JP2016531651A - レーザ光を用いた皮膚の非侵襲性処置のための装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

医療の専門家による使用の代わりに消費者による使用のために、これら非侵襲性皮膚処置装置が提供される数が増大している。斯かる家庭での使用は、安全性及び処置の有効性といった、新たな関心を引き起こしている。本発明は、既存の装置及び処置方法を改善する。本発明は、単一の高次レーザビームモードを持つレーザ光ビーム21の横断面内に非ゼロ強度の第1の領域31及び第2の領域32を提供し、第1の領域31と第2の領域32との間に、該非ゼロの光強度よりも低い光強度を持つ第3の領域33を提供するよう光源が構成された、装置及び方法を提供する。第1の領域31及び第2の領域32は、使用時に、該レーザ光ビームの焦点において皮膚組織中に損傷を生成するように構成され、第3の領域33は、使用時に、該第1の領域及び該第2の領域により生成される損傷の間において、皮膚組織中の損傷を前記焦点において生成するのを避けるよう構成される。例えば、該光源は、基本モードよりも高次のモードでレーザ光を生成するよう構成されても良い。かなり異なる強度の領域を持つ、ビームプロファイルの強度パターンは、伝播軸に沿って略一定である。このことは、損傷の領域間に位置する、略損傷のない、処置位置における焦点における皮膚組織中の領域を提供する。

Description

本発明は、一般的にはレーザ光を用いた皮膚の処置に関し、更に詳細には処置のための非侵襲性装置及び方法に関する。
特にレーザ光ビームのような種々の形態の電磁放射は、脱毛、しわの除去のための皮膚活性化(skin rejuvenation)及び色素沈着の低減、並びににきび、光線性角化症、染み、瘢痕組織、褪色、血管病変のような状況の処置、にきび処置、セルライト及び入れ墨の除去のような、種々の処置のために、長年に亘り皮膚に対して利用されている。これらの処置の殆どは、処置の位置が処置放射により標的にされる、光熱分解(photothermolysis)に依存している。皮膚のしわを防止又は低減することにより若々しい外観を維持したいという欲求は、人間社会において重要な問題である。上述の問題に対処するため、多くの非侵襲性手法が設計されており、ここでは、表皮を損傷させることなく傷害反応を引き起こすよう加熱(熱分解)することにより、真皮が損傷させられる。換言すれば、皮膚内の目標領域が制御された態様で損傷させられ、皮膚が更新された組織により損傷された組織を置き換えることを可能とされ、即ち損傷が治癒を促進して活性化効果が生じる。該更新された組織は、皮膚の光沢や色調を改善し、更には毛穴サイズ、しわ及び小じわの低減をももたらし得る。
光熱分解の工程においては、皮膚に進入し真皮層にまで達することができる電磁放射を用いて加熱が実行され、例えば、国際特許出願公開WO2008/001284A2より知られたように、真皮層のなかにレーザ誘起光学的破壊(LIOB)を生成するため、合焦されたレーザ光が利用され得る。
皮膚の剥離(ablation)又は蒸発なく、これら損傷された領域を引きこすため、摂氏60乃至100度の範囲内の温度に組織を加熱するため、水による光の吸収に基づく選択的非侵襲性光熱分解が用いられる。剥離性光熱分解は、水の温度が100度を超えると生じる。
最初に、斯かる活性化処置は、処置領域全体に適用された。斯かる処置は、全ての組織が損傷させられるため、最も良い処置結果を伴う最も効果的な処置である。しかしながら、副作用が著しく、潜在的に永続的であり、合併症のリスクが高い。
最も新しい処置は部分的熱分解に基づくものであり、孤立した非連続的な微小熱傷害(又は損傷)が形成された、生細胞の領域により囲まれた壊死細胞を生成する。このことは、米国特許出願公開US2005/0049582、及びManstein D、Herron GS、Sink RKらによる文献「Fractional photothermolysis: a new concept for cutaneous remodeling using microscopic patterns of thermal injury」(Lasers in Surgery and Medicine、34:426-438(2004年))に更に説明されている。斯かる部分的処置は、依然として好適な結果をもたらしつつ、社会的なダウンタイムを著しく削減することが示されている。
米国特許出願公開US2006/0020309A1は、電磁放射(EMR)を用いて皮膚組織にEMR処置された小島状部の格子を生成する、皮膚組織の処置のための方法及び装置を開示している。一実施例においては、該装置は、単一のレーザ光源と、該レーザ光源から受光したレーザ光ビームを空間的に変調させる開口のセットを含む位相マスクと、を持つ。当該実施例においては、該位相マスクが、該単一のレーザ光源により生成されたレーザ光ビームを、それぞれが光学素子によって皮膚組織中の別個の焦点に合焦させられる複数の処置レーザ光ビームへと分割する。該複数の処置レーザ光ビームの焦点のパターンが、皮膚組織における孤立した損傷(格子)のパターンを形成する。
米国特許出願公開US2009/0254073A1は、組織に2次元の処置スポットのマトリクスを生成するための、皮膚処置装置を開示している。該装置においては、単一のレーザ光源とレンズ系との間に回折素子が配置され、該レーザ光源から受光されたレーザビームを複数のサブビームへと空間的に変調即ち分割する。また該装置においては、各サブビームが、該レンズ系によって別個の焦点へと合焦させられる。レーザ光ビームを皮膚に当たる複数の処置レーザビームへと分割するため、空間変調回折光学素子を用いる同様の装置は、国際特許出願公開WO2008/089344及び国際特許出願公開WO2004/000419によって開示されている。
