JP2016523285A - 免疫調節活性を有する細胞集団、その調製方法および使用 - Google Patents

免疫調節活性を有する細胞集団、その調製方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、間葉系幹細胞の使用を含む、関節リウマチを治療するための方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、間葉系幹細胞の使用を含む、関節リウマチを治療するための方法を提供する。
関節リウマチ(RA)は、免疫学的自己寛容の欠失により生じる自己免疫疾患であり、関節の慢性炎症ならびにそれに続く軟骨破壊および骨侵食を引き起こす。疾患の発症の基礎となる重要なプロセスは、コラーゲンに富む関節の構成成分に対する自己免疫の誘導であり、進行性の免疫応答および炎症応答を伴うその後のイベントがそれに続く。関節リウマチを治療することは、先進国の医療制度に対する極めて重要な課題であり、新興国に対しては徐々に重要な課題となってきている。関節リウマチの出現率は、国同士での有病率のばらつきはほとんど有さずに、世界の全人口の0.5%〜1%である。全世界で2,100万人超が罹患し(UN World Population Database、2004)、患者の生活品質に多大な影響を有し、かつ著しい経済的コストおよび社会的コストを生じさせる。RAの治療に伴う経済的負担は、いずれの保健経済に対しても厄介なものであり、この疾患の合計された年間での経済的コストは、欧州全体で最大455億ユーロであると見積もられている。
従来、RAは、非ステロイド系抗炎症剤、グルココルチコイドおよび非生物製剤DMARDを用いて治療されてきた。関節リウマチの現行の薬理学的管理は、一般的に、全身的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を単剤または併用で用いた早期介入を含む。これらの手段により炎症が十分に抑えられない場合、典型的には、炎症性サイトカインTNFを標的とする生物製剤DMARDが用いられる。過去10年間で、生物製剤の導入は、関節リウマチ患者に対する治療選択肢を改善してきた。当初はTNF-αを中和するためのものであった生物製剤は、新規分子の数およびそれが対象とする標的の両方に関して、ここ数年にわたって大きな成長を経験してきた。一部の患者での有効性の欠如、非耐容性または反復性二次感染は、新規療法の開発に対する必要性に寄与している要因である。にもかかわらず、関節リウマチは、関節リウマチ患者のうちの約20〜40%が抗TNFに対して十分な応答を有しないという解決していない臨床的必要性を残している。
間葉系幹細胞療法は、関節リウマチなどの炎症性および自己免疫疾患の治療のためのアプローチとして提案されてきた。間葉系幹細胞(MSC)は、非造血系間質細胞であり、骨、軟骨、筋肉、靭帯、腱、および脂肪などの間葉系組織に分化できる。MSCは骨髄または脂肪組織などの組織から容易に単離することができ、かつ培養で急速に増殖させることができる。MSCは免疫応答を調節して抗増殖能および抗炎症能を示すことができ、これは免疫媒介性炎症状態の治療のための潜在的な治療候補としてのそれらの使用の基礎となる。しかしながら、関節リウマチの分野での細胞療法のための、有効な臨床的投与量および投与レジメンを確立することに対する必要性が存在する。
UN World Population Database、2004
間葉系幹細胞(MSC)、特にヒト脂肪組織由来間質幹細胞(hASC)の投与が、関節リウマチの治療に有用であり得ることが見出されている。
したがって、本発明は、被験体での関節リウマチの治療での使用のための、間葉系幹細胞(MSC)を含む組成物を提供する。
本発明はまた、被験体での全身性関節リウマチを治療するための医薬の製造における間葉系幹細胞(MSC)の使用も提供する。
本発明はまた、被験体に間葉系幹細胞(MSC)を投与するステップを含む、被験体での関節リウマチを治療する方法も提供する。
一実施形態では、100万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。別の実施形態では、200万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。さらなる実施形態では、400万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。
本発明のこれらおよび他の態様が、以下にさらに詳細に説明される。
治験スキームを示す図である。3種類の用量が、それぞれ1週間の間隔を伴って(1日目、8日目および15日目に)投与された。患者を、6ヵ月間にわたって1ヵ月毎に追跡した。合計で46名の患者が、eASCを投与された。 処置1ヵ月後、2ヵ月後および3ヵ月後にACR20応答に達したコホートA(100万個の細胞/kg)、コホートB(200万個の細胞/kg)およびコホートC(400万個の細胞/kg)での患者の割合(%)を示す図である。 処置1ヵ月後、2ヵ月後および3ヵ月後にACR50応答に達したコホートA、BおよびCでの患者の割合(%)を示す図である。 処置1ヵ月後、2ヵ月後および3ヵ月後にACR70応答に達したコホートA、BおよびCでの患者の割合(%)を示す図である。 処置1ヵ月後、2ヵ月後および3ヵ月後にDAS28(ESR)<3.2応答に達したコホートA、BおよびCでの患者の割合(%)を示す図である。プラセボ群も示す。 処置1ヵ月後、2ヵ月後、3ヵ月後、4ヵ月後、5ヵ月後および6ヵ月後にDAS28(ESR)<2.6応答に達したコホートA、BおよびCでの患者の割合(%)を示す図である。プラセボ群も示す。 処置1ヵ月後、2ヵ月後および3ヵ月後に良好+中等度EULAR応答DAS28(ESR)に達したコホートA、BおよびCでの患者の割合(%)を示す図である。プラセボ群も示す。
定義
本明細書中で用いる場合、以下の用語および文言は、後述する意味を有するであろう。特に定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。
冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法上の目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を意味する。例として、「an element」は1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
値に関して用いられる場合の「約」との用語は、その値±10%を意味する。
「脂肪組織」(adipose tissue)とは、いずれかの脂質組織(fat tissue)を意味する。脂肪組織は、例えば、皮下脂肪組織、大網/内臓脂肪組織、乳房脂肪組織、生殖腺脂肪組織、または他の脂肪組織部位由来の褐色脂肪組織または白色脂肪組織であり得る。好ましくは、脂肪組織は皮下白色脂肪組織である。脂肪組織は、初代細胞培養物または不死化細胞株を含む場合がある。脂肪組織は、脂質組織を有するいずれの器官にも由来し得る。一部の実施形態では、脂肪組織は哺乳動物であり、さらなる実施形態では、脂肪組織はヒトである。慣用の脂肪組織の供給源は、脂肪吸引術である。しかしながら、脂肪組織の供給源または脂肪組織の単離方法のいずれも、本発明には重要でないことが理解されるであろう。本明細書中に記載される細胞が被験体への自家移植のために望まれる場合、脂肪組織は当該被験体から単離されるであろう。
「脂肪組織由来間質幹細胞(ASC)」とは、脂肪組織、一般的にはヒト脂肪組織が起源であるMSC(hASC)を意味する。
「生物学的医薬品」との用語は、治療的用途のためのタンパク質または核酸ベースの医薬物質を意味するものと理解されるべきであり、これは典型的には生来の(遺伝子操作されていない)生物学的供給源からの直接的抽出以外の手段により生成される。
本明細書中で用いる場合、「細胞/kg」との用語は、患者の体重kg当たりに投与される細胞(例えば、MSC)の個数を意味するものと理解されるべきである。
「構成的に」との用語は、いずれかの特異的な誘導を伴わない遺伝子の発現を意味するものと理解される。
「培養」との用語は、培地中での細胞、器官、多細胞体、または組織の生育を意味する。「培養すること」との用語は、そのような生育を達成するいずれかの方法を意味し、複数のステップを含むことができる。「さらに培養すること」との用語は、特定の生育段階まで細胞、器官、多細胞体、または組織を培養し、続いて、該細胞、器官、多細胞体、または組織を別の生育段階にするために別の培養法を用いることを意味する。「細胞培養」とは、in vitroでの細胞の生育を意味する。そのような培養では、細胞は増殖し、しかしそれらはそれ自体が組織を形成するわけではない。「組織培養」とは、その構造および機能を保存するような、in vitroでの、組織(例えば、器官原基(organ primordial)または成体器官の移植片)の維持または生育を意味する。「単層培養」とは、大部分が互いに接着し、かつ基質に接着しながら、好適な培地中で細胞が増殖する培養を意味する。さらに、「懸濁培養」とは、好適な培地中で懸濁されながら、細胞が増殖する培養を意味する。同様に、「連続流培養」とは、細胞の生育(例えば、生存率)を維持するための、新鮮培地の連続流中での細胞または移植片の培養を意味する。「馴化培地」との用語は、培養される細胞との一定期間の接触後に生じ、それにより培地が細胞により産生されかつ培養物中に分泌される特定の傍分泌因子および/または自己分泌因子を含むように変化している上清(例えば、培養される細胞/組織を含まない)を意味する。「コンフルエント培養」とは、すべての細胞が接触し、したがって培養容器の表面全体が覆われる細胞培養であり、細胞がその最大密度にも達していることを暗示するが、コンフルエンスとは、分裂が停止するであろうことまたは集団がサイズを拡大しないであろうことを必ずしも意味しない。
