JP2014524649A - 空間的に拡張されたイオントラップ領域を有するイオントラップ - Google Patents

空間的に拡張されたイオントラップ領域を有するイオントラップ Download PDF

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Abstract

電荷蓄積容量が増大した質量または質量電荷比選択的イオントラップが開示される。RF電圧は、イオントラップ内の第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する。DC電圧および/またはRF電圧は、イオントラップ内の第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用する。二次DCポテンシャル井戸は、イオントラップ内の第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する。イオンは、第3の(z)方向に励起され、質量または質量電荷比選択的に第3の(z)方向に放出される。
【選択図】図3A

Description

本発明は、質量または質量電荷比選択的イオントラップに関する。好ましい実施形態は、質量分析システムで用いられるイオンガイドおよびトラップシステムおよび方法に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2011年8月30日に出願された米国特許仮出願第61/528,891号および2011年8月25日に出願された英国特許出願第1114735.2号に基づく優先権および利益を主張するものである。これらの出願の全内容が引用により本明細書に組み込まれる。
不均一なAC電場に起因して荷電粒子またはイオンにかかる時間平均の力は、電場が荷電粒子またはイオンをより弱い領域に加速するようなものであることがよく知られている。電場における極小は、通称、疑似ポテンシャル井戸または谷と呼ばれる。これに対して、極大は、通称、疑似ポテンシャル丘または障壁と呼ばれる。
3Dイオントラップとしても知られるポールトラップは、イオントラップの中央に疑似ポテンシャル井戸を形成させることによってこの現象を利用するように設計される。疑似ポテンシャル井戸は、イオンの集団を閉じ込めるのに用いられる。その対称性に起因して、3Dイオントラップは、図1Aに示すようにスペース内の単一の点にイオンを閉じ込めるように作用する。しかしながら、閉じ込められたイオンの運動エネルギーがゼロではないことに加えて、同一極性のイオン間の相互反発により、図1Bに示すようにイオンがイオントラップの中央で球状体積を占有することになる。
あらゆるイオン閉じ込め装置に関して有限の空間電荷容量が存在し、それを超えれば、その性能が低下し始め、最終的に装置はいかなるさらなる電荷も保持できなくなる。例えば、イオントラップの過飽和は、近傍に集束している多数の電荷の存在によって電場が歪んでいく結果として、質量分解能および質量精度の損失につながる。イオンの蓄積に関する空間電荷制限は、所与の質量分解能および質量精度を保ちつつ閉じ込めることができるイオンの最大数であるスペクトルまたは分析上の空間電荷制限よりも著しく大きいことは一般に事実である。
質量分析用途では、閉じ込められたイオンの質量電荷比(m/z)を検出する必要がある。例えば、イオンは、イオン検出器の方に質量選択的に放出されてもよい(しかし多くの他の検出方法が存在する)。この目的を達成するためにイオンを共振的または非共振的のいずれかで放出するいくつかの公知の方法が存在する。
イオントラップ装置にガスを導入することがしばしば必要である。ガスは、冷却する目的でまたは衝突誘起解離(Collisional Induced Dissociation:「CID」)を介するイオンフラグメンテーションのために用いられる場合がある。ガスの静的体積またはガスの流れのいずれかでのイオン移動度分離(Ion Mobility Separation:「IMS」)も行われている。ガスをイオントラップに導入するためのパルスガス弁の使用も知られている。
最近では、閉じ込められたイオンが占有できる体積が大きいことから、2Dまたは線形イオントラップ(Linear Ion Trap:「LIT」)に対する関心が増している。線形イオントラップは、より多数のイオン、またはより正確にはより多数の電荷が閉じ込められ、次いで検出されることを可能にする。こうしたイオントラップは、一般に、四重極、六重極、または八重極のような多重極RFイオンガイドに基づいている。イオンがイオントラップ内に半径方向に閉じ込められるように、イオンガイドの中心軸の周りのロッドセットイオントラップ内に疑似ポテンシャル井戸が形成される。イオンは、普通はDC電場を用いて軸方向に閉じ込められるが、軸方向にイオンを閉じ込めるのにRF電場を用いる方法も知られている。
2Dイオントラップの半径方向の疑似ポテンシャルは、閉じ込められたイオンを、図1Cに示すようにイオントラップの中心軸を通るラインに集束させるように作用する。3Dイオントラップと同様に、2Dイオントラップ内に閉じ込められたイオンは、実際には空間的に分散されることになり、したがって図1Dに示すように細長い円筒形体積を占有する。
イオンの放出は、半径方向の閉じ込め疑似ポテンシャル内のイオンを共振励起することによって2Dイオントラップを用いて半径方向と軸方向との両方で実証されている。半径方向の放出は、イオンの半径方向の広がりが四重極電極に到達するまでイオンを共振させ、このときイオンが電極の中の細いスロットを通過することによって達成されている。軸方向の放出は、イオンを四重極の出口に存在する自然発生のフリンジ電界の中に共振励起し、このときイオンが閉じ込めDC障壁を乗り越えるのに十分な軸方向運動エネルギーを得られることによって達成されている。これらの方法の両方は、本質的に非断熱的であり、高い放出エネルギーおよび高エネルギー拡散につながり、これはそれらを他の質量分析計のような他の装置と結合するのに一般に不適切なものにする。
2Dイオントラップからの別の形態の軸方向放出が知られており、これは、軸方向高調波(harmonic)DCポテンシャルをイオンガイドの半径方向の閉じ込めRFに重畳することを含む。こうした手法は、図2A〜図2Cで概略的に表わされる。
図2Aは、四重極ロッドセットを同軸に取り囲む一連の環状電極を備える2Dイオントラップを示す。イオンを半径方向に閉じ込めるためにロッドセット電極にRF電圧が印加される。ロッドセット内に軸方向DCポテンシャルを生じさせるために環状電極にDC電圧が印加される。
図2Bは、軸方向DCポテンシャルを提供するのに用いられる接地平面上に付加的なベーン電極が配置された状態のRF四重極ロッドセットを備える2Dイオントラップを示す。
図2Cは、軸方向にセグメント化されたRF四重極ロッドセットを備える2Dイオントラップを示す。軸方向DCポテンシャルを提供するために各セグメントに異なるDC電圧が印加される場合がある。
図2A〜図2Cに示される2Dイオントラップに関して、軸(z)方向に印加されるDCポテンシャルは式1で与えられる。
Figure 2014524649
Figure 2014524649
Figure 2014524649
Figure 2014524649
Figure 2014524649
本発明の一態様によれば、
イオントラップ内に第1の(y)方向および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用する半径方向に非対称の疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
イオンが第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを第3の(z)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
を備える質量または質量電荷比選択的イオントラップが提供される。
本発明の一態様によれば、
イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用するDCポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
イオンが第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを第3の(z)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
を備える質量または質量電荷比選択的イオントラップが提供される。
第1の(y)方向および/または第2の(x)方向および/または第3の(z)方向は好ましくは実質的に直交している。
イオントラップは、好ましくは複数の電極を備える。
複数の電極は、好ましくは、
(i)複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30個、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個、もしくは>100個のロッドセットまたは分割ロッドセットを含む多重極ロッドセットまたはセグメント化された多重極ロッドセット、および/または、
(ii)使用時にイオンを通過させる1つ以上の開口を有する複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30v、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個、もしくは>100個の環状電極、リング電極、または楕円電極を含むイオントンネルまたはイオンファネル、および/または、
