JP2016520293A - 細胞外核酸の安定化および単離 - Google Patents
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Abstract
Description
a)本発明の第一の態様で定義の方法に従って前記細胞含有生体試料を安定化するステップ;および
b)その安定化された試料から核酸を単離するステップ
を含む方法を提供する。
−アポトーシス阻害剤、
−抗凝固物質および
−式1に従う化合物
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む組成物を提供する。
−アポトーシス阻害剤、
−抗凝固物質および
−式1に従う化合物
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む容器を提供する。細胞含有生体試料、好ましくは血液試料を採集するための前記容器は、本発明の第三の態様による安定化組成物を含み得る。前記安定化組成物を含むそれぞれの容器、例えば試料採集チューブ、の提供には、その試料をそれぞれの容器に採集するやいなや直ちにその細胞含有生体試料を安定化するという利点がある。さらに、それぞれの試料採集容器、特に採血チューブは、血液試料に含有されている血球、細胞外核酸および必要に応じてウイルス、それぞれにウイルス核酸の安定化が可能である。
第一の態様に従って、細胞含有生体試料をブタンアミドと接触させることによる、細胞含有生体試料に含まれている細胞外核酸集団の好適な安定化方法を提供する。
と接触させる。
(1)アルキル:好ましくは、短鎖アルキル、特に線状および分岐C1−C5アルキル、または長鎖アルキル:線状および分岐C5−C20アルキル;
(2)アルケニル:好ましくは、C2−C6アルケニル;
(3)シクロアルキル:好ましくは、C3−C8シクロアルキル;
(4)アルコキシ:好ましくは、C1−C6アルコキシ;
(5)長鎖アルコキシ:好ましくは、線状および分岐C5−C20アルコキシ;
(6)アルキレン:好ましくは、2から18個の炭素原子を有し、必要に応じてヘテロ原子を含有する、二価線状または分岐脂肪族、環式脂肪族または芳香族炭化水素残基、例えば、メチレン;1,1−エチレン;1,1−プロピリデン;1,2−プロピレン;1,3−プロピレン;2,2−プロピリデン;ブタン−2−オール−1,4−ジイル;プロパン−2−オール−1,3−ジイル;1,4−ブチレン;1,4−ペンチレン;1,6−ヘキシレン;1,7−へプチレン;1,8−オクチレン;1,9−ノニレン;1,10−デシレン;1,11−ウンデシレン;1,12−ドセジレン;シクロヘキサン−1,1−ジイル;シクロヘキサン−1,2−ジイル;シクロヘキサン−1,3−ジイル;シクロヘキサン−1,4−ジイル;シクロペンタン−1,1−ジイル;シクロペンタン−1,2−ジイル;およびシクロペンタン−1,3−ジイルを含む群より選択されるもの;
(7)アルケンジイル:好ましくは、1,2−プロペンジイル;1,2−ブテンジイル;2,3−ブテンジイル;1,2−ペンテンジイル;2,3−ペンテンジイル;1,2−ヘキセンジイル;2,3−ヘキセンジイル;および3,4−ヘキセンジイルを含む群より選択されるもの;
(8)アルキンジイル:−C≡C−に等しいもの;
(9)アリール:好ましくは、300Da未満の分子量を有する芳香族から選択されるもの;
(10)アリーレン;好ましくは、1,2−フェニレン;1,3−フェニレン;1,4−フェニレン;1,2−ナフタレニレン(naphtthalenylene);1,3−ナフタレニレン(naphtthalenylene);1,4−ナフタレニレン(naphtthalenylene);2,3−ナフタレニレン(naphtthalenylene);1−ヒドロキシ−2,3−フェニレン;1−ヒドロキシ−2,4−フェニレン;1−ヒドロキシ−2,5−フェニレン;1−ヒドロキシ−2,6−フェニレンを含む群より選択されるもの;
(11)カルボキシレート:好ましくは、基−C(O)OR(ここでのRは、水素;C1−C6アルキル;フェニル;C1−C6アルキル−C6H5;Li;Na;K;Cs;Mg;Caから選択される);
(12)カルボニル:好ましくは、基−C(O)R(ここでのRは、水素;C1−C6アルキル;フェニル;C1−C6アルキル−C6H5およびアミン(アミドをもたらすもの)から選択され、前記アミンは、基:−NR’2(ここでの各R’は、水素;C1−C6アルキル;C1−C6アルキル−C6H5およびフェニルから独立して選択される)から選択され、ここで、両方のRがC1−C6アルキルを表す場合、それらはNC3からNC5複素環であって、他のアルキル鎖を形成するその環のアルキル置換基を有する複素環を形成することができる);
(13)アルキルシリル:好ましくは、基−SiR1R2R3(ここでのR1、R2およびR3は、互いに独立して、水素;アルキル;長鎖アルキル;フェニル;シクロアルキル;ハロアルキル;アルコキシ;長鎖アルコキシから選択される);
(14)アルキルシリルオキシ:好ましくは、基−O−SiR1R2R3(ここでのR1、R2およびR3は、互いに独立して、水素;アルキル;長鎖アルキル;フェニル;シクロアルキル;ハロアルキル;アルコキシ;長鎖アルコキシから選択される)。
a)ブタンアミド、好ましくは、前記細胞含有生体試料との混合物中のブタンアミドの濃度が0.25%(w/v)から7%(w/v)、0.4%(w/v)から5%(w/v)、0.5%(w/v)から4%(w/v)、0.75%(w/v)から3.5%(w/v)、または1%(w/v)から3%(w/v)の範囲に存する濃度でのブタンアミド;
b)少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤、好ましくは、汎カスパーゼ阻害剤、さらに好ましいQ−VD−OPh、好ましくは、前記細胞含有生体試料との混合物中のカスパーゼ阻害剤の濃度が0.5μMから30μM、さらに好ましい0.75μMから25μM、さらに好ましい1μMから10μMの範囲に存する濃度での前記カスパーゼ阻害剤;ならびに
c)必要に応じて、上で定義した式1に従う少なくとも1つの化合物(好ましい実施形態、例えばN,N−ジアルキルカルボン酸アミド、特にN,N−ジアルキルプロパンアミド、好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミド、ならびに好適および好ましい濃度は上に記載してある)、および/または
d)必要に応じて、さらなる添加剤、好ましくはキレート剤、最も好ましくはEDTA、好ましくは、前記細胞含有生体試料との混合物中のEDTAの濃度が1mMから50mM、好ましくは1.5mMから25mM、さらに好ましい2mMから20mMの範囲に存する濃度でのEDTA。
a)ブタンアミド、好ましくは、前記細胞含有生体試料との混合物中のブタンアミドの濃度が0.25%(w/v)から7%(w/v)、0.4%(w/v)から5%(w/v)、0.5%(w/v)から4%(w/v)、0.75%(w/v)から3.5%(w/v)、または1%(w/v)から3%(w/v)の範囲に存する濃度のブタンアミド;
b)少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマー;
c)必要に応じて、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤、好ましくは、汎カスパーゼ阻害剤、さらに好ましいQ−VD−OPh、好ましくは、前記細胞含有生体試料との混合物中のカスパーゼ阻害剤の濃度が0.5μMから30μM、さらに好ましい0.75μMから25μM、さらに好ましい1μMから10μMの範囲に存する濃度の前記カスパーゼ阻害剤;
d)必要に応じて、上で定義した式1に従う少なくとも1つの化合物(好ましい実施形態、例えばN,N−ジアルキルカルボン酸アミド、特にN,N−ジアルキルプロパンアミド、好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミド、ならびに好適および好ましい濃度は上に記載してある)および/または
e)必要に応じて、さらなる添加剤、好ましくはキレート剤、最も好ましくはEDTA。
第二の態様に従って、細胞含有生体試料から核酸を単離するための方法であって、
a)本発明の第一の態様に記載した方法に従って細胞含有試料を安定化するステップ;
b)安定化された試料から核酸を単離するステップ
を含む方法を提供する。
a)本発明の第一の態様に記載した方法に従って細胞含有試料に含まれている細胞外核酸集団を安定化するステップ;
b)細胞外核酸を単離するステップ
を含む。
さらに、本発明の第三の態様に従って、細胞含有生体試料を安定化するのに好適な組成物であって、ブタンアミドと、アポトーシス阻害剤、抗凝固物質および式1に従う化合物
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む組成物を提供する。
をさらに含む。好ましい実施形態は、安定化方法に関連して上に記載しており、それについては上記開示を参照し、その上記開示はここにも適用される。式1に従う化合物は、第一級、第二級または第三級カルボン酸アミドであることができる。好ましくは、式1に従う少なくとも1つの化合物は、N,N−ジアルキル−カルボン酸アミドである。好ましくは、毒性物質に分類されない、式1に従う化合物を使用する。1つの実施形態によると、前記組成物は、ブタンアミドおよびN,N−ジアルキルプロパンアミド、好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミドを含む。N,N−ジメチルプロパンアミドは、毒性物質に分類されない。さらに、N,N−ジメチルプロパンアミドには、細胞内核酸を安定化することが可能であり、特に、適切な濃度で使用すると転写産物プロファイルを安定化し得るという有利な効果がある。好ましくは、ブタンアミドと式1に従う化合物とを含む前記組成物は、さらにカスパーゼ阻害剤を含む。1つの実施形態によると、それは、少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマーをさらに含む。
i)前記組成物は、ブタンアミドを5%(w/v)から50%(w/v)、7.5%(w/v)から40%(w/v)、10%(w/v)から35%(w/v)、12.5%(w/v)から30%(w/v)、もしくは15%(w/v)から25%(w/v)の濃度で含む、
ii)前記組成物は、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤を含む
iii)前記組成物は、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN−N−ジメチルプロパンアミドを、2%から50%、3%から40%、3.5%から30%、4%から25%、4.5%から20%、もしくは5%から17.5%の濃度で含む、および/または
iv)前記組成物は、抗凝固物質を含む。
i)前記組成物は、ブタンアミドを5%(w/v)から50%(w/v)、7.5%(w/v)から40%(w/v)、10%(w/v)から35%(w/v)、12.5%(w/v)から30%(w/v)、もしくは15%(w/v)から25%(w/v)の濃度で含む、
ii)前記組成物は、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤、好ましくは汎カスパーゼ阻害剤、さらに好ましいQ−VD−OPhを含む;
iii)前記組成物は、少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマー、好ましくは、少なくとも1500の分子量、好ましくは2000から40000、さらに好ましい3000から20000、または4500から10000の範囲の分子量を有する少なくとも1つの高分子量ポリ(オキシエチレン)ポリマーを含む;
iv)前記組成物は、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN−N−ジメチルプロパンアミドを、2%から50%、3%から40%、3.5%から30%、4%から25%、4.5%から20%、もしくは5%から17.5%の濃度で含む、および/または
v)前記組成物は、抗凝固物質および/もしくキレート剤、好ましくはEDTAを含む。
