JP2016538304A - Hif阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、低酸素誘導因子(HIF)の阻害剤、ならびに例えば腫瘍進行のような異常なHIF活性もしくはレベルで特徴付けられた疾患の予防または阻害、および癌の治療におけるそれらの使用を提供する。本発明は、癌などの疾患において上昇したHIF活性をブロックするための作用機序を有する医薬組成物を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、低酸素誘導因子(HIF)に関し、特に、但しこれに限定されないが、HIF活性の阻害に関する。本発明は、HIF活性の阻害剤、ならびに腫瘍進行および癌の治療などの異常なHIF活性またはレベルによって特徴付けられた疾患の予防または抑制におけるそれらの使用に及んでいる。本発明は、癌などの上昇したHIF活性によって特徴付けられた疾患を治療する医薬組成物および方法を含む。
低酸素誘導因子(HIF)転写複合体は、代謝適応、解糖(グルコーストランスポーター、GLUTおよび解糖酵素)、増殖(インスリン様成長因子1および2)、および血管新生(VEGF、エリスロポエチン)に関連するキー遺伝子をアップレギュレートすることによって、腫瘍進行に関与する。HIFは、調節性のαサブユニットおよび構成的に発現したβサブユニットを含む二量体転写因子である。HIF−α有用性は、酸素濃度および成長因子のそれぞれの変化によって、タンパク質の安定性および合成のレベルで制御される。HIF−αの過剰発現は、腫瘍抑制因子機能(例えば、p53、PTEN、VHL)の喪失または発癌性の活性化(例えば、Ras、Myc、Src)を導く微小環境刺激(例えば、低酸素症、増殖因子)および遺伝子異常の変化によって、たいていのヒト癌において発生する。したがって、癌におけるHIF機能を標的化することは、新たな抗癌剤の開発のための魅力的な戦略である。
本発明者らは、HIF活性の新規小分子阻害剤を同定するために使用する細胞に基づく(cell−based)レポータースクリーン(「U2OS−HRE−luc」として知られる)を開発した。このアッセイを使用して、彼らはこれまでに彼らのヒット化合物の一つ(本明細書では式Iで表す化合物、または単に「式I」もしくは「HIF−Inhib1」を指す)が、いくつかの癌細胞株における低酸素症および増殖因子に応答してHIF活性およびHIF−αの発現の両方を抑制することを見出した。かようなものとして、彼らは、癌の治療または予防において用いられるリード化合物のための治療上使用を実証した最初のグループである。また、本発明者らは、式(I)の化合物が、HIFの遮断が治療上に有益である他の設定においても使用される(例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)感染のライフサイクルおよび肝癌細胞転移(migration)において)ことを提案している。
したがって、本発明の第一の態様において、治療用または薬剤としての、式(I):
の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が提供される。
第二の態様において、低酸素誘導因子(HIF)活性の異常なレベルで特徴付けられた疾患、好ましくは癌を治療、予防または改善するための、式(I)の化合物、その機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が提供される。
第三の態様において、低酸素誘導因子(HIF)活性の異常なレベルで特徴付けられた疾患、好ましくは癌を治療、予防または改善する方法を提供し、当該方法は、かような治療を必要とする被検体に対して、治療上有効量の式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を投与することを含む。
有利的に、本発明者らは、式(I)の化合物が有効にHIF活性を抑制(阻害)するだけではなく、いくつかの癌細胞株における低酸素症および増殖因子に応答してHIF−αの発現を抑制(阻害)することも示していた。また、彼らは化合物(I)がマイクロモル以下の濃度での腫瘍細胞株のパネルの成長を抑制(阻害)することも見出した。化合物(I)の評価は、化合物(I)が生体内で良好な薬物動態学的特性を有しており、マウスが腹腔内(IP)注射で毎日100mg/kgまでの最大用量で投与することに耐えられることを示した。これらの有望な初期研究に基づき、本発明者らは、同所成長したPC3前列腺癌細胞の増殖に対する化合物(I)の効果を研究し続けた。驚くべきことに、本発明者らは、化合物(I)が腫瘍の増殖ならびに局所(local)および遠隔(distant)のリンパ節における転移の発生率を有意にブロックしたことを見出した。それに加えて、化合物(I)はまた同所PC3前立腺癌モデルにおいてHIF−αおよびVEGF発現をブロックした。
図1は、本発明の化合物I(ここで「HIF−Inhib1」を指す)は、HIF−1βまたは重要な細胞シグナル伝達タンパク質、ERK1/2およびAKt/PKBに影響を与えることなく、用量依存的に低酸素状態下でHIF活性およびHIF−αタンパク質誘導をブロックすることを示す図である。 図2は、HIF−Inhib1が低酸素状態でHIF標的(GLUT1およびVEGF)の誘導および腫瘍細胞転移をブロックすることを示す図である。 図3は、HIF−Inhib1はタンパク質翻訳機構を標的にすることを示す図である。 図4は、ヒトPC3LN5皮下マウス異種移植モデルにおいて、HIF−Inhib1腹腔内(IP)注射による100mg/kg毎日用量の薬力学(PD)および薬物動態(PK)の効果を示す図である。 図5は、ヒトPC3同所性マウス異種移植モデルにおいて、HIF−Inhib1はHIF−1α、VEGF、腫瘍の成長および転移(局所および遠隔)をブロックすることを示す図である。 図6は、本発明によるHIF−Inhib1の化学構造を示す図である。 図7は、U2OS−HRE−luc細胞でのHIF活性に対する一連のHIF−Inhib1類似体の効果を示す図である。 図8は、HIF−Inhib1の一群の機能的類似体の構造を示す図である。 図9は、HIF−Inhib1の化学エナンチオマーおよび類似体を合成するための反応スキームを示す図である。 図10は、3−ジメチルアミノメチル−ペンタン−2−オンメチオジドを合成するめの反応スキームを示す図である。 図11は、図9の反応スキームを用いて得られたHIF−Inhib1の化学エナンチオマーおよび類似体の五つの精製された構造を示す図である。 図12は、図11に示された化学エナンチオマーおよび類似体のHIF活性に対する効果を示す図である。