医療の専門家による使用の代わりに消費者による使用のために、これら非侵襲性皮膚処置装置が提供される数が増大している。斯かる家庭での使用は、安全性及び処置の有効性といった、新たな関心を引き起こしている。このことは、光源がレーザであり、不適切な動作が、レーザ光が皮膚層を通過した場所における皮膚の瘢痕又は焼けに帰着し得るような場合に、特に重要である。損傷の径、損傷の深さ、処置範囲、治癒時間、及び損傷内のエネルギーの熱的分布を含む、重要なパラメータの最適な選択によって、斯かる処置の有効性を改善することが望ましい。
本発明の目的は、改善されたレーザ光を用いる非侵襲性皮膚処置装置及び方法を提供することにある。
本目的は、
レーザ光ビームを生成するための光源と、
前記光源からのレーザ光ビームを受光するよう構成された光学系と、
を有する装置であって、前記光学系は更に、
使用時に、前記レーザビームを、処置されるべき皮膚の外側面に当たる処置レーザビームとして、前記装置から出射するようガイドし、
使用時に、前記処置レーザビームを、皮膚組織中の処置位置に対応する単一の焦点へと合焦させる、
ように構成され、前記光源は更に、単一の高次レーザビームモードを提供するように構成され、これにより前記レーザ光ビームの横断面は、
非ゼロの光強度を持つ少なくとも第1の領域及び第2の領域と、
前記非ゼロの光強度よりも低い光強度を持つ、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域と、
を持ち、前記第1の領域及び前記第2の領域はそれぞれ、使用時に、前記焦点において皮膚組織中に損傷を生成するように構成され、前記第3の領域は、使用時に、前記第1の領域及び前記第2の領域により生成される損傷の間において、皮膚組織中の損傷を前記焦点において生成するのを避けるよう構成された、装置
によって、本発明により達成される。
本目的はまた、
レーザ光を生成する装置を用いて皮膚を処置する非侵襲的な方法であって、前記装置は、レーザ光ビームを生成するための光源と、前記光源からのレーザ光ビームを受光するよう構成された光学系と、を有し、前記方法は、
前記光源を用いてレーザ光ビームを生成するステップと、
前記レーザビームを、処置されるべき皮膚の外側面に当たる処置レーザビームとして、前記装置から出射するようガイドするステップと、
前記光学系を用いて、前記処置レーザビームを、皮膚組織中の処置位置に対応する単一の焦点へと合焦させるステップと、
を有し、前記方法は更に、単一の高次レーザビームモードを提供するよう前記光源を構成するステップを有し、これにより、前記レーザ光ビームの横断面は、
非ゼロの光強度を持つ少なくとも第1の領域及び第2の領域と、
前記非ゼロの光強度よりも低い光強度を持つ、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域と、
を持ち、前記第1の領域及び前記第2の領域はそれぞれ、前記焦点において皮膚組織中に損傷を生成するように構成され、前記第3の領域は、使用時に、前記第1の領域及び前記第2の領域により生成される損傷の間において、皮膚組織中の損傷を前記焦点において生成するのを避けるよう構成された、方法
により達成される。
単一の高次レーザビームモードを提供することにより、該光源は、レーザ光ビームの横断面内で異なる強度を持つ領域を備えるよう構成される。横断面でみると、該レーザ光ビームは、非ゼロ強度を持つ第1の領域及び第2の領域と、これら領域間のかなり低い強度を持つ第3の領域と、を持つ。該単一の高次レーザビームモードにより、かなり異なる強度の領域を備えたビームプロファイルは、該レーザ光ビームの単一の焦点までの伝播軸に沿って、略一定である。該焦点は、該焦点の位置に対応する処置位置における処置放射を提供するよう構成される。例えば、該処置位置は、皮膚組織内の処置ビームの軸上であっても良く、該焦点は、皮膚の表面上又は皮膚の表面より上であっても良い。ビームプロファイル中の第3の領域に対応する、かなり低いエネルギーを持つ焦点の横断面内の領域がある。このことは、焦点における処置位置において皮膚組織にける略損傷のない領域をもたらし、該略損傷のない領域は、焦点における損傷の領域間に位置する。
損傷のある皮膚組織領域に隣接する、損傷のない皮膚組織領域の存在は、損傷のある皮膚組織のための短縮された治癒時間をもたらす。単一の高次レーザビームモードにより提供される、レーザ光ビームの横断面における異なる強度を持つ領域により、該レーザ光ビームの伝播方向でみた皮膚内の生じ得る損傷長さはかなり増大され、皮膚表面の下のより深い位置において、又は皮膚組織内の深さの長い範囲に亘って、処置を可能とする。斯かる増大された損傷の長さは、焦点の増大されたレイリー長の結果であり、単一の高次レーザビームモードの使用に起因する。このことはまた、損傷のある処置領域と損傷のない処置領域とが、健康な組織の深いチャネルにより離隔され、損傷領域のより正確な分離をもたらすという利点を持つ。
好適には、これら領域は、位置、寸法及び強度といったパラメータを選択することにより、皮膚細胞の少なくとも1枚の層によって分離された皮膚組織中の損傷を生成するように構成される。皮膚細胞の少なくとも1枚の層は、皮膚損傷を持つ領域に対する治癒効果をもたらす点において有利であると考えられる。
非ゼロ強度の領域の数は、2乃至24の範囲内の整数である場合、最も有利となり得る。