第四の態様によると、本発明は、細胞含有生体試料および特に、細胞含有生体試料に含まれている細胞外核酸集団を安定化するための、ブタンアミドおよび好ましくは第三の態様による安定化組成物の使用に関する。特に、本発明の第一の態様による方法において安定化組成物を使用することができる。前記方法の詳細は上に記載しており、それについては上記開示を参照し、その上記開示はここにも適用される。さらなる態様によると、本発明は、細胞含有生体試料中の細胞および/またはトランスクリプトームを安定化するための、第三の態様による組成物の使用に関する。好ましくは、上に記載したように、前記組成物は、細胞含有生体試料が血液である場合、抗凝固物質を含み、それは、好ましい実施形態である。
本発明の第三の態様による安定化組成物を製造方法であって、前記安定化組成物の成分を混合して、好ましくは、溶液をもたらす製造方法をも提供する。
本発明の安定化組成物を試料採集デバイス、特に、採血アセンブリ、例えば採血容器に組み込み、それにより、新たな有用なバージョンのかかるデバイスを提供することもできる。かかるデバイスは、典型的に、開口端と閉鎖端を有する容器を含む。前記容器は、好ましくは、採血チューブである。前記容器タイプは、採集すべき試料にも依存し、他の好適な形式は下に記載する。
−アポトーシス阻害剤、
−抗凝固物質および
−式1に従う化合物
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む容器を提供する。
a)ブタンアミドであって、前記細胞含有生体試料を前記容器に採集するとき、得られる混合物中のブタンアミドの濃度が、少なくとも0.25%(w/v)、少なくとも0.3%(w/v)、少なくとも0.4%(w/v)、少なくとも0.5%(w/v)、少なくとも0.75%(w/v)または少なくとも1%(w/v)、少なくとも1.5%(w/v)、少なくとも1.75%(w/v)、少なくとも2%(w/v)または少なくとも2.5%(w/v)であるような濃度の、および好ましくは、前記得られる混合物が、0.25%(w/v)から15%(w/v)、0.5%(w/v)から12.5%(w/v)、0.75%(w/v)から10%(w/v)、0.8%(w/v)から9%(w/v)、0.9%(w/v)から8%(w/v)、1%(w/v)から7%(w/v)、1.1%(w/v)から6%(w/v)、1.2%(w/v)から6%(w/v)、1.3%(w/v)から5.5%(w/v)、1.4%(w/v)から5.25%(w/v)、1.5%(w/v)から5%(w/v)、1.75%(w/v)から4.75%(w/v)、2.0%(w/v)から4.5%(w/v)、2.2%(w/v)から4.25%(w/v)、2.3%(w/v)から4%(w/v)、2.4%(w/v)から3.75%(w/v)または2.5%(w/v)から3.5%(w/v)の範囲に存する濃度のブタンアミドを含むような濃度の、ブタンアミド;および
b)少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤であって、前記細胞含有生体試料を前記容器に採集するとき、得られる混合物中のカスパーゼ阻害剤の濃度が、少なくとも0.01μM、少なくとも0.1μM、少なくとも0.25μM、少なくとも0.5μM、少なくとも0.6μM、少なくとも0.7μM、少なくとも0.8μM、少なくとも0.9μMor少なくとも1μMであるような濃度の、および好ましくは、前記得られる混合物が、0.01μMから100μM、0.1μMから75μM、0.25μMから50μM、0.5μMから40μM、0.6μMから30μM、0.7μMから35μM、0.8μMから30μM、0.9μMから25μM、1μMから20μM、1.1μMから17.5μM、1.25μMから15μMまたは1.5μMから12.5μMの範囲に存する濃度のカスパーゼ阻害剤を含むような濃度での、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤。
c)式1に従う化合物、好ましくは、非毒性化合物、好ましくは、N,N−ジアルキルプロパンアミド、さらに好ましいN,N−ジメチルプロパンアミドであって、前記細胞含有生体試料を前記容器に採集するとき、得られる混合物中の式1に従う化合物の濃度が、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも1.25%または少なくとも1.5%であるような濃度の、および好ましくは、前記得られる混合物が、0.1%から30%、0.25%から20%、0.5%から15%、0.7%から10%、0.8%から7.5%、0.9%から6%、または1%から5%の範囲に存する濃度の式1に従う化合物を含むような濃度の、式1に従う化合物。
a)ブタンアミドであって、前記細胞含有生体試料を前記容器に採集するとき、得られる混合物中のブタンアミドの濃度が、少なくとも0.25%(w/v)、少なくとも0.3%(w/v)、少なくとも0.4%(w/v)、少なくとも0.5%(w/v)または少なくとも0.75%(w/v)であるような濃度の、および好ましくは前記得られる混合物が、0.1%から5%、0.2%から3.5%、0.3%から3%、0.5%から2.5%、および0.6%から2%−すべて(w/v)−の範囲に存する濃度のブタンアミドを含むような濃度の、ブタンアミド;および
b)少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤であって、前記細胞含有生体試料を前記容器に採集するとき、得られる混合物中のカスパーゼ阻害剤の濃度が、少なくとも0.01μM、少なくとも0.1μM、少なくとも0.25μM、少なくとも0.5μM、少なくとも0.6μM、少なくとも0.7μM、少なくとも0.8μM、少なくとも0.9μMまたは少なくとも1μMであるような濃度の、および好ましくは、前記得られる混合物が、0.01μMから100μM、0.1μMから75μM、0.25μMから50μM、0.5μMから40μM、0.6μMから30μM、0.7μMから35μM、0.8μMから30μM、0.9μMから25μM、1μMから20μM、1.1μMから17.5μM、1.25μMから15μMまたは1.5μMから12.5μMの範囲に存する濃度のカスパーゼ阻害剤を含むような濃度の、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤;および
c)少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマー。
第六の態様に従って、本発明の第五の態様による容器のチャンバーに患者からの細胞含有生体試料を直接採集するステップを含む方法を提供する。容器および細胞含有生体試料に関する詳細は上に記載した。それについてはそのそれぞれの開示を参照する。1つの実施形態によると、血液試料を採集し、好ましくは、それを患者から抜き取って容器に入れる。
とさらに接触させる。式1に従う化合物は、好ましくは第三級カルボン酸アミドであり、およびこの場合、好ましくは、式1に従う化合物は、N,N−ジアルキル−カルボン酸アミドである。式1に従う化合物は、好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、およびN,N−ジメチルプロパンアミドから成る群より選択される。式1に従う化合物は、好ましくはN,N−ジアルキルプロパンアミド、さらに好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミドである。式1に従う化合物は、好ましくは毒性物質でない。ブタンアミドに加えて、式1に従うかかる化合物およびカスパーゼ阻害剤を使用することが特に好ましい。
i)少なくとも0.01μM、少なくとも0.1μM、少なくとも0.25μM、少なくとも0.5μM、少なくとも0.6μM、少なくとも0.7μM、少なくとも0.8μM、少なくとも0.9μMまたは少なくとも1μMの濃度で、および/または
ii)0.01μMから100μM、0.1μMから75μM、0.25μMから50μM、0.5μMから40μM、0.6μMから30μM、0.7μMから35μM、0.8μMから30μM、0.9μMから25μM、1μMから20μM、1.1μMから17.5μM、1.25μMから15μMまたは1.5μMから12.5μMの範囲に存する濃度で
含む。
i)0.05%から4%(w/v)、0.1%から3%(w/v)、0.2%から2.5%(w/v)、0.25%から2%(w/v)、0.3%から1.75%(w/v)および0.35%から1.5%(w/v)の範囲に存する濃度で;および/または
ii)0.25%から1.5%(w/v)、0.3%から1.25%(w/v)、0.35%から1%(w/v)および0.4%から0.75%(w/v)の範囲に存する濃度で
含む。
i)少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも1.25%または少なくとも1.5%の濃度で、および/または
ii)0.1%から30%、0.25%から20%、0.5%から15%、0.7%から10%、0.8%から7.5%、0.9%から6%または1%から5%の範囲に存する濃度で
含む。
a)ブタンアミド;
b)少なくとも1つの汎カスパーゼ阻害剤;
c)必要に応じて、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN,N−ジアルキルカルボン酸アミド、さらに好ましいN,N−ジアルキルプロパンアミド;および
d)必要に応じて、抗凝固物質、好ましくはキレート剤、さらに好ましくはEDTA
と接触させ、および好ましくは、前記細胞含有試料を本明細書で定義するとおりの安定化組成物と接触させる。
a)ブタンアミド;
b)少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマー、好ましくはポリエチレングリコール;
c)必要に応じて、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤、好ましくは汎カスパーゼ阻害剤;
d)必要に応じて、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN,N−ジアルキルカルボン酸アミド、さらに好ましいN,N−ジアルキルプロパンアミド;および
e)必要に応じて、抗凝固物質、好ましくはキレート剤、さらに好ましくはEDTA
と接触させ、および好ましくは、前記細胞含有試料を本明細書で定義するとおりの安定化組成物と接触させる。
a)それは、体液、全血、血液に由来する試料、血漿、血清、リンパ液、尿、髄液、脳脊髄液、腹水、乳、糞便、気管支洗浄液、唾液、羊水、精液/精漿、スワブ/スミア、身体の分泌物、鼻分泌物、膣分泌物、創傷分泌物および排泄物ならびに細胞培養上清からなる群より選択される;
b)それは細胞枯渇体液または細胞含有体液である;
c)それは細胞含有体液である;
d)それは循環体液である;
e)それは血液、血漿、血清または尿から選択される;
f)それは血液である。
a)安定化された試料を核酸分析および/または検出方法に供する;
b)安定化された試料から細胞外核酸を単離する;
c)安定化された試料から細胞外核酸を単離し、単離された核酸を分析および/または検出する;
d)安定化された試料に含まれている細胞を除去する;
e)安定化された試料に含まれている細胞を除去した後、核酸の単離、分析および/または検出ステップを行う;
f)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から細胞外核酸を単離する;
g)(i)安定化された試料、(ii)細胞が除去された安定化された試料および/または(iii)試料から除去された細胞を保管する;
h)安定化された試料から細胞を除去し、廃棄する;および/または
i)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料から除去された細胞から核酸を単離する;
j)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から、サイズ選択的核酸単離方法を用いて細胞外核酸を単離する。
a)第一の態様による方法に従って細胞含有生体試料を安定化するステップ;および