重要な発見と共に、本発明者らはまた、HIF−αタンパク質合成を制御する翻訳機構の重要成分に影響を与えるという点において、化合物(I)の作用の潜在的メカニズムを特定することに取り組んだ。化合物(I)は、タンパク質合成の阻害剤として知られているエメチンと構造的に類似している。しかし、驚くべきことにかつ有利的に、本発明者らは、化合物(I)がエメチンより癌細胞に対して少なくとも100倍低い毒性を有することを発見した。興味深いことに、以前の研究では、エメチンはリボソームタンパク質S14レベルにおける40Sリボソームをターゲットとする。真核生物翻訳開始因子eIF−2αのリン酸化が40Sリボソームからの翻訳開始を調節するので、本発明者らはその後、化合物(I)に対してeIF−2αのリン酸化を評価した。彼らの初期研究は、エメチンと式(I)の化合物との両方がeIF−2αのリン酸化をブロックし、それらが類似のターゲットプロフィールを有することを示唆することを示してした。
したがって、好ましくは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、低酸素誘導因子(HIF)転写複合体を阻害し、すなわち、HIF経路阻害剤である。本発明者らは、U2OS−HRE−luc細胞ベースアッセイ(cell−based assay)を用いて、HIF活性を阻害するための化合物のIC50がマイクロモル以下の範囲であり、すなわち〜0.5μMであることを観察した。
より好ましくは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、低酸素誘導因子−1α(HIF−1α)の発現を減少させるまたはブロックする。本発明者らは、低酸素状態でHIF−1αタンパク質誘導をブロックする本発明の化合物の有効性が、それのHIF活性を阻害するためのIC50(すなわち、約0.25〜0.5μMの範囲)と直接相関することを見出した。
好ましくは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、血管内皮成長因子(VEGF)の発現を減少させるまたはブロックする。低酸素状態でVEGF誘導をブロックする本発明の化合物の有効性は、それのHIF活性を阻害するためのIC50(すなわち、約0.25〜0.5μMの範囲)と直接相関する。
好ましくは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、eIF−2αリン酸化を減少させるまたはブロックする。低酸素状態でeIF−2αリン酸化をブロックする本発明の化合物の有効性は、それのHIF活性を阻害するためのIC50(すなわち、約0.25〜0.5μMの範囲)と直接相関する。
本発明者らは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、HIFまたはHIF活性の異常なレベルに起因する任意の疾患を治療するために用いることできると確信する。一つの実施形態において、異常なHIFレベルは健常者に関して減少されうる。しかし、好ましくは、当該疾患は、健常者に関して上昇したHIF活性によって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、かような疾患では、HIFは構成的にアップレギュレートされて、HIF−α(HIF−1αまたはHIF−2α)タンパク質は過剰発現している。例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)感染のライフサイクルは上昇したHIF活性をもたらすことが知られていて、このためC型肝炎は、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を用いて治療することができる。
式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、HIFが構成的にアップレギュレートされるおよびHIF−α(HIF−1αまたはHIF−2α)タンパク質が過剰発現する、任意の腫瘍または癌系疾患(cancer−based disease)を治療するために使用することができる。例えば、当該癌が固形腫瘍または固形癌であってもよい。好ましくは、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、前列腺癌を治療するために使用される。肝癌細胞転移も治療することができる。
当業者は理解するであろうように、実施例において式(I)の化合物がHIFを阻害するための驚くべき効果を実証されていて、腫瘍及び癌を治療するための有用性を示し、さまざまな化合物(I)の機能的類似体もHIFを阻害することができるので、それらを用いることも可能である。機能的類似体とは、U2OS−HRE−luc細胞ベースアッセイを用いて、細胞生存率に影響を与えず(すなわち、前記類似体は毒性ではない)、化合物(I)に対して少なくとも80%HIFの阻害を示す任意の化合物であるとして定義することができる。毒性とは24時間以内に20%超の細胞死を引き起こすものと定義することができ、したがって、機能性類似体は20%超の細胞死を引き起こすべきではない。
本発明者らは、図7〜12に示されているいくつか化合物(I)の類似体について検討した。例えば、図8の中央にある二重線で示すように、化合物(I)の化学構造は、三つのサブユニットに分解することができる。図8の矢印1および3は、さまざまな機能的類似体によって最大6〜11個の独立した化学基と最大三つの分離したコアとの組み合わせるがあり、結果として様々な機能的類似体をもたらすことを示している。それに応じて、化合物(I)の好ましい類似体は図8に示されている。
本発明に用いられる化合物(I)はキラルであってもよい。したがって、化合物(I)は、(I)で表される式の任意のジアステレオマーおよびエナンチオマーを含むことができる。(I)のジアステレオマーまたはエナンチオマーは強力なHIF阻害活性を示すと考えられ、かような活性は、当業者が知られている適切なインビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)アッセイの使用によって決定することができる。したがって、式(I)で定義される化合物はラセミ体としての類似体を含むことができる。あるいは、式(I)の化合物は、ジアステレオマーのトレオ−およびエリトロ−ペアならびに個々のトレオおよびエリトロのエナンチオマーを含み、ジアステレオマーのペアまたは個々のエナンチオマーであってもよい。
