JP2016537003A - バックグラウンド減少のための分解可能なアダプター - Google Patents

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Abstract

本開示は、種々の核酸操作におけるバックグラウンド減少のための分解可能なアダプターの使用に関するシステム、プロセス、製品および組成物を提供する。特に、分解生成物が次に続く反応(例えば、ライゲーション、プライマー伸長、増幅およびシークエンシング反応)に関与することができない程に、または実質的にできない程に分解され得るアダプターを提供する。分解可能なアダプターは、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、一本鎖オリゴヌクレオチドアダプター、ステムループオリゴヌクレオチドアダプター、またはライゲーションおよび/もしくはプライマー伸長によって二量体を形成し得る任意のタイプのオリゴヌクレオチドアダプターであり得る。

Description

本願は、2013年11月18日に出願された米国仮特許出願第61/905,546号の利益を主張し、その全体は本明細書中に参考として援用される。
1.発明の分野
本発明は、一般的に、分子生物学の分野に関する。より具体的には、本発明は、分解可能なアダプター、プライマーおよび他のオリゴヌクレオチド試薬を使用する、核酸の調製および増幅に関係する。
2.関連技術の説明
ライゲーション、増幅およびシークエンシング反応を含む種々の核酸操作に共通する1つの問題は、所望されない反応のバックグラウンドを低く維持すること、およびバックグラウンド生成物の形成を防止することまたは減少させることである。これらのバックグラウンド反応および生成物は、例えば混入、異常なライゲーション反応、プライマー二量体、ミスプライミング(mispriming)、および最適でない反応条件の使用に起因し得る。しばしば、所望されない反応からのバックグラウンド生成物、または前工程からの求められていない反応物の持ち越しが、核酸試料の有効な分析を邪魔し、もしくは妨害し、そして当該核酸試料のさらなる操作を不可能にし得る。それほど重度でない場合には、バックグラウンドは核酸試料の分析を偏らせ得、またはシークエンシング結果の信用もしくは正確さを制限し得る。
例えば周知のPCR増幅法において、2つのオリグヌクレオチド伸長プライマーによって、または二本鎖のオリグヌクレオチドアダプターを両末端に加えることによって定義される境界を有する標的DNAのセグメントは、複数の酵素サイクルを介して指数関数的に増幅されて、連続的なサイクルにおいて鋳型として働く標的DNAのさらなる複製が形成される。PCRの主要な制限はバックグラウンドの発生にあり、そのバックグラウンドとしては、自己ライゲーションしたアダプター分子および非特異的なプライミング事象(例えば、核酸鋳型の無作為なプライミング、および伸長プライマーの自己プライミング)の増幅の結果として形成される副生成物が挙げられる。つまり、相対的に低い濃度で存在する標的DNAを増幅するために多数の増幅サイクルが必要とされる場合、非特異的プライミング事象のバックグラウンドは、PCR増幅の有効性を有意に妨げ得、その次の操作および増幅された生成物の分析を妨害さえし得る。
種々の核酸操作に起因するバックグラウンド反応および生成物の存在は、標的核酸の検出の前に分離工程を使用することによって、しばしば克服され得る。いくつかの例では、核酸操作の生成物は、ある工程中に核酸を操作するために、当該ある工程中に意図的に加えられた試薬を含み得る;しかしながら、それらの試薬は、次の1以上の反応に有害であり得る。PCRに関して、例えば、増幅された標的DNAの生成物を、非特異的プライミング事象の生成物から分離することは、増幅された標的DNAの配列を首尾よく検出および分析するために不可欠であり得る。PCRに関して、第一のPCR反応用のオリゴヌクレオチドプライマーまたは他のオリゴヌクレオチドを除去することは、第二のPCR反応用のプライマーまたは他のオリゴヌクレオチドを加える前に必要とされ得る。しかしながら、ある反応の後でかつ次の反応もしくはアッセイ前に分離工程を使用することは、プロセスの全体効率を低下させ得、反応収率が損害を被り得、偏りまたは混入が試料に導入され得、そして標的核酸の分析に関してまたは標的核酸を更なる操作に供することに関して、全体の時間および費用が増加する。例えば、分離工程は、標的核酸の分離および回収の間、核酸生成物に分子の喪失をもたらし得、または混入を生じさせるかもしくは導入させ得、標的核酸の種々の診断に役立つ核酸分析をそこなう。それゆえ、ある例では、バックグラウンド生成物の分離の必要がない、核酸増幅および検出が同一の容器で起こる反応を有し、それによって、移動ならびに非効率的な結合および遊離に起因する試料の喪失を排除することが好ましくなり得る。複雑な分子手順の間、複数の中間分離工程が検出前に必要とされ得、そのことが、試料の多重的な喪失および結果の遅延を引き起こす。
本発明は、いくつかのアダプター分子(例えば、増幅可能なアダプター二量体を形成する性質を有するもの)の制限を回避するアダプターを使用することによって、少なくとも1つの二本鎖領域を有する分子の増幅を可能にする。ある局面では、本発明は、二本鎖分子への付着のための不活性のオリゴヌクレオチドを提供し、その結果、当該オリゴヌクレオチドがライゲーションした分子が、例えばポリメラーゼ連鎖反応によって改変(例えば増幅)され得るようにする。不活性アダプターが分子へ付着すると、付着したオリゴヌクレオチドは活性化し、そして増幅のために利用可能な少なくとも部分的に1以上の配列を提供するために適した状態となり、一方で、付着しない、遊離しているアダプターおよび任意のアダプター二量体は破壊される。結果として、ポリメラーゼ連鎖反応の間、遊離している、付着しない不活性のアダプターおよび任意のアダプター二量体は、プライミングされ得ることも、PCRプライマーとして使用され得ることもない。このことは、アダプターを用いるDNA分子の改変およびその次の増幅のための新規な条件を提供する。これらの条件は、アッセイにおけるバックグラウンドを大いに減少させ、ナノグラム、ピコグラム、フェムトグラムまたはアトグラム量の注入DNAの使用を可能にする。
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの切断可能な塩基を有する核酸をプロセシングするための方法を提供し、その方法は、(a)少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製すること;(b)脱塩基部位において核酸の骨格にニックを作製すること;および(c)ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去することを含む。この方法は、所望されない反応に起因するバックグラウンドを減少させるために使用され得る。いくつかの局面では、ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドは、ニックの3’であり得る。他の局面では、ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドは、ニックの5’であり得る。種々の局面では、核酸分子は、デオキシリボ核酸および/またはリボ核酸であり得る。
実施形態のある局面では、核酸は、分解可能なアダプターを含み得る。例えば、分解可能なアダプターは、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターであり得る。分解可能なアダプターがステムループオリゴヌクレオチドアダプターである局面では、ステムループオリゴヌクレオチドアダプターは、(a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;(b)5’セグメントの3’末端に連結された中間セグメント;および(c)中間セグメントの3’末端に連結された3’セグメントを含み得、5’セグメントおよび3’セグメントは少なくとも80%相補的である。ある局面では、5’セグメントおよび3’セグメントは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%相補的であり得る。いくつかの局面では、3’セグメントは切断可能塩基を含み得ない。いくつかの局面では、ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの5’セグメントおよび中間セグメントは、3〜6塩基ごとに切断可能塩基を含み得る。
