JP2016516986A - 同軸イオンガイド - Google Patents

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Abstract

質量および/またはイオン移動度分析の方法を開示し、本方法は、環状または同軸イオントラップ(4)にイオンをトラップすることと、前記環状または同軸イオントラップ(4)から環状イオンガイド(3)内に前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出することとを含む。イオントラップ(4)にトラップされたイオンは、環状または同軸イオントラップの全周にわたって分布する。イオンがイオンガイドの長さの少なくとも一部に沿って進む時、環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きには制限がなく、またイオンは、イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年3月13日に出願の英国特許出願第1304521.6号および2013年3月13日に出願の欧州特許出願第13159069.7号に基づく優先権、およびその利益を主張する。これらの出願の内容全体を参照によって本明細書に援用する。
本発明は、質量および/またはイオン移動度分析の方法ならびに質量および/またはイオン移動度分析計に関する。
イオンをそのイオン移動度に応じて分離するイオン移動度セパレータが知られている。イオン移動度による分離のデューティサイクルを改善するために、イオンが、イオン移動度分析計またはセパレータ装置の上流にあるトラップ領域に蓄積されることがある。ドリフトチューブ内へ放出する前にすべてのイオンがこのトラップ領域に蓄えられるため、この上流にあるトラップ領域の空間電荷容量によって、イオン移動度分析計またはセパレータ装置の性能が最終的に決まり得る。トラップ領域に過量の電荷があると、下流にある分析計の性能に悪影響をもたらしかねない。例えば、装置の電荷容量を上回った場合、イオンがトラップ領域から失われることもある。RF閉じ込め場が与える閉じ込め力の性質に起因して、トラップ領域から失われたイオンの集団の一部において、望ましくない質量および/または電荷差別効果があることもある。加えて、空間内の電荷が互いに反発することにより、イオンが閉じ込め電極の近くに押されるため、分子イオンのフラグメンテーションがあり得る。
電荷容量を増やす1つの方法は、トラップ領域の軸方向の長さを延ばすことである。しかしながら、軸方向に延長されたイオンパケットがイオン移動度分析計またはセパレータ内に導入された場合、下流にあるイオン移動度分析計またはセパレータの分解能は、低下する。最高の性能は、好適には、イオン移動度による分離の前に装置内に導入されるイオンのパケットの実際の軸方向の分布が最小である場合に達成される。
したがって、改良された質量分析計および質量分析の方法を提供することが望まれている。
本発明の第1の実施態様によれば、質量および/またはイオン移動度分析の方法が提供され、
環状または同軸イオントラップにイオンをトラップすることであって、トラップされたイオンが環状または同軸イオントラップの全周にわたって分布する、トラップすることと、
前記環状または同軸イオントラップから環状イオンガイド内に前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出することであって、イオンが、イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離し、イオンがイオンガイドの長さの少なくとも一部に沿って進む時、環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きに制限がない、排出することと、
環状形状の断面を有するイオンビームから非環状形状の断面を有するイオンビームにイオンを変えることとを含む。
本発明が、環状または同軸イオントラップおよび環状イオンガイドを提供するため、イオンをトラップする容積ひいては電荷容量は、一般に実質的に円形の内側断面を有する従来型の装置よりも著しく増加する。本発明のトラップ用の幾何形状は、利用可能な空間電荷容量を最大化し、同軸イオンガイド内へ直接注入するのに好適な容積にイオン集団を調整する。
米国特許出願公開第2012/0153140号は、環状ドリフトチューブの上流に配置される環状ストレージ部を備えるイオン移動度分析計を開示している。動作中、イオンは、ストレージ部からドリフトチューブ内へとパルス状に送出され、次いで、イオンは、ドリフトチューブを通過するにつれて分離する。低分解能動作モードでは、イオンは、ドリフトチューブの出口に向けて進むと、ドリフトチューブの円弧状部内の電極によって閉じ込められる。しかしながら、この既知の装置には、いくつかの欠点がある。例えば、イオンが、ドリフトチューブに沿って進み、円弧状部内に閉じ込められると、イオンは、空間電荷効果を被る。また、ドリフトチューブの円弧状部内に入らない、環状ストレージ部にあるイオンは、装置から出ることができず、失われる。
米国特許出願公開第2010/0153140号によれば、イオンは、環状の導電性条片と出口開口を有する出口プレートとの間の電位差によって装置から引き出される。出口プレートからさらに離れたイオンは、出口プレートの近くのイオンよりも引き出し電場からの影響が少ない。引き出しプレートからより離れているイオンに対する引き出し電場が弱くなると、同じ移動度のイオンが装置を出るのにかかる時間は、変わり、装置を出るイオン移動度による分離の時間スケールおよび時間でみたイオン移動度ピーク幅よりも長いこともある。したがって、装置の分解能は、このような状況では劣悪になる。
米国特許出願公開第2010/0153140号はまた、イオンが螺旋状のポテンシャル障壁に対して駆動されて、イオンが、ドリフトチューブを通る螺旋状の経路を辿り、かつこの螺旋状の経路に沿って分離するようにする、高分解能動作モードを開示している。軸方向のイオン経路と比べて、螺旋状の経路では、装置の分解能を維持または改善するためには、装置に沿う電場を強くしなければならない。これは、螺旋状の経路がより長いためである。螺旋の分離方向における電場が電場の上限を超えなくとも、電場の軸方向成分が電場の上限を超えることがあり、異なる種のイオン移動度を変化させる。さらに、イオンがストレージ部の周りに均一に環状になって分布している場合、イオンがドリフトチューブ内へと軸方向にパルス状に引き出される時に、異なる環状の開始位置からのイオンは、装置軸に沿う異なる位置でらせん状のポテンシャル障壁に当たる。これは、イオンの初期の空間的な広がりを劇的に増加させ、装置の達成できる分解能に対して大きな影響を与え得る。
イオンは、好適には、イオントラップの周囲にわたって、および/またはイオンガイドの周りにランダムに分布する。
本方法は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、軸方向におよび/または径方向に、イオンを閉じ込めることを含む。
前記環状または同軸イオントラップは、好適には、複数の第1の電極を備え、また、前記方法は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、径方向にイオンを閉じ込めるために、RFまたはAC電圧を前記第1の電極に印加することをさらに含む。
イオンは、好適には、環状または同軸イオントラップおよび/またはイオンガイドにおける内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められ、また、RFまたはACポテンシャルは、好適には、前記イオンを径方向に閉じ込めるために、前記内側および外側電極に印加される。
イオンは、好適には、環状または同軸イオントラップおよび/またはイオンガイドにおける内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められ、内側および外側電極のそれぞれは、好適には、複数の軸方向に分離または分割された電極を備える。軸方向に隣り合う電極は、異なる位相、好適には、逆位相のRF電圧を供給されてもよい。
本方法は、前記環状または同軸イオントラップ内において、軸方向にイオンを閉じ込めるために、前記環状または同軸イオントラップの長手方向の軸方向に沿って、二次曲線DCポテンシャルまたは他のDCポテンシャル井戸を印加または維持することをさらに含んでもよい。
