[0005] したがって、当技術分野において、環境内でモバイルコンピュータデバイスのユーザをナビゲートするためのより単純なメカニズムが必要である。更に、当技術分野において、環境が物理的に再構成された場合に、ナビゲーションデータをアップデートするより単純な及び/又はより自動化された方法を提供する必要がある。
[0006] 本開示は、概して、照明効果を用いるグラフベースのナビゲーションに関する。例えば本明細書に開示される様々な発明方法、システム、コンピュータ可読媒体及び装置は、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを使用するグラフベースのナビゲーションに関する。
[0007] 概して、一態様では、コンピュータによって実施される方法は、照明制御システムによってモバイルコンピュータデバイスに、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の特定の光源によって生成される照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを提供するステップを含む。当該方法は更に、照明制御システムによって、第1の場所に対応する第1のノードと第2の場所に対応する第2のノードとの間でモバイルコンピュータデバイスがグラフ内を移動した経路を示すデータを受信するステップを含む。
[0008] 様々な実施形態では、上記グラフは、第1のグラフであり、当該方法は更に、照明制御システムによって、第1のグラフと経路を示す受信したデータとに基づいて、第2のグラフを生成するステップを含み、第2のグラフは、第1のグラフの複数のエッジとは異なる第2の複数のエッジを含む。様々な実施形態では、上記生成するステップは、照明制御システムによって、第1のノードから第2のノードまでのグラフ内の最適経路を計算するステップと、照明制御システムによって、計算された最適経路と、モバイルコンピュータデバイスがグラフ内を移動した経路との差を決定するステップとを含む。様々なバージョンでは、上記モバイルコンピュータデバイスは、第1のモバイルコンピュータデバイスであり、当該方法は更に、照明制御システムによって第2のモバイルコンピュータデバイスに、第2のグラフを提供するステップを含む。
[0009] 様々な実施形態では、上記方法は更に、照明制御システムによってモバイルコンピュータデバイスに、グラフ内の優先的経路を提供するステップを含む。様々なバージョンでは、当該方法は更に、照明制御システムによって、1つ以上の優先的商品のリストを取得するステップと、照明制御システムによって、1つ以上の優先的商品が置かれている環境内の照明効果の1つ以上の場所を特定するステップと、照明制御システムによって、特定された1つ以上の場所に基づいて、グラフ内の優先的経路を生成するステップとを含む。
[0010] 別の態様では、環境内をナビゲートするための、コンピュータによって実施される方法は、モバイルコンピュータデバイスによって、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の特定の光源によって生成される照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを取得するステップを含む。当該方法は更に、モバイルコンピュータデバイスの光検出器において、環境内の照明効果の場所を特定する符号化光信号を受信するステップと、モバイルコンピュータデバイスによって、特定された場所に対応するグラフの第1のノードから、環境内の所望の場所に対応するグラフの第2のノードまでの最適経路を計算するステップとを含む。
[0011] 様々な実施形態では、当該方法は更に、モバイルコンピュータデバイスによって、ユーザに、計算された最適経路を辿る方法を教える1つ以上のグラフィカル要素をディスプレイ上にレンダリングするステップを含む。様々な実施形態では、上記照明効果は、環境内の第1の照明効果であり、上記符号化光信号は、第1の符号化光信号であり、特定された上記場所は、第1の特定された場所である。当該方法は更に、モバイルコンピュータデバイスによって、光検出器において、環境内の第2の照明効果の第2の場所を特定する第2の符号化光信号を受信するステップと、モバイルコンピュータデバイスのメモリに、第1の特定された場所に対応する第1のノードと、第2の特定された場所に対応する第2のノードとの間でグラフ内を移動した経路を記憶するステップとを含む。様々なバージョンでは、当該方法は更に、モバイルコンピュータデバイスによって、当該モバイルコンピュータデバイスにグラフを提供した1つ以上の遠隔コンピュータデバイスに、記憶された移動経路を提供するステップを含む。様々な実施形態では、当該方法は更に、モバイルコンピュータデバイスによって、グラフ内の優先的経路を取得するステップを含む。
[0012] 別の態様では、照明制御システムは、環境内を移動する複数のモバイルコンピュータデバイスに、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の特定の光源によって生成される照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを提供するグラフ提供モジュールを含む。当該照明制御システムは更に、複数のモバイルコンピュータデバイスがグラフ内を移動した経路を示すフィードバックを取得するフィードバックモジュールを含む。照明制御システムは更に、フィードバックモジュールによって取得されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、グラフを生成するグラフ生成モジュールを含む。
