本発明は、改良されたピックアップデバイスを提供することを目的とする。本発明は、提供デバイス及び終端デバイスを提供することを更なる目的とする。
第1の態様によれば、電気的に非接触に第1のケーブルから信号をピックアップするピックアップデバイスが提供される。当該ピックアップデバイスは、誘導的に第1のケーブルから電力信号をピックアップする第1の構成と、容量的に第1のケーブルから、電力信号とは異なるデータ信号をピックアップする第2の構成とを含み、ピックアップデバイスは、電気的に非接触に第2のケーブルに信号を転送するピックアップ及び転送デバイスであり、第1の構成は、誘導的に第2のケーブルに電力信号を転送し、第2の構成は、容量的に第2のケーブルにデータ信号を転送する。
ピックアップデバイスは、電気的に非接触に第1のケーブルから信号をピックアップする。更に、ピックアップデバイスは、誘導的に第1のケーブルから電力信号をピックアップする第1の構成と、容量的に第1のケーブルから、データ信号をピックアップする第2の構成とを含む。電力信号は、主に、例えば負荷といった装置に給電し、データ信号は、主に、当該装置に通知する及び/又は当該装置を制御する。誘導的に電力信号をピックアップし、容量的にデータ信号をピックアップすることによって、共に異なる種類の信号が、異なる種類の様態でピックアップされる。これにより、異なる種類の信号間の任意の干渉が最小限に抑えられ、これは大きな向上点である。更に、ピックアップ及び転送デバイスは、第1のケーブルから信号をピックアップし、第2のケーブルにそれらを転送する。
場合により、第1の構成は、コアを含む誘導結合部を含み、第2の構成は、少なくとも1つの電極を含む容量結合部を含む。好適には、誘導的に電力信号をピックアップするために、誘導結合部が使用され、容量的にデータ信号をピックアップするために、容量結合部が使用される。誘導結合部は、例えば第1のケーブルの導体のうちの1つの導体の横断面の少なくとも一部を囲む開口を有するコアを含み、もう1つの導体は、単純にこのコアを通過する。容量結合部は、例えば第1のケーブルの導体のうちの1つの導体を囲む1つ以上の電極といった又は第1のケーブルの両方の導体を囲む共通電極といった少なくとも1つの電極を含む。これらの場合、戻り経路は、例えばアースを介して実現される。
場合により、上記コアは、第1のケーブルの第1の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブルの第2の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コアを含み、上記少なくとも1つの電極は、第1及び第2の電極を含み、第1の電極は、第2の導体よりも第1の導体の近くに置かれ、第2の電極は、第1の導体よりも第2の導体の近くに置かれる。磁気コアを考慮するに、第1及び第2の導体は、磁気コアを含むトランスの1つ以上の一次巻線を表す。このトランスの第1及び第2の開口を通る1つ以上の二次巻線を導入することによって、電力信号が供給できる。第1の電極及び第1の導体を考慮するに、その第1の組み合わせが、第1のコンデンサを表す。第2の電極及び第2の導体を考慮するに、その第2の組み合わせが、第2のコンデンサを表す。第1及び第2の電極に結合される第1及び第2のワイヤを導入することによって、データ信号が供給できる。
上記1つの開口を有する上記コアに比べて、第1及び第2の開口を有する磁気コアは、浮遊磁場が(強く)減少され、第1のケーブルの誘導性が(一層)良好に規定されるより(一層)左右対称のソリューションを提供する。上記少なくとも1つの電極に比べて、対応する第1及び第2の導体の近くに置かれる対応する第1及び第2の電極は、コモンモード電流が(強く)減少され、戻り経路が(一層)良好に規定されるソリューションを提供する。
場合により、第1及び第2の電極は、磁気コア内に配置されるか、又は、磁気コアの一体部分を形成する。好適には、第1及び第2の電極を磁気コア内に配置することによって、又は、第1及び第2の電極に磁気コアの一体部分を形成させることによって、最もコンパクトなピックアップデバイスが作成され、これは、例えば1つのハウジングによって容易に包み込むことができる。
場合により、磁気コアは、2つのE字型のコアを含み、上脚の端が互いに接触し、下脚の端が互いに接触し、中心脚の端が互いに接触している。好適には、両方のE字型のコアは、設置を容易とするために、接続可能及び切り離し可能である。
場合により、電力信号は、第1の周波数範囲において動作し、データ信号は、第2の周波数範囲において動作し、第2の周波数範囲における第2の周波数は、第1の周波数範囲における第1の周波数とは異なるか、又は、第1の周波数よりも高い。好適には、誘導的に電力信号をピックアップする際に、より低い周波数範囲が電力信号に使用され、容量的にデータ信号をピックアップする際に、より高い周波数範囲がデータ信号に使用される。
