JP2016533818A - 着脱可能な淹出ユニットを備えた食料又は飲料調製マシン - Google Patents

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Abstract

本発明は、流体を加工前原材料と混合することによって流動食品製品又は飲料を調製するための食品又は飲料調製マシン(1)に関する。上記マシンは、流体供給源と、前記流体を、供給源から流体導通パイプを通じて流体送出ポート(9)へと案内するのに適したポンプ手段と、を有する基部(2)と、基部(2)から着脱可能な機能的要素(3)であって、基部の送出ポート(9)へと流体的に連結するための連結手段(6、7、8)を備える、機能的要素(3)と、を備え、上記基部(2)及び上記着脱可能な機能的要素(3)の両方が、協働する磁石式取付手段を有するように、着脱可能な要素と基部とを、吸引する磁気の効果により、着脱可能に連結することができ、その後、上記着脱可能な要素を上記基部に対して回転させることによって、反発する磁気の効果により分離することができることを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、食品調製マシン、より正確には、主要マシン基部から着脱可能な機能的要素を備える飲料調製マシンに関する。
食品調製システムは、食品科学及び消費財の分野において周知である。こうしたシステムにより、消費者は家庭で、所与のタイプの食料、例えば、エスプレッソ又は淹出様コーヒーカップ等のコーヒーベース飲料などの飲料を調製することができる。
以下の説明では、本発明は、その飲料調製システムへの特定の適用に関連して記載される。しかしながら、本発明は、全体的に、例えば、アイスクリーム、粒子(ハーブ、クルトン等)を含むスープ、ゼリー、乳製品(例えば、ヨーグルト、クリームデザート等)などの非飲料物品の調製、又は任意の種類の類似の非液体流動食用製品用のシステムを含む。
今日、ほとんどの家庭用食品及び飲料調製用調製システムは、食品又は飲料の調製用の小分け原材料を収容することができる、いわゆる「淹出チャンバ」又は「淹出ユニット」を有するマシンを備える。いわゆる「淹出ユニット」は、食品又は飲料原材料が配置され得る密閉キャビティを形成するように、組み立てられるよう設計された、いくつかの部品を含む。淹出ユニットは、後に淹出ユニットから消費者へと注出される、対応する食品又は飲料を調製するために、通常、水である、流体などの調製媒体を圧力下で原材料中に注入するための手段を備える。調製流体は、淹出ユニットが接続されている、マシンの流体案内システムから供給される。調製は、淹出ユニット内において大気圧を超える圧力にて実施され、この圧力は、通常、1〜20bar、好ましくは、2〜15bar(相対圧力)を含む。調製は、バラの形態(loose form)の原材料、又はカプセル若しくはポッド内に収容された原材料中に調製流体を通すことにより実施され得る。このため、キャビティ内部の圧力(通常、流体圧力、例えば、水圧)が増加したときに、淹出ユニット自体を開けることなく、キャビティ内部と、大気圧(大気圧にほぼ等しい又は実質的に等しい)との間の圧力差に耐えることができるということが、淹出ユニットに必須の特徴である。
原材料ポーションは、それらが淹出ユニットのキャビティ内に配置される前にあらかじめ投入することができ、軟質ポッド又はパッド又は袋の形態をとり得る。剛性ポッド又はカプセルなどの、半剛性又は剛性ポーションを用いるシステムがますます増加している。以下では、本発明の飲料マシンは、剛性若しくは半剛性カプセル、又はマシンの淹出ユニット内に直接配置される、焙煎して挽いたコーヒー粒子などの、バラの形態の原材料と共に機能する飲料調製マシンとみなされる。
上で述べたように、マシンのいわゆる「淹出ユニット」は、例えば、カプセル内に収容された上記原材料を収容するためのレセプタクル又はキャビティと、流体、好ましくは、水を、圧力下で上記原材料中に、例えば、この原材料を含むカプセルの壁に穴を空けることによって注入するための流体注入システムと、を備える。本発明による、コーヒー飲料の調製のため圧力下で原材料中に注入される水は、高温、すなわち70℃超の温度であることが好ましい。しかしながら、いくつかの特定の例では、周囲温度とされる可能性も、更には冷却される可能性もある。原材料の抽出及び/又は溶解時における淹出ユニット内部の圧力は、通常、溶解製品では約1〜約8bar、焙煎して挽いたコーヒーの抽出では約2〜約12barである。