一局面では、切断可能塩基は、デオキシウリジンであり得る。この局面では、少なくとも1つの切断可能塩基に脱塩基部位を作製することは、少なくとも1つの切断可能塩基を有する核酸を、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いて処理することを含み得る。一局面では、脱塩基部位にニックを作製することは、脱塩基部位を含む核酸を、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE 1)を用いて処理することを含み得る。一局面では、ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去することは、ニックを含む核酸を、エキソヌクレアーゼ(例えば、Exonuclease I)を用いて処理することを含み得る。
いくつかの局面では、方法は、第一の反応の所望の生成物または構成要素を伴う第二の反応(例えば、第二のPCR反応、シークエンシング反応など)を行う前に、第一の反応において使用される核酸をプロセシングする方法(例えば、第一のPCR反応において使用されるプライマーを分解すること)であり得る。
一実施形態では、本発明は、核酸分子を調製するための方法を提供し、その方法は(a)二本鎖の核酸分子を提供すること;(b)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む分解可能なアダプターの3’末端を、二本鎖の核酸分子の5’末端にライゲーションし、オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子を生成すること;(c)少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製すること;(d)脱塩基部位にニックを作製すること;および(e)ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去することを含む。一局面では、ライゲーションは、オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子にニックを生成し得る。種々の局面では、核酸分子は、デオキシリボ核酸および/またはリボ核酸であり得る。一局面では、オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子は、固体支持体に固定(例えば、非共有結合的に)され得る。
実施形態のある局面では、核酸は、分解可能なアダプターを含み得、そのアダプターはRNA、DNAまたはその両方を含み得る。例えば、分解可能なアダプターは、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターであり得る。ステムループオリゴヌクレオチドは、1以上のヘアピンを有し得る。分解可能なアダプターがステムループオリゴヌクレオチドアダプターである局面では、ステムループオリゴヌクレオチドアダプターは、(a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;(b)5’セグメントの3’末端に連結された中間セグメント;および(c)中間セグメントの3’末端に連結された3’セグメントを含み得、5’セグメントおよび3’セグメントが少なくとも80%相補的である。一定の局面では、5’セグメントおよび3’セグメントは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%相補的であり得る。いくつかの局面では、3’セグメントは、切断可能塩基を含み得ない。いくつかの局面では、中間セグメントは、少なくとも1つの切断可能な塩基を含み得る。ある局面では、ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの5’セグメントおよび中間セグメントは、3〜6塩基ごとに切断可能な塩基を含み得る。つまり、アダプターは、アダプターの長さに依存して、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つまたはそれより多い切断可能な塩基を含み得る。いくつかの局面では、切断可能な塩基は、デオキシウリジンであり得る。一局面では、ステムループオリゴヌクレオチドは、公知の配列を含み得る。特定の局面では、ステムループオリゴヌクレオチドの5’末端は、ホスフェートを欠く。
実施形態の一局面では、少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製することは、少なくとも1つの切断可能な塩基を有する核酸を、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いて処理することを含み得る。一局面では、脱塩基部位にニックを作製することは、脱塩基部位を含む核酸を、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼを用いて処理することを含み得る。一局面では、ニックの3’の少なくとも1つのヌクレオチドを除去することは、ニックを含む核酸を、エキソヌクレアーゼを用いて処理することを含み得る。別の局面では、ニックの5’の少なくとも1つのヌクレオチドを除去することは、ニックを含む核酸を、エキソヌクレアーゼを用いて処理することを含み得る。脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼは、APE 1であり得る。エキソヌクレアーゼは、Exonuclease I、Exonuclease IIIまたはラムダエキソヌクレアーゼであり得る。実施形態の一局面では、酵素または化学的処理は、切断工程中またはその次の工程中のいずれかにおいて、所望の分子生成物の使用に適合(例えば、干渉しない)しなければならない。
一局面では、実施形態の方法は、プロセシングされたおよび/または調製された核酸分子の少なくとも一部の増幅を含み得る。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応を含み得る。
一局面では、本実施形態に従ってプロセシングされたおよび/または調製された核酸分子は、さらに改変され得る。例えば、核酸は、クローニング、すなわち、改変された分子のベクターへの組み入れに供され得る。前記組み入れは、逆位反復内のエンドヌクレアーゼ切断によって生成される改変された分子の末端で起こり得る。
一局面では、本実施形態の方法は、単一の適切な溶液中で、および/または外因的な操作の非存在下で起こり得る。この局面では、当該溶液は、1以上のリガーゼ、ウラシルDNAグリコシラーゼ、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、ATP、およびdNTPを含み得る。別の局面では、本実施形態の方法の2以上の工程が、連続的に実施され得る。
一実施形態では、(a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む核酸;(b)ウラシルDNAグリコシラーゼ;(c)脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ;および(d)エキソヌクレアーゼを含むキットが存在する。一局面では、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼは、APE 1であり得る。一局面では、エキソヌクレアーゼは、Exonuclease IまたはExonuclease IIIであり得る。
いくつかの局面では、核酸は、分解可能なアダプターを含み得、そのアダプターは、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターであり得る。ある局面では、切断可能な塩基は、デオキシウリジンであり得る。
分解可能なアダプターがステムループオリゴヌクレオチドアダプターである局面では、アダプターは、(a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;(b)5’セグメントの3’末端に連結する中間セグメント;および(c)中間セグメントの3’末端に連結する3’セグメントを含む。5’セグメントおよび3’セグメントは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相補的である。一局面では、3’セグメントは、切断可能な塩基を含み得ない。一局面では、中間セグメントは、少なくとも1つの切断可能な塩基を含み得る。一局面では、ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの5’セグメントおよび中間セグメントは、3〜6塩基ごとに、または4〜5塩基ごとに切断可能な塩基を含み得る。つまり、アダプターは、アダプターの長さに依存して、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはそれより多い切断可能な塩基を含み得る。一局面では、ステムループオリゴヌクレオチドは、公知の配列を含み得る。特定の局面では、ステムループオリゴヌクレオチドの5’末端は、ホスフェートを欠く。