「培養培地」または「培地」との用語は当技術分野で認識され、一般的に、生存細胞の培養のために用いられるいずれかの物質または調製物を意味する。細胞培養に関して用いる場合、「培地」との用語は、細胞周囲の環境の構成成分を含む。培地は、固体、液体、気体、または相および材料の混合物であり得る。培地としては、液体増殖培地ならびに細胞増殖を維持しない液体培地が挙げられる。培地としてはまた、寒天、アガロース、ゼラチンおよびコラーゲンマトリックスなどのゲル状培地も挙げられる。例示的な気体培地としては、ペトリ皿または他の固体もしくは半固体支持体上で増殖する細胞が曝露される気相が挙げられる。「培地」との用語はまた、それが未だ細胞と接触してなくとも、細胞培養での使用を目的とする材料も意味する。言い換えれば、細菌培養のために調製された富栄養液体は培地である。同様に、水または他の液体と混合した際に細胞培養のために好適になる粉末混合物は、「粉末化培地」と称される場合がある。「成分既知培地」とは、化学的に規定された(通常は精製された)構成成分から作製される培地を意味する。「成分既知培地」は、酵母抽出物およびビーフブロスなどの不完全にしか特性決定されていない生物学的抽出物を含有しない。「富栄養培地」としては、特定の生物種の大部分またはすべての生存可能形態の増殖を支持するために設計されている培地が挙げられる。富栄養培地は多くの場合、複合的な生物学的抽出物を含む。「高密度培養の生育に好適な培地」は、他の条件(温度および酸素移動速度など)がそのような生育を許容する場合に、細胞培養が3以上のOD600に達することを可能にするいずれかの培地である。「基礎培地」との用語は、いかなる特別な栄養添加物も必要としない、多くの種類の微生物の生育を促進する培地を意味する。大部分の基礎培地は、一般的に、4種類の基本的な化学物質の群を含む:アミノ酸、炭水化物、無機塩およびビタミン。基礎培地は、一般的に、より複雑な培地のための基礎として機能し、これに血清、緩衝剤、増殖因子、脂質等の添加物が加えられる。基礎培地の例としては、限定するものではないが、イーグル基礎培地、最小必須培地、ダルベッコ改変イーグル培地、199培地、栄養素混合物であるハムのF-10およびハムのF-12、マッコイ5A、ダルベッコMEM/F-12、RPMI 1640、およびイスコーブ(Iscove)改変ダルベッコ培地(IMDM)が挙げられる。
「含む」および「含むこと」との用語は、包含的な開放された意味で用いられ、追加の要素を含めることができることを意味する。
細胞に関して本明細書中で用いる場合、「増殖された」(expanded)との用語は、当技術分野でのその通常の意味を有すると理解されるべきであり、つまり、in vitroで増殖した細胞を意味する。MSCは、増殖されて、MSCの少なくとも1種の生物学的機能、典型的には、標準的培養条件下でプラスチック表面に接着する能力を保持する細胞の集団をもたらすことができる。増殖された細胞の集団は、1種以上の細胞タイプへと分化する能力を保持し得る。
「挙げられる」(including)との用語は、「限定するものではないが挙げられる」ことを意味するために本明細書中で用いられる。「挙げられる」と「限定するものではないが挙げられる」とは、相互に交換可能に用いられる。
「マーカー」とは、その存在、濃度、活性またはリン酸化状態を検出して、細胞の表現型を特定するために用いることができる生物学的分子を意味する。
「間葉系幹細胞」(MSC)は多能性幹細胞であり、すなわち、多数の異なるタイプの細胞を生じることが可能な細胞である。この用語は、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、または筋細胞のうちの少なくとも1種に分化することが可能な細胞を意味する。MSCは、いずれのタイプの組織からも単離することができる。組織は、典型的には間葉組織であり、限定するものではないが、骨髄、骨膜、脂肪、歯髄、皮膚、脾臓、膵臓、靭帯、腱、骨格筋、臍帯、胎盤などである。一般的には、MSCは、骨髄、脂肪組織、臍帯、または末梢血から単離されるであろう。本発明で用いられるMSCは、一部の実施形態では、骨髄(BM-MSC)または脂肪組織(ASC)から単離することができる。本発明の好ましい態様では、MSCは、それ自体が脂肪組織から得られる脂肪吸引物(lipoaspirate)から得られる。
対象となる方法により治療される「患者」、「被験体」または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを意味することができる。
「医薬組成物」との用語は、治療での使用が意図される組成物を意味する。本発明の組成物は、関節リウマチの治療での使用が意図される医薬組成物である。本発明の組成物は、MSCに加えて、非細胞性構成成分を含むことができる。そのような非細胞性構成成分の例としては、限定するものではないが、細胞培養培地であり、これはタンパク質、アミノ酸、核酸、ヌクレオチド、補酵素、抗酸化剤および金属のうちの1種以上を含むことができる。
「製薬上許容される」との文言は、合理的な利益/リスク比に釣り合う、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を有さずに、妥当な医学的判断の範囲内でヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに好適な、化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味するために本明細書中で用いられる。
本明細書中で用いる場合、「製薬上許容される担体」との用語は、対象となる化合物を、ある器官、または身体の一部分から、別の器官、または身体の一部分へと運搬または輸送することに関与する、液体もしくは固体充填材、希釈剤、賦形剤、または溶媒カプセル化材料などの、製薬上許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、かつ患者に対して有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。
「表現型」との用語は、サイズ、形態、タンパク質発現等の細胞の観察可能な特性を意味する。
「前駆細胞」との用語は、それ自身よりもさらに分化した後代をつくり出す能力を有する細胞を意味する。例えば、この用語は、増殖可能であり、かつ、分化したかまたは分化可能な娘細胞を次にもたらすことができる多数の母細胞を生じさせる能力を有するより多くの前駆細胞をもたらすことが可能である、未分化細胞または最終分化には届かない程度まで分化した細胞を意味することができる。一実施形態では、前駆細胞との用語は、胚性細胞および組織の漸進的多様化で起こる通り、分化により(例えば、完全な個性を獲得することにより)、多くの場合に様々な方向に、その子孫(後代)が特殊化する、一般化された母細胞を意味する。細胞分化は、典型的には多数の細胞分裂を介して起こる複雑なプロセスである。分化した細胞は、多能性細胞から誘導することができ、多能性細胞はそれ自体が多能性細胞に由来する。それらの多能性細胞のそれぞれを幹細胞であると見なすことができる一方で、それぞれが生じ得る細胞タイプの範囲は、顕著に異なり得る。一部の分化した細胞はまた、より大きな発達(developmental)可能性を有する細胞を生じる能力も有する。そのような能力は、天然のものであり得、または種々の因子を用いた処理によって人工的に誘導することができる。この定義によれば、幹細胞はまた、前駆細胞、ならびに最終分化細胞により近い前駆体でもあり得る。
「増殖」とは、細胞数の増加を意味する。「増殖すること」および「増殖」とは、有糸分裂を行なう細胞を意味する。
「不応性」とは、疾患の治療で用いられた場合に、明らかな臨床的利益を有しないこと、例えば、疾患の症状またはその後の疾患の再発の明らかな好転または改善を有しないことを意味するものと理解されるべきである。
関節リウマチとの用語は、その通常の意味に従って本明細書中で用いられ、すなわち、主に関節を冒す炎症を生じる自己免疫障害である。
本明細書中で用いる場合、「溶液」との用語は、その中で本発明で用いるMSCが生存し続ける製薬上許容される担体または希釈剤を含む。
MSC集団に関して「実質的に純粋」との用語は、細胞の数に関して少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%がMSCである細胞の集団を意味する。言い換えれば、MSC集団に関して「実質的に純粋」との用語は、系統に拘束される細胞の数に関して約20%未満、約10%未満、または約5%未満を含む細胞の集団を意味する。
本明細書中で用いる場合、「支持体」とは、脂肪組織由来間質幹細胞の生育のための基盤または土台として機能し得るいずれかのデバイスまたは材料を意味する。
「治療剤」または「治療薬」とは、宿主に対して所望の生物学的作用を有することが可能である薬剤を意味する。化学療法剤および遺伝毒性剤は、それぞれ、生物製剤とは逆に本来は化学的なものであるか、または特定の作用機序により治療的作用を引き起こすことが一般的に知られている治療剤の例である。生物学的起源の治療剤の例としては、増殖因子、ホルモン、およびサイトカインが挙げられる。様々な治療剤が当技術分野で公知であり、それらの作用により特定することができる。一部の治療剤は、細胞増殖および分化を調節することが可能である。例としては、化学療法用ヌクレオチド、薬物、ホルモン、非特異的(非抗体)タンパク質、オリゴヌクレオチド(例えば、標的核酸配列(例えば、mRNA配列)に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド)、ペプチド、およびペプチドミメティクスが挙げられる。
「発現される」(expressed)との用語は、細胞内でのマーカーの存在を説明するために用いられる。発現されていると見なされるためには、マーカーは、検出可能なレベルで存在しなければならない。「検出可能なレベル」とは、マーカーが、PCR、ブロッティングまたはFACS分析などの標準的な実験方法のうちの1種を用いて検出できることを意味する。MSCの集団の表現型表面マーカー特徴付けは、当技術分野で公知のいずれかの方法により行なうことができる。例として、限定するものではないが、この表現型特徴付けは、個別細胞染色により行なうことができる。そのような染色は、抗体を用いて実現することができる。これは、標識抗体を用いることによる直接染色であり得、または細胞マーカーに特異的な一次抗体に対する二次標識抗体を用いることによる間接的染色であり得る。抗体結合は、当技術分野で公知のいずれかの方法により検出することができる。抗体結合はまた、フローサイトメトリー、免疫蛍光顕微鏡観察または放射線撮影によっても検出できる。
あるいは、またはそれに加えて、遺伝子は、30回のPCRサイクル後に発現が合理的に検出できるならば、これは細胞1個当たり少なくとも約100コピーの細胞中での発現レベルに対応し、本発明の集団の細胞により発現されていると見なされる。「発現する」および「発現」との用語は、対応する意味を有する。この閾値未満の発現レベルでは、マーカーは発現されていないと見なされる。本発明の成体幹細胞でのマーカーの発現レベルと、例えば胚性幹細胞などの別の細胞での同じマーカーの発現レベルとの比較は、好ましくは、同じ生物種から単離された2種類の細胞タイプを比較することにより実行することができる。好ましくは、この生物種は哺乳動物であり、より好ましくはこの生物種はヒトである。このような比較は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)実験を用いて簡便に実行することができる。
細胞&その組成物
本発明の一態様は、被験体での関節リウマチの治療での使用のための、間葉系幹細胞(MSC)を含む組成物を提供する。本発明の組成物は、MSCまたはその後代の実質的に純粋な集団を含むことができる。本発明の組成物はまた、細胞培養構成成分、例えば、アミノ酸、金属および補酵素因子のうちの1種以上を含む培養培地を含むことができる。組成物は、他の間質細胞の小集団を含むことができる。組成物はまた、特定の環境下(例えば、移植)でのMSCの増殖および生存、連続培養での増殖、または生体材料もしくは組成物としての使用を支持することができる他の非細胞性構成成分も含むことができる。
