JP2016524178A - 一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ並びに関連する組成物及び方法 - Google Patents

一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ並びに関連する組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

20〜80質量%のシロキサンモノマー、20〜80質量%の親水性モノマー、架橋剤、および重合開始剤に加えて、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含む、混和性重合性組成物が記載される。これらの重合性組成物は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するために、またシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法において使用することができる。

Description

[関連出願との相互引照]
本件特許出願は、2013年4月30日付で出願された、先願の米国仮特許出願第61/817,606号に関する、35 U.S.C. §119(e)に基く利益を請求するものである。この米国仮特許出願を、言及することにより全体としてここに組入れるものとする。
本開示は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび関連する組成物および方法を対象とする。
商業的および臨床的に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、従来のヒドロゲルコンタクトレンズ(即ち、ケイ素またはケイ素-含有成分を含まないヒドロゲルコンタクトレンズ)に対する人気のある代替品である。過去10年の間、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの使用が、主に、従来のヒドロゲル材料に比して、装着中により高い酸素濃度を角膜に至らしめる、より高レベルのその酸素透過率のために着実に増加した。該レンズ処方物中に存在するシロキサンモノマーは、より高レベルの酸素透過率をもたらすが、これらの疎水性モノマーは、また重合されて望ましからぬ色彩を持たない透明なポリマーレンズ本体を形成する、混和性重合性組成物を形成すべく併用することのできる他の成分の型および量を制限してしまう。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの分野における競争激化は、新規または改善された特性を持つ新規なレンズが開発されることを要求している。例えば、目における細菌感染の発症を減じるための抗菌性コンタクトレンズ、季節性アレルギーを患っているレンズ装着者用の抗-アレルギー性コンタクトレンズ、ドライアイ状態で悩むレンズ装着者用の、レンズに結合した湿潤剤を含むコンタクトレンズ等の開発が関心を集めている。
新規なまたは改善された特性を持つ従来のヒドロゲルコンタクトレンズを提供する一つの方法は、国際公開No. WO 93/00391に記載されている。この国際公開を、全体としてここに組入れる。WO 93/00391は、ポリマー鎖中に官能基を含むポリマー基材を記載しており、またこの特許では、主として水性媒体中で、該官能基と親水性被覆ポリマー上の相補的な官能基とを反応させて、該被覆ポリマーと該基材ポリマーとの間に共有結合を形成している。
一級アミン含有モノマーを含むレンズ処方物の例は、米国特許出願公開US 2012/0026457の実施例18において見出すことができる。この米国特許出願公開を全体としてここに組入れる。US 2012/0026457の実施例18に係るレンズ処方物D1、D2およびD3の重合性組成物は、各々20質量%未満の親水性モノマーを含んでいる。
好都合な諸特性、例えば比較的高い含水率、比較的高レベルの酸素透過率、および眼科学的に許容されるモジュラスを持つ新規なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、比較的多量の親水性モノマーおよびシロキサンモノマーを含む、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するための新規な重合性組成物、および様々な型の薬剤を該レンズに結合させて、医療用デバイスを製造するのに許容される条件下で、該レンズを改良することを可能とする、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの新規な製造方法が必要とされている。
本開示は、一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法を対象としており、該一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成する際に使用する混和性重合性組成物を包含する。本開示に係るポリマーレンズ本体における該一級アミノ基の存在のために、共有結合性アミン結合、例えばアミン-エステル、アミン-アルデヒド、アミン-ケトン、またはアミン-カルボン酸結合等を介して、様々な型の薬剤と該レンズ本体とを共有結合させることが可能である。アミン結合を介して該ポリマーレンズ本体に共有結合している薬剤は、該ポリマーレンズ本体を形成するのに使用する該重合性組成物を変更する必要なしに、様々な型の薬剤および/または諸特性を該レンズ本体に付加することを可能とする。
ここで使用する場合、上記一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、ポリマーレンズ本体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを言うものと理解され、ここで該ポリマーレンズ本体は、そのポリマー構造内に存在する複数の一級アミン官能基を含む。該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーの重合された単位または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる。
上記した複数の一級アミン官能基を持つポリマーレンズ本体が、結合した1またはそれ以上の相補的官能基(即ち、水性条件下で一級アミノ基と共有結合を形成する官能基)を持つ薬剤を含有する水性溶液中に供された場合に、該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、該結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ該薬剤の該相補的官能基と共有結合を形成する。このようにして、該薬剤は該ポリマーレンズ本体と共有結合することになる。
上記ポリマーレンズ本体のポリマー構造内に存在する、上記一級アミン官能基の存在のために、様々な型の薬剤を該ポリマーレンズ本体と結合させて、コンタクトレンズを得ることが可能であり、該コンタクトレンズは、選択された1または複数の薬剤の型に依存して様々な型の特性を持つ。但し、該1または複数の薬剤は、水性条件下で一級アミノ基と共有結合する少なくとも1つの相補的官能基を含むことを条件とする。例えば、該薬剤は抗菌剤、または抗アレルギー剤、またはその他の型の薬剤、または湿潤剤、または連結剤等、またはこれらの任意の組合せであり得る。
しかし、上記ポリマーレンズ本体を、少なくとも一つの相補的官能基を含む薬剤と接触させる必要はない。
水和させた場合に、上記一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率および0.3〜1.2MPaのモジュラスを持つ。該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体は、混和性重合性組成物の反応生成物であり、該混和性重合性組成物は、(a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー;(b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー;(c) 少なくとも1種の架橋剤;(d) 少なくとも1種の重合開始剤;および(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含み、ここで該質量%は、該重合性組成物の全質量パーセントを基準とする。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物の一例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、遊離塩基形態で存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、例えば塩酸塩等の塩の形態で存在し得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物に関するもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも0.2質量%の量で上記重合性組成物中に存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも0.5質量%、または少なくとも0.75質量%、または少なくとも1.0質量%、または少なくとも1.5質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物に関するもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜8のアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートモノマーまたはアルカン鎖含一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。もう一つの例において、該アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートモノマーまたはアルカン鎖含一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜6、または長さにおいて炭素数4〜6、または長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を持つことができる。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜8のアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。更に別の例において、該アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートモノマーまたはアルカン鎖含一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜6、または長さにおいて炭素数4〜6、または長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を持つことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物に関するもう一つの例において、上記混和性重合性組成物は、有機溶媒または有機希釈剤を本質的に含まない(例えば、該組成物を基準として0.5質量%未満)か、あるいは含まないものであり得る。あるいはまた、該重合性組成物は、有機溶媒または有機希釈剤を含むことができる。該有機溶媒または有機希釈剤は、15質量%未満の量で、または10質量%未満の量で該重合性組成物中に存在し得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物に関する更に別の例において、上記混和性重合性組成物の少なくとも1種の親水性モノマーは、N-ビニルアミド含有親水性モノマーであり得る。N-ビニルアミド含有親水性モノマーの例は、中でも特にN-ビニルピロリドン(NVP)およびN-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)を含む。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物に関する特別な一例において、上記混和性重合性組成物の少なくとも1種の親水性モノマーは、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜8、または長さにおいて炭素数2〜6、または長さにおいて炭素数4〜6、または長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、N-(2-アミノエチル)メタクリルアミド(AEMAA)モノマーの一種、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの一種、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの一種であり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物は、1,000ダルトン未満の数平均分子量を持つ、少なくとも1種のシロキサンモノマーを含むことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物は、ケイ素含有ビニルカーボネートモノマー、ケイ素含有ビニルカルバメートモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端を持つポリジメチルシロキサンモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端を持ちモノ-n-ブチル末端を持つポリジメチルシロキサンモノマー、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、少なくとも1種のシロキサンモノマーを含むことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズを形成する際に使用する上記重合性組成物の一特定例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、以下の式(1)で表されるシロキサンモノマーを含むことができる:
Figure 2016524178
ここで、式(1)のmは3〜10の一整数を表し、式(1)のnは1〜10の一整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を持つアルキル基であり、かつ式(1)の各R2は、独立に水素原子またはメチル基の何れかであり、該シロキサンモノマーは、場合により400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を持つ。該数平均分子量は、個々の巨大分子に関する一般的な算術平均により決定することができ、あるいは好ましくは該算術平均により決定され、あるいは該個々の巨大分子の分子量に関する平均であってもよい。ポリマーの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法、(マーク-ホーウィンクの式(Mark-Houwink equation))による粘度法、蒸気圧オスモメトリー等の束一的方法、末端基定量法またはプロトンNMR法により決定することができる。例えば、モノマーの数平均分子量(ダルトン単位での)は、1H NMR末端基分析法により決定することができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり得、該レンズにおいて、上記薬剤に結合した相補的な官能基は、上記ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基と共有結合している。例えば、該薬剤に結合した相補的な官能基は、エステル、アルデヒド、ケトン、またはカルボン酸官能基を含むことができ、また該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、夫々アミン-エステル、アミン-アルデヒド、アミン-ケトンまたはアミン-カルボン酸結合を通して、該薬剤に結合した相補的官能基と共有結合することができる。共有結合は該薬剤の相補的官能基と、該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミノ基との間に存在するので、該薬剤は結果として該ポリマーレンズ本体に結合している。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの一特定例において、上記薬剤の相補的な官能基は、例えばN-ヒドロキシルサクシンイミド(NHS)基等のエステル基であり得、また上記共有結合は、例えばアミド-サクシンイミドエステル結合等のアミン-エステル結合であり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのもう一つの例において、上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を含む上記薬剤は、湿潤剤または連結剤であり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例において、上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を含む上記薬剤は湿潤剤であり得、また該結合した薬剤を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、70度未満、または60度未満、または50度未満の接触角を持つコンタクトレンズであり得る。例えば、該接触角は0〜69度、または0〜59度、または0〜49度であり得る。
更に別の上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの例において、上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を含む上記薬剤は、少なくとも一つの結合した相補的官能基を持つポリマーであり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの一特定例において、上記薬剤は、例えばN-ヒドロキシルサクシンイミド(NHS)基等の、結合したエステル基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。NHS基を持つ該結合したポリマー型湿潤剤を含む該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは70度未満、例えば60度未満、または50度未満を含む接触角を持つことができる。例えば、該接触角は0〜69度、または0〜59度、または0〜49度であり得る。