定義上、淹出ユニットは、原材料中に流体を案内するための手段(例えば、針などの流体注入手段)と、「密閉キャビティ」、すなわち、食品又は飲料調製サイクル全体の間、及び上記原材料が、上記淹出ユニットの注出開口部を通じて消費者に提供される最終食品若しくは飲料として抽出される又は溶解するまで、キャビティを通る流体の影響下で上記原材料が上記キャビティから出ないように、上記淹出ユニット内に原材料を保持するキャビティと、を備える。好ましくは、また、淹出ユニットのいわゆる「密閉」キャビティは、キャビティ内に注入される流体が、当然、消費者へと提供される最終食品又は飲料として以外は、上記淹出ユニットから出ないことを確実とすべきである。
換言すると、「淹出ユニット」は、調製プロセス時及び最終製品が消費者に提供されるまで、原材料(それがバラの場合であっても、カプセル又はポッド内に収容されている場合であっても)を保持し、調製流体を上記原材料中に案内し、かつ調製流体を上記原材料と混合するために必要なすべての機能的要素を備える。すべてのステップにおいて、
−流体が、その入口点からキャビティ内に入り、原材料中を通過し、キャビティの飲料注出開口部に向かってのみ流れ得るように、及び、
−原材料がカプセル又はポッド内に収容される場合、淹出ユニットが、上記カプセル又はポッドを、その中における流体圧力の増加により上記カプセル又はポッドの壁が破損しないようにするために密閉するように、淹出ユニットは、そのキャビティの内部と外部との間の圧力差に耐える。
今日知られている食品及び飲料調製システムでは、飲料調製マシンはモジュール式とすることができ、かつ消費者がマシンのいずれかの機能的要素をその必要に応じて適応させる可能性を提供するために、マシンの機能的要素は主要マシン本体から取り外すことができる。例えば、淹出ユニットを飲料マシン基部から取り外すことが可能であるため、清掃がより簡単になる(淹出ユニットは、通常、原材料又は飲料に接しているマシンの機能的部分であるため、定期的な保守及び清掃が必要となる可能性がより高くなる)。
他の例では、着脱可能な、マシンの機能的要素は、カップなどの供給用容器とされ得る。この場合、カップは、流体がマシンからカップへと、上記カップの底部から直接注出され得るように、主要マシン基部に連結され得る。より正確には、カップ底部部分は、主要マシン基部との流体連結を密封状態で設けるための流体バルブ手段を備える。カップがマシンに連結されると、使用者は淹出サイクルを開始することができ、マシン主要基部内で、例えば、コーヒーなどの飲料が生成され、その後、押し出され、流体バルブ手段を通過して、上記カップの下から(カップの充填は下から行われる)カップに充填される。カップが充填されると、消費者は、カップを主要マシン基部から取り外し、それを、飲むための通常のカップとして使用することができる。このような形態は非常に訴求性がある。
更に別の例では、着脱可能な機能的要素は、密封流体連通ポートを介して主要マシン基部に差し込まれる/主要マシン基部から引き抜かれる必要がある水貯蔵部とされ得る。
今日知られているすべての例では、飲料調製マシンが、着脱可能な機能的要素(すなわち、原材料から、最終製品の供給用容器への注出までマシンが正確に機能するよう案内する必要がある要素)を備える場合、上記マシンは、主要マシン基部に機能的要素を取り付けるため、及び主要マシン基部から機能的要素を取り外すための複雑な手段を備える。例えば、そのような手段は、カム、レバー、フック、ロック及び他の類似の機械的手段を含み得る。このような手段は複雑なため、製造に費用がかかり、また、それらは、係止解除、ねじをゆるめる等のためにいくつかの取り扱いステップを必要とするため、消費者にとっては使用が幾分複雑となる。最後に忘れてはならないのが、それらの複雑な構造は簡単な保守及び清掃の妨げとなり、それらのいくつかは、特定の時間が経過すると、機械部品の摩耗により破損する場合がある。これは、当然、消費者にとって望ましいものではない。
したがって、周知のシステムの欠点を排除する、少なくとも1つの着脱可能な機能的要素を備える流動食品又は飲料調製マシンに対する需要がある。
上に記載した目的は、流体を加工前原材料と混合することによって流動食品製品又は飲料を調製するための食品又は飲料調製マシンによって達成され、上記マシンは、
−流体供給源と、前記流体を、供給源から流体導通パイプを通じて流体送出ポートへと案内するのに適したポンプ手段と、を有する、基部と、
−基部から着脱可能であり、基部の送出ポートへと流体的に連結するための連結手段を含む、機能的要素と、からなる、食品又は飲料調整マシンにおいて、
前記基部及び前記着脱可能な機能的要素の両方が、協働する磁石式解除可能な取付手段を有し、協働する磁石式解除可能な取付手段が、