上述のように、イオンは、環状または同軸イオントラップにおける内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められてもよく、内側および外側電極のそれぞれは、複数の軸方向に分離または分割された電極を備えてもよい。これらの軸方向に分離または分割された電極には、長手方向の軸方向に沿って、二次曲線DCポテンシャルまたは他のDCポテンシャル井戸を形成するように、異なるDCポテンシャルを印加してもよい。
本方法は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、トロイダルイオントラップ領域内にイオンを閉じ込めることを含む。
本方法は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、衝突により、イオンを冷却すること、および/またはイオンの運動エネルギーを低減することを含む。
前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出するステップは、以下を含んでもよい:(i)前記環状または同軸イオントラップおよび前記環状イオンガイドの間において軸方向のDCおよび/またはRFポテンシャル障壁の振幅を減らすこと、またはこれを除去すること;および/または(ii)DCおよび/またはRF電圧の振幅を減らす、または変えること;および/または(iii)DCポテンシャル井戸または疑ポテンシャル井戸を下げる、除去する、または変えること;および/または(iv)DCポテンシャル井戸を引き出しDCポテンシャルに変えること。
前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出するステップは、好適には、環状または同軸イオントラップから、前記環状イオンガイドに沿って軸方向にイオンがパルス状に送出されるように、DC電場をパルス状にかけることを含んでもよい。
前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出するステップは、前記環状または同軸イオントラップに1つ以上の過渡DC電圧または電圧波形を印加することを含んでもよい。好適には、環状または同軸イオントラップは、一連の軸方向に分割または分離された電極を備え、また、1つ以上の過渡DC電圧または電圧波形を印加するステップは、電極のうちの連続する電極に1つ以上のDC電圧または電圧波形を印加することを含んで、イオンをイオントラップに沿って駆動して出すために、イオントラップに沿って進むポテンシャル障壁が、DC電圧によって形成されるようにする。
環状または同軸イオントラップは、第1の半径r1を有し、前記環状イオンガイドは、第2の半径r2を有する。ただし、r1>r2、r1=r2またはr1<r2である。
環状イオンガイドは、好適には、イオン移動度分析計またはセパレータを備え、イオンは、イオンガイドに沿って通過する際に、そのイオン移動度に従って分離される。イオンガイドは、好適には、ガスを含み、イオンは、ガスを介して駆動されて、イオンが、ガスを介したそのイオン移動度に従って分離するようにしてもよい。イオンは、イオン移動度分析計またはセパレータ内にパルス状に送出され、その中を進み、そして検出されてもよい。任意の所与のイオンが、分析計またはセパレータ内にパルス状に送出されてから検出されるまでの時間を使用して、イオンのイオン移動度を判定してもよい。
本方法は、前記環状イオンガイドの軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドに1つ以上の過渡DC電圧を印加することをさらに含んでもよい。好適には、イオンガイドは、一連の軸方向に分割または分離された電極を備え、また、前記イオンガイドに1つ以上の過渡DC電圧を印加するステップは、電極のうちの連続する電極に1つ以上のDC電圧を印加することを含んで、イオンをイオンガイドに沿って駆動するために、イオンガイドに沿って進むポテンシャル障壁が、DC電圧によって形成されるようにする。
本方法は、前記環状イオンガイドの軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドへの1つ以上の定常DC電圧、またはイオンガイドの少なくとも一部に沿う定常電位差を印加することをさらに含んでもよい。
本方法は、イオンを、前記環状イオンガイドの端部に向けてトンネルさせる(tunneled)、集束させる(funneled)または他の方法で収束させる(focused)ことを含んでもよい。
前記環状または同軸イオントラップの近位にある前記環状イオンガイドの第1の端部は、好適には、断面が環状のイオン閉じ込め領域を有し、前記イオンガイドの第2の遠位端部は、断面が非環状、円形、矩形またはその他である、イオン閉じ込め領域を有してもよい。イオンガイドを形成する電極は、好適には、イオンが、イオンガイドの環状の第1の端部から、断面が非環状、円形、矩形またはその他の形状である第2の遠位端部に送られるように配置および構成される。
本方法は、前記環状イオンガイドからのイオンを、イオントンネルイオンガイド、イオン集束イオンガイド、または多重極ロッドセットイオンガイド内に移動することを含んでもよい。
本方法は、イオンを円周方向に再度分布させ、円周方向に圧縮されたイオンビームを形成するために、前記環状イオンガイドの1つ以上の部分に1つ以上のDC電圧またはポテンシャルを印加することを含んでもよい。
本方法は、イオンを、イオンガイドの円周方向にわたって、イオンガイドの円周の一部だけに及んで延びるイオンガイドの円弧状部内に強制的に送り込むために、前記イオンガイドの少なくとも一部に1つ以上の電圧を印加することを含んでもよい。前記イオンガイドの少なくとも一部は、好適には、イオントラップの近位にある端部の反対側にある、イオンガイドの端部である。イオンは、好適には、イオンガイドの円弧状部内に圧縮され、次いで、下流にあるイオンガイド、分析計または検出器などの、下流の装置内に移動される。イオンをイオンガイドの端部で円弧状部内に圧縮することによって、イオンを、イオンを受けるのに非環状の断面を有する下流の装置内へと、より効率的に移動することができる。イオンは、好適には、イオンガイドの端部でのみ、円弧状部内に圧縮される。イオンガイドの円弧状部は、好適には、イオンガイドの円周の<75%、<50%、<30%、<20%、または<10%だけに及んで延びる。
イオンガイドは、好適には、イオンガイドの軸の周りに円周方向に配置される1つ以上の電極を備え、これらの電極に、イオンをイオンガイドの円周方向にわたって円弧状部内に駆動するように1つ以上の電圧を印加する。
複数の電極は、好適には、イオンガイドの軸の周りに円周方向に配置され、これらの電極に、イオンをイオンガイドの円周方向にわたって円弧状部内に駆動するように1つ以上の電圧を印加し;および/または抵抗性の被覆を有する電極を、イオンガイドの軸の周りに円周方向に配置してもよく、電極に、イオンをイオンガイドの円周方向にわたって円弧状部内に駆動するように1つ以上の電圧を印加してもよい。
好適には、イオンは、イオンガイドの環状領域において内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められる。好適には、複数の内側電極が、イオンガイドの軸の周りに円周方向に配置される、および/または複数の外側電極が、イオンガイドの軸の周りに円周方向に配置される。イオンをイオンガイドの円周方向にわたって円弧状部内に駆動するために、これらの内側および外側電極の一方または両方に電圧を印加する。
イオンを円弧状部内に駆動するために電極に印加された1つ以上の電圧は、好適には、DC電圧であるが、RF疑ポテンシャルであってもよい。
本方法は、イオンガイドの収束領域においてイオンを収束または圧縮することを含んでもよく、収束領域は、前記イオントラップの近位にある、前記環状イオンガイドの一部に対して減圧下で維持される。イオンが円弧状部内に圧縮される領域は、前記減圧下で維持されてもよい。
前記環状イオンガイドの一部は、好適には、円周方向に分割された内側電極および/または円周方向に分割された外側電極を備え、
前記方法は、前記分割された内側電極および/または前記分割された外側電極に異なるDCポテンシャルおよび/または異なるRF疑ポテンシャルを印加することによって、イオンを、好適には、イオンガイドの円弧状部内に、収束することを含んでもよい。
