発明の詳細な説明
本発明は、粒子の特性を評価するための装置及び粒子の特性評価に使用するための方法に関する。粒子の特性を評価することは、粒子サイズの分布を確定することを含み得る。
サンプル内の粒子は、サンプルを照射し、粒子によって散乱される光を測定することによって特性を評価することができることが知られている。サンプルの粒子は、測定中、通常はサンプルセル内において分散媒体中に分散される。分散媒体は、通常は空気又は水であり、また、典型的には、測定中にサンプルセルを通って流れる。
このタイプの機器において、サンプルセルは、従来、一対の平坦かつ平行な透明壁を有し、サンプルは、第1の壁を通して照射される。前方散乱光は対向する第2の壁を介してサンプルセルを出てゆき、後方散乱光は第1の壁を介してサンプルセルを出る。この構成は、大きな粒子に関連する比較的小さい散乱角度と小さな粒子に関連する大きな散乱角度の両方を測定するのに適している。
異なるタイプの機器において、サンプルは、サンプルセルの壁に平行である光ビームで照射され、サンプルセルの壁を通して横に散乱される光が検出される。このような機器は、多角度光散乱検出(MALS)機器と呼ばれ、高分子等の、液体中の非常に小さな粒子の分子量及びサイズを測定するために通常使用される。MALS機器は、広い範囲の粒子サイズの特性を評価するのには、特に、より大きな粒子の特性を評価するのには適していない。米国特許出願公開第2011/0242535号明細書は、測定セルの壁が湾曲表面を備えるMALS機器を開示している。光吸収コーティング等の光吸収デバイスは、好ましくは、サンプルセルの湾曲側面に対向する壁上に設置される。
欧州特許出願公開第0485817号明細書は、粒子サイズ分布を測定するための装置を開示しており、該装置において、サンプルセルは、サンプルを照射する光ビームの軸に平行である壁、及び、光ビームの軸に対して45°をなす別の壁を備える。
米国特許出願第2008/0221711号明細書は、散乱光を使用して粒子の特性を確定するための干渉計測構成を開示しており、該干渉計測構成において、サンプルセルは照射光ビームに対して約45°傾斜する。この構成の1つの結果は、(水/空気界面についての臨界角度を超える)比較的大きな角度で散乱される光が、セルの出口界面での全反射なく、サンプルセルから脱出できることである。セルをこのように傾斜させることの不利な点は、比較的小さな角度で散乱される光が、サンプルとサンプルセルとの間の界面において大きな入射角度を有し、反射の増加をもたらし、それが、高い光学的雑音及び減少した信号対雑音比をもたらすことである。外部表面におけるプリズムが、サンプルセルの外部界面での反射を減少させるために提案されている(この界面における入射角度を減少させることによる)。
高い信号対雑音比で、広い散乱角度範囲で散乱される光を検出するのに適した構成が所望されている。
光散乱と粒子特性との間の相関は、マクスウェルの方程式に対するよく知られているミーの解(Mie solution)によって記述することができる。より小さな粒子はより大きな散乱角度をもたらす傾向があり、より大きな粒子はより小さな散乱角度をもたらす。サンプルからの、ある角度範囲のそれぞれの角度で散乱される光は、例えば、サンプル内の粒子のサイズ分布を確定するために使用することができる。
光散乱による粒子特性評価のための既存のシステムに関する1つの問題は、信号対雑音比である。粒子の特性を評価するために少量の散乱光が検出されなければならないときに、電子雑音又は光学的雑音は、信頼性のある測定を達成することを難しくする場合がある。光学的雑音は、気泡、種々の光学要素上の砕屑物、サンプル内への化学物質の浸出、分散剤屈折率勾配、及びバックグラウンド除去における誤差を含む幾つかの発生源から生じる場合がある。
分散剤が水である場合、従来技術の粒子特性評価システムにおいて更なる問題が生じる傾向にある。水中で初期散乱角度で散乱される光の角度が、サンプルセルと空気との間の界面における屈折を増加させることになり、検出のためのステラジアン当たりの散乱光の強度を減少させる傾向がある。更に、臨界角度を超えて散乱される光は、サンプルセルと空気との間の界面において全反射されることになる。この反射光は、結局、散乱光を汚染する傾向がある弱い光のヘイズになり、光学的雑音の一因となる。
上述した問題の1つ又は複数を克服するか少なくとも改善することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内の分散粒子を含むサンプルを照射するように動作可能であり、光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、サンプルセルの第2の壁を通過して、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、検出器は、サンプルセルを出る散乱光を検出するように構成され、サンプルセルの第1の壁及び/又は第2の壁は、光ビーム軸が通過する凸状外部表面を備える。
第2の壁は、光ビーム軸が通過する凸状外部表面を有するレンズを備えていてもよい。検出器は、光ビーム軸に対して90°未満の角度でサンプルから散乱される光(前方散乱光)を検出するように構成されてもよい。
装置は集光レンズを備えていてもよい。集光レンズは、サンプルセルを出る散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成することができる。検出器は平面状検出器を備えていてもよい。集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。非球面表面は、平面状検出器において像面湾曲を減少させるように構成することができる。
以下でより詳細に論じるように、サンプルセルのレンズ付きの第2の壁の使用は、大きな散乱角度で散乱する光が脱出することを可能にする。大きな散乱角度を含む広い散乱角度範囲にわたってできる限り多くの光を捕捉し、検出しようとすることが、検出器においてより広い散乱角度範囲を有する設計をもたらす傾向があり、それが、検出器において像面湾曲をもたらす可能性があることを本出願人は見出した。この問題は、過去には確認されていなかった。
非球面表面の使用に対する強い偏見が散乱光検出の分野に存在する。非球面表面の製造は、レンズの表面品質の低下をもたらす傾向があり、レンズの表面品質の低下は、非球面表面における光散乱の増加をもたらす。これは、特に、光ビームが集光レンズを通過する場合に、光学的雑音の一因となる。その結果、散乱の減少をもたらすため、集光レンズにおいては球面表面が好ましいとされてきた。
非球面表面を有する集光レンズが、レンズ付きの第2の壁を有するサンプルセルを有する光散乱検出機器において有利であることを出願人は見出した。例えば、検出器における像面湾曲の補正は、像面湾曲の結果として散乱光の焦点ぼけを起こすことなく、平面状検出器が広い角度範囲にわたって散乱光を検出することを可能にするというかなりの利益を提供する。従来の球面レンズを使用する場合に比べて、非球面表面を備える集光レンズを使用して、より小型の光学構成が促進されることを出願人は同様に見出した。
2つ以上の集光レンズ及び2つ以上の非球面表面が存在してもよい。複数の集光レンズのそれぞれは、非球面表面を有し得る。装置は、非球面表面を備えていない少なくとも1つの更なる集光レンズを備えていてもよい。
集光レンズは、光ビームが非球面表面を通過しないように構成されていてもよい。照射光ビームが非球面表面を通過するときに、光ビームの散乱はかなりの雑音の増加をもたらす。
幾つかの実施形態において、集光レンズは、非球面表面及び球面表面(非球面表面より良好な表面品質を有する)を有する面を備えていてもよく、光ビームは球面表面を通過する。このような構成は、照射光ビームが非球面表面を通過したときに起こる傾向があると思われる散乱の増加を防ぎながら、散乱光を集光して検出器に集束させる際の性能の改善を可能にする。
非球面表面及び球面表面を備える面を有するレンズは、球面レンズを採用し、次に、高品質な球面表面領域を損なわないままで、面内に非球面表面を再研削することによって製造することができる。代替的に、出発点は、成形された非球面レンズであってもよく、そのレンズにおいて、面の領域又は表面は、例えば球面表面を研削することによって、高い表面品質を持つように研削される。球面の又は高品質の表面又は領域は、面の中央領域を含んでいてもよい(すなわち、レンズの軸上にあってもよい)。
偏向器要素は、光ビームが集光レンズの非球面表面に達することを防止するように位置決めされてもよい。例えば、角度付きミラーは、光ビームが集光レンズに達する前の位置で、光ビーム軸上に位置決めされて、光ビームを集光レンズから離れるように偏向し、それにより、非球面表面からの光ビームの散乱を防止してもよい。角度付きミラーは、集光レンズに比べて小さくてもよく、集光レンズから離れる散乱光に対して十分に大きくなることなく、実質的に全ての光ビームを集光レンズから離れるように偏向するのに十分に大きいものとすることができる。偏向器要素は、ミラー又はプリズムを備えていてもよい。偏向器要素は、5°未満、3°未満、2°未満、1°未満、又は0.5°未満の散乱角度に対することができる。
集光レンズは、光ビームが通過する開口領域を備えていてもよい。集光レンズの開口領域は、レンズ軸を含んでいてもよい。
検出器は、ある角度範囲でサンプルから散乱される光を検出するように構成された平面状検出器を備えていてもよく、その角度範囲は、30°以下の最小散乱角度及び50°以上の最大散乱角度を含む。
最小散乱角度を、0.1°、0.5°、1°、2°、5°、10°、15°、20°、及び30°から選択してもよい。最大散乱角度を、40°、50°、60°、70°、及び80°から選択してもよい。散乱角度の(そして、比較的大きな散乱角度を含む)広い範囲を検出するために単一の平面状検出器を使用することは、同様の角度範囲にわたって散乱光を検出するために複数の別個の検出器が使用される構成に比べて、より多くの散乱光が検出されることを可能にする。
検出器は焦点面アレイを備えていてもよい。検出器の平面は、光ビーム軸に対して実質的に垂直であってもよい。この構成は、検出器の整列をより容易にする。
集光レンズは光軸を有することができ、集光レンズは、その光軸が光ビーム軸に実質的に一致するように配置されてもよい。この構成は、集光レンズを整列させることを容易にし、また、光学素子の性能を最適化することをより容易にする。
検出器は、集光レンズを通過しなかった、サンプルから散乱される光を検出するように構成された検出器要素を備えていてもよい。
粒子特性評価は、粒子サイズの分布を確定することを含んでいてもよい。
散乱光は、第1の壁及び/又は第2の壁を介してサンプルセルを出てもよい。散乱光は、第1の壁及び/又は第2の壁の凸状外部表面を介して出てもよい。第2の壁を介してサンプルセルを出る散乱光は、前方散乱光であってもよい。第1の壁を介してサンプルセルを出る散乱光は、後方散乱光であってもよい。前方散乱光は、照射光ビーム軸に対して0°より大きいが90°より小さい角度で散乱される光として定義することができる。後方散乱光は、90°より大きい(最大180°の)角度で散乱される光として定義することができる。「後方散乱角度x」(xは90°未満である)として言及される光は、照射光ビーム軸を基準にして180°−xの散乱角度を指すと理解されるであろう(照射方向は0°)。
好ましくは、少なくとも第2の壁の外部表面は凸状である。第2の壁の外部表面を湾曲させることは、普通ならサンプルセル/空気界面において全反射されたであろう光がサンプルセルから脱出することを可能にする。第1の壁又は第2の壁の外部表面を湾曲させることは、サンプルセルの第1又は第2の壁がレンズとして働くことを可能にする。湾曲外部表面を有する第1の壁を有するサンプルセルは、普通なら、光源とサンプルとの間に必要であったであろうレンズ要素又はレンズ群をなくすために使用することができる。湾曲外部表面を有するサンプルセルは、サンプルセル/空気界面における光の屈折によって生じる散乱角度の増加(これは、前方散乱光及び後方散乱光に等しく当てはまる)を補償するために使用されてもよい。
サンプルセルの壁の凸状外部表面は、大きな散乱角度における全反射を実質的に防止するために使用することができる。この全反射光は光学的雑音源となる。反射光を減少させることは、装置の信号対雑音比を改善する。大きな散乱角度における全反射を防止する更なる技術的効果は、液体/気泡界面の全反射に起因する大きな散乱角度における比較的強い散乱の検出を可能にすることによって、分散液中の気泡の検出を可能にすることである。
第2の壁が湾曲外部表面を有するサンプルセルは、サンプルセルを出るビームの発散を減少させるように(すなわち、収束レンズとして)構成されてもよい。散乱光の発散の減少は、散乱光がより集中し、検出器が光を受け取り得る所与の立体角にわたってより高い信号対雑音比をもたらすことを意味する。サンプルの照射の強度の増加も、セル内の固定照射直径が、関連する集光光学素子のサイズにおける関連する不利益を伴うことなく、広い角度範囲から照射されることを可能にすることによって、達成することができる。
サンプルセルの外部表面を湾曲させることは、広い入射角度範囲にわたって角をなくす可能性がある。これは、多数の光源及び検出器が、デバイスの周りにアレイ化されることを可能にし、また、単一の機器において広範な光学技法を使用して分析を容易にする。
第1の壁及び/又は第2の壁はレンズを備えていてもよい。レンズは好ましくは収束レンズである。レンズは平凸状であってもよい。レンズはレンズ軸を有することができ、該レンズ軸に関して、レンズは回転対称性を有する。レンズはダブレットレンズであってもよい。ダブレットレンズは、単一の単純なレンズ要素と比較して減少した球面収差を有するように構成され得る。ダブレットレンズは、平凸レンズ要素に接合されたメニスカスレンズ要素を備えていてもよい。凸状表面は、2方向に湾曲していてもよい。凸状表面は、実質的に球状に湾曲していてもよく、あるいは、非球状に湾曲していてもよい。
第1及び/又は第2の壁のレンズ軸は、照射光ビーム軸に対して20°未満の角度にあってもよい。
サンプルセルを照射光ビームとこのように整列させることは、サンプルセルの界面における照射ビームのフレネル反射を減少させ、それにより、光学的雑音を減少させ、光学的信号対雑音比を改善する。凸状表面を有するセル壁を使用すると、入射光ビームに対して比較的大きな角度にセルを傾斜させる必要性なく、比較的大きな角度で散乱される光がセルから脱出することを可能にすることを、本願出願人は認識した。大きな角度で散乱される光がサンプルセルから脱出することを容易にするレンズを備えるサンプルセルのこの能力は、散乱光の検出に基づく粒子分析ではこれまで認識されてこなかった。米国特許出願第2008/0221711号明細書はサンプルセル/空気界面における大角度のフレネル反射を減少させるためのプリズムの使用を開示するが、サンプルセル壁が凸状レンズである構成が、比較的大きな角度でセルを傾斜させる必要性を取り除くことについては、認識されていないか又は教示されていない。フレネル反射を減少させるという観点からサンプルセル/空気界面を整形することが有利であるということのみが開示されているが、より広い角度範囲で散乱される光がサンプルセルから脱出することを容易にすることについては開示されていない。
幾つかの実施形態において、サンプルが水分散液中に粒子を含む場合に、第2の壁は、入射光ビームに対して10°以下から少なくとも50°(あるいは、5°以下から少なくとも80°、0.5°以下から少なくとも50°)の散乱角度でサンプルから散乱される光が、第2の壁の外部表面における全反射を伴うことなく、サンプルセルの第2の壁の外部表面から脱出することを可能にするように構成することができる。サンプルセルから脱出することができる散乱角度の範囲を増加させることは、より小さな粒子の特性を評価する装置の能力を改善する。
サンプルセルの第1の壁は、サンプルを通過する光ビームをコリメートするように構成されていてもよい。このいわゆるフーリエ構成は、散乱角度から検出器位置への一意的な転置(transposition)を提供する。コリメーティングレンズとしてサンプルセルの第1の壁を使用することは、サンプルセルの外部にコリメーティングレンズを設ける必要性をなくし、機器のサイズを減少させる。
第1の壁は、サンプル内で光ビームを集束させる、かつ/又は、光ビームをサンプル内の細いビームになるように整形するように構成することができ、細いビームは、光ビーム軸に沿ってサンプルセルの内部を横断する距離の半分未満であるか又は内部を横断する距離Sの20%未満、10%未満、2%未満、1%未満である、最大1/e2幅を有する。
サンプルセルの第1の壁及び/又は第2の壁は、それぞれの凸状外部表面に対向する実質的に平面の内部表面を備えていてもよい。
第1及び第2の壁は、実質的に互いに平行である実質的に平面の内部表面を有していてもよい。
サンプルセルは、サンプルセルの内部表面を洗浄できるように、第1及び第2の壁が分離可能であるように構成してもよい。
