JP2017001330A - 積層体及び導電性ローラ - Google Patents

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【課題】層間の密着性が高く、柔軟性に優れた積層体、及び該積層体を備えた画像不良の発生を低減した導電性ローラを提供する。
【解決手段】本発明の積層体は、基層と、該基層上に形成された表層とを備える積層体であって、前記表層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び25℃での粘度が10mPa・s以下のアクリルアミドモノマーを含む表層混合物を硬化させてなる紫外線硬化樹脂からなり、前記表層混合物における前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと前記アクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体及び導電性ローラに関する。
従来より、ポリウレタンを含む弾性層を有する導電性ローラにおいて、トナーフィルミング等を抑制するため、基層の上に表層として紫外線硬化樹脂を設ける技術が知られている。表層に紫外線硬化樹脂を用いる場合、紫外線照射により硬化する際に表層で硬化収縮が起こりやすく、基層と表層との間に歪が生じ、層間の密着が悪くなることがあった。層間の密着性を向上させるために、表層に重量平均分子量6,000以上のウレタンアクリレートオリゴマーと、アクリロイルモルホリンとを用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−106840号公報
しかしながら、アクリロイルモルホリンを用いると樹脂の硬度が高くなるため、柔軟性の観点からは、さらに改良の余地があった。例えば、上記のような導電性ローラの場合、柔軟性が高まるほど、他の部材との圧接が十分となり、画像不良等の発生のおそれがより低くなる。
そこで、本発明は、層間の密着性が高く、柔軟性に優れた積層体、及び該積層体を備えた画像不良の発生を低減した導電性ローラを提供することを目的とする。
本発明の積層体は、基層と、該基層上に形成された表層とを備える積層体であって、前記表層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び25℃での粘度が10mPa・s以下のアクリルアミドモノマーを含む表層混合物を硬化させてなる紫外線硬化樹脂からなり、前記表層混合物における前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと前記アクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であることを特徴とする。
本発明の積層体によれば、層間の密着性が高く、柔軟性に優れた積層体とすることができる。
本明細書において、「イソシアネートインデックス」は、イソシアネート基(NCO基)含有化合物及びOH基含有化合物の混合液中における、NCO基/OH基のモル比を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも1つを意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルのうち少なくとも1つを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基(CH=CHCO−)及びメタクリロイル基(CH=C(CH)CO−)のうち少なくとも1つを意味する。
本発明の積層体は、前記基層が、ポリオール及びイソシアネートを含む基層混合物を反応させてなるポリウレタン樹脂からなり、前記ポリオールの重量平均分子量が500〜8,000であり、前記基層混合物のイソシアネートインデックスが1.1〜2.0であることが好ましい。
この構成によれば、層間の密着をより向上させることができる。
本発明の積層体は、前記アクリルアミドモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミドであることが好ましい。この構成によれば、層間の密着性をより向上させることができる。さらに、積層体の柔軟性をより向上させることができる。
本発明の導電性ローラは、本発明の積層体を備えることを特徴とする。本発明の導電性ローラによれば、画像不良の発生を低減させることができる。
本発明によれば、層間の密着性が高く、柔軟性に優れた積層体、及び該積層体を備えた画像不良の発生を低減した導電性ローラを提供することができる。
図1は、本発明の積層体の一実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明の導電性ローラの一実施形態を示す断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を例示する。
(積層体)
本発明の積層体は、少なくとも、基層と、該基層上に形成された表層とを備え、さらに、必要に応じて、その他の層を有する。
図1は、本発明の積層体の一実施形態の断面図である。図1に示す積層体1は、基層2と、該基層2上に形成、即ち表層2の外側に接して形成された表層3とを備える。
<表層>
上記表層は、表層混合物を硬化させてなる紫外線硬化樹脂からなる。
<<表層混合物>>
上記表層混合物は、少なくとも、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、アクリルアミドモノマーとを含み、必要に応じてその他の成分を含む。
−ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー−
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、一分子中にアクリロイル基(CH=CHCO−又はCH=C(CH)CO−)を1つ以上有し、ウレタン結合(−NHCOO−)を1つ以上有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリブタジエン系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、カーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、樹脂の抵抗が低く、導電性ローラとしたときに電気的特性が優れる点で、好ましい。
−アクリルアミドモノマー−
上記アクリルアミドモノマーとしては、25℃の粘度が10mPa・s以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドは粘度が低く、表層混合物が硬化した基層に浸み込みやすくなる点で有利であり、特に、N,N−ジメチルアクリルアミドは、分子サイズが小さく、表層混合物が、硬化した基層により浸み込みやすいため、層間の密着性をより向上させることができ、さらに、積層体の柔軟性をより向上させることができる。本例では、好ましくは基層硬化後に表層を流し込んで作ることが好ましい。
