JP2016524082A - タービン用のロータ - Google Patents

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Abstract

本発明は、軸方向に並べられかつ接続ロッド(144)により接続された複数のロータ部品(130)を含むタービン(100)用のロータ(103)であって、ロータ部品(130)の1つに、周方向に延在しかつ軸方向に開いた溝(152)が設けられており、溝(152)内には接続ロッド(144)周りで延在する、接続ロッド(144)を支持するための連結要素(154)が備わっている、ロータ(103)に関する。前記ロータは、技術的にシンプルな手段によって振動を防止するために、接続ロッドを特に安定して支持できるよう意図されている。そのために連結要素(154)は、接続ロッド(144)と接合された保持要素(150)に設けられている。

Description

本発明は、軸方向に並べられて配置されかつタイロッドを介して接続された複数のロータ部品を含むタービン用のロータであって、ロータ部品の1つに、周方向に延在しかつ軸方向に開いた溝が設けられており、溝内にはタイロッドを取り囲む、タイロッドを支持するための連結要素が備わっている、ロータに関する。
タービンは、流動する流体(液体あるいはガス)の内部エネルギー(エンタルピー)を回転エネルギー、最終的には機械的な駆動エネルギーに変換する流体機械である。タービンブレードのできる限り渦のない層流によって、流体の流れからその内部エネルギーの一部が取られ、タービンのロータブレードに渡る。それからこれらのロータブレードを介してタービンシャフトが回転を始め、利用可能な出力が、たとえばジェネレータのような連結された作動機械に出力される。ロータブレードとシャフトとは、ハウジングの内部に設けられているタービンの可動ロータあるいはホイールの一部である。
通常、複数のブレードがシャフトに取り付けられている。1つの平面に取り付けられたロータブレードは、それぞれ1つのブレードホイールあるいはインペラを形成する。ブレードは、航空機の翼面のように、わずかに曲がった外形を有している。各インペラの上流には、従来ではステータが配置されている。ステータガイドベーンは、ハウジングから流動する媒体の中へ突出し、当該媒体を旋回させる。ステータにおいて発生された旋回運動(運動エネルギー)は、それに後続するインペラにおいて利用されて、インペラのブレードが取り付けられているシャフトを回転させる。ステータとインペラとは一緒にして、段として公知である。しばしばそのような複数の段は、互いに連続して設置されている。
タービンのロータは、軸方向に、通常タイロッドによってともに保持されている。タービンホイールディスクやロータディスクや中空シャフトのような個々のロータ部品は、一列に並んで、タイロッドを介してクランプされている。その際ロータディスクは、ハース歯によって互いに噛合って接続されているので、個々の要素間のトルクを伝達することができる。
タイロッドの振動を軽減するために、タイロッドはその際、様々な圧縮機ホイールディスクとタービンホイールディスクにおいてかつ冷却空気分離管に挿入されている支持手段を介して保持される。このために、それぞれのロータ部品内に導入された溝であって、周方向に延在し、軸方向に開いた、溝と係合する、リング状で円錐状に傾斜した連結要素が従来備わっている。その際連結要素は、たとえばホイールディスクのようなそれぞれのロータ部品の溝に焼き嵌めすることによって接続されるために、取付け時に加熱される。円錐形状によって、連結要素はその直径が最小の箇所で、タイロッドを接触して取り囲み、その場所で同様に焼き嵌めを示す。
しかしながら典型的には、既知の支持手段では、考えられ得る軸方向の移動を阻止するために、追加の軸方向の固定部品が必要である。たとえば保持要素を、常に2つのディスクの間に置かなくてはならない。このような処置にもかかわらず、さらに、暫定的で一時的な接触不良のリスクがある。
さらに特許文献1から知られているのは、周方向に歯のある1対のブッシュを介して、流体機械のロータのタイロッドを、外側のハウジングに対して固定することである。
独国特許出願公開第2135088号明細書
それゆえ本発明の課題は、技術的にシンプルな手段によって振動を防止するために、タイロッドを特に安定的に支持できるようにする、冒頭で述べたようなタイプのロータを提供することである。
