JP2016537445A - ロジンエステル及びその組成物 - Google Patents

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Abstract

ロジンエステルを提供する。このロジンエステルは、改善された色(たとえば、ロジンエステルは、ニートガードナーカラー8.5以下を有することができる)、改善された酸化安定性(たとえば、ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルは130℃で少なくとも75分間の酸化誘導時間を有することができる)、改善された色安定性(たとえば、ロジンエステルは、3時間、160℃の温度に加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満であり得る)、またはその組み合わせを示すことができる。ロジンエステルを含むポリマー組成物並びにロジンエステルの製造法も提供する。【選択図】なし

Description

本出願は、一般にロジンエステル、並びにその製造法及び使用法に関する。
多価アルコールから誘導されるロジンエステルなどのロジンエステルは、50年以上にもわたって公知であった。たとえば米国特許第1,820,265号明細書(Bentら)(特許文献1)を参照されたい。ロジンエステルは典型的には、ロジン酸として公知の主に異性体のC20三環式モノカルボン酸の混合物であるロジンと、グリセロールまたはペンタエリトリトールなどのアルコールとの反応により形成される。得られたロジンエステルは、ホットメルト及び感圧接着剤(pressure−sensitive adhesive)の粘着付与剤(tackifier)として、ゴム及び様々なプラスチック用の改質剤、合成ゴム用の乳化剤、チューインガム用のベース材料、交通標示塗料及びインクなどのコーティング組成物中の樹脂、並びに製紙用のサイズ剤としてなどの様々な用途において添加剤として働く。
現行の多くのロジンエステルは多くの用途に適しているが、特定の用途に関して好適な特性を持っていない。特に、多くの市販のロジンエステルは(たとえば黄色または黄褐色に)着色しており、不十分な酸化安定性を示す。従って、改善された色(たとえば無色または殆ど無色)と、改善された酸化安定性を示すロジンエステルに対する需要が引き続いてある。
米国特許第1,820,265号明細書
少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステルを提供する。ロジンエステルは改善された色を示すことができる。たとえば、ロジンエステルは、8.5以下(たとえば、6以下、または4以下)のニートガードナーカラーを有することができる。ロジンエステルは、改善された色安定性(color stability)を示すことができる(たとえば、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーで10%未満の変化を示すことができる)。ロジンエステルは、改善された酸化安定性(oxidative stability)も示すことができる(たとえば、ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルは130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示すことができる)。
特定の場合には、ロジンエステルは、エステル化後に水素化していなかった。ロジンエステル中の前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1:0.80〜1:0.25(たとえば、1:0.70〜1:0.35、1:0.65〜1:0.40、または1:0.55〜1:0.40)の範囲とすることができる。他の態様では、ロジンエステルは、水素化ロジンエステルである(たとえば、ロジンエステルは、エステル化反応後に水素化にかける)。ロジンエステルにおけるエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6(たとえば、1.3:1〜1:2.5、たとえば1.3:1〜1:1.6、または1.2:1〜1:1.5)の範囲とすることができる。
ロジンエステルは、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、またはその組み合わせからなる群から選択することができる。場合により、ロジンエステルは、多価アルコール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択される、多価アルコールからも誘導される。
一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマー、または二種類以上のかかるポリマーのブレンド及びロジンエステルを含むポリマー組成物も提供する。ポリマーは、一種以上のエチレン性不飽和モノマー、たとえば(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ビニルモノマー(たとえばスチレン)、カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体、エチレン性不飽和脂肪族モノマー(たとえばエチレン、ブチレン、ブタジエン)及びその組み合わせから誘導されるホモポリマーまたはコポリマー(たとえばランダムコポリマー若しくはブロックコポリマー)でありえる。態様によっては、ロジンエステルは1を超える種類のロジンエステルを含む。
態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーを含む。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、スチレンと、イソプレン及びブタジエンの一種以上とのコポリマーを含む。特定の態様では、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、酢酸ビニルから誘導されたポリマーを含む。酢酸ビニルから誘導されたポリマーは、少なくとも一部、酢酸ビニルモノマーの重合から誘導されたポリマーを包含する。たとえば、酢酸ビニルから誘導されたポリマーは、酢酸ビニルのホモポリマー(たとえばポリ酢酸ビニル;PVA)でありえる。酢酸ビニルから誘導されたポリマーは、酢酸ビニルと、一種以上の追加のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー(たとえばエチレン酢酸ビニル共重合体、EVA)でもありえる。特定の態様では、組成物は、EVA−ベースのホットメルト接着剤などのホットメルト接着剤である。
態様によっては、ポリマーは組成物中に、組成物の全重量を基準として20重量%〜60重量%の範囲とする量(たとえば、30重量%〜40重量%)で存在する。態様によっては、ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として20重量%〜50重量%の範囲とする量(たとえば30重量%〜40重量%)で存在する。
ポリマー組成物は、高温でのエージング(熱エージング)の時に改善された粘度安定性、熱エージング時に改善された色安定性、またはその組み合わせを含む改善された熱安定性を示すことができる。たとえば態様によっては、組成物は、177℃の温度に96時間加熱したときに、5%未満の粘度変化を示す。場合によっては、組成物は177℃の温度に96時間加熱したときに、5以下のガードナーカラー単位の変化を示す。
ロジンエステルの製造法も提供される。ロジンエステルの製造法は、ロジンエステルを形成するために、ロジンをアルコールでエステル化することを含むことができる。エステル化反応は、活性炭の存在下でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。態様によっては、エステル化反応は、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下でロジンをアルコールと接触させることを含むことができる。本方法はさらに、水素化ロジンエステルを形成するために、ロジンエステルを水素化することを含むことができる。態様によっては、エステル化反応と水素化反応の両方を活性炭の存在下で実施し、エステル化反応は場合により、追加のエステル化触媒の非存在下で実施する。
本明細書においてロジンエステルも提供される。ロジンエステルは、改善された色(たとえばロジンエステルは、8.5以下のニートガードナーカラーを有することができる)、改善された酸化安定性(たとえば、ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルは130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示すことができる)、改善された色安定性(たとえば、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーで10%未満の変化を示すことができる)またはその組み合わせを示すことができる。
ロジンエステルは、ロジンのエステル化によって形成することができる。コロホニーまたはグリークピッチ
Figure 2016537445
とも呼ばれるロジンは、植物、典型的にはマツ(たとえばダイオウマツ(Pinus palustris及びPinus caribaea)などの針葉樹の固体炭化水素分泌物である。ロジンは、ロジン酸の混合物を含むことができ、ロジンの詳細な組成は、一部、植物種に依存して変動する。ロジン酸は、数及び位置が異なる二重結合を含む三つの縮合した六個の炭素の環の核を有するC20縮合環モノカルボン酸である。ロジン酸の例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ピマール酸、レボピマール酸、サンダラコピマール酸、イソピマール酸及びパルストリン酸が挙げられる。天然のロジンは典型的には、少量の他の成分と一緒に、7または8種のロジン酸の混合物からなる。
ロジンは市販されており、オレオレジン(oleoresin)の蒸留(ガムロジンは蒸留残渣である)、松の根(ウッドロジン)の抽出またはトールオイル(トールオイルロジン)の分留により松の木から得ることができる。本明細書で記載するロジンエステルを製造するために、トールオイルロジン、ガムロジン及びウッドロジン及びそれらの混合物を含む任意の種類のロジンを使用することができる。特定の態様では、ロジンエステルはトールオイルロジンから誘導される。市販のロジンの例としては、Arizona Chemicalより市販のSYLVAROS(登録商標)90及びSYLVAROS(登録商標)NCYなどのトールオイルロジンが挙げられる。
上記のように、ロジンは、その環系内に共役二重結合を含むことができるロジン酸(たとえばアビエタジエン酸)の混合物を含む。これらの共役二重結合は、酸化不安定性の源となりえる。従って、場合によっては、ロジン、ロジンエステル、またはその組み合わせを処理して共役二重結合を含む成分の重量パーセントを減らす。たとえば、ロジンまたはロジンエステルのPAN数は、ロジンまたはロジンエステルの全重量を基準として、ロジンまたはロジンエステル中に存在するアビエタジエン酸(特に、パルストリン酸、アビエチン酸及びネオアビエチン酸)の重量パーセントを指す。本明細書中で使用する「PAN数(PAN number)」は具体的には、ASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定して、ロジンまたはロジンエステル中のパルストリン酸、アビエチン酸及びネオアビエチン酸部分の重量パーセントの合計を指す。
ロジンエステルは低いPAN数を有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定して、15.0以下(たとえば14.5以下、14.0以下、13.5以下、13.0以下、12.5以下、12.0以下、11.5以下、11.0以下、10.5以下、10.0以下、9.5以下、9.0以下、8.5以下、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)のPAN数を有することができる。
ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として、少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸(たとえば少なくとも75重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも80重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも85重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸、少なくとも90重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸または少なくとも95重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸)を含むことができる。
特定の場合には、ロジンエステルはエステル化の後、水素化しなかった。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1:0.25以下(たとえば1:0.30以下、1:0.35以下、1:0.40以下、1:0.45以下、1:0.50以下、1:0.55以下、1:0.60以下、1:0.65以下、1:0.70以下、または1:0.75以下)である。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、少なくとも1:0.80(たとえば、少なくとも1:0.75、少なくとも1:0.70、少なくとも1:0.65、少なくとも1:0.60、少なくとも1:0.55、少なくとも1:0.50、少なくとも1:0.45、少なくとも1:0.40、少なくとも1:0.35、または少なくとも1:0.30)である。ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とすることができる。たとえば、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1:0.80〜1:0.25(たとえば1:0.70〜1:0.35、1:0.65〜1:0.40、または1:0.55〜1:0.40)の範囲とすることができる。