b)その安定化された試料から核酸を単離するステップ
を含む、安定化された細胞含有生体試料から核酸を単離するための方法に特に関する。
a)第一の態様による細胞外核酸集団を安定化するための方法に従って細胞含有試料中の細胞外核酸集団を安定化するステップ;および
b)細胞外核酸を単離するステップ
を含む、安定化された細胞含有生体試料から細胞外核酸を単離するための方法を提供する。
a)安定化された試料を核酸分析および/または検出方法に供する;
b)安定化された試料から細胞外核酸を単離する;
c)安定化された試料から細胞外核酸を単離し、単離された核酸を分析および/または検出する;
d)安定化された試料に含まれている細胞を除去する;
e)安定化された試料に含まれている細胞を除去した後、核酸の単離、分析および/または検出ステップを行う;
f)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から細胞外核酸を単離する;
g)(i)安定化された試料、(ii)細胞が除去された安定化された試料および/または(iii)試料から除去された細胞を保管する;
h)安定化された試料から細胞を除去し、廃棄する;および/または
i)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料から除去された細胞から核酸を単離する;
j)安定化された試料から細胞を除去し、その安定化された試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から、サイズ選択的核酸単離方法を用いて細胞外核酸を単離する。
i)改変する;
ii)少なくとも1つの酵素と接触させる;
iii)増幅する;
iv)逆転写する;
v)クローニングする;
vi)配列決定する;
vii)プローブと接触させる;
viii)検出する;
ix)定量する;および/または
x)同定する。
i)それは単離される全核酸の一部分として含まれる;
ii)それはDNAとRNAの混合物である;
iii)それは主としてDNAを含む;
iv)それは主としてRNAを含む;
v)それは哺乳動物細胞外核酸を含む;
vi)それは循環細胞外核酸を含む;
vii)それは疾患関連核酸を含む;
viii)それは腫瘍関連核酸または腫瘍由来核酸を含む;
ix)それは炎症関連核酸を含む;
x)それはウイルス核酸を含む;
xi)それは病原体核酸を含む;および/または
xii)それは胎児核酸を含む。
i)それはDNAである;
ii)それはRNAである;
iii)それは哺乳動物細胞外核酸である;
iv)それは循環細胞外核酸である;
v)それは疾患関連核酸である;
vi)それは腫瘍関連核酸または腫瘍由来核酸である;
vii)それは炎症関連核酸である;
viii)それはウイルス核酸である;
ix)それは病原体核酸である;
x)それは胎児核酸である。
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む組成物に特に関する。
を含む。式1に従う化合物は、好ましくは第三級カルボン酸アミドであり、およびこの場合、好ましくは、式1に従う化合物は、N,N−ジアルキル−カルボン酸アミドである。式1に従う化合物は、好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、およびN,N−ジメチルプロパンアミドから成る群より選択される。式1に従う化合物は、好ましくはN,N−ジアルキルプロパンアミド、さらに好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミドである。式1に従う化合物は、好ましくは毒性物質でない。好ましくは、式1に従う化合物をカスパーゼ阻害剤およびブタンアミドと併用する。1つの実施形態によると、前記組成物は、少なくとも1つの抗凝固物質、好ましくはキレート剤を含む。
a)それは、細胞を安定させること、および細胞含有生体試料に含有されている細胞からその試料の無細胞部分へのゲノムDNAの放出を低減させることが可能である;
b)それは、安定化された試料中に存在する核酸、特にゲノムDNAの分解を低減させることが可能である;
c)それは、安定化された試料に含有されている細胞に由来するゲノムDNAでの、その生体試料に含まれている細胞DNA集団の汚染を低減または防止することが可能である;
d)それは、安定化された生体試料に含有されている細胞に由来する細胞内核酸での、その試料に含まれている細胞外核酸集団の汚染を低減または防止することが可能である;
e)前記安定化組成物は、添加剤を、前記添加剤が細胞溶解を誘導または促進する濃度で含まない;
f)前記安定化組成物は、タンパク質−DNA架橋および/またはタンパク質−タンパク質架橋を誘導する架橋剤を含まない;
g)前記安定化組成物は、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、またはホルムアルデヒド放出剤を含まない;
h)前記安定化組成物は、毒性物質を含まない;および/または
i)それは、細胞含有生体試料に含まれている細胞外核酸集団を、冷蔵せずに、好ましくは室温で、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも2日から3日、少なくとも2日から6日、および/または少なくとも2日から7日より選択される期間、安定化することが可能である。
− ブタンアミドを、i)少なくとも0.25%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも1.75%、少なくとも2%もしくは少なくとも2.5%の濃度で、および/またはii)0.25%から15%、0.5%から12.5%、0.75%から10%、1%から9%、1.25%から8%、1.5%から7%、1.75%から6%、1.8%から5.5%、1.9%から5.25%、2%から5%、2.1%から4.75%、2.2%から4.5%、2.3%から4.25%、2.4%から4%、2.5%から3.75%または0.75%から2%の濃度範囲で;
− カスパーゼ阻害剤を、存在する場合、i)少なくとも0.01μM、少なくとも0.1μM、少なくとも0.25μM、少なくとも0.5μM、少なくとも0.6μM、少なくとも0.7μM、少なくとも0.8μM、少なくとも0.9μMもしくは少なくとも1μMの濃度で、および/またはii)0.01μMから100μM、0.1μMから75μM、0.25μMから50μM、0.5μMから40μM、0.6μMから30μM、0.7μMから35μM、0.8μMから30μM、0.9μMから25μM、1μMから20μM、1.1μMから17.5μM、1.25μMから15μMまたは1.5μMから12.5μMの範囲に存する濃度で;
− 式1に従う化合物を、存在する場合、i)少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも1.25%もしくは少なくとも1.5%の濃度で、および/またはii)0.1%から30%、0.25%から20%、0.5%から15%、0.7%から10%、0.8%から7.5%、0.9%から6%、もしくは1%から5%の範囲に存する濃度で;および/または
− 抗凝固物質を、存在する場合、0.05mMから100mM、0.05mMから50mM、0.1mMから30mM、0.5mMから25mM、1mMから20mM、1.5mMから15mM、および2mMから10mMより選択される濃度範囲で
含む濃度で、前記安定化剤を含む。
i)前記組成物は、ブタンアミドを5%から50%、7.5%から40%、10%から35%、12.5%から30%、または15%から25%の濃度で含む、
ii)前記組成物は、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤を含む、
iii)前記組成物は、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN−N−ジメチルプロパンアミドを、2%から50%、3%から40%、3.5%から30%、4%から25%、4.5%から20%、または5%から17.5%の濃度で含む、および/または
iv)前記組成物は、抗凝固物質を含む。
a)それは、体液、全血、血液に由来する試料、血漿、血清、リンパ液、尿、髄液、脳脊髄液、腹水、乳、糞便、気管支洗浄液、唾液、羊水、精液/精漿、スワブ/スミア、身体の分泌物、鼻分泌物、膣分泌物、創傷分泌物および排泄物ならびに細胞培養上清からなる群より選択される;
b)それは細胞枯渇体液または細胞含有体液である;
c)それは細胞含有体液である;
d)それは循環体液である;
e)それは血液、血漿、血清または尿から選択される;
f)それは血液である。
a)少なくとも1つのアポトーシス(apoptose)阻害剤、好ましくはカスパーゼ阻害剤;および/または
b)式1に従う少なくとも1つの化合物
c)抗凝固物質、好ましくはキレート剤、さらに好ましくはEDTA
をさらに含む。
a)ブタンアミド;
b)少なくとも1つの汎カスパーゼ阻害剤;
c)必要に応じて、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN,N−ジアルキルカルボン酸アミド、さらに好ましいN,N−ジメチルプロパンアミド;および
d)必要に応じて、抗凝固物質、好ましくはキレート剤、さらに好ましくはEDTA
を含む。
実施例1では、EDTAで安定化した血液試料に対する単独でのまたはカスパーゼ阻害剤と組み合わせてのブタンアミドの安定化効果を試験し、リファレンスとしてのEDTAで安定化した血液と比較した。
2名の異なるドナーからの血液を10mL K2 EDTAチューブ(BD)に採集した。4.5mLのそれぞれに採集した血液を0.9mLの2つの異なる安定化溶液AおよびBと混合した。前記安定化溶液は、(1mLの安定化溶液あたり)以下のものを含有した:
血液が入っているチューブを4回反転させることによって、安定化血液試料および非安定化(EDTA)血液試料から血漿を生成した。次いで、それらのチューブを10分間、1900×gで、4℃で遠心分離した。2.5mLの血漿画分を新鮮な15mLファルコンチューブに移し、10分間、16,000×gで、4℃で遠心分離した。2mLのそれぞれに清澄化された血漿を、QIAamp循環核酸キット(QIAGEN)をその製造業者の指示にしたがって使用する細胞外核酸単離に使用した。
18SリボソームDNA:66bpアンプリコン
18SリボソームDNA:500bpアンプリコン
を標的にする2つの異なるqPCRアッセイを用いて分析した。
結果を図1および2に示す。異なるアンプリコン長の18S rRNA遺伝子を使用する異なる安定化溶液での時点0に対するDNAの増加(倍変化)を示す。バーは、条件および試験時点ごとの三重反復試料の平均値である。本発明による、したがってブタンアミドを含む、すべての安定化溶液は、3日間、室温での保管後、非安定化EDTA血液と比較して有意に少ない放出DNA量を示す。明らかなように、安定化溶液Aの添加は、被験試料において少なくとも3日間の安定化を達成した。安定化効果は、EDTAで安定化したリファレンス試料と比較して有意に改善された。3日間の安定化効果は、血液試料についての通例の配送/保管時間をカバーするので、多くの応用例に十分なものである。さらに、カスパーゼ阻害剤をさらに含む本発明による安定化溶液Bは、少なくとも6日間の長期安定化効果を達成した。さらに、数名の異なるドナーからの血液試料に対して安定化溶液を試験したとき、ブタンアミドとカスパーゼ阻害剤の組み合わせで達成される安定化効果は、達成される安定化効果に関してより少ない変動を示すことが判明した(データを示さない)。したがって、ブタンアミドとカスパーゼ阻害剤を併用したとき安定化が有意に改善した。
実施例2では、EDTAで安定化した血液試料に対する、カスパーゼ阻害剤と組み合わせたブタンアミドの安定化効果を試験し、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAA)と組み合わせたカスパーゼ阻害剤の安定化効果およびリファレンスとしてのEDTAで安定化した血液と比較した。
4名の異なるドナーからの血液を10mL K2EDTAチューブ(BD)に採集した。4.5mLの血液を0.9mLの異なる安定化溶液と混合し、これらの安定化溶液は(1mLの安定化溶液あたり)以下のものを含有した:
