JP2016533707A - 芳香性アルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

セスキテルペンと、モノオキシゲナーゼ活性を有するP450ポリペプチドとを接触させることを含むセスキテルペンアルコールの製造のための方法および組成物。

Description

分野
当該分野は、シトクロムP450に関連し、セスキテルペンアルコールの製造に使用する。
背景
テルペン類炭化水素、例えばα−サンタレンおよびβ−サンタレンは、生化学的方法を介して、例えば遺伝的改変された細胞を通じて製造されている。これらのテルペン類および該テルペン類から誘導されるアルコールは、ビャクダン油の主成分であるとともに、前記アルコールは重要な香料成分であって、一般的にサンタルム属種(例えばビャクダン)の心材の蒸留を通じて工業的に得られる。そのようなアルコール類の例には、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトールおよびエピ−β−サンタロールが含まれる。テルペン炭化水素類の生成のために、遺伝子操作された細胞を含んだ新たな生化学的経路が開発されているが、それらのサンタレンから誘導されるアルコールを生成および製造する生化学的経路を見出すことが望まれる。更に、そのようなアルコールを生成するのみならず、生化学的経路を介して、当該アルコールのシス異性体、例えばイソ−α−シネンソール、イソ−β−シネンソール、(Z)−α−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(Z)−α−トランス−ベルガモトールおよび(Z)−エピ−β−サンタロールを選択的に製造することも望まれる。
シトクロムP450は、オキシダーゼ酵素の一つのファミリーに相当する。P450は、一般にモノオキシゲナーゼ反応を触媒する。シトクロムP450酵素は、アミノ酸配列ホモロジーに基づいて複数のファミリーとサブファミリーへと分類される。同じサブファミリーのメンバーは、55%を超えるアミノ酸配列同一性を共有し、通常は同様の酵素活性(基質および/または産物の選択性)を有する。CYP71AV1(NCBIアクセッション番号ABB82944.1、配列番号51および配列番号52)ならびにCYP71AV8(NCBIアクセッション番号ADM86719.1、配列番号1および配列番号2)は、CYP71AVサブファミリーの2つのメンバーであり、78%の配列同一性を共有する。CYP71AV1は、以前よりアモルファジエンを酸化することが明らかになっている(Teohら,FEBS letters 580(2006)1411−1416)。CYP71AV8は、以前より(+)−バレンセン、ゲルマクレンAおよびアモルファジエンを酸化することが明らかになっている(Cankarら,FEBS Lett.585(1),178−182(2011))。
操作された細胞を使用した方法は、ジテルペンまたはセスキテルペンの産生を触媒するために複数のテルペン合成酵素を使用することが報告されている。それらのジテルペンまたはセスキテルペンを、更にシトクロムP450ポリペプチドを使用して処理することで、前記細胞によって産生されたジテルペンまたはセスキテルペンのヒドロキシル化、酸化、脱メチル化またはメチル化が触媒される。
概要
本明細書において提供されるのは、セスキテルペンアルコールの製造方法であって、
i)式I:
Figure 2016533707
[式中、Rは、9個の炭素から構成される飽和の、一価不飽和の、または多価不飽和の脂肪族基であるとともに、Rは、分枝鎖であってよく、または1つ以上の非芳香族環から構成されていてよい]のテルペンと、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%または少なくとも約45%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることと、
ii)任意に、前記アルコールを単離することと、
を含む前記製造方法である。
本明細書において更に提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオール(lancelol)および/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンの製造方法であって、
i)α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%または少なくとも約45%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させて、前記アルコールを産生させることと、
ii)任意に、前記アルコールを単離することと、
を含む前記製造方法である。
また、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させ、その際、産生されるセスキテルペンアルコールは、少なくとも36%または少なくとも約36%のシス異性体を含む前記製造方法である。
本明細書において更に提供されるのは、モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%、98%もしくはそれより高い同一性を有するか、または前記アミノ酸配列に対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%もしくはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチドである。
本明細書において更に提供されるのは、モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%、98%もしくはそれより高い同一性を有するか、または前記アミノ酸配列に対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%もしくはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチドである。
また、本明細書において提供されるのは、モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチドである。
本明細書において更に提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロールおよびランセオールからなる群から選択されるセスキテルペンアルコールまたはそれらの混合物の製造方法であって、
i)モノオキシゲナーゼ活性を有するP450ポリペプチドを産生するのに適した条件下で細胞を培養し、
その際、前記細胞は、
a)非環式ピロホスフェートであるテルペン前駆体を産生し、
b)P450レダクターゼを発現し、
c)α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンの合成酵素活性を有するポリペプチドを発現するとともに、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンを産生し、かつ
d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%または少なくとも約45%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現し、
ii)任意に、前記細胞から前記アルコールを単離する、前記製造方法である。
種々のCYP71AV8変異体のN末端領域のアミノ酸配列アライメント。 種々のCYP71AV8変異体のDNA配列のアライメント。コードされるアミノ酸配列が、各々の配列の下に一文字表記を用いて示されている。 CYP71AV8およびCPRmタンパク質を発現するE.コリ(E.coli)細胞によるセスキテルペン類の変換のGCMS分析。(A)(+)−α−サンタレンの生体内変換、(B)(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン混合物の生体内変換。 P450とCPRのcDNAを含む合成バイシストロン性オペロンの編成。 P450とCPRのcDNAから構成される種々のバイシストロン性オペロンで形質転換されたE.コリ細胞による(+)−α−サンタレンおよびα/β−サンタレン混合物の生体内変換の比較。(1)CYP71AV8−65188およびaaCPR、(2)CYP71AV8−P2およびaaCPR、(3)CYP71AV8−P2OおよびaaCPR、(4)CYP71AV8−65188およびCPRm、(5)CYP71AV8−P2およびCPRm、(6)CYP71AV8−P2OおよびCPRm。 CYP71AV8、CPRm、α−サンタレン合成酵素(A)またはα−サンタレン/β−サンタレン合成酵素(B)およびメバロン酸経路酵素を発現するE.コリ細胞によって産生されるセスキテルペン分子のGCMS分析。(1)(+)−α−サンタレン、(2)(−)−α−トランス−ベルガモテン、(3)(+)−エピ−β−サンタレン、(4)(−)−β−サンタレン。 CYP71AV8野生型(A)および突然変異体L−358(B)による(+)−α−サンタレンの酸化。CPRm、ClASS、メバロン酸経路酵素およびCYP71AV8(A)またはCYP71AV8−L358F(B)を発現するE.コリ細胞KRXによって生成されるセスキテルペン産物のGC−MSプロファイル。培養は、炭素源として3%グリセロールを含有するTB培地中で実施した。α−サンタレン(1)、(E)−α−サンタラール(2)、(Z)−α−サンタロール(4)、および(E)−α−サンタロール(3)として、種々の産物が同定された。 CPRm、SaSAS、メバロン酸経路酵素およびCYP71AV8−L358Fを発現するE.コリ細胞KRXによって生成されるセスキテルペン産物のGC−MSプロファイル。培養は、炭素源として3%グリセロールを含有するTB培地中で実施した。種々の産物がそれらの質量スペクトルによって同定され、それらの産物が指示されている。 CYP71AV1およびCPRmタンパク質を発現するE.コリ細胞による(+)−α−サンタレンの変換のGCMS分析。 P450−BM3の二重突然変異体(変異体番号17)による(+)−α−サンタレンの(Z)−α−サンタロールへのインビボ変換のGC分析。クラウセナ・ランシウム(Clausena lansium)のα−サンタレン合成酵素と、野生型のP450−BM3(A)か、P450−BM3変異体番号17(B)か、のいずれかとを同時発現する組み換えE.コリ細胞の培養の溶剤抽出物を、例11に記載されるようにして分析した。(1)(+)−α−サンタレン、(2)(−)−α−トランス−ベルガモテン、(3)(Z)−α−サンタロール。クロマトグラムは、選択されたイオンモード(M/Z 93)で示される。 P450−BM3の二重突然変異体による(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンのインビボ変換のGC分析。サンタルム・アルブム(Santalum album)由来のα−サンタレン/β−サンタレン合成酵素と、野生型のP450−BM3(A)か、P450−BM3変異体番号17(B)か、のいずれかとを同時発現する組み換えE.コリ細胞の培養の溶剤抽出物を、例11に記載されるようにして分析した。(1)(+)−α−サンタレン、(2)(−)−α−トランス−ベルガモテン、(3)(+)−エピ−β−サンタレン、(4)(−)−β−サンタレン、(5)(Z)−α−サンタロール、(6)(Z)−α−トランス−ベルガモトール、(7)(Z)−エピ−β−サンタロール、(8)(Z)−β−サンタロール。クロマトグラムは、選択されたイオン(M/Z 93)で示される。 組み換えSaCP816酵素による(+)−α−サンタレンの変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP816タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)保持時間の比較用のビャクダン油。全てのアッセイは、例4に記載されるようにしてインビトロで実施した。(1)(+)−α−サンタレン、(5)(Z)−α−サンタロール、(6)(Z)−α−トランス−ベルガモトール、(7)(Z)−エピ−β−サンタロール、(8)(Z)−β−サンタロール。セスキテルペン分子の同定は、質量スペクトルと基準試料との突き合わせによって確認した。 組み換えSaCP816酵素による(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP816タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)保持時間の比較用のビャクダン油。全てのアッセイは、例4に記載されるようにしてインビトロで実施した。(1)(+)−α−サンタレン、(2)(−)−α−トランス−ベルガモテン、(3)(+)−エピ−β−サンタレン、(4)(−)−β−サンタレン、(5)(Z)−α−サンタロール、(6)(Z)−α−トランス−ベルガモトール、(7)(Z)−エピ−β−サンタロール、(8)(Z)−β−サンタロール。セスキテルペン分子の同定は、質量スペクトルと基準試料との突き合わせによって確認した。 セスキテルペン類を産生するように操作されているとともに、SaCP816、CPRm、α−サンタレン合成酵素(ClASS)(A)またはα−サンタレン/β−サンタレン合成酵素(SaSAS)(B)を発現するE.コリによって産生される分子のGCMS分析。(1)(+)−α−サンタレン、(2)(−)−α−トランス−ベルガモテン、(3)(+)−エピ−β−サンタレン、(4)(−)−β−サンタレン、(5)(Z)−α−サンタロール、(6)(Z)−α−トランス−ベルガモトール、(7)(Z)−エピ−β−サンタロール、(8)(Z)−β−サンタロール(過剰なファルネシル二リン酸のプールから産生されるファルネソールと一緒に同時溶離される)。セスキテルペン分子の同定は、質量スペクトルと基準試料との突き合わせによって確認した。 組み換えSaCP10374 P450酵素による(+)−α−サンタレン(21)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えSaCP10374 P450酵素による(+)−α−サンタレン(21)、(−)−α−トランス−ベルガモテン(17)、(+)−エピ−β−サンタレンおよび(−)−β−サンタレン(25)から構成される混合物(SaTp8201組み換えタンパク質を使用して調製される、例4)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えS.アルブムのP450酵素によるβ−ファルネセン(1)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)組み換えSaCP816タンパク質を含有するE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えS.アルブムのP450酵素によるα−ファルネセン(5)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)組み換えSaCP816タンパク質を含有するE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えS.アルブムのP450酵素による(−)−セスキサビネンB(9)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)組み換えSaCP816タンパク質を含有するE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えS.アルブムのP450酵素による(−)−β−ビサボレン(13)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)組み換えSaCP816タンパク質を含有するE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 組み換えS.アルブムのP450酵素による(−)−α−ベルガモテン(17)の変換のGCMS分析。(A)組み換えP450酵素を用いない対照、(B)組み換えSaCP10374タンパク質を含むE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ、(C)組み換えSaCP816タンパク質を含有するE.