本発明は、十分かつ一貫性のある疱の形成を保証しかつ患者への害および不快感を減らすように設計特徴が改良された、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。
一態様では、本発明は、装置内の加熱素子が過熱および焼損しないようにする設計特徴を有する、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。装置は、少なくとも1つの疱を隆起させる加熱素子を含むヘッドと、皮膚表面に配置されるように構成された中空体と、少なくとも1つのプレート部材と、切取部材とを含み、プレート部材および切取部材は双方とも、中空体内に組み込まれている。好ましくは、加熱素子は、約100℃〜約750℃の温度の熱を放出する。特定の実施形態では、加熱素子は、約500℃の温度の熱を放出する。いくつかの態様では、加熱素子は、約10ナノメートル〜約3000ナノメートルに及ぶ、または前記範囲内の任意の特定値の波長を放出する。加熱素子に好適な材料は例えば、ニクロム線を含む。
切取部材は、中空体内に組み込まれた第2のプレート部材とすることができ、隆起した疱を切り取るように他のプレート部材に対して動くことができる。
プレート部材は、加熱素子から発せられる熱の反射を減衰させるように構成される面を含む。熱の反射を減衰させるように構成された面は、装置のヘッドに含まれる加熱素子から放出された電磁放射線を実質的に吸収する材料を含む。好適な材料は、例えば、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレンを含む熱可塑性ポリマーを含む。好ましくは、材料は、暗色の材料、例えば黒色、茶色、紫色または青色の材料である。あるいは、熱の反射を減衰させる面は、電気めっき、陽極酸化、塗装(例えば、黒色、茶色、紫色または青色などの暗色)または研磨され得る。
第2の態様では、本発明は、使用者、例えば臨床医が、疱の形成を視覚的に監視できるようにする設計特徴を有する、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。装置は、少なくとも1つの疱を隆起させる加熱機構を含むヘッドと、疱の形成を監視するためにヘッド内に組み込まれた少なくとも1つの覗き窓とを含む。装置は、さらに、皮膚表面に配置されるように構成された中空体と、少なくとも1つのプレート部材と、切取部材とを含み、プレート部材と切取部材は双方とも、中空体内に組み込まれている。切取部材は、中空体内に組み込まれた第2のプレート部材とすることができ、隆起した疱を切り取るように他のプレート部材に対して動くことができる。
覗き窓は、好ましくは、実質的に透明な材料、例えば光学ポリマー、ガラスまたは結晶で作製される。そのような材料は、防曇性処理、傷防止コーティング、または防眩性コーティングを含み得る。いくつかの態様では、覗き窓の少なくとも一部分は、拡大レンズを含む。別の態様では、覗き窓は、疱の形成を監視するための少なくとも1つの較正マークを含み得る。覗き窓は、光学的遮蔽の役目を同時に果たし、かつ周辺光の入射を減衰させ得る。
第3の態様では、本発明は、装置の本体にゲージが組み込まれた、疱の形成を監視するための設計特徴を有する、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。装置は、1つ以上の疱を隆起させるための機構を含むヘッドと、皮膚に配置されるように構成された中空体と、プレート部材と、中空体に組み込まれた切取部材とを含む。切取部材は、第2のプレート部材とすることができ、このプレート部材は、中空体内に組み込まれて、隆起した疱を切り取るように他のプレート部材に対して動くことができる。
プレート部材は、1つ以上の疱が隆起する1つ以上の孔と、1つ以上の孔内での疱の形成を監視するための、プレート内に組み込まれたゲージとを含む。孔の深さはプレート部材の厚さに実質的に等しい。ゲージは、疱が隆起する孔の1つ以上に近接する。いくつかの態様では、ゲージは、プレート部材の孔の1つ以上内にあるカウンターボアである。カウンターボアは、孔の深さの約2分の1から4分の3とし得る。あるいは、ゲージは、プレート部材の孔の1つ以上に近接する較正マークである。例えば、較正マークは、1つ以上の孔の隣のプレート上に、またはプレート内の1つ以上の孔の内壁にレーザーエッチングされ、または塗装されて形成され得る。
第4の態様では、本発明は、疱の形成を促進するように熱伝達を改善するための設計特徴を有する、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。そのような装置は、少なくとも1つの疱を隆起させるための加熱機構を含むヘッドと、加熱機構の遠位に、加熱機構から装置の本体へ熱を伝達するための透明または半透明の面とを含む。装置は、さらに、皮膚表面に配置されるように構成された中空体と、少なくとも1つのプレート部材と、切取部材とを含み、プレート部材と切取部材は双方とも、中空体内に組み込まれている。切取部材は、第2のプレート部材とすることができ、このプレート部材は、中空体内に組み込まれて、隆起した疱を切り取るように他のプレート部材に対して動くことができる。
透明または半透明の面は、好ましくは、波長が約10ナノメートル〜約3000ナノメートルの光を透過させるような材料(例えば、約180nm〜約2500nm)で作製される。好適な材料は、例えば、結晶物質、例えば、サファイア、石英(quartz)、シリコン、ガーネット、シレナイト(sillenite)、溶融石英(fused quartz)、二酸化チタン、セレン化亜鉛、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫化亜鉛、ヨウ化セシウム、ゲルマニウム、タリウムブロモヨージド(thallium bromo−iodide)、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、臭化カリウム、塩化ナトリウム、またはフッ化ストロンチウム;またはガラス材、例えばシリカガラス、溶融シリカ(fused silica)、フッ化ガラス、アルミノケイ酸ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、カルコゲナイドガラス、またはポリマーガラスを含む。
いくつかの態様では、装置のヘッドは、加熱機構の遠位に、2つの透明または半透明の面を含み、2つの面はそれらの間に空隙を含むように構成されている。2つの面は、同じ材料、または異なる材料で作製され得る。特定の実施形態では、2つの面は双方ともガラス材である。
第5の態様では、本発明は、疱を確実に捕捉しかつ基材へ移すようにする設計特徴を有する、皮膚移植片を生成および採取するための装置を提供する。そのような装置は、少なくとも1つの疱を隆起させる機構と、皮膚に配置されるように構成された中空体と、本体に組み込まれ、かつ疱が隆起する少なくとも1つの孔を含む少なくとも1つのプレート部材と、プレート部材に取り外し可能に結合される基材と、本体に可動式に結合された基材圧縮機構とを含む。基材圧縮機構は、圧縮部材に結合されたアクチュエータ部材を含む。圧縮機構が作動することにより、圧縮部材を基材に取り外し可能に結合し、基材と隆起した疱との間の全体的な接触を保証する。
装置は、さらに、本体に組み込まれた、疱を切り取るためのカッター部材を含む。切取部材は、第2のプレート部材とすることができ、このプレート部材は、中空体内に組み込まれ、疱を切り取るように他のプレート部材に対して動くことができる。装置は、疱が切り取られると基材に付着されるように、構成される。
圧縮部材は、アクスル、ヒンジ、または圧縮部材を基材に取り外し可能に適用できるようにする同様の機構によって、中空体に可動式に結合される。作動部材は、圧縮部材に結合されたハンドルとし、基材への圧縮部材の適用を容易にし得る。
圧縮部材は、基材と実質的に同じサイズおよび形状とし得る。例えば、圧縮部材の形状は、実質的に正方形または長方形とし、基材と同じ寸法を有し得る。あるいは、圧縮部材は、形状がシリンダー状であり、かつ作動時には基材の表面に沿って転がるように構成され得る。例えば、シリンダー状圧縮部材は、可動アームの縦軸の周りで回転するように構成でき、それにより、水平方向におけるアームの作動を、アームの周りでの圧縮部材の回転に変えて、シリンダー状部材を、基材を横切って転がす。
圧縮部材は、任意の実質的な固形物、例えば任意の元素金属、金属合金、ガラス、結晶またはポリマーで作製され得る。圧縮部材は、好ましくは再使用可能である。しかしながら、いくつかの態様では、圧縮部材は使い捨てとし得る。
本発明はまた、皮膚移植片材料を作り出す装置、および皮膚移植片材料を作り出す装置において使用するための構成要素を製造するための方法を提供する。本発明は、皮膚移植片の準備に使用するためのプレート、好ましくは金属プレートを作り出すための製造方法を提供する。本明細書で説明するような製造方法は、下記で説明するような装置で使用されるプレートの製作に有用である。
本発明の方法は、ドナー部位に疱形成を適用することによって作り出される皮膚移植片の採取において使用するためのプレートを生じる。本発明の方法は、材料、好ましくは金属材料から、実質的に平面的な合わせ面を有する複数のプレートを生成することを含む。好ましくは、プレートのうちの少なくとも1つは、プレート全体にわたって実質的に均一の厚さを有する。いくつかの実施形態では、複数のプレートのそれぞれは、各プレート全体にわたっておよび/または互いに対して、実質的に均一の厚さを有する。複数のプレートは、同じ材料、または異なる材料から生成され得る。
複数のプレートを積み重ねられた形態に結合するための複数の結合部材が、好ましくは、プレート部材の少なくとも1つ以上と同じ材料から生成され、結合部材の厚さが、互いにおよび少なくとも1つのプレート部材に対して実質的に均一になり、かつ互いにおよびプレート部材の少なくとも1つに対して実質的に同じ平面を含むようにする。