検出器は、サンプルセルの第1の壁又はサンプルセルの第2の壁を介してサンプルセルを出る散乱光を検出するように構成してもよい。サンプルセルの他の壁を介してサンプルセルを出る散乱光を検出するように構成された、別の検出器を設けてもよい。
サンプルセルの第1及び/又は第2の壁は、散乱光を検出器上に集束させるように構成してもよい。サンプルセルの第1及び/又は第2の壁は、中間集光レンズなしで、散乱光を検出器上に集束させるように構成してもよい。
集光レンズ要素は、光ビーム軸に実質的に一致する軸を有することができる。集光レンズ要素は、光ビームが集光レンズ要素を通らずに通り過ぎることを可能にするように構成してもよい。
集光レンズ要素は、レンズ要素軸に沿って観察すると、実質的に扇形であってもよい。(本発明のそれぞれのまた全ての態様において)本明細書で使用される場合、実質的に扇形であるという用語は、円の扇形及び環状の扇形を含み、2つの実質的に半径方向の端の間に弧状の外側端を有する任意の形状を包含する。
装置は、更なる検出器を備えていてもよく、該更なる検出器は、第1の散乱角度範囲で散乱される光を検出するように構成され、集光レンズ要素は、第2の散乱角度範囲で散乱される散乱光を集光して(更なる検出器ではない)検出器上に集束させるように構成され、第2の散乱角度範囲は第1の範囲とは異なり、検出器及び更なる検出器のそれぞれの平面は光ビーム軸に対して実質的に垂直である。
検出器及び更なる検出器のそれぞれは、前方散乱光を検出するように構成することができる。
検出器を、更なる検出器よりもサンプルセルにより近くなるように位置決めしてもよい。幾つかの実施形態において、検出器及び更なる検出器を、同じ平面上に配置することができる。それにより、検出器及び更なる検出器を、単一平面状検出器となるように組み合わせることができる。
装置は、サンプル内で光ビームをコリメートするように構成される第1の光学素子群、及び、前方散乱光を検出器に向かって方向付けるように構成される第2の光学素子群を備えていてもよく、検出器は平面状であり、前方散乱光は、サンプルとの相互作用によってある散乱角度範囲で散乱されて第2の壁を通過する光を含む。前方散乱光は、好ましくは、第2の光学素子群によって集光されて検出器の平面に集束される。
第1及び第2の壁の光パワーは実質的に同一である。第1及び第2の壁の光パワーは異なっていてもよい。第1の壁の光パワーは第2の壁の光パワーより小さくてもよく、これは、低い開口数を有する光源(空間フィルタリング式HeNeレーザ等)をコリメートするのに適切であり得る。比較的高い正の光パワーを有する第1の壁を、高い開口数を有する光源をコリメートするために使用してもよい。このような構成は、好適には、比較的低コストで高いパワーのダイオードレーザの使用を容易にする。
装置は、光ビームをサンプルに入るように方向付けるように構成される第1の光学素子群、及び、前方散乱光を集光して検出器に集束させるように構成される第2の光学素子群を備えていてもよく、検出器は平面状であり、前方散乱光は、サンプルとの相互作用によってある散乱角度範囲で散乱されて第2の壁を通過する光を含む。平面状検出器が比較的広い角度範囲で散乱される光を検出するために使用されるよう装置を構成することは、複数の個々に整列した検出器であって、それぞれがそれ自身の光学要素及び電気接続部を有する複数の個々に整列した検出器についての必要性をなくすことによって、低コスト設計を容易にする。
第1の光学素子群はサンプルセルの第1の壁を備えていてもよく、かつ/又は、第2の光学素子群はサンプルセルの第2の壁を備えていてもよい。これは、光源とサンプルとの間、サンプルと検出器との間のそれぞれにおいて、付加的な光学要素を必要としないことによって、コストを節約し、体積を減少させる。
装置は、後方散乱光を検出するように構成される更なる検出器を備えていてもよく、後方散乱光は、サンプルとの相互作用によってある散乱角度範囲で散乱されて第1の壁を通過する光を含み、更なる検出器は平面状であり、また、更なる検出器及び第1の光学素子群は、ある散乱角度範囲の後方散乱光が、第1の光学素子群によって凝集され、更なる検出器に集束されるように構成される。
第2の光学素子群は、前方散乱光が実質的に垂直に検出器に入射するように前方散乱光を方向付けるように構成することができ、かつ/又は、第1の光学素子群は、後方散乱光が実質的に垂直に更なる検出器に入射するように後方散乱光を方向付けるように構成される。検出器又は更なる検出器に垂直に光を方向付けることは、検出器の所与の単位面積についての光強度を最大にし、信号対雑音比を最大にする。
前方散乱光及び/又は後方散乱光についての散乱角度の(比較的広い)範囲は、少なくとも45°とすることができる。散乱角度範囲は、好ましくは、少なくとも30°、少なくとも45°、少なくとも60°、及び少なくとも80°の群から選択される。
検出器及び/又は更なる検出器は、少なくとも180°の方位角範囲にわたる散乱角度範囲の散乱光を受け取るように構成してもよい。方位角範囲は、好ましくは、少なくとも180°、少なくとも270°、少なくとも330°、及び実質的に360°の群から選択される。集光される光の方位角範囲の増加は、全体の信号を増加させ、それにより、信号対雑音比を増加させる。
検出器及び/又は更なる検出器は、複数の光検出器を含むモノリシック焦点面アレイを備えていてもよい。焦点面アレイは、実質的に扇形の部分を含んでいてもよく、その部分を、複数の環状検出器となるようセグメント化してもよい。これは、基板上で複数の検出器を電気接続して整列させる必要性を回避する。更に、モノリシックに集積化された検出器アレイは、より小さな検出器ピッチを有するように構成でき、また、電子雑音を最小にするために、集積化読出しエレクトロニクス及び処理を含むことができる。比較的大きなアレイ上にこのような機能を含ませることはより容易である。電気的相互接続による寄生容量及びインダクタンスもまた低減され、電気的雑音を減少させることによって信号品質を改善する傾向がある。
第1及び第2の光学素子群は、サンプルの中心に関して実質的に対称であってもよい。第1及び/又は第2の光学素子群は、光ビーム軸に関して回転対称であってもよい。第1及び第2の光学素子群は、サンプルの中心を通る線又は平面に関して鏡面対称性を有していてもよい。線(又は平面)は、光ビーム軸に直交していてもよい。これは、容易にスケール変更できる洗練された光学的解決策を提供する。対称構成は、コリメートされた光ビームを、サンプルを通るように方向付けるのに特に適している。
第1及び/又は第2の光学素子群は、4つの要素からなっていてもよい。第1及び/又は第2の光学素子群の各要素は、平凸状要素を備えていてもよい。これは、サイズ、性能、及びコストのバランスをとる特に適した構成であることが分かった。
検出器を、第2の光学素子群の要素の平坦面に隣接し、かつ、この平坦面に平行に配設してもよい。検出器に隣接する平坦面を有するレンズ要素の使用は、例えば、スペーサを使用して隣接するレンズ要素から検出器をオフセットして配置することによって、検出器を光学要素に対して整列させて位置決めすることが容易であることを意味する。
装置は、複数の異なる光学的測定技法を使用するように動作可能であってもよく、それぞれの光学的測定技法は、サンプルを照射するためのそれぞれの光源及び光路を有する。これは、幾つかの実験を短時間で実施することが望ましい、高価値であり、かつ体積が小さいサンプルについて特に有用である場合がある。
第1及び第2の壁は共に、収束レンズを備えていてもよく、第2の壁は第1の壁より高い屈折力を有する。
第2の壁が凸状表面を備える場合、凸状表面の弦の高さは、第2の壁の全体の厚さの75%未満を含んでていもよい。弦の高さは、第2の壁の全体の厚さの50%未満を含んでいてもよい。
粒子から気泡を識別することは、前方散乱光と後方散乱光の比を比較することを含んでいてもよく、前方散乱光は、少なくとも所定の角度の散乱角度を有する。所定の大きさを超える比は、サンプル内に気泡が存在すること示し得る。比が、5、10、15、又は20より大きい場合に、気泡が検出され得る。
装置は、光ビーム軸から所定の角度より大きいある散乱角度範囲における気泡からの反射による気泡からのより強い散乱を検出することによって、サンプル内の粒子から散乱される光から、サンプル内の気泡から散乱光を識別するように構成されるプロセッサを備えていてもよく、所定の角度は少なくとも35°である。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による装置内で使用するためのサンプルセルが提供され、サンプルセルは、少なくとも1つの湾曲した外部壁を有する。サンプルセルは、他の態様又は実施形態で説明するサンプルセルの特徴のうちの任意の特徴を含むことができる。
本発明の第3の態様によれば、液体を含むサンプル内の気泡と粒子を識別する方法が提供され、該方法は、光ビーム軸に沿った光ビームによってサンプルを照射すること、サンプルによってある散乱角度範囲で散乱される光を検出すること、及び、光ビーム軸から所定の角度より大きいある散乱角度範囲において気泡からの反射に起因する気泡からのより強い散乱を検出することによって、サンプル中の粒子から気泡を識別することを含み、所定の角度は少なくとも35°である。
粒子から気泡を識別することは、前方散乱光と後方散乱光の比を比較することを含むことができ、前方散乱光は、少なくとも所定の角度の散乱角度を有する。所定の大きさを超える比は、サンプル内に気泡が存在すること示し得る。比が、5、10、15、又は20より大きい場合に、気泡が検出され得る。該方法は、気泡がいつサンプルからの散乱光に影響を与えているかを決定することを含むことができる。散乱に対する気泡からの影響は、検出される散乱光に基づいて、装置が粒子の特性を評価するときに除去する又は補償することができる。例えば、検出器の出力は、気泡からの散乱光が検出されたと判定される期間中は、無視されるか、又は、減少した重みを与えられる場合がある。
代替的に又は付加的に、該方法は、測定中に気泡が存在したかどうかをユーザに示すことを含むことができ、また、気泡の量の尺度(気泡の数、気泡が存在した測定時間の割合、又は気泡の量の何らかの他の尺度等)を示すことを含むことができる。ユーザは、その後、例えば、超音波処理、撹拌、温度、循環、ガス抜きの継続時間又は強度等のパラメータを調整することによって、気泡の存在について状況を改善するためにサンプル調製又は測定条件を調整してもよい。装置は、測定中に気泡の発生を減少させるために、サンプル調製及び測定条件を自動的に調整するように構成してもよい。
前方散乱光と後方散乱光の比を、光ビーム軸から40°と60°との間の散乱角度の前方散乱光を参照して確定してもよい。
所定の角度は、40°、50°、60°、70°、及び80°の群から選択してもよい。
サンプルは、水中に分散した粒子を含んでいてもよい。
光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、サンプルセルの第2の壁を通過してもよく、サンプルセルの第1の壁及び/又は第2の壁は、光ビーム軸が通過する凸状外部表面を備える。
サンプルセルは、光ビーム軸に対して少なくとも15°の角度の表面法線を有する平面状外部表面を備えていてもよく、平面状外部表面は、大きな角度で散乱される光が、外部表面における全反射を生じることなく、脱出して検出器によって検出されることを可能にするように構成される。
サンプルセルは、凸状外部表面を備えていてもよい。サンプルセルは、平凸レンズを備える第1及び/又は第2の壁を備えていてもよい。
本願の方法は、散乱光が平均化される前に、大きな粒子を示す信号について、サンプルからの散乱光をモニターすることを含んでいてもよい。大きな粒子を示す散乱光が検出されると、該方法は、信号が大きな粒子又は気泡を示すかどうかを判定するために、所定の角度を超える角度で散乱される光についてチェックすることを含んでいてもよい。
本発明の第4の態様によれば、液体を含むサンプル内の気泡と粒子を識別するための装置が提供され、該装置は、光ビーム軸に沿った光ビームによってサンプルを照射するための手段と、サンプルによってある散乱角度範囲で散乱される光を検出するための手段と、光ビーム軸から所定の角度より大きいある散乱角度範囲において気泡からの反射に起因する気泡からのより強い散乱を検出することによって、サンプル内の粒子から気泡を識別するための手段とを備える。
本発明の第5の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、検出器と、プロセッサとを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによってサンプルセル内の液体中に分散した粒子を含むサンプルを照射するように動作可能であり、光ビーム軸は、サンプルセル及びサンプルセル内のサンプルを通過して、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、検出器は、光ビーム軸から少なくとも所定の角度の角度でサンプルセルを出る散乱光を検出するように構成され、プロセッサは、検出器の出力を使用して、光ビーム軸から所定の角度(所定の角度は少なくとも35°である)より大きい角度の気泡からの反射に起因する気泡からのより強い散乱によって、サンプル内の粒子から気泡を識別するように構成される。
プロセッサは、前方散乱光と後方散乱光の比を確定することによって粒子から気泡を識別するように構成してもよく、前方散乱光は少なくとも所定の角度の散乱角度を有する。
プロセッサは、比が、5、10、15、又は20より大きい場合に、サンプル内の気泡を検出するように構成してもよい。
プロセッサは、40°と60°との間の散乱角度の前方散乱光を参照して前方散乱光と後方散乱光の比を確定するように構成してもよい。
所定の角度は、40°、50°、60°、70°、及び80°の群から選択してもよい。
サンプルは、水中に分散した粒子を含むことができる。
光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、サンプルセルの第2の壁を通過してもよく、サンプルセルの第1の壁及び/又は第2の壁は、光ビーム軸が通過する凸状外部表面を備える。
サンプルセルは、光ビーム軸に対して少なくとも15°の角度の表面法線を有する平面状外部表面を備えていてもよく、平面状外部表面は、大きな角度で散乱する光が、外部表面において全反射されることなく、脱出して検出器によって検出されることを可能にするように構成される。
本発明の第3の態様の方法は、気泡からの散乱を検出することによって粒子から気泡を識別するために、任意の他の態様による装置を使用することを含むことができる。本発明の第4又は第5の態様の装置は、第3の態様の方法の任意選択的な特徴の任意のもの又は全てを含む、第3の態様の方法を実施するように構成してもよい。
本発明の別の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、該コンピュータ可読媒体は、所定の角度を超える散乱角度の前方散乱光と後方散乱光の比を確定することによって液体サンプル内の気泡を識別するように動作可能であるソフトウェアを備え、所定の角度は少なくとも35°であり、気泡は、比が10より大きい場合に識別される。
本発明の第6の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、光学素子群と、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームはサンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、光学素子群は、散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成され、かつ、少なくとも1つのレンズ要素を備え、光学素子群のレンズ要素は、レンズ要素軸に沿って開口領域を備え、レンズ要素は、光ビームが開口領域を通過するように、レンズ要素の軸が光ビーム軸に実質的に一致するように位置決めされる。
この構成は、レンズ要素の表面からの光ビームの反射の結果としての装置内での迷光を減少させる。光ビームは、通常、サンプルからの散乱光より何桁も強力であり、光ビームのたとえわずかな割合の反射も、かなりの迷光をもたらす可能性があり、迷光は、散乱光を検出結果からマスクする傾向がある光学的雑音をもたらす。反射することなく光ビームがそばを又は中を通過することを可能にするように構成されるレンズ要素の使用は、光学的雑音を実質的に減少させ得る。これは、普通なら集光光学素子からの反射によって圧倒されている散乱光の信号をもたらすであろう、集光レンズが光ビームの軸上にある光学構成の性能を実質的に改善することができる。
レンズ要素は、中心貫通孔がレンズの軸に一致する円形レンズ要素から形成されてもよい。
レンズ要素は、レンズ光軸に沿って観察すると、実質的に扇形であってもよい。レンズの形状は、円形レンズ要素の一領域に対応していてもよい。その領域は、(円形レンズ要素の軸に沿って観察されると)円形レンズ要素の扇形部分の一部に対応していてもよい。扇形レンズ要素は、第1の半径に沿って円形親レンズを切断することによって形成される第1の面と、第2の半径に沿って円形親レンズを切断することによって形成される第2の面とを備えることができる。