コリ粗製タンパク質抽出物を用いたアッセイ。該クロマトグラムで示される番号は、図27に表される構造を指す。 プラスミドpACYC−29258−4506およびプラスミドpD444−SR−AaBFS(A)、SaCP10374−CPRm−AaBFS−pCWori(B)、またはSaCP816−CPRm−AaBFS−pCWori(C)で形質転換されたE.コリ細胞KRXによって例23に記載されるようにしてインビボで生成される産物のGCMS分析。当該クロマトグラムは、(E)−β−ファルネセン(1)と同様に、酸化された誘導体(2〜3)の形成も示している(相応の構造については図27を参照のこと)。 プラスミドpACYC−29258−4506およびプラスミドpD444−SR−PaBAFS(A)、SaCP10374−CPRm−PaAFS−pCWori(B)、またはSaCP816−CPRm−PaAFS−pCWori(C)で形質転換されたE.コリ細胞KRXによって例23に記載されるようにしてインビボで生成される産物のGCMS分析。当該クロマトグラムは、(E,E)−α−ファルネセン(5)と同様に、酸化された誘導体(6〜8)の形成も示している(相応の構造については図27を参照のこと)。過剰のFPPの加水分解により得られるファルネソールのピークが各クロマトグラムで指示されている。 プラスミドpACYC−29258−4506およびプラスミドpETDuet−SaTps647(A)、SaCP10374−CPRm−SaTps647−pCWori(B)、またはSaCP816−CPRm−SaTps647−pCWori(C)で形質転換されたE.コリ細胞KRXによって例23に記載されるようにしてインビボで生成される産物のGCMS分析。当該クロマトグラムは、(−)−セスキサビネン(9)と同様に、酸化された誘導体(10〜12)の形成も示している(相応の構造については図27を参照のこと)。 プラスミドpACYC−29258−4506およびプラスミドpETDuet−ClTps2(A)、またはSaCP10374−CPRm−ClTps−pCWori(B)で形質転換されたE.コリ細胞KRXによって例23に記載されるようにしてインビボで生成される産物のGCMS分析。当該クロマトグラムは、(+)−α−サンタレン(21)と同様に、酸化された誘導体(23〜24)の形成も示している(相応の構造については図27を参照のこと)。 プラスミドpACYC−29258−4506およびプラスミドpETDuet−SaTps8201(A)、またはSaCP10374−CPRm−SaTps8201−pCWori(B)で形質転換されたE.コリ細胞KRXによって例23に記載されるようにしてインビボで生成される産物のGCMS分析。当該クロマトグラムは、(+)−α−サンタレン(21)、(−)−β−サンタレン(25)および(−)−トランス−α−ベルガモテン(17)と同様に、酸化された誘導体(19、20、23、24、27および28)の形成も示している(相応の構造については図27を参照のこと)。 本文中で議論される酵素基質と産物の構造。
詳細な説明
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロールおよびランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンの製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号2に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号4に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号6に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号8に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号28に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号30に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号32に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号34に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号36に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号38に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号40に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号42に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号44に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号50に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号52に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号54に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号58に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号60に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号62に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号64に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号66に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号68に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号71に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号73に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号79に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
幾つかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物の製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンと、配列番号81に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることを含む前記製造方法である。具体的な一実施形態においては、前記方法は、当該ポリペプチドを発現する細胞を含む。
アルコールの製造において使用されるポリペプチドを製造するために本明細書において提供されるヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号70、配列番号72、配列番号78および配列番号80からなる群から選択される配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%もしくは約98%の核酸配列を有する。本明細書において提供されるヌクレオチド配列は、該配列の発現がなされる細胞によって前記配列が一般的にはもしくは通常は産生されず、かつ一般的に前記配列が導入される細胞に固有のものでなく、当該配列は一般的に別の細胞から得られるか、または合成により製造されうるという点で異種性である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも36%または少なくとも約36%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号28、配列番号30、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも46%または少なくとも約46%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号30、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号66、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも50%または少なくとも約50%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも72%または少なくとも約72%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも96%または少なくとも約96%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、トランス−α−ファルネセン、トランス−β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させることを含み、産生されるアルコールが少なくとも100%または少なくとも約100%のシス異性体を含むとともに、前記ポリペプチドが、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む前記製造方法である。
また、本明細書において提供されるのは、i)配列番号70および配列番号72からなる群から選択される核酸配列を有する核酸、ならびにii)P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性、または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離された核酸分子である。より具体的には、前記コードされるポリペプチドは、配列番号71および配列番号73からなる群から選択される配列を有する。
また、本明細書において提供されるのは、i)配列番号78および配列番号80からなる群から選択される核酸配列を有する核酸、ならびにii)P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号79および配列番号82からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性、または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離された核酸分子である。より具体的には、前記コードされるポリペプチドは、配列番号79および配列番号82からなる群から選択される配列を有する。
また、本明細書において提供されるのは、i)配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33および配列番号35からなる群から選択される核酸配列を有する核酸、ならびにii)P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36からなる群から選択される配列を有する前記単離された核酸分子である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法である。
更なる一実施形態において、本明細書において提供されるのは、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号71および配列番号73からなる群から選択される配列を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法である。
もう一つの実施形態において、本明細書において提供されるのは、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法である。
更なる一実施形態において、本明細書において提供されるのは、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号79および配列番号81からなる群から選択される配列を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法である。
前記アルコールは、アルデヒドまたは酸へと、例えば制限されるものではないが、シネンサール、サンタラール、ベルガモテナールおよびランセアールへと転化されうる。前記アルコール、アルデヒドまたは酸は、更に、誘導体へと、例えば制限されるものではないが、エステル、アミド、グリコシド、エーテルまたはアセタールへと転化されうる。
本明細書に記載される核酸およびポリペプチドは、例えばシコリウム・インチブス(Cichorium intybus) L.、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、サンタルム・アルブム(Santalum Album)およびアルテミシア・アヌア(Artemisia annua)から単離できる。CYP71AV8、P450−BM3(CYP102A1)およびCYP71AV1を含む変異体は、本明細書に記載されている。
植物のシコリウム・インチブス L.由来のCYP71AV8は、(+)−バレンセンを位置選択的に酸化して、トランス−ヌートカトール、シス−ヌートカトールおよび(+)−ヌートカトンを産生することができるP450モノオキシゲナーゼとして過去に特徴付けられている。また、CYP71AV8は、ゲルマクレンAおよびアモルファ−4,11−ジエンをC12位で酸化することを触媒することが見出されている(Cankarら,FEBS Lett.585(1),178−182(2011))。野生型酵素のアミノ酸配列(NCBIアクセッション番号ADM86719.1、配列番号1および配列番号2)を使用して、E.コリ中での発現に最適化されたcDNA配列を設計した。
真核生物において、P450モノオキシゲナーゼは、膜結合型タンパク質であり、これらのタンパク質のN末端配列は、これらの酵素の膜局在化に必須の膜アンカーを構成する。該タンパク質のこの部分は、通常はプロリンリッチドメインによって区切られているが、そこは酵素活性の特異性の制御には必須ではない。従ってこの領域は、酵素活性に影響を及ぼすことなく、欠失、挿入または突然変異によって改変することができる。しかしながら、植物のP450を含む真核性のP450のN末端領域の具体的な改変は、微生物中で発現される場合に、機能的な組み換えタンパク質のレベルに良い影響を及ぼすことが判明した(Halkierら(1995) Arch.Biochem.Biophys.322,369−377;Haudenschieldら(2000) Arch.Biochem.Biophys.379,127−136)。
P450モノオキシゲナーゼにおいて、基質の認識および結合は、該タンパク質のアミノ酸配列に沿った種々の領域に分布する幾つかのアミノ酸残基によって制御される。これらの領域は、基質認識部位(SRS)と定義されるが、それは、例えば後藤によって作成された論文(Gotoh O(1992) J.Biol.Chem.267(1),83−90)に基づく単純な配列アライメントによれば、あらゆるP450のアミノ酸配列にも局在化しうる。こうして、基質と相互作用してヒドロキシル化反応の位置選択性に影響を及ぼしうるCYP71AV8中の残基は、アミノ酸Asn98〜Gly121、Thr198〜Leu205、Lys232〜Ile240、Asn282〜Ala300、His355〜Arg367およびThr469〜Val476である。これらの領域における1つ以上の残基の改変は、潜在的に、基質特異性、反応の立体化学またはその位置選択性を変更しうる。P450によって触媒される反応の位置選択性の変化の一例は、Schalkら(2002) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97(22),11948−11953で見出すことができる。この刊行物において、植物のP450酵素での単独の残基の変更によって、酵素反応の位置選択性に全面的な変換がもたらされた。