本発明の一態様によれば、複数のプレートが同じシート素材から製造される。例えば、単一のシート素材は、互いに均一の形状およびサイズを有する複数のセクションに分割され、各セクションは個々のプレート部材に対応する。プレート部材のそれぞれに、少なくとも1つの開口部(例えば、孔またはスロット)が形成され、プレート部材が積み重ねられた形態に組み立てられると、開口部が同心状に整列されるようにする。
いくつかの実施形態では、プレート部材を積み重ねられた形態に結合するための複数の結合部材はまた、同じシート素材から形成され、その原料から、プレート部材が生成される。結合部材の製作は、プレートの平面を実質的に変化させず、プレートは、ぴったり合うように積み重ねることができ、かつその後、互いに対して可動となる。結合部材は、プレート部材間に配置される。結合部材は、プレート部材の外表面に沿って、または各プレート内に形成された1つ以上の開口部(例えば、孔またはスロット)間に配置され得る。いくつかの態様では、結合部材は、プレート間に壊れやすいセクションを形成し、下記で説明するように、このセクションは、動作中プレートが互いに対して動くと、壊れる。任意選択的に、結合部位のまたはその周りのプレート材料の一部分は、結合部材の少なくとも一部分を収容するように除去され、および壊れやすいセクションにまたはその周りに窪みを形成する。
皮膚移植片生成装置において使用するためのプレートを製作するための好ましい方法は、実質的に均一の厚さの1つ以上のプレートを獲得すること、およびプレートに、積み重ねられると整列する孔を形成することを含む。プレートは、好ましくは、プレートの厚さを実質的に変化させない統合結合部材を有し、かつ壊れやすいリンク機構によるプレートの結合を可能にする。動作中、プレートは、結合部を壊し、かつプレートが配置される装置によって形成された皮膚疱から移植片を切り取るように動かされる。好ましくは、そこには3つのプレートがあり、中心プレートは開口部(例えば、孔またはスロット)を有し、それが切取面を形成する。動作中、プレートは、下方にあるプレートにある整列された開口部に突出する疱と切取面が相互作用するように、動かされる。理想的には、結合部材は、形状およびサイズが実質的に均一であり、および壊れやすいリンク機構がレーザー溶接されるだけでなく、機械的なスタンプ、機械的なパンチ、溶接、エポキシまたは他の接着剤としても、機械的圧縮、スナップ式、実矧ぎ、ポストと棒、壊れやすいピンまたは他の公知のコネクターによって形成されてもよい。
本明細書で説明するように製造されたプレートは、一度の試みで皮膚微小移植片を信頼性高く生成する装置において有用である。本発明の装置は、一回の切取動作で複数の実質的に平面的な微小移植片を生成するように構成されている。本発明の装置は、さらに、生成された微小移植片を基材上に同時に移すことができる。本発明の装置は、特に、複数の実質的に平面的な表皮微小移植片を生成しかつ移すのに、よく適している。
いくつかの態様では、本発明は、皮膚に配置されるように構成された底面を有する本体と、皮膚上に少なくとも1つの疱を隆起させる機構と、移植用の移植片を作り出すために、形成された疱を切り取るように構成されたカッターとを含む装置を提供する。
カッターは複数のプレートを含んでもよく、各プレートは、開口部のアレイ(例えば、孔またはスロットのアレイ)を有する。いくつかの実施形態では、開口部の形状は、実質的にシリンダー状である。アレイの開口部は、形成された疱から複数の移植片を作り出すことを容易にするようなサイズである。開口部のサイズは、直径約1mm〜約12mmに及び得る。特定の実施形態では、開口部は、直径約2mm以下である。
プレートの少なくとも1つは、他のプレートに対して動くことができる。カッターの複数のプレートは、実質的に平面的な移植片(すなわち、丸まったり、折り重なったり、または凝集したりしていないもの)が作り出されるように、構成される。
少なくとも1つの皮膚疱を隆起させる機構は、真空源、熱源(例えば、光源または温風、またはそれらの組み合わせとし得る。
ひとたび疱が生成されたら、取り外し可能な基材を疱に適用し、同時に、疱を切り取って移す/保持する。基材は、基材への疱の付着を容易にする接着剤を含み得る。
本発明の装置は、さらに、装置を内腿または臀部などの皮膚表面に対してしっかりと結合するためのストラップを含み得る。ストラップは、サイズ調整可能としてもよいし、または固定サイズとしてもよい。いくつかの実施形態では、ストラップは、ベルト/ループファスナーである。他の実施形態では、ストラップは、大腿の上部の周りに取り付けるように構成された金属またはプラスチックのカフである。
別の態様では、本発明は、皮膚に配置されるように構成された底面を有する中空体と、少なくとも1つの疱を隆起させる機構と、複数のプレートとを含む、皮膚移植片を獲得するための装置を提供し、各プレートは、隆起した疱を切り取ることによって作り出された移植片の完全性を維持するように構成された孔のアレイを含む。
いくつかの実施形態では、各プレートの孔アレイの開口部は、形状が実質的にシリンダー状であり、かつ実質的に平面的な移植片を作り出すのを容易にするようなサイズである。例えば、孔のサイズは、直径1mm〜12mmに及び得るか、またはそのような範囲内にある任意の特定値とし得る。特定の実施形態では、孔アレイの開口部は、直径約2mm以下である。
少なくとも1つの皮膚の疱を隆起させる機構は、真空源、熱源(例えば、光源または温風)、またはそれらの組み合わせとし得る。
装置の本体に取り外し可能に接続された基材は、生成された疱に直接接触し、疱を切り取ると、皮膚の切り取られた部分が基材に付着されるようにする。基材は、基材への疱の付着を容易にする接着剤を含み得る。
装置は、さらに、装置を内腿または臀部などの皮膚表面にしっかりと結合するためのストラップを含み得る。ストラップは、サイズ調整可能であっても、または固定サイズであってもよい。いくつかの実施形態では、ストラップは、ベルト/ループファスナーである。他の実施形態では、ストラップは、大腿の上部の周りに取り付けるように構成された金属またはプラスチックのカフである。
さらに別の態様では、本発明は、少なくとも1つの開口部を有する第1のプレートと、少なくとも1つの開口部を有する第2のプレートであって、前記第1のプレートに取り付けられている第2のプレートと、少なくとも1つの開口部を有する第3のプレートであって、前記第2のプレートに取り付けられている第3のプレートとを含む、切取装置を提供する。プレートの少なくとも1つは、他のプレートに対して可動である。例えば、第2のプレートは、第1および/または第3のプレートに対して可動とし得る。他の実施形態では、第3のプレートは、動作中、前記第1および第2のプレートの少なくとも一方に対して静止してもよい。いくつかの実施形態では、第2のプレートは、少なくとも1つの壊れやすいセクションを介して前記第1のプレートに取り付けられる。壊れやすいセクションは、前記プレートが互いに対して動くと、壊れる。プレート部材の互いに対する壊れやすい結合は、機械的なスタンピング技術、機械的なパンチ技術、スポット溶接、エポキシ、接着剤、機械的圧縮、スナップ式アセンブリ、実矧ぎアセンブリ、ポストと棒とのアセンブリ、壊れやすいピン、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、成し遂げることができる。
第1、第2または第3のプレートにある開口部の少なくとも1つは、切取面を規定する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの1つの切取面は、動作中(すなわち、プレートの少なくとも1つが、他のプレートに対して動かされるとき)、前記他のプレートの少なくとも1つの切取面に係合する。いくつかの実施形態では、プレートの少なくとも1つの開口部は、少なくとも別の前記プレートの開口部に対して動き、それにより、切取動作を実施する。
いくつかの実施形態では、第1、第2および第3のプレートは、それぞれ、複数の開口部を含み、これら開口部は、定位置において互いに同心状に整列され、かつ動作位置において(すなわち、プレートの少なくとも1つが他のプレートに対して動かされるとき)互いに対してオフセットする。
本発明のさらに別の態様では、皮膚の微小疱(microblister)を採取するための2部品システムが開示されている。2つの部品は、皮膚の標的領域に取り付けられるように適合されたハーベスターすなわち採取器、およびハーベスターによって係合される皮膚の少なくとも複数の部分に負圧および/または熱を供給するヘッドである。
より具体的には、ヘッドは、患者の皮膚に配置可能な切取本体(「ハーベスター」)に結合するように適合され、かつさらに、真空源に結合されるように適合されており、ヘッドは、さらに、切取本体の合わせ面に係合するシール面であって、ヘッドが患者の皮膚上にある切取本体に係合すると、真空室(evacuated chamber)が皮膚の標的領域上を覆って形成される、シール面;および、好ましくは、皮膚の標的領域の温度を上昇させる加熱素子、およびさらに好ましくは、真空室の皮膚を加熱することによって形成された疱を観察するための少なくとも1つの覗き窓を提供する。
いくつかの実施形態では、窓は、患者の皮膚に対して非平行な角度でヘッドの少なくとも1つ側面に形成されるため、室に隆起している皮膚の疱を、より簡単に観察できる。ヘッドは、さらに、皮膚の疱が隆起するときにそれらを照明するための少なくとも1つの光源、例えば発光ダイオード(LED)を含み得る。
覗き窓は、好ましくは、実質的に透明な材料、例えば光学ポリマー、光学ガラス、および光学結晶で構成され、および覗き窓の少なくとも一部分は、さらに、例えば、約2倍〜約100倍に及ぶ倍率で対象物を拡大する拡大レンズを含む。覗き窓はまた、防曇性材料、傷防止コーティング、および防眩性コーティングから選択される1つ以上の材料を含んでもよく、かつ、好ましくは、耐熱性材料で形成される。覗き窓は、周辺光の入射を減衰させるように構成された眼球シールドを含む。