前記光源がレーザ光源を有し、前記レーザ光源が、前記レーザ光源の基本モードより高次の横モードで発振するよう構成され、前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域が、前記レーザ光ビームの横断面内の横モードの強度パターンの一部を形成することが、有利となり得る。
本分野において知られたいずれの適切の手法もが、レーザ光源の基本モードではない横モードで動作するようレーザ光源を構成するのに用いられ得るため、このことは本発明の比較的簡便な実装をもたらす。これら横モードは一般に高次横モードと呼ばれ、基本モードよりも高次のものである。レーザ光源の基本モードは一般に、TEM00、LG00又はHG00モードと示される。高次横モードは、レーザ光ビームの横断面において、良く定義された規則的な強度パターンを持つ。本発明は、当該強度パターンの一部又は全体を用いて、非ゼロ光強度及び低い光強度の領域を提供する。これら横モードは、例えば矩形、円筒形、又は楕円形の横モードであっても良く、単一の高次レーザビームモードは、例えばエルミート−ガウシアンモード、ラゲール−ガウシアンモード、又はインス−ガウシアンモードであっても良い。
前記光源が更に、単一の高次レーザビームモードの同等物を提供するよう構成された少なくとも1つの位相変調光学素子を有することが、有利となり得る。当該位相変調光学素子は、レーザ空洞内及び/又はレーザ空洞外に配置されても良い。例えば空間光変調器(SLM)、回折光学素子(DOE)、位相マスク、螺旋波長板、渦波長板、ピッチフォークホログラム、Qプレート又は円筒モード変換器といった、本分野において知られたいずれの適切な位相変調光学素子が用いられても良い。横断面レーザ光ビームにおける非ゼロ強度領域及び低光強度領域を提供するため、これら位相変調光学素子のうち1つよりも多い素子を組み合わせることが、有利となり得る。また、レーザ空洞外の少なくとも1つの光学素子と組み合わせて、レーザ空洞内に少なくとも1つの位相変調光学素子を収容することが有利となり得る。
前記レーザ光源がレーザ空洞を有し、前記少なくとも1つの位相変調光学素子が該レーザ空洞外に備えられる場合、該レーザ空洞をガウシアン基本モードで動作するよう構成することが有利となり得る。このことは、該位相変調光学素子に対する所定の光源を提供し、該位相変調光学素子の設計を簡略化し得る。
本発明は、レーザ光ビームの横断面における非ゼロ強度領域及び低光強度領域の多くの構成を提供し得るが、非連続的な非ゼロの光強度を持つ第1の領域及び第2の領域を提供し、該レーザ光ビームの横断面内のこれら領域の境界の全長に沿って該第1の領域と該第2の領域とを分離するように、低光強度の第3の領域を構成することが、特に有利となり得る。これら分離された第1の領域及び第2の領域は、焦点内に別個の領域をもたらす。換言すれば、該焦点は2つのサブスポットに分割され、ガウシアンビームプロファイルの焦点サイズに比べて小さなスポットサイズが達成されることを可能とする。
皮膚15を処置する際の、本発明による操作可能な皮膚処置装置10の最も重要な部分を図式的に示す。 非ゼロ光強度領域31、32及び低光強度領域33を有する、本発明による装置のレーザ光ビーム21の横断面の例を示す。 非ゼロ光強度領域31、32及び低光強度領域33を有する、本発明による装置のレーザ光ビーム21の横断面の例を示す。 本発明による装置のレーザ光源が例えばエルミート−ガウシアンモードを提供し得る、矩形横レーザモードの例を示す。 本発明による装置のレーザ光源が例えばラゲール−ガウシアンモードを提供し得る、円筒形横レーザモードの例を示す。 本分野において知られたレーザ光源を用いた、焦点22の長手方向の断面を模式的に示す。 レーザ光源20がLG01*又は「ドーナツ型」モードで動作させられた、本発明による装置におけるレーザ光源を用いた焦点22の長手方向の断面を模式的に示す。 レーザ光源及び単一の高次レーザビームモードの同等物を提供するよう構成された少なくとも1つの位相変調光学素子122を持つ、本発明による装置の更なる実施例を示す。
異なる図面において同一の参照番号を持つアイテムは、同一の構造的特徴、同一の機能、又は同一の信号を持つことは留意されるべきである。斯かるアイテムの機能及び/又は構造が既に説明されている場合には、詳細な説明において繰り返しの説明は必要ない。
図1は、レーザ光ビーム21を生成するためのレーザ光源20と、レーザ光ビーム21を受光するよう構成された光学系21と、を有する、本発明による皮膚15処置装置10を模式的に示す。レーザ光ビーム21は、人間又は動物の皮膚15のために適切な周波数及びパルス継続時間を持つ。光源20は典型的には、例えば1064nmに発光波長を持ち、1乃至1000psのパルス継続時間を持つ、Nd:YAGレーザのような、パルスレーザである。使用の間、装置(10)は、皮膚15における処置位置に対応する単一の焦点22に合焦される、処置レーザビーム23としての光を発する。
皮膚15は、異なる光学的特性を持つ複数の層を有する。表皮16は、最も外側の層から成り、防水の保護障壁を形成する。表皮16の最も外側の層は角質層であり、微視的な粗さの揺らぎのため、装置10と皮膚15との間の光の結合を妨げる。典型的には、処置レーザビーム23を皮膚15に光学的に結合させるため、屈折率整合流体が用いられる。真皮17は表皮16の下に位置し、典型的には焦点22は皮膚の処置のため真皮17のなかに位置させられる。装置10が皮膚15のしわを低減させるために用いられる場合、処置位置は、該処置位置において微視的な損傷を生成するために真皮17のコラーゲンのなかとされ、これにより新たなコラーゲン形成をもたらす。
