本明細書に記載のように、(a)式(3)により表される第1のシロキサンモノマー及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物から形成されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが提供され、
ここで、式(3)のmは、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnは、1〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のR
1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R
2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである。本ヒドロゲルコンタクトレンズは、ポリマー成分及び液体成分を含む水和レンズ体を含むか又はからなる。ポリマー成分は、本明細書に記載されている式(3)の第1のシロキサンモノマーの重合単位、並びに少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤の重合単位を含む。
本明細書で使用される場合、「式(3)のシロキサンモノマー」及び「式(3)の第1のシロキサンモノマー」は、式(3)により表されるシロキサンモノマーを指すと理解され、
ここで、式(3)のmは、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnは、1〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のR
1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R
2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである;式(3)のシロキサンの特定の例は、式(3)により表されるシロキサンモノマーであり、
ここで、式(3)のmは4であり、式(3)のnは1であり、式(3)のR
1はブチル基であり、式(3)の各R
2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである。従って、「式(3)のシロキサン」及び「式(3)の第1のシロキサンモノマー」は、本明細書で使用される場合、この段落に記載されているシロキサンモノマーのいずれか又は両方を指すと理解される。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの開発では、多数の要因が、レンズ材料の許容性に影響を及ぼす。一方では、高含水率を有し、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するレンズ材料を有することが望ましい。しかしながら、例えば、レンズの寸法は、より多くの水が吸収されると共に経時的に増加するか、又はポリマーマトリックスの不安定性により経時的に収縮する場合があるため、高含水率を有するシリコーンヒドロゲルレンズ配合物は、長期にわたる保管にわたって寸法的に安定的でない場合がある。
重合性組成物中に、本明細書に記載の式(3)の第1のシロキサンモノマーと共に、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含むことにより、有利な特性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることが可能であることを発見した。これら有利な特性には、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面及び含水量が含まれ得る。有利には、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、コンタクトレンズ貯蔵寿命として商業的に許容される期間にわたって、寸法的安定性を維持することもできる。例えば、本明細書に記載の式(3)の第1のシロキサン及び少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物から形成されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、プラズマ処理を必要としない無極性材料で注型成形されると、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。別の例では、本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない場合、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。更に別の例では、本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散を有していてもよく、平均寸法安定性分散は、前記レンズのバッチの製造日の1日以内の初期時点で、及び第2の時点で測定された物理的寸法の値の分散であり、前記第2の時点は、前記バッチが室温で保管されるか、又は前記バッチがより高い温度で保管される場合に、前記初期時点の2週間〜7年後であり、前記第2の時点は、室温で2週間〜7年間の前記バッチの保管を代表する時点であり、上記平均寸法安定性分散は、バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて、以下の数式(A)により決定される寸法安定性分散の平均である。
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (A)
本開示の1つの例では、本明細書で開示された重合性組成物から形成されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ表面にプラズマ処理が施されていない場合、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズを形成するために使用される重合性組成物が、湿潤剤を含んでいない場合、眼科的に許容される湿潤性表面を有することができる。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、同一の重合性組成物だが、ビニルエーテル含有架橋剤を用いずに、同一の製造過程により形成されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較して、より湿潤性(例えば、接触角測定により決定されるような)のレンズ表面を有することができる。
本開示の別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、商業的に許容される貯蔵寿命を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、プラス若しくはマイナス3パーセント(±3.0%)未満の、又はプラス若しくはマイナス2パーセント(±2.0%)未満の平均寸法安定性分散を有していてもよい。商業的に許容される貯蔵寿命は、約2年、又は約3年、又は約4年、又は約5年、又は約6年、又は約7年であってもよい。レンズの商業的に許容される貯蔵寿命は、加速安定性試験に基づいて決定することができる。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、同一の重合性組成物だが、ビニルエーテル含有架橋剤を用いずに、同一の製造過程により形成されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較して、より低い平均寸法安定性分散を有していてもよい。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、同一の重合性組成物だが、ビニルエーテル含有架橋剤を用いずに、同一の製造過程により形成されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較して、より長い貯蔵寿命を有していてもよい。
本明細書で開示された重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーは、単一のシロキサンモノマー(つまり、式(3)の第1のシロキサンモノマー)を含むか、又は2つ以上のシロキサンモノマー、例えば式(3)の第1のシロキサンモノマー、第2のシロキサンモノマー、第3のシロキサンモノマー等で構成されるシロキサンモノマー成分を含むと理解することができる。従って、ポリマー成分は、1つ又は複数のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物であり、重合性組成物中に存在する任意の更なる重合性成分の単位を任意に含んでいてもよいと理解することができる。重合性組成物の成分は、任意に、更なるモノマー又はマクロマー又はプレポリマー又はポリマー又はそれらの組み合わせを更に含む場合がある。更なるモノマー又はマクロマー又はプレポリマー又はポリマー又はそれらの組み合わせは、ケイ素含有化合物であってもよく、又は非ケイ素化合物であってもよい。本明細書で使用される場合、非ケイ素化合物は、その分子構造にケイ素原子を有していない化合物であると理解される。重合性組成物の任意の追加成分は、重合性成分であってもよく、又は非重合性成分であってもよい。本明細書で使用される場合、重合性成分は、その分子構造の一部として重合可能な二重結合を有する化合物であると理解される。従って、非重合性成分は、その分子構造の一部として重合可能な二重結合を有していない。
本発明の重合性組成物のビニルエーテル含有架橋剤は、ケイ素を含まない重合性成分であると理解される。また、ビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造の一部として、少なくとも2つのビニルエーテル重合性官能基を有するモノマーであると理解される。従って、ビニルエーテル含有架橋剤は、二官能性又は三官能性又は四官能性のモノマー等の多官能性モノマーである。本明細書で使用される場合、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、単一のビニルエーテル含有架橋剤を含むか、又は2つ以上のビニルエーテル含有架橋剤で構成されるビニルエーテル含有架橋剤成分を含むと理解することができる。
1つの例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、ジビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてよく、又はからなっていてもよい。別の例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、トリビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてよく、又はからなっていてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー及び(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー及び(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)、又はジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、又はヘキサンジオールジビニルエーテル(CAS番号19763−13−4)、又は4〜10個のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は10個超のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)を含んでいてもよい。少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)からなっていてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー及び(b)トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー及び(b)トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
1つの例では、ビニルエーテル含有架橋剤は、1500ダルトン未満、又は1000ダルトン未満、又は500ダルトン未満、又は200ダルトン未満の分子量を有していてもよい。
少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、約0.01単位部〜約2.0単位部、又は約0.01単位部〜約0.80単位部、又は約0.01単位部〜約0.3単位部の総量で、重合性組成物に存在していてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー及び(b)0.01〜2.0単位質量部の量で存在する少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー及び(b)0.01〜0.3単位質量部の量で存在するトリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー及び(b)0.01〜2.0単位質量部の量で存在する少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー及び(b)0.01〜0.3単位質量部の量で存在するトリ(エチレングリコール)ジビニルエーテルを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
特定の例では、重合性組成物中に存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤の総量は、0.01単位部〜0.2単位部の量、又は0.1単位部の量、又は0.2単位部の量であってもよい。
1つの例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造中に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在するビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。別の例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造中に2つのエチレングリコール単位が存在するビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。別の例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造中に3つのエチレングリコール単位が存在するビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。更に別の例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造中に4つ以上のエチレングリコール単位が存在するビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。例えば、少なくとも1つのエチレングリコール単位を有する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)、又はジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は4〜10個のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は10個超のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー及び(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー及び(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
別の例では、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、その分子構造中にエチレングリコール単位が存在しないビニルエーテル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。例えば、エチレングリコール単位を有していない少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤は、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、又はジビニルブタンジオール(CAS番号3891−33−6)、又はヘキサンジオールジビニルエーテル(CAS番号19763−13−4)、又は両方の組み合わせを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
本開示の重合性組成物は、少なくとも1つの非ビニルエーテル含有架橋剤を更に含んでいてもよい。
1つの例では、少なくとも1つの非ビニルエーテル含有架橋剤は、少なくとも1つのアクリラート含有架橋剤を含んでいてよく、又はからなっていてもよい。別の例では、少なくとも1つの非ビニルエーテル含有架橋剤は、少なくとも1つのメタクリレート含有架橋剤を含んでいてよく、又はからなっていてもよい。重合性組成物中に存在する場合、非ビニル架橋剤又は架橋剤成分は、約0.01単位部〜約5単位部、又は約0.1単位部〜約4単位部、又は約0.3単位部〜約3.0単位部、又は約0.2単位部〜約2.0単位部の量で存在していてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)少なくとも1つのアクリラート又はメタクリレート含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)0.01〜0.3単位質量部の量で存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)0.2〜2.0単位質量部の量で存在する少なくとも1つのアクリラート又はメタクリレート含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)少なくとも1つのアクリラート又はメタクリレート含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)0.01〜0.20単位質量部の量で存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)0.2〜2.0単位質量部の量で存在する少なくとも1つのアクリラート又はメタクリレート含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本重合性組成物では、重合性組成物が、少なくとも1つの非ビニルエーテル含有架橋剤を更に含む場合、架橋剤の総量(つまり、ビニルエーテル含有架橋剤及び非ビニルエーテル含有架橋剤を含む、重合性組成物に存在する全架橋剤の総単位部)は、約0.01単位部〜約5単位部、又は約0.1単位部〜約4単位部、又は約0.3単位部〜約3.0単位部、又は約0.2単位部〜約2.0単位部、又は約0.6〜約1.5単位部の量であってもよい。
本明細書で開示された重合性組成物に使用することができる他の非ケイ素非ビニルエーテル含有架橋剤には、例えば、限定ではないが、以下のものが含まれる:アリル(メタ)アクリラート、又は低級アルキレングリコールジ(メタ)アクリラート、又はポリ(低級アルキレングリコール)ジ(メタ)アクリラート、又は低級アルキレンジ(メタ)アクリラート、又はジビニルエーテル、又はジビニルスルホン、又はジビニルベンゼン、又はトリビニルベンゼン、又はトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、又はペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリラート、又はビスフェノールAジ(メタ)アクリラート、又はメチレンビス(メタ)アクリルアミド、又はトリアリルフタラート、又はジアリルフタラート、又はエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、又はトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、又はそれらの任意の組み合わせ。1つの例では、非ビニルエーテル含有架橋剤は、1500ダルトン未満、又は1000ダルトン未満、又は500ダルトン未満、又は200ダルトン未満の分子量を有していてもよい。
1つの例では、非ビニルエーテル含有架橋剤又は架橋剤成分は、ビニルエーテル含有架橋剤ではないビニル含有架橋剤を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。本明細書で使用される場合、ビニルエーテル含有架橋剤ではないビニル含有架橋剤は、その分子構造に少なくとも2つの重合可能な炭素間二重結合(つまり、少なくとも2つのビニル重合性官能基)が存在するモノマーであり、ビニル含有架橋剤のビニル重合性官能基に存在する少なくとも2つの重合可能な炭素間二重結合の各々は、アクリラート又はメタクリレート重合性官能基に存在する炭素間二重結合ほど反応性ではない。アクリラート及びメタクリレート重合性官能基には炭素間二重結合が存在しているが、本明細書で理解されているように、1つ又は複数のアクリラート又はメタクリレート重合性基を含む架橋剤(例えば、アクリラート含有架橋剤又はメタクリレート含有架橋剤)は、ビニル含有架橋剤とはみなされない。アクリラート又はメタクリレート重合性基の炭素間二重結合ほど反応性ではない炭素間二重結合を有する重合性官能基には、例えば、ビニルアミド、ビニルエステル、及びアリルエステル重合性官能基が含まれる。従って、本明細書で使用される場合、ビニルエーテル含有架橋剤ではないビニル含有架橋剤には、例えば、ビニルアミド、ビニルエステル、アリルエステル、及びそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも2つの重合性官能基を有する架橋剤が含まれる。本明細書で使用される場合、混合ビニル含有架橋剤は、アクリラート又はメタクリレート重合性官能基に存在する炭素間二重結合ほど反応性ではない、その分子構造に存在する少なくとも1つの重合可能な炭素間二重結合(つまり、少なくとも1つのビニル重合性官能基)、及びアクリラート又はメタクリレート重合性官能基の炭素間二重結合と少なくとも同程度に反応性である炭素間二重結合を有する、その分子構造に存在する少なくとも1つの重合性官能基を有する架橋剤であり、従って、ビニルエーテル含有架橋剤ではない。
重合性組成物中に存在する場合、ビニルエーテル架橋剤又は架橋剤成分ではないビニル含有架橋剤は、約0.01単位部〜約2.0単位部、又は約0.01単位部〜約0.80単位部、又は約0.01単位部〜約0.30単位部、又は約0.05単位部〜約0.20単位部の量で、又は約0.1単位部の量で存在していてもよい。
或いは、本開示の重合性組成物は、非ビニルエーテル含有架橋剤を含んでいなくともよい。例えば、重合性組成物は、メタクリレート含有架橋剤を含んでいなくともよい。
任意に、本開示の重合性組成物は、少なくとも1つの親水性モノマーを更に含んでいてもよい。
モノマーの親水性又は疎水性は、例えば、モノマーの水溶解度に基づいて等、従来技術を使用して決定することができる。本開示の目的では、親水性モノマーは、室温(例えば、約20〜25℃)にて、視覚的に水溶液に可溶性のモノマーである。例えば、親水性モノマーは、当業者に知られている標準的振盪フラスコ法を使用して決定した場合、50グラム以上のモノマーが、20℃にて1リットルの水に視覚的に完全に溶解するあらゆるモノマーである(つまり、モノマーは、少なくとも5質量/質量%のレベルで水に可溶性である)と理解することができる。疎水性モノマーは、本明細書で使用される場合、室温にて水溶液中に視覚的に不溶性のモノマーであり、そのため別々の視覚的に特定可能な相が水溶液中に存在するか、又はそのため水溶液が白濁しているように見え、室温で放置すると時間が経つにつれて2つの別々の相に分離する。例えば、疎水性モノマーは、50グラムのモノマーが、20℃にて1リットルの水に視覚的に完全には溶解しないあらゆるモノマーである(つまり、モノマーは、5質量/質量%未満のレベルで水に可溶性である)と理解することができる。
親水性モノマーは、その分子構造中に単一の重合性官能基が存在する親水性非ケイ素化合物であると理解される。少なくとも1つの親水性モノマーは、単一の親水性モノマーを含むか、又は2つ以上の親水性モノマーで構成される親水性モノマー成分を含むと理解することができる。
親水性モノマーの例には、親水性ビニル含有モノマー、親水性アクリラート含有モノマー、親水性メタクリレート含有モノマー、親水性アミド含有モノマー等が含まれる。親水性ビニル含有モノマーは、その分子構造中に単一の重合性ビニル官能基が存在する親水性モノマーである。親水性アミド含有モノマーは、その分子構造中に少なくとも1つのアミド官能基が存在する親水性モノマーである。親水性ビニル含有モノマーの例には、親水性ビニルエーテル含有モノマーが含まれる。1つの例では、親水性モノマーは、親水性ビニルエーテル含有モノマーであってもよい。親水性ビニルエーテル含有モノマーは、その分子構造の一部として、単一の重合性官能基、具体的にはビニルエーテル重合性官能基を有するため、単官能性親水性モノマーであると理解される。別の例では、親水性モノマーは、親水性非ビニルエーテル含有モノマー(つまり、その分子構造の一部として、ビニルエーテル官能基を有していない親水性モノマー)であってもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)少なくとも1つの親水性ビニル含有モノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)少なくとも1つの親水性ビニル含有モノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、単一の親水性ビニルエーテル含有モノマーを含むか、又は2つ以上の親水性ビニルエーテル含有モノマーで構成される親水性ビニルエーテル含有モノマー成分を含むと理解することができる。
本重合性組成物に含まれていてもよい、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーの例には、例えば、以下のものが含まれていてもよい:N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、又は2−ヒドロキシエチルアクリラート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、又は2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、又は2−ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、又は2−ヒドロキシブチルアクリラート、又は4−ヒドロキシブチルアクリラートグリセロールメタクリレート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、又はポリエチレングリコールモノメタクリレート、又はメタクリル酸、又はアクリル酸、又はそれらの任意の組み合わせ。
