ここで本発明を単なる例として、また添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態のいずれかでの使用に適する研磨物品の構成体を示す概略断面図である。
本発明の第1の実施形態による研磨物品の概略図である。
本発明の第2の実施形態による研磨物品の概略図である。
15個の孔及び78個の孔の研磨材であって、本発明の第1及び第2の実施形態との比較実験で使用された研磨材の概略図である。
本発明の第3の実施形態による研磨物品用アダプタの概略断面図である。
本発明の第3の実施形態による研磨物品用アダプタの概略平面図である。
本発明は、良好な性能のために、研磨物品の表面に亘って均一なレベルのダスト除去が必要とされることを理解するだけでなく、理想的には、使用時に研磨物品の軌道及び/又は回転を提供する用具上で研磨物品が使用される状況を考慮するべきであることを理解する取組みをする。例えば、ランダムオービタル又はデュアルアクション(DA:dual action)サンダー、例えば上記の3Mから入手可能な一連の3M Random Orbital Sanderは、研磨物品を回転させるだけでなく、楕円軌道パターンで動かし、研磨物品の回転運動に並進運動成分を与える。使用中に回転するディスクなどの研磨物品では、研磨ディスクの中心近くの相対線速度は、ディスクの外縁での相対線速度よりも著しく低く、これは研磨ディスクの回転速度に依存する。
理論に束縛されるものではないが、研磨物品の端における速度の増加は、ワークピースの表面上でのカットを増大させると考えられている。これは、より広い面積の研磨材料がワークピースの表面を通り過ぎ、速度の違いに起因して、より積極的なカットを形成するからである。これにより、ワークピースの表面から除去される粒子材料の量が増大し、この粒子材料は典型的には、用途によって、塗料片又はフィラーから構成されるダストであり、研磨物品の表面の詰まり(clogging)及び周囲大気への粒子材料の排出を減少するために、タイムリーな除去を必要とする。
本発明は、研磨コーティングにより形成された研磨物品のワーク面を、少なくとも第1の内側領域及び第2の外側領域に分けることにより、上記課題に対処し、この第2の領域が第1の領域及び中心点と同心である。それぞれの領域が、少なくとも1つの孔を有し、第1及び第2の領域のそれぞれにおいて、孔のサイズ及び総数が、その各領域の孔密度を形成する。第1の領域の孔密度は、第2の領域の孔密度よりも低い。したがって、孔密度は、孔専用研磨物品の表面積の尺度であり、単に研磨コーティングである、すなわち孔が設けられていない研磨物品の表面積との関係の尺度である。それぞれの領域において、それぞれの孔が、中心点からのそれぞれの孔の距離に、各領域内の研磨コーティングの総表面積を乗じた値と、各領域内の少なくとも1つの孔の総表面積との間の比率が、第1及び第2の領域について実質的に一定であるような、各領域内のサイズ及び位置を有する。これを行う1つの方法は、それぞれの領域に少なくとも1つの孔を形成し、これらの孔が、中心点の周りに確実に均等に分布させることである。
この関係は、それぞれの領域で除去され得る粒子状物質の量を効果的に決定し、より多量の粒子状物質が形成される研磨物品の範囲では、増加した除去能力がもたらされるため、それぞれの領域で定数Kが実質的に一定に維持される。全体的にこれは、従来の孔のあいた研磨物品(より少なく、より大きな孔)及びより現代的ないわゆる「多孔(multi-hole)」(多くのより小さな孔)の研磨物品の両方の除去能力よりも、研磨物品の除去能力を改善する。これは、変動孔密度を有する本発明による研磨物品、すなわち、それぞれの領域における孔の数及びサイズが、それぞれの領域の相対的な位置によって、それぞれの領域で異なる研磨物品に起因する。