ヘッドは、さらに、電気抵抗型加熱素子である加熱素子を含み得る。ヘッドは、さらに、皮膚または真空室の温度を測定するために少なくとも1つの温度測定要素、例えばサーミスタを含み得る。
ハーベスターは、患者の皮膚の標的領域上に配置されるように構成され、かつさらに、ヘッドと封止係合を形成し、標的領域に負圧をもたらして、皮膚の標的領域が真空室内に含まれるようにするように、適合されている。
一実施形態では、ハーベスターは、さらに、負圧の存在下で皮膚の疱が隆起し得る複数の孔を有する少なくとも1つの整列プレート;および皮膚の疱が室内に形成された後に、それらを切り取るための少なくとも1つの切取面を有する切取プレートを含む。
ハーベスターの少なくとも一部において、例えば、上部整列プレートは、皮膚の加熱を高めるために、放射線吸収材料、例えばフルオロポリマー面コーティングまたは層で形成され得る。
別の好ましい実施形態では、ハーベスターは、上部整列プレートおよび底部整列プレートを含み、およびそれらの間に切取プレートが配置されている。上部および底部整列プレートは、切取プレートのスロットを通過する複数の垂直ポストによって接合され、上部および底部プレートの互いに対する定位置を維持する一方、切取プレートの運動を可能にし得る。上部プレート、底部プレートおよび切取プレートはそれぞれ複数の孔を有し、それら孔は、疱の形成を促進するために同心状に整列されるように適合され得る。いくつかの実施形態では、上部プレートの孔は、底部プレートの孔よりも大きい。
切取プレートは、疱の形成を促すために、第1の位置において整列プレートの孔と同心状に整列するのに好適な複数の孔と、第2の位置において、疱を切り取るのに好適な複数の切取面とを含み得る。
ハーベスターは、さらに、第1の位置から第2の位置へ切取プレートを動かすためのアクチュエータを含み、およびアクチュエータは、また、疱の切り取りに続いて切取プレートを少なくとも部分的に引っ込めるすなわち格納するように構成され得る。
本発明の装置のこれらのおよび他の態様は、以下、図面、説明および特許請求の範囲において説明される。いくつかの改良された設計特徴について個々に説明するが、そのような特徴は、相互排他性ではない。本明細書で開示した設計特徴の任意の組み合わせが、本発明の装置に組み込まれるように使用され得る。本発明の装置のこれらの設計特徴および他の態様は、以下、図面、説明および特許請求の範囲において説明される。
本発明は、概して、疱(例えば、吸引疱)を隆起させ、かつ隆起した疱を切り取ることができる単一装置、すなわち、切取部材と一体化した疱隆起装置に関する。そのような装置は、皮膚移植片の採取に有用である。
いくつかの実施形態では、図2のパネルA〜Cに示すような装置を使用して、隆起と切取により、複数の皮膚移植片を作る。装置200は、フレーム201および蓋202を含む。フレームには、底部プレート203、カッターグリッドプレート204、カッタープレート205、および上部プレート206が嵌められる。底部プレート203、カッタープレート205、および上部プレート206は、それぞれ、孔アレイ211を含む。ひとたび組み立てられたら、それぞれのプレート203、205、および206の孔アレイ211は位置合わせすなわち整列される。孔アレイの孔のサイズは、必要な移植片のサイズに依存し、大きな孔は大きな移植片を作り出すために使用される。第1の基材207は上部プレート206と相互作用し、かつ採取された移植片を受け取る。
装置200は、さらに、作動ブロック208、作動バー209、および作動ブロックガイド210を含む。作動部品208、209、および210は、カッタープレート205の動きを制御する。フレーム201は真空ストッパー212を含み、および蓋202は吸引孔用かかり213を含む。ひとたび組み立てられたら、フレーム201および蓋202は、真空ストッパー212および吸引孔用かかり213が互いに整列されるように、配置される(図2のパネルB)。その後、真空源を装置200に接続し、装置内に負圧が生成され得るようにする。装置200は、締め付けねじ214によってまとめられ得る。装置200はまた、加熱素子を含み得る。
複数の皮膚移植片を作り出しかつ採取するために、装置200をドナー部位、例えば患者の内腿に配置する。真空源の電源を入れ、装置200内に負圧を生じる。負圧によって、皮膚が蓋202の方へ引っ張られるようにし、皮膚の複数の異なる部分が、プレート203、205、および206のそれぞれの各孔アレイ211を通して引っ張られる。そのような作用によって、多くの微小疱が生成される。ひとたび微小疱が隆起して作られたら、作動部品208、209、および210が係合されて、カッタープレート205を動かす。カッタープレート205が動くことによって、プレート203、205、および206のそれぞれにある孔アレイ211の整列を乱して、微小疱を切り取る。切り取られた微小疱は、上部プレート206の上側にある第1の基材207に捕捉される。このようにして、微小移植片の離間したアレイが提供される。加えられる負圧の量、真空が維持される時間、および/またはプレート206の孔の深さ(すなわち、プレートの厚さ)は、どのような種類の移植片、例えば、表皮移植片、分層植皮片、または全層植皮片が採取されるかを決定する。一般的に、各微小移植片の横寸法は、約2mm未満、例えば、100〜2000ミクロンである。
本発明の別の態様は、単一の皮膚移植片を獲得するための装置を提供する。本発明のそのような装置は、皮膚に配置するように構成された遠位端部を有する中空体と、疱を作るすなわち隆起させるための機構と、皮膚に生じた疱を切り取るために中空体に組み込まれたカッターとを含む。
1つ以上のプレート203、205、および206に、疱の形成を監視するゲージすなわち計測器が組み込まれ得る。ゲージは、好ましくは、疱が形成される孔アレイ211の1つ以上の孔に近接する。例えば、ゲージは、孔アレイ211の1つ以上の孔の隣のプレート上に、または孔アレイ211の1つ以上の孔の内壁上に配置され得る。ゲージは、切り取られる疱の十分な高さまたは寸法の最小限の指標、および/または十分な疱の寸法の最小限の指標をもたらして、必要な期間を越えて装置を適用することによる、患者の過度の不快感を回避するように構成され得る。
孔アレイ内の各孔の深さは、プレートの厚さに実質的に等しい。いくつかの実施形態では、ゲージは、孔アレイ211内の1つ以上の孔を通るカウンターボアである。カウンターボアは、使用者(例えば、臨床医)に、切り取るのに十分な寸法に疱が達したことを表示するマーカの役目を果たす。カウンターボアは、プレートの底部または最遠位面(すなわち、皮膚に最も近い面)から測定したとき、孔の深さの約2分の1〜4分の3とし得る。例えば、プレートが0.3インチ厚さである場合、カウンターボアは、プレートの底部または最遠位面から測定したとき、0.15インチ〜0.225インチである。
あるいは、ゲージは、疱が隆起する1つ以上の孔に近接してまたはその内部に配置された1つ以上の較正マークとし得る。例えば、較正マークは、1つ以上の孔に近接するプレートの表面に引かれた、塗装されたまたはエッチングされた、公知の長さを有する1本以上の線とし得る。例えば1本以上の線の長さは、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約1.0mm、約2.0mm、約3.0mm、約4.0mm、約5.0mm、約6.0mm、約7.0mm、約8.0mm、約9.0mm、約10.0mm、約11.0mm、約12.0mm、約13.0mm、約14.0mm、約15.0mm、約16.0mm、約17.0mm、約18.0mm、約19.0mm、約20.0mm、約21.0mm、約22.0mm、約23.0mm、約24.0mm、または約25.0mmである。あるいは、少なくとも2つの較正マークは、1つ以上の孔に近接するプレートの表面に引かれ、塗装され、またはエッチングされることができ、および少なくとも2つの較正マーク間の距離は、公知の長さ、例えば約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約1.0mm、約2.0mm、約3.0mm、約4.0mm、約5.0mm、約6.0mm、約7.0mm、約8.0mm、約9.0mm、約10.0mm、約11.0mm、約12.0mm、約13.0mm、約14.0mm、約15.0mm、約16.0mm、約17.0mm、約18.0mm、約19.0mm、約20.0mm、約21.0mm、約22.0mm、約23.0mm、約24.0mm、または約25.0mmとし得る。疱が形成されるとき、疱の横寸法は、疱を切り取る準備が整うときを判断するために、1つ以上の較正マークと比較され得る。
さらに別の実施形態では、較正マークは、プレートの孔アレイ211の1つ以上の孔の内壁に引かれた、塗装されたまたはエッチングされた1つ以上の印とし得る。そのような印は、必要な期間を越えて装置を適用することによる患者の過度の不快感を回避するために、疱を切り取るのに十分な孔内の最小深さ、および十分な疱の形成のための最大レベルを示し得る。
いくつかの実施形態では、図3のパネルAに示すような装置を使用して皮膚移植片を獲得する。装置400は、中空体401と、疱を隆起させるための機構402とを含む。中空体401は、皮膚に置かれるように構成された遠位端部403を含む。そのような遠位端部はオリフィスプレート404を含み得る。オリフィスプレート404は、隆起される1つまたは複数の疱のサイズおよび形状を決定する。オリフィスプレート404は、任意の形状またはサイズとしてもよく、および隆起する疱に依存する。一般的に、疱の直径または横寸法は、約6mm〜約12mmとし得るが、より大きなまたはより小さなサイズの疱を使用してもよい。
疱を隆起させる機構は、真空部品、加熱部品、またはそれらの組み合わせとし得る。例示的な加熱部品は光源である。特定の実施形態では、機構402は、真空部品と加熱部品の組み合わせである。