「セスキテルペン合成酵素」または「セスキテルペン合成酵素活性を有するポリペプチド」は、本出願の目的のためには、ゲラニルピロリン酸(GPP)、ファルネシル二リン酸(FPP)およびゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)からなる群から選択される非環式ピロホスフェートであるテルペン前駆体からのセスキテルペン分子またはセスキテルペン分子の混合物の合成を触媒することができるポリペプチドと意図される。
α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテンおよび/またはエピ−β−サンタレンは、例えば2011年1月13日に公開された米国特許出願公開第2011−0008836号明細書および2011年11月27日に公開された米国特許出願公開第2011−0281257号明細書(両者とも本明細書にその全体が援用される)に記載される合成酵素を使用して製造できる。
本発明によれば、ポリペプチドとは、欠損ポリペプチドも含むと見なされるが、但し、前記欠損ポリペプチドは、前記実施形態のいずれかに定義されるそれらのP450モノオキシゲナーゼ活性を保持するものとする。
2つのペプチド配列またはヌクレオチド配列の間の同一性のパーセンテージは、これらの2つの配列のアライメントを作成した場合の該2つの配列において同一であるアミノ酸またはヌクレオチド残基の数の関数である。同一の残基は、2つの配列で前記アライメントの与えられた位置において同一の残基として定義される。本明細書で使用される配列同一性のパーセンテージは、最適なアライメントから、2つの配列間で同一の残基の数を出し、それを最短の配列中の全残基数によって割り、100を掛けることによって計算される。最適なアライメントは、同一性のパーセンテージが可能な限り高いアライメントである。1つまたは2つの配列中に該アライメントの1つ以上の位置においてギャップを導入することで、最適なアライメントを得ることができる。その際、これらのギャップは、配列同一性のパーセンテージの計算の場合に非同一残基としてみなされる。
アミノ酸または核酸の配列同一性のパーセンテージを決定する目的のためのアライメントは、コンピュータプログラム、例えばワールドワイドウェブで利用できる公共利用可能なコンピュータプログラムを使用して様々に達成することができる。特に、米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)からhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/bl2seq/wblast2.cgiで利用できる、デフォルトパラメータに定められるBLASTプログラム(Tatianaら,FEMS Microbiol Lett.,1999,174:247−250,1999)を使用して、ペプチド配列またはヌクレオチド配列の最適なアライメントを得ることができ、配列同一性のパーセンテージを計算することができる。
具体的な生物または細胞は、本明細書に記載される核酸で形質転換される前か、それどころか前記核酸と一緒に形質転換される前のいずれかにおいて、FPPを天然に産生する場合、またはFPPを天然に産生しないが、FPPを産生するように形質転換されている場合に「FPPを産生できる」とみなされる。自然に存在する生物または細胞よりも多量のFPPを産生するように形質転換された生物または細胞も、「FPPを産生できる生物または細胞」に含まれる。生物、例えば微生物を、それらがFPPを産生するように形質転換する方法は当該技術分野で既に知られている。そのような方法は、例えば文献において、例えば以下の刊行物:Martin,V.J.、Pitera,D.J.、Withers,S.T.、Newman,J.D.およびKeasling,J.D.,Nat Biotechnol.,2003,21(7),796−802(E.コリの形質転換);Wu,S.、Schalk,M.、Clark,A.、Miles,R.B.、Coates,R.およびChappell,J.,Nat Biotechnol.,2006,24(11),1441−1447(植物の形質転換);Takahashi,S.、Yeo,Y.、Greenhagen,B.T.、McMullin,T.、Song,L.、Maurina−Brunker,J.、Rosson,R.、Noel,J.、Chappell,J,Biotechnology and Bioengineering,2007,97(1),170−181(酵母の形質転換)に見出すことができる。
本明細書に記載される方法をインビボで実施するのに適した非ヒト宿主生物は、任意の非ヒトの多細胞または単細胞の生物であってよい。具体的な一実施形態においては、本発明をインビボで実施するのに使用される非ヒトの宿主生物は、植物、原核生物または菌類である。あらゆる植物、原核生物または菌類を使用することができる。特に有用な植物は、多量のテルペン類を天然に産生する植物である。より具体的な一実施形態においては、前記植物は、ナス科(Solanaceae)、イネ科(Poaceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、マメ科(Fabaceae)、アオイ科(Malvaceae)、キク科(Asteraceae)またはシソ科(Lamiaceae)の科から選択される。前記植物は、タバコ属(Nicotiana)、ナス属(Solanum)、モロコシ属(Sorghum)、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)、アブラナ属(Brassica)(セイヨウアブラナ)、ウマゴヤシ属(Medicago)(アルファルファ)、ワタ属(Gossypium)(木綿)、ヨモギ属(Artemisia)、サルビア属(Salvia)およびハッカ属(Mentha)の属から選択される。特に、前記植物は、ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum)の種に属している。
より具体的な一実施形態においては、本発明の方法をインビボで実施するのに使用される非ヒトの宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物を使用できるが、更により具体的な一実施形態によれば、前記微生物は細菌または酵母である。最も具体的には、前記微生物はE.コリであり、前記酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
これらの生物の幾つかは、FPPを天然には産生しない。本発明の方法の実施に適したものにするために、これらの生物は、前記前駆体を産生するように形質転換させる必要がある。前記生物は、前記実施形態のいずれかにより記載される核酸で改変する前か、または同時のいずれかにおいて、前記説明されるようにして形質転換させることができる。
単離された高等真核細胞は、本発明の方法をインビボで実施するための宿主として、完全な生物でなくとも使用することができる。適切な真核細胞は、いかなる非ヒト細胞であってよいが、具体的には植物細胞または菌類細胞である。
本明細書で使用されるように、前記ポリペプチドは、本明細書で同定されるアミノ酸配列だけでなく、欠損ポリペプチドもしくは変異ポリペプチドをも包含するポリペプチドもしくはペプチド断片とみなされるが、但し、前記ポリペプチドは、前記定義のそれらのP450モノオキシゲナーゼ活性を維持するとともに、相応のポリペプチドとの定義された同一性のパーセンテージを少なくとも共有するものとする。
変異ポリペプチドの例は、天然に存在するタンパク質であって、選択的mRNAスプライシング(alternate mRNA splicing)事象により得られるか、または本明細書に記載されるポリペプチドのタンパク質分解により得られるタンパク質である。タンパク質分解の結果としての変異には、例えば本発明のポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解的除去による、種々のタイプの宿主細胞で発現させたときのN末端またはC末端における差異が含まれる。以下に記載される本発明の核酸の天然または人工的な突然変異により得られる核酸によってコードされるポリペプチドも本発明に包含される。
アミノ末端とカルボキシル末端に追加のペプチド配列を融合させることにより得られるポリペプチド変異体も本発明の方法で使用することができる。特にそのような融合は、ポリペプチドの発現を増強でき、タンパク質の精製に有用なことがあり、または所望の環境もしくは発現系において該ポリペプチドの酵素活性を向上させることができる。そのような追加のペプチド配列は、例えばシグナルペプチドであってよい。従って、本発明は、変異ポリペプチド、例えば他のオリゴペプチドもしくはポリペプチドとの融合によって得られたポリペプチドおよび/またはシグナルペプチドに結合されたポリペプチドを使用した方法を包含する。別の機能的タンパク質、例えばテルペン生合成経路からの別のタンパク質との融合により得られるポリポリペプチドは、有利には本発明の方法において使用することもできる。
本明細書で使用されるように、前記ポリペプチドは、本明細書で同定されるアミノ酸配列だけでなく、欠損ポリペプチドもしくは変異ポリペプチドをも包含するポリペプチドもしくはペプチド断片とみなされるが、但し、前記ポリペプチドは、前記定義のそれらの活性を維持するものとする。
変異ポリペプチドの例は、天然に存在するタンパク質であって、選択的mRNAスプライシング事象により得られるか、または本明細書に記載されるポリペプチドのタンパク質分解により得られるタンパク質である。タンパク質分解の結果としての変異には、例えば本発明のポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解的除去による、種々のタイプの宿主細胞で発現させたときのN末端またはC末端における差異が含まれる。以下に記載される本発明の核酸の天然または人工的な突然変異により得られる核酸によってコードされるポリペプチドも本発明に包含される。
アミノ末端とカルボキシル末端に追加のペプチド配列を融合させることにより得られるポリペプチド変異体も、本発明のポリペプチドによって包含される。特にそのような融合は、ポリペプチドの発現を増強でき、タンパク質の精製に有用なことがあり、または所望の環境もしくは発現系において該ポリペプチドの酵素活性を向上させることができる。そのような追加のペプチド配列は、例えばシグナルペプチドであってよい。従って、本発明は、本発明のポリペプチドの変異体、例えば他のオリゴペプチドもしくはポリペプチドとの融合によって得られたポリペプチドおよび/またはシグナルペプチドに結合されたポリペプチドを使用した方法を包含する。別の機能的タンパク質、例えばテルペン生合成経路からの別のタンパク質との融合により得られるポリポリペプチドも、本発明のポリペプチドによって包含される。
本発明の核酸は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの多量体を、一本鎖形または二本鎖形(DNAおよび/またはRNA)のいずれかで含むものと定義できる。用語「ヌクレオチド配列」は、また、ポリヌクレオチド分子またはオリゴヌクレオチド分子を、別個の断片の形で、またはより大きい核酸の一部分として含むものと理解されるべきである。本発明の核酸は、また、ある特定の単離されたヌクレオチド配列を含み、当該ヌクレオチド配列には、固有の夾雑物を本質的に含まない配列が含まれる。本発明の核酸は欠損していてよいが、該核酸は、前記の本発明によって包含されるポリペプチドをコードするものとする。
本発明の方法をインビボで実施するのに適した宿主生物または細胞を形質転換させるための別の重要なツールは、本発明のいずれかの実施形態による核酸を含む発現ベクターである。従ってそのようなベクターも本発明の主題である。
本明細書で使用される「発現ベクター」は、あらゆる線状または環状の組み換えベクターを含み、該ベクターは、制限されるものではないが、ウイルスベクター、バクテリオファージおよびプラスミドを含む。当業者は、発現系に応じて適切なベクターを選択することができる。一実施形態においては、前記発現ベクターは、転写、翻訳、開始および停止を制御する少なくとも1つの調節配列、例えば転写プロモーター、オペレーターもしくはエンハンサー、またはmRNAリボソーム結合部位へと作動的に結合され、場合により少なくとも1つの選択マーカーを含む本発明の核酸を含む。ヌクレオチド配列は、調節配列が本発明の核酸に機能的に関連している場合に「作動的に結合」されている。
本発明の発現ベクターは、遺伝的に形質転換された宿主生物および/または細胞を製造する方法において、本発明の核酸を保有する宿主生物および/または細胞において、ならびにP450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドを製造する方法において、更に以下に開示されるように使用することができる。
本発明の少なくとも1つの核酸を保有して、本発明の少なくとも1つのポリペプチドを異種発現または過剰発現するように形質転換された組み換え非ヒトの宿主生物および細胞は、本発明の方法を実施するのに非常に有用なツールでもある。従ってそのような非ヒトの宿主生物および細胞は、本発明のもう一つの主題である。
前記の実施形態のいずれかによる核酸は、前記非ヒトの宿主生物および細胞を形質転換させるために使用でき、前記発現されたポリペプチドは、前記ポリペプチドのいずれかであってよい。
本発明の非ヒトの宿主生物は、あらゆる非ヒトの多細胞または単細胞の生物であってよい。具体的な一実施形態においては、前記非ヒトの宿主生物は、植物、原核生物または菌類である。本発明により形質転換させるためには、あらゆる植物、原核生物または菌類が適している。特に有用な植物は、多量のテルペン類を天然に産生する植物である。より具体的な一実施形態においては、前記植物は、ナス科、イネ科、アブラナ科、マメ科、アオイ科、キク科またはシソ科の科から選択される。前記植物は、タバコ属、ナス属、モロコシ属、シロイヌナズナ属、アブラナ属(セイヨウアブラナ)、ウマゴヤシ属(アルファルファ)、ワタ属(木綿)、ヨモギ属、サルビア属およびハッカ属の属から選択される。特に、前記植物は、ニコチアナ・タバクムの種に属している。
より具体的な一実施形態においては、前記非ヒトの宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物が本発明のために適しているが、更により具体的な一実施形態によれば、前記微生物は細菌または酵母である。最も具体的には、前記微生物はE.コリであり、前記酵母は、サッカロマイセス・セレビシエである。
また、単離された高等真核細胞は、完全な生物でなくとも形質転換させることができる。高等真核細胞とは、本明細書においては、酵母細胞を除くあらゆる非ヒトの真核細胞を意味する。具体的な高等真核細胞は、植物細胞または菌類細胞である。
用語「形質転換された」は、宿主が、前記実施形態のいずれかで必要とされる核酸のいずれかの1、2もしくはそれより多くのコピーを含むように遺伝子操作に付されたことを指す。特に用語「形質転換された」は、形質転換される核酸によってコードされたポリペプチドを異種発現する宿主だけでなく、前記ポリペプチドを過剰発現する宿主にも関連している。従って、一実施形態においては、本発明は、前記ポリペプチドを、形質転換されていない同じ生物におけるよりも多量に発現する形質転換された生物を提供する。
トランスジェニック宿主生物または細胞、例えば植物、菌類、原核生物または高等真核細胞の培養の作製のためには、当該技術分野において公知の幾つかの方法が存在する。細菌、菌類、酵母、植物および哺乳動物の細胞の宿主で使用するために適切なクローニングベクターおよび発現ベクターは、例えばPouwelsら,Cloning Vectors:A Laboratory Manual,1985,Elsevier,New YorkおよびSambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載されている。高等植物および/または植物細胞のためのクローニングベクターおよび発現ベクターは、特に当業者に利用される。例えば、Schardlら,Gene 61:1−11,1987を参照のこと。
