JP2016534083A - 血液因子に対する寛容を誘導することによって血友病を処置する方法 - Google Patents

血液因子に対する寛容を誘導することによって血友病を処置する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、血友病の処置に関する。より具体的には、本発明は、血友病の処置を継続するために血液因子を含む皮膚パッチデバイスの適用によって皮膚上経路を通して血友病を処置するために使用される少なくとも1つの血液因子に対する免疫寛容を誘導する新規方法に関する。本発明はまた、第VIII因子を含有する皮膚パッチデバイスにも関する。

Description

発明の分野
本発明は、血液因子に対する寛容を誘導することによって血友病を処置する方法に関する。より具体的には、本発明は、皮膚上の経路を通して血友病を処置する新規方法に関する。
特に、本発明の方法は、血友病Aを有する対象において第VIII因子に対する寛容を誘導する方法に関する。
より特定すると、本発明の方法は、それを必要とする対象の皮膚領域に第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスを、該組成物と皮膚との接触を可能とする条件下で適用することを含む。本発明はまた、第VIII因子(FVIIIとも称される)を含有する皮膚パッチデバイスにも関する。
発明の背景
血友病は、第VIII因子又は第IX因子の欠乏症に起因する自然発生的な出血又はより長時間におよぶ出血を特徴とする遺伝性疾患である。
血友病A(HA)は、5000人〜10000人に1人の個体がかかる、稀なX染色体連鎖性劣性出血性疾患である。第VIII因子をコードする遺伝子の遺伝子異常により、FVIIIが産生されないか、又は、不完全なFVIII分子が産生される。HAの症例の3分の2が遺伝性である。残りの3分の1の患者はHAの家族歴がない。後者の患者では、FVIIIをコードする遺伝子の欠陥が新規にX染色体上に生じている。血漿中で測定可能であるFVIIIの残存活性を反映しかつ血友病を引き起こす突然変異の型に直接関連している、HAのいくつかの重症度を区別することができる。
したがって、重度のHAを有する患者は、検出不可能なFVIII活性(1%未満)を呈するが、中程度から軽度のHAを有する患者は、それぞれ正常値の1〜5%、又は5〜35%を有する。生命を脅かす出血は軽度又は中程度のHA患者では稀であるが、重度のHAは、より高い罹患率及び死亡率を伴う大きな損害を与える出血性疾病である。現在までに、遺伝子療法における近年の進歩にも関わらず、HAを治癒するための処置は得られていない。
したがって、患者における出血発症の治療又は予防は、外因性のFVIIIを使用した補充療法によって成し遂げられる。処置は、血漿分画製剤又は遺伝子工学操作された組換え代用製剤を用いての置換療法を中心に展開する。処置は、出血後(需要時の処置)又は出血を防ぐために(予防的処置)投与され得る。
いくつかの形の第VIII因子が、血友病の処置のための活性物質として使用されているか又は使用される予定である。これらとしては、ヒト血漿をベースとした第VIII因子、例えばHumate(登録商標)P、Monoclate(登録商標)P、Irnmunate(登録商標)又はヘモフィル(Hemofil)(登録商標)Mの活性成分;組換えヒト第VIII因子、例えば、PCT特許出願の国際公開公報第91/09122号に記載されかつ活性成分のReFacto(登録商標)である、Bドメインレス第VIII因子(モロクトコグアルファ)が挙げられる。他の組換えヒト第VIII因子は、コージネイト(登録商標)又はリコンビネート(登録商標)の活性成分である(オクトコグアルファ)、又は、ブタ第VIII因子(これは、Ipsen, Inc.、米国によって販売されているHyate.C(登録商標)製品の活性成分であった)、又は完全長若しくはトランケートされた組換えブタ第VIII因子、例えば特許出願の国際公開公報第01/68109号に開示された改変形のBドメインレスブタ第VIII因子を含む。
改変された第VIII因子タンパク質、例えば国際公開公報第2008/129422号に開示された脱マンノシル化組換え第VIII因子も血友病の処置ために使用することができる。
国際公開公報第2006/003183号に開示された8〜15アミノ酸を含むペプチド又は国際公開公報第2009/095646号に開示されたペプチドのような断片も、血友病を処置するための活性物質として使用することができる。第VIII因子のドメインA2及び/又はC2も本発明の方法に使用することができる。
しかし、患者の30%以下において、補充療法は、FVIIIの使用を妨げる、阻害性抗FVIII抗体(又はFVIII阻害剤)と称される抗薬物抗体の発生によって複雑となる。阻害性抗FVIII抗体は、IgGアイソタイプであり、大半はIgG1及びIgG4サブクラスである。各患者における抗FVIII IgGはポリクローナルである。抗FVIII IgGが、治療投与されたFVIIIの効力を低減するいくつかの機序が記載されている:阻害性抗FVIII IgGはFVIIIの機能的エピトープに指向され、立体障害によって、凝固カスケードに関与する様々な分子(例えば、フォンビルブランド因子、活性化第IX因子、第X因子、又はリン脂質)とのその相互作用を妨げる;非阻害性抗FVIII IgGは、治療投与されたFVIIIとの免疫複合体を形成し得、よって、循環からのその除去を加速し、その半減期を減少させ得る。
血友病A患者の血中における、FVIII又はFVIIIに由来するペプチドを用いてインビトロで刺激された場合に増殖するCD4+Tリンパ球の存在が記述されている。さらに、重度の血友病Aの実験モデルの分析により、CD40リガンド(CD40L又はCD154)に対する抗体を使用して又はCTLA4−Ig構築物を使用してT細胞への補助を抑止することにより、抗FVIII免疫応答が妨げられることが実証された。同様に、抗CD40L抗体の投与は、血友病Aの幾人かの患者においてFVIIIに対する既往の応答を遮断することが判明したが、患者にとって致命的な血栓症の合併症に因り臨床試験は中断された。
