JP2015533285A - シトクロムp450およびシトクロムp450レダクターゼポリペプチド、コードする核酸分子、ならびにそれらの用途 - Google Patents
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Abstract
Description
「CYTOCHROME P450 AND CYTOCHROME P450 REDUCTASE POLYPEPTIDES, ENCODING NUCLEIC ACID MOLECULES AND USES THEREOF」と題する2012年11月1日出願の米国特許仮出願第61/796,129号、および「CYTOCHROME P450 AND CYTOCHROME P450 REDUCTASE POLYPEPTIDES, ENCODING NUCLEIC ACID MOLECULES AND USES THEREOF」と題する2013年5月31日出願の米国特許仮出願第61/956,086号の優先権の利益を主張する。上記出願のそれぞれの対象は、その全体が参照によって援用される。
電子的に提供される配列表の参照による援用
配列表の電子版が本明細書と一緒に提出され、その内容は全体が参照によって援用される。当該電子ファイルはサイズが301キロバイトであり、229SEQPC1.txtというタイトルである。
ビャクダン油中のサンタロールおよび他のセスキテルペノイドを作り出そうという化学的取り組みが試みられて来たが、それらの化合物の高度に複雑な構造は、大量のそれらの調製のための経済的に実行可能な合成プロセスを達し難くして来た。したがって、サンタロールおよび他のセスキテルペノイドの効率的で費用効果が高い合成の必要性が存在する。それらは、フレグランス産業における使用のために多いに求められているビャクダンの芳香をもたらす。
したがって、本明細書の対象には、サンタロールおよび他のセスキテルペノイドの産生のための方法ならびにその方法の所産の産物の提供が含まれる。
さらに、シトクロムP450レダクターゼポリペプチド(改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)をコードする核酸分子が提供される。本明細書においては、単離されたSantalum albumのシトクロムP450レダクターゼポリペプチドと、ポリペプチドを含有する宿主細胞とが提供され、ポリペプチドは宿主細胞にとって異種性である。シトクロムP450酵素と第2の部分(例えばシンターゼまたはその触媒活性部分)とを含有する融合蛋白質をコードする核酸分子が提供される。
さらに、本明細書においては、Santalum albumのシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片をコードする単離された核酸分子が提供される。例えば、本明細書においては単離された核酸分子が提供され、これは、配列番号12もしくは13に記載のアミノ酸の配列を有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードするか、または、配列番号12もしくは13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする。別の例においては、本明細書において、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供され、これが、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示す。
本明細書においては、融合蛋白質をコードする核酸分子が提供され、これは、サンタレンシンターゼおよびシトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはその触媒活性断片を含有する。全長サンタレンシンターゼは、配列番号58〜60のいずれか1つに記載のヌクレオチドの配列によってコードされ、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼをコードする本明細書において提供される任意の核酸分子によってコードされる。別の例においては、本明細書においては、サンタレンシンターゼおよびシトクロムP450サンタレンオキシダーゼをコードする、核酸分子が提供される。サンタレンシンターゼは、配列番号17、52、および53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、配列番号7、73、74、75、および76のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列を有する。
本明細書においては、融合蛋白質をコードする核酸分子が提供され、これは、シトクロムP450またはその触媒活性断片およびシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性断片を含有し、シトクロムP450は、シトクロムP450オキシダーゼをコードする本明細書において提供される任意の核酸分子であり、シトクロムP450レダクターゼは、シトクロムP450レダクターゼをコードする本明細書において提供される任意の核酸分子である。例えば、本明細書においては、配列番号6〜9および73〜78のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列を有するシトクロムP450、ならびに、配列番号12〜15のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列を有するシトクロムP450レダクターゼをコードする核酸分子が提供される。
本明細書においては、シトクロムP450ポリペプチドを産生するための方法が提供され、これは、シトクロムP450ポリペプチドをコードする本明細書において提供される核酸分子、または、シトクロムP450ポリペプチドをコードする本明細書において提供される任意のベクターを細胞内に導入することと、細胞を、核酸またはベクターによってコードされるシトクロムP450ポリペプチドの発現にとって適当な条件下において培養することと、任意選択でシトクロムP450ポリペプチドを単離することとによる。
本明細書においては、サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物の産生のための方法が提供され、これは、(a)サンタレンおよび/またはベルガモテンとシトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはベルガモテンオキシダーゼとを、サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物の生成にとって適当な条件下において接触させることと、(b)任意選択で、サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物を単離することとによる。一部の例においては、ステップ(a)はインビトロまたはインビボにおいて実施される。例えば、ステップ(a)は、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはベルガモテンオキシダーゼポリペプチドをコードする核酸分子またはベクターによって形質転換された細胞によって、インビボにおいて実施される。これによって、核酸分子またはベクターによってコードされるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが発現されて、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、サンタレンおよび/またはベルガモテンからのサンタロールおよび/またはベルガモトールの生成を触媒する。
提供される方法の一部の例においては、ベルガモテンが、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ(すなわち、本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、本明細書において提供される任意の核酸分子によってコードされる本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼをコードする本明細書において提供される核酸分子、または、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼをコードする本明細書において提供されるベクター)と接触させられて、それによってベルガモトールが産生される。
A.定義
B.概要
1.テルペノイドの生合成
a.サンタロール
b.ベルガモトール
2.シトクロムP450酵素
a.構造
b.活性
3.シトクロムP450レダクターゼ
a.構造
b.活性
C.シトクロムP450ポリペプチドおよびコードする核酸分子
1.シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド
改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド
2.シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド
改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド
3.さらなる改変
a.トランケートポリペプチド
b.変更された活性または特性を有するポリペプチド
c.ドメインスワッピング
d.融合蛋白質
D.シトクロムP450レダクターゼポリペプチドおよびコードする核酸分子
1.シトクロムP450レダクターゼポリペプチド
2.改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチド
3.さらなる改変
a.トランケートポリペプチド
b.変更された活性または特性を有するポリペプチド
c.ドメインスワッピング
d.融合蛋白質
E.改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドならびにコードする核酸分子を産生するための方法
F.シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドおよびコードする核酸分子の発現
1.Santalum albumのシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸の単離
2.改変された核酸の作製
3.ベクターおよび細胞
4.発現系
a.原核細胞
b.酵母細胞
c.植物および植物細胞
d.昆虫および昆虫細胞
e.哺乳動物細胞
f.例示的な宿主細胞
5.精製
6.融合蛋白質
G.テルペノイドを産生するための方法、ならびにかかる産物とシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの活性とを検出するための方法
1.サンタロールおよびベルガモトールの合成
a.サンタレンおよびベルガモテンの酸化
b.非環式のピロホスファートのテルペン前駆体の変換
2.産生のための方法
a.例示的な細胞
b.細胞の培養
c.単離ならびに検出および同定のための試験
3.ビャクダン油の産生
4.シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの酵素活性を検出するための試験
a.シトクロムP450ポリペプチドの活性を測定するための方法
b.シトクロムP450レダクターゼポリペプチドの活性を測定するための方法
H.実施例
別段の定めがない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の業者によって通例理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示全体に渡って参照される全ての特許、特許出願、公開された出願および公刊物、Genbankの配列、データベース、ウェブサイト、および他の公開された情報は、別段の定めがない限り、それらの全体が参照によって援用される。本明細書の用語について複数の定義がある場合には、本節のものが優先される。URLまたは他のかかる識別子もしくはアドレスが参照される場合には、当然のことながら、かかる識別子は変わり得、インターネット上の具体的な情報は現れては消え得るが、相当する情報はインターネットを検索することによって発見され得る。その参照は、かかる情報の入手可能性および公開提供を示す。
本明細書において用いられる場合、テルペンは、イソプレン単位(C5H8)に基づく、一般式C5xH8x(例えばC10H16)を有する不飽和炭化水素である。テルペンへの言及は、非環式、単環式、および多環式のテルペンを含む。テルペンは、モノテルペン(10個の炭素原子を含有する)、セスキテルペン(15個の炭素原子を含有する)、ジテルペン(20個の炭素原子を含有する)、およびトリテルペン(30個の炭素原子を含有する)を含むが、これらに限定されない。テルペンへの言及は、テルペンの立体異性体も含む。
本明細書において用いられる場合、テルペンシンターゼは、ピロホスファートのテルペン前駆体からの1つ以上のテルペンの生成を触媒できるポリペプチドである。一部の例においては、テルペンシンターゼは、非環式のピロホスファートのテルペン前駆体(例えばFPP、GPP、またはGGPP)からの1つ以上のテルペンの生成を触媒し、サンタレンシンターゼを含むがこれに限定されない。別の例においては、テルペンシンターゼは、非環式のピロホスファートのテルペン前駆体からの1つ以上のテルペンの生成を触媒し、サンタレンシンターゼを含むがこれに限定されない。
本明細書において用いられる場合、「シトクロムP450」、「シトクロムP450オキシダーゼ」、「シトクロムP450ポリペプチド」、「シトクロムP450オキシダーゼポリペプチド」、または「CYP」は、任意のテルペン前駆体(モノテルペン、セスキテルペン、およびジテルペンを含む)の一酸素添加を触媒できるポリペプチドである。シトクロムP450は、テルペンまたはテルペンの混合物の一酸素添加を触媒して、1つ以上のテルペノイド産生をもたらし得る。
シトクロムP450サンタレンオキシダーゼへの言及は任意のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドを含み、これは組み換え的に産生されたポリペプチド、合成的に産生されたポリペプチド、および細胞または植物体(ビャクダン樹の心材を含むが限定されない)から抽出または単離されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドを含むが、限定されない。シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドの例は、Santalum albumから単離されるものを含む。シトクロムP450サンタレンオキシダーゼへの言及は、任意の属または種に由来するシトクロムP450サンタレンオキシダーゼを含み、アレルまたは種間バリアント、スプライシングバリアントによってコードされるバリアント、および他のそのバリアントが含まれる。それらは、アラインメントされたときに、配列番号7、74、75、76、または77に記載のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼに対して少なくともまたは少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはさらなる配列同一性を有するポリペプチドを含む。シトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性を保持するその触媒活性断片も包含する。
本明細書の目的のためには、本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼは、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性を有する酵素であり、配列番号6、8、9、または73に記載のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ配列とアラインメントされたときに、50%、55%、60%、65%、70%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるか、それらを超えるか、またはおよそそれらを超える配列同一性を有する。シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼへの言及は任意のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含み、これは、組み換え的に産生されたポリペプチド、合成的に産生されたポリペプチド、および細胞または植物体(ビャクダン樹の心材を含むが限定されない)から抽出または単離されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含むが、これらに限定されない。シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドの例は、Santalum albumから単離されたものを含む。シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼへの言及は、任意の属または種に由来するシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼを含み、アレルまたは種間バリアント、スプライシングバリアントによってコードされるバリアント、および他のそのバリアントが含まれる。それらは、アラインメントされたときに、配列番号6、8、9、または73に記載のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼに対して少なくともまたは少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはさらなる配列同一性を有するポリペプチドを含む。シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼは、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性を保持するその触媒活性断片も包含する。
本明細書において用いられる場合、シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼに関する「野生型」または「天然」は、天然のまたは天然に存在するシトクロムP450遺伝子またはシトクロムP450レダクターゼ遺伝子によってコードされる、シトクロムP450ポリペプチドまたはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを指す。これは、天然の生物(植物を含む)中に存在するアレルバリアントも含む。野生型シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼへの言及は、種への言及がなければ、野生型シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼの任意の種を包含することが意図されている。
本明細書において用いられる場合、「改変されたシトクロムP450」または「改変されたシトクロムP450ポリペプチド」または「改変されたCYP」は、改変されていないまたは野生型のシトクロムP450ポリペプチドと比較して1つ以上のアミノ酸の違いを有する、シトクロムP450ポリペプチドを指す。1つ以上のアミノ酸の違いは、1つ以上のアミノ酸の交換(置換)、挿入、もしくは欠失などのアミノ酸変異であり得、または、全体のドメインもしくはその一部の挿入もしくは欠失もしくは交換、およびその任意の組み合わせであり得る。改変は、任意の変異導入プロトコール(遺伝子シャッフリング法を含む)によって実施され得る。通常は、改変されたシトクロムP450ポリペプチドは、改変されていないシトクロムP450ポリペプチドと比較して1次配列中に1つ以上の改変を有する。例えば、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450ポリペプチドは、少なくとも1、5、10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135個、またはさらなるアミノ酸の違いを、改変されていないシトクロムP450ポリペプチドと比較して有し得る。通常は、改変されたシトクロムP450ポリペプチドは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のアミノ酸の交換を有するであろうが、特にそのドメインまたは部分がスワッピングされるときにはさらに多くを含み得る。所産のポリペプチドが野生型シトクロムP450に関わる少なくとも1つのシトクロムP450活性(例えば、触媒活性、モノオキシゲナーゼ活性、および/またはテルペンからのテルペノイドの生成を触媒する能力)を有する限り、任意の改変が考えられる。
本明細書において用いられる場合、「改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ」または「改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド」は、改変されていないまたは野生型シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドと比較して1つ以上のアミノ酸の違いを有する、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドを指す。1つ以上のアミノ酸の違いは、1つ以上のアミノ酸の交換(置換)、挿入、もしくは欠失などのアミノ酸変異であり得、または、全体のドメインまたはその部分の挿入もしくは欠失もしくは交換、およびその任意の組み合わせであり得る。改変は、遺伝子シャッフリング法を含む任意の変異導入プロトコールによって実施され得る。通常は、改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、改変されていないシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドと比較して1次配列中に1つ以上の改変を有する。例えば、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、少なくともl、5、10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135個、またはさらなるアミノ酸の違いを、改変されていないシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドと比較して有し得る。通常は、改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のアミノ酸の交換を有するであろうが、特にドメインまたはその部分がスワッピングされるときにはさらに多くを含み得る。所産のポリペプチドが、野生型シトクロムP450サンタレンオキシダーゼに関わる少なくとも1つのシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性(例えば、触媒活性、サンタレンまたはベルガモテンからのサンタロールまたはベルガモトールの生成を触媒する能力)を有する限り、任意の改変が考えられる。通常は、所産のシトクロムP450ポリペプチドサンタレンオキシダーゼは、少なくとも50%の配列同一性を、本明細書において提供される野生型シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドに対して有する。
本明細書において用いられる場合、構造ドメインは、1つ以上の構造モチーフからなる蛋白質内において、独立して折り畳み構造を形成できるポリペプチド鎖の部分を指す。
本明細書において用いられる場合、アミノ酸または核酸配列に関する「異種」は、天然のポリペプチド中に存在しないまたはポリヌクレオチドによってコードされていない配列の部分を指す。例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼシンターゼのポリペプチドのアミノ酸の部分(例えば、ドメインもしくは領域またはその部分)は、もしもかかるアミノ酸が天然または野生型のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼシンターゼ(例えば、配列番号7に記載のもの)中に存在しないまたはそれをコードするポリヌクレオチドによってコードされていないならば、それにとって異種性である。かかる異種アミノ酸を含有するポリペプチドまたはそれをコードするポリヌクレオチドは、それぞれ「キメラポリペプチド」または「キメラポリヌクレオチド」と呼ばれる。
本明細書において用いられる場合、テルペノイド産生(テルペノイド収量とも呼ばれる)は、テルペンとシトクロムP450との反応から産生されたテルペノイドの量(重量または重量/体積による)を指す。全テルペノイドの産生への言及は、反応によって産生された全テルペノイドの総量を指す。一方、特定のテルペノイド産生への言及は、反応によって産生された特定のテルペノイド(例えばβ−サンタロールおよびα−サンタロール)の量を指す。
本明細書において用いられる場合、基質特異性は、1つの標的基質に対する別のものに優る(例えば1つのテルペン(例えばβ−サンタレン、α−サンタレン、epi−β−サンタレン、またはα−trans−ベルガモテン)に対する別のものに優る)シトクロムP450の選好性を指す。基質特異性は、当分野において周知の方法、例えばkcat/Kmを計算するものを用いて評価され得る。例えば、基質特異性は、種々の基質(例えばβ−サンタレン、α−サンタレン、epi−β−サンタレン、またはα−trans−ベルガモテン)に対する酵素の相対的なkcat/Km(これは触媒効率の尺度である)を比較することによって評価され得る。
本明細書において用いられる場合、ペプチドは、2〜40アミノ酸の長さのポリペプチドを指す。
本明細書において用いられる場合、「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボン酸基を含有する有機化合物である。ポリペプチドは2つ以上のアミノ酸を含有する。
本明細書の目的のためには、アミノ酸は、20個の天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、およびアミノ酸アナログ(すなわち、α炭素が側鎖を有するアミノ酸)を含む。
本明細書において用いられる場合、「天然に存在するアミノ酸」は、ポリペプチド中に存在する20個のL−アミノ酸を指す。
本明細書において用いられる場合、「非天然アミノ酸」は、アミノ基およびカルボン酸基を含有する有機化合物を指し、表1に挙げられた天然に存在するアミノ酸のいずれでもない。天然に生じないアミノ酸は、したがって、例えば20個の天然に存在するアミノ酸以外のアミノ酸またはアミノ酸のアナログを含み、アミノ酸のD−立体異性体(isostereomer)を含むが、それらに限定されない。例示的な非天然アミノ酸は当業者に公知であり、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450ポリペプチドまたはシトクロムP450レダクターゼポリペプチド中に含まれ得る。
本明細書において用いられる場合、DNAセグメントは、特定の属性を有するより長いDNA分子の一部である。例えば、特定のポリペプチドをコードするDNAセグメントは、5’から3’の方向に読んだときに特定のポリペプチドのアミノ酸の配列をコードする、より長いDNA分子(例えばプラスミドまたはプラスミド断片)の一部である。
本明細書において用いられる場合、「1次配列」は、ポリペプチド中のアミノ酸の配列残基を指す。
蛋白質または核酸間の類似性の程度を評価するための方法は、当業者に公知である。例えば、配列の類似性を評価する1つの方法においては、2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列が、配列間の同一性の最大レベルをもたらすやり方でアラインメントされる。「同一性」は、アミノ酸またはヌクレオチド配列同士が不変な程度を指す。アミノ酸配列(およびある程度のヌクレオチド配列)のアラインメントは、アミノ酸(またはヌクレオチド)の保存的な違いおよび/または頻繁な置換も考慮に入れ得る。保存的な違いは、当該残基の物理化学的特性を保存するものである。アラインメントは、グローバル(比較される配列同士の配列の全長に対するアラインメントであり、全残基を含む)またはローカル(最も類似した領域または複数領域のみを含む配列の部分のアラインメント)であり得る。
本明細書において用いられる場合、アラインメントされた配列とは、相同性(類似性および/または同一性)を利用して、ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列中の対応する位置をアラインメントすることを指す。通常は、約50%または50%以上の同一性によって近縁の2つ以上の配列がアラインメントされる。配列のアラインメントされたセットは、対応する位置においてアラインメントされた2つ以上の配列を指し、RNA(例えばEST)および他のDNAに由来する整列した配列がゲノムDNA配列とアラインメントされることを含み得る。