(iii)複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30個、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個、もしくは>100個の半環状電極、半リング電極、半楕円電極、またはC字形電極、および/または、
(iv)使用時にイオンが移動する略平面内に配置された平面電極、平板電極、またはメッシュ電極のスタックもしくはアレイ、
を備える。
第1の装置は、好ましくは、電極のうちの少なくとも一部にRF電圧を印加するように配置および適合されている。
イオントラップは、好ましくは、第3の(z)方向にイオントラップを通る完全および/または直接見通し線(full and/or direct line of sight)が存在するように配置および適合されている。
イオントラップは、好ましくは、第2の(x)方向にイオントラップを通る完全および/または直接見通し線が存在するように配置および適合されている。
第2の装置は、好ましくは、(i)実質的二次DCポテンシャル井戸の極小がイオントラップの中心軸に沿っている、または(ii)実質的二次DCポテンシャル井戸の極小がイオントラップの中心軸から外れている、のいずれかであるように実質的二次DCポテンシャル井戸を形成するように配置および適合されている。
本発明の一態様によれば、実質的にトロイダル型イオントラップ領域を有する質量または質量電荷比選択的イオントラップであって、
イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
イオントラップ内に半径方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的に二次DC井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
イオンが半径(r)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを半径(r)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
を備えるイオントラップが提供される。
第1の(y)方向は、好ましくは半径(r)方向と実質的に直交している。
イオントラップは、好ましくは複数の電極を備える。
複数の電極は、好ましくは、
(i)第1の電極群が、異なる半径方向の変位位置に配置される第1の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含み、第2の電極群が、異なる半径方向の変位位置に配置される第2の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含み、第1の電極群と第2の電極群が第1の(y)方向に異なる変位位置に配置される、第1の電極群および第2の電極群、または、
(ii)第1の電極群が第1の複数の環状電極群を含み、第1の環状電極群のそれぞれが異なる半径方向の変位位置に配置され、第2の電極群が第2の複数の環状電極群を含み、第2の環状電極群のそれぞれが異なる半径方向の変位位置に配置され、第1の電極群と第2の電極群が第1の(y)方向に異なる変位位置に配置される、第1の電極群および第2の電極群、
を含む。
第1の装置は、好ましくは、電極のうちの少なくとも一部にRF電圧を印加するように配置および適合されている。
イオントラップは、好ましくは、半径(r)方向にイオントラップを通る完全および/または直接見通し線が存在するように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、イオンがイオントラップの中央の方に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを半径(r)方向に励起するように配置および適合されている。
疑似ポテンシャル障壁または井戸は、好ましくは、非四重極疑似ポテンシャル障壁または井戸を含む。
第2の装置は、好ましくは、第3の(z)方向または半径(r)方向に配置されるすべてではなくいくつかの電極にわたって実質的DC二次ポテンシャル井戸を維持するように配置および適合されている。
第2の装置は、好ましくは、第3の(z)方向または半径(r)方向のイオントラップの幅のx%にわたって実質的DC二次ポテンシャル井戸を維持するように配置および適合され、xは、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90〜95、および(xi)95〜99からなる群から選択される。
第2の装置は、好ましくは、イオントラップにわたって第3の(z)方向または半径(r)方向のDCポテンシャルプロファイルを維持するように配置および適合され、DCポテンシャルプロファイルは、第1の領域および1つ以上の第2の領域を備え、第1の領域におけるDCポテンシャルプロファイルは実質的に二次であり、1つ以上の第2の領域におけるDCポテンシャルプロファイルは実質的に線形、一定、または非二次である。
第2の装置は、好ましくはイオントラップの中心軸の周りで非対称である第3の(z)方向または半径(r)方向のDCポテンシャルプロファイルを維持するように配置および適合され、この場合、中心軸は好ましくは第2の(x)方向である。
第2の装置は、好ましくは、結果的にイオンが実質的にDC二次井戸から一方向にのみ放出される第3の(z)方向または半径(r)方向のDCポテンシャルプロファイルを維持するように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、イオンがイオントラップから(i)第1の方向にのみ、または(ii)第1の方向と第1の方向とは異なるまたは反対である第2の方向との両方、のいずれかに質量または質量選択的に放出されるように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、イオンを第3の(z)方向または半径(r)方向に共振励起するように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、ωに等しい周波数σを有する電極のうちの少なくとも一部に補助AC電圧またはポテンシャルを印加するように配置および適合され、ωは、イオントラップから放出されることが望まれるイオンの基本周波数または共振周波数である。
第3の装置は、好ましくは、イオンを第3の(z)方向または半径(r)方向にパラメトリックに励起するように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、2ω、0.667ω、0.5ω、0.4ω、0.33ω、0.286ω、0.25ω、または<0.25ωの周波数σを有する電極のうちの少なくとも一部に補助AC電圧またはポテンシャルを印加するように配置および適合され、ωは、イオントラップから放出されることが望まれるイオンの基本周波数または共振周波数である。
第3の装置は、好ましくは、補助AC電圧またはポテンシャルの周波数σを走査し、変化させ、変更し、増加させ、漸進的に増加させ、減少させ、または漸進的に減少させるように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、(i)イオンをそれらの質量電荷比の順にイオントラップから放出する動作モード、および/または(ii)イオンをそれらの質量電荷比の逆の順にイオントラップから放出する動作モードに配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、イオントラップからイオンを実質的に断熱的な様態で放出させるように配置および適合されている。
第3の装置は、好ましくは、(i)<0.5eV、(ii)0.5〜1.0eV、(iii)1.0〜1.5eV、(iv)1.5〜2.0eV、(v)2.0〜2.5eV、(vi)2.5〜3.0eV、(vii)3.0〜3.5eV、(viii)3.5〜4.0eV、(ix)4.0〜4.5eV、(x)4.5〜5.0eV、および(xi)>5.0eVからなる群から選択されたイオンエネルギーを有するイオントラップからイオンを放出させるように配置および適合されている。
イオントラップは、好ましくは、イオントラップ内にN個のイオン電荷を含むように配置および適合され、Nは、(i)<5×104、(ii)5×104〜1×105、(iii)1×105〜2×105、(iv)2×105〜3×105、(v)3×105〜4×105、(vi)4×105〜5×105、(vii)5×105〜6×105、(viii)6×105〜7×105、(ix)7×105〜8×105、(x)8×105〜9×105、(xi)9×105〜1×106、および(xii)>1×106からなる群から選択される。
イオントラップの少なくとも一部の領域または実質的に全体が、好ましくは、
(i)イオンガイド、および/または、
(ii)衝突またはフラグメンテーションセル、および/または、
(iii)反応セル、および/または、
(ii)質量フィルタ、および/または、
(iii)飛行時間型分離器、および/または、
(iv)イオン移動度分離器、および/または、
(v)示差イオン移動度分離器、
としての動作モードで操作されるように配置および適合されている。
イオントラップは、好ましくは、(i)<1.0×10-7mbar、(ii)1.0×10-7〜1.0×10-6mbar、(iii)1.0×10-6〜1.0×10-5mbar、(iv)1.0×10-5〜1.0×10-4mbar、(v)1.0×10-4〜1.0×10-3mbar、(vi)0.001〜0.01mbar、(vii)0.01〜0.1mbar、(viii)0.1〜1mbar、(ix)1〜10mbar、(x)10〜100mbar、および(xi)100〜1000mbarからなる群から選択される圧力に維持される動作モードに配置および適合されている。
本発明の一態様によれば、前述の質量または質量電荷比選択的イオントラップを備える質量分析計が提供される。