[0013] 様々な実施形態では、グラフ生成モジュールは、環境内の第1の場所に対応する第1のノードから、環境内の第2の場所に対応する第2のノードまでのグラフ内の最適経路を計算し、計算された最適経路と、第1の場所から第2の場所まで1つ以上のモバイルコンピュータデバイスが移動した経路との差を決定する。様々なバージョンでは、グラフ生成モジュールは更に、モバイルコンピュータデバイスによってエッジがもはや横断されていないとの決定に応えて、グラフから当該エッジを取り除く。
[0014] 様々な実施形態では、優先的経路モジュールは、1つ以上のモバイルコンピュータデバイスに、グラフ内の優先的経路を提供する。様々なバージョンでは、優先的経路モジュールは、1つ以上の優先的商品のリストを取得し、1つ以上の優先的商品が置かれている環境内の照明効果の1つ以上の場所を特定し、特定された1つ以上の場所に基づいて、優先的経路を生成する。
[0015] 別の態様では、モバイルコンピュータデバイスは、ディスプレイと、光センサと、光センサ及びディスプレイに動作可能に結合されるコントローラとを含む。コントローラは、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の特定の光源によって生成される照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを取得する。コントローラは更に、光センサを介して、環境内の照明効果の場所を特定する符号化光信号を受信し、特定された場所に対応するグラフの第1のノードから、環境内の所望の場所に対応するグラフの第2のノードまでの最適経路を計算する。
[0016] 様々な実施形態では、コントローラは更に、ディスプレイ上に、ユーザに、計算された最適経路を辿る方法を教える1つ以上のグラフィカル要素をレンダリングする。様々な実施形態では、上記照明効果は、環境内の第1の照明効果であり、上記符号化光信号は、第1の符号化光信号であり、特定された上記場所は、第1の特定された場所である。このような実施形態において、コントローラは更に、光検出器を介して、環境内の第2の照明効果の第2の場所を特定する第2の符号化光信号を受信し、モバイルコンピュータデバイスのメモリに、第1の特定された場所に対応する第1のノードと、第2の特定された場所に対応する第2のノードとの間でグラフ内を移動した経路を記憶する。様々なバージョンでは、コントローラは更に、モバイルコンピュータデバイスにグラフを提供した1つ以上の遠隔コンピュータデバイスに、記憶された移動経路を提供する。
[0017] 様々な実施形態では、コントローラは更に、グラフ内の優先的経路を取得し、ユーザに、優先的経路を辿る方法を教える1つ以上のグラフィカル要素をディスプレイ上にレンダリングする。
[0018] 本開示の目的で本明細書において使用される場合、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射線を生成可能なその他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解されるべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。
[0019] 「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザ、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射線源のうちの任意の1つ以上を指すと理解されるべきである。
[0020] 「コントローラ」との用語は、本明細書では、一般に、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を説明するために使用される。コントローラは、本明細書において説明される様々な機能を実行するために、数多くの方法(例えば専用ハードウエアを用いて)で実現できる。「プロセッサ」は、本明細書において説明される様々な機能を実行するように、ソフトウエア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムされてもよい1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用してもしなくても実現でき、また、幾つかの機能を実行する専用ハードウェアと、その他の機能を実行するプロセッサ(例えばプログラムされた1つ以上のマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして実現されてもよい。本開示の様々な実施態様において使用されてもよいコントローラ構成要素の例としては、次に限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられる。
[0021] 様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では総称的に「メモリ」と呼び、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROMといった揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ等)と関連付けられる。幾つかの実施態様において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書において説明された機能の少なくとも幾つかを実行する1つ以上のプログラムで符号化されていてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されていても、その上に記憶された1つ以上のプログラムが、本明細書において説明される本発明の様々な態様を実現するように、プロセッサ又はコントローラにロード可能であるように可搬型であってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」との用語は、本明細書では、一般的な意味で、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用可能な任意のタイプのコンピュータコード(例えばソフトウェア又はマイクロコード)を指して使用される。
