JP2016539251A - クロム鉄鉱石からのクロム鉄合金の直接的な製造 - Google Patents

クロム鉄鉱石からのクロム鉄合金の直接的な製造 Download PDF

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Abstract

製鋼に好適なクロム鉄合金をクロム鉄鉱石から直接製造する方法であって、炭素微粒子、促進剤及びバインダーを添加して、クロム鉄鉱石の微粒子を凝集させ、乾燥した凝集体を、還元に適した高温下で、還元剤としての天然ガスと共に反応容器に供給し、これにより製鋼に好適なクロム鉄合金を製造する、方法。促進剤は好ましくは酸化物、水酸化物又は炭酸塩の形態のアルカリであり、水酸化ナトリウムが好ましい。

Description

本発明は、クロム鉄鉱石からのクロム鉄合金の直接的な製造に関する。
クロムは、全てのグレードのステンレス鋼において替えの利かない成分である。クロムは、鋼を「ステンレス」にする成分であり、合金中に12%〜約35%Crの量で存在し、一般的にCrが多くなるほど、耐食性が高くなる。クロムは、タービン及びジェットエンジンに用いられる高性能の「超合金」の鍵となる成分でもある。クロムの唯一の源はクロム鉄鉱石であり、その大部分は高炭素フェロクロム又はチャージクロムと呼ばれる中間生成物、すなわち、50%を超えるCr、約6%〜8%のC、様々な量のFi(使用プロセスに応じて0%〜4%)を含み、残部がFeである合金へと加工される。
この材料は、アルゴン酸素脱炭(AOD)プロセスへの供給原料であって、このAODプロセスは、改良した鋼転炉を使用し、Cr及びFeの低炭素溶融物の製造における第1工程である。この低炭素溶融物にNi等の他の合金化元素が添加された後、液体鋼が板状にキャストされ、次いで、ステンレス鋼市場の大部分をなし、工業及び国内消費者に必要とされるパイプ、タンク、容器、フランジ、バルブ等の無数のステンレス製品への供給物であるシートに丸められる。AODプロセス及び様々なその派生プロセス及びハイブリッドプロセスが開発される以前は、低炭素中間生成物には、クロム鉄鉱石を用いた厄介で時間のかかる脱炭工程が必要であったため、ステンレス鋼の製造には多大な費用がかかった。
クロム含有ステンレス低合金鋼の製造は、特にアジアにおいて急速に広まってきた。ステンレス鋼におけるクロムの源の一部はスクラップのリサイクルから得られているが、特に発展途上国においてはそのような材料の入手性によって制限されている。ステンレス鋼中のクロムは、他の金属で代替することはできず、材料の耐食性及び耐熱性にとって不可欠である。製鋼プロセス中必要なクロムの添加が不十分である場合には、まとめて「フェロクロム」として知られるクロム及び鉄の合金を添加することにより対応する。これらの合金は、サブマージド電気アーク炉(SAF)において固体炭素質還元剤を用いて、クロム鉄鉱石を製錬することにより製造される。このプロセスは、エネルギー及び炭素を極めて大量消費するものであり、「ベストワールドプラクティス」を採用した既存のプラントでは、製造するフェロクロム合金1トン当たり、3〜4メガワット時(MWH)の電気及び200〜300キログラムの炭素を消費する。大気汚染防止基準を満たすためには、包括的なガス浄化システムが必要である。スラグが大量に発生し、長期貯蔵時には地上集積場に置かれる。
溶融鉄を製造する酸化鉄とアルミニウムとの一般的なテルミット反応に類似した化学グレードの酸化クロムと金属アルミニウムとの反応により、少量の金属Crが製造される。クロム鉄鉱石、特にグレードの低い鉱石から直接アルミノサーミック(正:aluminothermic)還元によって低炭素FeCr合金を製造することは、一般的にエネルギー要求が不利であるため、一般的に実用化されていない。
米国には商業的に有望なクロム鉄鉱石の鉱床がなく、鋼の製造に使用されるフェロクロムは全て、通例南アフリカ及びカザフスタンから輸入されている。最近、このような鉱石の大きな鉱床がカナダ内の「環太平洋火山帯」(ROF)として知られる地域にあることが発見された。
米国及びカナダにおいて天然シェールガスの巨大な鉱脈が開拓されたことにより、天然ガスの長期的コストが低減し、長い将来にわたって価格設定が安定することが見込まれる。本発明は、環太平洋火山帯のクロム鉄鉱の入手性及び低コストの天然ガスを活かすものである。
