られたヨークなどの磁気材料によって提供することができる。
典型的には、図5aに見ることができるように、磁石要素520および530は、2つの磁場を生成することが可能になるような方法で配置される。これらの2つの磁場の一部を、磁力線560および540によって示す。図5aでは、永久磁石から一方向に、すなわちヨーク510から離れる方向に延びる磁力線のみが示されている。
図5aに示す磁場は、上記のようにカソードアセンブリ内で使用されるとき、2つのプラズマ領域の形成を引き起こすことができる。図5aの磁石アセンブリ500によって形成されるプラズマ領域を、図5a内に参照符号550および551で表す。典型的には、図5aは、磁石アセンブリの横断面図を示す。したがって、2つのプラズマ領域550、551もまた、横断面図に示されている。しかし、同じく上述したように、これらのプラズマ領域は、図示の平面とは異なる横断面内で重複部分を有することがあり、またはさらには別の平面内で一体になることがある。たとえば、プラズマ領域がレーストラック形状を有する場合、横断面図に示す2つのプラズマ領域は、閉ループ形状を形成する1つのプラズマ領域とすることができる。
図5bは、図5aの磁石アセンブリ500の上面図を示す。典型的には、2つの磁石要素520および530をヨーク510上に見ることができる。これらの磁石要素を、磁石要素の少なくとも1つが閉ループを形成するように配置することができる。図5bでは、磁石要素520が閉ループを形成し、その中に磁石要素530が配置されることを見ることができる。
いくつかの実施形態によれば、ループ状に形成された磁石要素内に配置されている磁石要素を、内側磁石として表すことができ、そのループを形成する磁石要素を、外側磁石として表すことができる。典型的には、内側磁石は、外側磁石要素内に構造を形成することができる。
典型的には、本明細書で参照する外側磁極を、図5aおよび図6aに示す横断面面内で2つの外側の極として示すことができる。しかし、図5bおよび図6bの例の上面図に見ることができるように、外側磁極を、横断面図に2つの外側の極を提供する閉ループ形状の1つの磁石要素によって提供することができる。
図6aは、図2〜4に関して上記で説明したカソードアセンブリ内で使用できる磁石アセンブリの一例の横断面図を示す。磁石アセンブリ600は典型的には、ヨーク610を含み、ヨーク610上には、磁気要素620および630などの磁極を配置することができる。いくつかの実施形態によれば、磁石要素620および630を永久磁石とすることができる。図6aでは、磁石アセンブリ600によって提供されうる2つのプラズマ領域650、651を示し、すなわちプラズマ領域650、651は、上記のようにカソードアセンブリ内で磁石アセンブリの動作中に形成され、配置されることができる。
典型的には、図6aの磁石アセンブリは、プラズマ領域を形成することを可能にする磁場を提供する。図6aでは、磁力線640および660が例示として示されており、生成される磁場の一部を提示する。
図6bは、図6aの磁石アセンブリ600の上面図を提供する。外側磁石要素620が設けられ、内側磁石要素630を取り囲む。図6bに示す実施形態では、内側磁石要素ならびに外側磁石要素は、ループ形状に配置される。磁石要素620と磁石要素630はどちらも、ヨーク610上に配置される。典型的には、磁石アセンブリ600がカソードアセンブリ内に取り付けられる場合、内側磁石要素630を、カソードアセンブリの第1の角座標または第2の角座標に配置することができる。ループ形状の内側磁石が使用されるいくつかの実施形態によれば、磁石アセンブリを、カソードアセンブリの角座標がループ形状の内側磁石要素の中心線の方を向くように配置することができる。
典型的には、本明細書に記載する磁石アセンブリの第1の極は、少なくとも1つの磁石要素の閉ループによって画定される平面の外側の方向を向く。言い換えれば、磁石アセンブリの極は、ヨークによって画定される平面の外側を向き、図2〜4に例示として示すカソードアセンブリのターゲット材料の方向を向く。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載するカソードアセンブリおよび磁石アセンブリは、静的堆積中に回転可能なカソードアセンブリとして使用することができる。それは、基板は、堆積プロセス中に固定の位置で保持することができる一方で、カソードアセンブリは、その回転軸の周りを回転することができることを意味する。典型的には、本明細書に示すカソードアセンブリは、大面積の基板をコーティングするために使用することができる。
いくつかの実施形態によれば、大面積の基板は、少なくとも0.174mの寸法を有することができる。典型的には、この寸法は、約1.4m〜約8m、より典型的には約2m〜約9m、またはさらには最高12mまでとすることができる。典型的には、本明細書に記載する実施形態による構造、カソードアセンブリなどの装置、および方法が提供される基板は、本明細書に記載する大面積の基板である。たとえば、大面積の基板は、約1.4mの基板(1.1m×1.3m)に対応するGEN5、約4.29mの基板(1.95m×2.2m)に対応するGEN7.5、約5.7mの基板(2.2m×2.5m)に対応するGEN8.5、またはさらには約8.7mの基板(2.85m×3.05m)に対応するGEN10とすることができる。GEN11およびGEN12などのさらに大きい世代ならびに対応する基板面積も、同様に実施することができる。
典型的には、本明細書に記載する基板を、材料堆積に適した任意の材料から作ることができる。たとえば、基板は、ガラス(たとえば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、金属、ポリマー、セラミック、複合材料、炭素繊維材料、もしくは任意の他の材料、または材料の組合せからなる群から選択される材料から作ることができ、この材料を、堆積プロセスによってコーティングすることができる。
