JP2016516702A - Mek/pi3k二重阻害剤および該阻害剤を使用する治療方法 - Google Patents

Mek/pi3k二重阻害剤および該阻害剤を使用する治療方法 Download PDF

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Abstract

MEKおよびPI3Kの二重阻害剤および該阻害剤を含有する組成物を開示している。MEKおよびPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患および状態、すなわちがんなどの治療において、MEK/PI3K阻害剤を使用する方法も開示している。【選択図】 なし

Description

優先権の主張
本願は、2013年3月13日に出願された米国特許仮出願第61/779,462号の利益を請求するものであり、その全体は参照によって本明細書に組み込まれている。
本発明は、MEKおよびPI3Kの二機能性阻害剤に関するものであり、MEKおよびPI3の阻害が有益性をもたらす状態および疾患を処置する治療方法に関する。本願のMEK/PI3K二重阻害剤は、単独、または放射線照射および/もしくは他の化学療法との組み合わせのどちらかで、がん治療のための薬剤として有用である。
KRASの異常な過剰活性化は、広範なヒトのがんにおいて腫瘍の発生と進行に顕著な役割を担う。KRAS変異は全てのRAS変異の86%から成り、全てのヒト悪性腫瘍の中でもおおよそ22%という最も高い頻度に関与する(1)。KRAS変異の発生率は膵臓および大腸の悪性腫瘍で特に高く、それぞれ90%および40%を上回る頻度で生じる。膵臓がんおよび大腸がんは、全てのがんの中でも最も致死性が高く、米国におけるがん死の第4位および第3位の原因である(2)。膵臓がんの全症例のおよそ80%が、局所的に進行性のまたは転移性の疾患を伴っており、そのような疾患によって外科的な介入は排除されている。現在のところ、KRASで活性化されたがんを治療するための治効ある選択肢はない。転移性大腸がんを伴いかつ第一選択の化学療法に失敗しているKRAS変異のある患者の治療の選択肢も限られている。
変異KRASを直接的に標的とした医薬を開発しようとする取り組みは、特異性の問題が未解決であることから、依然として難題である。そのため近年では、KRASシグナリングに関する薬学的な介入への取り組みは、2つの中心的なKRASエフェクター経路、すなわちRAF/MEK/ERKおよびPI3K/AKT/mTORの下流のターゲットに集中的に焦点が当てられてきた(3,4)。RAFおよびMEKは、臨床上の魅力的な候補物質をもたらしている多くの創薬プログラムを生み出してきた(5−7)。BRAF変異が存在しないことは、この標的化アプローチに応答するMAPシグナリングの阻害よりも、むしろ誘導に関与することから(8−10)、BRAF阻害剤の臨床上の活性は、BRAFの変異した腫瘍のある患者に限定されるものとなる。それに対して、MEK阻害剤は、供試したKRAS変異型の腫瘍のおおよそ半分に抗増殖効果を発揮することが示されている(11)。心強いことに、MEK阻害剤CI−1040は、トラメチニブと同様に、第1相試験でどちらも客観的奏功を誘発している(12,13)。そのため、MEKの阻害は、KRASで活性化されたがんを治療するための実用性のあるアプローチであるが、単剤療法の場では、MEKの阻害によって、この難治性の患者集団に有意な影響を与えるために必要な程度の活性が生じるとは考えにくい。
MEK阻害剤単剤の活性を向上させるための1つの戦略は、PI3Kシグナリングをさらに標的にすることである。この組み合わせの戦略は、KRAS変異型の腫瘍では、腫瘍成長に対する最大限の阻害を達成するために、MAPK経路とPI3K経路との両方の二重阻害を要するということを示唆する、インビトロおよびインビボの根拠(11,14−16)に基づく。どちらかが阻害されれば、不のフィードバックループの解除によって代替経路の活性化が引き起こされることが示されている(16,17)。PI3K経路の活性化は、一般にPI3KCAの変異またはPTENの欠損に起因するものであり、KRAS変異型のがんにおけるMEK阻害剤治療に対する主な抵抗機構を代表するものである。両経路の阻害を組み合わせることによって、アポトーシスおよびがんの退縮の大幅な増加が引き起こされる(18)。
RAS/RAF/MEK/ERKシグナル伝達経路は、ヒトのがんのうち最も進行性が高く致死的である型のかなりの割合において活性化されることから、この経路を標的とするいくつかの小分子阻害剤が、FDAに承認されているか臨床試験の最中にあるかのどちらかにある。残念ながら、BRAFおよびKRASを活性化させる両方の変異を有する腫瘍の治療において、市販のBRAF阻害剤、すなわちPLX4032またはベムラフェニブは臨床上の効果があるにも関わらず、ERKシグナリングが逆説的に誘導されるために、先天的にBRAFのある腫瘍に対して効果がない。
それゆえに、MEK阻害剤およびPI3K阻害剤は当該技術分野で公知である。例えば、Iikuraらの米国特許出願第7,897,792号は、クマリンを基にしたMEK阻害剤のクラスを開示している。PI3K阻害剤は、例えば米国特許出願公開第2010/0249099号、第2011/0009405号および第2011/0053907号に開示されている。肺がんを治療するためにPI3K阻害剤とMEK阻害剤とを組み合わせて使用することは、例えばEngelsman et al., Nature Medicine, Vol. 14, Number 14, pages 1351-56 (2008)に開示されている。
しかしながら、MEKおよびPI3Kを阻害することによってがんや他の疾患および状態を治療するための化合物および方法は、当該技術分野において未だに求められている。MEKおよびPI3Kの小分子阻害剤が発見されたにも関わらず、MEKおよびPI3Kの強力な阻害剤の設計は、現代の創薬では依然として重大な難題である。したがって、治療上の施用に際して阻害剤の使用を可能にする物性と薬理学的な特性とを具えたMEKおよびPI3Kの阻害剤が、当該技術分野において未だに求められている。本発明は、MEKおよびPI3Kに結合し、MEKおよびPI3Kの活性を阻害する二機能性化合物を提供する。
本発明は、MAPキナーゼとPI3K経路とを共に標的とする単一の化合物と、そのような化合物を、それを必要とする個体に投与することによってがんを治療する方法とを対象とする。さらに具体的には、本発明は、腫瘍の成長、進行および転移に関わる2つの鍵となるシグナル伝達経路(すなわちMEKおよびPI3K)を阻害することが可能な、新規の二機能性化合物を対象とする。個々のPI3K阻害剤およびMEK阻害剤は、それぞれの酵素標的に対する高い結合親和性を維持しつつリンカーに適応するように化学的に修飾されており、コンジュゲートされて本発明の二機能性MEK/PI3K阻害剤を提供する。本発明の組成物は、2つの必須の調節分岐点、すなわちMEKとPI3Kとを同時に標的とすることによって、KRAS作動性の腫瘍の進行を阻害し、その際に、それぞれの経路の間で起こるクロストークを遮断する。
したがって、本発明は、MEKおよびPI3Kの酵素の二重阻害剤と、MEKおよびPI3Kの活性の阻害が有益性をもたらす状態ならびに疾患の治療上の処置において阻害剤を使用する方法とを対象とする。本発明の化合物は、MEK活性化因子およびPI3K活性化の強力な阻害剤であり、がん、特にKRAS変異型の腫瘍の治療に有用である。
本発明は以下の構造式(I)を有する化合物:
(式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
およびYは独立してNまたはCRであり、
およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
、XおよびXは独立してNまたはCRであって、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
Aはシクロアルキル、ヘテロシシル(heterocycyl)、アリールまたはヘテロアリールであり、
L´はJ−(CH−Kであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
J−(CH−N(R)−(CH−Kであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であり、RはH、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルであるか、
(CHO)、(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であるか、または
−(NHCHRC(=O)−)であって、ここでRは独立してアミノ酸残基であり、qは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であり、
JおよびKは独立して(−C(=O)−、−C(=O)N−、−SO−または−CH−であり、
は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基で置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
は独立して水素またはC1−4アシルである)
またはその医薬的に許容できる塩を対象とする。
さらに具体的には、本発明は以下の構造式(II)を有する化合物:
(式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
およびYは独立してNまたはCRであり、
およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
、XおよびXは独立してNまたはCRであり、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
Aはシクロアルキル、ヘテロシシル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Lは(CHであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
(CH−NH−(CHであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であるか、
(CHO)または(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であり、
は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基によって置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
は独立して水素またはC1−4アシルである)
またはその医薬的に許容できる塩を対象とする。
いくつかの実施形態では、X、XおよびXのそれぞれはNである。別の実施形態では、A環系はヘテロアリール環系、例えばベンゾイミダゾリルである。別の実施形態では、A環系はハロC1−6アルキル基、例えば−CHFに置換される。
いくつかの実施形態では、Lは−(CH2,3−NH−(CH2−5または−(CH5−9−である。一実施形態では、Zは−C(=O)NR、例えば−C(=O)N(CHである。別の実施形態では、RはC1−6アルキル、例えばCH−またはCHCH−である。いくつかの実施形態では、YおよびYのそれぞれがCRであり、YおよびYのそれぞれがCRである。
一実施形態では、本発明は、治療有効量の構造式(I)の化合物を、それを必要とする個体に投与することによる状態または疾患の治療方法を提供する。関心の対象である疾患または状態は、MEKおよび/またはPI3Kの阻害によって治療可能であり、例えばがんである。
本発明の別の一実施形態は、(a)構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と、(b)MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患および状態の治療において有用な賦形剤および/または医薬的に許容できる担体とを含む組成物を提供する。
本発明の別の一実施形態は、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患および状態に対する個体の治療方法において、構造式(I)または(II)の化合物を含む組成物と第2の治療上活性のある作因とを利用することである。
さらに進んだ実施形態では、本発明は、関心の対象である疾患または状態、例えばがんを治療するための薬物を製造するための、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と、任意選択で第2の治療作因とを含む組成物の使用に提供する。
本発明のさらに他の一実施形態は、(a)容器と、(b1)構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤を含む包装された組成物と、任意選択で(b2)関心の対象である疾患および状態の治療において有用な第2の治療作因を含む包装された組成物、および(c)疾患または状態の治療に際して、同時にまたは連続的に投与する、組成物または複数の組成物を使用するための指示を含んだ添付文書とを含む、ヒトの医薬的な使用のためのキットを提供することである。