本明細書において用いられる場合、「合成の」は、例えば合成核酸分子または合成遺伝子または合成ペプチドに関しては、組み換え手法および/または化学合成法によって産生される核酸分子またはポリペプチド分子を指す。
本明細書において用いられる場合、ベクター(またはプラスミド)は、その発現または複製のために細胞に異種核酸を導入するために用いられる、個別的なDNAエレメントを指す。ベクターは通常はエピソームのままであり得るが、ゲノムの染色体中への遺伝子またはその部分のインテグレーションを達成するように設計され得る。さらに、人工染色体(例えば細菌人工染色体、酵母人工染色体、および哺乳動物人工染色体)であるベクターが考えられる。かかる媒体の選択および使用は当業者には周知である。
本明細書において用いられる場合、発現は、核酸が転写されてmRNAになり、翻訳されてペプチド、ポリペプチド、または蛋白質になるプロセスを指す。もしも核酸がゲノムDNAに由来する場合には、適切な真核宿主細胞または生物が選択されれば、発現はプロセシング(例えばmRNAのスプライシング)を含み得る。
本明細書において用いられる場合、DNAセグメントに関する作動可能にまたは作動的に連結とは、セグメントがそれらの初期の目的のために協調して機能するように構成されるということを意味する。例えば転写は、プロモーターの下流および任意の転写される配列の上流において開始する。プロモーターは、通常は、転写機構が結合して転写を開始し、コードするセグメントを通過してターミネーターに至るドメインである。
本明細書において用いられる場合、ポリペプチドがアミノ酸の記載された配列から「本質的になる」という記載は、全長ポリペプチドの記載された部分またはその断片のみが存在するということを意味する。ポリペプチドは別の起源のさらなるアミノ酸を任意選択で含み得、また通常は含むであろう。または、別のポリペプチドに挿入され得る。
本明細書において用いられる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別様に定めない限りは複数の指示物を包含する。したがって、例えば「アミノ酸の交換」を含むポリペプチドへの言及は、1つまたは複数のアミノ酸の交換を有するポリペプチドを包含する。
本明細書において用いられる場合、範囲および量は「約」具体的な値または範囲として表され得る。約は、正確な量も包含する。したがって「約5%」は「約5%」および「5%」も意味する。
本明細書において用いられる場合、任意の保護基、アミノ酸、および他の化合物の略語は、別段の記載がない限り、それらの一般的な語法、公認の略語、またはIUPAC−IUB委員会生化学命名法((1972) Biochem. 11:1726参照)に従う。
開示の明瞭性のために、限定のためではなく、詳細な説明は以下の項に分けられる。
本明細書においては、Santalum album由来のシトクロムP450酵素ならびにそのバリアントおよび改変された形態が、サンタロールおよび他のセスキテルペノイドの産生用に提供される。かかるシトクロムP450は、サンタレンおよびベルガモテンからのサンタロールまたはベルガモトールの生合成的な産生を触媒し、サンタレンおよびベルガモテンの両方は、酵素のサンタレンシンターゼによってファルネシルピロリン酸から生合成的に作られ得る(WO2011/000026およびJones et al. (2011) J Biol Chem 286: 17445-17454参照。さらに、本明細書においては、Santalum album由来のシトクロムP450レダクターゼならびにそのバリアントおよび改変された形態が提供される。さらに、本明細書においては、サンタロールおよび他のセスキテルペノイドをファルネシル二リン酸ならびに/またはサンタレンおよびベルガモテンから作る方法が提供される。提供されるシトクロムP450酵素は、それらの貴重な産物(サンタロールおよびベルガモトールを含む)の産生を、商業的に有益な量で、費用効果が高くエネルギー効率が良いやり方で可能にする。
テルペンは有機化合物の大きく多様なクラスであり、様々な植物によって、非環式のピロホスファートのイソプレン前駆体(例えば、ゲラニルピロリン酸(GPP)、ファルネシルピロリン酸(FPP)、およびゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP))から産生される。テルペンはその含有するイソプレン(C5H8)単位の数に基づいて名付けられる。例えば、モノテルペンはGPPから作られて10個の炭素を含有し、セスキテルペンはFPPから作られて15個の炭素を含有し、ジテルペンはGGPPから作られて20個の炭素を含有する。化学的に修飾されたテルペンは、テルペノイドまたはイソプレノイドと呼ばれる。テルペンおよびテルペノイドは植物の精油の主成分であり、食品の香味添加物、香水のフレグランスとして、ならびに伝統および代替医療に広く用いられている。
具体的には、ビャクダン油の芳香の原因であるサンタロールは、α−サンタロール(1および9)、β−サンタロール(2および10)、およびepi−β−サンタロール(3および11)を含む(図1参照)。(Z)−α−サンタロール(Z−α−サンタロール、(Z)−5−(1R,2S,6S)−2,3−ジメチルトリシクロール[2.2.1.02,6]ヘプタン−3−イル)−2−メチルペント−2−エン−1−オール。1)および(E)−α−サンタロール((E)−5−((1R,2s,6S)−2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン−3−イル)−2−メチルペント−2−エン−1−オール。9)は、セスキテルペンのα−サンタレン5の酸化によって生合成的に合成される(図1参照)。(Z)−β−サンタロール(Z−β−サンタロール、(Z)−2−メチル−5−[(1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]ペント−2−エン−1−オール。2)および(E)−β−サンタロール((E)−2−メチル−5−((1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エン−1−オール。10)は、セスキテルペンのβ−サンタレン6の酸化によって生合成的に合成される(図1参照)。(E)−epi−β−サンタロール((E)−2−メチル−5−[(1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エン−1−オール。3)および(Z)−epi−β−サンタロール((Z)−2−メチル−5−((1R,2R,4S)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ペント−2−エン−1−オール。11)は、セスキテルペンのepi−β−サンタレン7の酸化によって生合成的に合成される(図1参照)。
(Z)−α−trans−ベルガモトール((Z)−α−exo−ベルガモトール、cis−α−trans−ベルガモトール、(2Z)−5−[(1S,5S,6R)−2,6−ジメチルビシクロ[3.3.1]ヘプト−2−エン−6−イル]−2−メチル−2−ペンテン−1−オール。4)および(E)−α−trans−ベルガモトール((E)−α−exo−ベルガモトール、(E)−5−((1S,5S,6R)−2,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−6−イル)−2−メチルペント−2−エン−1−オール。12)は、ビャクダン油中に見いだされるセスキテルペノイドであり、これらはセスキテルペンのα−trans−ベルガモテン8の酸化によって生合成的に合成される(図1参照)。
シトクロムP450(CYP)はヘモプロテインまたはヘムチオレート蛋白質のスーパーファミリーであり、様々な疎水性の基質への酸素の1つの挿入を触媒し、多くの場合に高い位置および立体選択性を有する。シトクロムP450は普遍的な蛋白質であり、様々な化合物を代謝することに関与する。然してP450は自然界に広く存在し、外来異物を無毒化すること、非通常の炭素源の異化、および二次代謝産物の生合成などのプロセスに関与している。CYPは、それらの幅広い基質特異性と酸素の使用とが有名であり、アデノシン二リン酸(ADP)のリン酸化の必要がない。それらは、一酸素添加、窒素および硫黄のヘテロ原子の水酸化、エポキシ化、脱ハロゲン化、脱アミノ化、および脱アルキル化を媒介できる。CYPによって触媒される具体的な反応は、脱メチル化、水酸化、エポキシ化、N−酸化、スルホキシド化(sulfooxidation)、N−、S−、およびO−脱アルキル化、脱硫酸化、脱アミノ化、ならびにアゾ、ニトロ、およびN−オキシド基の還元を含む。
植物のシトクロムP450遺伝子ファミリーは非常に大きい。例えば、全ゲノム配列の調査は、少なくとも272個の予測されるシトクロムP450遺伝子をArabidopsisにおいて、少なくとも455個のユニークなシトクロムP450遺伝子を米において明らかにした(例えばNelson et al. (2004) Plant Physiol. 135(2):756-772参照)。植物のCYPは小胞体(ER)および葉緑体に局在し得る。植物においては、CYPは様々なヒドロキシラーゼ、エポキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、およびオキシゲナーゼを含み、それらは主にクラスIIの一酸素添加に基づいている。植物のp450は生化学的経路に関与しており、これは例えば、フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、青酸配糖体、およびグルコシノレートなどの植物産物の合成を含む(例えばChapple (1998) Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 49:311-343参照)。
シトクロムP450間における配列保存性は比較的低いが、それらの全体的なトポグラフィーおよび構造の折り畳みは高度に保存されている。全CYPの間では、わずか3つの完全に保存された残基、すなわちExxRモチーフのグルタミン酸およびアルギニン(配列番号54)ならびにヘムに結合するシステインが存在する。保存された構造ノジュールは構造および機能にとって重要であり、基質認識に関与する可変領域は個々の特性に影響する(例えば、Werck-Reichhart and Feyereisen (2000) Genome Biology 1(6)3000.1-3000.9、Sirim et al. (2010) BMC Structural Biology 10:34、およびBaudry et al. (2006) Prot Eng Design & Selection 19:343-353参照)。
シトクロムP450は、生理温度において、活性化されない炭化水素の位置特異的および立体特異的な酸化を触媒する。シトクロムP450は、鉄ヘム中心を用いて分子酸素を活性化させ、酸化還元電子のシャトルを用いて酸化反応を助ける。シトクロムP450システムによる水酸化の一般的な反応は、
RH+NADPH+H++O2 → ROH+NADP++H2O
であり、Rは基質化合物を表す。上記の通り、通常はシトクロムP450はモノオキシゲナーゼであり、基質への分子酸素の原子の1つの挿入を触媒する。第2の酸素は還元されて水になる。触媒作用は、1)基質結合、2)複合体の鉄(II)状態への1電子還元、3)スーパーオキシド複合体を生ずる分子酸素の結合、および4)短寿命の活性酸素種をもたらす第2の還元を含む。活性化された酸素は基質を攻撃し、通常は基質の一酸素添加をもたらす。CYPによって触媒される他の反応は、脱アルキル化、脱水、脱水素、異性化、二量体化、炭素間結合の切断、および還元を含む。
シトクロムP450レダクターゼ(NADPH:シトクロムP450レダクターゼ、NADPH−シトクロムP450オキシドレダクターゼ、NADPH:フェリヘモプロテインオキシドレダクターゼ、NADPH:P450オキシドレダクターゼ、CPR、CYPOR。EC1.6.2.4)は、ジフラビンレダクターゼファミリーのマルチドメイン酵素であり、NAD(P)HからシトクロムP450、ヘムオキシゲナーゼ、シトクロムb5、およびスクアレンエポキシダーゼへの電子伝達に必要とされる(Louerat-Orieu et al (1998) Eur J Biochem 258:1040-1049)。植物は、シトクロムP450レダクターゼの多数のアイソフォームを含有していることが公知である(Ro et al. (2002) Plant Physiology 130:1837-1851、Mizutani and Ohta (1998) Plant Physiology 116:357-367参照)。通常は、少なくとも1つのCPRが構成的に発現されており、他のCPRは環境ストレス(例えばUV光および病原体の感染)によって高まる。さらに、植物シトクロムP450レダクターゼはERまたは葉緑体に局在でき、その局在は対応する相手のシトクロムP450酵素によって決められ得る。
シトクロムP450レダクターゼは、アミノ酸配列相同性(約30%、最大約90%)を、異なる種(細菌、酵母、真菌、植物、魚類、昆虫、および哺乳動物を含む)の間において互いに有する(Louerat-Orieu et al (1998) Eur J Biochem 258:1040-1049)。シトクロムP450レダクターゼは、2つの機能ドメイン、すなわち疎水性のN末端のシングルαヘリックスの膜係留ドメイン(配列番号12のアミノ酸1〜95)および親水性のC末端触媒ドメイン(配列番号12のアミノ酸96〜704)を含有する(Wang et al. (1997) Proc Natl Acad Sci USA 94:8111-8416)。N末端ドメインは疎水性の膜係留ドメイン(配列番号12のアミノ酸40〜60)を含有し、これは蛋白質を膜に(例えば植物のERまたは葉緑体に)係留し、したがってCPRおよびCYPが空間的に関わりあって電子伝達を可能にするようにしている。N末端ドメインは活性に必要ではない。なぜなら、C末端の可溶性ドメイン単独で電子をシトクロムcまたは他の電子受容体に伝達できるからである。C末端の可溶性ドメインは、2つの構造ドメイン、すなわちN末端フラビンモノヌクレオチド(FMN)ドメイン(アミノ酸101〜244、配列番号12)およびC末端フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)ドメイン(アミノ酸301〜704、配列番号12)を含有する(Dym and Eisenberg (2001) Protein Science 10:1712-1728)。FMNドメインはフラボドキシンに相同であり、これはフラビン補因子FMNの結合を可能にする。FADドメインは、フラビン補因子FADおよびNADPHの結合ドメインを含有し、触媒活性に必要な残基をさらに含有する。FMNおよびFADドメインは連結ドメイン(配列番号12のアミノ酸245〜300)によって繋げられている。これはFMNおよびFADドメインの相対的な位置取りに重要であり、効率的な電子伝達に必要な2つのフラビン補因子の正しい配列を保証する。
シトクロムP450レダクターゼは、2個の電子をNAD(P)HからシトクロムP450へと、フラビン補因子のFADおよびFMNを介してシャトルする。FADは2つの電子供与体NAD(P)Hから水素化物アニオンを受け取り、電子を一度に1つFMNに渡す。FMNは次に電子をシトクロムP450に渡す。シトクロムP450は、種々の基質の水酸化のために上記のように電子を使う。
本明細書においてはシトクロムP450ポリペプチドが提供され、これはシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む。さらに、本明細書においては、本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸分子が提供される。本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、それぞれα−サンタレン、β−サンタレン、またはepi−β−サンタレンからのα−サンタロール、β−サンタロール、またはepi−β−サンタロールの生成(β−サンタレンからのβ−サンタロールの産生を含む)を触媒する。本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、α−trans−ベルガモテンからのα−trans−ベルガモトールの生成も触媒できる。一部の例においては、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドをコードする核酸分子は、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるものと同じまたは実質的に同じものである。別の例においては、核酸分子およびコードされるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるもののバリアントである。本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、α−trans−ベルガモテンからのα−trans−ベルガモトールの生成を触媒する。一部の例においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドをコードする核酸分子は、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるものと同じものである。別の例においては、核酸分子およびコードされるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるもののバリアントである。
本明細書においては、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドが提供される。さらに、本明細書においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドの任意のものをコードする核酸分子が提供される。本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、ビャクダン油中に見いだされるテルペノイド(α−サンタロール、β−サンタロール、epi−β−サンタロール、およびα−trans−ベルガモトールを含む)の生成を触媒する。本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、サンタレンからのサンタロールの生成を触媒する。一部の例においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、ベルガモテンからのベルガモトールの生成も触媒する。例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、α−サンタレンからのα−サンタロール、β−サンタレンからのβ−サンタロール、および/またはepi−β−サンタレンからのepi−β−サンタロールの生成を触媒する(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドはα−サンタレン、β−サンタレン、および/またはepi−β−サンタレンの水酸化を触媒する)。具体的な一例においては、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドが、α−サンタレンからの(E)−α−サンタロール、α−サンタレンからの(Z)−α−サンタロール、β−サンタレンからの(E)−β−サンタロール、β−サンタレンからの(Z)−β−サンタロール、epi−β−サンタレンからの(E)−epi−β−サンタロール、および/またはepi−β−サンタレンからの(Z)−epi−β−サンタロールの生成を触媒する。一部の例においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、α−trans−ベルガモテンからの(Z)−α−trans−ベルガモトールおよび/または(E)−α−trans−ベルガモトールの生成も触媒する。具体的な一例においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、および/または(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を触媒する。特に、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、α−およびβ−サンタロールの(Z)および(E)立体異性体をそれぞれ約1:5および1:4の比で産生する。シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは狭い基質特異性を示し、α−サンタレンまたはβ−サンタレンを選好する。一部の例においては、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、基質のα−ビサボロールも変換した。
1つの具体例においては、配列番号7のアミノ酸の配列を有するSaCYP76F39v1(CYP76−G10)ポリペプチドが、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、および(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を、インビボ試験において、サンタレンシンターゼを発現する酵母において(実施例10.B.2参照)、また、インビトロ試験において、α−サンタレン、α−trans−ベルガモテン、epi−β−サンタレン、およびβ−サンタレンの混合物を基質として(実施例11.B.2.a.ii参照)触媒した。インビボ試験においては、(E)−β−サンタロール、(E)−α−サンタロール、および(Z)−β−サンタロールが主産物であった(図11A参照)。インビトロ試験においては、(E)−β−サンタロールおよび(E)−α−サンタロールが主産物であった(図15A参照)。さらに別の例においては、α−サンタレン、α−trans−ベルガモテン、またはepi−β−サンタレンおよびβ−サンタレンのインビトロ試験において、SaCYP76F39v1(CYP76−G10)ポリペプチドは、それぞれ(Z)−および(E)−α−サンタロール、(Z)−および(E)−α−trans−ベルガモトール、ならびに(Z)−および(E)−epi−β−サンタロールならびに(Z)−および(E)−β−サンタロールの生成を触媒した(実施例11.Cおよび図20A〜20C参照)。基質のα−およびβ−サンタレンに関するSaCYP76F39v1(CYP76−G10)ポリペプチドの速度論的特性は、下記の実施例12に記載されている。
さらに、本明細書においては、改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドが提供される。改変は、通常はアミノ酸の挿入、欠失、および/または置換であり、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドの任意の領域中に行われ得る。ただし、所産の改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、少なくともシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性を保持するものとする。例えば、改変はシトクロムP450サンタレンオキシダーゼの任意の領域であり得る。ただし、所産の改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、少なくともシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性(すなわち、サンタレンからのサンタロールの生成を触媒する能力)を保持するものとする。
シトクロムP450サンタレンオキシダーゼの改変は、他の改変をさらに含有しているシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドに対しても行われる。それらは、ポリペプチドの1次配列の改変および1次配列中にない改変を包含する。例えば、本明細書に記載される改変は、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドである(例えば、別のシトクロムP450に由来する1つ以上のドメインまたは領域を含有する)シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド(異なるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドと異なるシトクロムP450ポリペプチドとのハイブリッドを含む)であり得、さらには、組み換え的に調製もしくは合成もしくは既知のポリペプチドの配列に基づいて当分野において公知の他の方法によって構築された、合成のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドであり得る。
シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性を保持するためには、改変は、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ活性にとって必要な位置(すなわち、触媒中心または保存された残基)に対しては通常は行われない。例えば、通常は、改変は、配列番号7、74、75、76、または77のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列に関して、Glu367、Arg370、Gly445、Arg446、Arg447、Ile448、Cys449、Pro450、またはGly451に対応する位置においてはなされない。
さらに、本明細書においては、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドの任意のものをコードする核酸分子が提供される。特定の例においては、核酸配列がコドン最適化されて、例えばコードされる配列の発現レベルを増大させ得る。具体的なコドン使用頻度は、改変されたポリペプチドが発現される宿主生物によって決まる。当業者は、細菌または酵母(例えば、大腸菌またはSaccharomyces cerevisiaeを含む)による発現用の最適なコドンに精通している。例えば、コドン使用頻度情報は、kazusa.or.jp.codonにおいて利用可能なコドン使用頻度データベースから入手可能である(Richmond (2000) Genome Biology, 1:241をデータベースの説明について参照)。Forsburg (2004) Yeast, 10:1045-1047、Brown et al. (1991) Nucleic Acids Research, 19:4298、Sharp et al. (1988) Nucleic Acids Research, 12:8207-8211、Sharp et al. (1991) Yeast, 657-78も参照。本明細書の例においては、本明細書において提供される核酸配列は、Saccharomyces cerevisiaeのコドン使用頻度に基づいてコドン最適化される。
本明細書においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが提供される。さらに、本明細書においては、本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸分子が提供される。本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、ベルガモテンからのベルガモトールの生成を触媒する。通常は、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、α−trans−ベルガモテンからの(Z)−α−trans−ベルガモトールおよび(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を触媒する(例えば、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドはα−trans−ベルガモテンの水酸化を触媒する)。具体的な例においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが、α−trans−ベルガモテンからの(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を触媒する。一部の例においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが、少量の(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロールの生成をさらに触媒する。シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは狭い基質特異性を示し、α−サンタレンまたはβ−サンタレンを選好する。一部の例においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは基質のtrans−ネロリドールも変換した。