中空体401はさらにカッター405を含み、このカッターは、カッタープレート406および孔407を含む(図3のパネルB)。装置400は、さらに、作動ブロック408、作動バー409、および作動ブロックガイド410を含む。作動部品408、409、および410は、カッター405の動きを制御する。
疱の形成は、中空体401の遠位端部403を患者のドナー部位、例えば患者の内腿に取り付けることによって成し遂げられる。面ファスナーストラップを使用して、装置を適所に保持し得る。疱隆起機構402の加熱部品は、患者の皮膚表面に直接接触するオリフィスプレート404をわずかに温める。室内部に、疱隆起機構402の真空部品から適度な負圧を加えることによって、オリフィスプレート404の開口部を通して患者の皮膚を優しく引く。結果的に、ほぼオリフィスプレート404の開口部のサイズの1つまたは複数の疱が生じる。作り出された疱は、流体で満たされていても、または流体を全く含まなくてもよい、すなわち、内部に空気を有する疱でもよい。皮膚および疱領域は、一般的に損傷しておらず、および患者の不快感は最小限である。
疱が隆起すると、疱の少なくとも一部分がカッタープレート406の孔407に突出するように、カッター405は中空体401内に位置決めされている。作動部品408、409、および410が係合して、カッタープレート406を動かす。カッタープレート406が動きくことにより、装置400の他の構成要素との孔407の整列を乱して、隆起した疱を切り取る。
好ましくは、疱隆起機構402は、約100℃〜約750℃に及ぶ(例えば、約500℃)熱を放射することができる。いくつかの態様では、疱隆起機構402は、波長が約10nm〜約3000nmに及ぶ電磁放射線を放出する。いくつかの態様では、疱隆起機構402から放出された電磁放射線は、装置内の面の1つ以上で反射されて機構402に戻り、それを過熱させ、かつ焼損させる。機構402の過熱を防止するために、プレート203、205、および206のうちの少なくとも1つのプレートおよび/または1つまたは複数のオリフィスプレート404が、機構402から放出された電磁放射線の反射を減衰させるように構成された少なくとも1つの面を含み得る。好ましくは、そのような面は、装置が完全に組み立てられたときに機構402に対面する面である。
例えば、プレート部材206、205、203うちの1つ以上および/またはオリフィスプレート404の少なくとも1つの面は、機構402から放出された電磁放射線の反射を実質的に減衰させる(例えば、吸収することによって)材料で被覆され得る。好適な材料は、例えば、熱可塑性ポリマーコーティングを含む。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンなどのフルオロポリマーである。好ましくは、コーティング材は、実質的に黒色、茶色、青色または紫色などの暗色である。
あるいは、プレート部材206、205、203のうちの1つ以上および/またはオリフィスプレート404は、陽極酸化されるか、電気めっきされるか、または黒色、茶色、青色または紫色などの暗色を塗装されて、機構402から放出された電磁放射線の反射を減衰(例えば、吸収)し得る。
さらに別の実施形態では、プレート部材206、205、203の1つ以上および/またはオリフィスプレート404は、研磨されるか、こすられるか、ブラシをかけられるなどされて、光沢面またはつやのある面の外観を最小限にするかまたは除去して、機構402からの電磁放射線の反射を減衰し得る。
図4のパネルAは、切り取られた疱を捕捉するための室511をさらに含む装置500を示す。室511は、中空体501内のカッター505の上方に位置決めされる。室511は装置500から取り外し可能である。室511は複数の構成を含み得る。例えば、室511は、格納式底部を含み得る。底部は、室511が中空体501に挿入されるとき、開放位置にある。開放位置では、室511は、切り取られた疱を受け取ることができる。ひとたび切り取られた疱が室511に入ると、室の底部は閉鎖され、疱を室511に捕捉する。その後、室511は装置500から取り外され得る。
別の実施形態では、室511は基材512を含む(図4のパネルC)。この実施形態では、基材512が室511に位置決めされるため、疱が隆起すると疱の一部分が基材に接触し、かつ基材に付着されるように、装置500は構成されている。その後、カッター505が疱を切り取り、および切り取られた疱は室511内の基材512に付着され得る。その後、室511は装置500から取り外され、および基材512は室511から取り外され得る。他の装置では、基材の代わりに真空を使用して、切り取られた疱を室内に保持する。
いくつかの実施形態では、装置500は室を使用せず、むしろ、基材512が装置500と直接一体化されて、切り取られた疱を捕捉する(図4のパネルD)。ひとたび捕捉されたら、切り取られた疱が付着された基材512は、装置500から取り外され得る。
いくつかの実施形態では、装置500は、基材を疱に対して押圧して、疱表面全体が基材512に確実に接触するようにする基材圧縮機構を含む。疱表面全体と基材との間が全体的に接触することによって、疱が切り取られるときに、疱を基材上に確実に移す。いくつかの実施形態では、圧縮部材は、中空体の外面に可動式に結合され、かつ圧縮部材に結合された作動部材によって作動される。
圧縮部材は、基材512とほぼ同じサイズおよび形状を有するプレートとし得る。プレートは、ヒンジ機構またはアクスル部材を介して中空体に結合されることができ、かつプレートに固定式に取り付けられたエクステンションアームまたはハンドルによって作動される。エクステンションアーム/ハンドルは、エクステンションアーム/ハンドルに加えられた圧力の少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍をプレートに加えるように、操作される。
あるいは、圧縮機構は、縦軸を規定する作動アームの周りに配置されたシリンダー状ローラとし得る。アームの横方向の運動は、アームの縦軸の周りでのシリンダーの回転運動に変わり、シリンダーが基材512の表面を転がって、疱に対して基材を押圧するようにする。
圧縮部材および/または作動部材は、好ましくは再使用可能である。あるいは、圧縮部材および/または作動部材は、使い捨ての材料で作製される。圧縮プレートまたはシリンダーを構成するための材料は、元素金属、金属合金、ガラス、結晶、またはポリマーなどの任意の実質的な固形物とし得る。いくつかの実施形態では、圧縮部材および/または作動部材は、チタニウムまたはステンレス鋼で作製される。
いくつかの実施形態では、本発明による装置は、装置の中空体401に取り外し可能に結合され得るヘッド部分を含む。図5は、吸引疱を隆起させるための疱隆起機構402(例えば、加熱素子)を含む、取り外し可能なヘッド600の例示的な実施形態を示す。ヘッド600は、最上部の近位部分610と、装置の中空体に結合する遠位部分620とを含む。ヘッド600は、孔608を介して中空体401に結合される。ヘッド600を中空体401に取り付けた後、真空源が吸引管604に取り付けられ、装置の中空体内に負圧を生成し得る。図6は、中空体401に結合されたヘッド600を示す(まとめて700)。
いくつかの実施形態では、ヘッド装置は、1つ以上の覗き窓602を含む。覗き窓は、装置の中空体内での疱の形成を最適に見ることができるような位置に配置されている。図5に示すように、複数の覗き窓602がヘッド600内に組み込まれて、疱の形成を別の個所で見ることができるようにするか、または2人以上の使用者が疱の発症を監視できるようにする。いくつかの実施形態では、眼球シールドがビューイングレンズを囲み、使用者が疱の形成を見るとき、ビューイングレンズへの周辺光の入射をシールドが減衰させるようにする。
覗き窓602は、任意の透明材料で作製され得る。好ましい実施形態では、覗き窓602は、光学的品質の材料、例えば光学ポリマー、光学ガラス、または光学結晶で構成される。そのような材料は、さらに、内面に、外面に、またはそれら双方のいずれかに、またはそれら双方に配置された防曇性材料、傷防止コーティング、または防眩性コーティングのうちの1つ以上を含み得る。
いくつかの実施形態では、覗き窓は、耐熱性の光学ポリマー、光学ガラス、または光学結晶で作製され、ヘッド600内の疱隆起機構402の加熱素子からの反りまたは歪みを防止する。
覗き窓602の少なくとも一部分は、さらに、拡大レンズを含み、形成中の疱を見ることを容易にし得る。レンズの倍率は、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍とし得る。
さらに他の実施形態では、覗き窓602は、疱の形成を監視するために、覗き窓602にエッチングまたは塗装された1つ以上の較正マークを含み得る。覗き窓602が拡大レンズを含む場合、較正マークはレンズの倍率に較正されて、形成中の疱の実寸法、例えば実際の高さ、実際の直径、またはそれら双方を概算し得る。較正マークによって判断されるように所望の疱のサイズが形成されるとき、疱が切り取られる。
既に述べた通り、ヘッド600は、疱を隆起させるための機構402を含み得る。そのような機構は、一般に、加熱素子、例えばニクロム線を含み、およびヘッド600の最上部の近位部分610に配置される。
本発明のいくつかの実施形態では、ヘッド600は、ヘッド600の遠位側面612(すなわち、加熱素子に対し遠位である)を形成する透明または半透明の面620を含む。透明または半透明の面は、ヘッド600内の加熱素子から放出された電磁放射線を、中空体内に組み込まれた1つ以上のプレート部材へ伝達するのを容易にする材料で作製され、それにより、プレート部材を、およびその後、皮膚表面を温める。