本発明の組成物は、細胞のうちの少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%がMSCである細胞の集団を含むことができる。言い換えれば、一部の実施形態では、組成物中の細胞のうちの少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%がMSCである。
本発明の組成物は、数により算出するか、または組成物の重量もしくは体積により算出するかのいずれかで、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%のMSCを含むことができる。
MSCは、マーカーCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49A、CD51、CD54、CD55、CD58、CD59、CD90およびCD105のうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、または10種以上)を、顕著なレベルで発現することができる。
MSCは、マーカーCD9、CD44、CD54、CD90およびCD105のうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上または4種以上)を発現することができる。
本発明の組成物は、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含むことができ、このとき、細胞の過半数がCD59および/またはCD90を発現し、典型的には、集団内のCD59および/またはCD90の発現は、50%超、65%超、または70%超、または少なくとも95%であり、例えば65〜95%、または70〜90%である。典型的には、本発明の組成物は、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含み、このとき、細胞のうちの70〜90%がCD59およびCD90を発現し、例えば、細胞のうちの75〜90%がCD59を発現し、細胞のうちの70〜85%がCD90を発現する。
本発明で用いるMSC細胞集団はまた、細胞が検出可能なレベルで特定の選択されたマーカーを発現しないことでも特徴付けることができる。本明細書中で定義される通り、これらのマーカーは、陰性マーカーと呼ばれる。一部の実施形態では、本発明の幹細胞集団は、単離された成体幹細胞集団の細胞のうちの少なくとも約70%がマーカーの検出可能な発現を示さない場合に、マーカーを発現しないと見なされる。他の実施形態では、幹細胞集団の細胞のうちの少なくとも約80%、少なくとも約90%または少なくとも約95%または少なくとも約97%または少なくとも約98%または少なくとも約99%または100%が、マーカーのいずれの検出可能な発現も示すべきではない。この場合もまた、検出可能な発現がないことは、RT-PCR実験の使用を介して、またはFACSを用いて証明できる。
つまり、本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーCD34、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD31、CD34、CD45、CD49f、CD102、CD104、CD106およびCD133のうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、または10種以上)を発現しないMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。
つまり、本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーCD11b、CD11c、CD14、CD31、CD34、CD45、CD133およびHLAIIのうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、または8種以上)を発現しないMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。
本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーCD34、STRO-1、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD31、CD45、CD49f、CD102、CD104、CD106およびCD133のうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、または10種以上)を発現しないMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。一実施形態では、陰性マーカーは、CD34および/またはSTRO-1である。別の実施形態では、陰性マーカーはCD34である。別の実施形態では、陰性マーカーはSTRO-1である。別の実施形態では、陰性マーカーはCD34およびSTRO-1である。
本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーCD11b、CD11c、CD14、CD31、CD34、STRO-1、CD45、CD133およびHLAIIのうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、または8種以上)を発現しないMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。一実施形態では、陰性マーカーは、CD34および/またはSTRO-1である。別の実施形態では、陰性マーカーはCD34である。別の実施形態では、陰性マーカーはSTRO-1である。別の実施形態では、陰性マーカーはCD34およびSTRO-1である。
一実施形態では、組成物の細胞のうちの50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)が、顕著なレベルでCD34を発現し、例えば、細胞のうちの35〜5%、または20〜10%が顕著なレベルでCD34を発現する。典型的には、組成物の細胞のうちの5%未満が顕著なレベルでCD34を発現する。
一実施形態では、組成物の細胞のうちの50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)が、顕著なレベルでSTRO-1を発現し、例えば、細胞のうちの35〜5%、または20〜10%が顕著なレベルでSTRO-1を発現する。典型的には、組成物の細胞のうちの5%未満が顕著なレベルでSTRO-1を発現する。
典型的には、組成物の細胞のうちの50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)が、顕著なレベルでCD34およびSTRO-1を発現し、例えば、細胞のうちの35〜5%、または20〜10%が顕著なレベルでCD34およびSTRO-1を発現する。典型的には、組成物の細胞のうちの5%未満が顕著なレベルでCD34およびSTRO-1を発現する。
本発明の組成物は、細胞の過半数がCD34を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含むことができ、典型的には、集団内のCD34の発現は、50%未満、35%未満、または30%未満、または5%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%である。典型的には、本発明の組成物は、細胞のうちの70〜90%がCD34を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含み、例えば、細胞のうちの75〜90%がCD34を発現しない。
本発明の組成物は、細胞の過半数がSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含むことができ、典型的には、集団内のSTRO-1の発現は、50%未満、35%未満、または30%未満、または5%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%である。典型的には、本発明の組成物は、細胞のうちの70〜90%がSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含み、例えば、細胞のうちの75〜90%がSTRO-1を発現しない。
典型的には、本発明の組成物は、細胞の過半数がCD34およびSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含み、典型的には、集団内のCD34およびSTRO-1の発現は、50%未満、35%未満、または30%未満、または5%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%である。典型的には、本発明の組成物は、細胞のうちの70〜90%がCD34およびSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含み、例えば、細胞のうちの75〜90%がCD34およびSTRO-1を発現しない。
本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーc-Kit、ビメンチンおよびCD90のうちの1種以上(例えば、2種以上、または3種類すべて)を発現するMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。1つの好ましい実施形態では、本発明の組成物は、顕著なレベルでc-Kit、ビメンチンおよびCD90を発現する細胞を95%以上含む。
本発明の組成物は、顕著なレベルでマーカーCD34、第VIII因子、α-アクチン、デスミン、S-100およびケラチンのうちの1種以上(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、または6種類すべて)を発現しないMSCを少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%(細胞の数により、または組成物の重量もしくは体積により)、含むことができる。
一実施形態では、本発明の組成物は増殖した細胞集団を含む。
典型的には、該細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーCD34の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーCD34の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーCD34の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