焦点22は、処置位置において処置放射を提供するよう構成され位置させられる。焦点22と処置位置との間の空間的な関係は、横ビーム断面の強度プロファイル、焦点22と処置との間に存在する皮膚組織の性質、皮膚の表面の下の処置位置の深さ、及び処置ビーム23の光学的特性に依存し得る。焦点22は、処置位置に対応する皮膚の表面上又は該表面よりも上であっても良いし、又は皮膚の表面の下であっても良い。多くの場合、焦点22は処置位置と一致しても良い。
処置位置が皮膚内のコラーゲンである場合、焦点22は、皮膚15の外側面の0.2乃至2mm下、特に皮膚15の外側面の0.5乃至1.5mm下に位置させられても良い。
光学系12は、使用時に、レーザ光ビーム21をガイドし、処置されるべき皮膚15の外側表面に当たる処置レーザビーム23として装置10から出射され、使用時に、皮膚における処置位置に対応する単一の焦点22に処置レーザビーム23を合焦させるよう構成される。ここで「ガイドする」なる語は、光ビームの方向がかなり変化させられる状況、及び光ビーム21、23が大きな変化なく光ビーム方向に沿って伝播することを可能とされる状況、並びにいずれの中間的な度合いの方向変化をも含む。
装置10、特に光学系12は、レーザ光ビーム21の少なくとも1つの光学的特性を選択又は変更して処置レーザビーム23を提供することによって、処置位置において光熱分解を生成するよう構成される。処置ビーム23の焦点22への収束は、現象を局所化することを支援し、焦点22が皮膚の下にある場合には、パワー密度が真皮17におけるよりもかなり低いため、表皮16に対する損傷を防ぐことを支援する。
本発明は、皮膚が電磁放射を伝達するという事実を利用する。当該効果を最大化するため、光の波長は800nmと1100nmとの間である。当該範囲においては、伝達が高く、散乱及び線吸収は低い。しかしながら、他の波長を用いることを除外するものではない。
典型的には、レーザビームパルスにおける伝送可能なエネルギーレベルは、皮膚の表面で測定したときに、0.1乃至20mJである。斯かるエネルギーレベルは、皮膚処置において有用であることが分かっている。上述したエネルギーレベルの表示において、エネルギーは皮膚の表面において測定されるものであり、即ち皮膚に実際に供給されるエネルギーに関連するものである。
光学系12は、レーザ光ビーム21を収束及び/又は発散させるための少なくとも1つのレンズと、処置レーザビーム23を提供するよう所望の方向に該レーザ光ビームの方向を変化させるための少なくとも1つのミラーと、を有しても良い。光学素子の正確な位置及び/又は向きは、本分野において知られた手法を用いて調節可能であり、それにより、焦点22の位置及び品質を、実行されている処置のために望ましい位置及び品質に適合させることができる。焦点制御は、レンズの少なくとも1つの位置を調節することにより、及び/又はミラーの少なくとも1つを回転させることにより、提供されても良い。レンズ及びミラーの数及び位置は、光学系12内の構成要素の配置、及び当業者が提供したいと欲する調節の所望の度合いによって決定される。光学系12は更に、焦点22を位置決めするためのレーザビーム操作器を有しても良い。斯かるレーザビーム操作器は例えば、可動ミラー、該ミラーの位置を調節するためのミラーアクチュエータ、及び制御ユニットを有しても良い。該レーザビーム操作器はまた、調節可能なレンズ又はミラーを有しても良い。該レーザビーム操作器は、皮膚15上に及び皮膚15内に焦点を位置決めするために用いられても良い。ユーザが該レーザビーム操作器を制御しても良い。
光学系12により受光されるレーザ光ビーム21は、単一の高次レーザビームモードを持ち、レーザ光ビーム21の非ガウシアン横プロファイルに帰着する。図3は、非ゼロ光強度の第1の領域31及び第2の領域32、並びに該非ゼロ光強度よりも低い光強度の第3の領域33を有する、レーザ光ビーム21の横断面の例を示す。第3の領域33は、第1の領域31及び第2の領域32よりもかなり低い光強度を持つ。ここで「かなり」なる語は、第1の領域31及び第2の領域32の強度が、使用の間に、焦点22において、焦点22に対応する処置位置において皮膚組織における損傷を生成するよう構成され、第3の領域33の強度は、使用の間、焦点22において、焦点22に対応する処置位置において皮膚組織における損傷を生成することを回避するよう構成されることを意味する。
図3の第1の領域31と第2の領域32とは連続しており、非ゼロ強度の環状の領域を形成している。該環の中心には、かなり低い強度を持つ第3の領域33がある。使用の間に皮膚15に損傷を生成することを回避するため、第3の領域33における強度は、ゼロ強度から或る強度閾値までの範囲内であっても良い。当該強度閾値は、損傷を引き起こさない皮膚組織における最大エネルギーレベルに相当する。当該最大エネルギーレベルは、これら領域の位置及び寸法、皮膚処置のタイプ、皮膚における処置位置の深さ、並びに、波長スペクトル、スポット幅、パルス長及び照度といった処置レーザビームの特性に依存する。該強度閾値はまた、身体において処置されるべき皮膚がどこに位置しているか、処置されている個人、及び処置サイクルにおける段階に依存し得る。
第1の領域31及び第2の領域32における強度は、当該強度閾値よりも高く、第1の領域31及び第2の領域32の寸法、並びに第1の領域31及び第2の領域32における処置光の強度は、皮膚15において少なくとも1つの損傷を生成するよう構成される。
第1の領域31及び第2の領域32における強度は、変化しても良い。実際には、各領域は、概ねガウシアンプロファイルを持っても良く、各領域31、32の端部は、当該領域内の最大強度の半値に等しい強度の輪郭接合点と考えられても良い。