図1は、本発明の実施形態のいずれかでの使用に適する研磨物品の構成体を示す概略断面図である。研磨物品1は、第1の表面3及び第2の表面4を有する裏材2と、裏材2の第1の表面3上の研磨コーティング5と、を含む。研磨コーティング5は、樹脂層6を含み、この樹脂層6は、樹脂層6中に分散した研磨材粒子7を有し、ワークピース(図示せず)をサンディングするために使用されるように意図されるワーク面8を形成する。この例では面ファスナー取付層である取付層9は、裏材2の第2の表面上に設けられる。これは、研磨ディスクを用具のバックアップパッド(図示せず)に設置することを可能にし、この用具はダスト除去能力を有する。裏材2及び研磨コーティング5を貫いて延びる複数の孔10が設けられる。複数の孔10は、取付層9も貫いて延びる。これは、ワーク面8と用具との間の流体連通を可能にし、ワーク面8で研磨物品1により生成したダストを、ワークピースから孔10を通って用具に取り出すことができる。
本発明の第1の実施形態は、例として、ダスト除去が意図される研磨ディスクを使用するが、他の形状の研磨物品、又は他の種類の粒子除去に使用される研磨物品、例えば、乾燥した状態で使用される研磨物品と同様に、湿潤、若しくは濡れた状態で使用される研磨物品で、同じ取組みを使用してもよいことが理解されるべきである。したがって、研磨ディスクの使用は、本発明を限定するとして見られるべきでなく、又は円形の孔の使用は、本発明を限定するとして見られるべきでない。図2は、本発明の第1の実施形態による研磨物品の概略図である。これは、図1に示される構造を有する円形の研磨ディスク11を示し、5つの領域(第1〜第5):A(中心の0〜14mm半径)、B(14〜28mm半径)、C(28〜42mm半径)、D(42〜56mm)及びE(56〜70mm)に分けられ、これらは中心点12を中心とし、互いに同心である。研磨ディスクは150mmの直径を有した。合計59個の孔がディスクに含まれ、中心点12の周りに均等に分布している。孔の位置及びサイズは、以下の通り決定される。
かかる円形の研磨ディスクは、オービタルサンダー上で使用することを意図し、このオービタルサンダーは、ディスクを角速度ωで回転させるので、線速度v(v=ωr)で回転させると共に、ディスクを軌道Oで動かす。したがって、研磨ディスク11の表面に亘る孔10の均一な配置は、最適なダスト除去を可能にしない。なぜなら、カットについての影響があるので、形成されるダストの量は、研磨ディスク11の回転速度及び用具により生成される軌道の両方に基づくからである。不均一な分布も、同じ問題を受けるであろうから、ディスクの回転及び軌道の影響による孔位置の調節を行う必要がある。除去されるダストの量は、開口面積、すなわち研磨ディスク11に亘って形成された孔10の表面積の量に比例するであろう。必要な孔の表面積を決定するために、下記の式が使用される。
式中、Kは定数であり、Oは軌道であり、vは考慮される点での上記の線速度であり、A
孔は孔が占める研磨ディスク11の表面積であり、A
研磨材は残りの研磨ディスク11の表面積である。Kの理論値を決定するために、研磨ディスク11について、孔面積の理想量が選択される。製造コストの視点から、他の既存の物品と一致するために、孔面積は、研磨ディスク11の全体的な表面積の10%として選択され、軌道2.5mm及び回転速度4000rpmを使用して、式1を解いてKを与えた。これにより、Kの値199が得られた。孔10はその後、それぞれの領域で式1を使用して、製造の制約に従って、このKの理論値に達するように選択された。
孔10は以下の通り、及び以下の表1に示す通りのサイズ及び位置とした(全ての測定値はmm単位である)。孔は、それぞれの領域の端に配置され、領域B、C及びDのそれぞれでは、それぞれの領域の孔の数の半分は領域の内側の端に配置され、半分は領域の外側の端に配置され、領域Eの孔の3分の1は、領域Dと領域Eとの間の境界に配置された。上述のように、計算で使用される軌道Oは2.5mmであり、回転速度ωは4000rpmであった。計算された孔の直径を、表1の括弧内に示し、実際の孔の直径も示す。
