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Description
目的
本発明の目的は、可撓性の壁材を有する容器内の物質の濃度を、壁の光学特性を別個に検出する必要なく光学的に求めることである。
本発明の目的は、可撓性の壁材を有する容器内の物質の濃度を、壁の光学特性を別個に検出する必要なく光学的に求めることである。
多くの場合に、容器を開放して液体を引き出すことなく、密閉された容器内の試料又は液体の1つ又は複数の物質の濃度等のパラメータを求めることが必要である。これは、滅菌封止された液体、又は周囲環境に強く反応する液体を含む。
容器が部分的に透過性の壁を有するとき、分光法を用いることができる。分光法は、物質によって生じた吸収及び/又は散乱を利用して所望のパラメータを求める。通例、濃度を求めるための測定は2つの波長で実行される。1つの波長は、物質の濃度に強く依存し、第2の波長は物質の濃度に弱くしか依存せず、他に発生している減衰を補正する役割を果たす。このとき、他の求められる物質は他の波長を必要とする。これは、同一の測定条件下で、すなわち、例えば容器が同様の光学的減衰を示す場合に良好に機能する。
しかしながら、これらの方法は、それぞれの容器の壁の関連する光学的特性が未知であるとき不正確となる。なぜなら、材料、壁の厚み、及び表面構造が、測定状況ごとに変動するためである。
容器又は含有物質が光放射を散乱するときに更なる問題が生じる。液体及び固体を通して光を照らす方法が既知である。これらの方法は、照明経路長、入力強度及び物質の分子吸光の知識に基づいて、開始強度の測定から含有物質の濃度を求めることを可能にする(ランベルトベールの法則)。そのような方法は、容器壁の散乱又は含有物質の散乱が入力光放射の吸収と同様の大きさ(濃度に依拠する)であるときに制限を有する。
多重散乱した成分を求めるために、例えば伝播方向に対し横方向の、吸収されない放射成分を検出することを含む方法による解決策が提案されている。
ビーム経路に現れる多重散乱のための別の既知の解決策も、理論的推定によって放射伝播をシミュレートすることである(例えば、モンテカルロシミュレーション)。しかしながら、これには、測定される試料の測定特性が、含有物質の濃度の違いのみによって生じるか、又は容器壁の光学特性が既知であることを必要とする。
また、容器壁の光学特性が既知であるとき、含有物質の所定の濃度を用いた測定による較正が行われる可能性がある。これにより、測定状況(すなわち、用いられる放射における容器壁の吸収及び/又は散乱)の変化によって、含有物質の濃度を求める際の誤差が生じる。
従来から、これらの方法は、試料が光源と検出器との間に位置決めされる透過構成において、透過経路内において低散乱で実行される。より強散乱の試料の場合の代替形態は、レミッション(拡散反射)測定であり、ここでは、試料の同じ側に位置決めされた、光源と検出器との間の透過経路が、散乱によって求められる容積を、散乱によって横切る。
壁が同じ特性を有する容器内に液体が準備されないとき、又は例えば液体の容器が異なる製造者からのものであることに起因して液体を移動させることができないとき、これらの方法は全て失敗する。
特許文献1は、散乱光測定から導出された方法について記載している。特許文献1では、少なくとも1つのLEDをソース(円周の回りの「群」として配列される)として用い、1つ又は複数のフォトダイオードを受信機(これらも円周の回りの「群」として配列される)として用いて、少なくとも2回散乱した光を検出するデバイス及び方法が記載されている。これは、管に沿ってより長い距離に配列された検出器の円によって補完することができる。LEDから検出器への直接放射なしで赤外光での散乱を検出することによって、管内でクランプすることによって、透析デバイスへの供給管においてヘマトクリット値が求められる。較正を管理可能にするために(これは言及されていないが必要である)、管路がクランプされ、すなわち、円形の管形状が、光源及び検出器に対し平坦な面に変更される。検出は、少なくとも2つの光路、すなわち、LED及び互いにオフセットされて配置された少なくとも2つのフォトダイオードを用いて行われる。
