JP2017000838A - 医療用装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記光源部は、口腔の歯牙、歯肉、歯垢及び歯石のうち少なくとも1つに照射するための光を発する。
上記光検出部は、光源部から照射された光に対して発せられる上記口腔からの蛍光を検出する。
上記制御部は、上記光検出部により検出された蛍光に基づき、上記蛍光の強度の経時変化を可視化するための第1のデータを出力する。
このように深さ方向における歯周病菌の分布の様子を画像から把握することができ、治療による深さ方向に分布する歯周病菌の殺菌の経過をリアルタイムに観察することができる。
これにより、歯牙又は歯肉に付着する歯垢や歯石の深さ方向における歯周病菌の分布の様子を画像から把握することができ、治療による歯周病菌の殺菌の経過をリアルタイムに観察することができる。
これにより、患者や施術者は、歯周病菌の殺菌状況や、歯垢又は歯石の除去状況をほぼリアルタイムに観察することができることに加え、口腔内のどの箇所の治療であるかを把握することができる。
このように、歯牙又は歯肉表面付近、又は歯垢内の、歯周病菌の殺菌状況をほぼリアルタイムに観察することができる。
上記光検出部は、上記波長の光に対して発せられる上記口腔からの蛍光、反射光及び拡散光のうち少なくとも1つを検出してもよい。
歯周病菌と結合、又は歯周病菌を取り囲む光感受性薬剤は、赤色光等の固有の吸収帯に属する波長の光が照射されることで蛍光を発する。従って、歯垢や歯石から発する蛍光強度の経時変化から歯垢や歯石の除去状態をリアルタイムに把握することができる。
また上記波長の光は、血流量、又は、血流速を計測するための照射光源としても使える。さらに酸素飽和度を計測するための照射光源にもなり得る。酸素飽和度計測時には、場合によっては近赤外光と組み合わせて評価してもよい。近赤外光は、血流を促進する効果もあるため、診断をしながら、治癒を促進することもできる。
血流量を検出することにより、患者の疼痛状態を把握することができる。
酸素飽和度を検出することにより、炎症の度合いを定量的に評価ができる。またPDT(光線力学的治療)の効果を予測することもできる。さらに生体の基礎的な状態を把握できるため、臨床研究段階でPDT効果が得られた原因、得られなかった原因を考察するのに大変役立つ情報源となる。
歯周病に関与する主な菌は嫌気性細菌(偏性嫌気性細菌もしくは通性嫌気性細菌)であるため、患部に空気を吹きかけながら光を照射することにより、より殺菌効力が向上する。
上記励起光の照射では、光感受性薬剤が投与された口腔の歯肉に上記光感受性薬剤に対する励起光を照射する。
上記蛍光強度の検出では、上記歯肉表面における蛍光強度を検出する。
上記深さ方向における蛍光強度の経時変化は、計算により求められた基底状態の上記光感受性薬剤の上記歯肉の深さ方向における分布の経時変化、計算により求められた上記励起光の上記深さ方向における強度分布の経時変化、及び、上記検出された上記歯肉表面の蛍光強度に基づいて、計算する。
上記光源部は、感染症に対する治療及び予防のうち少なくとも一方が行われる施術部位に照射するための光を発する。
上記光検出部は、上記光源部から照射された光に対して発せられる上記施術部位からの蛍光を検出する。
上記制御部は、上記光検出部により検出された蛍光に基づき、上記蛍光の強度の経時変化を可視化するためのデータを出力する。
これにより、例えば関節鏡下手術時や腹腔鏡下手術時その他の治療の際における感染症の治療又は予防に、上記医療用装置を用いることができる。
上記制御部は、上記光の照射に対して発せられる上記光感受性薬剤からの蛍光の上記施術部位における強度の分布に基づき、上記データを出力してもよい。
このように施術経過の状況を画像から把握し、リアルタイムに観察することができる。
上記施術部位に上記光感受性薬剤に対する励起光が照射される。
上記施術部位における蛍光強度が検出される。
上記光の照射に対して発せられる上記光感受性薬剤からの蛍光の上記施術部位における強度に基づいて、上記施術部位における上記蛍光強度の経時変化が計算される。
[歯用装置の概要]
本実施形態は、歯周病の治療・診断や歯垢、歯石の除去時等に用いられる歯用装置に関する。
図16は、PDTの光化学反応を示す。
図16に示すように、光感受性薬剤(Photosensitizer)90は、励起光を吸収してエネルギーを得て基底状態93から一重項励起状態94となる。多くのエネルギーは、項間交差により一重項励起状態94から三重項励起状態95に移行するが、残りの一部は一重項状態94から基底状態93に戻り、このときに蛍光を発する。また、三重項励起状態95の光感受性薬剤90が三重項状態の酸素97と衝突すると、エネルギーを酸素に移譲し、酸化力の強い一重項酸素98を生成する。この酸化力により周囲の細胞や組織に傷害を与えるとともに、光感受性薬剤90を破壊(ブリーチング)する。ブリーチングが生じると、実効的な薬剤量が減るため、蛍光量も減る。従って、蛍光量の減少は、ブリーチング及び組織傷害量の指標となる。
ここで、歯周病菌の表面は負電荷に帯電しているため、カチオンの光感受性薬剤の投与により、静電相互作用により光感受性薬剤と歯周病菌が結合する。この状態に光感受性薬剤を励起する励起光を照射すると、光感受性薬剤と結合している歯周病菌のみが死滅する。歯周病菌を取り込まれるタイプの光感受性薬剤においても、この薬剤の投与によって光感受性薬剤を取り込んだ歯周病菌は励起光の照射により死滅する。
従って、口腔内に光感受性薬剤を投与し励起光を照射することにより、歯周病菌を殺菌するとともに、口腔内から発する蛍光強度の経時変化から歯周病菌の殺菌状況を把握することができる。
光感受性薬剤を励起する光としては、レーザ光、発光ダイオード光、又は白色光源を用いることができる。
深さ方向での殺菌状況の経時変化は、計算により求められた基底状態の光感受性薬剤の深さ方向における分布の経時変化、計算により求められた光の深さ方向における強度分布の経時変化、及び、光検出部により検出された歯肉表面の蛍光強度を基に、計算する。
歯垢や歯石は青色光が照射されることにより蛍光を発する。これを利用し、歯垢や歯石除去時に、この蛍光の強度の経時変化を観察することにより、歯垢や歯石の除去状況をリアルタイムに観察することができる。
(第1の実施形態)
本実施形態においては、光感受性薬剤とこの薬剤の吸収波長にあった励起光を用いて歯周病治療、又は、診断する場合を例にあげて説明する。
本実施形態では、まず歯牙及び歯肉を有する口腔の三次元モデルを取得する。次に、光感受性薬剤を口腔に投与し、励起光を照射して、治療、又は診断を行う。治療時、取得した三次元モデル上で口腔内のどの箇所に励起光を照射、すなわち治療しているかを示す画像を表示するのに加え、歯肉、歯垢、又は、歯石の深さ方向に分布する歯周病菌の殺菌状況を示す画像もモニターの表示部に表示する。
まず、本実施形態における歯用装置の構成について説明する。
[1.歯用装置の構成]
モニター2は、画像を表示する表示部21を有する表示装置である。モニター2は、本体5と有線又は無線で接続される。また、モニター2を設けず、本体5に表示部を設けてもよい。
図19は、治療時にモニター2の表示部21に表示される画像の一例である。
表示部21の左上領域には、三次元モデル取得用プローブ4を用いて取得した口腔内の三次元モデル211が表示される。三次元モデル211にはどの箇所が現在治療診断光が照射されて治療している箇所かを指し示す指の矢印マーク91が表示される。また、既に治療済みの箇所は、円92で囲まれて示され、治療履歴を把握することができる。さらに治療効果の大小を視覚的にマッピングすることもできる。
表示部21の左下領域には、治療診断用プローブ3にて現在治療している箇所の実画像(カメラ画像)212が表示される。この実画像212は、例えば治療診断用プローブ3に設けられた撮像部により撮影される。
表示部21の右上領域には、治療診断光が照射される領域における、治療診断用プローブ3のドップラー計測部31で求められた血流量の経時変化を示すグラフの画像213が表示される。
表示部21の右下領域には、歯肉の深さ方向に対する歯周病菌の殺菌状況、又は、基底状態の光感受性薬剤量の経時変化を示すグラフの画像214が表示される。画像214において、S1は基底状態の光感受性薬剤94を示す。
また、画像214の縦軸は、図13に示すフロー図に則って算出した殺菌効果という指標でもよい。
図3は三次元モデル取得用プローブ4を用いて口腔内を撮影している様子である。
図2及び図3に示すように、空間角度検出部となるレシーバ8は、メッシュ状に多数磁気センサ8aが配列された磁気センサ群である。
レシーバ8は、撮影時及び歯周病治療時に、任意に選択された1つの歯牙、例えば左上の中切り歯に設置される。治療時及び撮影時では、口腔内の同じ箇所にレシーバ80が設置される。
レシーバ8は、撮影時の撮影箇所の位置情報を取得する際の基準位置となるものである。レシーバ8は、後述するロケータ信号発生部48からロケータ信号を受信し、撮影箇所の位置情報を基準位置であるレシーバ8からの絶対位置情報として求め、後述する本体5の位置角度情報受信部58に送信する。
図3に示すように、三次元モデル取得用プローブ4は、口腔内を撮影するものである。三次元モデル取得用プローブ4は把持部を有する棒状であり、施術者がこれを把持し、三次元モデル取得用プローブ4の先端を口腔に入れて歯牙や歯肉を撮影する。撮影時、任意に選択した1つの歯牙、例えば左上の中切り歯にレシーバ8が設置される。