典型的には、該細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーSTRO-1の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーSTRO-1の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーSTRO-1の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
一実施形態では、細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーCD34およびSTRO-1の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーCD34およびSTRO-1の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーCD34およびSTRO-1の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
増殖したMSC集団(例えば、5%以下のCD34および/またはSTRO-1を発現するもの)は、新たに単離された細胞よりも低い多能性を示し、すなわち、天然に存在する非増殖MSCと比較して他の細胞表現型に分化する能力が低いか、低下しているかまたは能力を有しない場合があるので、有利である。本発明の組成物中のMSCの濃度は、少なくとも約1×104細胞/mL、少なくとも約1×105細胞/mL、少なくとも約1×106細胞/mL、少なくとも約10×106細胞/mL、または少なくとも約40×106細胞/mLであり得る。
一部の実施形態では、本発明の組成物中のMSCのうちの少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%)は、それらの増殖能、移動能、生存能、治療的作用および免疫調節特性のうちの1種以上を強化するために、前刺激される。一部の実施形態では、前刺激は、MSCをサイトカインと接触させることにより実現することができる。本発明の一部の実施形態では、前刺激は、MSCをIFN-γと接触させることにより実現することができる。
本発明の特定の実施形態では、0.1〜100ng/mLのIFN-γの濃度を用いて、MSCを前刺激することができる。さらなる実施形態では、0.5〜85ng/mL、1〜70ng/mL、1.5〜50ng/mL、2.5〜40ng/mL、または3〜30ng/mLのIFN-γの濃度を用いて、MSCを前刺激することができる。前刺激は、約12時間より長い刺激時間にわたって生じることができる。前刺激は、約13時間より長い、約18時間より長い、約24時間より長い、約48時間より長い、または約72時間より長い刺激時間にわたって生じることができる。
本発明の一部の実施形態では、MSCは、それらが:
(a) 抗原提示細胞(APC)に対して特異的なマーカーを発現しないこと、
(b) インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)を構成的に発現しないこと、および
(c) インターフェロン-γ(IFN-γ)を用いる刺激時にIDOを発現すること
により特徴付けることができる。
本発明の文脈で有用なMSCは、T細胞活性化を阻害する能力を有する。T細胞活性化は、サイトカイン分泌およびT細胞増殖により測定することができる。例えば、本発明のMSCは、好ましくは、非適合型PBMCと共培養した場合に、増殖またはIFN-γの分泌を惹起できない。本発明のMSCはまた、スーパー抗原SEBを用いる刺激時に、IFNγの分泌およびPBMCの増殖を阻害することもできる。
関節リウマチ治療
実施例に詳細に記される通り、本発明に従うMSC(この場合、hASC)を用いる治療は、関節リウマチの症状を改善することが見出された。最大で約4×106細胞/kgの用量範囲でのhASCを用いる治療が関節リウマチの症状を改善したことが実証される。したがって、一実施形態では、本発明の方法は、関節リウマチの治療のための、最大で約400万個の細胞/kgの細胞組成物を提供する。これは、任意により、1週間間隔で、典型的には1日目、8日目および15日目に投与することができる。
驚くべきことに、より低い用量のASCが、より大きな臨床的利益をもたらすことが見出され、したがって、該用量は、約2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgであることが好ましい。代替的な実施形態では、該用量は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg;またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kgであり得る。したがって、さらなる代替的な実施形態では、用量は、約0.5×106細胞/kg、0.6×106細胞/kg、0.7×106細胞/kg;0.8×106細胞/kg;0.9×106細胞/kg;1.1×106細胞/kg;1.2×106細胞/kg;1.3×106細胞/kg;1.4×106細胞/kg;1.5×106細胞/kg;1.6×106細胞/kg;1.7×106細胞/kg;1.8×106細胞/kg;1.9×106細胞/kgまたは2×106細胞/kgであり得る。他の実施形態では、用量は、10万個〜90万個の細胞/kg;または110万個〜190万個の細胞/kgであり得る。各用量は、任意により、1週間間隔で、典型的には1日目、8日目および15日目に投与することができる。
実施例に示される通り、本発明のhASC治療は、標準的な治療に対して不応性であった関節リウマチ患者の症状を改善するものと実証された。したがって、本発明の好ましい実施形態では、関節リウマチの治療のための少なくとも1種、2種または3種の治療に対して不応性である患者での関節リウマチの治療に、hASCを用いる。該治療としては、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、生物学的医薬品およびコルチコステロイドのうちの1種以上が挙げられる。疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)としては、限定するものではないが、オーラノフィン、クロロキン(choroquine)、シクロスポリン、シクロホスファミド、金剤、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、メトトレキサート、ペニシラミン、金チオリンゴ酸ナトリウム(sodium aurothiomalate)、スルファサラジンが挙げられる。一実施形態では、患者は、少なくともメトトレキサートに対して治療不応性であることが特に好ましい。一実施形態では、患者は、少なくともレフルノミドに対して治療不応性であることが特に好ましい。さらなる実施形態では、患者は、少なくともレフルノミドおよびメトトレキサートの両方に対して治療不応性であることが好ましい。生物学的医薬品としては、限定するものではないが、選択的共刺激調節剤(selective costimulation modulator)、Tnf-a阻害剤、IL-1阻害剤、IL-6阻害剤およびB細胞標的化療法が挙げられる。例示的な生物学的医薬品は、表3に列記される。典型的には、患者は、少なくとも1種の生物学的治療、例えば表3に列記される生物製剤のうちのいずれか1種、例えばTNF-α阻害剤に対して不応性である。したがって、本発明の一態様では、患者は、TNF-α阻害剤、典型的には、アダリムマブ(ヒュミラ)、セルトリズマブ(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)、ゴリムマブ(シンポニー)、またはインフリキシマブ(レミケード)である少なくとも1種の生物製剤治療に対して不応性である。典型的には、患者は、少なくとも2種の生物製剤治療、例えば、任意によりそのうちの少なくとも1種はTNF-α阻害剤であり得る表3に列記される生物製剤のうちのいずれか2種に対して不応性である。一実施形態では、患者は少なくともメトトレキサートおよびTNF-α阻害剤に対して治療不応性であり、ここで、該TNF-α阻害剤は、アダリムマブ、エタネルセプトおよびインフリキシマブを含む群から選択されるのが特に好ましい。
さらなる実施形態では、患者は少なくともレフルノミドおよびTNF-α阻害剤に対して治療不応性であり、このとき、該TNF-α阻害剤が、アダリムマブ、エタネルセプトおよびインフリキシマブを含む群から選択されるのが特に好ましい。さらなる実施形態では、患者は少なくともレフルノミド、メトトレキサートおよびTNF-α阻害剤に対して治療不応性であり、このとき、該TNF-α阻害剤が、アダリムマブ、エタネルセプトおよびインフリキシマブを含む群から選択されるのが特に好ましい。
一実施形態では、本発明は、被験体での関節リウマチを治療するための、細胞の過半数がCD59および/またはCD90を発現する、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含む組成物を提供し、典型的には、集団内のCD59および/またはCD90の発現は、50%超、65%超、または70%超であり、例えば65〜95%、または70〜90%であり、被験体は、少なくとも1種の生物製剤TNF-α阻害剤に対して不応性であり、該組成物は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、または約2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgを含み、各用量は、1日目、8日目および15日目に静脈内投与される。
さらなる実施形態では、本発明は、被験体での関節リウマチを治療するための、細胞の過半数がCD34を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含む組成物を提供し、典型的には、集団内のCD34の発現は、50%未満、35%未満、または30%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%であり、または最も好ましくは細胞のうちの5%未満であり、被験体は、少なくとも1種の生物製剤TNF-α阻害剤に対して不応性であり、該組成物は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、または約2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgを含み、各用量は、1日目、8日目および15日目に静脈内投与される。