特許文献2は、血漿バッグシステムにおける測定のための解決策を記載している。特許文献2では、光導波路が透過構成又は反射構成にある状態で広帯域光源及びスペクトロメータが接続された、自動的に装填可能な管保持器が記載されている。ここで、放射は、管上にある場合があるプリントを透過する。少なくとも2つの波長範囲において(基準経路からのランプスペクトルを考慮に入れることによって)測定される減衰の傾斜から、ヘモグロビン、ビリルビン、ベリベルジン、メチレンブルー(ウィルス不活性化のために用いられる)の濃度、及びイントラリピッド相当物における濁度が求められる。
レミッション測定が光源及び検出器の様々な距離で用いられるとき、放射が横切る容積に狙い通りに影響を与えることができ、このようにして、壁を後方に配置された試料/液体から分離することができる。これは、壁の表面形態(構造)が散乱を引き起こすとき、測定場の領域内で横方向に異なっているとき、及び/又は壁の厚みが光路に対し調整されず、それによって放射が全く若しくは不十分な量しか含有物質内に入らないときに失敗する。
したがって、測定結果又は解析を用いて容器壁の光学干渉を最小にすることを可能にする方法が望ましい。この光学干渉は未知であるが、個々の測定の間一定である。
特許文献3から、測定される身体部分に外部から機械的に影響を与えながら、光吸収を測定することによって、血液成分をインビボ(in−vivo)で非侵襲的に求める方法が既知である。この身体部分は、2つの圧力変調周波数による作用を受け、少なくとも2つの波長の光に放射される。これらの波長のうちの全てではなく1つが、血液成分の光吸収範囲内にある。光の影響及び厚みの変化に依拠して、少なくとも4つの測定信号が取得され、そこから血液成分の濃度が求められる。ここで、厚みの変化は調和振動によって生じ、厚み変調周波数により測定信号から分離され、更に処理される。周波数のうちの一方はゼロである可能性があり、このとき、他方はもはや血液で満たされた血管を圧迫せず、組織のみを圧迫するはずである。ここでは、「干渉」は主に、組織における減衰と分離されており(すなわち、波長変化周波数によりフィルタリング除去されている)、求められる変数は、キュベット内に含まれる血液と同様にして測定される。測定方法として、少なくとも2つの波長及び音響−光測定における透過構成又はレミッション構成における吸収測定について言及されている。
本発明による解決
本発明によれば、この目的は、解析される媒体を通じて異なる透過経路長で適切な分光測定を実行することによって解決される。容器が可撓性である結果として、複数の異なる透過経路長に基づいて測定結果を記録することができるように、容器を通じて透過測定を行うことが可能である。これによって、この際、距離の変動を手動で実現することもできるし、また自動運動化することもできる。定義された距離のみでなく連続測定中の一定の距離変化も解析することができる。前方及び後方の容器壁の特に関連する形状は変化しないが、それらの間に配置される液が変化するので、これにより生じる測定値の変化は、容器壁よりも、それらの間に位置する液における相互作用によって、より強い度合いの影響を受ける。したがって、適切な解析によって、容器壁の影響を最小限にすることが可能になる。適切な解析方法は、例えば、多変量データ解析を含む。単純な場合、例えば、低光散乱の場合、単純な回帰で十分である場合がある。
本発明によれば、この目的は、解析される媒体を通じて異なる透過経路長で適切な分光測定を実行することによって解決される。容器が可撓性である結果として、複数の異なる透過経路長に基づいて測定結果を記録することができるように、容器を通じて透過測定を行うことが可能である。これによって、この際、距離の変動を手動で実現することもできるし、また自動運動化することもできる。定義された距離のみでなく連続測定中の一定の距離変化も解析することができる。前方及び後方の容器壁の特に関連する形状は変化しないが、それらの間に配置される液が変化するので、これにより生じる測定値の変化は、容器壁よりも、それらの間に位置する液における相互作用によって、より強い度合いの影響を受ける。したがって、適切な解析によって、容器壁の影響を最小限にすることが可能になる。適切な解析方法は、例えば、多変量データ解析を含む。単純な場合、例えば、低光散乱の場合、単純な回帰で十分である場合がある。