[0022] 「照明制御システム」との用語は、本明細書において使用される場合、1つ以上のコントローラと、1つ以上の光センサ、照明ユニット及び/又は照明固定具を制御するように組み合わせて使用される他の関連のハードウェア(例えば入出力デバイス、センサ、メモリ等)及び/又はソフトウェアモジュールとを指す。
[0023] 「アドレス可能」との用語は、本明細書では、自分自身を含む複数のデバイスに向けた情報(例えばデータ)を受信し、自分自身に向けられた特定の情報に選択的に応答するデバイス(例えば光源全般、照明ユニット又は固定具、1つ以上の光源若しくは照明ユニットに関連付けられたコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイス等)を指すために使用される。「アドレス可能」との用語は、多くの場合、ネットワークで結ばれた環境(即ち、以下に詳細に説明される「ネットワーク」)に関連して使用され、ネットワークで結ばれた環境では、複数のデバイスが、1つ以上の何らかの通信媒体を介して、互いに結合されている。
[0024] 1つのネットワーク実施態様では、ネットワークに結合された1つ以上のデバイスが、当該ネットワークに結合された1つ以上の他のデバイスのコントローラとしての機能を果たす(例えばマスタ/スレーブ関係)。別の実施態様では、ネットワークで結ばれた環境は、当該ネットワークに結合されたデバイスのうちの1つ以上を制御する1つ以上の専用コントローラを含む。通常、ネットワークに結合された複数のデバイスは、それぞれ、1つ以上の通信媒体上にあるデータへのアクセスを有するが、所与のデバイスは、例えば当該デバイスに割当てられている1つ以上の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づいて、データを、ネットワークと選択的に交換する(即ち、ネットワークからデータを受信する及び/又はネットワークにデータを送信する)点で、「アドレス可能」である。
[0025] 「ネットワーク」との用語は、本明細書において使用される場合、(コントローラ又はプロセッサを含む)任意の2つ以上のデバイス間及び/又はネットワークに結合された複数のデバイス間での(例えばデバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施態様は、様々なネットワークトポロジのうちの何れかを含み、様々な通信プロトコルのうちの何れかを採用する。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の接続はいずれも、2つのシステム間の専用接続を表しても、或いは、非専用接続を表してもよい。このような非専属接続は、2つのデバイス用の情報を担持することに加えて、必ずしも2つのデバイス用ではない情報を担持することがある(例えばオープンネットワーク接続)。さらに、容易に理解されるように、本明細書において説明されるデバイスの様々なネットワークは、ネットワーク全体での情報の転送を容易にするために、1つ以上のワイヤレス、ワイヤ/ケーブル及び/又は光ファイバリンクを採用する。
[0026] 当然ながら、前述の概念と、以下により詳細に説明される追加の概念とのあらゆる組み合わせ(これらの概念が互いに矛盾しないものであることを条件とする)は、本明細書において開示される本発明の主題の一部をなすものと考えられる。特に、本開示の終わりに登場する請求項に係る主題のあらゆる組み合わせは、本明細書において開示される本発明の主題の一部であると考えられる。更に、当然ながら、参照により組み込まれる任意の開示内容にも登場する、本明細書において明示的に採用されている用語は、本明細書において開示される特定の概念と最も整合性のある意味が与えられるべきである。
[0036] ナビゲーション技術は、スマートホン及びタブレットコンピュータといったモバイルコンピュータデバイスが、ユーザを、店舗といった環境内を案内することを可能にするために存在する。幾つかの場合では、環境のマップを表すデータが、モバイルコンピュータデバイスに送信される。モバイルコンピュータデバイスは、当該マップを、ユーザの現在の場所と共に、ディスプレイ上にレンダリングし、環境内の1つの場所から別の場所への最適経路を計算し、ユーザに、その最適経路を辿る方法を教える。マップデータは、比較的複雑であり、また、モバイルコンピュータデバイスは、当該データを受信又はレンダリングする機能がない場合もある。更に、2又は3次元マップを通る最適経路の計算は、資源集約的である。環境が物理的に再構成された(例えば棚/家具が動かされた)場合に、マップをアップデートすることも煩雑である。
[0037] したがって、本出願人は、環境内でモバイルコンピュータデバイスのユーザをナビゲートするためのより単純なメカニズムを提供することが有益であることを認識かつ理解している。本出願人は更に、環境が物理的に再構成された場合に、ナビゲーションデータをアップデートするより単純な及び/又はより自動化された方法を提供することが有益であることを認識かつ理解している。上記に鑑みて、本発明の様々な実施形態及び実施態様は、照明効果を用いるグラフベースのナビゲーションに関する。