− 34.2mg K2EDTA
− 1.2μL キノリン−Val−Asp−CH2−OPH(カスパーゼ阻害剤)溶液(1mgを388μL DMSOに溶解)
− 0.15g、0.18gまたは0.21g ブタンアミドまたは0.3mL DMAA、それぞれ。
− 7.2 K2EDTA/mL
− 1μM キノリン−Val−Asp−CH2−OPH(カスパーゼ阻害剤)
− 2.5、3または3.5%(w/v)ブタンアミドまたは5%(v/v)DMAA、それぞれ。
実施例1に記載したように血漿を調製し、細胞外核酸を単離し、分析した。
4名の異なるドナーからのqPCR分析結果を図3から6に示す。異なるアンプリコン長の18SrRNA遺伝子を使用する、2.5%、3%および3.5%ブタンアミドまたは5%DMAAによる時点0に対するDNAの増加(倍変化)を示す。バー(barr)は、条件および試験時点ごとの三重反復試料の平均値である。使用したすべての安定化溶液が、3日間および6日間、室温での保管後、リファレンスのEDTA血液試料と比較して有意に少ない放出DNA量を示した。ブタンアミドの3つすべての被験濃度が、DMAAに少なくとも匹敵する安定化能、およびEDTA血液と比較して明白な利点を示した。DMAAは、特にカスパーゼ阻害剤と組み合わせた、血液試料のための安定剤である(未公開PCT/EP2012/070211およびPCT/EP2012/068850を参照されたい)。本実施例によって証明するように、ブタンアミドは、その安定化特性に関して少なくとも同等に有効である。さらに、ブタンアミドは毒性でなく、有害でも刺激性でもないので、ブタンアミドにはDMAAを超える有意な利点がある。したがって、本発明は、毒性でも有害でもない安定化組成物の提供を可能にする。これは、安定化組成物の取り扱い、ならびに使用者にとっての安定化された試料の取り扱いを簡単にする。
実施例3では、EDTAで安定化した血液試料に対するブタンアミド、カスパーゼ阻害剤およびN,N−ジメチルプロパンアミド(DMPA)の安定化効果を試験し、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAA)と組み合わせたカスパーゼ阻害剤の安定化効果およびリファレンスとしてのEDTA血液と比較した。
採血および血液安定化は、概して、実施例2に記載したとおり行ったが、異なる安定化溶液を使用した。血液/安定化混合物において、以下の最終濃度を用意した
− 7.2mg K2EDTA/mL(全試料)
− 1μM キノリン−Val−Asp−CH2−OPH(カスパーゼ阻害剤)(全試料)および
− 0.5%(w/v)ブタンアミドおよび2.5%(v/v)DMPA;または
− 1.5%(w/v)ブタンアミドおよび1.5%(v/v)DMPA;または
− 2%(w/v)ブタンアミドおよび1%(v/v)DMPA;または
− 5%(v/v)DMAA。
実施例1に記載したように血漿を調製し、細胞外核酸を単離し、分析した。
結果を図8から11に示す。異なるアンプリコン長の18SrRNA遺伝子に基づく本発明による安定化溶液(カスパーゼ阻害剤(1μM キノリン−Val−Asp−CH2−OPH)、および抗凝固物質としてのEDTAに加えて、(i)0.5%ブタンアミドおよび2.5%DMPA、(ii)1.5%ブタンアミドおよび1.5%DMPAまたは(iii)2%ブタンアミドおよび1%DMPAを含む)での時間ゼロに対するDNAの増加(倍変化)を示す。バーは、条件および試験時点ごとの三重反復試料の平均値を示す。本発明によるすべての安定化溶液は、3日間および6日間、室温での保管後、リファレンスのEDTA血液と比較して有意に少ない放出DNA量を示した。3つすべての被験濃度のブタンアミドが、DMPAとの組み合わせで、匹敵する安定化能(DMAAを含む安定化溶液と比較して)を示し、かつリファレンスのEDTA血液と比較して明白な利点を示した。ブタンアミドおよびDMPAの併用は、安定化効果を保持しながら、より低濃度のブタンアミドの使用を可能にする。これは利点である。なぜなら、ブタンアミドを高濃度で含む安定化溶液は、安定化組成物を低温で保管するとブタンアミドの沈殿を生じさせることがあるからである。したがって、ブタンアミドと式1に従う化合物、例えばDMPAとの併用は、より低い温度で配送することもできる、非常に有効な、保管安定なおよび特に温度安定な安定化組成物の提供を可能にする。かかる安定化組成物におけるブタンアミドとN,N−ジメチルプロパンアミドとの組み合わせは、達成される良好な安定化特性のため、およびさらにブタンアミドとN,N−ジメチルプロパンアミドの両方が毒性でないため、有利である。さらに、溶血に対する異なる安定化溶液の効果(血漿画分の赤色の増加として明らかである)を6日の保管後にそれらの安定化された試料の目視検査によって分析した。図11に示す結果は、溶血の防止が、4名すべてのドナーについてEDTA対照におけるものより本発明による安定化溶液でのほうが明白に良好であったこと、およびそれがDMAAで安定化した試料に匹敵したことを実証する。したがって、溶血を効率的に低減させ、防止することさえできる。
実施例4では、血液試料を安定化するために、異なる濃度のブタンアミドをカスパーゼ阻害剤と併用した。この場合もやはり、分析の焦点は、18S rDNAの増加を分析することによって決定されるような細胞外核酸集団の安定化であった。試料の安定化および処理は、実施例2に記載したように行った。血液試料に被験安定化溶液を添加したとき、血液/安定化溶液混合物において、以下の最終濃度を得た:
実施例5では、単独でのおよびDMAAと組み合わせたカスパーゼ阻害剤の、血液試料に対する安定化効果を明らかにする。
1.1 血漿の分離
全血から血漿を分離するために、血液試料を15分間、5000rpmで遠心分離し、得られた血漿試料を再び10分間、16,000×gで、4℃で遠心分離した。
得られた血漿試料から、QIAamp(登録商標)Circulating NA Kit(QIAGEN、ハンドブックに準拠)を使用して循環の細胞外核酸を精製した。簡単に言うと:
− 10mL 試料投入;
− 溶解:1mL プロテイナーゼKおよび8mL Buffer ACL(QIAGEN)
− 結合:18mL Buffer ACB(QIAGEN)
− 洗浄ステップ:ハンドブックに対する変更なしでハンドブックに準拠
− 60μL Buffer AVE(QIAGEN)で溶離
核酸精製後に得た溶離液は、すべての試料(第6/7日試料を含む)を精製するまで−20℃で保管した。その後、同じ条件の溶離液をプールし、次のように試験した:
− プライマー濃度を8μMから16μMに拡大した。
− アニーリング/伸長ステップを1分から2分に延長した。
(試料を増幅前に1:10希釈した)
続いて、行った実験に関する詳細を説明する。本実施例で用いた方法の詳細は、上の1のもとで記載した。
広域カスパーゼ阻害剤として作用する2つの異なるオリゴペプチド、Q−VD−OPhおよびZ−Val−Ala−Asp(OMe)−FMKを試験した:
溶離した循環無細胞DNAを、チップゲル電気泳動を用いてサイズにより分離した(方法に関する詳細については上を参照されたい)。図13は、得られた結果を示す。DMSO対照およびK2E血液(本発明の教示に従って処理していないもの)は、同じラダー様バンドパターンを示す。このパターンは、アポトーシスが起こる試料で発生する。アポトーシス中、エンドヌクレアーゼがゲノムDNAをヌクレオソーム間リンカー領域で分解し、約180bpのまたは180bpの倍数のDNA断片を生じさせる。したがって、アポトーシスは、明確なラダー様パターンを示す試料で発生する。さらに、パターンの強度(暗い色)が決め手となる。より暗いバンドほど、より多くのゲノムDNAが細胞から放出され、したがって細胞外核酸集団を汚染する。
溶離した循環無細胞DNAを、DNA分解に感受性であるリアルタイムPCRアッセイでも定量した(方法の詳細については実施例1を参照されたい)。図14は、室温で保管7日以内の細胞外核酸集団の安定化に対する被験カスパーゼ阻害剤の効果、ここではDNAの増加、を示す(18S DNAデュプレックスアッセイ)。
リアルタイムPCRおよびゲル電気泳動の結果を要約すると、Q−VD−OPhまたはZ−Val−Ala−Asp(OMe)−FMKの添加は、DNA断片化を阻害し、およびさらに、ゲノムDNAの血漿への放出を低減させることが実証された。したがって、全血へのカスパーゼ阻害剤の添加は、室温においてさえ試料および特に細胞外核酸集団の安定化に有効である。それ故、ブタンアミドとカスパーゼ阻害剤とを併用することが好ましい。組み合わせた両方の安定剤は、安定化効果を有意に改善し、延長する。したがって、ブタンアミドおよびカスパーゼ阻害剤の使用を含む本発明による安定化方法の使用は安定化を改善し、そして室温でさえ試料の質を危険にさらすことなく全血試料の配送を可能にする。より長い保管期間中にもゲノムDNAの放出を完全に防止するために、Q−VD−OPhの濃度を増加させてもよい。
2つの異なる濃度のDMAAをK2EDTAとともに試験し、単独のEDTA(K2E BD;18mg K2EDTA)と比較した。
図15は、血漿中のゲノムDNAの増加に対する被験濃度のDMAAの効果を示す。DMAAの添加は、血漿へのゲノムDNAの放出を有意に低減させる。全血に添加するDMAAが多いほど、放出されるDNAが少ない。DMAAを全血試料に添加した場合、保管3日以内に無細胞DNAのごく微量の増加が観察された。
10mL全血試料を先ずBD Vacutainer K2E−EDTA(4.45mM EDTA=リファレンス)に採集した。次いで、2mLの下記溶液を添加した(所与の濃度は、安定化された血液溶液中の最終濃度を表す)。各条件を異なるドナーからの6本のチューブで試験した。
2:50mg EDTA、1μM OPH;
3:50mg EDTA、2μM OPH;
4:50mg EDTA、1μM OPH、5%DMAA;
5:50mg EDTA、1μM OPH、10%DMAA;
6:50mg EDTA、2μM OPH、5%DMAA;
7:50mg EDTA;2μM OPHおよび10%DMAA。
細胞外核酸は、多くの場合、試料に非常に少量で含まれる。したがって、安定化された試料中の細胞外核酸を効率的に保存するばかりでなく、その後、その安定化された試料からの高収率での細胞外核酸の単離を可能にもする安定化手順を有することは、重要である。実施例5.(2.4)は、ホルムアルデヒド放出剤の使用を含まない安定化方法が、安定化された試料から細胞外核酸を高収率で単離することができる点で、先行技術の安定化方法より優れていることを実証する。これは、検出限界を有利に低下させ、したがって、細胞外核酸の集団内の希少な標的核酸も確実に決定できるようにする。
1.Cell−free RNA BCT(Streck Inc、カタログ番号218976−安定剤としてホルムアルデヒド放出剤を含む)
2.BD Vacutainer K2E(BD、カタログ番号367525−EDTAを含む)=リファレンス
3.QGN安定化(5%DMAA、14mM EDTA、2μM OPH(カスパーゼ阻害剤))
使用する略語:
BA:ブタンアミド
ccfDNA:循環の無細胞DNA
DMPA:ジメチルプロピオンアミド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
PEG:ポリエチレングリコール
別段の指示がない限り、実施例6では以下の手順に従った:
全血1mLにつき1.8mg K2EDTAを有する10mL噴霧乾燥EDTAチューブ(BD)に血液を採取した。採取後30分以内に、安定化試薬を直接添加するか、または安定化試薬を収容している新たなチューブにその血液をデカントした。チューブを10回反転させることによって血液と試薬を混合した。安定化された血液試料を直立に立てて室温で保管した。
全血試料を周囲温度で15分間、3,000rpm(1分あたりの分離(resolution per minute))で遠心分離した。清澄な血漿画分をピペッティングによって取り出し、新鮮な遠心分離チューブに移した。第二ラウンドでは、血漿試料を4℃で10分間、16,000×gで遠心分離した。上清を新たなチューブに写し、ccfDNAの精製に直接使用するか、または使用するまで−20℃で保管した。