この目的はまた、光源、少なくとも1つの検出器、及びプロセッサを用いて、可撓性容器内の含有物質の濃度又は他のパラメータを光学的に非侵襲的に求めるデバイス又は測定デバイスによって解決される。光源は、可撓性容器上に光を照らすように構成され、光はこの可撓性容器を透過する。少なくとも1つの検出器が、パラメータごとに、少なくとも1つの波長又は波長範囲において、異なる透過経路長における用いられる放射の減衰の検出を行うように構成される。プロセッサは、異なる厚みの測定値の商を形成することによって、実際の容器壁の影響を除去するように構成される。本質的に、デバイスの光源及び少なくとも1つの検出器の2つの構成が可能である。第1の構成では、デバイスは、所定の波長又は所定の波長範囲を有する放射を可撓性容器上に照らすことができる光源、例えば、1つ又は複数の光ダイオードを有することができる。この場合、少なくとも1つの検出器が、所定の波長範囲のこれらの所定の波長を検出するように構成される。この目的で、少なくとも1つの検出器は、例えば、波長統合センサとすることができる。第2の構成において、デバイスは広帯域光源を有することができ、この光源は、連続スペクトルを用いて可撓性容器上を照らす。この場合、少なくとも1つの検出器が、波長分解検出のために、例えば1つ又は複数のスペクトロメータ、モノクロメータ又はフィルタを用いて構成される。上記で言及した2つの構成は、互いに補完することもできるし、互いに組み合わせることもできる。このため、例えば、光源上で調整することができる波長は、可撓性容器上に照らされ、検出器に到達することができる。検出器は、定義された波長に対し調整することができる。すなわち、この場合、1つ又は複数の光源及びまた1つ又は複数の検出器は、所定の波長又は波長範囲に対し調整することができる。したがって、複数の光源及び検出器も、複数のパラメータを並列に検出するか又は求めるために並列に配列することができる。
本発明の詳細な説明
測定デバイスに関して、広帯域光源を有する連続スペクトルを、幾つかの選択された波長を用いた照射及び放射のために用いることができる。これらは例えば、様々な発光ダイオードを用いて実現される。第1の場合、検出は、スペクトロメータ、モノクロメータ又はフィルタを用いて波長分解されて実行される。幾つかの波長又は適切な波長範囲を用いて照射するとき、波長統合センサを用いることができる。
測定デバイスに関して、広帯域光源を有する連続スペクトルを、幾つかの選択された波長を用いた照射及び放射のために用いることができる。これらは例えば、様々な発光ダイオードを用いて実現される。第1の場合、検出は、スペクトロメータ、モノクロメータ又はフィルタを用いて波長分解されて実行される。幾つかの波長又は適切な波長範囲を用いて照射するとき、波長統合センサを用いることができる。
求められるパラメータ(すなわち、値が求められるパラメータ)は、(分光法による)光学的検出のために適していなくてはならない。すなわち、放射の減衰が、含有物質(複数の場合もある)について求められるパラメータに依存する波長又は波長範囲が存在しなくてはならない。
容器は、この波長範囲において透過性の少なくとも1つの領域を有しなくてはならない。透過測定の場合、これらは少なくとも2つの対向する領域でなくてはならない。
レミッション測定の場合、透過性の領域は十分大きくなくてはならず、それによって、レミッションは壁を通って含有物質の領域に及ぶビーム伝播により空間的に分解される。これは、壁の厚み及び散乱、並びに容器内の含有物質の散乱及び吸収に依拠する。壁は、この測定範囲にわたって十分同様の光学的特性を有しなくてはならない。
一実施形態では、光源は、検出される放射が容器内の含有物質を通って様々な長さの経路を横切るように少なくとも1つの検出器に対し配列される。
ここで、含有物質について検出されるパラメータごとに、少なくとも1つの波長が解析可能でなくてはならない。未知の減衰が他の含有物質に基づくとき、少なくとも1つの更なる波長が必要とされる。
