JP2016530369A - ゾル−ゲル組成物を含む、導電性基材のためのディップ−コーティング組成物 - Google Patents

ゾル−ゲル組成物を含む、導電性基材のためのディップ−コーティング組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための水性コーティング組成物であって、少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の少なくとも1種の、水性分散液または溶液(A)、ならびに少なくとも1種の水性ゾル−ゲル組成物(B)を含み、水性ゾル−ゲル組成物(B)が、ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応によって得られる水性コーティング組成物、該コーティング組成物を生成するための方法、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするためにそれを使用する方法、基材表面上でのコーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積によって電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための方法、それで少なくとも部分的にコーティングされた電気導電性基材、ならびに少なくとも1種のこうした基材から生成された物品または構成要素に関する。

Description

本発明は、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための水性コーティング組成物であって、少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、少なくとも1種の水性分散液または溶液(A)、ならびに少なくとも1種の水性ゾル−ゲル組成物(B)を含み、水性ゾル−ゲル組成物(B)が、ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応によって得られる水性コーティング組成物、該コーティング組成物を生成するための方法、電気導電性基材を電着コート材料で少なくとも部分的にコーティングするためにそれを使用する方法、基材表面上への該コーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積によって電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための方法、それを用いて少なくとも部分的にコーティングされた電気導電性基材、ならびに少なくとも1種のこうした基材から生成された物品または構成成分に関する。
自動車部門内の通常の要件は、製造のために使用される金属構成成分が腐食に対して保護されなければならないということである。達成されるべき腐食防止に関する要件は、殊に製造者が多年にわたりさび貫通に対して保証をしばしば与えるため、非常に厳密である。こうした腐食防止は、通常、この目的にふさわしい少なくとも1種のコーティングを用いて、それらの製造において使用される構成要素または基材をコーティングすることによって達成される。
公知のコーティング方法の不利な点、特に自動車産業内で用いられる公知の方法に影響する不利な点は、これらの方法が通常、ホスフェート化前処理工程を想定していることであり、該工程では、コーティングするための基材が、適切な腐食防止を確保するために、任意の清浄工程後ディップコーティング工程前にホスフェート化工程においてリン酸亜鉛などの金属リン酸で処理される。この前処理は通常、異なる加熱を用いる複数の異なるディップ用タンクにおける複数の方法工程の実施を必然的に伴う。こうした前処理の実施中さらに廃スラッジが生成され、これは環境に負担をかけ、また処分が必要である。そのため環境保護的および経済的な根拠で、こうした前処理工程をなしで済ませてもなお、公知の方法を使用して達成されるのと少なくとも同じ腐食防止効果を達成することができることが殊に望ましい。
US2008/0248211A1は、電着コート系を生成するためのコーティング組成物における、アルコキシシラン基などのシラン基を保有するプレポリマーの使用を開示している。これらのシラン基は、バインダーの硬化に寄与することができるが、ポリマー系へのそれらの組込みにより、水溶液中にゾル−ゲル系を形成することができない。こうしたコーティング組成物を使用することの不利な点は、それらから形成される異なるアルコキシシラン基および/またはシラン基の間で、互いに、望まれない架橋があり得ることである。さらに、ポリマー系による遮蔽効果は、反応性シラノール基を与えるためのアルコキシシラン基の加水分解が遅いという可能性がほとんどまたは全くないという結果になることがある。
電着コート系を生成するためのコーティング組成物における追加的構成成分としてのアルコキシシランなどのシラン化合物の使用は、例えば、EP1990379A2、WO2010/088250A1、WO2012/009351A1、およびWO2001/021718A1から知られている。これらのシラン化合物は、ゾル−ゲル組成物の形態ではなく、分子形態のみで、コーティング組成物に添加される。しかしながら、コーティング組成物において分子形態でこうしたシラン化合物を使用することの不利な点は、それらが高すぎる反応性を有することがあり、そのため、ヒドロキシル基などバインダーの反応性官能基または任意により表面上に存在する顔料との望まれない副反応があり得るということである。さらに、それらが含有する分子形態でのシラン化合物により、こうしたコーティング組成物は典型的に、適切でない貯蔵安定性などの適切でない安定性を有し、および/またはこれらの組成物に組み込むことができるシラン化合物の最大定量の点から制限を受ける。
EP1510558A1は、原子番号20から83の金属のコロイド状酸化物またはコロイド状水酸化物を含む水性組成物で濯ぐことによる、ディップ用ワニスが設けられた基材の後処理を開示している。しかしながら、こうしたコロイド状金属酸化物および金属水酸化物を使用しても、膜形成を発生させること、さらには、バインダーおよび任意によりディップ用ワニスに存在する架橋剤を用いて共有結合を発生させることは可能でない。特にディップ−コーティング膜の一部としてのゾル−ゲル組成物の使用は、EP1510558A1に記載されていない。
電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための電気泳動堆積性コーティング組成物で、用いられている従来のコーティング組成物よりも経済的および環境保護的なコーティング方法を可能にするが、それでもなお、必要な腐食防止効果を達成するのに少なくとも同等に適当であるものへの必要性が存在している。
US2008/0248211A1 EP1990379A2 WO2010/088250A1 WO2012/009351A1 WO2001/021718A1 EP1510558A1
そのため、従来技術から知られているコーティング組成物を超える利点を有する、電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするためのコーティング組成物を提供することが本発明の目的である。より詳細には、用いられる従来のコーティング組成物よりもより経済的および環境保護的コーティング方法を可能にするコーティング組成物を提供することが本発明の目的である。特に、さらに、通常ディップコーティングより前に金属リン酸を使用して実施される必要があるホスフェート化作業をなしで済ませることを可能にしてもなお、通常用いられているコーティング組成物で達成することもできるのと少なくとも同じ腐食防止効果を達成することが可能であるコーティング組成物を提供することが本発明の目的である。
この目的は、請求項において請求されている主題によって、および以下の記載において説明されるの主題の好ましい実施形態によって達成される。
そのため、本発明の第1の目的は、
電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための水性コーティング組成物であって、
(A)少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、少なくとも1種の水性分散液または溶液、好ましくは少なくとも1種の水性分散液、ならびに
(B)少なくとも1種の水性ゾル−ゲル組成物
を含み、
水性ゾル−ゲル組成物(B)は、ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応によって得られる。
そのため、本発明の水性コーティング組成物は、電気導電性基材の基材表面上に電着コートを生成するのに役立つ。
驚くべきことに、本発明の水性コーティング組成物は、通常、ディップ−コーティング、より詳細には電着コーティングより前に実施される必要がある工程、すなわち基材上に金属リン酸層を形成するためにリン酸亜鉛などの金属リン酸で少なくとも部分的コーティングのための電気導電性基材を前処理する工程をなしで済ませることができることを可能にし、それによって、当該のコーティング方法が全体的に、従来の方法よりも経済的、より詳細には、時間がかからずコスト集中的にされるだけでなく、環境保護的にされることを可能にすることが見出された。
特に、驚くべきことに、本発明の水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた電気導電性基材は、特に本発明の水性コーティング組成物における構成成分(B)の存在により、構成成分(B)を有さない従来のコーティング組成物でコーティングされた基材と比較して不利な点を有さず、特に、それらの腐食防止効果の点から利点を有し、したがって、本発明の水性コーティング組成物で生成されたコーティング基材、特にコーティングされた亜鉛めっき鋼およびアルミニウムは、特に、腐食防止効果の目安としての腐食性浸食および表面さびが有意に低減されるという事実により、対応する比較例に相対して注目に値することが見出された。
さらに、驚くべきことに、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための本発明の水性コーティング組成物は、そこにある構成成分(B)にもかかわらず、特に構成成分(A)の存在下での構成成分(B)の安定化により良好な貯蔵安定性を有することが見出された。
好ましい一実施形態において、本発明の意味における「含む(comprising)」という用語は、例えば本発明の水性コーティング組成物に関連する場合、「からなる」の意味を有する。この好ましい実施形態における本発明のコーティング組成物に関して、以下に明らかにされ任意により本発明に従って使用されるコーティング組成物に存在するさらなる構成成分の1種または複数が該コーティング組成物に存在することができ、例えば、構成成分(A)および(B)以外、例えば任意の構成成分(C)および/または(D)および/または(E)、ならびに有機溶媒が任意により存在する。これらの構成成分の全ては各々、それらの好ましい実施形態において、以上および以下に明らかにされている通り、本発明のコーティング組成物に存在することができる。
コーティング組成物
本発明の水性コーティング組成物は、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするのに適当であり、それが少なくとも部分的に電着コートの形態で電気導電性基材の基材表面に適用されやすいことを意味する。好ましくは、本発明の水性コーティング組成物全体が、電気泳動的に、より好ましくは陰極的に堆積性である。
本発明の水性コーティング組成物は、液体希釈剤として水を含む。
本発明のコーティング組成物に関連する「水性」という用語は、好ましくは、それらの液体希釈剤の主な構成成分として、即ち、液体溶媒および/または分散媒として水を含む液体コーティング組成物を指す。しかしながら任意により、本発明のコーティング組成物には、副画分に少なくとも1種の有機溶媒が含まれ得る。こうした有機溶媒の例としては、ヘテロ環式、脂肪族もしくは芳香族炭化水素、一価もしくは多価アルコール、殊にメタノールおよび/もしくはエタノール、エーテル、エステル、ケトン、ならびにアミド、例えば、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ブタノール、エチルグリコールおよびブチルグリコールならびにそれらのアセテート、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソホロン、またはそれらの混合物などが挙げられる。これらの有機溶媒の画分は、各場合において液体希釈剤の合計画分、即ち、本発明のコーティング組成物に存在する液体溶媒および/または分散媒に対して、好ましくは20.0wt%以下、より好ましくは15.0wt%以下、非常に好ましくは10.0wt%以下、より詳細には5.0wt%以下または4.0wt%以下または3.0wt%以下、より好ましくはまた2.5wt%以下または2.0wt%以下または1.5wt%以下、最も好ましくは1.0wt%以下または0.5wt%以下である。
本発明のコーティング組成物に含まれる全ての構成成分の質量%における画分、言い換えると、(A)、(B)および水、ならびに任意により(C)および/または(D)および/または(E)の画分は、好ましくは、コーティング組成物の合計質量に対して100wt%までになる。
本発明の水性コーティング組成物は、各場合において本発明の水性コーティング組成物の合計質量に対して、好ましくは5wt%から45wt%の範囲の、より好ましくは7.5wt%から35wt%、非常に好ましくは10wt%から30wt%の範囲の、より好ましくはまた12.5wt%から25wt%の範囲の、または15wt%から25wt%、より詳細には17wt%から22wt%の範囲の固体画分を有する。固体画分を決定するための方法は、当業者に知られている。固体画分は、好ましくはDIN EN ISO 3251に従って決定される。
基材
本発明に従って使用される適当な電気導電性基材は、通例用いられる当業者に知られている電気導電性基材の全てである。本発明に従って使用される電気導電性基材は、好ましくは鋼、好ましくは冷延鋼、亜鉛めっき鋼、例えばディップ−亜鉛めっき鋼、合金−亜鉛めっき鋼(例えば、Galvalume、GalvannealedまたはGalfanなど)およびアルミニウム化鋼、アルミニウム、ならびにマグネシウムからなる群から選択される鋼からなる群から選択され、特に適当なのは、亜鉛めっき鋼およびアルミニウムである。基材として適当なのは、さらに、熱延鋼、高強度鋼、Zn/Mg合金、およびZn/Ni合金である。特に適当な基材は、製造のための自動車の車体の部品または完全な車体である。当該の電気導電性基材が使用される前に、基材は、好ましくは清浄および/または脱脂される。
本発明に従って使用される電気導電性基材は、少なくとも1種の金属リン酸で前処理された基材であってよい。基材が清浄された後およびそれがディップ−コーティングされる前に通常行われる、ホスフェート化することによるこうした前処理は、特に、自動車産業内に通例の前処理工程である。この文脈において、任意により実施される前処理は、環境保護的および/または経済的態様から有利に設計されることが殊に望ましい。そのため例えば、通例のトリカチオンホスフェート化の代わりに、ニッケル構成成分が省かれ、代わりにジカチオンホスフェート化(亜鉛およびマンガンのカチオンを含み、ニッケルカチオンを含まない)が、本発明の水性コーティング組成物を用いるコーティングより前に本発明に従って使用される電気導電性基材上で実施される、任意の前処理工程が可能である。
しかしながら、本発明の特定の目的は、例えばリン酸亜鉛などの金属リン酸でホスフェート化することによる少なくとも部分的なコーティングのための電気導電性基材のこうした前処理をなしで済ませることが可能であることである。そのため、好ましい一実施形態において、本発明に従って使用される電気導電性基材は、こうしたホスフェート化基材ではない。
本発明の水性コーティング組成物でコーティングされる前に、本発明に従って使用される電気導電性基材は、少なくとも1個のTi原子および/もしくは少なくとも1個のZr原子を含有する少なくとも1種の水溶性化合物を含むとともに少なくとも1個のフッ素原子を含有するフッ化物イオンの供給源として少なくとも1種の水溶性化合物を含む水性前処理組成物で、または少なくとも1個のTi原子および/もしくは少なくとも1個のZr原子を含有する少なくとも1種の水溶性化合物と少なくとも1個のフッ素原子を含有するフッ化物イオンの供給源として少なくとも1種の水溶性化合物との反応によって得られる水溶性化合物を含む水性前処理組成物で前処理することができる。
この場合における少なくとも1個のTi原子および/または少なくとも1個のZr原子は、好ましくは、+4酸化状態を有する。それが含有する構成成分のおかげで、好ましくは、さらに、これらの構成成分の適切に選択された割合のおかげで、水性前処理組成物は、好ましくは、フルオロ錯体、例えばヘキサフルオロメタレート、即ち、特に、ヘキサフルオロチタネートおよび/または少なくとも1種のヘキサフルオロジルコネートを含む。該前処理組成物は、好ましくは、2.5・10−4mol/L以上であるが2.0・10−2mol/L以下でない元素Tiおよび/またはZrの合計濃度を有する。こうした前処理組成物の製造、および電気導電性基材の前処理におけるそれらの使用は、例えばWO2009/115504A1から知られている。
該前処理組成物は、好ましくは、銅イオン、好ましくは銅(II)イオン、ならびに、任意により、Ca、Mg、Al、B、Zn、MnおよびWならびにそれらの混合物、好ましくは少なくとも1種のアルミノシリケート、より詳細には少なくとも1:3のAl原子対Si原子の原子比率を有するものからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを含む、1種または複数の水溶性および/または水分散性化合物をさらに含む。こうした前処理組成物の製造、および電気導電性基材の前処理におけるそれらの使用は、例えばWO2009/115504A1から知られている。アルミノシリケートは、好ましくは、動的光散乱によって決定可能である1nmから100nmの範囲の粒子サイズを有するナノ粒子の形態で存在する。動的光散乱によって決定可能である1nmから100nmの範囲のこうしたナノ粒子についての粒子サイズは、DIN ISO 13321に従って決定される。
構成成分(A)ならびに任意の構成成分(C)および(D)および(E)
本発明の水性コーティング組成物は、構成成分(A)として少なくとも1種の水性分散液または溶液(A)、好ましくは、少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、少なくとも1種の水性分散液を含む。