出血阻害剤陽性の患者における恒常性の修正は、活性化プロトロンビン濃縮製剤又は活性化組換え第VII因子などの迂回剤の使用を必要とする。患者における治療用FVIIIに対する阻害剤の発生は、処置費用を3倍以上増加させ、先進国において年間200,000ユーロに達する。
免疫寛容誘導(ITI)は、血友病A患者におけるFVIII阻害剤の効果的な根絶を可能とする唯一の利用可能な処置である。ITIは、高用量の治療用FVIIIの反復投与からなる。これは患者の60〜80%において成功している。しかし、ITIは、患者の極度なコンプライアンスを必要とすること、及び、処置の費用が年間患者1人あたり20万ユーロ以上に達し得るという事実によって複雑化する。いくつかのパラメーターが、ITIの成果、又は、ITIの成功までの処置の期間に関連する。これらのパラメーターは、ITI開始時の患者の年齢、高用量又は低用量のFVIIIによる処置、ITIに使用される組換え型FVIII又は血漿を起源とするFVIII、及び、FVIII阻害剤の特性を含む。
いくつかのアプローチが、外来性FVIIIに対する寛容を誘導するために重度な血友病Aのマウスモデルを使用して研究された。Lei et al.(Blood. 2005;105: 4865-4870)は、FVIIIに特異的な寛容が、免疫グロブリン(IgG)−FVIII融合構築物を用いて形質導入されたリポ多糖(LPS)により活性化されたB細胞芽球によってFVIII欠損マウスにおいて誘導され得ることを実証した。代替的な戦略では、FVIIIコード遺伝子をトランスフェクトされた自己アポトーシス性線維芽細胞の養子移植は、FVIIIに特異的な寛容を誘導することが示された。より近年では、Moghimi et al.(J Thromb Haemost 2011; 9: 1524-33)は、FVIIIのための予防的免疫寛容プロトコールを、ラパマイシンを使用して開発できることを示した。
これらの事前の結果にも関わらず、細胞療法は依然として経験的であり、ヒトに対して大規模に使用することが困難であり、非常に高価であり、また、免疫抑制薬の使用は、患者を日和見疾患に曝す可能性がある。
結果として、効果的で、安全で、より患者に優しい、血友病の処置のための組成物及び方法が実際に必要とされる。
発明の概要
本発明は、血友病及び/又は血友病の症状の治療及び/又は予防の新規方法を提供する。より具体的には、本発明は、初めて、血友病の効果的な処置を、皮膚上の免疫療法を通して成し遂げることができることを示す。
特に、本発明の方法は、必要とする対象の皮膚領域に、血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスを、該物質と皮膚との接触を可能とする条件下で適用することを含む。本発明は、このような適用が、外来性(治療用)第VIII因子に対する寛容を誘起し、これにより、血友病の症状のかなりの実質的な減少、及び改善された処置効力がもたらされることを示す。
したがって、本発明の目的は、対象における血友病及び/又は血友病の症状を治療及び/又は予防する方法に存し、該方法は、対象の皮膚領域に、血液因子、好ましくは第VIII因子(本明細書において以後、「活性物質」とも称される)を含む皮膚パッチデバイスを、該活性物質と皮膚との接触を可能とする条件下で適用することを含む。
本発明のさらなる目的は、静電気力を通してパッチに付着している乾燥形の血液因子、好ましくは第VIII因子を含む密封性の皮膚パッチデバイス、並びに、対象における血友病及び/又は血友病の症状の治療及び/又は予防におけるその使用に関する。
本発明はまた、血友病及び/又は血友病の症状を治療及び/又は予防するための組成物の製造における、静電気力を通してパッチに付着している乾燥形の血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスの使用に関する。
本発明のさらなる目的は、対象における血友病を治療及び/又は予防する方法であり、該方法は、乾燥形の血液因子、好ましくは第VIII因子を、対象の皮膚の1つ又はいくつかの領域に、該血液因子と皮膚との接触を可能とする条件下で適用し、対象の免疫反応性の低下を引き起こすに十分な条件下で血液因子を皮膚と接触させて維持することを含む。
本発明のさらなる目的は、血友病を有する対象の免疫反応性を低下させる方法であり、該方法は、乾燥形の血液因子、好ましくは第VIII因子を、対象の皮膚の1つ又はいくつかの領域に適用し、対象の免疫反応性の低下を引き起こすに十分な条件下で血液因子を皮膚と接触させて維持することを含む。
本発明のさらなる目的は、必要とする対象における血友病の処置法であり、該方法は、(i)外来性第VIII因子を対象に投与し、(ii)第VIII因子を対象の皮膚の1つ又はいくつかの領域に、外来性第VIII因子に対する寛容を誘導するのに十分な又は外来性第VIII因子の中和を低減させるのに十分な条件下で皮膚上に適用することを含む。
本発明のさらなる目的は、外来性第VIII因子を受けている対象における血友病を処置する改善された方法であり、改善は、外来性第VIII因子に対する寛容を誘導するために又は外来性第VIII因子の中和を低減させるために、第VIII因子を対象の皮膚の1つ又はいくつかの領域に皮膚上に適用することに存する。
本発明のさらなる目的は、対象における血友病を治療及び/又は予防する方法であり、該方法は、乾燥形の血液因子、好ましくは第VIII因子を、対象の皮膚の1つ又はいくつかの領域に適用することを含む。
本発明のさらなる目的は、血液因子、好ましくは第VIII因子を含む組成物、並びに、皮膚上への適用によってそれを必要とする対象における血友病を治療又は予防するためのその使用に関する。
本発明のさらなる目的は、皮膚上への適用によってそれを必要とする対象における出血を低減させるために使用するための、血液因子、好ましくは第VIII因子を含む組成物に関する。
発明の詳細な説明
本発明は、皮膚上への投与を使用して対象における血友病及び/又は血友病の症状を治療及び/又は予防する方法に関する。