ライゲーションの実施形態は、以下のことを含むとさらに規定され得る:二本鎖の核酸分子にライゲーション可能な末端を生成すること;ステムループオリゴヌクレオチドにライゲーション可能な末端を生成すること;およびステムループオリゴヌクレオチドのライゲーション可能な末端の一方の鎖を、核酸分子の末端の一方の鎖にライゲーションし、それによって非共有結合の接合(例えば、ニック、ギャップ、または5’フラップ構造)をオリゴヌクレオチドが付着した核酸分子を生成すること。さらなる局面では、方法は、核酸分子に平滑末端に生成すること;ステムループオリゴヌクレオチドに平滑末端を生成すること;およびステムループオリゴヌクレオチドの平滑末端の一方の鎖を、核酸分子の平滑末端の一方の鎖にライゲーションし、それによって、オリゴヌクレオチドをライゲーションされた核酸分子にニックを生成することを含む。
本発明のさらなる実施形態としては、本発明の方法によって調製されたDNA分子のライブラリーが挙げられる。
特定の局面では、本発明は、分子(特に増幅に適切な分子)のコレクションの調製のためのシステムおよび方法(例えば、分子の公知の配列を利用する増幅)に関する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、公知の配列を含む。
さらなる実施形態では、本発明の1以上の組成物を含み、および/または本発明の少なくとも1つの方法に適切な1以上の組成物を含む、適切な容器に入れられたキットが存在する。
本明細書中において使用される場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1または1より多い量を意味し得る。特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」という単語と併せて使用されるとき、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語は、1または1より多い量を意味し得る。
特許請求の範囲において「または(or)」という用語の使用は、二者択一のみ、または選択肢は互いに排他的であることをいう明示的に示されない限り、「および/または(and/or)」を意味するために使用されるが、本開示は、二者択一のみおよび「および/または」をいうものとする定義を支持する。本明細書中において「別の(another)」は、少なくとも第二の、またはそれ以上を意味し得る。
本願を通して、「約」という用語は、ある値が、当該値を決定するために利用される装置、方法、または研究主題に存在する変量に関する誤差の固有の変量を含むことを示すために使用される。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、本発明の趣旨および範囲から逸脱することのない種々の変更および改変は、この詳細な説明から当業者にとって明らかになるため、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示としてのみ与えられることが理解されるべきである。
以下の図面は、本明細書の一部を構成し、そして本発明のある局面をさらに実証するために含有される。本発明は、これらの図面の1以上と本明細書中で提供される特定の実施形態の詳細な記載とを組み合わせて参照することによって、よりよく理解され得る。
本願の技術のプロセスの概観。(1)脱塩基部位は、ライゲーションされるアダプター分子および遊離しているアダプター分子中の切断可能塩基(例えば、dU;丸形で示される)に作製される。(2)ニックは、脱塩基部位に作製される。(3)核酸は、ニック部位で分解される。
ウラシルDNAグリコシラーゼと、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとの協調した活性。図2A − APE 1およびExo Iの両方を用いて処理した試料。 ウラシルDNAグリコシラーゼと、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとの協調した活性。図2B − Exo Iのみを用いて処理した試料。 ウラシルDNAグリコシラーゼと、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとの協調した活性。図2C − APE 1のみを用いて処理した試料。
ウラシルDNAグリコシラーゼで処理した試料の熱誘導による分解。
本開示は、種々の核酸操作におけるバックグラウンド減少のための分解可能なアダプターの使用に関するシステム、プロセス、製品および組成物を提供する。特に、分解生成物が次に続く反応(例えば、ライゲーション、プライマー伸長、増幅およびシークエンシング反応)に関与することができない程に、または実質的にできない程に分解され得るアダプターを提供する。分解可能なアダプターは、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、一本鎖オリゴヌクレオチドアダプター、ステムループオリゴヌクレオチドアダプター、またはライゲーションおよび/もしくはプライマー伸長によって二量体を形成し得る任意のタイプのオリゴヌクレオチドアダプターであり得る。
本発明は、いくつかの利益および利点を提供し、それらの利益および利点としては、以下の局面が挙げられる。本明細書中に記載される分解可能なアダプターおよび酵素的切断方法は、標的核酸へのライゲーションのために使用されるアダプターの設計における切断可能な塩基の用途を、当該アダプターをより短いオリゴヌクレオチドにまで単純に分解すること以上に拡大する。特に、本願の技術は、ライゲーションしないアダプターおよびアダプター二量体の両方を個々のヌクレオチドにまで分解することを包含する。このことは、アダプター二量体、および不完全なアダプター分解によって放出されるオリゴヌクレオチドが引き起こすバックグラウンドに有意な影響を与え、それによって末端逆位反復によって引き起こされる抑制を必要とせずに、完全に関連のない配列の使用を可能にする。本願の技術は、結果として生じるライゲーション生成物の増幅において、独立した方法として利用され得るか、または抑制PCRの抑制原理と組み合わせて利用され得る。重要なことは、本明細書中に記載される方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼを使用することで、後で不要なプライマーを破壊し得るように、デオキシウリジンを当該プライマーに組み入れることによって、当該不要なプライマーによるPCR混入を減少させるようにオリゴヌクレオチドを破壊することで、バックグラウンドを減少させる方法と区別できることである。
定性的な観察および定量的な実験は、ライゲーション部位に隣接する共通配列を含むように設計された単一のアダプターまたは2つの異なるアダプターのライゲーションが、制御されたサイズの標的挿入を含む分子を優先的に増幅する能力、および挿入を保持しないアダプター二量体、または情報価値をほとんど有さないかもしくは全く有さない短い挿入を含む分子を識別する能力に有益な効果を有し得ることを示す。この現象を、抑制または抑制PCRという。抑制とは、両側が末端逆位反復である一定サイズ未満の分子が、増幅に使用されるプライマーが当該反復全体または反復の一部と一致する場合に、それらが非効率的に増幅される結果、選択的に排除されることをいう(Chenchik et al.,1996;Lukyanov et al.,1999;Siebert et al.,1995;Shagin et al.,1999)。このことの理由は、生産的なPCRプライマーアニーリングと、断片の相補的な末端の非生産的な自己アニーリングとの間の平衡にある。両端の末端逆位反復のサイズが一定のとき、挿入が短いほど、抑制効果が強くなり、そして逆もまた同様である。同様に、挿入のサイズが一定のとき、末端逆位反復が長いほど、抑制効果が強い(Chenchik et al.,1996;Lukyanov et al.,1999;Siebert et al.,1995;Shagin et al.,1999)。ライゲーションおよび/またはプライマー伸長によって核酸分子の両末端に末端逆位反復を付加することによって、米国特許第7,803,550号に記載されるような、所望されないアダプター二量体または短い挿入副生成物に対する、所望される最小限のサイズの標的挿入のプライマーアニーリングおよび伸長の効率に関する正確なコントロールを達成し得る。
例として、分解可能なアダプターは、核酸ライブラリー(例えば、大規模並行(massively parallel)(NextGen)シークエンシングのための核酸ライブラリー)の調製において使用され得、その調製では標的核酸試料は1以上の切断可能な塩基(例えば、デオキシウラシル(dU))を含むステムループオリゴヌクレオチドアダプターにライゲーションされる。本願の技術を使用して改変され得るアダプターの例としては、Makarov et al.に対する米国特許第8,440,404号に記載されるものが挙げられ、当該米国特許は本明細書中に参考として援用される。形成された大量のライゲーションしないステムループオリゴヌクレオチドアダプターおよび任意のアダプター二量体の完全な分解または実質的に完全な分解は、同時または連続的な様式で酵素を組み合わせて利用することで、脱塩基部位を生成し、脱塩基部位にニックまたはギャップを作製し、そして結果として生じる短くなったオリゴヌクレオチドの全てまたは実質的に全てを個々のヌクレオチドにまで分解することによって達成され得る。