[0038] 図1を参照するに、部屋の形態である例示的な環境100が示されている。環境100は、4つの外壁102と、第1の内壁104と、第2の内壁106とによって画成されている。しかし、これは限定を意図していない。これらの壁は、例示目的に選択されたものであり、当然ながら、環境は、任意の数及び/若しくは構成の壁並びに/又は他の物理的な物体を有してよい。
[0039] デカルト座標を有する円によって、複数の照明効果が表されている。様々な実施形態において、各照明効果は、例えば天井に取り付けられたLEDベースの照明ユニットによって下に投じられる光によって生成される。しかし、これは限定を意図しておらず、本明細書において使用される場合、照明効果は、床、壁及び家具等のどこにでも取り付けられる光源を使用して生成される。照明効果は、均一の大きさを有するものとして示されているが、これも限定を意図していない。様々なタイプの光源が、様々な大きさの照明効果を生成することができ、照明効果は、様々な度合いで重なり合ってもよい。
[0040] 図1では、点0,0は、環境100の左上にある。しかし、これは任意であり、環境100又は他の場所の任意の点において設定されてよい。第1の照明効果は、「1,1」とラベル付けされる。これは、その中心が、左及び上の外壁102から内側に1メートルの点に対応するからである。第2の照明効果は、「3,1」とラベル付けされる。これは、その中心が、上の外壁102から下に1メートル、左の外壁102から内側に3メートルの点に対応するからである。第1の照明効果の下に示される別の照明効果は、「1,3」とラベル付けされる。これは、その中心が、上の外壁102から下に3メートル、左の外壁102から内側に1メートルの点に対応するからである。残りの照明効果が、同様にラベル付けされる。
[0041] 図1には更に、照明制御システム130が示されている。照明制御システム130は、複数の照明効果を生成する複数の光源によって提供される照明を制御するように、共に動作する1つ以上のコンピュータデバイスを含む。様々な実施形態では、照明制御システム130は、次に限定されないが、Wi−Fi、ZigBee、直接ネットワーク接続、符号化光シグナリング等を含む様々な方法で、複数の光源と通信する。照明制御システム130は、図3を参照して、より詳細に説明される。
[0042] 様々な実施形態では、照明制御システム130は、照明効果を生成する光源に、各照明効果の座標を担持する符号化光信号を放射させる。例えば照明効果1,1を生成する光源は、デカルト座標「1,1」を担持する符号化光信号を放射する。他の実施形態では、光源は、GPS座標、意味のあるローカライゼーション位置(例えば「3階の北西の角」、「洋服ラック1aの隣」、「地下鉄線路1及び2の間」)等といった他のタイプの場所情報を担持する符号化光信号を放射する。
[0043] これらの符号化光信号は、スマートホン及びタブレットコンピュータといったモバイルコンピュータデバイスの光センサ(例えば前向き又は後ろ向きカメラ)によって検出される。例えば環境100内を歩くユーザは、意識することなく、自分自身のスマートホンを、前向きカメラが床を指している状態で持ち運んでいることがある。当該前向きカメラは、LEDベースの照明ユニットといった天井取付け型光源から床の上に投影される照明効果と、照明効果が担持する符号化光信号とを検出する。当該情報を、照明効果を表すノードと照明効果間の経路を表すエッジとを含むグラフと組み合わせて使うことによって、モバイルコンピュータデバイスは、環境100内のその現在の位置を決定することができる。
[0044] 環境100内のユーザが、照明効果1,1から照明効果1,5に移動することを望んでいると仮定する。様々な実施形態では、照明効果1,1と照明効果1,5との間の可能な経路が、グラフによって表され、当該グラフは、例えば照明制御システム130によって、ユーザによって操作されるモバイルコンピュータデバイスに提供される。ユーザのモバイルコンピュータデバイスは、当該グラフを利用して、ユーザに、環境100内の様々な点間をナビゲートする方法を教える。
[0045] 図2は、多くの、しかし、すべてではない可能なノードと、照明効果1,1と1,5との間のエッジとを含む例示的なグラフ220を示す。実際には、様々な実施形態では、グラフ220は、高密度であっても、疎らであっても、又は、それらの中間であってもよい。グラフ220は、次に限定されないが、有向重みなしグラフ、有向非巡回グラフ、有向重み付けグラフ等を含む様々なタイプのグラフであってよい。例えば様々な実施形態では、各エッジは、数値的重み付け又は距離が割当てられてもよく、この数値的重み付け又は距離は、最適経路を計算する際に、複数のエッジ間で決定するために使用される。
[0046] 図2において、最適経路222が、破線によって囲まれている。この最適経路222は、各エッジは、重み/距離において少なくともほぼ等しいことを前提として、例えばユーザのモバイルコンピュータデバイスによって計算される。グラフ220には、照明効果1,1から照明効果1,5まで、幾つかの可能な経路があることが分かるが、最適経路222は、最速経路である。グラフ220といったグラフのノード間の最適経路は、次に限定されないが、ダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズム、ベルマン‐フォード(Bellman-Ford)のアルゴリズム、「A*検索」アルゴリズム、フロイド‐ワーシャル(Floyd-Warshall)のアルゴリズム、ジョンソン(Johnson)のアルゴリズム等を含む様々な技術を使用して計算される。