血友病は、第VIII因子(血友病A)又は第IX因子(血友病B)の欠乏症に起因する自然発生的な出血又はより長時間におよぶ出血を特徴とする遺伝性疾患である。年間発生率は男児出生数5,000人中1人であると推定され、罹患率はフランスで12,000人中1人であると推定されている。臨床徴候の重症度は、凝固因子欠乏の程度に依存する。診断は、血液凝固時間の延長が判明する凝固試験に基づいて行なわれる。血友病の種類及び重症度は、第VIII因子レベルの具体的な測定を通して決定される。
本出願において使用される場合、「第VIII因子」又は「FVIII」という用語は、完全長の若しくはトランケートされた血漿をベースとした第VIII因子若しくは組換え型の第VIII因子、又は第VIII因子の組換えドメイン、特に、上記製品の1つ若しくはその組合せを意味する。したがって「第VIII因子」又は「FVIII」という用語は、第VIII因子の活性を有する任意のポリペプチドを含む。本発明の方法に使用される好ましい形の第VIII因子は、以下においてBドメインの欠失したFVIII(FVIII−HSQ)とも称される、Bドメインの欠失した第VIII因子(モロクトコグアルファ)である。本発明の方法に使用され得る他の特定の形の第VIII因子は、第VIII因子のドメインA2及び/又はC2を含む。
「外来性第VIII因子」という用語は、典型的には注射によって、対象を治癒するために使用される任意の治療用の第VIII因子を示す。
特に、本発明の方法は、対象における血友病A及び/又は血友病Aの症状を治療及び/又は予防する方法に関し、該方法は、対象の皮膚の少なくとも1つの領域に、トロンビンの産生を引き起こす活性物質、好ましくは血液因子、最も好ましくは第VIII因子を含む組成物を含む皮膚パッチデバイスを、該組成物と皮膚との接触を可能とする条件下で適用することを含む。
第VIII因子欠乏症を患っている場合、患者は、一般的に、処置として外来性の(治療用の)FVIIIの注射を受ける。残念なことに、処置開始から数年後、前記の外来性(すなわち非自己すなわち「外来」)第VIII因子に対する免疫応答が、特に抗第VIII因子抗体の産生によって出現し、これにより、外来性第VIII因子の破壊又は中和が起こる。本発明は、「外来性」第VIII因子に対する該免疫応答を効果的に低減させることを可能とし、これにより、患者を治癒するための、実質的に改善された又は回復した外来性第VIII因子の治療効力がもたらされる。
したがって、本発明は、それを必要とする対象への、特に外来性第VIII因子を受けている対象への皮膚上への適用によって血友病Aを処置する方法に使用するための、血液因子、好ましくは第VIII因子に関する。本発明はまた、血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイス、並びに、それを必要とする対象における血友病Aを処置する方法におけるその使用にも関する。
特定の実施態様では、本発明の方法は、それを必要とする対象における、第VIII因子、特に外来性第VIII因子に対する免疫寛容の誘導を含む。
特に、本発明は、それを必要とする対象における、第VIII因子、特に外来性第VIII因子に指向された全ての有害な免疫反応の予防又は治療のための皮膚パッチ又は方法に関する。このような有害な免疫応答を低減させることによって、本発明は、対象における外来性第VIII因子の治療効力を回復及び/又は実質的に高める。
これに関して、特定の実施態様では、本発明の方法は、同時投与又は順次投与することによってそれを必要とする対象における血友病を処置するために使用するための、(ii)注射用第VIII因子組成物と組み合わせた、(i)少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスに関する。特定の実施態様では、該方法は、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスをそれを必要とする対象に適用し、続いて、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子を対象に注射することを含む。あるいは、一旦、有害な免疫応答が対象に出現すると、それを中和するために皮膚パッチデバイスが適用されてもよい。実際には、可能であれば、本発明の方法の両方の成分が、処置計画の開始時に使用されるべきである。
特に、本発明の方法は、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子と皮膚との接触及び少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子の表皮への浸透を可能とする条件下で、デバイスを対象の皮膚の少なくとも1つの領域に反復適用することを含む、上記に定義されているようなその使用のための皮膚パッチデバイスに関する。
特に、本発明は、血液因子が第VIII因子であり、かつ完全長又はトランケートされた第VIII因子からなる群より選択されている、上記に定義されているようなその使用のための方法又は皮膚パッチデバイスに関する。
特に、本発明は、血液因子が組換え第VIII因子、好ましくはBドメインの欠失した組換え第VIII因子である、上記に定義されているようなその使用のための方法又は皮膚パッチデバイスに関する。
特に、本発明は、血液因子が血漿をベースとした第VIII因子である、上記に定義されているようなその使用のための方法又は皮膚パッチデバイスに関する。
本発明の特定の実施態様では、血液因子は乾燥形である。さらなる特定の実施態様では、血液因子はアジュバントの非存在下で適用される。
特に、本発明は、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子と場合により1つ又はいくつかの担体(例えば賦形剤、希釈剤など)とを含む皮膚パッチデバイスに関する。
特に、本発明は、
−皮膚パッチ、
−血液因子、好ましくは第VIII因子、及び
−場合により1つ又はいくつかの担体
を含む、薬物送達システムに関し、皮膚パッチは、個体の皮膚部分に付着し、血液因子、好ましくは第VIII因子を個体の皮膚に針を要することなく送達するように設計されている。