孔が占める研磨ディスク11の表面積対残りの研磨ディスク11の表面積の比率は、0.098(9.8%)であった。孔10は、研磨ディスク11の中心点12の周囲に均等に分布するように、それぞれの領域に配置された。孔のサイズ及び位置についての製造の制約は、必要な表面積で解いた式にもかかわらず、実際には、いくつかの領域において、K値の不一致を導いたと思われ得る(式1に従う孔の直径は、表1の括弧内に与えられ、実際の孔の直径も示される)。研磨ディスク11の試験を実行し、このことが性能に有害な影響を与えることになるかを決定した。
本発明の第1の実施形態による研磨ディスク11と、直径が150mmであって15個の孔を有する研磨ディスクと、直径が150mmであって78個の孔を有する研磨ディスクとの間で、比較試験を実行した。3つの研磨ディスクは全て、上記の3Mから入手可能なP500グレードの255P研磨材料から製造した。15個の孔のディスクは、孔が占める研磨ディスクの表面積対残りの研磨ディスクの表面積の比率が0.062(6.2%)であり、78個の孔のディスクでは、0.05(5%)であった。以下の図4に示されるように、それぞれのディスクは中心孔を含み、残りの孔は、研磨ディスクの表面に亘って均等に分布していた。
全ての試験は、Fanuc Roboticsのロボットで、National Detroit、1590 Northrock Court、Rockford、Illinois 61103、USから入手可能な150mm National Detroit Air Powered Sanderを使用して実行した。600×600mmのプライマーパネルに、Standox、Wedgwood Way、Stevenage、Hertfordshire、SG1 4QNから入手可能なStandox VOC Systemフィラーを、厚さおおよそ100μmまで塗布し、秤量して重量を記録した。サンディング前に、プライマーパネルの表面を清潔なタッククロスで拭き、その後タッククロスを処分した。試験を始めるために、ロボットはプライマーパネルの表面を、中間圧力(5.5lbs/2.5kg)で、交互に南北及び東西方向に15秒間サンディングした。その後、プライマーパネルを再び秤量し、重量を記録した。これを更に、45秒間及び180秒間繰り返し、それぞれのサンディングセッション後に、パネルを秤量した。45秒後に、パネルを既知の初期重量の第2のタッククロスできれいにした後、第2のタッククロスを秤量し、気密袋に入れた。第2のタッククロスを続いて秤量し、パネルに残されたダストの量を決定した。プライマーパネルの重量を測定することにより、グラムでの除去された材料の合計量はカット量を与え、タッククロスの重量を測定することにより、グラムでのダストの追加の重量がダスト除去プロセスの効率を示す。
6個のそれぞれの研磨ディスクを試験し、この全ての研磨ディスクはグレードP500であった。15個及び78個の孔の研磨ディスクは、バックアップパッドの孔と一列に整列した孔を有するのに対し、本発明の第1の実施形態による59個の孔の研磨ディスクの孔を整列させることは不可能であった。試験の結果を以下の表2に示す。
59個の孔のディスクは、ダスト除去で改善を示し、15個の孔及び78個の孔の研磨ディスクよりも、試験後にパネルの表面で残っているダストが少なく、またカットでも改善を示した。78個の孔のディスクよりも、ダスト除去を可能にするための孔専用研磨物品の整列した孔が、全体的に小さく、少ないのにもかかわらず、本発明による59個の孔の研磨物品は、より良好な性能を与える。