扇形レンズの使用は、単一の円形親レンズを複数のセグメント状レンズに切断し得る集光レンズの生産において、実質的経済性を実現する場合がある。更に、扇形レンズの使用は、光ビームの軸上に位置決めされたレンズが、異なる方位角方向の散乱角度で散乱される光について異なるように構成される複数の光路を提供することを可能にする。
扇形レンズ要素は、第1及び第2の半径に沿って円形レンズ要素を切断することによって、円形レンズ要素から形成されてもよい。
レンズ要素は、非球面表面を備えていてもよい。非球面表面の使用が、許容可能な性能を達成するために必要な光路長をかなり減少させることが見出された。
光学素子群は、光ビーム軸に対して少なくとも35°の前方散乱角度で、好ましくは、光ビーム軸に対して少なくとも50°の角度で前方散乱光を方向付けて集束させるように構成してもよい。
光学素子群は、複数のレンズ要素を備えていてもよく、あるいは、単一のレンズ要素を備えていてもよい。
光学素子群の少なくとも2つのレンズ要素は、それら自体の軸に沿って開口領域を有するレンズ要素を備えていてもよい。
光学素子群は、自身の軸に沿って開口領域を有していない少なくとも1つの実質的に円形のレンズを備えていてもよい。サンプルセルから遠隔にある光路の領域は、比較的発散したビームを集光する必要がある場合があり、したがって、円形レンズの使用は、セグメント状レンズより適切な場合がある。
装置は、更なる検出器を備えていてもよく、検出器が、光ビーム軸に対して第1の角度範囲で散乱される光を検出するように構成され、更なる検出器が、光ビーム軸に対して第2の角度範囲で散乱される光を検出するように構成される。第1の範囲は第2の範囲より広くてもよい。第1の範囲は、第2の範囲より大きな最大散乱角度を含んでいてもよい。
光学素子群は、検出器上の画像スポットであって、画像スポットの半径方向範囲が接線方向範囲の半分未満である画像スポットを生成するように構成されていてもよい。接線方向スポットサイズが実質的に制約を受けないことを可能にしながら、半径方向スポットサイズについてレンズ設計を最適化することが、散乱角度が散乱の方位角方向よりも重要である光散乱の応用において優れた設計をもたらすことが見出された。
本発明の第7の態様によれば、本発明の任意の他の態様の装置と共に使用するための、レンズ要素の軸に沿って開口領域を有するレンズ要素が提供される。レンズは、散乱光を集光するために、かつ/又は、散乱光を検出器に集束させるために適しているものであってもよい。レンズは反射コーティングを含まない場合がある。レンズは、非球面表面を備えていてもよい。レンズの表面を、反射防止コーティングでコーティングしてもよい。レンズは、本発明の任意の態様又は実施形態において、レンズの軸に沿って開口領域を有する任意のレンズから採用される特徴のうちの任意の特徴を含み得る。
本発明の第8の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、光学素子群と、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームはサンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、光学素子群は、散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成され、かつ、少なくとも1つのレンズ要素を備え、光学素子群のレンズ要素は、レンズ軸に沿って観察すると、実質的に扇形である。
扇形レンズ要素の使用は、性能における不利益を伴うことなく、システムのコスト及び重量を実質的に低減する。装置が、P偏光光か、S偏光光か、又は任意の選択された方位角範囲の光を検出するように構成される検出器を含む場合、扇形レンズは、性能の損失を伴うことなく光を検出器に方向付けるために容易に使用され得る。複数の扇形レンズは、単一の円形レンズ材料が研削されて研磨された後にその単一の円形レンズ材料を半径(又は直径)に沿って切断することによって、単一の円形レンズ材料から作製されてもよく、それにより、各レンズ要素のコストが低減される。
光ビームが通過するための開口領域を扇形レンズが備えることは、必須の特徴ではない。その理由は、扇形レンズが光ビーム軸からわずかにオフセットされていてもよいからであり、あるいは、扇形レンズが光ビームを停止させるビーム停止部の背後に位置決めされていてもよいからである。
照射光ビームがそばを通過することを可能にするように構成される扇形レンズ要素は、円形レンズ材料が扇形レンズ要素となるよう切断される前に円形レンズ要素に穴を形成することによって、容易に作製され得る。
光学素子群は、90°未満の方位角範囲にわたって散乱される光を集光して検出器に集束させるように構成されていてもよい。
装置は更なる検出器を備えていてもよく、該更なる検出器は、光学素子群によって集光される方位角範囲を除く別の方位角範囲にわたって散乱される光を検出するように構成される。
検出器及び/又は更なる検出器は、P偏光した散乱光又はS偏光した散乱光を検出するように構成されてもよい。
検出器は、第1の仰角範囲で散乱される光を検出するように構成されてもよく、更なる検出器は、第2の仰角範囲で散乱される光を検出するように構成されてもよい。第1の範囲は第2の範囲より広くてもよい。第1の範囲は、第2の範囲より大きい最大散乱角度を含んでいてもよい。
セグメント状レンズ要素は、第1及び第2の半径に沿って円形レンズ要素を切断することによって、円形レンズ要素から作製されてもよい。
レンズ要素は非球面表面を備えていてもよい。
レンズ要素は、その軸が光ビーム軸に実質的に一致するように構成されてもよい。
光学素子群は、光ビーム軸に対して少なくとも35°の前方散乱角度で、好ましくは、光ビーム軸に対して少なくとも50°の角度で、前方散乱光を方向付けて集束させるように構成してもよい。
光学素子群は、複数のレンズ要素を備えていてもよい。
光学素子群は、検出器上の画像スポットであって、画像スポットの半径方向範囲が接線方向範囲の半分未満である画像スポットを生成するように構成してもよい。
本発明の第9の態様によれば、本発明の任意の他の態様の装置と共に使用するための、実質的に扇形のレンズ要素が提供される。レンズは、散乱光を集光するために、かつ/又は、散乱光を検出器に集束させるために、適したものであってもよい。レンズは反射コーティングを含まない場合がある。レンズは、非球面表面を備えていてもよい。レンズの表面は、反射防止コーティングでコーティングされていてもよい。レンズは、任意の態様又は実施形態において扇形である任意のレンズの特徴のうちの任意の特徴を含み得る。
本発明の第10の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、第1の検出器と、光学素子群と、第2の検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによってサンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームはサンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、第1の検出器は、第1の散乱角度範囲で第1の検出器上に散乱される前方散乱光を検出するように構成され、第2の検出器は、光学素子群によって集光されて第2の検出器上に集束される、第2の散乱角度範囲で散乱される前方散乱光を検出するように構成され、第2の散乱角度範囲は第1の範囲とは異なり、第1の検出器及び第2の検出器のそれぞれの平面は光ビーム軸に対して実質的に垂直である。
光学素子群は、前方散乱光を集光して、第1の検出器ではなく、第2の検出器上に集束させてもよい。
第1の検出器は、好ましくは、第2の検出器から分離されており、これは、第2の検出器が第1の検出器と一体的に形成されない(例えば、同じ焦点面アレイの一部でない)ことを意味する。第1及び第2の検出器は、共通の平面基板上で支持されない場合がある。
この構成は、2つの比較的小型の平面状検出器を使用して広い散乱角度範囲の検出を可能にする。検出器の整列は比較的容易である。その理由は、検出器のそれぞれが照射光ビームの軸に対して実質的に垂直であるからである。更に、検出器のそれぞれが光ビームに対して垂直であるため、光学素子群の1つの(又は複数の)集光レンズを、その軸が照射光ビームの軸に実質的に一致するように位置決めし、配向してもよい。検出器における比較的連続した光照射野は、この構成がレンズ又は検出器の不整列の影響を比較的受けにくいことを意味する。
それぞれが比較的狭い散乱角度範囲をカバーする複数の別個の(一体的に形成されない)検出器を有する従来技術の構成は、整列についてより問題を生じやすい。その理由は、不整列は、散乱光が端の方で検出器に達しない事態を引き起こし得るからである。その結果、大き過ぎる検出器が使用される傾向があり、寄生容量の増加及び雑音の増加をもたらす。本発明の態様によって促進される検出器及びレンズ要素の数の減少は、幾つかの実施形態において、電気接続して組み立てることをより容易にする。
光学素子群は、光ビーム軸に実質的に一致するレンズ軸を有する少なくとも1つのレンズ要素を備えていてもよい。光学素子群は単一のレンズ要素を備えていてもよい。
光学素子群は少なくとも1つのレンズ要素を備えていてもよく、該少なくとも1つのレンズ要素のそれぞれは、光ビーム軸に実質的に一致するレンズ要素軸を有していてもよい。
第2の角度範囲は、第1の角度範囲より大きい最大散乱角度を含んでいてもよい。
第1及び第2の角度範囲は、互いに排他的な方位角範囲を含んでいてもよい。
光源は、平面偏光光を生成するように構成してもよく、第1及び第2の検出器のそれぞれが、P偏光した散乱光、S偏光した散乱光、又は任意の方位角範囲で散乱される光を検出するように構成されるように、第1及び第2の角度範囲のそれぞれの方位角範囲を、偏光平面上で実質的にセンタリングしてもよい。
装置は、第1の検出器とサンプルセルとの間に位置決めされた発散レンズを更に備えていてもよい。
第1の検出器を、サンプルセルからの距離が第2の検出器とは異なるように位置決めしてもよい。第1の検出器は、第2の検出器よりもサンプルセルに近づけて位置決めしてもよく、又は、その逆も同様である。第1及び第2の検出器は、サンプルセルから同じ距離にあってもよい。
光学素子群は、実質的に扇形である少なくとも1つのレンズを備えていてもよい。
光学素子群は、円形である少なくとも1つのレンズを備えていてもよい。
光学素子群は、レンズ要素の軸に沿って開口領域を有する少なくとも1つのレンズを備えていてもよく、レンズ要素は、光ビームがレンズ要素の開口領域を通過することを可能にするように構成される。
光学素子群は、接線方向範囲が半径方向範囲の少なくとも2倍大きい集束したスポットサイズを第2の検出器上に提供するように構成してもよい。
第1の検出器を、第1の方位角範囲にわたって散乱される光を検出するように構成してもよく、第2の検出器を、第2の方位角範囲にわたって散乱される光を検出するように構成してもよく、第1の方位角範囲は第2の方位角範囲と重ならない。
光学素子群は、非球面表面を備えるレンズ要素を備えていてもよい。
光学素子群は、光ビーム軸に対して少なくとも15°、光ビーム軸に対して少なくとも35°、又は光ビーム軸に対して少なくとも50°の角度で、前方散乱光を方向付けて集束させるように構成されてもよい。
装置は、サンプルからの後方散乱光を検出するための第3の検出器を更に備えていてもよい。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過し、それにより、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、検出器は、サンプルセルを出る散乱光を検出するように構成され、細いビームは、光ビーム軸に沿ってサンプルセルの内部を横切る距離の半分未満である最大1/e2幅を有する。
サンプルセルの第1の壁及び/又は第2の壁は、光ビームが通過する凸状外部表面を備えていてもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、平凸レンズを備えていてもよい。
装置は、散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成される光学素子群を備えていてもよい。光学素子群はレンズ要素を備えていてもよい。レンズ要素は非球面表面を備えていてもよい。レンズ要素は扇形であってもよい。レンズ要素は、光ビームがレンズ要素の開口領域を通ってレンズ要素を通らずに通り過ぎることを可能にするように構成してもよい。レンズ要素は、その軸が光ビーム軸に実質的に一致するように位置決めされてもよい。
この構成において、光ビームは、一度に1つだけの又は少数の大きな粒子を包含するに十分な細いものとしてもよく、したがって、そこから散乱される光を、(P偏光された散乱光に対応する比較的狭い方位角範囲ではなく)広い角度範囲にわたって集めることができる。各散乱角度範囲についての検出器は、30°、45°、90°、又は180°より大きい円周方向範囲を有する環状部を備えていてもよい。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、検出器とを備え、光源は、光ビームによってサンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、それにより、サンプルとの相互作用によって散乱光が生成され、検出器は、サンプルセルを出る散乱光を検出するように構成され、かつ、複数のサンプルを収容するための複数のサンプルホルダを更に備え、サンプルホルダは、照射のためにサンプルセル内で各サンプルを位置決めするようにサンプルセル内で移動可能である。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルとを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過し、それにより、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、装置は、サンプルに入るように光ビームを方向付けるように構成される第1の光学素子群、及び、前方散乱光を集光して第1の平面状検出器に集束させるように構成される第2の光学素子群を備え、前方散乱光は、サンプルとの相互作用によってある散乱角度範囲で散乱されて第2の壁を通過する光を含み、第2の光学素子群は、第1の平面状検出器に実質的に垂直に入射するよう前方散乱光を方向付けるように構成される。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルとを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過し、それにより、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、装置は、サンプルに入るよう光ビームを方向付けるように構成される第1の光学素子群、及び、第1の平面状検出器において前方散乱光を凝集させるように構成される第2の光学素子群を備え、前方散乱光は、サンプルとの相互作用によってある散乱角度範囲で散乱されて第2の壁を通過する光を含み、第1の検出器は、第2の光学素子群の平面状表面に隣接し、かつそれに平行に配設される。
装置は、第1の光学素子群によって集光される後方散乱光を検出するように構成される第2の検出器を備えていてもよい。第2の検出器は、第1の光学素子群の平面状表面に隣接し、かつそれに平行に配設されてもよい。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置において、散乱光を集光して検出器上に集束させるための光学構成を設計する方法が提供され、該方法は、検出器における接線方向スポットサイズに制約を設けることなく、検出器において半径方向スポットサイズを最小にすることを含む。
光学構成は、本発明の他の態様のうちの任意の態様による装置の一部であってもよい。散乱光は、照射光ビームとサンプルセル内のサンプルとの相互作用によって生じ得る。光ビームは、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過してもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、凸状外部表面を備えていてもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、平凸レンズを備えていてもよい。
光学構成は、散乱光を集光し、散乱光を検出器上に集束させるように構成された集光レンズを備えていてもよい。半径方向及び接線方向とは、集光レンズ軸を基準にして規定することができる。半径方向は、(集光レンズ軸を基準にして)ある仰角範囲に沿った固定方位角の線に対応し得る。接線方向は、(集光レンズ軸を基準にして)ある方位角範囲に沿った)固定仰角の線に対応し得る。