1つの例では、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマー又はモノマー成分は、ビニルエーテルモノマーではないビニル含有モノマー(つまり、ビニルエーテル重合性官能基ではないビニル重合性官能基を有する親水性モノマー)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。重合性組成物に提供されていてもよい、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性ビニル含有モノマーの例には、限定ではないが、以下のものが含まれる:N−ビニルホルムアミド、又はN−ビニルアセトアミド、又はN−ビニル−N−エチルアセトアミド、又はN−ビニルイソプロピルアミド、又はN−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)、又はN−ビニルピロリドン(NVP)、又はN−ビニルカプロラクタム、又はN−ビニル−N−エチルホルムアミド、又はN−ビニルホルムアミド、又はN−2−ヒドロキシエチルビニルカルバマート、又はN−カルボキシ−β−アラニンN−ビニルエステル、又はそれらの任意の組み合わせ。
別の例では、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマー又はモノマー成分は、親水性アミド含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。親水性アミドモノマーは、例えば、N−ビニルホルムアミド、又はN−ビニルアセトアミド、又はN−ビニル−N−エチルアセトアミド、又はN−ビニルイソプロピルアミド、又はN−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)、又はN−ビニルピロリドン(NVP)、又はN−ビニルカプロラクタム、又はそれらの任意の組み合わせ等の、1つのN−ビニル基を有する親水性アミドモノマーであってもよい。1つの例では、親水性モノマー又は親水性モノマー成分は、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む。別の例では、親水性非ビニルエーテル含有モノマーは、VMAからなる。例えば、親水性モノマー又はモノマー成分は、VMAを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。1つの特定の例では、親水性モノマーは、VMAであってもよい。少なくとも1つの親水性アミド含有モノマーは、約10〜約60単位質量部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)30〜60単位質量部の量で組成物に存在する、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの更に別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)30〜60単位質量部の量で組成物に存在する、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)その分子構造中に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)30〜60単位部の量で組成物中に存在する、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)30〜60単位部の量で組成物中に存在する、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
別の例では、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーは、400ダルトン未満、又は300ダルトン未満、又は250ダルトン未満、又は200ダルトン未満、又は150ダルトン未満、又は約75〜約200ダルトンの分子量等の、任意の分子量を有していてもよいモノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーが重合性組成物中に存在する場合、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーは、重合性組成物の30〜60単位部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーは、40〜55単位質量部又は45〜50単位質量部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。
本明細書で使用される場合、ビニル含有モノマーは、その分子構造中に単一の重合可能な炭素間二重結合(つまり、ビニル重合性官能基)が存在するモノマーであり、フリーラジカル重合下では、ビニル重合性官能基の炭素間二重結合は、アクリラート又はメタクリレート重合性官能基に存在する炭素間二重結合ほど反応性ではない。言いかえれば、アクリラート基及びメタクリレート基には炭素間二重結合が存在しているが、単一のアクリラート又はメタクリレート重合性基を含むモノマーは、本明細書で理解されているように、ビニル含有モノマーであるとはみなされない。アクリラート又はメタクリレート重合性基の炭素間二重結合ほど反応性ではない炭素間二重結合を有する重合性基の例には、ビニルアミド、ビニルエステル、及びアリルエステル重合性基が含まれる。従って、本明細書で使用される場合、ビニル含有モノマーの例には、単一のビニルアミド、単一のビニルエステル、又は単一のアリルエステル重合性基を有するモノマーが含まれる。
更に別の例では、ビニルエーテル含有モノマーではない親水性モノマーは、モノマー成分を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。ビニルエーテル含有モノマー成分ではない親水性モノマーは、第1の親水性モノマー及び第2の親水性モノマーで構成されていてもよく、第1の親水性モノマー及び第2の親水性モノマーはいずれもビニルエーテル含有モノマーではない。1つの例では、第1の親水性モノマーは、第2の親水性モノマーとは異なる重合性官能基を有していてもよい。例えば、第1の親水性モノマー又はモノマー成分が、アミド含有モノマーを含むか又はからなる場合、第2の親水性モノマーは、非アミドモノマー(つまり、その分子構造の一部としてアミド官能基を有していないモノマー)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。別の例としては、第1の親水性モノマーが、ビニル含有モノマーを含むか又はからなる場合、第2の親水性モノマーは、非ビニルモノマー(つまり、その分子構造の一部としてビニル重合性官能基を有していないモノマー)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。別の例では、第1の親水性モノマーが、N−ビニル基を有するアミドモノマーを含むか又はからなる場合、第2の親水性モノマーは、非アミドモノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。第1の親水性モノマーが、非アクリラートモノマー(つまり、その分子構造の一部として、アクリラート又はメタクリレート重合性官能基を有していないモノマー)を含むか又はからなる場合、第2の親水性モノマーは、アクリラート含有モノマー又はメタクリレート含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
少なくとも1つの親水性モノマーは、ビニル含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。少なくとも1つの親水性モノマーは、アミド含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。少なくとも1つの親水性モノマーは、ビニルアミド含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。1つの例では、ビニルアミド含有モノマーは、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。別の例では、ビニルアミド含有モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。更に別の例では、ビニルアミド含有モノマーは、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)及びN−ビニルピロリドン(NVP)の混合物を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニルピロリドン(NVP)を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの更に別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニルピロリドン(NVP)を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニルピロリドン(NVP)を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMA)を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)N−ビニルピロリドン(NVP)を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
1つの例では、重合性組成物が、少なくとも1つの親水性ビニルアミド含有モノマーを含む場合、重合性組成物中に存在する親水性アミド含有モノマーの総単位部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位部に対する比率は、例えば、少なくとも400:1、少なくとも500:1、少なくとも600:1、又は約200:1〜約1500:1、又は約300:1〜約1,000:1、又は約400:1〜約800:1、又は約500:1等の、少なくとも200:1の比率である。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの更に別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのジビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)その分子構造に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在する少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
別の例では、重合性組成物は、少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーを含んでいてもよい。少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、以下のものを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい:1,4−ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、又はエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、又はジ(エチレングリコール)ビニルエーテル(DEGVE)、又はトリ(エチレングリコール)ビニルエーテル、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールビニルエーテル(CHDMVE)、又は4〜10個のエチレングリコール単位を有するポリ(エチレングリコール)ビニルエーテル、又は10個超のエチレングリコール単位を有するポリ(エチレングリコール)ビニルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせ。1つの例では、親水性モノマー成分は、BVEを含むか又はからなる。別の例では、親水性モノマー成分は、EGVEを含むか又はからなる。更に別の例では、親水性ビニル成分は、DEGVEを含むか又はからなる。少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、EGVEと組み合わせたBVEからなる、又はDEGVEと組み合わせたBVEからなる、又はEGVE及びDEGVEの両方と組み合わせたBVEからなる親水性ビニルエーテル含有モノマー成分を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、約1〜約20単位質量部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。別の例では、少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、1〜15単位部、又は2〜10単位部、又は3〜7単位部で、重合性組成物中に存在していてもよい。
1つの例では、少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーが、重合性組成物中に存在する場合、重合性組成物中に存在する親水性ビニルエーテル含有モノマーの総単位部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位部に対する比率は、少なくとも25:1、又は50:1、又は約20:1〜約200:1、又は約20:1〜約100:2、又は約50:1〜約80:1の比率である。
本明細書で使用される場合、「シリコーンヒドロゲル」又は「シリコーンヒドロゲル材料」は、シリコーン(SiO)成分を含む特定のヒドロゲルを指す。例えば、シリコーンヒドロゲルは、典型的には、ケイ素含有材料を従来の親水性ヒドロゲル前駆体と混合することにより調製される。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、視力矯正コンタクトレンズを含む、シリコーンヒドロゲル材料を含むコンタクトレンズである。シロキサンモノマーは、少なくとも1つのシロキサン[−Si−O−Si−]結合を含有するモノマーである。シロキサンモノマーでは、各ケイ素原子は、同じであってもよく又は異なっていてもよい1つ又は複数の有機ラジカル置換基(R1、R2)又は置換された有機ラジカル置換基、例えば、−SiR1R2O−を任意に有していてもよい。同様に、非ケイ素成分は、0.1%(質量/質量)未満のケイ素を含有する成分である。
本明細書で開示されているように、本重合性組成物は、式(3)の第1のシロキサンモノマーを含み、従って、これら重合性組成物から形成されるヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
1つの例では、任意の第2のシロキサンモノマーは、シロキサン分子の主鎖内に親水性成分を含有していてもよく、シロキサン分子の1つ又は複数の側鎖内に親水性成分を含有していてもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、シロキサンモノマーは、シロキサン分子の主鎖に、重合性官能基に隣接する少なくとも1単位のエチレングリコールを有していてもよい。本明細書で使用される場合、隣接するとは、直接隣接していること、及びわずか10個以下の炭素原子により隔てられていることを両方とも意味する。シロキサン分子の主鎖にある重合性官能基に隣接する少なくとも1単位のエチレングリコールは、長さが1〜5単位の炭素鎖により重合性官能基と隔てられていてもよい(つまり、エチレングリコール単位は、長さが1〜5単位の炭素鎖の最初の炭素に結合されており、重合性官能基は、長さが1〜5単位の炭素鎖の最後の炭素に結合されており、言いかえれば、エチレングリコール単位及び重合性基は、直接隣接していないが、1〜5個の炭素原子により隔てられている)。シロキサンモノマーは、シロキサン分子の主鎖の両末端に存在する重合性官能基に隣接する少なくとも1単位のエチレングリコールを有していてもよい。シロキサンモノマーは、シロキサン分子の少なくとも1つの側鎖に存在する少なくとも1単位のエチレングリコールを有していてもよい。シロキサン分子の少なくとも1つの側鎖に存在する少なくとも1単位のエチレングリコールは、シロキサン分子の主鎖のケイ素原子に結合されている側鎖の一部であってもよい。シロキサン分子は、シロキサン分子の主鎖の両末端に存在する重合性官能基に隣接する少なくとも1単位のエチレングリコール、及びシロキサン分子の少なくとも1つの側鎖に存在する少なくとも1単位のエチレングリコールを両方とも有していてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の1つの例では、第2のシロキサンモノマーは、多官能性シロキサンモノマーであってもよい。シロキサンモノマーは、2つのメタクリレート基等の2つの官能基を有する場合、二官能性モノマーである。シロキサンモノマーは、3つの官能基を有する場合、三官能性モノマーである。
第2のシロキサンモノマーは、モノマーの主鎖の1つの末端に重合性官能基が存在するシロキサンモノマーであってもよい。シロキサンモノマーは、モノマーの主鎖の両末端に重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。シロキサンモノマーは、モノマーの少なくとも1つの側鎖に重合性官能基が存在するシロキサンモノマーであってもよい。シロキサンモノマーは、モノマーの1つの側鎖にのみに重合性官能基が存在するシロキサンモノマーであってもよい。
重合性組成物の第2のシロキサンモノマーは、アクリラート含有シロキサンモノマー、言いかえれば、その分子構造の一部として、少なくとも1つのアクリラート重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。1つの例では、アクリラート含有シロキサンモノマーは、メタクリレート含有シロキサンモノマー、つまり、その分子構造の一部として、少なくとも1つのメタクリレート重合性官能基を有するシロキサンモノマーであってもよい。
第2のシロキサンモノマーは、少なくとも3,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。別の例では、シロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトン、又は少なくとも7,000ダルトン、又は少なくとも9,000ダルトン、又は少なくとも11,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。
第2のシロキサンモノマーは、20,000ダルトン未満の分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。別の例では、第2のシロキサンモノマーは、15,000ダルトン未満、又は11,000ダルトン未満、又は9,000ダルトン未満、又は7,000ダルトン未満、又は5,000ダルトン未満の分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。第2のシロキサンモノマーは、7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
第2のシロキサンモノマーは、3,000ダルトン〜20,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。別の例では、シロキサンモノマーは、5,000ダルトン〜20,000ダルトン、又は5,000ダルトン〜10,000ダルトン、又は7,000ダルトン〜15,000ダルトンの分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。
1つの例では、シロキサンモノマーは、複数の官能基を有しており、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する。
1つの例では、第2のシロキサンモノマーは、単一のシロキサンモノマーを含んでいてもよく又はからなっていてもよく、又は2つ以上のシロキサンモノマーで構成されるシロキサンモノマー成分を含んでいてもよく又はからなっていてもよい。本開示の重合性組成物のシロキサンモノマー成分は、式(3)の第1のシロキサンモノマーを含んでいてもよく又はからなっていてもよく、第1のシロキサンモノマーは、約2,000ダルトン未満の数平均分子量を有し、第2のシロキサンモノマーは、約3,000ダルトンを超える数平均分子量を有する。本開示の重合性組成物のシロキサンモノマー成分は、式(3)の第1のシロキサンモノマーを含んでいてもよく又はからなっていてもよく、第1のシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有し、第2のシロキサンモノマーは、少なくとも約7,000ダルトンの数平均分子量を有する。式(3)の第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、重合性組成物中に存在する式(3)の第1のシロキサンモノマーの単位部の、重合性組成物中に存在する第2のシロキサンモノマーの単位部に対する比率が少なくとも2:1で、重合性組成物中に存在していてもよい。例えば、比率は、少なくとも3:1、又は少なくとも4:1であってもよく、又は約4:1の比率であってもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)第2のシロキサンモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)第2のシロキサンモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき、少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマー、(d)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき、少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
第2のシロキサンモノマーには、以下のものが含まれていてもよい:例えば、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバマート、又は3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバマート、又はトリメチルシリルエチルビニルカルボナート、又はトリメチルシリルメチルビニルカルボナート、又は3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(TRIS)、又は3−メタアイクリルオキシ(methaycryloxy)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(SiGMA)、又はメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールエチルメタクリレート(SiGEMA)、又はモノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(MCS−M11)、MCR−M07、又はモノメタクリルオキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、又はそれらの任意の組み合わせ等のポリ(オルガノシロキサン)モノマー又はマクロマー又はプレポリマー。本開示の重合性組成物の1つの例では、任意のシロキサンモノマーは、第2のシロキサンモノマー及び第3のシロキサンモノマーを含んでいてもよく、第3のシロキサンモノマーは、分子量、分子構造、又は分子量及び構造の両方に基づいて、重合性組成物中に存在する第2のシロキサンと異なる。例えば、任意の第2のシロキサンモノマー又は少なくとも1つの第3のシロキサンモノマーは、重合性組成物の式(3)の第1のシロキサンモノマーとは異なる分子量を有する式(3)のシロキサンモノマーであってもよい。別の例では、任意の第2のシロキサンモノマー又は少なくとも1つの第3のシロキサンは、以下の特許に開示されているシロキサンの少なくとも1つを含んでいてもよい:米国特許出願公開第2007/0066706号明細書、米国特許出願公開第US2008/0048350号明細書、米国特許第3808178号明細書、米国特許第4120570号明細書、米国特許第4136250号明細書、米国特許第4153641号明細書、米国特許第470533号明細書、米国特許第5070215号明細書、米国特許第5998498号明細書、米国特許第5760100号明細書、米国特許第6367929号明細書、及び欧州特許第080539号明細書。これら文献の内容は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
本コンタクトレンズの別の例では、第2のシロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトンの数平均分子量を有する、両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンであってもよい。そのようなシロキサンモノマーは、二官能性であると理解されるだろう。
本コンタクトレンズの別の例では、第2のシロキサンモノマーは、少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する、両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンであってもよい。そのようなシロキサンモノマーは、二官能性であると理解されるだろう。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき、少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき、少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本コンタクトレンズの1つの例では、任意の第2以上のシロキサンモノマーは、少なくとも4,000ダルトン、又は少なくとも7,000ダルトン、又は少なくとも9,000、又は少なくとも11,000ダルトンの数平均分子量を有していてもよい。第2のシロキサンモノマーの数平均分子量は、20,000ダルトン未満であってもよい。第2のシロキサンモノマーは、7,000ダルトン〜20,000ダルトンの数平均分子量を有するシロキサンモノマーであってもよい。従って、幾つかの状況では、第2のシロキサンモノマーは、マクロマーとみなすことができるが、重合性組成物の他の反応性成分と形成されるポリマーの単位部分を形成するため、本明細書ではモノマーと呼ばれるだろう。
本開示による任意の第2以上のシロキサンモノマーの例には、式(1)により表される単官能性シロキサンモノマーの例等の、少なくとも1つのウレタン結合を有する単官能性シロキサンモノマーが含まれていてもよく、
ここで、式(1)のnは、0〜30又は10〜15である。特定の例では、シロキサンモノマーは、式(1)のnが、12〜13であり、約1,500ダルトンの分子量を有する、式(1)のモノマーであってもよい。そのような単官能性シロキサンモノマーの例は、米国特許第6,867,245号明細書に記載されており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
任意の第2以上のシロキサンモノマーの例には、式(2)により表される二官能性シロキサンモノマーの例等の、少なくとも2つのウレタン結合を有する二官能性シロキサンモノマーが含まれていてもよく、
ここで、式(2)のnは、約100〜150の整数であり、式(2)のm及びpは、両方とも約5〜約10の整数であり、hは、約2〜8の整数である。そのような二官能性シロキサンモノマーの更なる例、及び式(2)の化合物を製作する方法は、米国特許第6,867,245号明細書に記載されており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。特定の例では、シロキサンモノマーは、2つのウレタン結合を有し、例えば、約15,000ダルトンを超える分子量等の、10,000ダルトンを超える分子量を有する二官能性シロキサンモノマーであってもよい。
第2のシロキサンモノマーは、式(3)により表される単官能性シロキサンモノマーであってもよく、
ここで、式(3)のmは、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnは、1〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のR