特定の場合には、ロジンエステルは水素化ロジンエステルである。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1以下(たとえば、1.25:1以下、1.2:1以下、1.15:1以下、1.1:1以下、1.05:1以下、1:1以下、1:1.05以下、1:1.1以下、1:1.15以下、1:1.2以下、1:1.25以下、1:1.3以下、1:1.35以下、1:1.4以下、1:1.45以下、1:1.5以下、1:1.55以下、1:1.6以下、1:1.65以下、1:1.7以下、1:1.75以下、1:1.8以下、1:1.85以下、1:1.9以下、1:1.95以下、1:2以下、1:2.05以下、1:2.1以下、1:2.15以下、1:2.2以下、1:2.25以下、1:2.3以下、1:2.35以下、1:2.4以下、1:2.45以下、1:2.5以下、または1:2.55以下)である。態様によっては、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、少なくとも1:2.6(たとえば、少なくとも1:2.55、少なくとも1:2.5、少なくとも1:2.45、少なくとも1:2.4、少なくとも1:2.35、少なくとも1:2.3、少なくとも1:2.25、少なくとも1:2.2、少なくとも1:2.15、少なくとも1:2.1、少なくとも1:2.05、少なくとも1:2、少なくとも1:1.95、少なくとも1:1.9、少なくとも1:1.85、少なくとも1:1.8、少なくとも1:1.75、少なくとも1:1.7、少なくとも1:1.65、少なくとも1:1.6、少なくとも1:1.55、少なくとも1:1.5、少なくとも1:1.45、少なくとも1:1.4、少なくとも1:1.35、少なくとも1:1.3、少なくとも1:1.25、少なくとも1:1.2、少なくとも1:1.15、少なくとも1:1.少なくとも1:1.05、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、または少なくとも1.25:1)である。ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とすることができる。たとえば、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6(たとえば、1.3:1〜1:2.5、1.3:1〜1:1.6、または1.2:1〜1:1.5)の範囲とすることができる。
ロジンエステルは、任意の好適なアルコールから誘導することができ、その例としては、モノアルコール、ジオール及び他のポリオールが挙げられる。好適なアルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、ジグリセロール、トリペンタエリトリトール、C−C11分枝または非分枝アルキルアルコール、及びC−C16分枝または非分枝アリールアルキルアルコールが挙げられる。特定の態様では、ロジンエステルは、多価アルコールから誘導される。たとえば、多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択することができる。
ロジンエステルは、ASTM D5296−05に記載のように、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定して、少なくとも800g/mol(たとえば、少なくとも850g/mol、少なくとも900g/mol、少なくとも950g/mol、少なくとも1000g/mol、少なくとも1050g/mol、少なくとも1100g/mol、少なくとも1150g/mol、少なくとも1200g/mol、少なくとも1250g/mol、少なくとも1300g/mol、少なくとも1350g/mol、少なくとも1400g/mol、少なくとも1450g/mol、少なくとも1500g/mol、少なくとも1550g/mol、少なくとも1600g/mol、少なくとも1650g/mol、少なくとも1700g/mol、少なくとも1750g/mol、少なくとも1800g/mol、少なくとも1850g/mol、少なくとも1900g/mol、または少なくとも1950g/mol)の重量平均分子量を有することができる。ロジンエステルのブレンドは、2000g/mol以下(たとえば、1950g/mol以下、1900g/mol以下、1850g/mol以下、1800g/mol以下、1750g/mol以下、1700g/mol以下、1650g/mol以下、1600g/mol以下、1550g/mol以下、1500g/mol以下、1450g/mol以下、1400g/mol以下、1350g/mol以下、1300g/mol以下、1250g/mol以下、1200g/mol以下、1150g/mol以下、1100g/mol以下、1050g/mol以下、1000g/mol以下、950g/mol以下、900g/mol以下、または850g/mol以下)の重量平均分子量を有することができる。
ロジンエステルは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする重量平均分子量を有することができる。たとえば、ロジンエステルは、800g/mol〜2000g/mol(たとえば、900g/mol〜1600g/mol、または1000g/mol〜1500g/mol)の重量平均分子量を有することができる。
ロジンエステルは改善されたガードナーカラーを有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、8.5以下(たとえば、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下)のニートガードナーカラー(neat Gardner color)を有する。
ロジンエステルは改善された色安定性を示すことができる。態様によっては、ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定して、ニートガードナーカラーで10%未満の変化(たとえばガードナーカラーで9.5%未満の変化、ガードナーカラーで9%未満の変化、ガードナーカラーで8.5%未満の変化、ガードナーカラーで8%未満の変化、ガードナーカラーで7.5%未満の変化、ガードナーカラーで7%未満の変化、ガードナーカラーで6.5%未満の変化、ガードナーカラーで6%未満の変化、ガードナーカラーで5.5%未満の変化、ガードナーカラーで5%未満の変化、ガードナーカラーで4.5%未満の変化、ガードナーカラーで4%未満の変化、ガードナーカラーで3.5%未満の変化、ガードナーカラーで3%未満の変化、ガードナーカラーで2.5%未満の変化、ガードナーカラーで2%の変化、ガードナーカラーで1.5%未満の変化、またはガードナーカラーで1%未満の変化を示すことができる。特定の態様では、ASTM D1544−04(2010)に記載の方法を使用して測定して、ロジンエステルのニートガードナーカラーは、ロジンエステルを160℃の温度に3時間加熱したときに、実質的に変化しないままである(すなわち、ニートガードナーカラーで0.5%未満の変化を示す)。
ロジンエステルは改善された酸化安定性も示すことができる。たとえば態様によっては、ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法を使用して測定して、130℃において、少なくとも10分(たとえば、少なくとも15分、少なくとも20分、少なくとも25分、少なくとも30分、少なくとも35分、少なくとも40分、少なくとも45分、少なくとも50分、少なくとも55分、少なくとも60分、少なくとも65分、少なくとも70分、少なくとも75分、少なくとも80分、少なくとも85分、少なくとも90分、少なくとも95分、少なくとも100分、少なくとも105分、少なくとも110分、少なくとも115分、少なくとも120分、少なくとも125分、少なくとも130分、少なくとも135分、少なくとも140分、少なくとも145分、少なくとも150分、少なくとも155分、少なくとも160分、少なくとも165分、少なくとも170分、少なくとも175分、少なくとも180分、少なくとも185分、少なくとも190分、または少なくとも195分)の酸化誘導時間を示すことができる。特定の態様では、ロジンエステルは、水素化ロジンエステルであり、水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分(たとえば、少なくとも80分、少なくとも85分、少なくとも90分、少なくとも95分、少なくとも100分、少なくとも105分、少なくとも110分、少なくとも115分、少なくとも120分、少なくとも125分、少なくとも130分、少なくとも135分、少なくとも140分、少なくとも145分、少なくとも150分、少なくとも155分、少なくとも160分、少なくとも165分、少なくとも170分、少なくとも175分、少なくとも180分、少なくとも185分、少なくとも190分、または少なくとも195分)の酸化誘導時間を示す。たとえば、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルが1000ppmの酸化防止剤を含むとき、またはロジンエステルまたは水素化ロジンエステルが1000ppm未満の酸化防止剤(たとえば、酸化防止剤800ppm、酸化防止剤600ppm、酸化防止剤400ppm、酸化防止剤200ppm、酸化防止剤100ppm、酸化防止剤50ppm、または酸化防止剤0ppm)を含むとき、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法を使用して測定して、130℃で上記の酸化誘導時間を示すことができる。特定の態様では、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に記載の方法に従って測定して、130℃で250分以下(たとえば、200分以下)の酸化誘導時間を示すことができる。
態様によっては、ロジンエステルは、酸化防止剤1000ppm未満(たとえば、酸化防止剤950ppm未満、酸化防止剤900ppm未満、酸化防止剤850ppm未満、酸化防止剤800ppm未満、酸化防止剤750ppm未満、酸化防止剤700ppm未満、酸化防止剤650ppm未満、酸化防止剤600ppm未満、酸化防止剤550ppm未満、酸化防止剤500ppm未満、酸化防止剤450ppm未満、酸化防止剤400ppm未満、酸化防止剤350ppm未満、酸化防止剤300ppm、酸化防止剤250ppm未満、酸化防止剤200ppm未満、酸化防止剤150ppm未満、酸化防止剤100ppm未満、酸化防止剤50ppm未満、または酸化防止剤10ppm未満)を含み、ここでppmは、ロジンエステル百万部当たりの酸化防止剤の部である。
場合により、ロジンエステルは低い水酸基価(hydroxyl number)を有することができる。態様によっては、ロジンエステルは、DIN 53240−2に提供された標準方法の修正版(異なる溶媒のテトラヒドロフランを適用)を使用して測定して、5.0以下(たとえば、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)の水酸基価を有する。この水酸基価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表される。
本明細書中で提供される組成物中に含まれるロジンエステルまたはロジンエステルのブレンドは、低い酸価を有することができる。態様によっては、ロジンエステルまたはロジンエステルのブレンドは、ASTM D465−05(2010)に記載の方法に従って測定して、10.0以下(たとえば、9.5以下、9.0以下、8.5以下、8.0以下、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、または1.0以下)の酸価を有する。この酸価は、ロジンエステル試料1g当たりのKOHのmgとして表される。
ロジンエステルの硫黄含有量は、ASTM D5453−05に記載の標準方法を使用してANTEK(登録商標)9000硫黄分析器で測定することができる。組成物は、700ppm以下(たとえば、650ppm以下、600ppm以下、550ppm以下、500ppm以下、または450ppm以下)の硫黄含有量を有することができる。組成物は場合により低い硫黄含有量でありえる。態様によっては、組成物は、400ppm未満の硫黄(たとえば、350ppm未満の硫黄、300ppm未満の硫黄、250ppm未満の硫黄、または200ppm未満の硫黄)を含む。態様によっては、ロジンエステルの硫黄含有量は、ロジンエステル中の硫黄量を減らすために、ロジンエステルを活性炭などの吸着剤で処理することにより減らすことができる。
また、本明細書中に記載のロジンエステルと、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーとを含むポリマー組成物も提供する。これに関連して、エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、少なくとも一部、エチレン性不飽和モノマーの重合から誘導したポリマーを含む。たとえば、エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物のラジカル重合により得ることができる。エチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合(たとえばラジカル重合)により得られるモノマー単位を含むといえる。ポリマー組成物は、本明細書に記載のロジンエステルと、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導した二種以上のポリマーのブレンドも含むことができる。これらの場合において、二種以上のポリマーのブレンドは、たとえば様々な化学組成(たとえばエチレン酢酸ビニル共重合体とポリ酢酸ビニルとのブレンド;またはエチレンと酢酸ビニルモノマーの様々な重量パーセントから誘導した二種のエチレン酢酸ビニル共重合体のブレンド)を有する二種以上のポリマーのブレンドでありえる。
態様によっては、ロジンエステルは一を超える種類のロジンエステルを含む。たとえば、ロジンエステルは、同じ種類のロジンと二種の異なるアルコールから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえばトールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルとトールオイルロジンのグリセロールエステル)、同じアルコールと二種の異なる種類のロジンから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえば、トールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルとガムロジンのペンタエリトリトールエステル)、または二種の異なる種類のアルコールと二種の異なる種類のロジンから誘導される二種のロジンエステルの混合物(たとえば、トールオイルロジンのペンタエリトリトールエステルと、ガムロジンのグリセロールエステル)を含むことができる。
ポリマーは、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したホモポリマーまたはコポリマー(たとえば、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマー)でありえる。言い換えれば、ホモポリマーまたはコポリマーは、一種以上のエチレン性不飽和モノマーのモノマー単位を含むことができる。ポリマーは分枝ポリマーまたはコポリマーでありえる。たとえば、ポリマーは、ポリマー骨格と、このポリマー骨格にグラフトした複数のポリマー側鎖とを有するグラフトポリマーでありえる。場合によっては、ポリマーは、第一の化学組成の骨格と、前記ポリマー骨格にグラフトした(たとえばポリマー骨格と異なる化学組成を有する)ポリマー骨格と構造的に異なる複数のポリマー側鎖とを有するグラフトコポリマーでありえる。