本発明に従えばこの課題は、別のロータ部材に対してタイロッドを径方向に支持することに役立つ連結要素を、タイロッドと接続された保持要素に設けることによって、解決される。
ここで、本発明は、連結要素、つまりそれぞれのロータ部分の溝に係合するパーツの固定が、タイロッド自体への焼きばめ、ひいては噛み合わない接続を介してだけで保証されないのであれば、タイロッドの特に安定的な支持が可能であろうという考察に基づいている。その代わり、むしろ噛み合わせ接続が提供されるべきである。これは、タイロッドと接続される保持要素がタイロッドに備わり、当該保持要素に連結要素が設けられれば、技術的にシンプルな手段によって実現可能である。
有利な形態において、連結要素はリング状構造からなる。これによって、特に容易に作られ得かつ取り付けられ得る、タイロッドの支持装置がもたらされる。連結要素がタイロッドの別体の保持要素に設けられていることによって、円錐形状ももはや必要なく、むしろ連結要素は、単純なシリンダ面の形態のリングを形成してよい。
それぞれのロータ部分の溝は、有利には、タイロッド周りで完全に延在するように構成される。それによって連結要素は、単純なリング状である場合には、周全体にわたって溝の中にあってよく、これによって安定性が改善される。
さらなる有利な形態において、それぞれの保持要素に、周方向に延在しかつ軸方向において第1溝に向かって開いた第2溝が設けられており、当該第2溝内に連結要素が係合する。言い換えれば、保持要素の溝は、それぞれのロータ部品の溝と軸方向に向かい合っている。それによってリング状の連結要素は、第1の軸方向側でロータ部品の溝に係合し、別の軸方向側で保持要素の溝に係合する。
その際有利には、複数の保持要素が、タイロッドの周にわたって設けられている。その際保持要素の数は、必要に応じて適合され得る。多くの保持要素が備わっていれば、それだけタイロッドの支持が改善される。しかしながら保持要素の数がより少なければ、重量と取付けの複雑さとに関して有利となり得る。
特にシンプルで有利な形態において、それぞれの保持要素は、タイロッドとともに螺合したナットである。これによってさらに取付けが容易になる。このために、タイロッドには、当該タイロッドから径方向外側に突出するネジ山が付けられていればよい。それからこれらのネジ山に上述の形状で、保持要素として連結要素を保持し且つそれでタイロッドを支持するナットが螺着されてよい。
記述されたロータの製造法では、連結要素および/あるいは保持要素は、予熱された状態で取り付けられる。これによって、取付けが容易になる。要素の冷却後に、焼きばめが生じ、タイロッドをしっかりと安定させる。この場合特に有利なのは、収縮時に保持要素の溝がタイロッドの軸に向かって移動され、それによってそれぞれのロータ部品の溝に対してオフセットが生じることである。それによって、冷却時に減少する連結要素の直径に関連して、稼働時に生じる遠心力に対抗しかつそれで特に安定的な保持を可能にするプレテンションが生じる。
タービンは有利には、上述されたロータを含む。
その際有利には、タービンはガスタービンの形態をとる。まさにガスタービン内では、熱的かつ機械的な負荷が特に大きいので、タイロッド支持の上述された形態は、安定性について特に有利なものとなっている。
発電所は有利には、そのようなタービンを備える。
本発明で達成される利点は、特に、タイロッド自体に連結要素を焼きばめすることによってタイロッドを支持するのではなく、タイロッドの別体の保持要素に固定することを介してタイロッドを支持することで、特に安定的でかつ技術的にシンプルな方式で容易に実現され得る、タイロッドの振動の防止が可能になるということにある。加えて、タイロッドの支持と組み合わせて、内部での冷却空気の供給が可能となる。なぜなら保持要素間に通路が残されているからである。追加の軸方向の固定部品を必要とすることなしに、タイロッドの支持が実現される。暫定的で一時的な接触が失われるリスクは、取り除かれる。
本発明の実施例は、図に基づいてより詳細に説明される。図に示されるのは以下である。
ガスタービンの部分的な長手方向断面図である。 タイロッド支持手段の略概略図である。 溝の領域におけるタイロッド支持手段の長手方向断面図である。
同じパーツには、すべての図において、同じ符号が付されている。