1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R
2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかであり、第2のシロキサンモノマーは、式(3)の第1のシロキサンモノマーとは異なる分子構造を有しているか、又は異なる分子量を有しているか、又は両方共が異なっている。言いかえれば、式1により表されるシロキサンモノマーの単一分子では、シロキサン基に隣接するCH
2基に結合されている式(3)の第1のR
2は、水素原子又はメチル基のいずれであってもよく、また、メタクリレート末端基のCに結合されている式(3)の第2のR
2は、式(3)の第1のR
2が水素原子であるか又はメチル基であるかに関わらず、水素原子又はメチル基のいずれであってもよい。式(3)のシロキサンモノマーの特定の例では、式(3)のmは4であり、式(3)のnは1であり、式(3)のR
1はブチル基であり、式(3)の各R
2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである。式(3)のシロキサンモノマーの分子量は、2,000ダルトン未満であってもよい。幾つかの例では、式(3)のシロキサンモノマーの分子量は、1,000ダルトン未満である。多くの場合、第1のシロキサンモノマーの分子量は、400〜700ダルトンである。式(3)のシロキサンモノマーの更なる詳細は、米国特許出願公開第20090299022号明細書から理解することができ、その内容は全て、参照により本明細書に組み込まれる。式(3)から理解することができるように、第1のシロキサンモノマーは、単一のメタクリル官能性末端基を有する。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき、少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの更に別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含み、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーが、単位質量部に基づき少なくとも2:1の比率で重合性組成物中に存在する重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する両末端がメタクリレートでエンドキャップされたポリジメチルシロキサンである第2のシロキサンモノマーを含み、重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、200:1〜1500:1の比率である重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
任意の第2以上のシロキサンモノマーは、式(4)により表される二官能性シロキサンモノマーであってもよく、
ここで、式(4)のR
1は、水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(4)のR
2は、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(4)のmは、0〜10の整数を表し;式(4)のnは、4〜100の整数を表し;a及びbは、1以上の整数を表し;a+bは、20〜500に等しく;b/(a+b)は、0.01〜0.22に等しく;シロキサン単位の配置は、無作為配置を含む。第2のシロキサンモノマーが式(4)により表されるモノマーである幾つかの例では、式(4)のmは、0であり、式(4)のnは、5〜15の整数であり、aは、65〜90の整数であり、bは、1〜10の整数であり、式(4)のR
1は、メチル基であり、式(4)のR
2は、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである。式(4)により表される第2のシロキサンモノマーの1つの例は、これら例においては、Si2と略されている。1つの例では、式(4)により表されるこの第2のシロキサンモノマーの数平均分子量は、約9,000ダルトン〜約10,000ダルトンである。他の例では、式(4)により表される第2のシロキサンモノマーは、約5,000ダルトン〜約10,000ダルトンである。式(4)により表される第2のシロキサンは、2つの末端メタクリル基を有する二官能性シロキサンであると理解することができる。この第2のシロキサンモノマーの更なる詳細は、米国特許出願公開第20090234089号明細書に見出すことができ、その内容は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「式(4)のシロキサンモノマー」及び「式(4)の第2のシロキサンモノマー」は、式(4)により表される二官能性シロキサンモノマーであると理解され、
ここで、式(4)のR
1は、水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(4)のR
2は、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(4)のmは、0〜10の整数を表し;式(4)のnは、4〜100の整数を表し;a及びbは、1以上の整数を表し;a+bは、20〜500に等しく;b/(a+b)は、0.01〜0.22に等しく;シロキサン単位の配置は、無作為配置を含む。式(4)のシロキサンモノマーの特定の例は、式(4)により表される二官能性シロキサンモノマーであり、
ここで、式(4)のmは、0であり、式(4)のnは、5〜15の整数であり、aは、65〜90の整数であり、bは、1〜10の整数であり、式(4)のR
1は、メチル基であり、式(4)のR
2は、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかであり;a及びbは、1以上の整数を表し、a+bは、20〜500に等しく、b/(a+b)は、0.01〜0.22に等しく、シロキサン単位の配置は、無作為配置を含む。従って、「式(4)のシロキサン」及び「式(4)の第2のシロキサンモノマー」は、本明細書で使用される場合、この段落に記載されているシロキサンモノマーのいずれか又は両方を指すと理解される。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)式(4)の第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの別の例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの更に別の例は、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)式(4)の第2のシロキサンモノマー、及び(d)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)の第1のシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN-ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(d)少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有する式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
任意の第2以上のシロキサンモノマーは、式(5)により表される二官能性シロキサンモノマーであってもよく、
ここで、R
3は、水素原子又はメチル基のいずれかから選択され、式(5)のmは、0〜15の整数を表し、式(5)のnは、1〜500の整数を表す。1つの例では、シロキサンモノマーは、式(5)により表され、R
3はメチル基であり、式(5)のmは、0であり、式(5)のnは、40〜60のうちの1つの整数である。
別の例では、任意の第2以上のシロキサンモノマーは、式(6)により表される二官能性シロキサンモノマーであり得、Gelest,Inc.社(Morrisville、米国ペンシルベニア州から、製品コードDMS−R18として市販されている。
1つの例では、式(6)により表されるシロキサンは、約4,000ダルトン〜約4,500ダルトンの数平均分子量を有する。
1つの例では、重合性組成物は、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーで構成されるシロキサンモノマー成分を含んでいてもよい。第2のシロキサンモノマーは、複数の官能基を有していてもよく、又は少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を有していてもよく、又は複数の官能基及び少なくとも7,000ダルトンの数平均分子量を両方とも有していてもよい。第2のシロキサンモノマーは、2つのメタクリレート基等の2つの官能基を有する場合、二官能性モノマーである。第2のシロキサンモノマーは、3つの官能基を有する場合、三官能性モノマーである。
重合性組成物が、式(3)の第1のシロキサン及び式(4)の第2のシロキサンを含む場合、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、第1のシロキサンモノマーの、第2のシロキサンモノマーに対する比率が、単位部に基づいて少なくとも1:1、又は単位部に基づいて少なくとも2:1であるような量で存在していもよい。例えば、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、単位部に基づいて約2:1〜約10:1の比率で、重合性組成物中に存在していてもよい。別の例では、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、単位部に基づいて約3:1〜約6:1の比率で、重合性組成物中に存在していてもよい。1つの例では、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマーは、単位部に基づいて約4:1の比率で、重合性組成物中に存在していてもよい。
1つの例では、重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーの総量(例えば、重合性組成物中に存在する任意の第1のシロキサンモノマー、任意の第2のシロキサンモノマー、及び任意の他の任意のシロキサンモノマーの単位部の合計)は、約10〜約60単位部、又は約25〜約50単位部、又は約35〜約40単位部であってもよい。
1つの特定の例では、シロキサンモノマー成分が、各々異なる分子量を有する少なくとも2つのシロキサンモノマーの組み合わせを含む場合、第1のシロキサンモノマーの分子量は、2,000ダルトン未満であってもよい。幾つかの例では、第1のシロキサンモノマーの分子量は、1,000ダルトン未満であってもよい。多くの場合、第1のシロキサンモノマーの分子量は、400〜700ダルトンである。
本明細書で開示された式(3)の第1のシロキサンモノマーは、少なくとも1つの第2のシロキサンモノマーと共に重合性組成物中に存在していてもよい。少なくとも1つの第2のシロキサンモノマーは、2つ以上のシロキサンモノマー、例えば第2のシロキサンモノマー及び第3のシロキサンモノマーを含む第2のシロキサンモノマー成分を含んでいてもよい。例えば、第2のシロキサンモノマー成分は、式(2)の第2のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンモノマーは、式(1)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。別の例では、第2のシロキサンモノマーは、式(1)のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンモノマーは、式(2)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。別の例では、第2のシロキサンモノマーは、式(3)の第1のシロキサンモノマーとは分子量又は構造又はその両方が異なる式(3)のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンは、式(4)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。別の例では、第2のシロキサンモノマーは、式(4)のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンモノマーは、式(3)の第1のシロキサンモノマーとは構造又は分子量又はその両方が異なる式(3)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。別の例では、第2のシロキサンモノマーは、式(1)のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンモノマーは、式(4)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。更に別の例では、第2のシロキサンモノマーは、式(4)のシロキサンモノマーからなっていてもよく、第3のシロキサンモノマーは、式(1)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。本明細書に記載の例のいずれか又は全てでは、シロキサンモノマー成分は、第4のシロキサンモノマーを含んでいてもよい。例えば、第4のシロキサンモノマーは、式(5)のシロキサンモノマーからなっていてもよい。
1つの例では、重合性組成物は、少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤との組み合わせで式(3)の第1のシロキサンを含み、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤(つまり、単一の架橋剤、又は2つ以上の架橋剤で構成される架橋剤成分)は、式(3)の第1のシロキサンモノマーの総単位質量部対少なくとも1つの架橋剤の総単位質量部(つまり、重合性組成物中に存在する全てのビニル含有架橋剤の単位部の合計)に基づいて、少なくとも10:1の比率で重合性組成物中に存在してもよい。例えば、比率は、単位質量部に基づいて、少なくとも25:1、又は少なくとも50:1、又は少なくとも100:1であってもよい。他の例では、比率は、単位質量部に基づいて、約50:1〜約500:1、又は約100:1〜約400:1、又は約200:1〜約300:1であってもよい。
重合性組成物が、少なくとも1つの架橋剤と組み合わせて、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び少なくとも1つの更なるシロキサンモノマー(つまり、任意の第2のシロキサン、第3のシロキサンモノマー、第4のシロキサンモノマー等)を含む場合、シロキサンモノマー及び少なくとも1つのビニル含有モノマーは、重合性組成物中に存在する各シロキサンモノマーの単位部の総数(つまり、第1のシロキサンモノマー及び第2のシロキサンモノマー及び存在する場合は第3のシロキサンモノマー等の単位部の合計)の、少なくとも1つのビニル含有架橋剤の単位部の総数(つまり、重合性組成物中に存在する全てのビニル含有架橋剤の単位部の合計)に対する比率に基づいて、少なくとも約100:1の比率で重合性組成物に存在していてもよい。例えば、比率は、単位質量部に基づいて、約50:1〜約500:1、又は約100:1〜約400:1、又は約200:1〜約300:1であってもよい。
加えて、本開示の重合性組成物は、任意に、少なくとも1つの非ケイ素疎水性モノマーを含んでいてもよい。疎水性モノマーは、その分子構造に重合性官能基が1つだけ存在する非シリコーン重合性成分であると理解される。重合性組成物の少なくとも1つの疎水性モノマーは、1つの疎水性モノマーであってもよく、又は少なくとも2つの疎水性モノマーで構成される疎水性モノマー成分を含んでいてもよい。本明細書に記載の重合性組成物に使用することができる疎水性モノマーの例には、限定ではないが、アクリラート含有疎水性モノマー、又はメタクリレート含有疎水性モノマー、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。疎水性モノマーの例には、限定ではないが、以下のものが含まれる:メチルアクリラート、又はエチルアクリラート、又はプロピルアクリラート、又はイソプロピルアクリラート、又はシクロヘキシルアクリラート、又は2−エチルヘキシルアクリラート、又はメチルメタクリレート(MMA)、又はエチルメタクリレート、又はプロピルメタクリレート、又はブチルアクリラート、又は酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニール、又は酪酸ブチル、又は吉草酸ビニル、又はスチレン、又はクロロプレン、又は塩化ビニル、又は塩化ビニリデン、又はアクリロニトリル、又は1−ブテン、又はブタジエン、又はメタクリロニトリル、又はビニルトルエン、又はビニルエチルエーテル、又はペルフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、又はイソボルニルメタクリレート、又はトリフルオロエチルメタクリレート、又はヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、又はヘキサフルオロブチルメタクリレート、又はエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、又はそれらの任意の組み合わせ。1つの特定の例では、疎水性モノマー又はモノマー成分は、MMA、又はEGMA、又はその両方を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
疎水性モノマー又はモノマー成分は、重合性組成物中に存在する場合、約5〜約25単位部、又は約10〜約20単位部の量で存在していてもよい。
1つの例では、疎水性モノマー成分は、各々異なる重合性官能基を有する少なくとも2つの疎水性モノマーを含んでいてもよい。別の例では、疎水性モノマー成分は、各々同一の重合性官能基を有する少なくとも2つの疎水性モノマーを含んでいてもよい。疎水性モノマー成分は、両方とも同一の重合性官能基を有する2つの疎水性モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。1つの例では、疎水性モノマー成分は、2つの疎水性メタクリレート含有モノマーを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。親水性モノマー成分は、MMA及びEGMAを含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。1つの例では、疎水性モノマー成分の少なくとも2つの疎水性モノマーは、MMA及びEGMAを含んでいてもよく又はからなっていてもよく、重合性組成物中に存在する、MMAの単位部の、EGMAの単位部に対する比率は、約6:1〜約1:1であってもよい。重合性組成物中に存在するMMA及びEGMAの単位部の比率は、MMAの単位部対EGMAの単位部に基づいて、約2:1であってもよい。
加えて、重合性組成物は、任意に、少なくとも1つの開始剤、又は少なくとも1つの有機希釈剤、又は少なくとも1つの界面活性剤、又は少なくとも1つの脱酸素剤、又は少なくとも1つの着色剤、又は少なくとも1つのUV吸収剤、又は少なくとも1つの連鎖移動剤、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。任意である少なくとも1つの開始剤、少なくとも1つの有機希釈液、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの脱酸素剤、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つのUV吸収剤、又は少なくとも1つの脱酸素剤、又は少なくとも1つの連鎖移動剤は、非ケイ素成分であると理解され、非重合性成分又は重合性成分(つまり、それらの分子構造の一部として、重合性官能基を有する成分)のいずれであってもよい。
重合性組成物には、任意に、1つ若しくは複数の有機希釈剤、1つ若しくは複数の重合開始剤(つまり、紫外線(UV)開始剤又は熱開始剤、又はその両方)、又は1つ若しくは複数のUV吸収剤、又は1つ若しくは複数の着色剤、又は1つ若しくは複数の脱酸素剤、又は1つ若しくは複数の連鎖移動剤、又はそれらの任意の組み合わせが含まれていてもよい。これら任意成分は、重合性成分であってもよく、又は非重合性成分であってもよい。1つの例では、重合性組成物は、希釈剤を含有していなくともよく、その場合、重合性組成物は、シロキサンと、任意の親水性モノマー、疎水性モノマー、及び架橋剤等の他のレンズ形成成分との混和性を達成するための有機希釈剤を一切含有していない。加えて、本重合性組成物の多くは、本質的に水を含有していない(例えば、質量で3.0%又は2.0%以下の水しか含有していない)。
本明細書で開示された重合性組成物は、任意に、1つ又は複数の有機希釈剤を含んでいてもよく、つまり、重合性組成物は、1つの有機希釈液を含んでいてもよく、又は2つ以上の有機希釈剤を含む有機希釈液成分を含んでいてもよい。本重合性組成物に任意に含まれていてもよい有機希釈剤には、限定ではないが、例えば、ペンタノール、又はヘキサノール、又はオクタノール、又はデカノール、又はそれらの任意の組み合わせ等の、低級アルコールを含むアルコールが含まれる。有機希釈剤又は有機希釈剤成分は、含まれている場合、約1〜約70単位部、又は約2単位部〜約50単位部、又は約5単位部〜約30単位部の量で、重合性組成物中に提供されていてもよい。
本重合性組成物は、任意に、1つ又は複数の重合開始剤を含んでいてもよく、つまり、重合性組成物は、1つの開始剤を含んでいてもよく、又は2つ以上の重合開始剤を含む開始剤成分を含んでいてもよい。本重合性組成物に含まれていてもよい重合開始剤には、例えば、アゾ化合物、又は有機過酸化物、又はその両方が含まれる。重合性組成物中に存在していてもよい開始剤には、限定ではないが、例えば、以下のものが含まれる:ベンゾインエチルエーテル、又はベンジルジメチルケタール、又はアルファ,アルファ−ジエトキシアセトフェノン、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、又はベンゾインペルオキシド、又はt−ブチルペルオキシド、又はアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、又はそれらの任意の組み合わせ。UV光開始剤には、例えば、以下のものが含まれていてもよい:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド、又はベンゾインメチルエーテル、又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、又はDarocur(BASF社製、Florham Park、ニュージャージー州、アメリカ合衆国)、又はIrgacur(これもBASF社製)、又はそれらの任意の組み合わせ。本明細書で開示された実施例1〜28の多くでは、重合開始剤は、熱開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル(VAZO−64、E.I.DuPont de Nemours&Co.社、Wilmington、デラウェア州、アメリカ合衆国)である。他の一般に用いられている熱開始剤には、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル(VAZO−52)及び1、1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)(VAZO−88)が含まれていてもよい。重合開始剤又は開始剤成分は、約0.01単位部〜約2.0単位部の量で、又は約0.1単位部〜約1.0単位部の量で、又は約0.2単位部〜約0.6単位質量部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。
任意に、本重合性組成物は、1つ又は複数のUV吸収剤を含んでいてもよく、つまり、重合性組成物は、1つのUV吸収剤を含んでいてもよく、又は2つ以上のUV吸収剤を含むUV吸収剤成分を含んでいてもよい。本重合性組成物に含まれていてもよいUV吸収剤には、例えば、ベンゾフェノン、又はベンゾトリアゾール、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、UV吸収剤は、2−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−フェニル)エチルメタクリレート(NORBLOC(登録商標)7966、Noramco社、Athens、ジョージア州、アメリカ合衆国)である。また、UV吸収剤は、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリラート(UV−416)であってもよい。UV吸収剤又はUV吸収剤成分は、約0.01単位部〜約5.0単位部の量で、又は約0.1単位部〜約3.0単位部の量で、又は約0.2単位部〜約2.0単位質量部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。
また、本開示の重合性組成物は、任意に、少なくとも1つの着色剤(つまり、1つの着色剤又は2つ以上の着色剤を含む着色剤成分)を含んでいてもよいが、着色レンズ製品及び無色レンズ製品の両方が企図される。1つの例では、着色剤は、その結果生じるレンズ製品を着色するのに効果的な反応性染料又は顔料であってもよい。重合性組成物の着色剤又は着色剤成分は、重合性着色剤を含んでいてもよく、又は非重合性着色剤を含んでいてもよく、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。重合性着色剤は、その分子構造が重合性官能基を含む着色剤であってもよく、その分子構造がモノマー部分及び染料部分を両方とも含む着色剤であってもよく、つまり、着色剤は、モノマー−染料化合物であってもよい。着色剤の分子構造は、ベータスルホン官能基を含んでいてもよく、又はトリアジン官能基を含んでいてもよい。着色剤には、例えば、以下のものが含まれていてもよい:VATブルー6(7,16−ジクロロ−6,15−ジヒドロアントラジン−5,9,14,18−テトラオン)、又は1−アミノ−4−[3−(ベータ−スルファトエチルスホニル)アニリオ]−2−アントラキノンスルホン酸(C.I.リアクティブブルー19、RB−19)、又はリアクティブブルー19及びヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー−染料化合物(RB−19 HEMA)、又は1,4−ビス[4−[(2−メタクリル−オキシエチル)フェニルアミノ]アントラキノン(リアクティブブルー246、RB−246、Arran Chemical Company社、Athlone、アイルランドから入手可能)、又は1,4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロペン酸)エステル(RB−247)、又はリアクティブブルー4、RB−4、又はリアクティブブルー4及びヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー−染料化合物(RB−4 HEMA又は「ブルーHEMA」)、又はそれらの任意の組み合わせ。1つの例では、着色剤又は着色剤成分は、重合性着色剤を含んでいてもよい。重合性着色剤成分は、例えば、RB−246、又はRB−274、又はRB−4 HEMA、又はRB−19 HEMA、又はそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。モノマー−染料化合物の例には、RB−4 HEMA及びRB−19 HEMAが含まれる。モノマー−染料化合物の更なる例は、米国特許第5944853号明細書及び米国特許第7216975号明細書に記載されており、それら文献は両方とも、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。他の例示的な着色剤は、例えば、米国特許出願公開第2008/0048350号明細書に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、着色剤は、米国特許第4997897号明細書に記載のもの等のリアクティブブルー染料であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明による使用に好適な他の着色剤は、フタロシアニンブルー、又はフタロシアニングリーン等のフタロシアニン顔料、又はクロム−アルミナ−コバルト酸化物、又は酸化クロム、又は赤色、黄色、褐色、及び黒色の種々の酸化鉄、又はそれらの任意の組み合わせである。また、二酸化チタン等の不透明化剤が、組み込まれていてもよい。ある応用の場合、異なる色を有する着色剤の組み合わせを、着色剤成分として使用してもよい。着色剤又は着色剤成分は、使用される場合、約0.001単位部〜約15.0単位部の量で、又は約0.005単位部〜約10.0単位部の量で、又は約0.01単位部〜約8.0単位部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。