本明細書においては、改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが提供される。改変は、通常はアミノ酸の挿入、欠失、および/または置換であり、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドの任意の領域中になされ得る。ただし、所産の改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、少なくともシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性を保持するものとする。例えば、改変は、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼの任意の領域中になされ得る。ただし、所産の改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼは少なくともシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性(すなわち、ベルガモテンからのベルガモトールの生成を触媒する能力)を保持するものとする。
他の改変(ポリペプチドの1次配列中の改変および1次配列中ではない改変を含む)をさらに含有しているシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドの改変。例えば、本明細書に記載される改変は、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドである(例えば、別のシトクロムP450に由来する1つ以上のドメインまたは領域を含有する)シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド(異なるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドと異なるシトクロムP450ポリペプチドとのハイブリッドを包含する)であり得、さらには、組み換え的に調製または合成または既知のポリペプチドの配列に基づいて当分野において公知の他の方法によって構築された、合成のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドであり得る。
シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性を保持するために、改変は、シトクロムP450活性にとって必要な位置、すなわち触媒中心または保存された残基には通常はなされない。例えば、通常は、改変は、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列に関して、Glu367、Arg370、Gly445、Arg446、Arg447、Ile448、Cys449、Pro450、またはGly451に対応する位置にはなされない。
本明細書においては、さらなる改変を含有するシトクロムP450ポリペプチド(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む)が提供される。例えば、改変されたシトクロムP450ポリペプチドは、例えば、トランケートされたシトクロムP450ポリペプチド、変更された活性もしくは特性を有するシトクロムP450ポリペプチド、キメラシトクロムP450ポリペプチド、ドメインスワッピングを含有するシトクロムP450ポリペプチド、シトクロムP450融合蛋白質、または本明細書の別の箇所に記載の任意の改変を有するシトクロムP450ポリペプチドを包含する。
さらに、本明細書においては、トランケートされたシトクロムP450ポリペプチドが提供される。トランケートされたシトクロムP450ポリペプチドは、N末端またはC末端をトランケートされ得るが、ただしトランケートされたシトクロムP450ポリペプチドはシトクロムP450(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼまたはシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ活性)の触媒活性を保持するものとする。通常は、トランケートされたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、サンタレンオキシダーゼ活性(すなわち、サンタレンすなわちα−サンタレン、β−サンタレン、またはepi−β−サンタレンの水酸化を触媒する能力)を示す。通常は、トランケートされたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、ベルガモテンオキシダーゼ活性(すなわち、ベルガモテンの水酸化を触媒する能力)を示す。一部の例においては、シトクロムP450ポリペプチド(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む)はC末端をトランケートされる。別の例においては、シトクロムP450ポリペプチド(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む)はN末端をトランケートされる。
本明細書において提供される改変されたシトクロムP450ポリペプチドは、活性および/または特性の変化も示し得る。改変されたシトクロムP450ポリペプチドは、例えば改善された特性(例えば、増大した触媒活性、増大した選択性、増大した基質特異性、増大した基質結合、増大した安定性、および/または宿主細胞による増大した発現)および変更された特性(例えば、変更された産物の分布および変更された基質特異性)を示し得る。かかる改善されたまたは変更された活性は、サンタロールおよび/またはベルガモトールの増大した産生をもたらし得る。
一部の例においては、改変されたシトクロムP450ポリペプチド、例えば改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、同様のまたは増大したまたは改善されたベルガモテンオキシダーゼ活性を、改変されていないシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドと比較して示す。例えば、改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、改変されていないシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼと比較して、α−trans−ベルガモテンの酸化に関して増大した特異性または選択性を示し得る。
本明細書においては、キメラポリペプチドである改変されたシトクロムP450ポリペプチドが提供され、これは、その1つ以上のドメインもしくは領域またはその部分のアミノ酸残基の欠失と異種性のアミノ酸の配列の挿入とによる、スワッピング(欠失および挿入)を含有する。一部の例においては、異種配列は、アミノ酸のランダム化された配列である。別の例においては、異種配列は、別のシトクロムP450に由来する対応するドメインもしくは領域またはその部分のアミノ酸の連続した配列である。交換または挿入される異種配列は、通常は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40個、またはさらなるアミノ酸を含む。異種配列が別のシトクロムP450の対応するドメインまたはその部分に由来する例においては、異種配列は、通常は、対応するドメインもしくは領域または部分の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはさらなる連続したアミノ酸を含む。かかる例においては、異種性の対応するドメインもしくは領域またはその部分に隣接する残基も、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450ポリペプチド中に含まれ得る。
さらに、本明細書のスワッピング変異を含有する改変されたシトクロムP450ポリペプチドの任意のものは、本明細書に記載される1つ以上のさらなるアミノ酸を含有し得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドは、蛋白質バリアントを作製するための当業者に公知の任意の方法によって改変され得、DNAもしくは遺伝子シャッフリング、エラープローンPCR、オーバーラップPCR、または他の組み換え手法を含むが、それらに限定されない。一例においては、任意の本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドまたはバリアントのシトクロムP450ポリペプチドをコードする核酸分子は、遺伝子シャッフリングによって改変され得る。遺伝子シャッフリングは、少なくとも2つのヌクレオチド配列のランダムな断片化および再構築からなる1つ以上のサイクルを含み、続いて、所望の特性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を選択するためのスクリーニングを行う。組み換えはインビトロにおいて(Stemmer et al. (1994) Proc Natl Acad Sci USA 91:10747-10751、Stemmer et al. (1994) Nature 370:389-391、Cramieri et al. (1998) Nature 391:288-291、米国特許第5,605,793号、第5,811,238号、第5,830,721号、第5,834,252号、および第5,837,458号参照)またはインビボにおいて(国際公開第199707205号公報参照)行われ得る。ポリペプチドをコードする核酸分子は、次に宿主細胞内に導入されて異種的に発現され、それらのシトクロムP450活性について下記G節に記載の任意の方法によって試験され得る。
本明細書において提供される核酸分子は、サンタレンシンターゼおよびシトクロムP450ポリペプチドを含有する融合またはキメラ核酸分子を含む。例えば、本明細書においては融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供され、これがFPPからのサンタロール(例えばα−サンタロール、β−サンタロール、またはepi−β−サンタロール)の生成を触媒でき、本明細書において提供される任意のサンタレンシンターゼおよびシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドを含有する。例えば、本明細書においては、配列番号17、52、または53のいずれか1つに記載のサンタレンシンターゼと、配列番号7、74、75、76、または77に記載のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドとを含有する融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供される。さらに、本明細書においては、配列番号17、52、または53のいずれか1つに記載のサンタレンシンターゼと、配列番号7、74、75、76、または77に記載のシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドとを含有する融合ポリペプチドが提供される。さらに、本明細書においては、FPPからのベルガモトール(例えばα−trans−ベルガモトール)の生成を触媒できる融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供され、これは、本明細書において提供される任意のサンタレンシンターゼおよびシトクロムP450サンタレンベルガモテンポリペプチドを含有する。例えば、本明細書においては融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供され、これが配列番号17、52、または53のいずれか1つに記載のサンタレンシンターゼおよび配列番号6、8、9、もしくは73のいずれか1つに記載のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む。さらに、本明細書においては融合ポリペプチドが提供され、これは配列番号17、52、または53のいずれか1つに記載のサンタレンシンターゼと配列番号6、8、9、もしくは73のいずれか1つに記載のシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドとを含有する。融合ポリペプチドは、直接的にまたはリンカーを介して連結され得る。
融合蛋白質の他の例は、シグナル配列、局在用などのタグ(例えばhis6タグもしくはmycタグ)または精製用のタグ(例えばGST融合、GFP融合、もしくはCBP融合)、および蛋白質分泌および/または膜結合を導くための配列の融合物を含むが、これらに限定されない。
本明細書においては、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供される。さらに、本明細書においては、本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸分子が提供される。本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、2個の電子をNADPHからシトクロムP450に伝達する。一部の例においては、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸分子は、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるものと同じものである。別の例においては、核酸分子およびコードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるもののバリアントである。
本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、他の改変、例えばポリペプチドの1次配列中にない改変(翻訳後修飾を含む)を含有し得る。例えば、本明細書に記載される改変は、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドである(例えば、別のシトクロムP450レダクターゼポリペプチド由来の1つ以上のドメインまたは領域を含有する)シトクロムP450レダクターゼポリペプチド(異なるシトクロムP450レダクターゼポリペプチド同士のハイブリッドを含む)であり得、さらには、組み換え的に調製または合成または既知のポリペプチドの配列に基づいて当分野において公知の他の方法によって構築された、合成のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドであり得る。
本明細書においては、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供される。さらに、本明細書においては、本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの任意の1つをコードする核酸分子が提供される。本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、CPR活性を示す。通常は、本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、2個の電子をNADPHからシトクロムP450に伝達する能力を示す。
別の例においては、核酸分子およびコードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、ビャクダン樹Santalum albumから単離されるもののバリアントである。
本明細書においては、改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供される。改変は、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドの任意の領域についてなされ得る。ただし、所産の改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、少なくともシトクロムP450レダクターゼ活性(例えば、2個の電子をNADPHからシトクロムP450に伝達する能力)を保持するものとする。
特に、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、配列番号12に記載のアミノ酸の配列を有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに関して、アミノ酸の交換もしくは置換、付加もしくは欠失、トランケート、またはその組み合わせを含有する。かかる改変をシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(例えば配列番号12〜15に記載の任意のもの)またはその任意のバリアントに対して行うことは、当業者の水準の範囲内である。本明細書に基づけば、記載される変異の任意の1つ以上を含有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを作製することと、それぞれを本明細書に記載されるシトクロムP450レダクターゼ活性(例えば、2個の電子をNADPHからシトクロムP450に伝達する能力)について試験することとは当業者の水準の範囲内である。
シトクロムP450レダクターゼ活性を保持するためには、改変は、通常は、シトクロムP450レダクターゼ活性にとって必要な位置、すなわち触媒中心または保存された残基にはなされない。例えば、通常は、改変は、配列番号12に記載のアミノ酸の配列に関してSer485、Cys657、Asp702、およびTrp704に対応する位置にはなされない。
さらに、本明細書においては、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの任意のものをコードする核酸分子が提供される。特定の例においては、核酸配列はコドン最適化されて、例えばコードされる配列の発現レベルを増大させ得る。具体的なコドン使用頻度は、改変されたポリペプチドが発現される宿主生物によって決まる。当業者は、細菌または酵母(例えば大腸菌またはSaccharomyces cerevisiaeを含む)による発現用の最適なコドンに精通している。例えば、コドン使用頻度情報は、例えばkazusa.or.jp.codonにおいて利用可能なコドン使用頻度データベースから入手可能である(例えばRichmond (2000) Genome Biology, 1:241をデータベースの説明について参照)。また、Forsburg (2004) Yeast, 10:1045-1047、Brown et al. (1991) Nucleic Acids Research, 19:4298、Sharp et al. (1988) Nucleic Acids Research, 12:8207-8211、Sharp et al. (1991) Yeast, 657-78も参照。本明細書の例においては、本明細書において提供される核酸配列は、Saccharomyces cerevisiaeのコドン使用頻度に基づいてコドン最適化される。
本明細書においては、さらなる改変を含有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供される。例えば、改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、例えば、トランケートされたシトクロムP450レダクターゼポリペプチド、変更された活性もしくは特性を有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチド、キメラシトクロムP450レダクターゼポリペプチド、ドメインスワッピングを含有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチド、シトクロムP450レダクターゼ融合蛋白質、または本明細書の別の箇所に記載の任意の改変を有するシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを包含する。
さらに、本明細書においては、トランケートされたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供される。トランケートされたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドはN末端またはC末端をトランケートされ得るが、ただしトランケートされたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドはシトクロムP450レダクターゼの触媒活性(例えばシトクロムP450レダクターゼ活性)を保持するものとする。通常は、トランケートされたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、シトクロムP450レダクターゼ活性(すなわち、2個の電子をNADPHからシトクロムP450に伝達する能力)を示す。一部の例においては、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、C末端をトランケートされる。別の例においては、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、N末端をトランケートされる。
本明細書において提供される改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、活性および/または特性の変化も示し得る。改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、例えば、改善された特性(例えば、増大した触媒活性、増大した安定性、および/または宿主細胞内における増大した発現)を示し得る。別の例においては、改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、同様の、増大した、および/または改善された活性を、改変されていないシトクロムP450レダクターゼポリペプチドと比較して示す。
本明細書においては、キメラポリペプチドである改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが提供され、これは、その1つ以上のドメインもしくは領域またはその部分のアミノ酸残基の欠失とアミノ酸の異種配列の挿入とによる、スワッピング(欠失および挿入)を含有する。一部の例においては、異種配列は、アミノ酸のランダム化された配列である。別の例においては、異種配列は、別のシトクロムP450レダクターゼに由来する対応するドメインもしくは領域またはその部分のアミノ酸の連続した配列である。交換または挿入される異種配列は、通常は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40個、またはさらなるアミノ酸を含む。異種配列が別のシトクロムP450レダクターゼの対応するドメインまたはその部分に由来する例においては、異種配列は、通常は、対応するドメインもしくは領域または部分の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはさらなる連続したアミノ酸を含む。かかる例においては、異種性の対応するドメインもしくは領域またはその部分に隣接する残基も、本明細書において提供される改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチド中に含まれ得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、蛋白質バリアントを作製するための当業者に公知の任意の方法によって改変され得、それらはDNAもしくは遺伝子シャッフリング、エラープローンPCR、オーバーラップPCR、または他の組み換え手法を含むが、限定されない。一例においては、本明細書において提供される任意のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはバリアントのシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸分子は、遺伝子シャッフリングによって改変される。遺伝子シャッフリングは、少なくとも2つのヌクレオチド配列のランダムな断片化および再構築からなる1つ以上のサイクルを含んでおり、続いて、所望の特性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を選択するためのスクリーニングを行う。組み換えは、インビトロにおいて(Stemmer et al. (1994) Proc Natl Acad Sci USA 91:10747-10751、Stemmer et al. (1994) Nature 370:389-391、Cramieri et al. (1998) Nature 391:288-291、米国特許第5,605,793号、第5,811,238号、第5,830,721号、第5,834,252号、および第5,837,458号参照)またはインビボにおいて(国際公開第199707205号公報参照)行われ得る。ポリペプチドをコードする核酸分子は、次に宿主細胞内に導入され、異種的に発現されて、下記のG節に記載の任意の方法によってそれらのシトクロムP450レダクターゼ活性について試験され得る。
本明細書において提供される核酸分子は、シトクロムP450ポリペプチドおよびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含有する融合またはキメラ核酸分子を含む。例えば、本明細書においては融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供され、これは、サンタレンまたはベルガモテンからのサンタロールまたはベルガモトール(例えば、α−サンタロール、β−サンタロール、epi−β−サンタロール、またはZ−α−trans−ベルガモトール)の生成を触媒でき、本明細書において提供される任意のシトクロムP450ポリペプチドおよび任意のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含有する。例えば、本明細書においては融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供され、これは配列番号6〜9のいずれか1つに記載のシトクロムP450ポリペプチドと、配列番号12〜15のいずれか1つに記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドとを含む。さらに、本明細書においては融合ポリペプチが提供され、これが配列番号6〜9のいずれか1つに記載のシトクロムP450ポリペプチドと配列番号12〜15のいずれか1つに記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドとを含有する。融合ポリペプチドは、直接的にまたはリンカーを介して連結され得る。
改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(サンタレンオキシダーゼおよびベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む)を産生するための方法が提供される。方法は、所望の特性(増大した触媒活性、増大した選択性、増大した基質特異性、増大した基質結合、増大した安定性、宿主細胞による増大した発現、変更された産物の分布、および/または変更された基質特異性を含むが、限定されない)を有するシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼを作製するために用いられ得る。改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼは、当分野において公知の任意の方法を用いて産生され得、任意選択で所望の特性についてスクリーニングされ得る。特定の例においては、所望の特性を有する改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼが、本明細書において例示される方法に従って変異によって作製される。したがって、本明細書においては、改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ、ならびに改変されたシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼをコードする核酸分子が提供され、これらは本明細書に記載される方法を用いて産生される。
シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドならびにその活性断片(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドを含む)は、組み換え蛋白質作製および発現のための当分野において周知の方法によって得られる。かかるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドが用いられて、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼが発現されている宿主細胞によってまたはシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドの精製後にインビトロにおいて、サンタレンからサンタロールを産生し得る。かかるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが用いられて、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼが発現されている宿主細胞によってまたはシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドの精製後にインビトロにおいて、ベルガモテンからベルガモトールを産生し得る。かかるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、サンタレンシンターゼおよびシトクロムP450が発現されている宿主細胞によって、適当な非環式のピロホスファートの前駆体(例えばFPP)からサンタロールまたはベルガモトールを産生するために用いられ得る。所望の遺伝子をコードする核酸の同定用の当業者に公知の任意の方法が用いられて、シトクロムP450(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼもしくはシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼ)をコードする核酸を得ることができる。例えば、改変されていないまたは野生型のシトクロムP450ポリペプチドまたはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸は、周知の方法を用いて、植物供給源(例えばSantalum album)から得られる。改変されたシトクロムP450ポリペプチドまたはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドは、次に、改変されていないまたは野生型のシトクロムP450ポリペプチドまたはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに変異を導入するための当分野において公知の任意の方法(本明細書に記載される任意の方法(例えば、エラープローンPCRによるコードする核酸のランダム変異導入、部位特異的変異導入、オーバーラップPCR、または他の組み換え手法)を含む)を用いて操作され得る。ポリペプチドをコードする核酸は次に宿主細胞内に導入されて、異種的に発現され得る。
シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼ(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ)をコードする核酸は、核酸分子をクローニングおよび単離するための当分野において公知の任意の利用可能な方法を用いて、クローニングまたは単離され得る。かかる方法は核酸のPCR増幅およびライブラリーのスクリーニングを包含し、核酸ハイブリダイゼーションスクリーニングを含む。一部の例においては、核酸の増幅のための方法が、シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸分子を単離するために用いられ得、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を含む。核酸を含有する物質は出発物質として用いられ得、そこからシトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼをコードする核酸分子が単離され得る。例えば、Santalum種(Santalum albumを含むがそれに限定されない)由来のDNAおよびmRNA調製物が用いられて、シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼ遺伝子を得ることができる。核酸ライブラリーも出発材料の供給源として用いられ得る。シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼをコードする分子(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼをコードする分子)を増幅するためのプライマーが設計され得る。例えば、プライマーは、シトクロムP450をコードする既知の核酸配列(例えば配列番号22〜25に記載のもの)に基づいて設計され得る。別の例においては、プライマーは、シトクロムP450レダクターゼをコードする既知の核酸配列(例えば配列番号40〜41に記載のもの)に基づいて設計され得る。増幅によって作られた核酸分子はシーケンシングされて、シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードすることが確認され得る。本明細書において提供される核酸分子は、他種における近縁の核酸分子を同定するために用いられ得る。
シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼ(例えば、改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、改変されたシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、または改変されたシトクロムP450レダクターゼポリペプチド)をコードする核酸は、変異を達成するための当分野において公知の任意の方法を用いて、調製または作製され得る。改変のための方法は、コードする核酸分子の標準的な合理的および/またはランダム変異導入を包含する(例えば、エラープローンPCR、ランダムな部位特異的飽和変異導入、DNAシャッフリング、または合理的な部位特異的変異導入、例えば変異導入キット(例えば、ストラタジーン社から入手可能なQuikChange)を用いる)。さらに、通常の組み換えDNA技術が用いられて、異種アミノ酸を含有するポリペプチドをコードする核酸を作製し得る。例えば、キメラポリペプチドまたは異種アミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする核酸は、2段階PCR法(例えば上記)を用いて、ならびに/または所望のキメラポリペプチドの部品の通常のサブクローニング用の制限酵素およびクローニング手法を用いて作製され得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの1つ以上(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)の組み換え発現のためには、シンターゼをコードするヌクレオチド配列の全体または部分を含有する核酸が、適切な発現ベクター(すなわち、挿入された蛋白質コード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含有するベクター)に挿入され得る。用いられる発現系に応じて、必要な転写および翻訳シグナルも、シトクロムP450もしくはシトクロムP450レダクターゼ遺伝子の天然プロモーターおよび/またはそれらの両脇の領域から供給され得る。したがって、さらに、本明細書においては、本明細書において提供される任意のシトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドをコードする核酸を含有するベクターが提供される。例示的なベクターはpESC−LEU、pESC−LEU2d、およびpYEDP60を含むが、それらに限定されない。
シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(改変されたものおよび改変されていないもの)を含む)は、蛋白質産生のための当分野において公知の任意の方法によって産生され得、これは、インビトロおよびインビボの方法、例えば、シトクロムP450もしくはシトクロムP450レダクターゼ(例えばシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、もしくはシトクロムP450レダクターゼ)をコードする核酸分子のインビボにおける産生用の宿主細胞もしくは宿主植物への導入、または、シトクロムP450もしくはシトクロムP405レダクターゼ(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、もしくはシトクロムP450レダクターゼ)をコードする核酸分子からのインビトロ発現を含む。シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼ、および改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチド)は、シンターゼポリペプチドの必要な量および形態を産生するのに適当な任意の生物によって発現され得る。発現宿主は、原核および真核生物、例えば大腸菌、酵母、植物、昆虫細胞、哺乳動物細胞(ヒト細胞株を含む)、およびトランスジェニック動物を含む。発現宿主は、それらの蛋白質産生レベルおよび発現された蛋白質上に存在する翻訳後修飾の種類が異なり得る。発現宿主の選択は、それらおよび他の因子、例えば規制および安全性の考慮事項、生産コスト、ならびに精製の必要性および方法に基づいてなされ得る。
原核生物(特に大腸菌)は、本明細書において提供されるシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの大量を産生するための系を提供する。大腸菌の形質転換は、当業者に周知の単純で迅速な技術である。大腸菌細胞の形質転換用の例示的な発現ベクターは、例えばpGEM発現ベクター、pQE発現ベクター、およびpET発現ベクターを含む(米国特許第4,952,496号参照。ノバジェン社、マディソン、ウィスコンシン州から入手可能。また、システムを説明するノバジェン社から公開された文献も参照)。かかるプラスミドは、pET11a(T7−lacプロモーター、T7ターミネーター、誘導性の大腸菌lacオペレーター、およびlacリプレッサー遺伝子を含む)、pET12a〜c(T7プロモーター、T7ターミネーター、および大腸菌ompT分泌シグナルを含む)、pET15bおよびpET19b(ノバジェン社、マディソン、ウィスコンシン州)(Hisカラムによる精製用のHisタグ(商標)リーダー配列およびカラムによる精製後の切断を可能にするトロンビン切断部位、T7−lacプロモーター領域、およびT7ターミネーターを含む)、pACYC−Duet(ノバジェン社、マディソン、ウィスコンシン州。配列番号45)を含む。
酵母の系(例えば、Saccharomyces属(例えばSaccharomyces cerevisiae)、SchizoSaccharomyces pombe、Yarrowia lipolytica、Kluyveromyces lactis、およびPichia pastorisに由来するものだがこれらに限定されない)が用いられて、本明細書において提供されるシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド、ならびに改変されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド)を発現できる。酵母発現系は、シンターゼによって反応が触媒されるテルペンを産生するためにも用いられ得る。酵母は、エピソーム複製ベクターによって、または相同組み換えによる安定な染色体へのインテグレーションによって形質転換され得る。一部の例においては、誘導性プロモーターが遺伝子発現を制御するために用いられる。酵母によるシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの発現用の例示的なプロモーター配列は、とりわけ、メタロチオナイン(metallothionin)、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al. (1980) J. Biol. Chem. 255:2073)、または他の解糖系酵素(Hess et al. (1968) J. Adv. Enzyme Reg. 7: 149およびHolland et al. (1978) Biochem. 17:4900)、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼのプロモーターを含む。
トランスジェニック植物細胞および植物は、シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)の発現用に用いられ得る。発現構築物は、通常は、直接的なDNA移入(例えば、微粒子ボンバードメントおよびプロトプラストへのPEG系の移入)を用い、またアグロバクテリウム系の形質転換によって植物に移入される。発現ベクターは、プロモーターおよびエンハンサー配列、転写終結エレメント、ならびに翻訳調節エレメントを含み得る。発現ベクターおよび形質転換技術は、通常は双子葉宿主(例えばArabidopsisおよびタバコ)および単子葉宿主(例えばトウモロコシおよび米)の間で分かれる。発現に用いられる植物プロモーターの例は、カリフラワーモザイクウィルスプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、リボース二リン酸カルボキシラーゼプロモーター、ならびにユビキチンおよびUBQ3プロモーターを含む。選択マーカー(例えば、ハイグロマイシン、マンノースリン酸イソメラーゼ、およびネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)は、形質転換された細胞の選抜および維持を容易にするために多くの場合に用いられる。形質転換された植物細胞は、細胞、凝集塊(カルス組織)として培養物として維持されるか、または植物体に再生され得る。トランスジェニック植物細胞は、蛋白質を産生するように操作された藻類も含み得る(例えばMayfield et al. (2003) Proc Natl Acad Sci USA 100:438-442参照)。形質転換された植物は、Nicotiana、Solanum、Sorghum、Arabidopsis、Medicago(アルファルファ)、Gossypium(綿)、およびBrassica(セイヨウアブラナ)属から選択される植物を含む。一部の例においては、植物はNicotiana tabacumの種に属し、シトクロムP450および/またはシトクロムP450レダクターゼを過剰発現するベクター(例えば、米国特許出願公開第20090123984号および米国特許第7,906,710号に記載のもの)によって形質転換される。
昆虫および昆虫細胞、特にバキュロウィルス発現系は、シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)を発現するために用いられ得る(例えばMuneta et al. (2003) J. Vet. Med. Sci. 65(2):219-223参照)。昆虫細胞および昆虫の幼虫は、ヘモリンパによる発現を含めて、高レベルの蛋白質を発現し、高等真核生物によって用いられる翻訳後修飾のほとんどが可能である。バキュロウィルスは限定的な宿主範囲を有し、これは安全性を改善して真核生物の発現の規制上の問題を減らす。通常は、発現ベクターは、高レベル発現用のバキュロウィルスのポリヘドリンプロモーターなどのプロモーターを用いる。よく用いられるバキュロウィルス系は、バキュロウィルス、例えばAutographa californica核多角体病ウィルス(AcNPV)およびBombyx mori核多角体病ウィルス(BmNPV)、ならびに昆虫細胞株、例えばSpodoptera frugiperdaに由来するSf9(例えばMizutani and Ohta (1998) Plant Physiology 116:357-367参照)、Pseudaletia unipuncta(A7S)、およびDanaus plexippus(DpN1)を含む。高レベル発現のためには、発現されようとする分子のヌクレオチド配列が、ウィルスのポリヘドリン開始コドンのすぐ下流に融合される。哺乳動物の分泌シグナルは昆虫細胞内において正確にプロセシングされ、発現された蛋白質を培地中に分泌するために用いられ得る。さらに、細胞株のPseudaletia unipuncta(A7S)およびDanaus plexippus(DpN1)は、哺乳動物細胞系に類似のグリコシル化パターンを有する蛋白質を産生する。
哺乳動物発現系は、シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)を発現するために用いられ得、その反応がシンターゼによって触媒されるテルペンを産生するためにも用いられ得る。発現構築物は、ウィルス感染(例えばアデノウィルス)によってまたは直接的なDNA移入(例えば、リポソーム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、ならびにエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションなどの物理的手段)によって、哺乳動物細胞に移入され得る。哺乳動物細胞用の発現ベクターは、通常は、mRNAキャップ部位、TATAボックス、翻訳開始配列(Kozakコンセンサス配列)、およびポリアデニル化エレメントを含む。かかるベクターは、多くの場合に、高レベル発現用の転写のプロモーター/エンハンサー、例えばSV40プロモーター/エンハンサー、ヒトサイトメガロウィルス(CMV)プロモーター、およびラウス肉腫ウィルス(RSV)の長い末端リピートを含む。それらのプロモーター/エンハンサーは、多くの細胞種において活性である。組織および細胞型のプロモーターおよびエンハンサー領域も、発現用に用いられ得る。例示的なプロモーター/エンハンサー領域は、エラスターゼI、インスリン、免疫グロブリン、マウス乳癌ウィルス、アルブミン、α−フェトプロテイン、α1−アンチトリプシン、βグロビン、ミエリン塩基性蛋白質、ミオシン軽鎖−2、および性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子調節などの遺伝子由来のものを含むが、限定されない。選択マーカーが用いられて、発現構築物を有する細胞を選抜および維持し得る。選択マーカー遺伝子の例は、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、およびチミジンキナーゼを含むが、限定されない。細胞表面のシグナル伝達分子(例えばTCR−ζおよびFcεRI−γ)との融合は、細胞表面における活性状態の蛋白質の発現を導き得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチド(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、またはシトクロムP450レダクターゼ)の発現用の例示的な宿主細胞は、原核および真核細胞を含む。通常は、宿主細胞は非環式のピロホスファートのテルペン前駆体を産生する。例えば、宿主細胞はファルネシル二リン酸を産生する。一部の例においては、宿主細胞は、FPPをメバロン酸依存性のイソプレノイド生合成経路(例えば、酵母細胞を含む真菌、および動物細胞)またはメバロン酸非依存性のイソプレノイド生合成経路(例えば細菌および高等植物)の一部として産生する細胞株であり得る。一部の例においては、宿主細胞はファルネシル二リン酸を天然に産生する。別の例においては、宿主細胞は、改変されていない細胞と比較してより多くのファルネシル二リン酸を産生するように改変される。例示的な宿主細胞は細菌、酵母、昆虫、植物、および哺乳動物細胞を含む。特定の例においては、宿主細胞は酵母細胞である。例えば、酵母細胞はSaccharomyces属細胞、例えばSaccharomyces cerevisiae細胞である。別の例においては酵母細胞はPichia属細胞、例えばPichia pastoris細胞である。別の具体的な例においては、宿主細胞は大腸菌細胞である。
本明細書においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼまたはその触媒活性断片を含有する宿主細胞が提供される。一部の例においては、宿主細胞はシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼまたはその触媒活性断片を含有し、配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載のヌクレオチドの配列を有する。別の例においては、宿主細胞はシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼまたはその触媒活性断片を含有し、配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載のヌクレオチドの配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性の割合を有する核酸の配列を有する。別の例においては、宿主細胞は核酸を含有し、これが配列番号6、8、9、または73のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列を有するシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼまたはその触媒活性断片をコードする。さらに別の例においては、宿主細胞は、配列番号6、8、9、もしくは73のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性の割合を有する、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼまたはその触媒活性断片をコードする核酸を含有する。
シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド)の宿主細胞からの精製の方法は、選ばれる宿主細胞および発現系に左右される。分泌される分子の場合は、蛋白質は通常は細胞を除去した後の培地から精製される。細胞内発現では、細胞が溶解されて、蛋白質は抽出物から精製され得る。トランスジェニック生物(例えばトランスジェニック植物および動物)が発現用に用いられるときには、組織または器官が、溶解細胞抽出物を作るための出発物質として用いられ得る。さらに、トランスジェニック動物による産生は乳または卵中のポリペプチドの産生を含み得る。これは回収され得て、蛋白質が当分野の標準的な方法を用いて適宜抽出およびさらに精製され得る。
シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼ(シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを含む)ならびに1つ以上の他のポリペプチドを含有する融合蛋白質も提供される。シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドと別のポリペプチドとの連結は、直接的にまたはリンカーを介して間接的に実施され得る。一例においては、連結は、ヘテロ二官能性物質またはチオール結合もしくは他のかかる結合などの化学結合であり得る。融合は組み換え的な手法によっても実施され得る。シトクロムP450またはシトクロムP450レダクターゼ(例えばシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド)と別のポリペプチドとの融合は、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチド、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチド、およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドのNまたはC末端であり得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドは、テルペノイド(モノテルペノイド、セスキテルペノイド、およびジテルペノイドを含む)を任意の適当なテルペン基質(モノテルペン、セスキテルペン、およびジテルペンを含む)から産生するために用いられ得、それらの能力について評価され得る。通常は、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、サンタロールをサンタレンから産生し、本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼは、ベルガモトールをベルガモテンから産生する。当業者に公知の任意の方法が用いられて、本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドによって触媒されるテルペノイドを産生し得る。テルペン基質からのテルペノイドの生成を触媒する本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドの能力は、それらの方法を用いて評価され得る。テルペノイド産物はGC−MSによって分析され、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンのマッチに基づいて同定され得る(例えば下記の実施例6に記載のもの)。
シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチド(例えば、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼ、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼ、およびシトクロムP450レダクターゼ)の他の活性および特性も、当分野において周知の方法および試験を用いて評価され得る。シトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの活性とテルペノイドの生成を触媒するそれらの能力とを評価することに加えて、反応の速度論、増大した基質特異性、変更された基質利用、および/または変更された産物の分布(別のシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼポリペプチドと比較したもの)が、当分野において周知の方法を用いて評価され得る。例えば、本明細書において提供されるサンタレンオキシダーゼおよびベルガモテンオキシダーゼポリペプチドによって産生されるテルペノイドの量および種類は、実施例6に記載されたものなどのガスクロマトグラフィー法(例えばGC−MS)によって評価され得、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーのMS断片化パターンと比較され得る(実施例6参照)。産物は、真正品のビャクダン油の化合物との比較によっても同定され得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドが用いられて、テルペン基質のサンタレンおよびベルガモテンからのサンタロールおよびベルガモトールの生成を触媒し得る。一部の例においては、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼが、サンタレンシンターゼおよびFPPを産生または過剰発現する細胞によって発現されて、サンタロールが産生されるようになる(本明細書の別の箇所で説明される)。別の例においては、シトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼが、サンタレンシンターゼを産生または過剰発現する細胞によって発現されて、ベルガモトールが産生されるようになる(本明細書の別の箇所で説明される)。別の例においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、任意の適当な宿主細胞(例えばE節に記載の任意のもの)から発現および精製される。精製されたシトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、次にインビトロにおいてサンタレンおよびベルガモテンと組み合わされて、サンタロールおよびベルガモトールを産生する。