いくつかの実施形態によれば、堆積材料を、堆積プロセスおよびコーティングされた基板の後の用途に従って選択することができる。たとえば、ターゲットの堆積材料を、アルミニウム、モリブデン、チタン、銅などの金属、シリコン、インジウムスズ酸化物、および他の透明酸化物からなる群から選択される材料とすることができる。典型的には、ターゲット材料を、セラミック酸化物とすることができ、より典型的には、材料を、インジウム含有セラミック、スズ含有セラミック、亜鉛含有セラミック、およびこれらの組合せからなる群から選択されるセラミックとすることができる。たとえば、堆積材料をIGZOとすることができる。
いくつかの実施形態によれば、基板上に膜を堆積させる方法が提供される。そのような方法の一例を、図7の概略的な流れ図に見ることができる。典型的には、方法700は、ブロック710によって示すように、少なくとも2つのプラズマ領域を生成することを含む。典型的には、プラズマ領域は、PVDプロセスに適した堆積チャンバなどの堆積チャンバ内で生成される。プロセスチャンバ内では、方法700に対する第1の条件として720によって示すように、1つまたは複数の磁石アセンブリを有するカソードアセンブリを配置することができる。典型的には、カソードアセンブリは、図2〜4に関して上記で説明したカソードアセンブリとすることができ、カソードアセンブリ内の1つまたは複数の磁石アセンブリは、図5a、図5b、図6a、および図6bに関して上記で説明した磁石アセンブリとすることができる。図7では、ブロック721は、カソードアセンブリが図2〜4に示すカソードアセンブリのうちの1つである選択肢を表し、選択肢として点線で示されている。
本明細書に記載するいくつかの実施形態によれば、カソードアセンブリ付近にプラズマ領域の形成を引き起こす磁場を生成するために使用されるカソードアセンブリは、回転可能なカソードアセンブリとすることができ、これをブロック730によって表す。典型的には、カソードアセンブリは、回転軸の周りで回転可能であり、1つ/複数の磁石アセンブリは、回転軸に対して固定して配置される。
典型的には、本明細書に記載する実施形態によるプラズマ領域を生成するために使用できるカソードアセンブリは、磁極に対する第1の角座標と、さらなる磁極に対する第2の角座標とを提供することができる。カソードアセンブリ内で使用される1つ/複数の磁石アセンブリは概して、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を提供する。一実施形態によれば、2つのプラズマ領域は、1つの磁石アセンブリを有するカソードアセンブリによって生成される。磁石アセンブリの内側磁極は、カソードアセンブリの第1の角座標に配置され、磁石アセンブリの外側磁極は、カソードアセンブリの第2の角座標に配置される。さらなる実施形態によれば、第1の磁石アセンブリの内側磁極は、カソードアセンブリの第1の角座標に配置され、第2の(またはさらなる)磁石アセンブリの内側磁極は、カソードアセンブリの第2の角座標に配置される。たとえば、基板内に膜を堆積させる方法に使用されるカソードアセンブリは、図2または図3に関して説明したカソードアセンブリとすることができる。典型的には、1つ/複数の磁石アセンブリは、基板をコーティングするためにカソードアセンブリのコーティング側に配置される。
いくつかの実施形態によれば、ブロック740は、第1の角座標および第2の角座標の配置に関連し、具体的には、第1の角座標と第2の角座標との間の角度に関連する。典型的には、この角度は、約20度〜約160度、より典型的には約30度〜120度、さらにより典型的には約50〜約100度である。一実施形態によれば、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は、約30度より大きく約80度より小さい。一例では、第1の角座標と第2の角座標との間の角度は約60度である。
基板上のコーティングのためのコーティング側を有するスパッタ堆積装置用のカソードアセンブリが設けられる。カソードアセンブリは、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合された回転ターゲットアセンブリと、少なくとも1つの第1の磁石アセンブリとを含む。少なくとも1つの磁石アセンブリは典型的には、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を有し、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合される。さらに、カソードアセンブリは、磁極に対する第1の角座標と、さらなる磁極に対する第2の角座標とを有する。典型的には、これらの磁極は、コーティング側に対して設けられる。第1の角座標および第2の角座標は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。いくつかの実施形態によれば、第1の磁石アセンブリの内側磁極は、第1の角座標に設けられ、第1の磁石アセンブリの外側磁極は、第2の角座標に設けられる。典型的には、カソードアセンブリは、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を有する第2の磁石アセンブリを含むことができる。第2の磁石アセンブリは、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合されることができる。第2の磁石アセンブリが設けられる場合、第1の磁石アセンブリの内側磁極は、第1の角座標に設けられ、第2の磁石アセンブリの内側磁極は、第2の角座標に設けられる。いくつかの実施形態によれば、第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリは、カソードアセンブリの回転軸に対して固定の位置で保持される。典型的には、第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリはそれぞれ、2つのプラズマ領域を提供することができる。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第1の角座標および第2の角座標は、約30度より大きく約80度より小さい角度αを形成することができる。典型的には、磁石アセンブリは、ターゲットアセンブリ内に配置されることができる。1つの典型的な実施形態では、磁石アセンブリは、2つ以上のプラズマ領域を同時に生成するように適合されることができる。