図1は、タービン100、ここではガスタービンの部分的な長手方向断面図を示している。ガスタービン100は、その内部に、回転軸102(軸方向)回りに回転するように取り付けられており且つタービンホイールとも呼ばれるロータ103を備える。ロータ103に沿って、吸引ハウジング104と、圧縮機105と、同軸に設けられた複数のバーナー107を有するトロイダル燃焼室110、特にリング状燃焼室106と、タービン108と、排ガスハウジング109と、が連続している。リング状燃焼室106は、リング状の高温ガスダクト111と連通している。そこではたとえば、連続して接続されている4つのタービン段112が、タービン108を形成している。各タービン段112は、2つのブレード及びベーンのリングから形成されている。作動媒体113の流れ方向で見て、高温ガスダクト111において、ロータブレード120から形成される列125が、ステータガイドベーン列115に続く。その際、ステータガイドベーン130はステータ143に固定されており、これに対して列125のロータブレード120は、タービンディスク133によってロータ103に取り付けられている。それによってロータブレード120は、ロータあるいはタービンホイール103の構成要素を形成する。ロータ103に連結されているのは、ジェネレータあるいは機械(図示せず)である。ガスタービン100の稼働中、圧縮機105によって吸引ハウジング104を通って空気135が吸引され、圧縮される。圧縮機105のタービン側の端部で提供される圧縮空気は、バーナー107にガイドされ、そこで燃料と混合される。混合体はそれから、燃焼室110内で燃焼され、作動媒体113を形成する。作動媒体113は、燃焼室110から高温ガスダクト111に沿ってステータガイドベーン130とロータブレード120とを通り過ぎて流れる。作動媒体113はロータブレード120において衝撃伝達方式で膨張するので、ロータブレード120はロータ103を駆動し、このロータ103はそれに連結されている作動機械を駆動する。
高温の作動媒体113にさらされる部品は、ガスタービン100の稼働中に熱負荷がかかっている。作動媒体113の流れ方向で見て最初に進む第1のタービン段112のステータガイドベーン130とロータブレード120は、リング状燃焼室106を補強する熱シールド石材とともに、最も熱負荷がかかる。そこで広がる温度に耐えるために、これらは冷媒によって冷却される。同様に、ブレード120及びベーン130は、耐腐食コーティング(MCrAlX;M=Fe、Co、Ni、希土類)と耐熱コーティング(遮熱層、たとえばZrO2、Y2O4−ZrO2)を備えてよい。
各ステータガイドベーン130は、タービン108の内部ハウジング138に対向するガイドベーン基底部(ここでは図示せず)と、ガイドベーン基底部の反対側のガイドベーン先端部と、を備える。ガイドベーン先端部はロータ103に対向し、ステータ143の密封リング140に固定されている。その際各密封リング140は、ロータ103のシャフトを取り囲んでいる。ロータ103には、タービンディスク130と、中空シャフトのような詳細には記述されないさらなる部品と、が、タイロッド144を介して接続されている。タイロッド144の振動を防止するために、このタイロッド144は、図2の概略図に表わされているように、ロータ部材に支持されている。
図2は、タイロッド144の径方向外側縁部の長手方向断面図(軸102に対して)を示している。タイロッド144には、当該タイロッド144から径方向外側に突出するネジ山146が導入されている。ネジ山146には、保持要素であるナット148が螺合されている。ネジ山146とナット148の同様の組み合わせは、タイロッド144の周にわたって等間隔で設けられている。
ナット148は、軸方向に開いておりかつタービンディスク130に対向する溝150を備える。溝150に向かい合ってタービンディスク130内に、周全体周りで延在するさらなる溝152が導入されている。リング状の連結要素は、さねはぎ接合方式で、2つの溝150、152内に設けられており、そうしてタイロッド144を径方向に固定する。軸方向において、タービンディスク130は、タイロッド144のテンションを介して固定されている一方で、ナット148はネジ山146を介して固定されている。対応する支持手段は、タイロッド144の様々な軸方向領域において各ロータ部品に備わっている。ナット148は、中央部で軸方向に貫通する開口部156を備える。この開口部156を通って同様に、個々のナット148の間を冷却空気が貫流でき、それによってタイロッド144を冷却するための内部冷却空気誘導が可能になる。