本発明はまた、
−血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチ、及び
−血液因子、好ましくは第VIII因子を含む注射用組成物
を含むキットに関する。
本発明は、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子と場合により薬学的に許容される担体とを含む皮膚パッチデバイスを、対象の皮膚の少なくとも1つの領域に、少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子と皮膚との接触及び少なくとも1つの血液因子、好ましくは第VIII因子の表皮への浸透を可能とする条件下で、反復適用することを含む、それを必要とする対象における血友病を処置する方法に関する。
本発明の具体的な態様では、血液因子を含む該皮膚パッチデバイスの皮膚への適用は、対象の免疫反応性の低下を引き起こす。「免疫反応性の低下」によって、外来的に注射された血液因子、好ましくは第VIII因子に対する免疫応答が低下することを意味する。パッチは、外来的な血液因子を用いての処置の前に、又は、該処置の経過中の任意の時点で使用され得る。本発明の方法は、外来性の血液因子、好ましくは第VIII因子の、血友病Aを患う患者の皮膚への適用によって起こる、免疫療法プロセスに基づく。
本発明は、有利には、このような方法が、免疫反応性の実質的な低下を引き起こし、外来的な第VIII因子の活性を増強することを示す。
本発明は、軽度の血友病A、やや重度の血友病A、及び重度の血友病Aを含むがこれに限定されない、あらゆる種類の血友病Aを処置するために使用され得る。本発明の好ましい実施態様では、該血友病Aは、重度の血友病Aである。
血友病Aは、第VIII因子欠乏症に起因する自然発生的な又はより長時間におよぶ出血を特徴とする最も一般的な形の血友病である。遺伝はX連鎖性劣性であり、該疾患は第VIII凝固因子をコードするF8遺伝子(Xq28)の突然変異によって引き起こされる。臨床徴候の重症度は、第VIII因子欠乏の程度に依存する。
軽度の血友病Aは、小さな損傷の結果として又は手術若しくは抜歯後に異常な出血をもたらす、第VIII因子の少しの欠乏を特徴とする血友病Aの一形態である。軽度の血友病Aは、血友病Aの全症例の約40%を占める。第VIII因子の生物学的活性は5〜40%である。自然発生的な出血は起こらない。
やや重度の血友病Aは、小さな損傷の結果として又は手術若しくは抜歯後に異常な出血をもたらす、第VIII因子の欠乏を特徴とする血友病Aの一形態である。やや重度の血友病Aは、血友病Aの全症例の約20%を占める。第VIII因子の生物学的活性は1〜5%である。自然発生的な出血は稀である。
重度の血友病Aは、頻繁な自然発生的な出血、及び小さな損傷の結果として又は手術若しくは抜歯後に異常な出血をもたらす、第VIII因子の多くの欠乏を特徴とする血友病Aの一形態である。重度の血友病Aは、血友病Aの全症例の約40%を占める。第VIII因子の生物学的活性は1%未満である。重度の血友病Aは、一般的に、小児期又は青年期の間には致命的である。
本発明を用いると、外来性第VIII因子の活性は、対象における残存活性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%又はそれ以上回復又は上昇し得る。
第VIII因子の活性が一般的に1%未満である重度のHAの状況では、本発明の方法は、このような活性を、10%を超える、さらには30%を超える、又はより顕著には50%を超えるかなりのレベルまで回復させることができる。このような全てのレベルが、自然発生的な出血を回避し、出血を低減させるのに適している。対象における正常な出血を回復し、血友病のあらゆる合併症を避けるには50%超で十分である。
特定の実施態様では、該方法は、典型的にはより長時間におよぶ皮膚パッチデバイスの反復適用を含む。例えば、該方法は典型的には、1か月間又はそれ以上の期間におよび少なくとも2枚のパッチを順次適用することを含む。寛容が確立されるまで適用を繰り返してもよい。その後、患者の寛容に従って停止、又は中断、又は間隔をあけてもよい。
本発明は、血液因子、好ましくは第VIII因子と皮膚との接触及び血液因子、好ましくは第VIII因子の表皮への浸透を可能とする条件下でデバイスを対象の皮膚の少なくとも1つの領域に反復適用することによって、それを必要とする対象における血友病を処置する方法に使用するための、血液因子、好ましくは第VIII因子を含む皮膚パッチデバイスに関する。
本発明の特定の目的は、血友病Aを処置するための乾燥形の第VIII因子を含む密封性の皮膚パッチデバイスに関する。さらなる特定の実施態様では、第VIII因子は、静電気力を通してパッチ上に維持され、該パッチは、該組成物と皮膚との接触を可能とする条件下で対象の皮膚の少なくとも1つの領域に適用される。
本発明のさらなる実施態様は、血友病Aの処置のための組成物の製造における、上記の密封性のパッチデバイスの使用に存する。
本発明は、血友病Aを処置するための新規な皮膚上での免疫療法を提供し、該方法は、該対象に、皮膚上経路を介して、活性物質としての第VIII因子と裏打ち層とを含む皮膚パッチデバイスを用いて組成物を反復投与することを含み、該裏打ち層の周辺は皮膚と密封されたチャンバーを作るのに適合し、裏打ち層は、チャンバー内のその皮膚に面した側上に、皮膚へのパッチデバイスの適用後の該対象における皮膚反応性を減少させるのに十分な用量の1つ以上の該タンパク質を有し、該組成物は、皮膚へのパッチデバイスの適用後に裏打ち層から取り出され、その後、皮膚上経路を介して対象に送達され、該投与を繰り返すと、外来性第VIII因子に対する免疫反応性は次第に減少する。
別の態様では、本発明はまた、対象における血友病の処置のための組成物の製造における、活性物質としての血液因子、好ましくは第VIII因子と裏打ち層とを含む、皮膚パッチデバイスの使用に関し、該裏打ち層の周辺は皮膚と密封されたチャンバーを作るように適合し、裏打ち層はチャンバー内のその皮膚に面した側上に、血液因子、好ましくは第VIII因子を有する。本発明は、任意の対象、例えば動物又はヒトの対象に使用され得、特に小児及び成人をはじめとするヒト対象に使用され得る。好ましくは、対象は血友病Aを患う。