水性分散液または溶液(A)の一部としての「バインダー」という用語は、本発明の目的で、好ましくは、本発明の水性コーティング組成物の電気泳動堆積性ポリマー性樹脂、膜形成に関与するものを包含するが、存在する任意の架橋剤はバインダーの概念に含まれない。そのため、本発明の意味における「バインダー」は、ポリマー性樹脂であるが、存在する任意の架橋剤はバインダーの概念に含まれない。特に、さらに、存在する任意の顔料または充填剤はバインダーの概念内に包摂されない。本発明の意味における「バインダー」という用語には、さらに、本発明の水性コーティング組成物の構成成分(B)、言い換えると水性ゾル−ゲル組成物(B)は含まれない。
少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)は、好ましくは、各場合において水性分散液または溶液(A)の合計質量に対して25wt%から60wt%の範囲の、より好ましくは27.5wt%から55wt%の範囲の、非常に好ましくは30wt%から50wt%の範囲の、より好ましくはまた32.5wt%から45wt%の範囲の、より詳細には35wt%から42.5wt%の範囲の不揮発性画分、即ち固体画分を有する。
少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)は、好ましくは、各場合において本発明の水性コーティング組成物の合計質量に対して8wt%から30wt%の範囲の、より好ましくは9wt%から28wt%の範囲の、非常に好ましくは10wt%から26wt%の範囲の、より好ましくはまた11wt%から24wt%の範囲の、より詳細には12wt%から22wt%の範囲の、または13wt%から20wt%の範囲の不揮発性画分、即ち固体画分を有する。
固体画分を決定するための方法は当業者に知られている。固体画分は、好ましくは、DIN EN ISO 3251に従って決定される。
少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーは、好ましくは、陰極堆積性バインダーまたは陽極堆積性バインダーである。当業者は、こうしたバインダーについて知っている。非常に好ましくは、バインダーは陰極堆積性バインダーである。本発明に用いられるバインダーは、水に分散性または可溶性のバインダーである。
当業者に知られている全ての通例の電気泳動堆積性バインダーは、本発明の水性コーティング組成物の水性分散液または溶液(A)のバインダー構成成分として、本発明において適当である。
本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)は、好ましくは、架橋反応を可能にする反応性官能基を有する少なくとも1種のバインダーを含む。本発明におけるバインダーは、自己架橋または外部架橋バインダー、好ましくは外部架橋バインダーである。架橋反応を可能にするために、本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)には、従って好ましくは、該少なくとも1種のバインダーと同様に少なくとも1種の架橋剤がさらに含まれる。
本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)に存在するバインダー、または任意により存在する架橋剤は、好ましくは熱架橋可能である。該バインダーおよび任意により存在する架橋剤は、好ましくは室温を超える温度、即ち18〜23℃を超える温度に加熱すると、架橋可能である。該バインダーおよび任意により存在する架橋剤は、好ましくは、≧80℃、より好ましくは≧110℃、非常に好ましくは≧130℃、殊に好ましくは≧140℃のオーブン温度でのみ架橋可能である。特別な利点で、該バインダーおよび任意により存在する架橋剤は、100℃から250℃で、より好ましくは125℃から250℃で、非常に好ましくは150℃から250℃で架橋可能である。
本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)は、好ましくは少なくとも1種の架橋剤との組合せにおける架橋反応を可能にする反応性官能基を有する少なくとも1種のバインダーを好ましくは含む。
当業者に知られている任意の通例の架橋可能な反応性官能基が、本発明において企図される。該バインダーは、好ましくは、任意により置換されている第1級アミノ基、任意により置換されている第2級アミノ基、任意により置換されている第3級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、少なくとも1つのC=C二重結合を有する基、例えばビニル基または(メタ)アクリレート基、およびエポキシド基などからなる群から選択される反応性官能基を有し、第1級、第2級および第3級アミノ基は、各場合において互いに独立して、例えばメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルなどのC1〜6脂肪族ラジカルからなる群から選択される、例えば2個または3個などの1個または複数の置換基によって置換されることが可能であり、これらのC1〜6脂肪族ラジカルが今度は、各場合において互いに独立してOH、NH、NH(C1〜6アルキル)およびN(C1〜6アルキル)からなる群から選択される1個、2個または3個の置換基によって任意により置換されることが可能である。特に好ましいのは、任意により置換されている第1級アミノ基、任意により置換されている第2級アミノ基、任意により置換されている第3級アミノ基、およびヒドロキシル基からなる群から選択される反応性官能基を有する少なくとも1種のバインダーであり、第1級、第2級および第3級アミノ基は、各場合において互いに独立して、例えばメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルなどのC1〜6脂肪族ラジカルからなる群から選択される例えば2個または3個など1個または複数の置換基によって任意により置換されることが可能であり、これらのC1〜6脂肪族ラジカルが今度は、各場合において互いに独立してOH、NH、NH(C1〜6アルキル)およびN(C1〜6アルキル)からなる群から選択される1個、2個または3個の置換基によって任意により置換されることが可能である。
本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)に存在するバインダーは、好ましくは、少なくとも1種のエポキシド系ポリマー性樹脂、より詳細には少なくとも1種のカチオン性エポキシド系およびアミン変性樹脂である。この種類のカチオン性アミン変性エポキシド系樹脂の製造は知られており、例えば、DE3518732、DE3518770、EP0004090、EP0012463、EP0961797B1およびEP0505445B1に記載されている。カチオン性エポキシド系アミン変性樹脂は、好ましくは、少なくとも1種の任意により変性されているポリエポキシド、即ち、2個以上のエポキシド基を有する少なくとも1種の任意により変性されている化合物と、少なくとも1種の好ましくは水溶性アミン、好ましくは少なくとも1種のこうした第1級および/または第2級アミンとの反応生成物であると理解される。特に好ましいポリエポキシドは、ポリフェノールのポリグリシジルエーテルであり、ポリフェノールおよびエピハロヒドリンから製造される。使用され得るポリフェノールとしては、特にビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFが挙げられる。他の適当なポリエポキシドは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、および2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテルである。変性ポリエポキシドは、反応性官能基の一部が少なくとも1種の変性化合物との反応を受けたようなポリエポキシドである。こうした変性化合物の例は以下の通りである:
a)カルボキシル基を含有する化合物、例えば、飽和または不飽和モノカルボン酸(例えば、安息香酸、亜麻仁油脂肪酸、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸)、様々な鎖長の脂肪族、脂環式および/または芳香族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、または二量体脂肪酸)、ヒドロキシアルキルカルボン酸(例えば、乳酸、ジメチロールプロピオン酸)、およびカルボキシル含有ポリエステル、あるいは
b)アミノ基を含有する化合物、例えば、第2級アミノ基を有するジエチルアミンまたはエチルヘキシルアミンまたはジアミン、例えば、N,N’−ジアルキルアルキレンジアミン、例えば、ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジアルキル−ポリオキシアルキレンアミン、例えば、N,N’−ジメチルポリオキシプロピレンジアミン、シアンアルキル化アルキレンジアミン、例えば、ビス−N,N’−シアンエチル−エチレンジアミン、シアンアルキル化ポリオキシアルキレンアミン、例えば、ビス−N,N’−シアンエチルポリオキシプロピレンジアミン、ポリアミノアミド、例えば、Versamide、例えば、殊にジアミンのアミノ末端反応生成物(例えば、ヘキサメチレンジアミン)、ポリカルボン酸、殊に二量体脂肪酸、およびモノカルボン酸、殊に脂肪酸、またはジアミノヘキサン1モルとモノグリシジルエーテル2モルとの反応生成物、またはモノグリシジルエステル、殊にバーサチック酸などのα−分岐脂肪酸のグリシジルエステル、あるいは
c)ヒドロキシル基を含有する化合物、例えば、ネオペンチルグリコール、ビスエトキシ化ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、ジメチルヒダントイン−N−N’−ジエタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,5−ジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,1−イソプロピリデンビス(p−フェノキシ)−2−プロパノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはアミノアルコール、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、またはヒドロキシル含有アルキルケチミン、例えば、アミノメチルプロパン−1,3−ジオールメチルイソブチルケチミンもしくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンシクロヘキサノンケチミン、ならびにポリグリコールエーテル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、様々な官能性および分子量のポリカプロラクタムポリオール、あるいは
d)ナトリウムメトキシドの存在下でエポキシ樹脂のヒドロキシル基とエステル交換される飽和または不飽和脂肪酸メチルエステル。
使用することができるアミンの例は、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミンなどのモノおよびジアルキルアミン、例えばメチルメチルエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのアルカノールアミン、およびジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミンまたはジメチルアミノプロピルアミンなどのジアルキルアミノアルキルアミンである。使用することができるアミンは、他の官能基も同様に含有することができるが、ただし、これらの基が、アミンと任意により変性されているポリエポキシドのエポキシド基との反応を妨害せず、その上反応混合物のゲル化に至らないという条件である。第2級アミンが好ましくは使用される。水との希釈性および電気堆積に必要とされる投入は、水溶性酸(例えば、ホウ酸、ギ酸、酢酸、乳酸、好ましくは酢酸)でのプロトン化によって発生させることができる。任意により変性されたポリエポキシドへカチオン基を導入するためのさらなる可能性は、ポリエポキシドにおけるエポキシド基とアミン塩との反応にある。
少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダー以外、本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)は、好ましくは、バインダーの反応性官能基を用いる架橋反応を可能にする少なくとも1種の架橋剤を含む。
フェノール樹脂、多官能性マンニッヒ塩基、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシド、遊離ポリイソシアネートおよび/またはブロックポリイソシアネート、例えば、特にブロックポリイソシアネートなど、当業者に知られている全ての通例の架橋剤が使用され得る。
特に好ましい架橋剤は、ブロックポリイソシアネートである。利用することができるブロックポリイソシアネートは、ジイソシアネートなど任意のポリイソシアネートであり、これらのポリイソシアネートにおいては、例えば、イソシアネート基が化合物と反応し、それによって、形成されたブロックポリイソシアネートが、特にヒドロキシル基ならびにアミノ基、例えば第1級および/または第2級アミノ基に対して、室温で、即ち18℃から23℃の温度で安定であるが、例えば≧80℃、より好ましくは≧110℃、非常に好ましくは≧130℃、殊に好ましくは≧140℃で、または90℃から300℃でまたは100℃から250℃で、より好ましくは125℃から250℃で、非常に好ましくは150℃から250℃のような昇温で反応する。
ブロックポリイソシアネートの製造において、架橋するのに適当である任意の所望の有機ポリイソシアネートを使用することが可能である。使用されるイソシアネートは、好ましくは、(ヘテロ)脂肪族、(ヘテロ)脂環式、(ヘテロ)芳香族または(ヘテロ)脂肪族(ヘテロ)芳香族のイソシアネートである。好ましいのは、2個から36個、より詳細には6個から15個の炭素原子を含有するジイソシアネートである。好ましい例は、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,9−ジイソシアナト−5−メチルノナン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジメチルオクタン、1,12−ドデカンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアナトジプロピルエーテル、シクロブテン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチルシクロヘキサン、デカヒドロ−8−メチル−1,4−メタノナフタレン−2(または3),5−イレンジメチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−インダン−1(または2),5(または6)−イレンジメチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン−1(または2),5(または6)−イレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート(H6−TDI)、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ペルヒドロ−2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ペルヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’,5,5’−テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジイソシアナト−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチルジシクロヘキシルメタン、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジイソシアナトメチル−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン(MPDI)、2−エチル−1,4−ジイソシアナトブタン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,5−ジイソシアナトヘキサン、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、2,5(2,6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)、およびこれらの化合物の任意の混合物である。より高いイソシアネート官能性のポリイソシアネートも使用することができる。その例は、三量体化ヘキサメチレンジイソシアネートおよび三量体化イソホロンジイソシアネートである。さらに、ポリイソシアネートの混合物も利用することができる。本発明のための架橋剤として企図される有機ポリイソシアネートは、例えば、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールを含めたポリオールに由来するプレポリマーであってもよい。殊に好ましいのは、2,4−トルエンジイソシアネートおよび/もしくは2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ならびに/または2,4−トルエンジイソシアネートおよび2,6−トルエンジイソシアネートの異性体混合物、ならびに/またはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。
ポリイソシアネートの遮断のために好ましく使用されるのは、任意の所望の適当な脂肪族、脂環式または芳香族のアルキルモノアルコールであってよい。その例は、脂肪族アルコール、例えばメチル、エチル、クロロエチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、3,3,5−トリメチルヘキシル、デシルおよびラウリルアルコール;脂環式アルコール、例えばシクロペンタノールおよびシクロヘキサノール;芳香族アルキルアルコール、例えばフェニルカルビノールおよびメチルフェニルカルビノールである。他の適当な遮断薬は、ヒドロキシルアミン、例えばエタノールアミン、オキシム、例えばメチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシムおよびシクロヘキサノンオキシム、ならびにアミン、例えばジブチルアミンおよびジイソプロピルアミンである。
本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)における少なくとも1種のバインダー対少なくとも1種の架橋剤の相対質量比は、各場合において本発明コーティング組成物の水性分散液または溶液(A)における少なくとも1種のバインダーおよび少なくとも1種の架橋剤の固体画分に対して、好ましくは4:1から1.1:1の範囲、より好ましくは3:1から1.1:1の範囲、非常に好ましくは2.5:1から1.1:1の範囲、より詳細には2.1:1から1.1:1の範囲である。