いくつかの態様では、透明または半透明の面は、波長が約10ナノメートル〜約3000ナノメートルの光がその面を透過できるようにする材料で作製される。そのような範囲内の光の透過に好適な材料は、例えば、サファイア、石英、シリコン、ガーネット、シレナイト、溶融シリカ、溶融石英、二酸化チタン、セレン化亜鉛、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫化亜鉛、ヨウ化セシウム、ゲルマニウム、タリウムブロモヨージド、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、臭化カリウム、塩化ナトリウム、またはフッ化ストロンチウムなどの結晶物質を含む。結晶物質は偏光特性を有し得る。
他の好適な材料は、シリカガラス、フッ化ガラス、アルミノケイ酸ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、カルコゲナイドガラス、またはポリマーガラスなどのガラスを含む。ガラスは偏光特性を有し得る。
いくつかの態様では、ヘッド600は、ヘッド600の遠位側面612を形成する2つの透明または半透明の面620を含む。2つのプレートの面は、それらの間に空隙を有して、積み重ねられた形態にある。透明または半透明の面間の空隙は、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、約2.0mm、約3.0mm、約4.0mm、約5.0mm、約6.0mm、約7.0mm、約8.0mm、約9.0mm、約10.0mm、約11.0mm、約12.0mm、約13.0mm、約14.0mm、約15.0mm、約16.0mm、約17.0mm、約18.0mm、約19.0mm、約20.0mm、約21.0mm、約22.0mm、約23.0mm、約24.0mm、または約25.0mmである。
2つの透明または半透明の面は、同じ材料、または異なる材料とし得る。例えば、2つの面は双方とも、ガラスまたは結晶物質で作製され得る。あるいは、一方の面がガラス材である一方、他方の面は結晶物質である。
別の態様では、本発明は、微小移植片を生成しかつ微小移植片を移す統合装置に関する。より具体的には、本発明は、実質的に平面的な微小移植片を生成し、かつ微小移植片を必要とする患者に微小移植片を付与するのを容易にする包帯を準備するための装置に関する。本発明の装置を使用して、任意のタイプの皮膚移植片、例えば表皮の皮膚移植片、分層植皮片、または全層植皮片を準備できる。しかしながら、本発明の装置は、特に、皮膚の表皮層のみまたは実質的にそれのみを含む皮膚移植片の準備によく適している。本発明の装置は、自家移植片、同種移植片、または異種移植片に使用できる。好ましい実施形態では、移植片は自家移植片である。
ここで図7Aおよび7Bを参照して説明すると、装置1200は、上部ハウジング1201、カッターアセンブリ1202およびベースハウジング1203を含む。上部ハウジングは、カッターアセンブリ1202に結合される回転可能なハンドル1213を含む。上部ハウジングは、さらに、装置1200(ひとたび組み立てられたら)を皮膚表面に対して結合するためのストラップ1211を含む。ストラップは、サイズ調整可能であっても、または固定サイズであってもよい。上部ハウジング1201は、疱生成装置1204とアダプタープレート1205とを含む疱生成モジュール1210(図2B)を取り外し可能に収容するように構成されている。
図3A〜3Cは、装置1200の組み立てを示す。図3Aに示すように、カッターアセンブリ1202を上部ハウジング1201に挿入する。その後、上部ハウジング1201を、ベースハウジング1203の対応するネジ穴1218に受け入れられる1つ以上のネジ1212によって、ベースハウジング1203に結合して、カッターアセンブリ1202が上部ハウジング1201と底部ハウジング1203との間に配置されるようにする(図3B)。図3Cに示すように、その後、疱生成モジュール1210を上部ハウジング1201に挿入する。いくつかの実施形態では、上部ハウジング1201と相互作用するアダプタープレート1205の底部は、プレート1205の底部の外周にガスケットを含み、アダプタープレート1205と上部ハウジング1201とが結合されるとき、それらの間に気密シールを生じる。疱生成モジュール1210の疱生成装置1204は、アダプタープレート1205内の開口部1205aに結合される。いくつかの実施形態では、開口部1205a内にガスケットが配置されて、疱生成装置1204とアダプタープレート1205とが結合されるとき、それらの間に気密シールを生じる。
ここで図4を参照すると、装置1200のカッターアセンブリ1202が示されている。カッターアセンブリ1202は、底部プレート1202a、中心プレート1202b、および上部プレート1202cを含み、それら各プレートは、開口部(例えば、孔またはスロット)のアレイ1214(本明細書では、孔アレイ1214とも呼ばれる)を含む。底部プレート1202a、中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cにある孔アレイ1214の1つ以上の開口部は、切れ刃または切取面1215を規定する。好ましくは、少なくとも中心プレート1202bの孔アレイ1214の1つ以上の開口部は、切れ刃または切取面1215を規定する(図4)。3つのプレートは、中心プレート1202bが底部プレート1202aに結合され、かつ上部プレート1202cが中心プレート1202bに結合された状態で、積み重ねられた形態に組み立てられる。プレート1202a、1202bおよび1202cの1つ以上は、互いに対して横方向に可動であるように構成される。例えば、中心プレート1202bは、底部プレート1202a、上部プレート1202c、またはそれら双方に対して、横方向に可動とし得る。上部プレート1202cは、中心プレート1202b、底部プレート1202a、またはそれら双方に対して可動とし得る。いくつかの実施形態では、プレート1202a、1202bおよび1202cの1つ以上は、互いに対して固定距離内で横方向に動くように構成される。
中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cは、積み重ねられた形態において、中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cに横力が加えられるまでプレートを整列させたままに保つ働きをする少なくとも1つの壊れやすいセクションによって、それらのそれぞれのプレートに結合され、この横力は、壊れやすいセクションを壊し、かつプレートの互いに対する横方向運動を可能にし得る。特定の実施形態では、少なくとも中心プレート1202bは、少なくとも1つの壊れやすいセクションによって底部プレート1202aに結合される。少なくとも1つの壊れやすいセクションは、中心プレート1202bに横力が加えられると壊れるように構成され、中心プレート1202bが底部プレート1202a、上部プレート1202c、またはそれら双方に対して横方向に動くことができるようにする。好ましくは、中心プレート1202bは、底部プレート1202aおよび/または上部プレート1202cに対して固定距離内で横方向に動くように構成されている。特定の実施形態では、中心プレート1202bは、底部プレート1202aから垂直に延出するピン1217を受け入れるように構成された1つ以上の溝またはチャンネル1216を含む。ピン1217は、壊れやすいセクションに傷がないときには、チャンネル1216の一方の端部に受け入れられ、および壊れやすいセクションが壊されると対向端部までチャンネル1216内を横方向に摺動し、プレート1202aおよび/または1202cに対するプレート1202bの横方向運動は、チャンネル1216内でのピン1217の運動によって固定される。
下記でより詳細に説明するように、プレート間には1つ以上の結合部材が配置されて、壊れやすいセクションを形成し得る。1つ以上の結合部材は、孔アレイ1214内の開口部間に配置される。あるいは、1つ以上の結合部材は、孔アレイ1214の外側のプレート間に配置される。プレート部材の互いに対する壊れやすい結合は、機械的なスタンピング技術、機械的なパンチ技術、スポット溶接、フォトエッチング、エポキシ、接着剤、機械的圧縮、スナップ式アセンブリ、実矧ぎアセンブリ、ポストと棒とのアセンブリ、壊れやすいピン、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、成し遂げられ得る。
いくつかの実施形態では、中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cは、積み重ねられた形態で、中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cに横力が加えられるまでプレートを整列させたままに保つ働きをする少なくとも1つの弾性部材またはバネ部材によって、それらのそれぞれのプレートに結合され、この横力は、弾性/バネセクションが曲がるようにし、かつプレートの互いに対する横方向運動を可能にし得る。横力を除去すると弾性/バネセクションは弛緩し、それにより、プレートをそれらの元の位置に戻して、プレート間の孔アレイ1214が、再度、同心状に整列するようにする。1つ以上の弾性結合部材またはバネ部材は、孔アレイ1214内の開口部間に配置され得る。あるいは、1つ以上の弾性結合部材またはバネ部材は、孔アレイ1214の外側のプレート間に配置され得る。
好ましくは、底部プレート1202a、中心プレート1202bおよび上部プレート1202cの孔アレイ1214は、実質的にサイズが同様でありかつ実質的に形状がシリンダー状である孔を含む。各孔アレイ1214の孔のサイズは、必要な移植片のサイズに依存し、大きな孔が各プレートにおいて使用されると、大きな移植片を作り出す。いくつかの実施形態では、孔アレイ1214の孔は、直径が1mm〜12mmに及ぶか、またはそれらの間の任意の特定値である。例えば、プレート1202a、1202bおよび1202cの1つ以上の孔アレイ1214の孔の直径は、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、10.5mm、11mm、11.5mmまたは12mmとし得る。いくつかの実施形態では、孔アレイ1214の孔は、底部プレート1202a、中心プレート1202bおよび/または上部プレート1202cの間でサイズおよび/または形状が異なり得る。ひとたびカッターアセンブリ1202のプレート1202a、1202bおよび1202cが組み立てられたら(すなわち、積み重ねられた形態にある)、プレート1202a、1202bおよび1202cのそれぞれの孔アレイ1214が整列すなわち位置合わせされる。特定の実施形態では、プレート1202a、1202bおよび1202cの孔アレイ1214は、同心状に整列される。