非ゼロ光強度領域及び低光強度領域を持つレーザビーム21の横断面に帰着する、単一の高次レーザビームモードは、レーザ光源20を高次モードで動作するよう構成することにより、換言すれば、基本モードではなく、また出力が複数の高次モードの組み合わせとなる混合多モードではなく動作するよう構成することにより、提供されても良い。高次モードは、所望の非ゼロ光強度領域及び低光強度領域を生成するのに十分に純粋であるべきである。レーザ空洞又は共振器の適切な構成のような、本分野において知られたいずれの方法もが、これを達成するために用いられても良い。例えば、Cagniot、Fromagerらによる文献「Generation of pure TEMp0 modes using a friendly intra-cavity laser beam shaping technique」(Laser Beam Shaping XII、SPIE Vol. 8130、813006(2011年))は、レーザ空洞(共振器)における位相及び振幅DOEを用いて高次モードを生成するためのモデルを開示している。例えば、平凹空洞にπ位相板が挿入される。特に、ラゲール−ガウシアン(LG)横モードTEM−10、TEM−20及びTEM−30の生成による結果が、当該文献の図8に示されている。本特許出願においては、LGモードについての標準的な表記が用いられる。即ち、第1のインデクスが径方向モード次数(p)を示し、第2のインデクスが角方向モード次数(l)を示す。
図3の強度領域は、レーザ光源20が、LG−01*モードで動作するよう構成することにより提供されることができ、ここでp=0及びl=1である。「*」は、非ゼロ強度領域が低強度領域を囲む環状である、いわゆる「ドーナツ型」モードであることを示す。
図6Bは、レーザ光源20がLG01*即ち「ドーナツ型」モードで動作させられた、本発明によるレーザ光源を用いた焦点22の長手方向の断面を模式的に示す。強度領域が光源20の単一の高次レーザビームモードにより提供されるため、これら領域は、皮膚内の位置及び焦点22内の位置を含め、レーザ光ビーム21の伝播軸に沿って略一定である。処置レーザビーム23(図示されていない)は、同一の長手方向の軸に沿って伝播する。それ故、横断面における強度プロファイルもまた、中心の低強度領域を囲む、非ゼロ強度の環である。図6Bは、長手方向に延在する、2つの三日月型の非ゼロ強度領域を示している。処置位置が焦点22に一致する場合には、図示される強度は損傷を引き起こす皮膚15における強度であり、ここで皮膚における強度閾値は、FWHM(半値全幅)スポット測定に対応する半値レベルと同一であると仮定される。焦点22のスポット幅28は、非ゼロ強度領域の外側輪郭における第1の位置から、該外側輪郭における第2の位置まで、横方向に測定され、ここで該第1の位置及び第2の位置はともに、長軸のまわりに対称的に横断面内に存する。当該スポット測定28は、全てのモード次数を含むFWHM測定に対応する。
長手方向における断面において、低強度領域は、横断面の中心に位置し、伝播軸に沿って延在する。本発明は、高次レーザモードにおいては、各非ゼロ強度領域がサブスポットとして考えられることができるという洞察に基づくものであり、該サブスポットの外側輪郭における第3の位置から、該サブスポットの外側輪郭における第4の位置までの横方向において測定されるサブスポットの幅27を持ち、ここで該第3の位置及び第4の位置はともに横断面内に存する。
各サブスポットが長手方向(即ちレーザ光ビームの伝播方向)に延在する距離は、処置位置における皮膚における損傷の深さに対応すると考えられる。
比較のため、図6Aは、レーザ光源20が基本モードで動作させられた、レーザ光源を用いた焦点22の長手方向の断面を模式的に示す。ビームプロファイルは、ガウシアン又は略ガウシアンとなると考えられる。それ故、横断面における強度プロファイルは、スポット全体22に亘って延在する非ゼロ強度の円である。強度の領域24は、長手方向に延在する。焦点22のスポット幅25は、非ゼロ強度領域の外側輪郭の第1の位置から該外側輪郭の第2の位置まで横方向に測定され、ここで該第1の位置及び第2の位置はともに、長軸のまわりに対称的に横断面内に存する。当該スポット測定25は、スポット全体22に亘るFWHM測定に対応する。
比較のため、皮膚組織中の損傷の長手方向の長さ(即ち深さ)は、レイリー長の値に直接に関連すると仮定される。図6Aについては、ωのビームスポットサイズ25及び波長λを持つガウシアンビームzについてのレイリー長24は、
=πω /λ
で与えられる。
高次ラゲール−ガウシアンビームのビームスポットサイズは、TEM−00ビームよりも
Figure 2016531651
倍広く、特定のレーザ構成についての高次モードのレイリー長は、最低次モードのものと等しい。従って、図6Bについては、LG−01*(p=0、l=1)であり、ビームスポットサイズ28は、TEM−00の
Figure 2016531651
倍である。ωLG01のビームスポットサイズ28を持つLG−01*ビームについてのレイリー長zLG01は、
Figure 2016531651
により与えられる。長手方向断面におけるLG−01*は、サブスポットとみなされ得る2つの三日月型領域を有する。LG−01*の強度プロファイルから導出される、サブスポット幅(27)δLG01は、0.35ωLG01である。
本発明は、皮膚において所望のスポットサイズを生成することは、スポット全体の代わりにスポットの一領域(サブスポット)を用いて実行され得るという洞察に基づく。TEM−00ビームスポットサイズ25がLG−01*モードにおけるサブスポットサイズ27と等しい(即ちωG=δLG01)場合、図6AのTEM−00ビームに対する図6BのLG−01*ビームのレイリー長の比は、
Figure 2016531651
となる。