集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。集光レンズは、レンズ軸に沿って観察すると、実質的に扇形であってもよい。集光レンズは、その光軸が光ビーム軸に実質的に一致するように構成してもよい。集光レンズは、光ビームが集光レンズの開口領域を通過するように、集光レンズ軸に沿って開口領域を備えていてもよい。2つ以上の集光レンズが存在してもよい。各集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。サンプルセルの第2の壁の凸状外部表面は非球面であってもよい。検出器は、弧状検出器要素を備えていてもよい。検出器は、弧状検出器要素の1次元アレイを備えていてもよい。
検出器においてスポットサイズを最小にすることは、光学設計の制約付き最適化を実施するためにコンピュータを使用することを含むことができる。光学設計は、レンズ、集光レンズ、及び検出器として構成されるサンプルセルの第2の壁を備えていてもよい。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、集光レンズと、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームは、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、集光レンズは、前方散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成され、集光レンズは、検出器において弧状の点広がり関数を有する。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、集光レンズと、検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームは、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、集光レンズは、検出器における接線方向スポットサイズが検出器における半径方向スポットサイズの少なくとも2倍であるように、前方散乱光を集光して検出器上に集束させるように構成される。
光ビームは、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過してもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、凸状外部表面を備えていてもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、平凸レンズを備えていてもよい。
集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。集光レンズは、レンズ軸に沿って観察すると、実質的に扇形であってもよい。集光レンズは、その光軸が光ビーム軸に実質的に一致するように配置されてもよい。集光レンズは、光ビームが集光レンズの開口領域を通過するように、集光レンズ軸に沿って開口領域を備えていてもよい。2つ以上の集光レンズが存在していてもよい。各集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。サンプルセルの第2の壁の凸状外部表面は非球面であってもよい。検出器は、弧状検出器要素を備えていてもよい。検出器は、弧状検出器要素の1次元アレイを備えていてもよい。検出器の平面は、光ビーム軸に対して実質的に垂直であってもよい。
半径方向範囲と接線方向範囲の両方における最小スポットサイズに関して最適化するより従来的なプロセスによって作出される設計と比較すると、接線方向スポットサイズが制約のない状態でレンズ設計を最適化することが、改善された性能を有する非常に小型の設計をもたらすことを出願人は見出した。検出器におけるスポットの接線方向への分散は、散乱角度と検出器要素との間の関係を不鮮明にしない。対照的に、検出器における半径方向の分散は、散乱角度と、散乱角度がマッピングされる検出器要素との間の関係の不鮮明さをもたらすことになる。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、第1の検出器と、第2の検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームは、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、第1の検出器は、サンプルからの前方散乱光を検出するように構成され、第2の検出器は、サンプルからの後方散乱光を検出するように構成され、サンプルセルの内部表面は、反射防止コーティングでコーティングされる。
サンプルセルの内部表面上のコーティングは、散乱光を使用する粒子特性評価において従来は使用されてこなかった。サンプルセルの内部表面で反射される光は、従来技術のシステムにおいて光学的雑音の大きな原因とはなっておらず、光学的雑音のより大きな要因は、水/空気界面についての臨界角度より大きな角度で散乱される光の全反射から生じる場合がある。反射防止コーティングによってサンプルに起こり得る悪影響に対する懸念は、このようなコーティングに対する偏見が、粒子特性評価においてこれまで存在してきたことを意味する。サンプルセルの内部表面を反射防止コーティングでコーティングすることが、特に後方散乱光において、光学的雑音のかなりの低減をもたらし得ることを本出願人は見出した。サンプルセルの内部表面上のこのような反射防止コーティングと、散乱光がサンプルセルを出ることができる散乱角度範囲を増加させるように構成された凸状外部表面を備えるサンプルセルとの間に相乗効果が存在する。その理由は、この界面における反射の影響が、このような実施形態におけるより重要な光学的雑音源であり得るからである。
反射防止コーティングでコーティングされるサンプルセルの内部表面は、前方散乱光がサンプルセルを出て行くときに通る表面であってもよい。別の面では、サンプルセルの内部界面で反射される前方散乱光が、後方散乱光の光学的雑音に対して大きな影響を与える場合があることを本出願人は見出した。
サンプルセルの外部表面は、反射防止コーティングを備えていてもよい。著しく湾曲した表面上で均一なコーティング厚を達成することは難しい場合があるが、サンプルセルの凸状外部表面上で変化する厚さを有する反射防止コーティングが性能を著しく改善し得ることを出願人は確認した。比較的大きな散乱角度における入射角度は、平坦外部表面を有するセルの場合よりも、凸状外部表面においてよりほぼ垂直であり、したがって、反射防止コーティングの性能が向上する。
光ビームは、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、その後サンプルセルの第2の壁を通過してもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、凸状外部表面を備えていてもよい。第1の壁及び/又は第2の壁は、平凸レンズを備えていてもよい。
装置は、散乱光を集光して第1又は第2の検出器上に集束させるための集光レンズを備えていてもよい。集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。集光レンズは、レンズ軸に沿って観察すると、実質的に扇形であってもよい。集光レンズは、その光軸が光ビーム軸に実質的に一致するように構成されてもよい。集光レンズは、光ビームが集光レンズの開口領域を通過するように、集光レンズ軸に沿って開口領域を備えていてもよい。2つ以上の集光レンズが存在してもよい。各集光レンズは非球面表面を備えていてもよい。サンプルセルの第2の壁の凸状外部表面は非球面であってもよい。第1及び/又は第2の検出器は、弧状検出器要素を備えていてもよい。第1及び/又は第2の検出器は、弧状検出器要素の1次元アレイを備えていてもよい。第1及び/又は第2の検出器の平面は、光ビーム軸に対して実質的に垂直であってもよい。第1及び第2の検出器は、第2の検出器が第1の検出器から反射される前方散乱光を実質的に回避するように、光ビーム軸に関して異なる方位角位置に配設されてもよい。
本発明の別の態様によれば、粒子特性評価装置が提供され、該粒子特性評価装置は、光源と、サンプルセルと、第1の検出器と、第2の検出器とを備え、光源は、光ビーム軸に沿った光ビームによって、サンプルセル内のサンプルを照射するように動作可能であり、光ビームは、サンプルとの相互作用によって散乱光を生成し、第1の検出器は、サンプルからの前方散乱光を検出するように構成され、第2の検出器は、サンプルからの後方散乱光を検出するように構成され、第1の検出器は、第2の検出器が第1の検出器から反射される前方散乱光を実質的に回避するように、第2の検出器とは異なる方位角領域に配設される。
「方位角領域」という用語は、光ビーム軸に関する方位角範囲を指す。
第1の検出器からの前方散乱光の反射は、後方散乱方向における光学的雑音に大きな影響を与える成分を含む場合があり、この雑音を回避することは、後方散乱方向についての信号対雑音比の実質的な改善をもたらす場合がある。
第1の検出器は、実質的にS偏光した光を検出するように構成されてもよく、第2の検出器は、実質的にP偏光した光を検出するように構成されてもよい。代替的に、第1の検出器が、実質的にP偏光した光を検出するように構成されてもよく、第2の検出器が、実質的にS偏光した光を検出するように構成されてもよい。第1の検出器は、(光ビーム軸に関する)方位角において45°と135°との間の角度だけ、75°と115°との間の角度だけ、又は実質的に90°だけ、第2の検出器からオフセットして配置されてもよい。
第1の検出器の検出表面からの垂直方向は、第2の検出器の検出表面からの垂直方向に実質的に平行であってもよい。
第1及び第2の検出器をそれぞれ、それらの表面が光ビーム軸に対して実質的に垂直となるように配置してもよい。第1及び/又は第2の検出器は、複数の一体的に形成された光検出器を含む焦点面アレイを備えていてもよい。焦点面アレイは、複数の環状検出器を備え得る実質的に扇形の部分を含んでいてもよい。
光ビーム軸は、サンプルセルの第1の壁を通過し、サンプルを通過し、サンプルセルの第2の壁を通過してもよい。第1及び/又は第2の壁は、湾曲外部表面を備えていてもよい。第1及び/又は第2の壁は、平凸レンズを備えていてもよい。第2の壁の内部表面は、サンプル/第2の壁界面における反射を低減するために、反射防止コーティングでコーティングされてもよい。第1及び/又は第2の壁の凸状外部表面は、サンプルセル/空気界面における反射を低減するために、反射防止コーティングでコーティングされてもよい。第1の検出器及び/又は第2の検出器を、反射防止コーティングでコーティングしてもよい。
本発明の各態様は、本発明の各態様と好適に組み合わせることができる。同様に、各態様の任意選択的な各特徴は、本発明の他の各態様に好適に適用することができる。例えば、凸状外部表面を備えるサンプルセルを、各態様において使用してもよい。扇形の集光レンズを全ての態様において使用することができる。照射光ビームが通過するためにレンズ軸に沿って開口領域を有する集光レンズを、全ての態様と共に使用することができる。
本発明について、添付図面を参照して例を挙げて以下に説明する。
従来技術の粒子特性評価装置の概略図である。
本発明の第1の実施形態による装置について、サンプルセルを通る光源からの光ビーム経路を示す概略図である。
本発明の第1の実施形態による装置についての、光源、サンプルセル、及び集光光学素子の概略図である。
本発明の第2の実施形態による装置について、光ビーム及びサンプルからの散乱光を示す光線図である。
光源が比較的小さな開口数を有する本発明の第3の実施形態による装置についての、サンプルセルを通る光ビーム経路の概略図である。
光源からサンプルセルまでの光路を折り曲げるために単一のミラーが使用される本発明の第4の実施形態による装置についての、サンプルセルを通る光ビーム経路の概略図である。
従来技術の装置についての信号強度を本発明の一実施形態による装置についての信号強度と比較するグラフである。
従来技術の装置についての集光効率を本発明の第1の実施形態による装置についての集光効率と比較するグラフである。
第1及び第2の光源によって照射されるサンプルセルを示す、第5の実施形態の一部の光線図である。
従来技術のサンプルセルについての散乱角度に対する外部表面における発散角度を本発明の第1の実施形態によるサンプルセルについての散乱角度に対する外部表面における発散角度と比較するグラフである。
コリメートされた光ビームが水中の気泡からどのように内部反射し全反射するかを示す光線図である。
50μmガラスビーズ及び50μm気泡についての散乱光の強度と散乱角度との関係を示すグラフである。
本発明の第6の実施形態による装置の概略図であり、第6の実施形態においては、対称性の第1及び第2の光学素子群が使用されて、広い散乱角度範囲からの前方散乱光及び後方散乱光を、前方散乱光及び後方散乱光をそれぞれ検出するように構成された第1及び第2の平面状検出器へと方向付ける。
本発明の第6の実施形態による、第2の光学素子群によって前方散乱光がどのように第1の検出器上に方向付けられるかを示す光線図である。
i)従来技術の装置、ii)図3の装置、及びiii)図13の装置について、散乱角度に対する集光効率を比較するグラフである。
本発明の第7の実施形態による装置の概略図であり、該装置は、図13の装置と同様に小型の構成であるが、サンプルを通る光ビームを細いビームに集束させるように構成される。
図15の装置について、第2の光学素子群によって前方散乱光がどのように第1の検出器上に方向付けられるかを示す光線図である。
複数のサンプルをサンプルセル内へ/から移送するための複数のサンプルホルダの概略図である。
複数の別個の光ビームによって複数の光路に沿って照射される第1の実施形態によるサンプルセルを示す光線図であり、異なる光ビームは、幾つかの異なる光学的分析を実施するのに適している。
複数の異なる測定技法を実施するように、第1の実施形態によるサンプルセルを照射する4つの重なり合う光ビームを示す光線図である。
第1及び第2の検出器ならびに関連する集光レンズ要素を光ビーム軸に沿って見た図である。
本発明の第8の実施形態による粒子特性評価装置の光線図である。
本発明の第9の実施形態による粒子特性評価装置の光線図である。
本発明の第10の実施形態による粒子特性評価装置の光線図である。
本発明の第11の実施形態による粒子特性評価装置の光線図である。
本発明の第12の実施形態による粒子特性評価装置の光線図である。
本発明の第12の実施形態において検出器上に収束する光線を示す光線図である。
本発明の第12の実施形態の第2の光路を示す光線図である。
複数のセグメント状レンズを形成するために円形レンズをどのように切断することができるかを示す、セグメント状レンズの概略図である。
本発明の一実施形態による気泡検出用のシステムを示すブロック図である。
本発明の一実施形態による粒子特性評価装置の概略図である。
検出器における集光光学素子の弧状点広がり関数を示す検出器の図である。
一実施形態によるサンプルセル及び前方散乱検出構成の光線図である。
一集光構成による散乱光の空間的分布を示す比較例証図である。
別の集光構成による散乱光の空間的分布を示す比較例証図である。
従来技術の構成と比較した、2つの実施形態について単位立体角当たりの光の強度を比較するグラフである。
後方散乱方向の迷光がどのようにシミュレーションされるかを示す光線図である。
一実施形態についての後方散乱方向における迷光の極強度プロット(polar intensity plot)を、極強度プロットの中心を通る水平ラインに沿った強度の2次元ライングラフと共に示す。
(サンプルが水であるときの)サンプル/サンプルセル界面についての反射率を示す一対のグラフであり、第1のグラフは未コーティングのサンプル/サンプルセル界面に対応し、第2のグラフは反射防止(AR)コーティング済みサンプル/サンプルセル界面に対応する。
一実施形態によるARコーティング済みサンプルセルについての、また、従来技術による平坦壁を有するARコーティング済みサンプルセルについての、散乱角度に対するサンプルセル/空気界面における反射率を示すグラフである。
極強度プロットの中心を通る水平ライン及び垂直ラインに沿う強度の2次元ライングラフと共に示す、サンプル/サンプルセル界面における、また、サンプルセル/空気界面における、ARコーティングを有する一実施形態についての後方散乱方向における迷光の極強度プロットである。
一実施形態によるケーラー型離散的後方散乱検出チャネルの光線図である。
ケーラー型離散的後方散乱チャネルを含む一実施形態の光線図である。
図33の前方散乱検出構成を備える一実施形態の光線図であり、後方散乱集光構成は前方散乱構成のレンズ及び検出器に対応する一対のレンズ及び検出器を備える。
図33の前方散乱検出構成を備える一実施形態の光線図であり、後方散乱集光構成は前方散乱構成のレンズ及び検出器に対応する一対のレンズ及び検出器を備える。