[0047] 図3は、様々な実施形態による例示的な照明制御システム130を示す。照明制御システム130は、グラフ提供モジュール322、フィードバックモジュール334、グラフ生成モジュール338及び/又は優先的経路モジュール340を含む。これらの構成要素のうちの1つ以上は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせを使用して実現される。
[0048] 様々な実施形態では、また、一番上の矢印によって示されるように、グラフ提供モジュール332は、環境100といった環境内を移動する複数のモバイルコンピュータデバイス350に、図2のグラフ220といったグラフを提供する。グラフ提供モジュール332は、次に限定されないが、Wi−Fi、他の無線通信(例えばNFC、RFID、ブルートゥース等)、光ベースの通信(例えば赤外線、符号化光シグナリング)、セルラー式通信、WiMAX等を使用することを含む様々な方法で、モバイルデバイス350にグラフを提供する。幾つかの実施形態では、モバイルデバイス350のユーザは、環境100に入ると、当該ユーザが、環境100内を案内されるように、照明制御システム130に「登録する」ことをユーザに勧めるテキストといった通知を受信する。幾つかの実施形態では、モバイルコンピュータデバイスは、光センサ351、タッチスクリーン352及びコントローラ354(例えば1つ以上のプロセッサ)を含む。これらの1つ以上は、動作可能に互いに結合される。
[0049] 様々な実施形態では、また、図3における中央の矢印によって示されるように、フィードバックモジュール334は、複数のモバイルコンピュータデバイス350がグラフ内を移動した経路を示すフィードバックを取得する。例えば特定のモバイルコンピュータデバイス350が、グラフの2つのノードに対応する2つの場所間の特定の経路を横切ると、モバイルデバイス350は、移動経路を、例えばそれをモバイルデバイスのメモリに記憶することによって記録し、移動グラフを示すデータを、照明制御システム130に(例えばWi−Fi、RFID、NFC、符号化光シグナリング、セルラー式等を使用して)提供する。
[0050] 様々な実施形態では、グラフ生成モジュール338は、フィードバックモジュール334によって取得されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、時間と共に、グラフを生成及び再生成する。このように、グラフ生成モジュール338は、環境100の物理的なレイアウトが変更されるに連れて、例えば家具が動かされた時又は壁/他の取付具が追加された時若しくは取り外された時に、グラフをアップデートすることができる。
[0051] グラフ生成モジュール338は、様々な方法で、グラフを変更することができる。例えばグラフ生成モジュール338は、例えば環境100内の第1の場所(例えば照明効果1,1)に対応する第1のノードから、環境100内の第2の場所(例えば照明効果1,5)に対応する第2のノードまでのグラフ内の最適経路(例えば222)を計算する。様々な実施形態では、グラフ生成モジュール338は、計算された最適経路と、第1の場所から第2の場所まで、モバイルコンピュータデバイス350が実際に移動したグラフ内の経路との差を決定する。
[0052] 差が検出されると、また、ユーザが最適経路を取るように選択することを前提とすると、グラフ生成モジュール338は、ユーザが最適経路を取ることを抑止する、又は、更には阻止する環境100の物理的な変化が生じたことを推測する。グラフ生成モジュール338は、1つ以上のエッジ又はノードが最適経路222の一部であり、当該1つ以上のエッジ又はノードをモバイルコンピュータデバイス350によってもはや横断されていないことを決定することに応えて、グラフ220に/から1つ以上のエッジ及び/若しくはノードを追加する並びに/又は取り除く。例えばグラフ生成モジュール338は、所定数のユーザが、連続的に、最適経路222の一部を形成する1つ以上のエッジを横断しない場合に、推測した変化を反映するように、グラフ220を変更する。
[0053] 図4は、壁の形態である障害物108が追加されている図1の環境100を示す。障害物108は、ユーザが、照明効果1,1から照明効果3,1又は3,3に、直接的に移動することを阻止する。時間と共に、また、フィードバックモジュール334からのフィードバックに基づいて、グラフ生成モジュール338は、ユーザがこれらのエッジをもはや横断しなくなっていることを観察する。グラフ生成モジュール338は、追加された障害物108を反映するように、照明効果1,1から照明効果1,5までの可能なルートのグラフ(例えば220)をアップデートする。
[0054] 図5は、図4に示される追加された障害物108を反映するように、図2のグラフ220が変更される態様の一例を示す。環境100への障害物108の追加を反映するように、照明効果1,1と照明効果3,1及び3,3との間の直通エッジが取り除かれている。これらのエッジは最適経路222の一部を形成していたので、グラフ生成モジュール338は、元の最適経路222よりも少し長い新しい最適経路224を再計算する。新しい最適経路224は、複数の可能な最適経路のうちの1つであってよい。