図3は、本発明の第2の実施形態による研磨物品の概略図である。これは、研磨ディスク13を示し、この研磨ディスク13は、上記の第1の実施形態と同様に、中心点14を有し、4つの領域A、B、C、及びDに分けられる。研磨ディスクの直径は150mmであった。21個の孔15が、上記と同じ方法を使用して、以下の表3に示すように、それぞれの領域に設けられた。最初に、式1を解いて望ましい表面積0.066(6.6%、既存の15個の孔の研磨ディスクと同じ)、及びKの理論値316を与えた。軌道Oは2.5mmであり、速度ωは4000rpmであった。この場合も、全ての測定値はmm単位である。4つの領域で21個の孔を使用して、孔15が占める研磨ディスク13の表面積対残りの研磨ディスク13の表面積の比率は、0.068(6.8%)であった。式1に従う孔の直径を、表3の括弧内に与え、実際の孔の直径も示す。
全ての試験は、Fanuc Roboticsのロボットで、上記の3Mから入手可能なEliteオービタルサンダーを使用して実行した。Eliteオービタルサンダーは、理論上の自由回転速度が12000rpmであり、負荷下の回転速度が4000rpmであり、軌道が2.5mmである。51個の孔を有するバックアップパッドを使用した。おおよそ200×400mmの木製パネル(マツ)を秤量し、重量を記録した。その後これを、サイズがおおよそ600×600mmの塗料を塗った金属パネル上に、サンディングのために置いた。サンディング前に、木製パネル及びこれが載っている塗料を塗ったパネルの表面をタッククロスで拭いた後、タッククロスを廃棄した。試験を始めるために、ロボットは木製パネルの表面を、中間圧力(5.5lbs/2.5kg)で、交互に南北及び東西方向に2分間サンディングした。その後、木製パネルを再び秤量し、重量を記録した。これを更なる微小な時間及び1分間繰り返した。合計5分間のサンディング後、木製パネルを既知の初期重量の第2のタッククロスできれいにし、塗料を塗った金属パネルも、同じタッククロスできれいに拭いた後、続く秤量のために、タッククロスを気密袋に入れた。タッククロスを秤量し、パネルに残されたダストの量を決定した。木製パネルの重量を測定することにより、グラムでの除去された材料の合計量はカット量を与え、タッククロスの重量を測定することにより、ワークエリアに残っているダストの追加の重量がグラムで与えられ、これはダスト除去プロセスの効率を示す。
これは、本発明の第2の実施形態による研磨ディスク13と、15個の孔のディスクとを比較するために使用された。しかしながら、使用されるバックアップパッドは51個の孔のバックアップパッドであり、15個の孔の研磨ディスク及び本発明による21個の孔の研磨ディスクの両方の孔は、バックアップパッドに対して整列できた。再び、孔が占める研磨ディスクの表面積対残りの研磨ディスクの表面積の比率は、15個の孔のディスクについて、0.066(6.6%)であった。研磨ディスクは両方、上記の3Mから入手可能なP320グレードの236U研磨材料から形成された。それぞれの種類の5つのディスクを試験した。比較試験の結果を以下の表4に示す。
この場合も、本発明による研磨ディスク13は、使用中に、15個の孔の研磨ディスクよりも、多くのダストを除去した。図4は、15個の孔16及び78個の孔17の研磨材であって、本発明の第1及び第2の実施形態との比較実験で使用された研磨材の概略図である。これは、従来の孔のパターン及び多孔研磨ディスクと比較した場合に、本発明が同様の性能又は改善された性能を提供することを示す。なぜなら、領域内の研磨コーティングの表面積と孔の表面積との間の比率が、孔のサイズ及び分布について、最適化されているからである。
定数Kの精度のレベルもまた、研磨物品の孔を形成するために使用される方法により影響を受ける。例えば、達成可能な孔のサイズに、実寸(最小半径)又は工学的許容度のいずれかに関する制限がある場合、Kの多少の変動があり得る。したがって、実用的でない孔のサイズにより式1を満たす場合、より妥当な孔のサイズが使用され得る。研磨物品の孔を形成する方法としては、機械式打抜及びレーザーを使用した切断が挙げられる。加えて、研磨物品の孔のサイズを調節して、バックアップパッドと共に完全なシステムを形成することが望ましいことがある。例えば、7mmの孔を形成することが便利であるが、バックアップパッドに整列可能な5mmの孔が設けられている場合、全体的なダスト除去は5mmの孔により影響を受ける。これもまた定数Kの精度のレベルに影響を与える。例えば、上記の第2の実施形態では、式1が、理想的な孔のサイズが4.89mmであると予測する場合、5mmの孔のバックアップパッドの使用は、Kに相当の影響を与える。なぜなら、これが効果的に計算に代入され得るからである。これは、式1により予測されるK値に近いK値を与える。