測定は、少なくとも2つの透過経路長において、かつそれぞれ必要な波長又は波長範囲にわたって、強度測定として実行される。ここで、求められるパラメータと強度との間で、容器の異なる壁を用いた1つの較正のみがアプリオリに必要とされる。一方、この壁の選択は完全でなくてもよい。
測定構成の特性(例えば、検出器表面の厚みに依拠した過度の放射の結果としての減衰)を知ることが有用である。通例、用いられる検出器により含有物質(複数の場合もある)のパラメータを正確に求めるためには、信号背景を求めるために暗測定(照明なし)が行われる。信号背景は、求められた測定値から減算することができる。これにより、体系的誤差が低減され、パラメータを求める正確度が改善される。
容器の壁に関する知識は、実際の測定には必要とされない。壁は当然ながら、用いられる波長又は波長範囲に対し透過性でなくてはならない。なぜなら、そうでなければ、放射が含有物質に到達しないためである。
測定前に(試料なしで)必要な波長又は波長範囲において光源の強度を測定することによって、正規化が可能になり、このため、異なる測定値の比較が可能になる。(測定値ではなく)用いられる波長における光源の強度又は用いられる波長範囲にわたる積分の推定値を測定値の代わりに用いることができるが、解析に関する信頼性は低くなる。
測定はまた、光源の変動を検出し補償するために、光源の放射強度の複数の基準測定を含むこともできる。
測定データは、応答関数Rによって解析される。応答関数Rは、測定値から求められるパラメータを計算する(1つの厚み及び波長又は波長範囲における減衰した強度Ix(λ1,dx)、放射が透過する容器の厚みdx)。ここで、インデックスxは測定値の更に定義されない数(少なくとも2)を表し、λ1は含有物質からパラメータ(複数の場合もある)が求められる波長又は波長範囲を表す。この応答関数Rは以下のように求められる。
透過経路長に対して広い照射及び検出面が選択されるとき、1次元放射トランスポートモデルを適用することができる。ここで、壁及び内容物質を横切るときの放射の角度分布が本質的に重要である。角度分布は、測定の間可能な限り一定である。これは、含有物質を通る透過経路長の十分高い散乱若しくは厚みによって、又は照射及び検出面の対応する選択によって達成することができる。これにより、広い照射及び検出面のみでなく、含有物質を有する流体の最小の厚みも提供することができる。
デバイスの一実施形態において、光源は広域照射のために構成され、検出器は広域検出のために構成される。
測定される減衰した強度Ix(λ1)は、第1の壁(W)の寄与と、第1の壁と同一とすることもできる第2の壁(W’)の寄与と、試料/含有物質(P)の寄与との積、すなわち、W*P(d)*W’で構成される。解析のために、測定される容器の少なくとも2つの厚みについて測定値が互いに関係付けられる、すなわち互いに除算される。壁W又はW’の寄与は厚みの変化とともに変化しないため、以下の関係が得られる。
精度を高めるために、異なる時点において、容器厚みdx(x>1)を有する2つ以上の測定値を求めることができる。
減衰に対しこのように相殺された壁の寄与W及びW’は、驚くべきことに、これらの値が測定されたにも関わらず、内容物質の求められるパラメータの精度に対する顕著な影響がない。
応答関数Rは、含有物質から求められるパラメータが較正測定値における測定値を用いて測定されることにより生成することができ、最新技術に従って、本発明による商形成を用いることにより、線形又は非線形回帰によって対応する予測関数が形成される。より大きな散乱値の場合、線形関係が必ずしも与えられないので、これは非線形回帰モデルではなく減衰において生じる。
一実施形態では、デバイスは、血液パラメータ、例えば、密閉された血液バッグ内に準備された血液のヘモグロビン含有率を求めるように構成される。デバイスは、測定中に、測定場の領域における血液バッグの2つの壁間の距離を定義された方式で変更するように構成された機械的構成を有することができる。
したがって、本発明の好ましい応用形態は、開放されるか取り外された後は汚染リスクに起因してもはや輸液することができない密閉された血液バッグにおいて血液パラメータを求めることである。製造者に依拠して、容器として用いられる血液バッグは、材料、厚み及び表面構造に関して異なっており、分光法に影響を与えるが、他の点では関連血液パラメータを求めるのによく適している。