別の好ましい実施形態において、本発明に用いられる水性分散液または溶液(A)における少なくとも1種のバインダー対少なくとも1種の架橋剤の相対質量比は、各場合において本発明コーティング組成物の水性分散液または溶液(A)における少なくとも1種のバインダーおよび少なくとも1種の架橋剤の固体画分に対して、4:1から1.5:1の範囲、より好ましくは3:1から1.5:1の範囲、非常に好ましくは2.5:1から1.5:1の範囲、より詳細には2.1:1から1.5:1の範囲である。
所望の用途に依存して、さらに、本発明の水性コーティング組成物は、少なくとも1種の顔料(C)を含むことができる。
発明に用いられる水性コーティング組成物も存在するこの種類の顔料(C)は、好ましくは、有機および無機の色付与および体質顔料からなる群から選択される。
この少なくとも1つの顔料(C)は、水溶液または分散液(A)の一部として存在することができる。
少なくとも1つの顔料(C)は、代替として、発明に用いられるコーティング組成物に、(A)と異なるさらなる水性分散液または溶液の形態で組み込むことができる。この実施形態において、対応する顔料含有水性分散液または溶液は、少なくとも1種のバインダーをさらに含むことができる。
適当な無機の色付与顔料(C)の例は、白色顔料、例えば酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化アンチモンもしくはリトポン;黒色顔料、例えばカーボンブラック、鉄マンガン黒もしくはスピネル黒;有色顔料、例えばコバルト緑色もしくはウルトラマリン緑、コバルト青、ウルトラマリン青もしくはマンガン青、ウルトラマリンバイオレットもしくはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、赤色酸化鉄、モリブデート赤もしくはウルトラマリン赤;茶色酸化鉄、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相;または黄酸化鉄、ニッケルチタン黄もしくはバナジン酸ビスマスである。適当な有機の色付与顔料の例は、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、またはアニリン黒である。適当な体質顔料または充填剤の例は、チョーク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリケート、例えばタルクもしくはカオリン、シリカ、酸化物、例えば水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム、または有機充填剤、例えば織物繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維、もしくはポリマー粉末であり、さらなる詳細については、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998、250ページ以下、「Fillers」を参照されたい。
発明に用いられる水性コーティング組成物の顔料含有量は、意図される使用に従っておよび顔料(C)の性質に従って変動し得る。各場合において発明に用いられる水性コーティング組成物の合計質量に対する該量は、好ましくは、0.1wt%から30wt%の範囲または0.5wt%から20wt%の範囲、より好ましくは1.0wt%から15wt%の範囲、非常に好ましくは1.5wt%から10wt%の範囲、より詳細には、2.0wt%から5.0wt%の範囲、または2.0wt%から4.0wt%の範囲、または2.0wt%から3.5wt%の範囲である。
所望の用途に依存して、発明に用いられる水性コーティング組成物は、1種または複数の典型的に用いられる添加剤(D)を含むことができる。これらの添加剤(D)は、好ましくは、湿潤剤、乳化剤、分散剤、表面活性化合物、例えば界面活性剤、流れ制御助剤、可溶化剤、消泡剤、レオロジー助剤、抗酸化剤、安定剤、好ましくは熱安定剤、インプロセス安定剤ならびにUVおよび/または光安定剤、触媒、充填剤、ワックス、柔軟剤、可塑剤、ならびに上に記述されている添加剤の混合物からなる群から選択される。添加剤含有量は、意図される使用に従って非常に広く変動し得る。発明に用いられる水性コーティング組成物の合計質量に対する該量は、好ましくは0.1wt%から20.0wt%、より好ましくは0.1wt%から15.0wt%、非常に好ましくは0.1wt%から10.0wt%、殊に好ましくは0.1wt%から5.0wt%、より詳細には0.1wt%から2.5wt%である。
本発明における少なくとも1種の添加剤(D)は、水溶液または分散液(A)の一部として存在することができる。代替として、少なくとも1種の添加剤(D)は、発明に用いられるコーティング組成物に、例えば、少なくとも1種の顔料(D)および任意によりさらに少なくとも1種のバインダーを含む水性分散液または溶液内のように、(A)と異なるさらなる水性分散液または溶液の形態で組み込むこともできる。
本発明の水性コーティング組成物は、好ましくは、少なくとも1種の構成成分(E)をさらに含むことができる。任意により存在する構成成分(E)は、金属イオンを放出するのに適当な少なくとも1種の金属イオン含有化合物および/または少なくとも1種の金属原子含有化合物であり、金属イオンは、Zr、Ti、Co、V、W、Mo、Cu、Zn、In、Bi、Yおよびランタニドからなる群から選択され、より好ましくはBiである金属原子のイオンであり、金属イオンは、wt%におけるコーティング組成物の合計質量に対して30ppmから20000ppmの範囲の濃度でコーティング組成物に存在する。特別に優先して、構成成分(E)は、ビスマスイオンを含有する少なくとも1種の化合物および/またはビスマス原子を含有する少なくとも1種の化合物であり、ビスマスイオンを放出するのに適当であり、ビスマスイオンは、各場合においてwt%でのコーティング組成物の合計質量に対して、少なくとも200ppm、好ましくは少なくとも500ppm、より好ましくは1000ppmの領域だが、各場合において20000ppm以下、好ましくは各場合において10000ppm以下、より詳細には各場合において5000ppm以下の濃度で、コーティング組成物に存在する。
この少なくとも1種の構成成分(E)は、水溶液または分散液(A)の一部として存在することができる。代替として、少なくとも1種の構成成分(E)は、本発明のコーティング組成物に、例えば、少なくとも1種の顔料(D)および任意によりさらに少なくとも1種のバインダーを含む水性分散液または溶液内のように、(A)と異なるさらなる水性分散液または溶液の形態で組み込むことができる。
構成成分(B)
本発明の水性コーティング組成物は、ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応によって得られる少なくとも1種の水性ゾル−ゲル組成物(B)を含む。
本発明のコーティング組成物を製造するための、発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)は、コロイド水溶液または水性分散液の好ましい形態、より詳細にはコロイド水溶液の形態をとる。
本発明のコーティング組成物を製造するために使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは2.0から10.0の範囲の、より好ましくは2.5から8.5の範囲のまたは2.5から8.0の範囲の、非常に好ましくは3.0から7.0の範囲のまたは3.0から6.5の範囲のまたは3.0から6.0の範囲の、より詳細には3.5から6.0の範囲のまたは3.5から5.5の範囲の、殊に好ましくは3.7から5.5の範囲の、最も好ましくは3.9から5.5もしくは4.0から5.5の範囲のpHを有する。水性組成物におけるpHレベルを設定するための技法は、当業者に知られている。所望のpHの設定は、好ましくは少なくとも1種の酸、より好ましくは少なくとも1種の無機酸および/または少なくとも1種の有機酸の添加によって達成される。適当な無機酸の例としては、塩酸、硫酸、リン酸および/または硝酸が挙げられる。適当な有機酸の例は、プロピオン酸、乳酸、酢酸および/またはギ酸である。非常に特別に優先して、所望のpHの設定は、ギ酸の添加によって達成される。
当業者は、例えばD.Wangら、Progress in Organic Coatings 2009、64、327〜338またはS.Zhengら、J.Sol−Gel.Sci.Technol.2010、54、174〜187から、「ゾル−ゲル組成物」、「ゾル−ゲル」、ならびにゾル−ゲル組成物およびゾル−ゲルの製造という用語を認識している。
本発明の意味における水性「ゾル−ゲル組成物」は、好ましくは、例えばMおよび/またはMなどの少なくとも1種の金属原子および/または半金属原子を有するとともに例えば2個の加水分解性基Xなどの少なくとも2個の加水分解性基を有し、追加として任意により、例えばRなどの少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルを有する少なくとも1種の出発化合物と水とを、加水分解および縮合を用いて反応させることによって製造される水性組成物を意味する。本発明における少なくとも2個の加水分解性基は、好ましくは各々、各場合において単結合の手段によって、少なくとも1種の出発化合物に存在する少なくとも1個の金属原子および/または少なくとも1個の半金属原子に直接結合されている。例えばRなどの非加水分解性有機ラジカルの存在により、この種類の発明に用いられるゾル−ゲル組成物は、「ハイブリッドゾル−ゲル組成物」とも称され得る。
この反応の過程において、第1の加水分解工程で、少なくとも2個の加水分解性基は除去され、少なくとも1種の出発化合物内でOH基によって置き換えられ、したがって、第1の工程(加水分解工程)を使用して少なくとも1種の出発化合物内における金属−OH結合または半金属−OH結合の形成をもたらす。第2の工程で、例えば、1個の分子においてこうして形成された金属−OH結合の1つと第2の分子においてこうして形成された金属−OH結合の1つとの、水の除去を用いる反応によって、第1の工程で形成された2個の分子の縮合がある(縮合工程)。例えば少なくとも1つの金属−O−金属基(または金属−O−半金属基もしくは半金属−O−半金属基)および合計で少なくとも2個の加水分解性基を有する、結果として得られた分子は、次いで、再び加水分解することができ、第1の加水分解工程に従って得られるさらなる化合物と類似して反応することができ、類似して形成された結果として得られた化合物は、次いで、相応に反応を継続することができ、鎖および特に二次元または三次元構造の形成に至る。少なくとも第1の加水分解工程および少なくとも第2の縮合工程を含むこの少なくとも2工程プロセスは、ゾル−ゲル法またはゾル−ゲル技法と称される。縮合の結果としての架橋度に依存して、生成物はゾルまたはゲルであり、その結果として、水性組成物はゾル−ゲル組成物と称される。本発明における純粋なゾル組成物は、好ましくは、反応生成物がコロイド溶液で存在する組成物を意味する。ゾル組成物は、ゲル組成物より低い粘度を特徴とする。純粋なゲル組成物は、好ましくは、高い粘度によって区別されるとともにゲル構造を有する組成物を意味する。ゾル組成物からゲル組成物への転移は、好ましくは、粘度における突然の増加によって表される。本発明に用いられるゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、純粋なゾル組成物でも純粋なゲル組成物でもないが、代わりにゾル−ゲル組成物である。
本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに必要とされる少なくとも1種の出発化合物は、本発明において、好ましくは、少なくとも1種の出発化合物の水への撹拌組込み、または該化合物への水の添加によって製造される。これは、好ましくは15℃から40℃の範囲または15℃から37℃の範囲、より好ましくは17℃から35℃の範囲、最も好ましくは18℃から30℃の範囲または18℃から25℃の範囲である温度で行われる。本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)の製造を加速するため、製造は任意により、例えば最大80℃まで、即ち、例えば15℃から80℃の範囲の温度でのように、40℃より高い温度で行うこともできる。
こうして得られた水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、本発明の水性コーティング組成物を製造するために使用される前に、2時間から28日の範囲の時間、より好ましくは3時間から26日の範囲の時間、非常に好ましくは5時間から22日の範囲の時間または6時間から20日の範囲の時間、より好ましくはまた7時間から18日の範囲の時間、より詳細には8時間から16日の範囲の時間の間、18〜25℃の温度で静置させることで、充分な加水分解および縮合を確実にする。別の好ましい実施形態において、こうして得られた水性ゾル−ゲル組成物(B)は、本発明の水性コーティング組成物を製造するために使用される前に、少なくとも4時間、好ましくは少なくとも6時間または少なくとも8時間または少なくとも12時間または少なくとも16時間または少なくとも20時間または少なくとも24時間の間、より好ましくは少なくとも2日または少なくとも3日または少なくとも4日または少なくとも6日または少なくとも8日または少なくとも10日または少なくとも12日または少なくとも14日の間、18〜25℃の温度で静置させることで、充分な加水分解および縮合を確実にする。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造する際に使用され、例えばMおよび/またはMなどの少なくとも1個の金属原子および/または半金属原子ならびに例えば少なくとも2個の加水分解性基Xなどの少なくとも2個の加水分解性基を有する少なくとも1種の出発化合物は、好ましくは、少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルも有する。例えば対応するラジカルRなどのこの非加水分解性有機ラジカルは、好ましくは、単結合の手段によって、例えばMおよび/またはMなど少なくとも1種の出発化合物に存在する金属原子および/または半金属原子に直接結合されている。この場合において、少なくとも第1の加水分解工程および少なくとも第2の縮合工程を含む少なくとも2工程プロセス中、鎖が形成され、より詳細には有機基および無機基の両方を有する二次元または三次元構造が形成される。この場合において、結果として得られるゾル−ゲル組成物は、無機−有機ハイブリッドゾル−ゲル組成物と称することができる。
例えばラジカルRなどの少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルは、任意により、好ましくは第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、イソシアネート基、リン含有基、例えばホスホネート基、少なくとも1つの反応性官能基を任意により有する少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルを任意により有してよいシラン基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基、例えばビニル基または(メタ)アクリル基からなる群から選択され、非常に好ましくは第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基、例えばビニル基または(メタ)アクリル基からなる群から選択され、より詳細には第1級アミノ基およびエポキシド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を含む。本発明におけるエポキシド基は、水との反応によって2個のヒドロキシル基に変換することができ、これらは次いで反応性官能基として作用することができる。
本発明の意味における「(メタ)アクリルの」という表現は、定義「メタクリルの」および/または「アクリルの」の各々を包含する。
「少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカル」という表現は、好ましくは、例えばラジカルRなどの非加水分解性有機ラジカルに関連して、本発明の意味において、非加水分解性有機ラジカルが、発明に用いられるコーティング組成物のバインダー(A)に任意により存在する反応性官能基に対して、および/または発明に用いられるコーティング組成物に任意により存在する架橋剤(C)に存在する反応性官能基に対して反応性を呈するような少なくとも1個の官能基を有することを意味すると理解される。対応する官能基の反応を介して、共有結合がここで形成され得る。
しかしながら、例えばラジカルRなどの少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルは、少なくとも1個の反応性官能基を有する必要が必ずしもないが、代わりに、反応性官能基を有さない非加水分解性有機ラジカルであってよい。
「反応性官能基を有さない非加水分解性有機ラジカル」という表現は、本発明の意味において好ましくは、例えばラジカルRなどの非加水分解性有機ラジカルに関連して、非加水分解性有機ラジカルが、発明に用いられるコーティング組成物にバインダー(A)に任意により存在する反応性官能基に対して、および/または発明に用いられるコーティング組成物に任意により存在する架橋剤に存在する反応性官能基に対して反応性を呈するような官能基を有さないことを意味すると理解される。
少なくとも1種の出発化合物が、例えば少なくとも2個の加水分解性基Xなどの少なくとも2個の加水分解性基だけでなく、例えばRなどの少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルも有する、結果として得られた水性ゾル−ゲル組成物(B)の特別な特色は、それの製造プロセスが、例えばEP1510558A1に開示されているコロイド状水酸化物またはコロイド状酸化物の形成を生じさせないが、代わりに、EP1510558A1に従ったコロイド状水酸化物またはコロイド状酸化物より有利に本発明のコーティング組成物に組み込まれ得る有機−無機ハイブリッドゾル−ゲル組成物を生じさせることである。