[0055] 図6は、様々な実施形態に従って、照明制御システム130又は環境100といった環境内のナビゲーションを容易にする別のコンピュータシステムによって実施される例示的な方法600を示す。ステップ602において、例えば1つ以上のモバイルコンピュータデバイス350が環境100内に運び込まれると、例えば照明制御システム130のグラフ提供モジュール332によって、1つ以上のモバイルコンピュータデバイス350にグラフが提供される。ステップ604において、1つ以上のモバイルコンピュータデバイス350がグラフ内を移動した経路を示すデータが、例えば照明制御システム130のフィードバックモジュール334によって受信される。
[0056] ステップ606乃至612は、例えばフィードバックモジュール334によって受信されたフィードバックに基づいて、環境の物理的な構成が変化したかどうかを照明制御システム130のグラフ生成モジュール338によって決定するための1つの例示的な技術を示す。ステップ606において、例えばグラフ生成モジュール338によって、グラフ220内の1つのノードから別のノードまでの最適経路(例えば222)が計算される。ステップ608において、例えばグラフ生成モジュール338によって、モバイルコンピュータデバイス350が移動した経路が、計算された最適経路と異なるかどうかが決定される。移動した経路が異なる場合は、ステップ610において、グラフ生成モジュール338は、カウンタを変更し(例えばインクリメント又はデクリメントし)、方法600は、ステップ612に進む。しかし、ステップ608において、移動した経路が異ならない場合、ステップ614において、カウンタは、(例えばゼロ又は閾値が満たされるまでデクリメント又はインクリメントされる他の数に)リセットされる。他の実施形態では、グラフ生成モジュール338は、最適経路を移動した経路と比較するのではなく、優先的経路(以下に説明される)を移動した経路と比較してもよい。
[0057] ステップ612において、例えばグラフ生成モジュール338によって、モバイルコンピュータデバイス350が続けて移動した経路と、計算された最適経路との間の差の(カウンタによって追跡される)総数が、特定の閾値を満たすかどうかが決定される。満たさない場合、方法600は、ステップ602に戻る。その一方で、総数が閾値を満たす(例えば閾値以上である)場合、ステップ616において、例えばグラフ生成モジュール338によって、グラフ(例えば222)がアップデートされ、これにより、アップデートされたグラフ(例えば224)は、追加された又は取り除かれた障害物を考慮するためにエッジ又はノードが追加されている又は取り除かれている。追加された又は取り除かれた障害物の存在は、ユーザが、特定のエッジ又はノードを繰り返し横断する又は横断しないことによって、証明される。ステップ616において、グラフがアップデートされた後、ステップ614において、カウンタがリセットされる。その後、方法600は、ステップ602に戻る。
[0058] グラフをアップデートするという決定は、必ずしも、カウンタが閾値を満たすことに応じてでなくてもよい。例えば幾つかの実施形態では、特定のノード又はエッジが、所定の時間量(例えば1日、72時間、1週間等)の間、任意のモバイルコンピュータデバイス350によって横断されない場合に、グラフ生成モジュール338は、それに応じてグラフをアップデートしてもよい。別の例として、ユーザが、例えば照明制御システム130の関連のユーザインターフェースを操作することによって、特定の場所に障害物が追加されたことを示すために、グラフを手動でアップデートしてもよい。その場所に基づいて、グラフ生成モジュール338は、特定のノード及び/又はエッジがもはや横断可能ではないと決定してもよい。
[0059] 幾つかの場合では、特定の商品又はサービスへのユーザの露出を高めるようなやり方で、店舗といった環境内でユーザを進ませることが望ましいことがある。図3を再び参照するに、様々な実施形態では、優先的経路モジュール340は、1つ以上のモバイルコンピュータデバイス350に、グラフ220内の優先的経路を提供する。幾つかの実施形態では、優先的経路モジュール340は、優先的経路自体を生成する。例えば優先的経路モジュール340は、(例えば1つ以上のネットワークを介して別のコンピュータシステム等からユーザ入力を介して)1つ以上の優先的商品のリストを取得し、当該1つ以上の優先的商品が置かれている環境100内の照明効果の1つ以上の場所を特定する。優先的経路モジュール340は、特定された1つ以上の場所に基づいて、優先的経路を生成する。別の実施形態では、優先的経路モジュール340は、手動ユーザ入力を介して、優先的経路を単に受信してもよい。いずれの場合でも、また、図3における下の矢印によって示されるように、優先的経路モジュール340は、例えばWi−Fi、NFC、RFID、赤外線、符号化照明シグナリング等を使用して、1つ以上のモバイルコンピュータデバイスに、優先的経路を送信する。
[0060] 上記されたように、モバイルコンピュータデバイス350は、照明制御システム130から受信する、グラフ220及び/又は優先的経路だけでなく、経路222又は224といった最適経路を示すデータといったデータを使用して、環境100といった環境内をナビゲートすることにおいてユーザを支援する。図7及び図8は、環境内でユーザを案内するナビゲーションインタフェースをレンダリングするように使用されるタッチスクリーン352を有するスマートホンの形態の例示的なモバイルコンピュータデバイス350を示す。様々な実施形態では、モバイルコンピュータデバイス350の1つ以上のコントローラは、ユーザに、最適経路222又は224といった特定の経路又は受信された優先的経路を辿る方法を教える1つ以上のグラフィカル要素をレンダリングする。