好ましくは、化合物(I)はS,Rエナンチオマーであり、すなわち、(S)−2−(((R)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)−3−エチル−1,6,7,11b−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,1−a]イソキノリンである。
また、本発明に用いられる化合物は塩酸塩などの製薬上活性な塩も含めることは理解されよう。
本発明者らは、式(I)の化合物が驚くほど効果的なHIF経路阻害剤であることを想到していた。
したがって、第四の態様において、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を含む低酸素誘導因子(HIF)経路阻害剤が提供される。
第五の態様において、低酸素誘導因子(HIF)経路阻害剤として使用される、式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が提供される。
本発明に提供される式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、低酸素誘導因子(HIF)活性の異常レベルで特徴付けられた疾患、好ましくは癌を治療、改善、または予防するための単剤療法(すなわち、化合物(I)の単独使用)に使用可能な薬剤に用いられることが理解されよう。あるいは、本発明に提供される式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、癌を治療、改善もしくは予防するための既知療法の補助剤として使用することができ、または当該既知療法と組み合わせして使用することができる。
本発明に提供される式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、多数の異なる形態を有する組成物と組み合わせることができ、当該組成物は特にそれが使用される際の方法によって多数の異なる形態を有する。例えば、当該組成物は、治療を必要とするヒトまたは動物に投与可能な、粉末、錠剤、カプセル、液体、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、エアロゲル、スプレー、ミセル溶液、経皮パッチ、リボソーム懸濁液または任意の他の適切な形状の形態であってもよい。本発明に提供される薬剤の賦形剤(vehicle)は、それを投与した被検体によって十分に許容されるものであると理解されよう。
本発明に提供される式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を含む薬剤は、さまざまな方法で用いることができる。例えば、経口投与の場合、当該化合物は組成物中に含むことができ、当該組成物は例えば錠剤、カプセルまたは液体の形態で経口投与できる。本発明に提供される化合物を含む組成物は吸入(例えば、鼻腔内)によって投与することができる。組成物はまた局所使用のために処方されうる。例えば、クリームまたは軟膏は皮膚に適用することができる。
本発明に提供される化合物はまた、徐放性または遅延性放出装置に取り込むことができる。かような装置は、例えば、皮膚の上または下に挿入することができ、当該薬剤は数週間または数ヶ月にわたって放出することができる。当該装置は、少なくとも治療部位に隣接する部位に配置することができる。本発明によって使用される化合物による長期治療が必要とされる場合、通常は頻繁な投与(例えば、少なくとも毎日注射)が必要な場合、かような装置は特に有用であり得る。
好ましい実施態様において、本発明に提供される化合物および組成物は、被検体に対して、注射によって血流に投与し、または必要とする治療部位に直接投与してもよい。注射は、静脈内的(ボーラスもしくは輸液)、皮下的(ボーラスもしくは輸液)、または皮内的(ボーラスもしくは輸液)であってもよい。
必要とされる当該化合物の量は、その生物学活性および生物学的利用率によって決定され、投与の方式、当該化合物の生理化学的な性質、および単剤治療として使用されているか、または併用療法に使用されているかどうかの順に依存する。投与の頻度はまた、治療中の被検体における当該化合物の半減期によって影響されるであろう。投与する最適な用量は当業者によって決定することができ、使用される特定の化合物、医薬組成物の強度、投与の方式、および癌の進行によって変化しうる。治療される特定の被検体に応じて、被検体の年齢、体重、性別、食事および投与時間を含む、追加の因子は、用量を調節する必要をもたらすであろう。
通常、一つの実施形態において、本発明に提供される化合物の、0.01μg/kg体重から500mg/kg体重まで、または0.1mg/kg体重から200mg/kg体重までの日用量は、使用される化合物または類似体に依存して、癌の治療、改善または予防に使用することができる。
当該化合物は、治療される癌の発症前、発症中または発症後に投与してもよい。毎日の用量は、単回投与(例えば、一日一回の注射)として与えられてもよい。あるいは、癌は、一日2回以上の投与を必要としてもよい。一例として、化合物(I)は、二回(または、治療される癌の重症度に応じてより多く)の、25mgから7000mgまで(すなわち、70kgの体重を仮定する)の日用量として投与されてもよい。治療を受けている患者は、起床時に最初の用量を取り、その後、夜に二回目の用量(二回投与計画であれば)を取り、またはその後3または4時間間隔で取ることができる。また、徐放性装置を用いて、繰り返し用量を投与することなく、患者に本発明に提供される化合物の最適な用量を提供することができる。
例えば、従来製薬業界(例えば、インビボ実験、臨床試験など)で使用された既知の手順は、本発明に提供される化合物を含む特定の製剤および正確な治療計画(例えば、化合物の毎日の用量および投与の頻度)の作成に使用してもよい。本発明者らは、彼らが本発明の化合物の使用に基づいて癌を治療するための医薬組成物を最初に開示していると確信する。
したがって、本発明の第六の態様において、式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物、および製薬上可能な賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