前記プロセスは、以下の酵素的工程を連続的にまたは同時に行うことを包含し得る(図1参照):
1)グリコシラーゼ(例えば、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG))を使用して、切断可能な塩基(例えば、dU)に脱塩基部位を作製する工程、
2)脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼ(例えば、APE 1)を使用して、脱塩基部位にニックを作製する工程、
3)エキソヌクレアーゼ(例えば、Exo IまたはExo III)を使用して、ニック部位で核酸を分解する工程。
図1に関して、標的核酸分子の5’末端にライゲーションするステムループアダプターの3’末端は、結果として生じるライゲーション生成物中に切断可能な塩基(例えば、dU)を欠くため、分解から保護される。酵素的切断およびライゲーションの後、アダプターの残った3’末端が、その次に続く増幅または他の核酸操作のためのプライマー結合部位として働き得る。反対に、アダプター二量体およびライゲーションしないアダプターは、酵素的切断の後に分解され、その結果、それらは有効に増幅され得ず、そして種々の核酸操作に関与し得ない。
I.定義
本明細書中において使用される場合、「増幅」は、1または複数のヌクレオチド配列の複製の数を増加させるための任意のin vitroのプロセスをいう。核酸増幅は、ヌクレオチドがDNAまたはRNAに組み入れられるという結果になる。本明細書中において使用される場合、単一の増幅反応は、DNA複製の多数の繰り返しからなり得る。例えば、単一のPCR反応は、30〜100「サイクル」の変性および複製からなり得る。
本明細書中において使用される場合、「ヌクレオチド」は、塩基−糖−ホスフェートの結合物をいう技術用語である。ヌクレオチドは、核酸ポリマーの(すなわち、DNAおよびRNAの)モノマー単位である。この用語は、リボヌクレオチドトリホスフェート(例えば、rATP、rCTP、rGTP、またはrUTP)およびデオキシリボヌクレオチドトリホスフェート(例えば、dATP、dCTP、dUTP、dGTPまたはdTTP)を包含する。
「ヌクレオシド」は塩基−糖の結合物、すなわち、ホスフェートを欠くヌクレオチドである。ヌクレオシドおよびヌクレオチドという用語の使用において、一定の互換性があることが、当該分野において認識される。例えば、ヌクレオチドであるデオキシウリジントリホスフェート(dUTP)は、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェートである。dUTPは、DNAに組み入れられた後、DNAモノマー(形式的にはデオキシウリジレートである)、すなわちdUMPつまりデオキシウリジンモノホスフェートとして働く。結果として生じるDNAにはdUTPの部分は存在しないが、dUTPをDNAに組み入れると言い得る。同様に、基質分子の一部分に過ぎないが、デオキシウリジンをDNAに組み入れると言い得る。
本明細書中において使用される場合、「組み入れること」は、核酸ポリマーの一部になることを意味する。
本明細書中において使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」の2つの技術用語を集合的かつ互換的にいう。オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは異なる技術用語であるが、それらの間に厳格な分け目はなく、そして本明細書中においてそれらの用語は互換的に使用されることに留意されたい。「アダプター」という用語もまた、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語と互換的に使用され得る。
本明細書中において使用される場合、「プライマー」は、一本鎖オリゴヌクレオチドまたは一本鎖ポリヌクレオチドをいい、それは増幅中にヌクレオチドモノマーを共有結合的に付加することによって伸長される。しばしば、核酸増幅は、核酸ポリメラーゼによる核酸合成に基づく。そのようなポリメラーゼの多くは、伸長され、核酸合成を開始し得るプライマーの存在を必要とする。
本明細書中において使用される場合、「ヘアピン」および「ステムループオリゴヌクレオチド」という用語は、5’末端領域および3’末端領域に含まれるオリゴヌクレオチド(二本鎖のステムを形成する逆位反復)、および一本鎖ループを形成する自己相補的でない中央領域によって形成される構造をいう。
本明細書において使用される場合、「外因的な操作の非存在下で」という用語は、DNA分子が改変されている溶液を変更することなく、DNA分子の改変を行うことをいう。特定の実施形態では、溶液の状況(緩衝液の状況とも言われ得る)を変更する人の手、または機械の非存在下で起こる。しかしながら、温度の変化は、改変中に起こり得る。
II.切断可能な塩基
本明細書中において使用される場合、「切断可能な塩基」は、DNA配列中に一般的に見出されないヌクレオチドをいう。ほとんどのDNA試料に関して、デオキシウリジンは切断可能な塩基の一例である。デオキシウリジンのトリホスフェート形態(dUTP)は、生存する生物中に代謝中間物として存在するが、DNAにはめったに組み入れられない。dUTPがDNAに組み入れられる場合には、結果として生じるデオキシウリジンはin vivoにおいて、通常のプロセス(例えば、酵素であるウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)が関係するプロセス)によって即座に除去される(米国特許第4,873,192号;Duncan,1981;両方の参考文献は、その全体が本明細書中に参考として援用される)。したがって、デオキシウリジンは天然のDNA中にめったに生じないか、または全く生じない。他の切断可能な塩基の非限定的な例としては、デオキシイノシン、ブロモデオキシウリジン、7−メチルグアニン、5,6−ジヒドロ−5,6ジヒドロキシデオキシチミジン(5,6−dihyro−5,6 dihydroxydeoxythymidine)、3−メチルデオキシアデノシン(3−methyldeoxadenosine)など(Duncan,1981を参照)が挙げられる。他の切断可能な塩基は、当業者にとって明白である。
III.DNAグリコシラーゼ
「DNAグリコシラーゼ」という用語は、グリコシラーゼ活性を伴う任意の酵素であって、ヌクレオチドの改変された窒素を含む複素環の構成部分の、ポリヌクレオチド分子からの切除を引き起こし、それによって脱塩基部位を作製する酵素をいう。
本明細書中において使用される場合、「脱塩基DNA」または「脱塩基部位を伴うDNA」という用語は、少なくとも1つの脱塩基ヌクレオチド(時には「脱塩基部位」と呼ばれる)を含む一本鎖または二本鎖のいずれかのDNA分子をいう。「脱塩基ヌクレオチド」は、デオキシリボースの1位の塩基を欠くヌクレオチドである。
DNA Nグリコシラーゼとしては、以下の酵素および高等真核生物におけるそれらのホモログ(ヒトホモログを含む)が挙げられる:ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)および3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼII(例えば、AlkA)(Nakabeppu et al.,1984;Varshney et al.,1988;Varshney et al.,1991)。さらなるDNA Nグリコシラーゼとしては、TagIグリコシラーゼおよびMUGグリコシラーゼ(Sakumi et al.,1986;Barrett et al.,1998)が挙げられる。
ウラシルDNAグリコシラーゼは、一本鎖または二本鎖のDNA中に存在するウラシルを認識し、そしてウラシル塩基とDNAの糖−ホスフェート骨格のデオキシリボースとの間のN−グリコシド結合を切断し、脱塩基部位を残す。例えば、米国特許第6,713,294号を参照。ウラシルの喪失は、DNA中に脱ピリミジン部位を作製する。しかしながら、この酵素は、DNA分子のホスホジエステル骨格を切断しない。
「UDG]または「UNG」と略記されるウラシルDNAグリコシラーゼとしては、ミトコンドリアのUNG1、核のUNG2、SMUG1(一本鎖選択的ウラシルDNAグリコシラーゼ)、TDG(TUミスマッチDNAグリコシラーゼ)、MBD4(メチル結合ドメインを伴うウラシルDNAグリコシラーゼ)、ならびに他の真核生物および原核生物の酵素(Krokan et al.,2002を参照)が挙げられる。この活性を持つ酵素は、遊離しているdUTP、遊離しているデオキシウリジンまたはRNAには作用しない(Duncan、1981)。