好適なエチレン性不飽和モノマーの例としては、(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ビニルモノマー(たとえば、スチレン)、カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体、エチレン性不飽和脂肪族モノマー(たとえば、エチレン、ブチレン、ブタジエン)及びその組み合わせが挙げられる。本明細書中で使用する、「(メタ)アクリレートモノマー」なる用語は、アクリレート、メタクリレート、ジアクリレート、及びジメタクリレートモノマーを包含する。同様に、「(メタ)アクリロニトリル」なる用語は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどを包含し、「(メタ)アクリルアミド((meth)acrylamide)」なる用語は、アクリルアミド、メタクリルアミドなどを包含する。
好適な(メタ)アクリレートモノマーとしては、3〜6個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールとのエステル(たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸と、C−C20、C−C12、C−C、またはC−Cアルカノールとのエステル)が挙げられる。例示的な(メタ)アクリレートモノマーとしては、これらに限定されないが、メチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、クロトン酸アルキル、酢酸ビニル、ジ−n−ブチルマレエート、ジ−オクチルマレエート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチルポリグリコール(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート及びその組み合わせが挙げられる。
好適なビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、ビニルトルエン及びそれらの組み合わせが挙げられる。カルボン酸の好適なビニルエステルとしては、20個以下の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、たとえばラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸(versatic acid)ビニルエステル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適なハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどの、塩素、フッ素または臭素により置換されたエチレン性不飽和化合物を挙げることができる。好適なビニルエーテルとしては、たとえばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテルなどの、1〜4個の炭素原子を含むアルコールのビニルエーテルを挙げることができる。2〜8個の炭素原子と1個または2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素としては、たとえばエチレンなどの2〜8個の炭素原子と1個のオレフィン性二重結合とを有する炭化水素、並びにブタジエン、イソプレン及びクロロプレンなどの、4〜8個の炭素原子と2個のオレフィン性二重結合とを有する炭化水素を挙げることができる。
態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーを含む。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、スチレンと、イソプレン及びブタジエンの一種以上とのコポリマーを含む。特定の態様では、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマーは、メタロセン触媒ポリオレフィンを含む。好適なメタロセン触媒ポリオレフィンの例としては、Exxon Mobil Corporation(商品名EXACT(登録商標))及びDow Chemical Company(商品名AFFINITY(登録商標))から市販のメタロセンポリエチレン及びメタロセンポリエチレンコポリマーが挙げられる。
特定の態様では、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、酢酸ビニルから誘導したポリマーを含む。酢酸ビニルから誘導したポリマーとしては、少なくとも一部、酢酸ビニルモノマーの重合から誘導したポリマーが挙げられる。たとえば、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、酢酸ビニルのホモポリマー(即ち、ポリ酢酸ビニル:PVA)でありえる。また酢酸ビニルから誘導したポリマーは、酢酸ビニルと、一種以上の追加のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー(たとえば、エチレン酢酸ビニル共重合体、EVA)でありえる。これらの態様において、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、特定の用途に好適な化学的及び物理的特性を有するポリマーを提供するために、様々な量の酢酸ビニルから誘導することができる。
態様によっては、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、ポリマーを形成するために重合した全てのモノマーの全重量を基準として、少なくとも5重量%の酢酸ビニル(たとえば、少なくとも7.5重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも11重量%、少なくとも12重量%、少なくとも13重量%、少なくとも14重量%、少なくとも15重量%、少なくとも16重量%、少なくとも17重量%、少なくとも18重量%、少なくとも19重量%、少なくとも20重量%、少なくとも21重量%、少なくとも22重量%、少なくとも23重量%、少なくとも24重量%、少なくとも25重量%、少なくとも26重量%、少なくとも27重量%、少なくとも28重量%、少なくとも29重量%、少なくとも30重量%、少なくとも31重量%、少なくとも32重量%、少なくとも33重量%、少なくとも34重量%、少なくとも35重量%、少なくとも37.5重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%)から誘導される。態様によっては、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、ポリマーを形成するために重合したすべてのモノマーの全重量を基準として酢酸ビニル95重量%以下(たとえば、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、37.5重量%以下、35重量%以下、34重量%以下、33重量%以下、32重量%以下、31重量%以下、30重量%以下、29重量%以下、28重量%以下、27重量%以下、26重量%以下、25重量%以下、24重量%以下、23重量%以下、22重量%以下、21重量%以下、20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下、15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下、11重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、または7.5重量%以下)から誘導される。
酢酸ビニルから誘導されたポリマーは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする量の酢酸ビニルから誘導されたコポリマーでありえる。たとえば、酢酸ビニルから誘導したポリマーは、ポリマーを形成するために重合したすべてのモノマーの全重量を基準として酢酸ビニル5重量%〜100重量%未満(たとえば、酢酸ビニル5重量%〜75重量%、酢酸ビニル10重量%〜40重量%、または酢酸ビニル17重量%〜34重量%)から誘導されるコポリマーでありえる。
酢酸ビニルと一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したコポリマーの場合には、任意の好適なエチレン性不飽和モノマーは、特定の用途に適した化学的及び物理的特性を有するコポリマーを提供するために、コポリマーに配合することができる。たとえば、コポリマーに配合しえる好適なエチレン性不飽和モノマーとしては、上記のもの、たとえば(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ビニルモノマー(たとえば、スチレン)、カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体、エチレン性不飽和脂肪族モノマー(たとえば、エチレン、ブチレン、ブタジエン)、及びその組み合わせが挙げられる。
特定の態様では、ポリマーはエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。EVAはエチレンと酢酸ビニルから誘導したコポリマーである。EVAは、ホットメルト接着剤、道路標示及び路面標示用途、生物医学用途(たとえば制御薬剤放出用のマトリックスとして)でのコポリマーとして、プラスチックフィルム中の添加剤として、及び様々な消費材における発泡体としてなど様々な用途で広く使用されている。場合により、EVAコポリマーは、特定の用途に必要な特定の化学的物理的特性を有するコポリマーを得るために、ブタジエンなどの好適なオレフィン性モノマーでグラフト化することができる。たとえば、米国特許第3,959,410号明細書(DiRossi)及び同第5,036,129号明細書(Atwellら)を参照されたい。
特定の態様において、ポリマーは、ポリマーを形成するために重合したすべてのモノマーの全重量を基準として、酢酸ビニル9重量%から45重量%未満(たとえば、酢酸ビニル17重量%〜40重量%、酢酸ビニル17重量%〜34重量%、酢酸ビニル25重量%〜30重量%)と、55重量%を超え、91重量%までのエチレン(たとえば、酢酸ビニル60重量%〜83重量%、酢酸ビニル66重量%〜83重量%、または酢酸ビニル70重量%〜75重量%)から誘導されるEVAである。一態様において、酢酸ビニルから誘導されたポリマーは、ポリマーを形成するために重合したすべてのモノマーの全重量を基準として、酢酸ビニル26重量%〜28重量%とエチレン72重量%〜74重量%から誘導されるEVAである。
態様によっては、ポリマーは、ISO11357−3:2011に記載の標準方法を使用する示差走査熱量計(DSC)により測定して、25℃を超える(たとえば30℃を超える、35℃を超える、40℃を超える、45℃を超える、50℃を超える、55℃を超える、60℃を超える、65°℃を超える、70℃を超える、75℃を超える、80℃を超える、または85℃を超える、90℃を超える、または95℃を超える)融解温度を有する。酢酸ビニルから誘導したポリマーは、100℃未満(たとえば、95℃未満、90℃未満、85℃未満、80℃未満、75℃未満、70℃未満、65℃未満、60℃未満、55℃未満、50℃未満、45℃未満、40℃未満、35℃未満、または30℃未満)の融解温度を有することができる。
ポリマーは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする融解温度を有することができる。たとえば、ポリマーはISO11357−3:2011に記載の標準方法を使用して示差走査熱量計(DSC)により測定して、25℃〜100℃(たとえば、25℃〜90℃、35℃〜85℃、または50℃〜80℃)の融解温度を有することができる。
ロジンエステルは、組成物の所望の特性に依存して、様々な量でポリマー組成物中に存在することができる。態様によっては、ロジンエステルは、組成物の少なくとも5重量%(たとえば、組成物の少なくとも10重量%、組成物の少なくとも15重量%、組成物の少なくとも20重量%、組成物の少なくとも25重量%、組成物の少なくとも30重量%、組成物の少なくとも35重量%、組成物の少なくとも40重量%、または組成物の少なくとも45重量%)を構成する。態様によっては、ロジンエステルは、組成物の50重量%以下(たとえば、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、または10重量%以下)を構成する。ロジンエステルは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする量で組成物中に存在することができる。態様によっては、ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として20重量%〜50重量%の範囲とする量(たとえば、30重量%〜40重量%)で組成物中に存在する。
同様に、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、組成物の所望の特性に依存して、様々な量でポリマー組成物中に存在することができる。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、組成物の少なくとも20重量%(たとえば、組成物の少なくとも25重量%、組成物の少なくとも30重量%、組成物の少なくとも35重量%、組成物の少なくとも40重量%、組成物の少なくとも45重量%、組成物の少なくとも50重量%、組成物の少なくとも55重量%、組成物の少なくとも60重量%、組成物の少なくとも65重量%、組成物の少なくとも70重量%、組成物の少なくとも75重量%、組成物の少なくとも80重量%、組成物の少なくとも85重量%、または組成物の少なくとも90重量%)を構成する。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、組成物の95重量%以下(たとえば、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、または10重量%以下)を構成する。ロジンエステルは、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする量で組成物中に存在することができる。態様によっては、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーは、組成物の全重量を基準として20重量%〜60重量%(たとえば、30重量%〜40重量%)の量で組成物中に存在する。