本発明の一態様によれば、イオントラップからイオンを質量または質量電荷比選択的に放出する方法であって、
イオントラップ内に第1の(y)方向および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用する半径方向に非対称の疑似ポテンシャル障壁または井戸を生じさせることと、
イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生じさせることと、および
イオンが第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを第3の(z)方向に励起することと、
を含む方法が提供される。
本発明の一態様によれば、イオントラップからイオンを質量または質量電荷比選択的に放出する方法であって、
イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用するDCポテンシャル障壁または井戸を生じさせることと、
イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生じさせることと、および
イオンがイオントラップから第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを第3の(z)方向に励起することと、
を含む方法が提供される。
本発明の一態様によれば、実質的にトロイダル型イオントラップ領域を有するイオントラップから質量または質量電荷比選択的にイオンを放出する方法であって、
イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸を生じさせることと、
イオントラップ内に半径(r)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的にDC二次井戸を生じさせることと、
イオンが半径(r)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを半径(r)方向に励起することと、
を含む方法が提供される。
本発明の一態様によれば、前述の方法を含む質量分析方法が提供される。
本発明の一態様によれば、イオンが実質的に質量電荷比に依存する様態でそこから放出され得る2つの空間次元に空間的に拡張されるトラップ体積を有するイオントラップが提供される。
2Dイオントラップは3Dイオントラップよりも大きいイオン容量を有するが、機器がますます高感度になっていくたびに、およびイオン源がより高輝度となるのに伴って、より一層増加したイオン容量を有するイオントラップに対する必要性が増し続ける。
本発明の好ましい実施形態は、増大したトラップ体積または輸送体積を有するイオントラップまたはイオン輸送装置に関係し、イオントラップは、イオンを閉じ込めるおよび放出するように配置および適合され、従来の3Dおよび2Dイオントラップよりも大きいイオン電荷容量を有する、1Dイオントラップを含む。
3Dイオントラップがイオンを一点に基本的に閉じ込めるおよび2Dイオントラップがイオンを一本のラインに基本的に閉じ込めるのと同じように、好ましい実施形態に係る1Dイオントラップは、図1Eに示すようにイオンを一平面に基本的に閉じ込める。しかしながら、実際には、イオンによって占有される実際の体積は、図1Fに示すように2つの空間次元に細長い長方形プリズムを満たすように拡大するであろう。
本発明の好ましい実施形態は、RF、AC、およびDC電圧の種々の組み合わせが印加される拡張された体積を画定する電極のアレイを備える。装置は、輸送装置またはイオントラップのいずれかとして作用してもよく、これは、イオンを保持する、蓄積する、保存する、処理する、分離する、フラグメント化する、検出する、および放出するのに用いられてもよい。作動時には、いくつかのまたはすべてのイオンが、拡張されたトラップ構造体内に分散され、装置の特定の領域の方に質量電荷比に依存する様態で移動されてもよく、そこからイオンはその後放出されてもよい。イオンの放出は、放出されるイオンへの結果的に低エネルギー拡散を伴う低エネルギーイオンの放出につながる、実質的にDC二次ポテンシャル内のイオンを励起することによってもたらされてもよい。
イオントラップは、質量分析計として動作してもよく、もしくは質量分析計または質量分析計内の他の装置と併せて用いられてもよい。
一実施形態によれば、質量分析計はさらに、
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(Electrospray ionisation:「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(Atmospheric Pressure Photo Ionisation:「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(Atmospheric Pressure Chemical Ionisation:「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation:「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(Laser Desorption Ionisation:「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(Atmospheric Pressure Ionisation:「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(Desorption Ionisation on Silicon:「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝撃(Electron Impact:「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(Chemical Ionisation:「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(Field Ionisation:「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(Field Desorption:「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝突(Fast Atom Bombardment:「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(Liquid Secondary Ion Mass Spectrometry:「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(Desorption Electrospray Ionisation:「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(Atmospheric Sampling Glow Discharge Ionisation:「ASGDI」)イオン源、および(xx)グロー放電(Glow Discharge:「GD」)イオン源からなる群から選択されたイオン源、および/または、
(b)1つ以上の連続またはパルス化イオン源、および/または、
(c)1つ以上のイオンガイド、および/または、
(d)1つ以上のイオン移動度分離装置および/または1つ以上の電場非対称(Field Asymmetric)イオン移動度分光計装置、および/または、
(e)1つ以上のイオントラップもしくは1つ以上のイオントラップ領域、および/または、
(f)(i)衝突誘起解離(Collisional Induced Dissociation:「CID」)フラグメンテーション装置、(ii)表面誘起解離(Surface Induced Dissociation:「SID」)フラグメンテーション装置、(iii)電子移動解離(Electron Transfer Dissociation:「ETD」)フラグメンテーション装置、(iv)電子捕獲解離(Electron Capture Dissociation:「ECD」)フラグメンテーション装置、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーション装置、(vi)光誘起解離(Photo Induced