[0061] 図7では、クロス記号のグラフィカル要素が、ユーザの現在の位置を表す。クロス記号の上の矢印は、右折矢印によって示される、方向の次の変化に向かって進むために、ユーザが移動すべき方向を示す。図8では、ユーザは、右折矢印までの距離を縮め、右折するタイミングである。図7に示されるグラフィカル要素といったようなグラフィカル要素は、それ自身によってレンダリングされても、他のグラフィックス上に重ねられてもよい。様々な実施形態では、これらの他のグラフィックスは、周囲環境及び/又は例えば前向きカメラから受信されるライブビデオフィードの単純化された(例えばベクトルベースの)レンダリングを含む。
[0062] 図9は、様々な実施形態に従って、モバイルコンピュータデバイス350といったモバイルコンピュータデバイスによって実施される例示的な方法900を示す。ステップ902において、モバイルコンピュータデバイスは、複数のノードと複数のエッジとを含み、各ノードは、環境内の照明効果の場所に対応し、各エッジは、2つのノード間の経路を表すグラフを取得する。例えば環境100に入ると、モバイルコンピュータデバイス350と照明制御システム130とは通信を開始してもよく、照明制御システム130は、例えばWi−Fi、ブルートゥース、NFC、RFID、符号化光信号等を使用して、モバイルコンピュータデバイス350に、グラフを送信する。
[0063] ステップ904において、例えばモバイルコンピュータデバイスの光検出器において、環境内の第1の照明効果の場所を特定する符号化光信号が受信される。例えばモバイルコンピュータデバイス350が、図1及び図4に示される複数の照明効果を生成する1つ以上の光源の下を通過すると、モバイルコンピュータデバイス350は、例えば投影された照明効果から、デカルト座標を担持する符号化光信号を受信する。幾つかの実施形態では、照明効果のその光源に対する場所といったより詳細な情報が提供されてもよい。このような追加の詳細によって、モバイルコンピュータデバイス350は、より正確に、環境100におけるその場所を示すことができる。
[0064] ステップ906において、例えばモバイルコンピュータデバイスによって、第1の照明効果の場所に対応するグラフの第1のノードから、環境内の所望の場所に対応するグラフの第2のノードまでの最適経路が計算される。これに加えて又は代えて、幾つかの実施形態では、ステップ908において、モバイルコンピュータデバイス350によって、照明制御システム130の優先的経路モジュール340から、グラフの優先的経路が取得される。
[0065] ステップ910において、(図7及び図8に示されるようなグラフィカル要素といった)1つ以上のグラフィカル要素が、モバイルコンピュータデバイス350のディスプレイ上にレンダリングされる。様々な実施形態では、これらのグラフィカル要素は、ユーザに、ステップ906において計算された最適経路、又は、ステップ908において受信された優先的経路を辿る方法を教える。幾つかの実施形態では、ユーザは、環境100内のユーザの所望の目的地までの最速の道である最適経路に沿ってナビゲートされることと、ユーザを例えばセール品である優先的商品に露出する同じ所望の場所又は異なる所望の場所までの経路を表す優先的経路に沿ってナビゲートされることとから選択できる。その他の実施形態では、例えば客を最適経路ではなく優先的経路に進ませることがより望ましい場合には、優先的経路が、最適経路よりも優先される。
[0066] ステップ912において、モバイルコンピュータデバイス350は、例えばその光検出器において、環境内の第2の照明効果の場所を特定する別の符号化光信号を受信する。これは、ユーザが、最適又は優先的経路を辿るか、そうでなければ、環境内を移動するに連れて起きる。ステップ914において、ステップ904において特定された第1の照明効果の場所に対応する第1のノードと、ステップ912において特定された第2の照明効果の場所に対応する第2のノードとの間でグラフ内を移動した経路が、モバイルコンピュータデバイス350のメモリに記憶される。
[0067] ステップ916において、例えばモバイルコンピュータデバイス350によって、照明制御システム130のグラフ生成モジュール338といった1つ以上の遠隔コンピュータデバイスに、移動した経路が提供される。照明制御システム130のグラフ生成モジュール338は、次に、必要に応じて、グラフをアップデートするために、方法600の選択されたステップを行う。
[0068] 別の態様では、グラフ220は、例えば照明制御システム130によって、様々な方法で、最初に生成される。幾つかの実施形態では、照明効果内の符号化光信号を検出するために、光センサを有する自律ロボットデバイスが、環境100内を移動する。自律ロボットデバイスは、GPSを使用して、又は、その車輪の回転及び方向転換をモニタリングすることによって、その場所を追跡する。自律ロボットデバイスは、新しい照明効果に遭遇する度に、グラフに新しいノードを追加する。1つの照明効果から別の照明効果に移動することができる場合、及び/又は、照明効果が重なる場合、自律ロボットデバイスは、これらの照明効果を表す2つのノード間にエッジを追加する。自律ロボットデバイスは、2つの照明効果間で、障害物に遭遇する場合、2つの対応するノード間にエッジを追加しない。