(i)着脱可能な機能的要素又は基部に取り付けられた少なくとも1つの第1の永久磁石要素であり、前記第1の磁石要素が、また連結手段と、流体送出ポートを含む壁面に配置されている、少なくとも1つの第1の永久磁石要素と、
(ii)基部に取り付けられた、又は着脱可能な機能的要素に取り付けられる少なくとも2つの第2の磁石要素であり、前記対応する磁石要素が、また流体連結ポートと、各連結手段と、第1の磁石要素の極性とは永久的に逆の極性を有する前記第2の磁石要素の1つとを含む壁面に配置されている、少なくとも2つの第2の磁石要素とを備え、もって、
−着脱可能な要素が基部に流体的かつ機能的に連結されるとき、マシンの基部と着脱可能な要素との間に機能的な連結を維持するために、整列する着脱可能な要素の磁石要素と基部の磁石要素とが磁気的に吸引されるように逆の極性を有し、その後、
−着脱可能な要素を基部に対して回転させる(又はそうでなければ枢動させる)ことによって、前記着脱可能な要素が基部から外側に反発し、双方が結果として互いから分離されるように、前記着脱可能な要素の磁石要素と基部の磁石要素とを、2つの整列した磁石要素が同じ極性を有する新たな整列へと導かれるようになっている、ことを特徴とする。
「整列」とは、2つの磁石要素を、互いに十分に近傍へと接近させることを意味し、これによりそれら各々の磁場を大きく相互作用させ、すなわち、この2つの間を、
−マシンの2つの要素を互いに付着したままにする(これら要素の重さにかかわらず)、又は
−マシンの2つの要素間に、両要素を互いに分離することを可能にする反発効果を生成する、のいずれかを可能にする力を生成する。
本発明の分野において重要なことに、磁石要素は永久磁石であることが好ましいが、例えば、鉄系材料などの誘起極性を有する磁石要素、又は磁場の影響を受けると磁石になる任意の他の適切な磁性材料とすることもできる。
簡略化のため、本明細書の残りの部分では、磁石要素は永久磁石とみなされる。
このような構成により、着脱可能な機能的要素とマシン基部とは、それら磁石の各列が吸引されるように、それらを近づけることによって互いに連結される。磁気吸引は、マシンにおいて淹出サイクルが実施されている間であっても、すなわち、圧力下の流体が基部から着脱可能な要素へと案内されているときであっても、上記基部と上記着脱可能な要素とが付着するほど十分に強い。更に、また、枢動点として使用される、2つの間の流体連結部を中心として上記着脱可能な要素を基部から回転させる、又は同様に「ひねる」ことによって、着脱可能な要素の基部からの取り外しが非常に簡単かつ容易となる。着脱可能な要素を基部に対して回転させることによって、上記着脱可能な要素の磁石は同じ極性を有する基部の磁石と整列し、その結果、上記着脱可能な要素が基部から外側に反発し、着脱可能な要素及び基部の双方が結果として互いから分離される。
換言すると、着脱可能な要素は、逆の極性を有するそれら各々の磁石を整列させ、それによって、上記整列した磁石間の磁気吸引効果を使用することによって、基部に機能的に連結され、その後、上記着脱可能な要素と上記マシン基部とは、同じ極性を有するそれら各々の磁石を整列させ、磁気反発効果を生じさせることによって分離される。
有利には、上記着脱可能な機能的要素は、上記流体を上記原材料と混合するのに適するとされ得る及び/又は食品若しくは飲料を供給用容器に注出するのに適するとされ得る。
本発明の第1の可能な実施形態では、上記着脱可能な機能的要素は、流体注入手段と、上記原材料を封入するための密閉キャビティを形成するように組み立てることができる少なくとも2つのキャビティ部分と、を備える、着脱可能な淹出ユニットであり、上記淹出ユニットが、上記原材料との混合のために上記原材料中に圧力下で流体を注入することができるようになっている。
本発明の第2の可能な実施形態においては、上記着脱可能な機能的要素は飲料カップであり、上記カップの連結手段は、上記カップがマシン基部に流体的に連結されたときに開くことができ、かつ上記カップが上記基部から取り外されたときに密封状態で閉じることができる一体型バルブ手段を有する。
基部の磁石及び着脱可能な機能的要素の磁石は、それぞれ、上記基部と上記着脱可能な要素との間の流体連結部を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されていることが好ましい。
本発明の非常に適した実施形態では、協働する磁石式取付手段が、