本発明の水性コーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、少なくとも2つの異なる非加水分解性有機ラジカル、例えば、これらのラジカルの1つが少なくとも1個の反応性官能基として少なくとも1個のヒドロキシル基を有するC1〜10脂肪族ラジカルであり、残りの非加水分解性有機ラジカルが少なくとも1個の反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基または少なくとも1個の第2級アミノ基を有するC1〜10脂肪族ラジカルである少なくとも2つの異なる非加水分解性有機ラジカルRを有する。この種類の発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、水との加水分解および縮合にかけられる互いに異なる少なくとも2種の出発化合物が持っており、出発化合物の各々は、例えばRなどの非加水分解性有機ラジカルとしてC1〜10脂肪族ラジカルを有し、このうちの一方は反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有し、他方は反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基または少なくとも1個の第2級アミノ基を有する。この場合における非加水分解性有機ラジカルのエポキシド基は、水との反応によって、α,β−ジヒドロキシ基を有する対応する有機ラジカルに変換される。
好ましい一実施形態において、水性コーティング組成物の発明に用いられる水性分散液または溶液を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、
各々互いに独立して、例えばMなどの少なくとも1個の金属原子および/または半金属原子を有し、その上各々互いに独立して、例えば少なくとも2個の加水分解性基Xなど少なくとも2個の加水分解性基を有する少なくとも2種の出発化合物
[ここで、少なくとも2個の加水分解性基は、好ましくは各々、各場合において少なくとも2種の出発化合物に存在する金属原子および/または半金属原子に単結合の手段によって直接結合されている]
を、水と反応させることによって得られ、
ここで、好ましくは、少なくとも2種の出発化合物の少なくとも1つは、少なくとも2個の加水分解性基だけでなく、少なくとも1個の非加水分解性基、より好ましくは例えばラジカルRなどの少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルを有し、この非加水分解性基は、特に、少なくとも1種の出発化合物に存在するMなどの金属原子および/または半金属原子に単結合の手段によって直接付着されており、任意により、好ましくは第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、イソシアネート基、リン含有基、例えばホスホネート基、少なくとも1個の反応性官能基を任意により有する少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルを任意により有することができるシラン基、およびエチレン性不飽和二重結合、例えばビニル基または(メタ)アクリル基を有する基からなる群から選択され、殊に好ましくは第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、およびエチレン性不飽和二重結合、例えばビニル基または(メタ)アクリル基を有する基からなる群から選択され、より詳細には第1級アミノ基およびエポキシド基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を含む。
本発明のコーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、少なくとも1種の化合物
(A1)(M(X(R)、
および/または
(A2)(M(X(R)(R)、好ましくは少なくとも1種の化合物(A1)と、
水との反応によって得られ、ここで、
およびMは、各々互いに独立して、金属原子または半金属原子であり、好ましくは可変物MおよびMの少なくとも1つ、より好ましくは可変物MおよびMの両方がSiを表し、
およびXは、各々互いに独立して、加水分解性基であり、
xは、金属原子または半金属原子Mの原子価、好ましくは各場合において+3または+4であり、
yは、金属原子または半金属原子Mの原子価、好ましくは各場合において+3または+4であり、
は、X、非加水分解性有機ラジカルであるか、または(T)(M(Xであるか、または(U)[(M(Xであり、好ましくは非加水分解性有機ラジカルであり、
は、非加水分解性有機ラジカルであり、
は、非加水分解性有機ラジカルであるか、(T)(M(Xであるか、(U)[(M(Xであるか、(V)(M(X(R)であるか、または(W)[(M(X(R)]であるか、好ましくは非加水分解性有機ラジカルであり、
aは、RがXであるならばxであり、または
aは、Rが非加水分解性有機ラジカルであるか、(T)(M(Xであるか、または(U)[(M(Xであるならば、x−1であるが、ただし、各場合においてaが少なくとも2であるという条件に従い、
bは、y−2であるが、ただし、bが少なくとも2であるという条件に従い、
T、U、VおよびWは、各場合において互いに独立して、1個から30個の炭素原子を有するとともに、O、SおよびNからなる群から選択される最大10個までのヘテロ原子およびヘテロ原子基を任意により有してもよいラジカルであり、
cは、x−1であるが、好ましくは、cが少なくとも2であるという条件に従い、
dは、y−2であるが、好ましくは、dが少なくとも2であるという条件に従う。
当業者は、「加水分解性基」という用語を認識している。例えばXまたはXなど当業者に知られている任意の通例の加水分解性基は、水性ゾル−ゲル組成物を製造する際に使用される少なくとも1種の出発化合物、より詳細には少なくとも1種の構成成分(A1)および/または(A2)の構成要素として働くことができる。
例えばX基およびX基などの「加水分解性基」は、本発明の意味において、好ましくは、ハロゲン化物、好ましくはフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物、より詳細にはフッ化物および塩化物、アルコキシ基、好ましくはアルコキシ基O−Rからなる群から選択される加水分解性基を指し、ここでRは、任意によりC1〜6−アルコキシ置換C1〜16脂肪族ラジカル、好ましくはC1〜10脂肪族ラジカル、より好ましくはC1〜6脂肪族ラジカル、より詳細にはC1〜6アルキルラジカル、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基もしくはtert−ブチル基、またはカルボキシレート基、好ましくはC1〜6カルボキシレート基、より詳細にはアセテートからなる群から選択されるカルボキシレート基、ならびに非常に好ましくはアセチルアセトネート、アセトニルアセトネートおよびジアセチレートからなる群から選択されるジケトネート基である。
例えばX基およびX基などの「加水分解性基」は、より好ましくは、アルコキシ基、好ましくはアルコキシ基O−Rを指し、ここで、Rは、任意によりC1〜6−アルコキシ置換C1〜16脂肪族ラジカル、好ましくはC1〜10脂肪族ラジカル、より好ましくはC1〜6脂肪族ラジカル、より詳細にはC1〜6アルキルラジカル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。
当業者は、MおよびMなどの金属原子または半金属原子に関連して「原子価」という用語に精通している。本発明の意味において、原子価は、好ましくは、例えばMおよびMなど、それぞれの金属原子または半金属原子の酸化数を示す。xおよびyについての原子価は、各場合において互いに独立して、好ましくは+2、+3および+4、より詳細には+3および+4である。
例えばMおよびMなどの適当な金属原子は、少なくとも1種の出発化合物の構成要素、より詳細には(A1)および/または(A2)、例えばAl、Ti、ZrおよびFeなど、好ましくはTiおよびZrであり得る、遷移金属原子を含めた全ての通例の金属原子である。例えばMおよびMなどの適当な半金属原子は、少なくとも1種の出発化合物の構成要素、より詳細には(A1)および/または(A2)、例えばBおよびSiなど、好ましくはSiであり得る全ての通例の半金属原子である。
例えばMおよびMなどの金属原子および半金属原子は、好ましくはAl、Ti、Zr、Fe、B、およびSiからなる群から、より好ましくはTi、ZrおよびSiからなる群から、非常に好ましくはZrおよびSiからなる群から各場合において互いに独立して選択される。特に、例えばMおよびMなどの金属原子および半金属原子は、各々Siを表す。
は、より詳細には、Al、Ti、Zr、Fe、BおよびSiからなる群から、より好ましくはTi、ZrおよびSiからなる群から、非常に好ましくはZrおよびSiからなる群から選択され、より詳細には、MはSiである。好ましくは、MはSiである。
例えばMおよびMなどの金属原子および半金属原子の原子価x、yおよびzは、好ましくは、例えばMおよびMなどの金属原子および半金属原子が各場合において互いに独立してAl3+、Ti4+、Zr4+、Fe3+、Fe4+、B3+およびSi4+からなる群から、より好ましくはAl3+、Ti4+、Zr4+およびSi4+からなる群から、非常に好ましくはTi4+、Zr4+およびSi4+からなる群から選択され、より詳細には各々Si4+であるように選択される。
当業者は、「非加水分解性有機ラジカル」という用語を認識している。当業者に知られているとともに非加水分解性である任意の通例の有機ラジカルは、水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造する際に使用される少なくとも1種の出発化合物、より詳細には少なくとも1種の構成成分(A1)および/または(A2)の構成要素として働くことができる。
例えばラジカルR、RおよびRに関して「非加水分解性有機ラジカル」は、各場合において互いに独立して、好ましくはC1〜10脂肪族ラジカル、C1〜10ヘテロ脂肪族ラジカル、C3〜10脂環式ラジカル、3〜10員のヘテロシクロ脂肪族ラジカル、5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカル、C1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されているC3〜10脂環式ラジカル、C1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されている3〜10員のヘテロシクロ脂肪族ラジカル、C1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されている5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカルからなる群から選択される非加水分解性有機ラジカルを指し、これらのラジカルの各々は任意により、少なくとも1個の反応性官能基を含むことが可能であるが、ただし、例えばMおよび/またはMなどの金属原子または半金属原子への非加水分解性有機ラジカルの結合は、殊にMおよび/またはMが各々Siであるならば、当業者に知られている通例の反応条件下で加水分解的に切断することができないという条件である。
この発明の意味における「C1〜10脂肪族ラジカル」という表現は、好ましくは非環式の飽和または不飽和の、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素ラジカル、即ち、1個から10個の炭素原子を有する各場合において分岐または非分岐で非置換または一置換もしくは多置換であってよいC1〜10脂肪族ラジカル、即ち、C1〜10アルカニル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルを包含する。アルケニルは少なくとも1個のC−C二重結合を有し、アルキニルは少なくとも1個のC−C三重結合を有する。メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルを包含する群から選択されるC1〜10脂肪族ラジカルが優先される。
この発明の意味における「C1〜10ヘテロ脂肪族ラジカル」という表現は、好ましくは、少なくとも1個、代替として任意により2個または3個の炭素原子または原子が、N、OもしくはSなどのヘテロ原子によって、またはNH、N(C1〜10脂肪族ラジカル)もしくはN(C1〜10脂肪族ラジカル)などのヘテロ原子基によって置き換えられたC1〜10脂肪族ラジカルを包含する。
本発明の意味における「C3〜10脂環式ラジカル」という表現は、好ましくは、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の炭素原子を有する環式脂肪族(脂環式)炭化水素を包含し、炭化水素は、飽和または不飽和(しかし芳香族的にでない)、非置換または一置換もしくは多置換されていることが可能である。それぞれの上位一般構造へのC3〜10脂環式ラジカルの結合は、C3〜10脂環式ラジカルの任意の所望および可能な環員によって行うことができるが、好ましくは炭素原子を介する。C3〜10脂環式ラジカルは、例えばアダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルまたはビシクロ[2.2.2]オクチルの場合におけるなど、単一または多重に架橋されていてもよい。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを包含する群から選択されるC3〜10脂環式ラジカルが優先される。
「3〜10員のヘテロシクロ脂肪族ラジカル」という表現は、好ましくは、3個から10個、即ち、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の環員を有する脂肪族の飽和または不飽和の(しかし芳香族でない)脂環式ラジカルを包含し、ここで、少なくとも1個、任意により代替として2個または3個の炭素原子は、N、OもしくはSなどのヘテロ原子によって、またはNH、N(C1〜10−脂肪族ラジカル)もしくはN(C1〜10−脂肪族ラジカル)などのヘテロ原子基によって置き換えられており、環員は非置換または一置換もしくは多置換されていることが可能である。上位一般構造への結合は、ヘテロシクロ脂肪族ラジカルの任意の所望および可能な環員を介することができるが、好ましくは炭素原子を介する。アゼチジニル、アジリジニル、アゼパニル、アゾカニル、ジアゼパニル、ジチオラニル、ジヒドロキノリル、ジヒドロピロリル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジオキセパニル、ジヒドロインデニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイソキノリル、ジヒドロインドリニル、ジヒドロイソインドリル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペラジニル、4−メチルピペラジニル、ピペリジル、ピラゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピリドインドリル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロカルボリニル、テトラヒドロイソオキサゾロピリジル、チアゾリジニル、およびチオモルホリニルを包含する群からの3〜10員のヘテロシクロ脂肪族ラジカルが優先される。
この発明の意味における「アリール」という用語は、フェニルおよびナフチルを含めて、6個から12個の環員、好ましくは6環員を有する芳香族炭化水素を示す。各アリールラジカルは、非置換または単一もしくは多重に置換されていてよく、アリール置換基が同一または異なっていること、およびアリールの任意の所望および可能な位置であることが可能である。上位一般構造へのアリールの結合は、アリールラジカルの任意の所望および可能な環員を介することができる。アリールは、好ましくは、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルを含有する群から選択される。
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個、任意によりその上2個、3個、4個または5個のヘテロ原子を含有する5員から12員、好ましくは5員または6員の環式芳香族ラジカルを表し、ヘテロ原子は各々互いに独立してS、NおよびOの群から選択され、ヘテロアリールラジカルが非置換または一置換もしくは多置換されていることが可能であり、ヘテロアリール上での置換の場合において、置換基は同一または異なっていてよく、ヘテロアリールの任意の所望および可能な位置であってよい。上位一般構造への結合は、ヘテロアリールラジカルの任意の所望および可能な環員を介することができる。ヘテロアリールラジカルは、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、キノリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、フリル(フラニル)、イミダゾリル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソキノリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、インドリル、ナフチリジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、ピラゾリル、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピロリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、プリニル、フェナジニル、チエニル(チオフェニル)、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、またはトリアジニルを包含する群から選択されることが好ましい。
「C1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されるC〜C10脂環式ラジカル、3〜10員のヘテロシクロ脂肪族ラジカル、5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカル」という表現は、好ましくは、明記されているラジカルが、上記に定義されている定義を有するとともに各々それぞれの上位一般構造にC1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されていることを意味し、前記脂肪族ラジカルが、分岐または非分岐、飽和または不飽和、および非置換または一置換もしくは多置換されていることが可能である。
例えば化合物(A1)内のX基または化合物(A2)内のラジカルRおよびRなどの非加水分解性有機ラジカルなど、ラジカルもしくは基が1個の分子内で多重に出現するならば、このラジカルまたはこの基は、各場合において、同一または異なる定義を有することがあり、例えばX基がO−Rであり、ここでRがC1〜6脂肪族ラジカルであり、例えば、それが分子(M(X(R)内で合計3回出現するならば、Xは例えば、3回の各々でO−Cであってよいか、または1回がO−C、1回がO−CH、1回がO−Cであってよい。(A2)内のRおよびRが各々非加水分解性有機ラジカルであるならば、これらのラジカルの1つは、例えば、少なくとも1個の反応性官能基を有してよく、残りのラジカルは反応性官能基を有していなくてよい。