図3は、連結要素154周辺の領域の長手方向断面の詳細図である。ナット148は、ここではさらに、タービンディスク133に当接しかつ軸方向での安定性をもたらす突出部158を備える。
取付け時にナット148と連結要素154とが加熱される。それゆえ冷却時にナット148と連結要素154とは収縮するので、連結要素154と溝150の、軸102へ向かう方向での移動が起こる。それによって連結要素154は、タービンディスク130の溝152の径方向内側と、ナット148の溝150の径方向外側と、で当接する。これによって、稼働時に生じる遠心力に対抗するプレテンションがもたらされる。
100 ガスタービン
102 回転軸
103 ロータ
104 吸引ハウジング
105 圧縮機
106 リング状燃焼室
107 バーナー
108 タービン
109 排ガスハウジング
110 燃焼室
111 高温ガスダクト
112 タービン段
113 作動媒体
115 ステータガイドベーン列
120 ロータブレード
125 列
130 ステータガイドベーン
133 タービンディスク
135 空気
138 内部ハウジング
140 密封リング
143 ステータ
144 タイロッド
146 ネジ山
148 ナット
150 溝
152 溝
154 連結要素
156 開口部
158 突出部
本発明は、軸方向に並べられて配置されかつタイロッドを介して接続された複数のロータ部品を含むタービン用のロータであって、ロータ部品の1つに、周方向に延在しかつ軸方向に開いた溝が設けられており、溝内にはタイロッドを取り囲む、タイロッドを支持するための連結要素が備わっている、ロータに関する。
タービンは、流動する流体(液体あるいはガス)の内部エネルギー(エンタルピー)を回転エネルギー、最終的には機械的な駆動エネルギーに変換する流体機械である。タービンブレードのできる限り渦のない層流によって、流体の流れからその内部エネルギーの一部が取られ、タービンのロータブレードに渡る。それからこれらのロータブレードを介してタービンシャフトが回転を始め、利用可能な出力が、たとえばジェネレータのような連結された作動機械に出力される。ロータブレードとシャフトとは、ハウジングの内部に設けられているタービンの可動ロータあるいはホイールの一部である。
通常、複数のブレードがシャフトに取り付けられている。1つの平面に取り付けられたロータブレードは、それぞれ1つのブレードホイールあるいはインペラを形成する。ブレードは、航空機の翼面のように、わずかに曲がった外形を有している。各インペラの上流には、従来ではステータが配置されている。ステータガイドベーンは、ハウジングから流動する媒体の中へ突出し、当該媒体を旋回させる。ステータにおいて発生された旋回運動(運動エネルギー)は、それに後続するインペラにおいて利用されて、インペラのブレードが取り付けられているシャフトを回転させる。ステータとインペラとは一緒にして、段として公知である。しばしばそのような複数の段は、互いに連続して設置されている。
タービンのロータは、軸方向に、通常タイロッドによってともに保持されている。タービンホイールディスクやロータディスクや中空シャフトのような個々のロータ部品は、一列に並んで、タイロッドを介してクランプされている。その際ロータディスクは、ハース歯によって互いに噛合って接続されているので、個々の要素間のトルクを伝達することができる。
タイロッドの振動を軽減するために、タイロッドはその際、様々な圧縮機ホイールディスクとタービンホイールディスクにおいてかつ冷却空気分離管に挿入されている支持手段を介して保持される。このために、それぞれのロータ部品内に導入された溝であって、周方向に延在し、軸方向に開いた、溝と係合する、リング状で円錐状に傾斜した連結要素が従来備わっている。その際連結要素は、たとえばホイールディスクのようなそれぞれのロータ部品の溝に焼き嵌めすることによって接続されるために、取付け時に加熱される。円錐形状によって、連結要素はその直径が最小の箇所で、タイロッドを接触して取り囲み、その場所で同様に焼き嵌めを示す。
しかしながら典型的には、既知の支持手段では、考えられ得る軸方向の移動を阻止するために、追加の軸方向の固定部品が必要である。たとえば保持要素を、常に2つのディスクの間に置かなくてはならない。このような処置にもかかわらず、さらに、暫定的で一時的な接触不良のリスクがある。
さらに特許文献1から知られているのは、周方向に歯のある1対のブッシュを介して、流体機械のロータのタイロッドを、外側のハウジングに対して固定することである。
