JP2016538158A - 継手素子および木質構体の接合方法 - Google Patents

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Abstract

ピン継手用の少なくとも2つの継手孔(2)と、第1の平面(7a)および第2の平面(7b)、ならびに継手素子の外縁部(8)に向かって傾斜し前記平面(7a、7b)のうちの少なくとも1つに対してある角度で配置された斜面(9a、9b)とを有する継手素子(1)。ある方法によれば、継手素子を使って2つの木質構体(3a、3b)を互いに接合する。【選択図】図4a

Description

背景
本発明は木質構体、とくに継手素子に関するものであり、また木質構体の接合方法に関する。
丸太建造および木材建造では一般に、丸太構体および/または木質構体を接合するために、木材表面の外表面に緊締された多穴金属板、アングルブロック等の様々な金属板を使用する。そのようなやり方は、継手の外観を損なうのみならず、しばしば強度も損なうため、問題が多い。
接着による梁架設では、いわゆる梁架構方式を行なう場合でも、架構の部材は通常、切込みによって接合される。しかし切込み工程は、工数が多く費用がかかり、通常は工業環境で行なわなければならない。これは、切込みには一般に、通常の建設現場で利用できない大型工作機械が必要なためである。
とりわけ家具構体では別のやり方が知られているが、それは、寸法が正確な溝を被接合両部材に切削加工し、この溝に接続ブロックを係合させて両部材を互いに接着剤または形状係合によって接合することによって、木質板またはファイバプレートを互いに接合するものである。しかし、住宅建設などの重く要求の厳しい作業については、そのようなやり方では、十分に強度のある継手を提供することはできず、さらに、そのような接続ブロックに必要な溝を形成するには、特殊な工具が必要である。
発明の簡単な説明
そこで本発明は、新規な継手素子、および木質構体の接合方法を提供することを目的とする。本発明の目的は、独立請求項に記載の事項を特徴とする継手素子および方法によって達成される。本発明の好ましい実施例は従属請求項に開示されている。
本案は、接合すべき部材に設けられた溝に配置可能な継手素子を用いて木質構体を互いに接合することに基づいている。この溝および継手素子は、接着剤およびピン継手の両方を継手内で使用できるように形成されている。
本案による継手素子および方法の利点は、大きな木質部を迅速に互いに接合させ、強固で直ちに十分に固くなり、設置作業を連続して行なえるような継手を形成できることである。本継手の強度および硬度は、継手素子と被接合材料に設けられた継手溝との間の複数の支持点から継手を形成することでも、高まる。更なる利点は、使用現場で被接合部材に溝を形成してもよいことである。
さて、添付図面を参照し好ましい実施例について本発明をさらに詳細に説明する。
および および は、いくつかの木質構体継手の概略図である。 は、木質構体の接合方法を示す図である。 および は、木質構体を互いに接続する継手素子の図である。 および および は、木質構体継手の概略図である。 および は、いくつかの他の木質構体継手の概略図である。
詳細な説明
各図は、本案とそのいくつかの実施例を例示的に示すことのみを企図した概略図である。明確のため、各図では、本案の互いに類似した特徴事項のいくつかのみに参照符号を付与している。
図1a、図1bおよび図1cは、いくつかの木質構体継手を概略的に示す。これらの木質構体継手において、2つの木質構体3a、3bは、木質構体の接合面4a、4bが互いに向き合うように配置されて互いに接合される。図1aないし図1cは、木質構体を接合するいくつかの例を示しているにすぎず、別の実施例では、木質構体を3つ以上互いに接合してもよく、また木質構体をそのどの面で互いに接続してもよく、また互いに対してある角度をなすように配置してもよい。簡単のため、各図では、木質構体3a、3bはわずかな間隔で配置されている。
図2は、木質構体の接合方法を示す。本方法では、ピン継手用継手孔2を少なくとも2つ有する継手素子1を選択21する。好ましくは、継手素子1はさらに、第1の平面7aおよび第2の平面7bと、継手素子の外縁部8に向かって傾斜し少なくとも一方の平面7a、7bに対してある角度で配置された斜面9a、9bをと有してもよい。継手素子1は、その外縁部8の少なくとも1つが、またはその外縁部の継手孔2の方向における1つの領域が、継手素子の中央部の領域に比べて深くテーパ状をなしている。継手孔2の方向は、継手孔2の長手軸方向と称する。したがって好ましくは、継手素子1は、少なくともその外縁部8の1つが、または継手素子の中央部の領域における外縁部の1つの領域が、深くテーパ状であってもよい。ある実施例では、継手素子1は、本明細書に開示の他の継手素子の何れによるものでもよい。さらに別の実施例では、木質構体を接合する本方法は、本方法に適した他の種類の継手素子1も採用することができる。