撮影では、口腔内を部分的に撮影する。三次元モデル取得用プローブ4を口腔内で走査し、走査しながら撮影して複数の部分画像データを取得し、後述する本体5でこれら複数の部分画像データを構築して1つの口腔内の三次元モデルを形成する。
三次元モデル取得用プローブ4は、本体5と有線又は無線で接続される。
撮像部42は、レンズに入ってきた口腔内の光の画像データを電気信号に変換する。
画像転送部43は、撮像部42で得られた画像データを本体5の画像受信部57に転送する。
ロケータ信号発生部48は、撮影箇所の位置情報であるロケータ信号をレシーバ8に送信する。
角度検出部44は、加速度センサやMEMSジャイロセンサなどを用いて、撮影時における三次元モデル取得用プローブ4の撮影角度を検知する。
角度情報送信部45は、角度検出部44から受信した三次元モデル取得用プローブ4の撮影角度情報を、本体5の位置角度情報受信部58に送信し、画像データと、レシーバ8を介して受信した位置情報を本体5の画像処理部53で紐付けする。
図4に示すように、三次元モデル取得用プローブ4の先端の表側4aには、口腔に光を照射する照明部41と、撮像部であるアレイレンズつきCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)42が設けられている。
アレイレンズつきCMOSイメージセンサ42は、照明部41から出射された光が撮影箇所である歯牙や歯肉に照射され、該歯牙や歯肉で反射した戻り光を、イメージセンサの受光面に結像させ、その像の光による明暗を電荷の量に光電変換し、それを読みだして電気信号に変換する撮像素子である。
また、アレイレンズつきCMOSイメージセンサ42は、異なる焦点を持つアレイレンズを備えている。CMOSイメージセンサはCCDイメージセンサなどでもよい。
アレイレンズつきCMOSイメージセンサ42は、メインレンズ424と、再構築画像プレーン423と、アレイレンズ422と、イメージプレーン421を具備する。
アレイレンズ422は、異なる焦点を持っており、焦点イメージを再構築処理することで、メインレンズ424のフォーカスを可変することなく、様々な焦点画像を得ることができる。このようなアレイレンズつきのイメージセンサを用いることにより、一回の撮影で異なる焦点位置における画像を得ることができ、また、焦点距離ごとに取得した画像を処理することにより、全焦点画像を構築でき、奥行き情報も得ることができる。これにより、図7(a)に示すような、口腔内の画像としての三次元モデル211を得ることができる。
本実施形態では、アレイレンズつきCMOSイメージセンサ42により口腔画像を得ているので、レントゲン撮影のような被爆がなく、歯肉部分を含めた口腔内の立体的な配置を三次元モデルとして再現することができる。また、歯型のように成形品が完成するまで待つことなく、すぐに立体像を入手できる上、X線には写らない歯肉まで立体的に可視化できる。
図5に示すように、三次元モデル取得用プローブ4の先端の裏側4bには、ロケータ信号発生部であるロケータ信号発生器48と、加速度センサ又はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ジャイロセンサ44が設けられている。
ロケータ信号発生器48には、磁気発生器などが用いられる。ロケータ信号発生器48はロケータ信号を発する。
加速度センサ又はMEMSジャイロセンサ44は、撮影時の三次元モデル取得用プローブ4の撮影角度情報を検知する角度検出部である。
図1に戻って、治療診断用プローブ3は把持部を有する棒状である。
図8に示すように、治療診断用プローブ3は、治療診断時に口腔内に挿入され、その先端を患部に接触又は非接触の状態で用いられる。治療診断用プローブ3からは、歯周病菌を死滅させる、光感受性薬剤を励起するレーザ光やLED光などが出射される。
図10は、治療診断用プローブ3の先端部の概略断面図である。
図2、図9及び図10に示すように、治療診断用プローブ3は、受光部である受光プローブ33と、照射部である治療診断光照射プローブ34と、ドップラー計測部31と、酸素飽和度計測部32を備える。
受光プローブ33で受けた蛍光及び拡散反射光は光ファイバによって本体5まで導かれ、後述する本体5の光検出部56にて分光され、蛍光強度及び拡散反射光強度が検出される。
受光プローブ33は複数、本実施形態においては2つ設けられる。また、受光プローブを複数設ける場合、各受光プローブから治療診断光照射プローブまでの距離を異ならせて、受光プローブを配置する。もしくはイメージングファイバを受光プローブ33として採用し、1本で検出してもよい。
ドップラー計測部31は、計測された血流量情報を本体5の血流量受信部59に送信する。
図17に示すように、参照光型のドップラー計測部31は、光源311と、周波数シフタ312と、検出器313と、解析部314とを有する。
ドップラー計測部31においては、赤血球の移動速度を血流速として検出する。ドップラー計測部31において、光源311から出力される周波数f0のレーザ光は、歯肉70の表面に照射され、速度vで動いている血管中の赤血球71で散乱する。この散乱光の周波数はドップラー効果により赤血球の移動速度分だけわずかに偏移し(ドップラーシフト)、f0+Δfとなる。検出器313では、この散乱光の周波数を検出する。解析部314では、散乱光に、歯肉70に入射する前の光を参照光として、ドップラーシフトを検出し、このドップラーシフトを基にして速度vが求められる。また、周波数シフタ312は、測定対象である赤血球71の変位方向を区別するために設けられており、解析部314にて測定対象の変位方向が区別される。
差動型では、光源1311からの1本のレーザビームを2本のビームに分化し、この2本のビームを集光して交差させ、その交差位置でレーザ光照射方向により散乱光の干渉が生じる。この干渉縞の間隔は、測定対象である歯肉70の赤血球による散乱光のドップラーシフト量により差が生じるので、これを検出器1313で検出し、解析部1314で血流速を求める。
酸素飽和度計測部32は、計測された酸素飽和度を本体5の酸素飽和度受信部50に受信する。
また、歯周病患部は一般に腫れなどの症状があるため、治療診断光を照射する前に、血流量及び酸素飽和度を計測することにより、患部を特定することもできる。
図2に示すように、本体5は、光源部55と、光検出部56と、画像受信部57と、位置角度情報受信部58と、画像処理部53と、制御・解析部54と、を有する。
本体5は、スイッチ51と、安全装置部52と、血流量受信部59と、酸素飽和度受信部50とを有する。
治療診断光として、赤色光を用いることができる。赤色光は、PDD/PDT用光源、血流計測用光源、酸素飽和度計測用光源として用いることができる。
また、治療診断光は赤色光に限定されず、光感受性薬剤の吸収帯に属する波長の光であればよい。
画像受信部57は、三次元モデル取得用プローブ4の画像転送部43より転送されてきた歯牙及び歯肉を有する口腔内の画像データを受信、記録する。または治療診断プローブ3のイメージャーからの画像を受信、記録することもできる。
位置角度情報受信部58は、三次元モデル取得用プローブ4の角度情報送信部45から位置情報(空間位置情報及び撮影角度情報)を受信、記録する。位置角度情報受信部58は、口腔内の撮影位置情報を、任意の位置に、ここでは左上の中切り歯に、基準位置を設定し、該基準位置からの絶対位置情報として受信する。
画像処理部53は、画像受信部57で受信した画像データと、位置角度情報受信部58で受信した位置情報とを紐付けする。
制御・解析部54は、安全装置部52で例えば本体5の作動状況が危険であると判断されると、本体5の作動を停止する。
制御・解析部54は、口腔内の複数の部分画像データそれぞれの、紐付けされた全焦点画像、位置情報及び撮影角度情報をマージして、口腔の三次元モデルを構築し、この三次元モデルを可視化するためのデータを出力し、表示部21に三次元モデルを表示させる。
制御・解析部54は、画像処理部53から受信した、位置情報が紐付けされた画像データと、治療診断用プローブ3の光照射位置とを対応させる。そして、口腔の三次元モデルのどの箇所がレーザ光照射されているかを可視化するための第2のデータを出力し、表示部21に治療箇所が示された口腔の三次元モデルの画像を表示させる。
口腔内の光照射位置を示す方法としては、例えば、図7(a)に示すように、医師が三次元モデル上に照射位置を指の矢印マーク91でクリックして指定したり、それを自動で行えるように治療診断用プローブ3に、三次元モデル取得用プローブと同様の位置角度情報を取得する機構を兼ね備えたりしてもよい。そして治療中は、本体5の光検出部56と制御・解析部54によって解析された照射部の治療効果結果を、図7(b)に示すようにマッピングする。
また制御・解析部54は、計算により求められた基底状態の光感受性薬剤又は光学係数の深さ方向における分布の経時変化、計算により求められた励起光の深さ方向における強度分布の経時変化、及び、光検出部56により検出された歯肉表面の蛍光強度を基に、深さ方向における蛍光強度の経時変化を計算する。そして、蛍光強度の経時変化を可視化した第1のデータを表示部21に対して出力し、図19に示すように表示部21の右下領域に表示させる。
制御・解析部54は、酸素飽和度受信部50から酸素飽和度情報を受信し、酸素飽和度を数値によって可視化するための第4のデータを出力し、表示部21に表示させる。尚、図19に示す表示部21に表示される画像上には酸素飽和度に関する情報が表示されていないが、表示切り替え操作により表示可能とすることができる。
安全装置部52は、光源部55からのレーザ光の出力の異常等を検出し、異常等を検出した際に、制御・解析部54に対してレーザ光の出力を強制的に停止する信号を送信する。