特定の態様において、組成物中の一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー対エステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸の合計の重量比は、少なくとも1:2.2(たとえば、少なくとも1:2.1、少なくとも1:2.0、少なくとも1:1.9、少なくとも1:1.8、少なくとも1:1.7、少なくとも1:1.6、少なくとも1:1.5、少なくとも1:1.4、少なくとも1:1.3、少なくとも1:1.2、少なくとも1:1.1、少なくとも1:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.3:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.6:1、少なくとも1.7:1、少なくとも1.8:1、少なくとも1.9:1、少なくとも2:1、少なくとも2.1:1、少なくとも2.2:1、少なくとも2.3:1、少なくとも2.4:1、少なくとも2.5:1、少なくとも2.6:1、少なくとも2.7:1、少なくとも2.8:1、少なくとも2.9:1、少なくとも3:1、少なくとも3.1:1、少なくとも3.2:1、少なくとも3.3:1、少なくとも3.4:1、少なくとも3.5:1、少なくとも3.6:1、少なくとも3.7:1、少なくとも3.8:1、少なくとも3.9:1、少なくとも4:1、少なくとも4.1:1、または少なくとも4.2:1)である。特定の態様において、組成物中の一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー対エステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸の合計の重量比は、4.3:1以下(たとえば、4.2:1以下、4.1:1以下、4:1以下、3.9:1以下、3.8:1以下、3.7:1以下、3.6:1以下、3.5:1以下、3.4:1以下、3.3:1以下、3.2:1以下、3.1:1以下、3:1以下、2.9:1以下、2.8:1以下、2.7:1以下、2.6:1以下、2.5:1以下、2.4:1以下、2.3:1以下、2.2:1以下、2.1:1以下、2:1以下、1.9:1以下、1.8:1以下、1.7:1以下、1.6:1以下、1.5:1以下、1.4:1以下、1.3:1以下、1.2:1以下、1.1:1以下、1:1以下、1:1.1以下、1:1.2以下、1:1.3以下、1:1.4以下、1:1.5以下、1:1.6以下、1:1.7以下、1:1.8以下、1:1.9以下、1:2以下、または1:2.1以下)である。組成物中の一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー対エステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸の合計の重量比は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とすることができる。たとえば態様によっては、組成物中の一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー対エステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸の合計の重量比は、1:2.2〜4.3:1(たとえば、1:1.1〜2:1)である。
場合により、ポリマー組成物は、接着剤配合物(たとえば、ホットメルト接着剤配合物)、インク配合物、コーティング配合物、ゴム配合物、封止材配合物、アスファルト配合物、または路面標示配合物(たとえば、熱可塑性道路標示配合物)でありえる。
特定の態様では、組成物はホットメルト接着剤である。これらの態様において、ロジンエステルは、従来のホットメルト接着剤配合物において粘着剤付与成分の全てまたは一部として機能することができる。一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)、ロジンエステル、及び一種以上の追加の成分は、特定の用途に必要な特性を有するホットメルト接着剤を提供するのに有効な量で存在することができる。たとえば、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)は、ホットメルト接着剤組成物の10重量%〜60重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜60重量%、ホットメルト接着剤組成物の25重量%〜50重量%、またはホットメルト接着剤組成物の30重量%〜40重量%)でありえる。ロジンエステルは、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜50重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の25重量%〜45重量%、またはホットメルト接着剤組成物の30重量%〜40重量%)でありえる。
ホットメルト接着剤はさらに、一種以上の追加の成分、たとえば追加の粘着付与剤、蝋、安定剤(たとえば、酸化防止剤及びUV安定剤)、可塑剤(たとえば、ベンゾエート及びフタレート)、パラフィン油、核形成剤、蛍光増白剤、顔料、染料、グリッター、殺生物剤、難燃剤、帯電防止剤、滑り防止剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、滑剤及び充填剤などを含むことができる。態様によっては、ホットメルト接着剤はさらに、蝋を含む。好適な蝋としては、パラフィンベースの蝋及び合成フィッシャー・トロプシュ蝋が挙げられる。蝋は、組成物の全重量を基準として、ホットメルト接着剤組成物の10重量%〜40重量%(たとえば、ホットメルト接着剤組成物の20重量%〜30重量%)でありえる。
特定の態様では、組成物はホットメルト接着剤であり、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマーはEVAである。特定の態様では、EVAは、EVAを形成するために重合された全てのモノマーの全重量を基準として、酢酸ビニル10重量%〜40重量%(たとえば、酢酸ビニル17重量%〜34重量%)から誘導される。
特定の態様では、組成物は熱可塑性道路標示配合物である。熱可塑性道路標示配合物は、熱可塑性道路標示配合物の全重量を基準として、ロジンエステル5重量%〜25重量%(たとえば、熱可塑性道路標示配合物の10重量%〜20重量%)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物はさらに、たとえば熱可塑性道路標示配合物の0.1重量%〜1.5重量%でありえる、一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導したポリマー(たとえば、EVAなどの酢酸ビニルから誘導したポリマー)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物は、顔料(たとえば、二酸化チタン1重量%〜10重量%)、ガラスビーズ(たとえば、30重量%〜40重量%)、及び充填剤(たとえば、最高100重量%まで組成物の残余を補うことができる炭酸カルシウム)を含むことができる。熱可塑性道路標示配合物はさらに、油(たとえば、鉱油1重量%〜5重量%)、蝋(たとえば、パラフィンベースの蝋または合成フィッシャー・トロプシュ蝋1重量%〜5重量%)、安定剤(たとえば、ステアリン酸0.1重量%〜0.5重量%)、及び場合により、本明細書に記載のロジンエステル以外の追加のポリマー及び/またはバインダーを含むことができる。
態様によっては、本明細書に記載のロジンエステルをポリマー組成物に配合することによって、ポリマー組成物は、高温でのエージング(熱エージング)した時に改善された粘度安定性、熱エージングの時に改善された色安定性、またはその組み合わせを含む改善された熱安定性を示すことができる。
態様によっては、本明細書で提供するポリマー組成物は、以下に記載の修正ASTM D4499−07法を使用して分析したときに、177℃で96時間定温放置する際に10%未満の粘度変化(たとえば、9%未満の粘度変化、8%未満の粘度変化、7.5%未満の粘度変化、7%未満の粘度変化、6%未満の粘度変化、5%未満の粘度変化、4%未満の粘度変化、3%未満の粘度変化、2.5%未満の粘度変化、2%未満の粘度変化、または1%未満の粘度変化)を示す。態様によっては、組成物は177℃で96時間の定温放置の際に、実質的に全く粘度変化を示さない(すなわち、0.5%未満の粘度変化)。
態様によっては、本明細書で提供するポリマー組成物は、熱エージングの際に色安定性を示す。特定の場合において、本明細書で提供するポリマー組成物は、177℃に96時間加熱した時に、ガードナーカラー単位で5以下の変化(たとえば、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下)を示す。
本明細書で提供するポリマー組成物は、接着剤(たとえばホットメルト接着剤)、インク、コーティング、ゴム、封止材、アスファルト並びに熱可塑性道路標示及び路面標示材料などの様々な用途で使用することができる。態様によっては、組成物は、紙及びパッケージングと組み合わせて(たとえば、組み立て及び/または包装の間に段ボール及び板紙カートンの表面を接着するために、自己粘着ラベルを製造するために、ラベルをパッケージに付けるために、または製本などの他の用途で)、不織材料と組み合わせて(たとえば、使い捨ておむつを組み立てる間に不織材料を裏打ちシートに付着させるために)、粘着テープで、アパレルで(たとえば、履物の組み立て、または多層スペシャリティハンドバッグ(specialty handbag)の組み立てで)、電気的及び電子的ボンディング(electrical and electronic bonding)(たとえば、電子デバイスの部品またはワイヤを付けるために)、一般的な木工組立品(たとえば、家具組立品で、またはドア及び造作材の組み立てで)、及び他の工業組立品(たとえば、電化製品の組み立てで)において使用されるホットメルト接着剤である。本明細書で記載されるロジンエステルは、チューインガムの軟化剤及び可塑剤として、飲料中の増量剤及び混濁剤として(たとえば柑橘類でフレーバーを付けた飲料)、界面活性剤、界面活性変性剤(surface activity modulator)または分散剤として、蝋及び蝋ベースの艶出し研磨剤中の添加剤として、化粧品配合物中の改質剤として(たとえばマスカラ)、並びにコンクリート中の硬化剤としてなど、様々な追加の用途でも使用することができる。
本明細書に記載のロジンエステルと油とを含む組成物も提供する。例示的な組成物は、本明細書に記載のロジンエステル25重量%〜55重量%(たとえば、30重量%〜50重量%)と、鉱油及びポリブテン油などの油45重量%〜75重量%(たとえば、50重量%〜70重量%)を含むことができる。
本明細書に記載のロジンエステルの製造法も提供する。ロジンエステルの製造法は、ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化することを含むことができる。エステル化反応は、活性炭の存在下でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。態様によっては、エステル化反応は、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。以下詳細に記載するように、方法はさらに、水素化ロジンエステルを形成するために、ロジンエステルを水素化することも含むことができる。
エステル化は、ロジンと、好適なアルコール及び活性炭とを接触させ、前記ロジンとアルコールとを、ロジンエステルを形成するのに好適な条件下で一定時間反応させることを含むことができる。ロジンをエステル化する好適な反応条件は当業界で公知である。たとえば、本明細書中、その全体が参照として含まれる、米国特許第5,504,152号明細書(Douglasら)を参照されたい。好適な反応条件は、反応体の性質(たとえば、ロジンの化学的及び物理的特性、アルコールの同一性(identity)など)及び、得られたロジンエステルの所望の化学的及び物理的特性などの多くの因子を考慮して選択することができる。たとえば、ロジンは、ロジンとアルコールとの熱反応によりエステル化することができる。エステル化は、高温(たとえば30℃を超え250℃までの温度)でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。態様によっては、エステル化反応は、ロジンエステルを形成するのに好適な時間、追加のエステル化触媒の非存在下で、溶融ロジンとアルコール及び活性炭とを接触させることを含む。場合によっては、エステル化反応は、酸価15以下を有するロジンエステルを提供するのに有効な時間、追加のエステル化の非存在下で、ロジンとアルコール及び活性炭とを接触させることを含む。
エステル化反応では、任意の好適なロジンを使用することができる。ロジンは、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、またはその組み合わせでありえる。特定の態様では、ロジンはトールオイルロジンを含む。ロジンは、市販の供給源または天然の供給源から得られるロジンエステルの形成用の原料として使用することができる。市販で入手可能なロジンの例としては、Arizona Chemicalより市販のSYLVAROS(登録商標)90及びSYLVAROS(登録商標)NCYが挙げられる。あるいは、ロジンはロジンエステルを形成するための原料として使用する前に、一つ以上の精製工程(たとえば、減圧下での蒸留、抽出、及び/または結晶化)にかけることができる。
任意の好適なアルコールとしては、モノアルコール、ジオール及び他のポリオールが挙げられ、エステル化反応で使用することができる。好適なアルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、ジグリセロール、トリペンタエリトリトール、C−C11分枝または非分枝のアルキルアルコール、及びC−C16分枝または非分枝のアリールアルキルアルコールが挙げられる。特定の態様では、アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール及びその組み合わせからなる群から選択される多価アルコールである。態様によっては、一を超えるアルコールをエステル化反応で使用する。特定の態様では、ペンタエリトリトール及び、グリセロール、ジペンタエリトリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、及びその組み合わせからなる群から選択される一種以上の追加のアルコールをエステル化反応で使用する。
ロジンの量に対するエステル化反応で使用されるアルコール量は、アルコールの性質並びに、得られるロジンエステルの所望の化学的及び物理的特性に依存して変動しうる。態様によっては、低い水酸基価を有する得られるロジンエステルを製造するために、ロジンは過剰量で提供される。たとえば、存在するロジン量に対してモル等量未満の水酸基が反応中に存在するような量でアルコールを提供することができる。他の態様では、アルコールは、低い酸価を有する得られるロジンエステルを製造するために、アルコールは過剰量で提供する。
任意の好適な活性炭をエステル化反応での触媒として使用することができる。活性炭は、別のエステル触媒に対してロジンのエステル化速度を促進することができる。また活性炭を用いて形成したロジンエステルの酸化安定性は、別のエステル化触媒を使用して得られたロジンエステルよりも高くなりえる。活性炭は、大きな内部表面積及び細孔容積となるように処理した、微結晶質、非黒鉛形の炭素である。表面を化学的に反応性とする表面積及び官能基などの他の変数と共に、これらの特徴は、活性炭の触媒活性に影響を与えるために、必要により選択することができる。