本開示の重合性組成物は、任意に、少なくとも1つの脱酸素剤、つまり、1つの脱酸素剤、又は2つ以上の脱酸素剤を含む脱酸素剤成分を含んでいてもよい。本重合性組成物の脱酸素剤又は脱酸素剤成分として含まれていてもよい脱酸素剤の例には、例えば、ビタミンE、又はフェノール化合物、又はホスフィット化合物、又はホスフィン化合物、又はアミンオキシド化合物、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。例えば、脱酸素剤又は脱酸素剤成分は、ホスフィン含有化合物からなっていてもよく、又は含んでいてもよい。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、脱酸素剤又は脱酸素剤成分は、トリフェニルホスフィン等のホスフィン含有化合物、又はジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィン等の重合可能な形態のトリフェニルホスフィンである。
連鎖移動反応は、成長中のポリマー鎖の活性が別の分子に移動し、最終ポリマーの平均分子量を低減させる重合反応である。本開示の重合性組成物は、任意に、少なくとも1つの連鎖移動剤を含んでいてもよく、つまり、1つの連鎖移動剤を含んでいてもよく、又は少なくとも2つの連鎖移動剤を含む連鎖移動剤成分を含んでいてもよい。本重合性組成物の連鎖移動剤又は連鎖移動反応成分として含まれていてもよい連鎖移動剤の例には、例えば、チオール化合物、又はハロゲン化炭素化合物、又はC3〜C5炭化水素、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。本明細書に開示されている実施例1〜28の多くでは、連鎖移動剤は、アリルオキシエタノールである。連鎖移動剤又は連鎖移動反応成分は、重合性組成物中に存在する場合、約0.01単位部〜約1.5単位部、例えば、約0.1単位部〜約0.5単位部の量で存在していてもよい。
先述の例のいずれか又は各々では、以前に議論されているように、親水性モノマー又はモノマー成分(例えば、重合性組成物中に存在する1つ又は複数の親水性モノマー)の量は、重合性組成物の30〜60単位部であってもよい。1つの例では、親水性モノマー又はモノマー成分の混合物は、重合性組成物の40〜55単位部、又は組成物の45〜50単位部を占めていてもよい。重合性組成物中に存在する場合、VMAは、30単位部〜60単位部の量で存在していてもよい。1つの例では、VMAは、約40単位部〜約55単位部、又は約45単位部〜約50単位部の量で、重合性組成物中に存在する。親水性モノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、又は2−ヒドロキシルブチルメタクリレート(HOB)は、任意の第2の親水性モノマー又はモノマーの混合物として重合性組成物中に存在する場合、約3〜約10単位部の量で存在していてもよい。
本明細書で使用される場合、分子量は、数平均分子量を指すと理解される。数平均分子量は、モノマーの試料中に存在する個々の分子の分子量の通常の算術平均又は平均である。モノマーの試料中の個々の分子は、モル質量が互いにわずかに異なる場合があるため、あるレベルの多分散性が、試料中に存在する場合がある。本明細書で使用される場合、重合性組成物のシロキサンモノマー、又は任意の他のモノマー、マクロマー、プレポリマー、若しくはポリマーが、多分散系である場合、用語「分子量」は、モノマー又は成分の数平均分子量を指す。1つの例として、シロキサンモノマーの試料は、約15,000ダルトンの数平均分子量を有していてもよいが、試料が多分散系である場合、試料中に存在する個々のモノマーの実際の分子量は、12,000ダルトン〜18,000ダルトンの範囲であってもよい。
数平均分子量は、当業者により理解されているように、プロトン核磁気共鳴(NMR)末端基分析法により決定される絶対数平均分子量であってもよい。分子量は、当業者により理解されているように、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される場合もあり、又は化学薬品の供給業者により提供される場合がある。
本明細書で使用される場合、単位部は、単位質量部を意味すると理解される。例えば、x単位部のシロキサンモノマー及びy単位部の親水性モノマーを含むと記述される配合物を調製するためには、xグラムのシロキサンモノマーをyグラムの親水性モノマーと混合して合計y+zグラムの重合性組成物を得ることにより、又はzオンスのシロキサンをyオンスの親水性モノマーと混合して合計y+zオンスの重合性組成物を得ること等により、組成物を調製することができる。組成物が、例えば、x単位部の架橋剤等の更なる任意成分を更に含む場合、xグラムの架橋剤を、zグラムのシロキサンモノマー及びyグラムの親水性モノマーと混合して、合計x+y+zグラムの重合性組成物を得る等である。組成物が、z単位部のシロキサンモノマー、y単位部の親水性モノマー、及びx単位部の架橋剤に加えて、例えば、第1の疎水性モノマー及び第2の疎水性モノマーからなる疎水性モノマー成分等の、2つの成分で構成される構成成分を含む更なる任意成分を含む場合、w単位部の第1の疎水性モノマー及びv単位部の第2の疎水性モノマーを混合して、合計量v+w+x+y+z単位部の重合性組成物を得る。そのような重合可能物中に存在する少なくとも1つの疎水性モノマーの単位部は、第1の疎水性モノマーの単位部及び第2の疎水性モノマーの単位部の合計、例えば、この例では、v+w単位部であると理解される。典型的には、重合性組成物の配合は、合計が約90〜約110単位質量部となる量の成分で構成されることになる。重合性組成物の成分の量が、単位部として本明細書に記載される場合、これら成分の単位部は、約90〜110単位部の範囲の組成物の総質量を提供する配合に基づくと理解されるべきである。1つの例では、単位質量部は、約95〜105単位質量部、又は約98〜102単位質量部の範囲の組成物の総質量を提供する配合に基づいていてもよい。
本明細書で使用される場合、ある単位部のポリマーを形成するために反応させることができる反応性成分は、そのサイズに関わらず、モノマーと呼ばれる。重合性組成物に存在するシロキサンモノマーは、単一のシロキサンモノマーを含んでいてもよく、又は2つ以上のシロキサンモノマーで構成されるシロキサンモノマー成分を含んでいてもよい。任意の第2のシロキサンモノマーは、親水性シロキサンモノマー又は疎水性シロキサンモノマーであってもよく、又はシロキサンモノマーの分子構造に存在する、エチレングリコール及びポリエチレングリコール等の単位等の任意の親水性成分の量及び位置に応じて、親水性領域及び疎水性領域の両方を有していてもよい。
ポリマー成分及び液体成分の組み合わせは、個体の眼に装着するのに好適な水和レンズ体として存在する。水和レンズ体は、一般的に凸状前面及び一般的に凹状後面を有し、10質量/質量%(wt/wt)を超える平衡含水率(EWC)を有する。従って、本コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズであると理解することができ、本明細書で使用される場合、完全水和時に壊れることなく折りたたむことができるコンタクトレンズを指す。
当産業で理解されているように、1日使い捨てコンタクトレンズは、コンタクトレンズ製造業者により生産された密封滅菌パッケージ(一次パッケージ)から取り出された未装用コンタクトレンズであり、個体の眼に装着され、個体がその日の終わりにレンズの装用を終了した後、取り外されて廃棄される。典型的には、1日使い捨てコンタクトレンズのレンズ装用期間は、8〜14時間であり、その後、装用後に破棄される。1日使い捨てレンズは、パッケージを開封する前は滅菌状態なので、眼に装着する前に洗浄されず又は洗浄溶液と接触しない。1日使い捨てシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、毎日交換される使い捨てシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。対照的に、非1日使い捨てコンタクトレンズは、毎日ほど頻繁には交換されない使い捨てコンタクトレンズである(例えば、毎週、2週毎、毎月)。非1日使い捨てコンタクトレンズは、眼から取り外して定期的に清浄溶液で洗浄されるか、又は眼から取り外すことなく連続的に装用される。本コンタクトレンズは、1日使い捨てコンタクトレンズ又は非1日使い捨てコンタクトレンズのいずれであってもよい。本開示は、式(3)の第1のシロキサンモノマー、及び少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物;これら重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体;水和形態のこれら重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ;密封パッケージ中にこれらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むパッケージ;及びこれらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法に関する。
加えて、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、特定のレンズ特性を有する場合がある。
1つの例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全水和時に、約30〜約70%の平衡含水率(EWC)を有していてもよい。例えば、コンタクトレンズは、完全水和時に、質量で、約45%〜約65%、又は約50%〜約63%、又は約50%〜約67%、又は約55%〜約65%のEWCを有していてもよい。EWCを決定する方法は、当業者に知られており、乾燥工程中のレンズの質量減少に基づいていてもよい。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全水和時に、約0.20MPa〜約0.90MPaの平均引張モジュラスを有していてもよい。例えば、平均モジュラスは、約0.30MPa〜約0.80MPa、又は約0.40MPa〜約0.75MPa、又は約0.50MPa〜約0.70MPaであってもよい。
本明細書で使用される場合、コンタクトレンズ又はレンズ体のモジュラスは、ヤングモジュラスとしても知られている引張モジュラスを指すと理解される。それは、弾性材料の硬性の尺度である。引張モジュラスは、ANSI Z80.20基準による方法を使用して測定することができる。1つの例では、引張モジュラスは、Instron3342型又は3343型の機械的検査システムを使用して測定することができる。
本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全水和時に、約25%〜約40%の平均エネルギー損失率を有していてもよい。例えば、平均エネルギー損失率は、約27%〜約40%であってもよく、又は約30%〜約37%であってもよい。
本明細書で使用される場合、エネルギー損失率は、エネルギー負荷及び除荷サイクルを粘弾性材料に加えた際に、熱として失われるエネルギーの尺度である。エネルギー損失率は、当業者に知られている幾つかの方法を使用して決定することができる。例えば、試料を100%ひずみに伸張し、その後一定の速度で試料を0%に戻す際に関与する力を決定及び使用して、その材料のエネルギー損失率を計算することができる。
本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラー(Dk≧55バーラー)の酸素透過率(又はDk)、又は少なくとも60バーラー(Dk≧60バーラー)の酸素透過率、又は少なくとも65バーラー(Dk≧65バーラー)の酸素透過率を有していてもよい。レンズは、約55バーラー〜約135バーラー、又は約60バーラー〜約120バーラー、又は約65バーラー〜約90バーラー、又は約50バーラー〜約75バーラーの酸素透過率を有していてもよい。酸素透過率を決定するための種々の方法が、当業者に知られている。
本コンタクトレンズは、完全水和時に、約8.0×10-3mm2/分未満、又は約7.0×10-3mm2/分未満、又は約5.0×10-3mm2/分未満のイオノフラックス(ionoflux)を有していてもよい。イオノフラックスを決定するための種々の方法が、当業者に知られている。
本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラー(Dk≧55バーラー)の酸素透過率、又は約30%〜約70%のEWC、又は90度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は70度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組み合わせを有していてもよい。1つの例では、本コンタクトレンズは、少なくとも60バーラー(Dk≧60バーラー)の酸素透過率、又は約35%〜約65%のEWC、又は70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組み合わせを有していてもよい。別の例では、本コンタクトレンズは、少なくとも65バーラーの酸素透過率、又は約45%〜約65%のEWC、又は70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の捕捉気泡静的接触角、又はそれらの任意の組み合わせを有していてもよい。
1つの例では、本コンタクトレンズは、少なくとも55バーラーの酸素透過率、約30%〜約70%のEWC、70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、及び55度未満の捕捉気泡静的接触角を有する。
1つの例では、本コンタクトレンズは、完全水和時に、少なくとも55バーラー(Dk≧55バーラー)の酸素透過率、及び約0.2MPa〜約0.9MPaの引張モジュラス、及び70度未満の捕捉気泡動的前進接触角、及び55度未満の捕捉気泡静的接触角を有していてもよい。
捕捉気泡法を含む、接触角を測定する種々の方法が、当業者に知られている。接触角は、静的接触角又は動的接触角であってもよい。本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、完全水和時に90度未満の、完全水和時に80度未満の、完全水和時に70度未満の、又は完全水和時に65度未満の、又は完全水和時に60度未満の、又は完全水和時に50度未満の等、完全水和時に120度未満の捕捉気泡動的前進接触角を有していてもよい。本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全水和時に70度未満の、又は完全水和時に60度未満の、又は完全水和時に55度未満の、又は完全水和時に50度未満の、又は完全水和時に45度未満の捕捉気泡静的接触角を有していてもよい。
1つの例では、本コンタクトレンズは、湿潤性抽出可能成分を有していてもよい。湿潤性抽出可能成分は、乾燥及び抽出試験の前に完全に水和及び滅菌されているコンタクトレンズのメタノール抽出中に失われる質量に基づいて決定される。湿潤性抽出可能成分は、重合性組成物の未反応又は部分的に反応した重合性成分を含んでいてもよい。湿潤性抽出可能成分は、非重合性成分を含む重合性組成物から形成されるレンズの場合、レンズ体が完全に加工されて滅菌コンタクトレンズが形成された後でレンズ体に残留する有機溶媒抽出可能材料からなる。揮発性有機溶媒を含む抽出液又は有機溶媒を含んでいない抽出液のいずれかで製造中に抽出されるレンズの場合、ほとんどの場合、非重合性成分の実質的に全てがレンズ体から除去されることになり、従って、湿潤性抽出可能成分は、重合性組成物の反応性重合性成分、つまり、未反応の重合性成分及び部分的に反応した重合性成分から形成される抽出可能成分から本質的になっていてもよい。希釈剤を含んでいない重合性組成物から製作されるレンズでは、湿潤性抽出可能成分は、抽出試験前のレンズ体の乾燥質量に基づいて、約1質量/質量%〜約15質量/質量%、又は約2質量/質量%〜約10質量/質量%、又は約3質量/質量%〜約8質量/質量%の量でコンタクトレンズに存在していてもよい。希釈剤を含む重合性組成物から製作されるレンズでは、湿潤性抽出可能成分は、希釈剤の一部並びに未反応及び部分的に反応した重合性成分からなっていてもよく、抽出試験前のレンズ体の乾燥質量に基づいて、約1質量/質量%〜約20質量/質量%、又はレンズの約2質量/質量%〜約15質量/質量%、又は約3質量/質量%〜約10質量/質量%の量でコンタクトレンズに存在していてもよい。
1つの例では、本コンタクトレンズは、乾燥抽出可能成分を有する。乾燥抽出可能成分は、乾燥及び抽出試験の前に、洗浄、抽出(製造過程の一部として)、水和、又は滅菌されていない重合レンズ体のメタノール抽出中に失われる質量に基づいて決定される。乾燥抽出可能成分は、重合性組成物の未反応又は部分的に反応した重合性成分を含んでいてもよい。希釈剤等の任意の非重合性成分が重合性組成物中に存在する場合、乾燥抽出可能成分は、非重合性成分を更に含んでいてもよい。
希釈剤を含んでいない重合性組成物から製作されるレンズでは、レンズの乾燥抽出可能成分は、主に、重合性組成物の重合性成分(つまり、未反応又は部分的に反応した重合性成分)を含む乾燥抽出可能成分からなり、例えば、着色剤及び脱酸素剤等の、重合性組成物中に存在する少量(例えば、3質量/質量%未満)の任意の非重合性成分を含む乾燥抽出可能材料も含んでいてもよい。希釈剤を含んでいない重合性組成物から製作されるレンズでは、乾燥抽出可能成分は、抽出試験の前のレンズ体の乾燥質量に基づいて、レンズ体の約1質量/質量%〜約30質量/質量%、又は約2質量/質量%〜約25質量/質量%、又は約3質量/質量%〜約20質量/質量%、又は約4質量/質量%〜約15質量/質量%、又は約2質量/質量%〜約10質量/質量%未満の量で、重合レンズ体に存在していてもよい。
希釈剤等の、大量の(例えば、3質量/質量%超の)任意の非重合性成分を含む重合性組成物から製作されるレンズでは、乾燥抽出可能成分は、反応性成分を含む抽出可能材料並びに重合性組成物の非重合性成分を含む抽出可能成分からなる。コンタクトレンズに存在する反応性成分及び非重合性成分を含む乾燥抽出可能成分の総量は、抽出試験前の重合レンズ体の乾燥質量に基づいて、約1質量/質量%〜約75質量/質量%、又はレンズの約2質量/質量%〜約50質量/質量%、又は約3質量/質量%〜約40質量/質量%、又は約4質量/質量%〜約20質量/質量%、又は約5%〜約10%の量からなっていてもよい。重合性成分(つまり、未反応又は部分的に反応した重合性成分)を含む乾燥抽出可能成分の総量は、抽出試験前のレンズ体の乾燥質量に基づいて、レンズ体の約1質量/質量%〜約30質量/質量%、又は約2質量/質量%〜約25質量/質量%、又は約3質量/質量%〜約20質量/質量%、又は約4質量/質量%〜約15質量/質量%、又は約2質量/質量%〜約10質量/質量%未満の量であってもよい。
本明細書に記載の組成物から形成されるコンタクトレンズへの言及は、前面及び後面を有するレンズ体であり、後面は、コンタクトレンズ装用者の眼の角膜に接して装着されるように構成されていることも理解される。本発明のレンズ体は、完全に透明であってもよい。或いは、コンタクトレンズが、コンタクトレンズ装用者の虹彩の外観を変更するように構成されている化粧用レンズである場合、レンズ体は、透明な光学帯を含んでいてもよい。
本発明は、装用時に上皮組織又は他の眼組織と接触し得るコンタクトレンズに有用である。本発明は、柔軟性があり、且つ硬質であるレンズ材料を含む、全ての公知のタイプのコンタクトレンズに有用である。本発明のコンタクトレンズの例では、コンタクトレンズは、視力矯正を提供するように、視力を向上させるように、又は視力矯正を提供し、且つ視力を向上させるように構成されている少なくとも1つの光学帯を有するレンズである。例えば、光学帯は、球状矯正、円環矯正、又は三次以上の高次矯正を提供するように構成されていてもよい。光学帯は、近視距離、遠視距離、又は近視距離及び遠視距離の両方での視力を向上させるように構成されていてもよい。本発明のコンタクトレンズの他の特徴及び例は、以下のセクションで例示されている。
本ヒドロゲルコンタクトレンズは、視力矯正用コンタクトレンズ又は視力強化用コンタクトレンズである。レンズは、球面レンズであってもよく又は非球面レンズであってもよい。レンズは、単焦点レンズであってもよく、又は二重焦点レンズを含む多焦点レンズであってもよい。1つの例では、本レンズは、回転安定性円環コンタクトレンズ等の回転安定性レンズである。回転安定性コンタクトレンズは、バラストを含むレンズ体を含むコンタクトレンズであってもよい。例えば、レンズ体は、プリズムバラスト、ペリバラスト、及び/又は1つ又は複数の薄層上部及び下部領域を有していてもよい。
また、本レンズは、周辺端部領域を含むレンズ体を含む。周辺端部領域は、丸みを帯びた部分を含んでいてもよい。例えば、周辺端部領域は、丸みを帯びた後方端部表面、丸みを帯びた前方端部表面、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。周辺端部は、前面から後面まで完全に丸みを帯びていてもよい。従って、本レンズのレンズ体は、丸みを帯びた周辺端部を含んでいてもよいことを理解することができる。
本開示のコンタクトレンズは、動物又はヒトの眼の角膜に設置又は配置するように構成されているため、眼科的に許容されるコンタクトレンズである。本明細書で使用される場合、眼科的に許容されるコンタクトレンズは、下記に記載の幾つかの異なる特性の少なくとも1つを有するコンタクトレンズであると理解される。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、眼科的に許容される成分から形成され、かつ、眼科的に許容される成分中にパッケージすることができ、そのためレンズは、細胞毒性ではなく、装用中に刺激成分及び/又は毒性成分を放出しない。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズの光学帯(つまり、視力矯正を提供するレンズの部分)において、眼の角膜と接触させて使用するために十分なレベルの透明性を有することができ、例えば、可視光の少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を透過させる。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、その意図されている使用期間に基づく期間にわたって、レンズ取扱い及び管理を容易にするために十分な機械的性質を有することができる。例えば、そのモジュラス、引張り強さ、及び伸び率は、挿入、装用、取り外し、及び任意にレンズの意図されている使用期間にわたる洗浄に耐えるのに十分であり得る。適切な特性のレベルは、レンズの意図されている使用期間及び使用法(例えば、単回使用の1日使い捨て、毎月の複数回使用等)に応じて様々であろう。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズを角膜に8時間以上連続的に装用した後、表面的な又は中程度の角膜着色よりも重症の角膜着色等の角膜着色を実質的に阻害又は実質的に防止するのに効果的な又は適切なイオノフラックスを有することができる。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、長期的な角膜の健康に十分な量の酸素の、レンズ装用眼の角膜への到達を可能にするのに十分なレベルの酸素透過率を有することができる。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、睡眠中一晩にわたって眼の角膜に装用された後、レンズ装用眼に実質的な又は過度の角膜膨張を引き起こさない、例えば、約5%又は10%以下の角膜膨張しか引き起こさないレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズが、レンズ装用眼の角膜を適度に移動して、レンズと眼との間の涙の流れを容易にすることが可能であるレンズであり得る。言いかえれば、正常なレンズの移動を妨げるのに十分な力でレンズを眼に付着させないが、眼における移動のレベルが十分に少なく、視力矯正が可能である。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、過度な又は著しい不快感、及び/又は刺激、及び/又は疼痛をもたらさずに、レンズを眼に装用することを可能にするレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、レンズ着用者がそのような沈着物のためにレンズを取り外すほどの、脂質及び/又はタンパク質沈着物を阻害又は実質的に防止するレンズであり得る。眼科的に許容されるコンタクトレンズは、コンタクトレンズ装用者による少なくとも1日間の眼科的に適合するコンタクトレンズの装用を容易にするのに効果的な、含水量、又は表面湿潤性、又はモジュラス若しくは設計、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを有していてもよい。眼科的に適合する装用は、不快感がほとんど又は全くなく、角膜着色がほとんど又は全く発生しない、レンズ装用者によるレンズの装用を指すと理解される。コンタクトレンズが眼科的に許容されるか否かの決定は、眼科医療医師により実施されるもの、及び当業者により理解されているもの等の、従来の臨床法を使用して達成することができる。
本開示の1つの例では、コンタクトレンズは、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。例えば、重合レンズ体を形成するのに使用される重合性組成物が、内部湿潤剤を含んでいない場合、又は重合レンズ体を形成するのに使用される重合性組成物が、有機希釈剤を含んでいない場合、又は重合レンズ体が、水又は揮発性有機溶媒を含んでいない水溶液で抽出される場合、又は重合レンズ体が、表面プラズマ処理を施されていない場合、又はそれらの組み合わせの場合、コンタクトレンズは、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。
コンタクトレンズ表面の湿潤性を増加させるために当技術分野で一般的に使用される1つの手法は、レンズ表面に処理を施すか、又はレンズ表面を改質することである。本開示によると、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理又は表面改質が存在しない、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有してもよい。表面処理には、例えば、レンズ表面の親水性を増加させるプラズマ及びコロナ処理が含まれる。本レンズ体に1つ又は複数の表面プラズマ処理を施すことは可能であるが、完全水和時に眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。言いかえれば、1つの例では、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面プラズマ又はコロナ処理が施されていなくともよい。