場合により、第1のケーブルは、データ信号及び電力信号と異なる第1のケーブル信号を輸送する。第1のケーブルは、AC供給信号、DC供給信号、オーディオ信号、ビデオ信号又はインターネット信号等を輸送できる。第1のケーブル信号は、第3の周波数範囲において動作すべきであり、第3の周波数範囲における第3の周波数は、第1及び第2の周波数と異なるべきである。
ピックアップデバイスの一実施形態は、誘導結合部を含む第1の構成と、容量結合部を含む第2の構成とによって規定される。誘導結合部は、第1のケーブルの第1の導体の横断面の少なくとも一部を囲み、第2のケーブルの第3の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブルの第2の導体の横断面の少なくとも一部を囲み、第2のケーブルの第4の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コアを含み、容量結合部は、第1の電極及び第2の電極を含み、第1の電極は、第2及び第4の導体よりも第1及び第3の導体の近くに置かれ、第2の電極は、第1及び第3の導体よりも第2及び第4の導体の近くに置かれる。磁気コアを考慮するに、第1のケーブルの第1及び第2の導体は、磁気コアを含むトランスの1つ以上の一次巻線を表し、第2のケーブルの第3及び第4の導体は、このトランスの1つ以上の二次巻線を表す。第1の電極と第1及び第3の導体とを考慮するに、それらの第1の組み合わせが、第1のコンデンサを表す。第2の電極と第2及び第4の導体とを考慮するに、それらの第2の組み合わせが、第2のコンデンサを表す。
第2の態様によれば、導電的に第1のケーブルに信号を提供する提供デバイスが提供される。当該提供デバイスは、第1のケーブルに電力信号を提供する第3の構成と、第1のケーブルに、電力信号とは異なるデータ信号を提供する第4の構成とを含み、第3の構成は、電流源を含み、電力信号は、第1のケーブルの導体を流れる電流信号であり、第4の構成は、電圧源を含み、データ信号は、第1のケーブルの導体に亘って存在する電圧信号である。
第3の態様によれば、上記提供デバイスに結合される第1のケーブルを終端させるか、又は、上記ピックアップデバイスに結合される第2のケーブルを終端させる終端デバイスが提供される。当該終端デバイスは、電力信号に第1のインピーダンスを提供し、データ信号に、第1のインピーダンスよりも高い第2のインピーダンスを提供する第5の構成を含む。第5の構成は、電力信号用のループを作成し、データ信号用の開放端又はマッチを作成する。
終端デバイスの一実施形態は、第1のケーブルの第1の導体の横断面の少なくとも一部を囲むか、又は、第2のケーブルの第3の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブルの第2の導体の横断面の少なくとも一部を囲むか、又は、第2のケーブルの第4の導体の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コアを含む第5の構成によって規定され、第1及び第2の導体、又は、第3及び第4の導体は、磁気コアの背後で、導電的に互いに結合され、第5の構成は更に、抵抗及び容量結合部を含み、抵抗及び容量結合部は、データ信号に関して、第1又は第2のケーブルをマッチさせる抵抗器を含み、電力信号をブロックするコンデンサを含む。磁気コアは、電力信号に対して比較的低いインピーダンスを形成し、データ信号に対して比較的高いインピーダンスを形成する誘導結合部を提供し、抵抗器は、定常波を回避するためのマッチングを提供し、コンデンサは、電力信号が抵抗器を介して消失されないようにする。
洞察した点は、電力信号とデータ信号とを異なるように取り扱う点である。基本的な考えは、電力信号は、誘導的にピックアップされ、データ信号は、容量的にピックアップされることである。
改良されたピックアップデバイスを提供するという課題は達成された。更なる利点は、既存のケーブルの効率を向上させるために、ピックアップデバイス、提供デバイス及び終端デバイスを含むシステムを容易に導入できる点である。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態を参照して、明らかとなろう。
図1に、ピックアップデバイスの一実施形態が示され、図2及び図3に、図1の左部分及び右部分の横断面が示される。ピックアップデバイスは、第1のケーブル21、22の第1の導体21の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブル21、22の第2の導体22の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コア61、62を含む。導体21、22は、1つ以上の一次巻線を表す。ピックアップデバイスは更に、第1及び第2の開口を通る1つ以上の二次巻線を表すワイヤ63を含む。導体21、22を流れる電力信号が、磁気コア61、62を介して、誘導的にピックアップされ、ワイヤ63を介して供給される。