血流量受信部59は、治療診断用プローブ3のドップラー計測部31で計測された血流量速情報を受信する。
酸素飽和度受信部50は、治療診断用プローブ3の酸素飽和度計測部32で計測された酸素飽和度情報を受信する。
[2.光感受性薬剤]
カチオン製剤の例としては、メチレンブルー、トルイジンブルー、PPA(Phenothiazie)、フタロシアニン、C60、ポルフィリンなどがあげられる。
歯周病菌に取り込まれる薬剤としては、インドシアニングリーン(ICG)などがあげられる。
また、これらに限定されず、ポルフィマーナトリウム(Photofrin(登録商標))、Talaporfin、5-ALA、Foscan等の他の光感受性薬剤を用いることが可能である。
口腔内に光感受性薬剤が投与されることにより、光感受性薬剤は歯肉の深さ方向、及び、歯牙、歯肉、歯垢又は歯石表面に、分布する。
[3.診断及び治療の流れ]
図11に示すように、まず口腔内の三次元モデルの取得が行われる(S100)。その後、医師により歯周病診断及び患者への説明が行われ(S200)、治療が行われる(S300)。
以下、診断及び治療の流れについて詳細に説明する。
図12は、三次元モデル取得処理のフロー図43示す。以下、図12のフローに従って説明する。
まず、図3に示すように、施術者により、患者の基準位置となる左上の中切り歯上にレシーバ8が設置される(S110)。
次に、施術者により、ロケータ信号を発する三次元モデル取得用プローブ4が患者の口腔内に挿入され(S111)、照明用光源がオンされて照明部41から光が出射する(S112)。
アレイレンズつきCMOSイメージセンサ(撮像部)42は、照明部41からの光で照射される撮影箇所の画像データを電気信号に変換し、画像転送部43はこの実画像データを本体5の画像受信部57に転送する(S113)。
制御・解析部54は、画像転送部43から送信された実画像データを、表示部21に実画像として表示させる(S114)。
制御・解析部54は、施術者による撮影シャッターボタンが押されたか否かを判断する(S115)。
制御・解析部54は、S115で、撮影シャッターボタンが押されたと判断すると(YES)、次のステップに進む。
制御・解析部54は、S115で、ある所定時間、撮影シャッターボタンが押されず、押されていないと判断すると(NO)、S113に戻り、再び同様の処理が繰り返される。
本体5の画像受信部57は、三次元モデル取得用プローブ4の画像転送部43から送信された画像データを受信し、記録する(S120)。本体5の画像処理部53は、画像受信部57で記録された画像データを、焦点深度ごとに解析し、全焦点画像を構築する(S121)。
三次元モデル取得用プローブ4のロケータ信号発生部48はロケータ信号を発信する(S130)。
レシーバ8は、このロケータ信号を受信し、空間位置情報として本体5の位置角度情報受信部58に送信し、位置角度情報受信部58はこの空間位置情報を記録する(S131)。空間位置情報は、レシーバ8が設置される場所を基準位置とし、この基準位置からの絶対位置情報として記録される。
三次元モデル取得用プローブ4の加速度センサ又はMEMSジャイロセンサ(角度検出部)44は、三次元モデル取得用プローブ4の向き(撮影角度)を検出する。この撮影角度情報は、角度情報送信部45により位置角度情報受信部58に送信される(S140)。
画像処理部53は、S121で取得した、一撮影箇所における全焦点画像データと、S131で取得した空間位置情報、及び、S140で取得した撮影角度情報とを紐付けする(S151)。
その後、S113に戻り、口腔内の全画像データを取得するまで、同様の処理が繰り返される。
画像処理部53は、紐付けされた全焦点画像データ、位置情報及び撮影角度情報を、制御・解析部54に送信する。この紐付けされた全焦点画像データ、位置情報及び撮影角度情報は、三次元モデル取得用プローブ4のアレイレンズつきCMOSイメージセンサ(撮像部)42の1回の撮影で取得した口腔内の部分画像データに係る情報である。
制御・解析部54は、口腔内の複数の部分画像データそれぞれの、紐付けされた全焦点画像、位置情報及び撮影角度情報をマージして、口腔の三次元モデルを構築する(S151)。
制御・解析部54は、三次元モデルの画像データから歯周ポケットの深さや臨床的アタッチメントレベル(CAL)を算出する(S152)。
制御・解析部54は、構築した三次元モデルを表示部21に表示させる(S153)。また、制御・解析部54は、制御・解析部54で算出された歯周ポケットの深さやCALも表示部21に表示させる。
施術者は、表示部21に表示された、口腔内の三次元モデル、歯周ポケットの深さやCALを基に、口腔内の状態及び歯周病重症度を診断する。
従来、歯周ポケットの深さやCALは、プロービング法を用いて求めていた。しかしながら、プロービング法では、プローブと呼ばれる先端にメモリがついた器具を歯牙と歯肉の間に挿入して行うため、プローブにより歯肉に傷をつけ出血が生じることが多い。この出血時に菌が血液中に入り込む恐れがある。
これに対し、本実施形態では、プローブを用いずに、画像データから歯周ポケットの深さやCALを求めるので、出血を伴わない。
施術者は、表示部21に表示された口腔内の三次元モデルを患者に見せ、口腔内の状態及び治療方針を説明する。
次に、歯周病治療について説明する。歯周病治療は、三次元モデル取得時に用いたレシーバ8を左上の中切り歯に設置したまま、治療診断用プローブ3を用いて行われる。
歯周病治療時においても、三次元モデル取得時と同様にレシーバを基準位置としており、後述では説明を省略しているが、治療診断用プローブ3にも三次元モデル取得用プローブ4と同様にロケータ信号発生器及び加速度センサ又はMEMSジャイロセンサが設けられ、これらにより治療箇所の位置情報を得ている。
図13は、治療時の歯肉の深さ方向における殺菌効果を示す画像の取得処理のフロー図である。図14は、殺菌効果を見積もる方法を説明するための図である。以下、図13のフローに従い、必要に応じて図14を用いて説明する。
まず、光感受性薬剤が患部に局所注入される(S310)。
治療診断用プローブ3は、歯肉表面に接触した状態で固定される(S311)。
その後、施術者の治療診断光照射プローブ34からの光の出射の有無を制御するスイッチのオン操作により(S312)、治療診断光照射プローブ34から励起光である治療診断光が出射する。治療診断光は、患部を照射し、歯肉や歯垢、又は歯石表面で拡散反射する。
光検出部56は、励起光の拡散反射光と蛍光とを分光し、励起光の拡散反射光から歯肉や歯垢表面の拡散反射光強度を検出し、更に、蛍光から歯肉や歯垢、又は歯石表面の蛍光強度を検出する(S321)。
光検出部56は、励起光の拡散反射光強度及び蛍光強度を記録する(S322)。光検出部56は、励起光の拡散反射光強度情報及び蛍光強度情報を制御・解析部54に送信する。
制御・解析部54は、時刻t1=0であるかどうかを判断する(S330)。
S330で、時刻t1=0と判断されると(YES)、制御・解析部54は、歯肉表面で拡散反射する前の励起光の強度と、励起光の拡散反射光の強度とから、光感受性薬剤による吸収の影響も含んだ歯肉組織や歯垢の光学係数を算出する(S331)。
S330で、時刻t1=0でないと判断されると(No)、制御・解析部54は、受光プローブ33で検出した時刻t1における歯肉表面の蛍光強度と時刻(t1−Δt)の歯肉表面の蛍光強度との差分ΔF(歯肉表面のブリーチング量)を算出する(S340)。
次に、制御・解析部54は、S340で算出した歯肉表面の蛍光強度の差分ΔFを基に、Δtの間にブリーチングした薬剤量の深さ方向に対する分布を、時刻(t1−Δt)の励起光強度分布に基づき、推定する(S341)。
次に、時刻t1における蛍光強度の深さ方向における分布を推定、算出する(S342)。この計算により、図14(c)のグラフに示すように、t=t1のときの歯肉深さ方向と蛍光強度との関係を得る。
次に、制御・解析部54は、時刻t1での薬剤吸収分を考慮した光学係数の深さ方向における光学係数の分布を推定、算出する(S343)。この計算により、図14(a)のグラフに示すように、t=t1のときの歯肉深さ方向と光学係数との関係を得る。
次に、制御・解析部54は、時刻t1における深さ方向の励起光強度分布を推定、算出し、記録する(S344)。この計算により、図14(b)のグラフに示すように、t=t1のときの歯肉深さ方向とレーザ光強度との関係を得る。
S342の後、S343〜S344の処理と平行して、制御・解析部54は、各深さ位置における時刻0と時刻t1の蛍光強度の差分を算出する(S350)。
次に、制御・解析部54は、S350の算出結果を深さ方向にプロットし、図14(d)に示す時刻t1経過時点での歯周病菌の殺菌効果を可視化するための第1のデータを出力する(S351)。第1のデータは、光検出部で検出した蛍光に基づいて、蛍光強度の経時変化を可視化するためのものである。
表示部21は、第1のデータによる画像を表示部21に表示する。図19に示すモニター2の表示部21の右下領域に表示される画像214は、第1のデータによるものである。
S361で、オフされたと判断すると(YES)、治療が終了する(S362)。
S361で、オフされていないと判断すると(No)、S320に戻り、処理が繰り返される。
施術者は、画像を確認しながら施術することにより、歯周病菌を確実に殺菌するので、レーザ光の照射時間の不足によって殺菌が不十分となるということがない。従って、レーザ光の照射時間不足により、歯周病が完治するまでに時間がかかるということがなく、治療期間を短縮することができる。
患者は、歯周病菌の殺菌状況をリアルタイムに確認することができるので、殺菌効果を実感でき、治療への取り組みが積極的となる。