ラジカルT、U、VおよびWは、各場合において互いに独立して、1個から30個の炭素原子を有するとともにO、SおよびNからなる群から選択される最大10個までのヘテロ原子およびヘテロ原子基を任意により有してよいラジカルである。これらのラジカルT、U、VおよびWは、脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式、ヘテロシクロ脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族であってよく、部分的に(ヘテロ)芳香族のラジカル、即ち、少なくとも1個の脂肪族、ヘテロ脂肪族、脂環式および/またはヘテロシクロ脂肪族基によって置換されている(ヘテロ)芳香族のラジカルが同様に可能である。当業者には、ラジカルT、U、VおよびWが二価または三価であり、2個または3個の金属および/または半金属原子の間の架橋性有機質基として機能することは明らかである。例えば、Rが(U)[(M(Xであるならば、Uは、ラジカル(M(Xを2個のラジカル[(M(X]で架橋する三価の基である。
構成成分(A1)として使用される化合物(M(X(R)内で、X基の全ては、好ましくは同じ定義を有し、より好ましくは、構成成分(A1)として使用される化合物(M(X(R)内のX基の全てはO−Rを表し、ここでRは、好ましくはC1〜6脂肪族ラジカル、より詳細にはC1〜6アルキルラジカルであり、最も好ましくは、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。
構成成分(A2)として使用される化合物内で、X基の全ては、好ましくは同じ定義を有し、より好ましくは、構成成分(A2)として使用される化合物内のX基の全てはO−Rを表し、ここで、RはC1〜6脂肪族ラジカル、より詳細にはC1〜6アルキルラジカルであり、最も好ましくは、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。
優先して、
およびMは、各々互いから独立して、Al、Ti、Zr、Fe、BおよびSiからなる群から、より好ましくはAl、Ti、ZrおよびSiからなる群から、非常に好ましくはTi、ZrおよびSiからなる群から、殊に好ましくはZrおよびSiからなる群から選択され、最も好ましくは、MおよびMは各々Siであり、
またはMは、Al、Ti、Zr、Fe、BおよびSiからなる群から選択され、より好ましくはAl、Ti、ZrおよびSiからなる群から選択され、非常に好ましくはTi、ZrおよびSiからなる群から選択され、殊に好ましくはZrおよびSiからなる群から選択され、最も好ましくはSiであり、MはSiであり、
およびXは、各々互いに独立して、アルコキシ基O−Rであり、ここで、Rは各場合においてC1〜6脂肪族ラジカル、好ましくはC1〜6アルキルラジカルであり、より好ましくは、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。
本発明の水性コーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、
が、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、イソシアネート基、リン含有基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルである、少なくとも1種の出発化合物としての少なくとも1種の化合物(A1)、
特に、Rが、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性有機ラジカルである、少なくとも1種の出発化合物としての少なくとも1種の化合物(A1)、ならびに
特に、Rが、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルである、少なくとも1種の出発化合物としての少なくとも1種のさらなる化合物(A1)、
ならびに、任意により、RがXである、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)
ならびに、任意により、Rが、反応性官能基を有さない非加水分解性有機ラジカルである、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)、
ならびに、任意により、少なくとも1種の化合物(A2)
の反応によって得られる。
発明に用いられる水性コーティング組成物を製造するために使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、好ましくは、
少なくとも1種の化合物(A1−1)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルである]
特に、少なくとも1種の化合物(A1−1a)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性有機ラジカルである]ならびに
特に、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−1b)としての少なくとも1種のさらなる化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルである]
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−2)としての少なくとも1種の化合物Si(X
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−3)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基を有さない非加水分解性有機ラジカルである]
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−4)としての少なくとも1種の化合物Zr(X
と、水との反応によって得られる。
特に好ましい一実施形態において、本発明の水性コーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、
少なくとも1種の化合物(A1−1a)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基、より詳細には少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性有機ラジカルであり、
非加水分解性有機ラジカルは、好ましくはC〜C10脂肪族ラジカルおよびC〜C10ヘテロ脂肪族ラジカルからなる群から選択され、より好ましくはC1〜10脂肪族ラジカルから選択され、
はORであり、RはC1〜6−アルキルラジカルである]
少なくとも1種のさらなる化合物Si(X(R)としての少なくとも1種のさらなる化合物(A1−1b)
[式中、その中のRは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基、より詳細には少なくとも1個の第1級アミノ基または1個の第2級アミノ基を有する非加水分解性有機ラジカルであり、
非加水分解性有機ラジカルは、好ましくはC1〜10脂肪族ラジカルおよびC1〜10ヘテロ脂肪族ラジカルからなる群から選択され、より好ましくはC1〜10脂肪族ラジカルから選択され、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、任意により、XがORであり、RがC1〜6アルキルラジカルである、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−2)としての少なくとも1種の化合物Si(X
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−3)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基を有しない非加水分解性有機ラジカルであり、
非加水分解性有機ラジカルは、好ましくは、C〜C10脂肪族ラジカル、C〜C10ヘテロ脂肪族ラジカル、5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカル、およびC1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されている5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、任意により、XがORであり、RがC1〜6アルキルラジカルである、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−4)としての少なくとも1種の化合物Zr(X
と、水との反応によって得られる。
特別に優先して、発明に用いられる水性コーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、
少なくとも1種の化合物(A1−1a)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R)、
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルであり、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
少なくとも1種のさらなる化合物Si(X(R)としての少なくとも1種のさらなる化合物(A1−1b)
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基を有する非加水分解性C1〜10脂肪族有機ラジカルであり、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−2)としての少なくとも1種の化合物Si(X
[式中、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−3)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基を有しない非加水分解性有機C〜C10脂肪族ラジカルであり、
非加水分解性有機ラジカルRは、好ましくは、C〜C10脂肪族ラジカル、5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカル、およびC1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されている5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、任意により、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである、少なくとも1種のさらなる化合物(A1−4)としての少なくとも1種の化合物Zr(X
の水との反応によって得られる。
より特別に優先して、発明に用いられる水性コーティング組成物を製造する際に使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)は、
少なくとも1種の化合物(A1−1a)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルであり、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
少なくとも1種のさらなる化合物(A1−1b)としての少なくとも1種のさらなる化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基を有する非加水分解性C1〜10脂肪族有機ラジカルであり、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに、少なくとも1種の化合物(A1−2)としての少なくとも1種の化合物Si(X
[式中、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
ならびに少なくとも1種のさらなる化合物(A1−3)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基を有さない非加水分解性有機C〜C10脂肪族ラジカルであり、
非加水分解性有機ラジカルRは、好ましくは、C〜C10脂肪族ラジカル、5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカル、およびC1〜6脂肪族ラジカルを介して結合されている5〜12員のアリールまたはヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、より好ましくは、C1〜10脂肪族ラジカルから選択され、
はORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
の水と反応によって得られる。
本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)が、少なくとも2種の出発化合物、例えば互いに異なる2種の化合物(A1)など、例えば(A1−1a)および(A1−1b)を使用して製造される場合、(A1−1a)および(A1−1b)など、これらの2種の構成成分の互いに対する相対質量比は、例えば、好ましくは10:1から1:10の範囲、より好ましくは7.5:1から1:7.5の範囲、非常に好ましくは5:1から1:5の範囲、より詳細には2:1から1:2の範囲である。
本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物が、少なくとも3種の出発化合物、例えば互いに異なる3種の化合物(A1)など、例えば(A1−1a)、(A1−1b)および(A1−2)を使用して製造される場合、構成成分(A1−1a)、(A1−1b)および(A1−2)の互いに対する相対質量比は、好ましくは5:1:1から1:1:5の範囲または5:1:1から1:5:1の範囲または1:5:1から5:1:1の範囲または1:5:1から1:1:5の範囲または1:1:5から5:1:1の範囲または1:1:5から1:5:1の範囲、より好ましくは2:1:1から1:1:2の範囲または2:1:1から1:2:1の範囲または1:2:1から2:1:1の範囲または1:2:1から1:1:2の範囲または1:1:2から2:1:1の範囲または1:1:2から1:2:1の範囲である。
本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物が、少なくとも4種の出発化合物、例えば互いに異なる4種の化合物(A1)などを、例えば(A1−1a)、(A1−1b)、(A1−2)および(A1−3)として上記に指定される化合物として使用して製造される場合、構成成分(A1−1a)、(A1−1b)、(A1−2)および(A1−3)の互いに対する相対質量比は、好ましくは5:1:1:1から1:1:1:5または5:1:1:1から1:1:5:1または5:1:1:1から1:5:1:1または1:5:1:1から5:1:1:1または1:5:1:1から1:1:5:1または1:5:1:1から1:1:1:5または1:1:5:1から5:1:1:1または1:1:5:1から1:5:1:1または1:1:5:1から1:1:1:5または1:1:1:5から5:1:1:1または1:1:1:5から1:5:1:1または1:1:1:5から1:1:5:1の範囲に、より好ましくは2:1:1:1から1:1:1:2または2:1:1:1から1:1:2:1または2:1:1:1から1:2:1:1または1:2:1:1から2:1:1:1または1:2:1:1から1:1:2:1または1:2:1:1から1:1:1:2または1:1:2:1から2:1:1:1または1:1:2:1から1:2:1:1または1:1:2:1から1:1:1:2または1:1:1:2から2:1:1:1または1:1:1:2から1:2:1:1または1:1:1:2から1:1:5:1の範囲にある。
殊に好ましい一実施形態において、構成成分(A1−1a)、(A1−1b)、(A1−2)および(A1−3)の互いに対する相対質量比は、2.2:0.5:1.2:1.2から2:05:1:1の範囲である。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、例えば、構成成分(A1)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)が持っており、ここで、Rは定義Xを有する。こうした化合物の例は、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、ジメトキシジエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、およびジルコニウムテトラブトキシドである。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、例えば、構成成分(A1)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)が持っており、ここで、Rは非加水分解性有機ラジカルであり、非加水分解性有機ラジカルRは、少なくとも1個の反応性官能基を任意により有することが可能である。