構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とは、単一単位の用量として共に、または複数単位の用量として別個に、投与することができるが、後者では、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤は、第2の治療作因より前に投与されるか、またはその逆もある。構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤の1回または複数回の用量および/または第2の治療作因の1回または複数回の用量が投与され得ることが想定される。
一実施形態では、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とを同時に投与する。関連する実施形態では、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とを、単一の組成物または別個の組成物から投与する。さらに進んだ一実施形態では、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とを連続的に投与する。構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤は、本発明で使用するように、約0.005から約500ミリグラム/用量、約0.05から約250ミリグラム/用量または約0.5から約100ミリグラム/用量の量で投与することができる。
本発明のこれらのおよび他の実施形態および特長を、以下の好適な実施形態の詳細な記載によって明らかにする。
本発明を好適な実施形態に関連して記載する。しかし、本発明は開示された実施形態に限定されないことを認識されたい。本明細書中の本発明の実施形態の記載を考慮すれば、当業者によって種々の修正が為され得ることが理解される。そのような修正は下記の特許請求の範囲によって包含される。
本明細書で使用する場合の「PI3K」という用語は、クラスI(クラスIaおよびクラスIbを含む)、クラスIIまたはクラスIIIのホスホノイノシチド−3−キナーゼを意味し、参照により全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0009405号に定義されている通りである。
本明細書で使用する場合の「MEK」という用語は、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼを意味する。
「PI3Kおよび/またはMEKの阻害が有益性をもたらす疾患および状態」という用語は、PI3Kおよび/もしくはMEK、ならびに/またはPI3Kおよび/もしくはMEKの作用が、例えば、そのような疾患もしくは状態の発症、進行、発現、またはPI3KもしくはMEKの阻害剤(ZSTK474など)によって治療されることが公知である疾患もしくは状態にとって重要または必要であることに関連する。そのような状態の例としてはがんが挙げられるが、これに限定されない。当業者は、例えば、特定の化合物の活性を評価するのに簡便に使用することのできるアッセイによって、どの特定の細胞種についても、PI3Kおよび/またはMEKによって媒介される疾患または状態を化合物が治療するか否かを、容易に決定することができる。
「第2の治療作因」という用語は、構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤とは異なる治療作因であって、関心の対象である疾患または状態を治療することが公知である治療作因のことを云う。例えば、がんが関心の対象である疾患または状態であれば、第2の治療作因は例えばタキソールのような既知の化学療法剤や放射線照射であり得る。
「疾患」または「状態」という用語は、通例は病理学上の状態または機能であると見做され、かつ特定の兆候、症状および/または機能不全の形をとって現われ得る、障害および/または異常を意味する。下記に明示するように、構造式(I)または(II)の化合物はMEKおよびPI3Kの強力な阻害剤であり、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患および状態を治療する際に使用することができる。
本明細書で使用する場合、「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、「治療(treatment)」などの用語は、疾患もしくは状態および/またはそれに伴う症状を除去、低減または改善することを云う。予め排除される訳ではないが、疾患または状態を治療するということは、疾患、状態またはそれに伴う症状を完全に除去することを必要とする訳ではない。本明細書で使用する場合、「治療する」、「治療している」、「治療」などの用語は「予防的な治療」を含む場合があり、これらの言葉は、疾患もしくは状態の再進展または疾患もしくは状態の再発はないものの、その危険性があるかまたは罹患し易い対象において、疾患もしくは状態が再進展するか、または以前に制御した疾患もしくは状態が再発する可能性を低減することを云う。「治療する」という用語および同義語は、治療有効量の本発明の化合物をそのような治療を必要とする個体に投与することを意図する。
本発明の意義の範囲において、「治療」は、急性または慢性の兆候、症状および/または機能不全の治療のみならず、再発予防またはフェーズ予防(phase prophylaxis)をも含む。治療は、例えば症状を抑制するなど、症状面で調整することができる。治療は、短期にわたって実施することができるか、中期にわたって調整することができるか、または例えば維持療法の一環で長期の治療とすることができる。
本明細書で使用する場合の「治療有効量」または「有効用量」という用語は、本発明の方法によって投与する場合に、関心の対象である状態または疾患を治療するための有効成分を、それを必要とする個体に効率良く送達するのに十分な有効成分の量のことを云う。がんまたは他の増殖性障害の場合、有効量の治療薬剤は、望まない細胞増殖を低減し(すなわち、ある程度まで遅延させ、好ましくは停止させ)、がん細胞の数を低減し、腫瘍の大きさを低減し、周辺臓器へのがん細胞の進入を阻害し(すなわち、ある程度にまで遅延させ、好ましくは停止させ)、腫瘍の転移を阻害し(すなわち、ある程度にまで遅延させ、好ましくは停止させ)、腫瘍の成長をある程度にまで阻害し、標的細胞中でMEKおよびPI3Kのシグナリングを低減し、および/またはがんに関連する1種または複数の症状をある程度にまで緩和する場合がある。投与した化合物または組成物は、実在するがん細胞の成長を阻止および/または殺傷する程度まで、細胞増殖抑制性および/または細胞毒性を有する場合がある。
「容器」という用語は任意の貯蔵容器および閉鎖物を意味し、それゆえ医薬品の貯蔵、輸送、流通および/または取り扱いに適している。
「添付文書(insert)」という用語は、医師、薬剤師および患者が、製品の使用に関して詳細な情報を得た上で決断することを可能とするために必要な安全性および薬効のデータと共に、医薬品をどのように投与するかについての記載を提供する、医薬品に添付された情報を意味する。包装の添付文書は通常、医薬品のための「ラベル」と見なされている。
「併用投与」、「組み合わせて投与される」、「同時投与」および同様の言い回しは、治療中の対象に2またはそれ以上の作因を併用して投与することを意味する。「併用」によって、それぞれの作因が、同時または任意の順番で連続的のどちらかで、異なる箇所で時間内に投与されることを意味する。しかし、同時に投与しない場合には、所望の治療効果を得られ、作因が一斉に作用し得るのに十分な狭い時間内に、連続して作因を個体に投与することを意味する。例えば、構造式(I)のMEK/PI3K二重阻害剤は、第2の治療作因と同時に、または任意の順番で連続的に、異なる箇所で時間内に投与することができる。本願のMEK/PI3K二重阻害剤および第2の治療作因は、任意の適切な形態で、かつ任意の適した経路で、別個に投与することができる。本願のMEK/PI3K二重阻害剤および第2の治療作因が併用で投与されない場合には、それを必要とする対象に任意の順番で投与することができるものと理解される。例えば、本願のMEK/PI3K二重阻害剤は、第2の治療作因の治療様式(例えば、放射線療法)の投与に先行して(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間前)、同時に、または続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間後)、それを必要とする個体に投与することができる。 様々な実施形態では、構造式(I)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とは、1分間間隔、10分間間隔、30分間間隔、1時間未満間隔、1時間間隔、1時間から2時間間隔、2時間から3時間間隔、3時間から4時間間隔、4時間から5時間間隔、5時間から6時間間隔、6時間から7時間間隔、7時間から8時間間隔、8時間から9時間間隔、9時間から10時間間隔、10時間から11時間間隔、11時間から12時間間隔、24時間未満間隔または48時間時間未満間隔で投与される。一実施形態では、併用療法の構成成分は、1分から24時間の間隔で投与される。
本発明の記載との文脈における(特に特許請求の範囲との文脈における)「a」、「an」、「the」という用語および同様の指示対象の使用は、別段の指示がない限りは、単数と複数の両方に及ぶものと解釈される。本明細書中の数値範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限りは、その範囲にあるそれぞれの別個の数値に個別に言及する簡単な方法として供することを意図しているに過ぎず、それぞれの別個の数値は、本明細書中に個別に言及されているかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書に提供された任意のもしくは全ての例または例示語(例えば「など(such as)」)は、別段の主張がない限りは、本発明をさらによく説明することを意図しており、本発明の範囲の限縮を意図するものではない。本明細書には、特許請求の範囲にない何らかの要件が本発明の実践に不可欠であるように示しているものとして、解釈されるべき言葉はない。
小分子阻害剤を使用してMEKおよびPI3Kを標的にすることががんの実用的な治療戦略である研究が確立されてきた。しかし、KRAS変異を伴うがんは構成的に活性化され、標準的な治療が無効であり、かつ予後不良のマーカーであることが知られている。2つのKRASエフェクター経路、すなわちMAPKおよびPI3Kは、それぞれ増殖および生存の重要な先触れであり、互いの抵抗機構である。がんの前臨床試験は、MAPK経路およびPI3K経路の二重阻害が相乗効果を有することを示しており、このことは臨床の場における併用療法に理論的な根拠を与えている。
これらの知見の臨床上の妥当性は、MEK阻害剤をPI3KまたはAKTの阻害剤と共に投与する併用試験において現在調査中である(19)。しかし、節度のある「単剤併用」薬は、合理的に設計された多剤併用アプローチを超える、いくつかの想定し得る利点を提供する。第一に、個々の構成要素の選択性に関わらず2つの別個の薬剤を組み合わせる場合に、オフターゲット効果が一層進む。いくつかのオフターゲット活性は、意図せぬ患者集団の治療に有利であることが証明されている。例えば、「選択的な」ablキナーゼ阻害剤であるイマチニブは、ある種のPDGFR作動性の悪性腫瘍のみならず、c−kit作動性のGISTの治療にも効果的であることが証明されている(20)。しかし、さらに例数が増えれば、意図せぬキナーゼ標的を阻害した場合に、機構以外に基づく毒性の形で付加的な被害が起こる。第2に、個々の薬剤で薬物動態のプロファイルが異なることは、それらを外来診療所で組み合わせる場合に問題となり得るが、このことは薬−薬相互作用の傾向が異なることによってさらに悪化する。患者の遵守意識と薬価に関する課題は、複数の分岐点を通じてシグナリングを減弱させるための単一の化学物質の設計をさらに後押しする。2つの未承認の薬剤を用いて併用試験を実施する場合には、物流上の障害にも遭遇する。MEK阻害剤であるトラメチニブを用いた臨床データがが心強く思われる一方で(21,22)、PI3KまたはAKTの阻害剤が近い将来に承認される可能性は低い。腫瘍細胞は、PI3K阻害剤に曝された場合に、PI3K/AKT/mTOR経路を通じた流れを回復させるための多様な機構を呈しており、その結果、単剤の効果を狭めて規制当局の承認への道筋を閉ざしている(23)。PI3K/AKTシグナリングおよびMEK/ERKシグナリングについて横並びの、すなわち平行な阻害剤に由来する好ましい薬効が、単一の段階を標的とするのに比べ、早期の臨床データにおいて裏付けられている(19)。
本願の化合物は、MAPK経路とPI3K経路の両方を特異的に標的とするための、化学的に連結した二重阻害剤の最初の例である。この組み合わせた経路阻害能を有する単一分子によって、単一物を標的とした個々の阻害剤を超えて効能および安全性が高まる。単剤の投与によって、二剤とは対照的に、規定の治療計画に対する患者の遵守意識も高まる。
本発明は、MEKおよびPI3Kの新しいクラスの二重阻害剤を対象とする。そのため、本発明のMEK/PI3K二重阻害剤は、そのような治療を必要とする対象におけるがんおよび前がん状態の治療に有用である。同じく提供するのは、治療薬効量の本願の化合物を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む、対象の治療方法である。
本発明は構造式(I)を有するMEK/PI3K二重阻害剤を対象とする。
本発明は以下の構造式(I)を有する化合物:
(式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