上述の治療診断用プローブ3では、治療診断光としてレーザ光を用いていたが、発光ダイオード光を用いてもよいし、ランプ光源からの光を光学フィルタで切り出した光を用いてもよい。
また、上述の治療診断用プローブ3では、光を導光するのにファイバを用いている。石英やPOF(Plastic Optical Fiber)等の透過性が高く屈曲性の良い物を用いる。
尚、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を省略する。
治療診断用プローブ303は、第1の実施形態の治療診断用プローブ3の受光プローブ33の代わりにイメージセンサ338と光学フィルタ337が備えられている点が、第1の実施形態の治療診断用プローブ3と大きく異なる。治療診断光照射プローブ334は第1の実施形態の治療診断光照射プローブ34と同様に治療診断光を出射するものである。
光学フィルタ337は蛍光のみを透過する光学フィルタである。励起光に対して発せられる歯肉70や歯垢又は歯石からの蛍光を含む光は、光学フィルタ337によって蛍光のみが透過され、イメージセンサ338に入射する。イメージセンサ338では、グラデーションで蛍光の強度がマッピングされる。符号338にイメージングファイバを用いる場合は、光学フィルタ337はイメージングファイバの後段に入れることができる。
また、治療診断光照射プローブ334の光出射端面は、歯肉70から一定距離離間して配置される。これにより、治療診断光照射プローブ334のコア径よりも大きい範囲で光を照射することができる。これに対し、第1の実施形態における治療診断用プローブ3は、治療診断光照射プローブ34の光出射端面と歯肉70とが接触しているので、治療診断光照射プローブ34のコア径と同程度の径の光が照射される。
治療診断用プローブ403では、励起光に対して発せられる歯肉70や歯垢又は歯石からの蛍光を、受光プローブ433に加え、イメージセンサ又はイメージングファイバ438及び拡散板439ででも受光する。治療診断光照射プローブ434は第1の実施形態の治療診断光照射プローブ34と同様に治療診断光を出射するものであり、受光プローブ433も第1の実施形態の受光プローブ33と同様である。
拡散板439は、歯肉70側から発する光を拡散させ、イメージセンサ438に入射する光をより広範囲にするものである。イメージセンサ438では、グラデーションで蛍光の強度がマッピングされる。
治療診断用プローブ503においては、治療診断光照射プローブ534が側方もしくは全方照射プローブであり、先端が曲がっている。これにより、歯肉70の広い範囲に治療診断光を照射することができる。
治療診断用プローブ603においては、レーザ光の代わりに発光ダイオード光が用いられ、光源として発光ダイオード641が設けられる。
治療診断光照射プローブ734は、治療診断光、ドップラー計測用光及び酸素飽和度計測用光が集光してなる多色光を導光し、出射する。
空気吹きかけ部である空気吹き出し口750は、患部に対して吹きかける空気が出る部分である。歯周病に関与する主な菌は嫌気性細菌(偏性嫌気性細菌もしくは通性嫌気性細菌)であるため、治療時に空気を患部に吹きかけながら治療診断光を照射することで、より殺菌効果が向上する。
アレイレンズつきCMOSイメージセンサ752は、第1の実施形態の三次元モデル取得用プローブ4のアレイレンズつきCMOSイメージセンサ42と同様に、全焦点画像を取得できるものである。このように、三次元モデル取得機能と治療機能の双方を併せ持ったプローブとしてもよい。
照明部740は、撮影時に口腔内の撮影箇所を照らす光を出射する。
治療診断光照射プローブ34から発する光を多色光とすることにより、歯周病感染部位の深さに応じて波長を変えたり、異なる波長を同時に照射したりすることができる。例えばメチレンブルーは670nm励起が薬剤の吸収効率としても組織への侵達長としてもバランスがとれているが、ある深さ、例えば2mm以上のところに存在する感染部位に対しては治療が十分に施せない可能性がある。そこで、治療診断光照射プローブから出射される光を、670nmの波長の光と830nmの波長の光とからなる多色光とすることによって、830nmの波長の光により、薬剤の光吸収効率は低下するものの、患部深くまで光が到達できるため、深部の治療も可能となる。
図38は、光感受性薬剤の吸収係数と多色光の光侵達長特性を示す図であり、横軸は波長、縦軸は吸収係数又は光侵達長を表す。図中、実線は光感受性薬剤の吸収係数であり、破線は多色光の光侵達長を表す。
図38に示すように、多色光を用いることにより、光吸収効率は悪いが、深部、例えば3mmまで到達できる光を用いることにより、短波長では届かない深い領域までPDTを施すことができる。
また、治療診断光、ドップラー計測用光、酸素飽和度計測用光を、1本のファイバに集光してもよい。
また、図20に示すように、治療診断光のレーザダイオード光源134から発する治療診断光を導光するファイバ134a、ドップラー計測用光のレーザダイオード光源135から発するドップラー計測用光を導光するファイバ135a、酸素飽和度計測用光のレーザダイオード光源136から発する酸素飽和度計測用光を導光するファイバ136aの3芯バンドルから出射した光を、所望のNAとコア径になるような倍率の光学系138を介して単芯ファイバ137に集光してもよい。この場合、全く同一の患部に3色の光が照射されることになる。
また、図21に示すように、治療診断光の光源234から発する治療診断光、ドップラー計測用光の光源235から発するドップラー計測用光を、所望のNAとコア径になるような倍率の光学系238を介して単芯ファイバ237に集光してもよい。
次に第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、歯肉の深さ方向の歯周病菌の殺菌状況の経時変化を可視化した画像を表示したが、歯肉や歯牙の表面に存在する歯周病菌の殺菌状況の経時変化を可視化した画像を表示してもよく、以下、第2の実施形態として説明する。
第2の実施形態の歯用装置の構成は、第1の実施形態の歯用装置の構成と同じである。以下、歯肉や歯牙の表面に存在する歯周病菌の経時変化を可視化した画像の取得方法について説明する。
まず、光感受性薬剤が患部に局所注入される(S360)。
治療診断用プローブ3は、歯肉表面に接触した状態で固定される(S361)。尚、ここでは、歯肉表面に治療診断用プローブ3を接触させる場合を例に挙げて説明するが、歯牙表面においても同様である。
その後、施術者が、治療診断光照射プローブ34からの光の出射の有無を制御するスイッチをオンすることにより(S362)、治療診断光照射プローブ34からレーザ光が出射する。レーザ光は、患部を照射する。
治療診断用プローブ3の2つの受光プローブ33、33は、励起光に対して発せられる歯肉表面からの蛍光を受け、本体5の光検出部56に、蛍光を導く。本体5の光検出部56は、導かれた蛍光を検出し、制御・解析部54は、光検出部56により検出された蛍光に基づき、図28(a)に示す、照射直後(t=0)の歯肉表面の光照射部における薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S370)。
制御・解析部54は、照射直後(t=0)の歯肉表面における蛍光強度分布を記録する(S371)。
本体5の光検出部56は、図28(b)に示す、時刻t=t1における薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S372)。光検出部56は、時刻t=t1における蛍光強度情報を制御・解析部54に送信する。
制御・解析部54は、時刻t=0における蛍光強度情報と、時刻t=t1における蛍光強度情報から、薬剤蛍光強度の減少量(ブリーチング量)を算出する(S380)。
制御・解析部54は、算出したブリーチング量を基に、図28(c)、(d)に示すように、時間t1間でブリーチングされた量を可視化するための第1のデータを表示部21に出力し、表示部21に表示させる(S381)。
ここで、図28(c)は、歯肉表面におけるブリーチング量を立体的に可視化した画像である。図28(d)は、歯肉表面におけるブリーチング量を平面的に可視化した画像であり、濃淡が薄い(白っぽい)ほどブリーチング量が多く、濃いほどブリーチング量が少ない。
次に、施術者による光照射がオフされたかどうかが判断される(S390)。
S390で、オフされたと判断されると(YES)、治療が終了する。
S390で、オフされていないと判断されると(No)、S370に戻り、処理が繰り返される。
(第3の実施形態)
以下、歯肉表面の殺菌状況を表示する場合を例に挙げるが、第1の実施形態で示す算出処理を用いて深さ方向の殺菌状況を示す画像を表示してもよい。
図29は、第3の実施形態に係る歯用装置の機能ブロック図である。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略し、主に異なる点についてのみ説明する。
表示部21の左領域には、治療診断用プローブ1003にて現在治療している箇所の実画像(カメラ画像)212が表示される。
表示部21の右領域には、歯肉の深さ方向に対する歯周病菌の殺菌状況の経時変化を示すグラフの画像214が表示される。画像214において、S1は基底状態の光感受性薬剤94を示す。また、画像214の縦軸は、図13に示すフロー図に則って算出した殺菌効果という指標でもよい。
撮像部1032は、口腔内から発する蛍光の画像データを電気信号に変換し、得られた画像データを本体1005の画像受信部1056に送信する。