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRは、エチレン性不飽和二重結合としてビニル基を含む少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、および/またはp−スチリルトリエトキシシランが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、エチレン性不飽和二重結合として(メタ)アクリル基を含む少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MAPTS)、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリアセトキシシラン、(メタ)アクリルアミドプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリルアミドプロピルジメトキシエトキシシランおよび/または(メタ)アクリルアミドプロピルメトキシジエトキシシランが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、イソシアネート基を含む少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランおよび/またはγ−イソシアナートプロピルトリメトキシシランが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、少なくとも1個の第1級および/または第2級アミノ基を含む少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリイソプロポキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、アミノメチルトリイソプロポキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPS)、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、2−(2−アミノエチル)アミノエチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノ−エチル)アミノエチルトリエトキシシラン、2−(2−アミノエチル)アミノエチルトリイソプロポキシシラン、3−(3−アミノプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(3−アミノプロピル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(3−アミノプロピル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチレン−トリアミノプロピルトリエトキシシラン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロ−ヘキシルアミノメチルトリメトキシシラン、N−エチル−γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−エチル−γ−アミノイソブチルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル−トリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメート、および/またはN−トリ−メトキシシリルメチル−O−メチルカルバメートが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、少なくとも1個のエポキシド基を含む少なくとも1個の基であるならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、2−グリシジルオキシエチル−トリイソプロポキシオキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、および/またはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシランが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、少なくとも1個のチオール基を含む少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソ−プロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランおよび/または2−メルカプトエチルトリイソプロポキシシランが持っている。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが、リン含有である少なくとも1個の基を有するならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、ジメチルホスホナトエチルトリメトキシシラン、ジメチルホスホナトエチルトリエトキシシラン(PHS)、ジメチル−ホスホナトエチルトリイソプロポキシシラン、ジエチルホスホナトエチルトリメトキシシラン、ジエチルホスホナトエチルトリエトキシシラン(PHS)および/またはジエチルホスホナトエチルトリイソプロポキシシランが持っている。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、さらに、構成成分(A1)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)が持っており、ここで、Rは非加水分解性有機ラジカルであり、非加水分解性有機ラジカルRは反応性官能基を有さないことが可能である。
本発明における非加水分解性有機ラジカルRが反応性官能基を有さないならば、構成成分(A1)としての適合性は、例えば、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヘキサデシル−トリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、イソオクチル−トリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン(PHS)、フェニルトリエトキシシラン、フェニル−トリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ベンジル−トリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリプロポキシシラン、ベンジルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリクロルシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリ−N−(1,3−ジメチルブチリデンプロピルアミン、3−クロロプロピルトリメトキシシランおよび/または3−クロロプロピルトリエトキシシランが持っている。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、例えば、構成成分(A1)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)が持っており、ここで、Rは(T)(M(Xである。本発明における適当なものの例としては、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス−[γ−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、ビス−[γ−(トリメトキシ−シリル)プロピル]アミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび/またはビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、例えば、構成成分(A1)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)が持っており、ここで、Rは(U)[(M(Xである。本発明における適当なものの例としては、トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートが挙げられる。
水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するための適合性は、例えば、構成成分(A2)としての少なくとも1種の化合物(M(X(R)(R)が持っており、ここで、RおよびRは互いに独立して各々非加水分解性有機ラジカルである。本発明における適当なものの例としては、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシ−プロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブトキシジアセトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、N−シクロヘキシルアミノ−メチルメチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシル)メチルジメトキシシラン、ジシクロペンチル−ジメトキシシランおよび/またはN−ジメトキシ(メチル)シリルメチル−O−メチルカルバメートが挙げられる。
好ましい一実施形態において、少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合の後、本発明のコーティング組成物を製造するために使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)の固形分は、各場合において水性ゾル−ゲル組成物(B)の合計質量に対して、0.4wt%から最大40wt%までの範囲、より好ましくは0.8wt%から最大35wt%までの範囲、非常に好ましくは1.2wt%から最大30wt%までの範囲、より詳細には1.6wt%から最大25wt%までの範囲、または2.0wt%から最大20wt%までの範囲、または2.4wt%から最大15wt%までの範囲、または2.8wt%から最大10wt%までの範囲、または3.0wt%から最大7.0wt%までの範囲である。
本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)、より詳細には、本発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物から排他的に生成される本発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)の固形分は、ゾル−ゲル組成物(B)を製造する際に使用される少なくとも1種の出発化合物の量からの算出の手段によって決定することができる。例えば加水分解性基Xなど少なくとも1種の出発化合物に存在する加水分解性基の完全な加水分解、ならびに、さらに例えばM−OH結合など、こうした完全な加水分解によって形成された金属−OHおよび/または半金属−OH結合の全ての完全な縮合は、その場合において想定される。本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物の固形分の算出について、Rなどの非加水分解性有機ラジカルなどの非加水分解性基と、Mなどの金属原子または半金属原子との間に形成される、存在する任意の単結合の全ては、固形分の一部を形成すると考えられ、適宜カウントされる。本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)の固形分は、好ましくは、この算出方法の手段によって決定され、言い換えると、本発明に従って使用される水性ゾル−ゲル組成物(B)に関連して特定される固形分は、好ましくは、前記組成物の理論的に算出された固形分である。この理論的に算出された固形分は、本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造する際に使用される少なくとも1種の出発化合物の各々について、一般式
Figure 2016530369
に従って算出することができ、
式中、
SCtheo=wt%における理論的に算出された固形分、
cond=g/molにおける完全に縮合された出発化合物のモル質量、
start=g/molにおける出発化合物のモル質量、および
Fractionformula=wt%における組成物中の出発化合物の画分
である。
次いで、理論的に算出される合計固形分は、使用される各出発化合物の理論的に算出される固形分の和から得られる。本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)の理論的に算出される固形分を決定するための算出例は、実験部分のセクション1(発明例および比較例)で示されている。本発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)が、少なくとも1種のさらなる添加剤をさらに含む場合、その添加剤の固体画分は、適切な場合、(B)を製造するために使用された少なくとも1種の出発化合物から理論的に算出された合計固形分に添加されなければならない。
この手法において理論的に算出される固形分は、決定の実験方法に従って決定される固形分と一致するが、ただし、当該の本発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)が、それ自体の固体画分をそれとともに有するまたはもたらすさらなる添加剤を含有していないという条件である。決定のこの実験方法において、本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)は、60分の時間をかけて130℃の温度でDIN EN ISO 3251に従って乾燥させる。製造された発明に用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)は、この場合において、2±0.2gの量で秤量され、次いで、DIN EN ISO 3251に従って乾燥させる。
好ましい一実施形態において、少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合後、本発明の水性コーティング組成物に存在するゾル−ゲル組成物(B)は、各場合において本発明の水性コーティング組成物の合計質量に対して、0.1wt%から4wt%の範囲の、より好ましくは0.2wt%から3.5wt%の範囲の、非常に好ましくは0.3wt%から3wt%の範囲の、より詳細には0.4wt%から2.5wt%の範囲のまたは0.5wt%から2wt%の範囲のまたは0.5wt%から1.5wt%の範囲のまたは0.5wt%から1wt%の範囲の固形分を有する。
水性ゾル−ゲル組成物(B)は、任意により、加水分解的および熱分解的に製造されたシリカ、各々が好ましくはDIN ISO 13321に従って動的光散乱によって決定可能な1nmから150nmの範囲の粒子サイズを有する有機および無機のナノ粒子、水溶性または水分散性有機ポリマー、表面活性化合物、例えば界面活性剤、乳化剤、抗酸化剤、湿潤剤、分散剤、流れ制御助剤、可溶化剤、消泡剤、安定剤、好ましくは熱安定剤、加工安定剤ならびにUVおよび/または光安定剤、触媒、ワックス、柔軟剤、難燃剤、反応性希釈剤、担体媒体、樹脂、付着促進剤、加工助剤、可塑剤、粉末形態における固体、繊維形態における固体、好ましくは充填剤、ガラス繊維および補強剤からなる群から選択される粉末または繊維の形態における固体、ならびに前に記述の添加剤の混合物からなる群から好ましくは選択される少なくとも1種のさらなる添加剤を含むことができる。本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)の添加剤含有量は、最終使用に従って非常に広く変動し得る。各場合において本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)の合計質量に対する該量は、好ましくは0.1wt%から10.0wt%、より好ましくは0.1wt%から8.0wt%、非常に好ましくは0.1wt%から6.0wt%、殊に好ましくは0.1wt%から4.0wt%、より詳細には0.1wt%から2.0wt%、およびそれらの混合である。
構成成分の全てならびに本発明に従って用いられる水性ゾル−ゲル組成物(B)に存在する水および任意により存在する有機溶媒を含めた添加剤のwt%における画分は、好ましくは、ゾル−ゲル組成物(B)の合計質量に対して100wt%の合計になる。
コーティング組成物を生成するための方法
本発明のさらなる目的は、少なくとも
(a1)ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物を、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いて、水と反応させることによって水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造する工程、ならびに
(a2)工程(a1)によって得られた水性ゾル−ゲル組成物(B)を、少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の水性分散液または溶液(A)に変換する工程
を含む、本発明の水性コーティング組成物を生成するための方法である。
本発明の水性コーティング組成物に関連して以上に記載した全ての好ましい実施形態は、その生成との関連における本発明の水性コーティング組成物の好ましい実施形態でもある。
本発明における水性分散液または溶液(A)は、任意の構成成分(C)、(D)および/または(E)の少なくとも1種を含むことができる。代替として、これらの構成成分は、任意により、工程(a3)において、工程(a2)によって得られた混合物に添加することができる。
ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、該少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応は、好ましくは、
(a1−1)少なくとも1種の化合物(A1−1a)、少なくとも1種の化合物(A1−2)および少なくとも1種の化合物(A1−3)を含む混合物を製造すること、
(a1−2)この混合物と水とを、少なくとも1種の酸、好ましくはリン酸、乳酸、酢酸およびギ酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸の存在下で、好ましくは2から4の範囲の結果として得られた混合物のpHで反応させること、
(a1−3)工程(a1−2)によって得られる混合物に少なくとも1種の化合物(A1−1b)を添加すること
によって、本発明の方法の工程(a1)内で行われる。
この場合において好ましくは、
化合物(A1−1a)として化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルであり、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
が使用され、
化合物(A1−1b)として化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルであり、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
が使用され、
化合物(A1−2)として化合物Si(X
[式中、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
が使用され、
化合物(A1−3)として、化合物Si(X(R
[式中、その中のRは、反応性官能基を有さない非加水分解性有機C1〜10脂肪族ラジカルであり、XはORであり、RはC1〜6アルキルラジカルである]
が使用される。
工程(a1−2)は、好ましくは、mol%における(A1−1a)に存在するエポキシド基の全てに対して、化合物(A1−1a)内に含有されるエポキシド基の少なくとも50mol%または少なくとも60mol%または少なくとも70mol%、より好ましくは少なくとも80mol%または少なくとも90mol%が、反応を受けることでヒドロキシル基を形成するまで実施される。反応に対して対応するチェックは、H核磁気共鳴分光法の手段によって行うことができる。
工程(a1−3)は、好ましくは、24時間以内に、少なくとも1種の化合物(A1−1b)の添加後に結果として得られる混合物の電気伝導率が0.05mS/cm以下変化するまで実施される。
工程(a1−1)から(a1−3)による(B)の製造における構成成分(A1−1a)、(A1−1b)、(A1−2)および(A1−3)の互いに対する相対質量比は、好ましくは2.2:0.5:1.2:1.2から2:0.5:1:1の範囲である。