「1mL、2mLまたは3mL血清または血漿からの循環核酸の精製」についてのプロトコルを用いて、QIAamp循環核酸キット(QIAGEN GmbH)で血漿からDNAを単離した。別段の明記がない限り、2mLの血漿をプロテイナーゼKおよび溶解緩衝液ACLと混合し、30分間、60℃でインキュベートし、緩衝液ACBと混合し、製造業者の推奨に従って、QIAvac 24 Plus真空マニホールドを使用してQIAamp Miniカラム(核酸を結合するためのシリカ固相を具備する)に結合させ、洗浄し、60μL溶離緩衝液AVEで溶離した。
単離された細胞外DNAを、3μLの溶離液を使用して、Abi Prism HT7900(Life technologies)でのリアルタイムPCRアッセイで分析した。QuantiTect Multiplex PCR Kit試薬(QIAGEN GmbH)を使用する20μLアッセイ体積で、ヒト18S rDNA遺伝子の2つの断片、66bp断片および500bp、をマルチプレックスPCRで増幅した。個々の試料のサイクル閾値(Ct値)を、gDNA標準曲線に従って溶離液中のgDNAの量に変換した:3000から0.3ゲノム当量に希釈したヒトゲノムDNA(1ゲノム当量は、約6.6pgのヒトゲノムDNAに等しい)を用いて作成した標準曲線との比較により完全定量を達成した。保管時点(一般に、採血後6日)のgDNA量を同じドナーからの時間ゼロのgDNAレベルと比較した。定量的リアルタイムPCR Targetによって検出された、使用したDNA標的配列に関する詳細は上の表2に要約してある。
血漿の溶血変色と線形相関があることが判っている414nmでの吸光度をspectramax光度計で測定した。
実施例6.1では、水不在下でBA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)と組み合わせた、異なる分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)の安定化効果を試験し、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)の組み合わせのアプローチと比較した。さらに、血漿試料中のかかる安定化混合物の溶血に対する効果を並行して測定した。EDTA血液試料は、非安定化リファレンス対照としての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、水を添加することなく異なる分子量のPEGを伴うまたは伴わないブタンアミド(BA)およびEDTAの混合物で安定化した。DMSOに溶解したカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)をピペッティングによって添加した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:100mg BA、132mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG(600、1000または3000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:250mg PEG(600、1000または3000)、100mg BA、132mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)(水なし)
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG(600、1000または3000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:2.5%(w/v)PEG(600、1000または3000)、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
採血後時点0(第0日)に対する室温で6日間保管した8名のドナーからの安定化血液または非安定化血液中の18S rDNA遺伝子の66bp断片および500bp断片のコピー数の平均変化(x倍変化)を8名の血液ドナーの各々について単一計算した。図21は、条件あたり8名のドナーからのコピー数の対応する平均倍変化を示すものである。すべての安定化組成物は、室温で6日間の保管後、非安定化対照(EDTA血液)と比較して、平均倍変化が有意により少ない増加なので、有意に少ない放出されたゲノムDNA量を示す。したがって、安定化効果は、6日というこの長い安定化期間全体にわたってでさえ達成された。図21は、血液試料をさらにポリエチレングリコールと接触させることが、達成される安定化効果を有意に改善したことを実証する。それ故、異なる分子量のPEGは、安定化効果の改善に非常に有効であった。平均倍変化の増加が一貫して2倍より低く、複数の実施形態において1倍より低いことさえあったからである。すなわち、第6日でのDNAレベルは、基礎時点(第0日)のものに匹敵する。
実施例6.2では、水不在下でEDTAとBAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせの安定化効果を試験し、異なる量(0.2g、0.3gまたは0.4g)の、600の分子量を有するPEG(PEG600)をさらに含む対応する組成物と比較した。EDTA血液は、非安定化リファレンスとしての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した6名のドナーからの10mL全血の試料を、水を添加することなく、異なる量の、600の分子量を有するPEG(PEG600)を伴うまたは伴わないブタンアミド(BA)およびEDTAの混合物で安定化した。さらに、DMSOに溶解したカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)をピペッティングによって添加した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を条件および試験時点ごとに三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。リファレンス対照として、EDTAで安定化した血液試料(さらなる添加剤なしでK2 EDTAチューブに採集したもの)も6日間、保管した。
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:100mg BA、182mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG600(0.2〜0.4g)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:200、300および400mg PEG600、100mg BA、188mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:1%(w/v)BA、20mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG600(0.2〜0.4g)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:2、3および4%(w/v)PEG600、1%(w/v)BA、20mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
平均倍変化として図示した6名の個々のドナーの試料からの定量的リアルタイムPCR解析の結果を図22に示す。0.2g、0.3gまたは0.4g PEG600による時間ゼロに対するDNA(66bp断片および500bp断片)の増加(平均倍増加)を示す。すべての被験安定化組成物は、室温で6日間の保管後、リファレンスのEDTA血液と比較して有意に低い放出DNA量を示した。その安定化効果は、細胞含有試料をポリエチレングリコールとさらに接触させると有意に改善した。3つすべてのPEGベースの安定化アプローチにおける両方の18S rDNAアンプリコンコピー数の平均倍変化は、PEGを含まない組成物(BA、EDTA、Q−VD−OPh)と比較して明らかに少なかった。x倍変化は、全ての場合、2倍より低かった。この実施例は、細胞外核酸集団を安定化するための、異なる量のポリエチレングリコールのさらなる使用が、カスパーゼ阻害剤およびブタンアミドで達成される安定化結果を有意に改善することを実証する。
実施例6.3では、水の存在下で採血管中に直接凍結乾燥させた、高分子量PEG(PEG3000)、EDTA、BAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)を含む試薬混合物の安定化効果を試験し、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)を含む溶液で同時に処理した試料と比較した。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、PEG3000を伴うまたは伴わないブタンアミド(BA)とEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。凍結乾燥のために、カスパーゼ阻害剤、EDTA、BAおよびPEGを含むすべての成分を水に溶解した。1mLの体積(最終濃度は下記参照)を5mLチューブの中でドライフリーザーEpsilon 2−25D(Christ GmbH)で凍結乾燥させた。K2EDTAチューブから、凍結乾燥させた安定化試薬を有する5mLチューブに血液を移し、チューブを10回反転させることによって安定化した。リファレンスとして、試薬を新たに調製し、DMSOに溶解したカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)をピペッティングによって添加した。
− 新たに調製したBA、EDTA、Q−VD−OPh:100mg BA、132mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− 新たに調製したPEG3000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:250mg PEG3000、100mg BA、132mg K2EDTA、10μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)(水なし)
− 凍結乾燥:125mg PEG3000、50mg BA、67.5mg K2EDTA、5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)を含有する0.5mLの安定化試薬
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG3000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:1%(w/v)PEG 3000、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
結果を図23に示す。18S rDNA遺伝子の異なるアンプリコン長に基づく、時間ゼロに対する採血6日後のDNAの増加(平均倍変化)を示す。この場合もやはり、これらの結果は、ポリエチレングリコールを安定化のためにさらに使用すると安定化効果が有意に改善すること、およびそれがBA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)で達成される安定化効果を増強することを実証する。また、試験した長期安定化期間(6日)中のx倍変化は2倍より低かった。さらに、この実施例は、これらの安定化組成物が新たに調製したものであってもよく、または凍結乾燥形態であってもよいことを実証する。