トランスジェニック核酸を保有するように宿主生物または細胞を形質転換する方法は、当業者に周知である。トランスジェニック植物の作製のために、近年の方法には、例えば植物プロトプラストのエレクトロポレーション法、リボソーム媒介型の形質転換法、アグロバクテリウム媒介型の形質転換法、ポリエチレングリコール媒介型の形質転換法、パーティクル・ボンバードメント法、植物細胞のマイクロインジェクション法、およびウイルスを用いた形質転換法が含まれる。
一実施形態においては、形質転換されるDNAは、非ヒトの宿主生物および/または細胞の染色体中に、安定な組み換え系が生ずるように組み込まれる。当該技術分野で公知の任意の染色体組み込み法を本発明の実施において使用してよく、前記方法には、制限されるものではないが、レコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)、ウイルスによる部位特異的染色体挿入、アデノウイルスおよび前核の注入が含まれる。
本明細書で示される「ポリペプチド変異体」は、前記活性を有するポリペプチドであって、前記実施形態のいずれかによるポリペプチドに本質的に相同であるが、1つ以上の欠失、挿入または置換により本発明の核酸配列のいずれかによってコードされるアミノ酸配列とは異なる配列を有するポリペプチドを意味する。
変異体は、保存的に置換された配列、つまりは、所定のアミノ酸残基が同様の物理化学的特性を有する残基によって置き換えられた配列を含んでよい。保存的な置換の例には、ある脂肪族残基を別の脂肪族残基で置換すること、例えばIle、Val、LeuもしくはAlaを別の脂肪族残基で置換すること、またはある極性残基を別の極性残基で置換すること、例えばLysとArgとの間の置換、GluとAspとの間の置換、もしくはGlnとAsnとの間の置換が含まれる。Zubay,Biochemistry,1983,Addison−Wesley Pub.Coを参照のこと。そのような置換の効果は、Altschul,J.Mol.Biol.,1991,219,555−565で議論されるPAM−120、PAM−200およびPAM−250のような置換スコア行列を使用して計算することができる。他のそのような保存的な置換、例えば同様の疎水性特性を有する領域全体の置換はよく知られている。
天然に存在するペプチド変異体も本発明によって包含される。そのような変異体の例は、選択的mRNAスプライシング事象により得られるか、または本明細書に記載されるポリペプチドのタンパク質分解により得られるタンパク質である。タンパク質分解の結果としての変異には、本発明の配列によってコードされるポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解的除去による、種々のタイプの宿主細胞で発現させたときのN末端またはC末端における差異が含まれる。
本発明のポリペプチドの変異体を使用して、例えば所望の増強されたもしくは低減された酵素活性、変更された位置化学もしくは立体化学、または変えられた基質利用性もしくは生成物分布、高められた基質親和性、1種以上の所望の化合物の産生についての向上された特異性、酵素反応の高められた速度、特定環境(pH、温度、溶剤等)におけるより高い活性もしくは安定性、または所望の発現系における向上された発現レベルを得ることができる。変異体または部位特異的突然変異体は、当該技術分野で公知の任意の方法によって作成することができる。本来のポリペプチドの変異体および誘導体は、天然に存在する変異体、または変異体のヌクレオチド配列、他のまたは同じ植物系統もしくは植物種、例えばサンタルム属種からの植物を単離することによって、または本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の人工的にプログラミングする突然変異によって得ることができる。本来のアミノ酸配列の改変は、多数の従来法のいずれかによって達成することができる。
本発明のポリペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端に追加のペプチド配列を融合することにより得られるポリペプチド変異体を使用すると、ポリペプチドの発現を増強でき、タンパク質の精製に有用なことがあり、または所望の環境もしくは発現系において該ポリペプチドの酵素活性を向上させることができる。そのような追加のペプチド配列は、例えばシグナルペプチドであってよい。従って、本発明は、本発明のポリペプチドの変異体、例えば他のオリゴペプチドもしくはポリペプチドとの融合によって得られたポリペプチドおよび/またはシグナルペプチドに結合されたポリペプチドを使用した方法を包含する。本発明によって包含される融合ポリペプチドは、他の機能的タンパク質、例えばテルペン生合成経路からの他のタンパク質の融合により得られる融合ポリペプチドも含む。
本明細書で製造されるアルコールは、抽出によって、例えば天然に生成されるアルコールの抽出(例えばビャクダンからの抽出)のための公知法を使用して単離できる。本明細書で製造されるアルコールは、香料に使用することができる芳香性化合物として使用される。
使用される略語
aaCPR アルテミシア・アヌアのシトクロムP450レダクターゼ
bp ベースペア
kb キロベース
DNA デオキシリボ核酸
cDNA 相補的DNA
ClASS クラウセナ・ランシウムの(+)−α−サンタレン合成酵素
CPRm メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)のシトクロムP450レダクターゼ
DTT ジチオトレイトール
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FPP ファルネシルピロリン酸
GC ガスクロマトグラフ
IPTG イソプロピル−D−チオガラクトピラノシド
LB 溶原化ブロス
MS 質量分析計
MTBE メチルt−ブチルエーテル
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RMCE レコンビナーゼ媒介カセット交換
RNA リボ核酸
mRNA メッセンジャーリボ核酸
SaSAS サンタルム・アルブムの(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素。
以下の実施例は説明を目的とするものにすぎず、概要、詳細な説明または特許請求の範囲に示される本発明の範囲を制限することを意味するものではない。
実施例
例1
細菌における発現のためのCYP71AV8のcDNA配列の最適化
CYP71AV8の膜アンカー領域を、以下に詳説される改変を導入するために再設計した。
最適化されたCYP71AV8配列において、5’末端を改変して、膜アンカー領域の最初のアミノ酸を細菌細胞における膜結合型P450の異種発現を改善することが示されたペプチド(Alkier,B.A.ら,Arch.Biochem.Biophys.322,369−377(1995)、Haudenschieldら,Arch.Biochem.Biophys.379,127−136(2000))で置き換えた。更に、cDNA全体について、コドン利用を、E.コリのコドン利用に合うように適合させた。こうして、幾つかのcDNAをデザインして、種々の3’末端改変および最適化を伴うCYP71AV8とした:
− CYP71AV8−65188:この構築物においては、初めの22個のコドンが、MALLLAVFWSALIILVペプチドをコードする配列によって置き換えられた(配列番号3および配列番号4)
− CYP71AV8−P2:アンカーをコードする配列全体が、ミント由来の最適化されたリモネン−ヒドロキシラーゼ(PM2、Haudenschieldら,Arch.Biochem.Biophys.379,127−136(2000))によって置き換えられた(配列番号5および配列番号6)
− CYP71AV8−P2O:この構築物は、前のタンパク質と同じタンパク質をコードするが、膜アンカー領域を更にコドン最適化した(配列番号7および配列番号8)。
図1は、種々のCYP71AV8変異体のN末端領域のアミノ酸配列を比較しており、図2は、3種の構築物のDNA配列を比較している。3種の最適化されたCYP71AV8のcDNAを、インビトロで合成し(DNA2.0,Menlo Park,CA,USA)、NdeI−HindIII断片としてpCWori+発現プラスミド(Barnes,H.J.Method Enzymol.272,3−14;(1996))中にクローニングした。
例2
CYP71AV8の細菌細胞中での機能的発現
異種発現のために、E.コリ細胞JM109を、CYP71AV8発現プラスミド(例1)で形質転換させた。形質転換体の単コロニーを、50μg/mLのアンピシリンを含む5mLのLB培地の接種培養に使用した。該細胞を37℃で10時間〜12時間にわたり増殖させる。次いで該培養を、50μg/mLのアンピシリンおよび1mMのチアミンHClを補った250mLのTB培地(Terrific Broth)の接種に使用した。該培養を適度に振盪(200rpm)しながら28℃で3時間〜4時間にわたりインキュベートしてから、75mg/Lのδ−アミノレブリン酸(sigma)および1mMのIPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド)を添加し、そして該培養を200rpmでの振盪をしながら28℃で24時間〜48時間にわたり維持した。
P450酵素の発現は、E.コリタンパク質フラクションにおけるCO結合スペクトルを測定することによって(Omura,T.&Sato,R.(1964) J.Biol.Chem.239,2379−2387)定性的かつ定量的に評価することができる。タンパク質抽出のために、細胞を遠心分離(10分、5000g、4℃)し、そして35mLの氷冷バッファー1(100mMのTris−HCl pH7.5、20%のグリセロール、0.5mMのEDTA)中に再懸濁する。水中0.3mg/mlのリゾチーム(Sigma−Aldrich)1容量を添加し、その懸濁液をかき混ぜながら4℃で10分〜15分にわたり放置した。その懸濁液を7000gおよび4℃で10分間にわたり遠心分離し、そのペレットを20mLのバッファー2(25mMのKPO4 pH7.4、0.1mMのEDTA、0.1mMのDTT、20%のグリセロール)中に再懸濁する。その懸濁液を、−80℃での1サイクルの凍結−融解に供し、0.5mMのPMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド、Sigma−Aldrich)を添加し、そしてその懸濁液に20秒間にわたり3回の超音波処理を行う。その懸濁液を10000gで10分間遠心分離(細胞破片を除去するために)し、そして上清を回収し、100000gで2時間にわたり遠心分離する。前記ペレット(膜タンパク質フラクション)を2ml〜3mlのバッファー3(50mMのTris−HCl pH7.4、1mMのEDTA、20%のグリセロール)中に再懸濁させる。COスペクトルの測定のために、前記タンパク質フラクションを、バッファー3中で希釈(1/10)して最終容量2mLとする。亜二チオン酸ナトリウム(Na224)の結晶をいくらか添加し、試料を2つのキュベット中に分け、370nmと500nmの間でベースラインを記録する。次いで試料キュベットを一酸化炭素で飽和させ、差分スペクトルを記録する。P450酵素の濃度は、450nmでのピークの大きさから、還元されたCO錯体についての91mM-1・cm-1の吸光係数(extension coefficient)を使用して見積もることができる(Omura,T.&Sato,R.(1964) J.Biol.Chem.239,2379−2387)。
この方法によって、450nmに最大吸収を有する典型的なCOスペクトルが組み換えCYP71AV8について測定され、こうして機能的なP450酵素へと適切に折り畳まれていることが裏付けられる。
例3
CYP71AV8とP450レダクターゼの細菌中での同時発現
植物のP450の活性を再構成するために、第二の膜タンパク質の存在は必須である。このタンパク質、つまりはP450−レダクターゼ(CPR)は、補因子NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)からP450活性部位へと電子を移動させることに関与している。ある植物由来のCPRはその他の植物由来のP450酵素の活性を補完できることは明らかにされている(JensenとMoller(2010) Phytochemsitry 71,132−141)。幾つかのCPRをコードするDNA配列は種々の植物起源から報告されている。本発明ではまず、メンタ・ピペリタから事前に単離されたCPR(CPRm、未公開のデータ、配列番号10)を選択し、全長cDNA(配列番号9)のコドン利用を最適化し、それをpACYCDuet−1発現プラスミド(Novagen)のNcoIおよびHindIII制限部位中にクローニングすることで、プラスミドpACYC−CPRmを得た。
CYP71AV8とCPRmをE.コリ細胞中で2つのプラスミドpCWori−CYP71AV8−65188およびpACYCDuet−CPRmを使用して同時発現させた。BL21 Star(商標)(DE3)のE.コリ細胞(Invitrogen,Carlsbad,CA)を、これらの2つのプラスミドで同時形質転換させた。形質転換された細胞を、カルベニシリン(50μg/ml)およびクロラムフェニコール(34μg/ml)のLBアガロースプレート上で選択した。単コロニーを用いて、それらの同じ抗生物質を補った5mLの液体LB培地に接種した。該培養を37℃で一晩インキュベートした。翌日に、それらの同じ抗生物質を補ったTB培地2mL〜250mLに0.2mL〜2mLのオーバーナイト培養を接種した。37℃で6時間インキュベートした後に、該培養を28℃に冷却し、1mMのIPTGおよび75mg/Lのδ−アミノレブリン酸を添加した。16時間〜24時間後に、細胞を対数増殖期に回収し、遠心分離し、そして5%グリセロールもしくは3%グルコースを補ったリン酸カリウムバッファー(50mM pH7.0)0.5容量中に再懸濁させた。これらの細胞を用いて、P450酵素の酵素活性を評価した。
例4
CYP71AV8を発現するE.コリ細胞を使用した(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの生体内変換
生体内変換アッセイで基質として使用される種々のセスキテルペン炭化水素は、先に記載したようにして、異種のメバロン酸経路からファルネシル二リン酸(FPP)を産生するように操作された、植物由来のセスキテルペン合成酵素を発現するE.コリ細胞を使用して製造した。E.コリ宿主細胞の操作および使用は、特許WO2013064411またはSchalkら(2013) J.Am.Chem.Soc.134,18900−18903に記載されている。簡潔には、完全なメバロン酸経路のための酵素をコードする遺伝子から構成される2つのオペロンを含む発現プラスミドを調製した。E.コリのアセトアセチル−CoAチオラーゼ(atoB)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のHMG−CoA合成酵素(mvaS)、スタフィロコッカス・アウレウスのHMG−CoAレダクターゼ(mvaA)およびサッカロマイセス・セレビシエのFPP合成酵素(ERG20)の遺伝子からなる第一の合成オペロンをインビトロで合成し(DNA2.0、Menlo Park,CA,USA)、そしてNcoI−BamHIで消化されたpACYCDuet−1ベクター(Invitrogen)中にライゲーションすることで、pACYC−29258を得た。メバロン酸キナーゼ(MvaK1)、ホスホメバロン酸キナーゼ(MvaK2)、メバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼ(MvaD)およびイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(idi)を含む第二のオペロンを、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)(ATCC BAA−334)のゲノムDNAから増幅させ、pACYC−29258の第二のマルチクローニングサイト中にライゲーションすることで、プラスミドpACYC−29258−4506を得た。従って、このプラスミドは、アセチル補酵素AからFPPへと導く生合成経路の全ての酵素をコードする遺伝子を含んでいる。E.コリ細胞(BL21 Star(商標)(DE3),Invitrogen)を、プラスミドpACYC−29258−4506と、プラスミドpET101−Cont2_1(クラウセナ・ランシウムの(+)−α−サンタレン合成酵素(ClASS)をコードするcDNAを含む、WO2009109597)か、プラスミドpETDuet−SCH10−Tps8201−opt(サンタルム・アルブムの(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素(SaSAS)をコードするcDNAを含む、WO2010067309)のいずれかとで形質転換させ、そしてこの細胞を使用して(+)−α−サンタレンまたは(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの混合物を製造および精製した。