表面改質には、例えば、親水性ポリマー等の湿潤剤を、化学結合又は別の形態の化学的相互作用により、少なくともレンズ表面に結合させること等、湿潤剤をレンズ表面に結合させることが含まれる。幾つかの場合には、湿潤剤は、化学結合又は別の形態の化学的相互作用により、レンズ表面、並びにレンズのポリマーマトリックスの少なくとも一部、つまり、レンズのバルクの少なくとも一部に結合されていてもよい。本開示の眼科的に許容される湿潤性レンズ表面は、少なくともレンズ表面に結合された湿潤剤(例えば、ポリマー材料又は非ポリマー材料)が存在しなくとも、眼科的に許容される湿潤性であり得る。本レンズに1つ又は複数の湿潤剤を結合させることは可能であるが、完全水和時に眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。従って、1つの例では、本開示のレンズは、例えば親水性ポリマー等の、ポリビニルピロリドンを含む、レンズ表面に結合された湿潤剤を含んでいてもよい。或いは、別の例では、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ表面に結合された湿潤剤を含んでいなくともよい。
レンズ湿潤性を増加させる別の方法は、レンズ体の膨張時に湿潤剤をレンズ体に導入し、その後レンズ体をあまり膨張していない状態に戻し、それにより湿潤剤の一部をレンズ体内に捕捉すること等により、湿潤剤をレンズ体又はコンタクトレンズ内に物理的に捕捉することである。湿潤剤は、恒久的にレンズ体内に捕捉されていてもよく、又は装用中に等、レンズから経時的に放出されてもよい。本開示の眼科的に許容される湿潤性レンズ表面は、重合レンズ体を形成した後でレンズ体に物理的に捕捉された湿潤剤(例えば、ポリマー材料又は非ポリマー材料)が存在せずに、眼科的に許容される湿潤性であり得る。1つ又は複数の湿潤剤を本レンズに物理的に捕捉させることは可能であるが、完全水和時に眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。従って、1つの例では、本開示のレンズは、例えば親水性ポリマー等の、ポリビニルピロリドンを含む、レンズ内に捕捉された湿潤剤を含んでいてもよい。或いは、本開示のヒドロゲルコンタクトレンズ、例えば、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ内に物理的に捕捉された湿潤剤を含んでいなくともよい。本明細書で使用される場合、物理的に捕捉されるとは、レンズのポリマーマトリックスに湿潤剤又は他の成分が固定されており、湿潤剤及び/又は他の成分とポリマーマトリックスとの間に化学結合又は化学的相互作用がほとんど又は全くないことを指す。これは、イオン結合、共有結合、及びファンデルワールス力等により、ポリマーマトリックスに化学的に結合される成分とは対照的である。
ヒドロゲルコンタクトレンズ、例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性を増加させるために当技術分野で一般的に使用される別の手法は、1つ又は複数の湿潤剤を重合性組成物の添加することを含む。1つの例では、湿潤剤は、ポリマー湿潤剤であってもよい。しかしながら、本開示のコンタクトレンズは、重合レンズ体を形成するために使用される重合性組成物が湿潤剤を含んでいなくとも、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。1つ又は複数の湿潤剤を本重合性組成物に含有させて、本開示のヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性を増加させることは可能であるが、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。言いかえれば、1つの例では、本開示のヒドロゲルコンタクトレンズは、湿潤剤を含んでいない重合性組成物から形成することができる。或いは、別の例では、本発明の重合性組成物は、湿潤剤を更に含んでいてもよい。
1つの例では、湿潤剤は、内部湿潤剤であってもよい。内部湿潤剤は、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも部分内に結合されていてもよい。例えば、内部湿潤剤は、化学結合又は別の形態の化学的相互作用により、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも部分内に結合されていてもよい。幾つか場合では、湿潤剤は、同様に、レンズ表面に結合されていてもよい。内部湿潤剤は、ポリマー材料又は非ポリマー材料を含んでいてもよい。本レンズのポリマーマトリックス内に1つ又は複数の内部湿潤剤を結合させることは可能であるが、完全水和時に眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。従って、1つの例では、本開示のレンズは、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも部分に結合された内部湿潤剤を含んでいてもよい。或いは、別の例では、本開示のヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズのポリマーマトリックスの少なくとも部分に結合された内部湿潤剤を含んでいなくともよい。
別の例では、湿潤剤は、内部ポリマー湿潤剤であってもよい。内部ポリマー湿潤剤は、相互貫入高分子網目構造(IPN)又は半IPNの一部として、重合レンズ体に存在していてもよい。相互貫入高分子網目構造は、各々がそれ自体と架橋しているが、いずれも相互には架橋していない少なくとも2つのポリマーにより形成される。同様に、半IPNは、少なくとも1つはそれ自体と架橋しているが、他のポリマーとは架橋しておらず、他はそれ自体とも他のポリマーとも架橋していない少なくとも2つのポリマーにより形成される。本開示の1つの例では、コンタクトレンズは、重合レンズ体が、IPN又は半IPNとしてレンズ体に存在する内部ポリマー湿潤剤を含んでいなくとも、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有することができる。或いは、コンタクトレンズは、IPN又は半IPNとしてレンズ体に存在する内部ポリマー湿潤剤を含んでいてもよい。
更に別の例では、湿潤剤は、レンズ体を形成するために使用される重合性組成物中に存在する連結化合物であってもよく、又はレンズ体が形成された後で重合レンズ体内に物理的に捕捉される連結剤であってもよい。湿潤剤が連結化合物である場合、レンズ体を重合させた後、又は重合レンズ体に連結剤を捕捉させた後、レンズ体を湿潤剤と接触させると、連結化合物は、その後第2の湿潤剤をレンズ体に連結することができる。連結は、製造過程の一部として、例えば洗浄工程として生じてもよく、又はレンズ体をパッケージング溶液と接触させる際に生じてもよい。連結は、イオン結合の形態、又は共有結合、又はファンデルワールス引力の形態を取っていてもよい。連結剤は、ボロン酸部分又は基を含んでいてもよく、そのため、重合ボロン酸部分又は基は、重合レンズ体に存在しているか、又はボロン酸部分又は基は、重合レンズ体に物理的に捕捉されている。例えば、連結剤が、ある形態のボロン酸を含む場合、第2の湿潤剤は、ある形態のボロン酸と結合した形態のポリ(ビニルアルコール)を含んでいてもよい。任意に、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、連結剤を含んでいないと理解される場合がある。1つの例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合ボロン酸部分又は基を含むボロン酸部分又は基を含んでいなくともよく、すなわち、具体的には、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、ビニルフェニルボロン酸(VPB)を含むボロン酸の重合性形態等のボロン酸の形態を含んでいない重合性組成物から形成することができ、ビニルフェニルボロン酸(VPB)等のボロン酸の重合性形態に由来する単位を含んでいないポリマーから形成することができ、重合レンズ体及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、そこに物理的に捕捉されたボロン酸のポリマー性又は非ポリマー性形態を含むボロン酸の形態を含んでいなくともよい。或いは、重合性組成物、又は重合レンズ体、又はヒドロゲルコンタクトレンズ、又はそれらの任意の組み合わせは、少なくとも1つの連結剤を含んでいてもよい。
重合性組成物中に湿潤剤を含むこと及びレンズ表面を改質することに加えて、揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の水溶液で重合レンズ体を洗浄することが、レンズ表面、特にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ表面の湿潤性を増加させるために使用されている。揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の水溶液で本重合レンズ体を洗浄することは可能であるが、本開示によると、完全水和時に眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するヒドロゲルコンタクトレンズを得るためには、そのような処理は必要ではない。言いかえれば、1つの例では、本発明のヒドロゲルコンタクトレンズは、製造過程の一部として、揮発性有機溶媒の溶液を含む揮発性有機溶媒と接触していない。1つの例では、本発明のヒドロゲルコンタクトレンズは、湿潤剤を含んでいない重合性組成物から形成されていてもよく、又は重合レンズ体及び/若しくは水和コンタクトレンズは、湿潤剤を含んでいなくともよく、又は表面処理が施されていなくともよく、又は表面改質が施されていなくともよく、又は製造過程中の揮発性有機溶媒と接触しなかったか、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。その代わりに、例えば、ヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、水、又は揮発性低級アルコールを含んでいない液体を含む、揮発性有機溶媒を含んでいない水溶液等の、揮発性有機溶媒を含んでいない洗浄液で洗浄されていてもよい。
レンズ体を抽出するために揮発性有機溶媒を使用することは、有機溶媒のコスト、溶媒処分のコスト、防爆製造設備を使用する必要性、パッケージ前にレンズから溶媒を除去する必要性等の要因により、生産コストに著しく寄与する。しかしながら、揮発性有機溶媒を含んでいない水性液体で抽出する場合、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するコンタクトレンズを一貫して生産可能な重合性組成物の開発は、挑戦的であり得る。例えば、揮発性有機溶媒を含んでいない水性液体で抽出されたコンタクトレンズのレンズ表面に非湿潤性領域の存在を見出すことは、よくあることである。
以前に議論されているように、本開示の1つの例では、コンタクトレンズは、製造中に低級アルコール等の揮発性有機溶媒と接触していないコンタクトレンズである。言いかえれば、そのようなレンズに使用される洗浄、抽出、及び水和液、並びに湿式離型、又は湿式脱レンズ、又は洗浄、又は任意の他の製造ステップ中に使用される全ての液体は、全て揮発性有機溶媒を含んでいない。1つの例では、揮発性有機溶媒と接触していないこれらレンズを形成するために使用される重合性組成物は、例えば、親水性ビニルエーテル含有モノマー等の、親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分を含んでいてもよい。ビニル含有親水性モノマー又はモノマー成分は、例えば、VMAを含んでいてもよい。親水性ビニルエーテル含有モノマーには、例えば、BVE、又はEGVE、又はDEGVE、又はそれらの任意の組み合わせが含まれていてもよい。1つの特定の例では、親水性ビニルエーテル含有モノマーは、例えばDEGVE等の、BVEよりも親水性である親水性ビニルエーテル含有モノマーであってもよい。別の例では、重合性組成物の親水性モノマー成分は、ビニル含有モノマーであるが、親水性ビニルエーテル含有モノマーでない第1の親水性モノマーと、親水性ビニルエーテル含有モノマーである第2の親水性モノマーとの混合物であってもよい。例えば、そのような混合物には、例えば、BVE、又はDEGVE、又はEGVE、又はそれらの任意の組み合わせ等の、VMA及び1つ又は複数のビニルエーテルの混合物が含まれる。
本開示の方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)少なくとも1つの親水性ビニル含有モノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、及び(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない方法である。
本開示の方法の別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(c)第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない方法である。
本開示の方法の更に別の例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤、(c)1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマー、及び(c)式(4)の第2のシロキサンモノマーを含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない方法である。
存在する場合、親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分は、約1〜約15単位部、又は約3〜約10単位部の量で重合性組成物中に存在していてもよい。ビニルエーテルではない親水性ビニル含有モノマーとの混合物として存在する場合、ビニルエーテルではない親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分及び親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分の部分は、ビニルエーテルではない親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の単位質量部の、親水性ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分の単位質量部に対する比率に基づいて、少なくとも3:1、又は約3:1〜約15:1、又は約4:1の比率で、重合性組成物中に存在していてもよい。
本開示による眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するコンタクトレンズを、特に、製造中に揮発性有機溶媒と接触していないレンズを含む、揮発性有機溶媒を含んでいない液体で抽出されたレンズを生産するための別の手法は、ビニルエーテル含有架橋剤等の、重合性組成物に含まれているビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の量を制限することであってもよい。例えば、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、約0.01単位部〜約0.80単位部、又は約0.01単位部〜約0.30単位部、又は約0.05単位部〜約0.20単位部の量で、又は約0.1単位部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。1つの例では、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、同一の重合性組成物から生産されるが、約2.0単位部を超える、又は1.0単位部を超える、又は約0.8単位部を超える、又は約0.5単位部を超える、又は約0.3単位部を超えるビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の量を有するコンタクトレンズと比較して、湿潤性が向上したコンタクトレンズを生産するのに効果的な量で重合性組成物中に存在していてもよい。
ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の量を制限することは、湿潤性を向上させることができるが、1つの例では、重合性組成物中にビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を含むことは、重合性組成物から形成されるその結果生じるコンタクトレンズの寸法安定性を向上させることができる。従って、幾つかの重合性組成物では、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分は、同一の重合性組成物から生産されるが、ビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を用いずに生産されるコンタクトレンズと比較して、寸法安定性が向上されたコンタクトレンズを生産するのに効果的な量で重合性組成物中に存在していてもよい。
本開示による眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有するコンタクトレンズを、特に揮発性有機溶媒を含んでいない液体で洗浄されたレンズを生産するための更に別の手法は、組成物中に存在する親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の単位質量部の、組成物中のビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の単位質量部に対する比率に基づいて、重合性組成物中に、ある量のビニル含有架橋剤又は架橋剤成分を含むことであってもよい。例えば、親水性ビニル含有モノマー又はモノマー成分の総単位部、及びビニル含有架橋剤又は架橋剤成分の総単位部は、重合性組成物中に存在する全親水性ビニル含有モノマーの単位質量部の、重合性組成物中に存在する全ビニル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率に基づいて、約125:1を超える、又は約150:1〜約625:1、又は約200:1〜約600:1、又は約250:1〜約500:1、又は約450:1〜約500:1の比率で重合性組成物中に存在していてもよい。
1つの例では、本開示のコンタクトレンズは、眼科的に適合するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。下記で議論されているように、多数の様々な診断基準を評価して、コンタクトレンズが眼科的に適合するか否かを決定することができる。1つの例では、眼科的に許容されるコンタクトレンズは、完全水和時に、眼科的に許容される湿潤性表面を有する。眼科的に許容される湿潤性表面を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ装用者が、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを眼に装着又は装用していることに伴う不快感を経験又は報告するに到る程度ほど、レンズ装用者の眼の涙液膜に悪影響を及ぼさないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを指すと理解することができる。
開示されている重合性組成物の例は、最初に調製された際に混和性であり、例えば、約2週間、又は約1週間、又は約5日間等、コンタクトレンズの商業的製造に適切な期間にわたって混和性を維持することができる。典型的には、コンタクトレンズに重合及び加工されると、混和性の重合性組成物は、眼科的に許容される透明性を有するコンタクトレンズをもたらす。
親水性モノマーと、シロキサンモノマーを含む、より低親水性の又は比較的疎水性のモノマーとの混和性を増加させるために一般的に使用される手法には、より親水性のモノマーとより低親水性のモノマーとの間の適合剤として作用する有機希釈剤を重合性組成物に添加することが含まれる。例えば、典型的にはより疎水性であるシロキサンモノマー。また、シロキサンモノマーを使用する場合、低分子量(例えば、2500ダルトン未満の分子量)を有するシロキサンモノマーのみを使用することによっても、混和性が増加する場合がある。重合性組成物が、第1のシロキサン及び第2のシロキサンモノマーを含む1つの例では、上述のように式(6)の第1のシロキサンを使用することにより、任意の高分子量の第2のシロキサン及び高レベルの少なくとも1つの親水性モノマーを両方とも、本開示の重合性組成物中に含有させることが可能になる。また、本明細書で開示された本重合性組成物中に1つ又は複数の有機希釈剤を含有させることは可能であるが、本開示により混和性の重合性組成物を得るためには、そのような処理は必要ではない場合がある。言いかえれば、1つの例では、本開示のヒドロゲルコンタクトレンズは、有機希釈剤を含んでいない重合性組成物から形成される。
本ヒドロゲルコンタクトレンズは、密封パッケージで提供されてもよい。例えば、本ヒドロゲルコンタクトレンズは、密封ブリスターパック又はレンズ装用者に送達するのに好適な他の同様の容器で提供されてもよい。レンズは、生理食塩水等の水溶液中で、パッケージ内に保管されていてもよい。幾つかの好適な溶液には、リン酸緩衝生理食塩水溶液及びホウ酸塩緩衝液が含まれる。溶液は、必要に応じて殺菌剤を含んでいてもよく、又は殺菌剤若しくは保存剤を含んでいなくともよい。また、溶液は、必要に応じてポロキサマー等の界面活性剤を含んでいてもよい。
密封パッケージ中のレンズは、好ましくは無菌である。例えば、レンズは、パッケージを密封する前に滅菌してもよく、又は密封パッケージ中で滅菌してもよい。滅菌レンズは、滅菌量の放射線に曝露されたレンズであってもよい。例えば、レンズは、オートクレーブ滅菌されたレンズ、ガンマ線放射されたレンズ、及び紫外線に曝露されたレンズ等であってもよい。
コンタクトレンズパッケージに関して、パッケージは、コンタクトレンズ体及びパッケージング溶液を保持するように構成された空洞を有するベース部材、並びにコンタクトレンズ及びパッケージング溶液を、コンタクトレンズの貯蔵寿命に相当する期間無菌条件に維持するように構成された、ベース部材に付着されている密封シールを更に含んでいてもよい。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのある特定の例を、本教示に従って、以下に説明するものとする。
1つの例(例A)では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、本明細書に記載の式(3)の第1のシロキサンモノマー、及び少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含む。1つの例では、重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーは、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する式(3)により表される第1のシロキサンモノマーを含むか又はからなり、ここで、式(3)のmは、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnは、1〜10のうちの1つの整数を表し、R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R2は、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである。
例Aによるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1つの例は、(a)式(3)の第1のシロキサンモノマー、及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。
例Aによる方法の1つの例は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、(a)式(3)の少なくとも1つのシロキサンモノマー、及び(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む重合性組成物を準備すること;重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;及び重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法である。
第2の例(例B)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例Aに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーを更に含む。1つの例では、少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーは、約1〜約20単位質量部の量で、重合性組成物中に存在する。
第3の例(例C)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例Bに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、第2の疎水性モノマー又はモノマー成分を更に含む。例えば、親水性モノマーは、メチルメタクリレート(MMA)を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
第4の例(例D)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例Cに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、非ビニルエーテル含有架橋剤又は架橋剤成分を更に含む。1つの例では、非ビニルエーテル含有架橋剤又は架橋剤成分は、例えば、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)又はエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)又はそれらの任意の組み合わせ等の、メタクリレート含有架橋剤又は架橋剤成分を含んでいてもよく、又はからなっていてもよい。
第5の例(例E)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例Dに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、熱開始剤又は熱開始剤成分を更に含む。
第6の例(例F)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例Eに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、親水性アミド含有モノマー又はモノマー成分を更に含む。1つの例では、親水性アミド含有モノマーは、VMAを含んでいてもよい。
第7の例(例G)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例Fに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、UV吸収剤又はUV吸収剤成分を更に含む。