例えば軟磁性コアといった磁気コア61、62は、例えばヒンジを介して互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である2つの部分、即ち、上部61と下部62とを含む。これらの上部61及び下部62は、例えばE字型のコアであり、上脚の端が互いに接触し、下脚の端が互いに接触し、中心脚の端が互いに接触している。或いは、磁気コア61、62は、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなるコアの利点は、設置が容易になる点である。
ピックアップデバイスは更に、第2の導体22よりも第1の導体21の近くに置かれる第1の電極71、72と、第1の導体21よりも第2の導体22の近くに置かれる第2の電極73、74とを含む。第1の電極71、72は、第1の導体21と共に、第1のコンデンサを表す。第2の電極73、74は、第2の導体22と共に、第2のコンデンサを表す。第1及び第2の電極71〜74に結合された第1及び第2のワイヤ77、78を導入することによって、導体21、22に亘って存在するデータ信号が、電極71〜74を介して、容量的にピックアップされ、ワイヤ77、78を介して供給される。第3の電極を排除しない。
ピックアップデバイスは、例えば第1の上部電極71及び第2の上部電極73を含む上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を含む下部ベース76とを含む。上部ベース75と下部ベース76とは、例えばヒンジを介して、互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である。或いは、上部ベース75と下部ベース76との組み合わせは、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなる組み合わせの利点は、設置が容易になる点である。
したがって、図1乃至図3に、電気的に非接触に第1のケーブル21、22から信号をピックアップするピックアップデバイスが示される。更に、ピックアップデバイスは、誘導的に第1のケーブル21、22から電力信号をピックアップする第1の構成と、容量的に第1のケーブル21、22からデータ信号をピックアップする第2の構成とを含む。これらの構成は、図10を用いて説明する。データ信号は、電力信号とは異なり、これも、図10を用いて説明する。
好適には、第1の構成は、誘導結合部を含み、第2の構成は、容量結合部を含む。磁気コア61、62は、このような誘導結合部の一例であり、例えば他の種類のコア及びインダクタ又はトロイド等といったコアレスソリューションといった他の種類の誘導結合部を排除しない。第1の上部電極71及び第2の上部電極73を有する上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を有する下部ベース76との組み合わせは、一例に過ぎず、例えば他の種類のベース及びベースレスソリューション等といった他の種類の容量結合部を排除しない。
図4に、ピックアップ及び転送デバイスの一実施形態が示され、図5及び図6に、図4の左部分及び右部分の横断面が示される。ピックアップ及び転送デバイスは、第1のケーブル21、22の第1の導体21の横断面の少なくとも一部を囲み、第2のケーブル23、24の第3の導体23の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブル21、22の第2の導体22の横断面の少なくとも一部を囲み、第2のケーブル23、24の第4の導体24の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コア61、62を含む。導体21、22は、1つ以上の一次巻線を表し、導体23、24は、1つ以上の二次巻線を表す。導体21、22を流れる電力信号が、磁気コア61、62を介して、誘導的にピックアップされ、導体23、24に転送される。
例えば軟磁性コアといった磁気コア61、62は、例えばヒンジを介して互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である2つの部分、即ち、上部61と下部62とを含む。これらの上部61及び下部62は、例えばE字型のコアであり、上脚の端が互いに接触し、下脚の端が互いに接触し、中心脚の端が互いに接触している。或いは、磁気コア61、62は、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなるコアの利点は、設置が容易になる点である。
ピックアップ及び転送デバイスは更に、第2の導体22及び第4の導体24よりも第1の導体21及び第3の導体23の近くに置かれる第1の電極71、72と、第1の導体21及び第3の導体23よりも第2の導体22及び第4の導体24の近くに置かれる第2の電極73、74とを含む。第1の電極71、72は、第1の導体21及び第3の導体23と共に、第1のコンデンサを表す。第2の電極73、74は、第2の導体22及び第4の導体24と共に、第2のコンデンサを表す。導体21、22に亘って存在するデータ信号が、電極71〜74を介して、容量的にピックアップされ、導体23、24に転送される。第3の電極を排除しない。