上述の如く、本開示は、また本明細書において開示した上記一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法をも対象とする。このシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法は、以下の工程を含む:混和性重合性組成物を準備する工程、該重合性組成物は以下の成分を含む:(a) 20〜80質量%の量の、少なくとも1種のシロキサンモノマー;(b) 20〜80質量%の量の、少なくとも1種の親水性モノマー;(c) 少なくとも1種の架橋剤;(d) 少なくとも1種の重合開始剤;および(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー。該方法は、またコンタクトレンズ型アセンブリ内で、該重合性組成物を重合して、水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率および0.3〜1.2MPaのモジュラスを持つポリマーレンズ本体を形成する工程をも含み、該ポリマーレンズ本体は、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる、複数の一級アミン官能基を含む。該方法は、また該型アセンブリから該ポリマーレンズ本体を分離する工程;該分離されたポリマーレンズ本体と、結合した1種またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤を含有する水性溶液とを接触させ、該薬剤の1種またはそれ以上の相補的な官能基と該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基との間に共有結合を形成し、それにより該薬剤を該接触処理されたポリマーレンズ本体に結合する工程;およびコンタクトレンズ容器内のコンタクトレンズ包装用溶液中に、該接触処理されたポリマーレンズ本体を包装して、完成されたコンタクトレンズを形成する工程を含む。
一例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は以下の方法を含むことができる。即ち、上記型アセンブリから上記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、該ポリマーレンズ本体または該型アセンブリに対する液体の適用を含まない機械的な脱型工程を使用し、または該型アセンブリから上記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、該ポリマーレンズ本体または金型部分に対する液体の適用を含まない機械的な脱レンズ工程を使用するか、あるいは該ポリマーレンズ本体または該型アセンブリに対する液体の適用を含まない機械的な脱型工程および該ポリマーレンズ本体または金型部分に対する液体の適用を含まない機械的な脱レンズ工程両者を使用する方法。
もう一つの例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、前記分離されたポリマーレンズ本体と一つの薬剤を含む水性溶液とを接触させる上記工程が、20〜60℃、または20〜40℃、または20〜30℃、または20〜25℃の温度にて行われる方法を含むことができる。もう一つの例において、該接触工程は6.0〜8.0、または6.5〜7.5というpH範囲にて行うことができ、あるいは約7というpHにて行うことができる。更に別の例において、該接触工程は20〜60℃の温度にて行われ、または5.0〜9.0のpHにて行われ、あるいは20〜60℃の温度かつ5.0〜9.0のpHにて行われる。もう一つの例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、更に該分離されたポリマーレンズ本体を抽出処理するか、あるいは該接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理し、あるいは該分離されたポリマーレンズ本体を抽出処理し、かつ該接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理して、未反応のモノマーを除去する工程をも含むことができる。該抽出処理は、本質的に有機溶媒を含まない抽出用媒体を用いて行うことができ、あるいは例えばアルコール等の有機溶媒を含む抽出用媒体を用いて行うことができるが、該有機溶媒の使用は、その親水性、毒性および抽出前に該ポリマーレンズ本体内に存在する未反応モノマーの量に依存する。
本開示に係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、更に上記包装に先立って、上記接触処理されたポリマーレンズ本体を洗浄する工程をも含むことができる。例えば、該洗浄工程は、上記接触工程中に該レンズ本体と共有結合しなかった該ポリマーレンズ本体から、過剰の薬剤を除去するのに効果的であり得、あるいは該洗浄は、該接触工程が中性pH以外のpHにて行われる場合に、該pHを中性とするのに効果的であり得る。
一特定例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、ある所定の方法であり得、該方法において、上記完成されたコンタクトレンズは、同一の上記重合性組成物を使用し、かつ上記分離されたポリマーレンズ本体と上記薬剤の水性溶液とを接触させる工程を含まない以外、同一の上記製造方法を用いて製造されたコンタクトレンズの接触角よりも、少なくとも10度低い接触角を持つ。該接触工程中に使用される該薬剤は、例えばN-ヒドロキシルサクシンイミド(NHS)基等の結合したエステル基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。
本開示の方法に係る任意の例においては、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、前に記載した例の何れか一つまたはその組み合わせに係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含むことができる。
本開示の方法に係る任意の例において、上記重合性組成物は、前に記載した例の何れか一つまたはその組み合わせに係る重合性組成物を含むことができる。
本開示の方法に係る任意の例において、上記結合した1またはそれ以上の相補性官能基を持つ薬剤は、前に記載した例の何れか一つまたはその組み合わせに係る薬剤を含むことができる。
一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、該一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの形成において使用される、一級アミン含有モノマーを含む混和性重合性組成物、および該一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法が見いだされた。
混和性重合性組成物が、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級メタクリルアミドモノマーを、上記重合性組成物において使用することにより調製し得ることを見出した。該重合性組成物における、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級メタクリルアミドモノマーに加えて、該重合性組成物は、(a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー;(b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー;(c) 少なくとも1種の架橋剤;および(d) 少なくとも1種の重合開始剤を含む。これらの重合性組成物は、混和性重合性組成物であり、該組成物は、重合された際に、化粧学的に許容されるコンタクトレンズを生成し、これらレンズは、眼科学的に許容される透明かつ望ましからぬ色彩(例えば、黄色または褐色の色合いが意図的に付加されない場合には、黄色または褐色でない色彩)を持たない。
重合した場合、上記重合性組成物の反応生成物は、水和させた際に、少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率および0.3〜1.2MPaのモジュラスを持つポリマーレンズ本体である。更に、該ポリマーレンズ本体は、上記少なくとも1種の一級アミン含有モノマーの重合された単位により与えられる複数の一級アミン官能基を含み、また該複数の一級アミン官能基は、該ポリマーレンズ本体が、結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ薬剤を含有する水性溶液に供された場合に、該相補的官能基との共有結合を形成する。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の一例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、遊離塩基形態で存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、塩の形態で存在し得る。更に別の例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、塩酸塩として存在し得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも0.2質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも0.5質量%、または少なくとも0.7質量%、または少なくとも1.0質量%、または少なくとも1.5質量%、または少なくとも2.0質量%の量で、該重合性組成物中に存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、20質量%未満、または10質量%未満、または15質量%未満の量で、該重合性組成物中に存在し得る。更に別の例において、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、0.2〜20.0質量%、または0.5〜15.0質量%、または0.7〜10.0質量%、または1.0〜5.0質量%、または1.0〜3.0質量%の量で、該重合性組成物中に存在し得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。もう一つの例において、該アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートモノマーまたはアルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜6、または長さにおいて炭素数4〜6、または長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を持つことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の更に別の例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。もう一つの例において、該アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜6、または長さにおいて炭素数4〜6、または長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を持つことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の一例において、上記した、長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリレートまたは長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、以下の式(2)によって表される構造を持つことができる:
METH-ALKANE-1°AMINE (2)
ここで、式(2)のMETHは、メタクリレートまたはメタクリルアミド官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数2〜8のアルカン鎖を表し、式(2)の1°AMINEは、一級アミン官能基を表す。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、上記アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、式(2)によって表される構造を持つことができ、ここにおいて式(2)のMETHはメタクリルアミド官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数2〜8のアルカン鎖を表し、かつ式(2)の1°AMINEは一級アミン官能基を表す。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、式(2)によって表される構造を持つことができ、ここにおいて式(2)のMETHはメタクリルアミド官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数2〜6のアルカン鎖を表し、かつ式(2)の1°AMINEは一級アミン官能基を表す。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、式(2)によって表される構造を持つことができ、ここにおいて式(2)のMETHはメタクリルアミド官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数2〜4のアルカン鎖を表し、かつ式(2)の1°AMINEは一級アミン官能基を表す。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物のもう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、式(2)によって表される構造を持つことができ、ここにおいて式(2)のMETHはメタクリルアミド官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数4〜6のアルカン鎖を表し、かつ式(2)の1°AMINEは一級アミン官能基を表す。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の更に別の例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、式(2)によって表される構造を持つことができ、ここにおいて式(2)のMETHはメタクリレート官能基を表し、式(2)のALKANEは、長さにおいて炭素数2〜6のアルカン鎖を表し、かつ式(2)の1°AMINEは一級アミン官能基を表す。
一例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、2-アミノエチルメタクリレート(AEMA)モノマーの一種、N-(2-アミノエチル)メタクリルアミド(AEMAA)モノマーの一種、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの一種、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
もう一つの例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、N-(2-アミノエチル)メタクリルアミド(AEMAA)モノマーの一種、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの一種、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
更に別の例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの一種であり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の一例において、上記混和性重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよい。あるいはまた、該重合性組成物は、有機溶媒または希釈剤を含むことができる。該有機溶媒または希釈剤は、15質量%未満の量で、または10質量%未満の量で、または5質量%未満の量で、該重合性組成物中に存在し得る。一特別な例において、該重合性組成物は、長さにおいて炭素数が2〜8であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができ、また15質量%未満の量で、有機溶媒または希釈剤を含むことができる。
前に論じたように、ここに記載する重合性組成物は、少なくとも1種の親水性モノマーの存在を必要とする。一例において、該少なくとも1種の親水性モノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、またはHEMAの同族体、またはこれらの組合せを含むことができる。該HEMAの同族体は、ポリエトキシ(10)エチルメタクリレート(HEMA-10)であり得る。もう一つの例において、該少なくとも1種の親水性モノマーは、HEMAを含むことができる。更に別の例において、該少なくとも1種の親水性モノマーは、該重合性組成物の少なくとも30質量%、または少なくとも40質量%、または少なくとも50質量%の量でHEMAを含むことができる。
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびHEMAの同族体であるモノマーが、一級アミン含有メタクリレートモノマーとの組合せ、または一級アミン含有メタクリルアミドモノマーとの組合せ、または一級アミン含有メタクリレートモノマーおよび一級アミン含有メタクリルアミドモノマー両者との組合せで使用して、混和性のシロキサン含有重合性組成物を製造し、該組成物を重合して、望ましからぬ色彩を持たない透明なポリマーレンズ本体を得ることができることを見出した。従って、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の一例において、該混和性重合性組成物の少なくとも1種の親水性モノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびHEMAの同族体であるモノマーから選択される少なくとも1種の親水性モノマーを含むことができ、また該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーおよび少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー両者を含むことができる。ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびHEMAの同族体であるモノマーから選択される該少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも30質量%の量で該重合性組成物中に存在でき、また該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーおよび少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー両者は、少なくとも0.5質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。