測定中に、測定場の領域における血液バッグの2つの壁間の距離を定義された方式で変更する機械的構成によって、例えばヘモグロビン含有率等の血液パラメータを求めることができる。例えば、独国特許出願公開公報第69828825T2号は、そのように求めることが望ましい商用デバイスが存在することを開示しており、確認された濃度を有する容積は、ヘモグロビン総量によって表すこともできる。
本発明は、密閉された血液バッグ内に準備された血液の血液パラメータを求めるデバイスの使用を更に含む。
更なる好ましい応用形態は、GE Healthcare社のwave bioreactor、及びSartorius Stedim Biotech社のBiostat Cultibag RM、並びにS.U.Bの可撓性バッグシステム、Biostat Cultibag STR及びXDR生物反応器等の使い捨て可能生物反応器における使用である。使い捨て可能生物反応器における細胞培養プロセスの測定及び制御は、培養が行われるプラスティックバッグが密閉された滅菌システムであることに起因して困難であり、サーモスタットセンサ、pH及び伝導率測定電極、グルコース及び酸素電極、圧力センサ等の、プロセス制御のための従来のセンサは、単に必要に応じてバッグ内に導入することはできず、滅菌バッグ内に既に一体化されていなくてはならない。これは、一方では、容器を乾燥状態で製造、格納及び輸送しなくてはならず、他方では、バッグを使用する前の更なる較正が可能でないことに起因して問題を課す。また、システムの製造中に、可能なセンサのどの構成が設置されるべきかが決定されなくてはならない。光学センサの使用によって、一体化が容易なセンサ材料(光インジケータ材料)をコスト効率良く組み込むことができ、必要があれば、必要な読出し技術とともに用いることができるので、これらの問題を回避することができる。通例、求められる変数は細胞数を含む。細胞数は、その濁度に起因して、細胞成長と共に増大し、測定を複雑なものにする。ここで、容器壁の影響を無視しながら厚みに依拠した測定を行うことが非常に有利となり得る。
一実施形態では、デバイスは、使い捨て可能生物反応器における細胞培養プロセスを測定及び制御するためのセンサ材料及び読出し技術を有する。
更に好ましい応用形態は、実行される方法をプラスティック容器内に封入することに同様に基づく単一使用プロセスの実行により得られる。ここでは、使い捨て可能生物反応器におけるのと同様の応用形態が考えられる。
特定の化合物のバイオテクノロジー的製造のためのバイオテクノロジーの分野における応用形態に加えて、別の応用分野は、食品技術、例えば、洗浄コスト及び汚染を低減するために大きなタンク内に挿入されるバッグ内のアルコール発酵のためのものであり、ここでは酸素の排除が更に重要な目標である。
本発明は、食品技術におけるデバイスの使用も含む。
一実施形態では、デバイスは、層厚を通じて放射を行うように構成され、この放射は、用いられる透過経路長において、厚みの変化によって検出器における散乱角分布の変化が生じなくなる程度まで散乱する。照射の結果として、放射は可撓性容器を透過する。可撓性容器の内部において、すなわち容器の壁間において、層厚みは、壁の変形によって変更することができる。このため、容器の内部における層の厚みを変更することによって、透過経路長(すなわち、解析される媒体を通る光の経路長、及びこれにより、容器内の含有物質を通る光の経路長)を変更することができる。
本発明はまた、可撓性容器内の含有物質の濃度又は他のパラメータを光学的に非侵襲的に求める方法を含む。本方法は、可撓性容器上に光を照らすステップを含む。本方法は、検出されるパラメータごとに、少なくとも1つの波長又は波長範囲において、異なる透過経路長を有する用いられる放射の強度減衰を検出するステップを更に含む。本方法はまた、手元にある実際の容器壁の影響を除去するために、容器壁の異なる厚みの測定値の商を形成するステップを含む。
本方法の一実施形態では、広域照射及び広域検出が実行される。