本方法は、前記環状イオンガイドの環状イオンガイド容積部の一部にイオンを閉じ込めるために、前記環状イオンガイドの一部に、ある角度の、または傾斜したDCポテンシャルまたはDC電場を印加することを含んでもよい。
本方法は、イオンガイドの円周の一部だけの周りに軸方向のポテンシャル障壁を印加することを含んで、イオンが、障壁が配置されている円周領域で、イオンガイドに沿って軸方向に通ることができないように、かつ、イオンが、障壁が配置されていないイオンガイドの円弧状部を通って、イオンガイドに沿って軸方向に通ることができるようにしてもよい。
ポテンシャル障壁は、好適には、イオンガイドの長手方向の軸に平行な方向および前記軸に直交する方向の間の角度で延び、その結果、イオンがイオンガイドに沿って軸方向に移動すると、障壁によってイオンガイドの円周方向にわたって円弧状部内に強制的に送り込まれる。
障壁は、好適には、イオンガイドを形成する電極にDCポテンシャルを印加することによって形成される。上述のように、イオンガイドの電極は、円周方向および/または軸方向に分割されてもよく、障壁を形成するために、これらの電極に異なるポテンシャルを印加してもよい。あるいは、障壁を形成するために、ACまたはRFポテンシャルを電極に印加してもよい。
環状または同軸イオントラップは、好適には、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状または同軸イオントラップ領域とを備える。代替的、または追加的に、環状イオンガイドは、好適には、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状イオンガイド領域とを備える。
環状イオンガイドは、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状イオンガイド領域とを備え、環状イオンガイド領域の半径は、イオントラップに近位のイオンガイドの端部からイオンガイドの反対側の端部への方向に、減少および/または増加してもよい。
前記環状イオンガイドを形成する複数の内側および外側電極の半径は、好適には、半径が減少するイオンガイド領域を形成するために、環状イオンガイドの軸方向の長さに沿って漸減する。あるいは、前記環状イオンガイドを形成する複数の内側および外側電極の半径は、好適には、半径が増加するイオンガイド領域を形成するために、環状イオンガイドの軸方向の長さに沿って漸増する。
前記環状イオンガイド内における環状イオンガイド領域の外径は、次第に先細になる、すなわち漸減してもよい。
本方法は、前記環状または同軸イオントラップを第1の圧力p1に維持することと、前記環状イオンガイドを第2の圧力p2に維持することとを含んでもよい。ただし、p1>p2、p1=p2またはp1<p2である。
本方法は、前記環状または同軸イオントラップ内に、イオンを軸方向および/または接線方向に注入することを含んでもよい。
本方法は、好適には、イオントラップの長手方向の軸に沿って、イオンをイオントラップ内に導入することを含む。
イオンは、好適には、イオンガイドを通してイオンガイドの軸方向に合わせた電場によって駆動され、好適には、この電場は、軸方向の成分のみを有し、径方向の成分は持たない。
本発明はまた、質量および/またはイオン移動度分析計を提供し、本分析計は、
イオンをトラップするように配置および適合される環状または同軸イオントラップと、
環状イオンガイドと、
制御システムであって、
(i)前記環状または同軸イオントラップにイオンをトラップし、イオントラップにトラップされたイオンを、環状または同軸イオントラップに全周にわたって分布させるように、また
(ii)前記環状または同軸イオントラップから前記環状イオンガイド内に、前記環状または同軸イオントラップ内の少なくとも一部のイオンを軸方向に排出させ、イオンがイオンガイドの長さの少なくとも一部に沿って進む時、環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きに制限がなく、またイオンは、イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離するように、配置および適合される制御システムとを備え、
分析計の電極構成が、環状形状の断面を有するイオンビームから非環状形状の断面を有するイオンビームにイオンを変えるように配置および構成される。
本分析計は、好適には、本明細書で説明する方法のうちの任意の1つを行うように配置および構成される。
環状または同軸イオントラップは、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、軸方向および/または径方向にイオンを閉じ込めるように配置および適合される。
前記環状または同軸イオントラップは、好適には、複数の第1の電極を備え、また、前記質量分析計は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、径方向にイオンを閉じ込めるために、前記第1の電極にRFまたはAC電圧を印加するように配置および適合される。
本分析計は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、トロイダルイオントラップ領域内にイオンを閉じ込めるように構成される。
環状または同軸イオントラップは、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、衝突により、イオンを冷却する、および/またはイオンの運動エネルギーを低減するように配置および適合される。
本分析計は、好適には、前記環状または同軸イオントラップ内において、軸方向にイオンを閉じ込めるために、前記環状または同軸イオントラップの軸方向に沿って、二次曲線DCポテンシャルまたは他のDCポテンシャル井戸を印加または維持するように配置および適合される装置を備えてもよい。
本制御システムは、以下によって、前記環状または同軸イオントラップから前記環状イオンガイド内にイオンを軸方向に排出させるように配置および適合されてもよい:(i)前記環状または同軸イオントラップおよび前記環状イオンガイドの間において軸方向のDCおよび/またはRFポテンシャル障壁の振幅を減らすこと、またはこれを除去すること;および/または(ii)DCおよび/またはRF電圧の振幅を減らす、または変えること;および/または(iii)DCポテンシャル井戸または疑ポテンシャル井戸を下げる、除去する、または変えること;および/または(iv)DCポテンシャル井戸を引き出しDCポテンシャルに変えること。
本制御システムは、好適には、前記環状または同軸イオントラップから前記環状イオンガイド内にイオンを軸方向に排出させるために、DC電場をパルス状にかけるように配置および適合される。
本制御システムは、前記環状または同軸イオントラップから前記環状イオンガイド内にイオンを軸方向に排出させるために、前記環状または同軸イオントラップに1つ以上の過渡DC電圧または電圧波形を印加するように配置および適合されてもよい。
環状または同軸イオントラップは、第1の半径r1を有し、前記環状イオンガイドは、第2の半径r2を有する。ただし、r1>r2、r1=r2またはr1<r2である。
環状イオンガイドは、好適には、イオン移動度分析計またはセパレータを備える。
本分析計は、好適には、前記環状イオンガイドの軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドに1つ以上の過渡DC電圧を印加するように配置および適合される装置を備える。
本分析計は、好適には、前記環状イオンガイドの軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドに1つ以上の定常DC電圧を印加するように配置および適合される装置を備える。
本分析計は、イオンを、前記環状イオンガイドの端部に向けてトンネル、集束または他の方法で収束させるように配置および適合される装置を備えてもよい。
前記環状または同軸イオントラップの近位にある前記環状イオンガイドの第1の端部は、断面が環状のイオン閉じ込め領域を有し、前記イオンガイドの第2の遠位端部は、断面が非環状、円形、矩形またはその他である、イオン閉じ込め領域を有してもよい。
本分析計は、前記環状イオンガイドからのイオンを、イオントンネルイオンガイド、イオン集束イオンガイド、または多重極ロッドセットイオンガイド内に移動するように配置および適合される装置を備えてもよい。