(i)マシン基部の壁にある、3つの磁石の2つの列であって、2つの列が、基部と着脱可能な要素との間の流体送出ポートを基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの磁石の2つの列と、
(ii)着脱可能な機能的要素の壁にある、3つの磁石の2つの対応する列であって、2つの列が、基部と上記着脱可能な要素との間の流体連結手段を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの磁石の2つの対応する列と、を備え、もって、
機能的要素が基部に流体的かつ機能的に連結されるとき、基部の各磁石が着脱可能な機能的要素の対応する磁石と整列し、各列の磁石が逆の極性を有するようになっている。
本発明の好ましい実施形態では、マシン基部と着脱可能な機能的要素との間の連結が、前記基部又は前記着脱可能な要素から突出する円筒状チャネル型突出部の、着脱可能な要素の対応する円筒状凹状チャネル型ポートへの、又はそれぞれ、基部の対応する円筒状凹状チャネル型ポートへの挿入によって実施され、これにより、マシン基部と前記着脱可能な機械的要素が密封状態で係合し得、更に前記連結を中心に回転し得る。
このようにして、磁石が互いに反転されるなど、マシン基部と、着脱可能な機能的要素(例えば、着脱可能な淹出ユニット)とが磁石の補助と共に互いに付着し、これにより、
−磁石が整列されたときの迅速な連結(カプセルホルダの自然な導入)、及び
−磁石が整列していないときの、ロック位置(自然な位置)への迅速な再案内、及び
−固有のロック角度位置(すべての磁石が逆の極性を有する対で整列しているとき)、及び
−同じ極性を有する磁石を整列させるために、カプセルホルダが、そのロック位置から、連結部の長手方向の軸線を中心として回転するときの迅速な解放が可能になる。
好ましくは、原材料は、袋、軟質パッド、ポッド、又は剛性若しくは半剛性カプセルなどの小分け容器に収容されている。
有利には、着脱可能な機能的要素は、上記キャビティ及び/又は上記原材料中の流体圧力が大気圧を超えた場合に、キャビティ部分が分解するのを防止するのに適したロック手段を備える淹出ユニット(3)である。
また、好ましくは、流体供給源は、流体貯蔵部、又は上記流体を外部流体供給源から引き込むことができる引込手段である。
マシン基部は、上記流体を加熱及び/又は冷却するのに適した要素を更に備えることが好ましい。
着脱可能な淹出ユニットは、マシン主要基部及び着脱可能な要素に対し、この2つの間を流れる流体の特定の圧力レベルに耐えるようにロックされるよう設計されている。好ましくは、このような圧力レベルは、0.1〜30bar、好ましくは、1〜20bar(大気圧に対する相対圧力)を含む。
カプセルホルダの表面は、高レベルの力(20bar × カプセル膜の表面)を支持するようになっている。
マシンとカプセルホルダとの間の連結部は、作用力(20bar × 連結部の表面)の一画分のみを支持するようになっている。例えば、
連結部表面:D=3mm(セクションS=7mm
最大流体圧力=20bar
→マシン基部と着脱可能な機能的要素(例えば、着脱可能な淹出ユニット)との間の流体連結部に作用する最大力F:F=1.4kg。
最後に忘れてはならないのが、本発明の一般原理は、組み立てられる2つの要素(マシン基部及び着脱可能な機能的要素)の表面の磁石が、「ポカヨケ」(「フールプルーフ」)機構を形成するように配置されるというものである。ポカヨケ(日本語の用語に基づく)は、製品又はデバイスの使用中に操作者がミス(「ポカ」)を避ける(「よける」)ようにする、製品又はデバイス内の任意の機構である。その目的は、特に、人的エラーが生じた際に、デバイスの構造の制約によって、人的エラーを防止する、修正する、又はこれに注意を向けさせることにより、製品の欠陥をなくすことである。
本明細書の場合においては、磁石の位置は、基部及び着脱可能な要素の磁石の吸引力により、着脱可能な要素が基部に対し適切な位置に自動的にセットされ、2つの間に適切な連結が実現されるというようなものである。
本発明の更なる特徴及び利点については、以下、図面を参照して説明する本発明の適した実施形態の説明に記載されるとともに、この適した実施形態から明らかとなろう。
着脱可能な淹出ユニットを主要マシン基部から取り外した、本発明によるマシンの斜視図である。 着脱可能な淹出ユニットが主要マシン基部に取り付けられた、図1に類似する図である。 開位置にあり、飲料カプセルが中に導入されている着脱可能な淹出ユニットの概略図である。 図1に類似する斜視底面図である。 着脱可能な淹出ユニットが閉位置にあるときの、図3に類似する図である。 本発明の別の実施形態の、図4に類似する図である。 本発明の別の実施形態の、図5に類似する図である。