本発明の免疫療法は、免疫反応の低下をもたらす、特定のパッチデバイスを使用した皮膚上経路を介した、対象への、血液因子、好ましくは第VIII因子を含有する組成物の投与を含む。
本明細書に使用されている「皮膚上経路」という用語は、皮膚上へのこの活性物質の適用による、対象への活性物質の投与を意味する。皮膚上経路は、表皮の表層を穿孔するための又はその完全性を改変するための、針、シリンジ、又はあらゆる他の手段の使用を必要としない。活性物質を、活性物質が表皮の角質層に浸透することを可能とするに十分な時間及び条件下で皮膚と接触させたまま維持する。
「処置すること」という用語は、血友病Aの重症度のあらゆる程度の低減、減少、又は減弱を含む。例えば、処置は、対象における重度な形の血友病Aを軽度又はやや重度の形に変換することを含む。
「処置すること」という用語はまた、血友病Aの症状、特に出血の、強度だけでなく持続時間における低減を含む。血友病Aの症状は、特に頻繁な自然発生的な出血、及び小さな損傷の結果としての又は手術若しくは抜歯後の異常な出血である。出血は関節周辺(関節血症)及び筋肉(血腫)において起こることが最も多い。自然発生的な血尿はかなり頻繁であり、該疾患の非常に特徴的な兆候である。したがって、処置は、対象における出血時間の減少、及び/又は対象における出血強度の低減を含む。
「免疫反応性の低減」によって、外来的な注射された血液因子、好ましくは第VIII因子に対する免疫応答が低下することを意味する。
好ましい実施態様では、本発明に使用される第VIII因子は、完全長の第VIII因子タンパク質、トランケートされた第VIII因子(タンパク質の一部が欠失している)、又は第VIII因子のドメイン、例えばA2及びC2ドメイン、又はその任意の混合物から選択される。特定の実施態様では、第VIII因子又はトランケートされたFVIIIはヒト起源である。好ましい実施態様では、第VIII因子は、Bドメインの欠失した組換え第VIII因子である。第VIII因子は天然形で、又は改変された形で、例えば化学的に、酵素的に及び/若しくは加熱で改変された形で使用され得る。
血液因子組成物は、プロテアーゼの作用から適切に保護されているならば、粒子の溶液又は分散液などの、液体形でもよい。その場合、活性物質が表皮の角質層に浸透できるように、組成物の液相から活性物質が皮膚に移動することによって、効果的な皮膚上投与が確実となる。特定の実施態様では、組成物の液相からの活性物質の移動は、例えば蒸散の結果として密封チャンバー内に形成された凝縮液を通した活性物質の拡散によって確実となる。
好ましい実施態様では、血液因子組成物は、例えば凍結乾燥によって得ることのできる、乾燥形、特に粒子状形である。乾燥形のタンパク質の使用が有利である。実際に、このような粒子状活性物質を、デバイスの裏打ち層に直接付着させ得、これにより、これらのタンパク質の免疫原性を妨害する可能性のあるあらゆる化学的相互作用又はあらゆる反応は回避される。さらに、粒子の使用は、適切な包装で物質を保存することを可能とし、よってもはや即時調製を行なう必要はない。この場合、パッチの裏打ち層上に保持された活性物質の皮膚上投与は、密閉チャンバー内に形成された凝縮液にこれらの活性物質が溶けることによって確実となり得る。
活性物質の組成物はさらに、追加の成分、例えば薬学的に許容される賦形剤又は担体、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients, sixth edition 2009, Rowe et al., Pharmaceutical Pressに開示されたものを含み得る。適切な賦形剤又は担体は当業者には周知であり、これには、滅菌食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストリン、寒天、ペクチン、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、及び水が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、担体又は希釈剤は、遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどを単独で又はワックスと共に含み得る。
1つの実施態様では、本発明に使用される組成物は、全くアジュバントを用いずに製剤化される。
別の実施態様では、本発明に使用される活性物質の組成物は、アジュバントを含み得るか又はアジュバントと一緒に適用され得る。本発明の状況では、アジュバントは、特定の活性物質と組み合わせて使用された場合に、活性物質に特異的な免疫応答を賦活、加速、延長、又は増強するように作用するあらゆる物質を示す。
本発明の方法に使用される皮膚パッチデバイスは、好ましくは、裏打ち層を含み、該裏打ち層の周辺は、皮膚と共に密閉チャンバーを作るように適合されている。この裏打ち層は、チャンバー内のその皮膚に面した側上に、免疫反応性を減少させるために使用される組成物を有する。
好ましくは、裏打ち層の周辺は接着特性を有し、皮膚と一緒に密封チャンバーを作るための気密ジョイントを形成している。
特定の実施態様では、活性物質(群)は、静電気力及び/又はファンデルワールス力により裏打ち層上に維持される。この実施態様は、組成物中に存在する活性物質が固体又は乾燥形(例えば粒子)の場合には特に適しているが、血液因子、好ましくは第VIII因子が液体形である場合にも間接的に使用され得る。
本発明の状況で、「静電気力」という用語は、一般的に、電荷の関与するあらゆる非共有結合的な力を示す。「ファンデルワールス力」という用語は、裏打ち層の表面と固体アレルゲンとの間に作られた非共有結合的な力を示し、以下の3種類があり得る:永久双極子力、誘起双極子力、及びロンドン−ファンデルワールス力。静電気力及びファンデルワールス力は、別々に又は一緒に作用し得る。