N-ビニルアミド含有親水性モノマーが、一級アミン含有メタクリルアミドモノマーとのより高い相溶性を持つことが分かった。具体的には、N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、一級アミン含有メタクリルアミドモノマーとの組合せで使用して、重合により望ましからぬ色彩を持たない透明なポリマーレンズ本体となる、混和性シロキサン含有重合性組成物を製造し得る。N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含む重合性組成物において使用した場合に、一級アミン含有メタクリレートモノマーを包含する、テストされた他の一級アミン含有モノマーは、重合した場合に、黄色または褐色の色合いを持つレンズを生成することが分かった。従って、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する該重合性組成物の一例において、該混和性重合性組成物の少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができ、また該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。
ここにおいて使用する場合、N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、分子構造内に一つのN-ビニルアミド基を含む親水性モノマーであるものと理解される。本開示に係る重合性組成物の該N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、N-ビニルホルムアミド、またはN-ビニルアセタミド、またはN-ビニル-N-エチルアセタミド、またはN-ビニルイソプロピルアミド、またはN-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)、またはN-ビニルピロリドン(NVP)、またはN-ビニルカプロラクタム、またはこれらの任意の組合せであり得る。該N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、N-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)、またはN-ビニルピロリドン(NVP)、またはこれらの任意の組合せであり得る。該N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、N-ビニル-N-メチルアセタミド(VMA)であり得る。該N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、N-ビニルピロリドン(NVP)であり得る。
HEMA、HEMA同族体、およびN-ビニルアミド含有親水性モノマーに加えて、本発明の重合性組成物に含めることのできる他の親水性モノマーの例は、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、または2-ヒドロキシエチルアクリレート、または2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、または2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、または2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(HOP)、または2-ヒドロキシブチルアクリレート、または4-ヒドロキシブチルアクリレートグリセロールメタクリレート、または2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、またはポリエチレングリコールモノメタクリレート、またはメタクリル酸(MA)、またはアクリル酸、またはN-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステル、1,4-ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、またはエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、またはジエチレングリコールビニルエーテル(DEGBE)、またはこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。
一例において、上記少なくとも1種の親水性モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)を含まない。換言すれば、上記重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。一例において、該少なくとも1種の親水性モノマーはHEMA、または少なくとも1種のHEMA同族体、またはこれらの任意の組合せを含むことができ、かつDMAを含まなくてもよい。もう一つの例において、該少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有モノマーを含むことができ、かつDMAを含まなくてもよい。更に別の例において、該少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有モノマー、HEMAを含むことができ、かつDMAを含まなくてもよい。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物の一特定例であって、そこにおける上記少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーが、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含む例において、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数が2〜8、または長さにおいて炭素数が2〜6、または長さにおいて炭素数が4〜6、または長さにおいて炭素数が2〜4であるアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも0.5質量%の量で該重合性組成物中に存在することができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーはAPMAA、またはAEMAAまたはこれらの組合せを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーはAPMAAを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーはAEMAAを含むことができる。該少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーは、30〜60質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。該少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーはNVP、VMA、およびこれらの組合せを含むことができる。該少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーは、NVPを含むことができる。該少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーはVMAを含むことができる。該重合性組成物はDMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は15質量%未満、または10質量%未満、または5質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。
上記重合性組成物の少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーは、N-ビニルアミド含有親水性モノマー以外の少なくとも1種の第二の親水性モノマーとの組合せで、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができる。該第二の親水性モノマーはHEMA、またはHEMA同族体であるモノマー、またはHEMAおよびHEMA同族体であるモノマー両者を含むことができる。該第二の親水性モノマーは、HEMAを含むことができる。該N-ビニルアミド含有親水性モノマーはNVP、またはVMA、またはこれら両者を含むことができる。該第二の親水性モノマーは、少なくとも5質量%、または少なくとも10質量%、または少なくとも15質量%の量で、該重合性組成物中に存在し得る。該第二の親水性モノマーは、1〜15質量%の量で存在し得る。該N-ビニルアミド含有モノマーは、50質量%未満、または40質量%未満、または35質量%未満の量にて、該重合性組成物中に存在し得る。
ここにおいて使用する場合、架橋剤は、分子構造の一部として2以上の重合性官能基、例えば2または3または4個の重合性官能基を含むモノマー、即ち二官能性または三官能性または四官能性モノマー等の多官能性モノマーであるものと理解される。ケイ素-含有およびケイ素を含まない架橋剤が、本開示に係る重合性組成物において使用し得る。ケイ素を含まない架橋剤の例は、制限なしに、例えばアリル(メタ)アクリレート、または低級アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、またはポリ(低級アルキレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、または低級アルキレンジ(メタ)アクリレート、またはジビニルエーテル、またはジビニルスルホン、またはジ-およびトリ-ビニルベンゼン、またはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、またはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、またはビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、またはメチレンビス(メタ)アクリルアミド、またはトリアリルフタレートおよびジアリルフタレート、またはエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、またはトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、またはトリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGDVE)、またはこれらの任意の組合せを含む。
上記架橋剤はビニル-含有架橋剤であり得る。ここにおいて使用する場合、ビニル-含有架橋剤は、分子構造内に存在する少なくとも2個の重合性炭素-炭素二重結合(即ち、少なくとも2つのビニル系重合性官能基)を持つモノマーであり、ここで該ビニル-含有架橋剤のビニル系重合性官能基中に存在する、該少なくとも2つの重合性炭素-炭素二重結合各々は、アクリレートまたはメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性官能基中に存在する炭素-炭素二重結合よりも反応性に劣っている。炭素-炭素二重結合は、ここにおいて理解されるように、アクリレートおよびメタクリレートおよびメタクリルアミド系重合性官能基中に存在するが、1またはそれ以上のアクリレートまたはメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性基を含む架橋剤(例えば、アクリレート-含有架橋剤またはメタクリレート-含有またはメタクリルアミド-含有架橋剤)は、ビニル-含有架橋剤であるとは見做されない。アクリレートまたはメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性基の炭素-炭素二重結合よりも反応性に劣る炭素-炭素二重結合を持つ重合性官能基は、例えばビニルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテルおよびアリルエステル系重合性官能基を含む。従って、ここにおいて使用する場合、ビニル-含有架橋剤は、例えばビニルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエステル、およびこれらの組合せから選択される、少なくとも2個の重合性官能基を持つ架橋剤を含む。
ここにおいて使用する場合、混合ビニル-含有架橋剤とは、アクリレートまたはメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性官能基中に存在する炭素-炭素二重結合よりも反応性に劣る、構造内に存在する少なくとも一つの重合性炭素-炭素二重結合(即ち、少なくとも一つのビニル系重合性官能基)、およびアクリレートまたはメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性官能基中の炭素-炭素二重結合と少なくとも同程度に反応性である炭素-炭素二重結合を持つ、構造内に存在する少なくとも一つの重合性官能基を持つ架橋剤である。一例において、該少なくとも1種の架橋剤は、少なくとも1種の混合ビニル-含有架橋剤を含むことができる。該少なくとも1種の混合ビニル-含有架橋剤は、少なくとも一つのビニル系重合性基および少なくとも一つのメタクリレートまたはメタクリルアミド系重合性基を持つ架橋剤を含むことができる。該少なくとも1種の混合ビニル-含有架橋剤は、アリルメタクリレート(AMA)であり得る。このAMAは、該重合性組成物中に、少なくとも0.1質量%、または少なくとも0.2質量%、または少なくとも0.3質量%の量で存在し得る。該AMAは、0.1〜10.0質量%、または0.2〜5.0質量%の量で存在し得る。
本開示に係る重合性組成物は、少なくとも1種の重合開始剤を含む。該少なくとも1種の重合開始剤は、UV-活性化開始剤、熱的に活性化される開始剤、またはこれら両者を含むことができる。開始剤の例は、ベンゾインエチルエーテル、またはベンジルジメチルケタール、またはα,α-ジエトキシアセトフェノン、または2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、またはベンゾインパーオキサイド、またはt-ブチルパーオキサイド、またはアゾビスイソブチロニトリル、またはアゾビスジメチルバレロニトリル、またはジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、またはベンゾインメチルエーテル、または1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、またはダロキュア(Darocur)(USA、NJ州、フローラムパーク(Florham Park)のBASF社から入手し得る)、またはイルガキュア(Irgacur)(同様にBASF社から入手し得る)、または2,2'-アゾビス-2-メチルプロパンニトリル(USA、DE州、ウイルミントン(Wilmington)のE.I.デュポンドゥネモアーズ&コ(E.I. DuPont de Nemours & Co.)から入手し得るVAZO-64)、または2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)(VAZO-52)、または1,1'-アゾビス(シアノシクロヘキサン)(VAZO-88)、またはこれらの任意の組合せを含む。該少なくとも1種の重合開始剤は、該重合性組成物中に、少なくとも0.1質量%、または少なくとも0.2質量%、または少なくとも0.5質量%、または少なくとも1.0質量%、または少なくとも1.5質量%、または少なくとも2.0質量%の量で存在し得る。該少なくとも1種の重合開始剤は、0.1〜5.0質量%の量で存在し得る。
上記一級アミン含有メタクリレートおよびメタクリルアミドモノマーが、多くのシロキサンモノマーおよび親水性モノマーに対して、これらシロキサンモノマーおよび親水性モノマーが20〜80質量%の範囲で上記重合性組成物中に存在した場合には、全く相溶性であることが見いだされた。幾つかの場合において、有機溶媒または有機希釈剤の添加が、混和性重合性組成物を得るために必要とされるであろう。即ち、一例において、該重合性組成物は、更に少なくとも1種の有機溶媒または有機希釈剤を含む。該有機溶媒または有機希釈剤は、少なくとも5質量%、または少なくとも10質量%、または少なくとも15質量%、または少なくとも20質量%の量で存在し得る。該有機溶媒または有機希釈剤は、0.5〜30.0質量%、または1.0〜25.0質量%、または2.0〜20.0質量%の量で存在し得る。
実施例として含まれるものを包含する多くの重合性組成物において、混和性重合性組成物は、該重合性組成物に有機溶媒または有機希釈剤を添加することなしに得られた。従って、もう一つの例において、該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または有機希釈剤を含まないものである(例えば、該重合性組成物は、該組成物の質量を基準として、0.5質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤を含む)。更に別の例において、該重合性組成物は、有機溶媒または有機希釈剤を含まなくてもよい。
HEMA-相溶性シロキサンモノマーまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーを含有するものを包含する幾つかの重合性組成物においては、混和性重合性組成物を、溶媒または希釈剤としての水を添加することにより得た。このように、一例において、該重合性組成物は、更に溶媒または希釈剤として水を含む。この水は、該重合性組成物中に、少なくとも5質量%、または少なくとも10質量%、または少なくとも15質量%、または少なくとも20質量%の量で存在し得る。該水は、0.5〜30.0質量%、または1.0〜25.0質量%、または2.0〜20.0質量%の量で存在し得る。
あるいはまた、上記重合性組成物は水を含まなくてもよい。