本方法の一実施形態では、照射は常に、層厚を通じて行われ、この照射は、用いられる透過経路長において、厚みの変化によって検出器における散乱角分布の変化が生じなくなる程度まで散乱する。
本発明は、密閉された血液バッグ内に準備された血液の血液パラメータを求める方法の使用も含む。
本発明は、本方法のステップの少なくとも一部を実行するデバイスの使用も含む。
図1は、測定値の検出シーケンスを示す。最小限必要とされるシーケンスの場合、中央に示すシーケンス100が実行される。示されるシーケンス100によって、内容物質のパラメータを検出することができる。この文脈におけるパラメータの検出という語は、パラメータの値を求めることを意味する。例えば、この文脈における、濃度を検出するという語は、濃度の値を意味する。
より高い精度が必要とされるとき、左側に示すシーケンス110(干渉)のステップが実行される。更なるパラメータを検出するために、右側に示すシーケンス120がパラメータごとに実行される。他の含有物質のためのパラメータも検出することができる。これは、他の含有物質のパラメータに対応して波長が導入されるように調整することによって可能である。例えば、可撓性容器の異なる含有物質の濃度を検出することができる。このため、示す方法では、含有物質の異なるパラメータ及び複数の含有物質のパラメータを検出することができる。また、複数の含有物質の異なるパラメータを検出することも可能である。
以下において、シーケンス110のステップが説明される。
ステップ111において、照明をオフにした状態で、かつ任意選択で、ビーム経路内に試料がある状態又はない状態で検出器の暗信号を測定することによって、干渉が検出される。ステップ112において、波長又は波長範囲λ0を有する照射が、試料を通る透過経路を通って透過する。透過経路は全ての測定にわたって同じである。波長又は波長範囲λ0はすなわち、内容物質において求められるパラメータからのものよりも未知の減衰によってより強く吸収される波長である。通例、波長又は波長範囲λ0は、λ0における測定によって変化する散乱角分布の補正を可能にするために、解析されるλ1(又はλ2ff)の近傍にあるように選択される。
ステップ113において、デバイスは、開始距離d0に調整され、ステップ114において、試料がない状態で、検出器に当たる放射の強度が求められる。これは、厚みに依拠した、システムに関係する強度変化を補償する役割を果たす。このようにして、測定される厚みごとに、定義された強度に対する基準値が得られ、これらの干渉を除去するために、この基準値に対し後に強度を正規化することができる。変数の除去は、測定変数の幾つかのグリッド点のみを用いた線形補間によって、又は本発明による方法の実行に影響を与えることのない別の適切な方式で達成することもできる。
ステップ115において、試料は透過経路長に導入され、それによって後続のステップ116において測定I2(λ0,d0)が行われる。測定は、挿入された試料における、開始厚みd0における未知の減衰の影響を伴う強度を検出する。後続のステップ117及び118は、未加工値として厚みに依拠した減衰を検出するために、測定値λ2(λ0,dn)を用いた(ステップ118)、d0からdmへの(nはここでは、中間ステップの適切な数の変数として用いられる)厚みの連続変更(ステップ117)を含む。
含有物質のパラメータ1を検出するために、干渉要素と同様のシーケンスが提供される。唯一の違いは、異なる波長又は異なる波長範囲λ1が用いられることであり、この波長又は波長範囲は、求められる含有物質の未知の減衰又は他のパラメータよりも、求められる含有物質のパラメータ1によってより強く吸収される。シーケンス110のステップに対応するシーケンス100のステップは、プライムを用いてマーキングされる。適切な数の中間ステップのための変数が、ここでpとして指定され、最終的な厚みはdqとして指定される。n及びpは(測定される厚みの数)は互いに対応する場合があるが、これは厳密に必要とされるものではない。
一方、開始厚み、又はプロセスが逆の順序で実行されているときは最終的な厚みが対応するべきである。ステップの順序は変更することもできる。