被接合木質構体3a、3bのそれぞれの接合面4a、4bには溝5a、5bを設け22、木質構体の接合面を向かい合わせて木質構体を配置したとき、この被接合木質構体に設けられた溝によって両木質構体の間の内側に形成される空間に、継手素子1が係合可能なようにする。この空間の形状は、実質的に継手素子と合致し、すなわちその大きさおよび形状が同じである。
さらに、図2の方法では、被接合木質構体3a、3bうちの少なくとも一方の溝5a、5bに接合剤を配し23、被接合木質構体のうちの少なくとも一方の溝5a、5bに継手素子1を配置24し、接合面4a、4bを向い合せて、継手素子1および接合剤が実質的にその空間を満たすように木質構体3a、3bを互いに接合25する。次に、本方法では、木質構体を互いに固定させるために、継手素子1の各継手孔に被接合木質構体3a、3bのうちの少なくとも一方を通って継手ピン6を配置26してもよい。これによって両木質構体の間に強い接合が形成される。
ある実施例では、継手素子は、互いに反対側の端部に第1の曲状部および第2の曲状部を有している。同様に、それぞれの被接合木質構体には、第1または第2の曲状部の形状と実質的に一致する形状を有する溝を設けてもよい。これはとくに、通常の作業現場ですでに利用されている工具、好ましくは円形ハンドソー等の回転ブレードを有する工具に配設可能な適当なブレードによって、そのような溝を形成可能であるので、有利である。そこで好ましくは、溝は、いわゆる挿入埋込みとして形成してもよい。これによって木質構体は、何らかの大型工作機械および/もしくは他の特殊工具、または必要な先行工場作業工程がなくても、建設現場で接合可能である。適当なブレードとは、好ましくは、本目的に適うようにとくに設計されたブレードであって継手素子のセグメント、例えば継手素子の半体と正確に一致する形状を有する溝を被接合木質構体に容易に形成できるものでよい。他方、本継手素子1および木質構体の接合方法は当然、工場作業もしくは同様の工業環境、および/または木材建造および木質構体に関連する工場作業工程用にも、高度に適している。
ある実施例では、接合剤は、それ自体公知で木質材料の接合に適した接着剤、とくに好ましくはポリウレタン接着剤を含んでよい。接着剤によって、継手素子および被接合木質構体は互いに対して不動に接合される。ポリウレタン接着剤も継手内で膨張して、継手素子と被接合木質構体の間の寸法上の許容誤差に起因する空隙があればそれを満たし、継手素子および木質構体が互いに接合される。こうして、実質的に均一な構造体が形成され、これは、継手の強度については、とくに好ましい。
図3aおよび図3bは、木質構体を互いに接合する継手素子を示す。図3aは継手素子1の正面図、また図3bは継手素子の側面図である。そこで本継手素子は、ピン継手用の少なくとも2つの継手孔2と、第1の平面7aおよび第2の平面7bならびに斜面9a、9bとを有し、斜面は、継手素子1の外縁部8に向かって傾斜し、少なくとも一方の平面7a、7bに対してある角度で配置されている。したがってそこで、継手素子1は、とりわけ図3bからが分かるようにその外縁部のうちの少なくとも1つが、またはその外縁部の継手孔2の方向における1つの領域が、継手素子1の中央部の領域に比べて深くテーパ状をなしている。継手素子のこのような楔状構造によって、継手素子および被接合木質構体は、3方向/3次元のすべてにわたって意図した位置で互いに安定し、強固で実質的に不動に押し合う。
ある実施例では、第1の平面7aおよび第2の平面7bは、図3aおよび図3bの実施例におけるように、継手素子1の両側部に配置され、互いに実質的に平行である。この方式の利点は、継手素子および被接合木質構体が実質的にこれらの平面の全領域にわたって互いに支持可能であることであり、これによって被接合木質構体を所望の位置に正確に調節し、継手が強固になる。
ある実施例では、継手素子は、継手素子の第1の端部10aにある第1の曲状部11aと、継手素子第2の端部10bにある第2の曲状部11bとを有し、これは、継手素子の第1の端部10とは反対の端部に位置している。