現在、数多くの国において既存のプロセスを用いて大量の直接還元鉄(DRI)が製造されている。本発明は、この基本的で確立した技術を改良して用い、ROFクロム鉄鉱石中に含まれるクロム及び鉄の酸化物の両方を還元するのに天然ガスを用いてクロム鉄合金を製造するものである。ROFクロム鉄鉱石の形態は、還元反応の進行を容易にすることが試験において示されている。
本発明は、製鋼に好適なクロム鉄合金をクロム鉄鉱石から直接製造する方法であって、炭素微粒子(正:fines)、促進剤及びバインダーを添加して、クロム鉄鉱石の微粒子を凝集及び乾燥させ、その後、還元に適した高温下で、還元剤としての天然ガスと共に凝集体を反応容器に供給し、これにより製鋼に好適なクロム鉄合金を製造する、方法を提供する。
促進剤は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の、酸化物、水酸化物又は炭酸塩の形態のアルカリ(正:alkali)である。試験により、水酸化ナトリウムが他のアルカリ性化学薬品に比べて、クロム鉄鉱石の濃縮物から酸化クロム及び酸化鉄を迅速に還元するのに必要な反応をより効果的に可能とすることがわかった。
促進剤は、クロム鉄鉱微粒子を封入する(encapsulating:カプセル化する)シリカからケイ酸ナトリウムを化学量論的に生成するのに十分な量含まれていることに加えて、クロム鉄鉱中の酸化クロムとナトリウムとの組み合わせを可能にする付加的な量含まれている。促進剤は、各凝集体に約2重量%〜約15重量%の範囲で含まれている。しかしながら、促進剤の重量基準の含有範囲は多くの変数に依存するものであり、その1つが鉱石濃縮物のシリカ含量であり、2つ目が酸化クロム含量である。
炭素は、凝集体に含まれるクロム及び鉄の還元可能な金属酸化物の還元に十分な量、含まれており、例えば、各凝集体における炭素含量は、約15重量%〜約25重量%の範囲である。
凝集体は、炉からの排ガスで効率的に乾燥し、次いで750℃〜1150℃の範囲の温度の反応容器に入れることができる。
凝集体は、ペレットとして形成することが好ましく、1つの実施の形態においては、改質天然ガスによって750℃〜1150℃の範囲の高温の反応容器にさっと通過させてもよい。ペレット凝集体を構成するクロム鉄鉱石の微粒子及び炭素微粒子は、50ミクロン〜250ミクロンの範囲のサイズを有することが好ましい。バインダーは、ベントナイト、又は、コーンスターチ等の有機代替物から選ばれることが好ましく、ペレットの質量の0.5%〜1.5%の量で含まれている。
1つの実施の形態において、反応容器は垂直移動床プロセスを含み、天然ガス還元剤として天然ガス又は改質天然ガスが選択される。代替の実施の形態においては、反応容器は固定床バッチ(正:batch)プロセス又は移動ベルトプロセスを含み、天然ガス還元剤として改質天然ガスが選択される。
以下の記載及び請求項において他の目的及び利点が明らかとなる。添付の図面は、本発明のいくつかの実用的な実施形態を例示目的で示すものであり、本発明又は添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の方法で使用可能な、垂直移動床反応器の形態の反応容器の1つのタイプを示す模式図である。 本発明の方法で利用することのできる、垂直固定バッチ反応器の形態の反応容器の第2のタイプを示す模式図である。 本発明の方法で使用可能な、水平マッフルコンベヤ反応器の形態の反応容器の第3の実施形態を示す模式図である。 既存のプロセスに対する化石燃料必要量及び本発明の方法に対して予想される化石燃料必要量を示すグラフである。 既存のプロセスからの二酸化炭素放出量及び本発明の方法に対して予想される二酸化炭素放出量を示すグラフである。
本発明の教示に従った、製鋼に好適なクロム鉄合金をクロム鉄鉱石から直接製造する方法は、上述の発明の概要に記載され、まとめられているように実施され、好ましくはROFクロム鉄鉱石を利用して実施される。
本発明の有効性を実証する実験室レベルでの鋭意研究を完了した。本発明の教示に従い、ROFにある鉱床由来のクロム鉄鉱石濃縮物のサンプルを、製鋼に好適な高金属化クロム鉄合金へと還元することに成功した。クロムの還元に必要とされる温度は鉄のみを還元する場合に比べてはるかに高く、この還元プロセスをより低温で許容可能な速度で進行させるために促進剤を用いる。クロム鉄鉱石濃縮物は微粒子として供給し、還元段階に先立って凝集させることが必要である。これはディスクペレタイザー、又は、鉄鉱石ペレットの製造に通常使用可能な他の好適な凝集装置によって達成することができる。還元を容易にするためには、クロム鉄鉱に対して炭素を添加することが必要であることがわかった。そのため、ペレットの組成は、主としてクロム鉄鉱、炭素微粒子、及び、典型的にはアルカリ塩である促進剤からなり、ベントナイト又は有機代替物等のバインダーを添加することにより完成する。ペレットは還元反応器に入れる前に排ガスを用いて乾燥する。