−アクリルアミドモノマーの粘度−
液体の粘度は、JIS Z 8803:2011の方法で測定することができ、本発明における25℃の粘度も当該方法で測定するものとする。該方法で各種アクリルアミドモノマーの粘度(mPa・s)を測定すると、N,N−ジエチルアクリルアミド(1.7mPa・s)、N,N−ジメチルアクリルアミド(1.3mPa・s)、4−アクリロイルモルホリン(12mPa・s)、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(280mPa・s)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(70mPa・s)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド塩化メチル4級塩(85mPa・s)、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド(35mPa・s)、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド(55mPa・s)である。なお、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸は、25℃において固体であり、粘度の測定はできない。
−ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとアクリルアミドモノマーとの質量比−
上記表層混合物における上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと上記アクリルアミドモノマーとの質量比としては、80/20〜40/60の範囲である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65/35〜45/55が好ましく、60/40〜50/50がより好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとアクリルアミドモノマーとの質量比について、前記アクリルアミドモノマーの割合を高くすると、表層と基層との密着性を向上させることができ、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの割合を高くすると、柔軟性に優れた積層体とすることができる。前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとアクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であると、層間の密着性が高く、柔軟性に優れた積層体とすることができる。前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとアクリルアミドモノマーとの質量比が、前記好ましい範囲内又は前記より好ましい範囲内であると、紫外線硬化後の積層体の柔軟性をより向上させることができる点で有利である。
<<紫外線硬化樹脂>>
上記紫外線硬化樹脂としては、紫外線の光エネルギーにより(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びアクリルアミドモノマーが反応して硬化されてなる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジカル系光重合開始剤を使用するタイプ、カチオン系光重合開始剤を使用するタイプ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ラジカル系光重合開始剤が、反応速度が速く、未硬化不純物が少ない点で、好ましい。
−その他の成分−
上記表層混合物に必要に応じて含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光重合開始剤、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー以外のオリゴマー、アクリルアミドモノマー以外のモノマー、微粒子、触媒、整泡剤、イオン導電剤、充填剤、しゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤、架橋剤、加硫剤、重合禁止剤、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−光重合開始剤−−
上記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸;4−ジメチルアミノ安息香酸エステル;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;アセトフェノンジエチルケタール;アルコキシアセトフェノン;ベンジルジメチルケタール;ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;キサントン、チオキサントン等のチオキサントン誘導体;フルオレン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1;などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは、安価の点で有利である。
−−ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー以外のオリゴマー−−
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー以外のオリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー、フッ素系(メタ)アクリレートオリゴマー、シリコーン系(メタ)アクリレートオリゴマー、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−アクリルアミドモノマー以外のモノマー−−
上記アクリルアミドモノマー以外のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ラウリルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレート、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−微粒子−