木質構体を接合すると、第1の端部10aはこのように第1の木質構体3aの溝5aに安定し、また第2の端部10bは第2の木質構体3bの溝5bに安定する。そこで、継手素子は、各図からも分かるように、木質構体を互いに配置したときにこれらの溝5a、5bで両木質構体の間に形成される空間内で、安定する。好ましくは、継手素子1は実質的に対称でよく、すなわち第1の端部10aおよび第2の端部10bは形状が合致するが非平行でよく、その場合、溝5a、5bも互いに実質的に同じ形状でよい。そのような場合、継手素子1は、被接合木質構体3a、3bの間に配置され、継手素子1の第1の端部10aと第2の端部10bの間に位置し図3aに点線で示す中心線12が被接合木質構体3a、3bの接合面4a、4bと実質的に平行に配置され、すなわち継手素子1の中心線12が木質構体継手内で木質構体の接合線と実質的に平行におさまるようにしてもよい。
ある実施例では、継手素子1は断面が対称であり、互いに実質的に平行な第1および第2の平面7a、7bと、継手素子の両側で、少なくとも継手素子の第1および第2の端部10a、10bにあって継手素子の外縁部8に向かってこれらの平面から傾斜する斜面9a、9bとを有するようになっている。継手素子は、継手素子の第1および第2の平面7a、7bで画成された中央領域に比べて第1の端部10aおよび第2の端部10bが継手孔の方向に深くテーパ状をなしている。
ある実施例では、継手素子は木質材料で形成されている。これは、均一な外観が得られ、材料特性が均一になるという両方の点で、好ましい。そこで継手の全構成要素、すなわち被接合木質構体3a、3bおよび継手素子1には、例えば同じ接着特性が与えられるが、これは、例えば同じ接着剤が継手の全構成要素に適し、実質的に等しく強力な接合をこれに対して形成する理由となっている。そこで、やはり膨張などの熱および湿気の影響によって生ずる材料の変化も、継手の全構成要素について実質的に同じである。とくに好ましくは、継手素子は、交差接着した木質材料で形成してもよく、これはとくに剪断および捻り応力に対して耐性がある。
ある実施例では、継手ピン6は、被接合木質構体の少なくとも1つと同じ材料で形成してもよい。この方式の利点は、木質構体継手の外側ができるだけ均一に見えることである。
図4a、図4bおよび図4cは、第1の木質構体3aおよび第2の木質構体3bが互いに継手構体によって接合される木質構体継手の概略図であり、この継手構体は、継手素子1と、第1および第2の木質構体に配置された溝5a、5bと、継手素子の継手孔に配置された継手ピン6とを有している。図4aは木質構体継手の正面図、図4bはその側面図、また図4cは木質構体継手の構成要素の分解斜視図である。継手素子1は、上述の継手素子の実施例の何れによるものでもよい。好ましくは、本手構体では、継手素子と被接合木質構体の間に接合剤を配して、継手素子と木質構体に設けられた溝との間の接合を強化することができる。この接合剤は、好ましくは、例えばそれ自体公知の接着剤、とくに好ましくはポリウレタン接着剤を含んでよい。
図5aおよび図5bは、いくつかの他の実施例の木質構体継手の概略図であり、次のような継手構体によって第1の木質構体3aおよび第2の木質構体3bが互いに接合されている。すなわちこの継手構体は、少なくとも1つの継手素子1と、第1および第2の木質構体に配置された少なくとも1つの溝5a、5bと、継手構体に使用される各継手素子1ごとにあるそれぞれの被接合木質構体3a、3b内の1つの溝と、継手素子の継手孔に配置された継手ピン6とを含む。そこで本構体は、複数の接合面4a、4bを有してもよい。
図5aでは、例えば、2つの木質構体3a、3bが突合継手によって互いに接合され、両木質構体の端部は、本願に記載の種類の接合面4a、4bが2つそれぞれの木質構体に設けられて、木質構体を接合する本願に記載の1つの継手素子および/または方法によって各接合面対が接合されるような形状である。そこで図5bでは、被接合木質構体3a、3bは、ここでも互いに対してある角度で接合され、木質構体を接合する本願に記載の1つの継手素子および/または方法を接合に使用してもよい。さらに別の実施例では、木質構体を接合する本願に記載の1つ以上の継手素子1および/または方法を使用して、3つ以上の木質構体3a、3bを互いに接合してもよい。
ある実施例では、接合剤は、接着剤、好ましくはカプセル形態に配されたポリウレタン接着剤または同様の膨張性接着剤を含んでもよい。そのような場合、接合剤は、カプセルに影響を与え、例えば外部物体、例えば継手素子1および/または継手ピン6でカプセルの表面を破壊して初めて活性化するものでもよい。そのような場合、接合剤カプセルは、少なくとも1つの被接合木質構体3a、3bと継手素子1の間に配置してもよく、接合剤は、被接合木質構体3a、3bの溝5a、5bで形成された空間に継手素子を配置すると活性化および/または膨張することができ、木質構体3a、3bは、それらの接合面4a、4bが互いに対向するように配置され、その場合、継手素子1または継手ピン6が接合剤カプセルに影響を与えることができるようにする。継手素子1および/または継手ピン6は、あたかもピストンとして機能することができ、カプセルから接合剤を押し出すとともに、木質構体3a、3bおよび継手素子1が押し合う。