好適な活性炭は、そのそれぞれが得られた活性炭に特定の品質を与える、当業界で公知の方法を使用して、様々な炭素質原材料から製造することができる。たとえば、活性炭は、褐炭、石炭、骨、材木、泥炭、製紙工場廃棄物(リグニン)、及び果皮などの他の炭素質材料から製造することができる。活性炭は、物理的活性化(たとえば、酸化の後、炭素質原材料の炭化)及び化学的活性化などの当業界で公知の様々な方法を使用して、炭素質原材料から形成することができる。好適な活性炭は、たとえば、Cabot Norit Americas,Inc.より商品名NORIT(登録商標)のもと市販もされている。粉末活性炭(PAC:1.0mm未満のサイズの活性炭の粉末または微粒子を含む活性炭の粒状形)、粒状活性炭(GAC)、押出し活性炭(EAC:バインダーと共に融解し、様々な形状に押し出した粉末化活性炭)、ビーズ活性炭(BAC)、及び活性炭繊維などの様々な形状の活性炭を使用することができる。好適な形状の活性炭は、その所望のレベルの触媒活性並びにプロセス(たとえば、分離の容易性)を考慮して選択することができる。所望により、活性炭は触媒として使用する前に処理(たとえば、酸で洗浄)することができる。
活性炭はその活性レベルにもとづいて分類することができ、これは1グラム当たり平方メートル単位重量当たりの全表面積として表すことができる。態様によっては、活性炭は500m/gを超える(たとえば、600m/gを超える、700m/gを超える、800m/gを超える、900m/gを超える、1000m/gを超える、1100m/gを超える、1200m/gを超える、1300m/gを超える、1400m/gを超える、1500m/gを超える、1600m/gを超える、1700m/gを超える、1800m/gを超える、または1900m/gを超える)表面積を有する。態様によっては、活性炭は、2000m/g以下(たとえば、1900m/g以下、1850m/g以下、1800m/g以下、1750m/g以下、1700m/g以下、1650m/g以下、1600m/g以下、1550m/g以下、1500m/g以下、1450m/g以下、1400m/g以下、1350m/g以下、1300m/g以下、1250m/g以下、1200m/g以下、1150m/g以下、1100m/g以下、1050m/g以下、1000m/g以下、950m/g以下、900m/g以下、850m/g以下、800m/g以下、750m/g以下、700m/g以下、650m/g以下、600m/g以下、または550m/g以下)の表面積を有する。
活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする表面積を有することができる。たとえば、活性炭は、500m/g〜2000m/g(たとえば、750m/g〜2000m/g、1000m/g〜2000m/g、1000m/g〜1750m/g、または1000m/g〜1500m/g)の範囲とする表面積を有することができる。
活性炭は様々な多孔率を有することができる。活性炭は、ミクロ孔(micropore)(2nm未満の直径を有する細孔)、メソ孔(mesopore)(2〜50nmの直径を有する細孔)、マクロ孔(macropore)(50nmを超える直径を有する細孔)、またはその組み合わせを含むことができる。活性炭の多孔率は、活性炭に存在するミクロ孔、メソ孔、マクロ孔、またはその組み合わせの容積を特徴とする。
態様によっては、活性炭は、少なくとも0.05mL/gのミクロ孔(たとえば、少なくとも0.1mL/g、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、または少なくとも0.35mL/g)を含む。態様によっては、活性炭は、0.4mL/g以下のミクロ孔(たとえば、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、0.15mL/g以下、または0.1mL/g以下)を含む。活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする容積のミクロ孔を含むことができる。たとえば、活性炭は、0.05mL/g〜0.4mL/g(たとえば、0.1mL/g〜0.3mL/g) の範囲とする容積のミクロ孔を含むことができる。
態様によっては、活性炭は、少なくとも0.1mL/gのメソ孔(たとえば、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、少なくとも0.35mL/g、少なくとも0.4mL/g、少なくとも0.45mL/g、少なくとも0.5mL/g、少なくとも0.55mL/g、少なくとも0.6mL/g、少なくとも0.65mL/g、少なくとも0.7mL/g、少なくとも0.75mL/g、少なくとも0.8mL/g、少なくとも0.85mL/g、少なくとも0.9mL/g、少なくとも0.95mL/g、少なくとも1.0mL/g、少なくとも1.05mL/g、少なくとも1.10mL/g、少なくとも1.15mL/g、または少なくとも1.20mL/g)を含む。態様によっては、活性炭は、1.25mL/g以下のメソ孔(たとえば、1.20mL/g以下、1.15mL/g以下、1.10mL/g以下、1.05mL/g以下、1.0mL/g以下、0.95mL/g以下、0.9mL/g以下、0.85mL/g以下、0.8mL/g以下、0.75mL/g以下、0.7mL/g以下、0.65mL/g以下、0.6mL/g以下、0.55mL/g以下、0.5mL/g以下、0.45mL/g以下、0.4mL/g以下、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、または0.15mL/g以下)を含む。活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする容積のメソ孔を含むことができる。たとえば、活性炭は0.1mL/g〜1.25mL/g(たとえば、0.2mL/g〜1.25mL/g、0.75mL/g〜1.25mL/g、0.1mL/g〜1.0mL/g、または0.2mL/g〜0.9mL/g) の範囲とする容積のメソ孔を含むことができる。
態様によっては、活性炭は、少なくとも0.1mL/gのマクロ孔(たとえば、少なくとも0.15mL/g、少なくとも0.2mL/g、少なくとも0.25mL/g、少なくとも0.3mL/g、少なくとも0.35mL/g、少なくとも0.4mL/g、少なくとも0.45mL/g、少なくとも0.5mL/g、少なくとも0.55mL/g、少なくとも0.6mL/g、または少なくとも0.65mL/g)を含む。態様によっては、活性炭は0.7mL/g以下のマクロ孔(たとえば、0.65mL/g以下、0.6mL/g以下、0.55mL/g以下、0.5mL/g以下、0.45mL/g以下、0.4mL/g以下、0.35mL/g以下、0.3mL/g以下、0.25mL/g以下、0.2mL/g以下、または0.15mL/g以下)を含む。活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とする容積のマクロ孔を含むことができる。たとえば、活性炭は、0.1mL/g〜0.7mL/g(たとえば、0.2mL/g〜0.6mL/g、または0.25mL/g〜0.55mL/g)の範囲とする容積のマクロ孔を含むことができる。
態様によっては、活性炭は、メソ孔の容積またはマクロ孔の容積よりも大きな容積のミクロ孔を含む。他の態様では、活性炭は、ミクロ孔の容積またはマクロ孔の容積よりも大きな容積のメソ孔を含む。他の態様では、活性炭は、ミクロ孔の容積またはメソ孔の容積よりも大きな容積のマクロ孔を含む。
場合によっては、活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積の比は、1:7.5〜2:1の範囲とする。たとえば、活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の比は、1:5、1:3.6、1:2、または1.5:1でありえる。場合によっては、活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1:2〜1:0.25の範囲とする。たとえば、活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1:1.25、1:0.6、または1:1でありえる。場合によっては、活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の比は、1:5〜1:0.7の範囲とする。たとえば、活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積の比は、1:3、1:2.2、1:2、または1:0.83でありえる。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1.5:1:1.25でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.3mL/g、メソ孔0.2mL/g、及びマクロ孔0.25mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した瀝青活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の容積の比は、1:5:3でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.1mL/g、メソ孔0.5mL/g、及びマクロ孔0.3mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した褐炭活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の比は、1:2:2でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.2mL/g、メソ孔0.4mL/g、及びマクロ孔0.4mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した泥炭活性炭を含む。
活性炭の中のミクロ孔の容積対活性炭の中のメソ孔の容積対活性炭の中のマクロ孔の比は、1:3.6:2.2でありえる。一態様において、活性炭は、ミクロ孔0.25mL/g、メソ孔0.9mL/g、及びマクロ孔0.55mL/gの容積を有する水蒸気で活性化した木材活性炭を含む。
小サイズ及び中サイズの分子を吸着させる活性炭の能力は、活性炭のメチレンブルー吸着レベルを測定することにより定量的に評価することができる。態様によっては、活性炭は、g/100gで測定して、少なくとも20g/100g(たとえば、少なくとも21g/100g、少なくとも22g/100g、少なくとも23g/100g、少なくとも24g/100g、少なくとも25g/100g、少なくとも26g/100g、または少なくとも27g/100g)のメチレンブルー吸着を有する。態様によっては、活性炭は、28g/100g以下(たとえば、27g/100g以下、26g/100g以下、25g/100g以下、24g/100g以下、23g/100g以下、22g/100g以下、または21g/100g以下)のメチレンブルー吸着を有する。
活性炭は、上記最小値のいずれか乃至上記最大値のいずれかの範囲とするメチレンブルー吸着を有することができる。たとえば、活性炭は、20g/100g〜28g/100g(たとえば、20g/100g〜25g/100g) の範囲とするメチレンブルー吸着を有することができる。
活性炭は様々な界面化学を示すことができる。活性炭を活性化するために使用される製造プロセスの結果として、活性炭はアルカリ性、中性または酸性でありえる。態様によっては、エステル化反応で触媒として使用される活性炭は酸性(すなわち、ASTM D3838−05に記載の方法を使用して測定して、活性炭の水抽出物のpHは7未満である)である。態様によっては、ASTM D3838−05に記載の方法に従って測定して、エステル化反応で触媒として使用される活性炭の水抽出物のpHは、8.0以下(たとえば、7.5以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、または2.0以下)である。態様によっては、ASTMD3838−05に記載の方法を使用して測定して、エステル化反応で触媒として使用される活性炭の水抽出物のpHは少なくとも1.5(たとえば、少なくとも2.0、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5、少なくとも6.0、少なくとも6.5、少なくとも7.0、または少なくとも7.5)である。
活性炭触媒は、様々な量でエステル化反応に組み込むことができ、活性炭の量は、反応体の性質(たとえば、ロジンの化学的及び物理的特性、アルコールの同一性(identity))、反応条件、及び得られたロジンエステルの所望の化学的及び物理的特性を含む、多くの因子を考慮して選択される。態様によっては、活性炭は、ロジンの重量を基準として0.01%〜15重量%(たとえば、1%〜15重量%、または5%〜15重量%)の範囲とする量でエステル化反応中に存在する。
当業界で公知のように触媒、溶媒、漂白剤、安定剤及び/または酸化防止剤をエステル化反応に添加することができる。好適な触媒、溶媒、漂白剤、安定剤、及び酸化防止剤は当業界で公知であり、たとえば米国特許第2,729,660号明細書、同第3,310,575号明細書、同第3,423,389号明細書、同第3,780,013号明細書、同第4,172,070号明細書、同第4,548,746号明細書、同第4,690,783号明細書、同第4,693,847号明細書、同第4,725,384号明細書、同第4,744,925号明細書、同第4,788,009号明細書、同第5,021,548号明細書、及び同第5,049,652号明細書に記載されている。エステル化反応を完了させるために、蒸留及び/または真空を適用するなどの標準的な方法を使用して反応器から水を除去することができる。
態様によっては、エステル化反応は、活性炭及び追加のエステル化触媒の存在下で、ロジンとアルコールとを接触させることを含む。好適なエステル化触媒は当業界で公知であり、ルイス酸及びブレンステッド・ローリー酸が挙げられる。好適なエステル化触媒の例としては、酸性触媒、たとえば酢酸、p−トルエンスルホン酸、及び硫酸;アルカリ金属の水酸化物、たとえば水酸化カルシウム;金属酸化物、たとえば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウム;並びに他の金属塩、たとえば塩化鉄、蟻酸カルシウム、及びホスホン酸カルシウム(たとえば、カルシウムビス−モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、Irganox(登録商標)1425)が挙げられる。特定の態様では、エステル化反応は、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下で、ロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。