当該医薬組成物は、低酸素誘導因子(HIF)の異常なレベルによって特徴付けられた疾患、好ましくは癌を有する被検体における治療的改善、予防または治療に用いることができる。したがって、当該組成物は、好ましくは抗癌医薬組成物である。
好ましくは、化合物(I)は、(S)−2−(((R)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)−3−エチル−1,6,7,11b−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,1−a]イソキノリンである。
本発明はまた、第七の形態において、第六の形態に記載の組成物を製造するプロセスを提供し、当該プロセスは、治療上有効量の式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を製薬上許容可能な賦形剤に接触させることを含む。
「被検体」とは、脊椎動物、哺乳動物、または家畜であってもよい。したがって、本発明に提供される化合物、組成物および薬剤は、例えば家畜(例えば、馬)、ペットなど任意の動物を治療するのに用いることができ、またはその他の獣医学の用途に用いることもできる。しかし、もっとも好ましくは、被検体はヒトである。
化合物の「治療上有効量」とは、被検体に投与する際に、対象疾患を治療するまたは所望の効果(すなわち、HIF活性を阻害する)をもたらす必要とされる薬の任意の量を指す。例えば、用いられる化合物の治療上有効量は、約0.01mgから約800mgまでであってもよく、好ましくは約0.01mgから約500mgまでである。
本発明でいう「製薬上可能な賦形剤」とは、当業者に知られている、医薬組成物を処方するのに有用である、任意の既知化合物または既知化合物の組み合わせである。
一つの実施形態において、製薬上可能な賦形剤は固体であってもよく、当該組成物は粉末または錠剤の形態であってもよい。しかし、当該製薬賦形剤は液体であってもよく、当該医薬組成物は溶液の形態であってもよい。滅菌液または懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、髄腔内、硬膜外、腹腔内、静脈内、特に皮下注射によって利用することができる。
(添付した請求項、要約、及び図面を含む)ここで記載した全ての特徴、及び/又は開示されたいかなる方法又はプロセス(工程)の全ての段階で、少なくとも特徴及び/又は段階が互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで上述の態様のいずれと結び付けてもよい。
本発明のより良い理解のため、さらに同じ実施形態がどのように効果を実行するのを示すために、例えば、添付の図面を参照してもよい:
図1は、本発明の化合物I(ここで「HIF−Inhib1」を指す)は、HIF−1βまたは重要な細胞シグナル伝達タンパク質、ERK1/2およびAKt/PKBに影響を与えることなく、用量依存的に低酸素状態下でHIF活性およびHIF−αタンパク質誘導をブロックすることを示す。図1A:グラフは、16時間に亘って正常酸素状態または低酸素状態下に示された用量範囲のHIF−Inhib1処理に応答して、U2OS−HRE−luc細胞における相対発光量(RLU)として測定された、HIF(HRE−ルシフェラーゼ)活性を示す。Aに記載のU2OS−HRE−lucは、ウェスタンブロット分析のために回収した。図1B:ウェスタンブロットは、正常酸素状態または低酸素状態下においてHIF−1αタンパク質上のHIF−Inhib1効果を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた。図1C:ウェスタンブロットは、正常酸素状態(norm)または低酸素状態(hpy)下において、HIF−Inhib1の非存在下(−)および1μMのHIF−Inhib1の存在下でのHIF−1α、リン酸化ERK1/2(ERK1/2−P)、およびAKT/PKBタンパク質を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた。図1D:ウェスタンブロットは、HIF−2αタンパク質レベルでのHIF−Inhib1(1μM)の効果を示す。UT(未処理)およびDMSO処理(−)コントロールが示されている;
図2は、HIF−Inhib1が低酸素状態でHIF標的(GLUT1およびVEGF)の誘導および腫瘍細胞転移をブロックすることを示す。図2A:グラフは、16時間に亘って正常酸素状態または低酸素状態下に示された用量範囲のHIF−Inhib1処理に応答して、U2OS−HRE−luc細胞におけるELISAによって測定された血管内皮細胞増殖因子(VEGF)タンパク質発現を示す。図2B:Aに記載のU2OS−HRE−lucは、ウェスタンブロット分析のために回収した。ウェスタンブロットは、正常酸素状態または低酸素状態下において、グルコーストランスポーター1(GLUT1)タンパク質誘導に対するHIF−Inhib1の効果を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた。図2C:グラフは、16時間に亘って正常酸素状態または低酸素状態下で、HIF−Inhib1の非存在下(−)および0.5または2.5μMのHIF−Inhib1の存在下における腫瘍細胞転移(転移した細胞の数(no)/視野(field of view))を示す;
図3は、HIF−Inhib1はタンパク質翻訳機構を標的にすることを示す。図3A:ウェスタンブロットは、16時間に亘って正常酸素状態または低酸素状態下で、U2OS−HRE−luc細胞において、HIF−1αおよびリン酸化eIF−2α(eIF−2α−P)タンパク質に対する用量範囲のHIF−Inhib1処理の効果を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた。図3B:ウェスタンブロットは、16時間に亘って正常酸素状態または低酸素状態下で、U2OS−HRE−luc細胞において、リン酸化eIF−2α(eIF−2α−P)に対する用量範囲のHIF−Inhib1処理(1μM)またはエメチン処理の効果を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた;
図4は、ヒトPC3LN5皮下マウス異種移植モデルにおいて、HIF−Inhib1腹腔内(IP)注射による100mg/kg毎日用量の薬力学(PD)および薬物動態(PK)の効果を示す。図4A:ウェスタンブロットは、左(L)または右(R)の皮下後肢から切除されたPC3腫瘍異種移植片において、PDエンドポイントとしてのHIF−1αタンパク質レベルにおけるコントロール(CT)またはHIF−Inhib1処理(T)の効果を示す。アクチンはロードコントロールとして用いられた。図4B:グラフは、LC/MS分析によって測定された、Aに記載の腫瘍におけるHIF−Inhib1(μM)のレベルを示す;