CYP71AV8の酵素活性は、基質として上記のセスキテルペン分子を使用したE.コリ細胞中での生体内変換によって評価した。プラスミドpACYCDuet−CPRmおよびpCWori−CYP71AV8−65188で形質転換されたBL21 Star(商標)(DE3)のE.コリ細胞(Invitrogen)を培養し、例3に記載されるようにして回収した。基質(セスキテルペン炭化水素)を、細胞懸濁液へと、最終濃度0.5mg/mlにまるまで、10mgのTween(登録商標)20(sigma−Aldrich)、10mgの抑泡剤(Erol DF,PMC Ouvrie,Lesquin,フランス)、20mgのセスキテルペンおよび1mlの水から構成される混合物として添加した。その変換は、適度に振盪しながら20℃で24時間にわたり進めさせた。その培地を、2容量のMTBE(メチルt−ブチルエーテル、Sigma)で抽出し、その抽出物をGCMSによってAgilent 6890シリーズのGCシステムにAgilent 5975の質量検出器を接続したものによって分析した。前記GCは、0.25mm内径×30mのSPB−1キャピラリーカラム(Supelco、Bellefonte,PA)を備えていた。キャリヤーガスは、1mL/分の一定の流れのHeであった。初期オーブン温度は80℃(1分維持)であり、引き続き10℃/分で300℃にまで段階的に変動させた。生成物の同定は、質量スペクトルおよび保持係数を、基準試料および内部データベースを用いて比較することを基礎としている。
これらの条件において、(+)−α−サンタレンの酸化が観察された。該変換の主たる生成物は(E)−α−サンタロールであった。E.コリの固有の酵素による(E)−α−サンタロールの変換から得られる他の生成物、つまり(E)−α−サンタラール(アルコールデヒドロゲナーゼによって産生される)および(E)−α−ジヒドロサンタロール(エン酸レダクターゼによって産生される)が検出された(図3A)。同様に、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの混合物を基質として使用することで、(E)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(E)−α−トランス−ベルガモトールおよび(E)−エピ−β−サンタロールの形成が観察されただけでなく、更なる代謝産物も得られた(図3B)。この例は、CYP71AV8が、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよび構造的に類似の分子の末端酸化のために使用できることを示している。
例5
単独のプラスミドからCYP71AV8およびCRPを同時発現する合成オペロンの構築
幾つかのバイシストロン性オペロンを、単独のプラスミドからユニークなプロモーターの制御のもとP450酵素およびCPRを発現するように設計した。最適化されたCYP71AV8のcDNAの3種の変異体(例1)を、2種のCPRのcDNA、つまりコドン最適化されたCPRmのcDNA(例2)およびアルテミシア・アヌアのCPR(NCBIアクセッション番号ABM88789.1、配列番号12)をコードするコドン最適化されたcDNA(配列番号11)と組み合わせた。こうして、6種の構築物を設計した(配列番号13〜配列番号18)。それぞれは、P450のcDNAに続いて、リボソーム結合部位(RBS)を含むリンカー配列およびCPRのcDNAを含んでいる(図4)。この構築物はPCRによって調製した。P450およびCPRのcDNAは、In−Fusion(登録商標)法(Clontech)を用いてpCWori+プラスミドのNdeI−HindIII部位にクローニングするのに適した5’および3’の突出末端を用いて別々に増幅させた。
P450に対してなされた種々のN末端改変およびCPRとのカップリングの効果を評価するために、前記6種のプラスミドをE.コリのBL21 Star(商標)(DE3)細胞中に移入させ、その組み換え細胞を例4に記載される生体内変換アッセイで使用した。(+)−α−サンタレンと、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの混合物を、基質として使用し、酸化されたセスキテルペン産物の全量を評価した。図5に示される結果は、前記の6種のプラスミドの1つで形質転換された全ての組み換え細菌細胞は、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよび構造的に類似の分子の酸化に使用できることを示している。最高の力価は、CYP71AV8−P2OのcDNAとCPRmのcDNAとを組み合わせたオペロンで得られた。この構築物(プラスミドpCWori−CYP71AV8−P2O−CPRm)を更なる実験のために使用した。
例6
操作された細胞における酸化されたセスキテルペンのインビボ産生
(+)−α−サンタレンの酸化生成物と、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテン、(+)−エピ−β−サンタレンまたは他の構造的に類似した分子の酸化生成物は、グルコースまたはグリセロールのような炭素源からセスキテルペンを産生するように操作されたE.コリ細胞において直接産生させることもできる。P450、CPRおよびテルペン合成酵素から構成される合成オペロンを含むpCWori+プラスミド(Barnes H.J(1996) Method Enzymol.272,3−14)からなるプラスミドを調製した。P450のために、CYP71AV8−P2またはCYP71AV8−P2OのcDNAを使用し、テルペン合成酵素のために、クラウセナ・ランシウムの(+)−α−サンタレン合成酵素のcDNA(ClASS)(WO2009109597)またはサンタルム・アルブムの(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素(SaSAS)(WO2010067309)をコードするcDNAを使用した。このように4種のプラスミドを以下の手順を用いて構築した。コドン最適化したClASSのcDNA(配列番号19〜配列番号20)を設計し、合成(DNA 2.0)し、そしてpETDUET−1プラスミド(Novagen)のNdeI−KpnI部位にクローニングすることで、プラスミドpETDuet−Tps2optを得た。SaSASのためには、最適化された全長cDNAを設計し(配列番号21〜配列番号22)、合成し、そしてpJexpress414プラスミド(DNA2.0)中にクローニングすることで、プラスミドpJ414−SaTps8201−1−FLoptを得た。それぞれの構築物について、In−Fusion(登録商標)技術(Clontech、Takara Bio Europe)を使用したクローニングのためにプライマーを設計した。最適化されたClASSのcDNAと最適化されたSaSASのcDNAを、これらのプライマーおよび鋳型としてのpETDuet−Tps2optとpJ414−SaTps8201−1−FLoptのプラスミドをそれぞれ使用して増幅した。2種のPCR産物を、プラスミドpCWori−CYP71AV8−P2−CPRmまたはpCWori−CYP71AV8−P2O−CPRmのHindIII制限酵素で消化したものに、In−Fusion(登録商標)Dry−Down PCRクローニングキット(Clontech,Takara Bio Europe)を用いてライゲーションすることで、4種の新たなプラスミド、つまりpCWori−CYP71AV8−P2−CPRm−ClASS、pCWori−CYP71AV8−P2−CPRm−SaSAS、pCWori−CYP71AV8−P2O−CPRm−ClASSおよびpCWori−CYP71AV8−P2O−CPRm−SaSAS(配列番号23〜配列番号26)を得た。
これらのオペロンの性能の評価は、前記4種のプラスミドのいずれかと、完全なメバロン酸経路を有するプラスミドpACYC−29258−4506(例4)とを同時形質転換させたE.コリのBL21 Star(商標)(DE3)(Invitrogen)細胞中で実施した。形質転換された細胞を、カルベニシリン(50μg/ml)およびクロラムフェニコール(34μg/ml)のLBアガロースプレート上で選択した。単コロニーを用いて、適切な抗生物質を補った5mLのLB培地に接種した。該培養を37℃および250rpmで一晩インキュベートした。翌日に、100μg/Lのカルベニシリンおよび17μg/Lのクロラムフェニコールを含むガラス培養管中の2mLのTB培地に、200μlのLB前培養を接種し、37℃および250rpmでインキュベートした。培養6時間後に(または培養の600nmでの光学密度が3の値に達したときに)、該培養を20℃に冷却し、そしてタンパク質の発現を0.1mMのIPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、そして75μg/Lのδ−アミノレブリン酸(sigma)および2%(容量/容量)のデカンを添加した。250rpmで振盪しながら48時間インキュベートした後に、全培養ブロスを1容量のMTBEで抽出し、そして例4に記載されるようにしてGCMSによって分析した。
全ての得られた菌株は、セスキテルペン炭化水素だけでなく、生体内変換実験でも観察される相応の酸化された産物も産生した(図6)。この実験は、CYP71AV8を発現する操作された細胞を使用すると、セスキテルペン類の(E)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロールおよび他の構造的に類似した分子が産生されうることを示している。
例7
CYP71AV8変異体を使用した(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロールの産生
先の例において、CYP71AV8が、(+)−α−サンタレンおよび(−)−β−サンタレンの「末端トランス炭素」に対して選択性が高く、もっぱら(E)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロールを産生することが示された。この例では、(Z)−α−サンタロールおよび(Z)−β−サンタロールの産生のためにCYP71AV8酵素活性を改変するための部位特異的突然変異誘発のアプローチを説明する。L358をまずは、酵素活性を制御する活性部位の残基として選択した。CYP71AV8の一連の変異体を、L358をコードするコドンを他のアミノ酸をコードするコドンによって置き換えることによって作製した。突然変異は、2ステップのPCR手法において、変性されたオリゴヌクレオチド(NBT(N=A、C、G、T;B=C、G、T)コドンを、L358をコードするコドンの代わりに含む)と特定のオリゴヌクレオチドとの組み合わせを使用して導入した。このオリゴヌクレオチドの組み合わせは、L358をコードするコドンと、疎水性側鎖を有するアミノ酸を全てが含む12個の他の残基をコードするコドンと変更させる。第一のPCRを、突然変異誘発リバースプライマーAV8−L358−rev(5’−CACGCGGCATCACCAGCGGAVNCGGCGGATGCAGGCGCAGGGTTTCTTTAATC−3’)とプライマーAV8−pcw−fw(5’−CATCGATGCTTAGGAGGTCATATGGCTCTGTTATTAGCAG−3’)を用いて実施することでcDNAの5’部分を増幅させた。第二のPCR産物は、プライマーAV8−L358−fw(5’−TCCGCTGGTGATGCCGCGTGAGTGC−3’)およびAV8−CPR−rev(5’−ATATATCTCCTTCTTAAAGTTAGTCGACTCATTAGGTG−3’)を用いて増幅させた。両方の増幅で、pCWori−CYP71AV8−P2−CPRm−ClASSを鋳型のために使用した。二回目の増幅は、前記2つのPCR産物を鋳型として用いるとともに、プライマーAV8−L358−fwとAV8−CPR−revを用いて実施し、全長CYP71AV8変異体のcDNAを増幅させた。全てのPCR反応は、PfuUltra II fusion HS DNAポリメラーゼ(Stratagene)を使用して製造元の指示に従って実施した。改変されたcDNAを、NdeI−SalIで消化されたpCWori−CYP71AV8−P2−CPRm−ClASS中にGibson Assembly Master Mix(New England Biolabs)を用いてライゲーションさせた。最後の構築は、配列決定により制御し、1つのプラスミドクローンを、それぞれの所望のCYP71AV8変異体について選択した。このようにして12種の変異体を、Leu358のAla、Phe、Thr、Ser、Val、Gly、Ile、Met、Pro、Tyr、TrpおよびArgによる置き換えによって作製した(配列番号27〜配列番号50)。
それぞれのCYP71AV8変異体の評価は、例6に記載されるインビボでのセスキテルペン産生法を使用して実施した。簡潔には、前記CYP71AV8変異体のcDNA、CPRmのcDNAおよびClASSのcDNAの1つを含むpCWori+プラスミドを、pACYC−29258プラスミドと一緒に、E.コリ細胞KRX(Promega)中に形質転換した。形質転換された細胞を選択し、培養し、そしてセスキテルペンの産生を、例6に記載されるようにして評価した。図7に示されるように、野生型のP450酵素と比較して、幾つかの変異体によっては、(Z)−α−サンタロールが、トランス酸化産物に加えて産生された。それぞれの変異体について、シス酸化のトランス酸化に対する比率は、産生された(Z)−α−サンタロールの全量を、酸化されたα−サンタレン誘導体の全量によって割ることによって計算した。それぞれの変異体についてのこれらの計算の結果は、以下の第1表に表されている。
第1表 CYP71AV8の野生型酵素および活性部位変異体のα−サンタレンの酸化に関しての位置選択性
Figure 2016533707
前記第1表に表されるデータは、(Z)−α−サンタロールを産生するようにCYP71AV8を操作でき、そのために使用できることを示している。特に、L358T、L358S、L358AおよびL358F変異体は、シス末端炭素について46%までの選択性で(+)−α−サンタレンを末端酸化するために使用することができる。
類似のアプローチにおいて、CYP71AV8の変異体を(Z)−β−サンタロールの産生について評価した。前記プラスミド中のClASSのcDNAをSaSASのcDNAによって置き換えることによって新たなプラスミドを調製した。従ってプラスミドpCW−CYP71AV8−L358F−CPRm−ClASSを、ClASSのcDNAの除去のための制限酵素HindIIIおよびEcoRIで消化した。並行して、pCWori−CYP71AV8−P2−CPRm−SaSASを同じ酵素で消化することで、適合した粘着末端を有するSaSASを回収した。線状化したベクターと前記消化されたインサートとを、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用してライゲーションさせた。こうして得られたプラスミドを、前記と同じ条件下でE.コリ細胞中での酸化されたセスキテルペンのインビボでの産生のために使用した。図8は、CYP71AV8−L358Fによって形成される産物の分析のGCMSプロフィールを表し、改変されたCYP71AV8酵素が(Z)−β−サンタロールの産生にも使用できることを示している。
例8
CYP71AVファミリーの他のメンバーの評価