態様によっては、ロジンエステルは水素化ロジンエステルである。水素化ロジンエステルの製造法は、(a)ロジンエステルを提供するために、ロジンをアルコールでエステル化する、及び(b)水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化する、各工程を含むことができる。エステル化反応は、上記のように活性炭の存在下で、ロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。態様によっては、エステル化反応は、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下でロジンとアルコールとを接触させることを含むことができる。特定の態様において、エステル化工程(a)及び水素化工程(b)はいずれも、活性炭の存在下で実施し、エステル化工程(a)は場合により、追加のエステル化触媒の非存在下で実施する。
水素化反応は、水素化ロジンエステルを形成するのに好適な条件下、一定の時間、ロジンエステルと水素化触媒とを接触させることを含むことができる。ロジンエステルを水素化する方法は当業界で公知である。水素化反応は、水素化触媒、たとえば不均一水素化触媒(たとえばパラジウム触媒、たとえば炭素上に担持されたPd(Pd/C)、プラチナ触媒、たとえばPtO、ニッケル触媒、たとえばラネーニッケル(Ra−Ni)、ロジウム触媒、またはルテニウム触媒)を使用して実施することができる。場合によっては、水素化触媒は、粗ロジンエステルの全重量を基準として、0.25%〜5重量%の範囲とする量で存在することができる。水素化のための水素供給源は、水素(H)または、蟻酸、イソプロパノール、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ジイミドまたはヒドラジンなどの反応条件下で水素を発生しえる化合物でありえる。
水素化反応は、高温、高圧またはその組み合わせで実施することができる。たとえば、水素化反応は150℃〜300℃(たとえば180℃〜280℃、180℃〜240℃、200℃〜280℃、または220℃〜260℃) の範囲とする温度で実施することができる。水素化反応は、250〜2000psi(たとえば、250〜1450psi、250〜650psi、または350〜550psi) の範囲とする圧力で実施することができる。
場合により、溶媒は、エステル化反応、水素化反応、またはその組み合わせに存在することができる。特定の態様では、エステル化反応でエステル化されるロジン及び/または水素化反応で水素化されるロジンエステルは、25重量%未満の溶媒を含む。態様によっては、水素化反応で水素化されるロジンエステル中のエステル化ロジン酸の濃度は、ロジンエステルの全重量を基準として、75重量%以上である。態様によっては、水素化反応で水素化されるロジンエステルは、実質的に溶媒を含まない(たとえば、ロジンエステルは、ロジンエステルの全重量を基準として1重量%未満の溶媒を含む)。特定の態様では、水素化反応で水素化されるロジンエステルは、25℃で1,000cP以下の粘度を有する。
態様によっては、エステル化反応から得られたロジンエステルは、介在する蒸留工程なしに、水素化反応で水素化される。特定の態様では、エステル化反応から得られたロジンエステルは、介在する精製工程なしに、水素化反応で水素化される。たとえば、エステル化反応から得られるロジンエステルは、直接水素化される。
場合によっては、本明細書に記載のロジンエステルの製造方法は、単一の水素化工程を含む。態様によっては、本明細書に記載のロジンエステルの製造方法は、エステル化反応と水素化反応から本質的になる。そのような場合、方法は、脱水素、エステル化の前のロジンの水素化、不均化及び、エステル化前のロジンの蒸留、またはその組み合わせなどの、ロジンエステル中のエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比に影響を与える追加の処理工程は含まない。特定の態様において、本明細書に記載のロジンエステルの製造方法は、連続して実施されるエステル化反応と水素化反応からなる。
特定の用途のための所望の化学的及び物理的特性を有するロジンエステルを得るために、本明細書に記載のロジンエステルの製造法は場合により、エステル化反応と場合により水素化反応に加えて、一つ以上の追加の処理工程をさらに含むことができる。態様によっては、エステル化反応でエステル化すべきロジン、エステル化反応から得られるロジンエステル、及び/または水素化反応から得られた水素化ロジンエステルは、ロジン、ロジンエステル、及び/または水素化ロジンエステルのPAN数を下げるために;ロジン、ロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルに存在する様々なロジン酸及び/またはロジン酸エステルの重量比に影響を与えるために;得られたロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルの水酸基価に影響を与えるために;得られたロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルの酸価に影響を与えるために;またはその組み合わせのためにさらに処理することができる。好適な追加の処理工程は当業界で公知であり、追加の水素化工程、脱水素、不均化、二量化及び強化(fortification)を含むことができる。特定の態様において、得られたロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、エステル化反応の前にこれらの方法の一つ以上を使用してロジンを処理する。化学的に容認される場合には、そのような方法は、以下詳細に記載するように、所望の化学的及び物理的特性を有するロジンエステル及び/または水素化ロジンエステルを得るために、エステル化反応と組み合わせて、エステル化反応の後であるが、水素化反応の前に、水素化反応の後に、またはその組み合わせでも実施することができる。
特定の態様では、ロジンエステルの製造法はさらに、エステル化反応の前にロジンの不均化を含むことができる。ロジンの不均化により、アビエタジエン酸部分をデヒドロアビエチン酸及びジヒドロアビエチン酸部分に転換する。不均化の方法は当業界で公知であり、一種以上の不均化剤の存在下で、ロジンの加熱を含むことが多い。ロジンを不均化するための好適な方法は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、米国特許第3,423,389号明細書、同第4,302,371号明細書、及び同第4,657,703号明細書に記載されている。
様々な好適な不均化剤を使用することができる。好適な不均化剤の例としては、2,2’−チオビスフェノール、3,3’−チオビスフェノール、4,4’−チオビス(レゾルシノール)及びt,t’−チオビス(ピロガロール)、4,4’−15チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)及び4/4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)チオビスナフトールなどのチオビスナフトール類、2,2’−チオ−ビスフェノール、3,3’−チオ−ビスフェノール;パラジウム、ニッケル及びプラチナなどの金属;ヨウ素またはヨウ化物(たとえばヨウ化鉄);スルフィド(たとえば硫化鉄);及びその組み合わせが挙げられる。特定の態様では、ロジンは、フェノールスルフィドタイプの不均化剤を使用して不均化する。好適なフェノールスルフィドタイプの不均化剤の例としては、ポリ−t−ブチルフェノールジスルフィド(Arkema,Inc.から商品名ROSINOX(登録商標)のもと市販されている)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール(Chemturaより商品名LOWINOX(登録商標)TBM−6のもと市販されている)、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(Albemarle Corp.より商品名ETHANOX(登録商標)TM323のもと市販されているものなど)、及びアミルフェノールジスルフィドポリマー(たとえば、Sovereign Chemical Co.より商品名VULTAC(登録商標)2のもと市販されているものなど)が挙げられる。
特定の態様では、ロジンはエステル化反応の前に不均化される。これらの態様では、不均化ロジンまたは一部不均化されたロジンは、エステル化反応用の供給材料として使用することができる。場合により、エステル化反応の間に、不均化またはさらなる不均化を実施することができる。たとえば、不均化ロジンまたは一部不均化されたロジンは、in situで生成され、その後ワンポット合成手順でエステル化してロジンエステルにすることができる。
場合により、ロジン、ロジンエステル、及び/または水素化ロジンエステルは、得られるロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、強化(fortify)することができる。態様によっては、ロジンは、得られたロジンエステルの化学的及び物理的特性を改善するために、エステル化反応の前に強化される。ロジンの強化は、強化の前にロジンよりも低いPAN値及び高い分子量を有するロジンを提供するために、ロジン中のロジン酸の共役二重結合系の化学的修飾を含む。多くの好適な化学修飾及び関連する化学的方法が当業界で公知である。たとえば、ロジンは、ロジン酸とジエノフィル(dienophile)、たとえばα,β−不飽和有機酸またはそのような酸の無水物とのディールス・アルダーまたはエン付加反応により強化することができる。好適なジエノフィルの例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、これらの酸から誘導したエステル、及び無水マレイン酸が挙げられる。
場合により、方法は、得られるロジンエステルの水酸基価に影響を与えるために、得られるロジンエステルの酸価に影響を与えるために;またはこれらの組み合わせのために一つ以上のプロセス工程を含むことができる。所望により、ロジンエステルは、低い水酸基価を有するロジンエステルを提供するために、エステル化の後に(たとえば、エステル化反応の後であるが、任意の水素化反応の前、または水素化反応の後)、化学的に修飾することができる。このプロセスは、当業界で公知の合成法を使用して、エステル化の後、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステル中の残存水酸基部分を化学的に修飾することを含むことができる。たとえば、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルは、アシル化剤(たとえば、カルボン酸またはその誘導体、たとえば酸無水物)と反応させることができる。たとえば、米国特許第4,380,513号明細書(Ruckel)を参照されたい。ロジンエステルまたは水素化ロジンエステル中の残存水酸基部分は、対応するカルバメート誘導体を提供するために、イソシアナートなどの求電子性試薬と反応することもできる。たとえば、米国特許第4,377,510号明細書(Ruckel)を参照されたい。残存水酸基部分と反応させるために使用しえる他の好適な求電子性試薬としては、アルキル化剤(たとえばジメチルサルフェートなどのメチル化剤)が挙げられる。所望により、エステル化後(たとえば、エステル化反応の後であるが、任意の水素化反応の前、または水素化反応の後)、未反応ロジン並びに他の揮発性成分は、蒸気散布、窒素ガスなどの不活性ガスによる散布、ワイプドフィルム蒸発(wiped film evaporation)、ショートパス蒸発(short path evaporation)、及び減圧蒸留により、ロジンエステルまたは水素化ロジンエステルから除去することができる。過剰量のロジン(即ち、ロジン酸)をロジンエステルまたは水素化ロジンエステルからストリッピングすることにより、得られたロジンエステルの酸価を下げることができる。
ホットメルト接着剤などのポリマー組成物の製造法も提供する。ポリマー組成物を製造するための方法としては、本明細書に記載の酢酸ビニルとロジンエステルから誘導したポリマーを混合することを含むことができる(たとえば、少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステル、ここでロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に規定された方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示す)。方法はさらに、組成物に一種以上の追加の成分、たとえば追加の粘着付与剤、蝋、安定剤(たとえば、酸化防止剤及びUV安定剤)、可塑剤(たとえば、ベンゾエート及びフタレート)、パラフィン油、核形成剤、蛍光増白剤、顔料、色素、グリッター、殺生物剤、難燃剤、帯電防止剤、滑り防止剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、滑剤及び充填剤などを含むことができる。方法はさらに、本明細書に記載の方法を使用してロジンエステルを製造することを含むことができる。
例示的な道路標示配合物は、(a)ロジンエステル16部、油2.8部(たとえば鉱油、たとえば鉱油;Statoilより入手)、蝋1部(たとえばポリエチレン蝋、たとえばAC6 PE−蝋、Honeywell製)、酢酸エチルから誘導したポリマー1部(たとえば、エチレン酢酸ビニル共重合体、たとえばElvax 22W、DuPont製)、脂肪酸0.2部(たとえば、ステアリン酸)、顔料5.3部(たとえば、二酸化チタン、たとえばKronos製の二酸化チタン)、充填剤42.4部(たとえば炭酸カルシウム)、及び反射型充填剤(reflective filler)37.1部(たとえばガラスビーズ、たとえばSwarco製のガラスビーズ)を標準的なミキサーに充填する;及び(b)気泡が融解物中に入り込まないように加熱(たとえば約180℃で)し、低速でブレンドすることにより製造することができる。
非限定的に例示することによって、以下に本開示の特定の態様の例を含める。
一般的な方法