上記微粒子に用いられる材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーンゴム、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル/スチレン共重合体、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、メラミン樹脂、フェノール樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ウレタンエラストマーの微粒子が、柔軟性の向上、樹脂との密着性の向上の点で、好ましい。
<基層>
上記基層は、基層混合物を反応させてなる。前記基層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
<<ポリウレタン樹脂>>
上記ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエーテル系ウレタン樹脂が、樹脂の抵抗値が低く、加水分解が起こりにくい点で好ましい。また、(メタ)アクリレート基を有するポリウレタン樹脂であると、紫外線を照射することによって紫外線硬化させることができる。特に、(メタ)アクリレート基をポリウレタンの末端に導入したポリウレタンは、紫外線硬化の効率が優れる点で好ましい。
<<基層混合物>>
上記基層混合物がポリウレタン樹脂の場合は、少なくとも、ポリオールと、イソシアネートとを含み、さらに、必要に応じて、その他の成分を含む。
−ポリオール−
上記、ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、アルキレンオキサイド変性ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−ポリオールの重量平均分子量−−
上記ポリオールの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500〜8,000が好ましく2,000〜6,000がより好ましい。
上記ポリオールの重量平均分子量が500以上であると、基層が柔らかくなることにより、表層混合物が硬化した基層に浸み込みやすくなり、8,000以下であると層間の密着性を向上させることができる。前記ポリオールの重量平均分子量が、前記より好ましい範囲内であると、製造プロセスにおいて扱いやすい粘度となる点で有利である。なお、上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算の値として求めることができる。
−イソシアネート−
上記イソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、プレポリマー化トリレンジイソシアネート(プレポリマー化TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);これらのイソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、グリコール変性物等;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イソホロンジイソシアネートが、製造プロセスにおいて粘度調整をしやすい点、基層の柔軟性を確保しやすくなる点、などで有利である。
−−イソシアネートインデックス−−
前記イソシアネートインデックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.1〜2.0が好ましく、1.2〜1.6がより好ましい。
前記基層混合物のイソシアネートインデックスが、1.1以上であると、架橋密度が大きくなることにより樹脂強度が高くなり、2.0以下であると、未反応のイソシアネート基が残存しにくいことにより硬化体の物性変化が生じにくくなる。前記イソシアネートインデックスが、前記より好ましい範囲内であると、製造プロセス面での粘度調整がし易くなる点及び基層の柔軟性が優れる点で有利である。
−その他の成分−
上記ポリウレタン樹脂に必要に応じて含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、触媒、整泡剤、エラストマー、光重合開始剤、微粒子、イオン導電剤、充填剤、しゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤、架橋剤、加硫剤、重合禁止剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−触媒−−
熱硬化型ポリウレタンを用いる場合は、上記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫アセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫チオカルボキシレート、オクテン酸錫、モノブチル錫オキシド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジブチル錫ジラウレートが、触媒活性が高い点で、好ましい。
−−整泡剤−−
上記整泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系整泡剤、イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、シリコーン系整泡剤が、発泡体の泡均一性が良好になる点で、好ましい。
−エラストマー−
上記エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ポリノルボルネンゴム、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);これらの混合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の層>
本発明の積層体は、必要に応じて、その他の層を有する。
その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接着層、などが挙げられる。
(導電性ローラ)
本発明の導電性ローラは、少なくとも、上述の積層体を備える。本発明の導電性ローラは、シャフトと、該シャフトに形成された積層体を備えた公知の構造とすることができる。
図2は、本発明の導電性ローラの一実施形態を示す断面図である。図2に示す導電性ローラ4は、長さ方向両端部を軸支されて取り付けられるシャフト5と、該シャフト5の半径方向外側に配設された弾性層6(本発明の積層体の基層に相当)とを備えている。なお、図2に示す導電性ローラ4は、弾性層6を1層のみ有するが、弾性層を2層以上有していてもよい。また、図2に示す導電性ローラ4は、弾性層6の半径方向外側に表層7(本発明の積層体の表層に相当)を備えている。また、図2に示す導電性ローラ4において、表層7は微粒子8を含むが、微粒子を含有することは必須ではない。更に、図2に示す導電性ローラ4は、表層7を1層のみ有するが、表層を2層以上有していてもよい。