さらに、典型的には2つ以上の磁石アセンブリを含むカソードアセンブリを設けることができ、これらの磁石アセンブリは、カソードアセンブリ内で実質上対称に配置される。本明細書に記載するいくつかの実施形態によれば、第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリの磁極は、閉ループを形成するように配置された磁石要素を含むことができる。具体的には、第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリの磁極は典型的には、閉ループ内に構造を形成するように配置された磁石要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリの磁極は、閉ループによって画定された平面の外側の方向を向くことができる。典型的には、少なくとも2つの磁石アセンブリを、互いに堅く接続することができる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの磁石アセンブリは、同じ基板を同時にコーティングするように適合されることができる。
さらなる態様では、スパッタ堆積装置内で基板上に膜を堆積させる方法が提供される。スパッタ堆積装置は、回転ターゲットアセンブリと、基板上のコーティングのためのコーティング側とを含むことができる。典型的には、ターゲットアセンブリは、回転軸の周りでターゲット材料を回転させるように適合される。さらに、カソードアセンブリは、回転軸に対して固定の位置で保持された少なくとも1つの磁石アセンブリを含むことができる。磁石アセンブリは、内側磁極および少なくとも1つの外側磁極を含み、1つまたは複数のプラズマ領域を生成するように適合される。典型的には、カソードアセンブリは、コーティング側に対して設けられた磁極に対する第1の角座標と、コーティング側に対して設けられたさらなる磁極に対する第2の角座標とをさらに有する。基板上に膜を堆積させる方法は、コーティング側で基板をコーティングするために、第1の角座標に配置される磁極によって生成される磁場で少なくとも1つの第1のプラズマ領域と、第2の角座標に配置される磁極によって生成される磁場で少なくとも1つの第2のプラズマ領域とを生成することを含む。典型的には、第1の角座標および第2の角座標は、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する。本明細書に記載するいくつかの実施形態によれば、第1の角座標および第2の角座標は、約30度より大きく約80度より小さい角度αを形成することができる。
典型的には、前述のカソードアセンブリを、異なる方向に配向された磁石アセンブリの磁極間の角度による多方向のレーストラックカソードとして説明することができる。上記のように、1つまたは複数の磁石アセンブリを1つのカソード内へ配置することによって、分割スパッタモードまたは連続する揺れを提供するカソードアセンブリと同等の膜特性を実現することができる。しかし、本明細書に記載する実施形態によるカソードアセンブリでは、カソード内の部品を調整する必要はない。さらに、本発明の実施形態による1つのカソードアセンブリ内の磁石アセンブリが同時に動作されるという事実のため、膜特性を、分割スパッタモードまたは連続する揺れを有するカソードアセンブリと比較すると、より短時間で実現することができる。また、前述のレーストラックの配置を、カソードアセンブリの両側に配置される基板上で同時コーティングを実現するために、カソードアセンブリの裏側に対して対称に反映することができる。
上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のおよびさらなる実施形態を考案することもでき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
上記に照らして、独立請求項1によるスパッタ堆積装置用のカソードアセンブリ、および独立請求項12によるスパッタ堆積装置内で基板上に膜を堆積させる方法が提供される。本発明のさらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、説明、および添付の図面から明らかである。

Claims (15)

  1. 基板(280、480、481)上のコーティングのためのコーティング側を有するスパッタ堆積装置用のカソードアセンブリ(130、200、300、400)であって、前記カソードアセンブリは、
    回転軸(220、320、420)の周りでターゲット材料(210、310、410)を回転させるように適合された回転ターゲットアセンブリと、
    前記回転軸に対して固定の位置で保持され、内側磁極(236、332、337)および少なくとも1つの外側磁極(236、331、336)を有し、1つまたは複数のプラズマ領域(240、250、340、341、350、351、440、441、442、443、444、445、446、447)を生成するように適合された少なくとも1つの第1の磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)とを備え、
    前記カソードアセンブリ(130、200、300、400)は、前記コーティング側に対して設けられた磁極に対する第1の角座標(260、360、460、462)と、前記コーティング側に対して設けられたさらなる磁極に対する第2の角座標(270、370、461、463)とを有し、
    前記第1の角座標(260、360、460、462)および前記第2の角座標(270、370、461)が約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する、カソードアセンブリ。
  2. 前記第1の磁石アセンブリ(230)の前記内側磁極(236)が、前記第1の角座標(260)に設けられ、前記第1の磁石アセンブリ(230)の前記少なくとも1つの外側磁極(235)が、前記第2の角座標(270)に設けられる、請求項1に記載のカソードアセンブリ。