画像受信部1056は、治療診断用プローブ1003の撮像部1032より送信されてきた現時点での口腔内の治療箇所の実画像データを受信する。
制御・解析部1054は、撮像部1032で取得した実画像データから、蛍光の強度をグラデーションでマッピングし、図28(d)に示す蛍光強度の経時変化を可視化するための第1のデータを表示部21に出力し、表示部21に蛍光強度の経時変化を可視化した画像を表示させる。
図30に示すように治療診断用プローブ1003は把持部を有する棒状を有する。治療診断用プローブ1003は、その先端にニードル状の治療診断光照射部1035を有する。治療診断用プローブ1003は、ニードル状の治療診断光照射部1035の側方から治療診断光が出射される、側方照射型である。
図32に示すように、歯肉70と歯牙60の間に形成された歯周ポケットに治療診断光照射部1035が挿入されて治療又は診断が行われる。
図31に示すように、治療診断光照射部1035の付け根にある面には、治療診断光照射プローブ34と、撮像部としてのBPF(Band−Pass Filter)つきCMOS又はCCDイメージセンサ又はイメージファイバ1032と、空気吹き出し口1031とが設けられる。
BPFは、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数を通さないものであり、ここでは、光感受性薬剤に励起光を照射したときに口腔内側から発する蛍光のみを通す。
空気吹き出し口1031は、患部に対して吹きかける空気が出る部分である。歯周病に関与する主な菌は嫌気性細菌(偏性嫌気性細菌もしくは通性嫌気性細菌)であるため、治療時に空気を患部に吹きかけながら治療診断光を照射することで、より殺菌効果が向上する。
BPFつきCMOS又はCCDイメージセンサ1032は、入射してくる光をBPFで蛍光のみを通し、この蛍光を撮像する。
次に第3の実施形態の歯用装置1001を用いた、歯肉や歯牙の表面に分布する歯周病菌の経時変化を可視化した画像の取得方法について説明する。
図33は、本実施形態における治療時の歯肉や歯牙の表面に分布する歯周病菌の殺菌効果を示す画像の取得処理のフロー図である。図28(a)〜(c)は殺菌効果マッピング構築までのイメージ図であり、図28(d)は殺菌効果のマッピング図である。以下、図33のフローに従い、必要に応じて図28を用いて説明する。
(画像取得準備 S500番台)
スケーリング又はフラップ術が患部に施される(S500)。
次に、光感受性薬剤溶液又はジェルが口腔内に投与された後(S501)、余分な光感受性薬剤溶液又はジェルが洗い流される(S502)。
治療診断用プローブ1003が患部付近に配置され、施術者が、治療診断光照射プローブ34からの光の出射の有無を制御するスイッチをオンすることにより(S503)、治療診断光照射プローブ34からレーザ光が出射する。レーザ光は、患部に照射される。
治療診断用プローブ1003のBPFつきCMOS又はCCDイメージセンサ1032は、励起光に対して発せられる歯肉表面からの蛍光のデータを取得し、本体5の画像受信部1056に、蛍光データを送信する。
画像受信部1056は、図28(a)に示す、照射直後(t=0)の薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S510)。画像受信部1056は、時刻t=0における蛍光強度情報を制御・解析部1054に送信する。
制御・解析部1054は、照射直後(t=0)の蛍光強度の歯肉表面分布を記録する(S511)。
画像受信部1056は、図28(b)に示す、時刻t=t1における薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S512)。画像受信部1056は、時刻t=t1における蛍光強度情報を制御・解析部1054に送信する。
制御・解析部1054は、時刻t=0における蛍光強度情報と、時刻t=t1における蛍光強度情報から、薬剤蛍光強度の減少量(ブリーチング量)を算出する(S520)。
制御・解析部54は、算出したブリーチング量に基づいて、時間t1間でブリーチングされた量を可視化するための第1のデータを出力し、表示部21に図28(c)、(d)に示す画像を表示部21に表示させる(S521)。
ここで、図28(c)は、歯肉表面におけるブリーチング量を立体的に可視化した画像である。図28(d)は、歯肉表面におけるブリーチング量を平面的に可視化した画像であり、濃淡が薄い(白っぽい)ほどブリーチング量が多く、濃いほどブリーチング量が少ない。
次に、施術者による光照射がオフされたかどうかが判断される(S530)。
S530で、オフされたと判断されると(YES)、治療が終了する。
S530で、オフされていないと判断されると(No)、S510に戻り、処理が繰り返される。
次に第4の実施形態について説明する。
第3の実施形態における治療診断用プローブ1003は側方照射型であったが、前方照射型であってもよい。以下、第4の実施形態として、図35〜図37を用いて説明する。尚、第3の実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
上述の第1の実施形態及び変形例で示した各種治療診断用プローブは、前方照射型である。
図36は、治療診断用プローブ1103の先端面の図である。
図37は治療診断用プローブ1103を用いて治療している様子を示す。
受光プローブ1133は、BPFとフォトダイオードを有する。受光プローブ1133に入射される歯肉70側からの蛍光を含む光は、BPFにより蛍光のみが透過し、透過した蛍光はフォトダイオードで受光される。
図37に示すように、歯肉70と歯牙60の間に形成された歯周ポケット内に向かって治療診断光照射プローブ34から出射する光が照射される。
次に、第5の実施形態について説明する。
上述の実施形態においては、光感受性薬剤と励起光を用いて、歯周病菌の殺菌及びその殺菌状況の観察を行った。これに対し、光感受性薬剤を用いずに、歯肉や歯牙に付着した歯垢及び歯石の自家発光を用いて歯垢及び歯石除去の状況を観察することもできる。
例えば、スケーラに、治療箇所に対して青色光を出射する照射部と、歯垢や歯石からの発光を受光する受光部を設け、受光部で受けた光の強度の経時変化を可視化するための第1のデータを出力する制御部を設ければよい。
これにより、歯垢や歯石の除去状況をリアルタイムに観察することができる。
上記歯用装置は、歯周病治療、歯垢、歯石除去に用いられるものであったが、以下の実施形態に係る医療用装置は、関節炎、腹腔鏡下手術時、総胆管結石症、唾石症又は歯の根管抜去後等における感染症の治療又は予防に用いることができる。以下、医療用装置について説明する。なお、上記実施形態の構成および作用と同様な部分については、その説明を省略または簡略化する。
第6の実施形態として、関節炎の予防及び治療に用いられる医療用装置について説明する。
図39は、関節鏡下手術の様子を示す模式的な図である。
関節Jは、先端部に軟骨を含む骨Os1,Os2の軟骨を含む先端部分を被覆する関節包J1と、関節包J1の内面を構成する滑膜J2と、滑膜J2に被覆され滑液等が収容される関節腔J3とを有する。
また、関節鏡装置4Aは、挿入部411Aを有する関節鏡41Aと、関節鏡41Aに接続される本体42A及び光源43Aと、モニター44Aとを有する。
関節鏡41Aは、硬性鏡として構成される。
関節鏡下手術においては、関節包J1及び滑膜J2に数箇所の挿入孔J4が形成され、挿入孔J4から関節鏡41Aの挿入部411A及び鉗子等の手術器具Sがそれぞれ挿入される。モニター44Aには、関節鏡41Aにより撮像された画像が表示される。施術者は、当該画像を視認しつつ、手術器具Sにより手術を行う。
図40は、本実施形態に係る医療用装置1Aの概略構成図を示す。図41は、図40の医療用装置1Aの機能ブロック図である。
モニター2Aは、画像を表示する表示部21Aを有する表示装置である。モニター2Aは、上述の実施形態と同様に、本体5Aと有線又は無線で接続される。また、モニター2Aを設けず、本体5Aに表示部を設けてもよいし、関節鏡装置4Aのモニター44Aを用いてもよい。
図42は、施術時にモニター2Aの表示部21Aに表示される画像の一例である。
表示部21Aの上領域には、施術部位における蛍光強度の経時変化を可視化した画像211Aが表示される。
表示部21Aの下領域には、施術部位における、施術用プローブ3Aのドップラー計測部31Aで求められた血流量の経時変化を示すグラフの画像212Aが表示される。
なお表示部21Aには、施術用プローブ3Aにて撮像された施術部位の実画像(カメラ画像)や、後述する酸素飽和度を数値によって可視化したグラフ等が表示されてもよい。
施術用プローブ3Aは、把持部を有する棒状である。施術用プローブ3Aは、第4の実施形態の治療診断用プローブ1103と概略構成が同様である。図41及び図35、図36等を参照し、施術用プローブ3Aは、照射部34Aと、受光プローブ33Aと、ドップラー計測部31Aと、酸素飽和度計測部32Aとを備える。本実施形態に係る施術用プローブ3Aは、前方照射型であり、例えば施術部位である滑膜と離間した位置から、滑膜に向かって励起光を照射する(図44参照)。
ドップラー計測部31Aは、計測された血流量情報を本体5Aの血流量受信部59Aに送信する。
酸素飽和度計測部32Aは、計測された酸素飽和度を本体5Aの酸素飽和度受信部50Aに受信する。
図41に示すように、本体5Aは、光源部55Aと、画像受信部56Aと、制御・解析部54Aとを有する。また本体5Aは、スイッチ51Aと、安全装置部52Aと、血流量受信部59Aと、酸素飽和度受信部50Aとを有する。