およびYは独立してNまたはCRであり、
およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
、XおよびXは独立してNまたはCRであって、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
Aはシクロアルキル、ヘテロシシル、アリールまたはヘテロアリールであり、
L´はJ−(CH−Kであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
J−(CH−N(R)−(CH−Kであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であり、RはH、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルであるか、
(CHO)、(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であるか、または
−(NHCHRC(=O)−)であって、ここでRは独立してアミノ酸残基であり、qは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であり、
JおよびKは独立して(−C(=O)−、−C(=O)N−、−SO−または−CH−であり、
は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基によって置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
は独立して水素またはC1−4アシルである)
またはその医薬的に許容できる塩を対象とする。
別の一実施形態では、MEK/PI3K二重阻害剤は以下の構造式(II)を有する。
(式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
およびYは独立してNまたはCRであり、
およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
、XおよびXは独立してNまたはCRであって、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
Aはシクロアルキル、ヘテロシシル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Lは(CHであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
(CH−NH−(CHであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であるか、
(CHO)または(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であり、
は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基によって置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
は独立して水素またはC1−4アシルである)
またはその医薬的に許容できる塩。
構造式(I)または(II)の化合物はMEKおよびPI3Kを阻害し、種々の疾患および状態の治療において有用である。特に、構造式(I)および(II)の化合物は、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患または状態、例えばがんの治療方法に使用される。その方法は、治療有効量の構造式(I)または(II)の化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む。本発明は、構造式(I)または(II)の化合物に加えて、第2の治療作因を個体に投与することをも包含する。第2の治療作因は、それを必要とする個体を悩ませている疾患または状態を治療する際に有用であるものとして公知である薬、例えば、特定のがんを治療する際に有用であることが公知である化学療法剤および/または放射線照射から選択される。
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は直線鎖および分岐の飽和C1−10炭化水素基を云い、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチルおよび2−エチルブチルが挙げられるが、これらに限定されない。Cという用語はアルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。Cn−mという用語はアルキル基が「n」個から「m」個の炭素原子を有し得ることを意味する。「アルキレン」という用語は置換基を有するアルキル基を云う。アルキル基、例えばメチル、またはアルキレン基、例えば−CH2−は、例えばハロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルアミノ基またはアミノ基によって置換されていてもよい。
「ハロC1−6アルキル」という用語は、1個または複数の、一般には1個から5個のハロ基によって置換されたC1−6アルキル基を云う。ハロゲン原子によって置換されたC1−6アルキル基の特定の非制限的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、フルオロプロピル、ジフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、フルオロブチル、ジフルオロブチル、トリフルオロブチル、フルオロペンチル、ジフルオロペンチル、トリフルオロペンチル、テトラフルオロペンチル、フルオロヘプチル、ジフルオロヘプチル、トリフルオロヘプチル、テトラフルオロヘプチル、ペンタフルオロヘプチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル、ペンタクロロエチル、クロロプロピル、ジクロロプロピル、トリクロロプロピル、ヘプタクロロプロピル、クロロブチル、ジクロロブチル、トリクロロブチル、クロロペンチル、ジクロロペンチル、トリクロロペンチル、テトラクロロペンチル、クロロヘプチル、ジクロロヘプチル、トリクロロヘプチル、テトラクロロヘプチル、ペンタクロロヘプチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ブロモエチル、ジブロモエチル、トリブロモエチル、ペンタブロモエチル、ブロモプロピル、ジブロモプロピル、トリブロモプロピル、ヘプタブロモプロピル、ブロモブチル、ジブロモブチル、トリブロモブチル、ブロモペンチル、ジブロモペンチル、トリブロモペンチル、テトラブロモペンチル、ブロモヘプチル、ジブロモヘプチル、トリブロモヘプチル、テトラブロモヘプチル、ペンタブロモヘプチル、ヨードメチル、ジヨードメチル、トリヨードメチル、ヨードエチル、ジヨードエチル、トリヨードエチル、ペンタヨードエチル、ヨードプロピル、ジヨードプロピル、トリヨードプロピル、ヘプタヨードプロピル、ヨードブチル、ジヨードブチル、トリヨードブチル、ヨードペンチル、ジヨードペンチル、トリヨードペンチル、テトラヨードペンチル、ヨードヘプチル、ジヨードヘプチル、トリヨードヘプチル、テトラヨードヘプチルおよびペンタヨードヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニル」という用語は、炭素−炭素二重結合を含有していることを除けば「アルキル」と同一であるものとして定義され、例えばエテニル、プロペニル、ブテニルがある。「アルケニレン」という用語は、炭素−炭素二重結合を含有していることを除けば「アルキレン」と同一であるものとして定義される。「アルキニル」および「アルキニレン」という用語は、炭素−炭素三重結合を含有していることを除けば「アルキル」および「アルキレン」と同一であるものとして定義される。アルケニルおよびアルキニルの非制限的な例は、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、ヘプタトリエニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニル、ペンタジエニル、ヘキシニル、ヘキサジエニル、ヘプチニル、ヘプタジエニルおよびヘプタトリエニルである。
本明細書で使用する場合、「ハロ」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードとして定義される。
「C1−4アシル」という用語は、計1個から4個の炭素原子を含有するR−C(=O)−として定義され、例えばホルミルオキシ、アセチルオキシ、n−プロピオニルオキシ、i−プロピオニルオキシ、ブチリルオキシおよびsecブチルオキシ(イソブチルオキシ)がある。
「ヒドロキシ」という用語は−OHとして定義される。
「アルコキシ」という用語は−ORとして定義され、ここでRはアルキルである。
「アミノ」という用語は−NHとして定義され、「アルキルアミノ」という用語は−NRとして定義され、ここで少なくとも1つのRはアルキルであり、第2のRはアルキルまたは水素である。
「ニトロ」という用語は−NOとして定義される。
「シアノ」という用語は−CNとして定義される。
「カルバモイル」という用語は−C(=O)NRとして定義される。
「トリフルオロメチル」という用語は−CFとして定義される。
「トリフルオロメトキシ」という用語は−OCFとして定義される。
本明細書で使用する場合、
などの基は
の省略形である。
本明細書で使用する場合、「アリール」という用語は単環式または多環式の芳香族基であり、好ましくは単環式または二環式の芳香族基を云う。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニルおよびテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールはまた二環式および三環式の炭素環を云い、その環の1つは芳香族であり、他方の環は飽和、部分的に不飽和または芳香族であり、例えばジヒドロナフチル、インデニル、インダニルまたはテトラヒドロナフチル(テトラリニル)である。
「アラルキル」という用語はアリールによって置換された一価のアルキル基である。アリール基またはアラルキル基は、1個または複数の基によって、一般には参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0009405号に開示された1個から4個の基によって置換されていてもよい。例えば、アリール基またはアラルキル基は、非置換であるか、例えばハロ、アルキル、アルケニル、−OCF、−NO、−CN、−NC、−OH,アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、−COH、−COアルキル、−OCOアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択される1個または複数の非限定的な基によって置換することができる。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、1個または2個の芳香環を含有し、かつ1個の芳香環に少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄原子を含有する単環系または二環系を云う。ヘテロアリール基のそれぞれの環は、1個または2個のO原子、1個または2個のS原子および/または1個から4個の窒素原子を含むことができ、そのことによって、それぞれの環のヘテロ原子の総数が4個以下となり、かつそれぞれの環は少なくとも1個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール環系は、5個から20個、5個から15個または5個から10個の環原子を有する。単環のヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環のヘテロアリール環系としては、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キアゾリニル、チアジアゾロピリミジルおよびチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。別段の指示がない限りは、ヘテロアリール基は、非置換であるか、例えばハロ、アルキル、アルケニル、−OCF、−NO、−CN、−NC、−OH,アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、−COH、−COアルキル、−OCOアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択される1種または複数の、具体的には1種から4種の置換基によって置換することができる。追加のヘテロアリール置換基は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0009405号に開示されている。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、3個から8個の炭素原子を含有する単環の脂環であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられ、それらは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0009405号に開示された基によって置換されていてもよい。