実施例6.4では、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)をさらに含む安定化水溶液中の異なる分子量を有するPEG(PEG300、PEG600、PEG1000)の安定化効果を試験し、BA、ジメチルプロピオンアミド(DMPA)、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)で共処理した試料と比較した。非安定化EDTA血液は、リファレンス対照としての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、異なる分子量のPEGを伴うまたは伴わない水溶液中のブタンアミドとEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG(300、600または1000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:287.5mg PEG(300、600または1000)、115mg BA、154.5mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG(300、600または1000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:2.5%(w/v)PEG、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
図24は、達成された安定化結果を示す。明らかなように、異なる分子量のPEGを含む水性安定化組成物は、ブタンアミドおよびカスパーゼ阻害剤で達成される安定化効果を増加させた。汚染するゲノムDNAの量の低減から分かるように、白血球の安定化が有意に改善された。これらの結果は、その安定化効果が使用するPEGの分子量の増加に伴って増加することも実証する。500bp断片の増加は、1000の分子量を有するポリエチレングリコールを使用すると2倍より下に低減された。
ここでは、安定化水溶液中の漸減PEG濃度(2%、1.5%、1%または0.7%)の安定化効果をブタンアミド、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで試験した。非安定化EDTA血液は、リファレンス対照としての役割を果たした。BAとEDTAとQ−VD−OPhとを含む組成物を並行して試験した。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、異なる濃度のPEG6000を伴うまたは伴わない水溶液中のブタンアミドとEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:110mg BA、147mg K2EDTA、11μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1mL
− PEG6000(2〜0.7%)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:220、165、110、77mg PEG6000、110mg BA、147mg K2EDTA、11μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、EDTA、Q−VD−OPh:1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000(2〜0.7%)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:2、1.5、1、0.7%(w/v)PEG6000、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
実施例6.5では、漸減濃度(decreasing concentration)のより分子量の高いPEG6000を、ブタンアミド、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤との組み合わせで利用したときの白血球の安定化に対するそれらの影響について試験した。図25は、定量的リアルタイムPCRによって18S rDNAの増加を分析することにより決定して、細胞外核酸集団の得られた安定化結果を図示するものである。PEGを含む本発明によるすべての安定化組成物は、室温で6日間の保管後、有意に少ない放出DNA量を示し、それによって、かかる長い安定化期間中、ブタンアミド、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤を含む安定化アプローチを改善する。さらに、明らかなように、高分子量ポリエチレングリコールを異なる濃度で使用して水溶液中の白血球を安定化することができ、それによってゲノムDNAでの細胞外核酸集団の汚染を低減させることができる。さらに、この場合もやはり、PEGはブタンアミドおよびカスパーゼ阻害剤の安定化効果を増加させ、それによって非常に有効な安定化アプローチを提供することが証明される。
実施例6.6では、異なる体積を有する安定化水溶液中のPEGを、EDTA、カスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)およびBAと組み合わせによる安定化効果を試験した。非安定化EDTA血液は、リファレンス対照としての役割を果たした。BAとDMPAとEDTAとQ−VD−OPhとを含む組成物を並行して試験した。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、異なる体積0.8mLおよび1.2mLを有する水溶液中のPEG6000とブタンアミドとEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:112mg PEG6000、56mg BA、150mg K2EDTA、2.23μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.2mLまたは0.8mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh 全量1.2mL:1%(w/v)PEG6000、0.5%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、1μM Q−VD−OPh
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh 全量0.8mL:1.04%(w/v)PEG6000、0.52%(w/v)BA、15.6mg/mL K2EDTA、1.03μM Q−VD−OPh
図26は、これらの安定化アッセイの結果である。採血後時点0(第0日)に対する、室温で6日間保管した安定化血液または非安定化血液中の異なる18S rDNA遺伝子アンプリコン(66bpまたは500bp)のDNAコピーのコピー数の平均変化(倍変化)を示す。本結果は、ポリエチレングリコールを異なるアミドと組み合わせて異なる体積の水溶液中の白血球を安定化することができ、それによって、細胞外核酸集団が細胞内核酸での希釈の防止により保護される、安定化された血液試料が得られることを実証する。
実施例6.7では、安定化水溶液中の安定化試薬の効果を溶血アッセイによって試験する。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、水を添加した、PEGを伴うまたは伴わないブタンアミドとEDTAとの混合物またはブタンアミドと併せたDMPAとEDTAとの混合物で安定化した。DMSOに溶解したカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)をピペッティングによって添加した。血漿を5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から直接生成した。残りの血液は、さらに3、6および10日間、室温で保管した後、血漿を生成した。分光光度計を用いて414nmでの吸光度を測定することによってヘモグロビン含有量を決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:137.5mg PEG6000、55mg BA、165mg K2EDTA、11μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.0mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:1.25%(w/v)PEG6000、0.5%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
図27は、8名の異なるドナーからの血漿試料における0、3、6および10日の保管後の溶血に対する効果を示す。図27は、8名のドナーからの溶血の平均増加を血漿画分における414nmでの吸光度の増加として図示する。
実施例6.8では、ccfDNAコピー数に対する異なる分子量のPEG(PEG300、PEG600、PEG1000、PEG3000)の使用の効果を、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで試験し、非安定化EDTA対照血液と比較する。BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)含有組成物を並行して試験した。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、漸増分子量(increasing molecular weight)のPEGを含む水溶液中のブタンアミドとEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで安定化した。採血の1時間後、5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を直接生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG(300、600、1000、もしくは3000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:287.5mL PEG300または287.5mg PEG(600,1000もしくは3000)、115mg BA、154.5mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG(300、600、1000、もしくは3000)、BA、EDTA、Q−VD−OPh:2.5%(v/vまたはw/v)PEG、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
8名の異なるドナーからの絶対定量的リアルタイムPCR分析の結果を図28に平均として示す。詳細には、採血後第0日の、ドナーの安定化血液試料または非安定化血液試料中の異なる18S rDNA遺伝子アンプリコン(66bpまたは500bp)のDNAの絶対コピー数の平均を示す。その目的は、シリカカラムベースの核酸単離手順を用いるときの、後の核酸収量に対する使用された安定化アプローチの効果を試験することであった。図28は、EDTAリファレンス試料(非安定化アプローチ)と比較して、またはBAとDMPAとEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)とを含有する安定化された血液溶液と比較して、より高分子量のPEGの添加が血漿中の検出可能アンプリコン遺伝子コピー数の低減をもたらしたことを示す。これらの結果は、安定化のための漸増分子量または漸増鎖長を有するPEGの使用が、より高濃度で使用すると、安定化された試料から細胞外核酸を単離するためにシリカカラムベースの核酸単離アプローチを用いる場合に血漿中の検出可能ccfDNA遺伝子コピー数の低減をもたらし得ることを示す。