画像受信部56Aは、光源部55Aから照射部34Aを介して照射された光に対して発せられる施術部位からの蛍光を検出するための光検出部として構成される。すなわち画像受信部56Aは、施術用プローブ3Aの受光プローブ33Aより送信されてきた滑膜の蛍光画像データ等を受信する。
酸素飽和度受信部50Aは、施術用プローブ3Aの酸素飽和度計測部32Aで計測された酸素飽和度情報を受信する。
制御・解析部54Aは、酸素飽和度受信部50Aから酸素飽和度情報を受信し、酸素飽和度を数値によって可視化するためのデータを出力し、表示部21Aに表示させてもよい。
光感受性薬剤は、関節腔内に投与され、施術部位である滑膜に分布する。
光感受性薬剤としては、第1の実施形態と同様に、細菌と静電相互作用によって結合できるメチレンブルー等のカチオン製剤や、細菌に取り込まれる薬剤の溶液もしくはジェルを用いることができるが、これらに限定されず、ポルフィマーナトリウム(Photofrin(登録商標))、Talaporfin、5-ALA、Foscan等の他の光感受性薬剤を用いることが可能である。本実施形態においては、例えば、施術者が挿入孔J4(図39参照)を介して施術部位に注射やマイクロニードルアレイなどのDDSデバイスを用いて光感受性薬剤を局所投与する。
図43は、上述の医療用装置1Aを用いた診断及び治療の流れを示すフロー図であり、図44は、医療用装置1Aを用いてaPDTを実施している様子を示す。図43及び図44を用いて診断及び治療の流れについて説明する。
まず、術前に、医師等が関節炎の診断を行う(S601)。関節炎の診断として、具体的には、患者に対するMRIの実施又は医師等による患者への臨床症状の問診等が行われる。本工程において関節炎と診断された場合には、医師等による患者への説明が行われ、関節鏡下手術が実施される。
まず、手術室内に搬送された患者に対し、麻酔投与等の所定の処置が行われた後、施術者により、関節における皮膚が切開される(S602)。これにより、皮膚に2、3箇所程度の小切開(図示略)が形成される。小切開は、例えば直径6mm程度である。
次に、手術前aPDTが実施される(S606)。
図45は、手術前aPDTの実施工程の流れを示すフロー図であり、手術前aPDTの実施工程(S606)に含まれるS6061〜S6067までの各工程を示す。
まず、滑膜J2に光感受性薬剤を投与するために、当該薬剤が関節腔J3内に注入される(S6061)。これにより、当該薬剤が滑膜J2に分布する。
そして、施術者の照射部34Aからの光の出射の有無を制御するスイッチのオン操作により(S6062)、照射部34Aから励起光が出射する。励起光は、滑膜J2に照射され、滑膜J2表面で拡散反射する。
施術用プローブ3AのBPFつきCMOS又はCCDイメージセンサは、励起光に対して発せられる滑膜J2表面からの蛍光のデータを取得し、本体5Aの画像受信部56Aに、蛍光データを送信する。
画像受信部56Aは、照射直後(t=0)の薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S6063、図28(a)参照)。画像受信部56Aは、時刻t=0における蛍光強度情報を制御・解析部54Aに送信する。
制御・解析部54Aは、照射直後(t=0)の蛍光強度の滑膜J2表面分布を記録する(S6064)。
画像受信部56Aは、時刻t=t1における薬剤蛍光画像(蛍光強度分布)を取得する(S6065、図28(b)参照)。画像受信部56Aは、時刻t=t1における蛍光強度情報を制御・解析部54Aに送信する。
制御・解析部54Aは、時刻t=0における蛍光強度情報と、時刻t=t1における蛍光強度情報から、薬剤蛍光強度の減少量(ブリーチング量)を算出する(S6066)。
制御・解析部54Aは、算出したブリーチング量に基づいて、時間t1間でブリーチングされた量を可視化するためのデータを出力し、表示部21Aに、図28(c)又は(d)に示すような画像を表示部21Aに表示させる(S6067)。
十分でないと判断された場合には(NO)、S606に戻り、aPDTを継続する。
施術者は、関節鏡41Aにより患部である関節腔J3内部を観察する(S608)。観察した関節腔J3内の状態によっては、さらに挿入孔J4を追加で形成してもよい(S609)。そして、手術器具Sを用いて手術を行う(S610)。これにより、関節軟骨の遊離体の摘出や、病変部位の切除等が適宜実施される。
そして、感染性関節炎の場合には殺菌のための治療として、あるいは非感染性関節炎の場合には感染症の予防として、手術後にaPDTが実施される(S611)。本工程は、手術前aPDT(S6061〜S6067)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
なお、治療としてaPDTを実施する場合には、光感受性薬剤がブリーチングされた量を可視化するためのデータは、殺菌経過を可視化するためのデータとして参照される。
また、治療としてaPDTを実施する場合には、手術中にaPDTを実施してもよいし、手術中及び手術後にaPDTを複数回実施してもよい。
十分でないと判断された場合には(NO)、S611に戻り、処理が繰り返される。
そして、施術者は、関節腔J3内を生理食塩水等で洗浄する(S613)。なお本工程は、S611の前に行ってもよく、また上述のように生理食塩水を灌流していた場合には実施しなくてもよい。
そして挿入孔J4から関節鏡41A及び手術器具Sを抜去し(S614)、さらに外套管J41を抜去して、挿入孔J4を縫合する(S615)。
本実施形態においては、関節鏡41Aとは別個の光源部55A及び施術用プローブ3Aを用いて励起光を照射したが、関節鏡が施術用プローブ(照射部及び撮像部)を兼ねる構成としてもよい。
光源部34Aaは、例えば関節鏡3Aaの先端部に配置されたLED(light-emitting diode; 発光ダイオード)であり、光感受性薬剤の吸収帯に属する波長の光を発する。
なお、医療用装置1Aaは、光源部34Aaとは別個に、関節鏡3Aaと接続され、実画像を取得するための照射光を供給するための光源43Aaを有してもよい。
撮像部33Aaは、図示しない光学系が配置された受光路331Aaと、CCDイメージセンサ等のフォトダイオード332Aaとを含み、施術部位の蛍光画像を取得するとともに、施術部位の実画像を取得する。
表示部21Aaは、撮像部33Aaによって取得された実画像や、蛍光強度の経時変化を可視化した画像(図42の211A参照)等を表示することが可能である。
本体5Aaは、制御・解析部54Aaと、画像受信部56Aaとを有する。画像受信部56Aaは、光源部34Aaから照射された光に対して発せられる施術部位からの蛍光を検出するための光検出部として構成され、撮像部33Aaより送信されてきた滑膜の蛍光画像データ又は実画像データを受信する。制御・解析部54Aaは、画像受信部56Aaにより検出された蛍光に基づく蛍光の強度の経時変化を可視化するためのデータ及び取得した実画像データのうちの少なくとも一方を出力する。
切替部38Aaは、受光路331Aaに配置されることが可能な光学フィルタ381Aaと、光学フィルタ381Aaを受光路331Aa内に配置又は退避させる機構部382Aaとを有する。
光学フィルタ381Aaは、透過させる光の波長を光感受性薬剤の吸収帯に属する波長に限定することができるものであり、例えば、BPFで構成される。
機構部382Aaは、制御・解析部54Aaと接続され、制御・解析部54Aaにより駆動を制御されてもよい。これにより機構部382Aaは、自動で駆動されることが可能となる。あるいは機構部382Aaは、手動で光学フィルタ381Aaの位置の切り替えが可能に構成されてもよい。この場合には、例えば機構部382Aaが関節鏡装置3Aaに形成された挿入口と、当該挿入口から光学フィルタ381Aaの受光路331Aa上への挿入をガイドするガイド部とを有し、光学フィルタ381Aaの脱着を行うことが可能に構成されてもよい。
図47は、第6の実施形態の変形例に係る施術用プローブ3Abの先端部の概略断面図である。拡散部としての光拡散板341Abは、照射部34Abのファイバから光が出射される出射口342Aに配置される。これにより、出射光が拡散し、滑膜のより広い範囲に光を照射することが可能となる。したがって、滑膜における殺菌効果及び免疫賦活化の効果を高めることが可能となる。
あるいは、医療用装置は、第1の実施形態に係る歯用装置と同様に、関節内の三次元モデルを取得可能な構成としてもよい。
また、医療用装置が、上述の空気吹きかけ部(図26参照)をさらに具備する構成としてもよい。
第7の実施形態として、腹腔鏡下手術の予防及び治療に用いられる医療用装置について説明する。
図48は、腹腔鏡下手術の様子を示す模式的な図である。
腹腔C2は、腹膜C1及び図示しない横隔膜等に囲まれた体腔である。また、腹腔C2内には、消化器、泌尿器、生殖器等の複数の器官C3が配置されている。
また、腹腔鏡装置4Bは、挿入部411Bを有する腹腔鏡41Bと、腹腔鏡41Bに接続される本体42B及び光源43Bと、モニター44Bとを有する。
腹腔鏡41Bは、関節鏡と同様に、硬性鏡として構成される。
腹腔鏡下手術においては、腹膜C1に数箇所の挿入孔C4が形成され、挿入孔C4から腹腔鏡41Bの挿入部411B及び鉗子等の手術器具Sが挿入される。モニター44Bには、腹腔鏡41Bにより撮像された画像が表示される。施術者は、当該画像を視認しつつ、手術器具Sにより手術を行う。
なお本実施形態に係る施術用プローブ3Aは、腹膜鏡下手術において使用される挿入孔C4を貫通可能な大きさで構成され、例えば直径3〜10mm程度である。