使用
本発明のさらなる目的は、電気導電性基材を電着コート材料で少なくとも部分的にコーティングするための本発明の水性コーティング組成物を使用する方法である。
本発明の水性コーティング組成物に関連して以上に記載した全ての好ましい実施形態は、電気導電性基材を電着コート材料で少なくとも部分的にコーティングするためのそれを使用する方法との関連における、本発明の水性コーティング組成物の好ましい実施形態でもある。
コーティングするための方法
本発明のさらなる目的は、
(b1)基材表面上への本発明のコーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積によって、この水性コーティング組成物で基材を少なくとも部分的にコーティングする工程
を少なくとも含む、電気導電性基材を電着コート材料で少なくとも部分的にコーティングするための方法である。
本発明の水性コーティング組成物に関連して以上に記載した全ての好ましい実施形態は、本発明の方法の工程(b1)における水性コーティング組成物を使用する方法に関する好ましい実施形態でもある。
本発明の方法は、好ましくは、自動車構築においておよび/またはそのために使用される電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための方法である。該方法は、例えばコイルコーティングプロセスなどのストリップコーティング作業の形態で連続的に、または不連続的に行うことができる。
本発明の方法の工程(b1)、即ち、基材が、基材表面上へのこのコーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積によって、本発明の水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされるのは、好ましくは基材と少なくとも1つの対電極との間に電圧を印加することによって達成される。本発明の方法の工程(b1)は、好ましくはディップコーティング浴において実施される。この場合における対電極は、好ましくは、ディップコーティング浴の中に置かれる。任意により、対電極は、ディップコーティング浴とは別に、例えばアニオンに透過性であるアニオン交換膜を介して存在することもできる。この場合において、ディップコーティング中に形成されるアニオンは、コーティング材から該膜を通して陽極液中に輸送されて、ディップコーティング浴におけるpHが調節されるまたは一定に保持されるのを可能にする。
本発明の方法の工程(b1)において、好ましくは、基材表面全体上への完全な電気泳動堆積による、本発明の水性コーティング組成物を用いる基材のフルコーティングがある。
好ましくは、本発明の方法の工程(b1)において、少なくとも部分的なコーティングを意図される基材は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、ディップコーティング浴に導入され、工程(b1)は、このディップコーティング浴において実施される。
本発明の方法の工程(b1)における達成は、発明に用いられる水性コーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積による、基材の少なくとも部分的なコーティングである。この場合における本発明の水性コーティング組成物は、基材表面上に電着コート材料として堆積される。
本発明の水性コーティング組成物は、好ましくは、電気的に導電する陽極と、および陰極として接続される電気導電性基材と接触される。代替として、発明に用いられる水性コーティング組成物は、例えば陽極が、例えばアニオンに透過性であるアニオン交換膜を介するようにディップコーティング浴とは別に存在するならば、電気的に導電する陽極と直接的に接触させなくてよい。
陽極と陰極との間の電流の通過は、陰極上、即ち、基材上への堅く接着している塗膜の堆積を伴う。印加された電圧は、好ましくは50ボルトから500ボルトの範囲である。
本発明の方法の工程(b1)は、好ましくは、20℃から45℃の範囲の、より好ましくは22℃から42℃の範囲の、非常に好ましくは24℃から39℃の範囲の、殊に好ましくは26℃から36℃の範囲の、より特別に優先して27℃から33℃の範囲の、例えば28℃から30℃の範囲のなどのディップ浴温で実施される。本発明の方法の別の好ましい実施形態において、工程(b1)は、40℃以下、より好ましくは38℃以下、非常に好ましくは35℃以下、殊に好ましくは34℃以下または33℃以下または32℃以下または31℃以下または30℃以下または29℃以下または28℃以下のディップ浴温で実施される。本発明の方法のさらなる異なる好ましい実施形態において、工程(b1)は、≦32℃、例えば、≦31℃または≦30℃または≦29℃または≦28℃または≦27℃または≦26℃または≦25℃または≦24℃または≦23℃などのディップ浴温で実施される。
本発明の方法の工程(b1)において、本発明の水性コーティング組成物は、好ましくは、結果として得られた電着コート膜が5μmから40μm、より好ましくは10μmから30μmの範囲の乾燥膜厚さを有するように適用される。
本発明の方法の好ましい一実施形態において、工程(b1)は、以下の通りの少なくとも2つの連続的な段階(b1−a)および(b1−b)において実施される:
(b1−a)1Vから50Vの範囲の印加電圧で、
および
(b1−b)50Vから400Vの範囲の印加電圧であるが、ただし、段階(b1−b)で印加された電圧が段階(b1−a)で印加された電圧よりも少なくとも10V大きいという条件である。
本発明のこの好ましい実施形態内で、少なくとも1種の構成成分(E)、即ち、金属イオンを放出するのに適当な少なくとも1種の金属イオン含有化合物および/または少なくとも1種の金属原子含有化合物をさらに含む本発明の水性コーティング組成物が使用され、金属イオンは、Zr、Ti、Co、V、W、Mo、Cu、Zn、In、Bi、Yおよびランタニドからなる群から選択される、より好ましくはBiである金属原子のイオンであり、金属イオンは、wt%におけるコーティング組成物の合計質量に対して30ppmから20000ppmの範囲の濃度でコーティング組成物に存在する。
段階(b1−a)の堆積電流密度は、好ましくは少なくとも1A/m、より好ましくは少なくとも2A/m、より詳細には少なくとも3A/mであるが、好ましくは各場合において20A/m以下、より好ましくは各場合において10A/m以下である。本発明における段階(b1−a)の堆積電流密度は、好ましくは、少なくとも0.5秒間、より好ましくは少なくとも10秒間、より詳細には少なくとも30秒間、好ましくは各場合において300秒間以下、より好ましくは各場合において250秒間以下、より詳細には150秒以下維持される。
段階(b1−b)において好ましくは、段階(b1−a)の実行の終了後0から300秒の範囲の時間間隔で、好ましくは不活性対電極に対して50Vから400Vの範囲の電圧が印加されるが、ただし、段階(b1−b)に印加されるこの電圧は、段階(b1−a)で事前に印加される電圧よりも少なくとも10V大きいという条件である。段階(b1−b)の実行内で、この電圧は、好ましくは、10秒から300秒の範囲の期間の間、50Vから400Vの明記されている電圧範囲内の値以上で保持されるが、上記に明記されている条件に従う。
段階(b1−a)から段階(b1−b)への電圧増加は、「突然に」、言い換えると、例えば整流器に適切に切り替えることによって行うことができ、これは、ターゲット電圧に達するために特定の技術的に関連した最小時間期間を必要とする。代替として、電圧増加は、傾斜の形態で、言い換えると、例えば最大10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、120秒または300秒までの期間のように選択可能な期間をかけて少なくともおよそ連続的に行うことができる。好ましいのは、最大120秒まで、より好ましくは最大60秒までの傾斜である。工程様電圧増加も、本発明において可能であり、この場合、好ましくは、この電圧での特定の保持時間は、例えば1秒、5秒、10秒または20秒のこれらの電圧段階の各々で観察された。その上可能なのは、傾斜および工程の組合せである。
50Vから400Vの範囲の段階(b1−b)の電圧の印加について、例えば10秒から300秒の範囲の期間などの期間の表示は、この電圧が、明記されている期間中で一定に保持されることを意味し得る。しかしながら代替として、この電圧は、段階(b1−b)内の堆積時間中、50Vから400Vの範囲の明記されている最小値および最大値内で、異なる値を採用することもでき、例えば、それは、最小から最大の堆積電圧に前後に揺れることができるか、または傾斜でもしくは数工程で増加することができる。
電圧、即ち、段階(b1−b)における堆積電圧は、2つのパルス間で電流を用いないまたは最小レベルより低い堆積電圧を用いる時間とともにパルスの形態で調節することもできる。パルス持続期間は、例えば、0.1秒から10秒の範囲であってよい。次いで堆積の「期間」は、好ましくは、工程(b1−b)を実行する場合、堆積電圧が前に記述の最大値および最小値内にある持続期間の総計であると考えられる。傾斜およびパルスは互いに組み合わせることもできる。
段階(b1−a)の実行後、使用される金属イオンの性質に従った金属富化層は、電気導電性基材上に形成され、例えばX線蛍光分析によって検出および定量化することができる。こうして形成された金属富化層は、好ましくは、拡大が金属層追加(表面積m当たりの金属mg)と一致する腐食防止効果を発揮する。好ましい層追加は、少なくとも表面積m当たり10mg、好ましくは少なくとも50mg、より詳細には少なくとも150mgの金属(金属として算出される)である。
本発明の方法は、好ましくは、好ましくは工程(b1)に続いて、上記に説明されている通り、以下の通りの2つの段階(b1−a)および(b1−b)を必然的に伴い得る工程(b2)をさらに含む:
(b2)工程(b1)後に得られた、発明に用いられる水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた基材を、水および/または限外濾過液で濯ぐこと。
「限外濾過液」または「限界濾過」という用語は、特に電着コーティングに関連して、当業者に精通しており、例えばRoempp Lexikon、Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag 1998に定義されている。
工程(b2)の実行は、工程(b1)後に少なくとも部分的にコーティングされた基材上に存在する発明に用いられる水性コーティング組成物の過剰の構成要素を、ディップコーティング浴にリサイクルすることを可能にする。
本発明の方法は、好ましくは工程(b1)または(b2)、より好ましくは工程(b2)に続く任意の工程(b3)、すなわち、
(b3)工程(b1)または工程(b2)後、好ましくは工程(b2)後に得られる発明に用いられる水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた基材を、水および/または限外濾過液と、好ましくは30秒から最大1時間までの時間にわたり、より好ましくは30秒から最大30分までの時間にわたり接触させる工程
をさらに含むことができる。
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、好ましくは工程(b1)および/または(b2)および/または(b3)に続くが好ましくは任意の工程(b5)の前に実施される、以下の通りの少なくとも1つの工程(b4)をさらに含む:
(b4)少なくとも1つのさらなるコーティング膜を、発明に用いられる水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされるとともに工程(b1)および/または(b2)および/または(b3)の後に得られる基材に適用すること。
工程(b4)の手段によって、1種または複数のさらなるコーティング膜が、発明に用いられる水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされるとともに工程(b1)および/または(b2)および/または(b3)の後で得られる基材に適用されることが可能である。2種以上のコートが適用されるべきであるならば、工程(b4)は、適宜しばしば反復することができる。適用のためのさらなるコーティング膜の例は、例えば、ベースコート膜、サーフェイサー膜および/またはシングルコートもしくはマルチコートのトップコート膜である。工程(b1)によって適用された発明に用いられる水性コーティング組成物は、任意により水および/または限外濾過液を用いる任意の濯ぎ(工程(b2)による)にかけられた後に、硬化することができ、この硬化は、工程(b5)により下記に記載されている通りに行われ、その後、ベースコート膜、サーフェイサー膜および/またはシングルコートもしくはマルチコートのトップコート膜などのさらなるコートが適用される。しかしながら代替として、工程(b1)によって適用された発明に用いられる水性コーティング組成物は、水および/または限外濾過液を用いる任意の濯ぎ(工程(b2)による)にかけられた後に任意により、硬化することはできないが、代わりに、ベースコート膜、サーフェイサー膜および/またはシングルコートもしくはマルチコートのトップコート膜などのさらなるコートが適用され得る(「ウェット−オン−ウェット方法」)。この場合において、このまたはこれらのさらなるコート(単数または複数)の適用に続いて、こうして得られた全体的系は硬化され、この硬化が下に記載されている通り、好ましくは工程(b5)に従って行われることが可能である。
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、以下の通りの少なくとも1つの工程(b5)をさらに含む:
(b5)工程(b1)および/もしくは(b2)および/もしくは(b3)後に基材に少なくとも部分的に適用された発明に用いられる水性コーティング組成物を、または工程(b1)および/もしくは(b2)および/もしくは(b3)および/もしくは(b4)後に基材に少なくとも部分的に適用された該コーティングを硬化すること。
本発明の方法の工程(b5)は、好ましくは、工程(b1)後にまたは任意により少なくとも1つのさらなる工程(b4)の後だけに、焼成の手段によって実施される。工程(b5)は、好ましくはオーブン内で行われる。本発明における硬化は、好ましくは、140℃から200℃の範囲の、より好ましくは150℃から190℃の範囲の、非常に好ましくは160℃から180℃の範囲の基材温度で行われる。工程(b5)は、好ましくは少なくとも2分から2時間の持続期間にわたり、より好ましくは少なくとも5分から1時間の持続期間にわたり、非常に好ましくは少なくとも10分から30分の持続期間にわたり行われる。
少なくとも部分的にコーティングされる基材
本発明のさらなる目的は、本発明の水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた電気導電性基材である。
本発明のさらなる目的は、少なくとも1種のこうした基材から生成される物品または構成成分である。
こうした物品は、例えば金属ストリップであってよい。この種類の構成成分は、例えば、自動車、トラック、モーターサイクル、バスおよび客車などの車両の車体および車体部品、ならびに家庭用電気製品の構成要素、または他には、器具被覆材、ファサード被覆材、天井被覆材、もしくは窓枠の分野からの構成要素であってよい。
本発明はさらに、電気導電性であるとともに本発明の方法に従って得られる少なくとも1種の少なくとも部分的にコーティングされた基材から生成される構成要素または物品、好ましくは金属構成要素に関する。
決定方法
1.DIN EN ISO 9227 CASSに合わせた銅加速酢酸塩スプレーミスト試験
基材上のコーティングの耐腐食性を決定するために、銅加速酢酸塩スプレーミスト試験が使用される。DIN EN ISO 9227 CASSに従って、銅加速酢酸塩スプレーミスト試験が、発明のコーティング組成物または比較のコーティング組成物でコーティングされた電気導電性基材としてのアルミニウム(AA6014(ALU))について実施される。この試験において、調査下の試料は、制御されたpHを用いて50℃の温度で240時間の持続期間にわたり5%強度の一般的塩溶液を連続的にミストするチャンバ内にあり、塩溶液は塩化銅および酢酸と添加混合される。ミストは、調査下の試料上に堆積し、塩水の腐食膜でそれらを覆う。銅加速酢酸塩スプレーミスト試験がDIN EN ISO 9227 CASSに合わせて実施された後、試料は、それらのさびレベルをDIN EN ISO 4628−3に従って判定される。判定は、0(さびなし)から5(非常に高いさびレベル)の範囲の特徴値に基づいて行われる。またDIN EN ISO 9227 CASSに合わせた銅加速酢酸塩スプレーミスト試験より前に、調査下の試料上のコーティングに刃の刻み目で基材に切り込みを入れるならば、試料は、DIN EN ISO 4628−8に従って、それらの腐食性浸食レベルについて調査することができ、というのは基材が、DIN EN ISO 9227 CASSに合わせた銅加速酢酸塩スプレーミスト試験中に切り込み線に沿って腐食するからである。腐食の進行プロセスの結果として、コーティングは、試験中に大なり小なり浸食される。[mm]における浸食の程度は、コーティングの耐性の測定である。
2.VDA 621−415[ドイツ自動車メーカー協会]に合わせたVDA交互気候試験
この交互気候試験は、基材上のコーティングの耐腐食性を決定するために使用される。交互気候試験は、発明のコーティング組成物または比較のコーティング組成物でコーティングされた電気導電性基材として熱いディップ−亜鉛めっき鋼(HDG)について実施される。交互気候試験は10サイクルで実施される。本発明における1サイクルは、合計168時間(1週)からなり、
a)DIN EN ISO 9227による塩スプレーミスト試験24時間、
b)続いて、DIN 50017による一定の条件下での貯蔵8時間、
c)続いて、DIN 50014による環境条件下での貯蔵16時間、
d)b)およびc)の3重反復(それゆえ合計で72時間)、および
e)DIN 50014による環境条件下での貯蔵48時間
を包含する。
交互気候試験が実施された後、当該の試料は、DIN EN ISO 4628−3に従って、それのさびレベルの判定のために調査される。判定は、0(さびなし)から5(非常に高いさびレベル)の範囲の特徴値に基づいて行われる。また交互気候試験の遂行より前に、調査下の試料上の焼成コーティング組成物に刃の刻み目で基材に切り込みを入れるならば、試料は、DIN EN ISO 4628−8に合わせて腐食性浸食のそれらのレベルについて調査することができ、というのは基材が、交互気候試験の遂行中に切り込み線に沿って腐食するからである。腐食の進行プロセスの結果として、コーティングは、試験中に大なり小なり浸食される。[mm]における浸食の程度は、腐食に対するコーティングの耐性の測定である。
下記の実施例は本発明を例示する働きをしており、任意の制限を課すとして解釈されるべきでない。