1以上の脱塩基部位を作製するためのUDG酵素のさらなる例は、Archaeoglobus fulgidusからのE.coli UDGの熱安定性ホモログである。Afu UDGは、ウラシルを含むDNAからの遊離ウラシルの放出を触媒する。Afu UDGは、一本鎖または二本鎖のDNAからウラシルを効率的に加水分解する。他の例としては、南極の熱不安定性のUDGが挙げられ、この酵素はウラシルを含む一本鎖または二本鎖のDNAからの遊離ウラシルの放出を触媒する。南極の熱不安定性UDG酵素は、熱に対して感受性があり、そして50℃を超える温度で急速かつ完全に不活性化され得る。
さらなる切断可能な塩基およびそれらのそれぞれのニッキング剤の非限定的な例は、以下の通りである:AlkAグリコシラーゼは、DNAからデオキシイノシン残基を認識し、そして切断する;DNA−7−メチルグアニングリコシラーゼは、DNAから7−メチルグアニン残基を認識し、そして切断する;ヒポキサンチン−DNAグリコシラーゼ(hypoxanthine−NDA glycosylase)は、DNAからヒポキサンチン残基を認識し、そして切断する;3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼI(例えば、TagI)および3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼII(例えばAlkA)は、DNAから3−メチルアデニン残基を認識し、そして切断する;Fpgは、DNAから8−オキソ−グアニン残基を認識し、そして切断する;ならびにMugは、DNAから3,N(4)−エテノシトシン残基およびウラシル残基を認識し、切断する。
IV.脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ
本明細書中において使用される場合、「APエンドヌクレアーゼ」または「APリアーゼ」という用語は、脱塩基部位で核酸のホスホジエステル骨格を破壊し得る酵素を意味する。この用語は、脱塩基部位の5’および3’の両方で骨格を破壊し得る酵素を包含する。
例えばグリコシド結合のUDG切断後に残存するDNAの糖−ホスフェート骨格は、次いで、例えばアルカリ加水分解、温度上昇、塩基性残基の間に芳香族の残基を含むトリペプチド(例えばLys−Trp−LysおよびLys−Tyr−Lys(Pierre et al.,1981;Doetsch et al.,1990))、ならびにAPエンドヌクレアーゼ(例えばエンドヌクレアーゼIV、エンドヌクレアーゼV、エンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVI、エンドヌクレアーゼVII、ヒトエンドヌクレアーゼIIなど)によって切断され得る。したがって、APE 1などの酵素は、UDGと併せて使用され、核酸分子からdU残基を除去し、そして核酸分子にニックをいれ得る。
脱塩基部位にニックを作製するための酵素の例としては、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼ(例えばAPE 1(HAP 1またはRef−1としても知られる))であって、E.coliのエキソヌクレアーゼIIIタンパク質とホモロジーを持つエンドヌクレアーゼが挙げられる。APE 1は、加水分解機構を介して、AP部位のすぐ近くの5’でホスホジエステル骨格を切断し、一本鎖DNAの破壊を起こして、3’−ヒドロキシル末端および5’−デオキシリボースホスフェート末端を残す。
人工のニッキング剤は、DNA N−グリコシラーゼとAPエンドヌクレアーゼとを組み合わせることによって(例えば、UDGグリコシラーゼとAPE 1エンドヌクレアーゼ、またはAlkAグリコシラーゼとEndoIVエンドヌクレアーゼとを組み合わせることによって)作製され、改変されたヌクレオチドにおいて一本鎖切断を達成し得る。
本発明の特定の実施形態では、2以上の位置で標的分子に連続的にニックを入れるために、様々なタイプの改変されたヌクレオチドが、複数の選択された位置に導入され得る。例えば、デオキシウリジン、8−オキソ−グアニン、およびデオキシイノシンが、標的分子の選択した位置に導入され得る。組み入れられた、改変されたヌクレオチドにしたがって、1より多い特異性の構成要素を含む単一のニッキング剤が、処方され得る。あるいは、別個のニッキング剤が処方され得、そして標的分子に連続的に適用され得る。例えば、デオキシイノシンおよびデオキシ8−オキソ−グアニンに選択的にニックを入れるAlkAおよびFPGグリコシラーゼ/APリアーゼは、デオキシウリジンに選択的にニックを入れるUDGおよびEndoVIIIグリコシラーゼ/APリアーゼを含むニッキング剤と組み合わされ得、または連続的に使用され得る。
本明細書中に記載される、改変されたヌクレオチドを切除し得るニッキング剤の例としては以下が挙げられる:デオキシウリジンを切除するための − EndoIVエンドヌクレアーゼを伴う混合物中のUDGグリコシラーゼ;FPGグリコシラーゼ/APリアーゼを伴う混合物中のUDGグリコシラーゼ;EndoVIIIグリコシラーゼ/APリアーゼを伴う混合物中のUDGグリコシラーゼ;UDGグリコシラーゼ、EndoIVエンドヌクレアーゼ、およびEndoVIIIグリコシラーゼ/APリアーゼを含む混合物;8−オキソ−グアニンおよびデオキシウリジンを切除するための − UDGグリコシラーゼ、FPGグリコシラーゼ/APリアーゼおよびEndoIVエンドヌクレアーゼを含む混合物、またはFPGグリコシラーゼ/APリアーゼを伴う混合物中のUDGグリコシラーゼ;ならびに、デオキシイノシンを切除するための − EndoVIIIグリコシラーゼ/APリアーゼを伴う混合物中のAlkAグリコシラーゼ、またはFPGグリコシラーゼ/APリアーゼを伴う混合物中のAlkAグリコシラーゼ。
E.coliからのEndonuclease VIIIは、N−グリコシラーゼおよびAP−リアーゼの両方として働く。当該N−グリコシラーゼ活性は、分解されたピリミジンを二本鎖のDNAから放出し、AP部位を生成する。当該AP−リアーゼ活性は、AP部位の3’を切断し、5’ホスフェートおよび3’ホスフェートを残す。Endonuclease VIIIによって認識され、そして除去される分解された塩基としては、尿素、5,6−ジヒドロキシチミン、チミングリコール、5−ヒドロキシ−5−メチルヒダントイン、ウラシルグリコール、6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロチミンおよびメチルタルトロニル尿素(methyltartronylurea)が挙げられる。Endonuclease VIIIはEndonuclease IIIに類似するが、Endonuclease VIIIは、βおよびδリアーゼ活性を有する一方で、Endonuclease IIIはβリアーゼ活性を有する。
Fpg(ホルムアミドピリミジン[fapy]−DNAグリコシラーゼ)(8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼとしても知られる)は、N−グリコシラーゼおよびAPリアーゼの両方として働く。当該N−グリコシラーゼ活性は、分解されたプリンを二本鎖のDNAから放出し、脱プリン(AP部位)を生成する。当該APリアーゼ活性は、AP部位の3’および5’の両方を切断し、それによってAP部位を除去し、そして1塩基ギャップを残す。Fpgによって認識され、そして除去される分解された塩基のいくつかとしては、7,8−ジヒドロ−8−オキソグアニン(8−オキソグアニン)、8−オキソアデニン,fapy−グアニン、メチル−fapy−グアニン、fapy−アデニン、アフラトキシン B1−fapy−グアニン、5−ヒドロキシ−シトシンおよび5−ヒドロキシ−ウラシルが挙げられる。
デオキシウリジンにおいて標的分子に特異的にニックを入れるUSERTM Enzyme、ならびにデオキシウリジンおよび8−オキソ−グアニンの両方において標的分子に特異的にニックを入れるUSERTM Enzyme2というニッキング剤は、両方がニックの位置に5’ホスフェートを残すニッキング剤であり、これらの薬剤もまた意図される(米国特許第7,433,572号を参照)。USERTM Enzymeは、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)とDNAグリコシラーゼ−リアーゼであるEndonuclease VIIIとの混合物である。UDGは、ウラシル塩基の切除を触媒し、脱塩基(脱ピリミジン)部位を形成するが、ホスホジエステル骨格は無傷のまま残す。Endonuclease VIIIのリアーゼ活性は、脱塩基部位の3’側および5’側でホスホジエステル骨格を破壊し、その結果、塩基を含まないデオキシリボースが放出される。
V.エキソヌクレアーゼ