技術の進展につれ、本発明の基本的思想を多くの様々なやり方で実現可能であることは、当業者に明らかとなろう。このように本発明およびその実施例は、上述の各例に限定されるのではなく、請求項の範囲内で変えてもよい。

Claims (13)

  1. ピン継手用の少なくとも2つの継手孔と、第1の平面および第2の平面とを含む継手素子を選択し、該継手素子はさらに、該継手素子の外縁部に向かって傾斜し前記平面のうちの少なくとも一方に対してある角度で配置された斜面を含み、
    それぞれの被接合木質構体の接合面に溝を設けて、該木質構体の接合面を互いに向き合させて該木質構体を互いに配置すると、該被接合木質構体に設けられた溝で形成される空間と前記継手素子が係合可能であるようにし、該空間は、前記継手素子と実質的に同じ大きさおよび形状を有し、
    少なくとも1つの被接合木質構体に設けられた溝に接合剤を配し、少なくとも1つの被接合木質構体の溝に前記継手素子を配置し、前記接合面を向き合せて前記木質構体を互いに接合し、前記継手素子および前記接合剤が実質的に前記空間を満たすようにし、
    前記木質構体を互いに固定するために、少なくとも1つの被接合木質構体を通して前記継手素子のそれぞれの継手孔に継手ピンを配置することを特徴とする木質構体を互いに接合する方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記継手素子は、互いに対向する端部に第1の曲状部および第2の曲状部を含み、それぞれの被接合木質構体に形成される溝は、第1の曲状部または第2の曲状部の形状と実質的に一致する形状を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記接合剤はポリウレタン接着剤を含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記継手素子は木質材料で形成されていることを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記継手素子は、交差接着された木質材料で形成されていることを特徴とする方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、前記継手ピンは、前記被接合木質構体のうちの少なくとも1つと同じ材料で形成されていることを特徴とする方法。
  7. 木質構体を互いに接合する継手素子において、該継手素子は、ピン継手用の少なくとも2つの継手孔と、第1の平面および第2の平面、ならびに該継手素子の外縁部に向かって傾斜し前記平面のうちの少なくとも1つに対してある角度で配置された斜面とを含み、該継手素子は、その外縁部のうちの少なくとも1つが、またはその外縁部の前記継手孔の方向における1つの領域が、該継手素子の中央部の領域と比べて深くテーパ状をなしていることを特徴とする継手素子。
  8. 請求項7に記載の継手素子において、第1の平面および第2の平面は、該継手素子の両側部に配置され、互いに実質的に平行であることを特徴とする継手素子。
  9. 請求項7ないし8のいずれかに記載の継手素子において、該継手素子は、該継手素子の第1の端部にある第1の曲状部と、該継手素子の第1の端部とは反対の第2の端部にある第2の曲状部とを含むことを特徴とする継手素子。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の継手素子において、該継手素子は断面が対称であり、その場合、互いに実質的に平行な第1および第2の平面と、該継手素子の両側で少なくとも該継手素子の第1の端部および第2の端部にある斜面とを含み、該斜面は、これらの平面から該継手素子の外縁部に向かって傾斜し、該継手素子は、前記継手孔の方向において該継手素子の第1の平面および第2の平面で画成される中央領域と比べて第1の端部および第2の端部が深くテーパ状をなしていることを特徴とする継手素子。
  11. 請求項7ないし10のいずれかに記載の継手素子において、該継手素子は、木質材料で形成されていることを特徴とする継手素子。
  12. 請求項11に記載の継手素子において、該継手素子は、交差接着された木質材料で形成されていることを特徴とする継手素子。
  13. 請求項7ないし12のいずれかに記載の継手素子を含むことを特徴とする木質構体を接合する継手構体。
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