これに関して、好ましい実施態様では、パッチデバイスは、静電気的な裏打ち層を含む。本明細書において使用される「静電気的な裏打ち層」という表現は、静電荷を蓄積することができ、及び/又は例えば擦ること、加熱すること、若しくはイオン化することによってファンデルワールス力を発生させることができ、かつこのような電荷を保存することができる、材料から作られたあらゆる裏打ち層を示す。静電気的な裏打ち層は、典型的には、均一に分散されていても分散されていなくてもよい、空間電荷を有する表面を含む。裏打ち層の表面の一方の側又は他方の側上に出現する荷電は、該裏打ち層を構成する材料、及び荷電を作るために使用される方法に依存して正又は負であり得る。全ての場合において、裏打ち層の表面上に分布された正電荷又は負電荷は、伝導性又は非伝導性材料上に引力を引き起こし、これにより血液因子、好ましくは第VIII因子を維持することが可能となる。粒子はまた、イオン化されていてもよく、これにより、粒子と裏打ち層の間に同じ種類の静電気的引力が引き起こされ得る。静電気的な裏打ち層をもたらすのに適した材料の例は、ガラス、又はセルロースプラスチック(CA、CP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、特にポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、及びフルオロポリマー(例えばPTFE)を含む群から選択されたポリマーである。前記のリストは、限定するものではない。裏打ち層の裏面は、適用直前に剥がすことのできるラベルで覆われていてもよい。このラベルは、例えば、裏打ち層が少なくとも部分的に半透明である場合に、血液因子、好ましくは第VIII因子を含有する組成物を暗所に保存することを可能とする。
表面と粒子との間の力の強度は、湿気の存在に起因する薄い水のフィルムの存在によって増強又は低下させることができる。一般的に、パッチは乾燥した場所で製造され、保管される。湿気は活性成分が保存されるに十分な低さであろう。最大の接着力を得るために湿気の割合を調節することができる。上記で考察されているように、静電気的な裏打ち層の使用は、血液因子、好ましくは第VIII因子が乾燥形、例えば粒子形である場合に、特に有利である。さらに、粒径は、支持体上に粒子を維持するために、静電気力及び/又はファンデルワールス力の効力を改善するために当業者によって調整され得る。
具体的な実施態様では、パッチは、ポリマー裏打ち層、又は金属裏打ち層、又は金属でコーティングされたポリマー裏打ち層を含み、組成物中に存在する活性物質の粒子は、本質的にファンデルワールス力により裏打ち層上に維持される。好ましくは、ファンデルワールス力によって支持体上に粒子を維持するために、平均的な粒径は、60μmより小さい。別の実施態様では、血液因子、好ましくは第VIII因子は、裏打ち層上への接着コーティングを用いて裏打ち層上に維持される。裏打ち層は、接着材料で完全に覆われていても、又は部分的にしか覆われていなくてもよい。様々な密封性の裏打ち層、例えばアルミニウムでコーティングされたポリエチレン若しくはPETフィルム、又はPE、PVC、若しくはPETフォームなどを、接着層(アクリル、シリコンなど)と共に使用することができる。
本発明に使用するためのパッチデバイスの好ましい例は、国際公開公報第02/071950号又は米国特許第7,635,488号(バイアスキン(登録商標))に開示されている。
他の例が国際公開公報第2009/095591号に開示され、これもパッチデバイスの裏打ち層上に粒子形の物質をローディングする噴霧乾燥プロセスを開示している。エレクトロスプレーデバイスは高電圧を使用して、液体を分散させて微細なエアゾールとする。その後、溶媒に溶解したタンパク質はパッチ裏打ち層上で微粉砕され、そこで溶媒は蒸発し、アレルゲンは粒子形で残る。溶媒は、所望の蒸発時間に応じて、例えば、水又はエタノールであり得る。他の溶媒が当業者によって選択されてもよい。物質をパッチ裏打ち層上に適用するこの種類のプロセスは、ナノサイズで単一粒径の粒子が、裏打ち層上に規則正しく均一に再分配されることを可能とする。この技術は、絶縁ポリマー、ドープポリマー又は伝導層で再度覆われたポリマーを含む裏打ち層を有するパッチなどの、任意の種類のパッチに適応される。好ましくは、裏打ち層は伝導材料を含む。
別の実施態様では、裏打ち層の周辺は、湿気を含んだ皮膚との接触によって接着性ヒドロゲルフィルムを形成することのできる、乾燥した親水性ポリマーで覆われている(国際公開公報第2009/050403号に記載)。この実施態様では、皮膚はパッチの適用前に湿らせなければならない。ヒドロゲルが湿気を含んだ皮膚と接触するようになると、ポリマー粒子は液体を吸着し、接着性となり、これによりパッチが皮膚に適用されると密封チャンバーが作られる。このようなヒドロゲルの例としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマーが挙げられる。
別の特定の実施態様では、活性物質を含む液体組成物は、パッチの支持体上の吸着材料のレザバー中に保持される。該組成物は、アレルゲン溶液、又はアレルゲン分散液、例えばグリセリン中のものからなり得る。吸着材料は、例えば、酢酸セルロースから製造され得る。
裏打ち層は、構成成分の材料に依存して、硬くても柔らかくてもよく、親水性でも親水性でなくてもよく、半透明でも半透明でなくてもよい。ガラスの場合、支持体は、プラスチックシートのガラスへの結合によって破壊に対して抵抗性となり得る。
1つの実施態様では、パッチの裏打ち層は、必ずしもパッチを取り外さなければならないことはなく、炎症反応を直接観察及び制御することを可能とする透明な帯域を含有する。適切な透明材料としては、ポリエチレンフィルム、ポリエステル(ポリエチレン−テレフタラート)フィルム、ポリカーボネート、及びあらゆる透明又は半透明な生物適合性フィルム又は材料が挙げられる。
特定の実施態様では、アレルゲンを有する裏打ち層の部分は、皮膚と直接接触していない。この実施態様では、裏打ち層、裏打ち層の周辺、及び皮膚によって規定されるチャンバーの高さは、0.1mmから1mmの範囲内である。