さらなる実施形態では、本発明は、被験体での関節リウマチを治療するための、細胞の過半数がSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含む組成物を提供し、典型的には、集団内のSTRO-1の発現は、細胞のうちの50%未満、35%未満、または30%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%であり、または最も好ましくは5%未満であり、被験体は、少なくとも1種の生物製剤TNF-α阻害剤に対して不応性であり、該組成物は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、または約2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgを含み、各用量は、1日目、8日目および15日目に静脈内投与される。
さらなる実施形態では、本発明は、被験体での関節リウマチを治療するための、細胞の過半数がCD34およびSTRO-1を発現しない、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含む組成物を提供し、典型的には、集団内のCD34およびSTRO-1の発現は、細胞のうちの50%未満、35%未満、または30%未満であり、例えば35〜5%、または20〜10%であり、または最も好ましくは5%未満であり、被験体は、少なくとも1種の生物製剤TNF-α阻害剤に対して不応性であり、該組成物は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、または約2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgを含み、各用量は、1日目、8日目および15日目に静脈内投与される。
さらなる実施形態では、本発明は、被験体での関節リウマチを治療するための、集団内のCD34、STRO-1、またはCD34およびSTRO-1の発現が細胞のうちの5%未満である、増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる細胞の集団を含む組成物を提供し、被験体は、少なくとも1種の生物製剤TNF-α阻害剤に対して不応性であり、該組成物は約1×106細胞/kgを含み、各用量は、1日目、8日目および15日目に静脈内投与される。
本発明の組成物は、好ましくは、増殖したMSCを含む。したがって、該組成物は、MSCの後代を含むことができる。そのような後代としては、MSCの後に続く世代、好ましくは未分化型後代が挙げられる。後代細胞は、親集団からのいかなる回数の集団倍増後にも取得できることが理解されるであろう。増殖が継代により行なわれる場合、MSC後代細胞は、親集団からのいかなる回数の継代後にも取得することができる。しかしながら、特定の実施形態では、後代細胞は、親集団からの約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、または約10回の継代後に取得することができる。
本発明の組成物は、無菌条件下で提供することができ、かつウイルス、細菌および他の病原体を含まないことができる。本発明の組成物は、パイロジェン不含調製物として提供することができる。
一実施形態では、本発明の組成物は、全身的投与(例えば、静脈内投与、腹腔内投与、経直腸投与、鼻内投与、頬内投与、膣内投与、移植されたリザーバーを介して、または吸入を介して)のために調製することができる。別の実施形態では、本発明の組成物は、局所投与(例えば、リンパ管内投与(intralymphatically)、関節への注入により)のために調製することができる。本発明の組成物は、非経口経路により投与することができる。組成物は、皮下経路、皮内経路、静脈内経路、筋内経路、関節内経路、滑液嚢内経路、胸骨下経路(intrasternal)、髄腔内経路、病巣内経路、リンパ管内経路および頭蓋内経路により投与することができる。典型的には、組成物は静脈内投与される。
一実施形態では、本発明で用いられるMSCは、治療される被験体に対して自家であり得る。さらなる実施形態では、本発明で用いられるMSCは、治療される被験体に対して同種異系または異種であり得る。以前の研究では、同種異系骨髄由来間質幹細胞および脂肪組織由来間質細胞が、in vitroで同種異系リンパ球と接触させられた場合に、リンパ球免疫応答を引き起こさないことが示されている。結果として、ドナー由来の同種異系脂肪組織由来間質幹細胞は、理論的には、MHC不適合性に関わりなく、いずれの患者の治療に対しても用いることができる。同種異系幹細胞が用いられる実施形態では、補助的治療が必要である場合がある。例えば、公知の方法に従って、移植片対宿主病(GVHD)を予防するために、治療前、治療中および/または治療後に、免疫抑制剤を投与することができる。投与前に、当技術分野で公知の方法に従って、被験体から細胞に対する、またはその逆の、免疫応答を抑制するために、細胞を改変することもできる。
一実施形態では、本発明の組成物は、治療される被験体の1箇所以上の標的部位での組成物の注入または移植(implantation)により投与することができる。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、注入または移植による被験体への組成物の導入を促進する送達デバイスへと挿入することができる。一実施形態では、送達デバイスは、カテーテルを含むことができる。さらなる実施形態では、送達デバイスは、シリンジを含むことができる。
本発明の組成物は、一般的に、製薬上許容される担体および/または希釈剤を含むであろう。そのような担体および希釈剤の例は、当技術分野で周知であり、以下のものが挙げられる:糖(ラクトース、グルコースおよびスクロースなど);デンプン(トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプンなど);セルロースおよびその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど);粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤(カカオバターおよび坐剤ワックスなど);油(ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油など);グリコール(プロピレングリコールなど);ポリオール(グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなど);エステル(オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど);寒天;緩衝剤(水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど);アルギン酸;パイロジェン不含水;等張生理食塩液;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;ならびに医薬製剤で用いられる他の無毒適合性物質。
本発明の組成物は、無菌であり得、かつ容易な注射可能性(easy syringability)が存在する程度まで流動性であり得る。さらに、組成物は、製造および保存の条件下で安定であり、かつ、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸およびチメロサールの使用を通じて細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されていることができる。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下のものから選択される治療剤などの1種以上(または2種以上、または3種以上、例えば、1、2、3、4または5種)のさらなる治療剤を含有することができる:鎮痛剤(非ステロイド系抗炎症剤、アヘン剤アゴニスト(opiate agonist)またはサリチル酸塩など);抗感染剤(駆虫剤(antihelmintic)、抗嫌気性菌剤(antianaerobic)、抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、抗真菌性抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、β-ラクタム系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、キノロン系抗生物質、スルホンアミド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、抗マイコバクテリア剤、抗結核剤性抗マイコバクテリア剤、抗原虫剤、抗マラリア性抗原虫剤、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗疥癬剤、抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、鎮痒剤/局所麻酔剤、局所抗感染剤、抗真菌性局所抗感染剤、抗ウイルス性局所抗感染剤など);電解性腎臓薬(electrolytic and renal agent)(酸性化剤、アルカリ化剤、利尿剤、炭酸脱水酵素阻害性利尿剤、ループ利尿剤、浸透圧性利尿剤、カリウム保持性利尿剤、チアジド利尿剤、電解質置換、および尿酸排泄剤など);酵素(膵酵素および血栓溶解性酵素など);胃腸薬(止瀉薬、制吐剤、胃腸抗炎症剤、サリチル酸胃腸抗炎症剤、制酸性抗潰瘍剤、胃酸ポンプ阻害性抗潰瘍剤、胃粘膜抗潰瘍剤、H2ブロッカー抗潰瘍剤、胆石溶解剤(cholelitholytic agent)、消化薬、吐剤、緩下剤および便軟化剤、および運動促進剤など);全身麻酔薬(吸入麻酔薬、ハロゲン化吸入麻酔薬、静脈内麻酔薬、バルビツール酸塩系静脈内麻酔薬、ベンゾジアゼピン系静脈内麻酔薬、およびアヘン剤アゴニスト(opiate agonist)系静脈内麻酔薬など);ホルモンまたはホルモン修飾剤(堕胎薬、副腎薬(adrenal agent)、コルチコステロイド副腎薬、アンドロゲン、抗アンドロゲン剤、免疫生物学的薬剤(免疫グロブリンなど)、免疫抑制剤、トキソイド、およびワクチンなど);局所麻酔薬(アミド型局所麻酔薬およびエステル型局所麻酔薬など);筋骨格剤(抗痛風性抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、金化合物抗炎症剤、免疫抑制性抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、サリチル酸塩抗炎症剤、鉱物など);およびビタミン(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKなど)。
別の実施形態では、さらなる治療剤は、増殖因子または細胞増殖もしくは活性化に影響を与える他の分子であり得る。さらなる実施形態では、該増殖因子は、最終分化を誘導することができる。別の実施形態では、増殖因子は、天然に存在する増殖因子の変異体または断片であり得る。そのような変異体の作製方法は当技術分野で周知であり、例えば、保存的アミノ酸変化をつくり出し、または突然変異誘発により作製すること、および必要な機能性に関して得られた変異体をアッセイすることを含むことができる。