第8の例(例H)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例F又は例Gに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、着色剤又は着色剤成分を更に含む。
第9の例(例I)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例F又は例G又は例Hに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、式(2)により表されるシロキサンモノマーを含み、ここで、式(2)のR1は、水素原子又はメチル基のいずれかから選択され、式(2)のR2は、水素又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され、式(2)のmは、0〜10の整数を表し、式(2)のnは、4〜100の整数を表し、a及びbは、1以上の整数を表し、a+bは、20〜500と等しく、b/(a+b)は、0.01〜0.22と等しく、シロキサン単位の配置が、無作為配置を含む。1つの例として、シロキサンモノマーは、式(2)により表されてもよく、ここで、式(2)のmは、0であり、式(2)のnは、5〜10のうちの1つの整数であり、aは、65〜90のうちの1つ整数であり、bは、1〜10のうちの1つの整数であり、式(2)のR1は、メチル基であり、式(2)のR2は、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである。
第10の例(例J)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例F又は例G又は例H又は例Iに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、特にアリルオキシエタノール(AE)を含んでいてもよく又はからなっていてもよい連鎖移動剤又連鎖移動剤成分を更に含む。
第11の例(例K)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例F又は例G又は例H又は例I又は例Jに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、重合性組成物は、1,4−ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、又はエチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、又はジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの親水性ビニルエーテル含有モノマーを更に含む。
第12の例(例L)として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例A又は例B又は例C又は例D又は例E又は例F又は例G又は例H又は例I又は例J又は例Kに記載の重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、コンタクトレンズは、レンズを形成するために使用される重合性組成物が、内部湿潤剤を含んでいない場合、又は重合レンズ体を形成するために使用される重合性組成物が、有機希釈剤を含んでいない場合、又は重合レンズ体が、揮発性有機溶媒を含んでいない液体で抽出される場合、又はレンズに表面プラズマ処理が施されていない場合、又はそれらの任意の組み合わせである場合、眼科的に許容される湿潤性レンズ表面を有する。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーは、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び任意に第2のシロキサンモノマーで構成されるシロキサンモノマー成分を含んでいてもよく、式(3)の第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の20〜45単位部であってもよい。式(3)の第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の25〜40単位部であってもよい。式(3)の第1のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の27〜35単位部であってもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、重合性組成物中に存在するシロキサンモノマーは、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び任意に第2のシロキサンモノマー、例えば式(4)の第2のシロキサンで構成されるシロキサンモノマー成分を含み、第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の1〜20単位部であってもよい。第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の2〜15単位部であってもよい。第2のシロキサンモノマーの量は、重合性組成物の5〜13単位部であってもよい。別の例では、式(3)の第1のシロキサンモノマーの単位部の、第2のシロキサンに対する比率は、少なくとも1:1、又は少なくとも2:1、又は少なくとも4:1、又は約4:1であってもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、重合性組成物中に存在する任意の親水性非ビニルエーテル含有モノマー又はモノマー成分の量は、重合性組成物の1〜60単位部であってもよい。親水性非ビニルエーテル含有モノマー成分は、重合性組成物の4〜60単位部を占めていてもよい。親水性非ビニルエーテル含有モノマーは、VMAを含むか又はからなる場合、30単位部〜60単位部の量に存在していてもよい。VMAは、約40単位部〜約50単位部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。親水性非ビニルエーテル含有モノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、又は2−ヒドロキシルブチルメタクリレート(HOB)、又はそれらの任意の組み合わせが、親水性非ビニルエーテル含有モノマーとして重合性組成物中に存在する場合、各々又は全ては、約3〜約10単位部の量で存在していてもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、重合性組成物中に存在する架橋剤又は架橋剤成分の量は、重合性組成物の0.01〜4単位部であってもよい。TEGDVEは、0.01〜1.0単位部の量で存在していてもよい。EGDMAは、0.01〜1.0単位部の量で存在していてもよい。TEGDMAは、0.1〜2.0単位部の量で存在していてもよい。これら非ケイ素架橋剤の各々は、重合性組成物中に単独で又は任意の組み合わせで存在していてもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、重合性組成物が、EGMA、BVE、DEGVE、EGVE、又はそれらの任意の組み合わせを、親水性ビニルエーテル含有モノマーとして又は親水性ビニルエーテル含有モノマー成分の一部として含有する場合、それらは各々、重合性組成物の1単位部〜20単位部の量で存在していてもよい。EGMAは、約2単位部〜約15単位部の量で存在していてもよい。BVEは、1単位部〜約15単位部の量で存在していてもよい。BVEは、約3単位部〜約7単位部の量で存在していてもよい。DEGVEは、1単位部〜約15単位部の量で存在していてもよい。DEGVEは、約7単位部〜約10単位部の量で存在していてもよい。EGVEは、1単位部〜約15単位部の量で、又は約3単位部〜約7単位部の量で存在していてもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、開始剤若しくは開始剤成分、着色剤若しくは着色剤成分、UV吸収剤若しくはUV吸収剤成分、脱酸素剤若しくは脱酸素剤成分、又は連鎖移動剤若しくは連鎖移動剤成分等の他の任意成分は、各々約0.01単位部〜約3単位部の量で存在していてもよい。開始剤又は開始剤成分は、0.1単位部〜1.0単位部の量で、重合性組成物中に存在していてもよい。Vazo−64等の熱開始剤又は熱開始剤成分は、存在する場合、約0.3〜約0.5単位部の量で存在していてもよい。着色剤又は着色剤成分は、0.01単位部〜1単位部の量で存在していてもよい。リアクティブブルー246又はリアクティブブルー247等の反応性染料が、着色剤又は着色剤成分の一部として使用される場合、各々約0.01単位部の量で存在していてもよい。UV吸収剤又はUV吸収剤成分は、0.1単位部〜2.0単位部の量で存在していてもよい。例えば、下記の実施例1〜28に記載のUV吸収剤UV1は、0.9単位部等の、約0.8〜約1.0単位部の量で存在していてもよく、又は下記の実施例1〜28に記載のUV吸収剤UV2は、約0.9単位部〜約2.1単位部等の、0.5単位部〜2.5単位部の量で存在していてもよい。脱酸素剤又は脱酸素剤成分は、0.1単位部〜1.0単位部の量で存在してもよい。一例として、トリフェニルホスフィン(TPP)又はジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィン(pTPP)又はそれらの任意の組み合わせが、重合性組成物中に脱酸素剤又は脱酸素剤成分として使用される場合、各々又は組み合わせは、約0.5単位部等の、0.3単位部〜0.7単位部の量で存在していてもよい。連鎖移動反応試薬又は連鎖移動反応試薬成分は、0.1単位部〜2.0単位部の量で重合性組成物中に存在していてもよく、下記の実施例1〜28の多くでは、0.2単位部〜1.6単位部の量で存在している。例えば、連鎖移動反応試薬アリルオキシエタノール(AE)は、約0.3〜約1.4単位部の量で存在していてもよい。
上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているいずれか又は全て他の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物中に、重合レンズ体に、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに存在する湿潤剤を含んでいなくともよい。同様に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理又は表面改質が施されていないレンズ表面を有していてもよい。しかしながら、別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、重合性組成物中に、重合レンズ体に、又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに、少なくとも1つの湿潤剤(つまり、単一の湿潤剤又は2つ以上の湿潤剤が、湿潤剤成分として存在する)を含んでいてもよい。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、処理又は改質されたレンズ表面を有していてもよい。加えて又は或いは、上述の例A〜Lのいずれか又は各々、並びに本明細書で開示されているシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいずれか又は全て他の例では、コンタクトレンズは、例えば、ある形態のボロン酸等の連結剤を含んでいないと理解することができる。
別の例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及び方法に関して、本明細書に記載されているありとあらゆる重合性組成物を含む、新しい重合性組成物が提供される。重合性組成物は、重合性組成物の相分離の低減を支援することができる、アルコール等の有機溶媒が含まれていないという点で、希釈剤を含んでいなくともよい。しかしながら、そのような希釈剤を含んでいない重合性組成物は、アリルオキシエタノール等の1つ又は複数の連鎖移動剤を依然として含有していてもよい。しかしながら、必要に応じて、重合性組成物は、1〜20単位部の量で存在していてもよい希釈剤又は希釈剤成分を含んでいてもよい。
本明細書に記載されているように、式(3)の第1のシロキサンモノマー及び少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤に由来する単位を含む重合レンズ体を含む本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全水和時に、バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて決定された値の平均値に基づいて、約30質量/質量%〜約70質量/質量%の平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は70度未満の平均捕捉気泡動的前進接触角、又は55度未満の平均捕捉気泡静的接触角、又はそれらの組み合わせを有する。従って、本開示は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチにも関する。
本明細書で使用される場合、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、2個以上のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの群を指し、多くの場合、バッチは、少なくとも10個、又は少なくとも100個、又は少なくとも1,000個のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを指す。本開示によると、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、本明細書に記載の複数又はいずれかのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む。
本明細書で使用される場合、ヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、2個以上のヒドロゲルコンタクトレンズの群を指し、多くの場合、バッチは、少なくとも10個、又は少なくとも100個、又は少なくとも1,000個のヒドロゲルコンタクトレンズを指す。本開示によると、ヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、本明細書に記載の複数又はいずれかのヒドロゲルコンタクトレンズを含む。
1つの例では、製造直後に初期試験し、後の時点で再び試験した際に、レンズのバッチは、その平均物理的寸法が変化を示す場合がある。本開示によるレンズのバッチは、寸法的に安定しているため、許容されるレベルの平均物理的寸法の変化を示してもよい。本明細書で使用される場合、寸法安定性分散は、レンズのバッチを製造直後に初期試験した際に決定された物理的寸法値と、レンズのバッチを後の時点で再び試験した際に決定された物理的寸法値との間の物理的寸法値の分散を指すと理解される。後の時点は、例えば、初期時点の少なくとも2週間後から、初期時点の7年後までであり得る。バッチのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、バッチの20個のレンズ等の、バッチの代表的な数のレンズのレンズ直径測定値の平均に基づいて、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散を有する。レンズのバッチの場合、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散が、寸法的に安定なバッチであるとみなされる。平均寸法安定性分散は、前記レンズのバッチの製造日の1日以内の初期時点で、及び第2の時点で測定された物理的寸法の値の分散であり、前記第2の時点は、前記バッチが室温で保管されるか、又は前記バッチがより高い温度で(つまり、加速貯蔵寿命試験条件下で)保管される場合に、前記初期時点の2週間〜7年後であり、前記第2の時点は、室温で2週間〜7年間の前記バッチの保管を代表する時点である。1つの例では、平均寸法安定性分散を決定するのに特に有用な加速貯蔵寿命試験条件は、70℃で4週間であるが、他の期間及び他の温度を使用することができる。平均寸法安定性分散は、初期に測定された代表的なレンズの実際の直径(直径初期)、及び室温で又は加速貯蔵寿命試験条件下で保管した後で測定された代表的なレンズの実際の直径(直径最終)を使用して、代表的なレンズの各々の個々の寸法安定性分散を平均することにより決定される。初期に測定した代表的なレンズ及び保管後に測定した代表的なレンズは、同一のレンズであってもよく、又は異なるレンズであってもよい。本明細書で使用される場合、平均寸法安定性分散は、パーセント(%)で表される。個々の寸法安定性分散は、以下の式(A)を使用して決定される:
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (A)
平均して、バッチのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの直径は、目標値(±3.0%)の3パーセント未満でいずれかの方向に変動する。1つの例として、コンタクトレンズが、14.20mmの目標直径(弦直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、13.77mm〜14.63mmの平均直径(バッチ中の集団の平均値)を有するだろう。1つの例では、平均寸法安定性分散は、プラス又はマイナス2パーセント(±2.0)未満である。1つの例として、コンタクトレンズが、14.20mmの目標直径(弦直径)を有する場合、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、13.92mm〜14.48mmの平均直径(バッチ中の集団の平均値)を有するだろう。好ましくは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチの平均直径は、目標直径からプラス又はマイナス0.20mmを超えて変動せず、一般的に13.00mm〜15.00mmである。
加速貯蔵寿命試験では、平均寸法安定性分散は、例えば、50℃、又は55℃、又は65℃、又は70℃、又は80℃、又は95℃等を含む、40℃超等の高温で、ある期間保管されたコンタクトレンズについて決定してもよい。又は、平均寸法安定性は、室温(例えば、約20〜25℃)にて、ある期間保管されたコンタクトレンズについて決定してもよい。
1つの例では、バッチのヒドロゲルコンタクトレンズは、様々な時点で代表的な数のバッチのレンズのAEL測定値を平均することに基づいて、平均軸方向エッジリフト(axial edge lift)(AEL)分散を有していてもよい。レンズのバッチの場合、室温で2週間〜7年間の期間にわたって、又は加速貯蔵寿命試験条件下で保管した場合は、室温で2週間から7年間の保管に相当する期間及び温度で、プラス若しくはマイナス100パーセント(±100%)未満の、又はプラス若しくはマイナス50パーセント(±50%)未満の、又は20パーセント(±20%)未満の平均AEL分散を、許容されるとみなすことができる。1つの例では、平均AEL分散を決定するのに特に有用な加速貯蔵寿命試験条件は、70℃で4週間であるが、他の期間及び他の温度を使用することができる。平均AEL分散は、室温で又は加速貯蔵寿命条件下で保管する前(AEL初期)及び保管した後(AEL最終)の代表的なレンズの実際のAEL測定値を使用して、代表的なレンズの各々のAEL値を平均することにより決定される。平均AEL変動性は、以下の式(B)を使用して決定される。
((AEL最終−AEL初期)/AEL初期)×100 (B)
平均して、バッチのヒドロゲルコンタクトレンズのAELは、目標値のいずれかの方向に20パーセント未満、又は目標値のいずれかの方向に10パーセント未満、又は目標値のいずれかの方向に5パーセント未満で変動する。1つの例として、コンタクトレンズが、20μm±50%の目標AELを有する場合、本ヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、貯蔵寿命試験の経過にわたって、10μm〜30μmの平均AELを有するだろう。試験するバッチのレンズの代表的な数は、20個以上の個々のレンズであってもよい。
加速貯蔵寿命試験では、AEL又は色値等のレンズ特性は、50℃、又は55℃、又は65℃、又は70℃、又は80℃、又は95℃等を含む、40℃超等の高温で、ある期間保管されたコンタクトレンズについて決定してもよい。又は、レンズ特性は、室温(例えば、約20〜25℃)にて、ある期間保管されたコンタクトレンズについて決定してもよい。
加速貯蔵寿命試験の場合、以下の式(C)を使用して、室温での所望の期間の保管に相当する、特定の温度での保管月数を決定することができる。
所望の貯蔵寿命=[N×2y]+n (C)
式中、
N=加速条件下での保管月数
2y=加速係数
y=45℃以上での保管の場合、室温(25℃)を超える10℃毎に2.0
y=35℃〜45℃での保管の場合、室温(25℃)を超える10℃毎に1.0
n=試験開始時のレンズの月齢。
この式に基づき、以下の保管期間が計算された:25℃での1年間の老化に相当する35℃での6か月間の保管、25℃での1年間の老化に相当する45℃での3か月間の保管、25℃での2年間の老化に相当する55℃での3か月間の保管、25℃での4年間の老化に相当する65℃での3か月間の保管。
1つの例では、バッチは、本開示による複数のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを含み、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて決定される値の平均に基づいて、少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、完全水和時に約0.2MPa〜約0.9MPaの平均引張モジュラス、及び約30質量/質量%〜約70質量/質量%の平均EWCから選択される少なくとも2つの平均値を有する。
本開示の別の例は、ヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供する。本教示によると、本方法は、重合性組成物を準備することを含む。
また、本方法は、重合性組成物を重合させて、重合レンズ体を形成するステップを含む。重合性組成物を重合させるステップは、コンタクトレンズ金型アセンブリ中で実施することができる。重合性組成物は、熱可塑性ポリマーで形成されている金型間で鋳込成形することができる。金型の成型面を形成するために使用される熱可塑性ポリマーは、極性ポリマーを含んでいてもよく、又は無極性ポリマーを含んでいてもよい。或いは、重合性組成物は、回転成形、射出成形、その後旋盤にかけてレンズ体等を形成する重合ロッドの形成等の、当業者に知られている種々の方法により、レンズに形成することができる。
重合性組成物の重合は、熱により、又は紫外(UV)光の使用等の光を使用して開始することができる。幾つかの例では、重合は、空気を含む雰囲気下で実施してもよく、又は不活性雰囲気下で実施してもよい。
また、本方法は、重合レンズ体を、洗浄液と接触させて、未反応モノマー、そうでなければ重合レンズ体に物理的に固定されていない未架橋材料、及び希釈剤等の抽出可能材料を除去することを含んでいてもよい。洗浄液は、揮発性有機溶媒を含んでいない液体であってもよく、又は揮発性有機溶媒を含んでいてもよい(例えば、揮発性有機溶媒又は揮発性有機溶媒の溶液であってもよい)。
以前に議論されているように、洗浄液は、水、若しくは揮発性有機溶媒を含んでいない水溶液であってもよく、又は有機溶媒若しくは有機溶媒の溶液であってもよい。或いは、幾つかの例では、本方法は、重合レンズ体を、洗浄液又は任意の液体と接触させるステップを含んでおらず、つまり、重合レンズ体は、パッケージング溶液と共にブリスターパッケージに配置され、密封される前に、液体と一切接触しない。本方法は、揮発性有機溶媒を含む洗浄液を使用することを含む洗浄ステップを含まない方法であってもよく、つまり、重合レンズ体は、パッケージング溶液と共にブリスターパッケージに配置され、密封される前に、洗浄液とは接触するが、揮発性有機溶媒を含む洗浄液とは接触せず、揮発性有機溶媒と接触しない。
レンズ体を洗浄液と接触させるステップを含む方法では、重合レンズ体を洗浄液と接触させるステップは、抽出可能材料が重合レンズ体から除去されるため、抽出ステップであると理解することができる。幾つかの方法では、接触ステップは、重合レンズ体を、メタノール、エタノール、及びn−プロピルアルコール等の第一級アルコールを含有する液体等の、揮発性有機溶媒を含む洗浄液と接触させることを含む。ある洗浄液は、イソプロピルアルコール等の第二級アルコールを含有していてもよい。1つ又は複数の揮発性有機溶媒を含有する洗浄液の使用は、重合レンズ体から疎水性材料を除去するのに有用である場合があり、従って、レンズ表面の湿潤性を増加させる場合がある。そのような方法は、アルコール系抽出ステップであると理解することができる。他の方法では、接触ステップは、重合コンタクトレンズ体を、揮発性有機溶媒を含んでいない水性洗浄液と接触させることを含む。そのような方法は、水性抽出ステップであると理解することができる。そのような方法で使用することができる水性洗浄液の例には、脱イオン水等の水、生理食塩水、緩衝溶液、又は脱イオン水のみの使用と比較して、重合コンタクトレンズ体からの疎水性成分除去を向上することができるか、若しくは重合コンタクトレンズ体の変形を低減することができる界面活性剤若しくは他の不揮発性成分を含有する水溶液が含まれる。1つの例では、揮発性有機溶媒を含んでいない洗浄液を使用して洗浄する場合、本開示のレンズ体の表面は、眼科的に許容される湿潤性の表面を有する。
洗浄後、コンタクトレンズは、界面活性剤、抗炎症剤、抗微生物剤、及びコンタクトレンズ湿潤剤等を含有していてもよく又含有していなくともよい、緩衝生理食塩水等のパッケージング溶液と共に、プラスチックブリスターパック等のパッケージ中に配置することができ、密封及び滅菌される。本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのパッケージに使用されるパッケージング溶液は、レンズ表面の湿潤性を増加させるように湿潤剤を含んでいてもよい。しかしながら、本開示のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ表面は、湿潤剤を含むパッケージング溶液と接触させる前に、眼科的に許容される湿潤性の表面を有しており、パッケージング溶液に湿潤剤を使用することは、既に眼科的に許容される湿潤性表面の湿潤性を増加させるに過ぎず、従って、眼科的に許容される湿潤性表面をコンタクトレンズに提供するためには必要ではないことが理解される。
洗浄後、コンタクトレンズは、緩衝生理食塩水等のパッケージング溶液と共に、界面活性剤、抗炎症剤、抗微生物剤、及びコンタクトレンズ湿潤剤等を含有していてもよく又含有していなくともよい、プラスチックブリスターパック等のパッケージ中に配置することができ、密封及び滅菌することができる。
本開示によると、重合レンズ体は、コンタクトレンズパッケージング溶液と共に、ブリスターパック又はガラスバイアル等のコンタクトレンズパッケージ中にまとめることができる。パッケージした後、パッケージは、密封することができ、重合レンズ体及びコンタクトレンズパッケージング溶液は、例えば、密封パッケージのオートクレーブ滅菌により滅菌して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製品を生産することができる。
本方法の1つの例では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない。言いかえれば、製造中にレンズ(重合レンズ体又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの形態のいずれか)と接触する液体は全て、揮発性有機溶媒を含んでいない。