また、1つ又は複数の内容物質の更なるパラメータ2乃至(l+1)を検出するために、同じシーケンスが提供される。シーケンス110のステップに対応するシーケンス120のステップはダブルプライムを用いて示される。変数lは1又は異なる数とすることができる。求められるパラメータごとに、少なくとも1つの波長又は波長範囲λkが選択される。これはそれぞれ、求められる含有物質(複数の場合もある)の未知の減衰又は他のパラメータよりも、求められる内容物質のそれぞれのパラメータ2乃至(l+1)によってより強く吸収される。中間ステップの適切な数の変数は、ここでrとして指定され、最終的な厚みはdsとして指定される。r及びn及び/又はp(測定される厚みの数)又はs及びm及び/又はq(最終的な厚み)は互いに対応する場合があるが、これは厳密に必要とされるものではない。
ステップ130における解析のために、正規化のための記載したステップの後、干渉の除去及び応答関数Rが測定変数Ixの未加工値に適用される。その入力値は、波長又は波長範囲λx、波長又は波長範囲及び厚みにおける関連する減衰した強度値Ix(λ1,dx)、及び放射が透過する容器の厚みである。
一般性を損なうことなく、内容物質の濃度は、解析結果として示される(ステップ140)。これらは含有物質(複数の場合もある)の他のパラメータとすることもできる。
参照記号のリスト
λ0 可能な限り遠くの放射の減衰が、求められる内容物質のパラメータに依存しない波長又は波長範囲
λ1 放射の減衰が、求められる内容物質(複数の場合もある)のパラメータに主に依存する波長又は波長範囲
λk 精度を改善するのに役立つ場合を除いて、可能な限り遠くの求められる内容物質(複数の場合もある)の更なるパラメータの放射の減衰が、求められる内容物質(複数の場合もある)の他のパラメータに依存しない波長又は波長範囲
d 透過経路長
I 強度
k 内容物質の更なるパラメータを求めるため、又は精度を改善するための更なる波長(範囲)の数の変数(2から開始する)
l 1と、内容物質の更なるパラメータを求めるため、又は精度を改善するための更なる波長(範囲)の数との間の数
n λ0における透過経路長の厚み段階の変数
m 1と、λ0における透過経路長の厚み段階の総数との間の数
p λ1における透過経路長dの厚み段階の変数
q 1と、λ1における透過経路長dの厚み段階の総数との間の数
r 各実現される波長又は各実現される波長範囲λkにおける透過経路長dの厚み段階の変数
s 1と、透過経路長dの厚み段階の総数との間の数であり、任意選択で、各実現される波長又は各実現される波長範囲λkにおいて異なる。
x 未知の内容物のインデックス/変数
λ0 可能な限り遠くの放射の減衰が、求められる内容物質のパラメータに依存しない波長又は波長範囲
λ1 放射の減衰が、求められる内容物質(複数の場合もある)のパラメータに主に依存する波長又は波長範囲
λk 精度を改善するのに役立つ場合を除いて、可能な限り遠くの求められる内容物質(複数の場合もある)の更なるパラメータの放射の減衰が、求められる内容物質(複数の場合もある)の他のパラメータに依存しない波長又は波長範囲
d 透過経路長
I 強度
k 内容物質の更なるパラメータを求めるため、又は精度を改善するための更なる波長(範囲)の数の変数(2から開始する)
l 1と、内容物質の更なるパラメータを求めるため、又は精度を改善するための更なる波長(範囲)の数との間の数
n λ0における透過経路長の厚み段階の変数
m 1と、λ0における透過経路長の厚み段階の総数との間の数
p λ1における透過経路長dの厚み段階の変数
q 1と、λ1における透過経路長dの厚み段階の総数との間の数
r 各実現される波長又は各実現される波長範囲λkにおける透過経路長dの厚み段階の変数
s 1と、透過経路長dの厚み段階の総数との間の数であり、任意選択で、各実現される波長又は各実現される波長範囲λkにおいて異なる。
x 未知の内容物のインデックス/変数
Claims (11)
- 可撓性容器内の含有物質の濃度又は他の物性値を光学的に非侵襲的に求めるデバイスであって、
前記可撓性容器上に光照射を照射するように構成される光源と、
前記可撓性容器を通過する光照射の少なくとも1つの波長又は波長範囲における減衰した強度の検出を行うように構成される少なくとも1つの検出器と、