ニック部位で核酸を分解するための酵素の例としては、種々のエキソヌクレアーゼ(例えば、Exonuclease I(Exo I)およびExonuclease III(Exo III))が挙げられる。Exo I(E.coli)は、3’から5’の方向に、一本鎖DNAからのヌクレオチドの除去を触媒する。例えば、Exo Iは、二本鎖の核酸生成物を含む反応混合物中の一本鎖オリゴヌクレオチドを分解し得る。Exo III(E.coli)は、二本鎖のDNAの3’ヒドロキシ末端からの、モノヌクレオチドの段階的な除去を触媒する。限定的な数のヌクレオチドが、それぞれの結合事象中に除去され、その結果として協調的に進行する削除がDNA分子の集合の中に生じる。好ましい基質は、平滑な、または陥凹な3’末端であるが、当該酵素は二重鎖のDNAのニックでも働き、一本鎖ギャップを生成する。ラムダエキソヌクレアーゼは、核酸をニック部位で5’から3’の方向に酵素的に分解するために使用され得る。
VI.アダプターおよびDNAプロセシングのためのアダプターの使用
DNA末端にさらなる短いポリヌクレオチド配列(アダプターまたはリンカーという)を追加することは、分子生物学の多くの分野で使用される。適合されたDNA分子の有用性は、いくつかの例(例えばライゲーション媒介遺伝子座特異的PCR、ライゲーション媒介全ゲノム増幅、アダプター媒介DNAクローニング、DNAアフィニティタギング、DNAラベリングなど)によって例証されるが、それらに限定されない。
A.公知のDNA配列にはさまれる未知の領域のライゲーション媒介増幅
DNA断片化および一方または両方のDNA末端にユニバーサルアダプターを追加することによって生成されるライブラリーは、以前に確立されたDNA配列に隣接するDNA領域を増幅し(PCRによる)、そして配列決定するために使用された(例えば、米国特許第6,777,187号およびその参考文献を参照。これらの全ては、その全体が本明細書に参考として援用される)。アダプターは、DNAの5’末端、3’末端または両方の鎖にライゲーションし得る。アダプターは、3’または5’に突出(オーバーハング)を有し得る。特にDNAの末端が酵素的、機械的、または化学的DNA断片化の後に「加工される」場合、DNAは平滑末端を有し得る。ライゲーション媒介PCR増幅は、遺伝子座特異的プライマー(または、いくつかのネステッドプライマー)およびアダプターの配列に相補的なユニバーサルプライマーを使用することによって達成される。
B.ライゲーション媒介全ゲノム増幅
DNA断片化、そしてその次の両方のDNA末端へのユニバーサルプライマーの付加によって生成されるライブラリーは、全ゲノムDNAを増幅する(全ゲノム増幅、またはWGA)ために使用された(例えば、米国特許出願公開第2004/0209299号および米国特許第7,718,403号およびそれらの参考文献を参照。これらのすべては、その全体が本明細書に参考として援用される)。アダプターは、DNAの両方の鎖、またはその後伸長する3’末端にのみライゲーションし得る。アダプターは、制限酵素またはDNAを消化するために使用される他の酵素によって生成されるDNA末端の構造に依存して、3’または5’に突出(オーバーハング)を有し得る。例えば酵素的DNA切断後のDNA末端が平滑である場合、または酵素的、機械的もしくは化学的DNA断片化の後に末端が修復され、そして「加工される」場合、DNA末端はまた、平滑末端を有し得る。全ゲノムPCR増幅は、特定の実施形態では、アダプター配列に相補的な1つまたは2つのユニバーサルプライマーを使用することによって達成される。
アダプター媒介DNAクローニング
アダプター(またはリンカー)は、DNAクローニングのためにしばしば使用される(例えば、Sambrook et al.,1989を参照)。超音波処理、噴霧化、または水力せん断(hydro−shearing)プロセスによって生成されるDNA断片への二本鎖のアダプターのライゲーション後の、アダプター内の制限酵素消化は、3’または5’の突出末端を伴うDNA断片の生成を可能にし、それはベクター配列に効率よく導入され、そしてクローニングされ得る。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含められる。以下の実施例において開示する技術は、本発明の実施において十分に機能することを発明者が見出した技術を表し、したがって本発明の実施のための好ましい態様を構成するものとみなされ得ることが、当業者によって認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示と照らして、開示される特定の実施形態において、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更がなされ得、そしてなお同様のまたは類似の結果を獲得し得ることを、認識すべきである。
<実施例1 バックグラウンド減少のための分解可能なアダプター − 熱分解>
以下の実施例は、分解可能なアダプターの使用を示し、そのアダプターはライゲーションしない鎖の中に分解可能な脱塩基部位(dU)を含むことで、熱誘導による分解を使用して遊離しているアダプターおよびアダプター二量体を小さなオリゴヌクレオチドにまで分解することを可能にする。
鋳型調製。10マイクロリットルのそれぞれのDNA試料(200pgのCovarisで断片化した(Covaris−sheared)ヒトgDNA)を、PCRプレートウェルに加えた。鋳型を含まないコントロール(non−tempalte control:NTC)として、10μLのヌクレアーゼを含まない水を、DNA試料の代わりに用いた。2μL/試料のTemplate Preparation Buffer(325mM Tris−HCl(25℃でpH7.6)、65mM MgCl、3.25mM DTTを含む6.5×ATP−free ligase buffer(ATPを含まないリガーゼ緩衝液)であって、dNTPミックス(2.5mMの、それぞれのdNTP)を添加したもの)と1μL/試料のTemplate Preparation Enzyme(End Repair Mix、Enzymatics Cat # Y914−LC−L)とのプレミックスを、別のチューブに調製し、そしてピペットによって混合した。次いで、3μLのプレミックスを、PCRチューブまたはウェル中の10μLのDNA試料に加え、そして8μLに調節したピペットを用いて、4〜5回混合した。反応成分の最終濃度は、以下の通りであった:50mM Tris−HCl(25℃でpH7.6)、10mM MgCl、0.5mM DTT、385μM dNTP、1×End Repair Enzyme。このPCRプレートを遠心分離し、そしてサーマルサイクラーにおいて、以下の条件を使用してインキュベートした:22℃で25分を1サイクル;55℃で20分間を1サイクル;22℃で保持。
ライブラリー合成。1μL/試料のLibrary Synthesis Buffer(100mM Tris−HCl(25℃でpH7.6)、20mM MgCl、1.0mM DTTを含む2×ATP−free ligase bufferであって、15mM ATPおよび15μMのそれぞれのステムループアダプターオリゴ−(表1;配列番号5および配列番号6)を添加したもの)と1μL/試料のLibrary Synthesis Enzyme Mix(1μLあたり1.2U Uracil DNA Glycosylase(UDG、Enzymatics # G5010L)および8U T4 DNA Ligase(Enzymatics # L603−HC−L)を含む)とのFresh Library Synthesisプレミックスを、別のチューブに調製し、ピペットによって混合した。次いで、2μLのLibrary Synthesisプレミックスを、それぞれの試料に加え、そして10μLに調節したピペットを用いて、4〜5回混合した。反応成分の最終濃度は以下の通りであった:50mM Tris−HCl(25℃でpH7.6)、10mM MgCl、0.5mM DTT、334μM dNTP、1mM ATP、1.2U Uracil DNA Glycosylase、8U T4 DNA Ligase、1μMのそれぞれのアダプターオリゴ。このプレートを遠心分離し、そしてサーマルサイクラーにおいて、以下の条件を使用してインキュベートした:22℃で40分間を1サイクル;4℃で保持。
ThruPLEX−FDライブラリー増幅。4.25μL/試料のヌクレアーゼを含まない水と、3.75μL/試料のEvaGreen(登録商標):フルオレセイン(FC;9:1)と、50.5μL/試料のLibrary Amplification Buffer(150mM Tris−SO(25℃でpH8.5)、120mM TMAC、0.75mM MgCl、0.06% w/vのGelatinを含み、0.375μMのそれぞれのPCRオリゴ(表1;配列番号7および配列番号8)を添加したもの)とのLibrary Amplificationプレミックスを、使用の直前に別のチューブに調製した。
ポリメラーゼを追加した後に加熱する試料に関して、1.5μL/試料のLibrary Amplification Enzyme(1U/μLのKAPA HiFiTM DNA Polymerase(KK2102))を、プレミックスに加えた。次いで、60μLのLibrary Amplificationプレミックスを、それぞれのライブラリーに加え、そして60μLに調節したピペットを用いて3〜4回混合した。