本分析計は、イオンを再度分布させ、圧縮されたイオンビームを形成させるために、前記環状イオンガイドの1つ以上の部分に1つ以上のDC電圧またはポテンシャルを印加するように配置および適合される装置を備えてもよい。
本分析計は、前記環状または同軸イオントラップの近位にある前記環状イオンガイドの一部に対して、前記イオンガイドのイオン収束領域の圧力を減らすように配置および適合される装置を備えてもよい。
前記環状イオンガイドの一部は、好適には、1つ以上の分割された内側電極および/または1つ以上の分割された外側電極を備え、前記制御システムは、好適には、前記1つ以上の分割された内側電極および/または前記1つ以上の分割された外側電極に、異なるDCポテンシャルおよび/または異なるRF疑ポテンシャルを印加することによってイオンを収束させるようにさらに配置および適合される。
前記制御システムは、前記環状イオンガイドの環状イオンガイド容積部の一部にイオンを閉じ込めるために、前記環状イオンガイドの一部に、ある角度の、または傾斜したDCポテンシャルまたはDC電場を印加するように配置および適合されてもよい。
前記環状または同軸イオントラップは、好適には、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状または同軸イオントラップ領域とを備える。
前記環状イオンガイドは、好適には、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状イオンガイド領域とを備える。
前記環状イオンガイドを形成する複数の内側電極の半径は、環状イオンガイドの軸方向の長さに沿って漸減してもよい。
前記環状イオンガイド内における環状イオンガイド容積部の外径は、次第に先細になる、すなわち漸減してもよい。
本分析計は、前記環状または同軸イオントラップを第1の圧力p1に維持し、前記環状イオンガイドを第2の圧力p2に維持するように配置および適合される装置を備えてもよい。ただし、p1>p2、p1=p2またはp1<p2である。
本分析計は、前記環状または同軸イオントラップ内に、イオンを軸方向および/または接線方向に注入するように配置および適合される装置を備えてもよい。
第2の実施態様によれば、本発明は、質量および/またはイオン移動度分析の方法を提供し、
環状または同軸イオントラップにイオンをトラップすることと、
前記環状または同軸イオントラップから環状イオンガイド内に前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出することとを含む。
イオンは、好適には、イオントラップの周囲にわたって、および/またはイオンガイドの周りにランダムに分布する。
本方法は、本発明の第1の実施態様に関連する上記の特徴のうちの任意の2つ以上のうちの任意の1つ、または任意の組み合せを含んでもよい。
イオントラップにトラップされたイオンは、好適には、環状または同軸イオントラップの全周にわたって分布する。
イオンがイオンガイドに沿って進む時、環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きには、好適には、制限がない。
イオンは、好適には、イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離する。
本方法は、好適には、環状形状の断面を有するイオンビームから非環状形状の断面を有するイオンビームにイオンを変えることを含む。イオンガイドは、イオンビームの形状をイオンガイドの出口に近づくにつれて変えるように構成されてもよい。
本発明の第2の実施態様によれば、さらに、質量および/またはイオン移動度分析計が提供され、本分析計は、
イオンをトラップするように配置および適合される環状または同軸イオントラップと、
環状イオンガイドと、
制御システムであって、
(i)前記環状または同軸イオントラップにイオンをトラップするように、また
(ii)前記環状または同軸イオントラップから環状イオンガイド内に、前記環状または同軸イオントラップ内の少なくとも一部のイオンを軸方向に排出させるように、
配置および適合される制御システムとを備える。
本分析計は、好適には、本明細書で説明する方法のうちの任意の2つ以上のうちの任意の1つ、または任意の組み合せを行うように配置および構成される。
例えば、イオンガイドの電極は、イオンビームの形状を、環状形状の断面から非環状形状の断面を有するイオンビームへと、イオンガイドの出口に近づくにつれて変えるように配置および構成されてもよい。
本発明の別の実施態様によれば、RF閉じ込め同軸イオンガイドまたは同軸イオントラップ内にイオンを蓄積および注入する方法が提供され、
(a)イオンがランダムに分布する、トロイダルイオントラップまたはイオントラップ領域を備える環状容積部にイオンを蓄積することと、
(b)緩衝ガスとの衝突によって、蓄積されたイオンの集団を冷却すること、または運動エネルギーを減らすことと、
(c)蓄積されたイオンを環状体として同軸幾何形状イオンガイド内に排出することとを含む。
本方法は、本発明の第1の実施態様に関連する本明細書に説明する特徴のうちの任意の2つ以上のうちの任意の1つ、または任意の組み合せを含んでもよい。
トロイダルイオントラップは、好適には、同軸イオンガイドと同じ構造の一部である。
同軸イオンガイドは、イオン移動度分析計またはセパレータ(「IMS」)分離装置を備えてもよい。
排出は、パルス状のDC加速電場を迅速に印加することによって達成されてもよい。
排出は、進行DC波または1つ以上の過渡DC電圧波を印加することによって達成されてもよい。
実施形態によれば、本分析計は、
(a)以下からなる群から選択されるイオン源:(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源;(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源;(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源;(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源;(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源;(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源;(vii)シリコン上での脱離イオン化(「DIOS」)イオン源;(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源;(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源;(x)電界イオン化(「FI」)イオン源;(xi)電界脱離(「FD」)イオン源;(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源;(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源;(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源;(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源;(xvi)ニッケル63放射線イオン源;(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源;(xviii)サーモスプレーイオン源;(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源;(xx)グロー放電(「GD」)イオン源;(xxi)インパクターイオン源;(xxii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン源;(xxiii)レーザースプレーイオン化(「LSI」)イオン源;(xxiv)ソニックスプレーイオン化(「SSI」)イオン源;(xxv)マトリックス支援入口イオン化(「MAII」)イオン源;および(xxvi)溶媒支援入口イオン化(「SAII」)イオン源;および/または
(b)1つ以上の連続またはパルス状のイオン源;および/または
(c)1つ以上のイオンガイド;および/または
(d)1つ以上のイオン移動度分離装置および/または1つ以上の非対称電界イオン移動度分析計装置;および/または