以下では、着脱可能な機能的要素が、飲料調製マシン基部へと連結するための淹出ユニットである、本発明の例示的実施形態を記載する。本発明によれば、上記基部に淹出ユニットを連結すると、完全な、機能的な飲料調製マシンとなる。
図1に示されるように、飲料調製マシン1は、主要マシン基部2と、着脱可能な淹出ユニット3と、原材料カプセル(図1に不図示)と、を備える。カプセルは、例えば、熱可塑性プラスチック、金属、紙又はこれらの組み合わせで作製された密閉カプセルである。
密閉カプセルの内容物を圧力下で抽出及び/又は溶解する一般原理は周知であり、一般に、マシンの淹出キャビティ内にカプセルを挿入することと、物質の抽出又は物質の溶解のいずれかのためにカプセル内部に加圧環境を形成するため、一般に、マシンの淹出ユニットに対応する流体注入針などの突刺注入要素でカプセルの面に穴を開けた後、一定量の加圧水をカプセル内に注入することと、その後、カプセル内の抽出物質又は溶解物質を放出することと、を含む。流体がカプセル区画に注入されると、圧力が生じ、この圧力は、カプセル内部に含まれる原材料の抽出及び/又は溶解のための抽出手段として機能する。こうした原材料は、例えば、焙煎して挽いたコーヒーの層であってもよい。焙煎して挽いたコーヒーの代わりに又は併せて、原材料は、例えば、飲料プレミックス(beverage premixes)などの可溶性原材料を含み得る。この原理の適用を可能にするカプセルについては、例えば、欧州特許第1472156B1号及び同第1784344B1号に記載されている。「加圧」水とは、マシンの貯蔵部から、すなわち、周囲圧力(ほぼ大気圧に等しい)を超える圧力で押し出される水(又は同等の抽出流体)を意味する。焙煎して挽いたコーヒーの抽出、可溶性原材料(コーヒー、茶、チョコレート等)の溶解、又は茶葉などの浸出可能材料の浸出などの飲料調製では、機能的な圧力は、一般に、1〜20bar(大気圧に対する相対圧力)、好ましくは、2〜15barを含む。
マシン基部2は、カプセル内に収容された原材料(単数及び複数)を圧力下で溶解する及び/又は浸出する及び/又は抽出するために使用される流体を貯蔵するための流体貯蔵部(不図示)(ほとんどの場合、この流体は水である)を備える。貯蔵部は着脱可能であり、図1に示すように、マシン主要基部に組み込まれた貯蔵部ポート4に差し込むことができる。
マシン基部2は、マシン内で使用される水を使用温度(一般的には最大80〜90℃の温度)まで温めることができるボイラ又は熱交換器(図1に不図示)などの加熱要素を含む。最終的に、マシンは、任意選択的に加熱要素だが(though the heating element)水をタンクからカプセルへと流通させるためのポンプ要素を含む。例えば、マシン内で水を流通させる方法は、例えば、欧州特許第2162653B1号に記載されている種類の蠕動バルブなどの選択バルブ手段を通じて選択される(selected via a selecting valve means)。
マシン基部2は、貯蔵部から、淹出ユニット及びその中に収容された原材料へと流体を案内するための流体導通パイプを備える。流体導通パイプは、淹出ユニット3の対応する連結手段により、淹出ユニット3を基部2に着脱可能に組み付けるように機能する連結手段を備える。
基部2と淹出ユニット3との間の連結は密封流体連結(leaktight fluid connection)である。この連結には、データ接続も含み得る。基部2と淹出ユニット3との間のデータ接続は、この2つの間の接触によって(例えば、電気接触によって)実施され得るか、あるいは、この接続は、非接触(例えば、WIFI、RFID、GSM(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又は同等の非接触データ転送規格)とされ得る。マシン基部2と淹出ユニット3との間における非接触接続の利点は、この2つの間のデータ転送がシステムの物理的要素の清浄度によって影響を受けないことである。つまり、飲料システムの要素のいくつかのうち1つが汚れている(例えば、マシン基部又は淹出ユニットのいくつかの部品上への、液体、水、原材料又は製品の漏れ)場合、この2つの間におけるデータ転送の品質が低下せず、データ転送の停止もない。
マシン基部2は、前記基部2と着脱可能な淹出ユニット3との間の連結手段が、図1に示されるように、好ましくは、マシンの前側において、消費者が容易にアクセス可能となるように構成される。マシン基部2は、様々なカップサイズに高さを適応させることができるように移動可能であることが好ましいカップホルダ5を更に含む。図1又は図2に示すように、カップホルダ5は淹出ユニット3の下に配置される。