そのほかに、特許文献2には、ガスタービンのロータディスクとタイロッドの熱分離が開示されている。そのために、最後のロータディスクとタイロッドの端部との間に、断熱リングと、半径方向外側から挿入される2つのスペーサセグメントとが設けられている。タイロッドを遠心力による損失から守るために、分割リングによって軸方向に移動しないようになっているスリーブが、断熱リングとスペーサ要素とに被せられる。この場合不利なのは、タイロッドが、その両端部の間で支持されておらず、それによってそこで振動し得るということである。
独国特許出願公開第2135088号明細書 米国特許出願公開第2007/0286733号明細書
それゆえ本発明の課題は、技術的にシンプルな手段によって振動を防止するために、タイロッドを特に安定的に支持できるようにする、冒頭で述べたようなタイプのロータを提供することである。
本発明に従えばこの課題は、別のロータ部材に対してタイロッドを径方向に支持することに役立つ連結要素を、タイロッドと接続された保持要素に設けることによって、解決される。
ここで、本発明は、連結要素、つまりそれぞれのロータ部分の溝に係合するパーツの固定が、タイロッド自体への焼きばめ、ひいては噛み合わない接続を介してだけで保証されないのであれば、タイロッドの特に安定的な支持が可能であろうという考察に基づいている。その代わり、むしろ噛み合わせ接続が提供されるべきである。これは、タイロッドと接続される保持要素がタイロッドに備わり、当該保持要素に連結要素が設けられれば、技術的にシンプルな手段によって実現可能である。
有利な形態において、連結要素はリング状構造からなる。これによって、特に容易に作られ得かつ取り付けられ得る、タイロッドの支持装置がもたらされる。連結要素がタイロッドの別体の保持要素に設けられていることによって、円錐形状ももはや必要なく、むしろ連結要素は、単純なシリンダ面の形態のリングを形成してよい。
それぞれのロータ部分の溝は、有利には、タイロッド周りで完全に延在するように構成される。それによって連結要素は、単純なリング状である場合には、周全体にわたって溝の中にあってよく、これによって安定性が改善される。
さらなる有利な形態において、それぞれの保持要素に、周方向に延在しかつ軸方向において第1溝に向かって開いた第2溝が設けられており、当該第2溝内に連結要素が係合する。言い換えれば、保持要素の溝は、それぞれのロータ部品の溝と軸方向に向かい合っている。それによってリング状の連結要素は、第1の軸方向側でロータ部品の溝に係合し、別の軸方向側で保持要素の溝に係合する。
その際有利には、複数の保持要素が、タイロッドの周にわたって設けられている。その際保持要素の数は、必要に応じて適合され得る。多くの保持要素が備わっていれば、それだけタイロッドの支持が改善される。しかしながら保持要素の数がより少なければ、重量と取付けの複雑さとに関して有利となり得る。
特にシンプルで有利な形態において、それぞれの保持要素は、タイロッドとともに螺合したナットである。これによってさらに取付けが容易になる。このために、タイロッドには、当該タイロッドから径方向外側に突出するネジ山が付けられていればよい。それからこれらのネジ山に上述の形状で、保持要素として連結要素を保持し且つそれでタイロッドを支持するナットが螺着されてよい。
記述されたロータの製造法では、連結要素および/あるいは保持要素は、予熱された状態で取り付けられる。これによって、取付けが容易になる。要素の冷却後に、焼きばめが生じ、タイロッドをしっかりと安定させる。この場合特に有利なのは、収縮時に保持要素の溝がタイロッドの軸に向かって移動され、それによってそれぞれのロータ部品の溝に対してオフセットが生じることである。それによって、冷却時に減少する連結要素の直径に関連して、稼働時に生じる遠心力に対抗しかつそれで特に安定的な保持を可能にするプレテンションが生じる。
タービンは有利には、上述されたロータを含む。
その際有利には、タービンはガスタービンの形態をとる。まさにガスタービン内では、熱的かつ機械的な負荷が特に大きいので、タイロッド支持の上述された形態は、安定性について特に有利なものとなっている。
発電所は有利には、そのようなタービンを備える。