図42のケーラー型離散的後方散乱検出チャネルを更に備える図44の実施形態の光線図である。
図43のケーラー型離散的後方散乱検出チャネルを更に備える図45の実施形態の光線図である。
(A)従来技術の構成、(B)図3の実施形態、及び(C)図46の実施形態についての、ある散乱角度範囲について検出器における光パワーを比較するグラフである。
(A)従来技術の構成、(B)図3の実施形態、及び(C)図47の実施形態についての、ある散乱角度範囲について検出器における光パワーを比較するグラフである。
(B)及び(C)についての検出器における全体の集光光を、従来技術の構成(A)の全体の集光光と比較する棒グラフである。
サンプルセルが、粒子が空気中に分散するサンプル用のサンプルセルと置換された、図44及び45の実施形態の改変例の光線図である。
照射ビーム幅がサンプル内において細い、2つの実施形態の光線図である。
本発明によるタンパク質からの光散乱の検出を示すグラフである。
[発明の詳細な説明]
図1を参照すると、粒子特性評価のための従来技術の装置10が示され、該装置10は、光ビーム8によってサンプルセル20を照射するための光源2を備える。装置10は、サンプルセル20の内部のサンプルから散乱される光を検出するための複数の検出器(図示せず)を更に備える。光源2は、比較的大きな光源であるヘリウムネオンレーザである。第1のミラー4及び第2のミラー4が、2つの90°屈曲部(bend)により光ビーム8の光路を折り曲げるために使用されるため、光源2は、サンプルを通る光ビーム8の光路の下方に収容され得る。これは、比較的小型の装置を実現するが、光源による、例えば対流熱伝達によるサンプルの間接的加熱をもたらす可能性がある。第2のミラー4とサンプルセル20との間にはトリプレットレンズ6が設けられており、サンプルを通るビームに必要な性質を提供する。光ビーム8は、サンプルを通って収束する。
図2は、光源2からの照射下での、本発明の一実施形態によるサンプルセル30を示す。サンプルセル30は、サンプル22を収容し、光ビームがサンプルを照射するときに通る第1の壁13、及び、サンプル内で散乱が全くない状態で光ビーム8がサンプルを出るときに通る第2の壁15を備える。
第1の壁13は、凸状外部表面26及び対向する平面状内部表面32を備える。第1の壁13の対向する内部表面と外部表面との間の曲率の差は、第1の壁13がレンズ要素として働くように構成されることを意味する。サンプルセル30の第1の壁13及び第2の壁15は、サンプル22の中心に関して実質的に対称である。第2の壁15も同様に、凸状外部表面24及び対向する平面状内部表面28を備える。第1及び第2の壁の平面内部表面32、28は、隣接しかつ実質的に平行であり、粒子を担持する分散剤(例えば、水)が通って流れることができる流路を画定する。サンプルセル30は、第1及び第2の壁13、15の内部表面32、28の清浄のために分解され得る。第1の壁13は第2の壁15から分離可能である。
サンプルセルの第1及び第2の壁13、15はそれぞれ、ダブレットレンズを備える。第1の壁13及び第2の壁15はそれぞれ、平凸状の第2のレンズ要素16に接合されたメニスカスの第1のレンズ要素18を備える。第1及び第2の壁13、15のそれぞれの第1のレンズ要素18はそれぞれ、それぞれの外部表面26、24を備え、第1及び第2の壁の第2のレンズ要素16はそれぞれ、平面状の内部表面32、28を備える。このダブレット構成は球面収差を減少させるが、そのことが、サンプルセルの光パワーが十分に高い場合に問題となる可能性がある。
第1の壁13の外部表面26の湾曲は、低い開口数を有する光源2が使用されることを可能にし、この実施形態において、光源2はレーザダイオードである。レーザダイオードのレーザは、比較的安価であり、小さな体積で高いパワーを提供することができる。更に、図1の従来技術の構成においては光源とサンプルセルとの間に必要であったトリプレットレンズが削除されており、屈折力は、ここでは、サンプルセル30の第1の壁13によって提供される。サンプルセル30を通る流路の形状は変更されていない。
従来は光源とサンプルセルとの間にあったレンズを削除することは、装置内の光学面の数を減少させることによって光学面からの散乱を減少させ、それにより、光学的雑音を減少させる。幾つかの実施形態において可能である改善された集光効率は、より小型の光源が使用されることを可能にし、より小さな光源は、光源による(例えば、対流による)サンプルの間接的加熱を回避するためにパッケージ化されてもよい。これは、ガス放出によって(サンプルが水分散液を含む場合)サンプル内での気泡の生成を減少させ、(温度勾配等をなくすように)サンプルを平衡に達するまで温める時間を減少させる。
従来技術のデバイス(図1に示すデバイス等)において、ビームはセルを通って収束する傾向がある。サンプル厚は、散乱角度から検出器の位置への転置に関する曖昧さをもたらし、その曖昧さは、分散剤が空気である場合に大きな影響を与える可能性がある。このような場合、サンプル厚は約10mmとすることができる。第1の実施形態の構成は、サンプル22の両側で光パワーの等しい分布を有し、サンプルを通る十分にコリメートされた(平行な又はほぼ平行な)光ビームを生じさせる。このフーリエ構成は、散乱角度と検出器位置との間に一意的な転置をもたらす。
第2の壁15は、サンプル22が水分散液中に粒子を含む場合に、入射光ビーム8に対して0°〜80°の角度でサンプルから散乱される光が、外部表面24における全反射を伴うことなく、サンプルセル30の第2の壁15の外部表面24から脱出することを可能にするように構成される。
図3において、図2の構成が再び示されているが、サンプルによって散乱される光を検出器(図示せず)上に方向付けるための複数の集光器34、36、38が共に示されている。第2の壁15を介して光学セル30を出る前方散乱光は、2つの異なるタイプの集光器34、36によって集光される。散乱角度が小さい場合には、接合されたダブレットを備える、単一の要素レンズからなる複数の集光器34が使用される。約45°以上の散乱角度の場合、また、後方散乱光(散乱角度が90°より大きい)について、2つの要素からなる集光器36、38がそれぞれ使用され、2つの要素からなる集光器36、38は、接合されたダブレット及び更なる平凸レンズを備える。複数の集光器36及び38が設けられる。
図4は、集光器33、34、36、38の、また、これらに関連する、前方散乱光及び後方散乱光をそれぞれ検出するための検出器44、42を有する、代替の構成を示す。図4の実施形態は、約25°未満の小さな散乱角度の場合に単一要素からなる集光器レンズ33が使用される点で図3の実施形態と異なる。
図7は、水分散液内での0°〜90°の散乱角度範囲にわたるワット毎ステラジアン単位の光強度のグラフ50を示す。ライン52は第1の実施形態による強度を示し、ライン54は図1に示す従来技術による強度を示す。ラインは共に、いずれの集光光学素子とも無関係である。従来技術における散乱光の強度は、第1の実施形態による散乱光の強度よりも低い。従来技術のサンプルセルにおいては、48.6°の臨界角度(水/空気の場合)を超える角度で散乱される光は、サンプルセルの外部表面において全反射される。対照的に、第1の実施形態のサンプルセルは、散乱角度に伴って増加する強度を有する。第2の壁の外部表面の湾曲は、0°〜48.6°の角度で散乱される光が0°〜90°の範囲にわたって拡散する従来技術の構成において起こる信号の減少を防止する。更に、従来技術のシステムにおいて、48.6°より大きな角度で散乱される光は、内側で全反射され、光学的雑音に寄与する。全反射された光は、最終的に、信号の残りを汚染することになる拡散ヘイズ(diffuse haze)としてサンプルセルから出ることになる。
本発明の実施形態による散乱光の増加した強度は、より低いパワーの光源を使用することを可能にする。より低いパワーの光源は一般により小さく、このことにより、機器の全体のサイズを減少させる。これは、相対的に小型の機器内に相対的に大型のHeNeレーザを収容するために折り曲げ式光路が必要である図1の構成に似たシステムに特に適用可能である。湾曲した外部表面を有する第2の壁を備えるサンプルセルの使用は、より低いパワーのHeNe光源が、同様の性能を達成することを可能にすることになり、そのHeNe光源は、ミラーと共に又はミラーなしで収容され得る。
図5は、光源が、比較的低い出射開口数を有する空間フィルタリング処理式HeNeレーザを備える一実施形態を示す。この実施形態においては、サンプル22内で必要なビーム品質を提供するために比較的低い光パワーで十分であり、したがって、光学セル30の第1の壁13の外部表面26が、第2の壁15の外部表面24より大きい曲率半径を有する。第1の壁13のより低い光パワーは、球面収差がそれほど重要でなく、単一の平凸レンズが適切であることを意味する。サンプルセル30の第2の壁15は、分散剤が水を含む場合にサンプルセル/空気界面における屈折を補償するように、この場合もやはり、第1の壁13より高い光パワーを有するダブレットレンズを備える。
図6は、図5の実施形態と同様であるが、光源2からのビームに対して45°をなす表面を有するミラー4を更に備える実施形態を示す。したがって、光源2は、サンプルセルを通るビームの軸に対して90°をなすように光を出射し、これにより、より小型の設計を可能にし得る。
図8は、図3に示す第1の実施形態及び図1に基づく従来技術の構成についての、ある散乱角度範囲における1ワットの照射パワーについての、ワット単位の集光効率を比較するグラフ60である。グラフは、図3の実施形態についての一連の点62及び従来技術の構成についての一連の点64による、0°〜180°の全範囲にわたる散乱角度を含む。図3の実施形態についての集光効率は、全ての角度で改善され、従来技術の構成においては全反射によって以前は排除された角度範囲が、図3の実施形態においては非常に高い(少なくとも0.004の)集光効率を有する。
図9は、第1の光源2a及び第2の光源2bを備える一実施形態を示す。第1の光源2aは赤色レーザを備え、第2の光源2bはLED等の青色単色光源を備える。サンプルセル30の第2の壁15の湾曲外部表面24から得られる屈折力は、第2の光源2bによるサンプルのより強力な照射を可能にする。セル内の被照射領域の直径は一定である。第2の光源2bを使用するときに被照射領域内の光の量を増加させるためには、その領域が照射される角度範囲が増加されなければならない。これは、ビーム8bを、セルから離れて発散させる傾向があり、その結果、(発散ビームを捕捉するために)より大きな集光光学素子を必要とすることになる。より大きな集光光学素子は、検出時の十分な角度分解能及び小型の機器を維持しながら収容することが難しいことになる。
サンプルセル30の第2の壁15の屈折力は、サンプルセルから出る光の発散を減少させ、サンプルセルから出るビーム直径を小さく維持するのに役立つ。従来技術のサンプルセルについて第2の光源2bとして青色LEDを使用し、また、湾曲外部表面を有する第2の壁を備えるサンプルセル30を使用して達成可能な照射強度を比較する分析は、一実施形態によるサンプルセルを使用すると、照射強度が約2.7倍増加し得ることを示した。
湾曲外部表面を有する第2の壁を備えるサンプルセル30によって対処される更なる問題は、第2の壁の外部表面からの反射によるクロストークの問題である。前方散乱光の一部は、第2の壁の外部表面の界面から反射される。このような反射を減少させるために、この外部表面を反射防止(AR)コーティングでコーティングしてもよい。このようなARコーティングの反射率は、発散角度と共に増加することが多い。
図10は、図1の従来技術のサンプルセル(平坦窓を有する)と、図2に示すサンプルセルとの間での、水中におけるある散乱角度範囲について発散角度を比較するグラフ70である。ライン72は図2の実施形態についての発散角度を示し、ライン74は図1の従来技術のサンプルセルについての発散角度を示す。発散角度は、全散乱角度範囲にわたって図2の実施形態によるサンプルセルの方が小さい。これは、第2の壁の外部表面からの反射を減少させる効果を有し、それにより、クロストークを減少させる。クロストークは、信号対雑音比を減少させる傾向がある。
一実施形態によるサンプルセルは、サンプルが水分散液中に粒子を含む場合に、比較的大きな散乱角度でサンプルから散乱される光が、全反射を伴うことなく、第2の壁の外部表面から脱出することを可能にするように構成されてもよい。これは、気泡からの散乱が粒子による散乱から識別されることを可能にする。
気泡は、内部反射によって多方向に光を散乱させる。比較的大きな粒子の低い濃度での正確な特性評価は、同様のサイズの気泡を粒子から識別することができることを必要とする場合がある。気泡は、同様のサイズの粒子と比較すると、気泡の水/空気界面における全反射に起因して、大きな角度で強く光を散乱させる。これは、図11に示されており、図11は、気泡72に入射するコリメートされた光ビーム8を示す。全反射した光はTIRで示される。
図12は、気泡76及びガラスビーズ78についてある角度範囲にわたって散乱強度を比較するグラフ74である。気泡及びビーズは、共に直径が50μmである。気泡76の散乱曲線の形状を、45°と80°の間の角度での強い反射によって、ビーズ78の散乱曲線の形状から識別することができる。これらの角度で散乱される光は、従来技術の機器では全反射によって喪失される傾向があるが、湾曲外部表面を有する壁を備えるサンプルセルは、この角度範囲で散乱される光が、サンプルセルから脱出して検出されることを可能にする。気泡からの散乱を特徴づける大きな角度での散乱光は、サンプル内に分散する粒子から気泡を識別するために使用することができる。
例えば、約30°〜約80°の範囲の散乱角度における前方散乱光と後方散乱光の比に著しい差が存在する。したがって、粒子から散乱される光から気泡によって散乱される光を識別する1つの方法は、少なくとも35°の角度における前方散乱光と後方散乱光の比を確定することである。比が閾値を超える場合、散乱光は、気泡からのものであると特定することができる。
通常、粒子の特性を評価するために散乱光を使用する粒子特性評価機器は、多数の粒子からの平均化された応答を扱う。1000程度の粒子からの散乱が組み合わされて、機器からの測定値を生成する。多数の粒子にわたるこの平均化は、大きな粒子の検出をマスクする傾向がある。サンプル内に少数の大きな粒子のみが存在する場合があるが、それらの粒子は、検出されずに適切な処置がとられない場合、機器を閉塞させるか又は詰まらせる、あるいは、偽りの不正確な結果をもたらす可能性がある。
大きな粒子の検出を改善するために、個々の検出器は、測定が実施されるときに(平均化する前に)大きな粒子を示す可能性のある信号があるかどうかをモニターしてもよい。大きな粒子を示す可能性がある信号が検出されたら、35°(又は別の選択される角度)より大きな角度における検出器からの出力を分析して、当該信号が大きな粒子を示すものであるのか、気泡を示すものであるのかを判定してもよい。
このようにして、大きな粒子及び気泡からのデータが、データ平均化の前に測定され、別々に分析され得る。これは、大きな粒子サイズ範囲内の気泡による見かけ上のピーク(phantom peak)を回避し、小さなサイズの粒子についてより雑音のない明瞭なデータを提供する。更に、これにより、気泡(詰まりの原因ではない)による誤検出の可能性をより低下させて、大きな粒子による詰まりを回避する救済措置がとられることを可能にする。
図30は、サンプル内の粒子から気泡を識別するように構成される機器の略図を示す。光源と、サンプルセルと、少なくとも35°の角度でサンプルから散乱される光を検出するための検出器とを備える装置200が提供される。装置200の検出器からの出力は、プロセッサ201によって受信され、プロセッサ201は、データを処理し、大きな散乱角度における気泡からの強い反射によって粒子から気泡を識別する。プロセッサ201は、その後、ディスプレイデバイス203上に結果を表示してもよい。機器は、好適な入力デバイス202(キーボード及びマウス等)を使用して、プロセッサ201を介してユーザにより制御され得る。
図13は、本発明の第5の実施形態による装置を示し、該装置は、光源2と、第1の光学素子群56と、第2の光学素子群58と、第1の平面状検出器44と、第2の平面状検出器42とを備える。サンプルセル30が設けられ、サンプルセル30は、第1の光学素子群56と第2の光学素子群58との間にあるサンプル22を収容する。サンプルセル30は、サンプルを照射する光源2からの光ビーム8が通る第1の壁13、及び、散乱することなく光ビーム8がサンプルから出るときに通る第2の壁15を備える。第1の壁13及び第2の壁15は、サンプル22の中心に関して対称であり、平面状内部表面32、28、及び、凸状外部表面26、24をそれぞれ備える。したがって、第1の壁13及び第2の壁15は、共に平凸レンズである。したがって、第1の光学素子群56は第1の壁13を備え、第2の光学素子群58は第2の壁15を備える。