図5は、ヒトPC3同所性マウス異種移植モデルにおいて、HIF−Inhib1はHIF−1α、VEGF、腫瘍の成長および転移(局所および遠隔)をブロックすることを示す。図5A:ウェスタンブロットは、腹腔内注射により75mg/kgの毎日投与後の16日目に示されたように切除されたPC3腫瘍異種移植片において、HIF−1αおよびHIF−1βタンパク質レベルにおけるコントロール(solv.con)またはHIF−Inhib1処理の効果を示す。図5B:グラフは、Aに記載のプールされた腫瘍異種移植片からのVEGFタンパク質レベル(pg/ml)を示す。図5C〜F:グラフは、Aに記載の担癌マウスの体重(C)、16日目における原発腫瘍重量のグラム(g)(D)、ならびに局所(E)および遠隔(F)のリンパ節移転の重量(g)を示す。図5G:グラフは、LCMS分析によって測定された、Aに記載の血漿およびプールされた腫瘍におけるHIF−Inhib1(μM)のレベルを示す;
図6は、本発明によるHIF−Inhib1の化学構造を示す;
図7は、U2OS−HRE−luc細胞でのHIF活性に対する一連のHIF−Inhib1類似体の効果を示す。図7A:構造および分子量(MW)は、一連のHIF−Inhib1化学類似体(4〜15でラベルした)のために示されている。図7B:グラフは、低酸素状態下(1%O、16時間)でU2OS−HRE−luc細胞ベースアッセイにおいて、HIF活性に対するDMSOコントロール(1)、10μMのHIF−Inhib1(2)、0.018μMのエメチン(3)および類似体(10μMの4〜15)の効果(相対発光量)を示す;
図8は、HIF−Inhib1の一群の機能的類似体の構造を示し、活性ファーマコフォア中の位置1、2および3に示されるように様々な異なる化学基を含む;
図9は、HIF−Inhib1の化学エナンチオマーおよび類似体を合成するための反応スキームを示す;
図10は、3−ジメチルアミノメチル−ペンタン−2−オンメチオジドを合成するめの反応スキームを示す;
図11は、図9の反応スキームを用いて得られたHIF−Inhib1の化学エナンチオマーおよび類似体の五つの精製された構造を示す;および
図12は、図11に示された化学エナンチオマーおよび類似体のHIF活性に対する効果を示す。図12Aは、図11に示された化合物で処理したU2OS−HRE細胞におけるルシフェラーゼの阻害パーセンテージを示すグラフである。化合物は、1μMで投与し、16時間1%O中でインキュベートした。図12Bは、HIF−1α、リン酸化および総eIF2αタンパク質レベルにおける阻害効果を見せるため、図1CのようにHIF−Inhib1(HIF−Inh)を含み、当該化合物で処理したU2OS−HRE細胞のウェスタンブロット分析を示す。チューブリンは、ローディングコントロールのために用いられた。示された全てのデータは、任意の平均値または3回の独立した実験の代表値である。
実施例
本発明者らは、図6に示されている式Iで表す化合物は、いくつかの癌細胞株における低酸素症および増殖因子に応答してHIF活性およびHIF−αの発現の両方を抑制(阻害)することを見出した。したがって、化合物(I)は、固形腫瘍の治療のために治療的に用いることができる。式Iで表す化合物は、本明細書中では「HIF−Inhib1」とも称する。
実施例1−本発明の化合物Iは低酸素状態下でHIF−1αタンパク質誘導をブロックする
U2OS−HRE−luc細胞は、DMSO(コントロール)または濃度範囲(0.1〜1μM)であるHIF−Inhib1の存在下で、16時間、正常酸素状態または低酸素状態(1%O)下に曝露した。細胞を回収し、HIF活性の尺度としてHRE−ルシフェラーゼ活性について評価し、ウェスタンブロット分析を行った。
結果
図1に示されるように、本発明の化合物Iは、用量依存的にHIF活性(相対発光量、RLUとして測定されたHRE−ルシフェラーゼ活性)をブロックする(図1A)。HIF活性に対する当該用量依存的な阻害効果は、低酸素状態下で直接的にHIF−αタンパク質誘導の阻害に関連することが見出された(図1B)。本発明者らは、本発明の化合物IがHIFに対する有意な影響を与える用量では、重要な細胞シグナル伝達タンパク質、ERK1/2およびAKt/PKBの発現に対する有意な効果がなく、これはHIF経路における本発明の化合物Iの特異的な阻害効果を意味することを見出した。また、本発明者らは、化合物Iが低酸素状態下でHIF−2αタンパク質誘導をブロックすることを示している。
実施例2−化合物Iは低酸素状態下でHIF標的(GLUT1およびVEGF)の誘導および癌細胞転移をブロックする
U2OS−HRE−luc細胞は、DMSO(コントロール)または濃度範囲(0.1〜1μM)であるHIF−Inhib1の存在下で、16時間、正常酸素状態または低酸素状態(1%O)下に曝露した。細胞を回収し、それぞれ定量的なELISAを用いることまたはウェスタンブロット分析によってVEGFおよびGLUT1タンパク質レベルを評価した。また、腫瘍細胞を低酸素状態下で0.5または2.5μMのHIF−Inhib1で処理し、2次元フィルタベース細胞遊走アッセイを用いて腫瘍細胞の転移を測定した。
結果
図2は、本発明の化合物Iが用量依存的にHIF標的タンパク質、VEGFおよびGLUT1(図2A〜B)の誘導をブロックすることを示す。図1A〜1Bに示されるこれらのデータは、低酸素状態下でHIF活性およびHIF−1αタンパク質に対するHIF−Inhib1の用量依存的な阻害効果と直接相関する。また、図2Cは、HIF−Inhib1がまた、低酸素状態下で用量依存的に腫瘍細胞転移を減少させ、HIF経路の阻害と一致する。
実施例3−化合物Iはタンパク質翻訳機構の主要成分を標的にする
U2OS−HRE−luc細胞は、DMSO(コントロール)または濃度範囲(0.1〜1μM)であるHIF−Inhib1の存在下で、16時間、正常酸素状態または低酸素状態(1%O)下に曝露した。細胞を回収し、タンパク質翻訳機構の成分をウェスタンブロット分析によって評価した。
結果
図3は、化合物Iがタンパク質翻訳機構の成分を標的にすることを示す。本発明者らは、HIF−Inhib1が用量依存的にeIF−2αリン酸化をブロックするえることを示すことを見出し、これは化合物Iがタンパク質翻訳に影響を与えることを示す。これらのデータは、HIF活性およびHIF−1αタンパク質に対するHIF−Inhib1の用量依存的な阻害効果と直接相関する。さらに、本発明者らは、タンパク質翻訳の阻害剤として知られているエメチンと、化合物Iの類似体とともにeIF−2αリン酸化をブロックすることを発見した。