一実施形態では、MSCは、1種以上(または2種以上、または3種以上、例えば、1、2、3、4または5種)のさらなる治療剤と併用して被験体に投与することができる。一部の実施形態では、MSCおよび1種以上のさらなる治療剤は、同時に被験体に投与することができる。他の実施形態では、MSCおよび1種以上のさらなる治療剤は、順番に被験体に投与することができる。1種以上のさらなる治療剤は、MSCの投与の前または後に投与することができる。
好ましくは、1種以上の治療剤は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、生物学的医薬品およびコルチコステロイドからなる群より選択される。疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)としては、限定するものではないが、オーラノフィン、クロロキン(choroquine)、シクロスポリン、シクロホスファミド、金剤、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、メトトレキサート、ペニシラミン、金チオリンゴ酸ナトリウム(sodium aurothiomalate)、スルファサラジンが挙げられる。生物学的医薬品としては、限定するものではないが、選択的共刺激調節剤(selective costimulation modulator)、Tnf-a阻害剤、IL-1阻害剤、IL-6阻害剤およびB細胞標的化療法が挙げられる。
本発明の組成物は、単回用量で、またはより好ましくは反復用量で投与することができる。関節リウマチの症状を改善する最大で4×106細胞/kgの投与量が特に好ましい。驚くべきことに、より低い用量のhASCが、より大きな臨床的利益をもたらすことが見出され、したがって、該用量は、2×106細胞/kg以下、最も好ましくは約1×106細胞/kgであることが好ましい。代替的な実施形態では、該用量は、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg;またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kgであり得る。したがって、さらなる代替的な実施形態では、用量は、約0.5×106細胞/kg、0.6×106細胞/kg、0.7×106細胞/kg;0.8×106細胞/kg;0.9×106細胞/kg;1.1×106細胞/kg;1.2×106細胞/kg;1.3×106細胞/kg;1.4×106細胞/kg;1.5×106細胞/kg;1.6×106細胞/kg;1.7×106細胞/kg;1.8×106細胞/kg;1.9×106細胞/kgまたは2×106細胞/kgであり得る。
好ましくは、反復用量は、約2日、5日、10日、7日、10日または15日毎に投与され、一実施形態では、上記の用量は、治療の1日目、8日目および15日目に投与される。
一実施形態では、100万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。別の実施形態では、200万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。さらなる実施形態では、400万個の間葉系幹細胞/kgの用量が、1日目、8日目および15日目にヒト患者に投与される。これらの実施形態では、典型的には、患者は不応性関節リウマチを有し、これは任意により悪化する場合がある。典型的には、患者は、少なくとも2種の生物製剤治療、例えば、表3に列記される生物製剤のうちのいずれか2種に対して不応性である。MSCは、典型的には増殖した脂肪由来間葉系幹細胞(eASC)であり、これは典型的には静脈内投与される。
細胞調製方法
本発明はまた、被験体での関節リウマチを治療するための医薬(本発明の組成物)の製造における間葉系幹細胞(MSC)の使用も提供する。
本発明の組成物の調製方法は限定的ではないこと、およびどのように調製された本発明の組成物も本発明の範囲内に含まれることが、当業者には明らかであろう。一実施形態では、本発明は、以下のステップ:(a) 被験体からMSCを回収するステップ;(b) 酵素処理により細胞懸濁液を取得するステップ;(c) 細胞懸濁液を沈降させ、培養培地中に細胞を再懸濁させるステップ;(d) 少なくとも約10日間、細胞を培養するステップ;および(g) 少なくとも2回の培養継代にわたって細胞を増殖させるステップを含む、本発明の組成物の調製方法を提供する。
本発明での使用のためのMSCは、本発明の組成物が導入される予定である被験体の末梢血、骨髄または脂肪組織から単離することができる。しかしながら、MSCはまた、被験体と同じかまたは異なる生物種のいずれかの生物から単離することもできる。MSCを有するいずれかの生物が、潜在的な候補であり得る。一実施形態では、生物は哺乳動物であり得、別の実施形態では、生物はヒトである。
1つの好ましい実施形態では、脂肪由来MSCは、本質的にはZuk et al., 2001に記載される通りに得ることができる。この方法論に従うと、脂肪吸引物が脂肪組織から得られ、細胞がそこから誘導される。この方法論の過程では、好ましくはPBSを用いて、汚染残渣および赤血球を取り除くために、好ましくは細胞を洗浄することができる。好ましくは、細胞を、PBS中でコラゲナーゼを用いて消化する(例えば、37℃にて30分間、0.075%コラゲナーゼ;I型、Invitrogen, Carlsbad, CA)。残余の赤血球を除去するために、消化されたサンプルを洗浄し(例えば、10%ウシ胎児血清を用いて)、160mmol/L ClNH4を用いて処理し、最後にDMEM完全培地(10%FBS、2mmol/Lグルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM)中に懸濁することができる。細胞は、40μmナイロンメッシュを通してろ過することができる。このようにして単離された細胞は、組織培養フラスコへと播種し(好ましくは2〜3×104細胞/cm2)、3〜4日毎に培養培地を交換しながら、37℃、5%CO2にて増殖させる。好ましくは、培養物が90%コンフルエンスに達したら、細胞を新たな培養フラスコ(1,000細胞/cm2)へと移す。
典型的には、本発明の方法で用いられるMSCは、増殖した細胞集団である。
一実施形態では、該細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーCD34の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーCD34の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーCD34の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
一実施形態では、該細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーSTRO-1の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーSTRO-1の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーSTRO-1の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
典型的には、細胞集団は、新たに単離された非増殖細胞と比較してマーカーCD34およびSTRO-1の発現が低下するまで増殖される。例えば、細胞集団は、マーカーCD34およびSTRO-1の発現が、集団中の細胞の50%未満、35%未満、30%未満、または5%未満のレベル、例えば、35〜5%、または20〜10%のレベルに低下するまで増殖される。典型的には、細胞集団は、マーカーCD34およびSTRO-1の発現が、集団中の細胞の5%未満のレベルに低下するまで増殖される。
増殖したMSC集団(例えば、5%以下のCD34および/またはSTRO-1を発現するもの)は、新たに単離された細胞よりも低い多能性を示し、すなわち、天然に存在する非増殖MSCと比較して他の細胞表現型に分化する能力が低いか、低下しているかまたは能力を有しない場合があるので、有利である。
特定の実施形態では、細胞は、少なくとも約15日間、少なくとも約20日間、少なくとも約25日間、または少なくとも約30日間培養することができる。培養中の細胞の増殖は、細胞集団中の細胞表現型の均一性を改善することができる。
特定の実施形態では、細胞は、少なくとも3回の培養継代にわたって培養中で増殖されるか、または「少なくとも3回継代される」。他の実施形態では、細胞は、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、または少なくとも10回継代される。細胞は、細胞表現型の均一性が改善され、かつ分化能が維持される限りは、無制限に培養中で増殖させることができる。あるいは、増殖した細胞の分化能は、新たに単離されたかまたは天然に存在する非増殖細胞と比較して低下していても良い。
細胞は、幹細胞の培養のための当技術分野で公知のいずれかの技術により培養することができる。種々の培養技術、ならびにそのスケールアップの論考は、Freshney, R.I., Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, Wiley-Liss 2000に見出すことができる。細胞は、培養フラスコまたは大規模増殖に好適なバイオリアクターを用いて増殖させることができる。間葉系幹細胞の大規模増殖に好適なバイオリアクターは市販されており、2D増殖バイオリアクターおよび3D増殖バイオリアクターの両方が含まれる。そのようなバイオリアクターの例としては、限定するものではないが、プラグフロー式バイオリアクター、灌流式バイオリアクター、連続撹拌槽式バイオリアクター、固定床式バイオリアクターが挙げられる。
特定の実施形態では、細胞は、単層培養により培養される。組織培養でMSCを支持することが可能ないずれかの培地を用いることができる。MSCの増殖を支持するであろう培地処方としては、限定するものではないが、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、アルファ改変最小必須培地(αMEM)、およびロズウェルパーク記念研究所培地1640(RPMI培地1640)が挙げられる。典型的には、0〜20%ウシ胎児血清(FBS)が、間質細胞の生育を支持するために上記の培地に添加されるであろう。しかしながら、間質細胞および軟骨細胞に対するFBS中の必須の増殖因子、サイトカイン、およびホルモンが特定され、かつ生育培地中に適切な濃度で提供されるならば、成分既知培地を用いることができるであろう。本発明の方法で有用な培地は、限定するものではないが、抗生物質、間質細胞のためのマイトジェン化合物または分化化合物をはじめとする対象となる1種以上の化合物を含有することができる。本発明の細胞は、加湿インキュベーター中で31℃から37℃の温度で生育させることができる。二酸化炭素含有量は2%〜10%に維持することができ、酸素含有量は1%〜22%に維持することができる。細胞は、最大で約4週間の期間、この環境に留まることができる。