Dissociation:「PID」)フラグメンテーション装置、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーション装置、(viii)赤外線誘起解離装置、(ix)紫外線誘起解離装置、(x)ノズル・スキマー・インターフェース・フラグメンテーション装置、(xi)インソース・フラグメンテーション装置、(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーション装置、(xiii)熱源または温度源フラグメンテーション装置、(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置、(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーション装置、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション装置、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション装置、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション装置、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション装置、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション装置、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション装置、(xxiii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン−イオン反応装置、(xxiv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン分子反応装置、(xxv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン−原子反応装置、(xxvi)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン−準安定イオン反応装置、(xxvii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン−準安定分子反応装置、(xxviii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを生成するイオン−準安定原子反応装置、および(xxix)電子イオン化解離(Electron Ionization Dissociation:「EID」)フラグメンテーション装置からなる群から選択された1つ以上の衝突セル、フラグメンテーションセル、または反応セル、および/または、
(g)(i)四重極質量分析計、(ii)2Dまたは線形四重極質量分析計、(iii)ポール(Paul)または3D四重極質量分析計、(iv)ペニング(Penning)トラップ型質量分析計、(v)イオントラップ型質量分析計、(vi)磁場型質量分析計、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(Ion Cyclotron Resonance:「ICR」)質量分析計、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance:「FTICR」)質量分析計、(ix)静電またはオービトラップ型質量分析計、(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ型質量分析計、(xi)フーリエ変換質量分析計、(xii)飛行時間型質量分析計、(xiii)直交加速飛行時間型質量分析計、および(xiv)線形加速飛行時間型質量分析計からなる群から選択された質量分析計、および/または、
(h)1つ以上のエネルギー分析計または静電エネルギー分析計、および/または、
(i)1つ以上のイオン検出器、および/または、
(j)(i)四重極質量フィルタ、(ii)2Dまたは線形四重極イオントラップ、(iii)ポール(Paul)または3D四重極イオントラップ、(iv)ペニング(Penning)イオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁場型質量フィルタ、(vii)飛行時間型質量フィルタ、および(viii)ウィーン(Wein)フィルタからなる群から選択された1つ以上の質量フィルタ、および/または、
(k)イオンをパルス化する装置またはイオンゲート、および/または、
(l)実質的に連続的なイオンビームをパルスイオンビームに変換する装置、
を備えていてもよい。
質量分析計はさらに、
(i)Cトラップと、外側バレル状電極および同軸内側スピンドル状電極を備えるorbitrap(RTM)質量分析計であり、第1の作動モードにおいて、イオンがCトラップに輸送され、次いで、orbitrap(RTM)質量分析計に注入され、第2の作動モードにおいて、イオンがCトラップに輸送され、次いで、衝突セルまたは電子移動解離装置に輸送され、この場合、少なくとも一部のイオンがフラグメントイオンに断片化され、フラグメントイオンが、次いで、orbitrap(RTM)質量分析計に注入される前にCトラップに輸送される、orbitrap(RTM)質量分析計、および/または、
(ii)使用時にイオンを通過させる開口をそれぞれが備える複数の電極を備えるスタック型リングイオンガイドであり、イオン経路の長さに沿って電極の間隔が増加し、イオンガイドの上流区域における電極の開口が第1の直径を有し、イオンガイドの下流区域における電極の開口が第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、使用時に連続する電極に逆位相のAC電圧またはRF電圧が印加される、スタック型リングイオンガイド、
のいずれかを備えていてもよい。
RF電圧は、好ましくは、好ましいイオントラップの電極に印加され、好ましくは(i)<50Vピークツーピーク、(ii)50〜100Vピークツーピーク、(iii)100〜150Vピークツーピーク、(iv)150〜200Vピークツーピーク、(v)200〜250Vピークツーピーク、(vi)250〜300Vピークツーピーク、(vii)300〜350Vピークツーピーク、(viii)350〜400Vピークツーピーク、(ix)400〜450Vピークツーピーク、(x)450〜500Vピークツーピーク、(xi)500〜550Vピークツーピーク、(xxii)550〜600Vピークツーピーク、(xxiii)600〜650Vピークツーピーク、(xxiv)650〜700Vピークツーピーク、(xxv)700〜750Vピークツーピーク、(xxvi)750〜800Vピークツーピーク、(xxvii)800〜850Vピークツーピーク、(xxviii)850〜900Vピークツーピーク、(xxix)900〜950Vピークツーピーク、(xxx)950〜1000Vピークツーピーク、および(xxxi)>1000Vピークツーピークからなる群から選択された振幅を有する。
RF電圧は、好ましくは、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択された周波数を有する。
イオントラップは、好ましくは、(i)>0.001mbar、(ii)>0.01mbar、(iii)>0.1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)0.001〜0.01mbar、(viii)0.01〜0.1mbar、(ix)0.1〜1mbar、(x)1〜10mbar、および(xi)10〜100mbarからなる群から選択された圧力に維持される。
3Dイオントラップにおける理論上のイオンによって占有される体積を示す図である。 3Dトラップにおける実際のイオンによって占有される体積を示す図である。 2Dイオントラップにおける理論上のイオンによって占有される体積を示す図である。 2Dイオントラップにおける実際のイオンによって占有される体積を示す図である。 本発明の一実施形態に係る1Dイオントラップにおける理論上のイオンによって占有される体積を示す図である。 本発明の一実施形態に係る1Dイオントラップにおける実際のイオンによって占有される体積を示す図である。 四重極ロッドセットを取り囲む複数の環状電極を備える公知の線形または2Dイオントラップを示す図である。 ベーン電極を有する四重極ロッドセットを備える公知の線形または2Dイオントラップを示す図である。 セグメント化された四重極ロッドセットを備える公知の線形または2Dイオントラップを示す図である。 本発明の好ましい実施形態に係るイオントラップを示す図である。 好ましいイオントラップの端面図である。 好ましいイオントラップの側面図である。 電極の端対にDC電圧を印加することによってイオンが好ましいイオントラップ内にx方向にどのように閉じ込められ得るかを示す図である。 付加的な端板電極にDC電圧を印加することによってイオンが好ましいイオントラップ内にx方向にどのように閉じ込められ得るかを示す図である。 付加的なロッド電極にRF電圧を印加することによってイオンが好ましいイオントラップ内にx方向にどのように閉じ込められ得るかを示す図である。 異なる量の空間電荷に対する本発明の好ましい実施形態に係るイオントラップからのイオンの放出に関する質量スペクトルのSIMION(RTM)計算を示す図である。 イオン進入平面(entry plane)および二次DC井戸が図3Aに示される好ましい実施形態と比べて90°回転されている代替的実施形態に係るイオントラップを示す図である。 代替的実施形態に係るイオントラップの端面図である。 代替的実施形態に係るイオントラップの側面図である。 本発明の好ましい実施形態と一致する平面トラップシステムにおけるイオンパケットの空間閉じ込めを強調表示するSIMION(RTM)において生成するイオン軌道を示す図である。 好ましいイオントラップがイオンガイドとして動作し得る実施形態を示す図である。 イオンがイオントラップ領域からイオンチャネルの中に放出される実施形態を示す図である。 イオンがx方向に放出される、次に好ましい実施形態を示す図である。 好ましいイオントラップがスタック型リングイオンガイド(Stacked Ring Ion Guide:「SRIG」)衝突セルと一体化される実施形態を示す図である。 イオン源の後に、好ましいイオントラップ、四重極、およびイオン検出器が後続する実施形態を示す図である。 イオン源の後に、四重極、衝突セル、好ましいイオントラップ、さらなる四重極、およびイオン検出器が後続する実施形態を示す図である。 イオン源の後に、好ましいイオントラップ、四重極、衝突セル、さらなる四重極、およびイオン検出器が後続する実施形態を示す図である。 イオン源の後に、好ましいイオントラップ、四重極、衝突セル、および飛行時間型質量分析計が後続する実施形態を示す図である。 複数の同軸リング電極がトロイダル型イオントラップ領域を有するイオントラップを形成する代替的実施形態を示す図である。 PCB基板上にマウントされたリング電極と、リング電極にわたって半径方向に維持される二次DCポテンシャルとを示す側面図である。 電極の環状アレイがトロイダル型イオントラップ領域を有するイオントラップを形成するさらなる代替的実施形態を示す図である。 PCB基板上にマウントされた電極の環状アレイと、電極のアレイにわたって半径方向に維持される二次DCポテンシャルとを示す側面図である。