上記の例では、ダスト除去の状況での使用が意図される円形の研磨物品が必要である。しかしながら、他の形状の研磨物品、例えばシート、例えば長方形のシートが形成されてもよく、シートが中心点及び周辺部を有する場合、上記の式1は、回転速度ではなく、中心からの領域の距離、dに関して書き直され得る。
本発明の第1及び第2の実施形態の円形の研磨ディスクに関して記載される方法と同じ方法で、この状況では、物品は少なくとも2つの領域に分けられ、互いに及び中心点と同心である。それぞれの領域は、少なくとも1つの孔を有し、好ましくは、中心点の周りに均等に分布した2つの孔を有する。それぞれの孔のサイズ及び位置は、それぞれの領域の中心点からの距離に、領域内の研磨コーティングの表面積を乗じた値と、領域内の孔の表面積との間の比率が、それぞれの領域において、おおよそ一定であるような、各領域内のサイズ及び位置を有する。したがって、上記の例では、研磨物品は研磨ディスクであり、孔はディスクの半径に沿って配置される。軌道は、研磨シートと共に使用される用具の場合、直線的な並進であってもよく、定数Oは並進運動の振幅を表す。研磨物品が、軌道又は他の並進運動を提供しない用具と共に使用される状況では、定数Oを省略してもよい。
更に、使用される孔は、必ずしも円形でなくてもよいが、意図される使用に適した形状、例えば、三角形、正方形、長方形、若しくは他の多角形又は曲線形状である。上記の例では、21個及び59個の孔を使用した。しかしながら、式1及び2を、任意の数の必要な孔を配置するために使用してもよい。好ましくは、これは、7〜100個の孔であり、より好ましくは、7〜30個の孔である。上記の例で使用される孔のサイズは、直径3.5mm〜10mmの範囲内であるが、好ましくは、所望される場合、直径1.0mm〜25.0mmである。
取付層として面ファスナー層を使用することは、特に適切である。なぜなら、これは空気(したがって、真空手段により除去を可能にする)及びダスト(サンディング時に見出だされる典型的な粒子サイズのダスト)の両方の通過に対して透過性であり、通常の使用中の詰まりがほとんど又は全く無いからである。同様の利点を提供する他の材料としては、毛羽立てたナイロンが挙げられる。上記の例では、研磨コーティングは樹脂材料を含み、この樹脂材料は、その中に分散した研磨材粒子を有する。しかしながら、研磨コーティングは、他の材料、例えば研削助剤、他の層、例えばスーパーサイズ層を含んでもよく、又は接着材料若しくはスラリーから形成されてもよい。他の層、例えばタイコート又は他の増強若しくは強化層を、裏材と研磨コーティングとの間に設けてもよい。所望される場合、微細複製技術を使用して、研磨コーティングを形成してもよく、又はコーティングが接着剤及び様々な砥粒若しくは研磨材粒子を含んでもよい。適切な裏材材料としては、紙及び布地(処理及び未処理の両方)、発泡体、並びにコーティングされた研磨物品の製造において一般に使用される他の材料が挙げられる。
上記の例では、粒子がダストであり、研磨物品がダスト除去装置と共に使用するのに適合している。当該設備は、真空除去手段若しくは自己発生する(self-generated)真空除去手段のいずれかを含むか、又は単に遠心力に依存して、ダスト及び空気を、孔を通じて、ワークピースの表面から離れるように動かしてもよい。しかしながら、他の種類の粒子除去を実行してもよい。この場合の1つの状況は、研磨材が、湿潤若しくは濡れた状態で、又は研磨剤と共に使用され、用具の運動により、切屑、塗料又は他の粒子片が液体キャリア中を動く、したがって研磨物品の孔を通じて動く場合である。