本発明の導電性ローラの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電ローラ、トナー供給ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ、定着ローラなどが挙げられる。
帯電ローラ、現像ローラは、表層との密着性が特に必要とされる。したがって、本発明の導電性ローラは、これら帯電ローラ又は現像ローラであることが好ましい。
<シャフト>
シャフトとしては、良好な導電性を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属製又は樹脂製の、中空円筒体、中実円柱体、などが挙げられる。
本発明の積層体では、アクリルアミドモノマーが基層に浸透しやすいため、アクリルアミドモノマーが基層へ浸透した後に紫外線照射することにより、浸透したアクリルアミドモノマーが硬化し、高強度なアミド架橋物により投錨効果が発揮されると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
積層体を下記の方法により作製した。
(実施例1〜15及び比較例1〜23)
<基層混合物の調製>
ポリオールとして、表1〜3に記載のポリオールを用い、イソシアネートとしてイソホロンジイソシアナート(エボニックジャパン(株)製)を用いた。さらに、ポリウレタンに(メタ)アクリレート基を導入するために、水酸基を含有する(メタ)アクリレートである2−ヒドロキシプロピルアクリレート(製造会社:共栄社化学社、商品名:ライトエステルHOP−A(N))を用いた。光重合開始剤としてIRGACURE184(製造会社:BASF社)を用いた。上記の各成分を、表1〜3に記載の割合(質量部)で配合した。なお、イソホロンジイソシアナートは、表1〜3に記載のイソシアネートインデックスとなるように配合した。
<基層作製>
プラネタリーミキサーを用いて、基層混合物を50rpm、1時間撹拌した。内面がフッ素コーティングされた200mm×200mm×2mmのモールドに、上記基層混合物を流し込んだ。オーブンを用いて120℃で30分間加熱し、硬化したウレタン樹脂の基層をモールドから取り出した。
<エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマーの調製>
ポリオールとして、両末端水酸基ポリプロピレンジオールのサンニックスPP−2000(分子量2000)(製造会社:三洋化成工業社)を用い、イソシアネートとして、イソホロンジイソシアナート(製造会社:エボニックジャパン社)を用い、末端のイソシアネートのキャップには、2−ヒドロキシエチルアクリレート:ライトエステルHOA(N)(製造会社:共栄社化学社)を用いて、イソシアネートインデックスを2.0として配合して、エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマーを調製した。
<エステル系ウレタンアクリレートオリゴマーの調製>
ポリオールとして、両末端水酸基ポリカプラクトンジオールのプラクセル220N(分子量2000)(製造会社:ダイセル社)を用い、イソシアネートとして、イソホロンジイソシアナート(製造会社:エボニックジャパン社)を用い、末端のイソシアネートのキャップには、2−ヒドロキシエチルアクリレート:ライトエステルHOA(N)(製造会社:共栄社化学社)を用いて、イソシアネートインデックスを2.0として配合して、エステル系ウレタンアクリレートオリゴマーを調製した。
<カーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマーの調製>
ポリオールとして、両末端水酸基ポリカーボネートジオールのデュラノールT5652(分子量2000)(製造会社:旭化成ケミカル社)を用い、イソシアネートとして、イソホロンジイソシアナート(製造会社:エボニックジャパン社)を用い、末端のイソシアネートのキャップには、2−ヒドロキシエチルアクリレート:ライトエステルHOA(N)(製造会社:共栄社化学社)を用いて、イソシアネートインデックスを2.0として配合して、カーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマーを調製した。
<ブタジエン系ウレタンアクリレートオリゴマーの調製>
ポリオールとして、両末端水酸基水素化ポリブタジエンのGI−2000(分子量2100)(製造会社:日本曹達社)を用い、イソシアネートとして、イソホロンジイソシアナート(製造会社:エボニックジャパン社)を用い、末端のイソシアネートのキャップには、2−ヒドロキシエチルアクリレート:ライトエステルHOA(N)(製造会社:共栄社化学社)を用いて、イソシアネートインデックスを2.0として配合して、ブタジエン系ウレタンアクリレートオリゴマーを調製した。
<表層混合物の調製>
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、上記で得た、エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、エステル系ウレタンアクリレートオリゴマー、カーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマー、及びブタジエン系ウレタンアクリレートオリゴマーのいずれかを用い、アクリルアミドモノマーとして、表1〜3に記載の各種モノマーを用い、光重合開始剤として、Irg.907(製造会社:BASF社)を用いた。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリルアミドモノマー、及び光重合開始剤を表1〜3に記載の割合(質量部)で配合し、ディスパーミキサーを用いて、4,000rpm、30分間撹拌し、表層混合物とした(実施例1〜15、比較例1〜23)。
<表層形成>
実施例1〜15及び比較例1〜23では、上記記載の方法で得られた基層に、0.1mm厚の金属製スペーサーを取り付け、前記表層混合物を流し込んだ。その後、前記表層混合物の上部にポリエチレンテレフタラートフィルム(PETフィルム)及び5mm厚のパイレックス(登録商標)ガラスを被せた。その後、6インチUVランプ−コンベアシステム(製造会社:FusionUV社)のDバルブを用いて、紫外線を照射して、前記表層混合物を硬化させて積層体を得た。ここで、コンベアスピードは、2cm/secとした。また、照射した紫外線(365nm)のピーク強度は1584mW/cmであり、積算光量は1086mJ/cmであった。
得られた積層体の表層及び基層間の密着性を下記の碁盤目試験で評価した。得られた積層体の柔軟性を下記柔軟性試験で評価した。