まず、術前に、腹腔鏡下手術が適応となる疾患の診断を行う(S701)。具体的には、患者に対するX線画像検査や超音波検査、血液検査等による精密検査が実施される。本工程において腹腔鏡下手術が必要な疾患であると診断された場合には、医師等による患者への説明が行われ、腹腔鏡下手術が実施される。
まず、手術室内に搬送された患者に対し、麻酔投与等の所定の処置が行われた後、施術者により、腹部における皮膚が切開される(S702)。これにより、皮膚に複数箇所の小切開(図示略)が形成される。小切開は、例えば直径5〜12mm程度である。
そして、実際の手術に先立ち、予防的に手術前aPDTが実施される(S706)。これにより、施術部位周囲における免疫系が活性化され、手術中における感染症のリスクを低減することができる。本工程は、第6の実施形態に係る手術前aPDT(S606)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
十分でないと判断された場合には(NO)、S706に戻り、aPDTを継続する。
施術者は、腹腔鏡41Bにより腹腔C2内の患部を観察する(S708)。そして観察結果に基づき、手術器具Sを用いて手術を行う(S709)。これにより、患部の摘出等が適宜実施される。
そして、施術者は、腹腔C2内を生理食塩水等で洗浄する(S710)。なお本工程は、S711の後に行ってもよく、また上述のように生理食塩水を灌流していた場合には実施しなくてもよい。
そして、感染症を発症している場合には殺菌のための治療として、非感染性疾患の場合には感染症の予防として、手術後にaPDTが実施される(S711)。本工程は、第6の実施形態に係る手術前aPDT(S6061〜S6067)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
なお、治療としてaPDTを実施する場合には、光感受性薬剤がブリーチングされた量を可視化するためのデータは、殺菌経過を可視化するためのデータとして参照される。
また、治療としてaPDTを実施する場合には、手術中にaPDTを実施してもよいし、手術中及び手術後にaPDTを複数回実施してもよい。
十分でないと判断された場合には(NO)、S711に戻り、処理が繰り返される。
そして、施術者は、挿入孔C4から腹腔鏡41B、施術用プローブ3A及び手術器具Sを抜去し(S713)、さらにトロッカーC41を抜去して、挿入孔C4を縫合する(S714)。
上述の実施形態においては、施術用プローブ3Aを挿入孔C4から挿入して励起光を照射すると説明したが、例えば挿入孔C4の縫合前に、挿入孔C4の外部から挿入孔C4付近を照射してもよい。これにより、最も感染リスクの高い挿入孔C4を効果的に殺菌及び感染予防し、かつ施術用プローブ3Aを腹腔C2内に挿入することによる感染リスクも抑制することができる。
一方図51(B)は、カバー部材371Aが開かれた様子を示す。反射面373Aは、挿入孔C4付近の腹膜C1と対向するように配置される。これにより、照射部34Acから正面方向に向かって発せられた光が反射面373Aで反射し、腹膜C1に照射されることが可能となる。
ここで一般的に、腹腔鏡は関節鏡よりも大きな径を有するため、先端部にLED等の光源部を配置する構成に限定されない。例えば第6の実施形態と同様に、光源部を本体に配置し、光源部と接続されるファイバ等の照射プローブを有する構成とすることができる。
図53は、本変形例に係る施術用プローブ3Bの先端面を示す平面図である。施術用プローブ3Bは、照射プローブ34Bと、撮像部としてのBPFつきCMOS又はCCDイメージセンサ又はイメージファイバ33Bと、流路6Bとを有する。
流路6Bにより、生理食塩水等を腹腔内に灌流することが可能となり、感染のリスクをより低減させることが可能となる。また、灌流のためのカニューレ等を留置するための別個の挿入孔を設けることなく、より低侵襲に手術を行うことができる。
第8の実施形態において、総胆管結石症治療及び再発予防に用いられる医療用装置について説明する。
総胆管結石症とは、総胆管B1に結石Stがつまる病気で、原因の一つは、胆嚢結石が総胆管B1に落下すること(落下結石)である。その他の原因として、総胆管B1内における細菌感染が挙げられる。すなわち、大腸菌等の細菌が粘液を生成することでバイオフィルムが形成され、それにビリルビンやカルシウム等が結合することで、原発結石が形成される。
なお、原発結石に細菌感染が関与していない場合あっても、内視鏡治療による二次感染による再発のリスクも否めない。
先端部3Caには、光源部34Cと、対物レンズ333Cと、内視鏡用照射プローブ38Cと、鉗子口6Cとが配置される。
光源部34Cは、図46に示す光源部34Aaと同様に、LEDであり、光感受性薬剤の吸収帯に属する波長の光を発する。また光源部34Cは、照射部を兼ねている。
対物レンズ333Cは、撮像部33Cに含まれ、撮像部33Cの図示しない受光路の先端に配置される。
また撮像部33Cは、対物レンズ333Cと、図示しないフォトダイオード(図46参照)と、当該フォトダイオードへ光を導光する受光路とを有する。撮像部33Cのフォトダイオードで取得された画像データは、本体5Cの画像受信部(図41、図45参照)に送信される。
内視鏡用照射プローブ39Cは、内視鏡3Cによる実画像の撮像時の照明として用いられる。
鉗子口6Cは、鉗子等の手術器具を挿入することが可能な中空の構造を有する。また鉗子口6Cは、生理食塩水等の液体やガスの流路として構成されてもよい。
結石の除去後、総胆管B1に対し、鉗子口6Cからカニューラ等を介して光感受性薬剤が投与される。そして、光源部34Cから励起光が発せられ、総胆管B1に対して照射が行われる。
また表示部21Cには、蛍光強度の経時変化を可視化した画像が表示される。
施術者は、表示部21Cに表示された当該画像を参照し、蛍光強度の減衰(ブリーチング量)が十分であるか判断する。十分である場合には、照射を終了し、内視鏡下手術を終了する。
まず、唾石症が挙げられる。
唾石症は、唾液管又は唾液腺の中に結石ができる病気である。原因の詳細は明らかでないが、唾液管に入り込んだ異物や細菌などの周りに、唾液に含まれるカルシウムが沈着してできるといわれている。
唾石症の治療法として、硬性鏡によって患部を撮像しつつ物理的に結石を除去する方法が挙げられる。そこで結石の除去の前後に、唾液管又は唾液腺を施術部位としてaPDTを行うことで、感染した細菌の殺菌及び再発予防が可能となる。この場合には、上述の医療用装置1Aaと同様の構成の内視鏡装置を用いることができる。
また、他の治療法として、口腔底を切開し、唾液管の排出口から結石を除去する方法も挙げられる。そこで、結石除去後の口腔底の切開口を施術部位としてaPDTを実施することも可能である。この場合には、上述の医療用装置1Aと同様の構成の医療用装置を用いることができる。
根管とは、歯肉内に形成された、歯の神経が収納される管である。虫歯等により歯の神経まで細菌に感染した場合には、この神経を根管から除去する治療を要する。この根管治療後に、根管壁等に付着したスミヤー層と呼ばれる層を除去することが求められる。スミヤー層とは、治療器具により根管内を機械的に清掃する際に、切削された象牙質表面や組織片が付着したものである。当該スミヤー層には、細菌が残存する可能性が高く、現状では、EDTA等の洗浄液や水蒸気泡によってスミヤー層を除去している。
上記スミヤー層の除去処置に加えて、スミヤー層の除去前後の根管を施術部位としてaPDTを行うことで、より確実に根管内の殺菌を行うことが可能となり、再発予防に貢献できる。
本変形例においては、例えば上述の第6の実施形態に係る医療用装置1Aと同様の構成の医療用装置を適用することが可能である。
また人の感染症に限定されず、動物の感染症に対する治療及び予防におけるaPDTにも、上記医療用装置を用いることができる。具体的には、尿路結石症等の治療及び再発予防等に適用可能である。
(1)口腔の歯牙、歯肉、歯垢及び歯石のうち少なくとも1つに照射するための光を発する光源部と、
前記光源部から照射された光に対して発せられる前記口腔からの蛍光を検出するための光検出部と、
前記光検出部により検出された蛍光に基づき、前記蛍光の強度の経時変化を可視化するための第1のデータを出力するための制御部と
を具備する歯用装置。
(2)前記(1)に記載の歯用装置であって、
前記歯肉には、前記光の照射により励起する光感受性薬剤が、前記歯肉の深さ方向に、歯周病菌と結合、又は、歯周病菌に取り込まれる形で分布し、
前記制御部は、前記光の照射に対して発せられる前記光感受性薬剤からの蛍光の前記歯肉の深さ方向における強度の分布を基づき、前記第1のデータを出力する
歯用装置。
(3)前記(2)に記載の歯用装置であって、
前記制御部は、計算により求められた基底状態の前記光感受性薬剤の前記深さ方向における分布の経時変化、計算により求められた前記光の前記深さ方向における強度分布の経時変化、及び、前記光検出部により検出された前記歯肉表面の蛍光強度に基づき、前記深さ方向における前記蛍光強度の経時変化を計算する
歯用装置。
(4)前記(1)又は(2)記載の歯用装置であって、
前記蛍光強度の経時変化は前記歯周病菌の殺菌経過を示す
歯用装置。
(5)前記(1)から(4)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯牙又は前記歯肉に付着する歯垢又は歯石には、前記光の照射により励起する光感受性薬剤が、前記歯垢又は歯石の深さ方向に、歯周病菌と結合、又は、歯周病菌に取り込まれる形で分布し、
前記制御部は、前記光の照射に対して発せられる前記光感受性薬剤からの蛍光の前記歯肉に付着する歯垢又は歯石の深さ方向における強度の分布に基づき、前記第1のデータを出力する