研磨物品に、更なる領域を含むことが望ましいこともある。例えば、研磨物品は、第3の領域を含んでもよく、第3の領域が第1の領域と第2の領域との間に配置され、第3の領域には孔が無い。あるいは、研磨物品は、第3の領域を含んでもよく、第3の領域が第1の領域と第2の領域との間に配置され、第3の領域が、少なくとも1つの孔を含む。
上記の実施形態では、孔10、15は、中心点12の周りに均等に分布している。しかしながら、必ずしもそうである必要はない。孔は、規則的アレイ若しくはパターンを形成するか否かにかかわらず、任意の方法で分布してもよい。なぜなら、上記の式1及び式2を満たす限り、研磨物品のダスト除去性能は最適化されるからである。
上記の実施形態では、少なくとも1つの更なる孔が、少なくとも2つの領域の外側に設けられてもよい。これは、例えば、中心点に配置される中心孔であってもよい。多くの場合、これは、標準のバックアップパッド又は他の用具取付手段、例えば研磨シート用ブロックに設けられる孔と一列に整列する必要がある。あるいは、又は加えて、少なくとも1つの更なる孔は、研磨物品上の他の場所、例えば中心点から離れて配置されてもよい。それぞれの領域の少なくとも2つの孔が、研磨物品の表面に亘って全体的に非対称のパターンを形成してもよい。これは、審美的な観点から、又は製造を容易にするために、望ましいことがある。あるいは、それぞれの領域の少なくとも2つの孔が、研磨物品の表面に亘って全体的に対称のパターンを形成してもよい。例えば、本発明の第1及び第2の実施形態の両方で示される孔の配列は、おおよそ渦巻状であるか、又は渦巻状の配列に分布したアームを有するが、これは限定として見られるべきでなく、上記の式1及び2を満たすそれぞれの領域内の任意の孔の配列は、添付された請求項の範囲内に該当するであろう。
上記の例では、式1及び2は、研磨物品、例えば研磨ディスク及びシートに適用される。しかしながら、式は、以下のように、当該研磨物品と共に使用される付属品に適用してもよい。付属品は、それ自体はダスト又は他の粒子状物質をワークピースにおいて生成しないが、これらは研磨物品の挙動を駆動するので、同様の考えが適用される。図5は、本発明の第3の実施形態による研磨物品用アダプタの概略断面図である。これは、研磨物品、例えば研磨ディスクを、用具、例えばサンダーに設置するために使用される。この例では、アダプタは円形のバックアップパッドであるが、あるいは、又は加えて、インターフェースパッド(研磨物品とバックアップパッドとの間に配置され、使用時に緩衝効果をもたらす)又は他のアダプタ、例えばハンドブロックであってもよい。バックアップパッド18は、本体19、図2及び3に示す研磨ディスク11、13などの研磨物品の取り付けに適合した設置面20、並びに用具(図示せず)を取り付けるための用具取付手段21を含む。設置面20は、研磨ディスク11、13上に設けられた面ファスナー又は毛羽立てたナイロン層9との係合に適したフック材料22を含み、研磨ディスク11、13は使用中、バックアップパッド18に堅固に取り付けられる。バックアップパッド18には、複数の孔23が設けられ、この孔23は、設置面20を貫いて延び、かつ本体19の少なくとも一部分を貫いて延び、この孔を通じて粒子材料が取り除かれる。これは使用中に、ダスト除去手段(図示せず)とワークピース(図示せず)の表面との間の流体連通を可能にする。したがって、使用中にワークピースの表面に生成されるダスト又は他の粒子状物質は、バックアップパッドの孔23を経由して除去される。
図6は、本発明の第3の実施形態による研磨物品用アダプタの概略平面図である。バックアップパッド18は、周辺部24及び中心点25を有し、上記の研磨物品と同様に、一連の領域A、B、C、及びDに分けられる。それぞれの領域は、中心点15の周りに均等に分布した少なくとも2つの孔を含む。複数の孔23を、以下のように配列させる。バックアップパッド18は研磨物品と同じ回転及び/又は並進若しくは軌道動作を受けるので、式1及び2は、バックアップパッド18に適用されるように修正できる。円形のバックアップパッドでは:
式中、Kは定数であり、Oは軌道であり、vは上記の線速度であり、A
孔は孔が占めるバックアップパッド18の表面積であり、A
取付は残りのバックアップパッドの表面積である。この状況では、孔は、円形のバックアップパッドの半径に沿って配置されている。非円形バックアップパッド、例えばシートホルダでは:
式中、Kは定数であり、Oは軌道であり、dは中心点25からの孔の距離であり、A
孔は孔が占めるバックアップパッド18の表面積であり、A
取付は残りのバックアップパッドの表面積である。
したがって、第1及び第2の実施形態の場合、設置面が少なくとも第1の内側領域及び第2の外側領域に分けられ、第2の領域が第1の領域及び中心点と同心である。それぞれの領域が、少なくとも1つの孔を有し、第1及び第2の領域のそれぞれにおいて、孔のサイズ及び総数が、その各領域の孔密度を形成し、第1の領域の孔密度が、第2の領域の孔密度よりも低い。
円形のバックアップパッドでは、それぞれの領域において、それぞれの孔が、中心点からのそれぞれの孔の距離に、各領域内の設置面の総表面積を乗じた値と、各領域内の少なくとも2つの孔の総表面積との間の比率が、第1及び第2の領域について実質的に一定であるような、各領域内のサイズ及び位置を有する。上記のように、Kは具体的な所望の孔面積について計算される。これは、具体的な研磨物品に合うことが望ましいことがあり、例えば、バックアップパッド18及び研磨ディスク11、13又は他の研磨物品の両方に配置される孔23に合い、研磨ディスク11、13又は他の研磨物品の孔10、15が、完全にバックアップパッドの孔23と一列に整列することが望ましい。あるいは、整列が全く無い若しくは部分的にしか無いように、孔23を配置してもよく、又はバックアップパッド18の孔23の直径は、対応する研磨ディスク11、13若しくは他の研磨物品の孔10、15よりも大きくても小さくてもよい。加えて、又は代わりに、式3及び4がインターフェースパッドにも適用される場合、インターフェースパッドの孔を、同様に、所望により、バックアップパッドの孔23及びインターフェースパッドに設置される任意の研磨物品の孔と整列する又は整列しないように調節してもよい。
上記の例では、少なくとも2つの孔がそれぞれの領域に設けられ、それぞれの領域の孔が、中心点の周りに均等に分布しているが、1つの孔のみが必要である。しかしながら、孔は、上記の研磨物品と同様に、不均等又は不規則なパターンで分布してもよい。例えば、孔は、アダプタに亘って全体的に非対称のパターンで分布してもよい。これは、アダプタが、本発明の実施形態による研磨物品と共に使用されるか、若しくは本発明の実施形態による研磨物品無しで使用されるかにかかわらず、又は研磨物品が均等な若しくは不均等な孔の分布を有するかにかかわらない状況であってもよい。アダプタは、第3の領域を含んでもよく、第3の領域が第1の領域と第2の領域との間に配置され、第3の領域には孔が無い。あるいは、アダプタは、第3の領域を更に含んでもよく、第3の領域が第1の領域と第2の領域との間に配置され、第3の領域が、少なくとも1つの孔を含む。これは、アダプタの更なる設計の自由及びアダプタ/研磨物品の全体としての組み合わせの最適化を可能にする。これに役立つため、少なくとも1つの更なる孔が、少なくとも2つの領域の外側に設けられてもよい。この1つの更なる孔は、中心点に配置される中心孔であってもよく、又は中心点から離れて位置してもよい。好ましくは、孔は、直径が1.0mm〜25.0mmの範囲である。好ましくは、アダプタは、7〜100個の孔を含み、より好ましくは、7〜30個の孔を含む。好ましくは、粒子がダストであり、アダプタがダスト除去装置と共に使用するのに適合している。