皮膚パッチデバイスは好ましくは、受動的拡散を通した血液因子の浸透又は接触を可能とする、穿孔を有さないものである。
本発明の方法は典型的には、上記に開示されているように対象に本発明に記載のデバイスを反復適用することを含み、これにより、対象における免疫反応性は次第に低下する。活性物質の具体的な用量、並びに、適用回数及び接触時間は、血友病Aの重症度、対象、血液因子製剤の性質、使用されるパッチデバイスの種類などに依存して、当業者によって適合され得る。
一般的には、該方法は、1週間から数か月又は数年間におよび得る時間をかけて、上記に開示されているようなパッチデバイスを少なくとも3回、5回、10回、15回又はそれ以上適用することを含む。処置は、任意の時点で、例えば一旦、重度の血友病Aが軽度若しくはやや重度の形に低減されたら、又は一旦、出血時間若しくは強度が十分に低減されたら、又は例えばより一般的には一旦、施術者が処置を中止することができると決断したら中止してもよい。
各パッチ上の活性物質の量は典型的には、0.1〜1000μg/cm2(パッチ表面積)の範囲内、好ましくは20〜500μg/cm2(パッチ表面積)の範囲内、より好ましくは20〜200μg/cm2(パッチ表面積)の範囲内である。パッチ表面積は、1cm2〜10cm2の範囲内、好ましくは1cm2〜5cm2の範囲内である。
適用のために、パッチデバイスは皮膚に直接、前処理を全くすることなく、好ましくは身体の毛のない部分上に適用してもよい。あるいは、デバイスの適用前に皮膚を処理して、パッチデバイスとの接触部位において角質層を破壊して毛を除去するか、又は単に皮膚に水分を含ませてもよい。実験章において開示されているように、本発明の方法により、対象の皮膚反応性は次第に減少する。
血友病Aを有する患者を、いくつかの皮膚パッチデバイス(各々が特定の活性物質の組成物を含有する)の皮膚上への適用によって、及び/又はこれらの活性物質の組合せを含むデバイスの適用によって処置し得る。これに関して、特定の実施態様では、それを必要とする患者における血友病Aを処置するために、2つのデバイスを皮膚上経路によって適用し得、1つは完全長のFVIIIアレルゲン組成物を含有し、他方はトランケートされたFVIII組成物を含有している。明確に異なる活性物質を含むいくつかのパッチを使用する場合、それらは同時に又は順次又はその両方で適用してもよい。典型的には、それらは、共通の時間におよび皮膚との接触を可能とする条件下で適用される。
本発明はまた、対象における血友病Aを処置するための組成物の製造における、上記されているような皮膚パッチデバイスの使用に関する。本発明は、任意の哺乳動物被験体、特にヒト対象に使用され得る。
図1である。
以下の実施例は、説明のために示され、限定のためではない。
実施例
1−BドメインレスFVIII(FVIII−HSQ)の調製及び精製
2工程のイオン交換クロマトグラフィー手順を使用して、無血清の馴化培地からHSQを単離する。簡潔に言えば、HSQ含有培地を、0.15M NaCl、20mM HEPES、5mM CaCl、0.01%Tween80(pH7.4)中で平衡化されたHiLoad26/10spセファロースHPにローディングする。HSQを、同じ緩衝液中の0.2〜0.65M NaCl線形勾配を用いて溶出する。FVIIIを含有する画分をプールし、同じ緩衝液中で0.15M NaClまで希釈し、Resource Qタンパク質液体クロマトグラフィーカラムにアプライし、0.2〜1.0M NaCl線形勾配を用いて溶出する。画分を、シスメックスCA−500全自動血液凝固測定装置及びA280での吸光度及び4〜12%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用して、1段階の凝固アッセイによって分析する。ピークのFVIII活性を含有する画分をプールし、20mMトリス、5mM CaCl、0.01%Tween80(pH7.4)に対してアミコンウルトラセル遠心式フィルター(10kDaのカットオフ値)を使用して緩衝液を交換し、0.2μmのシリンジフィルターを使用して濾過する。比活性を、280nmでの吸光度並びに予測されるチロシン、トリプトファン及びシステイン含量から決定されたモル吸光係数を使用して計算する。
2−Bドメインの欠失したFVIII(FVIII−HSQ)又は血漿に由来するFVIII(pd−FVIII)又はFVIII+AhR(アリール炭化水素受容体)リガンドを含有するパッチデバイスの調製
以下に報告した実験に使用されるパッチは、米国特許出願番号第2010/0297213号に開示されたプロセスに従って製造される。
FVIII−SQを、20mMトリス、5mM CaCl、1M NaCl及び0.01%Tween80を含有する緩衝液中に溶出した。FVIII−SQ 25μgを含有する液滴(100μL)を、マイクロピペットを使用することによってバイアスキン(登録商標)パッチにローディングした。
その最初の緩衝液中のFVIII−SQをAhRリガンド(例えばキヌレニン)と混合し、混合物の液滴をマイクロピペットを使用することによってバイアスキン(登録商標)パッチにローディングした。
血漿に由来するFVIII(pd−FVIII)を特定の製剤と併用せずに使用した。FVIII 25μgを含有する液滴をマイクロピペットを使用することによってバイアスキン(登録商標)パッチにローディングした。
FVIII−HSQの溶出緩衝液、すなわち20mMトリス、5mM CaCal、1M NaCl、及び0.01%Tween80を、マイクロピペットを使用することによってバイアスキン(登録商標)パッチにローディング(50μL)した。
全てのパッチに最終的に沈着させた後、これらを30℃で2時間、ファンのアシストするオーブンで乾燥させた。
乾燥期間後、全てのパッチを保護フィルムで覆い、一次包装を以下のように行なった:5枚のパッチをPET/Alu/PEフィルムのポーチに入れ、その後、Nをポーチに添加し、その後、サーモシールを行なった。
3−インビボでの効力