  3. 内側磁極(337、473、475、477)および少なくとも1つの外側磁極(336、472、474、476)を有し、1つまたは複数のプラズマ領域(350、351、442、443、444、445、446、447)を生成するように適合された第2の磁石アセンブリ(335、431、432、433)をさらに備え、前記第1の磁石アセンブリ(330、430)の前記内側磁極(332、471)が、前記第1の角座標(360、460)に設けられ、前記第2の磁石アセンブリ(335、431、432、433)の前記内側磁極(337、473、475、477)が、前記第2の角座標(370、461、462、463)に設けられる、請求項1に記載のカソードアセンブリ。
  4. 前記第1の磁石アセンブリ(330、430)および/または前記第2の磁石アセンブリ(335、431、432、433)がそれぞれ、2つのプラズマ領域(340、341、440、441、442、443、444、445、446、447)を提供する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  5. 前記第1の角座標(260、360、460)および前記第2の角座標(270、370、461、462、463)が、約30度より大きく約80度より小さい角度αを形成する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  6. 前記磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)が、前記ターゲットアセンブリ内に配置づけされる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  7. 前記磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)が、2つ以上のプラズマ領域(340、341、440、441、442、443、444、445、446、447)を同時に生成するように適合される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  8. 前記カソードアセンブリ(130、200、300、400)が、2つ以上の磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)を備え、前記カソードアセンブリ(130、200、300、400)内の前記磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)の配置が実質上対称である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  9. 前記第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)の磁極が、閉ループを形成するように配置された磁石要素(520、620、630)を備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  10. 前記第1の磁石アセンブリおよび/または第2の磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)の磁極が、閉ループ内に構造を形成するように配置された磁石要素(530、630)を備える、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  11. 前記磁石要素(520、530、620、630)の磁極が、前記閉ループによって画定された平面の外側の方向を向いている、請求項9または10に記載のカソードアセンブリ。
  12. 前記少なくとも2つの磁石アセンブリ(330、340、430、431、432、433)が、互いに堅く接続される、請求項3ないし11のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  13. 前記少なくとも2つの磁石アセンブリ(330、335、430、431、432、433)が、同じ基板を同時にコーティングするように適合される、請求項3ないし12のいずれか一項に記載のカソードアセンブリ。
  14. 回転ターゲットアセンブリを有し、基板上のコーティングのためのコーティング側を有するスパッタ堆積装置(100)内で、基板(110、280、480、481)上に膜を堆積させる方法であって、前記ターゲットアセンブリが、回転軸(220、320、420)の周りでターゲット材料(210、310、410)を回転させるように適合され、
    前記カソードアセンブリが、前記回転軸に対して固定の位置で保持され、内側磁極(236、332、337)および少なくとも1つの外側磁極(236、331、336)を有し、1つまたは複数のプラズマ領域(240、250、340、341、350、351、440、441、442、443、444、445、446、447)を生成するように適合された少なくとも1つの磁石アセンブリ(230、330、340、430、431、432、433)を備え、
    前記カソードアセンブリ(130、200、300、400)が、前記コーティング側に対して設けられた磁極に対する第1の角座標(260、360、460、462)と、前記コーティング側に対して設けられたさらなる磁極に対する第2の角座標(270、370、461、463)とをさらに備え、前記方法が、
    前記コーティング側で前記基板(110、280、480、481)をコーティングするために、前記第1の角座標(260、360)に配置される磁極(236)によって生成される磁場を有する少なくとも1つの第1のプラズマ領域(240、340、341)と、前記第2の角座標(270、370)に配置される磁極(235、337)によって生成される磁場を有する少なくとも1つの第2のプラズマ領域(250、350、351)とを生成することを含み、
    前記第1の角座標および前記第2の角座標が、約20度より大きく約160度より小さい角度αを画定する、方法。
  15. 前記第1の角座標(260、360)および前記第2の角座標(270、370)が、約30度より大きく約80度より小さい角度αを形成する、請求項14に記載の方法。
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