ピックアップ及び転送デバイスは、例えば第1の上部電極71及び第2の上部電極73を含む上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を含む下部ベース76とを含む。上部ベース75と下部ベース76とは、例えばヒンジを介して、互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である。或いは、上部ベース75と下部ベース76との組み合わせは、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなる組み合わせの利点は、設置が容易になる点である。
したがって、図4乃至図6に、電気的に非接触に第1のケーブル21、22から信号をピックアップし、電気的に非接触に第2のケーブル23、24にこれらの信号を転送するピックアップ及び転送デバイスが示される。更に、ピックアップデバイスは、誘導的に第1のケーブル21、22から電力信号をピックアップする第1の構成と、容量的に第1のケーブル21、22からデータ信号をピックアップする第2の構成とを含む。第1の構成は、誘導的に第2のケーブル23、24に電力信号を転送し、第2の構成は、容量的に第2のケーブル23、24にデータ信号を転送する。これらの構成は、図11を用いて説明する。データ信号は、電力信号とは異なり、これも、図11を用いて説明する。
好適には、第1の構成は、誘導結合部を含み、第2の構成は、容量結合部を含む。磁気コア61、62は、このような誘導結合部の一例であり、例えば他の種類のコア及びインダクタ又はトロイド等に成形されたケーブルといったコアレスソリューションといった他の種類の誘導結合部を排除しない。第1の上部電極71及び第2の上部電極73を有する上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を有する下部ベース76との組み合わせは、一例に過ぎず、例えば他の種類のベース及びベースレスソリューション等といった他の種類の容量結合部を排除しない。
図7に、終端デバイスの一実施形態が示され、図8及び図9に、図7の左部及び右部の横断面が示される。終端デバイスは、第1のケーブル21、22の第1の導体21の横断面の少なくとも一部を囲む第1の開口と、第1のケーブル21、22の第2の導体22の横断面の少なくとも一部を囲む第2の開口とを有する磁気コア61、62を含む。磁気コア61、62の背後で、第1及び第2の導体21、22は、導電的に互いに結合される。導体21、22を流れる電力信号が、比較的低いインピーダンスを経験する。
例えば軟磁性コアといった磁気コア61、62は、例えばヒンジを介して互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である2つの部分、即ち、上部61と下部62とを含む。これらの上部61及び下部62は、例えばE字型のコアであり、上脚の端が互いに接触し、下脚の端が互いに接触している。中心脚の端は、互いに接触することなく、空隙を示してもよく、これにより、飽和が回避される及び/又は誘導率値が調節される。他の場所における空隙も排除されない。或いは、磁気コア61、62は、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなるコアの利点は、設置が容易になる点である。
終端デバイスは更に、第2の導体22よりも第1の導体21の近くに置かれる第1の電極71、72と、第1の導体21よりも第2の導体22の近くに置かれる第2の電極73、74とを含む。第1の電極71、72は、第1の導体21と共に、第1のコンデンサを表す。第2の電極73、74は、第2の導体22と共に、第2のコンデンサを表す。これらの第1及び第2のコンデンサは、電力信号をブロックする。終端デバイスは更に、例えば導体21、22に亘って存在するデータ信号に関して、第1のケーブル21、22をマッチさせるように、第1及び第2の電極71〜74を相互に接続する抵抗器79を含む。データ信号は、比較的高いインピーダンスを経験する。第3の電極を排除しない。
終端デバイスは、例えば第1の上部電極71及び第2の上部電極73を含む上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を含む下部ベース76とを含む。上部ベース75と下部ベース76とは、例えばヒンジを介して、互いに接続する、また、互いから切り離すことが可能である。或いは、上部ベース75と下部ベース76との組み合わせは、1つの部分のみからなっても、3つ以上の部分を含んでもよい。可動部分からなる組み合わせの利点は、設置が容易になる点である。
したがって、図7乃至図9に、図10を用いて説明される提供デバイスに結合される第1のケーブル21、22を終端させる、又は、図4乃至図6及び図11を用いて説明されるピックアップ及び転送デバイスに結合される第2のケーブル23、24を終端させる終端デバイスが示される。更に、終端デバイスは、電力信号に比較的低いインピーダンスを提供し、データ信号に比較的高いインピーダンスを提供する第5の構成を含む。第5の構成は、図10を用いて説明する。データ信号は、電力信号とは異なり、これも、図10を用いて説明する。