実施例6.9では、異なる濃度(1.0%。1.25%または1.5%)のPEG6000を、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで試験した。EDTAは安定化血液試料、リファレンス対照としての役割を果たした。BA、DMPA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)含有血液混合物を並行して分析した。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、体積1.5mLから10mLの血液において、PEG6000を伴う(漸増濃度のPEGを用いて)または伴わないアミド(DMPAおよび/またはBA)とEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで安定化した。採血の1時間後、5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG6000(1〜1.5%)、BA、EDTA、Q−VD−OPh−全量1.5mL:115、144および172mg PEG6000、115mg BA、155mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh:1、1.25および1.5%(w/v)PEG6000、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
実施例6.9の結果を図29に示す。異なる濃度(1.0%、1.25%または1.5%)のPEG6000と、BAと、EDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)とを含む本発明による安定化組成物での、18S rDNA遺伝子の異なるアンプリコン長に基づく、8名のドナーから採血後第0日のccfDNAの絶対コピー数の平均減少を示す。図29は、PEGを含有する安定化された血漿中の18S rDNA遺伝子の66bp断片および500bp断片の絶対コピー数の低減が、PEG濃度依存的様式で起こることを示す。これは、安定化溶液中の、漸増濃度のより大きな分子量のPEG(PEG6000)が、シリカカラムベースの核酸単離アプローチを使用したときに血漿中の検出可能ccfDNA遺伝子コピー数の低減をもたらすことを実証する。
実施例6.10では、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで高分子量PEG(PEG6000)を含む異なる体積の水性安定化組成物の安定化効果を分析した。2つのアミド(DMPA、BA)と、EDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせを含む安定化溶液とともにインキュベートした血液を並行して分析した。EDTA血液は非安定化リファレンスとしての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、異なる体積の水溶液中の、PEG6000を伴うまたは伴わないアミド(DMPAおよび/またはBA)とEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせで安定化した。採血の1時間後、5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh−全量1mL:110mg PEG6000、110mg BA、147mg K2EDTA、11μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1mL
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh−全量1.5mL:115mg PEG6000、115mg BA、155mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh−全量2mL:120mg PEG6000、120mg BA、162mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh 全量1、1.5または2mL:1%(w/v)PEG6000、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
実施例6.10では、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との組み合わせでPEG6000を含む本発明による異なる体積(1mL、1.5mLまたは2mL)の安定化溶液を試験した。図30に示す結果は、安定化された試料中の2つの被験18S rDNA遺伝子の断片の絶対コピー数の低減が安定化試薬の体積に依存することを実証する。したがって、高分子量PEGを含有する安定化組成物の体積の増加(およびしたがって安定化組成物の血液に対する比の増加)は、血漿中の検出可能ccfDNA遺伝子コピー数の低減をもたらす。1mL安定化溶液について示した結果から明らかであるように、より少ない体積を使用するとコピー数は有意に低減されなかった。
実施例6.11では、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)を有する安定化水溶液と併せた高分子量PEG(0.5%PEG6000)と低分子量PEG(2.5%または5%PEG300)との組み合わせの安定化効果を分析した。2つのアミド(DMPA、BA)とEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物を含む安定化溶液とともにインキュベートした血液を共分析した。EDTA血液は、非安定化リファレンス対照としての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、1.5mLの体積を有する水溶液中のPEG300およびPEG6000、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− 0.5%PEG6000、2.5または5%PEG300、BA、EDTA、Q−VD−OPh−1.5mL:57.5mg PEG6000、287.5μLまたは575μL PEG300、115mg BA、155mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、PEG300、BA、EDTA、Q−VD−OPh−1.5mL:0.5%(w/v)PEG6000、2.5または5%(v/v)PEG300、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
図31は、8名のドナーからの、採血後時点0(第0日)に対する室温で6日間保管した前記ドナーからの安定化血液または非安定化血液中の被験66bpまたは500bp長18S rDNA遺伝子アンプリコンのコピー数の平均変化(x倍変化)としての、qPCR分析の結果を示す。非安定化EDTA血液対照はコピー数の平均倍変化の上昇を明らかにしたが、PEGを含有するすべての安定化組成物は、18S rDNA遺伝子アンプリコンコピー数の平均x倍変化に関して少ない増加しか示さなかった。これらの結果は、被験PEG含有安定化組成物の類似した安定化能を示す。達成される安定化は、BAとDMPAとEDTAとカスパーゼ阻害剤とを含む安定化組成物を増量させ、それにより、この場合もやはり、ポリエチレングリコールをさらに使用したときに達成される重要な利点を実証した。
実施例6.12では、安定化水溶液の効果を溶血アッセイによって試験した。ここでは、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)と組み合わせた、高分子量PEG(0.5%PEG6000)と低分子量PEG(2.5%または5%PEG300)との組み合わせを分析した。2つのアミド(DMPA、BA)とEDTAとカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物を含む安定化溶液とともにインキュベートした血液を共分析した。EDTA血液は、非安定化リファレンス対照としての役割を果たした。
10mL噴霧乾燥K2EDTAチューブに採集した8名のドナーからの10mL全血の試料を、1.5mLの体積を有する水溶液中のPEG300およびPEG6000、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)との混合物で安定化した。5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を直接生成した。残りの血液は、さらに6日間、室温で保管した後、血漿を生成した。分光光度計を用いて414nmでの吸光度を測定することによってヘモグロビン含有量を決定した。
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:180mg BA、180μL DMPA、68.4mg K2EDTA、12μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量2mL
− 0.5%PEG6000、2.5または5%PEG300、BA、EDTA、Q−VD−OPh:57.5mg PEG6000、287.5μLまたは575μL PEG300、115mg BA、155mg K2EDTA、11.5μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.5mL
− 非安定化:1.8mg/mL K2EDTA
− BA、DMPA、EDTA、Q−VD−OPh:1.5%(w/v)BA、1.5%(v/v)DMPA、7.2mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− PEG6000、PEG300、BA、EDTA、Q−VD−OPh:0.5%(w/v)PEG6000、2.5または5%(v/v)PEG300、1%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
図33は、採取後0日および6日の血液保管後の8名の異なるドナーからの血漿試料における溶血に対する、異なる分子量のPEGとBAとを含む分析した水溶液の効果を示す。図33は、0日および6日の血液保管後の血漿画分における414nmでの吸光度の増加として溶血の増加を示す。
真空にした採血チューブ(Alphaチューブ)に予め充填されたPEG6000、BA、EDTAおよびカスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)を含む安定化組成物を、安定剤としてのホルムアルデヒド放出剤の使用に基づく安定化組成物を含む市販のStreck Cell−Free DNA BCTチューブと比較した。
8名のドナーからの10mL全血の試料を、10mL噴霧乾燥K2EDTAに、PEG6000、EDTA、カスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)およびBAを含む本発明の安定化組成物量が予め充填されたAlphaチューブに、Streck Cell−Free DNA BCTチューブに採集した。5mLの安定化血液試料または非安定化血液試料から血漿を直接生成した。残りの血液は、さらに3、6および10日間、室温で保管した後、血漿を生成した。ccfDNAを2mL血漿から精製し、18S rDNA遺伝子のコピー数を三重反復でリアルタイムPCRによって決定した。
− EDTA−10mL噴霧乾燥EDTA、
− Alpha1−チューブ(PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh):137.5mg PEG6000、55mg BA、165mg K2EDTA、11μL Q−VD−OPh(1mgを388μL DMSOに溶解)、水で全量1.0mL
− Streck Cell−Free DNA BCTチューブ:安定剤としてのホルムアルデヒド放出剤を含む
− EDTAチューブ:1.8mg/mL K2EDTA
− Alpha1−チューブ(PEG6000、BA、EDTA、Q−VD−OPh):1.25%(w/v)PEG6000、0.5%(w/v)BA、15mg/mL K2EDTA、5μM Q−VD−OPh
− Streck Cell−Free DNA BCTチューブ:該当する濃度なし
結果を図34および35に示す。