上記で概要を示した発明プロセスにより、クロム及び鉄の金属化レベルが80%以上となることがわかった。プロセスの開発により、クロム及び鉄の両方に対するより高い金属化率を期待することができる。得られた還元クロム鉄鉱のペレットは、ステンレス合金鋼の製造に好適であり、製鋼における投入物のうちバッチ式で投入される成分又は連続式で投入される成分のいずれとしても好適である。従来製造されてきたフェロクロム合金の使用に比べてコスト上の利点がかなり期待される。
還元クロム鉄鉱における炭素含量は、SAFにおいて製造されるフェロ合金における炭素含量よりもかなり低くなるよう意図されている。これにより、製鋼メーカーにはプロセス上の利点がかなりもたらされ、その結果、製造コストが低減する。還元クロム鉄鉱のペレットは、フェロクロムを製造する従来のSAF炉における投入物の一部を成すことができ、コスト上かなりの利点をもたらす。
現在、数多くの国において既存のいくつかのプロセスを用いて大量の直接還元鉄(DRI)が製造されている。この発明は、この鉄の直接還元に対する基本的で確立した技術を改良して用い、ROFクロム鉄鉱石中に含まれるクロム及び鉄の酸化物の両方を加熱して還元するのに改質天然ガスを用いてクロム鉄合金を製造するものである。ROFクロム鉄鉱石の形態は、還元反応の進行を容易にすることが試験において示されている。クロム鉄鉱石中の酸化クロム及び酸化鉄を一酸化炭素により還元する場合、通常、セ氏1350度を超える温度を要する。本発明では、促進剤の制御添加を利用して、還元に要する温度がセ氏750度〜セ氏1100度の範囲となるよう低減する。この温度要件の低下により、還元プロセスに必要なエネルギーが、従来技術のSAFプロセスにおいて必要なエネルギーに比べて、1/5程度に低減する。
実験室レベルの研究において開発作業に用いたクロム鉄鉱は、カナダ北部オンタリオの環太平洋火山帯地域に位置するBlack Horse鉱床産のものであった。クロム鉄鉱濃縮物の許容化学構造を表1に示し、上記鉱石の化学構造を元素の形態で表2に示す。
Figure 2016539251
Figure 2016539251
実験結果から、好適な触媒又は促進剤を使用すると、はるかに迅速にかつかなり低温で還元反応が起こることが示された。これは、触媒作用のない場合に各温度で所定の還元割合を達成するのに要する時間を示す表3と、触媒作用のある場合に各温度で所定の還元割合を達成するのに要する時間を示す表4とを比較することによりわかる。
Figure 2016539251
Figure 2016539251
これらの実験によって実証された実質的な還元時間及び反応時間は、所定の温度における比処理能力の多大な増加をもたらす。一例として、大気圧下1200℃の操作温度では、促進剤を利用した本発明の触媒システムが、促進剤の利点のない同様のサイズの反応器に比べて、比産出量が6倍増加していることがわかった。これにより、今度は、所定の産出量に対する設備投資がかなり低減する。
クロム鉄鉱の還元速度は、以下の変数によって影響を受けることがわかった。
1.鉱石の粒径
2.還元剤の粒径
3.固体還元剤の反応性
4.温度
5.促進剤の存在
使用可能なプロセスバリエーションは、ディスクペレタイザーで製造される直径12mm程度の炭素含有ペレット、又は、標準的な工業凝集器で作られるより小径の豆粒大製品の使用に基づいている。これらの操作における供給物は、典型的には、80%程度のクロム鉄鉱濃縮物、17%の部分還元剤としての炭素粉末、並びに、最大1.5%のベントナイト又は他の好適な有機バインダー及び促進剤から構成される。
凝集体又はペレットを金属化製品へと加工することのできるフルスケールプラントの構成としては、本発明の方法を実施するのに様々なタイプの反応容器を利用することができる。以下、本発明の方法において利用することのできる様々なタイプの反応容器のうちのいくつかを説明するが、これら説明は排他的な概要ではない。