好適には、第5の構成は、誘導及び容量結合部を含み、磁気コア61、62は、このような誘導結合部の一例であり、例えば他の種類のコア及びインダクタ又はトロイド等に成形されたケーブルといったコアレスソリューションといった他の種類の誘導結合部を排除しない。第1の上部電極71及び第2の上部電極73を有する上部ベース75と、第1の下部電極72及び第2の下部電極74を有する下部ベース76との組み合わせは、一例に過ぎず、例えば他の種類のベース及びベースレスソリューション等といった他の種類の容量結合部を排除しない。抵抗器79は、例えば第1の電極71、72と第2の電極73、74との間にある実際の抵抗器を介して若しくは抵抗材料を介して、又は、抵抗電極等を介して実現される。
図10に、3つのデバイス1、10及び11を有する1ケーブルシステムが示される。提供デバイス10は、第1のケーブル21、22の第1及び第2の導体21、22に結合され、導電的に第1のケーブル21、22に信号を提供する。更に、提供デバイス10は、第1のケーブル21、22に電力信号を提供する第3の構成41と、第1のケーブル21、22にデータ信号を提供する第4の構成42とを含む。データ信号は、電力信号とは異なる。好適には、第3の構成41は、電流源を含み、電力信号は、導体21、22を流れる電流信号である。好適には、第4の構成42は、電圧源を含み、データ信号は、導体21、22に亘って存在する電圧信号である。これの利点は、電流信号の振幅の変化は、電圧信号の振幅にほとんど影響を及ぼさないという点である。
図1〜図3を用いて説明されたピックアップデバイス1は、誘導的に第1のケーブル21、22から電力信号をピックアップする第1の構成31を含む。第1の構成31は、図1及び図2について説明されたように、例えば磁気コア61、62といった誘導結合部を含む。ピックアップデバイス1は、容量的に第1のケーブル21、22からデータ信号をピックアップする第2の構成35、36を含む。第2の構成35、36は、図1及び図3について説明されたように、例えば電極71〜74といった容量結合部を含む。
このピックアップデバイス1において、第1の構成31、32は、負荷34に給電する例えばAC−DC変換器等といった電力処理回路32を用いて拡大され、第2の構成35〜37は、電力処理回路32を制御するデータ処理回路37を用いて拡大されている。或いは、負荷34は、ピックアップデバイス1の外にあってもよい。この負荷34は、ランプ又は任意の他の種類の負荷である。第1の構成31〜33は更に、導電モードにおいて、電力処理回路32の入力を短絡させるスイッチング回路33を含む。電流信号の形の電力信号について、負荷34は、電力処理回路32の入力を短絡させることによって、オフに切り替えられる。第2の構成35〜38は更に、例えばデータ信号をフィルタリングするといったデータ信号を調整する例えば差動増幅器等といった調整回路38を含む。
図7〜図9について説明された終端デバイス11は、電力信号に比較的低いインピーダンスを提供し、データ信号に比較的高いインピーダンスを提供する第5の構成51〜54を含む。インダクタ51が、例えば図7及び図8について説明されたように、磁気コア61、62を介して実現される。コンデンサ52、抵抗器53及びコンデンサ54の直列回路は、図7及び図9について説明されたように、例えば電極71〜74及び抵抗器79によって実現される。抵抗器53は、データ信号に関して、第1のケーブル21、22をマッチさせ、コンデンサ52、54は、電力信号をブロックする。
図11に、5つのデバイス3、10、11、12、13を有する2ケーブルシステムが示される。提供デバイス10は、図10について説明されたものと同一であってよい。第5の構成55〜57を含む終端デバイス11〜13も、図10について説明されたものと同一であってよい。図4〜図6について説明され、電気的に非接触に第1のケーブル21、22から第2のケーブル23、24に信号を転送するピックアップ及び転送デバイス3は、誘導的に第2のケーブル23、24に電力信号を転送する第1の構成31と、容量的に第2のケーブル23、24にデータ信号を転送する第2の構成35、36とを含む。
第1の構成31は、図4及び図5について説明された例えば磁気コア61、62といった誘導結合部を含む。第2の構成35、36は、図4及び図6について説明された例えば電極71〜74といった容量結合部を含む。
図12に、13のデバイス1〜13を有する2ケーブルシステムが示される。提供デバイス10は、図10について説明されたものと同一であってよい。終端デバイス11〜13も、図10について説明されたものと同一であってよい。ピックアップデバイス1、2及び4〜9は、図10について説明されたものと同一であってよい。また、ピックアップ及び転送デバイス3も、図11について説明されたものと同一であってよい。