他に記載しない限り、全ての材料は以下の方法を使用して特徴づけた。水酸基価は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Determination of Hydroxyl Value-part 2:Method with Catalyst」なる表題のDIN 53240−2の修正法(異なる溶媒のテトラヒドロフランを適用した)に従って測定した。ロジンエステル(テトラヒドロフランに溶解)を4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下で無水酢酸と反応させた。残存する無水酢酸を加水分解し、得られた混合物を水酸化カリウムのアルコール性溶液(0.5M)で滴定した。水酸基価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表す。酸価は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Acid Number of Naval Stores Products Including Tall Oil and Other Related Products」なる表題のASTM D465−05(2010)に記載の方法に従って測定した。酸価は、ロジンエステル試料1グラム当たりのKOHのmgとして表す。軟化点は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Softening Point of Resins Derived from Naval Stores by Ring−and−Ball Apparatus」なる表題のASTM E28−99(2009)に記載の方法に従って測定した。全ての材料のガードナーカラーは、本明細書中、その全体が参照として含まれる「Standard Test Method for Color of Transparent Liquids (Gardner Color Scale)」なる表題のASTM D1544−04(2010)に記載の方法に従って測定した。ガードナーカラーは、Dr Lange LICO(登録商標)200測色計を使用して測定した。他に記載しない限り、全てのガードナーカラーは、ニート試料を使用して測定した。酸化誘導時間(oxidative−induction time)は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Method for Oxidation Induction Time of Lubricating Greases by Pressure Differential Scanning Calorimetry」なる表題のASTM D5483−05(2010)に規定の標準的な方法に従って測定した。他に記載しない限り、酸化誘導時間は、酸素550psiを使用して130℃で測定した。硫黄含有量は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Method for Determination of Total Sulfur in Light Hydrocarbons、Motor Fuels and Oils by Ultraviolet Fluorescence」なる表題のASTM D5453−05に記載される標準的な方法に従って測定した。硫黄含有量は、ANTEK(登録商標)9000硫黄分析器を使用して測定した。
PAN数及びエステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の比などのロジンエステルの異性体組成は、本明細書中、その全体が参照として含まれる、「Standard Test Methods for Fatty and Rosin Acids in Tall Oil Fractionation Products by Capillary Gas Chromatography」なる表題のASTM D5974−00(2010)に記載の方法に従って測定した。具体的には、エタノール中のロジンエステル試料(1.00g)と10mLの2N水酸化カリウム(KOH)を、高圧マイクロ波反応容器に添加した。この反応容器を封止し、パーキンエルマーMULTIWAVE(登録商標)3000マイクロウェーブシステムのローターに設置した。試料を150℃で30分、マイクロ波中でけん化した。マイクロ波を使用したけん化が完了したら、反応混合物を分液漏斗にうつし、希塩酸を添加して、pHを4未満にした。これにより反応混合物中のロジン石鹸をロジン酸に転換した。得られたロジン酸をエチルエーテル抽出により単離した。エーテル溶媒を分離すると、ロジン酸が誘導体化して、ASTM D5974−00(2010)に従ってガスクロマトグラフィーを使用して分析した。
水素化ロジンエステルの製造
ガードナーカラー(ニート)10.1、酸価164及び軟化点64.1を有する1000gのトールオイルジン(SYLVAROS(登録商標)NCY、Arizona Chemicalより市販)を四つ首フラスコ(2L)に充填し、窒素雰囲気下で200℃に加熱した。ロジンが完全に融解した後、ロジンを攪拌し、ペンタエリトリトール(115g)、カルシウム−ビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)−エチルホスホネート)(3.4g)及び、NORIT(登録商標)CA1(100g;pH2.0〜3.5、表面積1400m/g、及び少なくとも25g/100gのメチレンブルー吸着を有する粉末化活性炭;反応に添加したロジンの重量を基準として10重量%、Cabot Norit Americas,Inc.より市販)を添加した。反応混合物を275℃(30℃/時間の加熱速度)に加熱し、この温度で9時間放置した。次いでこの反応混合物を蒸気で散布して、残存するロジン酸を除去した。次いでロジンエステルを排出し、分析するとガードナーカラー(ニート)9、酸価13.6、軟化点83.1℃、及び酸化誘導時間37分であった。
次いでロジンエステルを水素化した。次いでロジンエステルを完全または部分水素化にかけた。完全水素化に関しては、ロジンエステル300gをフラスコに充填し、窒素雰囲気下で180℃に加熱した。5%Pd/C(乾燥重量ベースで触媒1.5%)13.6gをフラスコに充填し、この時点でフラスコに窒素を散布して水分を除去した。反応混合物をParr反応器に充填し、窒素雰囲気下で245℃に加熱した。この温度になったら、反応器を水素ガス450psiで加圧した。圧力は、水素化が完了するまで保持した。Parr反応器で圧力450psiを保持するのに水素ガスの添加が必要なくなったときに反応が完了したと考えた。次いでParr反応器を190℃に冷却し、ロジンエステルを排出した。完全水素化に関して上記手順を使用して部分水素化を実施したが;反応時間は、完全水素化に必要と判断された反応時間のほぼ半分に減らした。
部分水素化にかけた水素化ロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)5.3、酸価12.4、軟化点83.7℃、及び酸化誘導時間>180分を示した。完全水素化にかけた水素化ロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)5.1、酸価13.1、軟化点85.3℃、及び酸化誘導時間>180分を示した。トールオイルロジン、ロジンエステル、部分水素化にかけた水素化ロジンエステルの異性体組成を表1に付け加える。
Figure 2016537445
比較の目的のために、SYLVAROS(登録商標)NCYトールオイルロジンを、エステル化反応の間に活性炭を加えなかった以外には上記手順を使用してエステル化した。得られたロジンエステルを分析すると、ガードナーカラー(ニート)7.7、酸価11.2、軟化点102.9℃、及び酸化誘導時間2.8分であった。次いでこのロジンを、上記手順を使用してパラジウム触媒で完全水素化した。得られた水素化ロジンエステルを分析すると、ガードナーカラー(ニート)4.8、酸価11.2、軟化点101.7℃、及び酸化誘導時間46.1分であった。トールオイルロジン、活性炭を使用せずに製造したロジンエステル、及び活性炭を使用せずに製造した水素化ロジンを表2に付け加える。表1及び表2の結果を比較することにより示されるように、活性炭を使用して実施したエステル化は、改善された酸化安定性を有するロジンエステルを与えた。
Figure 2016537445
活性炭触媒及び活性炭触媒充填量の変動
二種の異なる活性炭触媒(NORIT(登録商標)CA1、pH2.0〜3.5、表面積1400m/g、及び少なくとも25g/100gのメチレンブルー吸着を有する粉末活性炭、Cabot Norit Americas,Inc.製;及びDARC(登録商標)60、pH6、少なくとも15g/100gのメチレンブルー吸着を有する粉末活性炭、Cabot Norit Americas,Inc.製)を二つの異なる触媒充填量(反応に添加したロジンの重量を基準として5重量%及び10重量%)であった以外には、完全水素化条件を使用して上記手順を繰り返した。
NORIT(登録商標)CA1及びDARCO(登録商標)60の10%充填量を使用して得られた結果を表3に示す。NORIT(登録商標)CA1を使用して得られたロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)8.8、酸価14.7、軟化点85.1℃、及び酸化誘導時間35.5分を示した。NORIT(登録商標)CA1の10%充填量を使用して得られた水素化ロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)6.1、酸価13.8、軟化点84.3℃、及び酸化誘導時間>180分を示した。DARCO(登録商標)60の10%充填量を使用して得られたロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)5.6、酸価14.1、軟化点81.4℃、及び酸化誘導時間9.4分を示した。DARCO(登録商標)60の10%充填量を使用して得られた水素化ロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)4.1、酸価12.9、軟化点84.1℃、及び酸化誘導時間79.5分を示した。これらの試料の熱的色安定性(thermal color stability)も評価した。NORIT(登録商標)CA1及びDARCO(登録商標)60の10%充填量を使用して得られた全ての試料は、160℃に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーで5%%未満の変化を示した。
NORIT(登録商標)CA1及びDARCO(登録商標)60の5%充填量を使用して得られた結果を表4に示す。NORIT(登録商標)CA1の5%充填量を使用して得られたロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)9.4、酸価14.4、軟化点89.5℃、及び酸化誘導時間20.9分を示した。NORIT(登録商標)CA1の5%充填量を使用して得られた水素化ロジンは、ガードナーカラー(ニート)6.8、酸価12.8、軟化点81.7℃、及び酸化誘導時間>180分を示した。DARCO(登録商標)60の5%充填量を使用して得られたロジンエステルは、ガードナーカラー(ニート)6.6、酸価10.6、軟化点95.0℃、及び酸化誘導時間7.2分を示した。DARCO(登録商標)60の5%充填量を使用して得られた水素化ロジンは、ガードナーカラー(ニート)5、酸価10.5、及び酸化誘導時間130.7分を示した。
Figure 2016537445
Figure 2016537445
付記請求項の組成物及び方法は、請求項の幾つかの態様の例示として意図されている本明細書に記載した具体的な組成物及び方法の範囲に限定されない。機能的に等価である組成物及び方法はいずれも、請求の範囲に含まれるものとする。本明細書に示し、記載したものに加えて組成物及び方法の様々な変形は、付記請求の範囲内に含まれるものとする。さらに本明細書中で開示した特定の代表的な組成物及び方法は具体的に記載されているが、たとえ特に詳細に説明されていなくても、組成物及び方法の工程の他の組み合わせも、付記請求の範囲に含まれるものとする。従って、工程、要素、成分または構成要素の組み合わせは、本明細書中で明白に記載されているが、明白に述べられていなくても、工程、要素、成分または構成要素の他の組み合わせも含まれる。
本明細書中で使用される「〜を含む(comprising)」なる用語及びその変形は、「〜を包含する(including)」及びその変形と同義として使用され、オープンの非限定的な用語である。「〜を含む」及び「〜を包含する」なる用語は様々な態様を説明するために本明細書中で使用されてきたが、本発明のより具体的な態様を提供するために「〜から本質的になる(consisting essentially of)」及び「〜からなる(consisting of)」なる用語も、「〜を含む」及び「〜を包含する」の代わりに使用することができ、開示される。特に示さない限り、本明細書及び請求の範囲で使用される配置、寸法などを表す全ての数字は一応の数字と理解すべきであり、均等論の適用を限定するものではなく、有効数字及び通常の丸め方を考慮して解釈すべきである。
他に記載しない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、開示された発明が属する当業者によって通常理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中に引用した刊行物及び引用された資料は、明確に参照として含まれる。

Claims (86)

  1. 少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステルであって、
    ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、ロジンエステルはASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示す、
    前記ロジンエステル。
  2. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6の範囲とする、
    請求項1に記載のロジンエステル。
  3. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:1.6の範囲とする、
    請求項1または2に記載のロジンエステル。
  4. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.2:1〜1:1.5の範囲とする、
    請求項1〜3のいずれか1に記載のロジンエステル。
  5. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸とエステル化ジヒドロアビエチン酸は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール及びそれらの組み合わせからなる群から選択される多価アルコールから誘導される、
    請求項1〜4のいずれか1に記載のロジンエステル。
  6. 前記ロジンエステルは、8.5以下のニードガードナーカラーを有する、
    請求項1〜5のいずれか1に記載のロジンエステル。
  7. 前記ロジンエステルは、6以下のニードガードナーカラーを有する、
    請求項1〜6のいずれか1に記載のロジンエステル。
  8. 前記ロジンエステルは、4以下のニードガードナーカラーを有する、
    請求項1〜7のいずれか1に記載のロジンエステル。
  9. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満である、
    請求項1〜8のいずれか1に記載のロジンエステル。
  10. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が5%未満である、
    請求項1〜9のいずれか1に記載のロジンエステル。
  11. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも120分の酸化誘導時間を示す、
    請求項1〜10のいずれか1に記載のロジンエステル。
  12. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも180分の酸化誘導時間を示す、
    請求項1〜11のいずれか1に記載のロジンエステル。
  13. 前記ロジンエステルは、400ppm未満の硫黄を含む、