第1及び第2の光学素子群56、58は、サンプル22の中心に関して対称であり、それぞれ、平凸レンズ要素のみからなる(しかしながら、適宜、他のタイプのレンズ要素が使用されてもよい)。本実施形態においては、各群56、58に4つのレンズ要素が存在する。サンプルから最も遠くにある第1及び第2の光学素子群56、58のレンズ要素はそれぞれ、サンプル22とは反対側を向くそれぞれの平面状表面66、67を有する。サンプルにより近い側の各群の3つのレンズ要素はそれぞれ、サンプル22側を向く平面状表面を有する。
第1の平面状検出器44は、平面状表面66に隣接しかつ平面状表面66に平行であり、それにより、サンプル22からの前方散乱光を検出する。図14は、ある散乱角度範囲についての前方散乱光3の経路を示す光線図である。少なくとも5°〜80°を含む角度で散乱される光は、平面状検出器44上に集束され、検出器44の平面に実質的に垂直に入射する。
構成が(サンプル22に関して)対称であるため、(少なくとも100°〜165°を含む角度範囲で散乱される)後方散乱光は、同様に平面状表面67に隣接しかつ平面状表面67に平行に配設される第2の平面状検出器42への経路をたどる。
第1及び第2の平面状検出器44、42はそれぞれ、単一のシリコン基板上に複数の光検出器を有する焦点面アレイを備える。別の実施形態においては、複数の検出器又は検出器アレイを、平面状担持体上に配置してもよい。焦点面アレイは、検出器についての組立て及び電気的相互接続の要件を減少させるという利点を有し、また、隣接する検出器間のピッチの減少を促進する可能性がある。したがって、焦点面アレイ検出器は、小型のデバイスについてより好適である場合がある。焦点面アレイは、集束される光照射野におけるシリコンエッジをなくすという更なる利点を有する。シリコンエッジは、普通なら、散乱をもたらし、光学的雑音を生じさせる可能性がある。
第2の検出器42は開口を備える。光源2は、開口内に配設してもよく、あるいは、光ビーム8が開口を通過するように第2の検出器42の背後に配置してもよい。第1及び第2の平面状検出器44、42はそれぞれ、それぞれの隣接する平面状表面66、67の範囲に対応する範囲を有する。第1及び第2の平面状検出器44、42はそれぞれ、全方位角範囲にわたって散乱される光を捕捉するように構成される。これは、各散乱角度で捕捉される光の量を著しく増加させる。
広い散乱角度範囲にわたって前方散乱光と後方散乱光をそれぞれ集光するために単一の光学素子群56、58及び単一の検出器44、42を使用することは、機器を簡略化する。装置を構築するために、必要とされるレンズ群及びレンズ要素の数がより少なくなり、また、光学素子の整列要件がより緩やかになる。図3の実施形態に類似する実施形態の場合、異なる位置及び角度での複数の集光器及び検出器についての取付け及び電気的相互接続が回避される。更に、必要とされる整列は、異なる散乱角度の範囲に関してではなく、光ビーム8の共通軸に関して行われる。この構成はまた、非常に小型であり、体積を効率的に利用する。
この実施形態の光源2は、100mWダイオードレーザであり、405nmの波長を有する。このようなレーザダイオードは、比較的低コストかつ小型であり、高い光出力を提供する。
この構成は、性能要件に応じて、容易にスケール変更が可能である。より大きな設計は、大きな粒子の特性を評価するのにより適する。図13の実施形態は、約150mm長かつ約100mm幅であり、直径が最大約65μmの粒子の特性を評価するのに適している。最大の光学要素は約45mmの半径を有する。
図13の実施形態において、サンプル22を通る光ビーム8は、サンプルの幅より幅が広く、ビーム8は、第1の検出器44においては幅が狭い。第1の検出器44は開口を有し、ビームは、その開口を通過して、非反射性ヒートシンク69によって吸収される。第1の検出器における細いビーム8は、高精度の整列が必要とされ得る狭い開口をもたらす。
図15は、図13の実施形態(データ系列85)、図3の実施形態(データ系列83)、及び図1による従来技術の構成(データ系列81)について集光効率を比較するグラフ80である。大きな散乱角度において、図13の実施形態の性能は、矢印82で示すように、他の構成に対して実質的に改善される。集光効率は、3〜10°の散乱角度において10〜100倍改善され、5倍の改善は、約0.5°の角度に至るまで達成される。0.1°未満の散乱角度において、図13の実施形態の集光効率は、矢印88で示すように、他の構成に対して減少する。検出可能な最小散乱角度は、第1の検出器アレイにおける検出器要素のピッチによって制限される場合がある。
図16は、図14の実施形態と類似する本発明の第7実施形態を示す。この実施形態では、装置は、更に一層小型であり、全長(光源2bからヒートシンク69まで)は約61mmである。最大の光学要素の半径は約10mmであり、サンプルの幅は約1mmである。
光源2bも405nmレーザダイオードであり、0.09の開口数を有する。この実施形態において、光源2bは第2の検出器42の背後にある。更なる収束レンズ57が、光源2bと第2の検出器42との間に配置される。この実施形態の光ビーム8は、サンプル22内でコリメートされた細いビームであり、第1及び第2の検出器44、42を通過する箇所においてより幅広である。サンプル22における1/e2ビーム幅は0.5mm未満である。第5の実施形態の場合と同様の集光効率が、この実施形態について予想される。図17は、この実施形態の第2の光学素子群58を通る前方散乱光の経路を示す。サンプル内で最大80°の角度で散乱される光もやはり、集光され、検出器44に垂直に入射するよう集束される。
散乱光の360°方位角の集光は、この実施形態に特に関連する。その理由は、少数の粒子のみを、任意の特定の時間に細い光ビーム8によって照射することができるためである。多くの異なるサンプルをサンプリングすることによって形状情報を平均化する代わりに、平均化を、検出器44、42によって行ってもよい。各検出器42、44は、形状情報を保持するために、方位角方向においてセグメント化され得る。
この実施形態の検出器44、42も、フォトダイオードの焦点面アレイである。図15の構成のようなより小型の構成においては、それぞれの光学素子群58、56によって集光される散乱光の全範囲を捕捉するために十分な寸法を有する矩形又は正方形の焦点面アレイを使用することが適切である場合がある。
サンプルセル30の内部容積は、この実施形態においては比較的小さい。中程度のサンプル体積を、測定中にサンプルセル30を通して連続的に流してもよい。非常に小さな体積の場合、サンプル22は、マイクロリットル範囲の内部体積94を有し得る、図18に示すような小さなホルダ92のアレイを介して導入されてもよい。サンプルホルダ92のアレイは、1つずつビーム8が通るように矢印96で示す方向に移動されて、複数のサンプルが順次特性評価されることを可能にしてもよい。
このようなサンプルホルダのアレイが湾曲外部表面を備えるサンプルセルと共に使用される場合、第6の実施形態と同様に、バケットとセル窓との間に空隙が存在すべきではなく、そうでなければ、界面で全反射が起こり得る。空隙を回避する1つの方法は、水等の流体をサンプルセル30内に配置して、サンプルホルダ92とサンプルセルの内壁との間の空隙を充填することである。
図19は、幾つかの実施形態において、サンプルに関して異なる実験を実施するために複数の光源を設けることができることを示している。これは、サンプルが小さい構成、及び/又は、小さな各サンプルに関して測定が実施されることを可能にするように構成された複数の可動サンプルホルダを組み込む構成について、特に利用できる場合がある。両方の壁13、15に湾曲外部表面26、24を有するサンプルセルを使用することにより、非重複ビーム8a、8b、8c、8d、8e、及び8fで示すように、高さ方向と方位角方向の両方において、調査可能な角度及び集光光ビームについて大きな角度範囲を提供する。外部表面26、24上に、回避されるべき角は全く存在せず、壁13、15は、有用なレンズパワーを提供することができる。図20は、光源2a、2b、2c、及び2dからの複数の照射ビームがサンプルセル30において重なり合ってもよいことを示している。
図13に示す構成のタイプは、大きな角度範囲で散乱される光を検出するために単一の検出器が使用される小型の構成を可能にし、また、複数の別個の検出器及び関連するレンズが異なる散乱角度範囲で散乱される光をそれぞれ検出するために使用される機器において困難を生じさせる可能性がある整列要件について、より緩やかである。しかしながら、この構成に関しても依然として幾つかの問題が存在する。第1に、大きな散乱角度範囲にわたって前方散乱光及び後方散乱光を検出するために、比較的大きな面積の検出器44、42が必要とされる。大面積検出器は、高価な傾向にあり、検出器のキャパシタンスの大きさに起因して、雑音が増加する。更に、光源の軸上のレンズ要素の数は比較的多い。光の大部分は、散乱することなくサンプルを真っ直ぐに通り抜けることになり、非散乱光ビーム8は、該ビームが入射する各表面から反射する傾向があることになる。各表面で反射される光の割合は低いが、反射光の効果が組み合わさると、システム内の光学的雑音を増加させる。
幾つかのこれらの問題に対処する代替の構成が、図21及び22に示されている。ある角度範囲で散乱される光を検出器44b上に集光し集束させるために、一対の集光レンズ要素94が設けられる。集光レンズ要素94及び95は、ほぼ扇形であり、また、照射光ビームが集光レンズ要素94、95から反射されることなく集光レンズ要素94、95を通過できるよう、開口領域111を有するように構成される。それにより、レンズ要素94、95の軸は、光ビームがレンズ要素94、95から反射されることなく、光ビーム軸81に実質的に一致していてもよい。
この例示的な実施形態において、別の検出器44aが設けられる。検出器44aは、光ビーム軸81に対して第1の角度範囲で散乱される光を検出するためのものであり、検出器44bは光ビーム軸81に対して第2の角度範囲で散乱される光を検出するためのものである。第1の検出器44aは比較的小さな角度で散乱される光を検出するように構成されており、第2の検出器44bは比較的大きな角度で散乱される光を検出するように構成されている。第1の角度範囲は、第2の角度範囲よりも小さな最小散乱角度を含む。第2の角度範囲は、第1の角度範囲より大きな最大散乱角度を含む。第1の角度範囲と第2の角度範囲との間にある程度の重なりがあることが好ましい。
図21の例において、光ビーム8は、平面偏光にされ、検出器44a、44bは共に、P偏光された散乱光を捕捉するように構成される。第1の検出器44aは、第1の方向及びその反対方向である第2の方向に、偏光平面内で光ビーム軸81から離れるように延在し、第2の方向よりも第1の方向に更に延在する。第2の検出器44bは、第2の方向において光ビーム軸81からオフセットし、光ビーム軸81から離れるように第2の方向に延在する。
両方の検出器は、好ましくは、実質的にウェッジ状又はセグメント状であり、各検出器の周方向範囲の中心は、光が偏光する平面と実質的に一致する。第1及び第2の検出器44a、44bの両方の平面は、光ビーム軸に対して実質的に垂直である。
セグメント状レンズ要素94、93が図29により明瞭に示される。図29は、円形レンズ要素120をどのように複数のセグメント状レンズ要素94、93に分割することができるかを示している。円形レンズ要素120を、まず整形して研磨し、次に、セグメント状レンズ要素94を作成するために切断することができる。円形レンズ要素120は、好ましくは、半径又は直径121に沿って切断される。
レンズ要素93は、例えば、半円形であってもよく、この場合、2つのこのようなレンズ要素93が単一の素材から製造されることを可能にする。代替的に、各レンズ要素によって範囲が定められる角度がより小さくてもよく、この場合、より多数のレンズ要素が単一の円形素材から製造されることを可能にする。レンズ要素94、93によって範囲が定められる周方向角度は、合わさって360°になるように分割可能であるため、複数のレンズを、無駄なく円形素材から切断することができる。レンズ要素94、93によって範囲が定められる角度は、10°、12°、15°、18°、20°、24°、30°、36°、40°、45°、60°、72°、90°、及び180°の群から選択されてもよい。
任意選択的に、中空の中心コア111を、円形レンズ要素120がセグメントに分割される前に円形レンズ要素120に形成してもよく、それにより、レンズの軸上の光は、円形レンズ要素120から反射されることなく、円形レンズ要素120を通らないようにすることができる。セグメント状レンズ要素93は、この中空コア111がない。
図22は、セグメント状レンズ要素94、95、294、295が使用される例示的な実施形態を示す。この例において、セグメント状レンズ要素94、95、294、295のそれぞれはまた、光ビーム8が、反射されることなくレンズ要素94、95、294、295の軸に沿ってレンズ要素94、95、294、295を通ることを可能にするように構成される開口領域111を備える。光ビーム8は、反射器83を介してサンプルセル30を照射する。発散レンズ93は、反射器83とサンプルセル30との間に設けられて、光ビーム8によって照射されるサンプルセル30内の領域を増加させる。
サンプルセル30は、本発明の一実施形態によるものであり、それぞれの凸状外部表面を有する第1及び第2の壁を有する。サンプルセル30の第1の壁は、サンプル内の光ビーム8をコリメートするように構成される。サンプルセル30の第2の壁は、第1の散乱角度範囲で散乱される前方散乱光を集光して第1の検出器44a上に集束させるように構成される。第1の散乱角度範囲は、例えば0.01°〜20°の小さな散乱角度範囲を含む。
レンズ要素94、95の対は、第2の散乱角度範囲(例えば、15°〜80°)の前方散乱光を集光して第2の検出器44b上に集束させるように構成される。レンズ要素94、95のそれぞれは、好ましくは、セグメント状であり、また、光ビームが、各レンズ94、95から反射されることなく各レンズ94、95の軸を通過することを可能にする開口領域を有するように構成される。
レンズ要素294、295の更なる対は、第3の散乱角度範囲(例えば、110°〜165°)の後方散乱光を集光して第3の検出器42上に集束させるように構成される。レンズ要素294、295のそれぞれは、好ましくは、セグメント状であり、また、光ビームが、各レンズ294、295から反射されることなく各レンズ294、295の軸を通過することを可能にする開口領域を有するように構成される。
検出器42、44a、44bのそれぞれは、光ビーム8に対して垂直に向くように配置され、レンズ要素94、95、294、295のそれぞれは、それらの各軸が光ビーム軸に実質的に一致するように配置される。この構成は、装置の構成要素を光学的に整列させることがより容易であることを意味する。その理由は、構成要素が、同じデータム、すなわち、光ビーム軸というデータムをそれぞれ参照するからである。これは、軸外の位置において多数のレンズ要素及び検出器の整列を必要とする図4のような構成とは対照的である。
代替の構成が図23に示されており、第1、第2、第3、及び第4の検出器44a、44b、44c、44dが、種々の散乱角度範囲の前方散乱光を検出するように構成され、第4の検出器42は、後方散乱光を検出するように構成される。この構成においては、これらの検出器のサイズを減少させるように、更なる円柱レンズ197、96、296を使用して、光を検出器44b、44c、42にそれぞれ集束させる。この実施形態において、検出器44c、44d、42は、光ビーム軸に対して実質的に垂直ではない。これらの検出器のそれぞれからの垂直方向は、代わりに、光ビーム軸に対して傾斜している。
第1の前方散乱検出器44aは、第1の小さな散乱角度範囲(例えば、0.013°〜4.5°)で散乱される光を検出するために、サンプルセル30の第2の壁の焦点距離に配置される。第2の前方散乱検出器44bは、第2のより大きな散乱角度範囲(例えば、6°〜13°)で散乱される光を検出するように配置される。円柱レンズ要素197は、サンプルセル30の第2の壁と第2の検出器44bとの間に位置決めされる。
第3の検出器44cは、第2の角度範囲より大きい第3の散乱角度範囲(例えば、33°〜62°)で散乱される前方散乱光を検出するように配置される。集光レンズ要素94、95は、図22の実施形態の対応するレンズ要素94、95と同様に構成される。更なる円柱レンズ要素96は、レンズ要素95と第3の検出器44cとの間に設けられており、これにより、サイズを減少させた第3の検出器44cの使用を可能にする。
第4の検出器44dは、光ビーム軸に対して62°に近い角度で散乱される前方散乱光を検出するように位置決めされる。従来の円形レンズ要素198の群は、第4の検出器44dとサンプルセル30との間に位置決めされて、散乱光を集光して検出器44d上に集束させる。
レンズ要素294、295、296は、後方散乱角度範囲の(例えば、140°と160°との間の散乱角度の)後方散乱光を集光し、検出器42上に集束させるように構成される。円柱レンズ要素296が、検出器42と他の2つのレンズ要素294、295との間で使用される。レンズ要素294、295は、図22の実施形態の対応する要素294、295と同様に構成される。