前に論じた如く、上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、上記重合性組成物中に遊離塩基の形態または塩の形態で存在し得る。幾つかの条件下では、有機溶媒または有機希釈剤中の該一級アミン含有モノマーの溶液を、該重合性組成物内に含むことが望ましいことであり得る。従って、更に別の例において、該重合性組成物は、7.5質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤、または5質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤、または2.5質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤、または1.0質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤を含むことができる。例えば、該重合性組成物は、0.5〜7.0質量%、または0.5〜4.5質量%、または0.5〜2.0質量%の有機溶媒または有機希釈剤を含むことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する上記重合性組成物は、空気硬化することができる(即ち、該重合反応は、幾つかの重合性組成物については重合を阻害し、かつ芳しからぬ結果を生じる恐れのある、酸素の存在する空気雰囲気の下で行うことができる)。あるいはまた、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズおよび該レンズの形成において使用する該重合性組成物は、また窒素雰囲気下等の不活性雰囲気の下で硬化することも可能である。
上述の如く、本開示に係る重合性組成物は、少なくとも1種のシロキサンモノマーを、20〜80質量%の量で含む。本開示に係る重合性組成物は、少なくとも1種のシロキサンモノマーを、20〜50質量%の量で含むことができる。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、第一のシロキサンモノマーおよび第二のシロキサンモノマーを含むことができる。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、第一のシロキサンモノマーおよび第二のシロキサンモノマーからなっていてもよい。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、単一のシロキサンモノマーからなっていてもよい。
一例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、線状のシロキサン主鎖を持つシロキサンモノマーであり得る。
もう一つの例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマー以外のシロキサンモノマーであり得る。
更に別の例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、線状のシロキサン主鎖を持ち、かつヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマー以外のシロキサンモノマーであり得る。
あるいはまた、もう一つの例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーであり得る。ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)に対して著しく相溶性であるヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーおよびHEMAの同族体であるモノマーが、一級アミン含有メタクリレートモノマーとの組合せ、または一級アミン含有メタクリルアミドモノマーとの組合せ、または一級アミン含有メタクリレートモノマーおよび一級アミン含有メタクリルアミドモノマー両者との組合せで使用し、重合により望ましからぬ色彩を持たない透明なレンズ本体となる混和性シロキサン-含有重合性組成物を製造し得ることを見出した。ここにおいて使用する場合、HEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーは、シロキサンモノマーの一つであって、その少なくとも20質量%が、有機溶媒または水が重合性組成物中に存在するか否かとは無関係に、少なくとも20質量%のHEMAまたはHEMA同族体(例えば、20〜80質量%のHEMAまたはHEMA同族体)を含む該重合性組成物に対して混和性であるようなシロキサンモノマーであるものと理解される。
上記少なくとも1種のヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーは、以下の式(3)によって表されるシロキサンモノマーであり得る:
Figure 2016524178
ここで、式(3)のR2は水素またはメチル基の何れかから選択され、式(3)のmは6〜50の整数であり、式(3)のnは1〜6の整数であり、かつ式(3)のpは8〜20の整数である。ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーの一特定例は、式(3)のシロキサンモノマーであり、ここで式(3)のR2はメチル基であり、式(3)のmは約20であり、nは約3であり、かつpは約16である。このシロキサンモノマーは、約10というHLB値および約1.2質量%というヒドロキシル基含有率を有していた。このヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーは、SiO 3と称され、また以下に開示される実施例に係る幾つかの処方物において使用される。式(3)のヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーを含む、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーおよびヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーの製造並びに精製法は、2012年8月28日付で出願された米国仮特許出願第61/694,011号および2013年3月15日付で出願された同第61/786,761号に記載されている。これらの特許出願両者を、言及により、全体としてここに組入れる。
上記少なくとも1種のHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーは、以下の式(4)により表されるシロキサンモノマーであり得る:
Figure 2016524178
ここで、式(4)のR1およびR2は、独立に水素またはメチル基の何れかから選択され、式(4)のkは0または1の整数であり、式(4)のmは0〜160の整数であり、式(4)のnは1〜75の整数であり、式(4)のpは0〜40の整数であり、かつ式(4)のqは0〜20の整数である。式(4)のHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーに関する一特定例において、式(4)のkは0または1の整数であり、式(4)のmは6〜100の整数であり、式(4)のnは1〜75の整数であり、式(4)のpは1〜40の整数であり、かつ式(4)のqは0である。式(4)のHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーに関するもう一つの特別な例において、式(4)のkは0または1の整数であり、式(4)のmは6〜60の整数であり、式(4)のnは1〜10の整数であり、式(4)のpは10〜30の整数であり、かつ式(4)のqは0である。式(4)のHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーを包含するHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマー、およびHEMAまたはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーを製造並びに精製する方法は、2012年8月28日付で出願された米国仮特許出願第61/694,011号および2013年3月15日付で出願された同第61/786,761号に記載されている。これらの特許出願両者を、言及により、全体としてここに組入れる。
一例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ケイ素-含有ビニルカーボネートモノマー、ケイ素-含有ビニルカルバメートモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端を持つポリジメチルシロキサンモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端を持ちモノ-n-ブチル末端を持つポリジメチルシロキサンモノマー、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、少なくとも1種のシロキサンモノマーを含むことができる。
このように、HEMA-またはHEMA同族体-相溶性シロキサンモノマーを含む処方物の一例において、上記重合性組成物は、30〜80質量%の量の、少なくとも1種のヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマー、少なくとも30〜80質量%の量の、HEMA、HEMAの同族体およびこれらの組合せから選択される少なくとも1種の親水性モノマー、および少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。もう一つの例において、該重合性組成物は、30〜80質量%の量の、少なくとも1種のヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマー、少なくとも30〜80質量%の量の、HEMA、HEMAの同族体およびこれらの組合せから選択される少なくとも1種の親水性モノマーを含むことができ、該親水性モノマーは、本質的にN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含まないものであり得、また少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーおよび少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー両者を含むことができる。更に別の例において、該重合性組成物は、20〜80質量%の量の、少なくとも1種のヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマー、少なくとも5質量%の量のHEMA、少なくとも20〜80質量%の量の、少なくとも1種のN-ビニルアミン含有親水性モノマー、および少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。上記例の何れかにおいて、該重合性組成物は、有機溶媒または希釈剤を本質的に含まないものであり得、あるいは10質量%未満の、有機溶媒または希釈剤を含むことができる。
もう一つの例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、以下の式(5)によって表されるシロキサンモノマーを含むことができる:
Figure 2016524178
ここで、式(5)のR1は水素原子またはメチル基の何れかから選択され、式(5)のR2は水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基の何れかから選択され、式(5)のmは0〜10の整数を表し、式(5)のnは4〜100の整数を表し、aおよびbは1またはこれを超える整数を表し、a+bは20-500に等しく、b/(a+b)は0.01-0.22に等しく、かつシロキサン単位の配置はランダム配置を含む。
実施例において使用する上記シロキサンモノマーの一つである、SiO 2はα,ω-ビス(メタクリルオキシプロピル)-ポリ(ジメチルシロキサン)-ポリ(ω-メトキシ-ポリ(エチレングリコール)プロピルメチルシロキサン)であり、これは式(5)のシロキサンモノマーの一つである。この化合物の合成は、US 20090234089に記載されているようにして実施することができる。この文献を、言及によりここに組入れる。
更に別の例において、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、以下の式(6)により表されるシロキサンモノマーを含むことができる:
Figure 2016524178
ここで、式(6)のnは、13-16の整数であり、かつその数平均分子量は、約1,500ダルトンである。
ここに記載する混和性重合性組成物は、この混和性重合性組成物を重合して、少なくとも30%という平衡含水率を持つレンズ本体を製造する際に、より低分子量のシロキサンモノマーと共に使用するのに特に適したものであり得ることが分かった。該少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、1,000ダルトン未満の数平均分子量を持つ少なくとも一つのシロキサンモノマーを含むことができる。該少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、3-[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(TRIS)、3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(SiGMA)、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールエチルメタクリレート(SiGEMA)、モノメタクリルオキシプロピル末端を持つポリジメチルシロキサン(MCS-M11)、これらの任意の組合せからなる群から選択される、少なくとも1種のシロキサンモノマーを含むことができる。該少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、3-[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(TRIS)を含むことができる。該少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(SiGMA)を含むことができる。一例において、該少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、上記重合性組成物中に、20〜50質量%、または30〜50質量%の量で存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも一つのシロキサンモノマーが、より低分子量のシロキサンモノマーである場合、上記少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーであり得、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。もう一つの例において、該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。更に別の例において、上記混和性重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まないものであり得、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。
より低分子量のシロキサンモノマーの特定の例は、以下に説明するように、式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含む。この一般的な分子構造を持つより低分子量のシロキサンモノマーは、本開示に係る混和性重合性組成物に対して著しく相溶性であることが分かった。一例において、該少なくとも1種の、式(1)のより低分子量のシロキサンモノマーは、該重合性組成物中に、20〜50質量%、または30〜50質量%の量で存在し得る。もう一つの例において、該少なくとも1種のシロキサンモノマーが、式(1)のより低分子量のシロキサンモノマーである場合、上記少なくとも1種の親水性モノマーは、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーであり得、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。もう一つの例において、該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。更に別の例において、該混和性重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むこともできる。
上記少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、以下の式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含むことができる:
Figure 2016524178
ここで、式(1)のmは3〜10の一整数を表し、式(1)のnは1〜10の一整数を表し、式(1)のR1は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、かつ式(1)の各R2は独立に水素原子またはメチル基の何れかであり、その第一のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンという数平均分子量を持つ。
上記少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含むことができ、ここで式(1)のmは4〜10の一整数を表し、式(1)のnは1〜10の一整数を表し、式(1)のR1は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、および式(1)の各R2は独立に水素原子またはメチル基の何れかであり、その第一のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を持つ。
上記少なくとも1種のより低分子量のシロキサンモノマーは、式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含むことができ、ここで式(1)のmは4であり、式(1)のnは1〜10の一整数を表し、式(1)のR1は炭素原子数4のアルキル基であり、式(1)のR2の一つは水素原子であり、かつ式(1)の他方のR2はメチル基であり、その第一のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を持つ。
実施例において使用されるシロキサンモノマーの一つであるSiO 1は、2-プロペン酸、2-メチル-、2-[3-(9-ブチル-1,1,3,3,5,5,7,7,9,9-デカメチルペンタシロキサン-1-イル)プロポキシ]エチルエステル(CAS No.1052075-57-6)であり、また日本国、東京の信越化学社(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)から製品番号X-22-1622として得られた。SiO 1は、ここに記載の式(1)のバージョンの何れかまたは全てに従う、式(1)のシロキサンモノマーであるものと理解される。
本開示に係る重合性組成物は、場合によって、例えば着色剤(tinting agent)、UV遮断剤、ホスフィンオキサイド-含有化合物等の追加の成分を含むことができる。