(e)1つ以上のイオントラップまたは1つ以上のイオントラップ領域;および/または
(f)以下からなる群から選択される1つ以上の衝突セル、フラグメンテーションセルまたは反応セル:(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーション装置;(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーション装置;(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーション装置;(iv)電子捕獲解離(「ECD」)フラグメンテーション装置;(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーション装置;(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーション装置;(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーション装置;(viii)赤外線誘起解離装置;(ix)紫外線誘起解離装置;(x)ノズル・スキマーインターフェースフラグメンテーション装置;(xi)インソースフラグメンテーション装置;(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーション装置;(xiii)熱源または温度源フラグメンテーション装置;(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置;(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置;(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーション装置;(xvii)イオンイオン反応フラグメンテーション装置;(xviii)イオン分子反応フラグメンテーション装置;(xix)イオン原子反応フラグメンテーション装置;(xx)イオン準安定イオン反応フラグメンテーション装置;(xxi)イオン準安定分子反応フラグメンテーション装置;(xxii)イオン準安定原子反応フラグメンテーション装置;(xxiii)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオンイオン反応装置;(xxiv)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオン分子反応装置;(xxv)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオン原子反応装置;(xxvi)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオン準安定イオン反応装置;(xxvii)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオン準安定分子反応装置;(xxviii)イオンを反応させて、付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するためのイオン準安定原子反応装置;および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーション装置;および/または
(g)以下からなる群から選択される質量分析計:(i)四重極質量分析計;(ii)2Dまたはリニア四重極質量分析計;(iii)ポールまたは3D四重極質量分析計;(iv)ペニングトラップ質量分析計;(v)イオントラップ質量分析計;(vi)磁場セクター質量分析計;(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析計;(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析計;(ix)静電場またはオービトラップ質量分析計;(x)フーリエ変換静電場またはオービトラップ質量分析計;(xi)フーリエ変換質量分析計;(xii)飛行時間型質量分析計;(xiii)直交加速飛行時間型質量分析計;および(xiv)直線加速飛行時間型質量分析計;および/または
(h)1つ以上のエネルギー分析部または静電場エネルギー分析部;および/または
(i)1つ以上のイオン検出器;および/または
(j)以下からなる群から選択される1つ以上のマスフィルタ:(i)四重極マスフィルタ;(ii)2Dまたはリニア四重極イオントラップ;(iii)ポールまたは3D四重極イオントラップ;(iv)ペニングイオントラップ;(v)イオントラップ;(vi)磁場セクターマスフィルタ;(vii)飛行時間型マスフィルタ;および(viii)ウィーンフィルタ;および/または
(k)イオンをパルス状に送出する装置またはイオンゲート;および/または
(l)実質的に連続なイオンビームをパルス状のイオンビームに変える装置をさらに備えてもよい。
本分析計は、以下のいずれかをさらに備えてもよい。
(i)Cトラップおよびオービトラップ(登録商標)質量分析計であって、外側樽状電極と、同軸内側紡錘状電極とを備え、第1の動作モードでは、イオンがCトラップに送られた後、オービトラップ(登録商標)質量分析計内に注入され、第2の動作モードでは、イオンがCトラップに送られた後、衝突セルまたは電子移動解離装置に送られ、少なくとも一部のイオンが、フラグメントイオンにフラグメント化され、次いで、フラグメントイオンが、オービトラップ(登録商標)質量分析計内に注入される前に、Cトラップに送られる、Cトラップおよびオービトラップ(登録商標)質量分析計;および/または
(ii)積層リング構造イオンガイドであって、使用の際、イオンを通して送る開口をそれぞれが有する複数の電極を備え、電極の間隔が、イオン経路の長さに沿って増加し、イオンガイドの上流部における電極の開口が、第1の直径を有し、イオンガイドの下流部における電極の開口が、第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、使用の際、連続する電極に逆位相のACまたはRF電圧が印加される、積層リング構造イオンガイド。
本分析計は、電極にACまたはRF電圧を供給するように配置および適合される装置を備えてもよい。ACまたはRF電圧は、好適には、以下からなる群から選択される振幅を有する:(i)<50Vピークトゥピーク;(ii)50〜100Vピークトゥピーク;(iii)100〜150Vピークトゥピーク;(iv)150〜200Vピークトゥピーク;(v)200〜250Vピークトゥピーク;(vi)250〜300Vピークトゥピーク;(vii)300〜350Vピークトゥピーク;(viii)350〜400Vピークトゥピーク;(ix)400〜450Vピークトゥピーク;(x)450〜500Vピークトゥピーク;および(xi)>500Vピークトゥピーク。
ACまたはRF電圧は、好適には、以下からなる群から選択される周波数を有する:(i)<100kHz;(ii)100〜200kHz;(iii)200〜300kHz;(iv)300〜400kHz;(v)400〜500kHz;(vi)0.5〜1.0MHz;(vii)1.0〜1.5MHz;(viii)1.5〜2.0MHz;(ix)2.0〜2.5MHz;(x)2.5〜3.0MHz;(xi)3.0〜3.5MHz;(xii)3.5〜4.0MHz;(xiii)4.0〜4.5MHz;(xiv)4.5〜5.0MHz;(xv)5.0〜5.5MHz;(xvi)5.5〜6.0MHz;(xvii)6.0〜6.5MHz;(xviii)6.5〜7.0MHz;(xix)7.0〜7.5MHz;(xx)7.5〜8.0MHz;(xxi)8.0〜8.5MHz;(xxii)8.5〜9.0MHz;(xxiii)9.0〜9.5MHz;(xxiv)9.5〜10.0MHz;および(xxv)>10.0MHz。
好適な実施形態は、イオンの蓄積、および同軸RF閉じ込めイオンガイド内へのイオンのパルスまたはパケットの注入の改良された方法に関する。
好適な実施形態によれば、同軸イオンガイドと類似または同じ径方向の寸法のトロイダルイオントラップ領域は、第1のトラップに提供され、イオン集団を調整し、次いで、イオンの残りの環状体をイオンガイド内へと迅速に注入してもよい。トラップされたイオンは、好適には、全トロイダル容積部を満たすことができる。