本発明で達成される利点は、特に、タイロッド自体に連結要素を焼きばめすることによってタイロッドを支持するのではなく、タイロッドの別体の保持要素に固定することを介してタイロッドを支持することで、特に安定的でかつ技術的にシンプルな方式で容易に実現され得る、タイロッドの振動の防止が可能になるということにある。加えて、タイロッドの支持と組み合わせて、内部での冷却空気の供給が可能となる。なぜなら保持要素間に通路が残されているからである。追加の軸方向の固定部品を必要とすることなしに、タイロッドの支持が実現される。暫定的で一時的な接触が失われるリスクは、取り除かれる。
本発明の実施例は、図に基づいてより詳細に説明される。図に示されるのは以下である。
ガスタービンの部分的な長手方向断面図である。 タイロッド支持手段の略概略図である。 溝の領域におけるタイロッド支持手段の長手方向断面図である。
同じパーツには、すべての図において、同じ符号が付されている。
図1は、タービン100、ここではガスタービンの部分的な長手方向断面図を示している。ガスタービン100は、その内部に、回転軸102(軸方向)回りに回転するように取り付けられており且つタービンホイールとも呼ばれるロータ103を備える。ロータ103に沿って、吸引ハウジング104と、圧縮機105と、同軸に設けられた複数のバーナー107を有するトロイダル燃焼室110、特にリング状燃焼室106と、タービン108と、排ガスハウジング109と、が連続している。リング状燃焼室106は、リング状の高温ガスダクト111と連通している。そこではたとえば、連続して接続されている4つのタービン段112が、タービン108を形成している。各タービン段112は、2つのブレード及びベーンのリングから形成されている。作動媒体113の流れ方向で見て、高温ガスダクト111において、ロータブレード120から形成される列125が、ステータガイドベーン列115に続く。その際、ステータガイドベーン130はステータ143に固定されており、これに対して列125のロータブレード120は、タービンディスク133によってロータ103に取り付けられている。それによってロータブレード120は、ロータあるいはタービンホイール103の構成要素を形成する。ロータ103に連結されているのは、ジェネレータあるいは機械(図示せず)である。ガスタービン100の稼働中、圧縮機105によって吸引ハウジング104を通って空気135が吸引され、圧縮される。圧縮機105のタービン側の端部で提供される圧縮空気は、バーナー107にガイドされ、そこで燃料と混合される。混合体はそれから、燃焼室110内で燃焼され、作動媒体113を形成する。作動媒体113は、燃焼室110から高温ガスダクト111に沿ってステータガイドベーン130とロータブレード120とを通り過ぎて流れる。作動媒体113はロータブレード120において衝撃伝達方式で膨張するので、ロータブレード120はロータ103を駆動し、このロータ103はそれに連結されている作動機械を駆動する。
高温の作動媒体113にさらされる部品は、ガスタービン100の稼働中に熱負荷がかかっている。作動媒体113の流れ方向で見て最初に進む第1のタービン段112のステータガイドベーン130とロータブレード120は、リング状燃焼室106を補強する熱シールド石材とともに、最も熱負荷がかかる。そこで広がる温度に耐えるために、これらは冷媒によって冷却される。同様に、ブレード120及びベーン130は、耐腐食コーティング(MCrAlX;M=Fe、Co、Ni、希土類)と耐熱コーティング(遮熱層、たとえばZrO2、Y2O4−ZrO2)を備えてよい。
各ステータガイドベーン130は、タービン108の内部ハウジング138に対向するガイドベーン基底部(ここでは図示せず)と、ガイドベーン基底部の反対側のガイドベーン先端部と、を備える。ガイドベーン先端部はロータ103に対向し、ステータ143の密封リング140に固定されている。その際各密封リング140は、ロータ103のシャフトを取り囲んでいる。ロータ103には、タービンディスク130と、中空シャフトのような詳細には記述されないさらなる部品と、が、タイロッド144を介して接続されている。タイロッド144の振動を防止するために、このタイロッド144は、図2の概略図に表わされているように、ロータ部材に支持されている。
図2は、タイロッド144の径方向外側縁部の長手方向断面図(軸102に対して)を示している。タイロッド144には、当該タイロッド144から径方向外側に突出するネジ山146が導入されている。ネジ山146には、保持要素であるナット148が螺合されている。ネジ山146とナット148の同様の組み合わせは、タイロッド144の周にわたって等間隔で設けられている。