着色剤は、例えばバットブルー(VAT Blue) 6 (7,16-ジクロロ-6,15-ジヒドロアントラジン(dihydroanthrazine)-5,9,14,18-テトロン)、または1-アミノ-4-[3-(β-スルファトエチルスルホニル)アニリオ]-2-アンスラキノンスルホン酸(C.I.リアクティブブルー(Reactive Blue) 19、RB-19)、またはリアクティブブルー19とヒドロキシエチルメタクリレートとのモノマー-染料化合物(RB-19-HEMA)、または1,4-ビス[4-[(2-メタクリルオキシエチル)フェニルアミノ]アンスラキノン(アイルランド、アスロン(Athlone, Ireland)のアランケミカル社(Arran Chemical Company)から入手できるリアクティブブルー(Reactive Blue) 246、RB-246)、または1,4-ビス[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-9,10-アンスラセンジオンビス(2-プロペン酸)エステル(RB-247)、またはリアクティブブルー(Reactive Blue) 4、RB-4、またはリアクティブブルー4とヒドロキシエチルメタクリレートとのモノマー-染料化合物(RB-4 HEMAまたは「ブルーHEMA(Blue HEMA)」)、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。一例において、該着色剤または着色剤成分は重合性着色剤を含むことができる。該重合性着色剤成分は、例えばRB-246、またはRB-247、またはRB-4 HEMA、またはRB-19-HEMA、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。モノマー-染料化合物の例は、RB-4 HEMAおよびRB-19 HEMAを含む。モノマー-染料化合物の追加の例は、US 5944853およびUS 7216975において記載されている。言及により、これら文献を、全体としてここに組入れる。
UV遮断剤は、ここに記載する実施例の処方物の幾つかにおいて使用する、例えば2-(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート CAS No.16432-81-8、および2-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート(UVブロック(UV遮断剤(UV Bloc)) CAS No.96478-09-0を含むことができる。
ホスフィンオキサイド-含有化合物は、ここに記載する実施例の処方物の幾つかにおいて使用する、例えばトリフェニルホスフィン(TPP) CAS No.603-35-0、およびジフェニル(P-ビニルフェニル)ホスフィン(pTPP) CAS No.40538-11-2を含むことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり得、そこにおいて上記薬剤に結合した相補的官能基は、そのポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基に共有結合している。共有結合は該薬剤の相補的官能基と該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミノ基との間に存在するので、結果として該薬剤は、該ポリマーレンズ本体と結合している。一例において、該薬剤に結合した相補的官能基はエステルを含むことができ、かつ該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、アミン-エステル結合を通して、該薬剤に結合した相補的官能基と共有結合し得る。もう一つの例において、該薬剤に結合した相補的官能基はアルデヒドを含むことができ、また該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、アミン-アルデヒド結合を通して、該薬剤に結合した相補的官能基と共有結合し得る。もう一つの例において、該薬剤に結合した相補的官能基はケトンを含むことができ、また該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、アミン-ケトン結合を通して、該薬剤に結合した相補的官能基と共有結合し得る。更に別の例において、該薬剤に結合した相補的官能基はカルボン酸を含むことができ、かつ該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基は、アミン-カルボン酸結合を通して、該薬剤に結合した相補的官能基と共有結合し得る。アミン官能基と共有結合を形成することが知られている相補的官能基の追加の例は、米国公開特許出願US 2006/0105026、同US 2007/0286891、および同US 2009/0018575に記載されている。これら公開特許出願各々を、言及により、全体としてここに組入れる。
使用可能なエステル官能基の一特定例は、N-ヒドロキシルサクシンイミド(NHS)基である。本開示に係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの一例において、上記薬剤は結合した1またはそれ以上のNHS基を持つことができ、また上記一級アミン官能基と該薬剤に結合した相補的官能基との間に形成される共有結合は、アミン-サクシンイミドエステル結合であり得る。
上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ薬剤は、薬理的に活性な薬剤であり得る。例えば、該薬理的に活性な薬剤は、抗菌薬、または抗アレルギー薬、またはドライアイを治療するための薬剤、または目の疾患または状態、例えば緑内障または黄班部変性等を治療するための薬剤であり得る。
上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ上記薬剤は、連結剤であり得る。ここで使用する場合、連結剤は、他の官能基と結合あるいはまたこれと相互作用して、上記レンズ本体のポリマー構造の一部である第一の官能基と、該ポリマーレンズ本体の一部ではない成分の第二の官能基との間に結合を形成し得る1またはそれ以上の相補的官能基を持つ薬剤であるものと理解される。例えば、連結剤は、それ自体は湿潤剤または薬理的な薬剤ではあり得ないが、レンズ本体に対する薬理学的薬剤または湿潤剤を結合するのに役立ち、あるいはまたその結合を補助するのに貢献し得る。例えば、該連結剤は、2またはそれ以上の相補的な官能基を含むことができ、該官能基の一つは、該レンズ本体と共有結合性アミン結合を形成することができ、またその一つは、該レンズ本体に結合すべき該薬理学的薬剤または湿潤剤と共有結合、またはイオン結合、または水素結合等を形成することができる。
上記結合した1またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤は、湿潤剤であり得る。ここにおいて使用する場合、湿潤剤とは、ポリマーレンズ本体の湿潤性、または潤滑性、または親水性、またはこれらの任意の組合せを高めることのできる薬剤であるものと理解される。一例において、単独のポリマーレンズ本体が、眼科学的に許容される湿潤性を持たない場合、アミン結合を介して該ポリマーレンズ本体に湿潤剤を共有結合することは、眼科学的に許容される湿潤性を持つ、改善されたポリマーレンズ本体の製造を可能とする。単独のポリマーレンズ本体が、限界のまたは最小レベルの湿潤性を持つもう一つの例において、アミン結合を介して該ポリマーレンズ本体に湿潤剤を共有結合することは、より高レベルの湿潤性を持ち、かつ一層着実に湿潤し得る、改善されたポリマーレンズ本体の製造を可能とする。一例において、該結合した1またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤は、湿潤剤であり得、また該結合した薬剤を含む該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、70度未満、または60度未満、または50度未満の接触角を持つコンタクトレンズであり得る。例えば、該接触角は0〜69度、または0〜59度、または0〜49度であり得る。
上記接触角は動的接触角であり得、あるいは静的接触角であってもよい。該動的接触角は、前進接触角であり得、あるいは後退接触角であり得る。該接触角は、当業者には公知のルーチン法、例えば静滴法またはキャプティブバブル(captive bubble)法等を利用して測定することができる。
上記結合した1またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤は、少なくとも一つの結合した相補的官能基を持つポリマー系薬剤であり得る。該ポリマー系薬剤は、コポリマーであり得る。該ポリマー系薬剤は、ホモポリマーであり得る。該ポリマー系薬剤は、線状ポリマーであり得る。該ポリマー系薬剤は、分枝ポリマーであり得る。
上記結合した1またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤は、少なくとも一つの結合したNHS官能基を持つポリマー系薬剤であり得る。該少なくとも一つの結合したNHS官能基を持つ薬剤は、NHS-誘導体化ビニルピロリドンホモポリマー、またはNHS-誘導体化ビニルピロリドンコポリマーを包含する、NHS-誘導体化ビニルピロリドンポリマーであり得る。該NHS-誘導体化ビニルピロリドンコポリマーは、NHS-誘導体化ビニルピロリドン-アクリル酸コポリマーであり得る。NHS-誘導体化ビニルピロリドン-アクリル酸コポリマーを含むNHS-誘導体化ポリマーの例は、US 2006/0105026、US 2007/0286891、およびUS 2009/0018575に記載されている。これら各々を、言及により、全体としてここに組入れる。
上記少なくとも一つの結合したNHS官能基を持つ薬剤は、構造内に存在する少なくとも一つのNHSエステル-含有官能基を持つポリマーであり得る。該ポリマーの構造内に存在する該少なくとも一つのNHSエステル-含有官能基は、アクリル酸NHSエステルによって与えることができる。従って、該薬剤は、アクリル酸NHSエステルホモポリマー、またはアクリル酸NHSエステルコポリマーを含む、アクリル酸NHSエステルポリマーを含むことができる。該アクリル酸NHSエステルコポリマーは、ビニルピロリドン-アクリル酸NHSエステルコポリマーであり得る。該アクリル酸NHSエステルコポリマーは、ビニルピロリドン-アクリル酸-アクリル酸NHSエステルターポリマーであり得る。ビニルピロリドン-アクリル酸NHSエステルコポリマーおよびビニルピロリドン-アクリル酸-アクリル酸NHSエステルターポリマーを包含するNHSエステルポリマーの例は、US 2006/0105026、US 2007/0286891、およびUS 2009/0018575に記載されている。これら各々を、言及により、全体としてここに組入れる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの一特定例において、上記薬剤は、少なくとも一つの結合したエステル基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。該薬剤は、少なくとも一つの結合したNHS官能基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。NHS官能基を持つ該結合したポリマー系湿潤剤を含む、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、70度未満、例えば60度未満、または50度未満の接触角を持つことができる。該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成するのに使用する上記重合性組成物は、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができ、また上記の少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、上述の如き式(2)で表される少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、APMAAであり得る。該重合性組成物はDMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、より低分子量のシロキサンモノマー、例えば1,000ダルトン未満の分子量を持つシロキサンモノマー、または上記の如き式(1)で表されるより低分子量のシロキサンモノマーであり得る。
上記薬剤が少なくとも一つの結合したエステル基を持つポリマー系湿潤剤である、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのもう一つの特定例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成するのに使用する上記重合性組成物は、HEMA、または少なくとも1種のHEMAの同族体を含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれら両者を含むことができる。該薬剤は、少なくとも一つの結合したNHS官能基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。該NHS官能基を持つ結合したポリマー系湿潤剤を含む該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、70度未満、例えば60度未満、または50度未満の接触角を持つことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれら両者は、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーは、上で説明したような、式(2)で表される一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーはAEMAであり得る。該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。該重合性組成物は、希釈剤として、少なくとも10質量%の水を含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーであり得る。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、HEMA-相溶性シロキサンモノマーであり得る。
上記結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ薬剤は、少なくとも一つの結合した相補的官能基を持つモノマー系薬剤であり得る。例えば、結果として該モノマー系薬剤の少なくとも一つの結合した相補的官能基が、上記ポリマーレンズ本体の一級アミノ基とアミン結合を形成するように、該ポリマーレンズ本体を、該モノマー系薬剤と接触させることができる。該結合したモノマー系薬剤を含む該ポリマーレンズ本体は、次いで該モノマー系薬剤をそれ自体、または第二のモノマーと共に重合するように、反応させることができる。該第二のモノマーは、湿潤剤、または薬理学的薬剤であり得る。
上記薬剤が、モノマー系薬剤を含む例において、本発明の製造方法は、更に少なくとも上記ポリマーレンズ本体表面上に存在する該モノマーを重合する工程をも含むことができる。該ポリマーレンズ本体をコンタクトレンズ包装用溶液と共にコンタクトレンズ容器内に包装する前に、該モノマー系薬剤を重合することが可能である。あるいはまた、該ポリマーレンズ本体をコンタクトレンズ包装用溶液と共にコンタクトレンズ容器内に包装した後に、該モノマー系薬剤を重合することが可能である。例えば、オートクレーブ処理工程中に、該封止されたコンタクトレンズ包装体に適用された熱は、該包装されたポリマーレンズ本体の少なくとも表面上で該モノマー系薬剤の熱重合を引起すことができる。
前に述べたように、本開示は、またここに開示された一級アミン含有シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法をも対象とする。該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、混和性重合性組成物を準備する工程を含み、該重合性組成物は、(a) 20〜80質量%の量の、少なくとも1種のシロキサンモノマー;(b) 20〜80質量%の量の、少なくとも1種の親水性モノマー;(c) 少なくとも1種の架橋剤;(d) 少なくとも1種の重合開始剤;および(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含む。該方法は、またコンタクトレンズ型アセンブリ内で、該重合性組成物を重合して、水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率および0.3〜1.2MPaのモジュラスを持つポリマーレンズ本体を製造する工程をも含み、該ポリマーレンズ本体は、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる、複数の一級アミン官能基を含む。該方法は、更に該型アセンブリから該ポリマーレンズ本体を分離する工程;該分離されたポリマーレンズ本体と、結合した1またはそれ以上の相補的官能基を持つ薬剤を含有する水性溶液とを接触させ、該薬剤の1またはそれ以上の相補的な官能基と該ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基との間に共有結合を形成し、それにより該薬剤を該接触処理されたポリマーレンズ本体に結合する工程;およびコンタクトレンズ容器内のコンタクトレンズ包装用溶液中に、該接触処理されたポリマーレンズ本体を包装して、完成されたコンタクトレンズを形成する工程を含む。
一例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、上記型アセンブリから上記ポリマーレンズ本体を取出す工程が、該ポリマーレンズ本体または該型アセンブリに対する液体の適用を含まない、機械的な脱型工程を用いる方法を含むことができる。もう一つの例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、該型アセンブリから該ポリマーレンズ本体を取出す工程が、該ポリマーレンズ本体または金型部分に対する液体の適用を含まない、機械的な脱レンズ工程を使用する方法を含むことができる。更に別の例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、該型アセンブリから該ポリマーレンズ本体を取出す工程が、該ポリマーレンズ本体または該型アセンブリに対する液体の適用を含まない、機械的な脱型工程および該ポリマーレンズ本体または金型部分に対する液体の適用を含まない、機械的な脱レンズ工程両者を使用する方法を含むことができる。