本発明の種々の実施形態を、単に例証する目的で与えられる他の配置と共に、添付図面を参照しながら単なる例としてここで説明する。
本発明の好ましい実施形態によるイオントラップが図3Aを参照して以降で説明される。イオントラップは、電極301の拡張3次元アレイから構成される。一実施形態では、電極は、軸方向分割ロッド電極を含む。しかし、ロッド電極が軸方向に分割されていない他の実施形態も意図され、図6A〜6Cに関連して下記でさらに詳細に記載される。
好ましいイオントラップは、2つの水平電極層を含むものと見なすことができる。イオンは、RF電圧を電極に印加することにより垂直(y)方向(すなわち、2つの水平電極層間)で閉じ込められる。イオンは、非四重極疑似ポテンシャル障壁または井戸により垂直(y)方向で閉じ込められる。
図3Bは、分割ロッド電極の端面を示す。好ましい実施形態によれば、全てのロッド中の分割電極は、同じ位相のRF電圧で維持されるのが好ましい。水平方向に隣接する分割ロッド電極は、逆のRF位相で維持されるのが好ましい。上層の分割ロッド電極は、下層の対応する分割ロッド電極と同じRF位相で維持されるのが好ましい。
図3Bを参照すると、x−z面でのイオン閉じ込めは、x方向の電極の隣接列に対し逆位相のRF電圧303の印加により実現されるのが好ましい。
図3Cは、全体構造の可視化に役立つように電極位置の側面図を示す。
二次DCポテンシャルは、二次DCポテンシャルを電極にz方向に印加することによりz方向で維持されるのが好ましい。結果として、イオンは、直角プリズムとして図3Aに示されているイオン容積302中に閉じ込められるのが好ましい。
イオンは、最初、イオントラップをz方向に入り、その後、電極に二次DCポテンシャルがz方向に印加されてもよい。あるいは、電極に二次DCポテンシャルがz方向に印加され、イオンがイオントラップをx方向に入ってもよい。
図4A〜4Cを参照すると、いくつかの異なる技術を使って、x方向のイオントラップ内にイオンを軸方向に閉じ込めることができる。
図4Aは、本発明の好ましい実施形態を示し、電極端部または最外部の電極対にy−z面で追加のDCポテンシャル401を印加することにより、イオンがx方向のイオントラップ内に軸方向に閉じ込められる。この実施形態では、イオンは、最初、x方向またはz方向にイオントラップに入ることができる。
図4Bは、代替の実施形態を示し、DCポテンシャルが、追加の末端プレート電極402に印加できる。この実施形態では、イオンは、最初、z方向を経由してイオントラップに入る。一旦イオンがイオントラップに入ってしまうと、二次ポテンシャルは、z方向で維持されるのが好ましい。
図4Cは、別の代替実施形態を示し、追加の分割または非分割ロッドセット電極403が提供される。また、分割ロッドセット電極301に印加されたRF電圧が、追加の電極403にも印加され、疑似ポテンシャル障壁または井戸により、イオントラップ中でx軸方向にイオンが閉じ込められるのが好ましい。この実施形態では、イオンは、最初、z方向経由でイオントラップ中に入る。一旦、イオンがイオントラップ二次ポテンシャル中に入ってしまうと、z方向で維持されるのが好ましい。
好ましい実施形態では、図3Cに示されるように、DC二次ポテンシャルが、電極にz方向に印加されたRF電圧に重ね合わされ、DCポテンシャル井戸がz方向に形成されるのが好ましい。DC二次ポテンシャルは、イオンがイオントラップに入る前、または後で、二次ポテンシャル井戸がz方向に維持されるように電極に印加されてもよい。
一実施形態では、分散イオン雲は、z方向のイオントラップのどちらかの開口端(x−y面)を通ってイオントラップ容量中に入ることができる。イオンは、DC電場の影響下で極小DCポテンシャルに向かって動き、イオン閉じ込め容量中に閉じ込められるのが好ましい。このイオン閉じ込め容量は、図3Aに示すような直角プリズムから構成されるのが好ましい。
一実施形態では、衝突によりイオン雲を冷却するために、バックグラウンドガスを、イオントラップ容量中に供給し、それにより、y方向の閉じ込めRF電圧により、z方向で極小DCポテンシャルに、イオンを閉じ込めることができる。図4A〜Cに関連して上述した方法で、閉じ込めポテンシャルを末端電極に印加することにより、イオンは、x方向に閉じ込められる。
z方向の分割を主要電極アレイおよび適切なDC電圧の印加とマッチングさせることにより、電極に印加されるz方向DC二次ポテンシャルを、末端電極上で維持できる。
好ましい実施形態では、DC二次ポテンシャルは、質量電荷比選択的励起およびx−y面中のイオントラップの開口端を通ってイオンの放出を可能とするような方式によりz方向に調整されるのが好ましい。従って、イオンは、イオントラップからz方向に放出されるのが好ましい。
イオントラップから放出されたイオンは、さらなる分析ステップに供されても、または検出システムに送られてもよい。
本発明の実施形態は、イオンが、好ましいイオントラップからz方向の1つの方向のみに、質量または質量電荷比選択的に放出される場合が意図されている。一実施形態では、z方向に維持されている二次ポテンシャルは、二次ポテンシャルが大部分の電極にわたり維持されているが、イオントラップの片方側の電極の一部は、一定ポテンシャルで維持されているという意味で、非対称であってもよい。結果として、二次ポテンシャルは、維持できているが、z方向のポテンシャル井戸の片方側で事実上切断されている。従って、ポテンシャル井戸の一方の側での最大ポテンシャルは、ポテンシャル井戸のもう一方の側での最大ポテンシャルより大きい場合があることは明らかであろう。
図5は、本発明の実施形態による異なる量の空間電荷におけるイオントラップからのイオン放出に対する強度対見かけ質量のSIMION(RTM)の計算結果を示す。
DC二次ポテンシャル井戸を、ピーク電圧10Vおよび9.5mmの半分の長さのイオントラップの長さに沿ってz方向で維持されているとしてモデル化した。イオントラップは、30mmのx方向長さとしてモデル化した。8.5VのRF励起電圧(ゼロピーク)が電極で印加されているとしてモデル化した。質量増加順にイオンを放出するように励起周波数を下方に走査した。周波数勾配は、線形5000Da/sの質量走査になるように計算した。質量500の単電荷イオンをシミュレートした。緩衝ガスを4x10-3mbarの圧力のヘリウムガスとしてモデル化し、剛体球衝突モデルを使った。空間電荷は、超イオン近似を使ってモデル化した。この場合、系中の各イオンが所与の合計電荷のイオン雲を表す。従って、系中の合計電荷は、同時に飛行しているイオンの数と各超イオンの電荷の積である。
(i)無空間電荷、(ii)各10,000電荷を有する30イオン(すなわち、合計300,000電荷)、(iii)各20,000電荷を有する50イオン(すなわち、合計制限電荷)、および(iv)各50,000電荷を有する60イオン(すなわち、合計3百万電荷)、に対し、計算を行った。
空間電荷のイオン放出の質量分解能に与える影響は、1x106合計電荷まで最小限であることが、図5から明らかである。例えば、1x106電荷に対する27に比べて、無空間電荷のケースに対し、約29の解像度が実現されることが計算された。
電荷の合計数が3×106としてモデル化された場合、解像度は、約14まで、すなわち、空間電荷がない場合に観察される解像度の約半分まで低下した。また、ピークも高質量側にシフトする。
当業者なら、好ましい実施形態によるイオントラップのイオン容量は、従来の2Dおよび3Dイオントラップより極めて大きいことを理解するであろう。例えば、両者の比較では、イオントラップ中に50,000イオンのオーダーのイオンが存在するだけで、従来の2Dイオントラップは、性能の劣化(すなわち、解像度の低下と見かけの質量位置のシフト)が見られる。
従って、好ましい実施形態によるイオントラップは、従来の2Dおよび3Dイオントラップに比較して、イオン蓄積容量の増大の観点から、当技術分野における大きな改善となっていることは明らかである。
あまり好ましくない代替実施形態によるイオントラップが意図され、図6A〜Cを参照してさらに詳細に記載される。代替実施形態によるイオントラップは、図3A〜Cを参照して示され、記載された好ましいイオントラップ(ただし、90°回転されている)に対応するものと見なすことができる。
図6Aに示す代替実施形態によるイオントラップでは、イオン601は、y−z面のどちらかの末端を通ってイオントラップに入るのが好ましい。この実施形態では、DC二次ポテンシャルは、x方向に付加される。この特定の実施形態では、ロッドは、分割の必要はなく、それぞれのロッドは、全体長さに沿って印加された同じDC電圧を有する。しかし、少なくとも一部のロッド電極を分割することもでき、全てのロッド電極の分割断片は、同じDCおよびRF電圧で維持できる。
一実施形態(図6Aに示していない)では、先頭と後端のロッド電極が連続のC形または卵形を形成してもよい。一実施形態の図6Cの点線は、どのようにして、先頭と後端ロッド電極が連続化して、または相互接続して、C形または卵形電極を形成できるかを示す。
先頭と後端のロッドが両端で連続化、または相互接続している場合は、先頭と後端のロッド電極は、卵形または、引き伸ばされた環状配置を形成する。先頭と後端のロッドが片方の端だけで連続化、または相互接続している場合は、先頭と後端のロッドは、C−形、または半卵形または半環状配置を形成する。これらの実施形態では、イオンは、偽ポテンシャル井戸により、z方向に閉じ込められるのが好ましい。