CYP71AV1(NCBIアクセッション番号ABB82944.1)を、サンタレン骨格を有するセスキテルペンの酸化について評価した。例5に記載されるプラスミドと類似の構成を有するプラスミドを調製した。N末端改変したCYP71AV1タンパク質をコードする最適化されたcDNA(配列番号53および配列番号54)およびaaCPRのcDNA(例5)を含むバイシストロン性オペロンを設計し、インビトロで合成(DNA2.0)し、そしてバイシストロン性オペロンとしてpCWori+プラスミド中にクローニングした。該プラスミドを使用して、E.コリ細胞KRX(Promega)を形質転換した。前記形質転換された細胞を培養し、そしてタンパク質発現を例3に記載されるようにして誘導した。基質として(+)−α−サンタレンを用いた生体内変換実験を例4に記載されるようにして実施した。図9に示されるように、CYP71AV8を用いたのと同じ産物が得られた(すなわち(E)−α−サンタロールおよび(E)−α−サンタラールが得られた)。これにより、CYP71AV P450ファミリーの他のメンバーもサンタレンの末端酸化のために使用できることが示される。
CYP71AV1を使用して、CYP71AV1のcDNA、aaCPRおよび(+)−α−サンタレン合成酵素のcDNA(ClASS)を含む合成オペロンを調製した。CYP71AV8−P2−CPRm−ClASSオペロンを含むpCWori+プラスミド(例6)をNdeIおよびHindIIIで消化して、P450をコードするcDNAを切り出した。並行して、CYP71AV1のcDNAを先の段落に記載されるバイシストロン性オペロンから同じ酵素で消化することによって回収し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、前記の消化されたpCWoriプラスミド中にライゲーションすることで、プラスミドpCWori−CYP71AV1−CPRm−ClASSを得た。このプラスミドと一緒にプラスミドpACYC−29258−4506を使用して、E.コリ細胞BL21 Star(商標)(DE3)(Invitrogen)を同時形質転換した。該組み換え細胞を、例6に記載されるようにセスキテルペン分子の産生を可能にする条件で培養した。産生されたセスキテルペンのGCMS分析により、生体内変換実験と同じ産物の形成が明らかになった。この実験は、CYP71AV1を使用して、サンタレン分子を酸化させてサンタロールを産生させられることを示している(図9)。
例9
P450−BM3(CYP102A1)突然変異体ライブラリーの構築
24種の変異体のP450−BM3突然変異体ライブラリーを、5種の疎水性アミノ酸(アラニン、バリン、フェニルアラニン、ロイシンおよびイソロイシン)をP450−BM3のヘム基の中心近くに位置する2つの位置において体系的に組み合わせることによって構築した。これらの2つのアミノ酸の側鎖の変更により、ヘム基の近くにある基質結合空隙の形状が劇的に変化することが判明している(Appl Microbiol Biotechnol 2006,70:53;Adv Synth Catal 2006,348:763)。最初のホットスポット(Phe87)は、基質特異性と位置選択性を変更することが知られている一方で、第二の位置(Ala328)は、酸化の間に全ての基質と相互作用すると想定されている(ChemBiochem 2009,10:853)。P450−BM3変異体は、QuickChange(商標)部位特異的突然変異誘発キット(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用して作製したか、またはDNA2.0(Menlo Park,CA)によって化学的に合成した。P450−BM3変異体および野生型を、細菌発現プラスミドpET22b、pET28+、pETDuet−1およびpCDFDuet−1(Novagen,Madison,WI)中にサブクローニングし、そしてエシェリキア・コリBL21(DE3)またはBL21Star(商標)(DE3)(Invitrogen,Carlsbad,CA)中に形質転換した。
例10
α−サンタレン:P450−BM3ライブラリーのインビトロスクリーニング
前記24種のP450−BM3突然変異体と野生型の酵素を、以前より報告されるようにして(Adv.Synth.Catal.2003,345:802)E.コリBL21(DE3)中で異種発現させた。簡潔には、形質転換された細胞の単コロニーを使用して、30μg/mlのカナマイシンを補った2mlのルリア−ベルタニ(LB)培地に接種し、軌道を描く振盪(150rpm)により37℃で、OD578が0.6〜1.0の値に至るまで増殖させた。この前培養を使用して、30μg/mlのカナマイシンを含む200mlのLB培地に接種した。該細胞を、160rpmでの軌道を描く振盪により37℃で、OD578が0.8になるまで増殖させた。次いでタンパク質の発現を、0.35mMのイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によって誘導した。かき混ぜながら30℃で6時間増殖させた後に、細胞を遠心分離によって回収し、そして超音波処理によって溶解させた。
生体内変換アッセイで基質として使用したα−サンタレンは、例4に記載されるようにして調製した。前記変換は、約0.5μMのCYP酵素、2%(容量/容量)のDMSOおよび0.2mMのμ−サンタレン基質を含む50mMのリン酸カリウムバッファー1ml中で実施した。反応は、0.1mMのNADPHの添加によって開始し、適度に振盪しながら室温で22時間にわたり実施した。
次いで試料を、GC/MS QP−2010機器(島津製作所、日本)にFS−Supreme−5カラム(30m×0.25mm×0.25μm)を設けて、キャリヤーガスとしてヘリウム(流速:0.68ml/分;線速度:30cm/s)を用いて分析した。質量スペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を使用して収集した。インジェクター温度は250℃に定めた。カラムオーブンは、50℃で1分間にわたり留め、次いで30℃/分で170℃へと昇温させ、次いで5℃/分で185℃へと昇温させ、3分間にわたり等温で維持し、次いで5℃/分で200℃へと昇温させ、次いで30℃/分で300℃へと昇温させ、最後に1分間にわたり等温で維持した。
例11
P450−BM3ライブラリーのα−サンタレンインビボスクリーニング
前記P450−BM3突然変異体ライブラリーを、単純な炭素源から(+)−α−サンタレンを産生するように操作された細菌株を使用してまたインビボでスクリーニングした。このために、例4に記載されるFPPを過剰産生する菌株をクラウセナ・ランシウム由来のコドン最適化された(+)−α−サンタレン合成酵素(ClASS)(WO2009109597)(配列番号19および配列番号20)と、ベクターの第一および第二の多重クローニングサイト(MCS)中にクローニングされたそれぞれのP450−BM3変異体とをそれぞれ含むpETDuet−1プラスミドで形質転換した。その一方で、(+)−α−サンタレン合成酵素のcDNAを、pET101発現プラスミド(Novagen)中にクローニングし、そして前記ライブラリーからのP450−BM3突然変異体のそれぞれを、pCDFDuet−1ベクター(Novagen)中にクローニングした。得られた組み換えベクターを、FPPを過剰産生する菌株中に同時形質転換した。
形質転換された細胞の単コロニーを用いて、適切な抗生物質を補った5mLのLB培地に接種した。次いで該培養を37℃および250rpmで一晩インキュベートした。翌日に、3%グリセロール、1mMのチアミン−HCl(Sigma−Aldrich、St Louis,MI)および75μg/Lのδ−アミノレブリン酸(Sigma−Aldrich)を補った2mLのTerrific Broth(TB)培地に、200μlのオーバーナイト培地を接種し、37℃で250rpmにおいてインキュベートした。培養の4時間〜6時間後に(または培養の600nmでの光学密度が2〜3の値に達したときに)、該培養を28℃に冷却し、そしてタンパク質の発現を0.1mMのIPTGで誘導した。その時点で、10%(容量/容量)のドデカンを前記増殖培地へと添加した。軌道を描く振盪(250rpm)をしながら48時間インキュベートした後に、該細胞培養を、1容量のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)で2回抽出し、その溶剤抽出物をGC/MSによって分析した。GC/MSは、Agilent 6890シリーズのGCシステムで、DB1カラム(30m×0.25mm×0.25mmの膜厚;Agilent)を設け、5975シリーズの質量分析計と接続して実施した。キャリヤーガスは、1mL/分の一定の流れのヘリウムであった。インジェクションは、スプリットレスモードであり、インジェクター温度は250℃に定め、オーブン温度は、10℃/分で50℃から225℃へ、そして20℃/分で320℃へと設定した。産物の正体は、基準試料の保持係数および質量スペクトルの一致に基づいて確認した。
P450−BM3突然変異体ライブラリーのインビトロ(例10)とインビボのスクリーニングは、同等の結果を示し、それらは第2表にまとめられている。P450−BM3野生型(配列番号55および配列番号56)は(+)−α−サンタレンに対して検出可能な活性を一切示さないが、6種のP450−BM3変異体は、α−サンタレンを所望の1種以上のα−サンタロールへと変換することができる。これらの変異体は、(+)−α−サンタレンのシス末端炭素の酸化に対して45%から96%の間の優先性を示した。単一突然変異体の番号23(A328V)(配列番号67および配列番号68)と、二重突然変異体の番号7(F87I/A328I)(配列番号57および配列番号58)、番号17(F87V/A328I)(配列番号59および60)および番号18(F87V/A328L)(配列番号61および62)は、72%から96%までの範囲の最高の位置選択性を示した(第2表および図10)。2つの追加の変異体の番号19(F87V/A328V)(配列番号63および64)および番号20(F87V/A328F)(配列番号65および配列番号66)は、シス−ヒドロキシル化について選択性が低く(45%〜50%の範囲)、そして更なる酸化産物を生成した。
第2表 P450−BM3変異体によるα−サンタレンの1種以上のα−サンタロールへの変換
Figure 2016533707
これらの結果は、P450−BM3活性部位突然変異が本来基質ではない(+)−α−サンタレンの結合を可能にすることを示している。これらの突然変異を導入した選択されたP450−BM3変異体は、(+)−α−サンタレンのシス末端炭素を選択的にヒドロキシル化して、嗅覚的に重要な化合物である(Z)−α−サンタロールを生成することが示された(図10)。
例12
P450−BM3二重突然変異体を使用した(Z)−α−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(Z)−α−トランス−ベルガモトールおよび(Z)−エピ−β−サンタロールのインビボ産生
α−サンタレンスクリーニングで同定されたP450−BM3変異体の1つ(変異体番号17;第2表)を、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンからなるセスキテルペン炭化水素のビャクダン油様混合物を酸化するその能力について試験した。この目的のために、例4に記載されるFPPを過剰産生する細菌株を、サンタルム・アルブムの(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素(WO2010067309)(配列番号21および配列番号22)をコードするコドン最適化されたcDNAを第一のMCS中に含むとともに、P450−BM3変異体番号17を第二のMCS中に含む組み換えpETDuet−1発現ベクターで形質転換した。細胞増殖、誘導条件、培養抽出および産物分析は、例11に記載されるのと本質的に同様に実施した。
図11に示されるように、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンは、P450−BM3二重突然変異体によって効果的に酸化されて、(Z)−α−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(Z)−α−トランス−ベルガモトールおよび(Z)−エピ−β−サンタロールが得られた。特筆すべきことに、セスキテルペンアルコールの所望のシス異性体だけがこれらの実験条件下で検出された。これらのデータは、バシラス・メガテリウムのCYP102A1(P450−BM3)が、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよびベルガモタンセスキテルペンのような構造的に関連したテルペンのシス末端炭素を選択的にヒドロキシル化して、ビャクダン油中に見出される主要なセスキテルペンアルコールを生成するように効果的に操作できることを示している。
例13
SaCP816、つまりサンタルム・アルブム由来のシトクロムP450をコードするcDNAの単離
S.アルブムの種子は、B&T World Seeds(Aigues−Vives,フランス)およびSandeman Seeds(Lalongue,フランス)から入手した。次いでその種子を、まずは2.5%次亜塩素酸(HClO)中で120分間にわたり表面滅菌し、そして滅菌した超純水中で3回にわたりすすいだ。次いで前記種子の殻をむき、それを、15g/Lスクロースおよび7.8g/Lアガーを補ったMS基本培地(Murashige&Skoog,1962,Physiologia Plantarum 15,473−497)(pH5.7)上に置いた。発芽は、一般的に9日〜18日後に約40%の発生量で観察された。無菌的に発芽させた種子から得られたサンタルム・アルブムの実生を、発芽から5週〜10週後に土に移した。サンタルム種は根半寄生植物であるので、土壌順応は、6月齢〜1年齢の柑橘類植物(オレンジ)と密着させて行った。土に移してから2年〜3年後に、該サンタルム植物の根を採取し、宿主植物の根から離した。これらの根の抽出物のGC−MS分析によって、ビャクダン油に特徴的なセスキテルペンの存在が示された。トータルRNAは、Concert(商標)Plant RNA試薬(Invitrogen)を使用して根から取り出した。12gの組織から、640ミリグラムのトータルRNAが単離された。
全トランスクリプトームを、Illumina Total RNA−Seq技術およびIllumina HiSeq 2000シーケンサーを使用して配列決定した。全体で1億87万の2×100bpのペアリードが生じた。前記リードのアセンブルは、CLC−Bio Genomic Workbench(CLCBo,デンマーク)のDe Novo Assemblyアプリケーションを使用して行った。平均サイズ683bpを有する全体で82479のコンティグがアセンブルされた。前記コンティグは、tBlastnアルゴリズム(Altschulら,J.Mol.Biol.215,403−410,1990)と、クエリー配列として既知のP450アミノ酸配列、例えばCYP71AV1の配列(NCBIアクセッション番号ABB82944.1)を使用して調査した。このアプローチにより、特徴的なシトクロムP450モチーフを有するタンパク質をコードする幾つかのコンティグが同定された。1つの選択されたコンティグのSCH37−Ct816(配列番号69)は、500アミノ酸のタンパク質SaCP816(配列番号71)をコードする1503bp長のオープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号70)を含むものであった。このアミノ酸配列は既知のシトクロムP450配列とホモロジーを示し、最も近い配列はヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)由来のP450、つまり62%のアミノ酸配列同一性を共有するCYP71D10(NCBIアクセッション番号AAB94588.1)であった。
例14
SaCP816の細菌細胞中での異種発現
SCH37−Ct816によってコードされるタンパク質の機能的キャラクタリゼーションのために、タンパク質をE.コリ細胞中で異種発現させた。E.コリ中での改善された発現のためにORFを改変した。最初の17コドンをMALLLAVFWSALIILVペプチドをコードするコドンによって置き換え、全ORF配列のコドン利用を、E.コリコドン利用に適合するように改変させた。改変されたSaCP816(配列番号73)をコードするこのcDNA(SaCP120293(配列番号72))は、インビトロ(DNA2.0)で合成し、pJExpress404プラスミド(DNA2.0)中にクローニングした。異種発現は、例2に記載されるようにして実施した。