一例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、上記分離されたポリマーレンズ本体と、所定の薬剤を含有する水性溶液とを接触させる上記工程が、20〜60℃、または20〜40℃、または20〜30℃、または20〜25℃の温度にて行われる方法を含むことができる。もう一つの例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、該分離されたポリマーレンズ本体と、所定の薬剤を含有する水性溶液とを接触させる該工程が、5.0〜9.0のpHにて行われる方法を含むことができる。該pHは、6.0〜8.0、または6.5〜7.5であり得、あるいは約7であり得る。更に別の例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、該分離されたポリマーレンズ本体と、所定の薬剤を含有する水性溶液とを接触させる該工程が、20〜60℃、または20〜40℃、または20〜30℃、または20〜25℃の温度にて、かつ5.0〜9.0、または6.0〜8.0、または6.5〜7.5のpHにおいて、または約7のpHにて行われる方法を含むことができる。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、更に上記ポリマーレンズ本体を抽出する工程を含むことができる。該抽出工程は、該ポリマーレンズ本体から未反応のモノマーを除去するのに効果的であり得る。重合後に該ポリマーレンズ本体中に存在する可能性のある該未反応のモノマーが有害である可能性があることから、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズにとって、この工程は、特に重要となる可能性がある。上記重合性組成物において使用した上記成分および重合が起こる上記条件に依存して、該ポリマーレンズ本体を抽出処理し、該本体を眼内で使用するのに適したものとしなければならない程の有り余る量で、これらの有害なモノマーが存在する可能性がある。該ポリマーレンズ本体の抽出は、該ポリマーレンズ本体から該未反応モノマーの少なくとも一部分を除去して、該本体を眼内で使用するのに適したものとするのに役立つ。
場合により、ここに開示する製造方法は、更に抽出工程を含むことができる。一例において、該抽出工程において抽出処理されるポリマーレンズ本体は、分離されたポリマーレンズ本体(即ち、抽出に先立って脱型されおよび脱レンズされているポリマーレンズ本体)を含むことができる。該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、更に該分離されたポリマーレンズ本体を抽出処理する工程を含むことができる。もう一つの例において、該抽出工程において抽出処理されるポリマーレンズ本体は、接触処理されたポリマーレンズ本体(即ち、脱型されおよび脱レンズされており、また次いで抽出処理される前に、接触処理されているポリマーレンズ本体)を含むことができる。該製造方法は、更に該接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理する工程をも含むことができる。更に別の例において、該製造方法は、更に該分離されたポリマーレンズ本体および該接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理する工程をも含むことができる。該抽出は、有機溶媒を本質的に含まない抽出用媒体を用いて行うことができ、あるいは抽出前に該ポリマーレンズ本体中に存在する未反応モノマーの親水性、毒性および量に応じて、例えばアルコール等の有機溶媒を含む抽出用媒体を用いて行うことができる。該未反応のモノマー(1または複数)が、上記接触用薬剤を含有する水性溶液に対して高度に溶解性である場合、該接触用薬剤を含有する水性溶液が、抽出用媒体として貢献することができ、また該接触工程は抽出工程としての役割を果たすことができる。
本開示に係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法の一特定例において、未反応のモノマーを除去するための上記ポリマーレンズ本体を抽出処理する上記工程が、本質的に有機溶媒を含まない抽出用媒体の使用を含む場合、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成するのに使用する上記重合性組成物は、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、上述のような式(2)で表される一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、APMAAであり得る。該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、より低分子量のシロキサンモノマー、例えば1,000ダルトン未満の数平均分子量を持つシロキサンモノマー、または上述のような式(1)で表されるより低分子量のシロキサンモノマーであり得る。上記分離されたポリマーレンズ本体と所定の薬剤を含む水性溶液とを接触させる上記工程は、20〜60℃の温度にて、または5.0〜9.0のpHにて、あるいは20〜60℃の温度かつ5.0〜9.0というpHの両条件の下にて行うことができる。
本開示に係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法のもう一つの特定例において、未反応のモノマーを除去するための上記ポリマーレンズ本体を抽出処理する上記工程が、本質的に有機溶媒を含まない抽出用媒体の使用を含む場合、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成するのに使用する上記重合性組成物は、HEMAあるいは少なくとも1種のHEMAの同族体を含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれら両者を含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれら両者は、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーは、上記した如き式(2)で表される一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーは、AEMAであり得る。上記重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。該重合性組成物は、希釈剤として、少なくとも10質量%の水を含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーであり得る。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、HEMA-相溶性シロキサンモノマーであり得る。上記分離されたポリマーレンズ本体と所定の薬剤を含む水性溶液とを接触させる上記工程は、20〜60℃の温度、または5.0〜9.0のpHにて、あるいは20〜60℃の温度かつ5.0〜9.0地うpHの両条件下にて行うことができる。
本開示に係るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、更に上記接触処理されたポリマーレンズ本体を、その包装に先立って洗浄する工程をも含むことができる。一例において、該洗浄工程は、該ポリマーレンズ本体から、上記接触処理工程中に該レンズ本体と共有結合しなかった過剰の薬剤を除去するのに効果的である可能性がある。もう一つの例において、該洗浄工程は、該接触処理工程が、中性pH以外のpHにて行われた場合には、このpHを中和するのに有効である可能性がある。更に別の例において、該洗浄工程は、該ポリマーレンズ本体から、該接触処理工程中に該レンズ本体と共有結合しなかった過剰の薬剤を除去するために、かつ該接触処理工程が、中性pH以外のpHにて行われた場合に、このpHを中和するために有効である可能性がある。
一特定例において、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法は、上記完成されたコンタクトレンズが、同一の上記重合性組成物を使用し、かつ同様な上記製造方法であって、そこにおける上記分離されたポリマーレンズ本体と上記薬剤の水性溶液とを接触させる工程を含まない該製造方法を用いて製造されたコンタクトレンズに関する接触角よりも、少なくとも10度低い接触角を持つような方法であり得る。該接触工程中に使用される該薬剤は湿潤剤であり得る。該接触工程中に使用される該薬剤は、結合した少なくとも一つのエステル官能基、または少なくとも一つのアルデヒド官能基、または少なくとも一つのケトン官能基、または少なくとも一つのカルボン酸官能基を持つ湿潤剤であり得る。該接触工程中に使用される該薬剤は、結合した少なくとも一つのエステル官能基を持つ湿潤剤であり得る。該薬剤は、結合した少なくとも一つのNHS基を持つ湿潤剤であり得る。該薬剤は、結合した少なくとも一つのNHS基を持つポリマー系湿潤剤であり得る。該方法に係る該ポリマーレンズ本体を形成するのに使用する該重合性組成物は、少なくとも1種のN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、上記の如き式(2)で表される一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、APMAAであり得る。該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、より低分子量のシロキサンモノマー、例えば1,000ダルトン未満の分子量を持つシロキサンモノマー、または上記の如き式(1)で表されるより低分子量のシロキサンモノマーであり得る。
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製法が、所定の方法であって、そこにおいて完成されたコンタクトレンズが、同一の上記重合性組成物を使用し、かつ同一の上記製造方法であって、そこにおける上記分離されたポリマーレンズ本体と上記湿潤剤の水性溶液とを接触させる工程を含まない該製造方法を用いて製造されたコンタクトレンズに関する接触角よりも、少なくとも10度低い接触角を持つような方法である、もう一つの特定例において、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーレンズ本体を形成するのに使用する該重合性組成物は、HEMA、または少なくとも1種のHEMAの同族体を含むことができ、また上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれら両者を含むことができる。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー、または少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、またはこれらの両者は、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーは、上記の如き式(2)で表される一級アミン含有メタクリレートモノマーであり得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーは、AEMAであり得る。該重合性組成物は、DMAを含まなくてもよい。該重合性組成物は、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含まなくてもよい。該重合性組成物は、本質的に有機溶媒または希釈剤を含まなくてもよく、あるいは10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含むことができる。該重合性組成物は、少なくとも10質量%の水を、希釈剤として含むことができる。上記少なくとも1種のシロキサンモノマーは、ヒドロキシル末端を持つシロキサンモノマーであり得る。該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、HEMA-相溶性シロキサンモノマーであり得る。上記接触工程中に使用する上記薬剤は、結合した少なくとも一つのエステル官能基、または少なくとも一つのアルデヒド官能基、または少なくとも一つのケトン官能基、または少なくとも一つのカルボン酸官能基を持つ湿潤剤であり得る。該接触工程中に使用する薬剤は、結合した少なくとも一つのエステル官能基を持つ湿潤剤であり得る。該薬剤は結合した少なくとも一つのNHS基を持つ湿潤剤であり得る。該薬剤は、結合した少なくとも一つのNHS基を持つポリマー系の湿潤剤であり得る。
特に述べない限り、ここに与えられているあらゆる質量%(wt%)は、上記組成物の全質量を基準としている。
以下の実施例は、本発明の幾つかの局面および利点を説明するものであり、本発明は、これにより限定されるものではないものと理解すべきである。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造およびテスト手順
実施例において提示した化合物を、各実施例に対して、記載された質量%に相当する量で秤取り、かつ混ぜ合わせて、混合物を形成した。この混合物を、0.2-5.0μmのシリンジフィルタを通してボトル内に濾し取った。混合物は、約2週間まで保存された。これらの混合物は、重合性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズプリカーサ組成物、あるいはここで使用する如く重合性組成物であるものと理解される。
一定体積の上記重合性組成物を、雌型部材のレンズ画成表面と接触状態で配置することにより該組成物を流込み成形した。次いで、雄型部分を該雌型部材と接触状態において、該重合性組成物を含有するコンタクトレンズ形状を持つキャビティーを含むコンタクトレンズ型アセンブリを形成した。以下の実施例全てにおいて、雌型および雄型部材両者の成形表面は、極性樹脂を使用することも可能であるが、射出成型による非極性樹脂、特にポリプロピレン製であった。
上記充填されたコンタクトレンズ型アセンブリを、空気雰囲気を含むオーブン内に置いて、上記重合性組成物を熱的に反応させたが、窒素フラッシュ処理されたオーブンを使用することが可能である。実施例全体に対して、該コンタクトレンズ型アセンブリを、約2時間に渡り少なくとも約55℃の温度に暴露した。ここに記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを硬化するのに使用することのできる硬化プロファイルの例は、該コンタクトレンズ型アセンブリを40分間に渡り55℃の温度に、40分間に渡り80℃の温度に、および40分間に渡り100℃の温度に暴露することを含む。他のコンタクトレンズは、同一の硬化プロファイルにより製造し得るが、該第一の温度55℃の代わりに、該温度は65℃であり得る。
上記重合性組成物を重合して、上記ポリマーレンズ本体を形成した後、上記コンタクトレンズ型アセンブリを、乾式機械的脱型法を用いて脱型し、その雄型および雌型部材を分離した。該脱型の後、該重合コンタクトレンズ本体は、該雄型または雌型に付着したままであった。次いで、該重合コンタクトレンズ本体を、乾式機械的脱レンズ工程を利用して、該雄型から脱レンズ処理して、脱レンズされた重合コンタクトレンズ本体を生成したが、該脱型されたレンズが該雄型から解放されるまで、これらレンズを水または水性溶液に浸漬することを含む、「フロートオフ(float-off)」脱レンズ工程も使用することができる。
これら実施例に係る脱レンズされたポリマーレンズ本体を、15分間に渡り、2mLの脱イオン水を含む別々のコンタクトレンズブリスター容器内に別々に入れて、該レンズ本体を抽出し、洗浄しかつ水和させたが、その他の容量の水、他の水性媒体、およびその他の継続時間を使用することも可能である。次に、該脱イオン水を除去し、またリン酸緩衝生理食塩水を、該ブリスター包装体に添加し、また該ブリスター包装体を封止し、かつオートクレーブ処理した。これら実施例に係るポリマーレンズ本体を、所定の薬剤とは接触させなかったが、該レンズ本体と該薬剤との接触処理工程は、抽出工程前、または抽出工程後、または洗浄工程前、または洗浄工程後に行うことができ、あるいは該薬剤は、上記包装溶液中に存在することができ、あるいはこれらを任意に組合せることができる。
実施例3のレンズに関連して、滅菌後に、モジュラス、伸び、引張強さ、平衡含水率、湿式抽出可能物(wet extractables)、イオン流量(ionoflux)、および接触角を包含するレンズの諸特性を、以下に記載する方法を利用して測定した。
上記平衡含水率(EWC)は、以下の方法を用いて測定した:水和させたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを水性流体から取出し、拭って過剰の表面の水を除去し、かつ計量した。次に、この計量したレンズを、減圧下で80℃にてオーブン内で乾燥させ、次にこの乾燥させたレンズを計量した。該乾燥レンズの重量を、該水和されたレンズの重量から差し引くことにより、その重量における差を決定した。含水率(%)は、(重量の差/水和重量)×100である。
これら実施例に係るレンズの酸素透過率(Dk)は、米国特許第5,817,924号に記載されているようなモコン法(Mocon Method)を用いて測定した。該米国特許を、言及によりここに組み入れる。該Dkの値は、モデル名モコンオクストランシステム(MOCONTM Ox-Tran System)(米国, MN州,ミネアポリス(Minneapolis, MN, USA)のモコン社(Mocon Inc.))の下で市販品として入手できる測定器を用いて測定され、またDk/t単位で報告される。
前進および後退接触角は、クラスDSA 100(Kruss DSA 100)測定器(ハンブルグ(Hamburg)のクラス(Kruss) GmbH)を用い、かつD.A.Brandreth:「動的接触角および接触角のヒステリシス(Dynamic contact angles and contact angle hysteresis)」, Journal of Colloid and Interface Science, 1977, vol.62, pp.205-212;およびR.Knapikowski, M.Kudra: Kontaktwinkelmessungen nach dem Wilhelmy-Prinzip-Ein statistischer Ansatz zur Fehierbeurteilung", Chem.Technik, 1993, vol.45, pp.179-185;および米国特許第6,436,481号において記載されている如く測定した。これら文献を言及によりここに組入れる。
一例として、前進接触角および後退接触角は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH=7.2)を使用し、キャプティブバブル法を用いて測定した。上記レンズは、石英表面上で偏平にされ、テスト前に少なくとも10分間に渡りPBSで再度水和させた。自動化シリンジシステムを用いて、気泡をレンズ表面に配置した。該気泡の寸法は、該後退角度(該気泡の寸法を増大した際に、プラトーが得られた)および前進角度(該気泡の寸法を減じた際に、プラトーが得られた)を得るために増減された。