本明細書で使用する場合、「ヘテロシシル」という用語は、計4個から12個の原子を含有する二環の脂環であり、そのうち1個から5個の原子は独立して窒素、酸素および硫黄から選択されて、残りの原子は炭素である。ヘテロシシル基の非制限的な例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、ジオキサニル、オキサシクロヘプチル、ジオキサシクロヘプチル、チアシクロヘプチルおよびジアザシクロヘプチルが挙げられ、それぞれは環の原子においてハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、アミノ、カルバモイル、ニトロ、カルボキシ、C2−7アルケニル、C2−7アルキニルなどによって置換されていてもよい。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルキレン」という用語は、炭化水素鎖においてO、SおよびNからそれぞれ独立に選択される1種または複数のヘテロ原子を含有する、置換されていることのある鎖状または分岐の二価飽和炭化水素ラジカルを云う。C1−6ヘテロアルキレンは、1個から6個の炭素原子のある鎖状の二価飽和炭化水素ラジカルまたは3個から6個の炭素原子のある分岐の二価飽和炭化水素ラジカルを云う。ヘテロアルキレン基の非制限的な例としては、−CHO−、−CHOCH−、−CHCHO−、−CHNH−、−CHNHCH−、−CHCHNH−、−CHS−、−CHSCH−および−CHCHS−が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルケニレン」という用語は、1個または複数の、一実施形態では1個から5個の、別の一実施形態では1個の炭素−炭素二重結合を含有し、かつ炭化水素鎖においてO、SおよびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する、置換されていることのある鎖状または分岐の二価飽和炭化水素ラジカルを云う。「C2−6ヘテロアルケニレン」は、2個から6個の炭素原子のある鎖状の二価不飽和炭化水素ラジカルまたは3個から6個の炭素原子のある分岐の二価不飽和炭化水素ラジカルを云う。ヘテロアルケニレン基の非制限的な例としては、−CH=CHO−、−CH=CHOCH−、−CH=CHCHO−、−CH=CHS−、−CH=CHSCH−、−CH=CHCHS−および−CH=CHCHNHが挙げられる。ヘテロアルキレン基およびヘテロアルケニレン基は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0009405号に開示された基によって置換されていてもよい。
本明細書で使用する場合、「アミノ酸残基」という用語は、ヒスチジン、アラニン、イソロイシン、アルギニン、ロイシン、アスパラギン酸、リジン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、フェニルアラニン、グルタミン、スレオニン、グリシン、トリプトファン、プロリン、バリン、セリン、チロシン、アスパラギンを意味する。
本発明によれば、環Bは、1個から4個の炭素原子が独立して窒素、酸素または硫黄に置き換えられた、フェニルまたは五員環もしくは六員環の芳香族環である。好適な一実施形態では、環Bはフェニルである。別の好適な実施形態では、環Bは1個または複数のハロ基によって置換されたフェニルである。
好適な実施形態では、Zは−C(=O)N(CHまたは
である。別の実施形態では、
であり、どちらかは置換されていてもよい。環の好適な置換基はハロであり、最も好適にはフルオロである。
別の好適な実施形態では、
である。
好適な実施形態では、A環系はヘテロシシルである。A環の非制限的な例としては、置換されていることのある
が挙げられるが、これらに限定されない。
置換基の例としては、−OH、=OCH、−NH、−CH−OH、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHC1−3アルキル、−NHC(=O)NHC1−3アルキル−NHSO1−3アルキルおよびハロC1−6アルキルのうちの1種または複数が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの特定の実施形態では、A環は
である。
一実施形態では、A環は好ましくは置換されていることのある
であり、さらに好適な実施形態では、
である。
いくつかの好適な実施形態では、RはH、CHまたはCHCHである。追加の好適な実施形態では、Lは−(CHNH(CH−または−(CH−である。
いくつかの実施形態では、Zは(CHNC(=O)、2−N−メチルイミダゾリル、2−ピリミジニル、2−チアゾリル、3−チエニル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、2−ベンゾチアゾリル、
である。
他の実施形態では、RはCH、F,Cl、I、CNまたはC(=O)NHである。
さらに他の実施形態では、RはCH、CHCH、CHF、CHBr、CHCHOH、CHCH(CH)OH、CHC(=O)CH、CHC(=O)OCH、CHC(=O)OH、CHC(=O)NH、CHC(=O)N(CHまたはCHOCHである。
また、本願の化合物の塩、水和物および溶媒和物もまた本発明に含まれており、本明細書に開示された方法に使用することができる。本発明はさらに、構造式(I)または(II)の化合物のあり得る全ての立体異性体および幾何異性体を含む。本発明は、ラセミ化合物と光学活性異性体の両方を含む。構造式(I)または(II)の化合物が単一の鏡像異性体として望まれている場合、最終生成物の分割と、異性体的に純粋な出発材料からの、または例えばZ. Maet al., Tetrahedron: Asymmetry、8(6), 883-888ページ(1997)に参照されるキラル補助試薬の使用からの、立体特異的な合成とのどちらかによって、得ることができる。最終生成物、中間体または出発材料の分割は、当該技術分野で公知である任意の適した方法によって達成することができる。さらに、構造式(I)または(II)の化合物の互変異性体があり得る状況では、本発明は当該化合物の全ての互変異性体の形状を含む。
本発明の化合物は、塩として存在することができる。本発明の化合物の医薬的に許容できる塩は、大抵は本発明の方法において好適である。本願明細書で使用する場合、「医薬的に許容できる塩」という用語は、構造式(I)または(II)の化合物の塩または双性イオンの形状を云う。式(I)または(II)の化合物の塩は、当該化合物の最終の単離および精製の際に、または適した陽イオンを有する酸に当該化合物を別個に反応させることによって、調製することができる。構造式(I)または(II)の化合物の医薬的に許容できる塩は、医薬的に許容できる酸とともに形成される酸付加塩であり得る。医薬的に許容できる塩を形成するために採用することのできる酸の例としては、硝酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸やリン酸などの無機酸、およびシュウ酸、マレイン酸、コハク酸やクエン酸などの有機酸が挙げられる。本発明の化合物の塩の非限定的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、イセチオン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明の化合物に存在する利用可能なアミノ基は、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、および塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、および臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、およびヨウ化ブチル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル;塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、および塩化ステリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、および臭化ステリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、およびヨウ化ステリル;ならびに臭化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて第四級化することができる。以上を踏まえると、本明細書中に現れる本発明の化合物への言及のいずれも、構造式(I)または(II)の化合物ならびにその医薬的に許容できる塩、水和物、または溶媒和物を包含することが意図されている。
本発明の具体的な化合物として下記の構造を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益な効果を有する疾患および状態を治療するための、構造式(I)の化合物に例示するようなMEK/PI3K二重阻害剤を提供する。一実施形態では、本発明は、MEKまたはPI3Kの、好ましくは両方の阻害が有益性をもたらす疾患または状態に罹患している個体の治療方法に関し、本法は治療有効量の構造式(I)または(II)の化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む。構造式(I)または(II)の化合物は、KRAS変異型の腫瘍に対し、MEKとPI3Kのどちらかの阻害剤による単剤療法よりも高い活性を示すことが想定される。
本発明の方法は、構造式(I)または(II)の化合物をニート化合物として、または医薬組成物として投与することによって成し遂げられる。構造式(I)または(II)の化合物の医薬組成物またはニート化合物の投与は、関心の対象である疾患または状態の発症中または発症後に実施される。一般的に、医薬組成物は滅菌されており、投与した際に有害作用の原因となる毒性、発癌性または変異原性のある化合物を含有しない。さらに提供されるのは、構造式(I)または(II)の化合物と、任意選択で、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患または状態の治療において有用な第2の治療作因とが、別個にまたは併せて包装されたものと、これらの活性作因を使用するための指示のある添付文書とを具えたキットである。
多くの実施形態で、構造式(I)または(II)の化合物は、MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患または状態の治療において有用な第2の治療作因と併用して投与される。第2の治療作因は、構造式(I)または(II)の化合物とは異なる。構造式(I)または(II)の化合物および第2の治療作因は、所望の効果を達成するために、同時にまたは連続的に投与することができる。さらに、構造式(I)または(II)の化合物および第2の治療作因は、単一組成物から、または2つの別個の組成物から投与することができる。
第2の治療作因はその所望の薬効を与える量で投与される。それぞれの第2の治療作因の有効な用量範囲は当該技術分野に公知であり、第2の治療作因は、そのような確立された範囲内で、それを必要とする個体に投与される。
構造式(I)または(II)のMEK/PI3K二重阻害剤と第2の治療作因とは、単一単位の用量として共に、または複数単位の用量として別個に、投与することができるが、後者では、構造式(I)または(II)の化合物は第2の治療作因より前に投与されるか、またはその逆もある。構造式(I)または(II)の化合物の1回または複数回の用量および/または第2の治療作因の1回または複数回の用量を投与することができる。そのため、構造式(I)または(II)の化合物は、例えば、限定されないが、抗がん剤などの1種または複数の第2の治療作因と併用して使用することができる。