本方法は、複数のヒドロゲルコンタクトレンズを生産するステップを繰り返すことを更に含んでいてもよい。本方法は、ヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを製造することを更に含んでいてもよい。複数のヒドロゲルコンタクトレンズを生産するステップを繰り返すことを更に含む1つのそのような例では、複数のヒドロゲルコンタクトレンズは、室温で保管された場合は、2週間〜7年間の期間にわたって、又は加速貯蔵寿命試験条件下で保管された場合は、室温での2週間〜7年間の保管に相当する期間及び温度で、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散を有しており、上記平均寸法安定性分散は、バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて、以下の数式(A)により決定される寸法安定性分散の平均である。
((直径最終−直径初期)/直径初期)×100 (A)
以下の実施例1〜25には、本発明のある態様及び利点が例示されているが、本発明は、それらに限定されないことが理解されるべきである。
下記の実施例を参照すれば、直ちに判断することができるように、実施例の配合物は全て、有機希釈剤を含んでいない。また、実施例の配合物は全て、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を含んでいない。加えて、下記の実施例の配合物は全て、ポリマー湿潤剤を含んでいない。更に、実施例の配合物は全て、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを含む。実施例の配合物の大多数は、7,000ダルトンを超える数平均分子量を有する第2のシロキサンを含む。
以下の化学薬品は、実施例1〜25で参照されており、それらの略語で参照される場合がある。
Si1:2−プロペン酸,2−メチル−,2−[3−(9−ブチル−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ]エチルエステル(CAS番号:1052075−57−6)。(Si1は、製品番号X−22−1622として信越化学工業、東京、日本から得た)。
Si2:α,ω−ビス(メタクリロキシプロピル)−ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ω−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)プロピルメチルシロキサン)(この化合物の合成は、米国特許出願公開第20090234089号明細書に記載のように実施することができ、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる)
Si3:ポリ(ジメチルシロキサン)、メタクリロキシプロピル末端化(CAS番号58130−03−3;DMS−R18、Gelest社から入手可能)。
VMA:N−ビニル−N−メチルアセトアミド(CAS番号003195786)
DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド(CAS番号2680−03−7)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(CAS番号868−77−9)
HOB:2−ヒドロキシルブチルメタクリレート(CAS番号29008−35−3)
EGMA:エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(CAS番号6976−93−8)
MMA:メチルメタクリレート(CAS番号80−62−6)
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート(CAS番号97−90−5)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(CAS番号109−16−0)
BVE:1,4−ブタンジオールビニルエーテル(CAS番号17832−28−9)
DEGVE:ジエチレングリコールビニルエーテル(CAS番号929−37−3)
EGVE:エチレングリコールビニルエーテル(CAS番号764−48−7)
TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテル(CAS番号765−12−8)
AE:2−アリルオキシエタノール(CAS番号111−45−5)
V−64:2,2’−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル(CAS番号78−67−1)
UV1:2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリラート(CAS番号16432−81−8)
UV2:2−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−フェニルエチルメタクリレート(CAS番号96478−09−0)
RBT1:1,4−ビス[4−(2−メタクリロキシエチル)フェニルアミノ]アントロキノン(CAS番号121888−69−5)
RBT2:1,4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロペン酸)エステル(CAS登録番号109561071)
TPP:トリフェニルホスフィン(CAS番号603−35−0)
pTPP:重合性TPP:ジフェニル(P−ビニルフェニル)ホスフィン(CAS番号40538−11−2)
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順
実施例1〜25に示されている化学化合物を、各例毎に、記載の単位部に対応する量に計量し、混合して混合物を形成した。混合物を、0.2〜5.0ミクロンの注射器フィルターでボトルの中にろ過した。混合物は、最長約2週間保管した。混合物は、重合性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体組成物、即ち、本明細書で使用される場合、重合性組成物であると理解される。実施例1〜25では、列挙されている量の成分は、重合性組成物の質量単位部として記載されている。
雌型金型部材のレンズ規定表面と接するように組成物を配置することにより、ある容積の重合性組成物を鋳込成形した。以下の実施例1〜25の全てにおいて、雌型金型部材の成型面は、無極性樹脂、具体的にはポリプロピレンで形成されていた。雄型金型部材を、雌型金型部材と接触するように設置して、重合性組成物を含有するコンタクトレンズ状の空洞を含むコンタクトレンズ金型アセンブリを形成した。以下の実施例1〜25では、雄型金型部材の成型面は、無極性樹脂、具体的にはポリプロピレンで形成されていた。
コンタクトレンズ金型アセンブリを、窒素フラッシュオーブンに設置して、重合性組成物を熱硬化させた。実施例1〜25の全てについて、コンタクトレンズ金型アセンブリを、約2時間、少なくとも55℃の温度に曝露した。本明細書に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを硬化させるために使用することができる硬化プロファイルの例には、コンタクトレンズ金型アセンブリを、55℃の温度に40分間、80℃の温度に40分間、及び100℃の温度に40分間曝露することが含まれる。他のコンタクトレンズも、同じ硬化プロファイルで製作することができるが、第1の温度は、55℃ではなく、65℃であってもよい。
重合性組成物を重合させて、金型アセンブリの中に含まれている重合レンズ体を形成させた後、コンタクトレンズ金型アセンブリを解体して、雄型部材及び雌型部材を分離した。重合レンズ体は、雄型金型又は雌型金型に依然として付着していた。金型アセンブリが液体媒体と接触しない乾式離型法を使用してもよく、又は金型アッセンブリが、例えば水又は水溶液等の液体媒体と接触する湿式離型法を使用してもよい。機械的な乾式離型法は、金型部材を分離するために、金型部材の一方又は両方に機械的な力を加えることを含んでいてもよい。以下の実施例1〜25の全てにおいて、乾式離型法が使用された。
その後、重合レンズ体を、雄型金型又は雌型金型から脱レンズして、脱レンズされた重合レンズ体を生産した。脱レンズ法の1つの例では、重合レンズ体は、手作業でレンズを雄型金型部材から引き剥がすことにより、又は雄型金型部材を圧縮し、雄型金型部材及び重合レンズ体に向けてガスを吹き付け、減圧装置を用いて雄型金型部材から乾燥重合レンズ体を持ち上げ、雄型金型部材を破棄することによる等、乾式脱レンズ法を使用して雄型金型部材から脱レンズすることができる。他の方法では、重合レンズ体は、乾燥重合レンズ体を、水又は水溶液等の液体離型剤と接触させることによる湿式脱レンズ法を使用して脱レンズすることができる。例えば、重合レンズ体が付着している雄型金型部材を、重合レンズ体が雄型金型部材から分離するまで、液体を含む容器に浸漬してもよい。又は、ある容積の液体離型剤を雌型金型に添加して、重合レンズ体を液体に浸漬させ、雌型金型部材からレンズ体を分離することができる。以下の実施例1〜25の全てにおいて、乾式脱レンズ法を使用した。分離の後、レンズ体を、手作業でピンセットを使用して又は減圧装置を使用して、金型部材から持ち上げ、トレーに入れることができる。
その後、脱レンズしたレンズ生成物を洗浄して、重合レンズ体から抽出可能材料を除去し、水和した。抽出可能材料には、例えば、レンズ体を重合させた後でレンズ体を抽出する前の、未反応形態、部分的反応形態、又は未架橋形態、又はそれらの組み合わせの重合レンズ体に存在する重合性組成物中に存在するモノマー、又は架橋剤、又は着色剤若しくはUV遮断剤等の任意の任意の重合性成分、又はそれらの組み合わせ等の重合性成分が含まれる。また、抽出可能材料には、重合性組成物中に存在する任意の非重合性成分、例えば、任意の任意の非重合性着色剤、又はUV遮断剤、又は希釈剤、又は連鎖移動剤、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ、それらは、レンズ体を重合させた後で重合レンズ体を抽出する前の重合レンズ体に依然として存在する。
雄型金型部材を圧縮し、雄型金型部材に向けてガスを吹き付けることによる脱レンズを含む方法等の別の方法では、脱レンズした重合レンズ体をレンズキャリア又はトレーの空洞に配置して、その後、脱レンズした重合レンズ体を、揮発性有機溶媒を含んでいない水性抽出液、例えば脱イオン水又はTween80等の界面活性剤の水溶液、又はエタノール等の有機溶媒系抽出液、又はエタノール等の揮発性有機溶媒の水溶液等の、1つ又は複数の容積の抽出液と接触させることができる。
金型及びレンズを液体離型剤と接触させることによる湿式脱レンズを含むもの等の他の方法では、脱レンズした重合コンタクトレンズ体を、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、又はそれらの任意の組み合わせ等の揮発性有機溶媒を含んでいない洗浄液を使用して洗浄し、レンズ体から抽出可能成分を除去することができる。例えば、脱レンズした重合コンタクトレンズ体を、例えば、脱イオン水、又は界面活性剤溶液、又は生理食塩溶液、又は緩衝溶液、又はそれらの任意の組み合わせ等の、揮発性有機溶媒を含んでいない水性洗浄液とレンズ体を接触させることにより洗浄して、レンズ体から抽出可能成分を除去することができる。洗浄は、最終コンタクトレンズパッケージ中で生じてもよく、洗浄トレー又は洗浄槽中で生じてもよい。
以下の実施例1〜25では、乾式離型ステップ及び乾式脱レンズステップの後、乾式で脱レンズしたレンズ体をトレーの空洞に配置し、重合レンズ体を抽出液の1つ又は複数の容積の抽出液と接触させることにより、脱レンズした重合レンズ体を抽出及び水和した。抽出及び水和工程で使用した抽出及び水和液は、a)揮発性有機溶媒系抽出液及び揮発性有機溶媒を含んでいない水和液の組み合わせ、又はb)揮発性有機溶媒を含んでいない抽出及び水和液、つまり完全に水性系の抽出及び水和液のいずれかからなっていた。具体的には、下記の実施例C1及び1〜5では、抽出及び水和工程は、Tween80の50:50質量/質量のエタノール:水の溶液の別々の部分での少なくとも2回の抽出ステップ、その後、Tween80の脱イオン水溶液の別々の部分での少なくとも3回の抽出及び水和ステップを含んでいた。この場合、各抽出又は抽出及び水和ステップは、約5分〜3時間継続させた。下記の実施例6〜25では、使用した抽出及び水和工程は、Tween80の脱イオン水溶液の別々の部分での少なくとも3回の抽出及び水和ステップを含んでいた。この場合、Tween80溶液の部分の温度は、室温〜約90℃の範囲であり、各抽出及び水和ステップは、約15分〜約3時間継続させた。
その後、洗浄、抽出、及び水和したレンズを、リン酸緩衝生理食塩水パッケージング溶液と共にコンタクトレンズブリスターパッケージに、個々に配置した。ブリスターパッケージを密封し、オートクレーブ滅菌により滅菌した。
滅菌した後、動的及び静的接触角を含む接触角、酸素透過率、イオノフラックス、モジュラス、伸び率、引張り強さ、及び含水量等のレンズ特性を、本明細書に記載のように決定した。
本コンタクトレンズの場合、動的及び静的接触角を含む接触角は、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。例えば、本明細書で提供されるコンタクトレンズの前進接触角及び後退接触角は、静滴法又は捕捉気泡法等の、従来の液滴形状法を使用して測定することができる。
以下の実施例1〜25では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの前進及び後退接触角は、Kruss DSA100装置(Kruss GmbH社、ハンブルク)を使用して、以下の文献に記載されていように決定した:D.A.Brandreth:「Dynamic contact angles and contact angle hysteresis」、Journal of Colloid and Interface Science、62巻、1977年、205〜212頁、及びR.Knapikowski、M.Kudra:「Kontaktwinkelmessungen nach dem Wilhelmy−Prinzip−Ein statistischer Ansatz zur Fehierbeurteilung」、Chem.Technik、45巻、1993年、179〜185頁、及び米国特許第6,436,481号明細書。これらの文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
一例として、前進接触角及び後退接触角は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH=7.2)を使用して、捕捉気泡法を使用して決定した。レンズを、石英表面上に平らに広げ、試験前に少なくとも10分間PBSで水和した。自動注射器システムを使用して、気泡をレンズ表面に配置した。気泡のサイズを増加及び減少させて、後退角度(気泡サイズを増加させた際に得られるプラトー)、及び前進角度(気泡サイズを減少させた際に得られるプラトー)を得た。
本レンズのモジュラス、伸び率、及び引張り強さ値は、例えば、ANSI Z80.20による試験方法等の、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。本明細書中に報告されているモジュラス、伸び率、及び引張り強さ値は、矩形試料細片を準備するために特別に製造された矩形コンタクトレンズ抜き型を使用し、Instron3342型又は3343型機械的試験システム(Instron Corporation社、ノーウッド、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)及びBluehill材料試験ソフトウエアを使用することにより決定した。モジュラス、伸び率、及び引張り強さは、相対湿度が最低70%であるチャンバー内で決定した。試験対象のレンズを、試験前に少なくとも10分間リン酸塩緩衝液(PBS)に浸漬した。レンズ凹側を上にして保持し、抜き型を使用して、レンズの中央部分を細長く切り出した。細片の厚さは、較正済みの計測器(Rehder電子厚み測定器、Rehder Development Company社、カストロバリー、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)を使用して決定した。ピンセットを使用して、細片を、較正済みのInstron装置のグリップに装着し、細片を各グリップのグリップ表面の少なくとも75%に密着させた。最大荷重(N)、引張り強さ(MPa)、最大荷重でのひずみ(伸長%)、及び引張モジュラス(MPa)の平均及び標準偏差を決定するように設計された試験方法を実施し、結果を記録した。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのエネルギー損失率は、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。以下の実施例1〜25の場合、エネルギー損失率は、10N力変換器(Instron社 型式番号2519−101)を備えたInstron3343型機械的試験システム(Instron Corporation社、ノーウッド、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)及びTestProfilerモジュールを含むBluehill材料試験ソフトウエアを使用して決定した。エネルギー損失は、相対湿度が少なくとも70%であるチャンバー内で決定した。試験前に、各レンズを、少なくとも10分間リン酸塩緩衝液(PBS)に浸漬した。ピンセットを使用して、レンズが各グリップのグリップ表面の少なくとも75%に密着するように、細片を較正済みのInstron装置のグリップに装着し、レンズができるだけ対称的にグリップ間に垂直になるようにした。レンズを100%ひずみに伸長させ、その後50mm/分の速度で0%ひずみに戻すのに必要なエネルギーを決定するように設計された試験を、レンズに対して実施した。試験は、単一のレンズで1回だけ実施した。試験終了後、エネルギー損失を、以下の式を使用して計算した:損失エネルギー(%)=(100%ひずみに要するエネルギー − 0%ひずみに戻るのに要するエネルギー)/100%ひずみに要するエネルギー×100%。
本レンズのイオノフラックスは、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。以下の実施例1〜25のレンズの場合、イオノフラックスは、米国特許第5,849,811号明細書に記載の「イオノフラックス技術」と実質的に類似する技術を使用して測定した。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。測定の前に、水和レンズを、少なくとも10分間脱イオン水で平衡化した。測定しようとするレンズを、レンズ保持デバイスで、雄型部分と雌型部分との間に配置した。雄型部分及び雌型部分は、レンズとそれぞれの雄型部分及び雌型部分との間に位置決めされた可撓性密封リングを含んでいた。レンズをレンズ保持デバイスに位置決めした後、レンズ保持デバイスを、ねじ込み蓋に配置した。蓋をガラス管にねじ込み、供与側チャンバーを形成した。供与側チャンバーを、16mlの0.1モル濃度のNaCl溶液で満した。受容側チャンバーを、80mlの脱イオン水で満した。導電率計の鉛板を、受容側チャンバーの脱イオン水に浸漬し、撹拌子を受容側チャンバーに入れた。受容側チャンバーを、水浴槽に配置し、温度を約35℃に保持した。最後に、供与側チャンバー内のNaCl溶液が、受容側チャンバー内の水と水平になるように、供与側チャンバーを受容側チャンバーに浸漬した。受容側チャンバー内の温度を35℃に平衡化したら、導電率の測定を、2分毎に少なくとも10分間行った。導電率対時間データは、実質的に線形であり、それを、試験したレンズのイオノフラックス値の計算に使用した。
本レンズの酸素透過率(Dk)は、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。例えば、Dk値は、MOCON(登録商標)Ox−Tranシステム(Mocon社、ミネアポリス、ミネソタ州、アメリカ合衆国)の型式名称で市販されている機器を使用し、例えば、米国特許第5,817,924号明細書に記載のMocon法を使用して決定することができる。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。以下の実施例1〜25のレンズのDk値は、Chhabraら(2007年)、A single−lens polarographic measurement of oxygen permeability(Dk)for hypertransmissible soft contact lenses.Biomaterials 28巻:4331〜4342頁に記載の方法を使用して決定した。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
本レンズの平衡含水率(EWC)は、当業者に知られている日常的な方法を使用して決定することができる。以下の実施例1〜25のレンズの場合、水和シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを水性液から取り出し、過剰な表面の水を拭き取って除去し、計量した。その後、計量したレンズを、減圧下で80℃のオーブンで乾燥し、その後、乾燥したレンズを計量した。水和レンズの質量から乾燥レンズの質量を減算することにより、質量差を決定した。含水率(%)は、(質量差/水和質量)×100である。
レンズ中の湿潤性抽出可能成分又は乾燥抽出可能成分の割合は、当業者に知られている方法に従って、重合レンズ体が可溶性でない有機溶媒中でレンズを抽出することにより決定することができる。以下の実施例1〜25のレンズの場合、ソックスレー抽出工程を使用したメタノール抽出を使用した。湿潤性抽出可能成分を決定する場合、完全に水和され滅菌されたコンタクトレンズの試料(例えば、1ロット当たり少なくとも5個のレンズ)を、各レンズから過剰なパッケージング溶液を除去し、それらを80℃の減圧オーブンで一晩乾燥することにより準備した。乾燥抽出可能成分を決定する場合、洗浄、抽出、水和、又は滅菌されなかった重合レンズ体の試料を、80℃の減圧オーブンでレンズ体を一晩乾燥することにより準備した。乾燥及び冷却したら、各レンズを計量して、その初期乾燥質量(W1)を決定した。その後、各レンズを、穿孔された積層可能なテフロンシンブルに配置し、シンブルを積層して、カラムの一番上に空のシンブルが配置された抽出カラムを形成した。抽出カラムを、冷却管及び70〜80mlのメタノールを含有する丸底フラスコを取り付けたソックスレー抽出器に取り付けた。冷却管に水を循環させ、穏やかに沸騰するまで、メタノールを加熱した。凝縮したメタノールが最初に現われた時点から少なくとも4時間、レンズを抽出した。抽出したレンズを、再び80℃の減圧オーブンで一晩乾燥した。乾燥及び冷却したら、各レンズを計量して、抽出されたレンズの乾燥質量(W2)を得た。各レンズについて以下の計算を行い、湿潤性抽出可能成分の割合を決定した:[(W1−W2)/W1]×100。
実施例1
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液及び揮発性有機溶媒を含んでいない液体からなる水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
例えば、上記コンタクトレンズの20個の試料は、13.98mmの初期平均弦直径を有し、平均弦直径は、室温で7年間に相当する加速貯蔵寿命試験条件下で13.70mmに減少した。この変化は、−2.0%の平均寸法安定性分散に相当し、上記コンタクトレンズの直径が、加速安定性試験中に平均で±3.0%未満だけ収縮したことを反映していた。より詳細には、最初に、95℃で0日間の保管後には(室温で0年に相当)、平均弦直径は、13.98mmだった;95℃で7日間の保管後には(室温で2.5年の老化に相当)、平均弦直径は、13.90mmに減少した;95℃で14日間の保管後には(室温で5年の老化に相当)、平均弦直径は、13.82mmに減少した;95℃で22日間の保管後には(室温で7.8年の老化に相当)、平均弦直径は、13.70mmに減少した。
加えて、上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、30質量/質量%〜70質量/質量%の平均EWCを有していた。
実施例2
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液及び揮発性有機溶媒を含んでいない液体からなる水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
例えば、上記コンタクトレンズは、14.54±0.03mmの平均初期弦直径を有していた。平均弦直径は、室温で7年間の老化に相当する加速貯蔵寿命試験条件下で14.24±0.03mmに減少した。この変化は、−2.1%の平均寸法安定性分散に相当し、上記コンタクトレンズのバッチの直径が、平均で±3.0%未満だけ収縮したことを反映していた。より詳細には、95℃で0日間の保管後には(室温で0年の老化に相当)、平均弦直径は、14.54±0.03mmだった;95℃で6日間の保管後には(室温で2年の老化に相当)、平均弦直径は、14.39±0.02mmだった;95℃で12日間の保管後には(室温で4年の老化に相当)、平均弦直径は、14.32±0.03mmだった;95℃で20日間の保管後には(室温で7年の老化に相当)、平均弦直径は、14.24±0.03mmだった。
加えて、これらのレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、52質量/質量%のEWC、0.63MPaのモジュラス、及び3.62(×10-3mm2/分)のイオノフラックスを有していた。
実施例3
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液及び揮発性有機溶媒を含んでいない液体からなる水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
例えば、上記コンタクトレンズの20個の試料は、14.03±0.03mmの平均初期弦直径を有していた。平均弦直径は、室温で7年間の老化に相当する加速貯蔵寿命試験条件下では13.81±0.03mmに減少した。この変化は、−1.6%の平均寸法安定性分散に相当し、上記コンタクトレンズの直径が、平均で±3.0%未満だけ収縮したことを反映していた。より詳細には、最初に、95℃で0日間の保管後には(室温で0年の老化に相当)、平均弦直径は、14.03±0.03mmだった;95℃で6日間の保管後には(室温で2年の老化に相当)、平均弦直径は、13.93±0.03mmだった;95℃で12日間の保管後には(室温で4年の老化に相当)、平均弦直径は、13.87±0.03mmだった;95℃で20日間の保管後には(室温で7年の老化に相当)、平均弦直径は、13.81±0.02mmだった。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約52質量/質量%のEWC、約0.58MPaのモジュラス、約0.67%の湿潤性抽出可能物含有量、約30度の捕捉気泡静的接触角、及び約50.1度の捕捉気泡動的前進接触角を有していた。
実施例4
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液及び揮発性有機溶媒を含んでいない液体からなる水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