例15
SaCP816とP450レダクターゼの細菌中での同時発現
1つのバイシストロン性オペロンを、単独のプラスミドからユニークなプロモーターの制御のもとP450酵素およびCPRを発現するように設計した。最適化されたSaCP120293のcDNAをCPRmのcDNA(配列番号9、例3)と組み合わせて、連続的にP450のcDNA、リボソーム結合部位(RBS)を含むリンカー配列およびCPRmのcDNAを含むバイシストロン性構築物(配列番号74)を調製した。この構築物は、PCRによりP450とCPRのcDNAを、In−Fusion(登録商標)法(Clontech)を用いてpCWori+プラスミド(Barnes H.J(1996) Method Enzymol.272,3−14)のNdeI−HindIII部位にクローニングするのに適した5’および3’の突出末端を用いて別々に増幅させることによって調製され、こうしてプラスミドSaCP816−CPRm−pCWori(配列番号74)を得た。
E.コリ細胞JM109を、SaCP816−CPRm−pCWori発現プラスミドで形質転換した。前記形質転換された細胞を増殖させ、組み換えタンパク質を含む無細胞抽出物を例2に記載されるようにして調製した。このタンパク質フラクションは、セスキテルペン分子の酵素的変換を評価(例16)するために使用した。
例16
組み換えSaCP816 P450酵素を使用した(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンのインビトロ変換
生体内変換アッセイで基質として使用した種々のセスキテルペン炭化水素は、例4に記載されるようにして調製した。
組み換えのSaCP816およびCPRmタンパク質を発現するE.コリ由来の粗製タンパク質抽出物(例15)を、これらのセスキテルペン分子のインビトロ酸化のために使用した。アッセイは、20マイクロリットル〜50マイクロリットルのタンパク質抽出物、500マイクロモラーのNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5マイクロモラーのFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)、5マイクロモラーのFMN(フラビンモノヌクレオチド)、および300マイクロモラーのセスキテルペン類(α−サンタレンまたは、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの混合物)を含有する1mLの100mMのTris−HCL(pH7.4)バッファー中で実施した。テフロンで封止したガラス管中でやさしくかき混ぜながら2時間インキュベーションした後に、反応を氷上で停止させ、1容量のMTBE(メチルt−ブチルエーテル、Sigma)で抽出した。該抽出物を、GCMSによって例4に記載されるようにして分析した。
これらの条件で、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの酸化が観察された。図12は、SaCP816による(+)−α−サンタレンの酸化が(Z)−α−サンタロールをもたらすことを示している。図13は、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンが、SaCP816によって効果的に酸化されて、(Z)−α−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(Z)−α−トランス−ベルガモトールおよび(Z)−エピ−β−サンタロールを形成することを示している。全てのアッセイにおいて、検出可能な量のセスキテルペンアルコールの相応のトランス異性体は観察されなかった(それぞれのセスキテルペンアルコールのトランス異性体とシス異性体は、これらのアッセイで使用されるクロマトグラフィー条件で簡単に分離される)。
この実験は、サンタルム・アルブムから単離されたシトクロムP450酵素であるSaCP816を、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよび類似のセスキテルペン構造のシス末端炭素の選択的なヒドロキシル化に使用できることを示している。
例17
組み換えSaCP816 P450酵素を使用した、操作された細胞における酸化されたセスキテルペンのインビボ産生
(+)−α−サンタレンの酸化生成物と、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテン、(+)−エピ−β−サンタレンまたは他の構造的に類似した分子の酸化生成物は、グルコースまたはグリセロールのような炭素源からセスキテルペンを産生するように操作されたE.コリ細胞において直接産生させることもできる。SaCP120293のcDNA(配列番号72)、CPRmのcDNA(配列番号9)およびテルペン合成酵素をコードするcDNAから構成される合成オペロンを含むpCWori+プラスミドからなるプラスミドを調製した。テルペン合成酵素のために、クラウセナ・ランシウムの(+)−α−サンタレン合成酵素のcDNA(ClASS)(WO2009109597)またはサンタルム・アルブムの(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素(SaSAS)(WO2010067309)をコードするcDNAを使用した。
このように2つのプラスミドは、例6に記載される手順と同様の手順を使用して構築した。コドン最適化された(+)−α−サンタレン合成酵素cDNA(配列番号19)および(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレン合成酵素のcDNA(配列番号21)を、例6に記載されるようにして増幅させ、そしてIn−Fusion(登録商標)Dry−Down PCRクローニングキット(Clontech、Takara Bio Europe)を使用して、HindIII制限酵素で消化されたプラスミドSaCP816−CPRm−pCWori中にライゲーションすることで、2つの新たなプラスミドSaCP816−CPRm−ClASS−pCWori(配列番号75)およびSaCP816−CPRm−SaSAS−pCWori(配列番号76)を得た。
これらのオペロンの性能の評価は、前記2種のプラスミドのいずれかと、完全なメバロン酸経路を有するプラスミドpACYC−29258−4506(例4)とを同時形質転換させたE.コリ細胞XRX(Promega)中で実施した。形質転換された細胞を、カルベニシリン(50μg/ml)およびクロラムフェニコール(34μg/ml)のLBアガロースプレート上で選択した。単コロニーを用いて、適切な抗生物質を補った5mLのLB培地に接種した。該培養を37℃および250rpmで一晩インキュベートした。翌日に、100μg/Lのカルベニシリンおよび17μg/Lのクロラムフェニコールを含むガラス培養管中の2mLのTB培地に、200μlのLB前培養を接種し、37℃および250rpmでインキュベートした。培養6時間後に(または培養の600nmでの光学密度が3の値に達したときに)、該培養を20℃に冷却し、そしてタンパク質の発現を0.1mMのIPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド)で誘導し、そして0.1%のラムノースおよび75μg/Lのδ−アミノレブリン酸(sigma)および2%(容量/容量)のデカンを添加した。250rpmで振盪しながら48時間インキュベートした後に、全培養ブロスを1容量のMTBEで抽出し、そして例4に記載されるようにしてGCMSによって分析した。
全ての得られた菌株は、セスキテルペン炭化水素だけでなく、インビトロ実験でも観察される相応の酸化された産物も産生した(図14)。この実験は、SaCP816を発現する操作された細胞を使用すると、セスキテルペン類の(Z)−α−サンタロール、(Z)−β−サンタロールおよび他の構造的に類似した分子が産生されうることを示している。
例18
SaCP10376、つまりサンタルム・アルブム由来のシトクロムP450をコードするcDNAの単離
例13に記載されるようにして、P450をコーディングする幾つかのコンティグ配列を、サンタルム・アルブムの根からのトランスクリプトームにおいて同定した。SCH37−Ct816以外に、別のコンティグ:SCH37−Ct10374(配列番号77)を選択した。これは、510アミノ酸から構成されるタンパク質SaCP10374(配列番号79)をコードする1533bp長のORF(配列番号78)を含み、既知のシトクロムP450配列とホモロジーを示すとともに、ヴィティス・ヴィニフェラ由来のCYP71D10、つまりCYP71D10と58%の同一性を示している。
例19
細菌細胞中でのSaCP10374の異種発現および細菌中でのP450レダクターゼとの同時発現
SCH37−Ct10374によってコードされる酵素の機能的キャラクタリゼーションのために、タンパク質をE.コリ細胞中で異種発現させた。E.コリ中での発現を改善するためにORF配列を改変した。最初の18コドンをMALLLAVFWSALIIペプチドをコードするコドンによって置き換え、全ORF配列のコドン利用を、最適化させた。改変されたSaCP10374(配列番号81)をコードする新たなcDNA、つまりSaCP120292(配列番号80)は、インビトロ(DNA2.0)で合成し、pJExpress404プラスミド(DNA2.0)中にクローニングした。
異種発現は、例2に記載されるようにして実施した。この方法によって、450nmに最大吸収を有する典型的なCOスペクトルがこの新たな組み換えS.アルブムのP450について測定され、こうして機能的なP450酵素へと適切に折り畳まれていることが裏付けられる。
このP450酵素の活性を再構成するために、P450レダクターゼ(CPR)を同時発現させた。この目的のために、1つのバイシストロン性オペロンを、例15に記載されるのと同様にして、単独のプラスミドからユニークなプロモーターの制御のもとSaCP10374およびCPRm(ミントのP450レダクターゼ)を発現するように設計した。最適化されたSaCP12092のcDNAをCPRmのcDNAと組み合わせて、連続的にP450のcDNA、リボソーム結合部位(RBS)を含むリンカー配列およびCPRmのcDNAを含むバイシストロン性構築物(配列番号82)を調製した。この構築物を、PCRによって例15に記載されるようにして調製し、pCWori+プラスミド(Barnes H.J(1996) Method Enzymol.272,3−14)中にクローニングすることで、プラスミドSaCP10374−CPRm−pCWoriを得た。
E.コリ細胞JM109を、これらのバイシストロン性発現プラスミドで形質転換した。前記形質転換された細胞を増殖させ、組み換えタンパク質を含む無細胞抽出物を例2に記載されるようにして調製した。それらの膜タンパク質フラクションは、セスキテルペン分子の酵素的変換を評価(例21)するために使用した。
例21
組み換えSaCP10374 P450酵素を使用した(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよび(−)−α−トランス−ベルガモテンのインビトロ変換
生体内変換アッセイのこの例において基質として使用した種々のセスキテルペン炭化水素(α−サンタレンか、または(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンの混合物のいずれか)は、例4に記載されるようにして調製した。
組み換えのSaCP10374およびCPRmタンパク質を発現するE.コリ由来の粗製タンパク質抽出物(例20)を、これらのセスキテルペン分子のインビトロ酸化のために使用し、そして該アッセイを例16に記載されるようにして実施した。テフロンで封止したガラス管中でやさしくかき混ぜながら2時間インキュベーションした後に、反応を氷上で停止させ、1容量のMTBE(メチルt−ブチルエーテル、Sigma)で抽出した。該抽出物を、GCMSによって例4に記載されるようにして分析した。
これらの条件で、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンのSaCP10374による酸化が観察された。図15および図16は、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテンおよび(+)−エピ−β−サンタレンが、SaCP10374によって酸化されて、(E)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(E)−α−トランス−ベルガモトールおよび(E)−エピ−β−サンタロールを形成することを示している。全てのアッセイにおいて、検出可能な量のセスキテルペンアルコールの相応のシス異性体は観察されなかった(それぞれのセスキテルペンアルコールのトランス異性体とシス異性体は、これらのアッセイで使用されるクロマトグラフィー条件で簡単に分離される)。
この実験は、サンタルム・アルブムから単離されたシトクロムP450酵素であるSaCP10374を、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレンおよび構造的に類似のセスキテルペン分子のトランス末端炭素の選択的なヒドロキシル化に使用できることを示している。
例22
組み換えSaCP816およびSaCP10374 P450酵素を使用した(E)−β−ファルネセン、(E)−α−ファルネセン、(−)−セスキサビネンB、(−)−β−ビサボレンおよび(−)α−トランス−ベルガモテンのインビトロ変換
例4に記載される方法を使用して、サンタレン類に構造的に類似した幾つかのセスキテルペン炭化水素を調製した。(−)−セスキサビネンBおよび(−)−β−ビサボレンを、SaTps647、つまりサンタルム・アルブムの(−)−セスキサビネンB合成酵素(NCBIアクセッション番号ADP37190.1)をコードするcDNAか、またはSaTps30、つまりサンタルム・アルブムの(−)−β−ビサボレン合成酵素(NCBIアクセッション番号ADP37189.1)をコードするcDNAのいずれかを含むpETDuet発現プラスミドと組み合わせて、例4に記載されるpACYC−29258−4506プラスミドを使用して産生させた。β−ファルネセンは、Bedoukian(Dambury,Ct,USA)から入手し、α−ファルネセンは、Treatt(Suffolk,UK)から入手し、そして(−)−α−トランス−ベルガモテンは、シトラス油から精製したものであった。
組み換えのSaCP816またはSaCP10374と一緒に、CPRmタンパク質を発現するE.コリ由来の粗製タンパク質抽出物(例15および例20)を、これらのセスキテルペン分子のインビトロ酸化のために使用した。アッセイおよびGCMSによる生成物同定は、例16に記載されるようにして実施した。
これらの条件で、(E)−β−ファルネセン、(E)−α−ファルネセン、(−)−セスキサビネンB、(−)−β−ビサボレンおよび(−)α−トランス−ベルガモテンの酸化が観察された(図17〜図21)。これらの全ての化合物について、前記2種のS.アルブムのP450は、末端gem−ジメチル基(図27におけるR1またはR2)の2つの炭素原子の1つに位置選択性である。SaCP816は、末端二重結合に対してシス位にあるメチル(図27におけるR1)の炭素原子の選択的酸化を触媒する一方で、SaCP10374は、同じ基質の酸化を、もっぱら末端二重結合に対してトランス位にあるメチル基(図27におけるR2)の炭素原子で触媒する。それぞれのセスキテルペンアルコールのトランス異性体とシス異性体は、これらのアッセイで使用されるクロマトグラフィー条件で簡単に分離される。相応のアルデヒドの形成は、トランス−メチル基が酸化される場合に、E.コリ固有のアルコールデヒドロゲナーゼ活性によるものである。
この実験は、サンタルム・アルブムから単離されたシトクロムP450酵素であるSaCP816およびSaCP10374を、β−ファルネセン、α−ファルネセン、(+)−α−サンタレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−トランス−ベルガモテン、(−)−セスキサビネンBまたは(−)−β−ビサボレンと構造類似性を有する様々なセスキテルペン分子の、シス末端炭素とトランス末端炭素のそれぞれの選択的ヒドロキシル化に使用できることを示している。