ナット148は、軸方向に開いておりかつタービンディスク130に対向する溝150を備える。溝150に向かい合ってタービンディスク130内に、周全体周りで延在するさらなる溝152が導入されている。リング状の連結要素は、さねはぎ接合方式で、2つの溝150、152内に設けられており、そうしてタイロッド144を径方向に固定する。軸方向において、タービンディスク130は、タイロッド144のテンションを介して固定されている一方で、ナット148はネジ山146を介して固定されている。対応する支持手段は、タイロッド144の様々な軸方向領域において各ロータ部品に備わっている。ナット148は、中央部で軸方向に貫通する開口部156を備える。この開口部156を通って同様に、個々のナット148の間を冷却空気が貫流でき、それによってタイロッド144を冷却するための内部冷却空気誘導が可能になる。
図3は、連結要素154周辺の領域の長手方向断面の詳細図である。ナット148は、ここではさらに、タービンディスク133に当接しかつ軸方向での安定性をもたらす突出部158を備える。
取付け時にナット148と連結要素154とが加熱される。それゆえ冷却時にナット148と連結要素154とは収縮するので、連結要素154と溝150の、軸102へ向かう方向での移動が起こる。それによって連結要素154は、タービンディスク130の溝152の径方向内側と、ナット148の溝150の径方向外側と、で当接する。これによって、稼働時に生じる遠心力に対抗するプレテンションがもたらされる。
100 ガスタービン
102 回転軸
103 ロータ
104 吸引ハウジング
105 圧縮機
106 リング状燃焼室
107 バーナー
108 タービン
109 排ガスハウジング
110 燃焼室
111 高温ガスダクト
112 タービン段
113 作動媒体
115 ステータガイドベーン列
120 ロータブレード
125 列
130 ステータガイドベーン
133 タービンディスク
135 空気
138 内部ハウジング
140 密封リング
143 ステータ
144 タイロッド
146 ネジ山
148 ナット
150 溝
152 溝
154 連結要素
156 開口部
158 突出部

Claims (10)

  1. 軸方向において並んで配置されかつタイロッド(144)を介して接続された複数のロータ部品(130)を含むタービン(100)用のロータ(103)であって、前記ロータ部品(130)の1つに、周方向に延在しかつ軸方向に開いた溝(152)が設けられており、該溝(152)内には、前記タイロッド(144)を取り囲む、径方向に該タイロッド(144)を支持するための連結要素(154)が備わっており、該連結要素(154)は、前記タイロッド(144)と接続された保持要素(150)に設けられている、ロータ(103)。
  2. 前記連結要素(154)はリング状構造からなる、請求項1に記載のロータ(103)。
  3. 前記溝(152)は、前記タイロッド(144)周りを完全に延在するように構成されている、請求項1あるいは2に記載のロータ(103)。
  4. それぞれの前記保持要素(148)に、周方向に延在しかつ軸方向において前記第1溝(152)に向かって開いた第2溝(150)が設けられており、該第2溝(150)内に前記連結要素(154)が係合する、請求項1から3のいずれか1項に記載のロータ(103)。
  5. 複数の保持要素(148)が、前記タイロッド(144)の周にわたって設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載のロータ(103)。
  6. それぞれの前記保持要素(148)は、前記タイロッド(144)とともに螺合したナット(148)である、請求項1から5のいずれか1項に記載のロータ(103)。
  7. 連結要素および/あるいは保持要素(148、154)は、予熱された状態で取り付けられる、請求項1から6のいずれか1項に記載のロータ(103)の製造法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のロータ(103)および/あるいは請求項8に従って製造されたロータを有するタービン(100)。
  9. ガスタービン(100)の形態をとる、請求項8に記載のタービン(100)。
  10. 請求項8あるいは9に記載のタービン(100)を有する発電所。
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