一部の例においては、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、上記E節に記載のように、過剰発現されて精製される。シトクロムP450サンタレンオキシダーゼは、次に、1つ以上のテルペン基質(α−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、および/またはα−trans−ベルガモテンを含む)と一緒にインキュベーションされて、α−サンタロール、β−サンタロール、およびepi−β−サンタロール、ならびにα−trans−ベルガモトール(例えば、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、および(E)−α−trans−ベルガモトール)の1つ以上が産生される。または、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドは、テルペン基質(α−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、および/またはα−trans−ベルガモテンを含む)も産生する宿主細胞によって発現されて、α−サンタロール、β−サンタロール、およびepi−β−サンタロール、ならびにα−trans−ベルガモトール(例えば、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、および(E)−α−trans−ベルガモトール)の1つ以上の産生をもたらす。サンタロールおよびベルガモトールの産生ならびに産物の量の定量が、次に、本明細書において提供される任意の方法(例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析(例えばGC−MS)、ガスクロマトグラフィー・水素炎イオン化型検出(GC−FID)、および液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS))を用いて特定される。質量分析パターンは、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーのMS断片化パターン(例えば実施例6に記載)、または、ビャクダン油中の公知のテルペノイドとの比較によって比較され得る。
一部の例においては、テルペノイドは、生合成的に非環式のピロホスファートのテルペン前駆体(例えばゲラニルピロリン酸、ファルネシルピロリン酸、およびゲラニルゲラニルピロリン酸)から生成し得、これは、非環式のピロホスファートのテルペン前駆体およびテルペンシンターゼを産生する宿主細胞内におけるシトクロムP450モノオキシゲナーゼの発現による。好適な宿主細胞は上記E節に記載されている。一例においては、サンタロールおよびベルガモトールが、FPPおよびサンタレンシンターゼを産生する宿主細胞によるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼの発現によって、生合成的に生成する(実施例10参照)。別の例においては、ベルガモトールが、FPPおよびサンタレンシンターゼを産生する宿主細胞によるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼの発現によって、生合成的に生成する(実施例10参照)。サンタロールおよびベルガモトールの産生ならびに産物の量の定量が、次に、本明細書に記載される任意の方法(例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析(例えばGC−MS)、ガスクロマトグラフィー・水素炎イオン化型検出(GC−FID)、および液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS))を用いて特定される。質量分析パターンは、例えば実施例6に記載のNISTおよびWileyライブラリーのエントリーのMS断片化パターンに対して、またはビャクダン油中の公知のテルペノイドとの比較によって、比較され得る。
a.例示的な細胞
サンタロールおよびベルガモトールは、本明細書において提供されるシトクロムP450シンターゼポリペプチドおよび/またはシトクロムP450レダクターゼポリペプチドを、メバロン酸依存性のイソプレノイド生合成経路(例えば、酵母細胞を含む真菌および動物細胞)またはメバロン酸非依存性のイソプレノイド生合成経路(例えば細菌および高等植物)の一部としてFPPを産生する細胞株によって発現することによって産生され得る。特定の例においては、サンタロールは、本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼポリペプチドとサンタレンシンターゼポリペプチドとを、FPPを過剰産生するように改変された細胞株によって発現することによって産生される。別の例においては、ベルガモトールが、本明細書において提供されるシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドとサンタレンシンターゼポリペプチドとを、FPPを過剰産生するように改変された細胞株によって発現することによって産生される。かかる細胞の例は、改変された酵母細胞である。例えば、より少ないスクアレンシンターゼまたはより少なく活性なスクアレンシンターゼを産生するように改変された酵母細胞(例えばerg9変異体。例えば米国特許第6,531,303号および第6,689,593号参照)は、本明細書において提供される方法において、ラブデンジオール(labdenediol)二リン酸を産生するために有用である。減少したスクアレンシンターゼ活性は、野生型酵母細胞と比較してより高レベルの宿主細胞内におけるFPPの蓄積をもたらし、したがってサンタレンおよびベルガモテンの増大した収量を可能にする。例示的な改変された酵母細胞は、改変されたSaccharomyces cerevisiae株YPH499(MATa,ura3−52,lys2−801,ade2−101,trp1−Δ63,his3−Δ200,leu2−Δ1)、WAT11(MATa,ade2−1,his3−11,−15;leu2−3,−112,ura3−1,canR,cyr+。染色体インテグレーションされたArabidopsisのNADPH依存性P450レダクターゼATR1を含有する。Pompon et al. (1995) Toxicol Lett 82-83:815-822、Ro et al. (2005) Proc Natl Acad Sci USA 102:8060-8065参照)、およびBY4741(MATa,his3Δ1,leu2Δ0,met15Δ0,ura3Δ0。ATCC#201388)を含むが、限定されない。
例示的な方法においては、本明細書において提供されるシトクロムP450は、ファルネシル二リン酸およびサンタレンシンターゼを過剰発現するように改変された宿主細胞株によって発現される。それによって、シトクロムP450の発現によって、ファルネシル二リン酸がサンタロールおよびベルガモトールに変換される。別の例示的な方法においては、本明細書において提供されるシトクロムP450とサンタレンシンターゼとが、ファルネシル二リン酸を過剰発現するように改変された宿主細胞株によって発現される。それによって、両方の蛋白質の発現によって、ファルネシル二リン酸がサンタロールまたはベルガモトールに変換される。シトクロムP450およびサンタレンシンターゼは、別々に、または本明細書の別の箇所に記載の融合蛋白質として一緒に発現され得る。シトクロムP450およびサンタレンシンターゼは、同時にまたは連続的に発現され得る。宿主細胞は、当分野において周知の任意の適当な方法を用いて培養される。一部の例においては、例えば種々のシトクロムP450を発現する細胞のハイスループットスクリーニングのために、シトクロムP450を発現する細胞が96ウェルプレートの各ウェル中で培養される。宿主細胞が酵母である別の例においては、シトクロムP450ポリペプチド、サンタレンシンターゼ、およびFPPを発現する細胞が、下記などの発酵法を用いて培養される。
細胞培養後に、細胞培地が回収されて、産生されたサンタロールおよびベルガモトールを得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450ポリペプチドによって上記方法を用いて産生されたサンタロールおよびベルガモトールは、当分野において公知の任意の方法によって単離および評価され得る。一例においては、細胞培地が有機溶媒によって抽出されて、産生された任意のテルペンまたはテルペノイドを有機層に分離する。当分野において公知の任意の方法(例えば、ガスクロマトグラフィーまたはカラムクロマトグラフィー)によって、サンタロールおよび/もしくはベルガモトールの産生は評価され得、ならびに/またはサンタロールおよび/もしくはベルガモトールは他の産物から単離され得る。例えば、有機層はGC−MSによって分析され得る。
本明細書において提供されるシトクロムP450サンタレンオキシダーゼおよびシトクロムP450ベルガモテンオキシダーゼポリペプチドは、ビャクダン油を産生するために用いられ得る。例えば、シトクロムP450サンタレンオキシダーゼが、サンタレンシンターゼを産生または過剰発現する細胞によって発現されて、サンタロールおよびベルガモトール(α−サンタロール、β−サンタロール、およびepi−β−サンタロール、ならびにZ−α−trans−ベルガモトールを含む)が産生されるようにできる(本明細書の別の箇所で説明される)。テルペノイド産物は、例えば実施例8に記載のGC−MS分析によって、S. album由来の真正品のビャクダン油中に見いだされるものと比較され得る。
a.シトクロムP450ポリペプチドの活性を測定するための方法
当業者は、シトクロムP450ポリペプチドの酵素活性を検出するための方法および試験に精通している。シトクロムP450ポリペプチドは、酵母によって発現され得るか、またはミクロソーム膜画分から精製され得る。シトクロムP450モノオキシゲナーゼ活性は、インビトロにおいて、シトクロムP450ポリペプチドと種々のモノテルペン、セスキテルペン、およびジテルペン基質とのインキュベーションによって特定され得る(実施例11に記載)。反応産物は、産物の比も含めて、当業者に公知の任意の方法(GC−MS、GC−FID、LC−MS、既知の標準との比較、ならびにプロトンおよび炭素の核磁気共鳴法(NMR)を含む)によって特定され得る。または、活性は、シトクロムP450の酵母培養物に対するテルペン基質の添加および上記のように産物を同定することによって、インビボにおいて特定され得る。ミクロソームの全P450含量はCO差分吸収分光法によって定量され得る(Guengerich et al. (2009) Nat Protoc 4:1245-1251および実施例8参照)。
当業者は、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドの酵素活性を検出するための方法および試験に精通している。一例においては、CPR活性は、C4H(桂皮酸4−ヒドロキシラーゼ)の活性を検出する試験を用いて特定され得る。これは例えばRo et al. (2001) Plant Physiology 126:317-329に記載されている。C4Hはヘムチオレート蛋白質であり、桂皮酸からのp−クマル酸の生成を触媒する。この試験は、C4Hの存在下において、酵母細胞によるシトクロムP450レダクターゼの発現によってインビボで用いられ得る(Ro et al. (2002) Plant Physiology 130:1837-1851も参照)。C4H活性は、HPLCによるp−クマル酸の生成の検出によって特定される(Mizutani et al. (1993) Plant Cell Physiology 34:481-488)。
以下の実施例は単に例示の目的で含まれており、発明の範囲を限定することは意図されていない。
実施例1
Santalum albumのcDNAのクローニングおよびシーケンシング
本実施例においては、RNAがビャクダン樹の木材試料から抽出された。cDNAが作製され、シーケンシングされた。
いくつかの25mmの穴が、西オーストラリア州の林産物委員会によって管理されている土地で生育するSantalum album成木の下部幹に穿孔された。心材−辺材移行ゾーンの木材試料が集められ、液体窒素中で直ちに凍結された。RNAが、Kolosova et al., (2004) BioTechniques 36:821-824から改変されたプロトコールを用いて10gの組織から抽出された。LiClによる沈殿後に、RNAは−80℃においてcDNA合成まで保存された。
S. album木部の全RNA(1.4μg)が、スーパースクリプトIII逆転写酵素(インビトロジェン)によって、1時間42℃において逆転写された。SMART-CreatorキットとpDNR−LIBベクター(クロンテック、配列番号20)を用いた。ライゲーション混合物が、エレクトロポレーションによって25μLのファージ耐性エレクトロコンピテント大腸菌細胞に形質転換され、ゲノムサイエンスセンター(バンクーバー、カナダ)においてSangerシーケンシングされた。
C.454PyrシーケンシングおよびSangerシーケンシング
Santalum albumの心材に由来する2つのcDNAライブラリーが調製され、サンガー技術によってシーケンシングされて、11,520個のペアエンド配列を生成した。1プレートの454チタニウムシーケンシングが両方のライブラリーについて行われ、902,111個のリードを生成した。アセンブリは、454およびサンガー配列を用い、Newblerアセンブラーv2.6(454 Life Sciences社、ロシュダイアグノスティックス社)によって、デフォルトのパラメータで実施された。これは31,461個のコンティグ(isotig)を生成した。
S. albumのシトクロムP450ポリペプチドをコードする核酸の同定
シトクロムP450をコードする遺伝子が、BLASTx検索(blast.ncbi.nlm.nih.gov。Altschul et al. (1990) J Mol Biol 215:403-410)を用い、P450蛋白質のCYP76ファミリーの一連の公知の植物のP450をコードする遺伝子とアセンブリされた配列(実施例1から)とを比較することによって同定された。
下記の表4は、BLASTx検索(blast.ncbi.nlm.nih.gov。Altschul et al. (1990) J Mol Biol 215:403-410)によって同定された7つのisotigの概要を提供しており、isotig、最小のE値、P450データベースのマッチの遺伝子ID、CYP450ファミリー、およびリード数を含む。E値(期待値)は、当該スコアを有するランダムに存在すると予想されるマッチの数を表す。通常は、E値が小さいほど、マッチは有意である可能性が高い。
シトクロムP450をコードするcDNAの単離
実施例2において同定されたCYP76ファミリーのグループ1およびグループ2のcDNA分子(上記表の1〜5番)が、cDNA単離用に選択された。
A.CYP76ファミリーの一員のクローニング
全長cDNA分子が、実施例1に記載のように調製されたS. albumのcDNA(配列番号1に記載)の、PhusionホットスタートII−DNAポリメラーゼ(Thermo Scientific社)によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅された。グループ1およびグループ2のORFに従って設計された遺伝子特異的プライマーを用いた(下記の表5に記載)。PCR条件は次の通りであり、
98℃で3min
2サイクル:98℃(10秒)、Tm−2℃(20秒)、72℃(30秒)
30サイクル:98℃(10秒)、Tm(20秒)、72℃(30秒)
最終伸長:72℃(7分)
Isogroup1のTmは55℃、Isogroup2のTmは52℃であった。PCR産物はゲル精製され、製造者の説明書に従ってpJET1.2ベクター(Fermentas社、配列番号21)にクローニングされた。大腸菌のα-Selectケミカルコンピテントセル(Bioline社)が、クローニングおよびプラスミド増幅のために用いられた。全ての構築物はDNAシーケンシングによって点検された。
SaCYP76蛋白質の配列および系統分析
推定されるアミノ酸配列のGenbankの非重複蛋白質データベース(blast.ncbi.nlm.nih.gov。Altschul et al. (1990) J Mol Biol 215:403-410)に対するBLASTx検索は、Vitis viniferaの推定上のシトクロムP450(Genbank登録番号XP_002281735、配列番号26)を同定した。これはS. albumのCYPに対して62%〜64%の配列同一性を有する。また、Catharanthus roseusのCYP76B6ゲラニオールヒドロキシラーゼ(Genbank登録番号CAC80883、Collu et al. (2001) FEBS Lett 308:215-220、配列番号27)を同定した。これはS. albumのCYPに対して54%〜55%の配列同一性を有する。全長蛋白質配列の蛋白質アラインメントは、ClustalW(ebi.ac.uk/clustalw、欧州バイオインフォマティクス研究所)によってなされた。
50%を超えるブートストラップ(500回反復)の信頼値が分岐点に示されている。予測される蛋白質配列の近隣結合の系統が、最初の4つのS. albumのCYPクローンであるSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、および他種のテルペノイド代謝のシトクロムP450酵素について図4に示されている。SaCYP76遺伝子は、この系統において単独のクラスターを形成しており、他種のゲラニオール/ネロールヒドロキシラーゼを含むCYP76Bクラスターに最も近い。図4の系統に含まれるアミノ酸配列の登録番号は、本明細書において提供されるS. albumのCYP76のP450クローンであるSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)に加えて、Helianthus tuberosusのCYP76B1(CAA71178、配列番号28)、Catharanthus roseusのCYP76B6(CAC80883、配列番号27)、Swertia mussotiiのCYP76B6(ACZ48680、配列番号29)、Persea americanaのCYP71A1(P24465、配列番号30)、Mentha x piperitaのCYP71A32(Q947B7、配列番号31)、Artemisia annuaのCYP71AV1(ABB82944、配列番号32)、Cichorium intybusのCYP71AV8(ADM86719、配列番号33)、Lactuca sativaのCYP71BL1(AEI59780、配列番号34)、Nicotiana tabacumのCYP71D20(Q94FM7、配列番号35)、Mentha x piperitaのCYP71D13(Q9XHE7、配列番号36)、Mentha spicataのCYP71D18(Q6WKZ1、配列番号37)、Catharanthus roseusのCYP72A1(Q05047、配列番号38)、およびOryza sativaのCYP76M7(AK105913、配列番号39)を含んだ。
シトクロムP450レダクターゼ
シトクロムP450レダクターゼをコードする遺伝子が、アセンブリされた配列をArabidopsisの一連の公知の植物のシトクロムP450レダクターゼと比較することによって同定された(CAB58575.1(配列番号58)およびCAB58576.1(配列番号46))。全長cDNA、遺伝子SaCPR1およびSaCPR2が、シトクロムP450レダクターゼのORFに従って設計された遺伝子特異的プライマー(表8に記載)によって、実施例1に記載のように調製されたS. albumのcDNAのPhusionホットスタートII−DNAポリメラーゼ(Thermo Scientific社)によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅された。
98℃、3分
2サイクル:98℃(10秒)、Tm−2℃(20秒)、72℃(30秒)
30サイクル:98℃(10秒)、Tm(20秒)、72℃(30秒)
最終伸長:72℃(7分)
PCR産物はゲル精製され、そのままpET28b(+)ベクター(配列番号51)にクローニングされた。または、先ずpJETベクターにクローニングされてから発現ベクターにサブクローニングされた。大腸菌のα-Selectケミカルコンピテントセル(Bioline社)がクローニングおよびプラスミド増幅用に用いられた。全ての構築物はDNAシーケンシングによって点検された。PCR増幅は、2つのS. albumのシトクロムP450レダクターゼ(CPR)クローン(CPRlおよびCPR2と名付けられた)をもたらした。それらはそれぞれ配列番号10および11に記載の核酸配列を有し、配列番号12および13に記載の蛋白質をコードする。2つのCPR核酸配列は70%の配列同一性を互いに有し、2つのCPR蛋白質は82%の配列同一性を互いに有する。
組み換えSaCPRの活性は、シトクロムCレダクターゼ(NADPH)試験キット(シグマ社)を用いて試験された。
ガスクロマトグラフィー質量分析による分析
ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)による分析が、S. albumのシトクロムP450の酸化産物およびS. album油を分析するために用いられた。
GC−MS分析が、SGE社Solgel-Waxキャピラリーカラム(30m×0.25mmのID×0.25μm厚)を含むアジレント社6890A/5973NのGC−MSシステムによって、SIMスキャンモード(スキャン:m/z40−400;SIM:m/z93,94,119,136,122,202,および204(データ取り込み時間50)で実施された。多くの2μL試料が、パルスドスプリットレスモード、250℃、1mL/minヘリウムのカラム流量、および50psiのパルス圧で、0.5min、次のプログラムによって注入された。40℃で2min、ramp:8℃/minで100℃まで、15℃/minで250℃まで、5min保持。
産物の同定は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンの最高のマッチに基づき(Wiley Registry(登録商標) 9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物およびコヴァッツ・インデックス値との比較によって同定され得る。
GC−MS分析は、電子イオン化選択イオンモニタリング(SIM)スキャンモードで運転するアジレント社7890A/5975CのGC−MSシステムによって行った。試料は、HP5(無極性、30m×0.25mmのID×0.25μm厚)およびDB-Waxフューズドシリカカラム(極性、30m×0.25mmのID×0.25μm厚)によって分析された。何れの場合にも、インジェクタはパルスドスプリットレスモードで運転され、インジェクタ温度は250℃に維持された。ヘリウムガスがキャリアガスとして0.8mL/minの流速で用いられ、パルス圧は25psi、0.5minに設定された。スキャンレンジ:m/z40−500;SIM:m/z93,94,105,107,119,122,202(データ取り込み時間50msec)。
40℃で3min、ramp:10℃/minで130℃まで、2℃/minで180℃まで、50℃/minで300℃まで、300℃で10min保持。
DB−waxカラムのオーブンプログラムは次の通りであった。
40℃で3min、ramp:10℃/minで130℃まで、2℃/minで200℃まで、50℃/minで250℃まで、250℃で15min保持。
Chemstationソフトウェアが、データの収集および処理に用いられた。化合物は、真正品の試料およびNIST/EPA/NIH質量スペクトルライブラリーv2.0の質量スペクトラルとの比較によって、ならびにValder et al. (2003) J Essent Oil Res 15:178-186およびSciarrone et al. (2011) J Chromatogr A 1218:5374に記載のものの保持指標との比較によって同定された。
細菌および酵母による発現
S. albumのFPPシンターゼ、サンタレンシンターゼ、シトクロムP450SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、およびシトクロムP450レダクターゼ遺伝子が、pCDF−Duet(ノバジェン社)およびpACYC−Duet(ノバジェン社)細菌発現ベクターにクローニングされた。全長のS. albumのシトクロムCYP76FのP450、シトクロムP450レダクターゼ、サンタレンシンターゼ、およびファルネシル二リン酸シンターゼをコードする遺伝子が、種々の酵母発現ベクターにクローニングされて、Saccharomyces cerevisiaeの酵母株BY4741(MATa,his3Δ1,leu2Δ0,met15Δ0,ura3Δ0。ATCC#201388)による発現を可能にした。
以前に記載されたS. album由来のFPPシンターゼ(配列番号18)およびサンタレンシンターゼ(配列番号16)をコードする遺伝子(国際公開第2011000026号公報およびJones et al. (2011) J Biol Chem 286:17445-17454参照)が、細菌発現ベクターpCDF−Duet(ノバジェン社、配列番号65)にクローニングされて、pCDF−Duet:SaFPPS:SaSSyを生じた。SaCPRをコードする遺伝子(配列番号11)およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)遺伝子(配列番号2)が、細菌発現ベクターpACYC−Duet(ノバジェン社、配列番号45)にクローニングされて、pACYC−Duet:SaCPR:SaCYP76F38v1を生じた。これらの発現ベクターは二重発現ベクターであり、2つの標的遺伝子の共発現を2つのマルチクローニングサイトによって可能にする。
1.S. albumのシトクロムP450
S. albumのCYP76Fの全長cDNA(上記の表6において同定されている)が、酵母発現ベクターpYeDP60(Cullin and Pompon (1988) Gene 65:203-217、Pompon et al. (1996) Methods Enzymol 272:51-64、Abecassis et al. (2003) Methods Mol Biol 23l :165-173)にサブクローニングされた後に、Hamann and Moller (2007) Protein Expr Purif 56:12l-127のウラシル除去(USER)クローニング技術が行われた。pYeDP60ベクターはURAマーカーを含有する。所産の構築物は下記の表9に記載されている。
サンタレンシンターゼをコードするcDNA(SaSSY、配列番号16)およびファルネシル二リン酸シンターゼをコードするcDNA(SaFPPS、配列番号18)が、それぞれガラクトース誘導性の発現ベクターpESC−LEU(ストラタジーン社、配列番号47)またはpESC−LEU2d(Ro et al. (2008) BMC Biotechnology 8:83参照)のNotI−BglIIおよびBamHI−XhoI部位に、in−fusionクローニング(クロンテック社)によって、製造者の説明書に従ってクローニングされた。SaSSy遺伝子(配列番号16)のみを含有するさらなるベクターが作製された。pESC−LEUおよびpESC−LEU2dベクターはLEUマーカーを含有し、pESC−LEU2dベクターはLeu2プロモーター内に欠失を含む高コピー数ベクターである。所産の構築物は下記表9に記載されている。
シトクロムP450レダクターゼをコードするcDNA(SaCPR、配列番号11)が実施例3において同定されたが、これはpESC−HISベクター(ストラタジーン社、配列番号49)のEcoRI−NotI部位に、in−fusionクローニング(クロンテック社)によって、製造者の説明書に従ってクローニングされた。所産の構築物は下記表9にまとめられている。
全ての構築物はSaccharomyces cerevisiae酵母株BY4741(MATa,his3Δ1,leu2Δ0,met15Δ0,ura3Δ0。ATCC#201388)に形質転換された。Gietz et al. (1992) Nucleic Acids Res 20:1425に記載のLiCl法を用いた。形質転換された酵母は適切な合成ドロップアウト選択培地によってプレート上において選抜され、30℃において48時間培養された。