図1に示すような垂直移動床反応器を利用することができる。この反応器は天然ガスによって間接的に加熱されている。改質天然ガスは、反応器カラムの底部から供給され、反応器内にあるベッドを通って上昇する。排ガスは完全に水蒸気及び二酸化炭素から構成される。還元された生成物は、反応器底部の好適な出口から、封止大気冷却器へと半連続的に流される。本プロセスオプションからのスラグ又は他の残留廃棄物流はなく、環境フットプリントが非常に低い。
本発明の方法において利用することのできる第2の反応容器は、高温天然ガス燃焼ロータリーキルンであり、このロータリーキルンは、より高温のキルンからの排ガスをペレット供給物の予熱に使用する同様のデザインの低温キルンに連続している。
本発明の方法において利用することのできる第3のタイプの反応容器を、固定床バッチ反応器として図2に示す。この反応器は天然ガスによって間接的に加熱され、上記で概要を示した処方に従って製造したペレットを大量に収容する。還元された生成物は排出後すぐ迅速に冷却される。
本発明の方法において利用することのできる第4のタイプの反応容器は、図3に示すような封止マッフル炉を通過する移動金属コンベヤベルトであり、これは天然ガスにより外部から加熱されている。マッフル内の雰囲気は改質天然ガスにより構成されており、マッフル内を僅かに陽圧に維持している。また、必要な組成を有する米粒大ペレットを供給物とし、天然ガスをエネルギー源として用いる流動床反応器も本発明の方法において利用することができる。
垂直移動床反応器は適応性があり、最新の設備では天然ガス又は改質天然ガスのいずれも使用することができる。しかしながら、既存のDRIプラントのほとんどはガス改質器を有している。天然ガスは基本的にメタン、すなわち、CHであるが、蒸気改質天然ガスは主としてHにCOを加えたものである。固定床バッチプロセス及びベルトオプションは改質ガスを必要とする。改質ガスは、自由水素に加えて一酸化炭素を含み、水素は一酸化炭素よりもはるかに効果的な還元性ガスである。
クロム鉄鉱からクロム鉄合金を製造するのに使用されてきた既存又は従来技術のプロセスは、多量の電気及び炭素含有還元剤を使用するものである。サブマージドアーク炉、すなわち、SAFは今のところフェロクロム合金の標準的な製造方法であるが、このプロセスはエネルギー効率が悪く、捕捉、浄化して最終的に大気に放出する必要のある排ガスを大量に生成する。また、二酸化炭素もかなりの量、排出する。このプロセスでは、クロム鉄合金として液体金属が生成し、有効な利用法のないクロム含有スラグが大量に生成し、これは埋め立ての必要がある。対照的に、上記で説明した天然ガスベースの固体状態プロセスは大気中に排ガスを放出しない。生成した水分は、飲用水に近い純度レベルの液体水へと濃縮される。二酸化炭素は還元反応の副生成物として生成する唯一他のガスであるが、収集、圧縮され、工業的使用者へと販売される。
本発明のガスベースプロセスに対する全エネルギー消費量は、SAFプロセスの1/3程度であると見積もられ、これは、図4のグラフの既存のプロセスに対する相当化石燃料必要量及び本発明の方法に対して予想される相当化石燃料必要量において示される。本発明の方法は、本発明者の指示のもと実験室レベルの研究が行われたカナダのトロントにあるKWG Resources Inc.を示すKWGで表される。
図5に、既存のプロセスからの二酸化炭素放出量及び本発明の方法に対して予想される二酸化炭素放出量を示す。
また、本発明のガスベースプロセスはSAFプロセスよりも土地に対するフットプリントがはるかに低く、スラグの埋め立てに対する用意は何ら必要ではない。
上記で概要を示したプロセスでは、クロム及び鉄の金属化レベルが80%以上となることがわかった。プロセスの開発により、クロム及び鉄の両方に対するより高い金属化率を期待することができる。得られた還元クロム鉄鉱のペレットは、ステンレス合金鋼の製造に直接好適に用いられ、製鋼における投入物のうちバッチ式で投入される成分又は連続式で投入される成分のいずれとしても直接好適に用いられる。
還元されたクロム鉄合金は、密度又は磁気的性質の違いを利用する確立された工業的プロセスによって、還元されていない脈石化合物から容易に分離することができ、これにより、製鋼における投入物、特にアルゴン酸素脱炭容器への投入物において、非常に望ましい金属成分が製造される。還元されていない脈石は、不活性フィラーとして、又は、建築用れんが若しくは建築用ブロックの製造において、及び、屋根葺きでの砂代替物として使用することができる。