図7は、本発明の一実施形態による平面イオントラップにおけるイオンパケットの空間閉じ込めのSIMION(RTM)シミュレーションを示す。図7は、質量電荷比500の単電荷イオンの20msの間の軌跡を示す。z軸に沿って、2.5MHzで印加された300V RF(ゼロピーク)によりRF位相が電極列の間で交番する。また、DC二次ポテンシャルは、15Vの二次井戸深さおよび9.5mmの半分の長さでz軸方向に印加される。電極は、0.5mm幅、z軸方向の隣接電極間が1mmギャップであるとしてモデル化された。平面アレイ間のギャップはy軸方向で5mmとしてモデル化され、また、イオンを閉じ込めるために、DC障壁をx軸に沿って+/−22.5mmで印加した。
イオンは、2つの空間方向に伸びた比較的大きなイオン閉じ込め容量中に閉じ込められているものとして観察される。
好ましい実施形態によるイオントラップは、いくつかの異なる動作モードで使用可能である。
ある動作モードでは、イオントラップは、イオン透過装置および/または衝突セルとして使用できる。これは、1つ以上のイオンが通過できる透過チャネルが存在するように適切なDCポテンシャルを電極に印加することにより実現できる。図8Aは、イオントラップの一部がイオンガイドおよび/または衝突セルとして操作される場合の実施形態を示す。
別の動作モードでは、DCポテンシャルは、好ましい実施形態に関連して上記で考察されたように印加できる。ある実施形態では、図8Bに示すように、イオンは、イオントラップ領域からイオントラップの左手側に(すなわち、z方向に)向かって、イオントラップの領域内に形成された別のイオンチャネル中に放出できる。次に、イオンは、イオンチャネルの長さに沿ってイオンを透過することにより、イオントラップからx方向に移すことができる。イオントラップから放出されたイオンは、イオン検出器により直接検出できる。あるいは、イオンは、さらなる処理、および/または検出のために、追加のRF装置と、/または、1つ以上の質量分析器に送り込むことができる。
図8Cは、あまり好ましくない実施形態を示し、また、これは、図6A〜6Cに関連して上記で示され、記載された実施形態に対応する。この実施形態では、二次ポテンシャルは、x方向に維持され、イオンは、イオントラップからx方向に放出される。
一実施形態では、装置は、好ましいイオントラップの下流に配置でき、イオントラップから放出されるのが好ましい空間的に広がったイオンビームを採取する、および/または捕捉する、および/または集束させるのに使用できる。
図9は、好ましいイオントラップが積層リング型イオンガイド(Stacked Ring Ion Guide:「SRIG」)衝突セルと一体化された場合の本発明の別の実施形態を示す。積層リング型イオンガイドは、良好なフラグメンテーション効率のためにアルゴンガスを含むのが好ましく、一方、好ましいイオントラップは、良好な放出効率のためにヘリウムガスを含むのが好ましい。衝突セルおよび好ましいイオントラップは、タンデム型で単一イオン透過および/または衝突セルとして使用できる。
あるいは、衝突セルおよび好ましいイオントラップは、別々に使用できる。すなわち、衝突セルは、イオンをフラグメンテーションするために、および/または蓄積するために使用でき、好ましいイオントラップは、積層リング型イオンガイド中に蓄積されたイオンを保持し、放出するために使用できる。
図10A〜Dは、種々の本発明の実施形態による装置配置の例を示す。これらの例に加えてさらに多くの可能な装置構成があることは当業者には明らかであろう。
図10Aは、イオン源の後に好ましいイオントラップ、四重極ロッド電極セットおよびイオン検出器が配置される場合の実施形態を示す。
図10Bは、イオン源の後に、第1の四重極ロッド電極セット、衝突セル、好ましいイオントラップ、第2の四重極ロッド電極セットおよびイオン検出器が配置される場合の実施形態を示す。
図10Cは、イオン源の後に、好ましいイオントラップ、第1の四重極ロッド電極セット、衝突セル、第2の四重極ロッド電極セットおよびイオン検出器が配置される場合の実施形態を示す。
図10Dは、イオン源の後に、好ましいイオントラップ、四重極ロッド電極セット、衝突セルおよび飛行時間型質量分析器が配置される場合の実施形態を示す。
図11Aは、2つの電極層を含むイオントラップが提供される場合のさらに追加の実施形態を示す。第1または上層の電極は、複数の同心円状第1リング電極を含む。第1リング電極は、漸増する直径を有する。第2または低層の電極は、複数の同心円状第2リング電極を含む。第2のリング電極は、漸増する直径を有する。
図11Bに示されるように、第1または上層の電極は、基板または他の支持部材上に取り付けられてもよい。例えば、基板または支持部材は、プリント回路基板を含んでもよい。第2または低層の電極も、基板または他の支持部材上に取り付けられてもよい(同様に、プリント回路基板を含んでもよい)。一実施形態では、各層の隣接リング電極は、逆位相のRF電圧で維持されるのが好ましい。半径方向に同じ変位の両層の電極が、可能な限り同じ位相のRF電圧で維持されるように、第1または上層の電極および第2または低層の電極が整列されるのが好ましい。
DC二次ポテンシャルは、図11Bに示されるように、実質的に、第1または上層の電極中の電極全体にわたり、および/または第2または低層の電極中の電極全体にわたり半径方向に維持されるのが好ましい。
図11Aおよび11Bと関連して上記で示され、記載された実施形態では、ドーナツ形イオントラップ容量が生成されるのが好ましい。イオンは、DCポテンシャル障壁または井戸により半径方向にトラップされるのが好ましく、イオンは、RFまたは疑似ポテンシャル障壁または井戸により軸(y)方向にトラップされるのが好ましい。
この実施形態では、イオントラップは、第1の電極群および第2の電極群を含む。第1の電極群は、異なる半径方向の変位位置に配置された第1の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含む。第2の電極群は、異なる半径方向の変位位置に配置された第2の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含む。第1および第2の電極群は、第1の(y)方向の異なる変位で配置される。
図12Aおよび12Bは、図11Aおよび11Bに関連して上記された実施形態に類似のさらなる実施形態を示す。この実施形態でもまた、ドーナツ形イオントラップ容量が生成される。
この実施形態では、イオントラップは、第1の電極群および第2の電極群を含む。第1の電極群は、第1の複数の環状電極群を含み、それぞれの第1の環状電極群は、異なる半径方向の変位位置に配置される。第2の電極群は、第2の複数の環状電極群を含み、それぞれの第2の環状電極群は、異なる半径方向の変位位置に配置される。第1および第2の電極群は、第1の(y)方向の異なる変位で配置される。
図11A〜11Bおよび12A〜12Bに関連して上記で示され、記載された実施形態では、電極は、例えば、プリント回路基板(「PCB」)を含んでもよい基板または支持体に取り付けることができる。
両実施形態の特定の有利な特徴は、半径(r)方向で維持された二次ポテンシャルは、イオンが励起され、イオントラップから半径(r)方向で放出される場合、イオンは、イオントラップの中心に向かって放出されるような非対称であってもよいことである。結果として、イオンは、イオントラップの局在領域から放出でき、イオントラップの配置は、イオンが検出されるか、または複雑でないイオン光学を使って前方に送られるのを可能にするのが好ましい。
図11A〜11Bおよび12A〜12Bに関連して示され記載されるイオントラップのさらなる特定の利点は、イオントラップが、従来の2Dまたは3Dイオントラップよりもはるかに大きなイオントラップ容量を持つように配置できることである。
イオントラップからイオンを半径方向に放出させるために、第1または上層の電極および/または第2または低層の電極に補助AC電圧を印加することにより、共鳴により、またはパラメトリックにイオントラップからイオンが放出されてもよい。
上記で考察の特定の実施形態に対し、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の修正を行うことができることは明らかであろう。
例えば、イオントラップを含む電極は、ロッド形状ではない電極を含むことができる場合の実施形態も意図されている。例えば、電極は、複数の積層プレート電極、複数の積層リングまたは楕円電極、複数の半リングまたは半楕円電極または複数のC形状電極を含んでもよい。リングまたは楕円電極、半リングまたは半楕円電極またはC形状電極を含む実施形態は、上で、図6Cに関連して記載されている。
あまり好ましくない実施形態では、印加DCポテンシャルは、二次ポテンシャルでなくてもよい。
一実施形態では、DCポテンシャル井戸は、イオントラップの一方側で、イオントラップのもう一方側より深くてもよい。結果として、イオンは、2方向に放出されるよりも、むしろ、1方向に放出される。
一実施形態では、イオントラップからイオンの出る方向は、DC井戸の深さを変えることにより適宜変えることができ、その結果、全てもしくは選択イオンが可能な限り片方向へ、または、全てもしくは選択イオンが可能な限り反対の方向に出ることができる。
一実施形態では、イオントラップは、隣接質量分析器の質量電荷比走査とリンクされたDC井戸からの質量電荷比イオン放出を含む操作であるリンク走査モードで操作できる。
一実施形態では、2つ以上の放出領域が存在する。
一実施形態では、イオンは、一カ所に注入し、同じ位置から、または別の空間的に異なる領域から放出できる。