    請求項1〜12のいずれか1に記載のロジンエステル。
  14. 少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステルであって、
    ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも10分の酸化誘導時間を示し、
    且つ前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は1:0.80〜1:0.25の範囲とする、
    前記ロジンエステル。
  15. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満である、
    請求項14に記載のロジンエステル。
  16. 水素化ロジンエステルの製造法であって、
    (a)ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程;及び
    (b)水素化ロジンエステルを形成するために前記ロジンエステルを水素化する工程を含み、
    前記エステル化工程(a)と水素化工程(b)を活性炭の存在下で実施する、
    前記方法。
  17. 追加のエステル化触媒の非存在下で、前記ロジンをアルコールでエステル化する、
    請求項16に記載の方法。
  18. 前記ロジンは、トールオイルロジン、ガムロジン、ウッドロジン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記アルコールは、多価アルコールを含む、
    請求項16〜18のいずれか1に記載の方法。
  20. 前記多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項19に記載の方法。
  21. 前記ロジンエステルは、15以下の酸価を有する、
    請求項16〜20のいずれか1に記載の方法。
  22. 前記活性炭は、ロジンの重量を基準として0.01重量%〜15重量%の範囲とする量で存在する、
    請求項16〜21のいずれか1に記載の方法。
  23. 前記活性炭は、pH5以下である、
    請求項16〜22のいずれか1に記載の方法。
  24. 前記活性炭は、1000m/gを超える表面積を有する、
    請求項16〜23のいずれか1に記載の方法。
  25. 前記活性炭は、g/100gで測定して、少なくとも20のメチレンブルー吸着を有する、
    請求項16〜24のいずれか1に記載の方法。
  26. 前記工程(a)は、ロジンとアルコール及び活性炭とを高温で接触させることを含む、
    請求項16〜25のいずれか1に記載の方法。
  27. 前記水素化ロジンエステルは、少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含む、
    請求項16〜26のいずれか1に記載の方法。
  28. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6の範囲である、
    請求項27に記載の方法。
  29. 水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示す、
    請求項16〜28のいずれか1に記載の方法。
  30. 水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも120分の酸化誘導時間を示す、
    請求項16〜29のいずれか1に記載の方法。
  31. 水素化ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記水素化ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも180分の酸化誘導時間を示す、
    請求項16〜30のいずれか1に記載の方法。
  32. 前記水素化ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満である、
    請求項16〜31のいずれか1に記載の方法。
  33. 前記水素化ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が5%未満である、
    請求項16〜32のいずれか1に記載の方法。
  34. ロジンエステルの製造法であって、活性炭の存在下で、且つ追加のエステル化触媒の非存在下で、ロジンエステルを形成するためにロジンをアルコールでエステル化する工程を含む、前記方法。
  35. 水素化ロジンエステルを形成するために、前記ロジンエステルを水素化する工程をさらに含む、
    請求項34に記載の方法。
  36. (a)一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマー、または一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導された二種類以上のポリマーのブレンド;及び
    (b)少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステルを含む組成物であって、ここで前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は1.3:1〜1:2.6の範囲である、
    前記組成物。
  37. 前記ポリマーは、コポリマーである、
    請求項36に記載の組成物。
  38. 前記ポリマーは、ブロックコポリマーである、
    請求項36または37に記載の組成物。
  39. 前記一種以上のエチレン性不飽和モノマーは、スチレン、エチレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリレートモノマー、酢酸ビニル、ビニルエステルモノマー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項36〜38のいずれか1に記載の組成物。
  40. 前記組成物は、ホットメルト接着剤である、
    請求項36〜39のいずれか1に記載の組成物。
  41. 前記ポリマーは、酢酸ビニルから誘導される、
    請求項36〜40のいずれか1に記載の組成物。
  42. 前記ポリマーは、エチレン酢酸ビニル共重合体である、
    請求項36〜41のいずれか1に記載の組成物。
  43. 前記ポリマーは、10重量%〜40重量%の酢酸ビニルから誘導される、
    請求項36〜42のいずれか1に記載の組成物。
  44. 前記ポリマーは、ポリ酢酸ビニルである、
    請求項36または39〜41のいずれか1に記載の組成物。
  45. 前記ポリマーは、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーである、
    請求項36〜40のいずれか1に記載の組成物。
  46. 前記ポリマーは、スチレンと、イソプレン及びブタジエンの一種以上とのコポリマーである、
    請求項36〜40のいずれか1に記載の組成物。
  47. 前記ポリマーは、組成物の全重量を基準として20重量%〜60重量%の範囲の量で存在する、
    請求項36〜46のいずれか1に記載の組成物。
  48. 前記ポリマーは、組成物の全重量を基準として30重量%〜40重量%の範囲の量で存在する、
    請求項36〜47のいずれか1に記載の組成物。
  49. 前記ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として20重量%〜50重量%の範囲の量で存在する、
    請求項36〜48のいずれか1に記載の組成物。
  50. 前記ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として30重量%〜40重量%の範囲で量で存在する、
    請求項36〜49のいずれか1に記載の組成物。
  51. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:1.6の範囲である、
    請求項36〜50のいずれか1に記載の組成物。
  52. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.2:1〜1:1.5の範囲である、
    請求項36〜51のいずれか1に記載の組成物。
  53. さらに蝋を含む、
    請求項36〜52のいずれか1に記載の組成物。
  54. さらに酸化防止剤を含む、
    請求項36〜53のいずれか1に記載の組成物。
  55. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示す、
    請求項36〜54のいずれか1に記載の組成物。
  56. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも120分の酸化誘導時間を示す、
    請求項36〜55のいずれか1に記載の組成物。
  57. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも180分の酸化誘導時間を示す、
    請求項36〜56のいずれか1に記載の組成物。
  58. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満である、
    請求項36〜57いずれかに記載の組成物。
  59. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が5%未満である、
    請求項36〜58いずれかに記載の組成物。
  60. 前記ロジンエステルは、一種を超えるロジンエステルを含む、
    請求項36〜59のいずれか1に記載の組成物。
  61. (a)一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導されたポリマー、または一種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導された二種類以上のポリマーのブレンド;及び
    (b)少なくとも70重量%のエステル化デヒドロアビエチン酸及びエステル化ジヒドロアビエチン酸を含むロジンエステルを含む組成物であって、ここでロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも75分の酸化誘導時間を示す、前記組成物。
  62. 前記ポリマーは、コポリマーである、
    請求項61に記載の組成物。
  63. 前記ポリマーは、ブロックコポリマーである、
    請求項61または62に記載の組成物。
  64. 前記一種以上のエチレン性不飽和モノマーは、スチレン、エチレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリレートモノマー、酢酸ビニル、酢酸ビニルモノマー、及びそれらの組成物からなる群から選択される、
    請求項61〜63のいずれか1に記載の組成物。
  65. 前記ポリマーは、ホットメルト接着剤である、
    請求項61〜64のいずれか1に記載の組成物。
  66. 前記ポリマーは、酢酸ビニルから誘導される、
    請求項61〜65のいずれか1に記載の組成物。
  67. 前記ポリマーは、エチレン酢酸ビニル共重合体である、
    請求項61〜66のいずれか1に記載の組成物。
  68. 前記ポリマーは、10重量%〜40重量%の酢酸ビニルから誘導される、
    請求項61〜67のいずれか1に記載の組成物。
  69. 前記ポリマーは、ポリ酢酸ビニルである、
    請求項61または64〜66のいずれか1に記載の組成物。
  70. 前記ポリマーは、エチレンとアクリル酸n−ブチルとのコポリマーである、
    請求項61〜65のいずれか1に記載の組成物。
  71. 前記ポリマーは、スチレンと、イソプレン及びブタジエンの一種以上とのコポリマーである、
    請求項61〜65のいずれか1に記載の組成物。
  72. 前記ポリマーは、組成物の全重量を基準として20重量%〜60重量%の範囲とする量で存在する、
    請求項61〜71のいずれか1に記載の組成物。
  73. 前記ポリマーは、組成物の全重量を基準として30重量%〜40重量%の範囲とする量で存在する、
    請求項61〜72のいずれか1に記載の組成物。
  74. 前記ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として20重量%〜50重量%の範囲とする量で存在する、
    請求項61〜73のいずれか1に記載の組成物。
  75. 前記ロジンエステルは、組成物の全重量を基準として30重量%〜40重量%の範囲とする量で存在する、
    請求項61〜74のいずれか1に記載の組成物。
  76. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:2.6の範囲である、
    請求項61〜75のいずれか1に記載の組成物。
  77. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.3:1〜1:1.6の範囲である、
    請求項61〜76のいずれか1に記載の組成物。
  78. 前記エステル化デヒドロアビエチン酸対エステル化ジヒドロアビエチン酸の重量比は、1.2:1〜1:1.5の範囲である、
    請求項61〜77のいずれか1に記載の組成物。
  79. さらに蝋を含む、
    請求項61〜78のいずれか1に記載の組成物。
  80. さらに酸化防止剤を含む、
    請求項61〜79のいずれか1に記載の組成物。
  81. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤が存在するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも120分の酸化誘導時間を示す、
    請求項61〜80のいずれか1に記載の前記組成物。
  82. ロジンエステルと組み合わせて1000ppm以下の酸化防止剤を配合するとき、前記ロジンエステルは、ASTM D5483−05(2010)に挙げられた方法を使用して測定して、130℃で少なくとも180分の酸化誘導時間を示す、
    請求項61〜81のいずれか1に記載の前記組成物。
  83. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が10%未満である、
    請求項61〜82のいずれか1に記載の組成物。
  84. 前記ロジンエステルは、160℃の温度に3時間加熱したときに、ニートガードナーカラーにおける変化が5%未満である、
    請求項61〜83のいずれか1に記載の組成物。
  85. 前記ロジンエステルが一種より多いロジンエステルを含む、
    請求項61〜84のいずれか1に記載の組成物。
  86. (a)油45重量%〜75重量%と、
    (b)請求項1〜15のいずれか1により定義されたロジンエステル25重量%〜55重量%
    とを含む組成物。
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