上記モジュラス、伸び、および引張強さの値は、ANSI Z80.20に従うテスト法を用いて測定された。ここに報告した該モジュラス、伸び、および引張強さの値は、インストロンモデル(Instron Model) 3342または3343機械的テストシステム(米国, MA州, ノルウッド(Norwood, MA, USA)のインストロン社(Instron Corporation))およびブルーヒルマテリアルズテスティングソフトウエア(Bluehill Materials Testing Software)を使用し、矩形のサンプルストリップを調製するために、注文製造の矩形コンタクトレンズ抜型を使用して決定した。該モジュラス、伸び、および引張強さは、少なくとも70%の相対湿度を持つチャンバー内で測定された。該テストすべきレンズは、テスト前に少なくとも10分間に渡り、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に浸した。該レンズの窪んだ側を上に維持しつつ、該レンズの中心ストリップを、抜型を用いて切出した。該ストリップの厚みは、較正されたゲージ(レーダーエレクトロニック厚みゲージ(Rehder electronic thickness gauge), USA, CA州, カストロバレー(Castro Valley, CA, USA)のレーダーディベロップメント社(Rehder Development Company))を用いて測定した。ピンセットを用いて、該ストリップを、該較正されたインストロン装置のグリップに、これが各グリップのグリップ表面の少なくとも75%に適合するように装填した。最大の負荷(N)、引張強さ(MPa)、最大負荷の下での歪(%伸び)および該引張モジュラス(MPa)の平均および標準偏差を測定するように設計されているテスト法を実施し、その結果を記録した。
上記湿式抽出可能な成分の割合は、ソックスレー(Sohxlet)抽出法を利用して、メタノール中で上記レンズを抽出することにより決定した。該湿式抽出可能な成分の決定のために、5個の完全に水和させかつ滅菌したコンタクトレンズからなるサンプルを、各レンズから過剰の包装溶液を除去し、またこれらを80℃の真空オーブン内で一夜乾燥することにより調製した。乾燥し、かつ冷却してから、各レンズを計量して、その初期の乾燥重量(W1)を決定した。次に、各レンズを有孔で積重ね可能なテフロン(登録商標)(Teflon)製シンブルに配置し、該シンブルを積重ねて抽出カラムを形成し、空のシンブルを該カラムの上部に設置した。該抽出カラムを、冷却器および70-80mLのメタノールを含む丸底フラスコに取付けられた小さなソックスレー抽出器内に配置した。該冷却器に水を循環させ、かつ該メタノールを、これが穏やかに沸騰するまで加熱した。凝縮したメタノールが最初に出現した時点から少なくとも4時間に渡り、該レンズを抽出した。該抽出処理したレンズを、再度、真空オーブン内で80℃にて一夜乾燥した。乾燥し、かつ冷却してすぐに、各レンズを計量して、該抽出処理したレンズの乾燥重量(W2)を決定し、各レンズについて以下の計算を行って、%湿式抽出可能物を決定した:[(W1-W2)/W1] x 100
以下の実施例のレンズに対して、米国特許第5,849,811号に記載されている「イオノフラックステクニック(Ionoflux Technique)」と実質的に類似する技術を用いて、上記イオン流量を測定した。該米国特許を言及によりここに組入れる。測定に先立って、水和したレンズを、少なくとも10分間、脱イオン水中で平衡化させた。測定すべき該レンズを、レンズ-保持デバイス内の雄および雌部分間に設置した。該雄および雌部分は、可撓性封止リングを含んでおり、該リングは、該レンズと該各雄または雌部分間に配置されていた。該レンズ-保持デバイス内で該レンズの位置調整を行った後、該レンズ-保持デバイスをねじ込み式蓋内に置いた。該蓋をガラスチューブにねじ込んで、ドナーチャンバー(donor chamber)を画成した。該ドナーチャンバーを16mLの0.1モルNaCl溶液で満たした。収容チャンバー(receiving chamber)を80mLの脱イオン水で満たした。導電率計のリードを、該収容チャンバーの脱イオン水に浸漬し、かつ攪拌子を該収容チャンバーに加えた。該収容チャンバーを水浴中に設置し、その温度を約35℃に維持した。最後に、該ドナーチャンバーを、その内部のNaCl溶液が該収容チャンバー内の水と同一水準となるように、該収容チャンバー内に沈めた。一旦該収容チャンバー内の温度が35℃で平衡となったら、導電率の測定を、少なくとも10分間に渡り、2分毎に行った。この導電率対時間のデータは実質的に直線状であり、またこれらを、テストしたレンズに関するイオン流量を計算するのに使用した。
比較例1
重合性組成物3Aおよび5Aを、以下の表に掲載した指定量の化合物を用いて調製し、かつ上に与えた「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造およびテスト手順」において記載の手順に従って、コンタクトレンズを製造するのに使用した。
Figure 2016524178
実施例1の重合性組成物両者は、N-ビニルアミド含有モノマー(VMAおよびNVP)を含んでいる。これら重合性組成物における、一級アミン含有メタクリレートモノマーAEMAの使用は、眼科学的には許容し得ない黄色に着色したレンズをもたらした。
実施例1
重合性組成物P1およびP2を、以下の表に掲載した指定量の化合物を用いて調製し、かつ上に与えた「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造およびテスト手順」において記載の手順に従って、コンタクトレンズを製造するのに使用した。
Figure 2016524178
実施例1の重合性組成物両者は、10質量%未満の有機溶媒または希釈剤を含み、少なくとも1種の親水性モノマー(DMA)を、30質量%を超える量で含み、かつ単一の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含んでいた。これらの両重合性組成物は、また該重合性組成物の少なくとも1種のシロキサンモノマーとして、2種のシロキサンモノマーを含み、SiGMAがこれら両重合性組成物における第二のシロキサンモノマーとして存在していた。SiO 1、即ちより低分子量のシロキサンモノマーおよび該第一のシロキサンモノマーとしての式(1)のシロキサンモノマーを含む重合性組成物は、望ましからぬ色彩を持たない、眼科学的に許容し得る程に透明なポリマーレンズ本体を生成した。しかし、SiO 2、即ちより高分子量のシロキサンモノマー、および式(5)のシロキサンモノマーを含む重合性組成物は、濁りのあるポリマーレンズ本体を生成し、これはコンタクトレンズとして使用するには受入れられないであろう。本実施例は、少なくとも、該第二のシロキサンとしてのSiGMAを約20質量%のレベルで、および/または該少なくとも1種の親水性モノマーとしてDMAを含む重合性組成物については、該第一のシロキサンモノマーが15質量%またはこれを超える量で存在する場合には、より低分子量のシロキサン、特に式(1)のより低分子量のシロキサンが、本開示に係る少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含有する該重合性組成物に対してより一層相溶性であることを示している。
実施例2
重合性組成物C1およびC2を、以下の表に掲載した指定量の化合物を用いて調製し、かつ上に与えた「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造およびテスト手順」において記載の手順に従って、コンタクトレンズを製造するのに使用した。
Figure 2016524178
これら重合性組成物両者は、上記少なくとも1種のシロキサンモノマー、即ちヒドロキシル末端を持ち、かつHEMA-相溶性でもあるシロキサンモノマーとしてのSiO 3を、30質量%を超える量で含んでいる。これら重合性組成物両者は、また上記少なくとも1種の親水性モノマーの一部としてのHEMAを、30質量%を超える量で含んでいる。これら重合性組成物両者は、またN-ビニルアミド含有親水性モノマーを含まず、少なくとも10質量%の水を希釈剤として含み、かつ10質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤を含んでいる。これら重合性組成物両者に対して、塩の形態にある上記一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは上記一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが使用された。というのは、このものが、脱イオン水希釈剤の存在のために、該重合性組成物に対して可溶性であったからである。これら重合性組成物における、一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの何れかの使用は、望ましからぬ色彩を持たない、眼科学的に受入れられる透明なポリマーレンズ本体を与えた。
実施例3
重合性組成物7A、7B、8Aおよび8Bを、以下の表に掲載した指定量の化合物を用いて調製し、コンタクトレンズを製造するのに使用し、またこれらのコンタクトレンズを、上に与えた「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造およびテスト手順」において記載の手順に従ってテストした。
Figure 2016524178
実施例3の4種全ての重合性組成物は、N-ビニルアミド含有親水性モノマー(特にNVPまたはVMA)を、上記少なくとも1種の親水性モノマーの一成分として含み、また該N-ビニルアミド含有親水性モノマーは、少なくとも30質量%の量で存在する。これら4種全ての重合性組成物は、同様に上記少なくとも1種の親水性モノマーの一成分としてHEMAを含んでおり、またこのHEMAは、少なくとも10質量%の量で存在する。これら4種全ての重合性組成物は、10質量%未満の有機溶媒または有機希釈剤をも含んでいる。これら4種全ての重合性組成物は、上記少なくとも1種の架橋剤の一成分として、少なくとも一つのビニル系重合性の基および少なくとも一つのメタクリレート系重合性の基を含む架橋剤を含む。これら4種全ての重合性組成物は、上記少なくとも1種のシロキサンモノマーとしてSiO 1を含む。SiO 1はより低分子量のシロキサンモノマーである。SiO 1は、また式(1)のシロキサンモノマーである。これら4種全ての重合性組成物において、該少なくとも1種のシロキサンモノマーは少なくとも25質量%の量で存在する。これら4種の重合性組成物に係る上記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、また該一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、1.0質量%を超える量で存在する。更に、該一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、長さにおいて炭素数2〜6のアルカン鎖を持つ、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーである。
Figure 2016524178
実施例3の重合性組成物を使用して製造した上記ポリマーレンズ本体全ては、乾式機械的方法を用いて脱型および脱レンズして、望ましからぬ色彩を持たない、眼科学的に受入れられる透明なポリマーレンズ本体を与えることができた。重合性組成物7Bおよび8Aに係るポリマーレンズ本体は、少なくとも40%の平衡含水率、0.4〜0.7MPaのモジュラス、および少なくとも35バーラーの酸素透過率を有していた。上記水和されたレンズ本体の前進接触角は、90度を超えていた。実施例3のレンズ本体は、結合した少なくとも一つの相補的官能基を持つ薬剤による接触処理はされなかった。
本明細書における開示は、幾つかの例示された態様を紹介するものであるが、これ等の態様は模範として提示されたものであり、制限するものとして提示されたのではないことを理解すべきである。上記詳細な説明の意図は、典型的な態様を論じてはいるが、上記追加説明によって規定されているように、これら態様のあらゆる改良、代替物、および等価物を、本発明の精神および範囲に入り得るものとして含むものと解釈されるべきである。
多数の刊行物および特許を上において引用した。これをもって、該引用された刊行物および特許各々を、言及することによりその全体をここに組入れる。
一実例となる態様における本発明は、水和された際に、少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率、および0.3〜1.2MPaのモジュラスを有し、かつ混和性重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、該混和性重合性組成物は
(a) 少なくとも1種のシロキサンモノマー;
(b) 少なくとも1種の親水性モノマー;
(c) 少なくとも1種の架橋剤;
(d) 少なくとも1種の重合開始剤;および
(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含み、
ここで該ポリマーレンズ本体は、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーの重合された単位または該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる複数の一級アミン官能基を含み、かつ該ポリマーレンズ本体が、結合した1種またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤を含む水性溶液中に供された場合に、該複数の一級アミン官能基が、該相補的な官能基と共有結合を形成する、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ;および該重合性組成物を準備する工程を含む、該レンズの製造方法を提供する。該少なくとも1種のシロキサンモノマーおよび該少なくとも1種の親水性モノマー各々は、少なくとも20質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。各場合において、該シロキサンモノマー(1または複数)および親水性モノマー(1または複数)の全量を基準として、該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、例えば20〜80質量%の量で存在することができ、また該少なくとも1種の親水性モノマーは、20〜80質量%の量で存在し得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、例えば該重合性組成物の全質量を基準として、少なくとも0.2質量%、例えば0.2〜20.0質量%、または1.0〜5.0質量%の量で存在し得る。該重合性組成物は、更に有効量の少なくとも1種の架橋剤および有効量の少なくとも1種の重合開始剤をも含む。有機溶媒または希釈剤は、望ましい場合には、または混和性組成物を実現するのに必要な場合には、該重合性組成物中に、30.0質量%までの量で存在し得る。上述の実例となる態様において、本発明のレンズまたは方法は、ここに添付した従属特許請求の範囲の任意の1またはそれ以上に係る特徴を、更に含むことができる。
一実例となる態様における本発明は、水和された際に、少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率、および0.3〜1.2MPaのモジュラスを有し、かつ混和性重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、該混和性重合性組成物は
(a) 少なくとも1種のシロキサンモノマー;
(b) 少なくとも1種の親水性モノマー;
(c) 少なくとも1種の架橋剤;
(d) 少なくとも1種の重合開始剤;および
(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーを含み、
ここで該ポリマーレンズ本体は、該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーの重合された単位または該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる複数の一級アミン官能基を含み、かつ該ポリマーレンズ本体が、結合した1種またはそれ以上の相補的な官能基を持つ薬剤を含む水性溶液中に供された場合に、該複数の一級アミン官能基が、該相補的な官能基と共有結合を形成する、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ;および該重合性組成物を準備する工程を含む、該レンズの製造方法を提供する。該少なくとも1種のシロキサンモノマーおよび該少なくとも1種の親水性モノマー各々は、少なくとも20質量%の量で該重合性組成物中に存在し得る。各場合において、該シロキサンモノマー(1または複数)および親水性モノマー(1または複数)の全量を基準として、該少なくとも1種のシロキサンモノマーは、例えば20〜80質量%の量で存在することができ、また該少なくとも1種の親水性モノマーは、20〜80質量%の量で存在し得る。該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーまたは該少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーは、例えば該重合性組成物の全質量を基準として、少なくとも0.2質量%、例えば0.2〜20.0質量%、または1.0〜5.0質量%の量で存在し得る。該重合性組成物は、更に有効量の少なくとも1種の架橋剤および有効量の少なくとも1種の重合開始剤をも含む。有機溶媒または希釈剤は、望ましい場合には、または混和性組成物を実現するのに必要な場合には、該重合性組成物中に、30.0質量%までの量で存在し得る。上述の実例となる態様において、本発明のレンズまたは方法は、ここに添付した従属特許請求の範囲の任意の1またはそれ以上に係る特徴を、更に含むことができる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率及び0.3〜1.2MPaのモジュラスを有し、かつ混和性重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を含み、前記混和性重合性組成物は
(a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー、
(b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー、
(c) 少なくとも1種の架橋剤、
(d) 少なくとも1種の重合開始剤、及び
(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー
を含み、ここで前記ポリマーレンズ本体は、前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーの重合された単位又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる複数の一級アミン官能基を含み、かつ前記ポリマーレンズ本体が、結合した1つ以上の相補的な官能基を有する薬剤を含む水性溶液中に供された場合に、前記複数の一級アミン官能基が、前記相補的な官能基と共有結合を形成することを特徴とする、前記コンタクトレンズ。