例えば、上記コンタクトレンズは、14.06±0.04mmの平均初期弦直径を有していた。平均弦直径は、室温で7年間の老化に相当する加速貯蔵寿命試験条件下で13.98±0.03mmに減少した。この変化は、−0.6%の平均寸法安定性分散に相当し、上記コンタクトレンズの直径が、平均で±3.0%未満だけ収縮したことを反映していた。より詳細には、最初に、95℃で0日間の保管後には(室温で0年の老化に相当)、平均弦直径は、14.06±0.04mmだった;95℃で6日間の保管後には(室温で2年の老化に相当)、平均弦直径は、13.98±0.04mmだった;95℃で12日間の保管後には(室温で4年の老化に相当)、平均弦直径は、13.97±0.04mmだった;95℃で20日間の保管後には(室温で7年の老化に相当)、平均弦直径は、13.98±0.03mmだった。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、53質量/質量%〜54質量/質量%のEWC、約0.43MPaのモジュラス、約1.23質量/質量%の湿潤性抽出可能物含有量、約38度の捕捉気泡静的接触角、及び約50.0度の捕捉気泡動的前進接触角、2.5〜3.0(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、70バーラーのDk、約450%の伸び率、1.40MPaの引張り強さ、98%の透過率、36%のエネルギー損失、及び約21%膨潤係数を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約17質量/質量%の乾燥抽出可能物含有量を有していた。
実施例5
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒系抽出液を含む洗浄液及び揮発性有機溶媒を含んでいない液体からなる水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性、及び許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、60バーラーを超える酸素透過率、約53質量/質量%のEWC、約2.90(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.40MPaのモジュラス、約425%の伸び率、約1.4MPaの引張り強さ、約37度の静的捕捉気泡接触角、約48〜52度の動的捕捉気泡前進接触角、約98%の光透過率、約1.30質量/質量%の湿潤性抽出可能物含有量、約35%〜約36%のエネルギー損失、及び約21%の膨張係数を有し、80℃で少なくとも2週間の保管後に、プラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例6
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%のEWC、約3.1(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約72バーラーのDk、約0.70MPaのモジュラス、約345%の伸び率、約2.4MPaの引張り強さ、20秒を超える水ブレイクアップ時間(water break up time)、約3.9質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約40%のエネルギー損失を有し、80℃で2週間を超える保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。重合レンズ体は、抽出及び水和の前に試験したところ、約11質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していた。
実施例7
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約58質量/質量%のEWC、約4.14(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.77MPaのモジュラス、約349%の伸び率、約1.75MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約4.42質量/質量%の湿潤性抽出可能物含有量、及び約41%のエネルギー損失を有し、80℃で少なくとも2週間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例8
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%のEWC、約4.19(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.61MPaのモジュラス、約275%の伸び率、約1.51MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約4.10質量/質量%の湿潤性抽出可能成分を有し、80℃にて2週間超でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例9
上記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約58質量/質量%のEWC、約2.75(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.66MPaのモジュラス、約216%の伸び率、約0.87MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約4.56質量/質量%の湿潤性抽出可能成分を有し、95℃で6日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例10
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約56質量/質量%のEWC、約3.54(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.57MPaのモジュラス、約310%の伸び率、約1.90MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約4.74質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約34%〜約36%のエネルギー損失を有し、80℃で7日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約14.39質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していた。
実施例11
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約57質量/質量%のEWC、約3.68(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.69MPaのモジュラス、約314%の伸び率、約1.30MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約1.81質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約34%のエネルギー損失を有し、80℃で14日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例12
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、3つのシロキサンモノマー、Si1、Si2、及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%のEWC、約3.06(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.85MPaのモジュラス、約284%の伸び率、約1.88MPaの引張り強さ、20秒を超える水膜崩壊時間、約2.38質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約36%のエネルギー損失を有し、80℃で14日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例13
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約54質量/質量%のEWC、約3.57(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.66MPaのモジュラス、約274%の伸び率、約1.40MPaの引張り強さ、約3.8質量/質量%の湿潤性抽出可能物含有量を有し、80℃で7日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例14
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、3つのシロキサンモノマー、Si1、Si2及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約0.81MPaのモジュラス、約351%の伸び率、約1.61MPaの引張り強さ、及び30質量/質量%〜70質量/質量%のEWCを有し、80℃にて14日間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例15
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約3.33(×10-3mm2/分)からのイオノフラックス、約0.74MPaのモジュラス、及び約222%の伸び率を有し、80℃にて14日間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例16
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi3に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約57質量/質量%のEWC、約0.70MPaのモジュラス、約40%のエネルギー損失、及び約50〜約60度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、80℃にて14日間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例17
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約56質量/質量%のEWC、約0.50MPaのモジュラス、及び約47〜約51度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、80℃にて4.4週間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有した。
実施例18
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%のEWC、約0.60MPaのモジュラス、及び約47〜約55度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、80℃で2週間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。
実施例19
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%〜約56質量/質量%のEWC、約0.71MPaのモジュラス、及び約45〜約47度の捕捉気泡動的前進接触角を有し、80℃にて少なくとも2週間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有した。
実施例20
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約56質量/質量%のEWC、及び約0.65MPaのモジュラスを有し、80℃にて2週間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有した。
実施例21
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%〜約56質量/質量%のEWC、約0.53MPaのモジュラス、約51〜約53度の捕捉気泡動的前進接触角、及び約34%のエネルギー損失を有し、80℃にて4.4週間でプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有した。
実施例22
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性シリコーン組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約57質量/質量%〜約58質量/質量%のEWC、約2.9(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.7MPaのモジュラス、約300%の伸び率、約1.5MPaの引張り強さ、約44〜約48度の捕捉気泡動的前進接触角、約5.10質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約32%〜約33%のエネルギー損失を有し、80℃で4.4週間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約12.2質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していた。
実施例23
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%〜約56質量/質量%のEWC、約4.1(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.6MPaのモジュラス、約275%の伸び率、約1.2MPaの引張り強さ、約55〜約58度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.6質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、約31%〜約32%のエネルギー損失、及び約27%の膨張係数を有し、80℃で4.4週間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約10.6質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していた。
実施例24
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約61質量/質量%のEWC、約3.8(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.5MPaのモジュラス、約279%の伸び率、約1.2MPaの引張り強さ、約45〜約47度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.55質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約30%〜約33%のエネルギー損失を有し、80℃で14日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約13.65質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していた。
実施例25
上記のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている手順を使用して、以下の化学化合物を指定された量で混合し、ろ過することにより、重合性組成物を得た。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチを、この配合を使用して準備し、乾式離型法、乾式脱レンズ法、並びに揮発性有機溶媒不含抽出液からなる抽出及び水和液を使用した洗浄工程を使用して、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造及び試験手順に記載されている製造手順及び試験方法に従って試験した。このバッチのレンズは、製造中に揮発性有機溶媒と接触しなかった。これらコンタクトレンズは、2つのシロキサンモノマー、Si1及びSi2に由来する単位を含有していた。このコンタクトレンズのバッチは、許容される平均寸法安定性分散を有していた。
加えて、これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、貯蔵寿命試験の開始時に試験したところ、完全水和時に、約55質量/質量%〜約57質量/質量%のEWC、約3.6(×10-3mm2/分)のイオノフラックス、約0.7MPaのモジュラス、約285%の伸び率、約1.3MPaの引張り強さ、約47〜約53度の捕捉気泡動的前進接触角、約4.10質量/質量%の湿潤性抽出可能成分、及び約34%〜約35%のエネルギー損失を有し、80℃で14日間の保管後にプラス又はマイナス3.0%未満の平均寸法安定性分散を有していた。抽出及び水和の前に試験すると、重合レンズ体は、約9.80質量/質量%の乾燥抽出可能成分を有していることが見出された。
本明細書の開示では、ある例示的な実施形態が参照されているが、これら実施形態は、例として提示されており、限定ではないことが理解されるべきである。例示的な実施形態が議論されているが、先述の詳細な説明の意図は、更なる開示により規定される本発明の趣旨及び範囲以内にあり得る実施形態の改変、代替、及び等価を全て包含すると解釈されるべきである。
幾つかの刊行物及び特許が、上記で引用されている。引用された刊行物及び特許の各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の態様として、例えば以下のものがある。
1.シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
重合性組成物の反応生成物である重合レンズ体を含み、前記重合性組成物が、
(a)式(3)により表される第1のシロキサンモノマーであって、
式(3)のmが、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnが、1〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のR 1 が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R 2 が、独立して、水素原子又はメチル基のいずれかである第1のシロキサンモノマー、及び
(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
2.前記少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤が、0.01単位質量部〜0.2単位質量部の量で、前記重合性組成物に存在する、上記1に記載のコンタクトレンズ。
3.前記少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤が、ジビニルエーテル含有架橋剤を含む、上記1又は2に記載のコンタクトレンズ。
4.前記少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤が、その分子構造中に少なくとも1つのエチレングリコール単位が存在するビニルエーテル含有架橋剤を含む、上記1〜3のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
5.前記少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤が、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(TEGDVE)、又はジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は4〜10個のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は10個超のエチレングリコール単位を有する形態のポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、又は1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせを含む、上記1〜4のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
6.前記重合性組成物が、少なくとも1つのメタクリレート含有架橋剤を更に含む、上記1〜5のいずれか一項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
7.前記重合性組成物が、メタクリレート含有架橋剤を含んでいない、上記1〜6のいずれか一項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
8.前記重合性組成物が、1つのN−ビニル基を有する少なくとも1つの親水性アミドモノマーを更に含む、上記1〜7のいずれか一項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
9.前記重合性組成物中に存在する親水性アミドモノマーの総単位質量部の、前記重合性組成物中に存在するビニルエーテル含有架橋剤の総単位質量部に対する比率が、少なくとも200:1の比率である、上記8に記載のコンタクトレンズ。
10.前記第1のシロキサンモノマーが、400ダルトン〜700ダルトンの数平均分子量を有する、上記1〜9のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
11.前記第1のシロキサンモノマーが、式(3)により表されており、式(3)のmが4であり、式(3)のnが1であり、式(3)のR 1 がブチル基であり、式(3)の各R 2 が、独立して水素原子又はメチル基のいずれかである、上記1〜10のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
12.前記重合性組成物が、7,000ダルトンを超える数平均分子量を有する第2のシロキサンモノマーを更に含む、上記1〜11のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
13.前記重合性組成物が、式(4)により表される第2のシロキサンモノマーを更に含み、
ここで、式(4)のR 1 が、水素原子又はメチル基のいずれかから選択され;式(4)のR 2 が、水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかから選択され;式(4)のmが、0〜10の整数を表し;式(4)のnが、4〜100の整数を表し;a及びbが、1以上の整数を表し;a+bが、20〜500であり;b/(a+b)が、0.01〜0.22であり;シロキサン単位の配置が、無作為配置を含む、上記1〜12のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
14.前記第2のシロキサンモノマーが、式(4)により表されるモノマーであり、式(4)のmが0であり、式(4)のnが5〜15の整数であり、aが65〜90の整数であり、bが1〜10の整数であり、式(4)のR 1 が、メチル基であり、式(4)のR 2 が水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基のいずれかである、上記13に記載のコンタクトレンズ。
15.上記1〜14のいずれか一項に記載のコンタクトレンズを複数含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチであって、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチが、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散を有し、前記平均寸法安定性分散が、前記レンズのバッチの製造日の1日以内の初期時点で、及び第2の時点で測定された物理的寸法の値の分散であり、前記第2の時点が、前記バッチが室温で保管されるか、又は前記バッチがより高い温度で保管される場合に、前記初期時点の2週間〜7年後であり、前記第2の時点は、室温で2週間〜7年間の前記バッチの保管を代表する時点であり、前記平均寸法安定性分散が、前記バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて、以下の数式(A)により決定される寸法安定性分散の平均である、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ。
((直径 最終 −直径 初期 )/直径 初期 )×100 (A)
16.前記平均寸法安定性分散が、プラス又はマイナス2パーセント(±2.0%)未満である、上記15に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ。
17.上記1〜16のいずれか一項に記載のコンタクトレンズを複数含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチであって、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチが、前記バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて決定される値の平均値に基づいて、完全水和時に、約30質量/質量%〜約70質量/質量%の平均平衡含水率(EWC)、又は少なくとも55バーラーの平均酸素透過率、又は約0.2MPa〜約0.9MPaの引張モジュラス、又はそれらの任意の組に合わせを有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのバッチ。
18.シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、
(a)式(3)により表される第1のシロキサンモノマーであって、
式(3)のmが、3〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のnが、1〜10のうちの1つの整数を表し、式(3)のR 1 が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(3)の各R 2 が、独立して、水素原子又はメチル基のいずれかである第1のシロキサンモノマー、及び
(b)少なくとも1つのビニルエーテル含有架橋剤を含む、重合性組成物を準備すること;
前記重合性組成物をコンタクトレンズ金型アセンブリ中で重合させて、重合コンタクトレンズ体を形成すること;
前記重合コンタクトレンズ体を洗浄液と接触させて、前記重合コンタクトレンズ体から抽出可能材料を除去すること;並びに
前記重合コンタクトレンズ体を、コンタクトレンズパッケージング溶液と共にコンタクトレンズパッケージ中にまとめることを含む方法。
19.前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、製造過程中に揮発性有機溶媒と接触しない、上記18に記載の方法。
20.室温で保管された場合は、2週間〜7年間の期間にわたって、又は加速貯蔵寿命試験条件下で保管された場合は、室温での2週間〜7年間の保管に相当する期間及び温度で、プラス又はマイナス3パーセント(±3.0%)未満の平均寸法安定性分散を有する、複数の前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを生産するステップを繰り返すことを更に含み、前記平均寸法安定性分散が、前記バッチの少なくとも20個の個々のレンズについて、以下の数式(A)により決定される寸法安定性分散の平均である、上記18に記載の方法。
((直径 最終 −直径 初期 )/直径 初期 )×100 (A)