培地に添加できる抗生物質としては、限定するものではないが、ペニシリンおよびストレプトマイシンが挙げられる。化学的組成既知培養培地中のペニシリンの濃度は、約10〜約200単位/mLであり得る。化学的組成既知培養培地中のストレプトマイシンの濃度は、約10〜約200μg/mLであり得る。
一実施形態では、本発明のMSCは、プラスミド、ウイルスまたは代替的なベクター戦略を用いて、対象となる核酸を用いて安定的もしくは一時的にトランスフェクションまたは形質導入することができる。対象となる核酸としては、限定するものではないが、修復される対象である組織タイプ(例えば、腸壁または膣壁)で見出される細胞外マトリックス構成成分の産生を強化する遺伝子産物をコードするものが挙げられる。
間質幹細胞に調節遺伝子を運搬するウイルスベクターの形質導入は、限定するものではないが、精製された(例えば、塩化セシウムバンド法により)アデノウイルス、レトロウイルスまたはアデノ随伴ウイルスをはじめとするウイルスベクターを用いて、約10:1〜2000:1の感染多重度(ウイルス単位:細胞)で行なうことができる。細胞は、約1時間〜約24時間にわたって、ポリエチレンイミンもしくはLipofectamineTMなどのカチオン性界面活性剤の非存在下または存在下で、無血清または血清含有培地中のウイルスに曝露することができる(Byk T. et al. (1998) Human Gene Therapy 9:2493-2502;Sommer B. et al. (1999) Calcif. Tissue Int. 64:45-49)。
幹細胞にベクターまたはプラスミドを導入するための他の好適な方法としては、脂質/DNA複合体(米国特許第5,578,475号;同第5,627,175号;同第5,705,308号;同第5,744,335号;同第5,976,567号;同第6,020,202号;および同第6,051,429号に記載されるものなど)が挙げられる。好適な試薬としては、lipofectamine、ポリカチオン性脂質である2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)(ケミカル・アブストラクト登録名:N-[2-(2,5-ビス[(3-アミノプロピル)アミノ]-1--オキシペンチル}アミノ)エチル]-N,N-ジメチル-2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)の3:1(w/w)リポソーム製剤、およびメンブレンろ過水中の中性脂質であるジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。例となる試薬は、製剤Lipofectamine 2000TM(Gibco/Life Technologies社から入手可能、#11668019)である。他の試薬としては、以下のものが挙げられる: FuGENETM 6トランスフェクション試薬(80%エタノール中の非リポソーム形態の脂質と他の化合物とのブレンド、Roche Diagnostics社から取得可能、#1814443);およびLipoTAXITMトランスフェクション試薬(Invitrogen社からの脂質製剤、#204110)。幹細胞のトランスフェクションは、例えば、M.L. RoachおよびJ.D. McNeish (2002) Methods in Mol. Biol. 185:1に記載されている通りにエレクトロポレーションにより行なうことができる。安定な遺伝的変化を有する幹細胞を作製するための好適なウイルスベクター系は、アデノウイルスおよびレトロウイルスに基づくものであり得、また市販のウイルス構成成分を用いて調製することができる。
MSCへの、調節遺伝子を担持するプラスミドベクターのトランスフェクションは、単層培養ではリン酸カルシウムDNA沈殿またはカチオン性界面活性剤法(LipofectamineTM、DOTAP)を用いて、または三次元培養では生体適合性ポリマーに直接的にプラスミドDNAベクターを組み入れることにより(Bonadio J. et al. (1999) Nat. Med. 5:753-759)、達成することができる。
これらの遺伝子によりコードされる機能的タンパク質の追跡および検出のために、ウイルスまたはプラスミドDNAベクターは、緑色蛍光タンパク質またはβ-ガラクトシダーゼ酵素(両方とも組織化学的手段により追跡できる)などの容易に検出可能なマーカー遺伝子を含むことができる。
増殖に続いて、その表現型を決定するために細胞組成物をアッセイすることが好ましく、これは慣用の手段を用いて行なうことができる。細胞表面マーカーは、通常は陽性/陰性選別に基づくいずれかの好適な慣用の技術により特定することができ;例えば、細胞中のその存在/非存在が確認されるべき細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体を用いることができるが;他の技術も用いることができる。つまり、特定の実施形態では、選択された細胞中でのマーカーの非存在を確認するために、第VIII因子、α-アクチン、デスミン、S-100、ケラチン、CD11b、CD11c、CD14、CD45、HLAII、CD31、CD34、STRO-1およびCD133のうちの1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種またはすべてに対するモノクローナル抗体が用いられ;マーカーのうちの少なくとも1種、好ましくはすべての存在または検出可能な発現レベルを確認するために、CD10、CD13、CD29、CD49A、CD51、CD55、CD58、CD59、c-Kit、ビメンチン、CD9、CD44、CD54、CD90およびCD105のうちの1種、2種、3種、4種またはすべてに対するモノクローナル抗体が用いられる。
さらなる実施形態では、選択された細胞での該マーカーの非存在を確認するために、CD34に対するモノクローナル抗体が用いられる。さらなる実施形態では、選択された細胞での該マーカーの非存在を確認するために、STRO-1に対するモノクローナル抗体が用いられる。さらなる実施形態では、両方のマーカーの存在または検出可能な発現レベルを確認するために、CD34およびSTRO-1に対するモノクローナル抗体が用いられる。さらなる実施形態では、該マーカーのうちの少なくとも1種、好ましくは両方の存在または検出可能な発現レベルを確認するために、CD59および/またはCD90に対するモノクローナル抗体が用いられる。
前記モノクローナル抗体は公知であるか、市販されているか、または慣用の方法によって当業者が取得することができる。
選択された細胞でのIFN-γ誘導性IDO活性は、いずれかの好適な慣用のアッセイにより測定することができる。例えば、選択された細胞を、IFN-γを用いて刺激し、IDO発現についてアッセイすることができ;続いて、IDOタンパク質発現に関して慣用のウエスタンブロット分析を行なうことができ、選択された細胞のIFN-γ刺激後のIDO酵素活性を、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析および読み出し値としての上清中のキヌレニン濃度の光度測定を用いて、トリプトファンからキヌレニンへの変換により測定することができる。本発明の細胞は特定の条件下でIDOを発現するので、IFN-γ刺激後のIDO活性の検出を可能にするいずれかの好適な技術を、本発明の細胞を選択するために用いることができる。選択された細胞でのIFN-γ誘導性IDO活性を測定するために好適なアッセイは、国際公開第2007039150号に開示されている。生成されたIDOの量は、平方センチメートル当たりの細胞数に依存し、この細胞数は、この濃度に限定するものではないが、好ましくは5000細胞/cm2以上のレベルであり、IFN-γの濃度は、この濃度に限定するものではないが、理想的には3ng/mL以上である。記載される条件下で生成されるIDOの活性は、24時間以上後に、μM範囲でのキヌレニンの検出可能な生成をもたらすであろう。
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。これらの実施例は例示のみのために提供され、限定することを意図するものではない。
目的:増殖された脂肪由来間質細胞(eASC)が、in vitroおよび関節炎の動物モデルの両方で免疫修飾作用を有することが示される。本試験の目的は、RA患者での同種異系eASCの静脈内(IV)投与の安全性、実行可能性および耐容性を決定することであった。
方法:少なくとも1種の非生物製剤DMARDを用いる処置下にあり、少なくとも2種の生物製剤を用いた処置が以前に成功しなかったRA患者での24週間の単盲検用量漸増試験を、23箇所の施設で実施した(図1)。
eASC投与量
中等度から高度の疾患活性を有する53名の患者(表1および表1a;DAS28>3.2)を、1×106 eASC/kg体重(コホートA:20名の患者)、2×106eASC/kg体重(コホートB:20名の患者)、4×106 eASC/kg体重(コホートC:6名の患者)またはプラセボ(乳酸リンゲル液:7名の患者)の投与に指定した。すべての患者が、1日目、8日目および15日目に3回のIV eASC注入を受けた。耐容性および処置により発生した有害事象(用量制限毒性(DLT)、重篤な有害事象(SAE)および重篤でない有害事象(AE)など)が主要評価項目であった。ACR20/50/70、DAS28、およびSF-36が、副次評価項目であった。
過半数がすべての通常用いられる療法を用いて処置されていたので、試験群は、極度に不応性の患者の治療困難集団であると見なされた(表1bおよび表2)。表3は、生物学的医薬品を用いて処置された患者の割合(%)を示し;患者のうちの45%が3種以上の生物製剤を投与された(平均2.92、標準偏差1.44)。表4は、DMARDを用いて以前に処置された患者の割合(%)を示し、患者のうちの74%が3種以上のDMARDを投与された(平均3.38、標準偏差1.51)。
eASCの単離および増殖