斯くして、所与の損傷幅について、LG−01を用いて生成される最大損傷幅(又は皮膚内における損傷深さ)は、レーザの光学的進入深さに依存して、従来のTEM00ガウシアンビームが用いられる場合よりも、4.1倍長い。
他の高次モードを用いても、同様の利点が実現される。例えば、図2は、非ゼロ強度の第1の領域31及び第2の領域32、並びに低強度の第3の領域33を有する、レーザ光ビーム21の横断面の更なる例を示す。これら非ゼロ強度領域は非連続的であり、レーザ光ビーム21の横断面内に対称的に配置された2つの断片の外観を持つ。図2のビームプロファイルは、レーザ光源20をエルミート−ガウシアンモードで動作するよう構成することにより提供され、このときm=0及びn=1又はm=1及びn=0である。
HG−01又はHG−10については、δHG01=0.35ωHG01であることが示され、TEM−00よりも
Figure 2016531651
倍広い高次エルミート−ガウシアンのビームスポットサイズ(x方向)を用いて、レイリー長は、
Figure 2016531651
となり、TEM−00ビームに対するHG−01ビームのレイリー長の比は、
Figure 2016531651
となる。種々の開口数において利点が達成される。幾つかの処置においては、焦点22が皮膚の表面に位置するように処置レーザが合焦され、この場合には、損傷深さ推定のためにレイリー長の半値が重要となる。以下の表は、種々の開口数(NA)について、1064nmのレーザ波長を用いて算出されたレイリー長の向上を示す。
Figure 2016531651
高次レーザモードにおける強度分布についての更なる詳細は、F.J.Duarte編の書籍「Laser Pulse Phenomena and Applications」(ISBN 978-953-307-405-4)のなかの「Chapter 11: Laser Beam Diagnostics in Spatial Domain」(Tae Moon Jeong及びJongmin Leeによる)に見出される。
最も単純な実装は、光源20を基本モードよりも高次の横モードで発振するよう構成することにより実現され得る。これらモードについては、豊富な実験及び知識が存在する。このとき、第1、第2及び第3の領域31、32、33は、光ビーム21の断面内に横モード強度パターンの一部を形成する。これらの横モードは、例えば矩形又は円筒形横モードであっても良い。
図4は、HG−01、HG−02、HG−10、HG−11、HG−12、HG−20、HG−21、HG−22、HG−30、HG−31及びHG−32のような、利用され得る既知のエルミート−ガウシアンモードの例を示す。比較のため、単一の非ゼロ強度領域を持つ基本モードHG−00も示されている。当業者は、いずれの矩形高次もが利用され得ることを理解するであろう。
図5は、LG−01*、LG−11、LG−10、LG−01、LG−21、LG−20、LG−02、LG−22、LG−30、LG−03及びLG−34のような、利用され得る既知のラゲール−ガウシアンモードの例を示す。比較のため、単一の非ゼロ強度領域を持つ基本モードLG−00も示されている。当業者は、いずれの円筒形高次もが利用され得ることを理解するであろう。
レーザ光源を略純粋な横モードで発振するよう構成することは、レーザ光ビーム21に非ゼロ強度領域及び低強度領域を提供する唯一の方法ではない。更なる代替例は図7に示され、図7は、レーザ光ビーム21を生成するための光源120と、レーザ光ビーム21を受光するよう構成された光学系12と、を有する、本発明による皮膚15処置装置110を示している。光源120は、レーザ光を生成するレーザ空洞又は共振器121と、空洞121からのレーザ光を受光し、単一の高次レーザビームモードの同等物をレーザ光ビーム21に提供して、それによりレーザ光ビーム21の横断面に第1、第2の及び第3の領域31、32、33をもたらすよう構成された、少なくとも1つの位相変調光学素子122と、を有する。
米国特許US7961371より知られた空間光変調器(SLM)、回折光学素子(DOE)、米国特許US7982938より知られた位相マスク、螺旋波長板、渦波長板、ピッチフォークホログラム、Qプレート又は円筒モード変換器といった、本分野において知られたいずれの適切な位相変調光学素子が用いられても良い。複数の斯かる要素及び/又は斯かる要素の組み合わせが利用されても良い。LGモードの同等物又は略同等物は、螺旋又は渦波長板、ピッチフォークホログラム、Qプレート及び/又は円筒モード変換器を用いて提供され得る。これら位相変調光学素子は、所望のレイリー長内でモード領域を保持するよう構成されるべきである。
例えば、Kennedy、Szaboらによる文献「Creation of Laguerre-Gaussian laser modes using diffractive optics」(Physical Review A 66、043801(2002年))は、レーザ空洞外の回折光学系を用いたLGモードの生成を開示しており、これらモードは200mmの距離に亘って最小限の変形しか伴わずに伝播することができる。
レーザ空洞121をガウシアン基本モードで動作させることも、有利となり得る。このことは、位相変調光学素子122のための所定の及び標準な光源をもたらし、位相変調光学素子122の設計を簡素化し得る。
更なる代替例は、これら手法の両方を組み合わせることであり、即ちレーザ空洞(共振器)を構成し、且つ該空洞外に配置された光源20、120に少なくとも1つの位相変調光学素子を組み込むことである。