トロイダルトラップ幾何形状は、好適には、利用可能な空間電荷容量を最大化し、同軸イオンガイド内へ直接注入するのに好適な容積にイオン集団を調整する。
好適な実施形態では、同軸RF閉じ込めイオンガイドは、好適には、イオン移動度分析計またはセパレータを備え、ここでは、イオンが、DC電場あるいは1つ以上の過渡DC電圧またはDC進行電圧波を用いて、入口から出口端部に駆動される。
ここで、本発明の様々な実施形態を、単に例として、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態によるトロイダルイオントラップ領域を示す図である。 上流トロイダルイオントラップ領域を含む同軸イオン移動度分析計を示す図である。ここでは、イオンがイオントラップ領域に閉じ込められている。 トロイダルイオントラップ領域を含む同軸イオン移動度分析計を示す図である。ここでは、イオンが、イオントラップ領域からイオン移動度分析計内に放出されている。 イオンガイドの出口でイオンを収束させる、実施形態を示す図である。 イオンガイドの出口でイオンを収束させるように配置される実施形態の断面図である。 同軸イオンガイドが先細にされる、別の実施形態を示す図である。
図1は、本発明の実施形態によるトロイダルイオントラップ領域の斜視図を示している。イオントラップは、好適には、内側の一式の軸方向に分離される電極2と、外側の一式の軸方向に分離される電極1とを備え、これらがともに、環状イオントラップ容積部3を画定する。RF周波数ACポテンシャルまたは電圧の互いに逆の位相が、好適には、内側2および外側1の電極アレイの軸方向に交互となる電極に印加されて、環状イオントラップ容積部3内において径方向にイオンを閉じ込めるように作用する、環状疑ポテンシャルトラップ領域が形成されるようにする。
図1にはまた、電気ポテンシャルのプロットを、イオントラップの軸方向の長さに沿う距離の関数として示し、好適には、内側の電極アレイ2および外側の電極アレイ1上にある電極のサブセットに印加される、軸方向のDCトラップポテンシャルの好適な形態を示している。トラップポテンシャルを形成するように、異なる軸方向の電極に異なるDCポテンシャルを印加してもよい。軸方向DCトラップポテンシャルは、イオンに対して軸方向に閉じ込め力を提供する。イオンは、外部イオン源から、トラップ領域3内に注入されてもよい。トラップ領域では、イオンは、好適には、外側電極1および内側電極2の間に、疑ポテンシャル井戸によって径方向に閉じ込められ、さらに好適には、DCポテンシャル井戸によって軸方向に閉じ込められる。トラップされたイオンは、好適には、バックグラウンドガスとの衝突に起因して、運動エネルギーが減らされる(すなわち、冷却される)。イオン雲4は、好適には、図示のように、環状またはトロイダルトラップ容積部の周りでランダムな位置を取る。
図2には、図1に示すタイプの上流イオントラップ領域を組み込む、同軸イオン移動度分析計またはセパレータ(「IMS」)ドリフトチューブを備える、本発明の実施形態の側面図が示されている。内側電極2および外側電極3は、好適には、図示のように、径方向にイオンを閉じ込める。これは、内側2および外側3電極にRF電圧を印加することによって達成される。図1を参照して説明したように、イオンは、最初、装置の入口端部でトロイダルトラップ領域にトラップされる。十分なイオンが蓄積された時、イオンは、トラップ領域4からIMSドリフトチューブ内へとパルス状に送出される。イオンは、ドリフトチューブを横切り、自身のイオン移動度に応じて分離する。ドリフトチューブを出た後にイオンを検出してもよいし、任意の所与のイオンのパルス送出から検出までの時間をそのイオンのイオン移動度の計算に用いてもよい。好適には、イオンは、トラップ領域4からドリフトチューブ内へと周期的にパルス状に送出される。イオンは、好適には、任意の2つの引き続くイオンパルスの間の期間に、すなわち、直前のイオン集団がイオンガイドを横切る時間の間に、トラップ領域4に蓄積される。
図2にはまた、電気ポテンシャルのプロットを、装置に沿う距離の関数として示す。DCポテンシャルを実線で示す。イオンは、装置に入り、そして好適には、DC障壁を印加することによって、イオンガイド領域内に進めないようにされる。これにより、イオントラップ領域4にイオンをトラップさせる。先にトラップされて放出されたパケットからのイオンは、好適には、点線で示されている、イオンをイオンガイドを通して駆動させる、DC進行波または1つ以上の過渡DC電圧を印加することによって、イオンガイド内を駆動される。これらのイオンは、好適には、そのイオン移動度の順に分離および溶離する。
図3は、図2と同じ装置を、蓄積されたトロイダルイオンパケットがイオンガイド内に放出される期間において示す。この時、トラップ領域4のDC障壁は低減され、イオンのパケットをイオンガイド内へと駆動するために、第2のDC過渡波(点線で示す)がイオントラップ領域4にある電極に印加されている。次いで、イオンは、図2に関して説明したように、DC過渡波によってイオンガイドを通して駆動される。イオンがイオンガイド内へとパルス状に送出されると、DC障壁が再印加または再設され、さらなるイオンが、好適には、蓄積される。このようにして、高デューティサイクルおよび高感度で、高い電荷密度を実現することができる。
代替的な実施形態によれば、トラップ領域4は、同じ圧力にある同じ装置の一部ではなく、別個の装置を備えてもよく、イオンガイドとは異なる圧力に保持されてもよい。トラップ領域およびイオンガイドの間に作動排気開口を設けて、これを可能にしてもよい。
進行DC電圧または1つ以上の過渡DC電圧波ではなく、DC電圧勾配でイオンが駆動され得ることが企図される。
環状ガイドの円周に対して接線方向に、または代替的に、長手方向の軸に沿って、トラップ領域4内にイオンを導入してもよい。
装置の出口でイオンを収束させる方法もまた本明細書で企図されている。本発明は、イオンのパケットを同軸イオンガイド内に導入し、その内部で分離すると同時に、全環状容積部内にイオンを分布させることによって高空間電荷容量を維持する。そして、しばしば、好適な装置を他の下流装置と接続することが望ましい。特に、下流装置は、環状イオンガイドと同じ断面形状を有していないこともあり、したがって、同軸イオンガイドをこれらの下流装置に繋ぐ方法は、特に有利である。例えば、同軸イオン移動度分析計またはセパレータ装置内においてイオンが分離したならば、分離したイオンは、実質的に円形の内部断面を有する従来型のイオンガイドに向けられてもよい。
これを達成する1つ方法は、装置の出口に向けて内部環状断面の直径を減らすことである。例えば、内側および外側電極の直径を装置の出口に向けて減らしてもよい。装置の出口において内側電極の直径を実質的にゼロに減らしてもよい。
代替的な方法が開示され、これは、装置の寸法を物理的に変えることに依らない。この方法は、この部分のイオンがより小さい円弧状トラップ領域を占めるように再分布されるように、イオンが進む主方向に対して実質的に直交方向に作用する、DC電場勾配を同軸イオンガイドの一部に印加することを含む。DC電場は、好適には、イオンがこの領域に入ると、イオンが、非同軸幾何形状を有する装置内へのその後の移動に好適な体積または断面積へと圧縮されるように、イオンが向けられるように配置される。装置の周りに円周方向に離間した2つ以上の別個の円弧状部に配置されるように、この技法により、イオンを再配置してもよい。このことは、例えば、同軸イオンガイドの出口で異なる下流装置へイオンを送るのに有用であり得る。
図4は、y、z平面における同軸イオンガイドを表現したものを外側電極1および内側電極2とともに示している。トラップされたイオンの位置4は、先述のように、トロイダルトラップ領域5に示されている。イオンは、好適には、イオントラップ領域5からイオンガイドまたはイオン移動度分析計または分離領域6内に注入され、イオンガイドの軸方向の長さに沿ってz方向に進む。トラップ5およびイオンガイド領域6を通じて、イオンは、内側2および外側1電極の間の環状容積部において実質的にランダムに分布する。次いで、イオンは、好適には、収束領域7に入り、ここで、環状容積部の下部部分から上部部分へとイオンを強制的に送り込むために、DCポテンシャルは、好適には、y方向に印加される。この再分布は、イオンが装置のz軸に沿って進むにつれて起こる。イオンは、環状体ではなく、装置の円弧状部内へと圧縮されたビームとして装置を出て、したがって、イオンを、従来型のイオンガイド8内に効率的に向けることができる。