淹出ユニット3の連結手段は、好ましくは、淹出ユニットの頂面から垂直方向に延びる円筒状突出部6を備える。円筒状突出部6は、突出部6の先端側縁端7の上面から淹出ユニット3のキャビティ内へと延び、したがって、淹出ユニットが基部2に機能的に連結されているとき、飲料調製流体を、マシン基部2から淹出ユニットの内部に向かって導くことができる中心チャネル8を含む。
淹出ユニットの円筒状連結突出部6は、図4に示される、マシン基部の対応する流体送出ポート9との結合用である。上記ポート9は、貯蔵部内に収容された流体を、マシン基部2を通じ、淹出ユニットの方へと案内する流体案内チャネルシステムの先端部である。流体送出ポート9の内径は、淹出ユニットがマシン基部に機能的に連結されると、連結突出部6が、密封されてはいるが着脱可能な状態で上記ポートに嵌合するような程度のものである。
図3に示されるように、淹出ユニットは、カプセルC内に収容された上記原材料を封入するための密閉キャビティを形成するように組み立てることができる2つの部品を備えており、上記淹出ユニットが上記原材料との混合のために上記原材料中に圧力下で流体を注入することができるようになっている。より正確には、図3に示される実施形態においては、淹出ユニット3は、上部キャビティ部分10及び下部キャビティ部分11を備える。キャビティ部分10及びキャビティ部分11は両方とも、枢動ヒンジ12により互いにヒンジ式に取り付けられている。下部キャビティ部分11は、淹出ユニットの取り扱いのための、特に、マシン基部2への挿入及びマシン基部2からの取り出しを容易にするための、ハンドル13を備える。淹出ユニットの連結手段、すなわち、突出部6及び先端部7は、上部キャビティ部分10の一部であり、より具体的には、突出部6は、前記上部部分10の上面から上向きに延びる。
図3に示すように、淹出ユニット3は、カプセル用のレセプタクル又はキャビティ14と、先端側領域に1つ又は複数の液体注入口を含む中空針の形態にて作製された穿孔及び注入針15と、を含む。針は、一方ではカプセルの頂部を開き、他方ではカプセルへの水注入チャネルを形成するという二重の機能を有する。より正確には、図3は、その開構成にある、すなわち、枢動ヒンジ12を枢動させることによって、その下部キャビティ部分11と上部キャビティ部分10とが互いに分解されたときの淹出ユニットを示す。「分解される」とは、図3に示されるように、下部キャビティ部分と上部キャビティ部分とが互いに部分的に分割されていることを意味する。この淹出ユニット3の開構成では、原材料、又は図3に示されるような原材料カプセルCが淹出ユニットキャビティ内部に挿入され得るか、あるいは、使用後、そこから取り出され得る。カプセルは、カプセル14の上部縁端16がキャビティ14を取り囲むフランジ上に載るように、下部淹出部分11の相補的な中空のカップ形状のキャビティ14内に挿入される。針15は、流体をその中に注入するために、カプセルCの上部膜などの薄膜材料に穴を開けることができる。
淹出ユニット3が閉じているとき、カプセルCは、上部キャビティ部分と下部キャビティ部分との間に挟まれているため、この領域において密封が実施され、水は、針19からカプセルへと流通し、カプセルと淹出ユニットとの間又は淹出ユニットの外側のスペースから出ることはできない。すなわち、水流が針15から、飲料を生成するカプセルCの内部へと強制的に送られ、その後、カプセルの注出側に向かって、及び淹出ユニットの注出開口部16全体にわたり強制的に送られる。
淹出ユニットは、上記キャビティ及び/又は上記原材料中の流体圧力が大気圧を超えた場合に、キャビティ部分が分解するのを防止するためのロック手段を備えることが好ましい。
本発明の原理によれば、マシン基部2及び着脱可能な淹出ユニット3の両方は、この2つの間に着脱可能なアセンブリを形成し、かつマシンが飲料の淹出のために機能的に調整されている場合における、この2つの間のアセンブリ及び流体連結を確実とする、協働する磁石式取付手段を有する。
図4及び図5に示される本発明の第1の実施形態では、協働する磁石式取付手段は、
(i)マシン基部の上壁面にある、3つの磁石18の2つの列17であって、2つの列が、図4に示されるように、マシン基部2と着脱可能な淹出ユニット3との間の流体送出ポート9を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの磁石18の2つの列17と、