同種異系eASC医薬品は、健康なドナーの皮下脂肪組織から抽出した間葉由来の生存成体幹細胞の細胞懸濁物からなる。皮下脂肪組織は、健康なドナーから脂肪吸引され、製造施設に輸送された。ドナーからの提供、調達および試験は、指令2004/23/ECの要件に従って、それゆえ指令2006/17/ECおよび2006/83/ECの下に行なわれた。ASCは、I型コラゲナーゼを用いて脂肪組織を消化すること、およびそれに続く遠心分離により単離した。得られた細胞ペレットを再懸濁し、赤血球溶解溶液中で溶解させ、遠心分離した。細胞ペレットから得られた間質血管画分を、培養培地および抗生物質中で細胞培養容器に入れ、37℃および5%CO2にて、加湿雰囲気中でインキュベートした。播種後24〜48時間で、非接着細胞画分を除去するために、培養培地を取り出した。ASCはプラスチック培養プレートに接着し、これをin vitro条件下で増殖させた。3〜4日間毎に、90〜95%コンフルエンスに達した後に培養培地を交換し、細胞を、トリプシン/EDTAを用いて剥がし、収集し、遠心分離し、必要とされる複製数まで抗生物質を用いずに増殖させた。続いてこれらを回収し、使用まで凍結保存した。指定された投与日の前に、十分な凍結保存バイアルを解凍して、投与のために必要な用量を供給した。播種および培養することにより(生存率を確認するために)ASCをその凍結保存状態から回復させた。バイアルを充填および包装した日に、培養物を、リン酸緩衝液およびトリプシン/EDTAを用いて洗浄した。薬物製品を製剤化するために、選択された賦形剤(ダルベッコ改変イーグル培地およびヒトアルブミン血清)中にすぐにASCを再懸濁した。
細胞特性決定:細胞由来医薬品に関するガイドライン(EMEA/CHMP/410869/2006)および幹細胞に関する所見(EMA/CAT/ 571134/2009)に従って、アイデンティティー(表現型プロフィール)、純度、有効性、形態、生存率、および細胞増殖動態に関してeASCを特性決定した。
結果:患者および疾患特性は、3種類すべての用量群について同等であり、DAS28(CRP)疾患活性スコアは3.2〜7.9であった。疾患の発症からの期間は、3〜69年間(中央値13年)であった。eASCの反復IV注入はいかなる重大な安全性シグナル(safety signal)も示さず、用量制限性安全性シグナルは特定されなかった。
副次評価項目では、ITT(治療予定)集団での最大の臨床的利益は、コホートAで観察された。
ITT集団でのACR20患者の最高の割合は、最初の処置用量の1ヵ月後に観察され、コホートA、B、Cおよびプラセボにて、それぞれ45%、20%、33%および28%の患者がACR20に到達した(p=0.3979)。処置群当たりで、最高の比率はコホートA、Cおよびプラセボでは最初の処置用量の1ヵ月後、ならびにコホートBでは最初の処置用量の2ヵ月後(30%)であった(図2)。
同様の傾向が、ACR50(図3)およびACR70(図4)の両方について観察された。しかしながら、コホートBでは、ACR50/70応答はV5前には観察されなかった。注目すべきことに、V4でACR50応答を有した1名の患者を除いて、プラセボ群には治験中にACR50/70応答がなかった。
全体として、プラセボを用いて処置した患者と比較して、eASCを用いて処置した患者のうちの高い割合が、治験中にACR20、ACR50およびACR70に達した。
ACR20/50/70応答は、1ヵ月目で、1×106eASC/kgを投与された患者のうちの45/20/5%で観察され、これに対して、プラセボの患者のうちの28/14/5%で観察された。3ヵ月目には、ACR応答は、コホートAおよびプラセボでそれぞれ25/15/5および0/0/0であり、これは6ヵ月目まで維持された(図2〜4)。eASC処置群およびプラセボについてのDAS28(<2.6)は、それぞれ1ヵ月目で7%対0%、2ヵ月目で11%対0%であった(図6)。DAS28(ESR)<3.2の結果を、図5に示す。良好+中等度EULAR応答DAS28(ESR)に対する結果を、図7に示す。
結論:これらの早期臨床結果は、eASCのIV注入が不応性RAの治療で十分に耐容されることを示唆する最初のものである。有望な結果には、24週間以内での安全性シグナルの非存在およびプラセボに対するeASC処置群での副次評価項目の大きな改善が含まれる。
これは、不応性関節リウマチでの幹細胞を用いた最初の無作為化試験である。用量制限安全性シグナルは特定されなかった。1名の患者のみが、処置の中断につながる重篤な有害事象を経験した。すべての他の副作用は軽度かつ一過性であった:eASC群での最も一般的な関連する有害事象(3%以上が報告した):発熱、頭痛、無力症、呼吸器感染、掻痒、不快感、発疹(rush)およびインフルエンザ様疾患(表5)。血液毒性の徴候はなかった。有害事象は、独立した学際的安全性会議により評価された。
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Claims (22)

  1. 被験体での関節リウマチを治療するための、間葉系幹細胞(MSC)を含む組成物。
  2. 被験体での関節リウマチを治療するための医薬の製造における間葉系幹細胞(MSC)の使用。
  3. 被験体に間葉系幹細胞(MSC)を含む組成物を投与するステップを含む、被験体での関節リウマチを治療する方法。
  4. 関節リウマチが不応性関節リウマチである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  5. MSCが脂肪組織由来間質幹細胞(ASC)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  6. MSCが同種異系である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  7. 前記組成物が増殖したMSCを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  8. 前記組成物が、最大で約4×106細胞/kgまたは約200万個の細胞/kg以下を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  9. 前記組成物が、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg;またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kgを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  10. MSCのうちの少なくとも約50%が、マーカーCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49A、CD51、CD54、CD55、CD58、CD59、CD90およびCD105のうちの1種以上を発現する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  11. MSCが増殖した脂肪組織由来間質幹細胞であり、ここで、MSCのうちの少なくとも約50%がCD59および/またはCD90を発現し、例えば、MSCのうちの少なくとも65%、少なくとも70%、または65〜95%、または70〜90%がCD59および/またはCD90を発現する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  12. MSCのうちの少なくとも約50%が、マーカーCD11b、CD14、CD15、CD16、CD31、CD34、CD45、CD49f、CD102、CD104、CD106およびCD133を発現しない、請求項10または11に記載の組成物、使用または方法。
  13. MSCが、それらが:
    (a) 抗原提示細胞(APC)に対して特異的なマーカーを発現しないこと;
    (b) インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)を構成的に発現しないこと;および
    (c) インターフェロン-γ(IFN-γ)を用いる刺激時にIDOを発現すること
    により特徴付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  14. MSCが製薬上許容される担体および/または希釈剤中で投与される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  15. MSCが全身的に投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  16. MSCが、皮下経路、皮内経路、静脈内経路、筋内経路、関節内経路、滑液嚢内経路、胸骨下経路(intrasternal)、リンパ管内経路、髄腔内経路、病巣内経路または頭蓋内経路を介して投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  17. MSCが、1種以上のさらなる治療剤と併用して投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  18. 患者が不応性関節リウマチを有し、100万個、200万個または400万個の増殖した脂肪由来間葉系幹細胞/kgの用量を1日目、8日目および15日目に静脈内投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
  19. 前記患者が、少なくとも1種の生物製剤治療、例えば表3に列記された生物製剤のうちのいずれか1種に対して不応性である、請求項18に記載の組成物、使用または方法。
  20. 少なくとも1種の生物製剤治療が、TNF-α阻害剤、任意によりアダリムマブ(ヒュミラ)、セルトリズマブ(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)、ゴリムマブ(シンポニー)、またはインフリキシマブ(レミケード)である、請求項19に記載の組成物、使用または方法。
  21. 前記患者が、少なくとも2種の生物製剤治療、例えば表3に列記された生物製剤のうちのいずれか2種に対して不応性である、請求項18〜20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記被験体が、少なくとも1種の生物製剤治療、任意によりTNF-α阻害剤に対して不応性であり、約0.5×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、またはより好ましくは約1×106細胞/kg〜約2×106細胞/kg、または約2×106細胞/kg以下、または最も好ましくは約1×106細胞/kgの用量を1日目、8日目および15日目に静脈内投与され、ここで、該用量は増殖した脂肪組織由来間質幹細胞を含む細胞の集団を含み、細胞のうちの過半数がCD59および/またはCD90を発現し、典型的には、集団内でのCD59および/またはCD90の発現が、50%超、65%超、または70%超、例えば65〜95%、または70〜90%である、被験体での関節リウマチを治療するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、使用または方法。
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