これまでに、単一の高次レーザビームモードの使用は、比較的長い焦点長(又は深さ)と組み合わせられた小さな焦点径が望ましい用途においては、考慮されていなかった。当業者は、ビームを小さなスポットに合焦させる困難性が増大するため、高次レーザビームモードを回避していた。本発明は、特定の損傷幅については、増大させられたレイリー長のため、増大させられた損傷長又は深さの利点が、予期しない利点を持つレーザビームプロファイルをもたらすという洞察に基づく。本発明においては、損傷した組織に隣接する健康な組織の領域が、増大させられた長さ又は深さに亘る単一の焦点22内の強度分布によって処置位置に生成されるため、米国特許出願公開US2005/0049582に記載されたような既知の部分的手法とは異なる。
非ゼロ強度領域間に低強度領域を持つ単一の焦点スポット22を提供することはまた、単一のパルスイベント内で処置位置において生成される1つ以上の損傷の領域は、個々の損傷内で、より温度的に均質となるため、有利である。サブスポット間の低強度領域は、サブスポットにより処置される異なる領域間の熱的な拡散を制限し、より予測可能な熱的緩和及びより小さなクロストークをもたらす。サブスポットを用いることにより、処置領域内において、損傷結果の好適な制御可能性、及び均一なエネルギー付与が実現され得る。
処置位置における皮膚組織中の損傷を、適切な度合いの「自由端」を持つよう、皮膚細胞の少なくとも1つの層によって分離されるようにすることも、有利となり得る。基本モードのレーザビームを用いた皮膚処置については、焦点22は典型的には200ミクロンより小さく、好適には50ミクロンより小さい。本発明は、サブスポットの利用によって、更に小さなスポットが皮膚処置のために利用されることを可能とする。しかしながら、損傷を持つ組織を囲む健康な組織(即ち損傷のない組織)の量が多いほど、副作用の低減が大きくなるという証拠が示唆されているため、非常に小さなサブスポットは、皮膚処置に対して無効となり得る。更に、過度の健康な組織は、断片化された処置の効果を低減することとなる。
文献「Free edges in epithelia as cues for motility」(Cell Adhesion & Migration 5:2、106-110、2011年3/4月、Landes Biosience(2011年))に開示されたもののような幾つかの研究は、損傷のある組織領域のまわりの高い度合いの「自由端」が、治癒時間を改善し得ることを示唆している。
例えば、本発明は、表皮に光熱分解を生成して、表皮細胞の壊死を引き起こすことによって皮膚の光沢及び色調を改善するために利用され得る。処置位置における損傷領域間の最も小さな有用な離隔距離は、略表皮細胞のサイズとなり得、10乃至20ミクロンである。当業者は、本発明は、例えばHG−22及びLG−22のような、TEM−22の同等物又は略同等物である、レーザ光ビーム21における領域を提供するよう構成されても良いことを、理解するであろう。光学系12が50ミクロンの焦点をもたらすよう構成される場合には、サブスポットは、焦点22における横断面で測定されたときに、10乃至20ミクロンの幅を持つこととなる。従って、処置位置における損傷も、対応する寸法を持つこととなる。
最高次を用いる場合に、又はレーザ光ビーム21が過度に小さな直径を持つ状況において、サブスポットの同じサイズを実現するため、光学系12及び/又はレーザ光源20が更に、ビームの横断面径を増大させる付加的な光学素子を有することが有利となり得る。当業者に知られたビーム拡大のためのいずれの適切な手法もが利用されても良い。
本発明は、皮膚内の深い損傷を生成する手段を提供する。斯かる装置及び方法は、いずれの適切な皮膚の処置に利用されても良く、特に皮膚における非侵襲的なしわの除去、光線性角化症、瘢痕組織又はにきびの低減、及び色素沈着の低減に利用されても良い。該装置及び方法は、選択的光熱分解のために、特に剥離性及び非剥離性手法のために利用されても良い。
レーザ光源20は、装置10の外部に配置されても良く、光ファイバによって該装置に接続されても良い。このようにすれば、小型で軽量な照射装置が提供され、かさばり重いレーザ光源等を別個の固定ユニットに配置できる。
上述した実施例は本発明を限定するものではなく説明するものであって、当業者は多くの代替実施例を設計することが可能であろうことは、留意されるべきである。
請求項において、括弧に挟まれたいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「有する(comprise)」及びその語形変化の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a又はan)」は、複数の斯かる要素の存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実装されても良い。幾つかの手段を列記した装置請求項において、これら手段の幾つかは同一のハードウェアのアイテムによって実施化されても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。
10 (皮膚)処置装置
12 光学系
15 皮膚
16 皮膚の表皮層
17 皮膚の真皮層
20 レーザ光ビーム(21)を生成するための光源
21 レーザ光ビーム
22 皮膚組織における処置位置に対応する焦点
23 処置レーザビーム
24 基本モードについてのレイリー長
25 基本モードについてのスポットサイズ(FWHM)
26 LG01モードについてのレイリー長
27 LG01についての非ゼロ強度のスポットサイズ(FWHM)
28 LG01についてのスポットサイズ(FWHM)
31 非ゼロ強度の第1の領域
32 非ゼロ強度の第2の領域
33 より低い強度の第3の領域
120 光源(20)の第2の実施例
121 レーザ空洞
122 レーザ空洞外の光学素子