(ii)着脱可能な淹出ユニット3の壁にある、3つの磁石20の2つの対応する列19であって、2つの列19が、図5に示されるように、マシン基部2と上記着脱可能な淹出ユニット3との間の流体連結突出部6を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの磁石20の2つの対応する列19と、を備える。
動作時、双方がともに流体的かつ機能的に連結されると、マシン基部2の各磁石18は着脱可能な淹出ユニット3の対応する磁石20と整列する。連結された構成では、各列内の対応する磁石は逆の極性を有するため、互いに吸引し合い、マシン基部と着脱可能な淹出ユニットとが、密封及び流体連結されたアセンブリにて互いに固定されたままとされる。
着脱可能な淹出ユニット3をマシン主要基部2から解放するため、使用者は、流体連結によって作られた枢動点を中心に上記淹出ユニットを回転させる。これを行うことにより、淹出ユニットの磁石20が、同じ極性を有するマシン基部の磁石18に磁気接触するまで、連結突出部6は基部2の流体送出ポート9内部で回転する。同じ極性の磁石が整列し始めると、磁気反発力により、基部2と淹出ユニット3とが分離する傾向にあり、取り外しが容易に実施される。
本発明によるシステムは、理解が簡単なため、同じ飲料調製マシンの機能的な部品間における非常に取り扱いが簡単でかつ安全な流体連結を提供し、マシンの2つの機能的要素間の流体連結を確実とするために同じ磁石が使用され、同時に、2つの要素を容易に分離するために同じ磁石の少なくともいくつかが使用される。淹出ユニットを基部から容易に分離するための唯一の手法は、淹出ユニットを、流体連結を中心に回転させることによるものである。
図6及び図7に示される本発明の第2の実施形態においては、飲料マシンの機能的な原理は第1の実施形態のものと類似するが、磁石の数が異なる。この第2の実施形態は、主要マシン基部2が、図6に示すように、着脱可能な淹出ユニットの、わずか1つの対応する磁石20(図7に示される)と共に、磁気吸引及び反発のために用いられるわずか2つの磁石18を備える、本発明の「より軽量」かつより安価なバージョンである。淹出ユニット3を基部2に取り付けるためには、淹出ユニットの磁石20を、逆の極性を有する基部2の磁石18と磁気接触させる。その後、淹出ユニットを基部2から取り外すために、使用者は上記淹出ユニット3を回転させて、磁石20を、同じ極性を有するマシン基部の磁石18と磁気接触させる。
本明細書中に記載される、本適した実施形態に対する種々の変更及び修正は当業者には明らかであると理解すべきである。このような変更及び修正は本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、かつその付随する利点を減じることなく施すことができる。したがって、このような変更及び修正は添付の請求項によって包含されるものとする。

Claims (12)

  1. 流体を加工前原材料と混合することによって、流動食品製品又は飲料を調製するための食品又は飲料調製マシン(1)であって、
    流体供給源と、前記供給源から流体導通パイプを通じて流体送出ポート(9)へと前記流体を案内するのに適したポンプ手段とを有する基部(2)と、
    前記基部の前記送出ポート(9)へと流体的に連結するための連結手段(6、7、8)を備える、前記基部(2)から着脱可能な機能的要素(3)と、から成る、食品又は飲料調製マシン(1)において、
    前記基部(2)及び前記着脱可能な機能的要素(3)の両方が、着脱可能な協働する磁石式取付手段を有し、前記協働する磁石式取付手段が、
    (i)前記着脱可能な機能的要素(3)又は前記基部(2)に取り付けられた少なくとも1つの第1の永久磁石要素であり、前記第1の磁石要素が、また前記連結手段(6、7、8)を含む壁面、又は前記流体送出ポート(9)に配置されている、少なくとも1つの第1の永久磁石要素と、
    (ii)前記基部(2)に取り付けられた、又は前記着脱可能な機能的要素(3)に取り付けられた少なくとも2つの第2の磁石要素(18、20)であり、前記対応する磁石要素が、また前記流体連結ポート(9)を含む壁面、又は前記連結手段(6、7、8)に配置されており、前記第2の磁石要素の1つが前記第1の磁石要素の極性とは永久的に逆の極性を有する、少なくとも2つの第2の磁石要素(18,20)とを備え、もって、
    −前記着脱可能な要素(3)が前記基部(2)に流体的かつ機能的に連結されるとき、整列する前記着脱可能な要素の磁石要素と前記基部の磁石要素とが、磁気的に引き合うように逆の極性を有し、その後、