図13に、誘導及び容量結合部の横断面が示される。図13を、図2及び図3、図5及び図6、並びに、図8及び図9と比較すると、図13では、第1及び第2の電極71〜74は、磁気コア61、62内に配置され、及び/又は、この磁気コア61、62の一体部分を形成することが明らかとなる。これは最もコンパクトな実施形態である。
終端デバイス11〜13の代替案として、ケーブル21〜24の導体21〜24を数メートル延長し、それらの端を短絡させることが可能である。このようにすると、比較的低いインピーダンスが、比較的低周波の電力信号に対して生成され、比較的高いインピーダンスが、比較的高周波のデータ信号に対して生成される。
第1のケーブル21、22は、データ信号及び電力信号と異なる第1のケーブル信号を輸送する。第1のケーブル信号は、AC供給信号、DC供給信号、オーディオ信号、ビデオ信号又はインターネット信号等であってよい。図7におけるループを考慮して、第1及び第2の導体21、22は、その場合、共に、当該第1のケーブル信号等を輸送する2ワイヤケーブルの2本のワイヤのうちの1つを形成する。
電極71〜74は、例えば銅又はアルミニウムである固体金属から作られる。半円形の溝が、各電極半体に設けられてもよく、当該溝は、導体21〜24の外径に合う。上部ベース75及び下部ベース76は、例えばプラスチックである非伝導性の固体材料から形成される。各ベース75、76は、導体21〜24の外径に合う溝を含む。この非伝導性ベース75、76に、薄い伝導性電極71〜74が、例えば蒸着、印刷、ガルバニック堆積によって、又は、薄い金属シートをベースに接着することによって付与される。電極71〜74は、導電性発泡体又は他の弾性導電性材料によって形成される。1つの利点として、このソリューションは、様々な導体直径に対応できる。各ベース75、76は、非導電性の弾性又は発泡体状材料から形成される。このベース75、76に、薄い導電性電極71〜74が、例えば蒸着、印刷、ガルバニック堆積によって付与される。電極71〜74は、柔軟性が残るように十分に薄く、したがって、電極は、様々な導体直径に対応できる。電極は、費用を削減するために、2つのベースのうちの一方にのみ、配置されてもよい。これは、両ベース上の電極に比べて、同様の容量を達成するためにより長いハウジングを必要とするが、製造がより容易である。
したがって、電極71〜74は、ケーブル21〜24の導体21〜24の周りに形成される形状が得られる。これらの導体21〜24は、通常、絶縁層によって囲まれる導電性ワイヤを含む。第1の構成31内に上部及び下部を導入することによって、また、第2の構成35、36内に上部ベース及び下部ベースを導入することによって、ピックアップデバイス1〜9は、ケーブル21〜24の周りに容易にクリップできる。
最後に、電極71〜74は、弾性材料で作られる場合は、追加の目的も果たす。この場合、弾性材料は、ピックアップデバイス1〜9の入口及び出口における汚れ及び湿気に対するピックアップデバイス1〜9のシーリングの役割を果たす。第2の構成35、36は、2つの部分、即ち、第1の構成から左にある左部分と、第1の構成から右にある右部分とに分割され、ピックアップデバイス1〜9の入口及び出口をシールする。
「開口」との用語は、限定的に解釈され過ぎるべきではなく、間隙、穴、空間、凹部、切り欠け、刻み目、ノッチ、隙間、空洞等を含んでよい。第1及び第2の要素は、第3の要素が間にあることなく、直接的に結合されても、第3の要素が間にあって間接的に結合されてもよく、また、第4の要素等を有することも排除されない。
要約するに、電気的に非接触に第1のケーブル21、22から信号をピックアップするピックアップデバイス1〜9は、誘導的に第1のケーブル21、22から電力信号をピックアップする第1の構成31と、容量的に第1のケーブル21、22からデータ信号をピックアップする第2の構成35、36とを含む。第1の構成31は、第1のケーブル21、22の第1の導体21の一部を囲む第1の開口と、第1のケーブル21、22の第2の導体22の一部を囲む第2の開口とを有する磁気コア61、62といった誘導結合部を含む。第2の構成35、36は、第1及び第2の電極71〜74といった容量結合部を含む。ピックアップデバイス1〜9は、電気的に非接触に第2のケーブル23、24に信号を転送するピックアップ及び転送デバイス3であってもよい。提供デバイス10は、導電的に信号を提供し、終端デバイス11〜13は、ケーブル21〜24を終端させる。
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示され、説明されたが、当該例示及び説明は、例示的に見なされるべきであり、限定的に見なされるべきではない。本発明は、開示される実施形態に限定されない。開示された実施形態の他の変形態様は、図面、開示内容及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施される。請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。