別段に注記されていない限り、パーセントにおける数字は、各場合において質量百分率である。
発明例および比較例
1.構成成分(B)として発明に使用されるゾル−ゲル組成物の生成
水性ゾル−ゲル組成物S1
テトラエトキシシラン(TEOS)77.5g、メチルトリエトキシシラン(MTEOS)77.5g、3−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)155.0g、Snowtex(登録商標)−O(コロイド状SiO)38.8g、DI水4603.0gおよびギ酸(85wt%)9.5gの混合物を、室温で(18〜23℃)168時間の間撹拌する。その後、混合物を、撹拌しながら、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)38.75gと添加混合し、さらに168時間室温で撹拌する。これで、5.0のpHを有する清澄な軽度に黄色がかった溶液を得る。
水性ゾル−ゲル組成物S2。
テトラエトキシシラン(TEOS)80.7g、メチルトリエトキシシラン(MTEOS)80.7g、3−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)161.4g、DI水4626.9gおよびギ酸(85wt%)10.0gの混合物を、室温で(18〜23℃)168時間の間撹拌する。その後、混合物を、撹拌しながら、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)40.4gと添加混合し、さらに168時間室温で撹拌する。これで、5.0のpHを有する清澄な軽度に黄色がかった溶液を得る。
表1は、水性ゾル−ゲル組成物S1およびS2の概要を提供している。
Figure 2016530369
wt%の数字は、各場合において水性ゾル−ゲル組成物の合計質量に対するものである。
表1から明らかである通り、ゾル−ゲル組成物S2は、組成物S2の合計質量に対して4.00wt%の算出固形分を有する。S2の場合において、この固形分は、使用される個々の構成成分TEOS、MTEOSおよびGLYMOならびにAMEOについての算出固形分の総計である。
下記例の手法によって決定されるのは、S2内のTEOS(経験式C20Si)の理論的に算出される固形分である。それは、一般式
Figure 2016530369
を使用して算出され、
式中、
SCtheo=wt%におけるS1中のTEOSの理論的に算出される固形分
cond=60.05g/mol(完全に縮合された形態におけるTEOSのモル質量;O(4/2)Siの経験式に対応する)
start=208.33g/mol(TEOSのモル質量)
Fractionformula=1.61wt%(wt%における組成物中のTEOSの画分)
である。
これで、TEOSについて0.46wt%の理論的に算出される固形分が得られる。同様の手法において、対応する算出が、MTEOSおよびGLYMOならびにAMEOについても行うことができる。したがって全部で、S2についての合計の理論的に算出される固形分は、4.00wt%である(表1を参照されたい)。
2.本発明水性コーティング組成物(Z1およびZ2)および水性比較コーティング組成物Z3の生成
バインダーおよび架橋剤および顔料ペーストの水性分散液(A)を、ゾル−ゲル組成物S1またはゾル−ゲル組成物S2のいずれかと室温で(18〜23℃)撹拌しながら添加混合することで、本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2を得る。これらの場合の各々において、水性分散液(A)の合計2215g、顔料ペースト295g、脱イオン水1552.5g、およびS1またはS2の937.5gを使用する。さらに、バインダー(A)(2215g)、脱イオン水(2490g)および顔料ペースト(295g)の水性分散液から水性比較コーティング組成物Z3を、即ち、ゾル−ゲル組成物を含有しない対応するコーティング組成物を生成する。
表2は、本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2ならびに水性比較コーティング組成物Z3の概要を提供している:
Figure 2016530369
使用される水性分散液(A)は、BASFからの市販生成物CathoGuard(登録商標)520である。用いられるこの水性分散液は、37.5wt%の固形分を有する。
v3.本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2ならびに比較コーティング組成物Z3でコーティングされた電気導電性基材の生成
水性コーティング組成物Z1およびZ2ならびにZ3を各々、ディップ用ワニスコーティングとして異なる基材に適用する。本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2の各々を、それの生成後に直接、24時間の時間の間室温で(18〜23℃)撹拌し、次いで、様々な基材に適用する。さらに、本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2の各々を、それの生成後に直接、14日間室温で(18〜23℃)撹拌し、次いで初めて様々な基材に適用することで、こうして適用されたディップ用ワニスコーティングの挙動が時間の関数として調査されるのを可能にする。
金属試験パネルの2つの種類、すなわちT1(熱いディップ−亜鉛めっき鋼(HDG))およびT2(アルミニウムAA6014(ALU))を、電気導電性基材の例として使用する。
これらのパネルを、まず第一に、Henkelからの市販生成物Ridoline 1565−1(3.0wt%)およびRidosol 1400−1(0.3wt%)ならびに水(96.7wt%)を含有する水溶液を含有する浴中に1.5分の時間の間62℃の温度でそれらを浸漬することによって各々清浄する。これに、機械的清浄(細かいブラシを使用する)が続き、この後、パネルを浴中に1.5分の時間の間再び浸漬する。
この手法において清浄された基材を引き続いて水(1分の時間の間)および脱イオン水(1分の時間の間)で濯ぐ。
その後直ちに、本発明水性コーティング組成物Z1およびZ2または比較コーティング組成物Z3の1つを、各パネルT1およびT2に、各場合において組成物Z1またはZ2またはZ3の1つを含む対応するディップコーティング浴中に、それぞれのパネルを浸漬するプロセスによって適用する。このディップコーティング浴は、各場合において32℃の温度を有する。撹拌速度は1分当たり600回転である。
結果として得られたコーティングを引き続いて175℃で(オーブン温度)25分の時間の間焼成する。
この手法において、全部で、互いに異なる10のコーティング基材を得る。
表3aおよび3bは、結果として得られたコーティング基材の概要を提供している。
Figure 2016530369
それぞれの基材上に焼成された本発明の水性コーティング組成物の乾燥膜厚さは、各場合において20μmである。
4.コーティング基材の腐食防止効果の調査
下記試験の全ては、上記で特定されている決定方法および対応する標準に従って実施した。表4または表5における各値は、3重決定からの平均(標準偏差を用いる)である。
Figure 2016530369
Figure 2016530369
表4および5から明らかである通り、本発明の水性コーティング組成物を使用してコーティングされた基材は、比較例C1およびC2と比較して、改善された腐食防止効果で一貫して注目に値する。特に、例えば、VDA交互気候試験の遂行後(発明例B1a、B1b、B2aおよびB2b対比較例C1)ならびにDIN EN ISO 9227 CASSに合わせた銅加速酢酸塩スプレーミスト試験の遂行後(発明例B1c、B1d、B2cおよびB2d対比較例C2)それぞれの[mm]における浸食は、75%を超えて低いことがあることが明らかである。より詳細には、発明例B1a、B1b、B2aおよびB2bは、比較例C2と比較して、DIN EN ISO 9227 CASSに合わせた銅加速酢酸塩スプレーミスト試験の実行後に実質的に少ない表面さびを示す。

Claims (17)

  1. 電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための水性コーティング組成物であって、
    (A)少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の、少なくとも1種の水性分散液または溶液、ならびに
    (B)少なくとも1種の水性ゾル−ゲル組成物
    を含み、
    水性ゾル−ゲル組成物(B)が、ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物と水との、前記少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いる反応によって得られる
    水性コーティング組成物。
  2. 水性コーティング組成物に存在するゾル−ゲル組成物(B)が、少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合後に、水性コーティング組成物の合計質量に対して0.1wt%から4wt%の範囲の固形分を有する、請求項1に記載の水性コーティング組成物。
  3. 水性コーティング組成物を製造するために使用されるゾル−ゲル組成物(B)が、
    少なくとも1個の金属原子および/または半金属原子ならびに少なくとも2個の加水分解性基を有するとともに任意により少なくとも1個の非加水分解性有機ラジカルをさらに有する、少なくとも1種の出発化合物を
    水と反応させることによって得られる、請求項1または2に記載の水性コーティング組成物。
  4. 水性コーティング組成物を製造するために使用されるゾル−ゲル組成物(B)が、少なくとも1種の化合物
    (A1)(M(X(R)、
    および/または
    (A2)(M(X(R)(R
    を水と反応させることによって得られ、式中、
    およびMは、各々互いに独立して、金属原子または半金属原子であり、
    およびXは、各々互いに独立して、加水分解性基であり、
    xは、金属原子または半金属原子Mの原子価であり、
    yは、金属原子または半金属原子Mの原子価であり、
    は、X、非加水分解性有機ラジカル、(T)(M(X、または(U)[(M(Xであり、
    は、非加水分解性有機ラジカルであり、
    は、非加水分解性有機ラジカル、(T)(M(X、(U)[(M(X、(V)(M(X(R)、または(W)[(M(X(R)]であり、
    aは、RがXであるならばxであるか、または
    aは、Rが非加水分解性有機ラジカル、(T)(M(X、または(U)[(M(Xであるならばx−1であるが、ただし、各場合において少なくとも2であるという条件であり、
    bは、y−2であるが、ただし、bは少なくとも2という条件であり、
    T、U、VおよびWは、各場合において互いに独立して各々、1個から30個の炭素原子を有するとともに、O、SおよびNからなる群から選択される最大10個までのヘテロ原子およびヘテロ原子基を任意により有してもよいラジカルであり、
    cは、x−1であり、
    dは、y−2である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  5. およびXが、ハロゲン化物およびアルコキシ基O−Rからなる群から各々互いに独立して選択され、Rは各場合においてC1〜16脂肪族ラジカルであり、
    およびMが、Al、Ti、Zr、Fe、BおよびSiからなる群から各々互いに独立して選択される、
    請求項4に記載の水性コーティング組成物。
  6. 少なくとも1種の化合物(A1)が、少なくとも1種の出発化合物として使用され、ここでRが、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、チオール基、イソシアネート基、リン含有基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルであり、
    任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)が、少なくとも1種の出発化合物として使用され、ここでRがXであり、
    任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)が、少なくとも1種の出発化合物として使用され、ここでRは、反応性官能基を有しない非加水分解性有機ラジカルである、
    請求項4または5に記載の水性コーティング組成物。
  7. 水性コーティング組成物を製造するために使用されるゾル−ゲル組成物(B)が、
    少なくとも1種の化合物(A1)として少なくとも1種の化合物Si(X(R
    [式中、その中のRは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、エポキシド基、およびエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性有機ラジカルである]
    ならびに、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)として少なくとも1種の化合物Si(X
    および、任意により、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)として少なくとも1種の化合物Si(X(R
    [式中、その中のRは、反応性官能基を有さない非加水分解性有機ラジカルである]
    を、水と反応させることによって得られる、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  8. 水性コーティング組成物を製造するために使用されるゾル−ゲル組成物(B)が、
    少なくとも1種の化合物(A1)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
    [式中、その中のRは、反応性官能基として少なくとも1個のエポキシド基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルである]
    少なくとも1種のさらなる化合物(A1)として少なくとも1種の化合物Si(X(R
    [式中、その中のRは、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1個の反応性官能基を有する非加水分解性C〜C10脂肪族有機ラジカルである]
    少なくとも1種のさらなる化合物(A1)としての少なくとも1種の化合物Si(X
    ならびに、少なくとも1種のさらなる化合物(A1)としての少なくとも1種の化合物Si(X(R
    [式中、その中のRは、反応性官能基を有しない非加水分解性有機C〜C10脂肪族ラジカルである]
    を、水と反応させることによって得られる、請求項1から7のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  9. 水性ゾル−ゲル組成物(B)が、少なくとも2個の異なる非加水分解性有機ラジカルを有し、これらのラジカルの1つが、少なくとも1個の反応性官能基として少なくとも1個のヒドロキシル基を有するC〜C10脂肪族ラジカルであり、残りの非加水分解性有機ラジカルが、少なくとも1個の反応性官能基として少なくとも1個の第1級アミノ基または少なくとも1個の第2級アミノ基を有するC〜C10脂肪族ラジカルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  10. 少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の水性分散液または溶液(A)が、水性分散液または溶液(A)の合計質量に対して30wt%から50wt%の範囲の固体画分を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  11. コーティング組成物が、金属イオンを放出するのに適当な少なくとも1種の金属イオン含有化合物および/または少なくとも1種の金属原子含有化合物を含み、金属イオンが、Zr、Ti、Co、V、W、Mo、Cu、Zn、In、Bi、Yおよびランタニドからなる群から選択される金属原子のイオンであり、金属イオンが、wt%におけるコーティング組成物の合計質量に対して30ppmから20000ppmの範囲の濃度でコーティング組成物中に存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物。
  12. (a1)ゾル−ゲル組成物(B)を製造するのに適当な少なくとも1種の出発化合物を、前記少なくとも1種の出発化合物の加水分解および縮合を用いて、水と反応させることによって水性ゾル−ゲル組成物(B)を製造する工程、ならびに
    (a2)工程(a1)によって得られた水性ゾル−ゲル組成物(B)を、少なくとも1種の電気泳動堆積性バインダーおよび任意により少なくとも1種の架橋剤の水性分散液または溶液(A)に変換する工程
    を少なくとも含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物を生成するための方法。
  13. 電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための、請求項1から11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物を使用する方法。
  14. (b1)基材表面上への請求項1から11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物の少なくとも部分的な電気泳動堆積によって、このコーティング組成物で基材を少なくとも部分的にコーティングする工程
    を少なくとも含む、電着コート材料で電気導電性基材を少なくとも部分的にコーティングするための方法。
  15. 工程(b1)が、少なくとも2つの連続的段階(b1−a)および(b1−b)で実施され、請求項11に記載の水性コーティング組成物が使用され、
    (b1−a)は、1Vから50Vの範囲の印加電圧で実施され、
    (b1−b)は、50Vから400Vの範囲の印加電圧で実施されるが、ただし、段階(b1−b)で印加される電圧は、段階(b1−a)で印加される電圧よりも少なくとも10V大きいという条件である、
    請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1から11のいずれか一項に記載の水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた電気導電性基材。
  17. 請求項16に記載の少なくとも1種の基材から生成される物品または構成成分。
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