本発明にしたがって治療することができる疾患および状態としては、例えばがんが挙げられる。様々ながんを治療することができ、がんとしては膀胱(進行性および転移性の膀胱がんを含む)、乳房、大腸(直腸結腸がんを含む)、腎臓、肝臓、肺(小細胞性および非小細胞性の肺がんならびに肺腺癌腫を含む)、卵巣、前立腺、精巣、泌尿生殖器、リンパ系、直腸、喉頭、膵臓(膵外分泌癌腫を含む)、食道、胃、胆嚢、子宮頸部、甲状腺、腎臓および皮膚(扁平上皮癌腫を含む)を含めた癌腫;白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞性リンパ腫、組織球性リンパ腫、およびバーキットリンパ腫を含めたリンパ系系譜の造血器腫瘍、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、および前骨髄球性白血病を含めた骨髄系系譜の造血器腫瘍、星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、およびシュワン腫を含めた中枢および末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫、および骨肉腫を含めた間葉由来の腫瘍;ならびに黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞がん、奇形癌腫、腎細胞癌腫(RCC)、膵臓がん、骨髄腫、骨髄系およびリンパ芽球系の白血病、神経芽細胞種および神経膠芽腫を含めた他の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のMEK/PI3K二重阻害剤によって治療可能ながんの追加の形態としては、例えば、成人および小児の腫瘍学、固形腫瘍/悪性腫瘍の成長、粘液性および円形細胞癌腫、局所的な進行性腫瘍、転移性がん、ユーイング肉腫を含めたヒト軟部組織肉腫、リンパ性転移を含めたがん転移、扁平上皮細胞癌腫で特に頭頸部のもの、食道扁平上皮細胞癌腫、口腔癌腫、多発性骨髄腫を含めた血球細胞の悪性腫瘍、急性リンパ球性白血病、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病および有毛細胞性白血病を含めた白血病、浸出性リンパ腫(体腔を基とするリンパ腫)、胸腺リンパ腫の肺がん(小細胞癌腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、副腎皮質のがん、ACTH産生腫瘍、非小細胞がん、ならびに小細胞癌腫および腺管癌腫を含めた乳がんを含む)、胃腸がん(胃がん、結腸がん、結腸直腸がんおよび結腸直腸新生物に関連するポリープを含む)、膵臓がん、肝臓がん、泌尿器がん(表在性膀胱腫瘍、膀胱の浸潤性移行細胞癌腫や筋肉浸潤性膀胱がんなどの膀胱がんを含む)、前立腺がん、女性生殖器の悪性腫瘍(卵巣癌腫、原発性腹膜上皮性新生物、子宮頚癌腫、子宮内膜がん、膣がん、外陰部のがん、子宮がんおよび卵胞の固形腫瘍を含む)、男性生殖器の悪性腫瘍(精巣がんおよび陰茎がんを含む)、腎臓がん(腎細胞癌腫を含む、脳のがん(内因性脳腫瘍、神経芽腫、星状細胞脳腫瘍、神経膠腫および中枢神経系への転移性腫瘍細胞の浸潤を含む)、骨がん(骨腫および骨肉腫を含む)、皮膚がん(悪性黒色腫、ヒト皮膚角化細胞の腫瘍の進行および扁平上皮細胞がんを含む)、甲状腺がん、網膜芽腫、神経芽腫、腹水、悪性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、胆嚢がん、栄養膜新生物、血管外皮腫およびカポジ肉腫が挙げられる。
構造式(I)の化合物は、膵臓がんおよび直腸結腸がんの治療において特に有用である。
現存するMEKおよび/またはPI3Kの阻害剤の投与によって治療することのできる追加の疾患および状態としては、がん、炎症性疾患、アレルギー疾患、炎症性腸疾患、血管炎、ベーチェット症候群、乾癬、炎症性皮膚炎、喘息、呼吸器系アレルギー疾患、自己免疫疾患、移植拒絶、発熱、心血管障害、脳血管障害、線維症、結合組織疾患、サルコイドーシス、生殖器および生殖の障害、胃腸障害、神経障害、睡眠障害、疼痛、腎障害、ならびにHIVを含めた感染症が挙げられるが、これらのことは、米国特許出願公開第2011/0053907号、米国特許第7,897,792号、米国特許出願公開第2011/0009405号および米国特許出願公開第2010/0249099号に開示されており、それぞれその全体は参照により本明細書に組み込まれている。
本願の方法では、一般に薬務にしたがって処方された治療有効量の1種または複数の化合物(I)を、それを必要とするヒトに投与する。そのような治療が指示されるか否かは個々の場合に依存し、存在する兆候、症状および/または機能不全と、特定の兆候、症状および/または機能不全の危険性と、他の要因とを考慮する医学的評価(診断)に供される。
構造式(I)または(II)の化合物は適した任意の経路によって、例えば経口投与、口腔内投与、吸入投与、舌下投与、直腸投与、膣内投与、腰椎穿刺を介した嚢内もしくは髄腔内投与、経尿道投与、経鼻投与、例えば経皮貼付投与などの経皮投与、または非経口投与(静脈内注入、筋肉内注入、皮下注入、冠状動脈内注入、皮内注入、乳房内注入、腹腔内注入、関節内注入、鞘内注入、眼球後方注入、肺内注入および/または特定の部位での外科的移植)によって投与することができる。非経口投与は、針および注入器を使用するか、または高圧手法を使用して、達成することができる。
医薬組成物としては、構造式(I)または(II)の化合物を有効量で投与して意図されている目的を達成するものが挙げられる。正確な処方、投与経路および投与量は、個々の医師によって、診断された状態または疾患の観点から決定される。投与の量および間隔は、薬効を維持するのに十分な構造式(I)または(II)の化合物のレベルを提供するために、個別に調整することができる。
構造式(I)または(II)の化合物の毒性および薬効は、例えば、動物に毒性を引き起こさない最大の用量として規定する、化合物の最大耐量(MTD)を決定するために、細胞培養または実験動物における標準的な医薬的手順によって決定することができる。最大耐量と薬効(例えば腫瘍成長の阻害)との用量比が治療指数である。投与量はこの範囲内で、採用する投与剤形および利用する投与経路に応じて変化し得る。治療有効量を決定することは、特に本明細書に提供している詳細な開示を踏まえれば、十分に当業者の能力の範囲内にある。
治療での使用に必要な構造式(I)または(II)の化合物の治療有効量は、治療されている状態の特質、活性を望まれている時間の長さ、ならびに患者の年齢および状態に合わせて変化し、最終的に主治医によって決定される。投与の量および間隔は、望ましい薬効を維持するのに十分なMEK/PI3K二重阻害剤の血漿レベルを与えるように個別に調製し得る。望ましい用量は単回用量で、または適切な間隔で投与される複数回用量として、例えば1日当たり1回分、2回分、3回分、4回分またはそれ以上の副用量で、好都合に投与することができる。複数回投与は望ましいか、または必要とされることが多い。例えば、本願のMEK/PI3K二重阻害剤は以下の頻度で投与することができる。すなわち、4日間隔で1日当たり1用量として送達される4用量(q4d×4)、3日間隔で1日当たり1用量として送達される4用量(q3d×4)、5日間隔で1日当たり1用量(qd×5)、3週間の間に1週当たり1用量(qwk3)、5回の毎日の用量、2日間の休止およびさらに5回の毎日の用量(5/2/5)、または周囲事情に適切となるように決定された任意の投与計画である。
本発明で使用する構造式(I)または(II)の化合物は、用量当たり約0.005から約500ミリグラム、用量当たり約0.05から約250ミリグラムまたは用量当たり約0.5から約100ミリグラムの量で投与することができる。例えば、構造式(I)または(II)の化合物は、0.005と500ミリグラムとの間の全ての用量を含めて、用量当たり約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450または500ミリグラムで投与することができる。
構造式(I)のMEK/PI3K二重阻害剤を含有する組成物または該組成物を含有する組成物の投与量は、約1ng/kgから約200mg/kg、約1μg/kgから約100mg/kgまたは約1mg/kgから約50mg/kgであり得る。組成物の投与量は任意の投与量とすることができ、約1μg/kgが挙げられるが、これに限定されない。組成物の投与量は任意の投与量であってもよく、約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kgおよび約200mg/kgが挙げられるが、これらに限定されない。上記の投与量は平均的な場合の例示であるが、さらに高いまたはさらに低い投与量が相応である個々の事例があり得、そのようなものは本発明の範囲内にある。実際には、医師が個々の患者に最適な実際の投与計画を決定し、その計画は特定の患者の年齢、体重および反応性に合わせて変化し得る。
がんの治療において、構造式(I)または(II)の化合物は、化学療法剤および/または放射線照射と共に投与することができる。
本発明の実施形態では電磁放射線照射を採用する。すなわち、γ照射(10−20から10−13m)、X線照射(10−12から10−9m)、紫外光(10nmから400nm)、可視光(400nmから700nm)、赤外線照射(700nmから1mm)およびマイクロ波照射(1mmから30cm)である。
多くのがん治療のプロトコールでは、現在、例えばX線などの電磁放射線を活性化する放射線増感剤が採用される。X線を活性化する放射線増感剤の例としては、メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC,RSU1069、SR4233、EO9、RB6145、ニコチンアミド、5−ブロモデオキシウリジン(BUdR)、5−ヨードデオキシウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジン(FUdR)、ヒドロキシウレア、シスプラチンおよびそれらの医薬的に有効な類縁体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
がんの光線力学的療法(PDT)では、増感剤の照射活性化因子として可視光を採用している。光線力学的放射線増感剤の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、ヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリン(登録商標)、ベンゾポルフィリン誘導体、NPe6、スズエチオポルフィリン(SnET2)、フェオボルビド−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニンならびに薬効のあるそれらの類縁体および誘導体である。
放射線増感剤は、本願のMEK/PI3K二重阻害剤に加えて、治療有効量の1種または複数の化合物を併せて投与することができ、そのような化合物としては、標的細胞への放射線増感剤の取り込みを促進する化合物、標的細胞への治療薬、栄養素、および/もしくは酸素の流れを制御する化合物、追加の放射線の有無に関わらず腫瘍に作用する化学療法剤、またはがんもしくは他の疾患を治療するための治療上有効な他の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。放射線増感剤と併せて使用することができる追加の治療剤の例としては、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、酸素、カルボゲン、赤血球の輸血、ペルフルオロカーボン(例えばFLUOSOLW(登録商標)−DA)、2,3−DPG、BW12C、カルシウムチャンネル遮断薬、ペントキシフィリン、抗血管形成化合物、ヒドララジン、およびL−BSOが挙げられる。
化学療法剤は、アポトーシスを誘導する任意の薬剤または化合物であり得る。薬剤又は化合物は、例えば有機小分子、ペプチド、ポリペプチド、核酸または抗体であり得る。使用され得る化学療法剤としては、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ホルモンおよびその拮抗物質、天然物およびその誘導体、放射性同位体、抗体、ならびに天然物、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本発明のMEK/PI3K二重阻害剤は、ドキソルビシンや他のアントラサイクリン類縁体などの抗生物質、シクロホスファミドなどのナイトロジェンマスタード、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ヒドロキシ尿素、タキソールなどのピリミジン類縁体、ならびにその天然および合成誘導体などと共に投与することができる。他の例としては、腫瘍がゴナドトロピン依存性およびゴナドトロピン非依存性の細胞を含む、乳腺腺癌などの混合腫瘍である場合、当該化合物は、ロイプロリドまたはゴセレリン(LH−RHの合成ペプチド類縁体)と併せて投与することができる。他の抗新生物プロトコールとしては、別の治療様式、例えば外科手術または放射線照射と併せた阻害剤化合物の使用が挙げられ、これらの様式を本明細書では「補助の抗新生物様式」としても言及されている。本発明で有用な追加の化学療法剤は、ホルモンおよびその拮抗物質、放射性同位体、抗体、天然物、およびその組み合わせを含む。
本発明の方法において有用な化学療法剤の例を以下の表に列記する。
微小管作用剤は細胞の有糸分裂に干渉し、その細胞毒性活性で当業者に周知である。本発明で有用な微小管作用剤としては、アロコルヒチン(NSC406042)、ハリコンドリンB(NSC609395)、コルヒチン(NSC757)、コルヒチン誘導体(例えばNSC33410)、ドラスタチン10(NSC376128)、メイタンシン(NSC153858)、リゾキシン(NSC332598)、パクリタキセル(NSC125973)、タキソール(登録商標)誘導体(例えばNSC608832)、チオコルヒチン(NSC361792)、トリチルシステイン(NSC83265)、ビンブラスチン硫酸塩(NSC49842)、ビンクリスチン硫酸塩(NSC67574)、例えばエポチロンA、エポチロンBおよびディスコダーモリドが挙げられるがこれらに限定されない、天然および合成のエポチロン(Service, (1996) Science, 274:2009を参照のこと)エストラムスチン、ノコダゾール、MAP4などが挙げられるが、これらに限定されない。
そのような薬剤の例は、Bulinski, (1997), J. Cell. Sci., 110:3055 3064;Panda, (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:10560-10564;Muhlradt, (1997) Cancer Res., 57:3344-3346;Nicolaou, (1997) Nature 397:268-272;Vasquez, (1997) Mol. Biol. Cell. 8:973-985;およびPanda, (1996) J. Biol. Chem., 271:29807-29812にも開示されている。