従来製造されてきたフェロクロム合金の使用に比べると、コスト上の利点がかなりある。還元クロム鉄鉱における炭素含量は、SAFで製造したフェロ合金、通常炭素で飽和しているフェロ合金よりもかなり低い。これにより、製鋼メーカーにはプロセス上の利点がかなりもたらされ、その結果、製造コストが低減する。還元クロム鉄鉱のペレットは、フェロクロムを製造する従来のSAF炉における投入物の一部を成すことができ、コスト上かなりの利点ももたらす。
本発明の方法は以下の利点を明確に実証する。
1.大きな資本を必要とする製錬工程の導入の必要がない。
2.鉱石を販売可能な中間生成物へとアップグレードする中間プロセスを実施することができる。
3.本発明の方法は、チャージクロム製錬よりも資本要求が低い。
4.本発明の方法は、エネルギーとして、天然ガスの実質的コスト及び環境的利点を効果的に利用する。
5.助成金対象の電気エネルギーを必要としない。
6.本発明の方法の操作コストは、アップグレードの主な方法として製錬を含むプロセスに比べ、かなり低い。
7.汚染が大きく低減する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2013年10月21日付けで出願された、クロム鉄鉱石からのクロム鉄合金の直接的な製造に対する米国仮特許出願第61/893,400号の利点を主張するものであり、この出願は、その全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。

Claims (17)

  1. 製鋼に好適なクロム鉄合金をクロム鉄鉱石から直接製造する方法であって、
    炭素微粒子、促進剤及びバインダーを添加して、クロム鉄鉱石の微粒子を凝集させ、凝集体を乾燥することと、
    還元に適した高温下で、還元剤としての天然ガスと共に前記凝集体を反応容器に供給し、これにより製鋼に好適なクロム鉄合金を製造することと、
    を含む、方法。
  2. 前記促進剤が、酸化物、水酸化物又は炭酸塩の形態のアルカリである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記促進剤が水酸化ナトリウムである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記促進剤が、クロム鉄鉱微粒子を封入するシリカからケイ酸ナトリウムを化学量論的に生成し、クロム鉄鉱中に存在する酸化クロムと反応するのに十分な量含まれている、請求項2に記載の方法。
  5. 前記促進剤が、各凝集体に約2重量%〜約15重量%の範囲で含まれている、請求項4に記載の方法。
  6. 炭素が、凝集体に含まれるクロム及び鉄の還元可能な金属酸化物の還元に十分な量含まれている、請求項4に記載の方法。
  7. 炭素が、各凝集体に約15重量%〜約25重量%の範囲で含まれている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記凝集体を炉からの排ガスで乾燥する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記反応容器内の高温が約750℃〜約1150℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記凝集体をペレットとして形成する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記還元剤が改質天然ガスである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記高温が800℃〜1150℃の範囲であり、改質天然ガスによって前記凝集体をさっと前記反応容器に通過させる、請求項1に記載の方法。
  13. 前記クロム鉄鉱石の微粒子及び炭素微粒子が、50ミクロン〜250ミクロンのサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記バインダーが、ベントナイト又は有機代替物から選ばれ、前記凝集体の質量の0.5%〜1.5%の量で含まれている、請求項1に記載の方法。
  15. 前記クロム鉄鉱石がROF由来である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記反応容器が、垂直移動床反応器、ロータリーガスキルン、固定床バッチ反応器又は移動コンベヤベルト封止マッフル炉である、請求項1に記載の方法。
  17. 請求項1に記載の方法によって製造されるクロム鉄合金。
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