装置1200は、2つの動作モード:1)疱生成モード(図5A);および2)疱採取モード(図5B)を有する。図5Aに示すように、疱生成モードは、疱生成モジュール1210を備えるアセンブリを含む。疱生成モジュール1210は、疱採取モードのために、装置アセンブリから取り外される(図5B)。複数の実質的に平面的な微小移植片を作り出して採取するために、疱生成モードの装置1200(すなわち、図5Aに示すように疱生成モジュール1210を備える)は、患者の内腿などのドナー部位1220に置かれる(図6A)。ストラップ1211を使用して、装置1200をドナー部位1220の皮膚表面に対して適所に保つ。疱生成装置1204のハンドル1204aを回す/クランクで回転させることによって、疱生成装置1204を作動させる。疱生成装置1204は、皮膚の疱を隆起させるために、真空部品、加熱部品、またはそれらの組み合わせを用いる。例示的な加熱部品は光源である。特定の実施形態では、機構は、真空部品と加熱部品の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、疱生成装置1204は、吸引疱移植のための吸引疱装置である。吸引疱移植は、皮膚の疱を隆起させてから、隆起した疱を切り取ることを含む。例示的な吸引疱移植技術は、Awad(Dermatol Surg、34(9):1186−1193、2008)に示されており、その内容全体を参照することにより本書に援用する。この論文はまた、吸引疱を形成するために使用される様々な装置を示している。吸引疱装置はまた、Kennedyら(米国特許第6,071,247号明細書)に説明されており、その内容全体を参照することにより本書に援用する。例示的な装置は、Electronic Diversities(Finksburg、MD)から市販されているNegative Pressure Cutaneous Suction Systemである。
吸引疱を隆起させるための装置は、一般に、患者の皮膚に取り付けられる吸引室を使用することによって、動作する。器械は、一般に、電力源、真空ポンプ、温度制御装置、および複数の吸引室を動作させる全てに関連する制御装置を含む。吸引室は、可撓性接続によってコンソールに接続される。各室は、事前設定された温度制御装置によって制御され、皮膚を温める最適な温度をもたらす。両室は、全ての室に等しく影響を及ぼす調整可能な共通の真空源を共有する。
室加熱システムは、患者の皮膚表面に直接接触する装置のオリフィスプレートをわずかに温める。負圧室は、ほとんどプラスチック部品で製作され、2つの取り外し可能なネジ式キャップを備える。上部キャップには、透明なビューイングレンズが取り付けられるため、実際の疱の形成を観察できる。室の対向端部には、患者の皮膚に置かれる取り外し可能なオリフィスプレートが取り付けられる。このプレートは、単に、室端部に通されているため、開口部のパターンが異なる複数のプレートに所望通りに入れ替えることができる。
装置の内部は、低電圧の白熱灯のアレイによって暖められ、かつ照明される。この灯のアレイは、器械コンソールの温度コントローラから制御され、必要に応じて循環して、設定点の温度を維持する。これらの灯から熱が発せられ、かつオリフィスプレートへ伝えられるため、患者の皮膚を温める。室は、複合型真空および低電圧電気システムを介してコンソールに接続される。真空および電気システムに迅速な接続を使用して、取り外しおよび保管を容易にする。
Negative Pressure Instrumentのコンソールは、120VAC 60 Hzの電力で動作するように設計される内蔵型のファン冷却ユニットである。真空は、0CFMでHgが20(0〜65kpa)の典型的な真空を可能にする、工業的品質のダイヤフラム型真空ポンプによって供給される。40℃に事前設定されるアナログコントローラが、各吸引室に温度制御装置を提供する。これにより、オリフィスプレートの温度を正確に制御する。器械コンソールは、所望する場合、使用者が温度設定を再調整できるようにする内部調整装置を有する。他の温度は、所望の場合に事前設定され得る。フロントパネルは、真空ゲージと、両室への真空を調整する真空ブリーダー調整装置とを含む。コンソールのフロントパネルはまた、室アセンブリへの接続部を含む。
疱生成装置1204から適度な負圧を加えることによって、患者の皮膚を、カッターアセンブリ1202のプレート1202a、1202bおよび1202cの同心状に整列された孔アレイ1214に優しく引く(図6B)。そのような行為によって、複数の隆起した微小疱1221、特に表皮の微小疱を生成させる。疱1221は、流体で満たされていても、または満たされていなくてもよい。生成された複数の吸引疱1221は、サイズが均一であり、ほぼカッターアセンブリ1202の3つのプレートの孔アレイ1214の開口部/孔のサイズであり、および孔アレイ1214の孔の形態に従って一様に離間して、複数の実質的に平面的な微小疱1221が生成されるようにする。皮膚および疱領域は、全体的に損傷されておらず、および患者の不快感は最小限である。
ひとたび実質的に平面的な微小疱1221が隆起され/生成されたら、装置は、上部ハウジング1201から疱生成モジュール1210を取り外すことによって、疱採取モードに変換され、それにより、カッターアセンブリ1202の上部プレート1202cの孔アレイ1214を露出させる。図6Bおよび図6Cに示すように、隆起した微小疱1221の少なくとも一部分は、孔アレイ1214の上部を通って突出する。図5Bおよび図7Aに示すように、基材1219が、隆起した疱1221に直接接触するように孔アレイ1214の表面に適用されている。
隆起した疱1221を切り取るために、ハンドル1213を時計回りまたは反時計回りの方向に回転させる(図7B)。ハンドル1213は、ハンドル1213の回転運動を中心プレート1202bの横方向運動に変える形態で、カッターアセンブリ1202の中心プレート1202bに結合される。ハンドル1213によって中心プレート1202bに加えられる横力が、底部プレート1202aおよび/または上部プレート1202cに対して中心プレート1202bを横方向に動かし、それにより、プレート2012a、2012bおよび1202cの間の孔アレイ1214の整列を乱す。中心プレート1202bの孔アレイ1214の横方向の変位によって、孔アレイ1214の1つ以上の孔によって規定された切取面1215に、隆起した疱1221を切り取らせる。隆起した疱1221が切り取られると、それらは同時に、孔アレイ1214内で生成されたのと同じ形態で基材1219上に移され/保持され、基材1219上で一様に離間されかつ一様な向きにされた複数の微小移植片を含む基材を生じる(すなわち、複数の実質的に平面的な微小移植片を含む基材)。
装置1200のいくつかの実施形態は、消耗部品/単回使用部品(例えば、基材1219および/またはカッターアセンブリ1202)と、再使用可能な、滅菌可能なまたは洗浄された部品(例えば、上部ハウジング1201、ベースハウジング1203および疱生成モジュール1210)とを統合し、それにより、簡単に維持できる信頼性の高いシステムを提供する。ドナーおよび/またはレシピエント組織と接触する装置1200の全ての構成要素(単回使用および再使用可能の部品双方)は、感染の危険性を低減させるために、無菌である/滅菌されている必要がある。
いくつかの実施形態では、基材1219は、片側に接着剤を含み、基材への疱の付着を容易にする。基材の材料は、固有の接着特性を有しても、またはその代わりに、基材の片側が、接着材料、例えば、LEUKOSPRAY(Beiersdoerf GmbH、Germany)などの接着スプレーで処理されていてもよい。基材は、変形可能な非弾力性材料とし得る。変形可能な非弾力性材料は、第1の形態から第2の形態へ操作され得る、例えば、伸張され得るまたは拡張され得る材料を指し、ひとたび第2の形態になると、基材には残留応力がなくなる。そのような材料は、それらの元のサイズに戻ることなく、拡張形態まで伸張され得る。そのような変形可能な非弾力性材料は、柔らかい、堅い、または柔らかくて堅い双方の傾向を有し得る。柔らかさは、デュロメータ基準で測定される。そのような材料の例は軟質ポリウレタンである。軟質ポリウレタンは、以下の通り生産される。概して、ポリウレタンは、通常は、ソフトセグメントおよびハードセグメントを含む。ハードセグメントは、フェニル架橋が存在することに起因する。軟質ポリウレタンでは、フェニル架橋は、脂肪族に切り替えられており、これは、その6カーボンリングに二重結合がないため、より可撓性がある。それゆえ、セグメントは全て柔らかい。デュロメータ基準では、軟質ポリエチレンは約ショア80Aと評価される。本発明の装置1200と一緒に使用するのに好適な他の材料は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエステル共重合体、ポリアミド共重合体、およびある種のシリコーンを含む。特定の実施形態では、基材1219はTegaderm(商標)である。