前記可撓性容器内の前記含有物質を通過する光照射の透過経路長が変化するように、前記可撓性容器内の前記可撓性容器の2つの壁間の距離を変化させるように構成される、機械的構成と、
光照射が前記含有物質を通過して、ある透過経路長を移動した後に検出される強度と、光照射が前記含有物質を通過して、異なる透過経路長を移動した後に検出される強度との間の商を計算することによって前記可撓性容器の壁の影響を除去するように構成されるコンピュータユニットであって、該コンピュータユニットはさらに、前記検出される強度の未加工値に適用される応答関数Rを用いることによって前記含有物質の濃度または他の物性値を決定するように構成され、前記応答関数Rは、前記商を用いた較正測定値から線形または非線形回帰モデルを介して生成される、コンピュータユニットと
を備える、デバイス。 - 前記光源は広域照射面のために構成され、前記検出器は広域検出面のために構成される、請求項1に記載のデバイス。
- 前記デバイスは、光照射の散乱が十分に強く、透過経路長の変化が前記検出器での光照射の角度分布を変化させないように、常に前記可撓性容器を照射するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
- 血液バッグ内に含まれる血液の血液パラメータを求めるために用いられる、請求項1に記載のデバイス。
- 血液のヘモグロビン含有率を求めるように構成される、請求項4に記載のデバイス。
- 可撓性容器内の含有物質の濃度又は他の物性値を光学的に非侵襲的に求める方法であって、
前記可撓性容器を、光照射を用いて照射するステップと、
少なくとも1つの波長又は波長範囲において、前記可撓性容器を通過する光照射の強度の減衰を検出するステップと、
前記可撓性容器内の前記含有物質を通過する光照射の透過経路長が変化するように、前記可撓性容器内の前記可撓性容器の2つの壁間の距離を変化させるステップと、
前記可撓性容器の壁の影響を除去するために、光照射が前記含有物質を通過して透過経路長を移動した後に検出される強度と、光照射が前記含有物質を通過して異なる透過経路長を移動した後に検出される強度との間の商を計算するステップと
検出された強度の未加工値に適用される応答関数Rを用いることによって前記含有物質の濃度または他の物性値を決定するステップであって、前記応答関数Rは前記商を用いた較正測定値から線形または非線形回帰モデルを介して生成される、前記決定するステップと
を含む、方法。 - 広域照射及び広域検出が行われる、請求項6に記載の方法。
- 前記可撓性容器の照射は、光照射の散乱が十分に強く、透過経路長の変化が検出器での光照射の角度分布を変化させないように行われる、請求項6に記載の方法。
- 血液バッグ内の血液の血液パラメータを求めるための、請求項1に記載のデバイスを使用する方法。
- 食品技術における請求項1に記載のデバイスを使用する方法。
- 請求項1に記載のデバイスを使用する方法であって、
前記可撓性容器を、光照射を用いて照射するステップと、
少なくとも1つの波長又は波長範囲において、前記可撓性容器を通過する光照射の強度の減衰を検出するステップと、
前記可撓性容器内の前記含有物質を通過する光照射の透過経路長が変化するように、前記可撓性容器内の前記可撓性容器の2つの壁間の距離を変化させるステップと、
前記可撓性容器の壁の影響を除去するために、光照射が前記含有物質を通過して透過経路長を移動した後に検出される強度と、光照射が前記含有物質を通過して異なる透過経路長を移動した後に検出される強度との間の商を計算するステップと、
検出された強度の未加工値に適用される応答関数Rを用いることによって前記含有物質の濃度または他の物性値を決定するステップであって、前記応答関数Rは前記商を用いた較正測定値から線形または非線形回帰モデルを介して生成される、前記決定するステップと
を含む、可撓性容器内の含有物質の濃度又は他の物性値を光学的に非侵襲的に求めるステップのうちの少なくとも一部を実行するための、デバイスを使用する方法。
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