歯用装置。
(6)前記(1)から(5)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯牙及び歯肉を有する口腔の画像を受信する画像受信部と、
前記口腔の位置情報を、任意の位置に基準位置を設定し、該基準位置からの絶対位置情報として受信する位置情報受信部と、
前記画像受信部から受信した画像データと前記位置情報受信部から受信した位置情報とを紐付けする画像処理部と
を更に具備し、
前記制御部は、前記口腔の前記光の照射部と前記位置情報とを対応させ、前記口腔の画像に前記光の照射部が示されるための第2のデータを出力する
歯用装置。
(7)前記(1)から(6)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯牙及び歯肉を有する口腔には、前記光の照射により励起し、かつ、歯周病菌と結合する、又は、歯周病菌に取りこまれる光感受性薬剤が投与され、
前記制御部は、前記光照射に対して発せられる前記歯牙又は歯肉の表面付近の前記光感受性薬剤からの蛍光の、前記歯牙又は歯肉の表面における強度の分布に基づき、前記第1のデータを出力する
歯用装置。
(8)前記(1)から(7)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記光は、レーザ光又は発光ダイオード光である
歯用装置。
(9)前記(1)に記載の歯用装置であって、
前記光は赤色光である
歯用装置。
(10)前記(9)に記載の歯用装置であって、
前記光検出部は、前記赤色光に対して発せられる前記口腔からの蛍光、反射光及び拡散光のうち少なくとも1つを検出する
歯用装置。
(11)前記(1)から(10)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯肉の血流量を検出する血流量検出部
を更に具備する歯用装置。
(12)前記(1)から(11)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯肉の酸素飽和度を検出する酸素飽和度計測部
を更に具備する歯用装置。
(13)前記(1)から(11)いずれか一項に記載の歯用装置であって、
前記歯牙や前記歯肉に空気を吹きかける空気吹きかけ部
を更に具備する歯用装置。
(14) 光感受性薬剤が投与された口腔の歯肉に前記光感受性薬剤に対する励起光を照射し、
前記歯肉表面における蛍光強度を検出し、
計算により求められた基底状態の前記光感受性薬剤の前記歯肉の深さ方向における分布の経時変化、計算により求められた前記励起光の前記深さ方向における強度分布の経時変化、及び、前記検出された前記歯肉表面の蛍光強度に基づいて、前記深さ方向における前記蛍光強度の経時変化を計算する
算出方法。
(15) 感染症に対する治療及び予防のうち少なくとも一方が行われる施術部位に照射するための光を発する光源部と、
前記光源部から照射された光に対して発せられる前記施術部位からの蛍光を検出するための光検出部と、
前記光検出部により検出された蛍光に基づき、前記蛍光の強度の経時変化を可視化するためのデータを出力する制御部と
を具備する医療用装置。
(16)前記(15)に記載の医療用装置であって、
前記施術部位は、関節の滑膜、腹腔、総胆管、歯根及び唾液腺のうちの少なくともいずれか1つである
医療用装置。
(17)前記(15)又は前記(16)に記載の医療用装置であって、
前記蛍光強度の経時変化は前記施術部位における感染性微生物の殺菌経過を示す
医療用装置。
(18)前記(15)から前記(17)いずれか一項に記載の医療用装置であって、
前記施術部位には、前記光の照射により励起する光感受性薬剤が分布し、
前記制御部は、前記光の照射に対して発せられる前記光感受性薬剤からの蛍光の前記施術部位における強度の分布に基づき、前記データを出力する
医療用装置。
(19)前記(15)から前記(18)いずれか一項に記載の医療用装置であって、
前記施術部位の血流量を検出する血流量検出部
を更に具備する医療用装置。
(20) 感染症に対する治療及び予防のうちの少なくとも一方が行われる施術部位に光感受性薬剤を投与し、
前記施術部位に前記光感受性薬剤に対する励起光を照射し、
前記施術部位における蛍光強度を検出し、
前記光の照射に対して発せられる前記光感受性薬剤からの蛍光の前記施術部位における強度に基づいて、前記施術部位における前記蛍光強度の経時変化を計算する
算出方法。
1A,1Aa、1B、1C…医療用装置
31、31A…ドップラー計測部
32、32A…酸素飽和度計測部
34…治療振動光照射プローブ(照射部)
34A…照射部
54、1054、54A,54Aa…制御・解析部
53…画像処理部
55、55A、34Aa、34C…光源部
56…光検出部
57…画像受信部
56A,56Aa…画像受信部(光検出部)
58…位置角度情報受信部
60…歯牙
70…歯肉
90…光感受性薬剤
91…光照射部
750、1031…空気吹き出し口
Claims (14)
- 光が照射された施術部位から発せられる蛍光を、第1の時刻に検出することによって得られる第1の受光データを取得し、
前記光が照射された前記施術部位から発せられる前記蛍光を、前記第1の時刻よりも後の第2の時刻に検出することによって得られる第2の受光データを取得し、
前記第1の受光データ及び前記第2の受光データに基づいて、前記施術部位から発せられる前記蛍光の強度の経時変化を計算し、
前記蛍光の強度の経時変化を可視化するための画像を生成する制御部
を具備する医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記第1の時刻は、前記施術部位に対して前記光の照射が開始された時刻であり、
前記第2の時刻は、現在の時刻である
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記第1の受光データ及び前記第2の受光データの差を算出し、前記差に基づいて、前記施術部位から発せられる前記蛍光の強度の経時変化を計算する
制御装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記蛍光の強度の経時変化が2次元的若しくは3次元的に表されたグラフ、又は、前記蛍光の強度の経時変化が濃淡で表されたグラデーションを、前記蛍光の強度の経時変化を可視化するための前記画像として生成する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記施術部位には、光感受性薬剤が分布し、
前記光感受性薬剤が分布した前記施術部位に対して、前記光感受性薬剤の吸収帯に属する波長の光が照射され、
前記制御部は、前記波長の光が照射された前記施術部位から発せられる蛍光を検出することによって得られる受光データを、前記第1の受光データ及び前記第2の受光データとして取得する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記光が照射された前記施術部位から発せられる自家発光による蛍光を検出することによって得られる受光データを、前記第1の受光データ及び第2の受光データとして取得する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記施術部位の血流量又は血流速を検出して得られる血液情報を取得する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記施術部位の酸素飽和度を検出して得られる酸素飽和度情報を取得する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記施術部位の画像と、前記施術部位において前記光が照射される照射位置の位置情報とを取得し、前記位置情報に基づいて、前記施術部位の画像における前記照射位置に対応する位置に、前記蛍光の強度の経時変化を可視化するための前記画像をマッピングする
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記制御部は、前記施術部位に対して光を出射するプローブに設けられたロケータ信号発生器、並びに、加速度センサ若しくは角速度センサからの情報をもとに算出された前記位置情報を取得する
医療用装置。 - 請求項1に記載の医療用装置であって、
前記医療用装置は、前記制御部を含む制御装置を備え、
前記制御装置は、施術時に表示される前記施術部位の画像を取得するための硬性内視鏡又は軟性内視鏡と接続される
医療用装置。 - 請求項11に記載の医療用装置であって、
前記硬性内視鏡又は前記軟性内視鏡は、前記第1の受光データ及び前記第2の受光データを取得するための前記光を前記施術部位に対して照射する
医療用装置。 - 前記11に記載の医療用装置であって、
前記制御装置は、前記硬性内視鏡又は前記軟性内視鏡と有線又は無線により接続される
医療用装置。 - 医療用装置の制御部が、光が照射された施術部位から発せられる蛍光を、第1の時刻に検出することによって得られる第1の受光データを取得し、
前記制御部が、前記光が照射された前記施術部位から発せられる前記蛍光を、前記第1の時刻よりも後の第2の時刻に検出することによって得られる第2の受光データを取得し、
前記制御部が、前記第1の受光データ及び前記第2の受光データに基づいて、前記施術部位から発せられる前記蛍光の強度の経時変化を計算し、
前記制御部が、前記蛍光の強度の経時変化を可視化するための画像を生成する
制御方法。
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