本発明について、好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、当業者であれば、付随する請求項に規定される本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の種々の変更をなし得ることを理解するであろう。

Claims (39)

  1. 質量または質量電荷比選択的イオントラップであって、
    前記イオントラップ内に第1の(y)方向および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用する半径方向に非対称の疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
    前記イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
    イオンが前記第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを前記第3の(z)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
    を含む質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  2. 前記イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸、および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用するDCポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
    前記イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
    イオンが前記第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを前記第3の(z)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
    を含む質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  3. 前記第1の(y)方向および/または前記第2の(x)方向および/または前記第3の(z)方向が、実質的に直交している、請求項1または2に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  4. 前記イオントラップが複数の電極を備える、請求項1、2または3に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  5. 前記複数の電極が、
    (i)複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30個、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個もしくは>100個のロッドセットまたは分割ロッドセットを含む多重極ロッドセットまたは分割多重極ロッドセット;および/または
    (ii)使用時にイオンを通過させる1つ以上の開口を有する、複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30個、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個もしくは>100個環状電極、リング電極、または楕円電極を含むイオントンネルまたはイオンファンネル;および/または
    (iii)複数または少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10〜20個、20〜30個、30〜40個、40〜50個、50〜60個、60〜70個、70〜80個、80〜90個、90〜100個もしくは>100個の半環状電極、半リング電極、半楕円電極、またはC字形電極;および/または
    (iv)使用時にイオンが移動する略平面内に配置された平面電極、平板電極、またはメッシュ電極のスタックもしくはアレイ、
    を含む、請求項4に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  6. 前記第1の装置が、前記電極の少なくとも一部にRF電圧を印加するように配置および適合されている、請求項4または5に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  7. 前記イオントラップが、前記イオントラップを通して前記第3の(z)方向に完全および/または直接見通し線が存在するように配置および適合されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  8. 前記イオントラップが、前記イオントラップを通して前記第2の(x)方向に完全および/または直接見通し線が存在するように配置および適合されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  9. 前記第2の装置が、(i)前記実質的二次DCポテンシャル井戸の極小が前記イオントラップの中心軸に沿っている、または(ii)前記実質的二次DCポテンシャル井戸の極小が前記イオントラップの中心軸から外れている、ように前記実質的二次DCポテンシャル井戸が配置および適合される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  10. 実質的にトロイダル型イオントラップ領域を有する質量または質量電荷比選択的イオントラップであって、前記イオントラップが、
    前記イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成するように配置および適合される第1の装置と、
    前記イオントラップ内にイオンを半径方向に閉じ込めるように作用する実質的にDC二次井戸を生成するように配置および適合される第2の装置と、
    イオンが半径(r)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを前記半径(r)方向に励起するように配置および適合される第3の装置と、
    を含む質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  11. 前記第1の(y)方向が、前記半径(r)方向に対し実質的に直交している、請求項10に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  12. 前記イオントラップが、複数の電極を備える、請求項10または11に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  13. 前記複数の電極が、
    (i)第1の電極群および第2の電極群であって、第1の電極群が異なる半径方向の変位位置に配置された第1の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含み、前記第2の電極群が異なる半径方向の変位位置に配置された第2の複数の同軸閉ループ電極、円形電極、または楕円電極を含み、前記第1および第2の電極群が前記第1の(y)方向に異なる変位で配置される第1の電極群および第2の電極群、または
    (ii)第1の電極群および第2の電極群であって、第1の電極群が第1の複数の環状電極群を含み、前記第1の環状電極群のそれぞれが異なる半径方向の変位位置に配置され、前記第2の電極群が第2の複数の環状電極群を含み、前記第2の環状電極群のそれぞれが異なる半径方向の変位位置に配置され、前記第1および第2の電極群が前記第1の(y)方向で異なる変位で配置される第1の電極群および第2の電極群、
    を含む、請求項12に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  14. 前記第1の装置が、前記電極の少なくとも一部にRF電圧を印加するように配置および適合される、請求項12または13に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  15. 前記イオントラップが、前記イオントラップを通して前記半径(r)方向に完全および/または直接見通し線が存在するように配置および適合される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  16. 前記第3の装置が、前記イオントラップの中央部に向かって質量または質量電荷比選択的にイオンを放出するために半径(r)方向にイオンを励起するように配置および適合される、請求項10〜15のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  17. 前記疑似ポテンシャル障壁または井戸が、非四重極疑似ポテンシャル障壁または井戸を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  18. 前記第2の装置が、前記第3の(z)方向または半径(r)方向に配置された電極の、全部ではなく一部に対して、前記実質的DC二次ポテンシャル井戸を維持するように配置および適合される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  19. 前記第2の装置が、前記第3の(z)方向または半径(r)方向に、前記イオントラップの幅のx%にわたり実質的DC二次ポテンシャル井戸を維持するように配置および適合され、xが、(i)<10、(ii)10〜20、(iii)20〜30、(iv)30〜40、(v)40〜50、(vi)50〜60、(vii)60〜70、(viii)70〜80、(ix)80〜90、(x)90〜95、および(xi)95〜99、からなる群より選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  20. 