最終的に、複数の一様に離間されかつ一様な向きにされた(すなわち、実質的に平面的な)微小移植片を含む基材は、患者のレシピエント部位に適用される。移植片をレシピエント部位に適用する前に、その部位は、当業界で公知の任意の技術を使用して移植片を受け入れるように準備される。壊死、線維性または無血管性組織は除去する必要がある。部位を準備するために使用される技術は、レシピエント部位に対する損傷に依存する。例えば、表皮組織は、レシピエント部位に存在する場合、微小移植片を受け入れる領域を準備するために除去され得る。熱傷したまたは潰瘍化した部位は、表皮組織の除去を必要としないかもしれないが、部位をある程度洗浄するか、または部位の他の準備が行われ得る。創傷はデブリドマンされ、その後、移植片を適用する数日前に、肉芽組織が形成され得る必要がある。肉芽組織は細菌の住処となる傾向を有するため、肉芽組織のほとんどは除去される必要がある。移植の10日前に創傷にスルファジアジン銀を適用することによって、細菌数を大幅に少なくする。
レシピエント部位における領域のサイズは、微小移植片が接着された基材の領域とほぼ同じサイズとし得る。サイズは、全体的に、微小移植片を形成するためにドナー部位から除去された元の移植片組織の領域よりも大きい。脱色したまたは損傷した皮膚は、紙やすりまたは別のきめの粗い材料を用いて皮膚剥削され得る。あるいは、表皮組織は、治療されるべき部位にわたって1つ以上の疱、例えば、吸引疱または凍結性疱(freezing blister)を形成し、その後、隆起した表皮の疱組織を切り取るかまたは別の手法により除去することによって、レシピエント部位から除去され得る。
実質的に平面的な微小移植片を有する基材は、治療されるべき領域にわたって配置され、ドレッシングを形成し得る。微小移植片を有する基材の一部分は、再色素沈着(repigmentation)のための、修復されるべき領域、例えば、表皮組織が擦過されたまたは除去された領域にわたって、位置決めされ得る。基材は、例えばテープなどを使用して、治療領域上にわたって適所に固定され得る。基材は、十分な時間が経過した後で除去されて、例えば、数日間から数週間、治療領域への微小移植片の付着および成長を可能にし得る。
本発明の統合装置において使用するための均一な構成要素の製造
本発明は、さらに、本発明の統合装置において使用するための均一な構成要素の製造方法に関する。
実質的に平面的な微小移植片を生成するために、カッターアセンブリ1202内の構成要素は、互いに対して実質的に均一である必要がある。特に、カッターアセンブリ1202内の構成要素の平面は、実質的に均一である必要がある。
いくつかの態様では、1つ以上の結合部材を使用して、プレート部材1202a、1202bおよび1202cのうちの少なくとも2つの間に壊れやすい結合を生じる。結合部材は、プレート部材のうちの2つ以上の間に配置されて、既に述べた通り、前記プレートが互いに対して動くと壊れる、壊れやすいセクションを形成する。結合部材の平面とプレート部材のうちの1つ以上との間のあらゆる不一致、および/または結合部材とプレート部材のうちの1つ以上との間の寸法(例えば、幅)の不一致に対する許容誤差は非常に小さく、および非平面的で不均一な微小移植片、および装置の誤動作を生じ得る。
異なるシート素材の平面間の不一致、結合部材および/またはプレート用のブランクの製造方法、および結合部材および/またはプレートの仕上げ方法は、それぞれ、許容誤差の積み重ね(tolerance stackups)を、許容レベルを越えて大きくし、それにより、装置の効率および機能を低下させ、かつ使用に適さない微小移植片を生じ、および患者の不快感/困難を増し得る。
結合部材の生産寸法におけるばらつきの積み重ね、プレート部材の生産寸法におけるばらつき、およびプレート部材間の間隔のばらつきは、それぞれ、許容誤差の積み重ねを大きくし、かつ装置の機能を低下させ得る。カッターアセンブリ1202内の許容誤差を最適にするために、複数の結合部材は、好ましくは、カッターアセンブリ1202の少なくとも1つのプレート部材と同じシート素材から形成される。特定の実施形態では、複数の結合部材およびカッターアセンブリ1202の少なくとも中心プレート部材1202bは、好ましくは、同じシート素材(例えば、単一のシート素材)から形成される。結合部材および中心プレート部材1202bを同じシート素材から形成することにより、結合部材間、および結合部材とプレート部材1202bとの間を確実に均一の厚さにし、および結合部材とプレート部材1202bとの間を確実に均一で平面的な合わせ面にし、それにより、カッターアセンブリ1202内の許容誤差の積み重ねを小さくし、かつ適切な装置の機能を保証する。
プレート部材1202a、1202bおよび1202cは、使用される材料が3つのプレート間に実質的に平面的な合わせ面を生じる限り、互いに同じ材料、または異なる材料で形成され得る。好ましくは、プレート部材1202a、1202bおよび1202cは、金属材料(例えば、同じ金属材料、または異なる金属材料)から形成される。
いくつかの実施形態では、プレート部材1202a、1202bおよび1202cのそれぞれは、同じシート素材、好ましくは単一のシート素材から形成される。1つ以上の開口部(例えば、孔またはスロット)が各プレート部材内に形成されて、既に述べた通り、プレート部材が組み立てられると整列する孔アレイ1214を形成する。いくつかの実施形態では、結合部材は、同じシート素材から形成され、それから複数のプレート部材が生成される。結合部材およびプレート部材を同じシート素材から形成することにより、結合部材およびプレート部材の間の厚さを均一にし、および結合部材とプレート部材との間の均一な平面的な合わせ面を確実にし、それにより、カッターアセンブリ1202内の許容誤差の積み重ねを小さくし、および適切な装置の機能を保証する。
結合部材は、吸引疱が隆起する孔アレイ1214の孔を塞ぐことなく、プレートを結合するのに十分な任意の形状または寸法とし得る。例えば、結合部材の形状は、実質的に正方形または長方形である。あるいは、結合部材の形状は、実質的に円形である。いくつかの実施形態では、結合部材は、プレート部材の孔アレイ1214の孔の間の箇所に十分な形状およびサイズである。他の実施形態では、結合部材は、複数のプレートの縁に沿った箇所に十分な形状およびサイズである。
プレートおよび/または結合部材を、例えばドリリング、フライス削り、レーザーエッチング、リソグラフィ処理、フォトエッチング、レーザーアブレーションなどの任意の方法を使用して、製造できる。特定の実施形態では、フォトエッチング処理を使用してプレートおよび/または結合部材を製造する。
結合部材とプレート部材との間の壊れやすい結合は、様々な技術を使用して成し遂げられ得る。例えば、結合部材は、スポット溶接技術(例えば、レーザースポット溶接)によって、エポキシ、ポリウレタン、アクリルまたは樹脂などの接着剤によって、壊れやすいピン、スナップ式または実矧ぎアセンブリによって、プレート部材間で壊れやすく結合され得る。そのような壊れやすい結合技術は、冷間圧造、複数ダイフォーミング、複数ダイ順送り(multiple−die progression)、複数ダイヘッダー、キャスティング、スタンピング、パンチング、原子水素溶接、ベアメタルアーク溶接、炭素アーク溶接、フラックスコアードアーク溶接、ガスメタルアーク溶接、ガスタングステンアーク溶接、プラズマアーク溶接、被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、空気アセチレン溶接、酸素アセチレン溶接、酸素/プロパン溶接、酸水素溶接、ガス圧接、抵抗スポット溶接、抵抗シーム溶接、プロジェクション溶接、火花溶接、アプセット溶接、共押出溶接、冷間圧接、拡散溶接、爆発溶接、電磁パルス溶接、鍛接、摩擦溶接、摩擦攪拌溶接(friction stir welding)、高温圧接、熱間静圧溶接(hot isostatic pressure welding)、ロール溶接、超音波溶接、電子ビーム溶接、エレクトロスラグ溶接、流し溶接、誘導溶接、レーザビーム溶接、衝撃溶接、テルミット溶接、エレクトロガス溶接、およびアークスタッド溶接などの1つ以上の製造プロセスを使用して、成し遂げられ得る。
任意選択的に、壊れやすい結合部位にあるまたはその周りにあるプレート材料の一部分が除去されて、壊れやすいセクションにまたはその周りに窪みを形成することによって、結合部材の少なくとも一部分を収容する。例えば、一実施形態では、プレート部材上でレーザーエッチングまたはフォトエッチングを使用して、壊れやすい結合にまたはその近くに結合点の境界を定める。別の実施形態では、プレート部材のまたはその近くの窪みは、例えばドリリング、フライス削り、レーザーエッチング、フォトエッチング、レーザーアブレーションなどの、当業界で公知の任意の方法を用いて除去され得る。
図13は、本発明による皮膚ハーベスターの別の実施形態の分解図である。ハーベスター2000は、(例えば、内腿から皮膚を採取するために患者の脚に装置を巻き付けることにより、患者の皮膚へのハーベスター2000の取り付けを容易にするために、例えば、面ファスナータイプのストラップをハーベスターに接合するため)ストラップ結合器2004を備える底部要素2002を含む。
ハーベスター2000はまた、初めに、疱が隆起し得る同心状に整列した孔をもたらすように構成可能な、底部プレート2006、上部プレート2008および中心(カッター)プレート2010を備えるカッターアセンブリを含む。(カッターアセンブリのプレート2006、2008および2010の動作は、図7〜12に関連して上記で説明した要素1202a、1202bおよび1202cの動作と同様である)。ハーベスター2000は、さらに、カッター駆動スレッド(sled)2012、ハンドルアクチュエータ2014および上部要素2016を含む。
図13Aは、(明瞭にするために上部要素2016を省略した状態での)組立時のハーベスター2000の概略的な斜視図である。図13Bは、ハーベスター2000の概略的な斜視的な断面図である。