上述のように、DC電場または進行波によってz方向にイオンを駆り立ててもよい。
収束領域7は、イオンガイド6の一部を備えてもよく、また、同じ圧力で保持されてもよく、あるいは代替的に、異なる圧力に保持される、作動排気開口によって隔てられた別個の領域であってもよい。領域の圧力が異なる場合、例えば、IMSセル6の圧力が2mbarであり、収束領域7の圧力が0.005mbarである場合、収束領域7のイオンは、IMSピーク幅または形状の著しい変形を伴うことなく、環状トラップ容積部の所望の領域にある位置に迅速に移動する。
図5は、y、z平面における、図4の収束領域7を通る断面を示している。内側2および外側電極1のそれぞれは、好適には、セグメント対9、10、11、12、13に分かれている。これらの電極のそれぞれに印加される相対的なポテンシャルは、ポテンシャル対セグメント番号のプロット上に示されている。セグメントに印加されるポテンシャルは、セグメント番号が増加するにつれて、減少することが分かる。換言すると、セグメントに印加されるポテンシャルは、装置の円周の周りにおいて、装置の一方の側にある最大値から、装置の反対側にある最小値まで漸減する。これにより、イオンを、装置の周りに円周方向に、最大ポテンシャルの領域から最小ポテンシャルの領域に強制的に送るポテンシャルの差が設定されるようにする。したがって、イオンは、装置の円弧状部において、最小ポテンシャルを中心とする、圧縮されたビームの形態を取る。この構成は、イオンが容易に引き出され得る、イオンガイドの環状容積部の小さい領域に、イオンを再分布させる駆動力をもたらす。
同様の効果をもたらす他の電極構成も企図されている。この技法を用いて、環状トラップ容積部の他の領域または複数の領域にイオンを強制的に送ることも可能である。上述のDCポテンシャル勾配以外の駆動力を利用してもよい。例えば、電極にRF電圧を印加してもよく、また、RF電圧の振幅は、異なるセグメントでは異なって、疑ポテンシャル駆動力をもたらしてもよい。
装置における所望の円周位置にイオンを駆動するための別の方法は、装置の収束領域7内に傾斜したDC障壁が形成されるように、分割された電極に1つ以上のポテンシャルを印加することである。この障壁を超えることができないイオンは、引き出し領域に向かう軸方向の駆動力によって、障壁に沿って移動するように駆り立てられる。図6は、そのような実施形態を表現したものを示しており、引き出し領域7の前の環状トラップ領域の半径を減らすように先細にされた同軸イオンガイド6を示している。説明のために、イオン経路を表したものとともに、引き出し領域7におけるDC障壁14が示されている。イオンは、好適には、この障壁に沿って出口まで駆動される。障壁は、装置の上部円弧状部における動きを除いて、イオンの軸方向の動きを阻止する。イオンが装置に沿って強制的に送り込まれると、イオンは、上部円弧状部に向けて、障壁に乗り上げる。次いで、イオンはこの上部円弧状部内に圧縮される。上部円弧状部には障壁がないため、イオンは、圧縮されたイオンビームで装置の出口に進むことができ、このことは、引き続き引き出しおよび別の装置内への送達に有用であり得る。
好適な実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲において説明する本発明の範囲から逸脱することなく、形態および細部における様々な変更をなし得ることを理解するはずである。
例えば、イオン移動度分析計を形成するものとして環状イオンガイドを本明細書で説明してきたが、本発明の利点はまた、環状イオンガイドが他のタイプの装置の一部を形成する場合にも提供される。特に、本構成はまた、他の装置において空間電荷効果を避けるのに有利である。

Claims (29)

  1. 質量および/またはイオン移動度分析の方法であって、
    環状または同軸イオントラップにイオンをトラップすることであって、前記トラップされたイオンが前記環状または同軸イオントラップの全周にわたって分布する、トラップすることと、
    前記環状または同軸イオントラップから環状イオンガイド内に前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出することであって、前記イオンが、前記イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離し、前記イオンが前記イオンガイドの長さの少なくとも一部に沿って進む時、前記環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きに制限がない、排出することと、
    環状形状の断面を有するイオンビームから非環状形状の断面を有するイオンビームに前記イオンを変えることと、
    を含む、方法。
  2. 前記イオンが、前記イオントラップの前記周囲にわたって、および/または前記イオンガイドの周りにランダムに分布する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記イオンが、前記環状または同軸イオントラップおよび/または前記イオンガイドにおける内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められ、また、RFまたはACポテンシャルが、前記イオンを径方向に閉じ込めるために、前記内側および外側電極に印加される、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記イオンが、前記環状または同軸イオントラップおよび/または前記イオンガイドにおける内側および外側電極の間に径方向に閉じ込められ、前記内側および外側電極のそれぞれが、複数の軸方向に分離または分割された電極を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、前記環状または同軸イオントラップ内において、軸方向にイオンを閉じ込めるために、前記環状または同軸イオントラップの長手方向の軸方向に沿って、二次曲線DCポテンシャルまたは他のDCポテンシャル井戸を印加または維持することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記環状または同軸イオントラップ内において、衝突により、イオンを冷却すること、および/またはイオンの運動エネルギーを低減することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出するステップが、(i)前記環状または同軸イオントラップおよび前記環状イオンガイドの間において軸方向のDCおよび/またはRFポテンシャル障壁の振幅を減らすこと、またはこれを除去すること;および/または(ii)DCおよび/またはRF電圧の振幅を減らす、または変えること;および/または(iii)DCポテンシャル井戸または疑ポテンシャル井戸を下げる、除去する、または変えること;および/または(iv)DCポテンシャル井戸を引き出しDCポテンシャルに変えることを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出する前記ステップが、好適には、前記環状または同軸イオントラップから、前記環状イオンガイドに沿って軸方向にイオンがパルス状に送出されるように、DC電場をパルス状にかけることを含み、
    前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出する前記ステップが、前記環状または同軸イオントラップに1つ以上の過渡DC電圧または電圧波形を印加することを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記環状イオンガイドが、イオン移動度分析計またはセパレータを備え、前記イオンが、前記イオンガイドに沿って通過する際に、そのイオン移動度に従って分離される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記環状イオンガイドの軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドに1つ以上の過渡DC電圧を印加することを含み、