〔2〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、遊離塩基形態で存在する、前記〔1〕に記載のコンタクトレンズ。
〔3〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、前記重合性組成物中に、少なくとも0.2質量%の量で存在する、前記〔1〕又は〔2〕に記載のコンタクトレンズ。
〔4〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8である、前記〔1〕〜〔3〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔5〕前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔6〕前記少なくとも1種の親水性モノマーが、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含む、前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔7〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつN-(2-アミノエチル)メタクリルアミド(AEMAA)モノマーの形態、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの形態、及びこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔6〕に記載のコンタクトレンズ。
〔8〕前記少なくとも1種のシロキサンモノマーが、ケイ素含有ビニルカーボネートモノマー、ケイ素含有ビニルカルバメートモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサンモノマー、及びこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔1〕〜〔7〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔9〕前記少なくとも1種のシロキサンモノマーが、以下の式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含む、前記〔1〕〜〔8〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ:
Figure 2016524178
(1)
ここで、式(1)のmは3〜10の一つの整数を表し、式(1)のnは1〜10の一つの整数を表し、式(1)のR 1 は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ式(1)の各R 2 は、独立に水素原子又はメチル基のいずれかである。
〔10〕前記薬剤の相補的な官能基がエステル、アルデヒド、ケトン、又はカルボン酸官能基を含み、前記ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基が、前記薬剤に結合した相補的官能基に、それぞれアミン-エステル、アミン-アルデヒド、アミン-ケトン、又はアミン-カルボン酸結合を介して共有結合しており、かつ前記薬剤が、それによって前記ポリマーレンズ本体に結合している、前記〔1〕〜〔9〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔11〕前記薬剤の相補的な官能基が、N-ヒドロキシサクシンイミド(NHS)基であり、かつ前記共有結合が、アミン-サクシンイミドエステル結合である、前記〔10〕に記載のコンタクトレンズ。
〔12〕前記薬剤が、湿潤剤又は連結剤である、前記〔10〕又は〔11〕に記載のコンタクトレンズ。
〔13〕前記薬剤が、少なくとも一つの結合した相補的な官能基を有するポリマーを含む、前記〔10〕〜〔12〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔14〕前記薬剤が湿潤剤であり、かつ前記ポリマーレンズ本体が、70度未満の接触角を有する、前記〔10〕〜〔13〕の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔15〕シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法であって、以下の工程、
混和性重合性組成物を提供する工程であって、前記重合性組成物が、
(a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー、
(b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー、
(c) 少なくとも1種の架橋剤、
(d) 少なくとも1種の重合開始剤、及び
(e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、
を含む工程、
コンタクトレンズ型アセンブリ内で前記重合性組成物を重合して、水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率及び0.3〜1.2MPaのモジュラスを有するポリマーレンズ本体を形成する工程であって、前記ポリマーレンズ本体は、前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位により与えられる、複数の一級アミン官能基を含む工程、
前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程、
前記分離されたポリマーレンズ本体と、結合した1つ以上の相補的な官能基を有する薬剤を含有する水性溶液とを接触させ、前記薬剤の1つ以上の相補的な官能基と前記ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基との間に共有結合を形成し、それにより前記薬剤を前記接触処理されたポリマーレンズ本体に結合する工程、及び
コンタクトレンズ容器内のコンタクトレンズ包装溶液中に、前記接触処理されたポリマーレンズ本体を包装して、完成されたコンタクトレンズを形成する工程、
を含むことを特徴とする、方法。
〔16〕前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、前記ポリマーレンズ本体若しくは前記型アセンブリへの液体の適用を含まない、機械的な脱型処理の使用を含むか、又は前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、前記ポリマーレンズ本体若しくは型部分への液体の適用を含まない、機械的な脱レンズ処理の使用を含む、前記〔15〕に記載の方法。
〔17〕前記接触工程が、20〜60℃の温度で行われ、又は5.0〜9.0のpHで行われ、又はこれら両条件の下で行われる、前記〔15〕又は〔16〕に記載の方法。
〔18〕前記分離されたポリマーレンズ本体を抽出処理するか、又は前記接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理するか、又はこれら両処理を行い、未反応のモノマーを除去する工程を更に含む、前記〔15〕〜〔17〕の何れか1項に記載の方法。
〔19〕前記包装工程に先立って、前記接触処理されたポリマーレンズ本体を洗浄する工程を更に含む、前記〔15〕〜〔18〕の何れか1項に記載の方法。
〔20〕前記完成されたコンタクトレンズが、同一の前記重合性組成物を用い、かつ前記分離されたポリマーレンズ本体を前記薬剤の水性溶液と接触させる工程を含まないことを除いて同一の前記製造方法を利用して製造されたコンタクトレンズの接触角よりも、少なくとも10度低い接触角を有する、前記〔15〕〜〔19〕の何れか1項に記載の方法。
〔21〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、a) 遊離塩基の形態で存在し、b) アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8であり、かつ前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、前記〔1〕に記載のコンタクトレンズ。
〔22〕前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、a) 遊離塩基の形態で存在し、b) アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8であり、かつ前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、前記〔15〕に記載の方法。

Claims (22)

  1. シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
    水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率及び0.3〜1.2MPaのモジュラスを有し、かつ混和性重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を含み、前記混和性重合性組成物は
    (a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー、
    (b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー、
    (c) 少なくとも1種の架橋剤、
    (d) 少なくとも1種の重合開始剤、及び
    (e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー
    を含み、ここで前記ポリマーレンズ本体は、前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマーの重合された単位又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位によって与えられる複数の一級アミン官能基を含み、かつ前記ポリマーレンズ本体が、結合した1つ以上の相補的な官能基を有する薬剤を含む水性溶液中に供された場合に、前記複数の一級アミン官能基が、前記相補的な官能基と共有結合を形成することを特徴とする、前記コンタクトレンズ。
  2. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、遊離塩基形態で存在する、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、前記重合性組成物中に、少なくとも0.2質量%の量で存在する、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8である、請求項1〜3の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、請求項1〜5の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記少なくとも1種の親水性モノマーが、N-ビニルアミド含有親水性モノマーを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつN-(2-アミノエチル)メタクリルアミド(AEMAA)モノマーの形態、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド(APMAA)モノマーの形態、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
  8. 前記少なくとも1種のシロキサンモノマーが、ケイ素含有ビニルカーボネートモノマー、ケイ素含有ビニルカルバメートモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンモノマー、モノメタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサンモノマー、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜7の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  9. 前記少なくとも1種のシロキサンモノマーが、以下の式(1)によって表されるシロキサンモノマーを含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のコンタクトレンズ:
    Figure 2016524178
    ここで、式(1)のmは3〜10の一つの整数を表し、式(1)のnは1〜10の一つの整数を表し、式(1)のR1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、かつ式(1)の各R2は、独立に水素原子又はメチル基のいずれかである。
  10. 前記薬剤の相補的な官能基がエステル、アルデヒド、ケトン、又はカルボン酸官能基を含み、前記ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基が、前記薬剤に結合した相補的官能基に、それぞれアミン-エステル、アミン-アルデヒド、アミン-ケトン、又はアミン-カルボン酸結合を介して共有結合しており、かつ前記薬剤が、それによって前記ポリマーレンズ本体に結合している、請求項1〜9の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  11. 前記薬剤の相補的な官能基が、N-ヒドロキシサクシンイミド(NHS)基であり、かつ前記共有結合が、アミン-サクシンイミドエステル結合である、請求項10に記載のコンタクトレンズ。
  12. 前記薬剤が、湿潤剤又は連結剤である、請求項10又は11に記載のコンタクトレンズ。
  13. 前記薬剤が、少なくとも一つの結合した相補的な官能基を有するポリマーを含む、請求項10〜12の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  14. 前記薬剤が湿潤剤であり、かつ前記ポリマーレンズ本体が、70度未満の接触角を有する、請求項10〜13の何れか1項に記載のコンタクトレンズ。
  15. シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法であって、以下の工程、
    混和性重合性組成物を提供する工程であって、前記重合性組成物が、
    (a) 20〜80質量%の量の少なくとも1種のシロキサンモノマー、
    (b) 20〜80質量%の量の少なくとも1種の親水性モノマー、
    (c) 少なくとも1種の架橋剤、
    (d) 少なくとも1種の重合開始剤、及び
    (e) 少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマー、
    を含む工程、
    コンタクトレンズ型アセンブリ内で前記重合性組成物を重合して、水和された場合に少なくとも30%の平衡含水率、少なくとも30バーラーの酸素透過率及び0.3〜1.2MPaのモジュラスを有するポリマーレンズ本体を形成する工程であって、前記ポリマーレンズ本体は、前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーの重合された単位により与えられる、複数の一級アミン官能基を含む工程、
    前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程、
    前記分離されたポリマーレンズ本体と、結合した1つ以上の相補的な官能基を有する薬剤を含有する水性溶液とを接触させ、前記薬剤の1つ以上の相補的な官能基と前記ポリマーレンズ本体の複数の一級アミン官能基との間に共有結合を形成し、それにより前記薬剤を前記接触処理されたポリマーレンズ本体に結合する工程、及び
    コンタクトレンズ容器内のコンタクトレンズ包装溶液中に、前記接触処理されたポリマーレンズ本体を包装して、完成されたコンタクトレンズを形成する工程、
    を含むことを特徴とする、方法。
  16. 前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、前記ポリマーレンズ本体若しくは前記型アセンブリへの液体の適用を含まない、機械的な脱型処理の使用を含むか、又は前記型アセンブリから前記ポリマーレンズ本体を分離する工程が、前記ポリマーレンズ本体若しくは型部分への液体の適用を含まない、機械的な脱レンズ処理の使用を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記接触工程が、20〜60℃の温度で行われ、又は5.0〜9.0のpHで行われ、又はこれら両条件の下で行われる、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記分離されたポリマーレンズ本体を抽出処理するか、又は前記接触処理されたポリマーレンズ本体を抽出処理するか、又はこれら両処理を行い、未反応のモノマーを除去する工程を更に含む、請求項15〜17の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記包装工程に先立って、前記接触処理されたポリマーレンズ本体を洗浄する工程を更に含む、請求項15〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記完成されたコンタクトレンズが、同一の前記重合性組成物を用い、かつ前記分離されたポリマーレンズ本体を前記薬剤の水性溶液と接触させる工程を含まないことを除いて同一の前記製造方法を利用して製造されたコンタクトレンズの接触角よりも、少なくとも10度低い接触角を有する、請求項15〜19の何れか1項に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、a) 遊離塩基の形態で存在し、b) アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8であり、かつ前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  22. 前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリレートモノマー又は前記少なくとも1種の一級アミン含有メタクリルアミドモノマーが、a) 遊離塩基の形態で存在し、b) アルカン鎖含有一級アミン含有メタクリルアミドモノマーであり、かつ前記アルカン鎖が、長さにおいて炭素数2〜8であり、かつ前記混和性重合性組成物が、有機溶媒又は有機希釈剤を含まない、請求項15に記載の方法。
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