実施例4−本発明の化合物IはHIF−1αをブロックし、生体内で良好な生物学的利用性を示す
PC3LN5異種移植片を有するヌード(Nu)マウスに100mg・kg−1の用量でHIF−Inhib1を腹腔内投与した。24時間後マウスを殺処分し、PD/PK分析のために異種移植片を取り出した。腫瘍サンプルを、3×(v/w)PBSでホモゲナイズし、150μLのメタノールの添加により50μL抽出した。逆相シナジー(Synergi)極性−RP(Phenomenx、50×2.1mm)分析カラムおよび陽イオンモードESI+MRMを用いて、腫瘍抽出物をLCMSで分析した。
結果
図4は、左と右の脇腹皮下腫瘍における化合物Iの濃度が同程度であったことを示す。腫瘍濃度範囲は1.9〜35μMであった。血漿濃度範囲は0.07〜0.3μMであった。
実施例5−化合物Iは、ヒトPC3LN5同所性マウス異種移植モデルにおいて、HIF−1α、VEGF、腫瘍の成長および転移(局所および遠隔)をブロックする
PC3LN5(10細胞)をマウス(Nu)に前立腺内(intraprostatically)移植し、腫瘍を12日間成長させた。マウスは、2.5週間、毎日IP注射によって、HIF−Inhib1を受けた。血漿および腫瘍サンプルは、最終投与後24時間採取し、LCMSによって分析した。PDエンドポイントHIF−1αおよびVEGFタンパク質のために、腫瘍を切除し、ホモゲナイズし、評価した。局所および遠隔のリンパ転移についても評価した。
結果
図5は、化合物Iが生体内でPC3LN5同所性腫瘍においてHIF−1αおよびVEGFタンパク質をブロックすることを示す。マウスの体重は16日間の毎日のHIF−Inhib1投与で有意に影響されず、最小の毒性を示唆する。HIF−Inhib1は、PC3LN5同所性マウス異種移植モデルにおいて、大幅に腫瘍の成長および転移(局所および遠隔)をブロックした。HIF−Inhib1は、腫瘍に良好なPKプロフィールを示し、腫瘍に対して良好な生物学的利用性を示した。
実施例6−本発明の化合物Iの化学構造
図6を参照すると、化合物(I)、すなわちHIF−Inhib1の構造が示されている。
実施例7−化合物Iの類似体(バッチ1)
化合物Iの一連の類似体は合成され、それらの構造は図7に示されている。U2OS−HRE−luc細胞は、図7に示されているように、DMSO(コントロール)、HIF−Inhib1(10μM)、ポジティブコントロールとしてのエメチン(0.017μM)、およびそれぞれの類似体(4)〜(15)の存在下で、16時間、低酸素状態(1%O)下に曝露した。細胞を回収し、標準ルミノメーターを用いて細胞溶解物中にルシフェラーゼ活性を測定した。データは、各状態の相対発光量(RLU)として表された。
結果
図7Bは、HIF活性の尺度として、本発明の化合物のU2OS−HREルシフェラーゼアッセイにおける効果を示す。HIF−Inhib1およびエメチンは低酸素状態下でHIF活性を大幅にブロックしたが、試験された類似体は最小限の阻害効果を示した。
図8を参照すると、HIF阻害活性を示す、生成された様々の他の類似体が示されている。化合物(I)の化学構造は、図の中央にある二重線で示すように、三つのサブユニットに分けた。図8の矢印1および3は、最大11項の独立した化学基と最大三つの分離したコア(矢印2)との組み合わせがあり、結果として様々な機能的類似体をもたらすことを示している。
実施例8−化合物Iの類似体(バッチ2)
化合物Iのさらなる一連のエナンチオマーおよび類似体は合成され、それらの構造は図11に示されている。該当する化合物は、図9に示されている反応スキームで図解しているように、6ステップの工程を用いて合成された。図9に示されている反応スキームは、図10に示されている反応スキームによって調製された3−ジメチルアミノメチル−ペンタン−2−オンメチオジドを必要とすることに留意されたい。
合成参照:
1.Whittaker N.; Openshaw H. T.;Manufacture of 1,2,3,4,6,7−hexahydro−2−oxo−11bh−benzo(a)quinolizines;US 3375254 A。
2.Whittaker N.;The synthesis of emetine and related compounds. Part IX. The use of Wittig−type reagents in the synthesis of 2,3−dehydroemetine;J. Chem. Soc. C,1969,94−100。
3.Brossi A.;Baumann M.;Chopard−dit−Jean L.H.;Wursch,J.;Schneider,F.;Schnider O.;Helvetica Chimica Acta,1959,42(3),772-788。
3−ジメチルアミノメチル−ペンタン−2−オンメチオジドの合成
ステージ1−濃縮
フラスコ中に、パラホルムアルデヒド(88g、2.9mol)、ジメチルアミン塩酸塩 (150g、1.8mol)、ペンタン−2−オン(590mL、5.5mol)およびメタノール(450mL)を入れた。このフラスコを窒素でパージし、一晩加熱還流した。反応液を冷却し、2Mの液体NaOHでpHを9に調整した。生成物をジエチルエーテル中に抽出(3×1400mL)し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中(in vacuo)で濃縮させた。粗製の混合物を減圧下(ビグリューカラム、20トル、ヘッド66〜70℃)で蒸留し、約150mLの黄色い液体を得た。これを、シリカ(3kg)に対してDCM中1%7NのMeOHで溶出し、その後DCM中2%7NのMeOHで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製し、黄色の油状物として58gの生成物を得た(収率22%)。
ステージ2−塩の形成
アミン(55g、0.4mol)を窒素雰囲気下で、オーバーヘッドスターラー付きのフラスコ中に、ろ過した(ストレージから酸化物を除去するため)。酢酸エチル(250mL)を加え、窒素雰囲気下で室温で混合物を攪拌させた。その後、T<30℃を維持するために冷却しながら、ヨウ化メチル(109g、0.8mol)を5分間かけて加えた。混合物を室温で一晩攪拌させ、その後窒素雰囲気下でろ過し、酢酸エチル(300mL)で洗浄した。沈殿物をフィルター上で吸引乾燥し、45℃にて真空でオーブン乾燥し、99gの白色固体を得た(収率91%)。