前記第2の装置が、前記イオントラップにわたってDCポテンシャルプロファイルを前記第3の(z)方向または半径(r)方向に維持するように配置および適合され、前記DCポテンシャルプロファイルが第1の領域および1つ以上の第2の領域を含み、前記第1の領域のDCポテンシャルプロファイルが実質的に二次であり、さらに、前記1つ以上の第2の領域のDCポテンシャルプロファイルが実質的に線形、一定、または非二次である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  21. 前記第2の装置が、前記第3の(z)方向または半径(r)方向に、好ましくは前記イオントラップの中心軸の周りで非対称であるDCポテンシャルプロファイルを維持するように配置および適合され、前記中心軸が前記第2の(x)方向にあるのが好ましい、請求項1〜20のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  22. 前記第2の装置が、前記実質的DC二次井戸から一方向のみに放出されるイオンを生ずるDCポテンシャルプロファイルを前記第3の(z)方向または半径(r)方向に維持するように配置および適合される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  23. 前記第3の装置で、前記イオントラップから、(i)第1の方向のみに、または(ii)第1の方向および第2の方向の両方に、質量または質量電荷比選択的にイオンが放出されるように配置および適合され、前記第2の方向が前記第1の方向とは異なるか、または逆方向である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  24. 前記第3の装置が、前記第3の(z)方向または半径(r)方向に、イオンを共鳴して励起するように配置および適合される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  25. 前記第3の装置が、ωに等しい周波数σを有する前記電極のうちの少なくとも一部に補助AC電圧またはポテンシャルを印加するように配置および適合され、ωが、前記イオントラップからの放出対象イオンの基本周波数または共鳴周波数である、請求項24に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  26. 前記第3の装置が、前記第3の(z)方向または半径(r)方向に、イオンをパラメトリックに励起するように配置および適合される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  27. 前記第3の装置が、2ω、0.667ω、0.5ω、0.4ω、0.33ω、0.286ω、0.25ωに等しいか、または<0.25ωの周波数σを有する補助AC電圧またはポテンシャルを前記電極の少なくとも一部に印加するように配置および適合され、ωが、前記イオントラップからの放出対象イオンの基本周波数または共鳴周波数である、請求項26に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  28. 前記第3の装置が、前記補助AC電圧またはポテンシャルの周波数σを、走査する、変動させる、変える、高める、徐々に高める、下げる、または徐々に下げるように配置および適合される、請求項25または27に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  29. 前記第3の装置が、(i)前記イオントラップから質量電荷比の順でイオンを放出する動作モード、および/または(ii)前記イオントラップから質量電荷比の逆順でイオンを放出する動作モードに配置および適合される、請求項1〜28のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  30. 前記第3の装置が、実質的に断熱的方法で前記イオントラップからイオンを放出させるように配置および適合される、請求項1〜29のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  31. 前記第3の装置が、(i)<0.5eV、(ii)0.5〜1.0eV、(iii)1.0〜1.5eV、(iv)1.5〜2.0eV、(v)2.0〜2.5eV、(vi)2.5〜3.0eV、(vii)3.0〜3.5eV、(viii)3.5〜4.0eV、(ix)4.0〜4.5eV、(x)4.5〜5.0eV、および(xi)>5.0eVからなる群より選択されるイオンエネルギーで前記イオントラップからイオンを放出させるように配置および適合される、請求項1〜30のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  32. 前記イオントラップが、前記イオントラップ内にN個のイオン電荷を含むように配置および適合され、Nが、(i)<5×104、(ii)5×104〜1×105、(iii)1×105〜2×105、(iv)2×105〜3×105、(v)3×105〜4×105、(vi)4×105〜5×105、(vii)5×105〜6×105、(viii)6×105〜7×105、(ix)7×105〜8×105、(x)8×105〜9×105、(xi)9×105〜1×106、および(xii)>1×106からなる群より選択される、請求項1〜31のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  33. 前記イオントラップの少なくとも一部の領域または実質的に全体が、
    (i)イオンガイド、および/または
    (ii)衝突またはフラグメンテーションセル、および/または
    (iii)反応セル、および/または
    (ii)質量フィルタ、および/または
    (iii)飛行時間型分離器、および/または
    (iv)イオン移動度分離器、および/または
    (v)示差イオン移動度分離器、
    としての動作モードで操作されるように配置および適合される、請求項1〜32のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  34. 前記イオントラップが、(i)<1.0×10-7mbar、(ii)1.0×10-7〜1.0×10-6mbar、(iii)1.0×10-6〜1.0×10-5mbar、(iv)1.0×10-5〜1.0×10-4mbar、(v)1.0×10-4〜1.0×10-3mbar、(vi)0.001〜0.01mbar、(vii)0.01〜0.1mbar、(viii)0.1〜1mbar、(ix)1〜10mbar、(x)10〜100mbar、および(xi)100〜1000mbarからなる群より選択される圧力で維持される動作モードで配置および適合される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップ。
  35. 請求項1〜34のいずれか1項に記載の質量または質量電荷比選択的イオントラップを含む質量分析計。
  36. イオントラップから質量または質量電荷比選択的にイオンを放出する方法であって、
    前記イオントラップ内に第1の(y)方向および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用する半径方向に非対称の疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成すること;
    前記イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成すること;および
    イオンが前記第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを前記第3の(z)方向に励起することと、
    を含む方法。
  37. イオントラップから質量または質量電荷比選択的にイオンを放出する方法であって、
    前記イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸および第2の(x)方向にイオンを閉じ込めるように作用するDCポテンシャル障壁または井戸を生成することと、
    前記イオントラップ内に第3の(z)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的DC二次ポテンシャル井戸を生成することと、および
    イオンが前記第3の(z)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるようにイオンを前記第3の(z)方向に励起することと、
    を含む方法。
  38. 実質的にトロイダル型イオントラップ領域を有するイオントラップから質量または質量電荷比選択的にイオンを放出する方法であって、
    前記イオントラップ内に第1の(y)方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャル障壁または井戸を生成することと、
    前記イオントラップ内に半径(r)方向にイオンを閉じ込めるように作用する実質的にDC二次井戸を生成することと、および
    イオンが半径(r)方向に質量または質量電荷比選択的に放出されるように、前記半径(r)方向にイオンを励起することと、
    を含む方法。
  39. 請求項36、37、または38に記載の方法を含む質量分析法。
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