サンタレンおよびベルガモテンの産生が、S. albumのサンタレンシンターゼをコードする構築物を用いて評価された。高コピー数構築物のpESC−LEU2d:SaSSYを発現する酵母細胞は、GC−MS(実施例6Aに記載)によって特定されるサンタレンおよびベルガモテンの約2倍の量を、pESC−LEU:SaSSY構築物を発現する酵母細胞と比較して産生した。ファルネシル二リン酸シンターゼの存在下または非存在下において、サンタレンシンターゼを発現する細胞間の違いは観察されなかった。これは、酵母の酵素によって産生されるFPPが、S. albumのサンタレンシンターゼがサンタレンおよびベルガモテンを産生するために使用可能であったということを示唆している。高コピー数構築物のpESC−LEU2d:SaSSYが、さらなる実験では用いられた。
サンタレンシンターゼをコードするpESC−LEU2d:SaSSY構築物およびS. albumのシトクロムP450レダクターゼ(SaCPR)をコードするpESC−His:SaCPR構築物が、酵母株BY4741に一緒に形質転換された。SaCPRは、NADPHからCYP450への電子を供給するために含まれた。
ミクロソームの調製
インビトロ試験における使用のためのS. albumのシトクロムP450酵素を精製するために、ミクロソームが調製された。ミクロソームは断片化した小胞体(ER)を含み、これはシトクロムP450を含有する。したがって、ミクロソームの精製は、濃縮および単離されたシトクロムP450をもたらす。S. albumのCYP76FのP450によってコードされる組み換えP450のCOスペクトルが、Guengerich et al. (2009) Nat Protoc 4:1245-1251に従って測定された。
セスキテルペンオレフィンの作製および単離
セスキテルペンオレフィンのα−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、およびα−trans−ベルガモテンは市販ではなく、Jones et al. (2011) J Biol Chem 286:17445−17454に記載のように酵母によるS. albumのサンタレンシンターゼ(SaSSY、配列番号16)の発現によって産生され得る。
α−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、およびα−trans−ベルガモテンを含有するセスキテルペン油が、工業スケール発酵によって産生された。混合物は、硝酸銀含浸TLCプレートを用いてDaramwar et al. (Analyst 137:4564-4570 (2012))に従って分離された。画分がTLCプレートからこすり取られ、セスキテルペンがペンタンによって溶出された後に、純度のGC−MS分析が行われた。抽出イオンクロマトグラムが、図19A〜19Dにおいて、α−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、およびα−trans−ベルガモテン(図19A)、α−サンタレン(ピーク1、図19B)、α−trans−ベルガモテン(ピーク2、図19C)、ならびにepi−β−サンタレンおよびβ−サンタレン(ピーク3および4、図19D)を含有する油について示されている。単離されたセスキテルペンは、下記の実施例11のインビトロ試験において用いられた。
S.cerevisiaeにおけるS. albumのシトクロムP450活性の機能分析
実施例7.C.2に記載の活性なサンタレンシンターゼおよびシトクロムP450レダクターゼを含有するS.cerevisiae酵母宿主株が用いられて、上記の実施例2において同定されたS. albumのシトクロムCYP76FのP450を発現した。活性が、酸化産物のインビボ生成の測定によって下記のA節に記載のように評価された。pYeDP60ベクター中のそれぞれのS. albumのCYP76Fが、サンタレンシンターゼおよびCPRを発現する酵母宿主細胞に個々に形質転換された。空のpYeDP60ベクターを含有する対照株が作製された。
インビボ試験のためには、酵母が一晩30℃において5mLの2%ブドウ糖および最少選択培地によって培養された。翌日に、50mLの培養が0.2の初期OD600で開始され、培養液が0.6〜0.8のOD600に達するまで30℃において170rpmで振とうしながら培養された。2%ガラクトースを含む最少選択培地への移しかえによって蛋白質発現が開始され、約14〜16時間培養された。酵母細胞は10minの1,000×gの遠心によって回収され、5mLの無菌ddH2Oによって1回洗浄された。細胞は、約250μLの酸洗浄済みガラスビーズ(425〜600μm、シグマ社)と1分間のボルテックスとを用いて、2mLのヘキサン:酢酸エチル(85:15)によって2回抽出された。集められた抽出物は無水Na2SO4を含むきれいな試験管に移され、N2ガスの穏やかな流れの下において蒸発させられて約200μLになった。
試料はGC−MS分析(実施例6に記載)用のGCガラスバイアルに移されるか、または−80℃において保存された。
クレードIのS. albumのP450のSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)が、インビボにおけるそれらの活性について、実施例6Aまたは6Bに記載のGC−MS分析によって試験された。
サンタレンシンターゼおよびSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)の共発現は11個の産物ピークの検出をもたらし、それらはα−、β−、およびepi−β−サンタロール、ならびにα−trans−ベルガモトールとして同定された(図8A〜8Bおよび下記の表11参照)。11個の産物のうち9個は、異なる比ではあったがS. album油中にも検出された(図8Aおよび8Bに示されている)。産物は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンのマッチに基づき(Wiley Registry(登録商標) 9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物およびコヴァッツ・インデックス値との比較によって同定され得る(図8Aおよび表11参照)。S. album油の主成分は、α−サンタロール、Z−α−trans−ベルガモトール、E−cis,epi−β−サンタロール、およびtrans−β−サンタロールである。一方、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)の主産物はcis−α−サンタロール、α−サンタロール、およびtrans−β−サンタロールである。それらの違いは、SaSSyおよびSaP450酵素が酵母細胞および樹木内において活性である異なる生理条件(例えばpH)のせいであり得、または経時的な産物の比の変化のせいであり得る。酵母において測定される産物は数時間という期間に生成し蓄積した。一方、樹木から抽出される油は、可能性としては何年もの蓄積の産物である。サンタレンシンターゼの発現と無関係に酵母によって産生されるファルネソール(#を付した)、および酵母から抽出されたドデカン酸(*を付した)も観察された(図8Bおよび8C参照)。
サンタレンシンターゼおよびSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)の共発現は、8つの産物の検出をもたらした。これらは、(Z)−および(E)−α−サンタロール(ピーク5および7)、(Z)−および(E)−β−サンタロール(ピーク6および8)、(Z)−および(E)−epi−β−サンタロール(ピーク9および11)、ならびに(Z)−および(E)−α−trans−ベルガモトール(ピーク10および12)として同定された(図11A参照)。下記の表12は、ピーク番号、化合物、および線形保持指標を、DBwaxカラムおよびHP5カラムについて示している。産物の同定は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンの最高のマッチに基づき(Wiley Registry(登録商標)9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物およびコヴァッツ・インデックス値との比較によった。図に示されているように、(Z)−α−trans−ベルガモトールの産物ピークは(E,E)−ファルネソールにあたるピークと重なったが、これはSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)とは無関係に酵母によって産生されていた(図11B参照)。
SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)が、セスキテルペンを酸化するそれらの能力について、実施例6Bに記載のGC−MS分析と上記のインビボ試験を用いて試験された。サンタレンシンターゼとSaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、またはSaCYP76F42(SaCYP76−G13)との共発現は、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)について観察されたものとほぼ同じ比の産物グラフを生じた(表12および図13A〜13D参照)。
クレードIIのS. albumのP450であるSaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)が、インビボにおけるそれらの活性について、GC−MS分析によって実施例6Aまたは6Bに記載のように試験された。
サンタレンシンターゼとSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、またはSaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)との共発現は、組み換え酵母系において、実質的に同一の産物をもたらした(図6A、6B、および6C、および下記の表13参照)。産物は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンのマッチに基づいて(Wiley Registry(登録商標)9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物との比較によって同定された(図7および表13参照)。ピーク1および7(これらは、SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、およびSaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)で観察された)はα−trans−ベルガモトールに対応しており、恐らく別々の異性体に相当する。ピーク1および7はS. album油でも観察された(図7および表13参照)。約18分間の保持時間を有する第3のピーク(#を付した)はファルネソールとして同定されたが、サンタレンシンターゼおよびSaCYP76の発現とは無関係に酵母によって産生されている。これは、空ベクターを含有する対照細胞によるその発現によって観察される(図6D)。
SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、またはSaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)もしくはSaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)が、セスキテルペンを酸化するそれらの能力について、上記のインビボ試験と実施例6Bに記載のGC−MS分析を用いて試験された。サンタレンシンターゼとSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、またはSaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)もしくはSaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)との共発現は、組み換え酵母系において、主にE−α−trans−ベルガモテン(表12のピーク8)と非常に微量の(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロール(表12のピーク7および12)をもたらした(表12および図14A〜14D参照)。
SaCYP76F43(SaCYP76−G18)が、セスキテルペンを酸化するその能力について、実施例6Bに記載のGC−MS分析による上記のインビボ試験を用いて試験された。サンタレンシンターゼとSaCYP76F43(SaCYP76−G18)との共発現後に活性は観察されなかった(図14E参照)。
SaCPR1およびSaCPR2は蛋白質レベルで70%同一であるが、産物のグラフの変化に影響し得るかどうかを試験するために、両方のCPRが実施例6Bに示されているように試験された。代表的なクラスIおよびクラスIIのSaCYP76FであるSaCYP76F39v1およびSaCYP76F38v1を用いた。上記のB.2およびC.2節に記載のものと比較して、産物および相対的量の違いは観察されなかった。
インビトロ酵素試験
S. albumのシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼを含有する酵母ミクロソーム(実施例8で作製された)が、サンタレンおよびベルガモテンを酸化するそれらの能力について試験された。A)SaSSyおよびFPPのインビトロ反応産物を用いる共役酵素試験、B)基質のサンタレンおよびベルガモテンの単離された混合物、またはC)基質としての個別のサンタレンもしくはベルガモテンを用いた。
細菌によって発現されたS. albumのサンタレンシンターゼ(SaSSy)の共役酵素試験(Jones et al. (2011) J Biol Chem 286:17445-17454)が、50μgのHis6タグ精製されたSaSSyおよび70μMファルネシルピロリン酸(FPP)を用い、TPS緩衝液(25mMのHEPES(pH7.5)、5mMのMgCl2、lmMのDTT)中において、450μLの体積で開始された。試験は、30minに渡って30℃においてインキュベーションされた後に、50μLのミクロソーム調製物(S. albumのシトクロムP450およびシトクロムP450レダクターゼを含有する)ならびに0.8mMのNADPHが添加された。反応はさらなる1時間30℃においてインキュベーションされ、500μLのヘキサン/酢酸エチル(85:15)による抽出によって停止された。有機層がN2ガスの穏やかな流れの下において約100μLまで濃縮され、GC−MS分析によって分析(上記6Aに記載)または−80℃で保存された。
共役酵素試験が、インビトロにおいてSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)を用いて実施され、インビボの結果と比較されて、試験の有用性を検証した。共役試験の反応産物のGC−MS分析は、実施例8のインビボ試験において同定された同じ2つのピークを示した。両方の試験において、SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)はベルガモテンからZ−α−trans−ベルガモトールへの水酸化を触媒したが、どのサンタレンの酸化も触媒しなかった。
S. albumのP450が、それらのセスキテルペンオキシダーゼ活性について、サンタレンおよびベルガモテンの混合物を基質として用いて評価された。
1.試験
2種類のインビトロ試験が用いられて、S. albumのCYP76Fをセスキテルペンオキシダーゼ活性についてスクリーニングした。
試験は400μLの反応体積で実施され、150μLのリン酸カリウム緩衝液100mM(pH7.5)、20μLの20mMのNADPH、1μLの25mMサンタレン/ベルガモテン混合物(α−サンタレン、epi−β−サンタレン、β−サンタレン、α−ベルガモテンを含有する)、および80pmolのミクロソーム調製物(実施例8に記載のように調製された)を含んだ。反応は30℃において1時間インキュベーションされ、500μLのヘキサン:酢酸エチル(85:15)を加えることによって停止された後に、30秒間ボルテックスした。有機層がN2ガスの穏やかな流れの下において約100μLまで濃縮され、GC−MS分析によって分析(上記実施例6Aに記載)または−80℃で保存された。
試験は400μLの反応体積で実施され、50mMリン酸カリウム(pH7.5)、0.8mMのNADPH、および40μMの基質を含んだ。酵素反応は50μLのミクロソーム調製物(実施例8で調製された)を添加することによって開始され、30℃において2時間振とうしながらインキュベーションされ、500μLのヘキサンを加えることによって停止された。有機層が新たなGCバイアルに移され、N2ガスの穏やかな流れの下において約100μLまで濃縮され、GC−MS分析(上記の実施例6Bに記載)によって分析された。
クレードIのS. albumのP450であるSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)を含有するミクロソームが、それらのセスキテルペン酸化活性について、上記の試験を用い、サンタレンおよびベルガモテンの混合物を基質として用いて試験された。
インビトロのセスキテルペンオキシダーゼ活性、クレードIのS. albumのP450のSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)が、上記の両方の試験を用いて評価された。
SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記のB.1.a節に記載の試験を用いて試験された。GC−MS分析は8つの異なる産物ピークを示し、それらはサンタロールとして同定された(図9B参照。ピークは上記表11のものに対応する)。産物の同定は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンの最高のマッチに基づき(Wiley Registry(登録商標)9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物(図9A)およびコヴァッツ・インデックス値との比較によった。
SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記のB.1.b節に記載の試験を用いて試験された。反応産物のGC−MS分析は、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)がα−サンタレン、β−サンタレン、epi−β−サンタレン、およびα−trans−ベルガモテンの水酸化を触媒し、8つの異なる化合物をもたらしたということを明らかにした。それらは、(Z)−および(E)−α−サンタロール、(Z)−および(E)−β−サンタロール、(Z)−および(E)−epi−β−サンタロール、ならびに(Z)−および(E)−α−trans−ベルガモトールとして同定された(図15Aおよび表12参照)。産物のグラフが真正品のビャクダン油試料と比較された(表12および図15B参照)。これは、異なる比ではあるが、同一の保持時間および質量スペクトルを全8化合物について示した。SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)は、(E)−α−サンタロールおよび(Z)−α−サンタロールを約5:1の比で、(E)−β−サンタロールおよび(Z)−β−サンタロールを約4:1の比で産生した。SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)によって生成した主産物は、(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロールであった。一方、ビャクダン油の主な化合物は(Z)−α−サンタロールおよび(Z)−β−サンタロールである。NADPHの非存在下または空ベクターを有する酵母のミクロソームでは、産物は生成しなかった(図15C参照)。
SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記B.1.b節に記載の試験を用いて試験された。反応産物のGC−MS分析は、SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)が、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)で観察されたものと同様の産物のグラフをもたらすことを明らかにした(表12および図16A〜16D参照)。SaCYP76F40(SaCYP76−G16)およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)について観察された主産物は、(E)−α−trans−ベルガモトール(または(E)−α−exo−ベルガモトール)および(E)−β−サンタロールであった。
クレードIIのS. albumのP450であるSaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)を含有するミクロソームが、それらのセスキテルペン酸化活性について、上記の試験を用い、サンタレンおよびベルガモテンの混合物を基質として用いて試験された。
SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)およびSaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記B.1.a節に記載の試験を用いて試験された。反応産物のGC−MS分析は、対照反応(ミクロソームがベクター対照のみを含有する)では存在しない1つの産物ピークを示した。産物ピークは、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのそのMS断片化パターンの最高のマッチに基づき(Wiley Registry(登録商標)9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)、真正品のS. album油の化合物との比較によって、Z−α−trans−ベルガモトールとして同定された。
SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記B.1.b節に記載の試験を用いて試験された。反応産物のGC−MS分析は、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−Gl2)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)が3つの化合物を産生したことを明らかにした。それらは、主産物の(E)−α−trans−ベルガモトール(または(E)−α−exo−ベルガモトール)、ならびに副産物の(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロールとして同定された(表12および図17A〜17D参照)。
SaCYP76F43(SaCYP76−G18)を含有するミクロソームが、それらの活性について、上記B.1.b節に記載の試験を用い、サンタレンおよびベルガモテンの混合物を基質として用いて試験された。活性は観察されなかった(図17E参照)。これは、対応するCO差スペクトルによって証明されているように(図18参照)、恐らく酵母内における低い発現のせいである。
候補のP450を含有するミクロソーム調製物が、個別のセスキテルペンを酸化するそれらの能力について試験された。セスキテルペンは、上記の実施例9に記載のように単離された。主にα−サンタレン、α−trans−ベルガモテン、またはepi−β−サンタレンおよびβ−サンタレンを含有する3つの画分が、個別の基質として、クレードIのP450のSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)またはクレードIIのP450のSaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)を含む試験において用いられた。試験は上記のB.1.b節に記載のように実施され、産物は真正品の標準との比較によって同定された(表12および図20G参照)。
クレードIのS. albumのP450サンタレン/ベルガモテンオキシダーゼ
クレードIのS. albumのP450であるSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)は、サンタレンおよびベルガモテンの酸化を触媒し、α−、β−、およびepi−β−サンタロールならびにベルガモトールの(Z)および(E)立体異性体を産生した。α−およびβ−サンタロールの(Z)および(E)立体異性体のP450の比は、それぞれ約1:5および1:4であった。したがって、SaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)、SaCYP76F39v2(SaCYP76−G15)、SaCYP76F40(SaCYP76−G16)、SaCYP76F41(SaCYP76−G17)、およびSaCYP76F42(SaCYP76−G13)は、サンタレン/ベルガモテンオキシダーゼとして同定された。
クレードIIのS. albumのP450であるSaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)は、主にベルガモテンからベルガモトールへの酸化を触媒した。(E)−α−trans−ベルガモトールが主産物であり、少量の(E)−α−サンタロールおよび(E)−β−サンタロールが観察された。SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)、SaCYP76F38v2(SaCYP76−G12)、SaCYP76F37v2(SaCYP76−G14)、およびSaCYP76F38v1はベルガモテンオキシダーゼとして同定された。
速度論的特性
クレードIおよびクレードIIのSaCYP76F酵素の速度論を検討するために、速度論的試験が、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)およびSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)と基質のα−サンタレンまたはβ−サンタレンとを用いて実施された。試験は400μLの反応体積で実施され、50mMリン酸カリウム(pH7.5)、0.8mMのNADPH、および基質濃度12〜138μMのα−サンタレンまたはβ−サンタレンを含んだ。酵素反応は、17pmolのSaCYP7639v1または35pmolのSaCYP7637v1を添加することによって開始され、30℃において20分間振とうしながらインキュベーションされ、500μLのヘキサンを加えることによって停止された。有機層が新たなGCバイアルに移され、N2ガスの穏やかな流れの下において約100μLまで濃縮され、GC−MS分析(上記の実施例6Bに記載)によって分析された。速度論的データはHernandez and Ruiz((1998) Bioinformatics 14:227-228)に記載のツールを用いて評価された。
基質特異性
A.クレードIおよびクレードIIのSaCYP76F酵素の基質特異性
クレードIおよびクレードIIのSaCYP76F酵素によって利用される基質の範囲を試験するために、SaCYP76F37v1(SaCYP76−G11)およびSaCYP76F39v1(SaCYP76−G10)を含有する酵母ミクロソームが、種々のセスキテルペン(基質のα−サンタレンおよびβ−サンタレン、ならびに非環式のイソプレニル側鎖がサンタレンに類似した7つのさらなるセスキテルペンを含み、これらはα−クルクメン、ジンギベリン(zingiberine)、β−ビサボレン、β−セスキフェランドレン、α−ビサボロール、trans−β−ファルネセン、およびtrans−ネロリドールを含む)を変換するそれらの能力について試験された。各基質は、上記の実施例11.B.1.bに記載のインビトロ試験を用いて試験された。
S. albumのシトクロムP450のSaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)およびシトクロムP450レダクターゼを含有する酵母ミクロソームが、種々のモノおよびセスキテルペン基質(リナロール、ゲラニオール、ネロール、ネロリドール、およびビサボロールを含む)を酸化するそれらの能力について、直接的に試験された。反応混合物は、50mMリン酸カリウム、0.8mMのNADPH、および60〜80μMのテルペン基質を、350μLの総体積中に含んだ。酵素反応は50μLのミクロソーム調製物を添加することによって開始され、30℃において1時間、振とうしながらインキュベーションされ、500μLのヘキサン/酢酸エチル(85:15)による抽出によって停止された。有機層がN2ガスの穏やかな流れの下において約100μLまで濃縮され、実施例6に記載のGC−MS分析によって分析された。結果はベクター対照と比較された。反応産物は、NISTおよびWileyライブラリーのエントリーとのMS断片化パターンのマッチに基づいて同定された(Wiley Registry(登録商標)9th Edition/NIST 2011; Fred W. McLafferty, John Wiley & Sons, Inc.)。
SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とリナロールとの反応は、2つの産物、すなわちピーク1(約17.5分間の保持時間)およびピーク2(約18.5分間の保持時間)をもたらした。リナロールは約10.5の保持時間を有した。ピーク1および2のMS断片化パターンの最高のマッチは、それぞれ3,8−ジメチル−1,7−オクタジエン−6−オールおよび8−ヒドロキシリナロールにあたる。SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とゲラニオールとの反応は、約21分間の保持時間を有する1つの産物をもたらした。ゲラニオールは約14分間の保持時間を有した。このピークのMS断片化パターンの最高のマッチは、トランス,trans−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1,8ジオールにあたる。SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とネロールとの反応は、約20.8分間の保持時間を有する1つの産物をもたらした。一方、ネロールは約13.4分間の保持時間を有した。このピークのMS断片化パターンの最高のマッチは、2,6−ジメチル−2,6−オクタジエン−1,8ジオールにあたる。SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とネロリドールとの反応は、2つの産物を約21.3および22.3分間の保持時間でもたらした。一方、ネロリドールは約16.1分間の保持時間を有した。SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とビサボロールとの反応は、約25.2の保持時間を有する1つの産物をもたらした。ビサボロールは約17.6の保持時間を有した。SaCYP76F38v1(SaCYP76−G5)とネロリドールおよびビサボロールとの反応によって生成した産物のMS断片化パターンは、MS断片化パターンデータベース中の既知物質とマッチしなかった。
CYP76−G10も、リナロール、ネロール、およびビサボロールの水酸化をインビトロにおいて触媒した。それぞれの場合に、産物生成は、上記のCYP76−G5によって触媒されたものと同じであった。
Claims (172)
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子を含む宿主細胞であって、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号50またはその対応する触媒活性部分に対して少なくとも65%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒し、
前記核酸分子が前記宿主細胞にとって異種性である、
前記宿主細胞。 - コードされる全長シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドが、配列番号50に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示す、請求項1に記載の宿主細胞。
- コードされる全長シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドが、配列番号50に対して少なくとも90%の配列同一性を示す、請求項1または請求項2に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、ビャクダン属(Santalum)のP450オキシダーゼポリペプチドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、ビャクダン(Santalum album)のP450オキシダーゼポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、CYP76ファミリーの一員である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のアミノ酸の配列を含むか、または、
コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、および
コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/もしくはベルガモテンの水酸化もしくは一酸素添加を触媒する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項7に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項8に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、
(a)配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列、
(b)配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列に対して、少なくとも65%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
から選択されるヌクレオチドの配列を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - 核酸分子が、配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチドの配列を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列を含む、請求項11に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンおよびベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンからサンタロールの、およびベルガモテンからベルガモトールの生成を触媒する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、α−サンタレンからα−サンタロールの、β−サンタレンからβ−サンタロールの、epi−β−サンタレンからepi−β−サンタロールの、およびα−trans−ベルガモテンからα−trans−ベルガモトールの生成を触媒する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- サンタロールが、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、または(Z)−epi−β−サンタロールである、請求項17に記載の宿主細胞。
- ベルガモトールが、(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールである、請求項17に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドもしくはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列を含むか、または
コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドもしくはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、および
シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項20に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、または73に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項21に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、または73に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項1〜6および20のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、
(a)配列番号2、4、5、または67のいずれかに記載の核酸の配列、
(b)配列番号2、4、5、または67のいずれかに記載の核酸の配列に対して少なくとも65%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
から選択されるヌクレオチドの配列を含む、請求項1〜6および20〜23のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - 核酸の配列が、配列番号2、4、5、または67のいずれかに記載の核酸の配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項24に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、配列番号2、4、5、または67のいずれかに記載の核酸の配列を含む、請求項24に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項1〜6および20〜26のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、α−trans−ベルガモテンからの(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を触媒する、請求項1〜6および20〜27のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンの水酸化を触媒しない、請求項1〜6および20〜28のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンの水酸化を触媒する、請求項1〜6および20〜29のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子を含み、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12または13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、NADPHから電子受容体への2個の電子の伝達を触媒し、
前記核酸分子が宿主細胞にとって異種性である、
請求項1〜30のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子を含む宿主細胞であって、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12もしくは13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその対応する触媒活性部分に対して少なくとも80%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、NADPHから電子受容体への2個の電子の伝達を触媒し、
前記核酸分子が前記宿主細胞にとって異種性である、
前記宿主細胞。 - コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項31または請求項32に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項33に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、Santalum属のP450レダクターゼポリペプチドである、請求項31〜34のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、Santalum albumのP450オキシダーゼポリペプチドである、請求項31〜35のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む、請求項31〜36のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項31〜37のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片をコードする核酸分子が、
(a)配列番号10または11に記載の核酸の配列、
(b)配列番号10または11に記載の核酸の配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
を含むヌクレオチドの配列から選択される、請求項31〜38のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片をコードする核酸分子が、配列番号10または11に記載の核酸の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸の配列を含む、請求項39に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、配列番号10または11に記載の核酸の配列を含む、請求項39に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが、配列番号14もしくは15に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号14もしくは15に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%のアミノ酸配列同一性を示す配列を含む触媒活性断片である、請求項31〜36のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、
(a)配列番号63または64に記載の核酸の配列、
(b)配列番号63または64に記載の核酸の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
を含むヌクレオチドの配列から選択される触媒活性断片をコードする、請求項31〜36および42のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - 電子受容体が、シトクロムP450、ヘムオキシゲナーゼ、シトクロムb5、またはスクアレンエポキシダーゼである、請求項31〜43のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 電子受容体が、シトクロムP450である、請求項44に記載の宿主細胞。
- さらに、シトクロムP450のテルペン基質を産生するシンターゼをコードする核酸を含み、
該シンターゼが宿主細胞にとって異種性である、
請求項1〜45のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - コードされるテルペンシンターゼが、サンタレンシンターゼである、請求項46に記載の宿主細胞。
- コードされるテルペンシンターゼが、サンタレンおよび/またはベルガモテンの生成を触媒する、請求項46または請求項47に記載の宿主細胞。
- コードされるテルペンシンターゼが、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つもしくはその触媒活性断片に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列を含むサンタレンシンターゼである、請求項46〜48のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるテルペンシンターゼが、配列番号17、52、または53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列を含むサンタレンシンターゼである、請求項46〜49のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 核酸分子が、サンタレンシンターゼであるテルペンシンターゼをコードし、
該核酸分子が、配列番号58〜60のいずれかに記載のヌクレオチドの配列を含む、
請求項46〜50のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - (a)シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号50に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示し、
該コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒し、
前記核酸分子が前記の宿主細胞にとって異種性である、
(b)シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該核酸分子が前記の宿主細胞にとって異種性であり、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12〜15に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号12〜15に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む、および
(c)サンタレンシンターゼをコードする核酸分子であって、
該核酸分子が前記の宿主細胞にとって異種性であり、
前記コードされるサンタレンシンターゼが、配列番号17、52、もしくは53のいずれかに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれか対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列あるいはその触媒活性断片を含む、
を含む、請求項1〜51のいずれか一項に記載の宿主細胞。 - (a)シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号50に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
(b)シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12〜15に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号12〜15に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む、
(c)サンタレンシンターゼをコードする核酸分子であって、
該コードされるサンタレンシンターゼが、配列番号17、52、もしくは53のいずれかに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれかに対して、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列あるいはその触媒活性断片を含む、
を含み、(a)または(b)に記載の核酸分子の少なくとも1つが、前記の宿主細胞にとって異種性である、宿主細胞。 - コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項52または請求項53に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項52〜54のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項52〜54のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 原核細胞または真核細胞であることを特徴とする、請求項1〜56のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 細菌、酵母、昆虫、植物、または哺乳動物細胞から選択される、請求項1〜57のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 酵母細胞である、請求項1〜58のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- Saccharomyces属細胞またはPichia属細胞である、請求項59に記載の宿主細胞。
- Saccharomyces cerevisiae細胞である、請求項1〜60のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 大腸菌細胞である、請求項1〜58のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 非環式のピロホスファートのテルペン前駆体を産生する、請求項1〜62のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 非環式のピロホスファートのテルペン前駆体が、ファルネシル二リン酸である、請求項63に記載の宿主細胞。
- ファルネシル二リン酸を天然に産生するか、または、改変されていない細胞と比較してより多くのファルネシル二リン酸を産生するように改変されている、請求項1〜64のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードする単離された核酸分子であって、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号50に対して少なくとも65%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
前記核酸分子。 - シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該核酸分子が、cDNAであり、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、配列番号50またはその対応する触媒活性部分に対して少なくとも65%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
前記核酸分子。 - 全長のコードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドが、配列番号50に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を示す、請求項66または請求項67に記載の核酸分子。
- 全長のコードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドが、配列番号50に対して少なくとも90%の配列同一性を示す、請求項68に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、ビャクダン属のP450オキシダーゼポリペプチドである、請求項66〜69のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 請求項66〜70のいずれか一項に記載の核酸分子であって、
前記のコードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、Santalum albumのP450オキシダーゼポリペプチドであることを特徴とする核酸分子。 - P450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、CYP76ファミリーの一員である、請求項66〜71のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドもしくはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のアミノ酸の配列を含むか、または
コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドもしくはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドもしくはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/もしくはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
請求項66〜72のいずれか一項に記載の核酸分子。 - コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項73に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも90%の配列同一性を示す、請求項74に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号7、74、75、76、または77に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項66〜73のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 核酸分子が、
(a)配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列、
(b)配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列に対して少なくとも65%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
から選択されるヌクレオチドの配列を含む、請求項66〜76のいずれか一項に記載の核酸分子。 - 核酸分子が、配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸の配列を含む、請求項77に記載の核酸分子。
- 核酸分子が、配列番号3、68、69、70、または71のいずれかに記載の核酸の配列を含む、請求項77に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項66〜79のいずれか一項に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンおよびベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項65〜78のいずれか一項に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、サンタレンからのサンタロールおよびベルガモテンからのベルガモトールの生成を触媒する、請求項66〜81のいずれか一項に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたは触媒活性断片が、α−サンタレンからのα−サンタロール、β−サンタレンからのβ−サンタロール、epi−β−サンタレンからのepi−β−サンタロール、およびα−trans−ベルガモテンからのα−trans−ベルガモトールの生成を触媒する、請求項66〜82のいずれか一項に記載の核酸分子。
- サンタロールが、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、または(Z)−epi−β−サンタロールである、請求項83に記載の核酸分子。
- ベルガモトールが、(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールである、請求項83に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列を含むか、または
コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、
シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
請求項66〜72のいずれか一項に記載の核酸分子。 - コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、または73に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項86に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項87に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号6、8、9、または73に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項66〜72および86のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 核酸分子が、
(a)配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載の核酸の配列、
(b)配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載の核酸の配列に対して少なくとも65%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