図11に示されている化合物の合成
ステージ1−環化
フラスコ中に、3−ジメチルアミノメチル−ペンタン−2−オンメチオジド(58g、206mmol)およびジヒドロイソキノリン(9g、69mmol)を入れ、エタノール(225mL)で懸濁させた。この混合物を窒素下で一晩加熱還流させた。反応混合物を室温に冷却させろ過した。フィルターをエタノール(50mL)で洗浄し、ろ液を合わせ、真空濃縮させて黄色油状物(24g)を得た。これを、シリカ(500g)に対して、ヘプタン中10%の酢酸エチルで溶出し、次いでヘプタン中20%および30%の酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製した。生成物のフラクションを集め、溶媒を真空中で除去した。得られた黄色個体をエタノール(60mL)でスラリーによってさらに精製し、白色固体(7.7g、49%)を得た。生成物のさらなる収穫(2.2g、14%)は、エタノール洗浄液の濃縮から得られた。
ステージ2−ホーナーワズワースエモンス反応
フラスコに、窒素雰囲気下で、フタル酸ジエチル(6.9g、31mmol)、ナトリウムエトキシド溶液(50.3g、155mmol、エタノール中21%wt)、およびエタノール(90mL)を入れ、−5℃に冷やした。温度<5℃に維持しながら、ジエチルホスホノ酢酸エチル(10.9g、49mmol)滴下して加えた。反応液を10℃に温かめ、0℃に冷やす前に1時間攪拌させた。ステージ1(8.9g、39mmol)を一度に加え、混合物を室温で3時間攪拌させ、続いて2時間還流させた。エタノールを減圧で除去し、残渣をトルエン(400mL)と水(400mL)で分液した。相を分離し、水相をさらなるトルエン(50mL)で抽出した。合わせた有機相を1MのHCl(500mL)中に抽出し、その後NaOHで塩基性にし、二回ジエチルエーテル中(2×400mL)に抽出した。当該有機相をMgSOで乾燥し、ろ過後濃縮することによって淡黄色油状物(11.4g、98%)を得た。当該油状物をシリカクロマトグラフィ(225gSi)で精製し、ヘプタン中15%の酢酸エチルで溶出し、続いてヘプタン中30%の酢酸エチルで溶出して、油状の生成物(9.6g、82%)を得た。
キラル分割
(+)−カンファー−スルホン酸
フラスコ中に、ステージ2(4.2g、14mmol)およびTBME(42mL)を入れて、40℃で攪拌させた。(1s)(+)カンファー−10−スルホン酸(3.2g、14mmol)の温エタノール(14mL)溶液を一度に加え、室温で3時間攪拌させた。次に、カンファー−スルホン酸塩をろ過によって集め、TBME(50mL)で洗浄し、40℃にて減圧下でオーブン乾燥した(3.4g、91%回収、99.4%ee)。この塩を1MのNaOH(100mL)とTBME(100mL)との分液によって純化(Freebasing)し、ステージ2の(+)エナンチオマーを得た。
結晶からの液体を減圧濃縮し、1MのNaOH(80mL)およびTBME(80mL)で分液した。有機相をMgSOで乾燥し、減圧濃縮して、油状の遊離塩基(freebase)を得た(2.4g、85%(−)、15%(+))。
(−)−ジパラトルオイル−酒石酸
フラスコ中に最初の結晶化からの残留物(2.4g、8mmol)およびTBME(48mL)を入れて、40℃にて攪拌させた。次いで、ジパラトルオイル−L−酒石酸(3.1g、8mmol)の温エタノール(8mL)液を一度に加え、室温にて混合物を一晩攪拌させた。その後、ジパラトルオイル−酒石酸塩をろ過によって集め、TBME(50mL)で洗浄した。その後、この塩(3.6g)を熱TBME(36mL、10vol)およびエタノール(12mL、3.3vol)の混合物から再結晶させ、40℃にて減圧乾燥させた(2.8g、60%回収、97.9%ee)。この塩を1MのNaOH(80mL)とTBME(80mL)との分液によって純化し、ステージ2の(−)エナンチオマーを得た。
結晶からの液体を減圧濃縮し、1MのNaOH(50mL)およびTBME(50mL)で分液した。有機相をMgSOで乾燥し、減圧濃縮して、油状の遊離塩基(1.6g)を得た。
追加の0.2gの(+)エナンチオマー(99.6%ee)および0.8gの(−)エナンチオマー(99.3%ee)を提供するために上記手順を再度行った。
ステージ3−アミド化
フラスコ中に、ステージ2(2.3g、7.6mmol)、2−ヒドロキシピリジン(0.7g、7.6mmol)および置換フェネチルアミン(11.4mmol)を入れた。混合物を165℃4時間加熱した後、室温に冷却させた。水(40mL)およびジエチルエーテル(12mL)を加え、混合物を30分間懸濁させた。沈殿物をろ過によって集め、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄し、45℃にて減圧乾燥し、白色固体(2.5g、76%)を得た。
ステージ4−環化
フラスコ中に、ステージ4(2.5g、5.6mmol)とトルエン(45mL)を入れた。POCl(1.7g、11.3mmolを加え、混合物を80℃に2時間加熱させた。アセトニトリル(10mL)の添加により、フラスコの内壁にガムが形成された。メタノール(20mL)を加える前に、反応液を80℃にさらに2時間加熱し、50℃に冷却させた。溶液を減圧によって除去し、残渣を1MのNaOH(50mL)およびDCM(50mL)で分液した。有機相をMgSOで乾燥し、エバポレーターによって乾固させ、黄色油(3g、仮定100%収率)を得た。この粗生成物に加えてトリメチルホスフェートは、次の工程で精製せず使用した。
ステップ5−水素化
フラスコ中に、粗精製のステージ4(5.6mmol)およびメタノール(25mL)を入れた。2MのHCl(25ml)を加え、フラスコを窒素でパージした。白金(IV)酸化物(64mg、0.3mmol)を加え、フラスコに水素を6時間注入し、水素ヘッドの下で一晩攪拌させた。混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し、メタノールを除去した。水溶液を10%のNaCOで塩基性に変化させ、ろ過によって沈殿物を集めた(〜3g)。生成物のジアステレオマーをカラムクロマトグラフィによって精製し、この際、シリカ(120g)に対して、DCM中の2%MeOHで溶出させ、その後DCM中2%の7Nのアンモニア・メタノール溶液で溶出させた。望ましい立体異性体のきれいなフラクション(トップスポット)を合わせて、減圧濃縮し、オフホワイト固体(250mg、収率11%)を得た。不純なフラクションを合わせて、減圧濃縮し、800mgの下位スポットに富むジアステレオマー混合物(収率35%、約0.5:1混合物)を得た。先行文献(Chem. Commun.,2014,50,1238)に基づき、おおよその純度および立体化学的な帰属のための実験表を参照する。