使用してもよい細胞増殖抑制剤としては、ホルモンおよびステロイド(合成された類縁体を含む)、すなわち17−α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメスチロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチル−テストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゾラデックスが挙げられるが、これらに限定されない。
他の細胞増殖抑制剤は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤などの抗血管新生物質、ならびに抗VEGF抗体およびZD6474やSU668などの小分子などの他のVEGF阻害剤である。抗Her2抗体も利用してもよい。EGFR阻害剤はEKB−569(不可逆的な阻害剤)である。同じく挙げられるのは、EGFRに免疫特異的な抗体C225およびSrc阻害剤である。
同じく細胞増殖抑制剤としての使用に適しているのは、アンドロゲン依存的な癌腫を非増殖性にするカソデックス(登録商標)(ビカルタミド、アストラゼネカ)である。さらに他の細胞増殖抑制剤の例は、エストロゲン依存的な乳がんの増殖および成長を阻害するエストロゲン拮抗物質のタモキシフェン(登録商標)である。細胞増殖のシグナルの阻害剤は細胞増殖抑制剤である。代表例としては、上皮細胞増殖因子阻害剤、Her−2阻害剤、PI3阻害剤、Srcキナーゼ阻害剤およびPDGF阻害剤が挙げられる。
MEK/PI3K二重阻害剤と共に投与され得る追加の第2の治療作因は、当業者に周知であり、例えば米国特許出願公開第2011/0053907号、第2011/0009405号および第2010/0249099号に開示されており、それぞれ全体を参照により本明細書に組み込まれている。
本発明の化合物は、一般に、意図する投与経路および標準的な薬務について選択された医薬的担体との混和物で投与される。本発明による使用のための医薬組成物は、構造式(I)または(II)の化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む1種または複数の生理的に許容できる担体を使用して、従来の手法で製剤化される。
医薬組成物は、例えば従来の混合、溶解、粒化、糖衣錠作製、乳化、被包、封入または凍結の工程によって、製造することができる。適正な処方は選んだ投与経路に依存する。治療有効量の構造式(I)または(II)の化合物を経口で投与する場合は、一般に組成物は錠剤、カプセル、粉末、溶液またはエリキシルの形状である。錠剤の形状で投与される場合は、組成物はゼラチンやアジュバントなどの固形担体を追加で含有し得る。錠剤、カプセルおよび粉末は、約0.01%から約95%、および好ましくは約1%から約50%の構造式(I)または(II)の化合物を含有することができる。液体の形状で投与される場合には、水、鉱油や動物または植物由来の油などの液体担体を添加することができる。組成物の液体形状は、さらに生理食塩水、デキストロースもしくは他の糖液またはグリコールを含有し得る。液体の形状で投与される場合には、組成物は重量で約0.1%から約90%、および好ましくは約1%から約50%の構造式(I)または(II)の化合物を含有することができる。
治療有効量の構造式(I)または(II)の化合物を静脈内注入、皮膚注入または皮下注入で投与する場合は、化合物は発熱性物質不含の非経口として許容できる水溶液の形状である。そのような非経口として許容できる水溶液で、pH、等張性や安定性などを十分に考慮したものを調製することは、当業者の能力の範囲にある。静脈内注入、皮膚注入または皮下注入のための好適な組成物は一般に、等張性のある媒体を含有する。
構造式(I)または(II)の化合物は、当該技術分野に周知の医薬的に許容できる担体と容易に組み合わせることができる。そのような担体は、治療される患者が経口摂取するための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして、活性剤を製剤化することができる。経口使用のための医薬製剤は、構造式(I)または(II)の化合物を固形賦形剤に添加して、得られた混合物を任意選択で摩砕し、必要ならば適した補助剤を添加した後に、粒状の混合物に加工し、錠剤または糖衣錠のコアを得ることによって取得することができる。適した賦形剤としては、例えばフィルターまたはセルロース製剤が挙げられる。必要ならば、崩壊剤を添加することができる。
構造式(I)または(II)の化合物は、注入、例えばボーラス注入や持続点滴による非経口投与用に製剤化することができる。注入用の製剤は単位用量剤形で、例えばアンプルや複数回用量容器で、保存剤を添加して供することができる。組成物は、懸濁液、溶液または乳濁液のような形状を油性媒体または水性媒体中にとることができ、薬剤を懸濁、安定化および/または分散するような製剤化用の薬剤を含有し得る。
非経口投与のための医薬組成物は、活性薬剤の水溶液を水溶性の形状で含有する。さらに、構造式(I)または(II)の化合物の懸濁液は、適切な油性の注入懸濁液として調製することができる。適した親油性の溶媒または媒体は、脂肪油または合成の脂肪酸エステルである。水性の注入懸濁液は、懸濁液の粘性を高める物質を含有することができる。任意選択的に、懸濁液はまた、化合物の溶解性を高めて高濃度溶液の調製が可能となるように、適した安定化剤を含有し得る。あるいは、本願の組成物は、適した媒体、例えば滅菌した発熱性物質不含の水などで構成させるために、使用する前には粉末の形状であり得る。
構造式(I)または(II)の化合物は、例えば従来の坐剤の基材を含有する坐剤や停留浣腸などの直腸組成物に製剤化することもできる。先に記載した処方に加えて、構造式(I)または(II)の化合物を徐放性製剤として製剤化することもできる。そのような長期間作用する処方は、移植によって(例えば皮下もしくは筋肉内)、または筋肉内注入によって、投与することができる。そのため、構造式(I)または(II)の化合物は、適したポリマー性もしくは疎水性の材料(例えば許容できる油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂を加えて製剤化することができる。
特に、構造式(I)または(II)の化合物は、経口、口腔内または舌下で、デンプンやラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形状、またはカプセルもしくは卵状剤で、単独でもしくは賦形剤との混和物とのどちらかで、または芳香剤もしくは着色剤を含有するエリキシルもしくは懸濁液の形状で、投与することができる。そのような液体製剤は、懸濁剤などの医薬的に許容できる添加剤を加えて調製することができる。構造式(I)または(II)の化合物は、非経口的に、例えば皮内、筋肉内、皮下もしくは冠動脈内に注入することもできる。経口投与には、MEK/PI3K二重阻害剤は、血液と等張の溶液を作製するために他の物質、例えば塩またはマンニトールやグルコースなどの単糖を含有し得る滅菌水溶液の形状で使用するのが最良である。
追加の実施形態として、本発明は、本発明の方法を実践するための使用を容易にする方式で包装された1種または複数の化合物または組成物を具えたキットを含む。単純な一実施形態では、キットは、方法の実践のために有用であるとして、本明細書に記載の化合物または組成物を具えており(例えば、構造式(I)または(II)の化合物を含む組成物と、任意選択で第2の治療作因)、密封されたビンや管などの容器に包装され、本発明の方法を実践するための化合物または組成物の使用を記載したラベルを容器に貼付するかキットに含んでいる。好ましくは、化合物または組成物は単位用量剤形に包装される。キットはさらに、意図する投与経路にしたがって、化合物を投与するのに適したデバイスを具えることができる。
先行のMEKおよびPI3Kの阻害剤には、治療剤としての発展を妨げる特性がある。本発明の重要な特長に従って、構造式(I)または(II)の化合物を合成し、MEK/PI3K二重阻害剤として評価した。構造式(I)または(II)の化合物は、MEK阻害剤およびPI3K阻害剤を使用した併用療法よりも効果が高く、毒性が低いことが想定される。
化合物の合成
本発明の化合物は、クマリンを基にしたMEK阻害剤を、トリアジンを基にしたPI3K阻害剤にコンジュゲートまたは連結して、本発明のMEK−PI3K二重阻害剤に到達した結果である。クマリンを基にしたMEK阻害剤は、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,897,792号に開示されているように合成される。トリアジンを基にした阻害剤は、例えば、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2011/0053907号、第2011/0009405号および第2010/0249099に開示されているように合成される。
MEK阻害剤およびPI3K阻害剤は、スキームIに記述した非制限的なアプローチを使用してコンジュゲートすることができる。
スキームI MEKおよびPI3Kに結合する鋳型
スキームIの3つの合成アプローチ(A、BおよびC)は、本願のMEK/PI3K二重阻害剤を合成するために使用することができる。アプローチAおよびBは、後出のMV3−65Aの構造に似たクマリンスルホンアミド誘導体の設計に焦点を当てている。アプローチAでは、類縁体がN−メチルスルホンアミド基を保持するが、この類縁体は細胞アッセイにおいてMEK阻害とPI3K阻害の両方を保持したためである。スルホンアミドにおけるN−メチル化は阻害能に3〜4倍の低下を引き起こすが、出願人は、MEK結合部分内に6−フルオロ−2−ピリジル構造を組み込むことによって、N−メチル化に起因する親和性の欠失を大いに克服することを期待している。アプローチBでは、安定な五員環または六員環構造の形成を防止することによって環化を中断させるために、リンカー部分が様々なNHスルホンアミド構造のある類縁体が設計する。
アプローチCでは、MEK結合モチーフにおいて(ω−ハロアルキル)アミノスルホンアミドリンカーを使用しており、そのリンカーは、次いでPI3Kに結合するピペラジンの窒素にアミド結合によって直接的に結合する。リンカーにあるアミノスルホンアミド基を封入することによって、これらの化合物の公開済みの構造活性相関(SAR)データに基づいて、MEK結合親和性が著しく向上することが期待される。合成は、塩化スルフリルを用いた処理に続く適切なアミノアルカノエートエステル誘導体との縮合によって、ピリジル基の第1級アミノ官能基を対応するN−スルファモイル誘導体に変換することを伴う。エステルの脱保護の後、得られた酸を、スキームIIに記載したものと同様の方法論を使用して、PI3K阻害剤にアミド結合を介して結合する。
以下に、クマリンを基にしたMEK阻害剤とトリアジンを基にしたPI3K阻害剤から生じる、構造式(I)のMEK/PI3K二重阻害を合成する非制限的な方法を説明する。
MEK/PI3K二重結合リガンド(MV3−65A)を合成するための合成工程と、本願化合物および中間体に対するMEKおよびPI3Kのインビトロの結合親和性とを、以下のスキームII〜IVに示す。MEKおよびPI3Kの結合モチーフの合成は、既に報告されている方法論を使用して実施するが、併せて追加の構造的な修正を行って、最終的に2つのリガンドの連結を達成する。修正は、(a)MEK結合部分の3−アミノ官能基に(3−クロロプロピルスルフリル)基を導入すること(MV3−61A)と、(b)元のPI3K結合リガンドにあるモルホリノ基をピペラジン基に置換して、最終的な結合段階の合成上のハンドルとして供すること(MV3−42B)とを含む。PI3K結合モチーフ(MV3−46A)およびMEK結合モチーフ(MV3−63A)の合成をスキームIIおよびIIIにそれぞれ示す。MEK結合モチーフMV3−61AをPI3K結合モチーフMV3−46Aに結合させる最初の試みでは、ペンダントの(3−クロロプロピル)基がMV3−61Aのスルホンアミドの窒素と共に内部で環化して、環状スルホンアミドMV3−62Aを与えたために、所望の生成物を十分な収量で提供することができなかった。環状生成物の形成を防止するために、スルホンアミドNHをN―メチル基として保護した(化合物MV3−63A;スキームIII)。スキームIVに示すMV3−63AとMV3−46Aとの結合によって、所望の混成リガンドMV3−65Aを48%の収量で得たが、続いてそのリガンドを塩酸塩に変換した。
PI3K結合系列(スキームII)のインビトロ結合のデータは、化合物MV3−42Bの高いPI3K阻害(IC50=100nM)を明らかに示していたが、この化合物ではモルホリンがピペラジンに置換されていた。6−ニトロベンゾイルリンカー(MV3−44B)の付加によって、親和性に著しい低下(IC50>μM)が生じたものの、ニトロ基をアミノ基へ変換することによって(MV3−46A)、結合親和性に10倍の向上が生じた(IC50<100nM)。MEK結合系列(スキームIII)では、MV3−34Aの3−ニトロ官能基の存在によって、高いMEK阻害(IC50=111nM)が生じ、アミノ基への変換(MV3−36A)によって、親和性に>10倍の低下を生じた。しかし、アミンにおける3−クロロプロピルスルフリルリンカー基の付加によって、親和性に著しい向上を生じた(MV3−61A;IC50=29.3nM)。MEK結合のデータは、スルホンアミドNH基の存在によって高いMEK阻害が生じる一方で、そのアルキル化によって阻害に2.5〜4倍の低減が引き起こされることも明らかに示している。例えば、環状スルホンアミドのMV3−62AおよびN−メチル類縁体のMV3−63AのMEK阻害のためのIC50は、それぞれ78.2nMおよび120nMである。最終化合物のMV3−65Aは、それぞれ501nMおよび370nMのMEKおよびPI3Kの結合の阻害値を呈した(スキームIV)。