ポリメラーゼを追加する前に加熱する試料に関して、58.5μL/試料のKAPA HiFiTM DNA Polymeraseを含まないLibrary Amplificationプレミックスを、それぞれのライブラリーに加え、そして60μLに調節したピペットを用いて3〜4回混合した。試料を85℃で5分間加熱し、次いで1.5μLのLibrary Amplification Enzyme(1U/μLのKAPA HiFiTM DNA Polymerase(KK2102))を、それぞれの試料に加えた。
全ての反応に関して、反応成分の最終濃度は以下の通りであった:100mM Tris−SO(25℃でpH8.5)、80mM TMAC、2.5mM MgCl、0.04% w/vのGelatin、1×EvaGreen(登録商標) 蛍光レポーター色素、1×キャリブレーション色素(フルオレセイン)、1.5U KAPA HiFiTM DNA Polymerase、0.25μMのそれぞれのPCRオリゴ。プレートを遠心分離し、次いでリアルタイムサーマルサイクラーにおいて、以下のようにインキュベートした:72℃で3分間を1サイクル、85℃で2分間を1サイクル;98℃で2分間を1サイクル;98℃で20秒間;67℃で20秒間;72℃で40秒間を4サイクル;98℃で20秒間および72℃で50秒間を4〜21サイクル。
結論。アダプターおよびアダプター二量体の熱分解によって、約6.5サイクル分(100倍)の右へのシフトが生じ、そしてシグナルノイズ比が改善した(図3)。
<実施例2 バックグラウンド減少のための分解可能なアダプター − 酵素的分解>
以下の実施例は、本願の分解可能なアダプター技術おいて使用される組み合わせた酵素活性、すなわち、ウラシルDNAグリコシラーゼと、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとの協調した活性の間の驚くべき、予期しない、そして相乗的な効果を示す。
健常な提供者からのプール(pooled)ヒトリンパ球DNAをTE緩衝液で23.8pg/μLまで希釈し、そして同時に断片化および末端修復に供した。10マイクロリットルの希釈したDNAのアリコートまたはTE緩衝液を含む10マイクロリットルの鋳型を含まないコントロール(NTC)に、NEBNext(登録商標) dsDNA Fragmentase(登録商標) Reaction Buffer(20mM Tris−HCl、50mM NaCl、10mM MgCl、0.15% Triton(登録商標)X−100を含む。25℃でpH7.5)を添加し、最終容量で13μL(1μLのNEBNext(登録商標) dsDNA Fragmentase(登録商標)(New England Biolabs,Cat # M0348S)および0.5μLのEnd−Repair Mix(Enzymatics Cat # Y9140−LC−L)を含む)とした。試料を22℃で30分間、続いて55℃で20分間そして22℃で2分間インキュベートした。
次に、最終濃度がそれぞれ1μMのステムループオリゴヌクレオチドアダプター(表1、配列番号1および配列番号2)と、240UのT4 DNA Ligase(Enzymatics Cat # L6030−HC)と、6UのウラシルDNAグリコシラーゼ(Enzymatics Cat # G5010L)との混合物をそれぞれの試料に加えて最終容量を15μLとし、そして試料を22℃で40分間、続いて55℃で15分間そして37℃で2分間インキュベートした。
遊離しているアダプター分子およびアダプター二量体の分解を試験するため、15Uのヒト脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼであるAPE 1(New England Biolabs Cat # M0282S)、または10UのE.coliのExo I(New England Biolabs Cat # M0293S)を、DNAを含む試料またはNTCコントロールに加え、そして37℃で15分間、42℃で3分間、45℃で3分間そして55℃で10分間インキュベートした。ヌクレアーゼの潜在的な、相乗的な効果を調べるために、APE 1およびExo Iの両方を含むコントロールもまた、並行して実施した。
ライブラリーを増幅するために、1×KAPA HiFiTM DNA Polymerase Fidelity Buffer、1.5UのKAPA HiFiTM DNA Polymerase(KAPA Biosystems Cat # KK2101)、1×EvaGreen(登録商標)蛍光レポーター色素(Biotium,Inc.Cat # 31000)、1×キャリブレーション色素(フルオレセイン)、0.3mM dNTPミックス、および0.35μMのそれぞれのPCRプライマー(表1、配列番号3および配列番号4)を含む、60μLのPCRマスターミックスを、全ての試料およびNTCコントロールに加えた。BioRad iCyclerTMリアルタイムPCR装置を使用し、以下のサイクリングプロトコルを用いて、増幅を行った:72℃で3分間を1サイクル;85℃で2分間を1サイクル;98℃で2分間を1サイクル;98℃で20秒間、65℃で20秒間、および72℃で40秒間を4サイクル;98℃で20秒間および72℃で50秒間を25サイクル。リアルタイムデータを、最後の25サイクルの72℃の伸長工程で得た。
図2Aに示されるように、APE 1およびExo Iが同時に存在することによって、アダプター二量体によって引き起こされるバックグラウンドの、5より多いサイクル分の右へのシフト(32倍超の減少)が生じたのに対して、個々のヌクレアーゼのいずれも、2つのアダプター分子が互いにライゲーションすることに起因するダイマーを、有意に分解し得なかった(図2Bおよび図2C)。
Figure 2016537003
本願において開示し、そして特許請求する全ての方法は、本開示に照らして、過度な実験を伴うことなくなされ得、および実行され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい実施形態に関して記載されたが、本明細書中に記載される方法および工程または方法の工程の順序に、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、変更が適用され得ることは当業者にとって明らかである。より具体的には、化学的および生理的の両方において関連するある薬剤が、同一または類似の結果が達成される限りにおいて、本明細書中に記載される薬剤の代わりになり得ることは明らかである。当業者にとって明らかな、そのような類似の代替物および改変の全ては、添付する特許請求の範囲に規定されるように、本発明の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。
参考文献
以下の参考文献は、本明細書中に示されたものを補足する例示的手順または他の詳細を提供する程度に、参考として本明細書に特に援用される。
米国特許第4,873,192号
米国特許第6,713,294号
米国特許第6,777,187号
米国特許第7,435,572号
米国特許第7,718,403号
米国特許第7,803,550号
米国特許第8,440,404号
米国特許出願公開第2004/0209299号
Figure 2016537003
Figure 2016537003

Claims (43)

  1. 少なくとも1つの切断可能な塩基を有する核酸をプロセシングするための方法であって:
    (a)該少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製する工程;
    (b)該脱塩基部位において該核酸の骨格にニックを作製する工程;および
    (c)該ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去する工程
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記核酸が、分解可能なアダプターを含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記分解可能なアダプターが、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターである、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターが:
    (a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;
    (b)該5’セグメントの3’末端に連結された中間セグメント;および
    (c)該中間セグメントの3’末端に連結された3’セグメント