ステップ6−N−アルキル化
封管中にステージ5(0.1mmol)およびDAMP(0.4mmol)のDCM(1mL)溶液を充填した。適切なアルキル化剤(2当量)を加え、管を窒素でパージし、密封し、室温で一晩攪拌させた。混合物が乾燥するまで吹きつけ(blown)、ジエチルエーテル(1mL)および1MのNaOH(1mL)で分液した。有機相を乾燥するまで吹きつけ、2gのシリカカートリッジに対して、1%のMeOH/DCMの8×5mLのフラクションで溶出するカラムにかけた。生成物フラクションを合わせて、減圧下エバポレーターで乾固し、オフホワイト固体(収率40〜60%)を得た。
化合物を分析し、表1に示すように、プロトンNMR帰属を行った。
実施例9−化合物Iの類似体(バッチ2)を用いてHIF阻害
図11を参照すると、式Iで表す化合物(すなわち、「HIF−Inhib1」)、および3つのエナンチオマー(S,R−「UCL−ONY−001」;R,S−「UCL−ONY−002」;およびS,S−「UCL−ONY−003」)、およびラセミ類似体(「UCL−ONY−004」)が示されている。次いで、これらの化合物に対して、ルシフェラーゼアッセイを用いてそれらのHIF活性を試験し、データは図12に示されている。
図12Aは、図11に示された化合物で処理したU2OS−HRE細胞におけるルシフェラーゼ活性の阻害パーセンテージを示すグラフである。これらの化合物を1μMで投与し、1%のO中で16時間インキュベートした。図12Bは、図1Cのように化合物で処理したU2OS−HRE細胞のウェスタンブロット分析を示し、HIF−1α、リン酸化したおよび総eIF2αタンパク質レベルに対する阻害効果を示す。チューブリンは、ローディングコントロールのために用いられた。
図から分かるように、S,Rエナンチオマー(「UCL−ONY−001」)は、U2OS−HRE細胞において、HIF−Inhib1と類似の阻害活性を示しているが、UCL−ONY−002、003および004は、不活性である。このS,Rエナンチオマーは、(S)−2−(((R)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)−3−エチル−1,6,7,11b−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,1−a]イソキノリンである。
したがって、このS,Rエナンチオマー(「UCL−ONY−001」)は活性があると考えられる。これはさらに、図12Bに示された動作解析の機構によって確認され、本発明者らは、当該S,Rエナンチオマー(「UCL−ONY−001」)がHIF−Inhib1と類似の阻害活性を有し、HIF1αタンパク質誘導およびeIF−2αリン酸化をブロックすることを見出している。

Claims (15)

  1. 治療用または薬剤としての、式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
  2. 前記化合物(I)がS,Rエナンチオマーである、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、低酸素誘導因子(HIF)転写複合体を阻害する、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、低酸素誘導因子−1アルファ(HIF−1α)の発現を減少させるまたはブロックする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、血管内皮成長因子(VEGF)の発現を減少させるまたはブロックする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、eIF−2αリン酸化を減少させるまたはブロックする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 低酸素誘導因子(HIF)活性の異常なレベルで特徴付けられた疾患、好ましくは癌を治療、予防または改善するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
  8. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物が、C型肝炎または肝癌細胞転移を治療するために使用される、請求項7に記載の化合物。
  9. 前記化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物は、HIFが構成的にアップレギュレートされるおよびHIF−α(HIF−1αまたはHIF−2α)タンパク質が過剰発現する、腫瘍または癌系疾患を治療するために使用される、請求項7または8に記載の化合物。
  10. 前記癌が前立腺癌である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を含む、低酸素誘導因子(HIF)経路阻害剤。
  12. 低酸素誘導因子(HIF)経路阻害剤として使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物、および製薬上許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
  14. 前記組成物が抗癌医薬組成物である、請求項13に記載の組成物。
  15. 請求項13または14に記載の組成物を製造するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、治療上有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその機能的類似体、誘導体、製薬上許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を製薬上許容可能な賦形剤に接触させることを含む、プロセス。
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