から選択されるヌクレオチドの配列を含む、請求項66〜72および86〜89のいずれか一項に記載の核酸分子。 - 核酸分子が、配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載の核酸の配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸の配列を含む、請求項90に記載の核酸分子。
- 核酸分子が、配列番号2、4、5、または67のいずれか1つに記載の核酸の配列を含む、請求項90に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、請求項66〜72および86〜92のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、α−trans−ベルガモテンからの(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールの生成を触媒する、請求項66〜72および86〜93のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンの水酸化を触媒しない、請求項66〜72および86〜94のいずれか一項に記載の核酸分子。
- シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンの水酸化を触媒する、請求項66〜72および86〜94のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分であって、
該シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分。 - 配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項97に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分であって、
該シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分。 - 配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む、請求項97に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分であって、
該シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性部分。 - シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする単離された核酸分子であって、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12または13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を示し、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、NADPHから電子受容体への2個の電子の伝達を触媒する、
前記単離された核酸分子。 - シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子であって、
該核酸分子がcDNAであり、
前記コードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性部分が、配列番号12または13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%の配列同一性を示し、
前記のコードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、NADPHから電子受容体への2個の電子の伝達を触媒する、
前記核酸分子。 - コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を示す、請求項100または請求項102に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、Santalum属のP450レダクターゼポリペプチドである、請求項100〜102のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性部分が、Santalum albumのP450オキシダーゼポリペプチドである、請求項100〜103のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む、請求項100〜104のいずれか一項に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、配列番号12または13に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項100〜105のいずれか一項に記載の核酸分子。
- シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片をコードする核酸分子が、
(a)配列番号10または11に記載の核酸の配列、
(b)配列番号10または11に記載の核酸の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
を含むヌクレオチドの配列から選択される、請求項100〜106のいずれか一項に記載の核酸分子。 - 核酸分子が、配列番号10または11に記載の核酸の配列を含む、請求項107に記載の核酸分子。
- コードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドが触媒活性断片であり、配列番号14もしくは15に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号14もしくは15に記載のアミノ酸の配列に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%のアミノ酸配列同一性を示す配列を含む、請求項100〜104のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 核酸分子が、触媒活性断片をコードし、
(a)配列番号63または64に記載の核酸の配列、
(b)配列番号63または64に記載の核酸の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸の配列、ならびに
(c)(a)および(b)の縮重物、
を含むヌクレオチドの配列から選択される、請求項100〜104および109のいずれか一項に記載の核酸分子。 - 請求項33に記載のコードされるシトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性断片が、電子受容体が、シトクロムP450、ヘムオキシゲナーゼ、シトクロムb5、またはスクアレンエポキシダーゼである、請求項100〜110のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 電子受容体が、シトクロムP450である、請求項111に記載の核酸分子。
- 請求項100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性部分。
- 融合蛋白質である核酸分子であって、
a)Santalum albumのシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片であって、該シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片は、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒する、
b)シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性断片であって、該シトクロムP450レダクターゼは、NADPHからシトクロムP450オキシダーゼ電子受容体への2個の電子の伝達を触媒する、ならびに
c)サンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片であって、該サンタレンシンターゼは、前記シトクロムP450のサンタレンおよび/またはベルガモテンのテルペン基質の生成を触媒する、
をコードする核酸分子から選択される、少なくとも2つのポリペプチドをコードする核酸の配列を含む、前記核酸分子。 - シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片をコードする核酸と、サンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片をコードする核酸とを含み、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、
前記サンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片が、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つもしくはその触媒活性断片に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列を含む、
請求項114に記載の核酸分子。 - シトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片をコードする核酸と、シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性断片をコードする核酸とを含み、
前記コードされるシトクロムP450オキシダーゼまたはその触媒活性断片が、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6〜9もしくは73〜77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、
前記シトクロムP450レダクターゼまたはその触媒活性断片が、配列番号12〜15に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号12〜15に記載のシトクロムP450レダクターゼポリペプチドに対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む、
請求項114に記載の核酸分子。 - サンタレンシンターゼもしくはその触媒活性断片をコードする核酸、および/またはシトクロムP450オキシダーゼもしくはその触媒活性断片をコードする核酸、および/またはシトクロムP450レダクターゼもしくはその触媒活性断片をコードする核酸が、直接的にまたはリンカーを介して連結される、請求項114〜116のいずれか一項に記載の核酸分子。
- 請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
- 請求項100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
- 請求項114〜117のいずれか一項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
- ベクターが、原核生物ベクター、ウィルスベクター、または真核生物ベクターである、請求項118〜120のいずれか一項に記載のベクター。
- ベクターが、酵母ベクターである、請求項118〜121のいずれか一項に記載のベクター。
- 請求項66〜96または100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子を含み、
該核酸分子またはベクターが細胞にとって異種性である、宿主細胞。 - 請求項118、119、121、または122に記載のベクターを含む、宿主細胞。
- 請求項114〜117のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項120〜122のいずれか一項に記載のベクターを含む、宿主細胞。
- 原核細胞または真核細胞である、請求項123〜125のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 細菌、酵母、昆虫、植物、および哺乳動物細胞から選択される、請求項123〜126のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 酵母細胞であり、Saccharomyces属細胞またはPichia属細胞である、請求項123〜127のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- Saccharomyces cerevisiae細胞である、請求項123〜128のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 大腸菌細胞である、請求項123〜127のいずれか一項に記載の宿主細胞。
- 請求項118〜122のいずれか一項に記載のベクターを含む、トランスジェニック植物。
- 請求項66〜96または100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子を含み、
該核酸分子が植物にとって異種性である、トランスジェニック植物。 - タバコである、請求項131または請求項132に記載のトランスジェニック植物。
- シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を産生するための方法であって、
請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項118、121、もしくは122に記載のベクターを、細胞内に導入すること、
前記細胞を、前記核酸またはベクターによってコードされるシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドの発現にとって適当な条件下において培養すること、および
任意に、前記のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドを単離すること、
を含む、前記方法。 - シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を産生するための方法であって、
請求項1〜30または123〜130のいずれか一項に記載の細胞を、前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドの発現にとって適当な条件下において培養すること、および
任意に、前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドを単離すること、
を含む、前記方法。 - 請求項134または請求項135に記載の方法によって産生される、シトクロムP450オキシダーゼポリペプチド。
- シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を産生するための方法であって、
請求項100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項119、121、もしくは122に記載のベクターを、細胞内に導入すること、
前記細胞を、前記核酸またはベクターによってコードされるシトクロムP450レダクターゼポリペプチドの発現にとって適当な条件下において培養すること、および
任意に、前記シトクロムP450レダクターゼポリペプチドを単離すること、
を含む、前記方法。 - シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を産生するための方法であって、
請求項31〜45または123〜130のいずれか一項に記載の細胞を、前記シトクロムP450レダクターゼポリペプチドの発現にとって適当な条件下において培養すること、および
任意に、前記シトクロムP450レダクターゼポリペプチドを単離すること、
を含む、前記方法。 - 請求項137または請求項138に記載の方法によって産生される、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドまたはその触媒活性断片。
- サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物を産生するための方法であって、
(a)サンタレンおよび/またはベルガモテンと、請求項97〜99または136のいずれか一項に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドとを接触させること、および
(b)任意に、前記のサンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物を単離すること、
を含む、前記方法。 - サンタレンが、α−サンタレン、β−サンタレン、およびepi−β−サンタレンから選択され、
ベルガモテンが、α−trans−ベルガモテンである、
請求項140に記載の方法。 - ステップ(a)が、P450レダクターゼの存在下において起こる、請求項140〜141のいずれか一項に記載の方法。
- P450レダクターゼが、請求項113または請求項139に記載のポリペプチドである、請求項142に記載の方法。
- ステップ(a)が、インビトロまたはインビボにおいて実施される、請求項140〜143のいずれか一項に記載の方法。
- ステップ(a)に先立って、非環式のピロホスファートのテルペン前駆体とサンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片とを、サンタレンおよび/またはベルガモテンの生成にとって適当な条件下において接触させる、請求項140〜144のいずれか一項に記載の方法。
- 前記サンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片が、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つもしくはその触媒活性断片に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列を含む、請求項145に記載の方法。
- 非環式のピロホスファートのテルペン前駆体とサンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片とを接触させるステップが、インビトロまたはインビボにおいて実施される、請求項145または請求項146に記載の方法。
- サンタロール、ベルガモトールおよび/またはその混合物を産生するための方法であって、
(a)非環式のピロホスファートのテルペン前駆体とサンタレンシンターゼまたはその触媒活性断片とを、サンタレンおよび/またはベルガモテンの生成にとって適当な条件下において接触させること、
(b)サンタレンおよび/またはベルガモテンとシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドとを接触させること、および
(c)任意に、前記サンタロール、ベルガモトールおよび/またはその混合物を単離すること、
を含み、
ステップ(a)および(b)が、同時にまたは連続的に実施される、前記方法。 - ステップ(a)および(b)が、サンタレンシンターゼおよびP450シトクロムオキシダーゼを含有する融合ポリペプチドをコードする請求項114または115に記載の核酸分子を用いて実施される、請求項148に記載の方法。
- ステップ(b)がP450レダクターゼの存在下において起こる、請求項148または請求項149に記載の方法。
- P450レダクターゼが、請求項113または請求項139に記載のポリペプチドである、請求項150に記載の方法。
- ステップ(a)または(b)が、インビトロまたはインビボにおいて実施される、請求項148〜151のいずれか一項に記載の方法。
- 非環式のピロホスファートのテルペン前駆体が、ファルネシルピロリン酸である、請求項145〜152のいずれか一項に記載の方法。
- (i)ステップ(a)が、請求項97〜99および136のいずれか一項に記載の、または請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドを含む宿主細胞を培養することによって、インビボで実施されるか、あるいは
(ii)ステップ(a)が、請求項97〜99もしくは136のいずれか一項に記載の、または請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドと、請求項113もしくは請求項139に記載の、または請求項100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450レダクターゼポリペプチドとを含む宿主細胞を培養することによってインビボで実施されるか、あるいは
(iii)ステップ(a)が、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つに記載のアミノ酸の配列、または、配列番号17、52、もしくは53のいずれか1つもしくはその触媒活性断片に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸の配列を含む、サンタレンシンターゼと、請求項97〜99もしくは136に記載の、または請求項66〜96のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450オキシダーゼと、請求項113もしくは139に記載の、または請求項100〜112のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる、シトクロムP450レダクターゼとを含む宿主細胞を培養することによって、インビボで実施される、
請求項140〜147のいずれか一項に記載の方法。 - シトクロムP450オキシダーゼ、シトクロムP450レダクターゼ、および/またはサンタレンシンターゼが、宿主細胞にとって異種性である、請求項154に記載の方法。
- サンタロールが、α−サンタロール、β−サンタロール、およびepi−β−サンタロールから選択され、
ベルガモトールが、α−trans−ベルガモトールである、
請求項140〜155のいずれか一項に記載の方法。 - サンタロールが、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、または(Z)−epi−β−サンタロールであり、
ベルガモトールが、(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールである、
請求項140〜156のいずれか一項に記載の方法。 - シトクロムP450オキシダーゼが、配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のアミノ酸の配列、または配列番号7、74、75、76、もしくは77に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、それによって、前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、サンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒し、
方法が、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、または(E)−α−trans−ベルガモトールの1つ以上を産生する、
請求項140〜157のいずれか一項に記載の方法。 - シトクロムP450オキシダーゼが、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のアミノ酸の配列、または、配列番号6、8、9、もしくは73に記載のシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドに対して少なくとも65%の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み、それによって、前記シトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片が、ベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒し、
方法が、(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールの1つ以上を産生する、
請求項140〜157のいずれか一項に記載の方法。 - サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物を産生するための方法であって、
(a)請求項1〜65または123〜130のいずれか一項に記載の宿主細胞を、サンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物の生成に適当な条件下において培養すること、および
(b)任意に、前記のサンタロール、ベルガモトール、および/またはその混合物を単離すること、
を含む、前記方法。 - 方法が、請求項31または33〜65のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することを含み、それによって前記宿主細胞にとって異種性のシトクロムP450オキシダーゼおよびシトクロムP450レダクターゼを発現することを含む、請求項160に記載の方法。
- 方法が、請求項46〜65のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養し、それによって前記宿主細胞にとって異種性のサンタレンシンターゼ、シトクロムP450オキシダーゼ、およびシトクロムP450レダクターゼを発現することを含む、請求項160または請求項161に記載の方法。
- 方法が、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、または(E)−α−trans−ベルガモトールの1つ以上を産生する、請求項160〜162のいずれか一項に記載の方法。
- 方法が、請求項55に記載の宿主細胞を培養し、それによって、前記宿主細胞がサンタレンおよび/またはベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒するシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を発現することを含み、
前記方法が、(E)−α−サンタロール、(Z)−α−サンタロール、(E)−β−サンタロール、(Z)−β−サンタロール、(E)−epi−β−サンタロール、(Z)−epi−β−サンタロール、(Z)−α−trans−ベルガモトール、または(E)−α−trans−ベルガモトールの1つ以上を産生する、
請求項160〜163のいずれか一項に記載の方法。 - 方法が、請求項56に記載の宿主細胞を培養し、それによって、前記宿主細胞がベルガモテンの水酸化または一酸素添加を触媒するシトクロムP450オキシダーゼポリペプチドまたはその触媒活性断片を発現することを含み、
前記方法が、(Z)−α−trans−ベルガモトールまたは(E)−α−trans−ベルガモトールを産生する、
請求項160〜163のいずれか一項に記載の方法。 - 細胞が、細菌、酵母、昆虫、植物、または哺乳動物細胞から選択される原核細胞または真核細胞である、請求項154〜165のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞が、Saccharomyces属細胞またはPichia属細胞である酵母細胞である、請求項154〜166のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞が、Saccharomyces cerevisiae細胞である、請求項154〜167のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞が、改変されていない細胞と比較してより多くのFPPを産生するように改変されている、請求項154〜168のいずれか一項に記載の方法。
- 非環式のピロホスファートのテルペン前駆体が、ファルネシルピロリン酸である、請求項154〜169のいずれか一項に記載の方法。
- サンタロール、ベルガモトール、またはその混合物が、有機溶媒による抽出および/またはカラムクロマトグラフィーによって単離される、請求項140〜170のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項140〜171のいずれか一項に記載の方法によって産生された、サンタロールおよびベルガモトールを含む混合物。
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