<碁盤目試験>
密着性は、JIS法碁盤目試験(JIS K 5600−5−6:1999)で評価した。具体的には、所定の治具を用い縦横5個、合計25個の碁盤目をカミソリ[ジレット製]で切り込み、セロテープ(登録商標)を貼り付けた後、一気にセロテープを剥がし、セロテープにより碁盤目が剥がれるか否かを試験し、剥がれなかった碁盤目の数を数えることにより、密着性を評価した。結果を表1〜3に示す。密着性は5段階で評価し、数値が高いほど密着性が優れることを示す。
<柔軟性試験>
2cm×2cm×厚み1mmのシートの積層体を試料とした。マイクロゴム硬度計(機種名:MD−1)を用いて、各試料の硬度を5点測定し、5点の平均値を柔軟性の指標とした。結果を表1〜3に示す。柔軟性は4段階で評価し、61°〜70°を1で表し、51°〜60°を2で表し、41°〜50°を3で表し、30°〜40°を4で表す。数値が高いほど柔軟性が優れることを示す。
Figure 2017001330
Figure 2017001330
Figure 2017001330
注)
*1(両末端水酸基ポリプロピレンジオールサンニックスPP−2000):三洋化成工業社製、型番・品名:サンニックスPP−2000
*2(両末端水酸基ポリプロピレンジオールPML S 4006):旭硝子社製、型番・品名:PML S 4006
*3(N,N−ジエチルアクリルアミド):興人社製、型番・品名:DEAA
*4(N,N−ジメチルアクリルアミド):興人社製、型番・品名:DMAA
*5(4−アクリロイルモルホリン):興人社製、型番・品名:ACMO
*6(N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド):興人社製、型番・品名:HEAA
*7(N−イソプロピルアクリルアミド):興人社製、型番・品名:NIPAM
*8(N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド):興人社製、型番・品名:DMAPAA
*9(N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド塩化メチル4級塩):興人社製、型番・品名:DMAPAA−Q
*10(ジアセトンアクリルアミド):日本化成社製、型番・品名:ダイアセトンアクリルアミド
*11(N−(ブトキシメチル)アクリルアミド):三菱レイヨン社製、型番・品名:NMBA
*12(N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド):三菱レイヨン社製、型番・品名:IBMA
*13(N−(メトキシメチル)アクリルアミド):三菱レイヨン社製、型番・品名:NMAA
*14(N−tert−ブチルアクリルアミド):三菱レイヨン社製、型番・品名:TBAA
*15(N,N’−メチレンビスアクリルアミド):三菱レイヨン社製、型番・品名:MBAA
*16(tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸):三菱レイヨン社製、型番・品名:TBAS−Q
*17(N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド):東亜合成社製、型番・品名:M−140
*18(ラウリルアクリレート):共栄社化学社製、型番・品名:ライトアクリレートL−A
*19(2−ヒドロキシエチルアクリレート):共栄社化学社製、型番・品名:ライトエステルHOP−A(N)
*20(2−アクリロイロキシエチル−コハク酸):新中村化学社製、型番・品名:HOA−MS(N)
*21(Irg.907):BASF社製
比較例2〜17と実施例1、5とを比較することにより、表層混合物に粘度が10mPa・s以下のアクリルアミドモノマーを含むことが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
比較例1、21〜23と実施例10〜13、15とを比較することにより、前記表層混合物における前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと前記アクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
比較例18〜20と実施例5、14とを比較することにより、前記表層混合物における前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと前記アクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であることが、本発明の効果を得るために必要であることが示された。
実施例15と実施例14との比較、及び、実施例1と実施例5との比較により、N,N−ジメチルアクリルアミドは、N,N−ジエチルアクリルアミドより、密着性がより優れる点で有利であることが示された。
本発明の積層体は、例えば、帯電ローラ、トナー供給ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ、定着ローラなどの導電性ローラに好適に利用可能である。本発明の導電性ローラは、例えば、帯電ローラなどとして好適に利用可能である。
1 積層体
2 基層
3 表層
4 導電性ローラ
5 シャフト
6 弾性層(基層)
7 表層
8 微粒子

Claims (4)

  1. 基層と、該基層上に形成された表層とを備える積層体であって、
    前記表層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び25℃での粘度が10mPa・s以下のアクリルアミドモノマーを含む表層混合物を硬化させてなる紫外線硬化樹脂からなり、
    前記表層混合物における前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと前記アクリルアミドモノマーとの質量比が、80/20〜40/60の範囲であることを特徴とする、積層体。
  2. 前記基層が、ポリオール及びイソシアネートを含む基層混合物を反応させてなるポリウレタン樹脂からなり、
    前記ポリオールの重量平均分子量が500〜8,000であり、前記基層混合物のイソシアネートインデックスが1.1〜2.0である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記アクリルアミドモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミドである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体を備えることを特徴とする、導電性ローラ。
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