血友病を処置するための皮膚上技術の成否及び効力を、FVIII欠損マウスモデルにおいて評価した。8〜10週令のC57Bl/6バックグラウンドを有する10匹のマウスの4つのグループに、ヒト完全長の組換えFVIII(FVIII−FL)2μgを静脈内に投与する。続いて、マウスを、Bドメインの欠失したFVIII(FVIII−HSQ)(グループII)50μg又は血漿に由来するFVIII(グループIII)50μg、又はFVIII−HSQ+AhRリガンド(グループIV)50μg、又は陰性対照としての空のパッチ(グループI)を含有する実施例2に記載のようなパッチデバイスで処置する。処置は8週間連続して行なう。
4つのグループのマウスを次に、週1回4週間におよび、FVIII−FL 1μgで処置する。血液試料を、FVIII−FL 1μgの4回の注射前の55日目、FVIII−FL 1μgの3回目と4回目の注射の間、及び最後に94日目、すなわち、FVIII−FL 1μgの4回目の注射から7日後に収集する。プロトコールの詳細を図1に示す。
これらの実験の結果は、第VIII因子の皮膚上への適用により、処置群における免疫反応性は低下し、これにより注射された外的な第VIII因子の効果は増強し、これにより血友病Aの改善された処置がもたらされることを示すことを可能とする。
4−抗FVIII体液性免疫応答の評価
抗FVIII体液性免疫応答をELISAによって評価する。抗FVIII IgGの検出のために、ELISAプレート(Nunc、ロスキレ、デンマーク)を組換えFVIII(2μg/ml、FVIII−HSQ)を用いて4℃で一晩かけてコーティングする。プレートをPBS及び1%BSAを用いて遮断する。その後、血清希釈液を37℃で1時間インキュベートする。結合したIgGをセイヨウワサビペルオキシダーゼに結合させたモノクローナル抗マウスIgG(Southern Biotech)及び基質を用いて顕現させる。マウスモノクローナル抗FVIII IgG ESH8(American Diagnostica, Stamford, CT, USA)を標準物質として使用する。結果を、抗FVIII IgG ESH8均等物 1mlあたりのμgとして表現する。
この実験の結果は、抗FVIII体液性免疫応答が処置対象において減少していることを示すことを可能とする。
5−FVIII阻害剤の評価
FVIII阻害剤のレベルを、機能的な凝固アッセイによって評価する。血清を、標準的なヒト血漿(Dade- Behring、マールブルク、ドイツ)と共に37℃で2時間インキュベートする。凝血原FVIIIの残存活性を発色アッセイを用いて製造業者の推奨(Dade-Behring)に従って測定する。血清1mlあたりのベセスダ単位(BU)で表現されるベセスダ力価を、以前に記載されているように計算する。ベセスダ力価は、50%のFVIII残存活性を生じる血清の希釈度の逆数として定義される。
これらの実験の結果は、FVIIIに対する寛容の誘導を確認することを可能とする。

Claims (14)

  1. 必要とする対象における血友病Aを処置する方法に使用するための、第VIII因子を含む皮膚パッチデバイス。
  2. デバイスの適用が、前記対象において第VIII因子に対する免疫寛容を誘導する、請求項1の使用のための皮膚パッチデバイス。
  3. 同時投与又は順次投与することによる必要とする対象における血友病の処置のために使用するための、注射用第VIII血液因子組成物と組み合わせた、第VIII因子を含む皮膚パッチデバイス。
  4. 前記方法が、第VIII因子と皮膚との接触及び第VIII因子の表皮への浸透を可能とする条件下での、対象の皮膚の少なくとも1つの領域へのデバイスの反復適用を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載のその使用のための皮膚パッチデバイス。
  5. 軽度、やや重度、又は重度の形の血友病Aの処置に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項記載の皮膚パッチデバイス。
  6. 第VIII因子が、完全長又はトランケートされた第VIII因子ポリペプチドである、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用のための皮膚パッチデバイス。
  7. 第VIII因子が、Bドメインレス組換え第VIII因子である、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用のための皮膚パッチデバイス。
  8. 第VIII因子が、血漿をベースとしたタンパク質又は組換えタンパク質である、請求項1〜7のいずれか一項記載の使用のための皮膚パッチデバイス。
  9. 第VIII因子が、乾燥形で皮膚パッチデバイス上にある、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用のための皮膚パッチデバイス。
  10. 前記の第VIII因子が、アジュバントの非存在下で適用される、請求項1〜9のいずれか一項記載の使用のための皮膚パッチデバイス。
  11. 第VIII因子と場合により1つ又はいくつかの薬学的に許容される賦形剤又は担体とを含む、皮膚パッチデバイス。
  12. −皮膚パッチ、
    −血液因子、好ましくは第VIII因子、及び
    −場合により1つ又はいくつかの担体
    を含む薬物送達システムであって、皮膚パッチは、個体の皮膚部分に付着し、血液因子、好ましくは第VIII因子を対象の皮膚に針を要することなく送達するように設計されている、前記薬物送達システム。
  13. −第VIII因子を含む皮膚パッチ、及び
    −第VIII因子を含む注射用組成物
    を含むキット。
  14. 必要とする対象において第VIII因子に対する寛容を誘導するに十分な条件下で、第VIII因子と場合により薬学的に許容される担体とを含む皮膚パッチデバイスを、それを必要とする対象の皮膚領域に反復適用することを含む、それを必要とする対象における血友病の処置法。
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