8名の血液ドナーから採血後の時点0(第0日)に対する室温で3、6または10日間保管した8名のドナーからの安定化血液または非安定化血液中の18S rDNA遺伝子の66bp断片(図34)および500bp断片(図35)のコピー数の平均変改(x倍変化)を分析した。バーは、8名のドナーからのコピー数の平均倍変化の対応する標準偏差を条件ごとに示すものである。図34および35に示されるように、PEG6000、EDTA、カスパーゼ阻害剤(Q−VD−OPh)およびBAを含む両方の被験安定化組成物は、血液中の細胞外核酸集団の安定化に関して高度に効率的である。18S rDNAの66bp断片のコピー数の平均倍変化は、試験したすべての時点について、時点ゼロの基礎レベル(約1.0での倍変化)に留まった。図35は、18S rDNA遺伝子の500bp断片レベルについて同等の結果を示す、すなわち、細胞破壊中に放出される細胞核酸についての試験断片は、試験した時点にわたって時間点ゼロの状態に実質的に留まった。この安定化効果は、Streck Cell−Free DNA BCTチューブを使用した結果に匹敵した。したがって、本発明による安定化組成物は、ホルムアルデヒド放出剤を含むStreck Cell−Free DNA BCTチューブに類似して白血球からの細胞内核酸、例えば特にゲノムDNAの放出を低減させることにより血液試料中の細胞外核酸集団を効率的に安定化する。しかし、上に記載したように、ホルムアルデヒド放出物質の使用には、それらが核酸分子間またはタンパク質と核酸間の架橋の誘導により細胞外核酸単離の効力を弱めるので、欠点がある。それ故、特異的核酸単離方法を用いなければならない。かかる架橋物質の使用を含まない本発明による安定化組成物には、架橋ベースの安定化技術を超える重要な利点がある。
Claims (26)
- 細胞含有生体試料に含まれている細胞外核酸集団を安定化するための方法であって、該細胞含有生体試料をブタンアミドと接触させるステップを含む方法。
- 前記細胞含有生体試料をカスパーゼ阻害剤とさらに接触させる、請求項1に記載の方法。
- 前記細胞含有生体試料を、式1に従う少なくとも1つの化合物:
とさらに接触させる、請求項1または2に記載の方法。 - 式1に従う前記化合物が、N,N−ジアルキルプロパンアミド、好ましくはN,N−ジメチルプロパンアミドである、請求項3に記載の方法。
- 前記細胞含有生体試料を、安定化のために使用されるブタンアミドおよび必要に応じてさらなる添加剤と接触させた後、得られる混合物が、0.25%(w/v)から15%(w/v)、0.5%(w/v)から12.5%(w/v)、0.75%(w/v)から10%(w/v)、1%(w/v)から9%(w/v)、1.25%(w/v)から8%(w/v)、1.5%(w/v)から7%(w/v)、1.75%(w/v)から6%(w/v)、1.8%(w/v)から5.5%(w/v)、1.9%(w/v)から5.25%(w/v)、2%(w/v)から5%(w/v)、2.1%(w/v)から4.75%(w/v)、2.2%(w/v)から4.5%(w/v)、2.3%(w/v)から4.25%(w/v)、2.4%(w/v)から4%(w/v)、2.5%(w/v)から3.75%(w/v)または0.75%(w/v)から2%(w/v)の範囲の濃度でブタンアミドを含む、請求項1から4の一項以上、特に請求項2、に記載の方法。
- 安定化のために、前記細胞含有試料を、
a)ブタンアミド;
b)少なくとも1つの汎カスパーゼ阻害剤;
c)必要に応じて、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくは、N,N−ジアルキルカルボン酸アミド、さらに好ましいN,N−ジアルキルプロパンアミド;および
d)必要に応じて、抗凝固物質、好ましくはキレート剤、さらに好ましくはEDTA
を含む安定化組成物と接触させる、請求項2から5の一項以上に記載の方法。 - 前記安定化が、(i)添加剤の、該添加剤が有核細胞の溶解を誘導もしくは促進する濃度での使用を含まない、(ii)該安定化が、タンパク質−核酸架橋および/もしくはタンパク質−タンパク質架橋を誘導する架橋剤の使用を含まない、ならびに/または(iii)該安定化が、毒性物質の使用を含まない、請求項1から6の一項以上に記載の方法。
- 血液試料に含まれている細胞外核酸集団を安定化するために、該血液試料をブタンアミド、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤、式1に従う少なくとも1つの化合物、および抗凝固物質と接触させるステップを含み、該血液試料に含有されている細胞からの該血液試料の無細胞部分へのゲノムDNAの放出が低減される、請求項3から7の一項以上、特に請求項7から25の一項以上に記載の方法。
- 前記細胞含有生体試料を少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマーとさらに接触させる、請求項1から8の一項以上に記載の方法。
- 前記ポリ(オキシエチレン)ポリマーが、ポリエチレングリコールである、請求項9に記載の方法。
- 前記ポリ(オキシエチレン)ポリマーが、少なくとも1500の分子量、好ましくは、2000から40000、2500から30000、3000から20000、3500から15000、4000から10000、4500から9000、5000から8000、および5500から7000より選択される範囲の分子量を有する高分子量ポリ(オキシエチレン)ポリマーである、請求項9または10に記載の方法。
- 分子量が異なる少なくとも2つのポリ(オキシエチレン)ポリマーを安定化のために使用し、それらの分子量の差が、少なくとも100、好ましくは少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500である、請求項9から11の一項以上に記載の方法。
- 前記細胞含有生体試料を、1000以下の、好ましくは、100から800、150から700、200から600、および200から500より選択される範囲内の分子量を有する低分子量ポリ(オキシエチレン)とさらに接触させる、請求項11に記載の方法。
- 請求項1から13の一項以上に記載の方法であって、前記安定化の期間の後、
a)安定化された前記試料を核酸分析および/または検出法に供するステップ;
b)安定化された該試料から細胞外核酸を単離するステップ;
c)安定化された該試料から細胞外核酸を単離し、単離された該核酸を分析および/または検出するステップ;
d)安定化された該試料に含まれている細胞を除去するステップ;
e)安定化された該試料に含まれている細胞を核酸単離、分析および/または検出ステップを実行する前に除去するステップ;
f)安定化された該試料から細胞を除去し、安定化された該試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から細胞外核酸を単離するステップ;
g)(i)安定化された該試料、(ii)細胞が除去された安定化された該試料、および/または(iii)該試料から除去された細胞を保管するステップ;
h)安定化された該試料から細胞を除去し、廃棄するステップ;および/または
i)安定化された該試料から細胞を除去し、安定化された該試料から除去された細胞から核酸を単離するステップ;
j)安定化された該試料から細胞を除去し、安定化された該試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から、サイズ選択的核酸単離法を用いて細胞外核酸を単離するステップ
の1つ以上を含む、方法。 - 安定化された細胞含有生体試料から核酸を単離するための方法であって、
a)請求項1から14の一項以上に記載の方法に従って該細胞含有生体試料を安定化するステップ;および
b)核酸、特に細胞外核酸を単離するステップ
を含む方法。 - ステップa)およびステップb)の間に前記細胞含有生体試料から細胞を除去するステップを含み、かつステップb)が、安定化された前記試料の無細胞部分または細胞枯渇部分から細胞外核酸を単離することを含む、請求項15に記載の方法。
- 単離された前記細胞外核酸をさらなるステップc)において処理および/または分析する、好ましくは、
i)改変する;
ii)少なくとも1つの酵素と接触させる;
iii)増幅する;
iv)逆転写する;
v)クローニングする;
vi)配列決定する;
vii)プローブと接触させる;
viii)検出する;
ix)定量する;および/または
x)同定する、
請求項15または16に記載の方法。 - 細胞含有生体試料を安定化するのに好適な組成物であって、ブタンアミドと、アポトーシス阻害剤、抗凝固物質および式1に従う化合物
から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる添加剤とを含む組成物。 - カスパーゼ阻害剤および/もしくは式1に従う少なくとも1つの化合物
を含む、ならびに/または
少なくとも1つの抗凝固物質、好ましくはキレート剤を含む、
請求項18に記載の組成物。 - 請求項18または19に記載の組成物であって、以下:
a)細胞を安定化することおよび前記細胞含有生体試料に含有されている細胞から該試料の無細胞部分へのゲノムDNAの放出を低減させることが可能である;
b)安定化された該試料中に存在する核酸、特にゲノムDNA、の分解を低減させることが可能である;
c)安定化された該生体試料に含有されている細胞に由来するゲノムDNAでの該試料に含まれている細胞外DNA集団の汚染を低減させるまたは防止することが可能である;
d)安定化された該生体試料に含有されている細胞に由来する細胞内核酸での該試料に含まれている細胞外核酸集団の汚染を低減させるまたは防止することが可能である;
e)該安定化組成物が、添加剤を、該添加剤が細胞溶解を誘導または促進する濃度で含まない;
f)該安定化組成物が、タンパク質−DNA架橋および/またはタンパク質−タンパク質架橋を誘導する架橋剤を含まない;
g)該安定化組成物が、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド放出剤を含まない;
h)該安定化組成物が、毒性物質を含まない;および/または
i)該細胞含有生体試料に含まれている細胞外核酸集団を冷蔵せずに、好ましくは室温で、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも2日から3日、少なくとも2日から6日、および/または少なくとも2日から7日より選択される期間、安定化することが可能である;
の特徴の1つ以上を有する、組成物。 - 請求項18から20の一項以上に記載の組成物であって、以下;
i)該組成物が、ブタンアミドを5%(w/v)から50%(w/v)、7.5%(w/v)から40%(w/v)、10%(w/v)から35%(w/v)、12.5%(w/v)から30%(w/v)、または15%(w/v)から25%(w/v)の濃度で含む;
ii)該組成物が、少なくとも1つのカスパーゼ阻害剤を含む;
iii)該組成物が、式1に従う少なくとも1つの化合物、好ましくはN−N−ジメチルプロパンアミドを、2%から50%、3%から40%、3.5%から30%、4%から25%、4.5%から20%、または5%から17.5%の濃度で含む、および/または
iv)該組成物が、抗凝固物質を含む;
の特徴の1つ以上を有する、組成物。 - 少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)ポリマーを含む、請求項18から20の一項以上に記載の組成物。
- 前記ポリ(オキシエチレン)ポリマーが、ポリエチレングリコールである、請求項22に記載の組成物。
- 前記ポリ(オキシエチレン)ポリマーが、少なくとも1500の分子量、好ましくは、2000から40000、2500から30000、3000から20000、3500から15000、4000から10000、4500から9000、5000から8000、および5500から7000より選択される範囲の分子量を有する高分子量ポリ(オキシエチレン)ポリマーである、請求項22または23に記載の組成物。
- 分子量が異なる少なくとも2つのポリ(オキシエチレン)ポリマーを含み、該分子量の差が、少なくとも100、好ましくは少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500である、請求項22から24の一項以上に記載の組成物。
- 1000以下の分子量、好ましくは100から800、150から700、200から600、および200から500より選択される範囲の分子量を有する低分子量ポリ(オキシエチレン)をさらに含む、請求項24に記載の組成物。
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