    を含み、該5’セグメントおよび該3’セグメントが、少なくとも80%相補的である、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記3’セグメントが、切断可能な塩基を含まない、方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、前記中間セグメントが、少なくとも1つの切断可能な塩基を含む、方法。
  7. 請求項4に記載の方法であって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの前記5’セグメントおよび前記中間セグメントが、3〜6塩基ごとに切断可能な塩基を含む、方法。
  8. 請求項1および4〜7のいずれか一項に記載の方法であって、前記切断可能な塩基が、デオキシウリジンである、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製する工程が、前記少なくとも1つの切断可能な塩基を有する核酸を、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いて処理する工程を包含する、方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記脱塩基部位にニックを作製する工程が、工程(a)の前記核酸を、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼを用いて処理する工程を包含する、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去する工程が、工程(b)の前記核酸を、エキソヌクレアーゼを用いて処理する工程を包含する、方法。
  12. 請求項10に記載の方法であって、前記脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼが、APE 1である、方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、前記エキソヌクレアーゼが、Exonuclease Iである、方法。
  14. 核酸分子を調製するための方法であって:
    (a)二本鎖の核酸分子を提供する工程:
    (b)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む分解可能なアダプターの3’末端を、該二本鎖の核酸分子の5’末端にライゲーションし、オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子を生成する工程;
    (c)該少なくとも1つの切断可能な塩基に脱塩基部位を作製する工程;
    (d)該脱塩基部位にニックを作製する工程;および
    (e)該ニックに隣接する少なくとも1つのヌクレオチドを除去する工程
    を包含する、方法。
  15. 請求項14の方法に記載であって、前記分解可能なアダプターが、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターである、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターが:
    (i)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;
    (ii)該5’セグメントの3’末端に連結された中間セグメント;および
    (iii)該中間セグメントの3’末端に連結された3’セグメント
    を含み、該5’セグメントおよび該3’セグメントが少なくとも80%相補的である、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記3’セグメントが、切断可能な塩基を含まない、方法。
  18. 請求項15に記載の方法であって、前記中間セグメントが、少なくとも1つの切断可能な塩基を含む、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの前記5’セグメントおよび前記中間セグメントが、3〜6塩基ごとに切断可能な塩基を含む、方法。
  20. 請求項14および16〜19のいずれか一項に記載の方法であって、前記切断可能な塩基が、デオキシウリジンである、方法。
  21. 請求項14に記載の方法であって、前記ライゲーションする工程が、前記オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子にニックを生成する、方法。
  22. 請求項14に記載の方法であって、前記二本鎖の核酸分子が、二本鎖のDNA分子である、方法。
  23. 請求項14に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子の少なくとも一部の増幅をさらに包含する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応を含む、方法。
  25. 請求項16に記載の方法であって、前記ステムループオリゴヌクレオチドが、公知の配列を含む、方法。
  26. 請求項14に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子が、さらに改変される、方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記さらなる改変がクローニングを含む、方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、クローニングが、前記改変された分子のベクターへの組み入れを含むとさらに規定され、該組み入れが、逆位反復内のエンドヌクレアーゼ切断によって生成される該改変された分子の末端で起こる、方法。
  29. 請求項14に記載の方法であって、該方法が単一の適切な溶液中で起こるとさらに規定され、前記プロセスが、外因的な操作の非存在下で起こる、方法。
  30. 請求項14に記載の方法であって、該方法の前記工程が、連続的に行われる、方法。
  31. 請求項29に記載の方法であって、前記溶液が、以下:
    リガーゼ、ウラシルDNAグリコシラーゼ、脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、ATPおよびdNTP
    のうちの1以上を含む、方法。
  32. 請求項14に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチドが付着した核酸分子が、固体支持体に固定される、方法。
  33. 請求項32に記載の方法であって、前記分子が、非共有結合的に固定される、方法。
  34. (a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む核酸;
    (b)ウラシルDNAグリコシラーゼ;
    (c)脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ;および
    (d)エキソヌクレアーゼ
    を含む、キット。
  35. 請求項34に記載のキットであって、前記核酸が、分解可能なアダプターを含む、キット。
  36. 請求項35に記載のキットであって、前記分解可能なアダプターが、部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、二本鎖のオリゴヌクレオチドアダプター、またはステムループオリゴヌクレオチドアダプターである、キット。
  37. 請求項36に記載のキットであって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターが:
    (a)少なくとも1つの切断可能な塩基を含む5’セグメント;
    (b)該5’セグメントの3’末端に連結された中間セグメント;および
    (c)該中間セグメントの3’末端に連結された3’セグメント
    を含み、該5’セグメントおよび該3’セグメントが、少なくとも80%相補的である、キット。
  38. 請求項37に記載のキットであって、前記3’セグメントが、切断可能な塩基を含まない、キット。
  39. 請求項37に記載のキットであって、前記中間セグメントが、少なくとも1つの切断可能な塩基を含む、キット。
  40. 請求項39に記載のキットであって、前記ステムループオリゴヌクレオチドアダプターの前記5’セグメントおよび前記中間セグメントが、3〜6塩基ごとに切断可能な塩基を含む、キット。
  41. 請求項34および37〜40のいずれか一項に記載のキットであって、前記切断可能な塩基が、デオキシウリジンである、キット。
  42. 請求項34に記載のキットであって、前記脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼが、APE 1である、キット。
  43. 請求項34に記載のキットであって、前記エキソヌクレアーゼが、Exonuclease Iである、キット。
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