例23
組み換えSaCP816またはSaCP10374 P450酵素を使用した、操作された細胞における様々な酸化されたセスキテルペンのインビボ産生
例21および例22に記載される酸化されたセスキテルペン分子は、全細胞、例えばグルコースもしくはグリセロール等の炭素源からセスキテルペン類を産生するように操作されたE.コリ細胞のような全細胞を使用して直接的に産生させることもできる。SaCP120293のcDNA(配列番号72)またはSaCP120292(配列番号80)、CPRmのcDNA(配列番号9)およびテルペン合成酵素をコードするcDNA(アルテミシア・アヌアのβ−ファルネセン合成酵素(NCBIアクセッション番号AAX39387.1.1)、ピセア・アビエス(Picea abies)のα−ファルネセン合成酵素(NCBIアクセッション番号AAS47697.1)、S.アルブムの(−)−セスキサビネンB(NCBIアクセッション番号ADP37190.1)、S.アルブムの(−)−β−ビサボレン合成酵素(NCBIアクセッション番号ADP37189.1)、クラウセナ・ランシウムのα−サンタレン合成酵素(NCBIアクセッション番号ADR71055.1)またはS.アルブムのα−/β−サンタレン合成酵素(NCBIアクセッション番号ADP30867.1)のいずれかをコードするcDNA)から構成される合成オペロンを含むpCWori+プラスミドからなるプラスミドを調製した。
種々の合成オペロンの組み合わせを有するプラスミドを、以下の手順を使用して調製した。プラスミドpD444−SR−AaBFS(AaBFS、アルテミシア・アヌアの(E)−β−ファルネセン合成酵素(NCBIアクセッション番号AAX39387.1)をコードする最適化されたcDNAを含む)、プラスミドpD444−SR−PaAFS(PaAFS、ピセア・アビエスの(E)−α−ファルネセン合成酵素(NCBIアクセッション番号AAS47697.1)をコードする最適化されたcDNAを含む)を使用して、PCRによって(E)−β−ファルネセン合成酵素および(E)−α−ファルネセン合成酵素のcDNAをそれぞれ増幅させた。プラスミドpETDuet−SaTps647およびpETDuet−SaTps30(例22)を鋳型として使用して、PCRによってセスキサビネンB合成酵素およびビサボレン合成酵素のcDNAをそれぞれ増幅させた。それぞれの構築物について、In−Fusion(登録商標)技術(Clontech、Takara Bio Europe)を使用したクローニングのためにプライマーを設計した。AaBFSのcDNAを、フォワードプライマーCPRm_aaBFS_Inf1(TTACCTGCGTGATGTGTGGTAATAAAAGCTTAGGAGGTAAAAATGTCTACCCTGCCAATTTCTTC)およびリバースプライマーAaBFS_Inf2(ATGTTTGACAGCTTATCATCGATAAGCTGAATTCTTACACAACCATCGGGTGCACAAAGAATG)を使用して増幅させた。PaAFSのcDNAを、フォワードプライマーCPRm_PaAFS_Inf1(TTACCTGCGTGATGTGTGGTAATAAAAGCTTAGGAGGTAAAAATGGATCTGGCAGTGGAAATCGC)およびリバースプライマーPaAFS_Inf2(CTCATGTTTGACAGCTTATCATCGATAAGCTGAATTCTTACATCGGGACCGGCTCCAGGACGGTGC)を使用して増幅させた。SaTps647のcDNAを、フォワードプライマーCPRm_Tps647_inf1(5’GCGTGATGTGTGGTAATAAAAGCTTAGGAGGTAAAAATGGCGACCGTTGTGGATGATTCT−3’)およびリバースプライマーTps647_Inf2(GCTTATCATCGATAAGCTGAATTCTTACTCTTCATCCAGGGTAATCGGGTGGA)を使用して増幅させた。SaTps30のcDNAを、フォワードプライマーCPRm_Tps30_Inf1−(GCGTGATGTGTGGTAATAAAAGCTTAGGAGGTAAAAATGGACGCATTCGCAACGAGCC)およびリバースプライマーTps30_Inf2(GTGATGTGTGGTAATAAAAAGCTGAATTCTTAGTCCTCTTCATTCAGCGGGATCGGGTG)を使用して増幅させた。
前記PCR産物を、HindIII制限酵素で消化したプラスミドSaCP816−CPRm−pCWori(配列番号74)またはSaCP10374−CPRm−pCWOri(配列番号82)をIn−Fusion(登録商標)Dry−Down PCRクローニングキット(Clontech、Takara Bio Europe)を用いてライゲーションすることで、新たなプラスミドSaCP816−CPRm−SaTPS647−pCWori(配列番号83)、SaCP10374−CPRm−SaTPS647−pCWori(配列番号84)、SaCP816−CPRm−SaTPS30−pCWori(配列番号85)、SaCP10374−CPRm−SaTPS30−pCWori(配列番号86)、SaCP816−CPRm−AaBFS−pCWori(配列番号87)、SaCP10374−CPRm−AaBFS−pCWori(配列番号88)、SaCP816−CPRm−PaAFS−pCWori(配列番号89)、SaCP10374−CPRm−PaAFS−pCWori(配列番号90)、SaCP10374−CPRm−ClTps2−pCWori(配列番号91)およびSaCP10374−CPRm−SaTps8201−pCWori(配列番号92)を得た。
前記プラスミドを使用したE.コリ細胞における酸化されたセスキテルペンのインビボ産生は、例17に記載されるようにして実施した。これらのプラスミドで形質転換された全ての組み換え細菌細胞は、想定されるセスキテルペン炭化水素だけでなく、インビトロ実験でも観察される相応の酸化された産物も産生した(図22〜図26)。

Claims (35)

  1. セスキテルペンアルコールの製造方法であって、
    i)式I:
    Figure 2016533707
    [式中、Rは、9個の炭素から構成される飽和の、一価不飽和の、または多価不飽和の脂肪族基であり、Rは、9個の炭素から構成される飽和の、一価不飽和の、または多価不飽和の脂肪族基であるとともに、Rは、分枝鎖であってよく、または1つ以上の非芳香族環から構成されていてよい]のテルペンと、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%または少なくとも約45%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとを接触させることと、
    ii)任意に、前記アルコールを単離することと、
    を含む前記製造方法。
  2. 前記アルコールは、α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/またはそれらの混合物を含むセスキテルペンアルコールの製造方法であって、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンと、P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドとを接触させ、その際、産生されるセスキテルペンアルコールは、少なくとも約36%のシス異性体を含む前記製造方法。
  4. 前記産生されるセスキテルペンアルコールは、少なくとも約46%のシス異性体を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記産生されるセスキテルペンアルコールは、50%より多くのシス異性体を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記産生されるセスキテルペンアルコールは、少なくとも72%のシス異性体を含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記産生されるセスキテルペンアルコールは、少なくとも96%のシス異性体を含む、請求項3に記載の方法。
  8. 前記産生されるセスキテルペンアルコールは、約100%のシス異性体を含む、請求項3に記載の方法。
  9. 前記ポリペプチドは、配列番号28、配列番号30、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の方法。
  10. 前記ポリペプチドは、配列番号30、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号66、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の方法。
  11. 前記ポリペプチドは、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択される配列を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
  12. 前記ポリペプチドは、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の方法。
  13. 前記ポリペプチドは、配列番号68、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドは、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸を有するポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の方法。
  15. モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性を有するか、あるいは前記アミノ酸配列に対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチド。
  16. モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチド。
  17. 配列番号70および配列番号72からなる群から選択される核酸配列を有する核酸i)、ならびにP450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子ii)からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号71および配列番号73からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性、あるいは少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離された核酸分子。
  18. コードされるポリペプチドは、配列番号71および配列番号73からなる群から選択される配列を有する、請求項17に記載の核酸分子。
  19. モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性を有するか、あるいは前記アミノ酸配列に対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチド。
  20. モノオキシゲナーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む前記単離されたポリペプチド。
  21. 配列番号78および配列番号80からなる群から選択される核酸配列を有する核酸i)、ならびにP450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子ii)からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%またはそれより高い同一性、あるいは少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%またはそれより高い同一性を有するアミノ酸配列を含む前記単離された核酸分子。
  22. コードされるポリペプチドは、配列番号79および配列番号81からなる群から選択される配列を有する、請求項21に記載の核酸分子。
  23. 配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33および配列番号35からなる群から選択される核酸配列を有する核酸i)、ならびにP450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子ii)からなる群から選択される単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36からなる群から選択される配列を有する前記単離された核酸分子。
  24. P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択されるポリペプチドに対して少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、90%、95%もしくは98%または少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約98%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法。
  25. P450モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドの製造方法であって、宿主細胞または非ヒト生物を、配列番号71、配列番号73、配列番号79および配列番号81からなる群から選択される配列を有するポリペプチドをコードする核酸で形質転換させるステップと、前記宿主細胞または生物を前記ポリペプチドの産生を可能にする条件下で培養するステップとを含む前記製造方法。
  26. α−シネンソール、β−シネンソール、α−サンタロール、β−サンタロール、α−トランス−ベルガモトール、エピ−β−サンタロール、ランセオールおよび/または混合物の製造方法であって、
    i)モノオキシゲナーゼ活性を有するP450ポリペプチドを産生するのに適した条件下で細胞を培養し、
    その際、前記細胞は、
    a)非環式ピロホスフェートであるテルペン前駆体を産生し、
    b)P450レダクターゼを発現し、
    c)α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンの合成酵素活性を有するポリペプチドを発現するとともに、α−ファルネセン、β−ファルネセン、α−サンタレン、β−サンタレン、α−トランス−ベルガモテン、エピ−β−サンタレンおよび/またはβ−ビサボレンを産生し、かつ
    d)請求項1で定義されるポリペプチドを発現し、
    ii)任意に、前記細胞から前記アルコールを単離する、前記製造方法。
  27. 前記非環式ピロホスフェートであるテルペン前駆体は、ゲラニルピロリン酸(GPP)、ファルネシル二リン酸(FPP)およびゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記非環式ピロホスフェートであるテルペン前駆体は、ファルネシル二リン酸(FPP)からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 請求項17、18、21、22または23の核酸分子を含むベクター。
  30. 前記ベクターは、原核生物ベクター、ウイルスベクターまたは真核生物ベクターである、請求項29に記載のベクター。
  31. 発現ベクターである、請求項29または23に記載のベクター。
  32. 前記細胞は、原核細胞である、請求項24、25または26に記載の方法。
  33. 前記細胞は、細菌細胞である、請求項24、25または26に記載の方法。
  34. 前記細胞は、真核細胞である、請求項24、25または26に記載の方法。
  35. 前記真核細胞は、酵母細胞または植物細胞である、請求項34に記載の方法。
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