    −前記着脱可能な要素を前記基部に対して回転させることによって、前記着脱可能な要素が前記基部から外側に反発し、双方が結果として互いに分離されるように、前記着脱可能な要素の磁石要素と前記基部の磁石要素とが、2つの整列した磁石要素が同じ極性を有する新たな整列へと導かれるようになっていることを特徴とする、食品又は飲料調製マシン(1)。
  2. 前記磁石要素は、永久磁石(18、20)である、請求項1に記載のマシン(1)。
  3. 前記着脱可能な機能的要素(3)が、前記流体を前記原材料と混合するのに適しており、及び/又は前記食品若しくは飲料を供給容器に注出するのに適している、請求項1又は2に記載のマシン(1)。
  4. 前記着脱可能な機能的要素(3)が、流体注入手段(15)と、前記原材料を封入するための密閉キャビティ(14)を形成するように組み立てることができる少なくとも2つのキャビティ部分(10、11)とから成る、着脱可能な淹出ユニットであり、もって、前記淹出ユニット(3)が、前記原材料との混合のために前記原材料内に圧力下で流体を注入することができるようになっている、請求項3に記載のマシン(1)。
  5. 前記着脱可能な機能的要素(3)が飲料カップであり、前記カップの前記連結手段が、前記カップが前記マシン基部に流体連結されたときに開くことができ、前記カップが前記基部から取り外されたときに密封状態で閉じることができる、一体化バルブ手段を有する、請求項3に記載のマシン(1)。
  6. 前記マシン基部(2)の前記磁石要素(18)と前記着脱可能な機能的要素(3)の前記磁石要素(20)とがそれぞれ、前記基部と前記着脱可能な要素との間の前記流体連結部を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  7. 前記協働する磁石式取付手段が、
    (i)前記マシン基部(2)の壁にある、3つの永久磁石(18)の2つの列(17)であり、前記2つの列(17)が、前記基部と前記着脱可能な要素との間の前記流体送出ポート(9)を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの永久磁石(18)の2つの列(17)と、
    (ii)前記着脱可能な機能的要素(3)の壁にある、3つの永久磁石(20)の2つの対応する列(19)であり、前記2つの列(20)が、前記基部と前記着脱可能な要素との間の前記流体連結突出部(6)を基準として、直径の方向に対向する位置に配置されている、3つの永久磁石(20)の2つの対応する列(19)と、を備え、
    もって、前記機能的要素が前記基部に流体的かつ機能的に連結され、各列の磁石(18、20)が逆の極性を有する場合、前記基部(2)の各磁石(18)が前記着脱可能な機能的要素(3)の対応する磁石(20)と整列するようになっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  8. 前記マシン基部(2)と前記着脱可能な機能的要素(3)との間の前記連結が、前記基部及び前記着脱可能な要素が前記連結を中心に回転することができるように、前記基部又は前記着脱可能な要素から突出する円筒状チャネルの、前記着脱可能な要素の対応する円筒状凹状チャネル、又は前記基部の対応する円筒状凹状チャネルへの挿入によって実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  9. 前記原材料が、袋、軟質パッド、ポッド、又は剛性若しくは半剛性カプセル(C)などの小分け容器内に収容されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  10. 前記着脱可能な機能的要素が、前記キャビティ及び/又は前記原材料中の流体圧力が大気圧を超えたときに前記キャビティ部分(10、11)が分解することを防止するのに適したロック手段を備える、淹出ユニット(3)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  11. 前記流体供給源が、流体貯蔵部であるか、又は前記流体を外部流体供給源から引き込むことができる引込手段である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のマシン(1)。
  12. 前記マシン基部(2)が、前記流体を加熱及び/又は冷却するのに適した要素を更に備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のマシン(1)。
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