[0069] 他の実施形態では、光センサを有するグラフ作成デバイスを持ち運ぶ1人以上の人間によって、同様の行動が行われてもよい。幾つかの実施形態では、グラフ220は、方法500及び900を参照して上記された技術と同様の技術を使用して、環境100内を移動し、モバイルコンピュータデバイス350を持ち運んでいる複数のユーザによって、当該ユーザが意識することなく、作成されてもよい。例えば2つのノードと、その間のエッジとは、最初は、環境100内を移動するユーザが持ち運ぶ複数のモバイルコンピュータデバイス350から受信されるフィードバックから検出される。しばらく経って、他のユーザが、当該エッジに沿って移動するのを辞めると、照明制御システム130は、当該エッジをグラフ220から取り外す。同様に、ユーザが、それまではその間にエッジがなかった2つのノード間を直接的に移動し始めると、照明制御システム130は、エッジを追加する。
[0070] 本明細書において、幾つかの発明実施形態を説明し例示したが、当業者であれば、本明細書にて説明した機能を実行するための、並びに/又は、本明細書にて説明した結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/若しくは構造体を容易に想到できよう。また、このような変更及び/又は改良の各々は、本明細書に説明される発明実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書にて説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料及び構成は例示を意図し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、発明教示内容が用いられる1つ以上の特定用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書にて説明した特定の発明実施形態の多くの等価物を、単に所定の実験を用いて認識又は確認できよう。したがって、上記実施形態は、ほんの一例として提示されたものに過ぎず、発明実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、具体的に説明される又はクレームされる態様以外に実施可能であることは理解されるべきである。
[0071] 本明細書にて定義されかつ用いられた定義はすべて、辞書の定義、参照することにより組み込まれた文献における定義及び/又は定義された用語の通常の意味に優先されて理解されるべきである。
[0072] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「a」及び「an」の不定冠詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
[0073] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「及び/又は」との表現は、等位結合された要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきである。即ち、要素は、ある場合は接続的に存在し、その他の場合は離接的に存在する。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素も同様に解釈されるべきであり、即ち、要素のうちの「1つ以上」が等位結合される。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、それが具体的に特定された要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してよい。
[0074] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられる場合には、「又は」は、上に定義したような「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えばリストにおけるアイテムを分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的と解釈される。即ち、多数の要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上の要素も含み、また、任意選択的に、リストにないアイテムを含むと解釈される。「〜のうちの1つのみ」又は「ちょうど1つの」といった反対を明らかに示す用語、又は、特許請求の範囲に用いられる場合は、「〜からなる」という用語だけが、多数の要素又は要素のリストのうちのまさに1つの要素が含まれることを指す。
[0075] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられる場合には、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。
[0076] 更に、当然ながら、特に明記されない限り、本明細書に記載された2つ以上のステップ又は動作を含むどの方法においても、当該方法のステップ又は動作の順番は、記載された方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されない。
[0077] また、請求項において、括弧の間に登場する参照符号は、ある場合には、便宜上、提供されたものに過ぎず、請求項をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
[0078] 特許請求の範囲においても、上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「〜から構成される」等といったあらゆる移行句は、非制限的、即ち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」との移行句のみが、それぞれ、制限又は半制限的移行句である。