スキームII PI3Kに結合するファーマコフォア(MV3−46A)の合成
試薬および条件:(a)モルホリン、DIPEA、DCM、−78℃〜RT、84.7%;(b)2−(ジフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール、KCO、DMF、RT、85.5%;(c)ピペラジン、THF、還流、75.9%;(d)ON−(CHCOCl、EtN、CHCl、RT、92.5%;(e)HCOONH、10%Pd−C、CHOH、−10℃、−RT、56.6%。
DIPEA−ジイソプロピルエチレンアミン
DCM−ジクロロメタン
CO−炭酸カリウム
DMF−ジメチルホルムアミド
RT−室温
THF−テトラヒドロフラン
CHCl−クロロホルム
CHOH−メタノール
EtN−トリエチルアミン
EtOH−エタノール
CHI−ヨウ化メチル
CSCO−炭酸セシウム
スキームIII MEKに結合するファーマコフォア(MV3−61A)の合成
試薬および条件:(a)3−ニトロベンジルブロミド、THF、0℃〜RT、64.5%;(b)レゾルシノール、濃HSO、0℃〜RT、90%;(c)1.NaH、THF、2.(CHNCOCl、DMAP(触媒)、93%;(d)SnCl、EtOH、還流、90%;(e)ClSO(CHCl、ヒューニッヒ塩基、DMAP、DCM、0℃〜RT,85%;(f)CHI、CsCO、DMF、82.5%。
SO−硫酸
NaH−水素化ナトリウム
DMAP−ジメチルアミノピリジン
SnCl−塩化スズ
ETOH−エタノール
スキームIV
データは、化合物MV3−65Aが全てのPI3Kアイソフォームに対し比較的効力があり、EGFR,PKCα、ERKおよびAurBを含めた選択性パネルのキナーゼに対する活性を欠く(IC50>10μM)ことを示している。重要なことに、pERKとpAKTの両方の発現について細胞阻害が観察された。
化合物MV3−46A
ニトロ類縁体MV3−44B(0.7g、1.25mmоl)の無水メタノール(4mL)溶液を、無水ギ酸アンモニウム(0.8g、12.7mmоl)を用いて処理し、窒素雰囲気下で10分間撹拌した。次いで混合物を、氷−塩浴を使用して−10℃に冷却し、10%パラジウム炭素(0.21g)1片を用いて処理して、この温度でさらに1時間撹拌した。混合物を室温に昇温させて、セライトを通して濾過した。減圧濃縮に続いて得た油を、酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を用いて抽出し、ブライン洗浄して乾燥した(硫酸マグネシウム)。粗生成物を、水酸化アンモニウムを1%添加した5%〜20%ジクロロメタン中メタノールの勾配を伴うシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーに供して、215mg(32.4%)の掲題の化合物をクリーム状の非晶質の固体として得た。H NMR(CDCl):δ8.32(d、1H、J=7.6Hz)、7.87(d、1H、J=8.0Hz)、7.55(t、1H、J=53.7Hz、CHF)、7.45−7.36(m、2H)、3.88−3.59(m、16H)、3.49(s、2H、NH)、2.96(t、2H、J=7.0Hz)、2.41−2.39(m、2H)、1.79−1.66(オーバーラップm、4H)、1.51−1.48(m、2H)。HRMS(ESI+)=530.2793;理論値530.2798[M+H]。HPLC保持時間:13.29分
化合物MV3−63A
ω−(3−クロロプロピル)スルホンアミド類縁体MV3−61A(27mg、0.055mmоl)の無水DMF(0.5mL)溶液を、CHI(27.3mg、12μL、0.19mmоl)を用いて処理し、次いでCsCO(36mg、0.11mmоl)を用いて処理し、室温で12時間撹拌した。混合物を酢酸エチルに希釈し、ブライン、5%炭酸ナトリウム水溶液、水で連続的に洗浄し、乾燥した(硫酸マグネシウム)。粗生成物を、50%〜70%ヘキサン中EtOAcの勾配を伴うシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーに供して、23mg(82.5%)の掲題の化合物を無色の粘稠性の油として得た。H NMR(CDCl):δ7.61(dd、1H、J=1.1、8.0Hz)、7.33−7.19(m、4H)、7.12−7.09(m、2H)、4.06(s、2H、ベンジルのCH)、3.62(t、2H、J=6.2Hz)、3.33(s、3H)、3.15(t、2H、J=7.4Hz)、3.13(s、3H)、3.03(s、3H)、2.48(s、3H)、2.27−2.23(m、2H)、)。HRMS(ESI+)=524.1614;理論値524.1617[M+NH
化合物MV3−65A
塩化スルファモイルMV3−63A(16mg、0.032mmоl)、MV3−46A(34mg、0.064mmоl)、無水KCO(10mg、0.070mmоl)およびヨウ化ナトリウム(5.3mg、0.035mmоl)の無水アセトニトリル中(0.8mL)混合物を、窒素雰囲気下で12時間、還流で撹拌した。混合物を酢酸エチル(25mL)に溶解し、ブライン(25mL)で抽出して乾燥した(硫酸ナトリウム)。粗生成物を、水酸化アンモニウムを1%添加した5%〜15%ジクロロメタン中メタノールの勾配を伴うシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、16mg(50%)の掲題の化合物を淡黄色の粘稠性の油として得た。遊離塩基の無水エタノール溶液を、無水ジエチルエーテル中で1当量の塩酸を用いて処理し、窒素気流下で濃縮乾燥することによって、塩酸塩に変換した。H NMR(CDCl):δ8.33(d、1H、J=7.6Hz)、7.89(d、1H、J=7.2Hz)、7.62(d、1H、J=9.4Hz)、7.55(t、1H、J=53.5Hz、CHF)、7.45−7.40(m、3H)、7.26−7.24(m、2H)、7.14−7.08(m、3H)、4.04(s、2H、ベンジルのCH)、3.89−3.80(br m、13H)、3.70(br m、2H)、3.59(br m、2H)、3.34(s、3H)、3.25(t、2H、J=7.3Hz)、3.12(s、3H)、3.02(s、3H)、3.00(m、1H)、2.91(m、2H)、2.49(s、3H)、2.42(t、2H、J=6.6Hz)、2.25(m、2H)、1.81(m、2H)、1.68(m、2H)、1.47(m、2H)。HRMS(ESI+)=1022.4114;理論値1022.4129[M+Na]。HPLC保持時間:17.89分。
HPLC分析条件:
カラム:Waters Sunfire C18;5μ、(250×4.6)mm
移動相:
A:0.1%トリフルオロ酢酸を含有する脱イオン水
B:0.1%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル
溶媒溶出:溶媒の勾配は、254および280nmでのUV吸収観測を用いて、流速1mL/分で、25分間にわたって10%Bから90%Bまで上昇させた。
スキームV MEKに結合するファーマコフォアのSAR
MEK/PI3K二重阻害剤のためのMEKに結合するファーマコアの追加の実施形態をスキームIVに説明する。
スキームVでは、フェニル環を2−ピリジル環に置き換えることにより、MEKの阻害が10倍亢進し、スルホンアミドのオルト位にフルオリン原子を追加で導入することによって、さらに6倍の阻害の向上がもたらされた。さらに、ベンゾピラン環の7位のN,N−ジメチルカルバメートエステル基は、評価した置換基の中でも最適なMEKの阻害をもたらした。MEK結合鋳型としてカルバメートエステル基置換基を有した6−フルオロ−2−ピリジルクマリンコア構造を、さらに進んだ検討に付した。
標準的な文献の手順を使用して、6−フルオロ−2−ピリジルクマリン中間体の合成を、スキームVIに示すように市販の2−クロロー3−フルオロー4−(ヒドロキシメチル)ピリジンから実施した。
スキームVI 6−フルオロ−2−ピリジルクマリン鍵中間体の合成
試薬および条件:(a)ジベンゾイルアミン、加熱;(b)CHSOCl、ピリジン、DCM,0℃〜RT;(c)アセト酢酸エチル塩、THF、0℃〜RT;(d)レゾルシノール、濃HSO、0℃〜RT;(e)(CHNCOCl、DMAP(触媒)、THF;(f)20%Pd(OH)、HCOONH、CHOH,還流。
構造式(I)の化合物は、KRAS変異および野生型と変異のBRAFとの両方に対して相乗的に作用することが想定される、MEKとPI3Kとを共に標的としており、その結果、新しいクラスの抗がん療法を提供する。
本発明の方法において使用することのできる構造式(I)の追加の化合物には、MEK/PI3K二重阻害剤のMEK阻害剤ファーマコフォアとして以下が含まれる。
別の一実施形態では、本願のMEK/PI3K二重阻害剤は構造式(III)を有しており、本発明の方法において使用することができる。
式中、DはI,HC≡C−であり、EはO、NHまたはNCHであり、Kは
であり、R10はH、−CHOHまたは−N(Rであり、ここでRは独立して水素またはC1−6アルキルである。
構造式(III)の化合物の合成を以下の合成スキーム(VII)および(VIII)によって説明する。
試薬および条件:(a)BrCOCHBr、EtN、DCM、0℃;(b)化合物3、NaI、KCO、CHCN、還流。
構造式IIIのMEK阻害剤ファーマコフォアと同様のMEK阻害剤ファーマコフォアを含有する追加の化合物としては、
が挙げられる。
MV3−172BおよびMV3−183Aのファーマコフォアを含有する本発明のMEK/PI3K二重阻害剤は、スキームIXおよびXに説明するように調製される。MV3−172BおよびMV3−183Aは、S.D. Barrett et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 18, 6501-6504 (2008)に開示されるように調製される。これらの化合物はまた、本発明の方法において有用である。
本願の化合物のPI3K脂質キナーゼ活性の定量は、蛍光を基にしたインビトロジェン(ウィスコンシン、米国)製のAdapta(商標)TR-FRETアッセイを使用して、精製酵素を用いて決定する。本願の化合物のMEK1キナーゼ活性の定量は、インビトロジェン(ウィスコンシン、米国)製のLanthaScreen(登録商標)置換結合アッセイ(トレーサー236)を使用して、精製酵素を用いて決定する。細胞スクリーニングは、様々な用量の試料化合物を用いて1時間処理したPanc-1培養細胞で行う。pERKおよびpAKTの発現への影響を、セルシグナリングテクノロジー製のリン酸特異的抗体(pAKT[Ser473]およびpERK1/2[Thr202/Tyr204])を使用して、免疫染色によって評価する。
生物学的データ
MEK1のクローニング、発現および精製
ヒトMEK1の結晶化可能な構造体(残基35〜393)をコードしたヒトcDNAをGeneArtから取得し、PCRを介して改変した。該構造体を、ハイスループットの発現最適化研究用のライゲーション非依存的なクローニングプラットフォーム(Brown et al., 2011)にサブクローニングした。バキュロウィルスを感染させた昆虫細胞を、既に記載されているように(Ohre et al., 2004;Fischmann et al., 2009)生育させて採取し、精製した。
インビトロの生化学的アッセイおよび細胞ベースアッセイ
PI3K脂質キナーゼ活性の検出は、蛍光を基にしたインビトロジェン(ウィスコンシン、米国)製のAdapta(商標)TR-FRETアッセイを使用して、精製酵素を用いて実施した。MEK1キナーゼ活性の検出は、インビトロジェン(ウィスコンシン、米国)製のLanthaScreen(登録商標)置換結合アッセイ(トレーサー236)を使用して、精製酵素を用いて実施した。オフターゲットのキナーゼ活性の評価は、インビトロジェン(ウィスコンシン、米国)によって供給されているキナーゼスクリーニングパネルに対して実施した。
細胞をダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)および10%FBS中に培養し、37℃の培養器内で5%COで生育させる。細胞を6穴プレートに3×10個/穴で播種し、翌日に37℃で1時間処理した。1×プロテアーゼ阻害剤(cOmplete;ロシュアプライドサイエンス)およびホスファターゼ阻害剤(PhosSTOP;ロシュアプライドサイエンス)を添加した50mM Tris、1%NP−40、150mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTAに細胞を溶解した。タンパク質の濃度をDcタンパク質アッセイキット(バイオラッド)を用いて決定した。タンパク質をSDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜へ転写した。セルシグナリングテクノロジー製の一次抗体[p-Akt(Ser473)およびp-ERK1/2(Thr202/Tyr204)を1:1000から1:2000の希釈率で使用して、4℃で一晩結合させた。膜をTBS−Tweenで洗浄した後、1:10000希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体と共に1時間インキュベートした。膜をTBS−Tweenで洗浄し、フィルムに曝露する前に、励起させた化学発光試薬(GEヘルスケア)と共に1分間インキュベートした。