図13Cは、ハーベスター2000のガイドおよびカッタープレート2006、2008および2010の概略的な分解斜視図である。図7〜12において上記で説明した通り、カッタープレート2010は、ガイドプレート2006および2008に平行した方向に、往復運動で一度動くように設計される。整列された孔に突出する微小疱の形成に続いて、カッタープレートは方向2026に動いて疱をスライスし、その後、反対方向2028に動いて、刃体を少なくとも部分的に引っ込める。プレートの整列は、さらに、図13Dに示され、図13Dは、上部孔2032、底部孔2030およびカッタープレート孔2036が整列されて、疱ができて3枚のプレート全てに通過できるようにする形態にあるカッターおよびガイドプレートの上面図である(上部プレートの孔は、疱の形成および/または疱の成長を促進するために、底部プレートの孔よりも大きくし得る)。しかしながら、カッタープレートの孔はまた、切れ刃2034(仮想線で示す)を設けて通路を塞ぎ、かつプレート2010が上部および底部ガイドプレート2006、2008に対して動かされると、疱を切り取る。図13Dは、さらに、上部および底部プレートを接合させる複数のプレート接続ポスト2040のうちの1つと、カッタープレートが、静止した上部および底部プレート2006、2008に対して動くことができるようにする整列スロット2041とを示す。
切取プレートの様々な特徴が、例えば、リソグラフィック的に、レジストを堆積させてそれをパターニングし(例えば、露光することによって)、初期のプレートブランクの複数の部分がエッチングから保護されるようにする一方で、他の部分をエッチングによって除去し得る(例えば、孔および整列スロットを形成するために)ことによって、形成され得る。レジストはまた、パターニングされて、切れ刃部分の保護の程度を制限し、それにより、それら切れ刃部分の厚さを薄くするように付形し得る(例えば、ナイフの刃のように)。切れ刃の鋭さは、さらに、電解研磨によって高められ、それにより切取プレートの全体的な厚さを薄くし得る。
図13E(図13Cおよび図13Dと併せて)は、プレートコネクタアセンブリを提供する1つの方法を示す。上部、底部およびカッタープレートをスポット溶接することによって、垂直ポスト2040が形成され得る。しかしながら、溶接部において上部および底部プレートに接合するカッタープレート(「パック」2046)の部分は、例えば、切取行程の開始時に、カッタープレート2010から外れるように設計されている。
カッタープレートを動かすためのアクチュエータについて、ここで、図14〜18に関連して説明する。図14Aは、ハンドル(アクチュエータ)2014が初期位置にある状態の、初期位置にある図13のハーベスターの斜視図である。カッタープレート2010は、上述の通りスレッド2012に接合される。ハンドルは、全体的にシリンダー状の棒(アクスル)2020によってスレッド2012にリンク結合される。図14Bに示すように、シリンダー状の棒2020は、ハンドルが持ち上げられるかまたは閉鎖されると、軸の周りで回転する。しかしながら、シリンダー状の棒2020はまた、2つの非対称的な特徴:隆起2070および2074を有する。それゆえ、ハンドル2014は、レバーアームとしての機能を果たす。
図15Aは、切取機構をさらに示すための、上向き位置(ハンドルが持ち上げられた)にあるハーベスターの斜視図である。図15Bに示すように、これは、合わせ特徴2072(例えば、スレッドの溝)に係合する隆起2070(例えば、シリンダー状アクスル上の縦方向のリッジ)を生じる。ハンドルが下げられると、スレッドは、アクスル2020の回転によって動かされる。図16Aおよび図16Bは、中間切取(mid−cut)位置にあるハンドルを示す。
図17Aは、切取機構をさらに示すために、(切取から格納への)移行位置にある図13のハーベスターの斜視図を示す。アクスル2020の回転におけるこの点において、隆起2070は、合わせ特徴2072から引き離され、および第2の隆起2074が、スレッドの異なる部分2076(例えば、ショルダーパッド)に係合した。ハンドルがその下方部分に留まるため、アクスルの回転によってスレッドを反対の向きに動かし、それゆえ、カッタープレートを格納する。図18Aおよび図18Bは、最終的な(行程完了)位置にあるハーベスターを示す。
いくつかの実施形態では、本発明の装置は、表皮移植片を作り出すように構成される。皮膚は2層からなる。外層、すなわち表皮は外胚葉に由来し、およびより厚みのある内層、すなわち真皮は中胚葉に由来する。表皮は皮膚の約5%を構成し、および残りの95%は真皮である。図1は、皮膚の解剖学的構造を示す図である。皮膚の厚さは、解剖学的位置、性別、および個人の年齢に依存して変わる。2層の外側である表皮は、深部層からより表層への分化の進行段階において、主にメラノサイトおよびケラチノサイトからなる重層扁平上皮である。表皮には血管がない;それゆえ、下層の真皮からの、2つの層を分ける基底膜を通した拡散によって、栄養を受け取る必要がある。
真皮は、より複雑な構造である。真皮は、2つの層、表面の真皮乳頭層(papillary dermis)、および深部箇所にある網状真皮で構成される。真皮乳頭層は薄く、毛細血管、弾性線維、細網線維、およびある程度の膠原を含む、疎性(loose)結合組織を含む。網状真皮は、大きな血管、密に交錯した(interlaced)弾性線維、および表面に平行な層に配置された、粗く分岐した膠原線維を含む、密性(dense)結合組織の、より厚い層を含む。網状層はまた、線維芽細胞、肥満細胞、神経終末、リンパ、およびいくつかの表皮付属器を含む。真皮の構成要素を、ムコ多糖類(主にヒアルロン酸)、コンドロイチン硫酸、および糖蛋白で構成されるゲル様の基質が囲んでいる。
移植片では、ドナー部位の特徴は、移植片の皮膚の構成要素の厚さに応じて、レシピエント部位への移植後に維持される傾向が強い。しかしながら、より厚い移植片は、血管再生を増すための条件ゆえに、生き残るために、より好ましい状態を必要とする。しかしながら、本発明による実質的に表皮移植片は、レシピエント部位の特徴に適合する傾向が強いことが発見された。
表皮移植片は、実質的に表皮の皮膚からなりかつ皮層(dermal layer)の実質的な部分を全く含まない移植片を指す。分層植皮片は、皮膚の表面(上皮)のシート、およびいくつかの深層(真皮)のシートを含む移植片を指す。全層植皮片は、血管を含め、皮膚の層を全て含む移植片を指す。
本発明の装置を使用して、多数の異なるタイプの皮膚損傷を修復するために、皮膚移植片を採取し得る。例えば、採取された移植片を使用して、熱傷(例えば、熱的および化学的熱傷の双方)、疱形成、皮膚疾患(dermatological condition)(例えば、表皮疱症または壊疽性膿皮症)、放射線治療による潰瘍、糖尿病性潰瘍、虚血性潰瘍、栄養障害性潰瘍、外傷、または脱色(例えば、白斑)を治療し得る。
特定の実施形態では、皮膚移植片を使用して白斑を治療し得る。白斑は、皮膚のところどころに斑状に脱色を生じる慢性疾患である。白斑は、メラノサイト、皮膚の色素沈着に関与する細胞が死滅するかまたは機能できないと、発生する。斑は、最初は小さいが、それらは大きくなり、かつ形状を変化させることが多い。皮膚病変が生じる場合、顔、手および手首で最も顕著である。一部の病変は、縁の周りで色素沈着過剰である。脱色は、特に、身体開口部、例えば口、眼、鼻孔、生殖および臍の周りで目立つ。
白斑は、一般的に、2つのカテゴリー、非区域性(non−segmental)白斑および区域性(segmental)白斑に分類される。非区域性白斑(NSV)では、通常、脱色の斑の箇所に何らかの形態の対称性がある。新しい斑はまた、時間が経つにつれて出現し、かつ体の大きな部分にわたって汎発性となり得るか、または特定の領域に限局化し得る。ほとんど色素沈着していない皮膚が残る白斑は、全身型白斑(vitiligo universalis)と称する。十代で発症(prevalent)することがはるかに多い区域性白斑とは異なり、非区域性白斑は、どの年齢でも生じる可能性がある。
区域性白斑(SV)は、関連の病気とは外見、病因論および有病率が異なる。その治療は、非区域性白斑の治療とは異なる。区域性白斑は、脊椎(spine)からの後根に関連付けられる皮膚領域に影響を及ぼす傾向がある。区域性白斑は、非区域性白斑よりも遥かに迅速に広がり、かつ、治療をしないと、その過程において、遥かにより安定的/静的であり、および自己免疫疾患との関連はない。
白斑を治療するために、自家移植片が、脱色した皮膚の部位に提供される。移植片はメラノサイトを含むため、レシピエント部位が移植片を受け入れると、移植片は、レシピエント部位に、色素沈着した皮膚を生じる。色素沈着した皮膚のドナー部位は、皮膚移植片の採取前に無菌的に洗浄される。標準的な方法を使用してドナー部位を洗浄する。典型的なドナー部位は内腿であるが、色素沈着した皮膚のどの領域を使用してもよい。
洗浄後、移植される皮膚が、本発明の装置を使用して採取される。本明細書で説明した装置は、疱、例えば吸引疱を隆起させて作って、切り取る。脱色した皮膚の領域(すなわち、レシピエント部位)は、無菌洗浄および皮膚擦傷法によって準備される。移植片は、皮膚擦傷されたレシピエント部位に適用される。ドナー部位およびレシピエント部位に包帯が巻かれ、および創傷ケアがなされる。
参照による援用
他の文献、例えば特許、特許出願、特許公報、ジャーナル、本、新聞・論文、ウェブコンテンツなどの参照および引用は、本開示を通して行われた。そのような文献は全て、それら全体を、参照することによりあらゆる目的で本書に援用する。
等価物
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱せずに、他の具体的な形態において供されてもよい。それゆえ、上述の実施形態は、あらゆる点で、本明細書で説明した発明に限定されるものではなく、説明するものであるとみなされる。それゆえ、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲に示され、およびそれゆえ、特許請求の範囲の等価物の意図および範囲内にある変更は全て、本明細書に含まれるものとする。