図23の構成は、比較的複雑であり、14°〜32°の範囲内の検出角度の空白部分を有する。更なる検出器及び関連する集光及び集束光学素子を、これに対処するために設けてもよい(図示せず)。
図24は、代替の実施形態を示しており、光路を延長するためにリレーレンズ群97が使用されており、それにより、集光光学素子を簡略化し、広い散乱角度範囲を検出するために必要とされる検出器の総面積を減少させる。
光源2は、光ビーム軸に沿って光ビーム8を提供する。レンズ付きサンプルセル30が設けられ、レンズ付きサンプルセル30は、第1の壁13及び第2の壁15を有し、第1の壁13を通って光ビーム8がサンプル22を照射し、第2の壁15を通って光ビーム8がサンプルセル30から出る。光ビーム8が通過する第1及び第2の壁13、15のそれぞれの外部表面24、26は凸状である。第1の壁13の外部表面26は、第2の壁15の外部表面24より大きな曲率半径を有する。第1及び第2の壁13、15は共に、正の屈折力を有するレンズ(例えば、ダブレットレンズ)であり、第2の壁又はレンズ15は、第1の壁又はレンズ13より高い屈折力を有する。レンズ付きサンプルセル30の使用は、先に論じたのと同じ理由で有利であるが、これが必須の特徴ではないことが認識されるであろう。幾つかの実施形態において、平坦な窓付きセルを使用をしてもよく、あるいは、第1の壁13のみに又は第2の壁15のみに凸状外部表面を有するサンプルセルを使用してもよい。
分割式光路構成が使用され、その構成において、第1の角度範囲(例えば、0.1°〜10°)で散乱される光を検出するために第1の光路91が設けられ、第2の角度範囲(例えば、8°〜80°)で散乱される光を検出するために第2の光路92が設けられる。第1の角度範囲は、好ましくは、第2の角度範囲より小さな最大角度を有する。好ましくは、第1の角度範囲と第2の角度範囲とにある程度の重複が存在するが、幾つかの実施形態において、第2の角度範囲は、第1の角度範囲内の角度を含まない。
2つの光路の使用は、小さな角度と大きな角度の両方の散乱経路について別個の最適化を可能にすることによって、性能の最適化の改善を可能にする。これらの要件は、単一光路が使用される場合、喫緊の課題であることが認識されるであろう。その理由は、大きな散乱角度に対処するように設計することが、分解可能な最小散乱角度に有害な影響を及ぼす傾向があるからである。2つの光路が好ましいが、幾つかの実施形態においては、第1の光路又は第2の光路に対応する単一の光路を使用してもよい。
両方の光路91、92は、主にP偏光された散乱光を集光して検出するように構成される。入射光は平面偏光され、したがって、P偏光された散乱光は、偏光平面に平行な方向に散乱される。各光路は、代替的に、任意の方位角範囲にわたって(例えば、方位角360°にわたって)光を検出するように構成してもよい。
第1の光路91は、光を第1の検出器44a上へと方向付ける発散レンズ93を備える。第1の検出器44aは、フォトダイオードの平面アレイ(例えば、環状フォトダイオードのアレイ)であり、光ビーム軸8に対して実質的に垂直である。第1の検出器44aは、第1の光路の散乱角度範囲(例えば10°)の端で散乱される光を検出するに十分な遠さまで光ビーム8の軸から離れる方向に延在する。発散レンズは、異なる角度で散乱される光の間の角距離を増加させ、非常に小さな角度での光の散乱を検出して特性を評価する機器の能力を改善し、それにより、比較的大きな粒子の特性を評価する装置の能力を改善する。幾つかの実施形態において、(例えば、より大きな粒子の特性を評価することがあまり重視されない場合)発散レンズは使用されない。第1の検出器44aは、非散乱光ビーム8が、検出器アレイを通過して光吸収用ヒートシンクに達することを可能にする穴を備えていてもよい。
第2の光路92は光学素子群を備える。光学素子群は、3つのレンズ94、95、96の第1の群、及び、別の3つのレンズ要素を備えるレンズ97の第2のリレー群を備える。第2の光路92上の光学素子群のレンズ94、95、96、97は、第1の光路91より大きな角度範囲でかつ大きな角度(例えば、8°〜80°)で散乱される光を集光して集束させる。レンズの第1の群と第2の群との間に光学反転点98が存在し、その光学反転点には、任意選択的に、光路を折り曲げ、それにより、装置の長さを減少させることができるように、ミラーが位置決めされてもよい。散乱光は、第2の光路92の光学素子群によって第2の検出器44b上に方向付けられて集束される。第2の検出器44bは、検出器要素の平面アレイであり、光ビーム8の軸に対して実質的に垂直に配向され、光ビーム8の軸から離れる方向に延在する。光学素子群のレンズ94、95、96、97は、サンプル22における散乱角度を第2の検出器アレイ44b上の位置又は検出器要素にマッピングするように構成される。検出器44b上の光ビーム軸からの距離は散乱角度に対応し、各散乱角度は、光ビーム軸からの狭い距離範囲にマッピングされる。
レンズ要素94〜96のそれぞれは、レンズ要素の軸に沿って観察すると、実質的に扇形であり、実質的に半径方向の真っ直ぐな2つの辺の間に実質的に円形の縁部を有する。これは有利であるが、これは必須の特徴ではなく、(例えば、第1の光路91がない構成において)第2の光路92のレンズ要素が円形である構成が想定されることが理解されるであろう。
図24の実施形態のレンズのそれぞれは、比較的低コストである球面レンズである。
照射光ビーム8が、レンズ要素94、95と相互作用することなく、レンズ要素94、95を通らずに通り過ぎることを可能にするために、開口コア111を設けてもよい。図21の実施形態のレンズ要素94及び95は、好ましくはこのような開口コア111を有する(しかしながら、これは必須の特徴ではない)。レンズ要素94及び95は、それにより、それぞれ、レンズ要素94及び95の軸が光ビーム8の軸と一致するように位置決めされてもよい。その場合、非散乱光ビーム8は、レンズ94、95から反射されることなく、開口コア111を通過することになる。これは、普通ならこれらのレンズの表面での反射から生じるであろう光学的雑音を実質的に減少させる。光吸収ヒートシンク(図示せず)が、非散乱光ビーム8を吸収するために設けられる。
この設計は、図13の設計のような設計に関連する幾つかの問題を解消する。この設計は、比較的小型の検出器44a、44bを有し、レンズ要素の表面における光ビーム8の反射の結果としての迷光を大幅に減少させる。更に、検出器44a、44bのそれぞれは、光ビーム軸に対して垂直に配向され、レンズ要素93〜97のそれぞれは、それぞれの軸が光ビーム軸と一致するように配置され、そのことが整列及び構造を簡略化する。しかしながら、図21の実施形態の手法は、単一角度で散乱される光が検出器において小さなスポット(理想的には点)となる検出器において、依然として良好な性能を維持しながら、小型化することが比較的難しい。
図25は、第2の光路の光学素子群の幾つかのレンズ要素が非球面の表面を有する代替の実施形態を示す。
図25の実施形態において、第2の光路92は、接線方向範囲を制約なしのままにしながら検出器44b上でスポットの半径方向範囲(又は点広がり関数)を最小にするために最適化されており、それにより、比較的大きな接線方向範囲を有するスポットを検出器上に生成する光学設計を可能にする。これは、接線方向と半径方向の両方のスポットサイズについて光学設計が最適化された場合に比べて、より小型の設計を得られるため有利である。有利ではあるが、この特徴は必須のものではなく、実用的な設計は、接線方向範囲と半径方向範囲の両方において最小スポットサイズについて最適化しながら実現され得る。
図32は、検出器44aにおける集光レンズ(又はレンズ群)の弧状の点広がり関数を示す。検出器は、弧状の検出器要素のアレイを備える。半径方向において検出器の狭い点広がり関数のために最適化することは、接線方向においてより広い弧状の点広がり関数をもたらす傾向があるのみである。この例において、検出器44aにおける点広がり関数の接線方向範囲は、その半径方向範囲より少なくとも2倍大きく、倍率は、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、又は100倍と同程度に大きくてもよい。
第2の光路92についての設計も、レンズ94、95が円形として示されている図28に示される。これらの要素94、95が円形であっても、セグメント状であっても、光学設計が同じであることが理解されるであろう。非球面表面aが図28に明瞭に示されている。第1の非球面表面aは、レンズ要素94の、サンプル22の方を向く表面である。第2の非球面表面aは、レンズ要素99aの、サンプル22の方を向く表面である。第3の非球面表面aは、レンズ要素99bの、サンプルの方を向く表面である。別の実施形態においては、異なる表面が非球面である場合がある。この設計は、製造するのがより簡単であり得る、球面に適度に近い非球面表面をもたらすことがわかった。
非球面表面の使用及び接線方向スポットサイズにおいて制約がないことは共に、広い散乱角度範囲でうまく働く比較的小型の設計を実現することに寄与し、また、異なる角度範囲で散乱される光を検出するため角度を付けた複数の個々の検出器を使用する従来技術の機器に比べて整列誤差の影響を受けにくい。第1及び第2の検出器44a、44bのそれぞれにおいて比較的広い角度範囲をカバーする連続的な光照射野は、集光光学素子及び/又は検出器の不整列から生じる問題が軽減されることを意味する。不整列が起こる場合、広い散乱角度範囲に対応する実質的に連続的な光照射野が検出器44bで利用可能である構成によって、光照射野が検出器の端から外れる可能性がより小さい。更に、本発明の実施形態によるセンサ要素44a、44bの不整列を補償することがより容易である。
レンズ要素94、95は、ここでも好ましくはセグメント状であり、レンズ要素94、95から反射することによる迷光に寄与することなく光ビーム8がレンズ要素94、95を通らずに通り過ぎることを可能にする中空コア111を有する。最後の2つの集光レンズ99a、99bは、光を検出器44b上に集束させる円形の球面レンズである。第2の検出器44bはここでも、検出器要素の平面セグメント状アレイであり、光ビーム8の軸に対して垂直に配向され、光ビーム軸から離れる方向に延在する。第2の検出器44bにおける接線方向における比較的広いスポットサイズは、第2の検出器44bの各検出器要素132が第1の検出器44aの各検出器要素に比べて方位角範囲が幾分大きくてもよいことを意味する。これは、図27でより明瞭に示されており、図27は、異なる環状検出器サブ要素132上にそれぞれ集束される、比較的大きな角度の小さな範囲131で散乱される光、及び、比較的小さな角度の小さな範囲133で散乱される光を示す。
図25の実施形態の第1の光路91は、図24の実施形態で使用された発散レンズ93を省略し、そのことは、より小型の第1の検出器44aと、特性評価可能な最大粒子サイズについてのわずかな減少とをもたらす。発散レンズ93を省略することは、照射光ビーム8が発散レンズ93から反射することにより生じる迷光を減少させる可能性があり、レンズ要素の数を減少させ、それによりコストを減少させる可能性がある。
図26は、図25の構成と同様の構成を示すが、第1の光路91に発散レンズ93を含み、より大きな粒子の特性を評価する際の性能の改善をもたらすが、より大きな第1の検出器44aを必要とする。この実施形態の第2の光路92は、図25で使用される光路と実質的に同一である。図24〜26の実施形態のそれぞれにおいて、サンプル22からの後方散乱光を検出するために別の検出器が設けられていてもよい。後方散乱光を検出するときの装置の性能は、前方散乱光の場合に比べて重要ではない場合があり、図4に示す構成と同様の、後方散乱光を検出するためのより従来的な構成を使用してもよい。代替的に、図24〜26のいずれかの前方散乱光用の第2の光路92の構成と同様の構成を、後方散乱光を検出するために使用してもよい。
更なる集光レンズ及び第3の検出器(図示せず)を、サンプル22からの後方散乱光を検出するために設けてもよい。この構成は、光ビーム8の軸に対して角度を付けられた検出器を備えていてもよい。後方散乱検出器を、光ビーム8の軸から離れて位置決めしてもよい。後方散乱検出器は、光ビーム8の軸の近くの制限された散乱角度範囲のみを集光して、(サンプルが水中に分散される場合に)サンプルセル30内の水−レンズ境界での反射によるクロストークを最小にするように構成してもよい。その理由は、より大きな後方散乱角度における位置情報がいずれにしてもほとんど存在しないからである。非常に小さなサイズの粒子の特性評価の場合、比較的小さな後方散乱角度範囲(例えば、光ビーム軸に対して約120°〜150°の範囲)のみが、後方散乱において集光され得る。後方散乱検出器(及び関連する任意のレンズ要素又は光学素子)は、例えば異なる方位角で、セグメント状レンズから反射される光から離れて設置されてもよい。
図31は、光源2と、サンプルセル30と、第1、第2、第3、及び第4の前方散乱光検出器44a〜44dと、後方散乱光検出器42とを備える本発明の一実施形態を示す。光源2は、光ビーム8でサンプルセル30を照射する。
サンプルセル30は、第1の壁13及び第2の壁15を備え、光ビーム8は、第1の壁13を通ってサンプル22を照射し、光ビーム8は、サンプル22を照射した後に、第2の壁15を通ってセル30から出る。第1の壁13及び第2の壁15は、ダブレットレンズを備え、それぞれのレンズは、凸状外壁及び平面状内壁を有する。平面状内壁同士は、平行であり、サンプル22が位置することになる体積を画定する。サンプルセル30は、第1及び第2のセル壁13、15の平面状内壁から等距離にある中心平面に関して対称である。
光ビーム8とサンプル22の相互作用から生じる前方散乱光は、第2のセル壁15を介してセル30を出る。第1の角度範囲(例えば、0.01°〜5°)で散乱される光は、サンプルセル30の第2の壁15によって検出器44a上に集束される。第1の角度範囲より大きな角度を含む第2の角度範囲(例えば、6°〜70°)で散乱される光は、レンズ94、95によって集光され、検出器44b上に集束される。第3の検出器44cは、第2の範囲の角度より大きな角度を含む第3の角度範囲で散乱される光を検出するように構成される。第3の角度範囲は第2の範囲より狭い。レンズ312は、光を集光し第3の検出器44c上に集束させるために設けられる。第4の検出器44dは、第2の角度範囲内にある角度で散乱される光を検出するように構成され、レンズ311は、光を集光して第4の検出器44d上に集束させるために設けられる。
後方散乱方向において、検出器42ならびにレンズ294及び295は、後方散乱光を集光して後方散乱検出器42上に集束させるように構成される。幾つかの実施形態において、後方散乱検出器42ならびにレンズ294及び295は、サンプル22の中心平面に関して鏡像をなす検出器44b及びレンズ94、95に対応する。
検出器44a、44b、及び42は、焦点面アレイ検出器であり、好ましくは、環状光検出器要素の1次元アレイを備える。レンズ94、95、294、295のそれぞれは、扇形レンズであり、光ビーム8が通過するそれらレンズの軸と一致する開口領域を備える。レンズ94、95、294、295のそれぞれは、その光軸が光ビーム軸8に実質的に一致するように配置される。検出器44a、44b、及び42のそれぞれは、光ビーム軸に対して実質的に垂直である平面を有する。検出器44aは、検出器44bよりもサンプルセルからの距離が遠い。
検出器44c及び44dは、より従来的であり、検出器44c、44dが検出のために配置される散乱角度範囲に対応する光ビーム軸に対する角度で配置される。同様に、これらのレンズ用の集光レンズ311、312はそれぞれ、レンズが集光しようとする散乱光がサンプルセル30を出る方向にレンズ軸が平行となるように配向される。
図31の実施形態は、ハイブリッド手法として考えられ得るものであり、検出器に対応して角度が付けられた集光光学素子を有する、角度が付けられた検出器が使用される図3及び4のより従来的な検出器構成と、検出器の全てが焦点面アレイであり、検出器のそれぞれが、その平面が光ビーム8に対して実質的に垂直であるように配向される、図22の構成のような構成との間の構成である。
図22〜26の実施形態は、適切な性能レベルを達成するために、比較的長い。図33は、良好な性能を有する比較的小型の構成を提供することによってこれらの欠点に対処する一実施形態を示す。
図33は、サンプルセル30と、第1及び第2の前方散乱光検出器44a及び44bを備える前方散乱検出構成とを示す。
この実施形態のサンプルセル30は、非対称性であり、第2のセル壁15より薄い第1のセル壁13を有し、第1のセル壁13は、第2のセル壁15の凸状表面24より大きな曲率半径を有する凸状表面26を有する。サンプルセル30の内壁は、ここでも平面状であり、かつ互いに平行である。