Claims (13)

  1. レーザ光を用いた皮膚の処置のための非侵襲性装置であって、
    レーザ光ビームを生成するための光源と、
    前記光源からのレーザ光ビームを受光するよう構成された光学系と、
    を有する装置において、前記光学系は更に、
    使用時に、前記レーザ光ビームを、処置されるべき皮膚の外側面に当たる処置レーザビームとして、前記装置から出射するようガイドし、
    使用時に、前記処置レーザビームを、皮膚組織中の処置位置に対応する単一の焦点へと合焦させる、
    ように構成され、前記光源は更に、単一の高次レーザビームモードを提供するように構成され、これにより前記レーザ光ビームの横断面は、
    非ゼロの光強度を持つ少なくとも第1の領域及び第2の領域と、
    前記非ゼロの光強度よりも低い光強度を持つ、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域と、
    を持ち、前記第1の領域及び前記第2の領域はそれぞれ、使用時に、前記焦点において皮膚組織中に損傷を生成するように構成され、前記第3の領域は、使用時に、前記第1の領域及び前記第2の領域により生成される損傷の間において、皮膚組織中の損傷を前記焦点において生成するのを避けるよう構成された、装置。
  2. 前記光源がレーザ光源を有し、前記レーザ光源が、前記レーザ光源の基本モードより高次の横モードで発振するよう構成され、前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域が、前記レーザ光ビームの横断面内の横モードの強度パターンの一部を形成する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記単一の高次レーザビームモードは、エルミート−ガウシアンモード、ラゲール−ガウシアンモード、又はインス−ガウシアンモードであり、前記横モードは、矩形、円筒形、又は楕円形の横モードである、請求項2に記載の装置。
  4. 前記光源が更に、単一の高次レーザビームモードの同等物を提供するよう構成された少なくとも1つの位相変調光学素子を有する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの位相変調光学素子は、空間光変調器、回折光学素子、位相マスク、螺旋波長板、渦波長板、ピッチフォークホログラム、Qプレート及び円筒モード変換器から成る群から選択された、請求項4に記載の装置。
  6. 前記光源は、ガウシアン基本モードで動作するよう構成されたレーザ空洞を有し、前記少なくとも1つの位相変調光学素子は、前記レーザ空洞の外に配置された、請求項5に記載の装置。
  7. 前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域は、少なくとも1つの皮膚細胞の層により分離された皮膚組織における損傷を生成するよう構成された、請求項1に記載の装置。
  8. 前記焦点の寸法は、200ミクロンよりも小さく、好適には50ミクロンよりも小さい、請求項1に記載の装置。
  9. 前記第1の領域と前記第2の領域とは連続しており、前記第3の領域は、前記レーザ光ビームの横断面内で、前記第1の領域及び前記第2の領域の境界の長さに亘って、前記第1の領域と前記第2の領域とを分離するよう構成された、請求項1に記載の装置。
  10. 前記光源は、幾つかの非ゼロ光強度の領域を提供するよう構成され、前記非ゼロ光強度の領域の数は、2乃至24の範囲内の整数である、請求項1に記載の装置。
  11. レーザ光を生成する装置を用いて皮膚を処置する非侵襲性の方法であって、前記装置は、レーザ光ビームを生成するための光源と、前記光源からのレーザ光ビームを受光するよう構成された光学系と、を有し、前記方法は、
    前記光学系を通して、前記レーザ光ビームを、処置されるべき皮膚の外側面に当たる処置レーザビームとして、前記装置から出射するよう、ガイドするステップと、
    前記光学系を用いて、前記処置レーザビームを、皮膚組織中の処置位置に対応する単一の焦点へと合焦させるステップと、
    を有し、前記方法は更に、単一の高次レーザビームモードを提供するように前記光源を構成するステップを有し、これにより前記レーザ光ビームの横断面は、
    非ゼロの光強度を持つ少なくとも第1の領域及び第2の領域と、
    前記非ゼロの光強度よりも低い光強度を持つ、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域と、
    を持ち、前記第1の領域及び前記第2の領域はそれぞれ、前記焦点において皮膚組織中に損傷を生成するように構成され、前記第3の領域は、前記第1の領域及び前記第2の領域により生成される損傷の間において、皮膚組織中の損傷を前記焦点において生成するのを避けるよう構成された、方法。
  12. 前記光源がレーザ光源を有し、前記レーザ光源が、前記レーザ光源の基本モードより高次の横モードで発振するよう構成され、前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域が、前記レーザ光ビームの横断面内の横モードの強度パターンの一部を形成する、請求項11に記載の方法。
  13. 皮膚の処置、特に皮膚における非侵襲的なしわの除去、光線性角化症、瘢痕組織又はにきびの低減、及び色素沈着の低減における、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置の使用。
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