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Claims (46)

  1. 構造
    を有する化合物:
    (式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
    およびYは独立してNまたはCRであり、
    およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
    、XおよびXは独立してNまたはCRであって、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
    Aはシクロアルキル、ヘテロシシル、アリールまたはヘテロアリールであり、
    L´はJ−(CH−Kであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
    J−(CH−N(R)−(CH−Kであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であり、RはH、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルであるか、
    (CHO)、(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であるか、
    −(NHCHRC(=O)−)であって、ここでRは独立してアミノ酸残基であり、qは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であり、
    JおよびKは独立して(−C(=O)−、−C(=O)N−、−SO−または−CH−であり、
    は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基によって置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
    はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
    は水素またはC1−6アルキルであり、
    およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
    は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
    およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
    は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
    は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
    は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
    は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
    は独立して水素またはC1−4アシルである)
    またはその医薬的に許容できる塩。
  2. 構造
    を有する化合物
    (式中、Zはヘテロアリール基またはRNCO−であり、
    およびYは独立してNまたはCRであり、
    およびYは同じであるか異なっており、それぞれCRであり、
    、XおよびXは独立してNまたはCRであり、ここでX、XおよびXの少なくとも1つがNであり、
    Aはシクロアルキル、ヘテロシシル、アリールまたはヘテロアリールであり、
    Lは(CHであって、ここでnは整数の3、4、5、6、7、8もしくは9であるか、
    (CH−NH−(CHであって、ここでmおよびpは独立して整数の0、1、2、3、4、5もしくは6であるか、
    (CHO)または(CHCHO)であって、ここでlは5、6、7、8もしくは9であり、
    は水素、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−7アルケニル、カルバモイルまたはC1−4アシル基によって置換されていることのあるC2−7アルキニルであり、
    はハロ、OH、C1−6C(=O)RまたはCHOC1−6アルキルによって置換されていることのあるC1−6アルキルであり、
    は水素またはC1−6アルキルであり、
    およびRは独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する炭素と共にC1−6アルキレン、C1−6ヘテロアルキレン、C2−6アルケニレンもしくはC2−6ヘテロアルケニレンを形成し、
    は独立してシアノ、ハロ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(NR)N(R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−OC(=NR)N(R、−OS(O)R、−OS(O)、−OS(O)N(R、−OS(O)N(R、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRC(=NR)N(R、−NRS(O)R、−NRS(O)、−NRS(O)N(R、−NRS(O)N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(Rまたは−S(O)(NRであって、ここでqは0、1、2または3であり、
    およびRは独立して水素、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルもしくはシアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよび−N(Rからなる群から選択される置換基によって置換されていることのあるC1−6アルキルであるか、またはRおよびRはそれらが結合する窒素と共にヘテロシクリル環を形成し、
    は水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−4アシル、C1−4アシルオキシまたは−N(Rであり、
    は水素、ハロまたはC1−6アルキルであり、
    は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C6−14アリール、C7−15アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
    は独立して水素またはC1−6アルキルであり、
    は独立して水素またはC1−4アシルである)
    またはその医薬的に許容できる塩。
  3. 、XおよびXのそれぞれがNである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. A環がヘテロアリールである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. A環が
    からなる群より選択される、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. A環が
    からなる群より選択される、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
  7. A環が−OH、−OCH、−NH、−CH−OH、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)NHC1−3アルキル、−NH−C(=O)C1−3アルキル、−NHSO1−3アルキルまたはハロC1−6アルキルのうちの1種または複数によって置換されていることのある、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
  8. A環がベンゾイミダゾリルである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. A環がハロC1−6アルキル基によって置換されている、請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
  10. ハロC1−6アルキル基が−CHFである、請求項9に記載の化合物。
  11. Lが−(CH2,3−NH−(CH2−5−または−(CH5−9−である、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
  12. Zが
    である、請求項1から11のいずれかに記載の化合物。
  13. ZがC(=O)N(CHである、請求項12に記載の化合物。
  14. がHまたはC1−6アルキルである、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
  15. がH−、CH−またはCHCH−である、請求項14に記載の化合物。
  16. およびYのそれぞれがCRであり、YおよびYのそれぞれがCRである、請求項1から15のいずれかに記載の化合物。
  17. であり、それぞれが置換されていることのある、請求項1から16のいずれかに記載の化合物。
  18. 環がハロ基によって置換されている、請求項17に記載の化合物。
  19. ハロ基がフルオロである、請求項18に記載の化合物。
  20. である、請求項1から19のいずれかに記載の化合物。
  21. Lが−(CH−NH−(CH−または−(CH−である、請求項1から20のいずれかに記載の化合物。
  22. がCH、F、Cl、I、CNまたはC(=O)NHである、請求項1から21のいずれかに記載の化合物。
  23. がCH、CHCH、CHF、CHBr、CHCHOH、CHCH(CH)OH、CHC(=O)CH、CHC(=O)OCH、CHC(=O)OH、CHC(=O)NH、CHC(=O)N(CHまたはCHOCHである、請求項1から22のいずれかに記載の化合物。
  24. 構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  25. (a)請求項1または2に記載の化合物と、(b)MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患または状態を治療するために有用な第2の治療作因と、(c)任意に賦形剤および/または医薬的に許容できる担体とを含む組成物。
  26. 第2の治療作因ががんの治療に有用な化学療法剤を含む、請求項25に記載の組成物。
  27. 請求項1または2に記載の化合物および医薬的に許容できる担体または媒体を含む医薬組成物。
  28. MEKおよび/またはPI3Kの阻害が有益性をもたらす疾患または状態の治療方法であって、治療有効量の請求項1または2に記載の化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む方法。
  29. 疾患または状態の治療において有用な治療有効量の第2の治療作因を投与することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 請求項1または2に記載の化合物と第2の治療作因とを同時に投与する、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項1または2に記載の化合物と第2の治療作因とを別個に投与する、請求項29に記載の方法。
  32. 疾患または状態が[0169]段落に開示された疾患または状態から選択される、請求項28に記載の方法。
  33. 疾患または状態ががんである、請求項32に記載の方法。
  34. がんが本明細書の[0166]段落から[0168]段落に開示されたがんから選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 疾患ががんであり、第2の治療作因が外科手術、化学療法剤および放射線照射のうちの1種または複数である、請求項29に記載の方法。
  36. 第2の治療作因が[0182]段落から[0188]段落に開示された薬剤から選択される、請求項29に記載の方法。
  37. 第2の治療作因が放射線照射を含み、放射線照射が本明細書の[0179]段落から[0181]段落までに開示された放射線増感剤および/または治療剤との併用で行われ得る、請求項29に記載の方法。
  38. 請求項1または2に記載の化合物と第2の治療作因とが単一の組成物から投与される、請求項29に記載の方法。
  39. 請求項1または2に記載の化合物と第2の治療作因とが別個の組成物から投与される、請求項29に記載の方法。
  40. 請求項1または2に記載の化合物を第2の治療作因の前に投与する、請求項25に記載の方法。
  41. 請求項1または2に記載の化合物を第2の治療作因の後に投与する、請求項25に記載の方法。
  42. を有する、請求項1に記載の化合物。
  43. 構造:
    [式中、DはI,HC≡C−であり、EはO、NHまたはNCHであり、Kは
    であり、R10はH、−CHOHまたは−N(Rであり、ここでRは独立して水素またはC1−6アルキルである]
    を有する化合物。
  44. 10がHである、請求項43に記載の化合物。
  45. 10が−CHOHである、請求項43に記載の化合物。
  46. DがIである、請求項43に記載の化合物。
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