第2のセル壁15の焦点をセルからさらに遠くに配置するために、第2のセル壁15は、凸状表面24の曲率半径を減少させることなく肉厚に作られており、実際には、平面ガラス層をレンズに付加し、レンズの全体の厚さを増加させるため、もはや湾曲表面24の弦の高さの影響を受けない。この実施形態において、レンズの湾曲部分の弦の高さは、壁15の全体的な厚さの半分未満である。幾つかの実施形態において、湾曲表面24の弦の高さによって寄与される第2の壁15の全体的な厚さの割合は75%以下とすることができる。
第1の検出器44aは、比較的小さな散乱角度を含む第1の角度範囲で散乱される光を検出するように構成される。光は、サンプルセル30の第2の壁15によって集光され、第1の検出器44aに集束される。第1の検出器44aは光ビーム軸の両側に延在し、検出器44aの表面は光ビーム軸8に対して実質的に垂直である。第1の検出器44aは、0.145°〜16.5°の角度で散乱される光を検出するように構成される。第2の検出器44bは、18.5°〜70°の角度で散乱される光を検出するように構成される。第1及び第2の検出器44a、44bは共に、弧状検出器要素の1次元アレイの形態の焦点面アレイを備える。
第1及び第2のレンズ94、95は、散乱光を集光して第2の検出器44bに集束させるように構成される。レンズ94、95のそれぞれは、非球面表面を備える。レンズ94、95及び第2のサンプルセル壁15は、同一焦点となるように構成されるため、第1及び第2の検出器44a、44bはサンプル22から同じ距離にある。幾つかの実施形態において、第1及び第2の検出器44a、44bは、単一焦点面アレイを備えていてもよく、あるいは、共通の支持基板上に取り付けられた複数の検出器を備えていてもよい。符号330にて示す、この実施形態の第1及び第2の検出器44a、44bを組み合わせた全体的な高さは約30mmとすることができる。
図34及び35は、図33で使用されるような大きな角度の散乱用の検出器構成の使用により生じる利点を示す。大きな角度(20°より大きい、30°より大きい、又は40°より大きい散乱角度)の散乱は、角度が付けられた離散的チャネル検出器によって過去に検出されてきた。検出器を光ビーム8に対して垂直に配置し、広い角度範囲で散乱される光を検出器上に方向付ける単一の集光光学素子94,95を使用することによって、比較的大きな散乱角度範囲を受け取るように単一の検出器を構成することは、検出器における広い散乱角度範囲に対応する実質的に連続的な光照射野352をもたらす。検出器の感度は符号353にて表されている。検出器と散乱光の不整列は、光が検出器の端「から外れる」ことではなく、検出器に対する散乱角度のマッピングのシフトをもたらす。対照的に、図34に示す従来の離散的な大角度散乱光検出器44の場合、集光レンズ36と検出器との間の比較的小さな不整列が、検出器領域に入るレンズエッジからの影を生じさせることがあり、これは信号対雑音比の有意の低下をもたらす。
図36は、サンプルセルの3つの異なる構成についての、ある前方散乱角度範囲にわたってサンプルセルを出るステラジアン当たりの散乱光の比較を示す。曲線Aは平坦窓付きサンプルセルの従来の先行技術設計に対応する。曲線Bは図4に示す対称型ダブレットレンズ付きサンプルセル構成に対応する。曲線Cは図33の非対称型非球面サンプルセルに対応する。サンプルセルCの場合、立体角についてずっと多くの光が利用可能であるが、サンプルセルBも、平坦壁付きサンプルセルに勝る大幅な改善をもたらすことが明らかである。これらの差は、一部には、サンプルセル/空気界面における反射の減少によるものであるが、散乱光がサンプルセルを出るときの散乱光の発散を減少させるレンズの屈折力にもよるものである。散乱光の発散を減少させることは、検出のための単位面積当たりのパワーの増加をもたらす。
検出のためのパワーの増加は有利であるが、特に、後方散乱光を検出するという面において、高忠実度測定を達成するために重要であるのは信号対雑音比である。したがって、前方散乱光と、前方散乱検出構成の種々のレンズ要素及び検出器との相互作用から生じる後方散乱方向の迷光371を考慮することが有益である。
図37は、前方散乱光に起因する後方散乱方向の迷光のシミュレーションを示す。反射は、サンプルセル30の界面において、レンズ94及び95の界面において、及び検出器44a及び44bから、起こる。後方散乱における迷光は、180°の仰角及び方位角範囲にわたって、370にて測定される。
図38は、半径方向距離が仰角に対応し、角度が方位角に対応し、グレースケールカラーマップが光の強度に対応する(白が最大強度であり、黒が最小強度である)、極強度プロット380上の結果を示す。便宜上、0°の方位角をプロット380上で左を指す水平線に対応するものとして、また、時計方向角度を正として、定義する。0°及び180°の方位角についての仰角に関する強度の2次元ラインプロット385は強度プロットを伴う。検出器44a及び44bからの反射に起因する比較的高い強度の領域382を確認することができる。(ラインプロットにおいて対応するピーク384を有する)明るいリング381もまた、約70°の後方散乱角度において見ることができる。これは、少なくとも部分的には、サンプル/サンプルセル界面における大きな入射角での高反射の結果である。383における低反射率は、サンプル/サンプルセル界面におけるブルースター角近くでの低反射による。
図39は、サンプルが水であり、サンプルセルがガラスであり、また、表面が未コーティングである場合についての、この界面の反射率のグラフ391を含む。入射角に対する反射率のラインは、S偏光光393、P偏光光394、及び非偏光光395(S及びPの平均に対応する)について示されている。グラフ392は、同様のグラフを示すが、サンプル/サンプルセル界面がARコーティングでコーティングされている場合について示す。ライン396、397、及び398は、S偏光光、P偏光光、及び非偏光光にそれぞれ対応する。明らかに、ARコーティングは、この界面における反射を実質的に減少させる。
サンプルセル30からの更なる反射は、サンプルセル/空気界面において、凸状表面24にて起こる。この表面は比較的小さな曲率半径を有し、それは、均一なARコーティング厚を達成することがおそらくは難しいことを意味する。この表面のより急峻な部分では、レンズの軸上に比べて、ARコーティングが薄くなり得る。サンプル22における散乱角度に関するこの界面の反射率は、ARコーティングの厚さが表面法線の余弦に従って変動すると仮定して図40に示される。ARコーティングを有する平坦窓を有する従来技術のセルについて得られる結果もまた図40に示される。レンズ付きの第2のセル壁15についてのS偏光光402及びP偏光光401に対応するラインが、平坦壁を有する従来技術のサンプルセルについてのS偏光光404及びP偏光光403に対応するラインと共に示されている。
界面24の湾曲に起因して、比較的大きな角度で散乱される光は、(従来技術の平坦壁を有するサンプルセルと比較して)界面における入射角が比較的小さい。これは、S偏光光反射率とP偏光光反射率において差をより小さくする。通常、P偏光光は、対象の散乱角度において反射が減少するため、光散乱測定を実施するために好ましいが、レンズ付きの第2のセル壁15の使用は、広い前方散乱角度範囲にわたってS偏光光及びP偏光光について同様の反射率をもたらす。したがって、S偏光光は、散乱光の強度がより大きい前方散乱において集光され得る。サンプルセルの界面における反射に起因して、S偏光された散乱光を検出することに対する偏見がこれまで存在してきた。
図40からは、レンズである第2の壁15を有するサンプルセルについて反射が概して実質的に低いことも明らかである。
図41は、図38の結果をもたらしたシミュレーションを繰り返しているが、サンプル/サンプルセル界面及びサンプルセル/空気界面が共にARコーティングされるサンプルセルについてのものである。図41は、極強度プロット410ならびにラインプロット411及び412を含む。ラインプロット411は、0°と180°の方位角について、仰角に関する迷光強度を示し、ラインプロット412は、90°と270°の方位角について、仰角に関する迷光強度を示す。検出器44a、44bからの反射に起因する明るい領域382を明瞭に見ることができる。約70°の明るいリング381は、サンプル/サンプルセル界面のARコーティングによって強度が実質的に減少した。
ARコーティングの効果は、検出器44a、44bからの反射が非常に重大な迷光源になる点までは、後方散乱方向において迷光を実質的に減少させることである。迷光強度が比較的低い(0.001未満の)領域411を確認することができる。これらの領域411は、(方位角0°及び方位角180°にそれぞれ中心をおく)検出器44a、44bに対して異なる方位角領域内で方位角90°及び方位角270°に中心をおく。この実施形態についての後方散乱方向における迷光は、平坦セル壁を有する従来技術の設計に起因する迷光に比べて約5倍小さく、信号対雑音比の5倍の改善をもたらすことになる。増加した信号(図36に示す)と組み合わせて、信号対雑音比のかなりの改善が一実施形態に従って利用可能であることが明らかである。
幾つかの選択肢が、(発明者が非常に高い信号対雑音比を有することになることを立証した)サンプルセルを出る後方散乱光を集光して検出するために利用可能である。図42は、集光レンズ99と、焦光レンズ100と、検出器44eとを備える後方散乱集光光学素子の一実施形態を示す。この実施形態は、ケーラー型光学構成であり、その光学構成を、アフォーカルにすることによってサンプルセル位置の影響を受けにくいように構成することができる。検出器44eは、単一のピクセル検出器であり、35mm2の面積を有し得る。レンズ99、100及び検出器44eは、サンプルが水である場合に8°〜42°(サンプルが空気である場合には9.3°〜48°)の後方散乱角度を検出するために、25°の後方散乱角度に中心をおくように配置することができる。レンズ99、100及び検出器44eは、(光ビーム軸上ではない)このタイプの検出器チャネルと共に、入射光ビームに対してある角度をなすように配向される。この手法は、費用効果が高く、図33で既に示した前方散乱構成と組み合わせて図43に示されている。
この単一のピクセル検出器手法に対する代替法は、前方散乱用に使用された構成と同様の後方散乱用の検出構成を使用することである。図44及び45は、2つのレンズ194、195及び焦点面アレイ検出器42を備える後方散乱検出構成を備える一実施形態を示す。レンズ194、195及び検出器42は、図33を参照して述べた前方散乱構成のレンズ94、95及び検出器44bとそれぞれ同じである。レンズ及びシリコンをここでも使用することは、設計の簡素化を増し、コストを減少させる。集光レンズ94、95、194、195の全ては、それらの軸が光ビーム8と実質的に一致するように整列し、検出器44a、44b、42の平面は全て、光ビーム8に対して実質的に垂直であり、システムの組立て及び整列を非常に容易にする。
図46及び47は、離散的後方散乱検出構成99、100、42a(集光光学素子99、100及び検出器42aが光ビーム8に対してある角度をなす)が焦点面アレイ型の後方散乱検出構成194、195、42(集光レンズ194、195及び検出器42が照射ビーム軸8上に配置される)と組み合わされる一実施形態を示す。離散的後方散乱検出器構成99、100、42aは図42及び43に示すものであり、焦点面アレイ検出器構成は図44及び45に示すものである。
図48及び49は、実施形態(A)、(B)、及び(C)について、特定の照射ビームパワーについての検出器における光パワーを比較するグラフ480、490を示す。このグラフにおいて、(A)は大きな角度で散乱される場合の離散的検出器と、平坦壁付きサンプルセルとを備える従来技術の装置に対応し、(B)は、離散的検出器がそれぞれ、それ自体の角度付き集光レンズを有する図3の実施形態に対応し、(C)は図46及び47の実施形態に対応する。
図48は線形グラフ480であり、図49は対数/対数グラフ490である。(A)、(B)、及び(C)の各データ点は、検出器(又は検出器要素)の位置に対応する。点483は焦点面アレイ検出器44a及び44b上の検出器位置であり、点482は焦点面アレイ検出器42上の検出器位置であり、点481は検出器42aである。図46及び47の実施形態は、非常に小さな散乱角度(0.1°未満)を測定するように構成されてはいないが、(A)又は(B)と比較して、ほぼすべての散乱角度においてシリコンにおいて実質的に改善された光パワーを提供することが見てわかる。より小さな散乱角度を含むように機器の範囲を拡張することは、図24の手法のように、小角度検出器44aをサンプルセルから更に遠くに移動させ、発散レンズを使用することによって、機器のサイズを犠牲にして達成することができる。
図50は、図48及び49に基づいて、(A)、(B)、及び(C)について検出器における全集光光線を比較する。実施形態(C)は、従来技術と比較して、検出器における全光線の20倍以上を、また、(B)の全光線の2倍以上を捕捉する。全シリコン検出器面積は、従来技術の手法(A)より勝る。実施形態(C)は約210mm2の全シリコン面積を使用し、従来技術の手法は約330mm2を使用する。検出器における散乱光の総パワーの改善が信号対雑音比に及ぼす影響は、検出器における迷光による雑音の減少に関して乗法的であるため、信号対雑音比の全体の改善は、(従来技術の構成と比較して)少なくとも100程度である可能性がある。
信号を増加させ、光学的雑音を減少させることによって、信号対雑音比の非常に大きな改善を容易にすると共に、壁用のレンズを有するサンプルセルは、光がセルを出入りすることができる角度範囲が改善されるため(図19を参照して既に述べた)、マルチモーダル分析を容易にする。
先の実施形態の考察は、分散剤が水であるサンプルに的を絞ったが、本発明は、空気中に分散した粒子状サンプルにも同様に適用可能である。図53は、前方及び後方散乱検出構成が図44及び45に示す構成と同じままであるが、(分散剤が水であるサンプル用の)先のサンプルセル30がサンプルセル31に置き換えられた例示的な実施形態を示す。粒子特性評価機器は、両方のタイプのサンプルセルを備えていてもよく、また、どちらのタイプのサンプルセル30、31が照射/検出のために位置決めされるかを切り換えるように構成されていてもよい。
乾燥粒状分散剤のためのサンプルセル31は、共に平凸レンズである第1の壁13及び第2の壁15を備え、平坦面同士は平行であり、互いに向き合って、サンプルセル31の内部を画定する。壁13、15は、サンプルセルがフーリエレンズ系に近似するように、レンズの平坦面から等距離にある中心平面に関して実質的に対称である。第1及び第2の壁13、15の平坦面の間の距離は、8mmと12mmとの間、好ましくは約9.6mmである。
サンプルセルをサンプルセル30からサンプルセル31に変更することが、検出器位置に対する散乱角度の異なるマッピングをもたらすが、検出器出力を処理する際にこれを考慮することにより、これに対処することが容易であることが認識されるであろう。
図54は、照射用ビーム8がサンプル22内で非常に細い、一対の実施形態541、542を示す。これは、光源2をサンプルセル30の比較的近くに位置決めし、後方散乱集光レンズ194、195とサンプルセル30との間に位置決めされた収束レンズ6aを使用して、光源2の近くで細いビームウエストを生成することによって、実施形態541において達成される。実施形態542において、光源2はサンプルセル30から更に遠くに位置決めされ、収束レンズ6aは、後方散乱集光レンズ194、195の、サンプルセル30とは反対側にある。遠方ビームウエストはこの構成によって生成され、ビームウエストは、サンプル22内で非常に細い。細いビーム幅は、少数の粒子からの又は単一の粒子からの散乱検出を容易にし得るが、このことが、検出器の出力を粒子の特徴(例えば、サイズ)に関連付けるときの改善を可能にする場合がある。
図55は、タンパク質粒子又は凝集体を含むサンプルについての、図44及び45の実施形態の検出器における(単位照射パワーあたりの)パワーを示すグラフ550である。1°の前方散乱角度における主ピーク553を明瞭に見ることができる。第1の極小(minima)551は、2°と3°との間の散乱角度にある。より高次の回折リング552が粒子のより高い濃度についてよりよく見ることができる。0.5、1、2、4、8、及び16粒子/mm2の濃度にそれぞれ対応する曲線561、562、563、564、565、566が示されている。
より小型の設計を可能にするために、非球面表面を有する集光レンズが使用される例示的な実施形態について説明してきた。これらの例において、非球面集光レンズが関連する検出器は、散乱光の比較的広い角度範囲を検出するが、これは、本発明にとって必須の特徴ではない。非球面表面を有する集光レンズがより小型の光学設計を可能にし、また、この技術的効果が、集光レンズに関連する検出器が広い散乱角度範囲を検出するように構成されているかどうかにかかわらず存在することが理解されるであろう。
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、幾つかの他の改変が行われる可能性があることを当業者は認識するであろう。