    前記環状イオンガイドの前記軸方向の長さに沿ってイオンを駆り立てるために、前記環状イオンガイドに1つ以上の定常DC電圧、または前記イオンガイドの少なくとも一部に沿って定常電位差を印加することを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、イオンを、好適には前記イオンが軸方向に分離した後、前記環状イオンガイドの端部に向けてトンネル、集束または他の方法で収束させることを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記環状または同軸イオントラップの近位にある前記環状イオンガイドの第1の端部が、断面が環状のイオン閉じ込め領域を有し、前記イオンガイドの第2の遠位端部が、断面が非環状、円形、矩形またはその他である、イオン閉じ込め領域を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 環状形状の断面を有するイオンビームから前記イオンを変える前記ステップが、環状形状の断面を有するイオンビームから実質的に円形、矩形または正方形の形状の断面を有するイオンビームに前記イオンを変えることを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法であって、イオントンネルイオンガイド;イオン集束イオンガイド;多重極ロッドセットイオンガイド;質量分析器;マスフィルタ;飛行時間型質量分析計;質量分析計;非環状形状の断面を有するイオンガイド領域で前記イオンを受ける装置;または実質的に円形、正方形または矩形形状の断面を有するイオンガイド領域で前記イオンを受ける装置のうちの1つの中に前記環状イオンガイドからイオンを移動することを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法であって、イオンを円周方向に再度分布させ、円周方向に圧縮されたイオンビームを形成するために、前記環状イオンガイドの1つ以上の部分に1つ以上のDC電圧またはポテンシャルを印加することを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、イオンを、前記イオンガイドの円周方向にわたって、前記イオンガイドの前記円周の一部だけに及んで延びる前記イオンガイドの円弧状部内に強制的に送り込むために、前記イオンガイドの少なくとも一部に1つ以上の電圧を印加することを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記イオンガイドが、前記イオンガイドの前記軸の周りに円周方向に配置される1つ以上の電極を備え、これらの電極に、イオンを前記イオンガイドの円周方向にわたって前記円弧状部内に駆動するように1つ以上の電圧が印加される、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項16または17のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記イオンガイドの前記軸の周りに複数の電極が円周方向に配置され、イオンを前記イオンガイドの円周方向にわたって前記円弧状部内に駆動するように1つ以上の電圧が、これらの電極に印加される;および/または
    抵抗性の被覆を有する電極が、前記イオンガイドの前記軸の周りに円周方向に配置され、イオンを前記イオンガイドの円周方向にわたって前記円弧状部内に駆動するように、前記電極に1つ以上の電圧が印加される、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法であって、前記イオンガイドの収束領域においてイオンを収束または圧縮することを含み、前記収束領域が、前記イオントラップの近位にある、前記環状イオンガイドの一部に対して減圧下で維持される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記環状イオンガイドの一部が、円周方向に分割された内側電極および/または円周方向に分割された外側電極を備え、前記方法が、前記分割された内側電極および/または前記分割された外側電極に異なるDCポテンシャルおよび/または異なるRF疑ポテンシャルを印加することによって、イオンを、好適には、前記イオンガイドの円弧状部内に、収束することをさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法であって、前記イオンガイドの前記円周の一部だけの周りに軸方向のポテンシャル障壁を印加することを含んで、イオンが、前記障壁が配置されている前記円周領域で、前記イオンガイドに沿って軸方向に通ることができないように、かつ、イオンが、前記障壁が配置されていない前記イオンガイドの円弧状部を通って、前記イオンガイドに沿って軸方向に通ることができるようにする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ポテンシャル障壁が、前記イオンガイドの長手方向の軸に平行な方向および前記軸に直交する方向の間の角度で延び、その結果、前記イオンが前記イオンガイドに沿って軸方向に移動すると、前記障壁によって前記イオンガイドの円周方向にわたって前記円弧状部内に強制的に送り込まれる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記環状イオンガイドが、複数の内側電極および複数の外側電極と、前記内側および外側電極の間に環状イオンガイド領域とを備え、前記環状イオンガイド領域の半径が、前記イオントラップに近位の前記イオンガイドの端部から前記イオンガイドの反対側の端部への方向に、減少および/または増加する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法であって、前記イオントラップの長手方向の軸に沿って、イオンを前記イオントラップ内に導入することを含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記イオンが、前記イオンガイドを通して前記イオンガイドの前記軸方向に合わせた電場によって駆動され、好適には、前記電場が、前記軸方向の成分のみを有し、径方向の成分は持たない、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法であって、動作のサイクルを繰り返し行うことを含み、動作の各サイクルが、
    前記イオントラップにトラップされたイオンを前記イオンガイド内へと軸方向に排出することと、
    前記軸方向に排出されるイオンを前記イオンガイド内で分離させるとともに、前記イオントラップに異なるイオンを蓄積およびトラップすることと、
    を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 質量および/またはイオン移動度分析計であって、
    イオンをトラップするように配置および適合される環状または同軸イオントラップと、
    環状イオンガイドと、
    制御システムであって、
    (i)前記環状または同軸イオントラップにイオンをトラップし、前記イオントラップにトラップされたイオンを、前記環状または同軸イオントラップに全周にわたって分布させるように、また
    (ii)前記環状または同軸イオントラップから前記環状イオンガイド内に、前記環状または同軸イオントラップ内の少なくとも一部のイオンを軸方向に排出させ、前記イオンがイオンガイドの長さの少なくとも一部に沿って進む時、前記環状イオンガイドの周囲にわたるイオンの動きに制限がなく、また前記イオンが、前記イオンガイドに沿って進むにつれて、軸方向に分離するように、
    配置および適合される制御システムと、
    を備え、
    前記分析計の前記電極構成が、環状形状の断面を有するイオンビームから非環状形状の断面を有するイオンビームに前記イオンを変えるように配置および構成される、質量および/またはイオン移動度分析計。
  28. 前記分析計が、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法を行うように配置および構成される、請求項27に記載の分析計。
  29. 質量および/またはイオン移動度分析の方法であって、
    環状または同軸イオントラップにイオンをトラップすることと、
    前記環状または同軸イオントラップから環状イオンガイド内に前記イオンの少なくとも一部を軸方向に排出することと、
    を含む、方法。
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